JP4609449B2 - データ処理装置及びデータ処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばMPEGデコーダのように、ビデオ信号等の時系列データを符号化した符号化データについて復調するためのデータ処理装置、及びそのデータ処理方法に関するものである。
従来、デジタル衛星放送サービスの開始に伴い、デジタル衛星放送受信機が一般的に普及し始めている。周知のように、デジタル衛星放送システムにおいては、そのデジタル動画・音声符号化フォーマットとして、MPEG2(Moving Picture Experts Group Layer2)方式が採用されている。
このため、デジタル衛星放送受信機は、まず、パラボラアンテナにより受信され、供給された放送信号から、例えばMPEG2方式により圧縮された映像音声信号を含むストリームデータを得るようにされ、デマルチプレクサによりこのデータストリームから圧縮されたオーディオ信号、ビデオ信号等を分配するようにされる。そして、MPEGデコーダにより、これらの信号を復調するようにされる。
図12は、従来のデジタル衛星放送受信機に設けられるMPEGデコーダ105内の構成を示した図である。なお、この図においてはMPEGデコーダ105のビデオ信号の復調に関する部分のみを抽出して示しているものとする。
まず、この図に示すデマルチプレクサ104は、供給されたストリームデータからMPEG2方式により符号化されたビデオ信号を抽出している。また、PCR、PTSを分離している。
このように分離された各信号及び情報のうち、PCRはPCR復調部112に供給される。また、PTSはPTS復調部113に供給される。そして、ビデオ信号は遅延メモリ114にそれぞれ供給される。
ここで、PCR(Program Clock Reference)、及びPTS(Presentation Time Stamp)は、周知のようにして、MPEG2フォーマットが採用されるデジタル衛星放送システムにおいて、放送信号としてのストリームデータに時分割多重により重畳される情報である。
このPCRは、プログラム時刻基準参照値ともいわれ、放送信号のエンコーダ側(符号化装置側)のMPEGエンコーダにおけるシステムクロックのタイミングに基づいて生成される。つまり、エンコーダ側のエンコード時におけるシステムクロックの周波数の情報を有している。このPCRは、PCRパケットの形式により約100ms間隔で挿入されるようにして多重化される。
また、PTSは、再生出力の時刻管理情報であり、MPEGエンコーダによって付されるものである。このPTSによって、例えばフレーム画像ごと、若しくは符号化データのアクセスユニットごとの再生出力タイミングを指定するようにされる。つまり、再生出力タイミングを指定する情報として機能する。
PCR復調部112は、デマルチプレクサ104から分離抽出したPCRパケットからPCRを復調し、そのPCRとしての値を得る。このようにして得られたPCRの値はコンパレータ116に供給される。
STC(System Time Clock)カウンタ111は、PLL(Phase Locked Loop)回路120が生成するクロックをカウントする部位であり、このSTCカウンタ111のカウント値もコンパレータ116に供給される。
コンパレータ116は、これらPCRの値とSTCカウンタ111のカウント値とを比較し、その誤差情報をPLL回路120に出力する。
PLL回路120は、例えばVCXO(電圧可変型水晶発振器)を含む、いわゆる電圧可変型のPLL回路であり、コンパレータ116から出力される誤差情報に基づいてロックするように動作する。これにより、PLL回路120がロックしている状態では、PCRに同期した周波数によるシステムクロックが生成される。つまり、MPEGエンコーダと一致したシステムクロックが、デコーダ側においても得られる。そして、このPLL回路120から出力される周波数信号が、MPEGデコーダ105におけるシステムクロックとして、各部に供給される。デコーダ部105は、このシステムクロックに基づいて、符号化されたビデオ信号についての復調(復号)処理を実行する。
また、上記STCカウンタ111は、システムクロックを入力してSTCを生成していることから、このSTCは、システムクロックのタイミングに忠実な同期情報となる。
PTS復調部113は、PTSを復調して、デコードされたビデオ信号の再生出力タイミングを指定するタイムスタンプとしての値を取得する部位である。
取得されたPTSの値は、出力タイミング制御部117に供給される。
出力タイミング制御部117は、このように供給されるPTSの値と、図示するようにSTCカウンタ111から供給されるカウント値を比較し、PTSの示す値(出力時刻)と、STCカウンタの値(現在時刻)が一致するのに応じて、所要のビデオ信号が出力されるようにデコーダ部115を制御する。
デマルチプレクサ104から出力されたビデオ信号は、先ず、遅延メモリ114に対して入力されて、ここで一旦蓄積された後、デコーダ部115に対して出力される。デコーダ部115では、システムクロックに基づいたタイミングで、入力されたビデオ信号についてMPEGデコード処理を施して、復調処理されたビデオ信号を出力する。
そして、この際においては、上記した出力タイミング制御部117の制御によって復調後のビデオ信号の再生出力タイミングが制御される。
このような構成により、MPEGデコーダ105は、エンコーダ側と一致したシステムクロックを正確に再生することが可能となるとともに、エンコーダ側でのシステムクロックと一致しているとされる適正なタイミングでのビデオ信号再生出力を行うことが可能とされる。
このように、従来のMPEGデコーダにおいては、PLL回路を設けてPCRに同期したシステムクロックを生成するようにしている。そして、このシステムクロックに基づいて、MPEGデコーダ5が動作することで、符号化装置側のシステムクロックと一致した適正なタイミングで、デコード処理を施して再生出力することが可能となる。
しかしながら、MPEGデコーダには、VCXO(電圧可変型発振器)を含むPLL回路が広く用いられるが、このようなPLL回路は、一般的に高価であり、従来のMPEGデコーダを製造するにあたっては、そのコスト削減を図ることが困難となっていた。
また、このVCXOを含むPLL回路は、1チップのLSIとして構成するのが困難であり、VCXOは外付けとされるのが一般的である。このため、従来のMPEGデコーダを製造するにあたっては、装置の小型化を図ることが困難であった。
また、例えば、PCRの連続性が保障されていない等の非標準なMPEGストリームを含む放送信号が受信された場合、従来のMPEGデコーダによっては、上述もしたようにPCRを元に内部クロックを生成するようにされるため、生成するクロックの周波数が著しく異なってしまうという問題がある。
さらに、従来のMPEGデコーダにおいては、STCによる現在時刻とPTSによる出力時刻とが一致した時に所定画像データの出力を実行するようにされるため、PTSの連続性が保障されない場合は、原理的に出力画像の欠落や重複が生じてしまう可能性があった。
