JP4384890B2 - スピニングリールのドラグ調整つまみ - Google Patents

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本発明は、ドラグ調整つまみ、特に、スピニングリールのリール本体に対して前後移動自在であり先端に第1雄ねじ部が形成されたスプール軸に、後方への移動が規制された状態で回転自在に装着されたスプールを制動するドラグ機構のドラグ力を調整するスピニングリールのドラグ調整つまみに関する。
スピニングリールのスプールに設けられたフロントドラグ機構のドラグ力を調整するドラグ調整つまみとして、2つの操作体を有するものが知られている(たとえば、特許文献1及び特許文献2参照)。前者の従来のドラグ調整つまみは、ドラグ力を調整するためのドラグノブ(第2操作体の一例)と、スプール軸の先端に装着されたスプール着脱用の係止具(第1操作体の一例)と、スプール軸に回転不能に装着され外周に雄ねじ部が形成されたスプール受け(筒状体の一例)とを備えている。第1操作体は、スプール軸の先端に形成された第1雄ねじ部に螺合しており、脱落を防止するために第2操作体により覆われている。第2操作体は、スプール受けの第2雄ねじ部に螺合する押圧体に回転不能に係合している。第2操作体は、第1操作体の前方を覆うアーチ状のカバー部を有している。スプール受けは、スプール軸に固定されたストッパー及び第1操作体に接触して前後移動が規制されている。
このような構成の前者の従来のドラグ調整つまみでは、ドラグ力を調整するときには、第2操作体を回す。第2操作体を回すと、押圧体がスプール受け部に対して回転してスプール軸方向に前後移動し、ドラグ機構のドラグ力が変化する。また、スプールを着脱する際には、第1操作体を回す。第1操作体をねじが緩む方向に回すと、第1操作体がスプール軸から外れドラグ調整つまみが外れてスプールを取り外すことができる。
後者のスプール調整つまみは、スプール軸の先端に螺合する第1調整体(第1操作体の一例)と、第1調整体のスプール側に配置され、第1調整体の径方向外方に位置する操作部を有する第2調整体(第2操作体の一例)と、第1調整体の調整力をドラグ機構に伝達する伝達部材(筒状体の一例)とを有している。第1操作体は筒状であり、第2操作体は、第1操作体の外周側から径方向外方に延びている。筒状体は、スプール軸に回転不能かつ軸方向移動自在に設けられており、筒状体と第2操作体との間にはカムやねじなどからなる移動機構が設けられている。
このような構成の後者の従来のドラグ調整つまみでは、大まかな初期ドラグ力を第1操作体で調整する。そして、第2操作体では、初期ドラグ力より増加するドラグ力を細かく調整する。
特開平11−318285号公報 実公平6−29032号公報
前記両従来の構成では、第1操作体の外周部が露出しているので、他のものとの意図しない接触や衝突により第1操作体が回転するおそれがある。第1操作体が回転すると、前者の従来技術ではスプールがスプール軸に対して緩んでがたつくおそれがある。後者の従来技術ではドラグ力が変化するおそれがある。このように、2つの操作体を有するドラグ調整つまみにおいて、スプール軸の先端に配置された第1操作体が釣り人の意図に反して回動すると上記のような不具合が発生するおそれがある。
本発明の課題は、2つの操作体を有するドラグ調整つまみにおいて、先端側に配置された第1操作体が不意に回動しないようにすることにある。
発明1に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、スピニングリールのリール本体に対して前後移動自在であり先端に第1係合部が形成されたスプール軸に、後方への移動が規制された状態で回転自在に装着されたスプールを制動するドラグ機構のドラグ力を調整するつまみであって、第1操作体と、筒状体と、第2操作体とを備えている。第1操作体は、スプール軸との相対回転により前後移動するように第1係合部に係合する第1被係合部を有する円筒状のものである。筒状体は、第1操作体の後方に配置され、第1操作体により前方への移動が規制された状態でスプール軸に回転不能にかつ軸方向移動自在に装着され、外周に第2係合部を有するものである。第2操作体は、第1操作体と同芯に配置され、第1操作体の周囲を筒状に覆いかつ部分的に露出させるカバー部、及び筒状体との相対回転により前後移動するように第2係合部に係合する第2被係合部を有し、ドラグ機構に接触してドラグ力を調整するためのものである。カバー部は、第1操作体の周囲を覆う筒状のカバー部本体と、カバー部本体の対向する周面に形成され第1操作体の周面を露出させる1対の切欠き部とを有する。
このドラグ調整つまみでは、第1操作体を回すと、第1係合部とそれに係合する第1被係合部との作用により第1操作体がスプール軸に対して前後移動して、たとえばドラグ力の調整又はスプールの着脱操作を行える。また、第2操作体を回すと、筒状体の第2係合部とそれに係合する第2非係合部との作用により第2操作体がスプール軸方向に移動してドラグ力の調整操作を行える。この第2操作体には、第1操作体の周囲を覆いかつ部分的に露出させるカバー部を有している。この露出部分で第1操作体を操作できるとともに、露出部分を除くカバー部分で第1操作体への不意の接触や衝突を防ぐことができる。ここでは、第2操作体にカバー部を設けて第1操作体の周囲を操作可能に覆うようにしたので、第1操作体に他のものが接触したり衝突したりしても第1操作体が回りにくくなる。このため、2つの操作体を有するドラグ調整つまみにおいて、先端側に配置された第1操作体が不意に回動しにくくなる。
また、対向して形成された1対の切欠き部により第1操作体を2本の指でつまんで操作できる。
発明2に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明1に記載のつまみにおいて、第1及び第2係合部は、第1及び第2雄ねじ部であり、第1及び第2被係合部は、第1及び第2雄ねじ部に螺合する第1及び第2雌ねじ部である。この場合には、通常スプール軸の先端に形成される第1雄ねじ部を利用して簡素な構造で係合部及び被係合部を形成できる。
発明3に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明1又は2に記載のつまみにおいて、第2操作体は、カバー部及び第2被係合部を有する第2操作体本体と、第2操作体本体とドラグ機構との間に両者に接触可能に配置され、スプール軸に対して回転不能かつ軸方向移動自在な押圧体とを有する。この場合には、ドラグ機構にスプール軸に対して回転不能な押圧体が接触するので、ドラグ調整時に第2操作体本体を回して調整しても、ドラグ機構には回転しない押圧体が接触する。このため、ドラグ調整をスムーズに行える。
発明4に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明1から3のいずれかに記載のつまみにおいて、筒状体は、第1操作体の後部に接触して配置されて前方への移動が規制されるとともに、後方へ移動自在にスプール軸に装着されており、第1操作体は、1回転当たり第2操作体と異なる移動量でスプール軸に対して移動してドラグ力を調整するために使用される。この場合には、第1操作体と第2操作体とで異なるレンジでドラグ力を調整でき、たとえば、第1又は第2操作体で大まかなドラグ力の調整を行い、第2又は第1操作体で細かな調整を行える。
