JP4423643B2 - Pc鋼棒定着端部における鋼棒抜出防止構造 - Google Patents

Pc鋼棒定着端部における鋼棒抜出防止構造 Download PDF

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本発明は、主にプレストレスコンクリート構造体のPC鋼棒定着端部における鋼棒抜出防止構造に関する。
従来、プレストレスコンクリート構造体(以下、PC構造体と記す)にプレストレスを導入する為のPC緊張材として、その取り扱いが容易であること、定着によるセットロスが無いこと、緊張管理が容易であること等の理由よりPC鋼棒が広く使用されている。
このPC鋼棒1の定着は、図5に示すように、コンクリート構造体2に固定された支圧板3に貫通され、その支圧板3表面より突出したPC鋼棒1の端部をテンションバー4に連結し、そのテンションバー4を、ラムチェアー5を介して支圧板3に反力を取ってセンターホールジャッキ6により引張することによりPC鋼棒1を緊張させ、その状態で定着用ナット7を締め付けることにより行われている。
尚、PC挿通孔2と連続配置に形成された定着作業空間8は、図6に示すように、PC鋼棒1を支圧板3に定着させた後、モルタル9等により後埋めされている。
しかしながら、上述の如き従来の技術では、PC鋼棒の一部に腐食が生じ、その部分に応力集中が生じて一気に破断した場合、PC鋼棒が定着作業空間に充填されたモルタル等の後埋め部を突き破り、構造物の外部に飛び出すおそれがあるという問題があった。
一方、上述の如き問題を回避するには、PC鋼棒の周囲に充填されるグラウトの徹底管理を行いPC鋼棒の防錆被覆を万全とする、或いは定期的に非破壊検査を行い、未然に破断を防止する等の方策が必要であった。
更に、上述の如き問題を回避する方法として、定着作業空間を深く形成し、充填するモルタル等の量を多くすることによってPC鋼棒の抜け止め強度を高くするようにした場合、PC構造物の端部にプレストレスの導入されない部分が生じ構造物全体の耐力が低下するという問題があった。
そこで本発明は、上述の如き従来の問題を鑑み、簡易な構造でPC鋼材の抜けを防止することができるPC鋼棒定着端部における鋼棒抜出防止構造の提供を目的とする。
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載されたPC鋼棒定着端部における鋼棒抜出防止構造の特徴は、コンクリート構造体に対して離脱不能に設置された支圧板と、該支圧板に貫通されたPC鋼棒と、該PC鋼棒の外周に固着されて前記支圧板の外面側に支持される定着具とを備え、前記定着具を介して前記PC鋼棒を緊張状態で支圧板の外面側に支持させたPC鋼棒定着端部にあって、前記定着具の外周側位置に前記支圧板より一体に突設された支持部材と、該支持部材の先端側に抜け出し不能に支持された止め部材とを備え、前記支圧板には、前記コンクリート構造体内に延びてその内部に埋め込まれたアンカーを備え、前記支持部材は円筒状をなし、その内部に前記定着具及びPC鋼棒の支圧板外突出端部が収容されるとともに、内周面に雌ねじが形成され、前記止め部材は外周に雄ねじが形成され、前記雌ねじに螺合されることによって前記支持部材内に抜け出し不能に嵌め込まれ、該止め部材をもって前記PC鋼棒の先端延長方向側を遮蔽させ、該止め部材により前記PC鋼棒の破断時の飛び出しが阻止されるようにしたことにある。
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記止め部材は、前記PC鋼棒の先端部に当接する位置まで螺進させて締め付けることによりその位置で支持部材に固定されていることにある。
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2何れかの請求項の構成に加え、前記支持部材内の止め部材より支圧板側の隙間にグラウトを充填したことにある。