このため、本発明では以上のような問題点に鑑み、データ処理装置として以下のように構成することとした。
つまり、本発明のデータ処理装置は、ビデオ信号が符号化された符号化ビデオデータと、オーディオ信号が符号化された符号化オーディオデータと、これら符号化ビデオデータと符号化オーディオデータとを復調して上記ビデオ信号とオーディオ信号とを再生する際の再生出力タイミングを指定する出力時刻管理情報とが供給されるデータ処理装置であって、固定の周波数によるシステムクロックを生成するクロック生成手段を備える。
また、上記符号化ビデオデータを一時蓄積することのできるデータ蓄積手段と、上記固定の周波数によるシステムクロックに従ったタイミングで上記データ蓄積手段から読み出された符号化ビデオデータを復調してビデオ信号を再生出力するビデオ復調手段を備える。
また、上記符号化オーディオデータを復調してオーディオ信号を再生出力するオーディオ復調手段を備える。
さらに、上記データ蓄積手段により蓄積されている上記符号化ビデオデータの蓄積量と所定の閾値とを比較し、この比較の結果、上記蓄積量が所定の閾値以下である場合には上記ビデオ信号が所定時間単位で繰り返し再生出力され、上記蓄積量が所定の閾値以上である場合には上記ビデオ信号が所定時間単位でスキップして再生されるように上記ビデオ復調手段を制御する制御手段と、上記出力時刻管理情報に基づき、上記ビデオ復調手段により復調して得られるビデオ信号と上記オーディオ復調手段により復調して得られるオーディオ信号とを同期出力させる同期出力手段とを備えるものである。
上記構成によっては、符号化装置により符号化されたビデオ信号を復調出力するのにあたり、固定周波数のシステムクロックにより符号化ビデオデータを復調するようにされる。
このとき、復調処理前において一時蓄積される符号化ビデオデータの蓄積量に基づいて、復調されるビデオ信号の出力タイミングを制御するようにされている。
このような構成では、符号化装置側から伝送される基準クロックに同期したシステムクロックにより符号化ビデオデータを復調する回路系を動作させなくとも、上記基準クロックに同期した符号化ビデオデータの復調出力タイミングが得られることになる。
このようにして本発明によっては、符号化装置側から伝送される基準クロックに同期したシステムクロックを生成しなくとも、符号化装置側が指定する再生出力タイミングと、実際の再生出力タイミングとの同期を図ることが可能になる。これは即ち、上記基準クロックに同期したシステムクロックを生成するためのPLL回路が不要となることであり、装置の製造コスト削減、及び装置の小型化が図られるようになる。
特に、電圧可変型のPLL回路を用いた場合と比較すると、この電圧可変型のPLL回路は外付け部品が必要となることで1チップ化ができないでいたために、本発明によるコスト削減及び小型化のメリットは大きなものとなる。
また、上記基準クロック(PCR)が不要となれば、例えば放送信号に重畳されるPCRの連続性が保障されていない等、非標準なMPEGストリームが入力されたとしても、従来のようにPLL回路が誤動作してシステムクロックの周波数が大きく外れるような不都合も解消されることとなる。
また、従来では、出力時刻管理情報(PTS)がシステムクロック(STC)と一致するようにしてフレーム画像の表示タイミングを制御していたために、PTSの連続性が保障されない場合は、原理的に出力画像の欠落や重複が生じてしまう可能性があった。例えば、このような現象が頻繁に起これば表示される画像が不自然なものとなってしまうことになる。
これに対して本発明では、デコード処理は、固定周波数によるクロックに従ってのみ行われるので、上記のようにして、PTSとSTCとの一致によりフレーム画像を出力させる同期制御は行わないことになる。これにより、例えばPTSの不連続性などの障害に起因する出力画像の欠落や重複は生じないことになり、表示される画像の品質が低下することを防止できることにもなる。
以下、本発明の実施の形態について説明していくこととする。本実施の形態としては、MPEG方式によりエンコードされたビデオ信号をデコードするデコーダを例に挙げることとする。また、本実施の形態としては、このデコーダは、デジタル衛星放送受信機に備えられているものとする。
<第1の実施の形態>
先ず、第1の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態としてのデジタル衛星放送受信機1の要部の構成を示している。
周知のように、デジタル衛星放送では、通信衛星又は放送衛星からデジタル放送信号が出力されている。パラボラアンテナ7では、この衛星からの放送信号を受信し、内蔵のLNB(Low Noise Block Down Converter)によって所定の高周波信号に変換して、デジタル衛星放送受信機1に対して供給する。
デジタル衛星放送受信機1においては、パラボラアンテナ7にて受信され、所定の周波数に変換された受信信号を、フロントエンド部2により入力する。
フロントエンド部2では、システムコントローラ6からの伝送諸元等を設定した設定信号に基づいて、この設定信号により決定されるキャリア(受信周波数)を受信して、例えばビタビ復調処理や誤り訂正処理等を施すことで、TS(Transport Stream)を得るようにされる。
このデジタル衛星放送の規格によるTSは、周知のように、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group Layer2)方式によって、複数のプログラム(番組)のビデオ信号及びオーディオ信号を圧縮した圧縮データと、各種の付加情報が多重化されている。上記したビデオ信号及びオーディオ信号を圧縮した圧縮データは、ES(Elementary Stream)として多重化される。また、放送側が挿入する付加情報としては、PAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)などのテーブルを格納するPSI(Program Specific Information:番組特定情報)や、SI(Service Information:番組配列情報) などが挙げられる。
また、画像が表示された際の1フレーム分に相当するビデオ信号ごとに付記され、その1フレーム分のビデオ信号を出力するタイミングを提示するPTS(Presentation Time Stamp)も付加されることとなる。
そして、上記情報の多重化は、TSを188バイトのトランスポートストリーム・パケット(TSパケット)により形成するようにして、このTSパケットに対して、上記したES及び各種付加情報を格納することにより行われる。
フロントエンド部2にて得られたTSは、デスクランブラ3に対して供給される。
また、フロントエンド部2では、TSからPSI(Program Specific Information:番組特定情報)のパケットを取得し、その選局情報を更新すると共に、TSにおける各チャンネルのコンポーネントPID(Program ID)を得て、例えばシステムコントローラ6に伝送する。システムコントローラ6では、取得したPIDを受信信号処理に利用することになる。
