JP4647573B2 - 風力発電機用ブレード - Google Patents

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Description

本発明は、垂直軸型風車による風力発電機の揚力型の風力発電機用ブレードに関する。
風力発電には、一般的に、水平軸型風車と垂直軸型風車が知られている。このうち、垂直軸型風車には、ブレードに発生する揚力により風車を回転させる揚力型と、ブレードに発生する抗力により風車を回転させる抗力型とが知られている。
このうち揚力型風車は、風速比(ブレードの翼端速度/風速)が1以上でも、風車を効率よく回転させることを可能としているため、風速に応じて発電効率が上がるという利点を有しているものの、風速比が1以下では、風車を回転させるモーメントが小さく、停止状態からの起動が困難な場合があるという問題点を有していた。
このため、特許文献1には、1枚の金属板を加工することにより、飛行機に使用される流線形の翼型にブレードを形成し、下面後縁部に切欠き部を形成することで、風によって空気抵抗と揚力を発生させて、発電に必要な回転モーメントを発生させる風力発電機用ブレードが開示されている。この従来のブレードは、1.0〜1.4の範囲の揚力係数を有する翼型であって、30,000〜3,000,000の範囲の低いレイノルズ数の風に対しても発電可能である。
ところが、前記風力発電機用ブレードをもってしても、比較的弱い風力では風車を起動させることができず、都心部などの風の弱い地域では採用できないという問題点を有していた。
このような風車について、初動を良くして、都心等、風力が比較的弱い地域においても効果的に発電するためには、さらなる風車の軽量化が必要であった。つまり、ブレードを構成する部材の厚みを薄くすることにより、ブレードの軽量化を図り、風車全体を軽量化することで、風力が比較的弱い地域においても、発電が可能な風力発電が求められていた。
特開2004−108330号公報([0014]−[0027]、図1)
ところが、ブレードは、風車の回転に効果的な形状(流線形)を維持する必要があるため、部材の厚みの薄肉化には限界があった。また、1枚の金属板からなるブレードには、形状を維持するための支持桁等の補強部材を必要とする。そのため、部品点数が多く、各部品(支持桁等)を固定するための作業に手間がかかることや、補強部材を配置することによりブレードの軽量化に限界があること等の問題点を有していた。
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、風力発電機用ブレードの軽量化および増強化を図ることで比較的弱い風力によって回転が可能な風車を提供するための風力発電機用ブレードを提案することを課題とする。
このような課題を解決するために、請求項1に係る風力発電機用ブレードは、垂直軸を中心として回転し、支持具を介して前記垂直軸から所定の間隔を有して複数枚配設される風力発電機用ブレードであって、金属板を加工することにより中空の翼型に形成されたシェル部材と、前記シェル部材の中空部に充填された発泡剤からなる中詰部材と、から構成されていて、回転方向内側の後縁部に凹部が形成されており、前記凹部が、翼弦長に対して前縁から45%以上55%以下の位置を起点として後縁まで流線形に形成されており、該凹部の最深部が、翼厚に対して半分以下の深さであることを特徴としている。
かかる風力発電機用ブレード(以下、単に「ブレード」という場合がある)によれば、シェル部材と中詰部材とが一体に形成されているため、従来の金属板のみで形成されたブレードと比べて、部材厚が厚く、強度が増している。そのため、シェル部材を構成する金属板を従来よりも薄くしても、風車の回転に効果的な形状(流線形)を維持することが可能となる。また、支持桁等の補強部材を要することなく、ブレードの形状が維持される。したがって、従来に比べてブレードを軽量化することが可能となる。
また、補強部材を必要としないため、部品点数が少なく、補強部材をリベット等により固定する手間を省略することが可能となり、ブレードを製造する手間を大幅に削減することが可能となった。
また、前記風力発電機用ブレードの回転方向内側の後縁部に凹部が形成されているため、風によって空気抵抗と揚力を発生させて、発電に必要な回転モーメントを発生させることが可能とな、好適である。
