JP4340954B2 - 水溶性高分子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に電子部品用の分散剤、レジスト、バインダー等の用途に有用な、金属不純物の含有量が少ない水溶性高分子化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
不飽和カルボン酸系単量体およびビニルラクタム系単量体を共重合してなる水溶性高分子化合物は、その水溶性、粘性、分散性等の優れた性質により、様々な分野へ利用されている。一般には水性塗料の顔料分散剤やスプレー整髪料の固着成分として広く用いられているが、近年では電子部品の導電性ペーストやレジスト等への応用事例も数多く見られ、成長著しいIT関連の技術分野においても幅広く利用されていることがうかがえる。
【0003】
不飽和カルボン酸系単量体およびビニルラクタム系単量体を共重合してなる水溶性高分子化合物の製造法としては、水系溶媒中でラジカル重合開始剤を使用して重合する方法が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】
特開2001−200009号公報
また、30000未満の分子量を有する水溶性重合体を製造する方法が特許文献2に記載されている。この方法では、水中に各単量体とラジカル重合開始剤とを共に連続的に反応系に供給している。
【特許文献2】
特開平7−278206号公報
【0004】
しかし単量体を始めとする水溶性高分子化合物の原料には金属不純物が微量ながら含まれており、また重合開始剤や連鎖移動剤が金属塩の場合は重大な金属イオン発生源となる。さらに反応槽や各種配管等の製造設備から磨耗や溶出により金属が混入する可能性も考えられる。これらの要因により、生成した水溶性高分子化合物には微量の金属不純物が含まれているが、電子部品用途においては回路の微細化が年々進んでおり、たとえ金属不純物が数ppm程度の微量であっても回路短絡等の不良発生原因となりうるため、100ppb以下の金属低減が要求されることも多い。
【0005】
ポリマー中に含まれる金属不純物の低減方法としては、特許文献3にイオン交換樹脂を充填したカラムを通過させる方法が記載されている。また、特許文献4には、ゼータ電位を生じるフィルターを通過させる方法が提案されている。
【特許文献3】
特開2002−182379号公報
【特許文献4】
特開平8-165313号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、不飽和カルボン酸系単量体およびビニルラクタム系単量体を共重合してなる水溶性高分子化合物について、このような微量の金属不純物の除去を検討した。しかし、濾過や洗浄では金属不純物をほとんど除去することができなかった。また、一般的な吸着材(例えばシリカゲル、活性炭、活性白土、ゼオライト、モレキュラーシーブや無機合成吸着材)による精製でも、金属不純物の含有量を100ppb以下にまで低減することは困難であり、目標とする性能が得られないという問題があった。
【0007】
また、特許文献4記載の方法では、分子量5000〜8500程度のビニルフェノール系重合体から金属不純物を除去することに成功している。しかし、これらの文献では、不飽和カルボン酸系単量体およびビニルラクタム系単量体を共重合してなる水溶性高分子化合物について、金属不純物の除去可能性は検討されておらず、特に分子量の好適範囲について検討されていない。分子量が高くなると、流動性が極端に低下したり溶媒に不溶な成分が析出したりするため、カラムやフィルターを通過しにくくなり、金属低減処理ができなくなるという問題があった。
【0008】
本発明の課題は、不飽和カルボン酸系単量体およびビニルラクタム系単量体を水系溶媒中にて水溶性重合開始剤を用いてラジカル共重合して得られた水溶性高分子であって、金属不純物が100ppb以下の水準にまで低減された水溶性高分子を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、このような従来の水溶性高分子化合物の製造方法における問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた。この結果、前記水溶性高分子化合物の反応工程において重量平均分子量を10000〜100000の範囲に制御し、反応終了後に、カチオン電荷調節剤を添加した繊維質より構成される吸着材を使用して処理することにより、水溶性高分子中の金属含有量を100ppb以下にまで低減できることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
【発明の実施の形態】
