以下、本発明における一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の光ディスク装置100の概略構成を示す図である。図1に示すように、光ディスク装置100は、対物レンズ21,対物レンズアクチュエータ109,ビームスプリッタ110,LD(レーザダイオード)111,光検出器112を備えた光ヘッド113を装備し、光ヘッド113を光ディスク101の半径方向に駆動するスレッドモータ108と、セットされた光ディスク101を回転駆動するスピンドル駆動系102と、対物レンズ21を移動させるためにスレッドモータ108および対物レンズアクチュエータ109を駆動制御するサーボ駆動系103と、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボを行うためにスピンドル駆動系102およびサーボ駆動系103を制御するサーボコントローラ104と、光ディスク装置100全体の動作を制御するシステムコントローラ105と、LD111の発光を制御するLD駆動部106と、光検出器112からの出力に基づいてRF信号(再生信号)を出力すると共に、サーボエラー信号(フォーカスエラー信号およびトラックエラー信号),和信号などを生成し出力するRF回路部107とを備えて構成されている。
本実施形態の光ディスク装置100は、光ディスク101として、データの読み書きに波長780nmの赤外光を用いるCDと、波長650nmの赤色光を用いるDVDと、波長405nmの青色光を用いるHD DVDとを記録・再生の対象とし、LD111は、波長405nmの青色光と、波長650nmの赤色光と、波長780nmの赤外光との3波長のレーザ光ビームのいずれか1つを出力する構成である。
図2は、本実施形態における光学系を含む光ヘッド113の構成を示す図である。
図2において、光ヘッド113は、上述したLD111と、LD111からの光ビームを平行光に変換するコリメータレンズ22と、LD111からの光ビームを3つの光ビームに分割し1つのメインビームと2つのサブビームとを生成するビーム生成手段としての機能と2つのサブビームの略半面に略180度の位相差を与える位相付加手段としての機能とを有した回折格子23と、この3本の光ビームを光ディスク101へ集光照射するための対物レンズ21と、対物レンズ21をフォーカス方向及びトラック方向に移動させる対物レンズアクチュエータ109と、3つのビームの光ディスク101からの反射光を各ビームの焦点と光学的に共役な位置で受光するメインビーム用の4分割光検出器26及びサブビーム用の4分割光検出器25,27からなる光検出器112と、回折格子23からの3つのビーム光を対物レンズ21に導くと共に光ディスク101からの反射光を光検出器112に向けて通過させるビームスプリッタ110と、光ディスク101からの反射光を光検出器112上に照射し適当な大きさのスポットに絞り込む集束レンズ24とを備えた構成である。
図2に示すように、本実施形態の光ディスク装置100は、3ビーム法によるトラックサーボを実行する構成であり、回折格子23で生成された3つの光ビームは、光ディスク101の記録層にスパイラル状に形成されたトラック20上に3つの集光スポット28,29,30を形成する。そして、3つの集光スポット28,29,30からの反射光が、集束レンズ24により絞り込まれて、それぞれ対応する4分割光検出器26,27,25に受光される。
図3は、本実施形態におけるRF回路部107の構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、RF回路部107は、メインビーム用の4分割光検出器26から出力される電気信号であるRF信号(再生信号)を出力する再生信号出力手段107Aと、3つの4分割光検出器25,26,27の出力からフォーカスエラー信号およびトラックエラー信号を生成するサーボエラー信号生成手段107Bと、メインビーム用の光検出器26で検出された光量を基にメイン和信号を生成するメイン和信号生成手段107Eと、サブビーム用の光検出器25,27で検出された光量を基にサブ和信号を生成するサブ和信号生成手段107Cと、光ディスク101における固有の識別情報が記録される領域のburst cutting area(以下、BCAとする)にフォーカスサーボを引き込んで得られるRF信号(再生信号)からBCA信号を抽出するBCA信号抽出手段107Dとを備えている。BCAとは、光ディスクの特定の部分に在る領域で、バーコード形状の凹凸パターンで信号が刻まれる領域である。
ここで、和信号は、RF信号からデータ成分を除去した信号であり、メイン和信号生成手段107Eで生成されるメイン和信号は、光検出器26から出力されるRF信号(再生信号)からデータ成分を除去した信号であり、サブ和信号生成手段107Cで生成されるサブ和信号は、光検出器25,27から出力されるRF信号からデータ成分を除去した信号である。