デスクランブラ3では、予め用意されたデスクランブルキーデータをシステムコントローラ6から受け取ると共に、システムコントローラ6によりPIDが設定される。そして、このデスクランブルキーデータとPIDとに基づいてデスクランブル処理を実行する。
また、確認のために述べておくと、デスクランブラ3から出力されるTSとしては、複数のプログラムのESが多重化されている可能性があり、また、PSIをはじめとする付加情報も除去されることなく多重化されているものである。
デマルチプレクサ4は、システムコントローラ6により設定されたフィルタ条件に従って、デスクランブラ3から供給されたTSから必要なTSパケットを分離する。これにより、例えばデマルチプレクサ4においては、目的とする1つのプログラムについてのTSパケットとして、MPEG2方式により圧縮されたビデオ信号のTSパケットと、MPEG2方式により圧縮されたオーディオデータのTSパケットを得ることになる。そして、このようにして得られた圧縮ビデオ信号と圧縮オーディオデータをMPEGデコーダ5に対して出力する。
なお、デマルチプレクサ4により分離された圧縮ビデオ/オーディオデータの個別パケットは、PES(Packetized Elementary Stream)と呼ばれる形式でそれぞれ、MPEGデコーダ5に入力されるようになっている。
また、上記したフィルタ条件の設定は、例えばデマルチプレクサ4において、TSに含まれるPAT、PMTなどを抽出して、システムコントローラ6に転送するようにされる。そして、システムコントローラ6が、転送されてきたPAT、PMTなどに記述されている情報内容に基づいて、デマルチプレクサ4に対してフィルタ条件を設定するようにされる。
MPEGデコーダ5においては、圧縮ビデオ信号をMPEG2フォーマットに従ってデコード(伸長)処理を行うビデオデコーダと、圧縮オーディオデータについて、MPEG2フォーマットに従って、上記ビデオ信号出力に同期させるようにしてデコード処理を行うオーディオデコーダとを備えている。
そして、入力された圧縮ビデオ信号については、ビデオデコーダによってデコード処理を施し、ビデオ信号として出力するようにされる。
また、入力された圧縮オーディオデータについては、オーディオデコーダによってデコード処理を施して、オーディオデータとして出力するようにされる。
そして、この場合には、デコードされたビデオ信号については、例えばNTSC方式などの所定のテレビジョン方式に対応して適正に画像表示が行われるように所要の信号処理を施して、アナログビデオ信号として出力させることもできる。
また、デコードされたオーディオデータについては、例えばD/A変換を行ってアナログオーディオ信号として出力させることもできる。
このように本実施の形態としてのデジタル衛星放送受信機1においては、以上のような基本構成によって、パラボラアンテナ7により受信された放送信号から、ビデオ信号、及びオーディオ信号を出力することができるようにされている。
ところで、このデジタル衛星放送システムにおいて、MPEGエンコーダ(符号化装置)側におけるエンコードのためのシステムクロック周波数は、27MHzとして規定されている。しかしながらこの周波数は、例えば放送信号を送信する局ごと、または同局であっても中継が切り替わるごとに、MPEGエンコーダが異なるために、約±10ppm程度の範囲で変化する。そして、これに伴っては、この放送信号に重畳されるPCRも変化する。
従来のデジタル衛星放送受信機においては、図12により説明したように、例えば電圧可変型のPLL回路を設けることで、MPEGエンコーダ側と一致したシステムクロックを生成していた。そして、このシステムクロックに基づいて、エンコード処理を実行するようにされていた。これにより、例えば上記したようなシステムクロックの誤差は吸収されていたものである。
しかしながら、上記のようなPLL回路は一般的に高価であり、また、外付け部品が必要となることで1チップ化が困難であるため、MPEGデコーダを製造するうえでコストの削減、及び装置の小型化等が妨げられてきた。
そこで、本実施の形態としては、このように高価な電圧可変型PLL回路を用いる方式に代え、固定クロック発生器を用いてシステムクロックを得て、この固定のシステムクロックによりビデオ信号のデコード処理を実行させることとした。
ただし、上記もしたように、放送のエンコーダ側(符号化装置側)のクロック周波数としては、厳密に27MHzではなく、例えば前述もしたように±10ppm程度の誤差が存在していることになる。
これに対して、本実施の形態では、上記のようにして、固定クロックに基づいてビデオ信号のデコード処理が実行される。
これは即ち、本実施の形態においては、ビデオ信号のデコードタイミングは、放出側の要求するクロック周波数には同期していないことを意味する。
実際においては、クロック周波数27MHzに対して±10ppmの誤差は非常に僅かなものであるため、比較的短時間では、エンコーダ側のクロックタイミングと、画像のデコードタイミングとの間には、大きな誤差は生じない。しかしながら、同期が取られていない以上、例えば1時間以上程度の長時間で見ると、例えば1フレーム画像程度にまで誤差が拡大することもある。従って、このような誤差を調整する必要は生じてくる。
そこで、本実施の形態としては、このように受信したエンコーダ側のクロック周波数と、デコーダ側とのタイミングのずれにも対応して、画像出力タイミングを適正なものに調整するようにも構成するものである。以下、このための構成について説明していくこととする。
上記のようなタイミング調整を実現可能とする本実施の形態としてのMPEGデコーダ5は、図2のブロック図に示すような構成とされる。
図示するように、第1の実施の形態としてのMPEGデコーダ5には、固定クロック発生器11、STC(System Time Clock)カウンタ12、PTS復調部13、遅延メモリ14、デコーダ部15、及び出力タイミング調整部17が形成されている。
なお、この図においては主にビデオ信号復調動作に関する要部のみを示しており、他の部位については省略しているものとする。
まず、この図において、固定クロック発生器11は、例えば水晶発振子等を備え、所定の周波数に固定されたクロックを発生する部位である。ここでのクロック周波数としては、デコーダ側のシステムクロック周波数として規定される、27MHzであることとする。このように発生されたクロックは、図示するように当該MPEGデコーダ5のシステムクロックとして所要各部に供給される。後述するデコーダ部15は、このシステムクロックに従ったタイミングでMPEG2方式により符号化変調されたビデオ信号を復調する。
つまり本実施の形態では、前述もしたように、PRCを利用してシステムクロックを生成するためのPLL回路を省略し、代わりに固定クロック発生器11による固定周波数のシステムクロックを得るようにしている。このため、本実施の形態では、MPEGデコーダ5に対してPRCが入力されていない。
