以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。また、実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態1は、例えば高速動作を可能とするために大きな電流駆動力を必要とするMIS(Metal Insulator Semiconductor)型トランジスタ(電界効果トランジスタ)であり、相対的に低い電圧で駆動する低耐圧MIS型トランジスタと、高電圧駆動を可能とするために相対的に高い電圧で駆動する高耐圧MIS型トランジスタ有する半導体装置であって、書き換え可能な不揮発性メモリセルを含む半導体装置およびその製造方法に本発明を適用したものである。
図1から図3を参照して実施の形態1における半導体装置の構成について説明する。
図1は、チップ(半導体基板)1に形成されたそれぞれの素子のレイアウト構成を示した上面図である。図1において、チップ1は、CPU(Central Processing Unit)2、ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)5、アナログ回路6、静電保護回路7a〜7gを有している。
CPU(回路)2は、中央演算処理装置とも呼ばれ、コンピュータなどの心臓部にあたる。このCPU2は、記憶装置から命令を読み出して解読し、それに基づいて多種多様な演算や制御を行なうものであり、処理の高速性が要求される。したがって、CPU2を構成しているMIS型トランジスタには、チップ1に形成されている素子の中で、相対的に大きな電流駆動力が必要とされる。すなわち低耐圧MIS型トランジスタで形成される。
ROM(回路)3は、記憶情報が固定され変更できないメモリで、読み出し専用メモリと呼ばれる。ROM3の構成には、MIS型トランジスタを直列接続したNAND型と、MIS型トランジスタを並列接続したNOR型がある。NAND型は、集積密度重視であるのに対し、NOR型は、動作速度重視の目的で使用されることが多い。このROM3も動作の高速性が要求されるため、ROM3を構成しているMIS型トランジスタには、相対的に大きな電流駆動力が必要とされる。すなわち低耐圧MIS型トランジスタで形成される。
RAM(回路)4は、記憶情報をランダムに、すなわち随時記憶されている記憶情報を読み出したり、記憶情報を新たに書き込んだりすることができるメモリであり、随時書き込み読み出しができるメモリとも呼ばれる。ICメモリとしてのRAMには、ダイナミック回路を用いたDRAM(Dynamic RAM)とスタティック回路を用いたSRAM(Static RAM)の2種類がある。DRAMは、記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリであり、SRAMは、記憶保持動作が不要な随時書き込み読み出しメモリである。これらRAM4も動作の高速性が要求されるため、RAM4を構成しているMIS型トランジスタには、相対的に大きな電流駆動力が必要とされている。すなわち低耐圧MIS型トランジスタで形成される。
EEPROM5は、書き込み動作および消去動作とも電気的に書き換え可能な不揮発性メモリの一種であり、電気的消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリとも呼ばれる。このEEPROM5のメモリセルには、メモリセル選択用のMIS型トランジスタと、記憶(メモリ)用の例えばMONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)型トランジスタやMNOS(Metal Nitride Oxide Semiconductor)型トランジスタから構成される。ここで、メモリセル選択用のMIS型トランジスタは高耐圧MIS型トランジスタで形成されている。EEPROM5の書き込み動作には、例えばホットエレクトロン注入またはファウラーノルドハイム型トンネル現象を利用し、消去動作には、ファウラーノルドハイム型トンネル現象またはホットホール注入を利用する。なお、ホットエレクトロン注入と、ホットホール注入とを逆にしてもよいのは勿論である。
EEPROM5の書き込み動作時などには、記憶用のMONOS型トランジスタに高い電位差(12V程度)が生じるため、記憶用のMONOS型トランジスタとして、相対的に高耐圧のトランジスタが必要とされる。
アナログ回路6は、時間的に連続して変化する電圧や電流の信号、すなわちアナログ信号を扱う回路であり、例えば増幅回路、変換回路、変調回路、発振回路、電源回路などから構成されている。これらアナログ回路6は、チップ1に形成された素子の中で、相対的に高耐圧のMIS型トランジスタが使用される。
静電保護回路7a〜7gは、素子や絶縁膜などが帯電電荷の放電により生じた電圧や発熱で、内部回路が破壊されることを防止するために外部端子に設けられた回路である。帯電電荷としては、例えば人体、物体などに蓄積された静電気によるものがある。なお、静電保護回路7a、7cは、入出力端子に設けられ、静電保護回路7bは、モニタ端子に設けられている。また、静電保護回路7dは、Vss端子に設けられ、静電保護回路7eは、CLK(クロック)端子に設けられている。さらに静電保護回路7fは、RST(リセット)端子に設けられ、静電保護回路7gは、Vcc端子に設けられている。これら静電保護回路7a、7c〜7gには、高電圧が印加されるため、チップ1に形成された素子の中で、相対的に高耐圧のMIS型トランジスタが使用される。
次に、図1に示したEEPROM5の内部構成の一例を図2に示す。図2において、EEPROM5は、メモリアレイ10とメモリアレイを駆動するための駆動回路としてメモリアレイ10の直接周辺回路部11および間接周辺回路部12を有している。
メモリアレイ10は、EEPROM5の記憶部にあたり、メモリセルが縦と横の2次元上に多数配置されている。メモリセルは、1ビットの単位情報を記憶するための回路であり、記憶部であるMONOS型トランジスタとメモリアレイの中からメモリセルを選択するためのMIS型トランジスタより構成されている。
駆動回路は、メモリアレイ10を駆動するための回路であり、直接周辺回路部11としては、例えば電源電圧から数倍の電圧を生成する昇圧回路、昇圧用クロック発生回路、電圧クランプ回路、行や列を選択するカラムデコーダやロウデコーダ、カラムラッチ回路およびWELL制御回路などを有している。これら直接周辺回路部11を構成するMIS型トランジスタは、チップ1に形成されている素子の中で、相対的に高耐圧を必要とするMIS型トランジスタより形成されている。
また、間接周辺回路部12としてはメモリアレイの書き換え制御回路として形成されており、設定回路、通常用書き換えクロック生成回路、高速用書き換えクロック生成回路および書き換えタイミング制御回路等を有する回路からなる。これら間接周辺回路部12を構成するMIS型トランジスタは、チップ1に形成されている素子の中で、相対的に低い電圧で駆動し、高速動作が可能な低耐圧MIS型トランジスタより形成されている。
続いて、図3にチップ1上に形成されたMONOS型トランジスタQ1およびMIS型トランジスタQ2〜Q5の断面図を示す。図3において、左側の領域は、EEPROM(書き換え可能な不揮発性メモリ)5内のメモリセル形成領域を示しており、MONOS型トランジスタQ1およびMIS型トランジスタQ2が形成されている。中央の領域は、高速動作を可能とするために大きな電流駆動力を必要とする低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4が形成されている領域を示している。上記したように、このような低耐圧MIS型トランジスタが形成される中央の領域としては、例えばCPU2やRAM4の形成領域などが考えられる。また、右側の領域は、高耐圧のMIS型トランジスタQ5が形成されている領域を示しており、例えばアナログ回路6の形成領域、静電保護回路7a〜7gの形成領域またはEEPROM5内の駆動回路が形成されている領域などが考えられる。
チップ1にある半導体基板20のそれぞれの領域には、素子を分離する素子分離領域21が形成されており、素子分離領域21によって分離された活性領域には、それぞれp型ウェル22、23、25またはn型ウェル24が形成されている。
メモリセル形成領域のp型ウェル22上には、MONOS型トランジスタQ1およびMIS型トランジスタQ2が形成されている。このMONOS型トランジスタQ1は、1ビットを記憶する記憶用のトランジスタであり、MIS型トランジスタQ2は、メモリセルを選択するための選択用トランジスタである。
一方、中央の領域のp型ウェル23上には、MIS型トランジスタQ3が形成され、n型ウェル24上には、MIS型トランジスタQ4が形成されている。このMIS型トランジスタQ3、Q4は、低耐圧MIS型トランジスタであり、高耐圧MIS型トランジスタQ2、Q5よりも高速の動作を可能とするために電流駆動力を向上させたトランジスタである。
また、右側の領域のp型ウェル25上には、MIS型トランジスタQ5が形成されている。このMIS型トランジスタQ5は、低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4よりも高耐圧性を向上させたトランジスタである。
次に、図3に示すMONOS型トランジスタQ1およびMIS型トランジスタQ2〜Q5の構成について説明する。
まず、メモリセル形成領域内に形成されたMONOS型トランジスタQ1は、以下に示す構成をしている。すなわち、半導体基板20内に形成されたp型ウェル22上にゲート絶縁膜(第1ゲート絶縁膜)26が形成されており、このゲート絶縁膜26上に電荷蓄積膜27が形成されている。そして、この電荷蓄積膜27上に絶縁膜28(中間絶縁膜)が形成され、絶縁膜28上に導電膜からなるメモリゲート電極(第1ゲート電極)34が形成されている。メモリゲート電極34には、低抵抗化を図るためにポリシリコン膜29上にシリサイド膜として例えばコバルトシリサイド膜68が形成された積層構造で構成されており、メモリゲート電極34の両側の側壁にはLDD(Lightly Doped Drain)構造を形成するため、例えば絶縁膜からなるサイドウォール(第1サイドウォール)Aが形成されている。なお、シリサイド膜は、コバルトシリサイドに限定されず、チタンシリサイドまたはニッケルシリサイドで構成してもよいのは勿論である。
サイドウォールA下の半導体基板20内には、半導体領域として、低濃度n型不純物拡散領域(第1不純物領域)46、47と、低濃度n型不純物拡散領域46、47の外側の領域に、高濃度n型不純物拡散領域(第2不純物領域)59、60とが形成されている。高濃度n型不純物拡散領域59、60上には、低抵抗化を図るためのシリサイド膜として例えばコバルトシリサイド膜68が形成されている。
上記のように構成されたMONOS型トランジスタQ1において、ゲート絶縁膜26は、例えば酸化シリコン膜より形成されており、トンネル絶縁膜としての機能も有する。例えばこのMONOS型トランジスタQ1は、半導体基板20からゲート絶縁膜26を介して電荷蓄積膜27に電子を注入したり、電荷蓄積膜27に蓄積した電子を半導体基板20へ放出したりしてデータの記憶や消去を行なうため、ゲート絶縁膜26は、トンネル絶縁膜として機能する。このような電子のトンネル効果を使用したメモリセルの書き込み動作、消去動作および読み出し動作についての詳細は後述する。