図4は、本実施形態におけるサーボコントローラ104の構成を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、サーボコントローラ104は、RF回路部107からのフォーカスエラー信号およびトラックエラー信号それぞれに位相補償を行いフォーカシング制御信号およびトラックキング制御信号を送信することでサーボ駆動系103を制御しフォーカスサーボ,トラッキングサーボを行うサーボ制御手段122を備えている。
サーボ制御手段122は、フォーカスエラー信号の振幅とオフセット,トラックエラー信号のゲインとオフセット,フォーカスサーボおよびトラックサーボの帯域設定ゲイン等のサーボパラメータを調整してサーボ駆動系103へフォーカシング制御信号およびトラックキング制御信号を送信する。
図1および図2に示すサーボ駆動系103は、サーボコントローラ104からのフォーカシング制御信号に基づき対物レンズアクチュエータ109を駆動して対物レンズ21を光軸方向に移動させて微調整する機能とともに、サーボコントローラ104からのトラックキング制御信号に基づき対物レンズアクチュエータ109を駆動して対物レンズ21をトラック方向(図2のy方向)に移動させて微調整する機能を有している。ここで、図2のY方向とは光ディスク101の光入射面と平行な面内にあり、かつ、トラック20に垂直な方向である。
また、上述したサーボ制御手段122は、フォーカスサーボを行う前に、対物レンズ21を光軸方向に移動させてメインビーム及びサブビームの焦点を光ディスク101の光入射面及び記録層を含む範囲で移動させるフォーカスサーチを行うようにサーボ駆動系103を制御する。サーボ駆動系103により対物レンズアクチュエータ109が駆動し対物レンズ21を光軸方向に移動させることでフォーカスサーチを実行するフォーカスサーチ手段としての機能を実現している。本実施形態において、LD111は、フォーカスサーチ中に青色光を出射するように構成されている。
図4に示すように、サーボコントローラ104は、さらに、フォーカスサーチ中にサブビームの焦点が光ディスク101の光入射面を通過したときと記録層を通過したときのサブ和信号のレベル変化をスレッショルドで規制して検出し検出時刻の時間間隔とその検出の回数を計測するサブ和信号変化検出手段119と、サブ和信号変化検出手段119により計測された時間間隔に基づいて光ディスク101の基板又はカバー層の厚さを算定する基板厚算定手段121と、基板又はカバー層の厚さの算定値もしくはサブ和信号変化検出手段119により計測された回数に基づいて光ディスク101の種類を判別する媒体判別手段115と、RF回路部107からのフォーカスエラー信号中に発生するフォーカスS字信号を検出しその出現回数を計測するフォーカスS字信号検出手段114と、フォーカスS字信号検出手段114に計測されたフォーカスS字信号の出現回数に基づいて光ディスク101の記録層数を判定する記録層数判定手段116とを備えている。
サブ和信号変化検出手段119は、フォーカスサーチ中にRF回路部107からサブ和信号を入力し、その信号レベルがスレッショルド(第1の閾値)以上になったか否かを判定し、サブ和信号レベルがスレッショルド以上になったタイミングから一旦下がって再度スレッショルド以上になったタイミングまでの時間間隔を、図示しないタイマにより測定するとともに、そのタイミングの回数を計測する機能を有している。
基板厚算定手段121は、サブ和信号変化検出手段119により計測された時間間隔から対物レンズの移動距離を算出してその値から光ディスク101の光入射面から記録層までの透明基板の厚さを算定する機能を有している。光ディスク101の基板厚は、CDでは1.2mmであり、DVDやHD DVDでは0.6mmであるので、記録層数判定手段116は、1.2mm及び0.6mmを判定値として予め設定し、基板厚算定手段121により算定された値が1.2mmであれば光ディスク101をCDと判別し、0.6mmであればDVD,HD DVD,ハイブリッドSACD(Hybrid Super Audio CD)のいずれかであると判別する。
フォーカスS字信号検出手段114は、RF回路部107からメインビームによるフォーカスエラー信号を入力し、その信号レベルが、+(正)のスレッショルド(第2の閾値)を超えて上回った後に下回り、その後、−(負)のスレッショルド(第3の閾値)を下回った後に上回るのを観測することでフォーカスS字信号を検出し、フォーカスS字信号の出現回数を計測する機能を有している。フォーカスエラー信号の極性が逆の場合は、−のスレッショルドを下回った後に上回り、その後+のスレッショルドを上回った後に下回ることでフォーカスS字信号を検出する。
さらに、上述したサーボ制御手段122は、記録層数判定手段116により光ディスク101の記録層数が判定されると、システムコントローラ105からの指令を受けて、直ちに光ディスク101の予め決められた記録層の特定の部分にあるBCAにフォーカスサーボを引き込んだ状態にするようにサーボ駆動系103を制御する機能を備えている。サーボ駆動系103の駆動制御によりスレッドモータ108及び対物レンズアクチュエータ109が駆動し対物レンズ21を移動させることで、BCAにフォーカスサーボを引き込んだ状態にするBCAリード手段としての機能を実現している。