発明5に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明1から3のいずれかに記載のつまみにおいて筒状体は、第1操作体の後部に接触して配置されて前方への移動が規制されるとともに、後方への移動が規制された状態でスプール軸に装着されており、第1操作体は、スプール軸に対してスプールを着脱操作するために使用される。この場合には、第1操作体によりドラグつまみを外してスプールを外した後に再度スプールを装着したときに、第2操作体によるドラグ力の再設定が不要になる。
発明に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明1からのいずれかに記載のリールにおいて、第2操作体は、第1操作体の前端部を部分的に覆う橋絡部をさらに有する。この場合には、第1操作体の前端部を覆うことにより、第1操作体が突出していても釣り糸が引っ掛かりにくくなる。
発明に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明1からのいずれかに記載のつまみにおいて、筒状体を第1操作体に対して相対回転自在に抜け止めする第1抜け止め部をさらに備える。この場合には、第1抜け止め部により筒状体が第1操作体に対して抜け止めされるので、つまみを外したときに筒状体と第1操作体とがばらけなくなる。
発明に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明に記載のつまみにおいて、第1操作体は、後端面に開口して形成された円形の凹部と、後端面と対向する前端面から凹部の外縁部を通って後端面の手前側まで周方向に間隔を隔てかつ円形の軸方向に沿って形成された複数の係止溝とを有する筒状の第1操作体本体と、第1操作体本体の内周部に回転不能かつ前方への移動が規制された状態で装着され前記第1被係合部を有するナット部材とを有し、筒状体は、凹部に収納される第1鍔部を有し、第1抜け止め部は、複数の係止溝に係止される複数の係合部と、係合部と一体形成され筒状体の第1鍔部に開口側から接触する接触部とを有し、筒状体を抜け止めするために凹部の開口側から装着可能な弾性を有するばね部材である。この場合には、第1操作体の凹部の開口側から筒状体の第1鍔部を収納し、この状態で開口側から第1抜け止め部を開口を通るように圧縮しながら凹部内に収納し、凹部の外縁部に形成された係止溝に係合部を位置決めして圧縮状態を解除する。すると、係止溝は、凹部の第1端面より手前側までしか形成されていないので、第1端面とのあいだで段差が生じ、その段差に係合部が係止されて抜け止め部材は第1操作体本体の開口側に移動できなくなる。また、この状態で筒状体の開口側に接触部が接触して筒状体も開口側に移動できなくなる。このため、筒状体が抜け止めされる。この係止溝は、前端面から後端面に向けて形成されているので、型成形時に型により形成することができる。ここでは、第1抜け止め部を係止するための構造を型成形により形成できるので、第1抜け止め部の係止構造を機械加工することなく実現でき、加工コストを低減することができる。
発明に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明3からのいずれかに記載のつまみにおいて、第2操作体は、押圧体を第2操作体本体に対して相対回転自在に抜け止めする第2抜け止め部をさらに備える。この場合には、押圧体が第2操作体に対して抜け止めされるので、第1操作体を緩めてスプール軸から外すとき、つまみ全体をばらけることなく取り外すことができる。
発明1に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明に記載のつまみにおいて、第2操作体本体は、後端面に開口して形成された円形の凹部を有し、押圧体は、凹部に収納される第2鍔部を有し、第2抜け止め部は、頭部を有し第2操作体にねじ込まれ頭部で鍔部を係止可能なねじ部材である。この場合には、ねじ部材の頭部を利用して押圧体を回転自在に簡単に抜け止めできる。
発明1に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明1から1のいずれかに記載のつまみにおいて、第1操作体と筒状体との相対回転により発音する第1発音部をさらに備える。この場合には、この場合には、第1操作体の操作を確実に認識できる。
発明1に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明3から1のいずれかに記載のつまみにおいて、第2操作体本体と押圧体との相対回転により発音する第2発音部をさらに備える。この場合には、第2操作体の操作を確実に認識できる。
発明1に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明1に記載のつまみにおいて、第1発音部は、第2発音部より細かなピッチのクリック音を発生する、請求項13に記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
発明1に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明2から1のずれかに記載のつまみにおいて、第2雄ねじ部は、第1雄ねじ部よりリードが大きく、かつ第2操作体は、回動範囲が360度未満に限定されている。この場合には、第2操作体が1操作体に比べて回動量に対して前後移動量が大きなるとともに、第2操作体の前後移動範囲を所定量に限定でき、設定値へのドラグ力の変更が容易になる。
本発明によれば、第2操作体にカバー部を設けて第1操作体の周囲を操作可能に覆うようにしたので、第1操作部に他のものが接触したり衝突したりしても第1操作部が回りにくくなる。ことため、2つの操作体を有するドラグ調整つまみにおいて、先端側に配置された第1操作体が不意に回動しにくくなる。
〔第1実施形態〕
〔全体構成及びリール本体の構成〕
本発明の第1実施形態を採用したスピニングリールは、図1に示すように、ハンドル1と、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。
リール本体2は、図1及び図2に示すように、側部に開口を有するリールボディ2aと、リールボディ2aの開口2cを閉塞するための蓋体2dと、蓋体2dから斜め上前方に一体で延びるT字状の竿取付脚2bとを有している。
リールボディ2aは、内部に空間を有しており、その空間内には、ロータ3をハンドル1の回転に連動して回転させるロータ駆動機構5と、スプール4を前後に移動させて釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーティング機構6とが設けられている。