電荷蓄積膜27は、データ記憶に寄与する電荷を蓄積するために設けられた膜であり、例えば窒化シリコン膜より形成されている。
従来、電荷蓄積膜27としてポリシリコン膜が主に使用されてきたが、電荷蓄積膜27としてポリシリコン膜を使用した場合、電荷蓄積膜27を取り囲む酸化膜のどこか一部に欠陥があると、電荷蓄積膜27が導体であるため、異常リークにより電荷蓄積膜27に蓄積された電荷がすべて抜けてしまうことが起こりうる。
そこで、上述したように電荷蓄積膜27として、絶縁体である窒化シリコン膜が使用されてきている。この場合、データ記憶に寄与する電荷は、窒化シリコン膜中に存在する離散的なトラップ準位(捕獲準位)に蓄積される。したがって、電荷蓄積膜27を取り巻く酸化膜中の一部に欠陥が生じても、電荷は電荷蓄積膜27の離散的なトラップ準位に蓄積されているため、すべての電荷が電荷蓄積膜27から抜け出てしまうことがない。このため、データ保持の信頼性向上を図ることができる。
このような理由から、電荷蓄積膜27として、窒化シリコン膜に限らず、離散的なトラップ準位を含むような膜を使用することにより、データ保持の信頼性を向上することができる。
サイドウォールAは、MONOS型トランジスタQ1の半導体領域であるソース領域(第1ソース領域)およびドレイン領域(第1ドレイン領域)をLDD構造にするために形成されたものである。すなわち、MONOS型トランジスタQ1のソース領域は、低濃度n型不純物拡散領域46および高濃度n型不純物拡散領域59より形成され、ドレイン領域は、低濃度n型不純物拡散領域47および高濃度n型不純物拡散領域60より形成されているが、サイドウォールA下のソース領域およびドレイン領域を低濃度n型不純物拡散領域46、47とすることで、メモリゲート電極34端下における電界集中を抑制することができるようにしている。
次に、MIS型トランジスタQ2の構成について説明する。図3において、MIS型トランジスタQ2は以下に示すような構成をしている。すなわち、p型ウェル22上にゲート絶縁膜(第3ゲート絶縁膜)37が形成され、このゲート絶縁膜37上にコントロールゲート電極(第3ゲート電極)42が形成されている。そして、コントロールゲート電極42には、低抵抗化を図るためポリシリコン膜39上にシリサイド膜として例えばコバルトシリサイド膜68が形成されている。
コントロールゲート電極42の両側の側壁には、MIS型トランジスタQ2のソース領域およびドレイン領域をLDD構造とするため、サイドウォール(第3サイドウォール)Bが形成されており、このサイドウォールB下のp型ウェル22内には、半導体領域である低濃度n型不純物拡散領域47、48が形成されている。低濃度n型不純物拡散領域47、48の外側には、半導体領域である高濃度n型不純物拡散領域60、61が形成されている。
次に、相対的に大きな電流駆動力を必要とする低耐圧MIS型トランジスタQ3の構成について説明する。図3において、MIS型トランジスタQ3は、以下に示すように形成されている。すなわち、p型ウェル23上にゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)36が形成され、このゲート絶縁膜36上にゲート電極(第2ゲート電極)43が形成されている。このゲート電極43は、例えば燐(P)等のn型の不純物が導入されたポリシリコン膜39と、ポリシリコン膜39上に形成された低抵抗化を図るためのコバルトシリサイド膜68とで形成されている。また、ゲート電極43のゲート長方向における長さは、MONOS型トランジスタQ1およびMIS型トランジスタQ2のゲート電極34、42のゲート長さ方向における長さよりも短い。なお、シリサイド膜は、例えばコバルトシリサイド、チタンシリサイドまたはニッケルシリサイドで構成される。
ゲート電極43の両側の側壁には、サイドウォール(第2サイドウォール)Cが形成されており、そのゲート長方向における幅は上述したサイドウォールAおよびBの幅よりも小さい。サイドウォールC下には半導体領域である低濃度n型不純物拡散領域(第3不純物領域)49、50が形成されている。低濃度n型不純物拡散領域49、50の外側には、半導体領域である高濃度n型不純物拡散領域(第4不純物領域)62、63が形成されている。このように、MIS型トランジスタQ3には、低濃度n型不純物拡散領域49および高濃度n型不純物拡散領域62よりなるソース領域(第2ソース領域)と低濃度n型不純物拡散領域50および高濃度n型不純物拡散領域63よりなるドレイン領域(第2ドレイン領域)が形成されている。
MIS型トランジスタQ4は、n型ウェル24上に形成されたゲート絶縁膜36と、ゲート電極(第2ゲート電極)44、サイドウォール(第2サイドウォール)D、低濃度p型不純物拡散領域51および高濃度p型不純物拡散領域64よりなるソース領域、低濃度p型不純物拡散領域52、高濃度p型不純物拡散領域65よりなるドレイン領域を有する。後で詳細に述べるが、このゲート絶縁膜36はMIS型トランジスタQ3のゲート絶縁膜36と同工程で形成されたものである。また、ゲート電極44は、例えばホウ素(B)等のp型の不純物が導入されたポリシリコン膜39とコバルトシリサイド膜68で形成されている。また、MIS型トランジスタQ3と同様に、ゲート電極44のゲート長さ方向における長さは、MONOS型トランジスタQ1およびMIS型トランジスタQ2のゲート電極34、42のゲート長さ方向における長さよりも短い。これは上述したように、MIS型トランジスタQ3は、高速動作を目的として形成されるため、そのチャネル長はできる限り小さく設計する必要があるからである。またサイドウォールDはMIS型トランジスタQ3のサイドウォールCと同工程で形成されたものであり、そのゲート長方向における幅は上述したサイドウォールAおよびBの幅よりも小さい。MIS型トランジスタQ4のソース領域およびドレイン領域はサイドウォールDに整合されてn型ウェル24に形成されており、前述したように低濃度p型不純物拡散領域51、52および高濃度p型不純物拡散領域64、65によって形成されている。
MIS型トランジスタQ5は、p型ウェル25上に形成されたゲート絶縁膜38と、ゲート電極(第4ゲート電極)45、サイドウォール(第4サイドウォール)E、低濃度n型不純物拡散領域53、高濃度n型不純物拡散領域66よりなるソース領域、低濃度n型不純物拡散領域54、高濃度n型不純物拡散領域67よりなるドレイン領域を有する。後で詳細に述べるが、このゲート絶縁膜38はMIS型トランジスタQ2のゲート絶縁膜37と同工程で形成されたものである。また、ゲート電極45は、例えばn型の不純物が導入されたポリシリコン膜39とコバルトシリサイド膜68で形成されている。また、ゲート電極45のゲート長さ方向における長さは、MIS型トランジスタQ3およびMIS型トランジスタQ4のゲート電極43、44のゲート長さ方向における長さよりも長い。また、サイドウォールEはMONOS型トランジスタQ1およびMIS型トランジスタQ2のサイドウォールAおよびBと同工程で形成されたものであり、そのゲート長方向における幅は上述したサイドウォールCおよびDの幅よりも広い。MIS型トランジスタQ5のソース領域およびドレイン領域はサイドウォールEに整合されてp型ウェル25に形成されており、前述したように低濃度n型不純物拡散領域53、54および高濃度n型不純物拡散領域66、67によって形成されている。
以下では、MONOS型トランジスタQ1およびMIS型トランジスタQ2〜Q5の異なる点について説明する。
MONOS型トランジスタQ1およびMIS型トランジスタQ2〜Q5の構成において異なる第1点目は、サイドウォールの幅である。
図3に示すように、MONOS型トランジスタQ1のサイドウォールAの幅をL1、MIS型トランジスタQ2のサイドウォールBの幅をL2、MIS型トランジスタQ3のサイドウォールCの幅をL3、MIS型トランジスタQ4のサイドウォールDの幅をL4、MIS型トランジスタQ5のサイドウォールEの幅をL5とする。
図3を見てわかるように、メモリ用であるMONOS型トランジスタQ1、MIS型トランジスタQ2およびQ5のサイドウォールA、B、Eの幅L1、L2、L5は、電流駆動力を必要とするMIS型トランジスタQ3のサイドウォールCの幅L3やMIS型トランジスタQ4のサイドウォールDの幅L4に比較して広くなっている。これは、相対的に大きな電流駆動力を必要とする低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4においては、サイドウォールC、Dの幅L3、L4を狭くして、ソース領域(第2ソース領域)とドレイン領域(第2ドレイン領域)の距離を近づけることにより、ソース領域とドレイン領域との間の抵抗を低くしている。つまり、ソース領域とドレイン領域との間の抵抗を低くすることにより、電流駆動力の向上を図っている。このようにして、MIS型トランジスタQ3、Q4を高速に動作させることができる。また、サイドウォールA、B、Eの幅L1、L2、L5を、サイドウォールC、Dの幅L3、L4よりも大きく形成しているので、MONOS型トランジスタQ1、MIS型トランジスタQ2およびQ5に形成される低濃度n型不純物領域46、47、48、53、54のゲート長方向における長さを、MIS型トランジスタQ3およびQ4に形成される低濃度n型不純物領域49、50および低濃度p型不純物領域51、52のゲート長方向における長さよりも短く形成することができる。このようにサイドウォールA、B、Eの幅L1、L2、L5を広げることによりソース領域と半導体基板やドレイン領域と半導体基板の間のpn接合耐圧を向上させることができる。
なお、MONOS型トランジスタQ1、MIS型トランジスタQ2およびQ5におけるサイドウォールA、B、Eの幅L1、L2、L5は例えば約190nmであり、MIS型トランジスタQ3、Q4のサイドウォールC、Dの幅L3、L4は、例えば約120nmである。
以下にMONOS型トランジスタQ1を例にとり、サイドウォールAの幅L1を広げるとpn接合耐圧が向上することについて図4を参照しながら説明する。図4は、メモリ用のMONOS型トランジスタQ1を示した図である。図4において、メモリ用のMONOS型トランジスタQ1は、LDD構造をしている。すなわち、ソース領域およびドレイン領域はそれぞれ低濃度n型不純物拡散領域46、47と高濃度n型不純物拡散領域59、60より形成され、メモリゲート電極34に近い領域に低濃度n型不純物拡散領域46、47が形成されている。このようにメモリゲート電極34に近い領域に低濃度n型不純物拡散領域46、47を形成するのは、メモリゲート電極34のエッジ端部下の領域における電界集中を防止するためである。すなわち、低濃度n型不純物拡散領域46、47は高濃度n型不純物拡散領域59、60よりもキャリアの数が少ない領域であるから電流は流れにくく、その抵抗は高濃度n型不純物拡散領域59、60よりも高い領域となる。従って、ソース・ドレイン領域間のゲート破壊電圧を向上することができる。また、低濃度n型不純物領域46、47付近の空乏層の延びを大きくすることができるので、ドレイン領域となる低濃度n型不純物領域47端での電界を緩和することができる。
また、低濃度n型不純物拡散領域46、47と高濃度n型不純物拡散領域59、60との境界は、サイドウォールAの幅L1で規定されている。