ここで、上述したサブ和信号変化検出手段119,基板厚算定手段121,記録層数判定手段116,フォーカスS字信号検出手段114,記録層数判定手段116については、その機能内容をプログラム化してコンピュータに実行させるように構成してもよい。
図1及び図2に示すシステムコントローラ105は、光ディスク装置100全体を統括するとともに、インタフェース部120を経由してホストコンピュータ200のホストコントローラ201に接続されている。システムコントローラ105は、RF回路部107からのRF信号(再生信号)を受信し、このRF信号の振幅やオフセット,フォーカスサーボ投入時の記録再生性能向上のためのRF信号振幅を最大にするフォーカスエラー信号のオフセット等の記録再生パラメータの調整を行い、RF信号(再生信号)から得られる再生データをホストコントローラ201へ送信する機能と共に、ホストコントローラ201から再生コマンドや記録コマンドを受け付ける機能を備えている。
また、システムコントローラ105は、サーボ制御手段122により光ディスク101の規定の位置にあるBCAにフォーカスサーボが引き込まれた際のこのBCAからの反射光に基づくBCA信号から、媒体識別情報の有無を判定する識別情報判定部117と、BCAにおける媒体識別情報の有無又はこの媒体識別情報に従って光ディスク101の種類を識別する媒体識別部118とを備えている。
ホストコンピュータ200には、ホストコントローラ201と、表示部202と、入力部203とが装備されている。ホストコンピュータ200の入力部203は、例えば、リモコンやキーボードによりユーザから記録再生を行う媒体の種別情報を受け付けて、その後、ホストコントローラ201経由でシステムコントローラ105に記録再生を行う媒体の種別情報を送信する。表示部202は、例えば、液晶やCRTであり、システムコントローラ105からの再生データの表示や要求の表示を行う。
本実施形態の光ディスク装置100においては、サーボ制御手段122が、記録層数判定手段116による記録層数判定の後、直ちにBCAにフォーカスサーボを引き込んだ状態にするので、従来に比べてBCA信号による媒体種類判別までの時間が短縮されている。
従来の光ディスク装置においては、フォーカスサーチを実行し、フォーカスS字信号の振幅とオフセット,トラックエラー信号のゲインとオフセット,フォーカスサーボおよびトラックサーボの帯域設定ゲイン等のサーボパラメータ及び、RF信号の振幅やオフセット,フォーカスサーボ投入後の記録再生性能向上のためRF信号振幅を最大にするフォーカスエラー信号のオフセット等の記録再生パラメータの調整を行った後に、セッションの情報を記録した領域であるリードインを読みこんで、リードイン内の媒体識別情報から媒体種類を判別していたが、片面2層のハイブリッド光ディスクであって、光入射面に近い側の記録層であるL0記録層がDVD−ROMでもう一方のL1記録層がHD DVD−ROMであるTwin format disc(以下、TWINとする)と判別された場合は、その後、HD DVDのL1記録層かDVDのL0記録層のどちらを再生するかユーザに選択させる必要があるので、光ディスク挿入から再生まで時間がかかっていた。
本実施形態では、光ディスク101の記録層数を判定すると、フォーカスサーボパラメータの調整のみでBCAにフォーカスサーボを引き込み、BCAコードを読み出すための再生パラメータ調整のみを行うので、トラックサーボパラメータの調整およびトラックサーボの引き込みを行う必要が無く、BCAに記録された媒体判別情報による媒体判別までの時間が短縮される。TWINと判別された場合は、ユーザに対して選択要求を行い応答が返ってくるまでの間にHD DVDの再生を想定しHD DVD層(L1層)においてサーボパラメータ及び記録再生パラメータの調整を行い、再生の準備を行うので、光ディスク101がセットされて媒体種別が完了し、TWIN媒体においてHD DVD層の再生が開始されるまでの時間が従来と比較して大幅に短縮されている。
さらに、本実施形態においては、図2に示すように、サブビームを主に受光する4分割光検出器25,27をメインビームの反射光の結像面内に配置している。4分割光検出器25、27をメインビームの反射光の結像面内に配置すると、デフォーカス時にメインビームの反射光の一部が4分割光検出器25、27に漏れ込むようになるので、フォーカスサーチ時に4分割光検出器25、27の総和信号であるサブ和信号においてブロードの波形が検出できるようになり、光ディスク101の光入射面や記録層を安定に検出することができる。
図5は、本実施形態おいて、光ディスク101上の集光スポット28,29,30の位置と、対応する4分割光検出器25,26,27とを示す図である。図3に示すXおよびY方向は、図2に示すXおよびY方向に対応している。
