JP4472802B2 - 超音波散乱体をイメージングするためのシステム及び方法 - Google Patents

超音波散乱体をイメージングするためのシステム及び方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の分野】
本発明は一般的には超音波イメージング・システムに関する。具体的には、本発明は、医用超音波イメージングにおいて信号対雑音比(SNR)を増大させる方法及び装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
従来の超音波イメージング・システムは、超音波ビームを送信し、次いで、被検体からの反射ビームを受信する超音波トランスデューサ素子のアレイ(配列)を含んでいる。このような走査は、一連の測定を含んでいる。これらの測定では、フォーカスされた超音波が送信されると、システムは短い時間間隔の後に受信モードに切り換わり、反射した超音波が受信され、ビーム形成されて、表示のために処理される。典型的には、送信及び受信は、各回の測定中には同一の方向にフォーカスされており、1本の音響ビーム又は走査線に沿った一連の点からデータを取得する。受信器は、反射した超音波が受信されるのに伴って、走査線に沿った一連のレンジ(距離)に動的にフォーカスされる。
【0003】
超音波イメージングのために、アレイは典型的には、1列又はそれ以上の列を成して構成されており別個の電圧で駆動される多数のトランスデューサ素子を有している。時間遅延(又は位相)及び印加される電圧の振幅を選択することにより、所与の列の個々のトランスデューサ素子を、超音波を発生するように制御することができ、これらの超音波を合計して、好ましいベクトル方向に沿って走行しておりビームに沿った選択された点にフォーカスされている正味の超音波を形成する。各回のファイアリング(firing)のビーム形成用パラメータを変化させて、最大焦点に変化を与えてもよいし、又はそうでなければ、各回のファイアリングで受信されるデータの内容を変化させてもよく、これは、例えば、各ビームの焦点を前回のビームの焦点に対してシフトさせた状態で、同じ走査線に沿って相次いでビームを送信することにより行われる。ステアリング型アレイの場合には、時間遅延及び印加される電圧の振幅を変化させることにより、ビームをその焦点と共に平面内で移動させて、物体を走査するることができる。リニア・アレイの場合には、アレイに垂直な向きのフォーカスされたビームが、ファイアリング毎にアレイを横断して開口を平行移動させることにより、物体を横断して走査される。
【0004】
トランスデューサ・プローブを用いて受信モードで反射音波を受信するときにも同じ原理が適用される。受信用トランスデューサ素子で発生される電圧は加算されて、正味の信号が物体内の単一の焦点から反射された超音波を表すようにする。送信モードの場合と同様に、超音波エネルギのこのフォーカスされた受信は、各々の受信用トランスデューサ素子からの信号に対して別個の時間遅延(及び/又は位相シフト)並びに利得を付与することにより達成される。
【0005】
超音波画像は、多数の画像走査線で構成されている。単一の走査線(又は走査線の小さな局在化された群)は、関心領域内のある点にフォーカスされている超音波エネルギを送信した後に、反射エネルギを或る時間にわたって受信することにより取得される。フォーカスされた送信エネルギは送信ビームと呼ばれる。送信後の時間中に、1つ又はそれ以上の受信ビームフォーマが、各々のチャネルによって受信されたエネルギを、位相回転又は遅延を動的に変化させながらコヒーレントに加算して、経過時間に比例するレンジにおける所望の走査線に沿ってピーク感度を生じさせる。結果として得られるフォーカスされた感度パターンが受信ビームと呼ばれる。ある走査線の分解能は、関連する送信ビーム及び受信ビームの対の指向性の結果である。
【0006】
ビームフォーマ・チャネルの出力信号は、コヒーレントに加算されて、物体の関心領域又は関心空間内の各々のサンプル空間についてのそれぞれのピクセル強度値を形成する。これらのピクセル強度値は、対数圧縮され、スキャン変換された後に、走査中の解剖学的構造の画像として表示される。
以上に述べた形式の医用超音波イメージング・システムでは、SNRを最適化することが望ましい。付加的なSNRを用いて、所与のイメージング周波数における増大した透過性を得ることもできるし、又はより高い周波数における超音波イメージングを容易にすることにより分解能を向上させることもできる。
【0007】
超音波におけるゴレイ(Golay )・コードの利用は、単一素子で固定焦点のトランスデューサを用いて無生物を検査する非破壊検査(NDE)の分野で周知である。ゴレイ・コードはまた、医用超音波イメージングの分野でも知られている。しかしながら、超音波イメージング・システムにおいてゴレイ・コードを利用することは、ダイナミック・フォーカシング、組織の動き(NDEには存在しない影響)及び非線形の伝播効果が、許容できない符号の劣化及び対応するレンジの劣化をもたらすと考えられていたので、顧みられていなかった。
【0008】
【発明の概要】