ここで、低濃度n型不純物拡散領域46、47と高濃度n型不純物拡散領域59、60は、例えばイオン注入法によって形成されるが、イオン注入の後には注入したイオンの活性化を行なうため熱処理が行なわれる。特に、高濃度n型不純物拡散領域59、60を形成した際に行なわれる熱処理により、注入したイオンが低濃度n型不純物拡散領域46、47に拡散する。つまり、図4の矢印で示すように注入した一部にイオンが、高濃度n型不純物拡散領域59、60から低濃度n型不純物拡散領域46、47へ移動する。
したがって、図4に示すサイドウォールAの幅L1を図より狭くすると高濃度n型不純物拡散領域59、60がメモリゲート電極34のエッジ端部下の領域に近づくため、電界集中が起こりやすいメモリゲート電極34のエッジ端部下の領域にまでイオンが移動してくる。そして、エッジ端部下の領域において不純物濃度が高まると電界集中が起こり、ソース領域と半導体基板またはドレイン領域と半導体基板との間のpn接合耐圧が低下することになる。
しかし、本実施の形態1の半導体装置では、メモリ用のMONOS型トランジスタQ1のサイドウォールAの幅L1を低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4のサイドウォールC、Dの幅L3、L4に比較して広くしている。このため、高濃度n型不純物拡散領域59、60とメモリゲート電極34のエッジ端部下の領域との距離は相対的に大きくなっており、イオンがエッジ端部下の領域に届きづらくなっている。したがって、MIS型トランジスタQ3、Q4のpn接合耐圧に比べて、メモリ用のMONOS型トランジスタQ1のpn接合耐圧を大きくすることができる。つまり、MIS型トランジスタQ3、Q4におけるソース領域(第2ソース領域)と半導体基板またはドレイン領域(第2ドレイン領域)と半導体基板との間のpn接合耐圧に比べて、MONOS型トランジスタQ1におけるソース領域(第1ソース領域)と半導体基板またはドレイン領域(第1ドレイン領域)と半導体基板との間のpn接合耐圧を大きくすることができる。
今、仮にサイドウォールAの幅L1がMIS型トランジスタQ3、Q4の幅L3、L4と同程度とした場合、高抵抗の領域である低濃度n型不純物拡散領域46、47の幅が小さくなるので、半導体基板表面付近を電流が流れやすくなるため、メモリゲート電極34のエッジ部下に電界集中が起こりやすくなる。このような電界集中がおこると、メモリゲート電極34のエッジ部に集中したキャリアのうち一部に高いエネルギーをもつ正孔(ホットホール)が発生する。このようなホットホールがメモリゲート電極34に印加される電圧によって引き寄せられ、電荷蓄積層に注入されやすくなり、誤ってデータが消去されるという問題が発生してしまう。メモリ用のMONOS型トランジスタQ1はメモリゲート電極34に、低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4よりも高い電圧を印加するので、電界集中が起こりやすい。このような問題を回避するため、メモリ用のMONOS型トランジスタQ1のサイドウォールAの幅L1を、低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4のサイドウォールC、Dの幅L3、L4と比較して広くしているのである。
このように、本実施の形態1における半導体装置によれば、それぞれの素子において素子特性の向上を図ることができる。つまり、MIS型トランジスタQ3、Q4は、動作時に比較的低電圧(約1.5V程度)しか印加されないため、サイドウォールC、Dの幅L3、L4を相対的に狭くして動作の高速性向上を図っている。これに対し、メモリ用のMONOS型トランジスタQ1は、書き込みなどの動作を行なう際、比較的高い電位差(約12V程度)が発生するため、サイドウォールAの幅L1を相対的に広くしてソース・ドレイン領域と半導体基板間のpn接合耐圧を向上させ、書き込み動作などの信頼性向上を図っている。
なお、MIS型トランジスタQ5は、高耐圧のMIS型トランジスタであるため、そのサイドウォールEの幅L5は、MONOS型トランジスタQ1のサイドウォールAの幅L1と同等である。また、MIS型トランジスタQ2のサイドウォールBの幅L2もMONOS型トランジスタQ1のサイドウォールAの幅L1と同等である。
次に、MONOS型トランジスタQ1およびMIS型トランジスタQ2〜Q5の構成において異なる第2点目は、ゲート長である。
図3に示すように、MONOS型トランジスタQ1のゲート長をG1、MIS型トランジスタQ2〜Q5のゲート長をG2〜G5とする。図3において、最も短いのは、MIS型トランジスタQ3、Q4のゲート長G3、G4である。これは、ゲート長G3、G4の長さを短くすることにより、ソース領域とドレイン領域との間の抵抗を減らし、電流駆動力を向上させるためである。
一方、最も長いのは、MONOS型トランジスタQ1のゲート長G1である。これは、MONOS型トランジスタQ1には約12V程度の電圧を印加するため、MIS型トランジスタQ3、Q4のゲート長G3、G4程度の長さにすると、ソース領域とドレイン領域の間でパンチスルーが生じてしまうためである。
なお、MIS型トランジスタQ2、Q5のゲート長G2、G5は、ゲート長G3、G4とゲート長G1の間の長さである。例えば、具体的に数値で示すと、MONOS型トランジスタQ1のゲート長G1は、約0.60μm、メモリ選択用のMIS型トランジスタQ2のゲート長G2は、約0.40μm、MIS型トランジスタQ3、Q4のゲート長G3、G4は、約0.16μm、MIS型トランジスタQ5のゲート長G5は、約0.40μmである。
このように本実施の形態1における半導体装置によれば、MONOS型トランジスタQ1のゲート長G1を相対的に長くすることにより、パンチスルーを防止することができる。すなわち、MONOS型トランジスタQ1はメモリゲート電極34に相対的に高い電圧を印加するため、そのゲート長を長く形成する必要がある。一方、MIS型トランジスタQ3、Q4において、ゲート長G3、G4を相対的に短くして電流駆動力を向上させることができる。すなわち、MIS型トランジスタQ3、Q4には相対的に低い電圧を印加して高速動作させるため、そのゲート長をできる限り小さく形成している。言い換えれば、MONOS型トランジスタQ1のゲート電極34下にできるチャネル(第1チャネル)の長さを、MIS型トランジスタQ3、Q4のゲート電極43、44下にできるチャネル(第2チャネル)より長くすることにより、MONOS型トランジスタQ1で、パンチスルーを防止できる一方、MIS型トランジスタQ3、Q4で電流駆動力を向上させることができる。
次に、MIS型トランジスタQ2〜Q5の構成において異なる第3点目は、ゲート絶縁膜の膜厚である。
図3において、MIS型トランジスタQ2、Q5はMIS型トランジスタQ3、Q4に比べて高い電圧が印加されるため、そのゲート絶縁膜37、38は、MIS型トランジスタQ3、Q4のゲート絶縁膜36に比べて厚くなっている。このように構成することにより、MIS型トランジスタQ2、Q5のゲート絶縁膜38の絶縁耐性を向上させることができる。
本実施の形態1の半導体装置は上記のように構成されており、以下にMONOS型トランジスタQ1およびMIS型トランジスタQ2で構成される電気的に書き換え可能な不揮発性メモリセルにおける動作の一例を図3、図5、図6を参照しながら簡単に説明する。
図5において、左側の素子は、図3におけるMONOS型トランジスタQ1を示しており、右側の素子は、図3におけるメモリセル選択用のMIS型トランジスタQ2を示している。
図6は、書き換え可能な不揮発性メモリセルにおける書き込み動作、消去動作または読み取り動作をする場合に、ソース領域(高濃度n型不純物拡散領域59(第1半導体領域))、メモリゲート電極34、コントロールゲート電極42、ドレイン領域(高濃度n型不純物拡散領域61)および半導体基板20に印加される電圧を、それぞれVs、Vmg、Vcg、VdおよびVsubとして示している。
まず、書き込み動作について説明する。この場合、メモリゲート電極34、コントロールゲート電極42に約1.5Vの電圧が印加される一方、ソース領域(高濃度n型不純物拡散領域59)、ドレイン領域(高濃度n型不純物拡散領域61)および半導体基板20には約−10.5Vの電圧が印加される。すると、MIS型トランジスタQ2がオンの状態になり、このメモリセルが選択される。そして、MONOS型トランジスタQ1のメモリゲート電極34は、半導体基板20に対して、約+12Vの電位差となっているため、半導体基板20内にある電子がゲート絶縁膜26をトンネルして、電荷蓄積膜27のトラップ準位に蓄積される。このようにして、書き込み動作が行なわれる。
次に、消去動作について説明する。この場合、ソース領域(高濃度n型不純物拡散領域59)、コントロールゲート電極42、ドレイン領域(高濃度n型不純物拡散領域61)および半導体基板20に約1.5Vの電圧が印加される一方、メモリゲート電極34に約−8.5Vの電圧が印加される。すると、MIS型トランジスタQ2がオンの状態になり、このメモリセルが選択される。そして、MONOS型トランジスタQ1の電荷蓄積膜27に蓄積された電子は、ゲート絶縁膜26をトンネルして半導体基板20内へ移動する。つまり、メモリゲート電極34に約−8.5V、半導体基板20に約1.5Vが印加されているため、メモリゲート電極34に対して半導体基板20は、約+10Vの電位差となっている。このため、電荷蓄積膜27に蓄積された電子は、半導体基板20内へ引き抜かれる一方、正孔が電荷蓄積膜27に蓄積される。
続いて、読み取り動作について説明する。この場合、ソース領域(高濃度n型不純物拡散領域59)、メモリゲート電極34、半導体基板20に約0Vの電圧を印加する一方、コントロールゲート電極42に約2.0Vの電圧を印加し、ドレイン電極に約0.8Vの電圧を印加する。すると、MIS型トランジスタQ2がオンの状態になり、このメモリセルが選択される。そして、MONOS型トランジスタQ1の電荷蓄積膜27に電子が蓄積されている場合、MONOS型トランジスタQ1のしきい値電圧は、0Vより大きくなるため、メモリゲート電極に約0Vを印加した状態では、ソース電極とドレイン電極との間に電流は流れない。一方、MONOS型トランジスタQ1の電荷蓄積膜27に正孔が蓄積されている場合(電荷が蓄積されていない場合も含む)、MONOS型トランジスタQ1のしきい値電圧は、0V以下となるため、メモリゲート電極に約0Vを印加した状態では、ソース電極とドレイン電極との間に電流が流れる。このように電流が流れるか否かによって、1ビットの情報を記憶することができる。
次に、本実施の形態1における半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
まず、図7に示すように、例えば単結晶シリコンに例えばホウ素(B)などのP型不純物を導入した半導体基板20を用意する。次に半導体基板20の主面上に素子分離領域21を形成する。素子分離領域21は、例えば酸化シリコン膜よりなり、STI(Shallow Trench Isolation)法やLOCOS(Local Oxidization Of Silicon)などによって形成される。図7では、半導体基板20に形成された溝に酸化シリコン膜を埋め込むSTI法によって形成された素子分離領域21を示している。