すなわち本発明は、特定の不飽和カルボン酸系単量体およびビニルラクタム系単量体を水系溶媒中にて水溶性重合開始剤を用いてラジカル共重合することにより得られる水溶性高分子化合物であって、反応工程において重量平均分子量を10000〜100000の範囲に制御し、反応終了後に表面にカチオン電荷調節剤を添加した繊維質より構成される吸着材を使用して金属不純物の含有量を100ppb以下にまで低減することを特徴とする。
【0011】
不飽和カルボン酸系単量体は、(メタ)アクリル酸もしくはその塩ないし無水物である。(メタ)アクリル酸とはアクリル酸もしくはメタクリル酸であり、これらをそのままもしくは中和塩として使用することができる。中和塩としては、金属塩は金属不純物の発生要因となるため、アンモニウム塩や有機アミン塩等の金属を含まないものを使用することが好ましい。これらの単量体もしくはその塩から1種以上をビニルラクタム系単量体と適宜組み合わせて使用することが可能である。
ビニルラクタム系単量体は特に限定されないが、ビニルピロリドンが特に好ましい。
【0012】
水溶性高分子の組成は、好ましくは、不飽和カルボン酸系単量体が10〜90重量%、ビニルラクタム系単量体が90〜10重量%であることが好ましい。不飽和カルボン酸系単量体の量は一層好ましくは30〜70重量%であり、ビニルラクタム系単量体の量は一層好ましくは70〜30重量%である。各単量体の組成比が10重量%未満の場合、生成する水溶性高分子において各単量体の特性が十分に発現せず、共重合の効果が期待できないためである。
【0013】
前記水溶性高分子には、不飽和カルボン酸系単量体およびビニルラクタム系単量体と共重合可能な他の単量体を組み合わせて使用することができる。このような単量体としては、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ポリエチレングリコール誘導体のアリルエーテル等が挙げられる。
【0014】
前記水溶性高分子には、水溶性を損なわない範囲で少量の非水溶性の単量体を共重合してもよい。非水溶性の単量体としては、例えば不飽和カルボン酸のアルキルエステル、スチレン、カルボン酸のビニルエステル等が挙げられる。
【0015】
本発明の製造方法においては、水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、10000〜100000の範囲に制御する。重量平均分子量が10000未満の場合、分子サイズが小さすぎるために粘性付与や分散性等の効果が低くなる。粘性付与や分散性向上の観点からは、水溶性高分子の重量平均分子量は20000以上であることが更に好ましい。
【0016】
また、水溶性高分子の重量平均分子量が100000を超える場合、高分子化合物水溶液の粘度が著しく高くなり、流動性が損なわれる。これにより、吸着材を通過する際の負荷が過大となり、金属不純物の除去が難しくなることが分かった。この観点からは、水溶性高分子の重量平均分子量は60000以下であることが更に好ましい。更に、水溶性高分子の重量平均分子量を100000以下とすることによって、作業性が低下するばかりでなく、特にレジスト用途ではスピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布するため、均一な塗布が不可能となる場合がある。さらにレジスト用途では現像後に未硬化部分を洗い落とすため塗膜の再溶解性が重視されるが、高分子量になると再溶解性が低下して溶け残りを生じ、品質異常発生の原因となる。
【0017】
前記水系の重合溶媒としては好ましくは水単独、特に好ましくはイオン交換水が用いられるが、必要に応じて水溶性の溶媒を添加してもよい。水溶性の溶媒としては、特に限定されないが、たとえばメタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール、ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、1,4−ジオキサン等のエーテル類等が挙げられ、これらの中から1種以上を目的に応じて適宜選択して使用できる。
【0018】
前記水系の重合溶媒の使用量は特に制限されるものではないが、通常は前記単量体と重合溶媒の合計に占める単量体の割合を10〜60重量%程度とすることが好ましい。重合溶媒が少なすぎると重合反応による発熱を十分に除去できず、温度制御が困難になる恐れがある。また重合溶媒が多すぎると反応装置の単位容積あたりの生産効率が著しく低下するため好ましくない。
【0019】
前記水溶性重合開始剤としては、水溶性ラジカル重合開始剤である過硫酸塩、もしくはアゾ化合物が好ましく使用される。具体的には、過硫酸アンモニウム、2,2‘−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2‘−アゾビス−2,4−ジメチルバレロ二トリル、4,4‘−アゾビス−4−シアノバレイン酸およびその塩等が挙げられ、適宜選択することが可能であるが、生成物中の金属不純物を低減する必要があるため、金属塩以外のものを使用することが好ましい。