本願の優先権主張の基礎出願である米国特許出願第09/063,109号(米国特許第5984869号、1999年11月16日発行)は、トランスデューサ・アレイのゴレイ符号化励起を用いることにより医用超音波イメージングにおいてSNRを向上させる方法及び装置を開示している。SNRの改善のために、1対のゴレイ符号化された基本系列を各々のビームで連続して同一の焦点位置に送信し、次いで、ビーム加算されたデータをデコードしている。1対のゴレイ符号化された基本系列は、基本系列を、オーバサンプリングの後にゴレイ・コード対と畳み込みすることにより形成されている。ゴレイ・コード対は、1対の2値(+1,−1)系列であり、2つの系列の自己相関の和がクロネッカのデルタ関数であるという性質を備えている。オーバサンプリング後のゴレイ系列は、各々の+1及び−1の間にゼロを有しているゴレイ系列であり、ゼロの数が基本系列の長さから1を減じたものに等しいか又はこれよりも大きくなっている。ゴレイ・コード対の上述の性質は、一般の符号よりも優れた2つの重要な利点となって現れる。即ち、(1)ゴレイ・コードは、レンジ・サイドローブを有さないこと、及び(2)ゴレイ・コードは、より高価なディジタル−アナログ変換器に対して、バイポーラ・パルサを利用するだけで送信することができることである。
【0009】
上述の米国特許出願第09/063,109号は更に、ゴレイ対の2つの系列の送信の間に生ずる組織の動きが、符号の歪みをもたらし、これにより、レンジ・サイドローブが増大することを開示している。第1の系列からのエコーが完全に受信されたら直ちに第2の系列を送信することにより、これら2回の送信の間での時間間隔を最小化することができる。そして、送信の間の間隔の最小化は、動きに誘起される符号の歪みを最小化する。
【0010】
ゴレイ符号化励起を用いる前述の医用超音波Bモード・イメージング・システムでは、フレーム・レートは、従来のイメージングと比較して2倍分低下する。なぜならば、従来のイメージングでは焦点ゾーン当たり1回のファイアリングしか必要でなかったのに対し、各々の送信焦点ゾーン毎に2回の往復遅延付きファイアリング(即ち、間に往復の伝播遅延を有する2回のファイアリング)が必要だからである。換言すると、従来のイメージングでは、ゴレイ符号化励起を用いて1つの焦点ゾーンをビーム形成するのに必要な時間と同じ時間量で2つの焦点ゾーンをビーム形成することができる。従って、解決すべき問題点は、どのようにしてゴレイ符号化励起における2倍のフレーム・レートの低下(又は一般的には多相のN個の相補セットにおけるN倍の低下)を回復させるかということにある。
【0011】
1982 IEEE Ultrasonics Symposium 、第821頁〜第825頁(1982年)のB. B. Lee 及びE. S. Furgasonによる論文「フェーズド・アレイにおける同時マルチ・モード動作のためのゴレイ・コード(Golay Codes for Simultaneous Multi-Mode Opertion in Phased Arrays )」では、直交するゴレイ・コードを用いて2つのビームを同時に送信及び受信するアナログ式超音波イメージング・システムが記載されている。このLee 及びFurgasonのシステムは、基礎的なアナログ式フェーズド・アレイ・システムであり、セクタ走査のみ可能なものであって、1つのビーム方向に沿って多数の送信焦点ゾーンを実現することはできない。従って、先行技術を改良するようなゴレイ符号化励起を用いた超音波イメージング・システムが必要とされている。
【0012】
トランスデューサ・アレイのゴレイ符号化励起を用いることにより医用超音波イメージングにおけるSNRを改善する本発明の方法及び装置は、いくつかの観点でLee 及びFurgasonの先行技術に改良を加えたものである。第1に、本発明の1つの好ましい実施態様は、ディジタル・システムであり、セクタ(フェーズド・アレイ)走査ならびに非セクタ(リニア及びカーブリニア)走査において多数の送信焦点ゾーンが可能である。2つの送信焦点ゾーンが、2回の往復遅延付きファイアリングに必要な時間よりも僅かに長い時間で、直交するゴレイ・コードを用いてビーム形成され、これにより、ゴレイ符号化励起により生ずる2倍のフレーム・レートの低下の殆どすべてを回復する。次に、先行技術における多数のビームの同時送信は、非効率的で高価な並列送信ビーム形成用ハードウェアを必要とするものであったが、本発明では、ビームの順次送信を利用しており、バイポーラ・パルサを用いるときには1組の送信ハードウェアしか必要としない。最後に、本発明は、多相符号及び3つ以上の焦点ゾーンに拡張することができる。
【0013】
1 、A2 、B1 及びB2 がそれぞれ、長さN(2の羃数)のバイポーラ系列であって、例えば、A1 =[a1 (1),a1 (2),…,a1 (N)]であって、
【0014】
【数1】
Figure 0004472802
【0015】
のゴレイの相補条件が各々の対について成立しており(即ち、各々の対がゴレイ対となっており)、
且つ、2つのゴレイ対の間では、
【0016】
【数2】
Figure 0004472802
【0017】
の直交条件が成立している場合、直交するゴレイ対[A1 ,A2 ]及び[B1 ,B2 ]が存在する。ここで、上記の式で「×を○で囲んだ記号」は相関を表しており、δ(n)はクロネッカのデルタ関数である。2つの焦点ゾーンA及びBに関わる従来のゴレイ符号化励起では、1対のゴレイ・コードが先ずAへ送信され、続いて、各回の送信の間での往復伝播遅延をTとして、もう1対のゴレイ・コードがBへ送信されている。従って、この送信の系列は、
1 −(T)−A2 −(T)−B1 −(T)−B2 −(T)−… (4)