図5に示すように、4分割光検出器25,26,27上には、光ディスク101上に形成された集光スポット30,28,29からの反射光により光スポット37、38、39が形成される。集光スポット28を生成する光ビームをメインビームとし、集光スポット30,29を生成する光ビームをサブビームとするので、4分割光検出器26はメインビームの光ディスク101からの反射光を主に検出し、4分割光検出器25,27はサブビームの光ディスク101からの反射光を主に検出する。
本実施形態では、LD111からのビームを回折格子23が分割することでメインビームとサブビームとを生成するビーム生成手段としての機能を実現しているが、メインビームに対するサブビームの光量比を1/5以下とするような構成の回折格子23を採用している。これは光ディスク101上のピットから得られるRF信号(再生信号)はメインビームから取得するので、メインビームに対するサブビームの光量比を1/5以下にしないとメインビームの光量が十分でなくなるため、RF信号の品質が劣化するからである。
図5に示すように、4分割光検出器25、26、27それぞれは、4つの分割領域からなる受光領域を有しており、光検出器25は受光領域31,32,70,71を有し、光検出器26は受光領域33,34,72,73を有し、光検出器27は受光領域35,36,74,75を有している。ここで、光検出器25,26,27それぞれの4つの受光領域からの出力レベルを、図3に示すE,F,G,H,A,B,C,D,I,J,K,Lとする。
RF回路部107におけるサーボエラー信号生成手段107Bにより生成されるメインビームによるフォーカスエラー信号(MFE)は、(MFE)=A+C−(B+D)と表される。サブビームによるフォーカスエラー信号(SFE)は、(SFE)=E+G+I+K−(F+H+J+L)と表される。差動非点収差法を用いたフォーカスエラー信号(DFE)は、k1を定数とすると、(DFE)=(MFE)−k1×(SFE)と表される。
メインビームによるトラックエラー信号(MTE)は、(MTE)=A+D−(B+C)と表される。サブビームによるトラックエラー信号(STE)は、(STE)=E+H+I+L−(F+G+J+K)と表される。差動プッシュプル法を用いたトラックエラー信号(DPP)は、k2を定数とすると、(DPP)=(MTE)−k2×(STE)と表される。また、メイン和信号生成手段107Eにより生成されるメイン和信号は、A+B+C+Dと表される。サブ和信号生成手段107Cにより生成されるサブ和信号は、E+F+G+H+I+J+K+Lと表される。
図6は、本実施形態において、対物レンズ21をフォーカス方向に等速移動させながら行うフォーカスサーチ時のフォーカスエラー信号および和信号の変化を示す図である。
図6の(A15)に示すように、レーザの焦点位置が光ディスク101の基板表面に到達していない位置から、光ディスク101に近づく方向に対物レンズ21を駆動する場合について示している。
図6の(ア)に示すように、光ディスク101がCDである場合では、まず、メインビームおよびサブビームの焦点が光ディスク101の表面を通過する際(図6のA5)、フォーカスエラー信号にはフォーカスS字信号が出現し(図6のA4)、メイン和信号およびサブ和信号にはスレッショルドを超えるパルス波形が出現する。
サブ和信号変化検出手段119によるサブ和信号レベルがスレッショルドを超えたこと(図6のA8)の検出は、サブ和信号の基準電位(サブビームの合焦位置が光ディスク101に到達する前のサブ和信号の電位)から+の電位にサブ和信号変化点検出スレッショルドである第1の閾値(図6のA11)を設定し、サブ和信号の電位レベルがこのスレッショルドを上回った後再度スレッショルドを下回ることで判定される。
フォーカスS字信号検出手段114によるフォーカスS字信号の検出は、和信号レベルがスレッショルドを上回っている期間に、フォーカスエラー信号の基準電位(メインビームおよびサブビームの合焦位置が光ディスク101に到達する前のフォーカスエラー信号の電位)から±の電位レベルにスレッショルド(+のスレッショルドはフォーカスエラー信号の最大値よりも小さく、−のスレッショルドはフォーカスエラー信号の最小値よりも大きい)を設定し(図6のA12)、+のスレッショルド(第2の閾値)を上回った後に下回り、その後−のスレッショルド(第3の閾値)を下回った後に上回ることで判定される。ここで、フォーカスエラー信号の極性が逆の場合は、−のスレッショルドを下回った後に上回り、その後+のスレッショルドを上回った後に下回ることで判定される。
このように、2つの閾値を用いてフォーカスS字信号の検出を実行することで、S字を示さない山又は谷のノイズ波形をフォーカスS字信号と誤認識するのを防止することができる。
その後、メインビームおよびサブビームの焦点が光ディスク101の記録層を通過する際にも、フォーカスS字信号が出現し(図6のA4)、メイン和信号およびサブ和信号にパルス波形が出現する。