本発明に係るPC鋼棒定着端部における鋼棒抜出防止構造は、コンクリート構造体に対して離脱不能に設置された支圧板と、該支圧板に貫通されたPC鋼棒と、該PC鋼棒の外周に固着されて前記支圧板の外面側に支持される定着具とを備え、前記定着具を介して前記PC鋼棒を緊張状態で支圧板の外面側に支持させたPC鋼棒定着端部にあって、前記定着具の外周側位置に前記支圧板より一体に突設された支持部材と、該支持部材の先端側に抜け出し不能に支持された止め部材とを備え、該止め部材をもって前記PC鋼棒の先端延長方向側を遮蔽させたことによって、万が一PC鋼棒が途中で破断した場合においても、止め部材が支持部材及び支圧板を介してコンクリート構造体に剛的に支持されている為、止め部材に押えられ、PC緊張材が抜け出すのを防止することができる。
前記支持部材は、内部に前記定着具及びPC鋼棒の支圧板外突出端部が収容される円筒状に形成され、該支持部材の内面に備えた雌ねじに前記留め部材を螺合することにより抜け出し不能にしたことによって、簡易な構造で止め部材を支持部材に固定することができる。
前記コンクリート構造体の端部に形成されるPC鋼棒端部定着作業空間を、前記円筒状の支持部材の内径と略同径の円筒状に形成したことによって、当該空間を小さくすることができ、コンクリート構造体の端部まで好適にプレストレスを導入することができ、後埋め部の剥離等の不具合を防止できる。
前記止め部材より支圧板側の隙間にグラウトを充填させたことによって、PC鋼棒を好適に防錆することができる。
前記支圧板は、その内面側に一体に突設された前記コンクリート構造体内に延びるアンカーを備えていることによって、コンクリート構造体に好適に離脱不能に固定される。
前記定着具は、PC鋼棒の先端に形成された雄ネジに螺合されたナットであることによって、容易に取り扱え、定着によるセットロスが無く、容易に緊張管理できる。
次に、本発明に係るPC鋼棒定着端部における鋼棒抜出防止構造について図に基づいて説明する。
図1は、PC鋼棒の定着端部の概略を示し、図中符号10はコンクリート構造体である。
このコンクリート構造体10は、プレストレスを導入するためのPC緊張材11が挿通されるPC挿通孔12を有し、このPC挿通孔12に挿通されたPC緊張材11を緊張し、そのPC緊張材11の端部をコンクリート構造体10の端部に設置された定着用金具に定着させ、該定着用金具を介してコンクリート構造体10の端部に支持させることにより構造体10全体にプレストレスを導入するようになっている。
PC緊張材11は、端部にネジ部14を有するPC鋼棒をもって構成され、このPC鋼棒11が定着用金具の支圧板13を貫通し、緊張した状態でそのネジ部14に定着ナット15を締め付けることにより、PC鋼棒11の端部が支圧板13に定着されるようになっている。
定着用金具は、図2に示すように、中央にPC貫通孔16を有する平板状の支圧板13と、支圧板13の外側面より一体に突出した支持部材18と、支持部材18に抜け出し不能に固定される止め部材22とを備え、支圧板13に定着具15によりPC鋼棒11の端部を定着させるとともに、止め部材22によりPC鋼棒11の先端延長側を遮蔽するようになっている。
支圧板13は、中央にPC緊張材11が貫通されるPC貫通孔16を有する平板状に形成され、その四隅部にコンクリート構造体10内に延びてその内部に埋設されるアンカー17を備え、それにより支圧板13がコンクリート構造体10に対して離脱不能に設置されるようになっている。
更に、支圧板13の外表面には、円筒状の支持部材18が一体に突設され、該支持部材18がPC挿通孔12と連続配置に形成された定着作業用空間19の内面に支持されている。
支持部材18は、内部に定着具15及びPC鋼棒11の支圧板外側突出端部が収容される鋼製の円筒状に形成され、その一端縁が支圧板13の外表面に溶接され、周壁がPC緊張材12の外周側に配置され、その中心軸がPC挿通孔12の中心軸と一致する配置に支圧板13の表面に突設されている。