と表すことができる。ここで、(T)は往復伝播遅延を表している。このように、上述の送信の系列は、約4Tの全送信持続時間を有している。本発明の好ましい実施態様では、2つの直交するゴレイ対の系列が、上述のようにそれぞれのゾーンへ送信されるが、第2のゾーンへのゴレイ対の送信は、第1の送信焦点ゾーンへのゴレイ対の送信開始の短時間の後に開始し、2つの対のファイアリングがインタリーブされるようにする。即ち、
1 −B1 −(T)−A2 −B2 −(T)−… (5)
1つのゴレイ対([A1 ,A2 ]又は[B1 ,B2 ])における2回のファイアリングの間の間隔は、このように、ゴレイ対の間での余分なファイアリングを収容するためにTよりも僅かに長くなっている(典型的には約1%〜2%)。4回の送信の全持続時間は、この場合には、2Tを僅かに上回るのみであり、2つの対のファイアリングが焦点ゾーンA及びBをそれぞれビーム形成するように順序よく行われれば、2倍のフレーム・レートの低下の殆どすべてを回復する。
【0018】
往復伝播遅延がない状態でA1 及びB1 を送信すると、2回の送信からのエコーの間に重なりが生じ、このことはA2 及びB2 についても同様であるので、この重なりを、2つの送信焦点位置を適正にビーム形成するために受信フィルタリングで分離しなければならない。受信フィルタリングは、各々の焦点ゾーンについて1つずつ、2つの並列の経路を辿る。各々のデコード用フィルタ(これは帯域フィルタリング(BPF)用にも使用される)が、ベクトル加算器に対して出力信号を供給し、この出力信号はマルチプレクス(多重化)されて、従来のBモード処理(包絡線検出、対数圧縮及びエッジ強調フィルタ)へ送られた後、表示のためにスキャン変換される。
【0019】
【好ましい実施態様の詳しい説明】
本発明を組み込んだ超音波イメージング・システムが図1に示されている。このシステムは、別個に駆動される複数のトランスデューサ素子12を有しているトランスデューサ・アレイ10を含んでおり、トランスデューサ素子12の各々は、送信器14によって発生されるパルス波形によって付勢されたときに超音波エネルギのバーストを発生する。被検体からトランスデューサ・アレイ10に反射されて戻って来た超音波エネルギは、各々の受信用トランスデューサ素子12によって電気信号へ変換されて、1組の送受信切換え(T/R)スイッチ18を介して受信器16へ別個に印加される。T/Rスイッチは、典型的には、送信用の電子回路によって発生される高電圧から受信用電子回路を保護するためのダイオードである。送信信号によって、ダイオードは受信器への信号を遮断するか又は制限する。送信器14及び受信器16は、人間のオペレータによるコマンドに応答してマスタ・コントローラ20の制御の下で動作する。1つの完全な走査(スキャン)は一連のエコーの取得によって行われ、この際、送信器14が瞬間的にオンにゲート駆動されて各々のトランスデューサ素子12を付勢し、各々のトランスデューサ素子12によって発生される後続のエコー信号が受信器16へ印加される。1つのチャネルは、他のチャネルが依然として送信中である間に受信を開始してもよい。受信器16は、各々のトランスデューサ素子からの別々のエコー信号を合算して単一のエコー信号を発生し、このエコー信号を用いて表示モニタ22上の画像の1本の線を形成する。
【0020】
マスタ・コントローラ20の指令の下で、送信器14は、超音波エネルギが指向性のフォーカスされたビームとして送信されるようにトランスデューサ・アレイ10を駆動する。これを達成するためには、送信ビームフォーマ26によって多数のパルサ24へそれぞれの時間遅延が付与される。マスタ・コントローラ20は、音響パルスが送信される条件を決定する。この情報によって、送信ビームフォーマ26は、パルサ24によって発生されるべき送信パルスの各々についてタイミング及び振幅を決定する。各々の送信パルスの振幅は、アポダイゼーション発生回路(図示されていない)によって発生される。次いで、パルサ24は送信パルスをT/Rスイッチ18を介してトランスデューサ・アレイ10の素子12の各々へ送り、これにより、トランスデューサ・アレイに存在している可能性のある高電圧から時間−利得制御(TGC)増幅器28を保護する。送信フォーカス時間遅延及びアポダイゼーション重みを従来の方式で適当に調節することにより、超音波ビームを方向付けすると共にフォーカスさせて、送信ビームを形成することができる。
【0021】
超音波エネルギの各々のバーストによって発生されるエコー信号は、各々の送信ビームに沿った連続したレンジ(距離)に位置する物体から反射したものである。これらのエコー信号は、各々のトランスデューサ素子12によって別々に検知される。特定の時間点におけるエコー信号の大きさのサンプルが、特定のレンジにおいて生じた反射の量を表す。反射点と各々のトランスデューサ素子12との間の伝播経路に差があるので、エコー信号は同時には検出されず、また各エコー信号の振幅は等しくない。受信器16は、各々の受信チャネルに設けられているそれぞれのTGC増幅器28を介して別々のエコー信号を増幅する。TGC増幅器28によって提供される増幅の量は、制御線(図示されていない)を介して制御される。次いで、増幅されたエコー信号は受信ビームフォーマ30へ供給される。受信ビームフォーマの各々の受信用チャネルは、それぞれのTGC増幅器28によってそれぞれ1つのトランスデューサ素子12に結合されている。