STCカウンタ12は、図示するように固定クロック発生器11により発生したシステムクロックを入力し、これをカウントすることで、STCとしての値を生成する。STCは、本来は、符号化データの復調処理タイミングについての基準となる基準同期情報であり、エンコーダ側のシステムクロックに一致したタイミングを有している。しかしながら、この場合のSTCは、27MHzで固定のシステムクロックをカウントして生成されるのであるから、当該MPEGデコーダ5における固定のシステムクロックに一致したタイミングを有していることになる。これは即ち、固定のシステムクロックにより動作するデコーダ部15のデコード処理タイミングのみに対応した基準同期情報であることを意味する。
このSTCカウンタ12により生成されたSTCの値は、図示するように出力タイミング調整部17に供給される。
PTS復調部13では、図1で説明したデマルチプレクサ4から供給されるPTSを入力し、これを復調してPTSの値を取得するようにされる。
PTSは、前述もしたように、MPEGエンコーダによって発生され、ストリームデータに対して多重される情報である。そしてこのPTSは、再生出力のための時刻管理情報ともいわれ、再生出力タイミングを指定する情報として機能する。このPTSによって、例えばフレーム画像ごと、若しくは符号化データのアクセスユニットごとの再生出力タイミングが指定される。
このPTSの値は、出力タイミング調整部17に供給される。さらにこのPTSの値は、STCカウンタ12のカウント値を初期化する際の初期化値として、STCカウンタ12にも供給される。
遅延メモリ14は、デマルチプレクサ4から供給される符号化されたビデオ信号を入力し、これをバッファリング(一時蓄積)するもので、後段のデコーダ部15におけるデコード処理時間を保証するために設けられる。そして、このように蓄積されたビデオ信号は、デコーダ部15に供給される。
デコーダ部15は、固定クロック発生器11により発生された固定周波数のシステムクロックに従って、遅延メモリ14から読み出されたビデオ信号を入力して復調処理を施す。そして、復調して得られた時系列データとしてのビデオ信号を、ビデオ出力として再生出力するようにされる。
また、このデコーダ部15は、次に説明する出力タイミング調整部17から供給されるRepeat指示信号、及びSkip指示信号に応じてデコード出力すべきビデオ信号の出力タイミングを調整するのであるが、これについては後述する。
出力タイミング調整部17は、STCカウンタ12から供給されるカウント値と、PTS復調部13から供給されるPTSの値を比較し、これらの値の誤差を検出する。そして、この検出結果に基づいて、上記Repeat指示信号、Skip指示信号を出力するようにされる。これにより、後述するようにして、ビデオ信号の出力タイミングが調整され、結果的に、エンコーダ側が指定するビデオ信号の出力タイミングとの同期が得られるようにする。
上記のような動作を実現可能とするための、出力タイミング調整部17の内部構成は図3に示すようになる。
図示するように、この出力タイミング調整部17には、誤差検出部31、Repeat閾値32、Skip閾値33、コンパレータ34、及びコンパレータ35が形成される。
まず、誤差検出部31は、供給されるPTSの値とSTCカウンタ12によるカウント値の誤差を検出する。この検出方法としては、例えばPTSの値からSTCカウント値を減算し、その値を求めるようにする。
そして、このPTSの値からSTCカウント値を差し引いた値(「PTS−STC」の値)はコンパレータ34、及びコンパレータ35に供給される。
コンパレータ34は、このように供給される「PTS−STC」の値と、Repeat閾値32から供給されるRepeat閾値とを比較する。ここで、Repeat閾値32としては負の数による値が設定される。例えば、後述するようにして、1フレーム分のタイミングのずれ量を基準に出力タイミングの調整を行うとした場合には、例えば−30ms程度の時間幅に対応するRepeat閾値を設定する。
そして、このコンパレータ34は、Repeat閾値よりも「PTS−STC」の値の方が小さくなったときに、Repeat指示信号をデコーダ部15に供給するようにされる。すなわち、例えば、Repeat閾値32が−30msであるとして、「PTS−STC」の値が−30msよりも小さい数となった場合(絶対値としては30msecよりも大きい数となった場合)にRepeat指示信号を出力する。
コンパレータ35は、誤差検出部31から供給される「PTS−STC」の値と、Skip閾値33から供給されるSkip閾値とを比較する。この場合、Skip閾値としては、正の数による閾値が設定される。1フレーム分のタイミングのずれ量を基準に出力タイミングの調整を行うとした場合には、例えば1フレーム周期に対応する+30ms程度に対応する正の数が設定されるものである。
そして、このSkip閾値よりも「PTS−STC」の値の方が大きくなるのに応じ、図示するようにSkip指示信号をデコーダ部15に対して供給する。
ここで、Repeat指示信号が出力される場合とは、PTSのほうがSTCに対してRepeat閾値分小さくなった場合である。
これまでの説明から理解されるように、PTSは、エンコーダ側が指定するデコーダの再生出力タイミングを指定する情報としてみなすことができる。これに対して、本実施の形態のSTCは、固定周波数のシステムクロックによりデコード処理を実行しているデコーダ部15における、実際の再生出力タイミングを示していることになる。
従って、PTSのほうがSTCに対してRepeat閾値分小さくなってRepeat指示信号が出力されたということは、固定のシステムクロックによりデコーダ部15によりデコード処理されたビデオ信号の再生出力タイミングが、エンコーダ側のシステムクロックにより指定される再生出力タイミングに対して、Repeat閾値に対応する時間分進んでいることを意味する。
これに対して、Skip指示信号が出力される場合とは、PTSのほうがSTCに対してSkip閾値分大きくなった場合であるから、デコーダ部15によりデコード処理されたビデオ信号の出力タイミングが、エンコーダ側が指定する再生出力タイミングに対して、Skip閾値に対応する時間分遅れていることを意味する。
このように構成される本実施の形態のMPEGデコーダ5においては、例えば以下のような動作が得られることとなる。
前述もしたように、本実施の形態では、エンコーダ側のクロック周波数に対してデコーダ部15によるデコードタイミングが同期していない。このために、デコード処理が実行されていくのに従い、時間経過に応じて、放送信号に重畳されているPTSの値と、STCカウンタ11によりカウントされるSTCカウント値とのずれが大きくなってくる可能性がある。
そしてここで、上記したずれが、出力タイミング調整部17によって検出され、Repeat閾値、あるいはSkip閾値を越えたとする。これに応じて、ビデオ信号出力の調整を行うためのRepeat指示信号、あるいはSkip指示信号がデコーダ部15に供給されることとなる。
ここで、先に説明したように、デコーダ部15は、これらRepeat指示信号、及びSkip指示信号に基づいてビデオ信号再生出力のタイミングの調整を行うのであるが、このようなデコーダ部15の再生出力タイミング調整動作として、本実施の形態では、2例を挙げることとする。
まず、第1例として、出力するビデオ信号について、フレーム画像単位により調整するものである。この場合には、1フレーム分に相当するビデオ信号の再生出力を繰り返す(リピートする)、若しくは、1フレーム分に相当するビデオ信号の再生出力させずに次のフレームを再生出力する(スキップする)ようにされる。