リールボディ2aの前部には、ロータ3の後部を塞ぐ円形のフランジ部2eが蓋体2dとによって形成されている。リールボディ2a側のフランジ部2eの後部には、円形の隔壁2gが形成されており、隔壁2gの後部に円形の空間が形成されている。
〔ロータの構成〕
ロータ3は、図1に示すように、後端が開口する円筒部30と、円筒部30の側方に互いに対向してそれぞれ設けられた第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32とを有している。円筒部30と第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32とは一体成形されている。
円筒部30は、リールボディ2aのフランジ部2eの外周側に配置されている。円筒部30の開口する後部は、フランジ部2eにより塞がれている。円筒部30の前部には前壁33が形成されており、前壁33の中央部にはボス33aが形成されている。このボス33aの貫通孔をピニオンギア12の雄ねじ部12e及びスプール軸15が貫通している。前壁33の前方側にはナット34が配置されており、このナット34がピニオンギア12の先端の雄ねじ部12eに螺合してロータ3をピニオンギア12に固定している。
第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32の先端には、釣り糸をスプール4に案内するためのベールアーム44が糸巻き取り姿勢と糸開放姿勢との間で揺動自在に装着されている。
ロータ3の円筒部30の隔壁2gの前側の空間内にはロータ3の逆転防止機構50が配置されている。逆転防止機構50は、ローラ型のワンウェイクラッチ51と、ワンウェイクラッチ51を作動状態及び非作動状態に切り換える操作機構52とを有している。ワンウェイクラッチ51は、外輪がリールボディ2aに固定され、内輪がピニオンギア12に回転不能に装着されている。操作機構52は、リールボディ2aの後部に配置された操作レバー53を有しており、操作レバー53を揺動させることでワンウェイクラッチが2つの状態に切り換られ、作動状態のときにロータ3が逆転不能になり、非作動状態のときロータ3が逆転可能になる。
〔スプールの構成〕
スプール4は、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端に後方への移動が規制された状態で回転自在に装着されている。スプール軸15は、図3に示すように、先端に向かって徐々に縮径するような段付き軸である。スプール軸15は、先端の小径部分に形成された第1雄ねじ部15aを有している。第1雄ねじ部15aは、単条ねじである。また、第1雄ねじ部15aの基端側には、互いに平行な面取り部15bを有している。スプール軸15は、基端にオシレーティング機構6の後述するスライダ22が回転かつ移動不能に装着されるスライダ装着部15cを有している。
スプール4は、たとえばアルミニウム鍛造製のものであり、外周に釣り糸が巻き付けられる糸巻胴部4aと、糸巻胴部4aの後部に一体成形された大径のスカート部4bと、糸巻胴部4aの前部に一体形成された大径の前フランジ部4cとを有している。糸巻胴部4aはロータ3の円筒部30の外周側まで延びる円筒状の部材である。糸巻胴部4aは、内周側にスプール軸15に装着されるボス部が形成された円板状の装着部4dを有している。装着部4dは、鍔付きブッシュ55を介してスプール軸15に回転自在に装着されている。装着部4dの前面には、スプール4を制動するドラグ機構60を収納する筒状のドラグ収納部4eが形成されている。ドラグ収納部4eの内周面には、軸方向に沿って係止溝4fが1対形成されている。
〔ドラグ機構の構成〕
ドラグ機構60は、スプール4を制動するものであり、スプール軸15の第1雄ねじ部15aに螺合するドラグ調整つまみ61によりドラグ力を調整可能である。ドラグ機構60は、スプール軸15の面取り部15bに回転不能に係止される第1及び第2ドラグ座金70,71と、スプール4の係止溝4fに回転不能に係止される第3ドラグ座金72とを有している。第3ドラグ座金72は、第1及び第2ドラグ座金70,71の間に配置されている。第1ドラグ座金70と第3ドラグ座金72との間、第3ドラグ座金72と第2ドラグ座金71との間、及び第2ドラグ座金71とスプール4の装着部4dとの間には、たとえばフェルト製のドラグディスク74が介装されている。ドラグ収納部4eと、ドラグ調整つまみ61の後端外周部との間には、その隙間からドラグ機構60に液体などの異物の侵入を防止するシール部材56が装着されている。
〔ドラグ調整つまみの構成〕
ドラグ調整つまみ61は、図4から図6に示すように、第1雄ねじ部15aに螺合する第1雌ねじ部91を有する第1操作体80と、第1操作体80に対して相対回転自在な筒状体81と、筒状体81に対して相対回転自在な第2操作体本体100及び第2操作体本体100とドラグ機構60とにの間に両者に接触可能に配置された押圧体83を有する第2操作体82とを有している。また、ドラグ調整つまみ61は、第1操作体80と筒状体81との相対回転により発音する第1つまみ発音部84と、第2操作体本体100と押圧体83との相対回転により発音する第2つまみ発音部85とを有している。
第1操作体80は、筒状の第1操作体本体90と、第1雌ねじ部91が内周面に形成された第1ナット92とを有している。
第1操作体本体90は、第1操作体80を回動操作するためのものである。第1操作体本体90は、後端面90aにスプール軸芯と同芯に開口して形成された円形の筒状体収納凹部90bと、後端面90aと対向する前端面90cから筒状体収納凹部90bの外縁部を通って後端面90aの手前側まで周方向に間隔を隔てかつ円形の軸方向に沿って形成されたたとえば4つの係止溝90dとを有している。この係止溝90dに後述する抜け止めばね95が装着されている。第1操作体本体90の内周部には、第1ナット92を回転不能かつ前方への移動を規制して装着するための第1ナット収納部90eが形成されている。また、前端面には、係止溝90dの開口部分に浅いリング溝90fが形成されており、リング溝90fには、係止溝90dの開口部分を塞ぐ銘版シール93が貼り付けられている。このような銘版シール93で開口部分を塞ぐことにより、液体などの異物の侵入や付着を防ぐとともに美観の向上を図ることができる。また、第1操作体本体90の筒状体収納凹部90bの底面には、第1つまみ発音部84を収納するための円形のピン収納凹部90gが直径上に2箇所形成されている。また、前面の中心には中心孔90hが形成されている。
第1ナット92は、内周面に第1雌ねじ部91が形成された六角ナットである。第1ナット92は、第1操作体本体90のナット収納部90eに回転不能かつ前方への移動が規制された状態で装着されている。第1ナット92は、ワッシャ96を介して第1操作体本体90に抜け止めされた筒状体81に接触している。このため、第1ナット92は、第1操作体本体90と筒状体81とに挟持された状態になる。