【0022】
マスタ・コントローラ20の指令の下で、受信ビームフォーマ30は、送信されたビームの方向を追跡し、各々のビームに沿った一連のレンジにおけるエコー信号をサンプリングする。受信ビームフォーマ30は、各々の増幅されたエコー信号に対して適正な時間遅延及び受信時アポダイゼーション重みを付与し、これらの信号を加算して、1つの超音波ビームに沿ったある特定のレンジに位置する点から反射した全超音波エネルギを正確に示すエコー信号を形成する。受信フォーカス時間遅延は、特殊なハードウェアを用いて実時間で算出されるか、又はルックアップ・テーブルから読み出される。受信チャネルはまた、受信されたパルスをフィルタリングするための回路を有している。その後、時間遅延された受信信号が加算される。
【0023】
図1に示すシステムにおいて、受信ビームフォーマの出力信号の周波数は、復調器31によってベースバンドにシフトされる。これを達成する1つの方法は、入力信号に複素正弦exp(i2πfd t)を乗算するものである。ここで、fd は、信号のスペクトルをベースバンドに移動させるのに要求される周波数シフトである。次いで、ビーム加算され復調された信号は、信号処理器32へ供給され、信号処理器32は、加算された受信信号を表示データへ変換する。Bモード(グレイ・スケール)では、表示データは、エッジ強調及び対数圧縮等の何らかの追加の処理を行った後の信号の包絡線である。スキャン・コンバータ34が、信号処理器32から表示データを受け取り、このデータを表示に望ましい画像へ変換する。具体的には、スキャン・コンバータ34は、音響画像データを極座標(R−θ)のセクタ・フォーマット又はデカルト座標リニア・アレイから、適当にスケーリングされたデカルト座標の表示ピクセル・データへ、ビデオ・レートで変換する。次いで、これらのスキャン変換された音響データは、表示のため表示モニタ22へ供給され、表示モニタ22は、Bモード信号の包絡線の時間変化振幅をグレイ・スケールとして映像化する。各々の送信ビームについてそれぞれの走査線が表示される。
【0024】
図2は、米国特許出願第09/063,109号に開示されている形式の超音波イメージング・システムを示している。このシステムでは、送信開口内の各々のトランスデューサ素子が、基本系列を符号化した系列を用いてパルス駆動される。符号化された系列における各々のパルスは、通常、チップ(chip)と呼ばれている。基本系列はN桁の送信符号を用いて位相符号化されて、Nチップの符号化された系列を形成し、これは送信系列メモリ36に記憶される。送信系列メモリ36から読み出された各々の符号化された系列は、それぞれの送信ファイアリングの際に多数のパルサ24の駆動を制御する。例えば、各トランスデューサ素子は、所望の送信焦点位置にフォーカスされている1回目の送信ファイアリングの際には第1の符号化された系列に従ってパルス駆動され、同じ送信焦点位置にフォーカスされている2回目の送信ファイアリングの際には第2の符号化された系列に従ってパルス駆動される。第1及び第2の符号化された系列は、第1及び第2の送信符号を基本系列とそれぞれ畳み込みすることにより形成され、即ち、送信符号を用いて基本系列を位相符号化することにより形成される。好ましい実施態様によれば、第1及び第2の送信符号は相補的ゴレイ・コード、即ち、[1,1]及び[1,−1]のゴレイ・コード対であり、パルサ24はバイポーラ・パルサである。
【0025】
パルサ24は、発生される超音波エネルギが各回の送信ファイアリング毎に1つのビームにフォーカスされるように、トランスデューサ・アレイ10の素子12を駆動する。これを達成するためには、ルックアップ・テーブル38からの送信フォーカス時間遅延が、パルサによって発生されるそれぞれのパルス波形に付与される。送信フォーカス時間遅延を従来の同様に適当に調節することにより、超音波ビームを多数の送信焦点位置にフォーカスさせて、画像平面における走査を行うことができる。
各回の送信毎に、トランスデューサ素子12からのエコー信号は、受信ビームフォーマのそれぞれの受信チャネル40へ供給される。各々の受信チャネルは、アナログ−ディジタル変換器(図示されていない)を含んでいる。マスタ・コントローラ20(図1)の指令下で、受信ビームフォーマ30(図1)は、送信されたビームの方向を追跡する。受信ビームフォーマ・メモリ42が、受信されたエコー信号に対して適正な受信フォーカス時間遅延を付与し、これらの信号を加算して、特定の送信焦点位置から反射された全超音波エネルギを正確に表す合成エコー信号を形成する。時間遅延された受信信号は、各回の送信ファイアリングについて受信加算器44で加算される。
【0026】
相次ぐファイアリングからの加算された受信信号は、デコード用フィルタ46へ供給される。デコード用フィルタ46は、1回目の送信ファイアリングについては第1の加算された受信信号を第1の受信符号と相関させ、2回目の送信ファイアリングについては第2の加算された受信信号を第2の受信符号と相関させる。同じ送信焦点位置にフォーカスされた1回目及び2回目の送信ファイアリングから導き出されたフィルタリングされた信号は、ベクトル加算器50で加算され、次いで、加算されフィルタリングされた信号は復調されて、信号処理器32(図1)へ供給される。Bモードでは、信号処理には、包絡線検出、エッジ強調及び対数圧縮が含まれている。信号処理及びスキャン変換の後に、表示モニタ22(図1)上に1本の走査線が表示される。以上の手順を繰り返して、各々の送信焦点位置についてそれぞれの走査線が表示されるようにする(各々のビーム角度毎に1つの送信焦点位置がある場合)か、又は各々のベクトルについてそれぞれの走査線が表示されるようにする(各々のビーム角度毎に多数の送信焦点位置がある場合)。