次に、半導体基板20にp型ウェル22、23、25およびn型ウェル24を形成する。p型ウェル22、23、25は、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して、p型不純物を導入することによって形成される。導入されるp型不純物としては、例えばボロンやフッ化ボロンがある。同様にして、n型ウェル24は、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して、n型不純物を導入することによって形成される。n型不純物としては、例えばリンや砒素がある。
続いて、図8に示すように、半導体基板20の主面上にゲート絶縁膜(第1ゲート絶縁膜)26を形成する。また、ゲート絶縁膜26の膜厚は1.1nm程度である。ゲート絶縁膜26は、例えば酸化シリコン膜からなり、熱酸化法を使用して形成することができる。そして、このゲート絶縁膜26上に電荷蓄積膜27を形成する。電荷蓄積膜27は、例えば窒化シリコン膜よりなり、シランガス(SiH4)とアンモニアガス(NH3)とを化学反応させるCVD(Chemical Vapor Deposition)法を使用して形成することができる。また、他の製造方法としてALD(Atomic Layer Deposition)法で形成することもできる。また、電荷蓄積膜27の膜厚は16.5nm程度である。なお、電荷蓄積膜27として、窒化シリコン膜を使用したがこれに限らず、例えば酸窒化シリコン膜(SiON)等の膜中にトラップ準位を含む膜であってもよい。また、電荷蓄積膜27をSiナノドットで形成することも可能である。
次に、電荷蓄積膜27上に絶縁膜28を形成する。絶縁膜28は、例えば酸化シリコン膜よりなり、シランガスと酸素ガス(O2)とを化学反応させるCVD法によって形成することができる。また、絶縁膜28の膜厚は3.0nm程度である。
続いて、絶縁膜28上にポリシリコン膜29を形成する。ポリシリコン膜29は、例えば、シランガスを窒素ガス(N2)中で熱分解させるCVD法によって形成することができる。ポリシリコン膜29の成膜時には、リンなどの導電型不純物が添加される。なお、ポリシリコン膜29の成膜が終了してから、イオン注入法を使用してポリシリコン膜29に導電型不純物を注入してもよい。
その後、ポリシリコン膜29上に、キャップ絶縁膜を形成する。キャップ絶縁膜は、例えば酸化シリコン膜30、窒化シリコン膜31および酸化シリコン膜32の積層膜よりなる。これらの膜は、例えばCVD法を使用することによって形成することができる。キャップ絶縁膜は、その後の工程で形成するメモリゲート電極34を保護する機能を有する。
次に、キャップ絶縁膜上にレジスト膜33を塗布した後、露光・現像することによりレジスト膜33をパターニングする。パターニングは、メモリゲート電極34を形成する領域にレジスト膜33が残るようにする。そして、パターニングしたレジスト膜33をマスクにしたエッチングにより、図9に示すようなメモリゲート電極(第1ゲート電極)34を形成する。
続いて、図10に示すように、半導体基板20の主面上にゲート絶縁膜35を形成する。ゲート絶縁膜35は、例えば酸化シリコン膜より形成され、熱酸化法を使用して形成することができる。その後、図11に示すように、相対的に大きな電流駆動力を必要とする低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4を形成する領域(図10の中央の領域)(第2領域)に形成されているゲート絶縁膜35を除去する。ゲート絶縁膜35の除去には、例えばフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して行なうことができる。
そして、図12に示すように、ゲート絶縁膜35上および半導体基板20上にゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)36を形成する。ゲート絶縁膜36は、例えばCVD法によって形成することができる。このようにして、メモリセル形成領域(左側の領域)(第1領域)と高耐圧のMIS型トランジスタQ5を形成する領域(右側の領域)に相対的に膜厚の厚いゲート絶縁膜(第3ゲート絶縁膜)37およびゲート絶縁膜38を形成することができる。
ゲート絶縁膜37およびゲート絶縁膜38は、ゲート絶縁膜35の膜厚とゲート絶縁膜36の膜厚とを合わせた膜厚を有している。一方、相対的に大きな電流駆動力を必要とする低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4を形成する領域には、相対的に膜厚の薄いゲート絶縁膜36が形成されている。
ゲート絶縁膜36〜38として、酸化シリコン膜を使用する例を示したが、これに限らず、例えば酸化シリコンより誘電率の高い材料、いわゆるHigh−k膜を使用してもよい。例えば酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、窒化シリコンなどの膜から形成してもよい。
続いて、図13に示すように、半導体基板20の主面の全面上に導電膜として例えばポリシリコン膜(導体膜)39を形成する。ポリシリコン膜39は、前述したのと同様に例えばCVD法を使用して形成することができる。なお、ポリシリコン膜39の成膜中または成膜後には、導電性不純物が添加される。この導電性不純物は、ポリシリコン膜39の低抵抗化のために導入される。
次に、ポリシリコン膜39上にキャップ絶縁膜を形成する。キャップ絶縁膜は、後の工程で形成されるゲート電極を保護する機能を有し、例えば酸化シリコン膜40より形成される。酸化シリコン膜40の形成方法としては、例えばCVD法が使用される。
続いて、酸化シリコン膜40上にレジスト膜41を塗布した後、露光・現像することによりレジスト膜41をパターニングする。パターニングは、ゲート電極を形成する領域にレジスト膜41が残るようにする。そして、パターニングしたレジスト膜41をマスクとしたエッチングを行い、図14(a)に示すコントロールゲート電極(第3ゲート電極)42、ゲート電極(第2ゲート電極)43、ゲート電極(第2ゲート電極)44およびゲート電極45を形成する。
ゲート電極43、44は、この中で最もゲート長が短くなるように形成されており、前述したメモリゲート電極34のゲート長は、この中で最もゲート長が長くなるように形成されている。また、コントロールゲート電極42、ゲート電極45のゲート長は、ゲート電極43、44のゲート長とメモリゲート電極34のゲート長の中間の値をとるように形成されている。
このように、メモリゲート電極34のゲート長を相対的に長くすることにより、パンチスルーを防止することができるトランジスタを形成できる一方、ゲート電極43、44のゲート長を相対的に短くすることにより電流駆動力を向上させたトランジスタを形成することができる。
ここで、図14(a)に示すように、既に形成されていたメモリゲート電極34の側壁においては、エッチングが充分に行なわれず、ポリシリコン膜39よりなるエッチング残渣が残存している。
また、図14(a)に示すように、電流駆動力を必要とするMIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域においては、ゲート電極43、44下の領域以外の領域に形成されていたゲート絶縁膜36が残っており、メモリセル形成領域や高耐圧のMIS型トランジスタQ5の形成領域においては、コントロールゲート電極42、ゲート電極45下の領域以外の領域にもゲート絶縁膜37、38が残っているが、それらの膜厚はエッチングのため減少している。
続いて図14(b)に示すように、メモリゲート電極34の側壁に形成されているエッチング残渣を除去するため、MIS型トランジスタQ3、Q4、Q5の形成領域をレジスト膜45aで覆った後、再びエッチングを行い、図15に示すような、エッチング残渣であるポリシリコン膜39を除去する。このエッチングの際、メモリセル形成領域において、コントロールゲート電極42下の領域以外の領域にもゲート絶縁膜37が残っているため、下地である半導体基板20をエッチングしなくても済む。すなわち、残存しているゲート絶縁膜37は、半導体基板20をエッチングから保護する保護膜として機能する。言い換えれば、残存しているゲート絶縁膜37は、半導体基板20のオーバエッチを抑制し、半導体基板20の平坦性低下を防止する機能を有する。このように、ゲート絶縁膜37の膜厚をゲート絶縁膜36の膜厚に比較して厚く形成することにより、絶縁耐性を向上させることができるとともに、製造工程中において保護膜として機能させることができる。
次に、図16に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して、低濃度n型不純物拡散領域46〜50、53、54を形成する。低濃度n型不純物拡散領域46〜50、53、54は、半導体基板20内にリンや砒素などのn型不純物を導入し、その後導入したn型不純物の活性化のための熱処理を行なうことで形成することができる。同様にして、低濃度p型不純物拡散領域51、52を形成する。
続いて、図17に示すように、半導体基板20の主面の全面に絶縁膜として、例えば、酸化シリコン膜(第1絶縁膜)55を形成する。つまり、メモリセル形成領域(MONOS型トランジスタQ1およびMIS型トランジスタQ2の形成領域)、低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域および高耐圧のMIS型トランジスタQ5の形成領域上に、酸化シリコン膜55を形成する。
酸化シリコン膜55は、例えばCVD法を使用して形成することができ、その膜厚は、例えば約150nmである。
その後、酸化シリコン膜55上に絶縁膜として、例えば、窒化シリコン膜(第2絶縁膜)56を形成する。窒化シリコン膜56は、例えばCVD法を使用して形成することができ、その膜厚は、例えば約30nmである。
次に、窒化シリコン膜56上に絶縁膜として、例えば、酸化シリコン膜(第3絶縁膜)57を形成する。酸化シリコン膜57は、酸化シリコン膜55と同様の方法、例えばCVD法を使用して形成することができる。この酸化シリコン膜57の膜厚は、例えば100nmである。このようにして、半導体基板20の主面の全面に酸化シリコン膜55、窒化シリコン膜56および酸化シリコン膜57よりなる積層膜を形成する。なお、2層目に形成されている窒化シリコン膜56は、上記した記載からわかるように3層の膜の中で最も小さい膜厚を有する。
また、このとき酸化シリコン膜55の膜厚を、MONOS型トランジスタQ1のゲート絶縁膜26の膜厚よりも厚くなるように形成している。これは、前述のEEPROM5の書き込み動作に、例えばホットエレクトロン注入またはファウラーノルドハイム型トンネル現象を利用してMONOS型トランジスタQ1の電荷蓄積膜27に電子(または正孔)を注入する方式を採用している為、サイドウォールAの窒化シリコン膜56にも電子(または正孔)が注入されるのを防ぐ為である。すなわち、酸化リシコン膜55は非電荷蓄積膜として形成されている。
続いて、図18に示すように、酸化シリコン膜57上にレジスト膜58を塗布した後、露光・現像することによりパターニングする。パターニングは、低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域だけ開口するように行なう。すなわち、メモリセル形成領域および高耐圧のMIS型トランジスタQ5の形成領域にレジスト膜58が残るように行なう。