筒状体81は、第1操作体80の後部に接触してスプール軸15に回転不能かつ軸方向移動自在に装着され、外周に第1雄ねじ部15aとねじのリードが異なる第2雄ねじ部98を有する概ね筒状の部材である。筒状体81は、前端部に大径の第1鍔部81aを有している。第1鍔部81aの外径は、第1操作体本体90の筒状体収納凹部90bの内径より小さく、筒状体収納凹部90bに挿入可能なものである。第1鍔部81aの前端面は、筒状体収納凹部90bの底面に接触して配置されている。また、第1鍔部81aの前端面には、第1つまみ発音部84を構成する多数の音出し凹部84aが周方向に間隔を隔てて形成されている。第1鍔部81aから間隔を隔てて後方には、第2雄ねじ部98が形成されている。第2雄ねじ部98は、第1雄ねじ部15aよりピッチが大きい2条ねじである。このため、第2雄ねじ部98のリードは第1雄ねじ部15aのリードより大きくなる。第1鍔部81aと第2雄ねじ部98との間には小径の抜け止め凹部81bが形成されている。抜け止め凹部81bは、抜け止めばね95を装着するために設けられている。第2雄ねじ部98の後方には互いに平行な面取り部81cが形成された回転係止部81dが設けられている。回転係止部81dは、押圧体83を回転不能かつ軸方向移動自在に装着するために設けられている。また、筒状体81の内周面には、スプール軸15の面取り部15bに回転不能に係合する断面が長円形の係止孔81eが形成されている。
抜け止めばね95は、金属線材を折り曲げて形成されたものである。抜け止めばね95は、筒状体81を第1操作体80に回転自在に抜け止めするために筒状体収納凹部90bの開口側から装着可能なものである。抜け止めばね95は、4つの係止溝90dに後方への移動が規制された状態で係止される角部で構成される係合部95aと、係合部95aと一体形成され筒状体81の第1鍔部81aの後面に筒状体収納凹部90bの開口側から接触して第1鍔部81aの後方への移動を規制する接触部95bとを有している。ここでは、抜け止めばね95を係止するための構造を円形の型成形により形成できるので、抜け止めばね95の係止構造を機械加工することなく実現でき、加工コストを低減することができる。
第2操作体82は、円板状の第2操作体本体100と、第2雄ねじ部98に螺合する第2雌ねじ部101を有する第2ナット102と、第2操作体本体100の前面に固定された把手部103と、前述した押圧体83とを有している。
第2操作体本体100は、つまみボディ100aと、つまみボディ100aから前方に突出する1対の把手連結部100bと、把手連結部100bの間で先細り筒状につまみボディ100aに突出するカバー部100cとを有している。また、第2操作体本体100は、つまみボディ100aから後方に突出する筒状の第2ナット収納部100dと、第2ナット収納部100dの外周側に後方に突出して形成された押圧体収納凹部100eとを有している。
つまみボディ100aは、中心部を貫通孔が形成された皿状の部分である。把手連結部100bは、つまみボディ100aの直径上の両端部分から前方にやや中心側に傾斜して突出している。把手連結部100bには、把手部103を装着するための貫通孔100fが形成されており、把手連結部100bに把手部103がねじ止め固定されている。また、一方の把手連結部100bの後面には、第2つまみ発音部85を収納するための円形のピン収納凹部100gが形成されている。カバー部100cは、第1操作体80の第1操作体本体90の周囲を覆いかつ部分的に露出させるように形成されている。具体的には、先細りの筒状部の両側に1対の切欠き部100hを形成することにより第1操作体本体90の周囲を部分的に露出している。この露出部分で第1操作体80をつまんで回動させることができる。第2ナット収納部100dは、第2ナット102を回転不能かつ前方への移動を規制して装着する。押圧体収納凹部100eには、押圧体83の後述する第2鍔部110aが回転自在に抜け止めされた状態で収納されている。また、押圧体収納凹部100eの内周側には、略330度の範囲で第2操作体82の回転を規制するためのC字状の回動規制溝100iがスプール軸芯と同芯に形成されている。
第2ナット102は、内周面に第2雌ねじ部101が形成された六角ナットである。第2ナット102は、第2操作体本体100のナット収納部100dに回転不能かつ前方への移動が規制された状態で装着されている。第2ナット102は、第2操作体本体100に抜け止めされた押圧体83に接触している。このため、第2ナット102は、第2操作体本体100と、押圧体83とに挟持された状態になる。
把手部103は、第2操作体82を回動操作するためのものである。把手部103は、第2操作体本体100の直径上に延びる橋絡部103aと、橋絡部103aから後方に延びる1対の取付筒部103bと、橋絡部103aの中心から後方に延びて第1操作体本体90の中心孔90hに挿通される軸部103cと、橋絡部103aの中心部から碗状に拡がる拡張部103dとを有している。軸部103cを中心孔90hに挿通させることにより、ドラグ調整つまみ61をスプール軸15から外しても、第1操作体80が第2操作体82から脱落しないようにしている。第1操作体801対の取付筒部103bは、把手連結部100bの後面より僅かに凹んで貫通孔100fを貫通している。がこの取付筒部103bの後端面にビス105がねじ込まれて、把手部103は、第2操作体本体100に固定されている。橋絡部103aは、拡張部103dとで第1操作体80の第1操作体本体90の前端面を部分的に覆っている。ここでは、第1操作体80の前端部を部分的に覆うことにより、第1操作体80が突出していても釣り糸が引っ掛かりにくくなる。また、一部を露出させた状態で第1操作体80の周囲をカバー部100cで覆っているので、露出した部分での第1操作体80の操作を可能にして釣り糸が第1操作体80にさらに引っ掛かりにくくなるとともに、第1操作部80に他のものが接触したり衝突したりしても第1操作部80が回りにくくなる。このため、2つの操作体80,82を有するドラグ調整つまみ61において、先端側に配置された第1操作体80が不意に回動しにくくなる。
押圧体83は、第2操作体82とドラグ機構60との間に両者に接触して配置され、スプール軸15に対して回転不能かつ軸方向移動自在なものである。押圧体83は、第2鍔部110aを有する円板状の押圧体本体110と、押圧体本体110をスプール軸15に回転不能に装着された筒状体81に対して回転不能に連結するための歯付きワッシャ111とを有している。
押圧体本体110は、筒状体81に回転自在に装着されており、前端部に押圧体収納凹部100eに外周縁が収納される第2鍔部110aを有している。第2鍔部110aは、把手部103を第2操作体本体100に固定するための2本のビス105により、第2操作体本体100に回転自在に抜け止めされている。押圧体本体110の内周部には、歯付きワッシャ111に回転不能に係合する係合凹部110bが形成されている。また、第2鍔部110aの前端面には、回動規制溝100iに係合する規制突起110cが前方に突出して形成されている。この規制突起110cが回動規制溝100iに係合することにより、第2操作体82の回動範囲が規制されている。このように回動範囲を規制することにより、設定値へのドラグ力の変更が容易になる。さらに、第2鍔部110aの規制突起110c形成部分を除く前端面には、第2つまみ発音部85を構成する多数の音出し凹部85aが周方向に間隔を隔てて形成されている。