【0027】
図2に示すシステムでは、第1のゴレイ符号化された系列からのエコーが完全に受信されたら直ちに、第2のゴレイ符号化された系列が送信される。その結果、フレーム・レートは、従来のイメージングと比較して2倍分低下する。なぜならば、従来のイメージングでは焦点ゾーン当たり1回のファイアリングしか必要でなかったのに対し、各々の送信焦点ゾーン毎に2回の往復遅延付きファイアリング(即ち、間に往復伝播遅延を有する2回のファイアリング)が必要だからである。
【0028】
図3は、本発明の好ましい実施態様による医用超音波イメージング・システムのブロック図である。このイメージング・システムは、浅い送信焦点ゾーン(一般的には、妥当なSNRを有している)をイメージングするときには、従来の方式で動作する。しかしながら、深い送信焦点ゾーン(一般的には、不適当なSNRを有している)については、このシステムは、ゴレイ符号化励起を用いる。
【0029】
簡潔にするため、図3では、図2の構成要素10、18、24、36、38、40及び42については繰り返さない。しかしながら、本発明を理解するために、図3に示されている構成要素は、図2からの前述の構成要素と組み合わされることを理解されたい。従って、以下の説明では、図2及び図3の両方を参照する。
【0030】
本発明の好ましい実施の形態では、第1及び第2の直交するゴレイ対を、これらの送信のそれぞれの開始の間に往復伝播遅延がない状態で送信することにより、ゴレイ符号化励起における2倍のフレーム・レートの低下が回復される。具体的には、本発明の好ましい実施の形態によれば、2つの直交するゴレイ対の系列[A1 ,A2 ]及び[B1 ,B2 ]をそれぞれの送信焦点ゾーンへ送信する。このとき、第2のゾーンへ送信されるゴレイ対[B1 ,B2 ]は、第1の送信焦点ゾーンへのゴレイ対[A1 ,A2 ]の送信の開始から短時間の後に開始される。A1 及びB1 を往復伝播遅延のない状態で送信することにより、これら2回の送信からのエコーの間に重なりが生じ、このことはまた、A2 及びB2 についても同様である。これらの重なりは、分離を回復すると共に2つの送信焦点位置を適正にビーム形成するために、受信フィルタリングで除去されなければならない。受信フィルタリングは、各々の焦点ゾーンについて1つずつ、2つの並列の経路に従う。
【0031】
各回のファイアリングの際に、(図2を参照)バイポーラ・パルサ24は、送信系列メモリ36によって又は特殊なハードウェアによって供給されるゴレイ符号化された基本系列によって励起される。送信系列メモリ36からのゴレイ符号化された基本系列及びルックアップ・テーブル38によって供給される送信フォーカス遅延に応答して、パルサ24は、送信開口を構成するそれぞれのトランスデューサ素子12に対してゴレイ符号化されたパルス系列を供給する。図4は、トランスデューサ素子12を駆動するために送信メモリ36に記憶されている上述のような基本系列の1つを示している。ゴレイ符号化された基本系列の各々における+1及び−1の要素は、バイポーラ・パルサによって反対の位相を有するパルスへ変換される。
【0032】
直交するゴレイ・コード対は、直接送信されるのではなく、先ず、これらの系列をオーバサンプリング(典型的には、40MHzで、又はdt=0.025マイクロ秒の時間でのサンプル)し、次いで、オーバサンプリング系列を基本系列と畳み込みして、直交するゴレイ符号化された基本系列を形成することにより送信される。各々の直交するゴレイ符号化された基本系列は、基本系列の適正な選択によりそのスペクトルがトランスデューサの通過帯域によりよく一致するので、遥かに効率的に送信することができる。
【0033】
図4は、等間隔のバイポーラ・パルスの系列で各々のトランスデューサ素子12を励起することによる送信波形の形成を示している。このパルス系列は、送信メモリ36に記憶されておりバイポーラ・パルサ24によって供給される+1及び−1から成る系列によって指定される。図4は、送信メモリ36に記憶されている8つのサンプルしか示していないが、実際には、送信メモリは、例えば40MHzのサンプリング・レートで読み出される64、128又はそれ以上のサンプルを記憶している。2つのゴレイ・コード対[+1,+1]及び[+1,−1]、並びに[−1,+1,+1,−1]の基本系列については、ゴレイ符号化された基本系列[−1,+1,+1,−1,−1,+1,+1,−1]が1回目のファイアリングについて送信メモリ36に記憶される。2回目のファイアリングについては、ゴレイ符号化された基本系列[−1,+1,+1,−1,+1,−1,−1,+1]が送信メモリに記憶される。
【0034】