また、第2例として、上記のようなビデオ信号再生出力のリピート/スキップを1フレーム画像内における水平ライン単位で行うものである。
まず、第1例としての、Repeat/Skip指示信号に基づいたデコーダ部15の出力タイミング調整動作について、図4を用いて説明する。
図4(a)は、エンコーダ側のシステムクロックに従ったタイミングでのビデオ信号の再生出力が行われたと仮定した場合の、デコード処理後のビデオ信号についての再生出力タイミングを模式的に示している。つまり、本来は、このタイミングにより、デコーダ部15によりデコード処理が実行されるべきものである。
これに対して、図4(b)は、デコーダ部15によるデコード処理後のビデオ信号の再生出力タイミングとして、エンコーダ側のシステムクロックにより指定されるタイミングよりも進んでいる状態を示している。また、この進んだ状態として、ほぼ1フレーム分進んでいるとされる状態が示されている。
また、図4(c)は、デコーダ部15によるデコード処理後のビデオ信号の再生出力タイミングとして、エンコーダ側のシステムクロックに従ったタイミングよりも、ほぼ1フレーム分遅れている状態を示している。
なお、図示するそれぞれの四角形の枠は、1フレーム分の表示画像を表すものであり、枠内に示される数は、便宜的にフィールド画像の出力順を示しているものである。
例えば、デコーダ部15によるデコード処理タイミングが、図4(a)に示す適正タイミングに対して、図4(b)に示すように進んでいる場合は、再生出力タイミングは徐々に図4(a)のタイミングを追い越していき、遂には、例えばおよそフレーム「5」が再生出力されるべきタイミングに、フレーム「6」が再生出力されるような状態となる。つまり、システムクロックに基づくビデオ信号の再生出力タイミングよりも、およそ1フレーム分進んだ状態となる。
この場合、図3の出力タイミング調整部17においては、誤差検出部31で算出された「PTS−STC」の値が、コンパレータ34によりRepeat閾値(=約−30ms)よりも小さいと判別され、デコーダ部15にはRepeat指示信号が供給されることとなる。
そして、デコーダ部15においては、このように供給されたRepeat指示信号に基づき、再生出力すべき1フレーム分のビデオ信号をリピート出力(繰り返して再生出力)するようにされる。
すなわち、図4(b)に示すようにフレーム「6」をリピート出力するようにされ、これにより、結果的にフレーム「6」を表示すべき適正なタイミングでフレーム「6」を表示させることが可能となる。
また、デコーダ部15によるデコード処理タイミングが、図4(a)に示す適正タイミングに対して遅れている場合には、図4(c)に示すようにして、再生出力タイミングは徐々に図4(a)のタイミングに対して遅れをとり、遂には、例えばおよそフレーム「5」が再生出力されるべきタイミングに、フレーム「4」が再生出力される状態が得られることになる。つまり、エンコーダ側のシステムクロックに基づく再生出力タイミングよりも、およそ1フレーム分遅れた状態が得られることになる。
この場合、出力タイミング調整部17においては、誤差検出部31で算出された「PTS−STC」の値が、コンパレータ35によりSkip閾値(=約+30ms)よりも大きいと判別され、デコーダ部15にはSkip指示信号が供給される。
そして、デコーダ部15においては、これに応じて再生出力する1フレーム分のビデオ信号をスキップ出力させる。
すなわち、図4(c)に示すようにフレーム「5」をスキップするようにされ、これにより、およそフレーム「6」を表示すべきタイミングでフレーム「6」を表示させることが可能となる。
このように、システムクロックと、供給されるPTSの値とがずれた場合において、所定フレームを表示させるべきタイミングを途中であわせるようにしていくことで、結果的にデコーダ部15によりデコード出力されるビデオ信号を適正なタイミングで表示させていくことが可能となる。
なお、図4においては、説明を分かりやすいものとするために、図4(a)に示す適正タイミングに対して、図4(b)(c)に示すタイミングが、フレーム周期で相応のずれを生じている状態となっている。しかしながら、前述もしたように、実際におけるエンコーダ側のシステムクロック周波数の誤差は、27MHzに対して±10ppm程度の誤差である。このため、図4にて説明したような1フレーム分の誤差が生じるのは、例えば1時間に1回程度である。従って、図4により説明したようなフレーム画像単位でのリピート出力、又はスキップ出力を実行する機会も、1時間に1回程度となる。つまり、表示画像が頻繁にフレーム単位でリピート/スキップ出力されることにはならないため、表示出力される画像としては、特に品質が落ちるようなことにはならないものである。
続いて、第2例としてのデコーダ部15の再生出力タイミング調整動作について、図5を用いて説明する。図5(a)(b)(c)は、それぞれ1フレーム分の画像を、水平ラインの集合としての形態により示している。
なお、この出力タイミング調整動作を行うのにあたっては、Repeat閾値32、Skip閾値33として、必ずしも、1フレーム分の時間に相当する閾値が設定される必要はないが、ここでは、先の場合と同様に、1フレーム分の時間に相当する閾値が設定されていることを前提とする。
ここで、例えば、エンコーダ側のシステムクロックに基づくタイミングと、デコーダ部15によるデコード処理タイミングのずれ量として、「PTS−STC」の値がRepeat閾値32とSkip閾値33の範囲内であるとする。このような状態では、ほぼ正規の再生出力タイミングが得られているものとみなされる。
そして、この状態においては、図5(a)に示すようにして、デコーダ部15によりデコード出力されるフレーム画像を形成する水平ラインを過不足無く再生出力するようにされる。
これに対して、エンコーダ側のシステムクロックに基づくタイミングと、デコーダ部15によるデコード処理タイミングのずれ量として、デコーダ部15によるデコード処理タイミングが、許容範囲を越えて進んだ状態になったとする。つまり、エンコーダ側のシステムクロックに基づくタイミングに対して、デコーダ部15によるデコード処理タイミングが、ほぼ1フレームに相当する時間進んだ状態である。
この場合、図3の出力タイミング調整部17においては、誤差検出部31で算出された「PTS−STC」の値が、Repeat閾値よりも小さくなるので、コンパレータ34からデコーダ部15にはRepeat指示信号が供給されることになる。
そして、この場合のデコーダ部15においては、Repeat指示信号が出力されたタイミングから、再生出力すべき1フレーム画像分のビデオ信号について、1水平ラインを追加するようにして形成する。すなわち、図示するように、例えば通常の表示画像に対応するビデオ信号における最終ラインに対して、水平ラインAを1本余分に挿入する(リピートする)ものである。