また、支持部材18の内周面部には、図3に示すように、雌ネジ20が形成され、この支持部材18の内周部に外周に雄ネジ21が形成された円板状の止め部材22が螺合され、抜け出し不能に固定される。
この止め部材22は、PC緊張材11を支圧板13に定着させた際に、PC緊張材11の先端部に当接する位置まで締め付け、その位置で支持部材18に固定されるようになっている。
また、止め部材22には、その両側部にグラウト注入孔23が形成され、このグラウト注入孔23を通して支持部材18内にグラウト24が充填される。尚、図中符号23aは、グラウト注入孔23を閉鎖する閉鎖用詮である。
このようにコンクリート構造体10の端部に定着金具が設置され、その定着金具の支圧板13に緊張したPC鋼棒11の端部を定着具(定着ナット)15を介して支持させたPC鋼棒11の定着端部において、支持部材18に止め部材22が固定され、PC鋼棒11の先端延長方向側を遮蔽することにより、止め部材22が支持部材18、支圧板13及びアンカー部材17を介してコンクリート構造体10に剛的に支持されているので、万が一、PC緊張材11の途中が破断し、PC緊張材11が外向きに飛び出そうとしても止め部材22に押えられ、飛び出ないようになっている。
また、定着作業空間19内の止め部材22表面側部には、モルタル25等が打設されて後埋めがされている。
この定着作業空間19は、上述の如く止め部材22によりPC緊張材11が抜け止めされているので、モルタル25等の後埋め部の厚みを薄くし、定着作業空間19を小さくすることができる。
次に、上述のPC鋼棒抜け止め構造を有する定着端部におけるPC鋼棒定着方法について説明する。
図3は、コンクリート構造体10にプレストレスを導入する際の状態を示し、図中符号30はPC緊張材緊張装置である。
この緊張装置30は、コンクリート構造体10の端面に支持されたラムチェアー31と、ラムチェアー31に支持されたセンターホールジャッキ32と、センターホールジャッキ32に把持されたテンションバー33とを備え、テンションバー33の先端部をPC鋼棒11の端部に連結させ、ラムチェアー31を介してコンクリート構造体10表面に反力を取ってセンターホールジャッキ32によりテンションバー33を引張することによりPC鋼棒11を緊張させるようになっている。
ラムチェアー31は、中央にテンションバー33が挿通されるバー挿通孔34を有する天板35と、天板35の周縁を支持する周壁36とをもって、一方の端部(コンクリート構造体10側)が開口した円筒状に形成されている。
また、テンションバー33の外側に六角スリーブ37が配置され、この六角スリーブ37を用いて定着ナット15を締め付けるようになっている。
尚、ラムチェアー31の周壁36下端部には、六角スリーブ37を回転させ、定着ナットを締め付ける為のレンチ38が出入可能な出入用窓39が形成されている。
テンションバー33は、その先端部にPC鋼棒11のネジ部14が螺合するネジ穴40が形成され、そのネジ穴40にPC鋼棒11のネジ部14をねじ込むことによりテンションバー33の先端にPC鋼棒11を連結できるようになっている。
この装置30を用いてPC緊張材11を定着するには、まず、コンクリート構造体10のPC挿通孔12にPC鋼棒11を挿通させるとともに、PC貫通孔16を通して支圧板13の表面側にPC鋼棒11の端部を突出させ、更に、PC鋼棒11端部のネジ部14に定着ナット15を螺合させる。
次に、六角スリーブ37を支持部材18内に挿入し、定着ナット15の外側に嵌め込んだ後、図3に示すように、ラムチェアー31の下端をコンクリート構造体10の端面に支持させるとともに、バー挿通孔34にテンションバー33を挿通させてセンターホールジャッキ32をラムチェアー31の天板35に支持させて緊張装置30を設置し、六角スリーブ37内を通したテンションバー33の先端にPC鋼棒11の端部に連結する。
そして、ラムチェアー31を介してコンクリート構造体10に反力をとり、センターホールジャッキ32によりテンションバー33を引張することによって、PC鋼棒11に緊張力を与える。