水溶性重合開始剤の添加量は、単量体の総量に対して0.001〜10重量%であり、好ましくは0.01〜8重量%である。
【0020】
本発明の水溶性高分子の重合反応には、必要に応じて連鎖移動剤を併用することが可能である。一般に広く使用されている連鎖移動剤の中には金属塩が多いが、生成物中の金属不純物を低減する必要があるため金属塩以外のものを使用することが好ましい。具体的には、例えばn−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、2−プロパノールやt−ブチルアルコール等の第2アルコール類が挙げられる。
【0021】
本発明の水溶性高分子の製造方法では、原料となる単量体を滴下もしくは段階的に投入することにより反応容器中に仕込むことが好ましい。単量体を一度に全て仕込むと、高分子化合物の重合度が増大し、100000を超える可能性が高く、分子量の制御が難しい。これらの単量体はそれぞれ独立して仕込んでもよく、他の単量体を混合して仕込んでもよく、水その他の溶媒と混合して仕込んでもよい。
【0022】
単量体の滴下もしくは段階的な投入による仕込みに要する時間は、30分〜5時間であることが好ましく、1〜3時間であることがより好ましい。仕込み時間が30分より短いと反応が急激に進行し、反応熱が十分除去できずに反応が暴走したり、高分子化合物の重合度が増大し、分子量を100000以下に制御することが難しい。一方、仕込み時間が5時間より長い場合には、重合開始剤の一部が仕込み途中で失活して重合反応に寄与しなくなり、高分子化合物の重合度が低くなって過度に低分子量となったり、甚だしい場合には重合反応が完了せず生成物中に未反応の単量体が多量に残留する恐れがある。また長時間の仕込みは生産効率の低下によるコストアップにもつながるため好ましくない。
【0023】
また、好適な実施形態においては、水溶性重合開始剤の総量の70重量%以上を、不飽和カルボン酸系単量体およびビニルラクタム系単量体の添加に先立って反応系中に初期に添加する。この後に各単量体を滴下または段階的な投入によって反応系に供給することによって、重量平均分子量を10000〜100000に一層確実に制御できる。好ましくは、水溶性重合開始剤の総量の90重量%以上、より好ましくは水溶性重合開始剤のほぼ総量を、不飽和カルボン酸系単量体およびビニルラクタム系単量体の添加に先立って反応系中に初期に添加する。
【0024】
本発明の共重合反応は50〜90℃の温度範囲で行われる。反応温度が50℃未満の場合、重合開始剤の分解効率が低下して共重合反応が十分に進行せず、多くの単量体が生成物中に未反応のまま残存するため好ましくない。また重合開始剤の一部が分解せずに生成物中に残留することにより、貯蔵時の環境によっては容器内で重合反応が起こり、粘度が著しく上昇して使用不能となる可能性がある。さらに容器内で重合が急速に進行した場合には、発熱による発火や爆発、容器内圧力上昇による容器破損や内容物流出の危険がある。一方反応温度が90℃を越える場合、反応が暴走し、反応液の突沸やゲル化により反応装置やその周囲の環境に危害を及ぼす恐れがある。さらに重合溶媒は水系であるから沸点は100℃前後であり、特に反応装置が開放形の場合、重合溶媒が沸騰して溶媒および単量体が揮発により失われる可能性があるため好ましくない。
【0025】
好適な実施形態においては、反応容器への単量体および重合開始剤の仕込みを完了した後、熟成工程を経る。ここで熟成とは、反応容器に単量体や重合開始剤を追加することなく、反応容器内の単量体の重合反応を促進する工程を指す。熟成工程もまた前工程である重合反応と同様に50〜90℃の温度範囲で行われるが、重合反応と同じ温度で実施してもよく、各種条件に応じて温度を適宜変更することも可能である。熟成工程に要する時間は各種条件によって異なるがおよそ30分〜10時間、好ましくは1〜8時間である。
【0026】
水溶性高分子化合物を金属不純物除去のために吸着材で処理する工程において、一般的な吸着材、例えばシリカゲル、活性炭、活性白土、ゼオライト、モレキュラーシーブ等の多孔質による吸着では、金属のイオンや微粒子を十分に吸着低減することは困難であった。また金属酸化物を含む無機合成吸着材等の場合には、むしろ金属成分が溶出する可能性もあった。
【0027】
本発明における金属不純物を除去する吸着材は、カチオン電荷調節剤を添加した繊維質より構成される吸着材である。
【0028】
陽イオン交換基を有する樹脂より構成される吸着材は併用できる、架橋ポリスチレンや高分子量のポリエチレンを基材とし、スルホン酸基やカルボン酸基のような酸基を導入したものが好ましく用いられる。市販品としてはアンバーライトIR120B、アンバーライトIR124、アンバーライト200CT、アンバーライトIRC50、アンバーライトIRC76(以上Rohm& Haas社製)、ダイヤイオンSK1B、ダイヤイオンSK110、ダイヤイオンSK112、ダイヤイオンSK116、ダイヤイオンPK208、ダイヤイオンPK212、ダイヤイオンPK216、ダイヤイオンPK220、ダイヤイオンPK228、ダイヤイオンHPK25、ダイヤイオンWK10、ダイヤイオンWK40(以上三菱化学(株)製)等のビーズ状のものや、イオンクリーンAB、イオンクリーンDFA(以上ポール社製)等のフィルター状のものが挙げられる。