図5〜図8は、基本系列と、オーバサンプリング後の1対のゴレイ系列の一方との畳み込みからの送信用の(ゴレイ符号化された)基本系列の形成を示している。図5には、ゴレイ系列[+1,−1]が示されている。基本系列は、結果として得られる超音波のパルス形状及びスペクトル・エネルギを最適化するように設計されている。図6に示す実例では、基本系列は、極性[+1,+1,+1,+1,+1,+1,−1,−1,−1,−1,−1,−1]を有するパルスの系列となっている。1回目のファイアリングでは、基本系列は、ゴレイ・コード[+1,−1]に対応しているオーバサンプリング後のゴレイ系列(図7を参照)と畳み込みされる。結果として得られるゴレイ符号化された基本系列を図8に示す。2回目のファイアリングでは、基本系列は、ゴレイ・コード[+1,+1]に対応しているオーバサンプリング後のゴレイ系列(図示されていない)と畳み込みされる。結果として得られるゴレイ符号化された基本系列を図9に示す。ゴレイ符号化された基本系列は、予め算出されており、送信系列メモリ36(図2)に記憶されている。送信系列は、トランスデューサ素子を励起した後に、各回のファイアリング毎にゴレイ系列によって決定される極性を有する超音波パルスの系列を生ずる。
【0035】
各回のファイアリング毎に、得られたフォーカスされたビームからのエコー信号が、受信開口を構成するトランスデューサ素子によって電気信号へ変換される。これらの受信信号は、受信チャネル40(図2)において、増幅されると共に、特殊なハードウェアによって実時間で算出されるか又はルックアップ・テーブルから供給される受信フォーカス時間遅延42(図2)に従って時間遅延される。次いで、増幅され遅延された信号は、受信ビーム加算器44(図2)によって加算される。
【0036】
2つの直交するゴレイ式の系列の対[A1 ,A2 ]及び[B1 ,B2 ]がそれぞれの送信焦点ゾーンへ送信される場合には、加算されている受信信号R1 及びR2 が、1対のゴレイ・デコーダによってデコードされる。ここで、R1 =A1 +B1 は、A1 送信からのエコー及びB1 送信からのエコーの重ね合わせを表しており、R2 =A2 +B2 は、A2 送信からのエコー及びB2 送信からのエコーの重ね合わせを表している。図3に示すように、第1のゴレイ・デコーダはデコード用フィルタ52とベクトル加算器54とを含んでおり、第2のゴレイ・デコーダはデコード用フィルタ56とベクトル加算器58とを含んでいる。加算されている受信信号R1 はデコード用フィルタ52に供給されると共にデコード用フィルタ56に供給されて、デコード用フィルタ52は該加算されている受信信号R1 を受信符号A1 と相関させ、またデコード用フィルタ56は該加算されている受信信号R1 を受信符号B1 と相関させる。受信符号は、フィルタ係数メモリ48によってフィルタ係数の形態で供給される。受信の際には、時間反転されたオーバサンプリング後の系列をフィルタ係数として用いる(FIRフィルタにおける相関を実現するために時間が反転されている。)。A1 によってフィルタリングすると、
【0037】
【数3】
Figure 0004472802
【0038】
が得られ、これはベクトル加算器54に記憶される。同様に、B1 によってフィルタリングすると、
【0039】
【数4】
Figure 0004472802
【0040】
が得られ、これはベクトル加算器58に記憶される。続いて、加算されている受信信号R2 はデコード用フィルタ52に供給されると共にデコード用フィルタ56に供給されて、デコード用フィルタ52は該加算されている受信信号R2 を受信符号A2 と相関させ、またデコード用フィルタ56は該加算されている受信信号R2 を受信符号B2 と相関させる。A2 によってフィルタリングすると、
【0041】
【数5】
Figure 0004472802
【0042】
が得られ、これをベクトル加算器54で加算すると、
【0043】
【数6】
Figure 0004472802
【0044】
が得られ、焦点ゾーンAについての信号が分離されてゴレイ・デコードされている。同様に、B2 によってフィルタリングすると、
【0045】
【数7】
Figure 0004472802
【0046】
が得られ、これをベクトル加算器58で加算すると、
【0047】
【数8】
Figure 0004472802
【0048】
が得られ、焦点ゾーンBについての信号が分離されてゴレイ・デコードされている。
本発明の好ましい実施態様では、各々のデコード用フィルタは、帯域フィルタ処理も行うそれぞれのFIR(有限インパルス応答)フィルタを含んでおり、各々のベクトル加算器は、それぞれのFIRフィルタの出力に結合された入力を有するそれぞれのバッファ・メモリを含んでいる。重なり合ったエコー信号の各々の対について、それぞれ1組のフィルタ・タップがフィルタ係数メモリ48から読み出され、それぞれのFIRフィルタへ書き込まれる。
【0049】
各回のファイアリング毎に、送信の際に用いられたゴレイ符号化された基本系列に対応しているオーバサンプリング後のゴレイ系列を用いてフィルタリングが行われる。時間反転されたオーバサンプリング後のゴレイ系列は、メモリ48に記憶されており、適当な時刻にデコード用フィルタ52及び56へ供給される。デコード用フィルタは、以下の相関を実行するFIRフィルタである。
【0050】
【数9】
Figure 0004472802
【0051】
ここで、*は畳み込みを示しており、上付きのバーは共役関係を示している(x及びyが複素数である場合)。相関の結果は、それぞれベクトル加算器54及び58で加算されて、デコードされた信号を形成し、これらの信号は更なる処理のためにマルチプレクサ60を介して順次Bモード・プロセッサ32(図1)へ供給される。SNRが向上すること以外では、デコード後のゴレイ・パルスは、ゴレイ符号化された基本系列の代わりに基本系列を送信することにより得られるものと実質的に同じである。