さらに、前記風力発電機用ブレードの回転方向外側の表面に前記支持具を固定するための面圧分散板材が固定されており、回転方向内側から回転方向外側までを貫通する前記支持具の先端が、前記面圧分散板材に固定されていてもよい。これにより、回転時に支持具から伝達される応力が、面圧分散板材により分散されるため、ブレードへの負担が小さく、好適である。
本発明によれば、風力発電機用ブレードの軽量化および増強化が可能となり、比較的弱い風力によって回転(起動)が可能な風車およびそのブレードを提供することが可能となる。
本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
ここで、図1は、本実施形態に係るブレードを備えた風車を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態に係るブレードを示す断面図である。さらに、図3は、本実施形態に係るブレードの製造方法を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る風車1は、垂直軸2と、支持具3を介して垂直軸2から所定の間隔を有して複数枚(本実施形態では4枚)配設された翼型のブレード(風力発電機用ブレード)4とからなり、風力により揚力が発生し、この揚力によってブレード4が垂直軸2を中心として水平に回転して、発電するものである。
垂直軸2は、垂直に立設された円筒状の管材から構成されており、上下2箇所において、ブレード4,4,…を固定するための、支持具3が固定されている。
なお、垂直軸2は、風車1を支持するために必要な強度を有し、ブレード4,4,…の配置が可能なものであれば、円筒状の管材に限定されるものではなく、適宜公知の部材を使用可能なことはいうまでもない。
また、垂直軸2には、図示しない発電機が接続されており、ブレード4,4,…が回転することにより発生する回転エネルギーを発電機に伝達して、発電することを可能としている。
支持具3は、棒状部材3aと環状部材3bを組み合わせてなる部材であって、垂直軸2を挿通して、垂直軸2の所定の位置に固定された環状部材3bから十字状に4本の棒状部材3aを延設することにより、構成されている。
なお、支持具3は、複数のブレード4を垂直軸2から所定の間隔を有した位置に配置することが可能であれば、その構成は限定されるものではなく、ブレード4の枚数や材料の強度および重量等を考慮した上で、適宜設定すればよい。
ブレード4は、金属板を加工することにより形成されたシェル部材4aと、シェル部材4aの中空部に充填された発泡剤からなる中詰部材4bとにより1.0〜1.4の範囲の揚力係数を有する翼型に構成されている。
ブレード4は、図2に示すように、その下面B(回転方向内側)の後縁R側(回転方向後側)に、凹部4cが形成されている。
なお、シェル部材4aを構成する材料や材料の板厚等は、例えばアルミニウム合金製の板材やチタン合金製の板材を使用する等、限定されるものではないが、本実施形態では厚みが0.1mmのアルミニウム合金製の板材を使用するものとする。
凹部4cは、翼弦長に対して前縁Fから45%以上55%以下の位置を起点として後縁Rまでにわたって下面Bに流線形に形成されており、この凹部4cの最深部が、翼厚に対して半分以下の深さに形成されている。なお、凹部4cの形状は前記の形状に限定されるものではなく、適宜、設定すればよい。
シェル部材4aは、図2に示すように、閉鎖断面の筒状に構成されている。本実施形態では、上面Tが、異なる半径からなる複数の円弧を組み合わせて、回転方向外側に突出する流線形を呈している。下面Bは、前縁F側の半分が異なる半径からなる複数の円弧を組み合わせることにより、回転方向内側に突出する流線形を呈し、後縁R側半分が略三角形状に窪んでいる。なお、凹部4cを形成する各角部は、円弧により形成されている。
シェル部材4aの内空には、図2に示すように中詰部材4bである発泡剤が充填されていて、薄肉の金属板からなるシェル部材4aの形状が維持されている。
中詰部材4bを構成する材料は、軽量で、かつ、所望の強度を発現するものであれば限定されるものではなく、本実施形態では、発泡ウレタンを使用するものとする。
図2に示すようにブレード4の上面Tには、支持具を固定するための面圧分散板材5が固定されている。