光ディスク101がDVD又はHD DVDの場合では、図6の(イ)及び(ウ)に示すように、CDの場合と同様、光ディスク101の光入射面でフォーカスS字信号とメイン和信号およびサブ和信号のパルス波形とが出現し、その後、メインビームおよびサブビームの焦点が記録層にきたときに、フォーカスS字信号とメイン和信号およびサブ和信号のパルス波形とが出現する。
さらに、光ディスク101がDVD又はHD DVDの2層媒体の場合には、図6の(ウ)に示すように、1層目の記録層(図6のA6)でフォーカスS字信号が出現した後に、メインビームおよびサブビームの焦点が2層目の記録層(図6のA7)を通過した際に、更にフォーカスS字信号が出現する。メイン和信号およびサブ和信号は、フォーカスS字信号と異なり1層目の記録層(L0層)と2層目の記録層(L1層)の間でレベルがスレッショルドを下回る値まで低下せず、和信号がスレッショルドを超えて上昇した回数からでは記録層数を判別できない。よって、本実施形態における記録層数判定手段116は、フォーカスS字信号の出現回数に基づいて記録層数の判定を行う。
図6の(ウ)に示すように、サブ和信号のレベルが光ディスク101の表面から数えて2回目にスレッショルドを超えている期間が記録層を示しており、このとき、サブ和信号がスレッショルドを超えている期間内のフォーカスS字信号の出現回数が光ディスク101の記録層の数を示している。
例えば、図6の(イ)では、記録層の存在を示す期間においてフォーカスS字信号が1つ検出されているので、1層媒体であると判断できる。また、図6の(ウ)では、記録層を示す期間においてフォーカスS字信号が2つ検出されているので、2層媒体であると判断できる。このように、光入射面に近い側の記録層であるL0層のフォーカスS字信号に引き続いてフォーカスS字信号が合計n(nは自然数)回検出されたときには、記録層がn層であると判定できる。
光ディスク101の表面とL0層との間の距離は、基板厚算定手段121が算定する光ディスク101の基板厚に相当しており、この算定値は、サブ和信号レベルが光ディスク101の表面でスレッショルドを超えたことをサブ和信号変化検出手段119が検出してから、記録層でサブ和信号がスレッショルドを超えたことを検出するまでの対物レンズ21の移動量(移動時間)から算出される。
サーボコントローラ104の基板厚算定手段121は、サブ和信号変化検出手段119が光ディスク101の表面でサブ和信号がスレッショルドを超えたことを検出してから記録層でサブ和信号がスレッショルドを超えたことを検出するまでの対物レンズ21の移動時間を、図示しないタイマにより測定し、測定した移動時間から、光ディスク101の透明基板厚を算出する。そして、媒体判別手段115が、透明基板厚が0.6mmであるか否かを判定し、0.6mmで無ければ光ディスク101はCDであると判定し、0.6mmであればDVDかHD DVDであると判定する。
HD DVDやDVDは、透明基板厚がともに0.6mmなので対物レンズ21の移動量からではHD DVDかDVDかの区別がつかない。そこで、本実施形態におけるHD DVDとDVDとの区別にはBCAを用いる。HD DVDにはBCAが存在し、BCAに媒体種識別情報が記録されているので、システムコントローラ105の識別情報判定部117が、BCA信号を読みこむことで媒体種識別情報からHD DVDであることおよびHD DVDの種類(ROM、R、RW、RAM、TWIN)を判別する。一方で、DVDには必ずしもBCAが存在するとは限らないので、BCAの中の媒体情報がHD DVDを示していない場合、或いは、BCAが読めない場合にはDVDであると判別する。
次に、本実施形態において、フォーカスS字信号ではなく和信号を用いて光ディスク101の表面および記録層を検出する理由を説明する。
図7は、光ディスク101の記録層と表面でのフォーカスS字信号と和信号の波形、およびメインビーム用の光検出器26上の反射光スポット形状を示した図である。
図7の(2)は、それぞれフォーカスサーチ時にビームの焦点が光ディスク101の記録層又は表面を通過する場合の和信号とフォーカスS字信号とを示している。また、図7の(1)は、本実施形態において、非点収差法でのフォーカスサーチを行う時に、ビームの焦点が記録層および表面を通過する場合の光検出器26上の反射光スポット形状を示している。
図7の(1)において、A,B,C,Dは光検出器26の受光領域を4分割した際のそれぞれの領域の受光レベルを示し、フォーカスエラー信号はA+C−(B+D)、和信号はA+B+C+Dで表される。
図7の(1)および(2)において、a,dは、ビームの焦点が光ディスク101の記録層や表面に位置した場合で、光検出器26上の反射光スポット形状は、光検出器26の受光領域の中心を中心とした円形状となり、A=B=C=DとなるのでフォーカスS字信号(フォーカスエラー信号)は0となる。また、ビームの焦点が記録層や基板表面に到達した場合なので反射光の光量は最も大きく和信号レベルはピーク値となる。