次に、パターニングしたレジスト膜58をマスクにして、酸化シリコン膜57のウェットエッチングを行なう(第1のエッチング工程)。このウェットエッチングにより、MIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域に堆積していた酸化シリコン膜57が除去される。つまり、メモリゲート電極34およびコントロールゲート電極42を覆うように形成されている酸化シリコン膜57を残す一方、ゲート電極43、44を覆うように形成されていた不要な酸化シリコン膜57が除去される。
酸化シリコン膜57の下には、窒化シリコン膜56が形成されており、この窒化シリコン膜56は、ウェットエッチングのストッパ膜として機能する。したがって、窒化シリコン膜56の代わりに酸化シリコン膜57をウェットエッチングする際のストッパ膜となる膜を形成してもよい。つまり、ストッパ膜は、ウェットエッチングでの充分な選択比がとれれば特に膜種は問わない。なお、ウェットエッチングのストッパ膜の膜厚は、ウェットエッチングの際の選択比を考慮して決定する必要がある。
すなわち、第1のエッチング工程では低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4領域の絶縁膜(酸化シリコン膜57)をエッチングしているが、この時は、サイドウォールC、Dの幅を小さく形成する必要があるので、ウェットエッチングのような等方性エッチングによって絶縁膜(窒化シリコン膜56)上の絶縁膜(酸化シリコン膜57)がすべて除去されるようにエッチングしている。
なお、ゲート絶縁膜36、37および38については、メモリゲート電極34およびゲート電極42、43、44および45の下部に形成されたものを除き、図17以降の図面では説明の簡略化のために、その表記を省略している。
図19に、レジスト膜58で覆う領域を具体的に示す。図19において、チップ1の領域中、レジスト膜58で覆われる領域は、EEPROM5、アナログ回路6の形成領域、静電保護回路7a、7c〜7gの形成領域であり、高耐圧の向上が必要とされるトランジスタが形成されている領域である。なお、理解を容易にするため、レジスト膜58で覆われる領域にハッチングを付した。つまり、このハッチングは、断面を示したものではない。
続いて、図20に示すように、メモリセル形成領域および高耐圧のMIS型トランジスタQ5の形成領域を覆っていたレジスト膜58を除去する。このようにして、レジスト膜58で覆っていた領域には、酸化シリコン膜55、窒化シリコン膜56および酸化シリコン膜57の3層の積層膜を形成し、レジスト膜58で覆っていない領域には、酸化シリコン膜55および窒化シリコン膜56の2層の積層膜を形成することができる。
上記のような積層膜を形成した半導体基板20は、次に異方性ドライエッチングするため、例えば図21に示すようなドライエッチング装置100に搬入される。
図21は、ドライエッチング装置100の模式的な構成を示した図である。図21において、ドライエッチング装置100は、チャンバ101、上部電極102、高周波電源103、下部電極104、高周波電源105、直流電源106を有している。
チャンバ101は、半導体基板20上に形成された膜をエッチングするための密閉された処理室であり、内部に上部電極102および下部電極104を有している。また、チャンバ101は、反応生成ガスを排気するための排気口を有している。
上部電極102は、異方性ドライエッチングをするための原料ガスをチャンバ101内に導入する導入口の機能を有し、上部電極102には高周波電源103が取り付けられている。この高周波電源103は、上部電極102より導入する原料ガスをプラズマ化する機能、すなわち原料ガスをイオンまたはラジカルにする機能を有している。
下部電極104は、半導体基板20を設置するとともに、下部より半導体基板20に不活性ガス(例えばヘリウムガス)を導入するように構成されている。プラズマ発生中、チャンバ101内は高温となるため、このヘリウムガスは、半導体基板20にわずかな反りがあって半導体基板20と下部電極104との間に空間がある場合においても、下部電極104と半導体基板20との間の熱伝導を良好に保持するために導入されたものである。つまり、チャンバ101内は真空状態に近く半導体基板20へ熱が伝わりづらいため、下部電極104と半導体基板20との熱接触を良好にしたものである。すなわち、ヘリウムガスを導入することで半導体基板20を冷却し、反りを無くすことができるため、半導体基板20と下部電極104との接触面積を均一に近づけることができる。
下部電極104には、高周波電源105および直流電源106が接続されている。高周波電源105は、イオンやラジカルを半導体基板20へ引き付けるために設けられ、直流電源106は、チャンバ101内に発生している静電気によって半導体基板20が下部電極104から離れるのを防いで、半導体基板20を下部電極104に密着させるために設けられている。
このように構成されたドライエッチング装置100において、まず、図20に示すような膜が形成された半導体基板20が下部電極104上に設置される。続いて、半導体基板20の温度を0℃にした状態で、C4F8、O2、Arガスよりなるプラズマ化した原料ガスを上部電極102からチャンバ101内に導入する。そして、チャンバ101内に導入されたイオンやラジカルによって、半導体基板20上に形成された膜の異方性ドライエッチングが行なわれる。ここで、イオンは主に膜への衝突でエッチングが進行する一方、ラジカルは、膜との化学反応によってエッチングが進行する。
C4F8、O2、Arガスを原料とする異方性ドライエッチングでは、主に酸化シリコン膜がエッチングされ、窒化シリコン膜はほとんどエッチングされない。すなわち、酸化シリコン膜のエッチング速度より窒化シリコン膜のエッチング速度の小さい所定のエッチング選択比(第1エッチング選択比)で異方性エッチングが進行する。このため、図22に示すように、メモリセル形成領域および高耐圧のMIS型トランジスタQ5の形成領域に堆積している酸化シリコン膜57がエッチングされる(第2のエッチング工程)。ここで行なわれるエッチングは、異方性ドライエッチングであるため、図22に示すように、メモリゲート電極34、コントロールゲート電極42およびゲート電極45の側壁に酸化シリコン膜57が残る。
つまり、このエッチング工程では、MONOS型トランジスタQ1および高耐圧MIS型トランジスタQ2、Q5領域のサイドウォールA、B、Eの幅を大きく形成する必要があるので、異方性エッチングを用いることにより、メモリゲート電極34、コントロールゲート電極42およびゲート電極45の側壁に酸化シリコン膜57を残しつつ、酸化シリコン膜57を除去している。
次に、半導体基板20の温度を0℃にした状態で、CHF3、O2、Arガスを原料とする異方性ドライエッチングを行なう。この場合、主に窒化シリコン膜がエッチングされ、酸化シリコン膜はほとんどエッチングされない(第3のエッチング工程)。つまり、窒化シリコン膜のエッチング速度より酸化シリコン膜のエッチング速度の小さい所定のエッチング選択比(第2エッチング選択比)で異方性エッチングが進行する。このため、図23に示すように、半導体基板20上に露出した窒化シリコン膜56がエッチングされる。ここで行なわれるエッチングは、異方性エッチングであるため、ゲート電極43およびゲート電極44の側壁には、窒化シリコン膜56が残る。つまり、この工程では、ゲート電極43、44の側壁に形成されている窒化シリコン膜56を残しつつ、酸化シリコン膜57を除去することにより露出した窒化シリコン膜56を除去している。
なお、メモリゲート電極34、コントロールゲート電極42およびゲート電極45の側壁には、酸化シリコン膜57が形成されているため、この酸化シリコン膜57の下に形成され、露出していない窒化シリコン膜56は除去されない。
続いて、半導体基板20の温度を0℃にした状態で、CF4、CHF3、Arガスを原料とする異方性ドライエッチングを行なう(第4のエッチング工程)。この場合、絶縁膜(酸化シリコン膜55)をエッチングする際に、残された絶縁膜(窒化シリコン膜56)もエッチングして除去する必要がある。従って、第4のエッチング工程においては、第2のエッチング工程よりも酸化シリコン膜55と窒化シリコン膜56の選択比が小さくなるような条件で行なう。また、第4のエッチング工程の条件を酸化シリコン膜55と窒化シリコン膜56の選択比が無い条件で行なうこともできる。この場合、酸化シリコン膜のエッチング速度と窒化シリコン膜のエッチング速度が概ね等しい状態で、異方性エッチングが進行する。このため、本工程では、ゲート電極43、44の側壁に形成されている窒化シリコン膜56を除去するとともに、メモリゲート電極34、コントロールゲート電極42、ゲート電極43〜45の側壁に酸化シリコン膜55を残しつつ、酸化シリコン膜55を除去することができる。したがって、図24に示すようにメモリゲート電極34の側壁にサイドウォールA、コントロールゲート電極42の側壁にサイドウォールB、ゲート電極43の側壁にサイドウォールC、ゲート電極44の側壁にサイドウォールD、ゲート電極45の側壁にサイドウォールEが形成される。
ここで、サイドウォールA、B、Eは、酸化シリコン膜55、窒化シリコン膜56および酸化シリコン膜57より形成され、サイドウォールC、Dは酸化シリコン膜55より形成される。したがって、サイドウォールA、B、Eの幅は、サイドウォールC、Dの幅に比べて相対的に大きくすることができる。このように最終的なサイドウォールA〜Eの幅は、3つのドライエッチング工程(第2〜4のエッチング工程)を行なう前に堆積していた膜の膜厚を制御することで、決定できることがわかる。
なお、本工程では、酸化シリコン膜のエッチング速度と窒化シリコン膜のエッチング速度が概ね等しい状態でエッチングをしたが、それぞれのエッチング速度が異なる所定のエッチング選択比(第3エッチング選択比)で行なってもよい。なお、上記した3つのドライエッチング工程におけるエッチング選択比は例えばそれぞれ異なり、それぞれ最適値をとることができる。
また、第1層目の絶縁膜として酸化シリコン膜55、第2層目の絶縁膜として窒化シリコン膜56、第3層目の絶縁膜として酸化シリコン膜57を形成する例を示したが、特にこれらに限られるものではなく、第1層目の絶縁膜と第2層目の絶縁膜のエッチング選択比が異なるもの、第2層目の絶縁膜と第3層目の絶縁膜のエッチング選択比が異なるもの、または、第1層目の絶縁膜と第2層目の絶縁膜と第3層目の絶縁膜のエッチング選択比がそれぞれ異なるものであればよい。例えば、第1層目の絶縁膜および第3層目の絶縁膜を窒化シリコン膜で形成し、第2層目の絶縁膜を酸化シリコン膜で形成することもできる。また、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜の他に、酸窒化シリコン膜を使用して形成することもできる。第1層目の絶縁膜と第3層目の絶縁膜の少なくともいずれか一方を酸窒化シリコン膜で形成するか、または、第2層目の絶縁膜を酸窒化シリコン膜で形成することもできる。