この面圧分散板材5は、図1および図2に示すように、矩形状の板材であって、断面形状は、前縁Fに近づくに従い、肉厚が薄くなるように、略台形に形成されている。そして、接着剤などにより、ブレード4の上面Tの表面に接着されることにより、固定されている。つまり、面圧分散板材5の外面(ブレード4と反対側の面)が、支持具3の棒状部材3aと直交するように形成されている。
ここで、面圧分散板材5を構成する材料や厚み等は限定されるものではないが、本実施形態では、ブレード4を構成するアルミニウム合金板と同様に、アルミニウム合金製の板材により構成するものとし、その厚みは、最も薄い個所で0.4mmとする。また、ブレード4への面圧分散板材5の固定方法は、接着剤による接着に限定されるものではなく、例えば、リベット等を利用して固定してもよい。
また、本実施形態に係るブレード4の下面Bの面圧分散板材5に対向する個所には、補強板材6が固定されている。補強板材6は、面圧分散板材5と同様に、矩形状の板材であって、断面形状は、前縁Fに近づくに従い、肉厚が薄くなるように、略台形に形成されている。また、補強板材6の中央には、支持具3(棒状部材3a)を貫通するための、貫通孔6aが形成されていて、接着剤などにより、ブレード4の下面Bの表面に接着されることにより、固定されている。
ここで、補強板材6を構成する材料や厚みは限定されるものではないが、本実施形態では、面圧分散板材5と同様に、アルミニウム合金製の板材により構成するものとし、その厚みは、最も薄い個所で0.4mmとする。また、ブレード4への補強板材6の固定方法は、接着剤による接着に限定されるものではない。
支持具3(棒状部材3a)は、図2に示すように、補強板材6の貫通孔6aを挿通し、ブレード4を下面Bから上面Tまでを貫通した後、その先端が、面圧分散板材5に固定されている。なお、ブレード4に予め支持具3を挿通するための管材を配設しておいてもよい。
本実施形態に係るブレード4は、図2に示すように、金属板からなるシェル部材4aの中空部に、所望の強度を発現し、軽量である発泡剤(中詰部材4b)が充填されているため、薄肉金属板からなるシェル部材4aが補強されている。そのため、リブ等の支持部材を配置する必要がなく、ブレード4の軽量化が可能であるとともに、このような支持部材を、リベット等を介して固定する手間と部品点数を省略し、ブレード4の製造に要する手間を大幅に削減することが可能である。また、シェル部材4a全体が中詰部材4bにより補強されているため、折り曲げ加工が施された1枚の金属板を、部分的に支持部材等で補強している従来のブレードと比べて、ブレード4の強度が増している。そのため、突風等により、ブレード4が変形することがなく、長期的に使用することが可能である。
また、ブレード4は、流線形の翼型に形成されているため、比較的弱い風力で風車1が初動良く回転し、かつ、風速比(ブレードの翼端速度/風速)が1以上でも、風車1を効率よく回転させることを可能としている。
つまり、閉鎖断面のシェル部材4aの内部に中詰部材4bが充填されて密実に形成されることによりその剛性が増加して、従来0.8mmで形成されていたアルミニウム合金製のブレード4が、0.1mmの板厚により形成することが可能となった。そのため、ブレード4の重量を大幅に削減することが可能となった。したがって、ブレード4,4,…の軽量化により、風車1全体が軽量化されるため、風車1の初動が良くなり、風力の小さい地域における風力発電が可能となって、効率的な風力発電機を提供することが可能となる。故に、従来のブレードが30,000〜3,000,000のレイノルズ数の風に対して発電可能であったのに対して、本実施形態によるブレード4は、さらに低いレイノルズ数の風に対して発電が可能となった。
また、ブレード4の軽量化により、風力発電機全体の軽量化が可能となり、風力発電機の設置場所の自由度が広がる。
また、ブレード4には、凹部5が形成されていることで、揚力が発生しやすく、低いレイノルズ数の風に対しても回転可能な風車1を構築することが可能となる。
また、ブレード4が密実な部材により構成されているため、面圧分散板材5を配置するのみで、別途、固定部材を要することなく、支持具3のブレード4への固定を簡易に行うことが可能となった。そのため、ブレード4の軽量化が可能となるとともに、風車1の製造が簡易となり、製造費の削減も可能となる。