【0029】
カチオン電荷調節剤を添加した繊維質より構成される吸着材について述べる。この繊維質とは、セルロース、ナイロン66、アラミド樹脂等の樹脂からなる繊維質のことである。カチオン電荷調節剤とは、陽イオンシリカ、メラミン−ホルムアミド、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン等のカチオン電荷変性剤を意味する。繊維質にカチオン電荷調節剤を添加することによって、ゼータ電位を付与し、金属吸着能を得ることができる。このようなカチオン電荷調節剤を添加した繊維質より構成される吸着材は、フィルター状に成形されていることが好ましい。市販品を例示すると、ゼータプラス30LM、ゼータプラス50LM、ゼータプラス60LM、ゼータプラス90LM、ゼータプラスEC−020GN、ゼータプラスEC−050GN、ゼータプラスEC−080GN、ゼータプラスEC−150GN、ゼータプラスMK、エレクトロポアER、エレクトロポアIIEF(以上キュノ(株)製)、ポジダインNIZ、ポジダインNAZ、ポジダインNBZ(以上ポール社製)等が挙げられる。
【0030】
また、表面に陽イオン交換基を有する樹脂と、カチオン電荷調節剤を添加した繊維質とを組み合わせた吸着材も、本発明において好ましく使用されるものである。このような吸着材の市販品としてはゼータプラスEC−40QSH(キュノ(株)製)が挙げられる。
【0031】
吸着材を使用して水溶性高分子化合物中の金属不純物を除去する工程においては、吸着材の形状がビーズ状の場合、吸着材を充填したカラム中に水溶性高分子化合物を流通させてもよく、水溶性高分子化合物と吸着材を混合した後に両者を分離してもよい。カラムを使用する場合、水溶性高分子がカラムを通過する速度は空間速度(SV)で表される。これは1時間に吸着材の容積の何倍の容量を流すかを示す数値であり、特に限定はされないが、通常SV=1〜30であり、好ましくはSV=4〜20である。
【0032】
吸着材の形状がフィルター状の場合、水溶性高分子化合物中の金属不純物を除去する際にフィルターを通過する際の差圧は2.0kg/cm2以下であることが好ましく、0.5kg/cm2以下であることがより好ましい。差圧が2.0kg/cm2より高いとフィルターに過大な負荷が掛かって寿命が短くなり、甚だしい場合はフィルターが破損し金属不純物が除去されずに通過してしまうため好ましくない。
【0033】
金属不純物除去工程において、水溶性高分子化合物の溶液状態における粘度は特に限定されないが、金属不純物を除去する吸着材のカラムやフィルターを通した際に十分な流量を有する必要がある。そのため200cP以下であることが好ましく、100cP以下であることがより好ましい。溶液の粘度を低減するためには水系溶媒を増量して水溶性高分子の濃度を下げることが有効であるが、その場合にも濃度は5重量%以上とすることが好ましい。一般に濃度が5重量%未満の場合、実際の用途に供する際には水系溶媒が過剰となり、溶媒を除去するための濃縮工程が必要となるため好ましくない。
【0034】
本発明の水溶性高分子化合物の水に対する溶解性は特に限定されないが、実際に使用する濃度および温度における水溶液の外観が透明であり、ゲルや不溶分のない均質な液体であることが好ましい。外観に不溶もしくは難溶成分による濁りがみられたり、あるいは高粘度のゲル等が存在する場合、製造工程において吸着材の目詰まりが発生したり、実際の用途に供する際にノズルの詰まりや塗布ムラ等を生じやすく、作業性低下や品質異常の原因となるため好ましくない。
【0035】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0036】
(実施例1)
温度計、撹拌機、窒素導入管、冷却コイルおよび還流冷却管を備えた5リットル反応容器にイオン交換水3000gを仕込み、反応系を窒素置換した後に撹拌しながら70℃まで昇温した。次に過硫酸アンモニウム15gを投入し、完全に溶解させた後にアクリル酸500g、ビニルピロリドン250gを2時間に渡って均一に滴下した。滴下時の反応系中の温度は70±5℃に制御した。さらに滴下終了後から4時間に渡って、引き続き反応温度を70±5℃に保ち熟成させた後、反応液を室温まで冷却した。反応液の外観は一様な透明溶液であった。
【0037】
反応液を室温まで冷却した。