歯付きワッシャ111は、押圧体本体110をスプール軸15に対して回転不能にするために設けられている。具体的には、スプール軸15に対して回転不能な筒状体81に回転不能に装着されて、押圧体83をスプール軸15に対して回転不能にしている。歯付きワッシャ111は、外周に周方向に間隔を隔てて径方向に突出して形成された複数の係止歯111aを有している。係止歯111aは、等間隔に形成されているが1箇所だけ形成されていないところがある。これにより、第2操作体82に対して押圧体83を所定の回転位相で組み付けることができる。歯付きワッシャ111の内周面には、筒状体81の回転係止部81dに回転不能に係合する長孔状の係止孔111bが形成されている。この係止孔111bは、係止歯111aに対して所定の回転位相で形成されている。
第1つまみ発音部84は、筒状体81に形成された音出し凹部84aと、2つのピン収納凹部90gに音出し凹部84aに向けて進退自在に収納された2つの音出しピン115と、音出しピン115を音出し凹部84aに向けて付勢する音出しばね116とを有している。
第2つまみ発音部85は、把手連結部100bに形成された音出し凹部85aと、ピン収納凹部100gに音出し凹部85aに向けて進退自在に収納された音出しピン120と、音出しピン120を音出し凹部85aに向けて付勢する音出しばね116とを有している。
2つの発音部84,85において、音出しピン115,120の頭部の径は音出しピン115の方が小径である。また、音出し凹部84aの方が音出し凹部85aより間隔が狭い。このため、第1つまみ発音部84の方が第2つまみ発音部85より細かなクリック音を発する。
また、スプール4の後部には、図3に示すように、ドラグ機構60が作動してスプール4がスプール軸15に対して回転すると発音するドラグ発音部62が密着して配置されている。ドラグ発音部62は、図3に示すように、鍔付きブッシュ55の鍔部の後面にワッシャ65を介して装着された音出し部材125と、音出し部材125に接触可能にスプール4に揺動自在に装着された有底筒状の音出し爪126と、音出し爪126を音出し部材125に接触する位置に付勢するコイルばね(図示せず)とを有している。音出し部材125はスプール軸に回転自在に装着されている。音出し部材125は、スプール軸15の面取り部15bの後端部に後方への移動が規制された状態で回転不能に装着されたスプールワッシャ66に回転不能に係止されている。これにより、音出し部材125はスプール軸15に対して回転不能になっている。なお、スプールワッシャ66は、音出し部材125及びワッシャ65を介してスプール4の後方への移動を規制している。音出し部材125は、スプール4の装着部4dのボス部外周に配置される音出し筒部125aを有しており、音出し筒部125aの外周面に音出し凸部125bが周方向に間隔を隔てて多数形成されている。
音出し爪126は、スプール4の装着部4dに後方に突出して筒状に形成された装着筒部4gの端面に圧入固定された揺動ピン127に揺動自在に支持されている。音出し爪126と装着筒部4gの端面との間にはワッシャ128が介装されている。このようにワッシャ128を介装することにより、ワッシャ128により音出し爪126を揺動方向と交差する方向にふれないように支持することができ、音出し爪126を支持する面を装着筒部4gに設ける必要がなくなる。このため、装着筒部4gの径方向の肉厚を薄くすることができ、アルミニウム鍛造製のスプール4の軽量化を図ることができる。
〔ロータ駆動機構の構成〕
ロータ駆動機構5は、図1及び図2に示すように、ハンドル1が回転不能に装着されたメインギア軸10と、メインギア軸10とともに回転するフェースギアであるメインギア11と、このメインギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。
ピニオンギア12は、メインギア11と食い違う回りにリールボディ2aに回転自在に装着されている。ピニオンギア12は、図1に示すように、ハンドル1の回転に連動して回転する筒状の部材であり、前後に延びるスプール軸15が中心部を貫通している。ピニオンギア12は、メインギア11及び後述する大径ギア19に噛み合うギア部12aと、ギア部12aの先端側に形成された筒部12bと、ギア部12aの軸方向前方(図2左側)に配置されギア部12aより小径に形成された切欠き部12cとを有している。ピニオンギア12は、筒部12bとギア部12aの後部側とでリールボディ2aに軸受14a、14bを介して回転自在に支持されている。ギア部12aは、フェースギアであるメインギア11に噛み合うねじ歯車である。筒部12bの先端には、雄ねじ部12eが形成されている。雄ねじ部12eに螺合するナット34によりロータ3がピニオンギア12の筒部12bの先端部に固定されている。切欠き部12cは、周方向に形成された環状の溝部であり、溝部の軸方向長さは、後述する従動ギア16のギア部分の軸方向長さより長い。
〔オシレーティング機構の構成〕
オシレーティング機構6は、ハンドル1の回転に連動してスプール軸15を介してスプール4を前後に往復移動させる機構である。オシレーティング機構6は、大径ギア19と小径ギア20とを有し、メインギア11と食い違う軸回りにリール本体2に回転自在に装着された段付ギア13と、小径ギア20に噛み合う従動ギア16と、従動ギア16が回転不能に装着された螺軸21と、螺軸21に係合して前後移動するスライダ22と、前述したピニオンギア12とを有している。
段付ギア13は、ピニオンギア12の回転を大きく減速して従動ギア16に伝達するために設けられている。従動ギア16は、小径ギア20に噛み合うすぐ歯ギアであり、外周部がピニオンギア12の切欠き部12c内に配置されている。従動ギア16の外周部は環状溝で構成される切欠き部12cの底部と僅かな隙間をあけて配置されている。
このようにピニオンギア12に切欠き部12cを形成するとともに、従動ギア16の外周部を切欠き部12c内に配置することにより、従動ギア16及び螺軸21をスプール軸15に接近させることができ、減速比を維持しながら、リール本体2に各種のギアをコンパクトに配置できる、
螺軸21は、スプール軸15と平行に配置されており、リールボディ2aに回転自在に支持されている。また、螺軸21の外周部には螺旋状の交差する溝21aが形成されている。この螺軸21の先端に前述したように従動ギア16が回転不能に装着されている。
スライダ22は、スライダ本体25と、スライダ本体25内に収納された係合部材26とを有している。スライダ本体25は、2本のガイド軸24a、24bによりスプール軸15と平行に案内される。係合部材26は、スライダ本体25内に回動自在に装着されており、係合部材26の先端は、螺軸21の溝21aに噛み合っている。
〔リールの操作及び動作〕