このようにすることにより、定着ナット15と支圧板13との間に間隙が生じるので、テンションバー33外側の六角スリーブ37を締め付け方向に回転させ、定着ナット15を締め付け、それにより、PC鋼棒11の端部を支圧板13に定着する。
次に、緊張装置30を撤去し、支持部材18内側部にPC鋼棒11の先端に当接するまで止め部材22をねじ込み、止め部材22を支持部材18に抜け止め不能に支持させ、止め部材22によりPC鋼棒11の先端延長方向側を遮蔽する。
そして、その位置で止め部材22のグラウト注入孔23より支持部材18内にグラウトを充填する。
グラウト充填が完了したら、グラウト注入孔23を閉鎖用詮23aで閉鎖し、その後、定着作業空間19の止め部材22より外側部分にモルタルを充填し、後埋めする。
最後に後埋めコンクリートを充分養生させて、PC緊張材11の端部定着が完了する。
尚、上述の実施例では、定着具に定着ナット15を使用した例について説明したが、その他、テーパ筒状体を縦割りにした楔を用いたもの等であってもよい。
また、上述の実施例において、支持部材を円筒状に形成した例について説明したが、支持部材を支圧板表面より突出した複数の棒材等で構成してもよい。
更に、上述の実施例では、止め部材を支持部材内周部に螺合させた例について説明したが、その他、支持部材の内側部に溶接等により固定するようにしてもよい。
本発明に係るPC緊張材端部定着構造の概略を示す断面図である。 図1中の定着金具の概略を示す分解斜視図である。 図1中の止め部材の固定状態を示す部分拡大断面図である。 同上のプレストレス導入工程の状態を示す断面図である。 従来のPC緊張材の端部定着構造におけるプレストレス導入工程の概略を示す断面図である。 同上のPC緊張材の端部定着構造を示す断面図である。
10 コンクリート構造体
11 PC緊張材(PC鋼棒)
12 PC挿通孔
13 支圧板
14 ネジ部
15 定着ナット
16 PC貫通孔
17 アンカー部材
18 支持部材
19 定着作業空間
20 雌ネジ
21 雄ネジ部
22 止め部材
23 グラウト注入孔
24 グラウト
30 緊張装置
31 ラムチェアー
32 センターホールジャッキ
33 テンションバー
34 バー挿通孔
35 天板
36 周壁
37 六角スリーブ

Claims (3)

  1. コンクリート構造体に対して離脱不能に設置された支圧板と、該支圧板に貫通されたPC鋼棒と、該PC鋼棒の外周に固着されて前記支圧板の外面側に支持される定着具とを備え、前記定着具を介して前記PC鋼棒を緊張状態で支圧板の外面側に支持させたPC鋼棒定着端部にあって、
    前記定着具の外周側位置に前記支圧板より一体に突設された支持部材と、該支持部材の先端側に抜け出し不能に支持された止め部材とを備え、
    前記支圧板には、前記コンクリート構造体内に延びてその内部に埋め込まれたアンカーを備え、
    前記支持部材は円筒状をなし、その内部に前記定着具及びPC鋼棒の支圧板外突出端部が収容されるとともに、内周面に雌ねじが形成され、
    前記止め部材は外周に雄ねじが形成され、前記雌ねじに螺合されることによって前記支持部材内に抜け出し不能に嵌め込まれ、該止め部材をもって前記PC鋼棒の先端延長方向側を遮蔽させ、
    該止め部材により前記PC鋼棒の破断時の飛び出しが阻止されるようにしたことを特徴としてなるPC鋼棒定着端部における鋼棒抜出防止構造。
  2. 前記止め部材は、前記PC鋼棒の先端部に当接する位置まで螺進させて締め付けることによりその位置で支持部材に固定されている請求項1に記載のPC鋼棒定着端部における鋼棒抜出防止構造。
  3. 前記止め部材より支圧板側の隙間にグラウトを充填させてなる請求項1又は2に記載のPC鋼棒定着端部における鋼棒抜出防止構造。
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