次いで、「ゼータプラスEC−150GN」(90mm径、キュノ(株)製)をセットした密閉型フィルタハウジングに反応液をチュービングポンプを使用して差圧0.3kg/cm2にて供給し、濾過処理を行った。得られた水溶性高分子化合物の重量平均分子量は43900、分子量分布は1.86、金属含有量はNa、Fe、Caいずれも10ppb以下であった。
【0038】
(実施例2)
実施例1と同様の操作にて反応を行った後、反応液を室温まで冷却した。
次いで、「ゼータプラスEC−40QSH」(90mm径、キュノ(株)製)をセットした密閉型のフィルタハウジングに反応液をチュービングポンプを使用して差圧0.5kg/cm2にて供給し、濾過処理を行った。得られた水溶性高分子化合物の重量平均分子量は43400、分子量分布は1.87、金属含有量はNa、Fe、Caいずれも10ppb以下であった。
【0039】
(比較例1)
実施例1と同様の操作にて反応を行い、反応液を室温まで冷却した後、ナイロンメッシュ#150により濾過を行った。得られた水溶性高分子化合物の重量平均分子量は40200、分子量分布は1.78、金属含有量はNaが810ppb、Feが280ppb、Caが210ppbであった。
【0040】
(比較例2)
実施例1と同様の操作にて反応を行い、反応液を室温まで冷却した後、反応容器中に無機合成吸着剤キョーワード600(協和化学工業(株)製)を37.5g投入し、1時間撹拌した後に水溶性高分子化合物の水溶液から吸着剤を濾紙を用いて濾別した。水溶液の外観にやや濁りが見られた。得られた水溶性高分子化合物の重量平均分子量は39600、分子量分布は1.63、金属含有量はNaが140ppb、Feが250ppb、Caが190ppbであった。
【0041】
(比較例3)
実施例1と同様の反応容器内に、イオン交換水3000gを仕込み、反応系中を窒素置換した後に撹拌しながら70℃まで昇温した。次に過硫酸アンモニウム15gを投入し、完全に溶解させた後にアクリル酸500g、ビニルピロリドン250gを20分で滴下した。滴下時の反応系中の温度は70±5℃に設定したが、滴下時には90℃以上まで上昇した。さらに滴下終了後から4時間に渡って、引き続き反応温度を70±5℃に保ち熟成させた後、反応液を室温まで冷却した。反応液の外観は白濁した液体であった。
【0042】
この反応液をイオン交換水にて有効成分5%に希釈し、ダイヤイオンSK112(三菱化学(株)製)を200g充填した内径50mmのカラムに投入したが、カラムが目詰まりを起こし反応液が通過しなくなったため処理を中止した。未処理の水溶性高分子化合物からサンプリングしてGPC測定を行ったところ、重量平均分子量は116500、分子量分布は2.54であった。
【0043】
(比較例4)
比較例3の熟成後の反応液をイオン交換水にて有効成分5%に希釈し、「ゼータプラスEC−40QSH」(90mm径、キュノ(株)製)をセットした密閉型フィルタハウジングに反応液をチュービングポンプを使用して供給したが、差圧が3.0kg/cm2を超えて上昇し、装置破損の危険があるため処理を中止した。
【0044】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、特定の不飽和カルボン酸系単量体およびビニルラクタム系単量体を水系溶媒中にて水溶性重合開始剤を用いてラジカル共重合して得られた水溶性高分子であって、金属不純物が100ppb以下の水準にまで低減された水溶性高分子が得られる。
Claims (4)
- 不飽和カルボン酸系単量体およびビニルラクタム系単量体を水系溶媒中にて水溶性重合開始剤を用いてラジカル共重合することにより、重量平均分子量10000〜100000の水溶性高分子化合物を得るラジカル共重合反応工程、および
前記反応終了後に、カチオン電荷調節剤を添加した繊維質より構成される吸着材を使用して、前記水溶性高分子化合物から金属不純物を除去し、前記金属不純物の含有量を100ppb以下にまで低減する金属不純物除去工程
を有しており、前記不飽和カルボン酸系単量体が、アクリル酸、アクリル酸の塩、アクリル酸の無水物、メタクリル酸、メタクリル酸の塩またはメタクリル酸の無水物であることを特徴とする、水溶性高分子化合物の製造方法。 - 前記ラジカル共重合工程において、前記不飽和カルボン酸系単量体および前記ビニルラクタム系単量体を滴下もしくは段階的投入により反応系中に供給することを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 前記ラジカル共重合工程において、前記水溶性重合開始剤の総量の70重量%以上を、前記不飽和カルボン酸系単量体および前記ビニルラクタム系単量体の添加に先立って反応系中に添加することを特徴とする、請求項2記載の方法。
- 前記ビニルラクタム系単量体がビニルピロリドンであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の方法。
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