このスピニングリールでは、釣りを行う前に、釣法や釣り対象の魚に応じてドラグ力を調整する。ドラグ力を調整する際には、まず第1操作体80を回して初期ドラグ力を設定する。第1操作体80をねじ込み方向に回すと、第1ナット92が後方に移動して筒状体81,第2ナット102及び押圧体83を介してドラグ機構60を押圧し、ドラグ力が増大する。逆に回すとドラグ力が減少する。このとき、第1雄ねじ部15a,第1雌ねじ部91はピッチが細かい単条ねじであるので、初期ドラグ力を細かく設定できる。
初期ドラグ力の設定が終わると、第2操作体82を回して魚がかかったときの通常のドラグ力を設定する。第2操作体82をねじ込み方向に回すと、第2ナット102が後方に移動して押圧体83を介してドラグ機構60を押圧し、ドラグ力が増大する。このとき、第2雄ねじ部98及び第2雌ねじ部101は、2条ねじでありしかもピッチが粗いため、第2操作体82の回動に対して第2ナット102が第1ナット92に比べて大きく後方に移動する。したがって、第2操作体82を僅かに動させるだけでドラグ力を大きく変化させることができる。
ここでは、2条ねじを用いた第2操作体82と単条ねじを用いた第1操作体80とで仮に同じピッチのねじを用いたとしても、2条ねじを用いた第2操作体82の回転量に対する後方への移動量は、単条ねじを用いた第1操作体80の条数倍になる。しかも、2条ねじのため、単条ねじを用いた操作体とピッチを同じにして、螺合するねじ山の数を同じにすることもできる。このため、ねじのピッチをそれほど大きくする必要がなくなり、ねじの強度を維持して所望のドラグ力に素早く設定できるようになる。
また、第2操作体82にカバー部100cを設けて第1操作体80の周囲を操作可能に覆うようにしたので、第1操作部80に他のものが接触したり衝突したりしても第1操作部が回りにくくなる。ことため、2つの操作体80,82を有するドラグ調整つまみ61において、先端側に配置された第1操作体80が不意に回動しにくくなる。
キャスティング時には、ベールアーム44を糸巻き取り姿勢から糸開放姿勢に倒す。そして、釣竿を振って仕掛けをキャスティングする。すると、スプール4の先端から釣り糸が螺旋状に放出される。このとき、スプール4に釣り糸が密に巻き付けられているので、放出抵抗が少なくなる。
釣り糸巻き取り時には、ベールアーム44を糸巻き取り姿勢に倒す。これは、ハンドル1を糸巻き取り方向に回転させると図示しないカムとバネの働きにより自動的に行われる。ハンドル1を糸巻き取り方向に回転させると、この回転力はメインギア軸10及びメインギア11を介してピニオンギア12に伝達される。このピニオンギア12に伝達された回転力は、ピニオンギア12の前部を介してロータ3に伝達され、ロータ3が糸巻き取り方向に回転する。
一方、ピニオンギア12に噛み合う大径ギア19によって段付ギア13が回転し、その回転が小径ギア20を介して従動ギア16に伝達される。この結果、ピニオンギア12の回転速度、すなわちロータ3の回転速度より小さい回転速度で螺軸21が回転する。そして、螺軸21の回転により螺軸21の溝21aに噛み合うスライダ22がガイド軸24a、24bに案内されて前後方向に移動する。そして、ベールアーム44によってスプール4に案内された釣り糸はスプール4の糸巻胴部4aに巻き付けられ、スプール4に釣り糸が密に巻き付けられる。このため、スプール4に釣り糸が効率よく巻き付けられる。
〔第2実施形態〕
前記第1実施形態では、第1操作体80で初期ドラグ力を細かく設定し、第2操作体82で通常のドラグ力を設定するように構成したが、図7及び図8に示すように、第1操作体180でスプールの着脱操作をし、第2操作体182でドラグ力を調整するようにしてもよい。なお、同一符号の部材は第1実施形態と同一の部材である。
図7及び図8において、ドラグ調整つまみ161は、第1雄ねじ部15aに螺合する第1雌ねじ部91を有する第1操作体180と、第1操作体180に対して相対回転自在な筒状体181と、筒状体181に対して相対回転自在な第2操作体本体200及び第2操作体本体200とドラグ機構60とにの間に両者に接触可能に配置された押圧体183を有する第2操作体182とを有している。また、ドラグ調整つまみ161は、第2操作体本体200と押圧体183との相対回転により発音するつまみ発音部185を有している。
第1操作体180は、筒状の第1操作体本体190と、第1雌ねじ部191が内周面に形成された第1ナット192とを有している。第1操作体本体190の内周部には、第1ナット192を回転不能かつ前方への移動を規制して装着するための第1ナット収納部190aが形成されている。第1操作体本体190の前面の中心には中心孔190bが形成されている。第1ナット192は、内周面に第1雌ねじ部191が形成された六角ナットである。第1ナット192は、第1操作体本体190の後面に経緯されたナット収納部190aに回転不能かつ前方への移動が規制された状態で装着されている。第1ナット192は、ワッシャ196を介して第1操作体本体190に抜け止めされた筒状体181に接触している。このため、第1ナット192は、第1操作体本体190と筒状体181とに挟持された状態になる。
筒状体181は、後端部に大径の鍔部181aを有する鍔付き円筒状の部材である。筒状体181は、第1操作体180の後部に接触してスプール軸15に回転不能かつ軸方向移動自在に装着されている。181の外周にはスプール4が回転自在に装着されている。また、ドラグ機構60の第1及び第2ドラグ座金70,71が回転不能に装着されるとともに、第3ドラグ座金72が回転自在に装着されている。スプール4の後端部は、鍔部181aの前面に接触しており、鍔部181aの後端部はワッシャ65に接触している。ワッシャ65は、音出し部材125を介してスプールワッシャ66より後方への移動が規制されている。このため、筒状体181及びスプール4は、スプール軸方向後方への移動が規制されている。筒状体181の前端部の外周には、第2雄ねじ部198が他の部分より小径に形成されている。筒状体181の外周面には、互いに平行な対向する面取り部181bが形成され、内周面には、スプール軸15の面取り部15bに回転不能に係合する断面が長円形の係止孔181cが形成されている。筒状体181の前端部は、ワッシャ196を介して第1ナット192の後面に接触しており、これにより、筒状体181は、スプール軸方向に移動不能に位置決めされている。
第2操作体182は、円板状の第2操作体本体200と、第2雄ねじ部198に螺合する第2雌ねじ部201を有する第2ナット202と、第2操作体本体200の前面に固定された把手部203と、前述した押圧体183とを有している。
第2操作体本体200は、つまみボディ200aと、つまみボディ200aから前方に突出する1対の把手連結部200bと、把手連結部200bの間で先細り筒状につまみボディ100aに突出するカバー部200cとを有している。また、第2操作体本体200は、つまみボディ200aから後方に突出する筒状の第2ナット収納部200dと、第2ナット収納部200dの外周側に後方に突出して形成された押圧体収納凹部200eとを有している。