MONOS型トランジスタQ1の側壁に形成されるサイドウォールAは、上記したように酸化シリコン膜55、窒化シリコン膜56および酸化シリコン膜57より形成されるが、半導体基板20、電荷蓄積膜27およびメモリゲート電極34と窒化シリコン膜56との間に酸化シリコン膜55を設けた理由について説明する。MONOS型トランジスタQ1の場合、例えば半導体基板20から電荷蓄積膜27に電荷を注入することにより書き込み動作などを行なうが、半導体基板20に窒化シリコン膜56が直接接していると書き込み動作時などに電荷蓄積膜27だけでなくサイドウォールとなる窒化シリコン膜56にも電子や正孔が注入されてしまう。するとMONOS型トランジスタQ1で誤動作などが生じ信頼性低下を招いてしまうおそれがある。したがって、電子や正孔の注入元となる半導体基板20、メモリゲート電極34および電荷蓄積膜27に窒化シリコン膜56が直接接しないようにするため、電荷の蓄積が行なわれない非電荷蓄積膜として酸化シリコン膜55が設けられている。また、このときサイドウォールAの酸化シリコン膜55の膜厚を、MONOS型トランジスタQ1のゲート絶縁膜26の膜厚よりも厚くなるように形成している。これは、前述のEEPROM5の書き込み動作に、例えばホットエレクトロン注入またはファウラーノルドハイム型トンネル現象を利用してMONOS型トランジスタQ1の電荷蓄積膜27に電子(または正孔)を注入する方式を採用している為、サイドウォールAの窒化シリコン膜56にも電子(または正孔)が注入されるのを防ぐ為である。すなわち、EEPROM5の書き込み動作に、電子(または正孔)が窒化シリコン膜56に注入されないような膜厚に形成している。このようにすることで、MONOS型トランジスタQ1の誤動作を防止することができ、半導体装置の信頼性を向上することができる。
続いて、図25に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して、半導体基板20内に高濃度n型不純物拡散領域59〜63、66、67を形成する。高濃度n型不純物拡散領域59〜63、66、67は、例えばリンや砒素などのn型不純物を半導体基板20内に導入した後、導入したn型不純物の活性化のための熱処理を行なうことにより形成することができる。同様にして、高濃度p型不純物拡散領域64、65を形成することができる。
このようにして、MONOS型トランジスタQ1、MIS型トランジスタQ2〜Q5を形成することができる。
次に、半導体基板20の主面の全面に高融点金属膜として例えばコバルト膜を形成する。コバルト膜は、例えばスパッタ法またはCVD法を使用して形成することができる。そして、熱処理を施すことにより、メモリゲート電極34、コントロールゲート電極42、ゲート電極43〜45および高濃度n型不純物拡散領域59〜63、66、67、高濃度p型不純物拡散領域64、65に図3に示すようなコバルトシリサイド膜68を形成する。コバルトシリサイド膜68は、低抵抗化のために形成される。すなわち、コバルト膜を堆積して熱処理を施した後、未反応のコバルトを除去することにより、メモリゲート電極34、コントロールゲート電極42、ゲート電極43〜45および高濃度n型不純物拡散領域59〜63、66、67、高濃度p型不純物拡散領域64、65にコバルトシリサイド膜68を形成できる。なお、高融点金属膜としてコバルト膜のかわりにチタン膜またはニッケル膜を用いたことにより、チタンシリサイド膜またはニッケルシリサイド膜を形成できる。
続いて、図3に示すように、半導体基板20の主面上に窒化シリコン膜69を形成する。窒化シリコン膜69は、例えばCVD法によって形成することができる。そして、窒化シリコン膜69上に酸化シリコン膜70を形成する。この酸化シリコン膜70も例えばCVD法を使用して形成することができる。その後、酸化シリコン膜70の表面を、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を使用して平坦化する。
次に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して、酸化シリコン膜70にコンタクトホール71を形成する。続いて、コンタクトホール71の底面および内壁を含む酸化シリコン膜70上にチタン/窒化チタン膜72aを形成する。チタン/窒化チタン膜72aは、チタン膜と窒化チタン膜の積層膜から構成され、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。このチタン/窒化チタン膜72aは、例えば、後の工程で埋め込む膜の材料であるタングステンがシリコン中へ拡散するのを防止する、いわゆるバリア性を有する。
続いて、コンタクトホール71を埋め込むように、半導体基板20の主面の全面にタングステン膜72bを形成する。このタングステン膜72bは、例えばCVD法を使用して形成することができる。そして、酸化シリコン膜70上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜72aおよびタングステン膜72bを例えばCMP法で除去することにより、プラグ72を形成することができる。
次に、酸化シリコン膜70およびプラグ72上にチタン/窒化チタン膜73a、アルミニウム膜73b、チタン/窒化チタン膜73cを順次、形成する。これらの膜は、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、これらの膜のパターニングを行い、配線73を形成する。さらに、配線73の上層に配線を形成するが、ここでの説明は省略する。
このようにして、同一チップ1上に、相対的にサイドウォールA、B、Eのように幅の広いMONOS型トランジスタQ1、MIS型トランジスタQ2、Q5を形成し、相対的にサイドウォールC、Dのように幅の狭いMIS型トランジスタQ3、Q4を形成することができる。すなわち、サイドウォールA、B、Eの幅を相対的に広げてソース領域と半導体基板20、ドレイン領域と半導体基板20との間のpn接合耐圧を向上させたMONOS型トランジスタQ1、MIS型トランジスタQ2、Q5を形成できる一方、サイドウォールC、Dの幅を相対的に狭めて、電流駆動力を向上させたMIS型トランジスタQ3、Q4を形成することができる。
本実施の形態1における半導体装置の製造方法によれば、チップ1上に形成される電界効果トランジスタのサイドウォールの幅を同一にして形成する場合に比べて、マスクを1枚増加させただけで、サイドウォールの幅の異なる電界効果トランジスタを形成することができる。つまり、図18に示したように、本実施の形態1における半導体装置の製造方法では、メモリセル形成領域と高耐圧のMIS型トランジスタQ5の形成領域にレジスト膜58でマスクし、電流駆動力を必要とするMIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域上の堆積していた酸化シリコン膜57をウェットエッチングで除去する工程が存在する。このため、マスクが1枚増加するが、その後の3つのドライエッチング工程では、マスクを使用しない。したがって、マスクを1枚増加させた簡単な工程でサイドウォールの幅の異なる電界効果トランジスタを形成することができる。以上より、本実施の形態1における半導体装置の製造方法によれば、それぞれの電界効果トランジスタの素子特性を向上させながら簡素化した工程で電界効果トランジスタを製造できる。
また、本実施の形態1における半導体装置を簡素化した工程で形成できるため、製品の歩留まり低下を抑制することができる。
また、本実施の形態1における半導体装置の製造方法によれば、複雑化な工程を経ないため、製品毎にpn接合耐圧や電流駆動力などの素子特性がばらつくことを低減することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、前記実施の形態1とは相違する方法を用いてサイドウォールの幅の異なる電界効果トランジスタを形成する方法について説明する。
図7に示す工程から図16に示す工程までは、前記実施の形態1と同様である。続いて、図26に示すように、半導体基板20の素子形成面上に順次、酸化シリコン膜55、窒化シリコン膜56および酸化シリコン膜57を堆積する。これにより、メモリゲート電極34、コントロールゲート電極42およびゲート電極43〜45を覆うように酸化シリコン膜55、窒化シリコン膜56および酸化シリコン膜57が形成される。
酸化シリコン膜55、窒化シリコン膜56および酸化シリコン膜57の形成方法としては、下地の段差に対して均一な膜を形成することができ、かつなるべく低温で形成できる方法が望ましい。下地の段差に対して均一な膜を形成するのは、例えばメモリゲート電極34の側壁に形成するサイドウォールの幅にばらつきが生じることを防止する必要があるからである。
また、なるべく低温で形成することが望ましいのは、電界効果トランジスタの電気特性の劣化を防止する必要があるからである。一般に、ソース領域およびドレイン領域となる不純物拡散領域のプロファイルを設計段階でシミュレーションしており、このシミュレーション結果に基づいて、イオン注入の条件および熱処理の条件を決定している。しかし、本実施の形態2のように電界効果トランジスタの製造工程に新たな工程を追加する場合、追加する工程が高温のプロセスであると、不純物拡散領域のプロファイルを崩す原因となり、電界効果トランジスタの電気特性の劣化を招く。このため、低温で成膜する必要がある。
このような観点から、酸化シリコン膜55、窒化シリコン膜56および酸化シリコン膜57は、比較的低温で成膜できる低圧CVD法を用いて形成される。具体的に、酸化シリコン膜55および酸化シリコン膜57は、約640℃の低圧CVD法で形成され、窒化シリコン膜56は、通常の780℃より低い約700℃の低圧CVD法で形成される。したがって、本実施の形態2における半導体装置の製造方法によれば、電界効果トランジスタの電気特性の劣化を抑制することができる。
ここで、堆積する酸化シリコン膜55の膜厚は、例えば約10nmである。このような膜厚の酸化シリコン膜55を設けたのは、以下に示す理由からである。第1に、酸化シリコン膜55上に形成された窒化シリコン膜56のエッチバックを後述する工程で行なうが、このエッチバックの際に、エッチングストッパとしての機能を果たす膜が必要となるためである。すなわち、エッチングストッパとなる酸化シリコン膜55を設けることにより半導体基板20の削れを抑制するためである。
第2に、半導体基板20、メモリゲート電極34および電荷蓄積膜27に窒化シリコン膜56が直接接すると、サイドウォールとなる窒化シリコン膜56に電子または正孔が注入されてしまうためである。MONOS型トランジスタの場合、例えば半導体基板20から電荷蓄積膜27に電荷を注入することにより書き込み動作などを行なうが、半導体基板20に窒化シリコン膜56が直接接していると書き込み動作時などに電荷蓄積膜27だけでなくサイドウォールとなる窒化シリコン膜56にも電子や正孔が注入されてしまう。するとMONOS型トランジスタで誤動作などが生じ信頼性低下を招いてしまうおそれがある。したがって、半導体基板20、メモリゲート電極34および電荷蓄積膜27に窒化シリコン膜56が直接接しないようにするため、電荷の蓄積が行なわれない非電荷蓄積膜として酸化シリコン膜55が設けられている。ただし、この酸化シリコン膜55の膜厚が薄いとトンネル電流によって酸化シリコン膜55上に形成されている窒化シリコン膜56内に電子や正孔が注入されてしまう。このため、酸化シリコン膜55の膜厚をトンネル電流が流れない約10nmとしている。すなわち、サイドウォールとなる酸化シリコン膜55の膜厚を、MONOS型トランジスタQ1のゲート絶縁膜26の膜厚よりも厚く形成している。言い換えれば、EEPROM5の書き込み動作に、電子(または正孔)が窒化シリコン膜56に注入されないような膜厚に形成している。このようにすることで、MONOS型トランジスタQ1の誤動作を防止することができ、半導体装置の信頼性を向上することができる。