図7の(1)および(2)のb,eは、フォーカスS字信号が正方向にピークとなる場合で、光検出器26上の反射光スポット形状がA、C方向に長くなっている。図7の(1)および(2)のc,fは、フォーカスS字信号が負方向にピークとなる場合で、光検出器26上の反射光スポット形状がB、D方向に長くなっている。
ここで、フォーカスエラー信号はA+C−(B+D)、和信号はA+B+C+Dと表され、球面収差は、記録再生性能を確保するため記録層にて最小になるよう設定されるので、この球面収差の調整により、図7の(1)に示すように記録層と表面とでは光検出器26上のスポット形状が異なり、表面では記録層に比べて光検出器26上で共通する領域が増加する。これによりA+B+C+Dと和をとる和信号に比べて、A+C−(B+D)と差をとるフォーカスS字信号では振幅のピークレベル(図7のe〜f)が小さくなる。図7では、メインビーム用光検出器26を用いて説明したが、サーブビーム用光検出器25,27でも同様である。
よって、球面収差の影響からフォーカスS字信号より和信号のほうがディスク表面または記録層を示すレベルが大きくなり、和信号のほうが表面および記録層を安定に検出できるので、本実施形態においては、和信号を用いて光ディスク101の表面および記録層をの位置を検出する。
次に、本実施形態において、メイン和信号でなくサブ和信号を用いて光ディスク101の表面および記録層の位置を検出する理由を図8を参照して説明する。
上述した光ヘッド113の構成はメインビームに対するサブビームの光量比は1/5以下である。また、サブビーム検出用4分割光検出器25および27をメインビームの反射光の結像面内に配置し、かつ、メインビーム用の4分割光検出器26の中心からサブビーム用の4分割光検出器25および27のそれぞれの中心までの距離を、フォーカス時にメインビームの反射光がサブビーム用光検出器25および27に有意に及ばず、デフォーカス時にメインビームの反射光がサブビーム用光検出器25および27に有意に及ぶ距離としている。
図8は、光検出器25および26上でのサブビームおよびメインビームの反射光スポットとメイン和信号およびサブ和信号波形を示す図である。
図8の(1)は、メインビーム用光検出器26およびサブビーム用光検出器25に対する反射光スポット形状の時間変化を示している。ここでは、サブビーム用光検出器27については、省略している。
図8の(3)は、フォーカスサーチ時のメイン和信号の時間応答を示し、図8の(2)は、図8の(3)に示すメイン和信号をメイン和信号スレッショルドを基準にして2値化した2値化信号である。図8の(4)は、フォーカスサーチ時のサブ和信号の時間応答であり、図8の(5)は、図8の(4)に示すサブ和信号をサブ和信号スレッショルドを基準にして2値化した2値化信号である。
図8の(1)におけるM1,M2,M2´,M3,M3´,M4,M4´,S1,S2,S2´,S3,S3´,S4,S4´は,図8の(3)および(4)のM1,M2,M2´,M3,M3´,M4,M4´,S1,S2,S2´,S3,S3´,S4,S4´に対応している。
図8のM1,S1は、メインビームおよびサブビームの焦点が光ディスク101の表面に位置したときを示し、図8(1)に示す様に反射光スポットは最も小さく、図8(3)および(4)に示す様にメイン和信号レベルおよびサブ和信号レベルは最大となる。
図8の(2)〜(5)は、フォーカスサーチ動作時、メインビームおよびサブビームの焦点が光ディスク101に近づき、M1,S1でディスク表面に合焦後、記録層方向に離れる場合を示している。
まず、メインビームおよびサブビームの焦点が光ディスク101に近づき図8のM4,S4の状態になると、図8(1)に示すメインビームおよびサブビームの焦点はディスク表面から離れているので、それぞれぼやけて大きいスポットのM4,S4となる。この場合、メインビームおよびサブビームの反射光は、それぞれがサブビーム用光検出器25およびメインビーム用光検出器26の両方にかかっているが、互いの受光光量が小さいため、メインビーム用光検出器26およびサブビーム用光検出器25での受光レベルは、図8(3)および(4)のM4、S4となる。
メインビームおよびサブビームの焦点が光ディスク101に近づき、図8のM3,S3の状態になると、図8(1)に示すメインビームおよびサブビームの焦点はM4,S4より小さくてぼやけていないスポットM3,S3となる。この場合、メインビームの反射光はメインビーム用光検出器26で検出されるとともに、サブビーム用光検出器25に対しても漏れこんで検出される。一方、サブビームの反射光はサブビーム用光検出器25で検出されるが、メインビームに対するサブビームの光量比は1/5以下と十分小さいのでメインビーム用光検出器26では有意に検出されない。よって、メイン和信号は図8(3)のM3となるが、サブ和信号は図8(4)のM3と、サブビームの反射光だけで生じるS3よりもレベルが大きくなり、スレッショルド以上になる。