【0052】
ゴレイ・コードの主な利点は、符号の送信のために、アポダイズされたチャープ(chirp )等のその他の符号を送信することが必要なより高価なディジタル−アナログ変換器に対して、バイポーラ・パルサを利用することにある。加えて、ゴレイ・コードは理論的にはレンジ・ローブを有していないが、このことは他のどの符号にも当てはまらない。
【0053】
このイメージング・システムはまた、RFエコー信号をベースバンドに復調させると共にビーム加算の前又は後にダウンサンプリングすることにより動作することもできる。この場合には、相関のために記憶されているオーバサンプリング後のゴレイ系列もまた、ベースバンドに復調されると共にダウンサンプリングされる。
【0054】
直交するゴレイ符号化励起に用いられる2つの送信焦点ゾーンは、同一のビーム・ベクトルに沿っていてもよいし、異なるビーム・ベクトルに沿っていてもよい。前者の場合には、スキャン・コントローラ(図示されていない)が、より深いゾーンについての加算器の出力信号を指示し、この出力信号をトランケート(打ち切り)して、適当なレンジ位置においてより浅いゾーンについての加算器の出力信号にアペンド(追加)し、表示される前に1本の走査線を形成する。後者の場合には、2つの焦点ゾーンの各々が、それぞれの走査線に対応する。(直交する)ゴレイ符号化励起がより深いゾーンにおいてのみ用いられるときには、より浅い領域に従来のゾーンが存在していてもよい。
【0055】
本発明のいくつかの好ましい特徴についてのみここに例示し説明したが、当業者には多くの改変及び変更が想到されよう。例えば、本発明は、2相の符号を用いることに限定されておらず、多相の符号を代替的に用いることができる。加えて、ここに記載した方法は、直交する相補的な組を用いて2つよりも多い焦点ゾーンに拡張することもできる。更に、ゴレイ符号化を個別の受信サブ開口に対して用いて、ダイナミック・フォーカシングの影響を減少させ得ることは明らかである。例えば、受信開口を単一の送信イベントについて2つ又はそれよりも多いサブ開口に分割することができ、全体的な受信開口が同一であれば、対としてまとめられる送信イベントについてサブ開口を異なったものとすることが可能である。各回の送信イベント毎に、受信信号を各々のサブ開口についてビーム形成し、それぞれのサブ開口についてビーム形成された信号をフィルタリングした後に、それぞれのサブ開口のフィルタリング後の信号を加算する。従って、特許請求の範囲は、本発明の要旨の範囲内に含まれるこれらのようなすべての改変及び変更を網羅することを意図しているものと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を組み込むようにプログラムすることのできる超音波イメージング・システムのブロック図である。
【図2】米国特許出願第09/063,109号に開示されている発明による超音波イメージング・システムのブロック図である。
【図3】本発明の好ましい実施態様に従って、トランスデューサ素子に対する重なり合ったゴレイ符号化励起及び対応する受信波形の並列デコーディングを用いた超音波イメージング・システムの一部のブロック図である。
【図4】本発明による単一のトランスデューサ素子についてゴレイ符号化励起のための構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の好ましい実施態様によるゴレイ・コード系列を示すパルス線図である。
【図6】本発明の好ましい実施態様による基本系列を示すパルス線図である。
【図7】本発明の好ましい実施態様によるオーバサンプリング後のゴレイ・コード系列を示すパルス線図である。
【図8】本発明の好ましい実施態様によるゴレイ符号化された1対の基本系列を示すパルス線図である。
【図9】本発明の好ましい実施態様によるゴレイ符号化された1対の基本系列を示すパルス線図である。

Claims (10)

  1. 超音波散乱体をイメージングするシステムにおいて、
    多数のトランスデューサ素子(12)を有し、超音波を発すると共に前記散乱体により反射された超音波エコーを検出する超音波トランスデューサ・アレイ(10)と、
    前記トランスデューサ・アレイ(10)に接続され、送信開口を形成する第1の複数のトランスデューサ素子(12)を、第1の送信イベントの間には第1のゴレイ符号化パルス系列によって、第2の送信イベントの間には第2のゴレイ符号化パルス系列によって、パルス駆動させる送信手段(14)であって、前記第1と第2のゴレイ符号化パルス系列は夫々、基本系列と、1対のゴレイ系列のオーバサンプルした第1と第2のゴレイ系列との畳み込み演算から得られたものであり、前記1対のゴレイ系列は、前記第1と第2のゴレイ系列の自己相関同士の和がクロネッカデルタ関数であるという特性を有する、送信手段(14)と、
    前記トランスデューサ・アレイ(10)に接続されて、受信開口を形成し、前記第1の送信イベントに続いて第2の複数のトランスデューサ素子(12)からの第1の組の信号を受信し、前記第2の送信イベントに続いて前記第2の複数のトランスデューサ素子(12)からの第2の組の信号を受信する受信手段(16)と、
    前記第1と第2の組の信号の夫々から第1と第2のビーム加算された受信信号を形成するビームフォーマ手段(30)と、