ブレード4の回転に伴い、ブレード4に作用する力は、面圧分散板材5により分散されるため、ブレード4への負担が小さく、薄肉のシェル部材4aにより受け持つことが可能に構成されている。
また、ブレード4は、風車1の回転時の遠心力により、面圧分散板材5に係止された状態となるため、面圧分散板材5は、支持具3と一体に固定されていればよく、シェル部材3aとの簡易な固定でよく、固定作業が容易である。
次に、本実施形態に係るブレード4の製造方法の一例について、図3を参照して説明する。
本実施形態では、ブレード4について、ブレード成形装置10を用いて製造する場合について説明する。
ブレード成形装置10は、図3に示すように、背面材成形型20と、腹面材成形型30とにより構成されている。
背面材成形型20は、ブレード4の上面Tの形状に応じた成形面21が形成された成形型であって、この成形面21には、シェル部材4aを構成する板材を吸着可能な減圧穴22が複数形成されている。
腹面材成形型30は、ブレード4の下面Bの形状に応じた成形面31が形成された成形型であって、この成形面31には、シェル部材4aを構成する板材を吸着可能な減圧穴32が複数形成されている。
ブレード4の製造は、シェル部材4aを構成する板材を、押圧力を付加することにより背面材成形型20の成形面21および腹面材成形型30の成形面31に押し当てるとともに、減圧穴22,32から吸引して、板材を成形面21,31に密着させることで、シェル部材4aを所望の形状に成形する。背面材成形型20の成形面21および腹面材成形型30の成形面31にシェル部材4aを密着させた状態で、シェル部材4aの内部(内空)に発泡剤を充填することで、中詰部材4bを形成する。発泡剤がシェル部材4aの内部に充填されることで、シェル部材4aと中詰部材4bとが一体化される。これにより、板材がその弾性力により変形することが防止されて、ブレード4が所望の形状に形成される。
なお、ブレード4の製造方法は、前記の方法に限定されるものではない。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明したが、本発明は前記各実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、凹部を有した翼型のブレードを使用する場合について説明したが、凹部を有していないブレードに、発泡剤を充填することにより、ブレードの薄肉化(ブレードの軽量化)を図ってもよい。
また、ブレードの補強を目的として、シェル部材に風車の回転方向に平行な突条を形成してもよい。なお、突条を形成する場合において、突条を形成する位置は、ブレードと揚力との関係、ブレードの板厚と耐力との関係、突条による空気抵抗等を考慮したうえで適宜設定すればよい。
本発明の好適な実施の形態に係るブレードを備えた風車を示す斜視図である。 本発明の好適な実施の形態に係るブレードを示す断面図である。 本発明の好適な実施の形態に係るブレードの製造方法を示す断面図である。
符号の説明
1 風車
2 垂直軸
3 支持具
4 ブレード
4a シェル部材
4b 中詰部材
4c 凹部
5 面圧分散板材
F 前縁
R 後縁
B 下面
T 上面

Claims (2)

  1. 垂直軸を中心として回転し、支持具を介して前記垂直軸から所定の間隔を有して複数枚配設される風力発電機用ブレードであって、
    金属板を加工することにより中空の翼型に形成されたシェル部材と、
    前記シェル部材の中空部に充填された発泡剤からなる中詰部材と、から構成されていて、
    回転方向内側の後縁部に凹部が形成されており、
    前記凹部が、翼弦長に対して前縁から45%以上55%以下の位置を起点として後縁まで流線形に形成されており、該凹部の最深部が、翼厚に対して半分以下の深さであることを特徴とする、風力発電機用ブレード。
  2. 回転方向外側の表面に前記支持具を固定するための面圧分散板材が固定されており、
    回転方向内側から回転方向外側までを貫通する前記支持具の先端が、前記面圧分散板材に固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の風力発電機用ブレード。
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