メインビームおよびサブビームの焦点が図8のM3,S3の状態から光ディスク101に近づき図8のM2,S2の状態になると、図8(1)のメインビームおよびサブビームの反射光スポットはそれぞれM2、S2とM3、S3より小さくてぼやけてないスポットとなる。この場合、メインビームおよびサブビームの反射光スポットは互いの光検出器に対しては光量が小さいので、メインビームおよびサブビームの反射光はそれぞれメインビーム用光検出器26、サブビーム用光検出器25でのみ検出され、図8(3),(4)のM2,S2となる。
メインビームおよびサブビームの焦点が光ディスク101の表面に位置した後、記録層方向に離れて図8のM2´,S2´の状態になると、図8(1)のメインビームおよびサブビームの反射光スポットは、図8のM2,S2の場合と同様になる。この場合、メインビームおよびサブビームの反射光は、それぞれメインビーム用光検出器26、サブビーム用光検出器25でのみ検出されて、図8(3),(4)のM2´,S2´となる。
メインビームおよびサブビームの焦点が記録層方向に移動し、図8(1)のM3´,S3´の状態になると、図8(1)のメインビームおよびサブビームの反射光スポットは、図8のM3,S3の場合と同様になる。この場合、メインビームの反射光はメインビーム用光検出器26で検出されるとともに、サブビーム用光検出器25にも漏れこんで検出される。一方、サブビームの反射光はサブビーム用光検出器25で検出される。よって、メイン和信号は、図8(3)のM3´となり、サブ和信号は図8(4)のM3´となりサブビームの反射光だけで生じるS3´よりもレベルが大きくなる。
メインビームおよびサブビームの焦点が図8のM4´,S4´の状態になると、図8(1)のメインビームおよびサブビームの反射光スポットは、図8のM4,S4の場合と同様になる。この場合、メインビーム用光検出器26およびサブビーム用光検出器25の受光レベルは、図8(3)(4)のM4´、S4´となる。
ここで、図8を参照して、フォーカスサーチ動作時、メインビームおよびサブビームの焦点が光ディスク101の表面を通過する時について説明したが、記録層を通過する時も同様である。
よって、図8(4)に示すように、本実施形態において生成されるサブ和信号は、メインビームおよびサブビームの焦点が光ディスク101の表面や記録層を通過する位置にてピークを持ち、メインビームおよびサブビームの焦点が表面や記録層を通過する位置から離れるに従い単調減少し、その後、メインビームの反射光の影響で再度ピークを持つ波形となる。例えば、図8(3),(4)のM1,S1の半値をスレッショルドとして2値化すると、図8(2)のメイン和信号2値化信号および図8(5)のサブ和信号2値化信号が得られる。
このように、本実施形態の構成においては、サブ和信号はメインビームの漏れ込みの影響を受けるので、サブ和信号の2値化信号はメイン和信号の2値化信号よりブロードにパルス波形が出現する。サーボコントローラ104をデジタルサーボとすると、ブロードな信号のほうが低いサンプリング周期でも安定に検出でき、また、大面振れしても検出できる。以上から、本実施形態では、光ディスク101の表面および記録層を検出するために、サブ和信号を用いる。
本実施形態のように、サブビームを主に受光する4分割光検出器25,27をメインビームの反射光の結像面内に配置すると、デフォーカス時にメインビームの反射光が4分割光検出器25、27に漏れ込むようになるので、フォーカスサーチ時に4分割光検出器25、27の総和信号であるサブ和信号においてブロードな波形が検出できるようになり、光ディスク101の表面および記録層を検出しやすくなる。
ここで、4分割光検出器25、27それぞれの中心からメインビームを主に受光する4分割光検出器26の中心までの距離は、フォーカス時にメインビームの反射光が4分割光検出器25、27に有意に及ばず、デフォーカス時にメインビームの反射光が4分割光検出器25、27に有意に及ぶ範囲とすればよいが、実用上は100〜200μmとするのが好ましい。
次に、図6の(A12)に示すフォーカスS字信号検出スレッショルド、図6の(A10)に示すメイン和信号検出スレッショルド、図6の(A11)に示すサブ和信号変化点検出スレッショルドについて説明する。
本実施形態では、光ディスク101として、HD DVD(HD DVD−ROM1層、HD DVD−R1層、HD DVD−RW1層、HD DVD−ROM2層、HD DVD−R2層、HD DVD−RW2層、TWIN)、DVD(DVD−ROM1層、DVD±R1層、DVD±RW1層、DVD−RAM、DVD−ROM2層、DVD±R2層、DVD±RW2層)、CD(CD−ROM、CD−R、CD−RW、ハイブリッドSACD)を判別する。