    前記第1のビーム加算された受信信号を前記第1のオーバサンプルされたゴレイ系列の関数としてフィルタして第1のフィルタ処理信号を、そして、前記第2のビーム加算された受信信号を前記第2のオーバサンプルされたゴレイ系列の関数としてフィルタして第2のフィルタ処理信号を形成するフィルタ手段(52,56)と、
    前記第1及び第2のフィルタ処理信号を加算して、デコード信号を形成する手段(54,58)と、
    前記デコード信号の関数である画像を表示する表示モニタ手段(22)とを有していることを特徴とする、超音波散乱体イメージングシステム。
  2. 開口を形成する前記トランスデューサ素子は(12)は、前記第1と第2の送信イベントとにおいて同じ焦点位置にフォーカスされることを特徴とする請求項1のシステム。
  3. 前記送信手段は、
    前記第1の複数のトランスデューサ素子(12)に夫々結合された複数のバイポーラパルサ(24)と、
    これら複数のバイポーラパルサ(24)の各々に前記第1と第2のゴレイ符号化された基本系列を供給する基本系列供給手段と、
    を具備することを特徴とする請求項1または2に記載のシステム。
  4. 前記基本系列供給手段は、前記第1と第2のゴレイ符号化されたパルス系列を格納しておく第1のメモリ手段(36)を具備することを特徴とする請求項3に記載のシステム。
  5. 前記基本系列供給手段は、前記バイポーラパルサ(24)の活性化を遅らせる送信遅延時間を格納しておく第2のメモリ手段(38)を具備することを特徴とする請求項4に記載のシステム。
  6. 前記フィルタ手段は、前記第1のビーム加算された受信信号を前記第1のオーバサンプルされたゴレイ系列で相関させ、且つ、前記第2のビーム加算された受信信号を前記第2のオーバサンプルされたゴレイ系列で相関させて、前記第1と第2のフィルタ処理信号を夫々生成する手段を具備することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシステム。
  7. 前記フィルタ手段は、FIRフィルタと、このFIRフィルタに第1の組と第2の組のフィルタタップを供給するのメモリ手段とを有し、前記第1の組と第2の組のフィルタタップは、前記第1と第2のオーバサンプルされたゴレイ系列に夫々対応することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のシステム。
  8. 超音波散乱体をイメージングする方法であって、
    基本系列と、オーバサンプルした第1と第2のゴレイ系列との夫々の畳み込み演算から、第1と第2のゴレイ符号化パルス系列の夫々を、前記第1と第2のゴレイ符号化パルス系列との自己相関同士の和がクロネッカデルタ関数となるように、導き出す工程と、
    第1の送信イベントの間に、トランスデューサアレイ(10)にて送信開口を構成する第1の組のトランスデューサ素子(12)を、前記第1のゴレイ符号化パルス系列で駆動する工程と、
    前記第1の送信イベントに続いて、前記トランスデューサアレイ(10)にて受信開口を構成する第2の組のトランスデューサ素子(12)から、第1の組のエコー信号を受信する工程と、
    前記第1の組のエコー信号から第1のビーム加算された受信信号を形成する工程と、
    前記第1のビーム加算された受信信号を前記第1のオーバサンプルされたゴレイ系列の関数としてフィルタ処理して、第1のフィルタ処理信号を形成する工程と、
    前記第1の送信イベントに続く第2の送信イベントの間に、前記第1の組のトランスデューサ素子(12)を、前記第2のゴレイ符号化パルス系列で駆動する工程と、
    前記第2の送信イベントに続いて、前記第2の組のトランスデューサ素子(12)から、第2の組のエコー信号を受信する工程と、
    前記第2の組のエコー信号から第2のビーム加算された受信信号を形成する工程と、
    前記第2のビーム加算された受信信号を前記第2のオーバサンプルされたゴレイ系列の関数としてフィルタ処理して、第2のフィルタ処理信号を形成する工程と、
    前記第1と第2のフィルタ処理信号同士を加算してデコード信号を形成する工程と、
    前記デコード信号の関数としての画像を表示する工程とを具備することを特徴とする、超音波散乱体イメージング方法。
  9. 前記第1と第2の送信イベントにおいて、前記第1の組と第2の組のトランスデューサ素子(12)を、同じ焦点位置にフォーカスさせることを特徴とする請求項8の方法。
  10. 前記フィルタ工程は、
    前記第1のビーム加算された受信信号を前記第1のオーバサンプルされたゴレイ系列で相関させ、前記第2のビーム加算された受信信号を前記第2のオーバサンプルされたゴレイ系列で相関させることにより、前記第1と第2のフィルタ処理信号を夫々形成する工程と、
    前記第2の組のエコー信号から第2のビーム加算された受信信号を形成する工程と、
    前記第2のビーム加算された受信信号を前記第2のオーバサンプルされたゴレイ系列の関数としてフィルタ処理して第2のフィルタ処理信号を形成する工程と、
    前記第1と第2のフィルタ処理信号を加算してデコード信号を形成する工程と、
    前記デコード信号の関数としての画像を表示する工程とを具備することを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
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