つまみボディ200aは、中心部を貫通孔が形成された皿状の部分である。把手連結部200bは、つまみボディ200aの直径上の両端部分から前方にやや中心側に傾斜して突出している。把手連結部200bには、把手部203を装着するための貫通孔200fが形成されており、把手連結部200bに把手部203がねじ止め固定されている。また、一方の把手連結部200bの後面には、つまみ発音部185を収納するための円形のピン収納凹部200gが形成されている。カバー部200cは、第1操作体180の第1操作体本体190の周囲を覆いかつ部分的に露出させるように形成されている。具体的には、先細りの筒状部の両側に1対の切欠き部200hを対向して形成することにより第1操作体本体190の周囲を部分的に露出している。この露出部分で第1操作体180をつまんで回動させることができる。第2ナット収納部200dは、第2ナット202を回転不能かつ前方への移動を規制して装着する。押圧体収納凹部200eには、押圧体183の後述する第2鍔部210aが回転自在に抜け止めされた状態で収納されている。なお、この第2実施形態では、第2操作体182の回動範囲は規制されていない。
第2ナット202は、内周面に第2雌ねじ部201が形成された六角ナットである。第2ナット202は、第2操作体本体200の第2ナット収納部200dに回転不能かつ前方への移動が規制された状態で装着されている。第2ナット202は、第2操作体本体200に抜け止めされた押圧体183に接触している。このため、第2ナット202は、第2操作体本体200と、押圧体183とに挟持された状態になる。
把手部203は、第2操作体182を回動操作するためのものである。把手部203は、第2操作体本体200の直径上に延びる橋絡部203aと、橋絡部203aから後方に延びる1対の取付筒部203bと、橋絡部203aの中心から後方に延びて第1操作体本体190の中心孔190bに挿通される軸部203cと、橋絡部203aの中心部から碗状に拡がる拡張部203dとを有している。軸部203cを中心孔190bに挿通させることにより、ドラグ調整つまみ161をスプール軸15から外しても、第1操作体180が第2操作体182から脱落しないようにしている。1対の取付筒部203bは、把手連結部200bの後面より僅かに凹んで貫通孔200fを貫通している。この取付筒部203bの後端面にビス205がねじ込まれて、把手部203は、第2操作体本体200に固定されている。橋絡部203aは、拡張部203dとで第1操作体180の第1操作体本体190の前端面を部分的に覆っている。ここでも、第1操作体180の前端部を部分的に覆うことにより、第1操作体180が突出していても釣り糸が引っ掛かりにくくなる。また、一部を露出させた状態で第1操作体180の周囲をカバー部200cで覆っているので、露出した部分での第1操作体180の操作を可能にして釣り糸が第1操作体180にさらに引っ掛かりにくくなるとともに、第1操作部180に他のものが接触したり衝突したりしても第1操作部180が回りにくくなる。このため、スプール着脱用の第1操作体180とドラグ調整用の第2操作体182を有するドラグ調整つまみ161において、先端側に配置された第1操作体180が不意に回動しにくくなる。
押圧体183は、第2操作体182とドラグ機構60との間に両者に接触して配置され、スプール軸15に対して回転不能かつ軸方向移動自在なものである。押圧体183は、第2鍔部210aを有する円板状の押圧体本体210と、押圧体本体210をスプール軸15に回転不能に装着された筒状体181に対して回転不能に連結するための歯付きワッシャ211とを有している。
押圧体本体210は、筒状体181に回転自在に装着されており、前端部に押圧体収納凹部200eに外周縁が収納される第2鍔部210aを有している。第2鍔部210aは、把手部203を第2操作体本体200に固定するための2本のビス205により、第2操作体本体200に回転自在に抜け止めされている。押圧体本体210の内周部には、歯付きワッシャ211に回転不能に係合する係合凹部210bが形成されている。また、第2鍔部110aの前端面には、つまみ発音部185を構成する多数の音出し凹部185aが周方向に間隔を隔てて形成されている。
歯付きワッシャ211は、押圧体本体210をスプール軸15に対して回転不能にするために設けられている。具体的には、スプール軸15に対して回転不能な筒状体181に回転不能に装着されて、押圧体83をスプール軸15に対して回転不能にしている。歯付きワッシャ211は、外周に周方向に間隔を隔てて径方向に突出して形成された複数の係止歯211aを有している。係止歯211aは、等間隔に形成されているが1箇所だけ形成されていないところがある。これにより、第2操作体182に対して押圧体183を所定の回転位相で組み付けることができる。歯付きワッシャ211の内周面には、筒状体181の面取り部181aに回転不能に係合する長孔状の係止孔211bが形成されている。この係止孔211bは、係止歯211aに対して所定の回転位相で形成されている。
つまみ発音部185は、把手連結部200bに形成された音出し凹部185aと、ピン収納凹部200gに音出し凹部185aに向けて進退自在に収納された音出しピン220と、音出しピン220を音出し凹部185aに向けて付勢する音出しばね216とを有している。
〔リールの操作及び動作〕
このスピニングリールでは、釣りを行う前に、釣法や釣り対象の魚に応じてドラグ力を調整する。ドラグ力を調整する際には、まず第2操作体182を回してドラグ力を設定する。第2操作体182をねじ込み方向に回すと、第2ナット202が後方に移動して押圧体183を介してドラグ機構60を押圧し、ドラグ力が増大する。逆に回すとドラグ力が減少する。
また、バックラッシュが生じてスプール4を外すときやスプール4を交換するときには、第1操作体180を緩む方向に回してドラグ調整つまみ161を外す。第1操作体180を緩み方向に回すと、第1ナット192がスプール軸15の先端に形成された第1雄ねじ部15aから外れる。ドラグ調整つまみ161がスプール軸15から外れるとともに、筒状体181によりドラグ調整つまみ161と連結されたスプール4もスプール軸15から外れる。このとき、第1操作体180の中心孔190bに把手部203の軸部203cが挿通しているので、第1操作体180が第2操作体182から外れることがない。ドラグ調整つまみ161及びスプール4がスプール軸15から外れた後、第2操作体182をねじが緩む方向に回すと、ドラグ調整つまみ161が筒状体181から外れてスプール4を外すことができる。
〔他の実施形態〕
(a)前記第1実施形態では、第1操作体80で初期ドラグ力を細かく設定し、第2操作体82で通常のドラグ力を設定するようにしたが、逆でもよい。すなわち、たとえば第2操作体82の方を単条ねじにして第1操作体80の方を多条ねじにしてもよい。
(b)前記両実施形態では、第2操作体に橋絡部を設けたが、橋絡部を設けずに第1操作体の前方を全体的に露出させてもよい。
本発明の第1実施形態を採用したスピニングリールの左側面断面図。 図1のII−II断面図。 ドラグ機構を含むスプールの断面図。 ドラグ調整つまみの分解斜視図。 ドラグ調整つまみの正面図。 図5のVI−VI断面図。 第2実施形態の図3に相当する図。 第2実施形態の図4に相当する図。