次に、酸化シリコン膜55上に形成されている窒化シリコン膜56の膜厚は、例えば約100nmであり、前記実施の形態1における窒化シリコン膜56の膜厚(約30nm)に比べて厚くなっている。このように膜厚が厚くなっているのは、以下に示す理由による。すなわち、前記実施の形態1における膜厚では、例えばメモリゲート電極34の側壁に形成されるサイドウォールが凹んだ形になり、サイドウォールの加工が困難となる場合があった。つまり、前記実施の形態1では、MONOS型トランジスタQ1の形成領域において、窒化シリコン膜56上に形成されている酸化シリコン膜57をドライエッチングで除去している。しかし、このドライエッチング時の酸化シリコン膜57と窒化シリコン膜56の選択比が、例えばメモリゲート電極34の肩の部分(側壁の上部)において、予想される選択比よりもずっと低くなる恐れがあることが本願発明者の検証により見出された。以下にその検証を示す。
前述の実施の形態1のように、窒化シリコン膜56を他の酸化シリコン膜55および57よりも薄く形成した場合には、メモリゲート電極34の肩の部分においては、酸化シリコン膜57だけでなく下層にある窒化シリコン膜56もエッチングされ、この窒化シリコン膜56の一部分が抜けてしまい、窒化シリコン膜56の下層にある酸化シリコン膜55までもエッチングされる恐れがある。これに対し、メモリゲート電極34の側壁下部(フラットな部分)においては酸化シリコン膜57と窒化シリコン膜56の選択比がとりやすい。したがって、メモリゲート電極34の側壁上部から中部にわたってエッチングにより凹んだ形状となり、メモリゲート電極34の側壁下部がツノ状に突出した形状になる恐れがあることが見出された。このため、サイドウォールの加工が困難となる恐れがある。このようなことから、例えばメモリゲート電極34の肩の部分において、窒化シリコン膜56が除去されて抜けてしまうのを防止するため、本実施の形態2では、窒化シリコン膜56の膜厚を厚く形成している。
次に、窒化シリコン膜56上に形成されている酸化シリコン膜57の膜厚は、例えば160nmであり、酸化シリコン膜55および窒化シリコン膜56の膜厚に比べて厚く形成されている。これは、最上層に形成された酸化シリコン膜57の膜厚の大小がサイドウォールの幅の大小に直結するので、所望のサイドウォール長を形成できるように合わせ込んだものである。
このように所定の膜厚の酸化シリコン膜55、窒化シリコン膜56および酸化シリコン膜57を形成した後、図27に示すように、まず、最上層に形成された酸化シリコン膜57のエッチングを行なう。この工程で行なわれるエッチングは、異方性ドライエッチングであるため、図27に示すように、メモリゲート電極34、コントロールゲート電極42およびゲート電極43〜45の側壁に酸化シリコン膜57が残る。
続いて、図28に示すように半導体基板20上にレジスト膜58を塗布した後、露光・現像することによりレジスト膜58をパターニングする。パターニングは、低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域を開口するように行なう。言い換えれば、メモリセル形成領域および高耐圧MIS型トランジスタQ5の形成領域にレジスト膜58が残るようにパターニングする。
次に、図29に示すように、パターニングしたレジスト膜58をマスクにして、ゲート電極43およびゲート電極44の側壁に残っている酸化シリコン膜57を除去する。酸化シリコン膜57の除去は、ウェットエッチングにより行なわれる。このウェットエッチングの際、窒化シリコン膜56はエッチングストッパの役割を有する。
このように本実施の形態2では、まず、異方性ドライエッチングで酸化シリコン膜57のエッチングを行い、その後、ウェットエッチングでゲート電極43およびゲート電極44の側壁に残っている酸化シリコン膜57を除去している。このため、開口した低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域において、ゲート電極43およびゲート電極44の側壁以外の場所には窒化シリコン膜56が露出した状態でウェットエッチングが行なわれる。したがって、窒化シリコン膜56が露出した領域では、エッチング液が窒化シリコン膜56内に染み込まないようにする必要があるため、窒化シリコン膜56の膜厚を前記実施の形態1よりも厚くしている。
続いて、図30に示すように、半導体基板20上に露出した窒化シリコン膜56のエッチングを行なう。ここで行なわれるエッチングは異方性ドライエッチングであるため、ゲート電極43およびゲート電極44の側壁には窒化シリコン膜56が残る。つまり、この工程では、ゲート電極43およびゲート電極44の側壁に形成されている窒化シリコン膜56を残しつつ、ゲート電極43およびゲート電極44の側壁以外の場所に露出している窒化シリコン膜56を除去している。
なお、メモリゲート電極34、コントロールゲート電極42およびゲート電極45の側壁には、酸化シリコン膜57が形成されているため、この酸化シリコン膜57の下に形成され、露出していない窒化シリコン膜56は除去されない。したがって、メモリゲート電極34、コントロールゲート電極42およびゲート電極45の側壁には、酸化シリコン55、窒化シリコン膜56および酸化シリコン膜57が形成されている。一方、ゲート電極43およびゲート電極44の側壁には、酸化シリコン膜55および窒化シリコン膜56だけが形成されている。
次に、図31に示すように、半導体基板20上に露出した酸化シリコン膜55をエッチングにより除去する。ここで行なわれるエッチングは、異方性ドライエッチングであるため、半導体基板20の表面に露出した酸化シリコン膜55が除去される一方、コントロールゲート電極42およびゲート電極45の側壁に形成されている酸化シリコン膜57は残る。ただし、異方性エッチングにおいて、メモリゲート電極34、コントロールゲート電極42およびゲート電極45の側壁に形成されている酸化シリコン膜57も少しエッチングされる。なお、図31では、メモリゲート電極34の側壁に形成されていた酸化シリコン膜57がこのエッチングにより除去されている場合を示したが、酸化シリコン膜57がメモリゲート電極34の側壁に残る場合もある。その場合、MONOS型トランジスタQ1、セル選択用のMIS型トランジスタQ2および高耐圧MIS型トランジスタQ5の電気的特性および信頼性には特に不利になることはない。
このようにして、メモリゲート電極34の側壁にサイドウォールA、コントロールゲート電極42の側壁にサイドウォールB、ゲート電極43の側壁にサイドウォールC、ゲート電極44の側壁にサイドウォールD、ゲート電極45の側壁にサイドウォールEを形成することができる。
サイドウォールAは、酸化シリコン膜55および窒化シリコン膜56より形成され、サイドウォールB、Eは酸化シリコン膜55、窒化シリコン膜56および酸化シリコン膜57より形成されている。また、サイドウォールC、Dは、酸化シリコン膜55および窒化シリコン膜56より形成されている。ここで、サイドウォールAの窒化シリコン膜56は、窒化シリコン膜56のエッチングの際、上層に酸化シリコン膜57が存在していたため、エッチングされていないのに対し、サイドウォールC、Dの窒化シリコン膜56は、窒化シリコン膜56の異方性ドライエッチングで形成されたものであり、その膜厚は、サイドウォールAの窒化シリコン膜56の膜厚に比べて薄くなっている。したがって、サイドウォールAの幅(片側のサイドウォールの幅)は、サイドウォールBの幅に比べて広くなっている。具体的にサイドウォールAの幅は、例えば約160nmであり、サイドウォールBの幅は、例えば約100nmである。一方、サイドウォールB、Eは、酸化シリコン膜55、窒化シリコン膜56および酸化シリコン膜57の三層から形成されているため、サイドウォールA、C、Dに比べて幅が広くなっており、例えば約180nmの幅を有している。
また、サイドウォールAの酸化シリコン膜55の膜厚は、MONOS型トランジスタQ1のゲート絶縁膜26の膜厚よりも厚くなるように形成している。これは、前述したようにEEPROM5の書き込み動作に誤動作を防止するためであり、これにより半導体装置の信頼性を向上することができる。
次に、図32に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して、半導体基板20内に高濃度n型不純物拡散領域59〜63、66、67を形成する。高濃度n型不純物拡散領域59〜63、66、67は、例えばリンや砒素などのn型不純物を半導体基板20内に導入した後、導入したn型不純物を活性化するための熱処理を行なうことにより形成することができる。同様にして、高濃度p型不純物拡散領域64、65を形成することができる。
このようにして、サイドウォールの幅の異なるMONOS型トランジスタQ1、MIS型トランジスタQ2〜Q5を形成することができる。この後の工程は、前記実施の形態1と同様であるため省略する。
本実施の形態2によれば、サイドウォールA、B、Eの幅を相対的に広げてソース領域と半導体基板20、ドレイン領域と半導体基板20との間のpn接合耐圧を向上させたMONOS型トランジスタQ1、MIS型トランジスタQ2、Q5を形成できる一方、サイドウォールC、Dの幅を相対的に狭めて、電流駆動力を向上させたMIS型トランジスタQ3、Q4を形成することができる。
また、幅の同一なサイドウォールを形成する従来の工程に対してマスクを1枚増加させた簡単な工程でサイドウォールの幅の異なる電界効果トランジスタを形成することができる。したがって、それぞれの電界効果トランジスタの素子特性を向上させながら簡素化した工程で電界効果トランジスタを製造できる。
また、本実施の形態2によれば、半導体装置を簡素化した工程で形成できるため、製品の歩留まり低下を抑制することができる。
また、本実施の形態2によれば、複雑化な工程を経ないため、製品毎にpn接合耐圧や電流駆動力などの素子特性がばらつくことを低減することができる。
また、本実施の形態2によれば、前記実施の形態1と比較して以下に示すような有用な効果が得られる。
前記実施の形態1では、まず、低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域に形成されている酸化シリコン膜57をウェットエッチングで除去し、その後、異方性ドライエッチングでメモリセル形成領域および高耐圧MIS型トランジスタQ5の形成領域に形成されている酸化シリコン膜57を除去している。
これに対し、本実施の形態2では、まず、異方性ドライエッチングでウェハ全面に形成されている酸化シリコン膜57のエッチングを行い、その後、ウェットエッチングでゲート電極43およびゲート電極44の側壁に残っている酸化シリコン膜57を除去している。したがって、本実施の形態2と前記実施の形態1では、ウェットエッチングの工程とドライエッチングの工程の順序が逆になっている。