そして、このようにして水平ラインAが追加されたフレーム画像としてのビデオ信号の出力を継続させるようにする。これにより、デコーダ部15からのビデオ信号出力タイミングは徐々に遅れていくことになり、或る時点で適正タイミングに合わせることができることとなる。そして、適正なデコーダ部15による出力タイミングが得られたら、また図5(a)に示すようにして通常のビデオ信号を出力するようにされる。
なお、上述のようにしてデコーダ部15により追加されるライン単位のビデオ信号としては、実際の画像としてのラインデータとされても、あるいはダミーのラインデータとされても構わないものである。
一方、エンコーダ側のシステムクロックに基づくタイミングと、デコーダ部15によるデコード処理タイミングのずれ量として、デコーダ部15によるデコード処理タイミングが、許容範囲を越えてほぼ1フレーム分遅れた状態になったとする。この場合には、誤差検出部31による「PTS−STC」の値がSkip閾値を越えることになるので、コンパレータ35からデコーダ部15に対しては、Skip指示信号が供給される。
このようにしてSkip指示信号が得られた場合、デコーダ部15は、デコードして再生出力すべき1フレーム分のビデオ信号において、図5(c)において破線で示すようにして、1本の最終水平ラインを省く(スキップする)ようにされる。
そしてこの場合にも、上記のようにして最終水平ラインが削除されたフレーム画像としてのビデオ信号の再生出力を継続させ、デコーダ部15からのビデオ信号出力タイミングが徐々に進むようにする。そして、或る時点で適正タイミングにまで追いついたとされると、図5(a)に示す通常のビデオ信号の再生出力に戻すようにされる。
例えば先の第1例のように、フレーム画像単位でのリピート/スキップを行う場合には、たとえこの動作が頻繁に行われないとしても、フレーム画像が重複したり落ちたりすることになるので、特に動きの早い映像が表示されている状態では、不自然になる可能性がある。
これに対して、上記第2例のようにして、ビデオ信号の水平ラインをリピート/スキップするのにあたり、その最終ラインをリピート/スキップする構成であれば、このリピート/スキップされる水平ラインは、例えば表示画像としてはオーバースキャンされる領域であるために、視覚的に画像が乱れるようなことにはならない。
<第2の実施の形態>
上述した第1の実施の形態としてのMPEGデコーダ5は、システムクロックに対する画像出力タイミングのずれを、受信された放送信号に重畳されるPTSの値とSTCカウント値を比較することで検出するように構成されるものである。
これに対して第2の実施の形態は、この検出方法に代え、システムクロックに対する画像出力タイミングのずれを、遅延メモリ14にバッファリングされている符号の量に基づいて検出するようにするものである。
図6は、このような第2の実施の形態としての検出方法を概念的に説明する図である。
この図においては、遅延メモリ14に対するデータ書込/読出を概念的に示すものとして、デマルチプレクサ4から順次供給される符号(ビデオ信号)が上方から書き込まれてバッファリング(一時蓄積)されるとともに、バッファリングされた符号が下方から読み出されてデコーダ部15に出力される様子が示されている。
ここで、例えば、この遅延メモリ14にバッファリングされている符号量が減少している状態になったとする。この場合は、この遅延メモリ14に対する符号の供給タイミングよりも、デコーダ部15へ出力されるタイミングの方が進んでいる状態である。このことから、デコーダ部15では適正なタイミングよりも進んだタイミングによるビデオ信号出力が行われていることになる。
また、これとは逆に、遅延メモリ14にバッファリングされている符号量が増加している状態にある場合は、デコーダ部15によるビデオ信号出力のタイミングが遅れている状態であることになる。
従って、このように遅延メモリ14にバッファリングされている符号量の増加、減少を監視することによっても、デコーダ部15のビデオ信号の再生出力タイミングが、エンコーダ側が指定する再生出力タイミングに対して、進んでいるか、遅れているかの検出を行うことが可能となる。
そこで、第2の実施の形態としては、図示するようにこの符号量に関して「Near Full」及び「Near Empty」の2つの閾値を設けるようにし、デコーダ部15によるビデオ信号の再生出力が適正なタイミングで行われているか否かの検出を行うようにしたものである。
すなわち、符号量が「Near Empty」閾値を下回ればデコーダ部15のビデオ信号出力のタイミングが、許容範囲を越えて進んでいるとみなすものである。また、「Near Full」閾値を越えたのであれば、ビデオ信号の再生出力タイミングが、許容範囲を越えて遅れているとみなすようにするものである。
そして、そのうえで、遅延メモリ14にバッファリングされている符号の量が、「Near Empty」を下回った場合は、デコーダ部15に対してRepeat指示信号を供給するようにし、「Near Full」を越えた場合はSkip指示信号を供給するようにする。これにより、第1の実施の形態と同様、ビデオ信号の再生出力タイミングを適正なタイミングに合わせる動作を実現することが可能となる。
このための第2の実施の形態としてのMPEGデコーダ5内部の構成を図8に示す。
なお、この図において、既に第1の実施の形態で説明した部分については同一の符号を付して説明を省略する。また、この図に示されるPTS復調部13にて復調されたPTSは、この第2の実施の形態においては、再生出力タイミングの調整に関しては利用されない。但し、ここでは図示していない、デコードされたビデオ信号とオーディオ信号についての、画像/音声同期制御に用いられる。PTSが画像/音声同期制御に用いられるのは、先の第1の実施の形態についても同様である。
まず、この図8に示す第2の実施の形態としてのMPEGデコーダ5において、遅延メモリ14の構成としては、実際には図7に示すようなリングバッファとしての動作を実行するようになっている。
リングバッファとは、周知のようにして、書き込みポインタ「Write Pointer」(WP)が、同じメモリ領域のアドレスを巡回するようにしてアドレス指定を行ってデータの書き込みを行っていくようにされる。なお、既に書き込みを行った領域に対して書き込みを行うべき時には、上書きをするようにして書き込みポインタWPをシフトさせていくことになる。これと共に、書き込みポインタWPに追随するようにして、読出ポインタ「Read Pointer」(RP)をシフトさせながら、書き込みが行われたデータの読出を行っていくものである。
従って、この遅延メモリ14にバッファリングされている符号量を、「Near Full」閾値と比較し、また、「Near Empty」閾値と比較するためには、実際においては、書き込みポインタWPの値に対する読出ポインタRPのアドレス差(WP−RP)の値に基づけばよいことになる。
つまり、「Near Full」閾値に対応するアドレス差(WP−RP)の値に応じたSkip閾値を設定し、「Near Empty」閾値に対応するアドレス差(WP−RP)の値に応じたRepeat閾値を設定するようにされる。そのうえで、現在のアドレス差(WP−RP)と、上記Skip閾値及びRepeat閾値とを比較するようにされる。このような処理は、次に説明する符号量検出部20にて実行される。