2 リール本体
4 スプール
15 スプール軸
15a 第1雄ねじ部
60 ドラグ機構
61 ドラグ調整つまみ
80,180 第1操作体
81,181 筒状体
81a 第1鍔部
82,182 第2操作体
83,183 押圧体
84 第1つまみ発音部
85 第2つまみ発音部
90,190 第1操作体本体
90b 筒状体収納凹部
90d 係止溝
91,191 第2雄ねじ部
92,192 第1ナット
95 抜け止めばね(第1抜け止め部)
95a 係合部
95b 接触部
100,200 第2操作体本体
100c,200c カバー部
100h,200h 切欠き部
100e 押圧体収納凹部
101,201 第2雌ねじ部
102,202 第2ナット
103,203 把手部
103a,203a 橋絡部
105,205 ビス(第2抜け止め部)
110a 第2鍔部
285 つまみ発音部

Claims (14)

  1. スピニングリールのリール本体に対して前後移動自在であり先端に第1係合部が形成されたスプール軸に、後方への移動が規制された状態で回転自在に装着されたスプールを制動するドラグ機構のドラグ力を調整するスピニングリールのドラグ調整つまみであって、
    前記スプール軸との相対回転により前後移動するように前記第1係合部に係合する第1被係合部を有する円筒状の第1操作体と、
    前記第1操作体の後方に配置され、前記第1操作体により前方への移動が規制された状態で前記スプール軸に回転不能にかつ軸方向移動自在に装着され、外周に第2係合部を有する筒状体と、
    前記第1操作体と同芯に配置され、前記第1操作体の周囲を筒状に覆いかつ部分的に露出させるカバー部、及び前記筒状体との相対回転により前後移動するように前記第2係合部に係合する第2被係合部を有し、前記ドラグ機構に接触してドラグ力を調整するための第2操作体と、を備え、
    前記カバー部は、前記第1操作体の周囲を覆う筒状のカバー部本体と、前記カバー部本体の対向する周面に形成され前記第1操作体の周面を露出させる1対の切欠き部とを有する、ドラグ調整つまみ。
  2. 前記第1及び第2係合部は、第1及び第2雄ねじ部であり、前記第1及び第2被係合部は、前記第1及び第2雄ねじ部に螺合する第1及び第2雌ねじ部である、請求項1に記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  3. 前記第2操作体は、
    前記カバー部及び前記第2被係合部を有する第2操作体本体と、
    前記第2操作体本体と前記ドラグ機構との間に両者に接触可能に配置され、前記スプール軸に対して回転不能かつ軸方向移動自在な押圧体とを有する、請求項1又は2に記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  4. 前記筒状体は、前記第1操作体の後部に接触して配置されて前記前方への移動が規制されるとともに、後方へ移動自在に前記スプール軸に装着されており、
    前記第1操作体は、1回転当たり前記第2操作体と異なる移動量で前記スプール軸に対して移動して前記ドラグ力を調整するために使用される、請求項1から3のいずれかに記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  5. 前記筒状体は、前記第1操作体の後部に接触して配置されて前記前方への移動が規制されるとともに、後方への移動が規制された状態で前記スプール軸に装着されており、
    前記第1操作体は、前記スプール軸に対して前記スプールを着脱操作するために使用される、請求項1から3のいずれかに記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  6. 前記第2操作体は、前記第1操作体の前端部を部分的に覆う橋絡部をさらに有する、請求項1からのいずれかに記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  7. 前記筒状体を前記第1操作体に対して相対回転自在に抜け止めする第1抜け止め部をさらに備える、請求項1からのいずれかに記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。

  8. 前記第1操作体は、
    後端面に開口して形成された円形の凹部と、前記後端面と対向する前端面から前記凹部の外縁部を通って前記後端面の手前側まで周方向に間隔を隔てかつ前記円形の軸方向に沿って形成された複数の係止溝とを有する筒状の第1操作体本体と、
    前記第1操作体本体の内周部に回転不能かつ前方への移動が規制された状態で装着され前記第1被係合部を有するナット部材とを有し、
    前記筒状体は、前記凹部に収納される第1鍔部を有し、
    前記第1抜け止め部は、
    前記複数の係止溝に係止される複数の係合部と、前記係合部と一体形成され前記筒状体の第1鍔部に前記開口側から接触する接触部とを有し、前記筒状体を抜け止めするために前記凹部の開口側から装着可能な弾性を有するばね部材である、請求項に記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  9. 前記第2操作体は、前記押圧体を前記第2操作体本体に対して相対回転自在に抜け止めする第2抜け止め部をさらに有する、請求項3からのいずれかに記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  10. 前記第2操作体本体は、後端面に開口して形成された円形の凹部を有し、
    前記押圧体は、前記凹部に収納される第2鍔部を有し、
    前記第2抜け止め部は、頭部を有し前記第2操作体にねじ込まれ前記頭部で前記鍔部を係止可能なねじ部材である、請求項に記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  11. 前記第1操作体と前記筒状体との相対回転により発音する第1発音部をさらに備える、請求項1から1のいずれかに記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  12. 前記第2操作体本体と前記押圧体との相対回転により発音する第2発音部をさらに備える、請求項3から1のいずれかに記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  13. 前記第1発音部は、前記第2発音部より細かなピッチのクリック音を発生する、請求項1に記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  14. 前記前記第2雄ねじ部は、前記第1雄ねじ部よりリードが大きく、かつ前記第2操作体は、回動範囲が360度未満に限定されている、請求項2から1のいずれかに記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
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