ここで、前記実施の形態1における方法では、ウェットエッチング後のドライエッチングを行なう際、低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域で窒化シリコン膜56が露出した状態になっている。すなわち、メモリセル形成領域および高耐圧MIS型トランジスタQ5の形成領域に形成されている酸化シリコン膜57のドライエッチングを行なう際、低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域では窒化シリコン膜56が露出した状態になっている。したがって、酸化シリコン膜57の異方性ドライエッチングを行なう際、酸化シリコン膜57に対する窒化シリコン膜56の選択比が高いことが要求される。しかし、ドライエッチングで高選択比が確保することが困難な場合があり、低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域に形成されている窒化シリコン膜56が、メモリセル形成領域および高耐圧MIS型トランジスタQ5の形成領域に形成されている酸化シリコン膜57のドライエッチングの際にエッチングされてしまうことが生じる。このような現象が生じると、メモリセル形成領域および高耐圧MIS型トランジスタQ5の形成領域における窒化シリコン膜56の膜厚と低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域に形成されている窒化シリコン膜56の膜厚に差が生じることになる。すなわち、メモリセル形成領域および高耐圧MIS型トランジスタQ5の形成領域に形成されている酸化シリコン膜57のドライエッチングの際、この酸化シリコン膜57の下層にある窒化シリコン膜56はドライエッチングの終了付近まで上層にある酸化シリコン膜57で保護されるのに対し、低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域に形成されている窒化シリコン膜56は、露出した状態にある。このため、露出した窒化シリコン膜56ではエッチングが進み、結果として膜厚に差が生じることになる。このように窒化シリコン膜56の膜厚が領域によって異なると、次の工程でこの窒化シリコン膜56をエッチングする際、エッチングの終点時間に差が生じることになり、エッチングの終点時間がぼやけてしまう。このため、各ウェハ間で窒化シリコン膜56のエッチング時間にばらつきが生じ、最終的に形成されるサイドウォールの幅にばらつきが生じることになる。例えば、それぞれのウェハに形成されているメモリゲート電極34において、サイドウォールの幅にばらつきが生じてしまう。
これに対し、本実施の形態2では、まず、異方性ドライエッチングで半導体基板20の全面をエッチングしている。このエッチングの際、メモリセル形成領域および高耐圧MIS型トランジスタQ5の形成領域だけでなく、低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域にも最上層に酸化シリコン膜57が形成されており、前記実施の形態1のように、低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域に窒化シリコン膜56が露出していることはない。すなわち、酸化シリコン膜57のエッチングの際、メモリセル形成領域および高耐圧MIS型トランジスタQ5の形成領域に形成されている窒化シリコン膜56上と低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域に形成されている窒化シリコン膜56上にはともに同じ膜厚の酸化シリコン膜57が形成されている。このため、酸化シリコン膜57の異方性ドライエッチングによって、メモリセル形成領域および高耐圧MIS型トランジスタQ5の形成領域に形成されている窒化シリコン膜56の膜厚と低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域に形成されている窒化シリコン膜56の膜厚に差が生じることはない。また、このドライエッチング工程の後、ゲート電極43およびゲート電極44の側壁に残された酸化シリコン膜57をウェットエッチングで除去するが、ウェットエッチングでは、酸化シリコン膜57と窒化シリコン膜56との選択比をとることがドライエッチングに比べて容易である。したがって、低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域に露出した窒化シリコン膜56がウェットエッチングにより、エッチングされることはない。このため、ウェットエッチング後も領域毎に窒化シリコン膜56の膜厚に差がでることはない。
このように本実施の形態2では、窒化シリコン膜56の膜厚に差がでないことから、この窒化シリコン膜56のエッチング時において、エッチングの終点時間の差が生じにくく、終点時間がぼやけなくなる。したがって、最終的に形成されるサイドウォールの幅がウェハ毎にばらつくことを抑制することができる。また、本実施の形態2では、低耐圧MIS型トランジスタQ3、Q4の形成領域で窒化シリコンが露出した状態で、メモリセル形成領域および高耐圧MIS型トランジスタQ5の形成領域に形成された酸化シリコン膜57を異方性ドライエッチングで除去するような工程が存在しない。このため、前記実施の形態1で要求されるほどの高選択比も必要とされることはない。
(実施の形態3)
前記実施の形態1、2では、メモリセルがメモリ用のMONOS型トランジスタQ1とセル選択用のMIS型トランジスタQ2より構成される場合について説明したが、本実施の形態3では、メモリセルがMONOS型トランジスタQ1だけから構成される場合について説明する。
図33は、本実施の形態3におけるMONOS型トランジスタQ1、MIS型トランジスタQ3〜Q5の製造工程を示した断面図である。図33において、メモリゲート電極34の側壁にはサイドウォールAが形成されており、ゲート電極43の側壁にはサイドウォールCが形成されている。また、ゲート電極44の側壁にはサイドウォールDが形成されており、ゲート電極45の側壁にはサイドウォールEが形成されている。
本実施の形態3におけるMONOS型トランジスタQ1の書き込み動作時の電圧関係については前述の実施の形態1で示した場合と同様になる。すなわち、メモリゲート電極34、ソース領域(高濃度n型不純物拡散領域59)、ドレイン領域(高濃度n型不純物拡散領域60)および半導体基板20には約−10.5Vの電圧が印加される。MONOS型トランジスタQ1のメモリゲート電極34は、半導体基板20に対して、約+12Vの電位差となっているため、半導体基板20内にある電子がゲート絶縁膜26をトンネルして、電荷蓄積膜27のトラップ準位に蓄積される。
消去動作についても前述の実施の形態1で示した場合と同様になる。すなわち、ソース領域(高濃度n型不純物拡散領域59)、ドレイン領域(高濃度n型不純物拡散領域60)および半導体基板20に約1.5Vの電圧が印加される一方、メモリゲート電極34に約−8.5Vの電圧が印加される。この時、メモリゲート電極34に対して半導体基板20は、約+10Vの電位差となっている。従って、MONOS型トランジスタQ1の電荷蓄積膜27に蓄積された電子は、ゲート絶縁膜26をトンネルして半導体基板20内へ移動する。このため、電荷蓄積膜27に蓄積された電子は、半導体基板20内へ引き抜かれる一方、正孔が電荷蓄積膜27に蓄積される。
続いて、読み取り動作について説明する。この場合、ソース領域(高濃度n型不純物拡散領域59)およびメモリゲート電極34に約0Vの電圧を印加する。また、半導体基板20に−2.0Vを印加し、ドレイン領域(高濃度n型不純物拡散領域60)に約1.0Vの電圧を印加する。MONOS型トランジスタQ1の電荷蓄積膜27に電子が蓄積されている場合、MONOS型トランジスタQ1のしきい値電圧は、0Vより大きくなるため、メモリゲート電極に約0Vを印加した状態では、ソース電極とドレイン電極との間に電流は流れない。一方、MONOS型トランジスタQ1の電荷蓄積膜27に正孔が蓄積されている場合(電荷が蓄積されていない場合も含む)、MONOS型トランジスタQ1のしきい値電圧は、0V以下となるため、メモリゲート電極に約0Vを印加した状態では、ソース領域とドレイン領域との間に電流が流れる。このように電流が流れるか否かによって、1ビットの情報を記憶することができる。
サイドウォールAおよびサイドウォールC〜Eは、前記実施の形態2で述べたのと同様の工程で形成されている。すなわち、サイドウォールA、C、Dは、酸化シリコン膜55および窒化シリコン膜56から形成される一方、サイドウォールEは、酸化シリコン膜55、窒化シリコン膜56および酸化シリコン膜57から形成されている。ここで、前記実施の形態2でも述べたようにサイドウォールAの窒化シリコン膜56の膜厚は、サイドウォールC、Dの窒化シリコン膜56の膜厚より厚くなっている。したがって、サイドウォールAの幅はサイドウォールC、Dの幅に比べて広くなっており、また、サイドウォールEは、酸化シリコン膜55、窒化シリコン膜56および酸化シリコン膜57の三層膜から形成されているため、サイドウォールEの幅は、サイドウォールAの幅よりも広くなっている。
また、前述の実施の形態1および2と同様に、サイドウォールAの酸化シリコン膜55の膜厚は、MONOS型トランジスタQ1のゲート絶縁膜26の膜厚よりも厚くなるように形成しており、同様の効果を得ることができる。
このように、前記実施の形態2の工程を使用すれば、メモリセルがMONOS型トランジスタQ1だけから構成されている場合であっても、MONOS型トランジスタQ1およびMIS型トランジスタQ3〜Q5でサイドウォールの幅を異なるようにすることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
前記実施の形態1では、サイドウォールの幅の異なるトランジスタを2種類形成する場合を示したが、これに限らずサイドウォールの幅が3種類以上ある複数のトランジスタを形成してもよい。すなわち、ウェットエッチングのストッパ膜をn(nは2以上の整数)層形成することにより、n+1種類のサイドウォールの幅を有する複数のトランジスタを形成することができる。
また、前記実施の形態1〜3では、書き換え可能な不揮発性メモリセルのメモリ用のトランジスタとして、MONOS型トランジスタを例にして説明したが、例えば電荷蓄積膜上に直接ゲート電極が形成されているMNOS型トランジスタを使用してもよい。
また、前記実施の形態1〜3で述べたように電荷蓄積膜として窒化シリコン膜を使用することが望ましいが、電荷蓄積膜にポリシリコン膜を使用してもよい。
本願によって開示される実施の形態のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下の通りである。
高速動作を可能とするために大きな電流駆動力を必要とするMOS型トランジスタと高耐圧を必要とするMOS型トランジスタを有する半導体装置であって、書き換え可能な不揮発性メモリセルを含む半導体装置において、それぞれの素子特性の向上を図ることができる。
また、高速動作を可能とするために大きな電流駆動力を必要とするMOS型トランジスタと高耐圧を必要とするMOS型トランジスタを有する半導体装置であって、書き換え可能な不揮発性メモリセルを含む半導体装置を、それぞれの素子特性の向上を図りつつ簡素化した工程で製造できる。