そして、この第2の実施の形態としてのMPEGデコーダ5においては、図8に示すように符号量検出部20が設けられる。この符号量検出部20の内部構成は図9に示すようになる。
この図9に示すように、符号量検出部20は、減算器41、Repeat閾値42、Skip閾値43、コンパレータ44、及びコンパレータ45を備える。
まず、減算器41には、図示するように遅延メモリ14から供給される書き込みアドレスWPの値、及び読出アドレスRPの値が入力される。そして、減算器41は、このアドレスWPの値から読出アドレスRPの値を減算し、このアドレス差の値「WP−RP」をコンパレータ44、及びコンパレータ45に供給する。
コンパレータ44は、このように供給される「WP−RP」の値と、Repeat閾値42より供給されるRepeat閾値とを比較し、「WP−RP」の値の方がRepeat閾値を越えた状態となると、Repeat指示信号をデコーダ部15に供給する。
コンパレータ45は、減算器41から供給される「WP−RP」の値と、Skip閾値43から供給されるSkip閾値とを比較し、「WP−RP」の値がSkip閾値以下になるのに応じてSkip指示信号をデコーダ部15に供給する。
そして、この第2の実施の形態におけるRepeat/Skip指示信号に基づいたデコーダ部15の出力タイミング調整動作としては、第1の実施の形態の場合と同等の動作が得られるものとする。すなわち、1フレーム単位によるリピート/スキップ出力(第1例)、又は、1水平ラインのリピート/スキップ出力(第2例)による調整が行われるものである。
なお、この場合、Repeat/Skip指示信号に基づいたデコーダ部15の出力タイミング調整が、先の第1の実施の形態と同様とされるのであれば、Repeat閾値としては、1フレーム分のデコード処理の進みに応じて、遅延メモリ14に蓄積される符号量に基づいて決定すればよい。また、Skip閾値としては、1フレーム分のデコード処理の遅れに応じて、遅延メモリ14に蓄積される符号量に基づいて決定すればよい。
これまでの説明から理解されるように、上記各実施の形態においては、固定クロック発生器11を設け、固定の周波数によるシステムクロックを生成するようにしている。デコーダ部15のデコード処理は、この固定クロックに従ったタイミングで実行するようにされる。
そして、このように構成した上で、第1の実施の形態では、出力タイミング調整部17を設けてPTSの値とSTCカウント値を比較することにより、ビデオ信号出力タイミングが適正であるか否かの検出を行うようにしている。
また、第2の実施の形態では、符号量検出部20を設けて遅延メモリ14にバッファリングされている符号量を検出することにより、デコーダ部15におけるビデオ信号の再生出力タイミングが適正であるか否かの検出を行うようにしている。
さらに、これら出力タイミング調整部17、または、符号量検出部20においては、この検出に基づき、再生出力タイミングが所定値よりも進んでいると判別した場合はRepeat指示信号を、遅れていると判別した場合はSkip指示信号をデコーダ部15に供給するようにし、デコーダ部15によるビデオ信号の再生出力タイミングを調整するようにしている。
このように、各実施の形態では、デコーダ部15におけるビデオ信号の再生出力タイミングについて、許容範囲外とされるずれが生じた場合は、その都度これを調整する動作が得られることとなる。
この結果、各実施の形態のMPEGデコーダ5としても、従来、放送信号に重畳される基準クロック(PCR)を再生するために必要とされていたPLL回路を省略することが可能となる。
<変形例:ソフトウエア処理による構成>
ところで、上記各実施の形態としての説明においては、出力タイミング調整部17、及び符号量検出部20動作をハードウエア構成により実現したものものとしている。しかしながら、これら出力タイミング調整部17、及び符号量検出部20の動作については、ソフトウエア処理により実現することも可能であり、実際においても、出力タイミング調整部17、及び符号量検出部20の動作をソフトウエア処理により構成する機会は少なくない。
そこで、続いては、出力タイミング調整部17、及び符号量検出部20としての動作をソフトウエア処理により実現する場合について説明しておくこととする。
このようにして、出力タイミング調整部17及び符号量検出部20の動作をソフトウエア処理により構成する場合、本実施の形態では、コントローラ6により、図10及び図11に示す処理動作を実行させるようにする。
まず、第1の実施の形態における出力タイミング調整部17の動作に相当するコントローラ6の処理動作としては、図10に示すようになる。
なお、この図におけるコントローラ6の処理動作を実現するにあたっては、図2に示すSTCカウンタ12のSTCカウント値、及びPTS復調部13により復調されたPTSの値がコントローラ6に供給されるように構成されるとともに、当該ソフトウエアにより、Repeat閾値、及びSkip閾値が設定されていることが前提となる。
まず、図示するステップS101において、コントローラ6はSTCカウンタ12、及びPTS復調部13から供給されたSTCカウント値、及びPTSの値を認識する。
そして、続くステップS102において、この認識に基づき、「PTS−STC」の値を求め、この値がRepeat閾値よりも小さいか否かの判別を行う。
このステップS102において、「PTS−STC」の値がRepeat閾値よりも小さいと判別した場合は、図示するようにステップS104に進み、デコーダ部15に対してRepeat指示信号を供給する。そして、この処理を実行すると、例えば一旦メインのルーチンに戻り、この図に示す処理動作をステップS101から繰り返すようにされる。
また、ステップS102において、「PTS−STC」の値がRepeat閾値よりも大きいと判別した場合は、ステップS103に進む。
ステップS103においては、この「PTS−STC」の値とSkip閾値を比較し、「PTS−STC」の値がSkip閾値よりも大きいか否かの判別を行う。
「PTS−STC」の値の方が大きいと判別した場合はステップS105に進み、デコーダ部15に対してSkip指示信号を供給する動作を実行し、この図に示す処理動作をステップS101から繰り返す
また、ステップS103において、「PTS−STC」の値がSkip閾値よりも小さいと判別した場合は、この図に示す処理動作をステップS101から繰り返す。
また、第2の実施の形態における符号量検出部20に相当するコントローラ6の処理動作としては、図11に示すようになる。なお、この場合も、このコントローラ6にはRepeat閾値、及びSkip閾値が設定されているものとする。また、この場合、コントローラ6には、遅延メモリ14において生成されるWP、及びRPの値が供給されるように構成されているものとする。
まず、図示するように、この場合のコントローラ6の処理動作としては、ステップS201において、現在の書き込みアドレスWPと読出アドレスRPとの値を認識するようにされる。
そして、ステップS202においては、上記ステップS201により認識した書き込みアドレスWPと読出アドレスRPの値に基づいて、アドレス差の値「WP−RP」を求めたうえで、このアドレス差の値「WP−RP」がRepeat閾値よりも小さいか否かについて判別する。そして、肯定結果の判別結果が得られた場合には、デコーダ部15によるビデオ信号の再生出力タイミングが、エンコーダ側の指定するタイミングよりも進んでいることになるので、ステップS204としての処理により、デコーダ部15に対してRepeat指示信号を出力する。
また、これに対して、ステップS203において、アドレス差の値「WP−RP」がSkip閾値よりも大きいと判別された場合には、デコーダ部15によるビデオ信号の再生出力タイミングが遅れていることになるので、ステップS205においてSkip指示信号を出力するようにされる。
このようにして、先に説明した符号量検出部20と同様の動作を得るようにするものである。
なお、各実施の形態では、MPEGデコーダ5が内蔵される機器の例として、デジタル衛星放送受信機1を挙げたが、本発明としては、勿論これに限定されるものではない。例えばMPEG方式により符号化されたデータが記録されるメディアを再生する再生機器など、他の機器に内蔵されても構わないものである。
また、本発明が適用可能な符号化方式は、MPEG2方式のみに限定されるものではなく、他の符号化方式とされても構わない。
本発明における実施の形態としてのデータ処理装置(MPEGデコーダ)が内蔵される、デジタル衛星放送受信機の内部構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態としてのデータ処理装置の内部構成例を示すブロック図である。 データ処理装置に備えられる出力タイミング調整部の内部構成を示すブロック図である。 出力タイミング調整部の制御に基づく、ビデオ信号出力のタイミング調整(第1例)を説明する図である。 出力タイミング調整部の制御に基づく、ビデオ信号出力のタイミング調整(第2例)を説明する図である。 第2の実施の形態としてのデータ処理装置における符号量検出方法を概念的に説明する図である。 リングバッファの概念図である。 第2の実施の形態としてのデータ処理装置の内部構成を示すブロック図である。 符号量検出部の内部構成を示すブロック図である。 図3に示す出力タイミング調整部の動作をソフトウエアにより実現する際の処理動作を示すフローチャートである。 図9に示す符号量検出部の動作をソフトウエアにより実現する際の処理動作を示すフローチャートである。 従来におけるデータ処理装置内部の要部の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 デジタル衛星放送受信機、2 フロントエンド部、3 デスクランブラ、4 デマルチプレクサ、5 MPEGデコーダ、6 システムコントローラ、11 固定クロック発生器、12 STCカウンタ、13 PTS復調部、14 遅延メモリ、15 デコーダ部、17 出力タイミング調整部、20 符号量検出部、31 誤差検出部、41 減算器、32、42 Repeat閾値、33、43 Skip閾値、34、35、44、45 コンパレータ

Claims (8)

  1. ビデオ信号が符号化された符号化ビデオデータと、オーディオ信号が符号化された符号化オーディオデータと、これら符号化ビデオデータと符号化オーディオデータとを復調して上記ビデオ信号とオーディオ信号とを再生する際の再生出力タイミングを指定する出力時刻管理情報とが供給されるデータ処理装置であって、
    固定の周波数によるシステムクロックを生成するクロック生成手段と、
    上記符号化ビデオデータを一時蓄積することのできるデータ蓄積手段と、
    上記固定の周波数によるシステムクロックに従ったタイミングで上記データ蓄積手段から読み出された符号化ビデオデータを復調してビデオ信号を再生出力するビデオ復調手段と、
    上記符号化オーディオデータを復調してオーディオ信号を再生出力するオーディオ復調手段と、
    上記データ蓄積手段により蓄積されている上記符号化ビデオデータの蓄積量と所定の閾値とを比較し、この比較の結果、上記蓄積量が所定の閾値以下である場合には上記ビデオ信号が所定時間単位で繰り返し再生出力され、上記蓄積量が所定の閾値以上である場合には上記ビデオ信号が所定時間単位でスキップして再生されるように上記ビデオ復調手段を制御する制御手段と、
    上記出力時刻管理情報に基づき、上記ビデオ復調手段により復調して得られるビデオ信号と上記オーディオ復調手段により復調して得られるオーディオ信号とを同期出力させる同期出力手段と
    を備えることを特徴とするデータ処理装置。
  2. 上記所定時間単位は、フレーム単位であることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
  3. 上記所定時間単位は、水平ライン単位であることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
  4. 上記制御手段は、
    オーバースキャン領域内で走査される水平ラインについて繰り返し再生出力させる、又はスキップが行われるように制御を行う
    ことを特徴とする請求項3に記載のデータ処理装置。
  5. ビデオ信号が符号化された符号化ビデオデータと、オーディオ信号が符号化された符号化オーディオデータと、これら符号化ビデオデータと符号化オーディオデータとを復調して上記ビデオ信号とオーディオ信号とを再生する際の再生出力タイミングを指定する出力時刻管理情報とが供給されるデータ処理装置におけるデータ処理方法であって、
    固定の周波数によるシステムクロックを生成するクロック生成処理と、
    上記符号化ビデオデータをメモリ領域に対して一時蓄積させるデータ蓄積処理と、
    上記固定の周波数によるシステムクロックに従ったタイミングで上記メモリ領域から読み出された符号化データを復調してビデオ信号を再生出力するビデオ復調処理と、
    上記符号化オーディオデータを復調してオーディオ信号を再生出力するオーディオ復調処理と、
    上記データ蓄積処理により蓄積されている上記符号化ビデオデータの蓄積量と所定の閾値とを比較し、この比較の結果、上記蓄積量が所定の閾値以下である場合には上記ビデオ信号が所定時間単位で繰り返し再生出力され、上記蓄積量が所定の閾値以上である場合には上記ビデオ信号が所定時間単位でスキップして再生されるように制御する制御処理と
    上記出力時刻管理情報に基づき、上記ビデオ復調処理により復調して得られるビデオ信号と上記オーディオ復調処理により復調して得られるオーディオ信号とを同期出力させる同期処理と
    を備えることを特徴とするデータ処理方法。
  6. 上記所定時間単位は、フレーム単位であることを特徴とする請求項5に記載のデータ処理方法。
  7. 上記所定時間単位は、水平ライン単位であることを特徴とする請求項5に記載のデータ処理方法。
  8. 上記制御処理は、
    オーバースキャン領域内で走査される水平ラインについて繰り返し再生出力させる、又はスキップが行われるように制御を行う
    ことを特徴とする請求項7に記載のデータ処理方法。
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