青色光LDを用いてデータ領域でフォーカスサーチを行うことを考慮すると、青色光LDに対して記録層の実効的反射率が最も低くなるのはハイブリッドSACDのCD層であり、反射率0.25%程度(±10%のばらつきを考慮すると0.225%〜0.275%)である。実効的反射率とは、光ディスク101の表面に照射した光量に対して記録層からの反射光として光ヘッド113に戻ってくる光量の比率を指す。また、ハイブリッドSACD以外で基板厚が0.6mmのHD DVDやDVDの場合、ディスクの光入射面から記録層までが0.6mmであるとともに、記録層から光入射面とは反対側のレーベル面までも0.6mmである。青色光を用いてのフォーカスサーチ動作時、レーベル面での反射率は最大でも0.20%未満である。
よって、光ディスク101の表面および記録層を検出するために設定するメイン和信号検出スレッショルドおよびサブ和信号変化点検出スレッショルドは、ハイブリッドSACDのCD層の反射率の下限未満でかつHD DVDやDVDのレーベル面での反射率以上とする。0.20%以上から0.225%未満の反射率の範囲に収まるように設定すれば、一度のフォーカスサーチで上記に示すすべての種類についてディスク表面および記録層を検出することが可能となり媒体判別を高速化できる。
記録層数の判別(フォーカスS字信号の検出)では、1層のみのCDが判別対象から除かれており、青色光LDを用いてデータ領域でフォーカスサーチを行うことを考慮すると、青色光LDに対して記録層の実効的反射率が最も低くなるCD以外のディスクはHD DVD−R2層であり、反射率1.00%程度(±10%のばらつきを考慮すると0.90%〜1.10%)である。よって、記録層数の判別(フォーカスS字信号の検出)のために設定するフォーカスS字信号検出スレッショルドは、HD DVD−R2層の反射率の下限である0.90%未満で、かつ0.90%の1/4である0.225%以上の反射率の範囲に収まるように設定すれば、一度のフォーカスサーチで上記に示すCD以外のすべての種類について記録層数の判定(フォーカスS字信号の検出)が可能となる。
以上、図4,5,6を参照して説明したとおり、本実施形態では、光ディスク101の基板厚の判別にはサブ和信号を用い、記録層数の判別にはフォーカスS字信号を用いることで、より安定した媒体判別を実現している。
次に、本実施形態の動作を示すシーケンスを図9及び図10を参照して説明する。ここで、以下の動作説明は、媒体判別方法の実施形態となるので、媒体判別方法の各ステップを対応する動作の記述に沿って示す。
図9において、光ディスク装置100の電源を投入後に光ディスク101がスピンドル駆動系102のスピンドルモータにセットされるか、または予め光ディスク101がスピンドルモータにセットされた状態で光ディスク装置100に電源が投入されると(図9のステップS11)、スピンドル駆動系102が、光ディスク101を回転させる。また、光ヘッド113はスレッドモータ108により光ディスク101のデータ領域に移動される(図9のステップS12)。
続いて、LD駆動部106が、LD111に青色光LDを点灯させ(図9のステップS13)、光ディスク101に青色光を照射すると、回折格子23によって青色光が分割されてメインビームとサブビームが出射される(ビーム出射ステップ)。その際、サーボ駆動系103が対物レンズアクチュエータ109を駆動することで、対物レンズ21を一定速度でフォーカス方向に上下に移動させてフォーカスサーチが実行される(図9のステップS14,フォーカスサーチステップ)。
このフォーカスサーチ中に、RF回路部107のサーボエラー信号生成手段107Bによってサーボエラー信号が生成され、サブ和信号生成手段107Cによってサブ和信号が生成される(サブ和信号生成ステップ)。サーボコントローラ104のサブ和信号変化検出手段119が、サブ和信号のレベルがスレッショルド以上となるタイミングを検出しタイミング間の時間間隔と回数とを計測し(サブ和信号変化検出ステップ)、フォーカスS字信号検出手段114がフォーカスエラー信号中のフォーカスS字信号を検出しその出現回数を計測する(フォーカスS字信号検出ステップ)。このフォーカスエラー信号はメインビームから生成する場合と、サブビームから生成する場合と、差動非点収差法のようにメインビームとサブビームの両方から生成する場合があり得るが、いずれの方式から生成してもよい。
フォーカスサーチ中、サーボコントローラ104の基板厚算定手段121が、サブ和信号のレベルがディスク表面でスレッショルドを超えてから記録層でスレッショルドを超えるまでの時間間隔から光ディスク101の基板厚を算定し(基板厚算定ステップ)、媒体判別手段115が、基板厚が0.6mmであるか否かを判断し、0.6mmでなく1.2mm相当であると判断した場合には、CDであると判別する(図9のステップS14−1,媒体判別ステップ)。このようにCDと判別されたら、その後、青色光LDを消灯し、赤外光LDを点灯させて情報の記録または再生動作を開始する。
また、CDでないと判断した場合、サブ和信号がスレッショルドを超えた回数が3回であり、表面とL0層でサブ和信号がスレッショルドを超えた時の時間間隔が0.6mm相当であり、かつL0層とL1層でサブ和信号がスレッショルドを超えた時の時間間隔が0.6mm相当の場合、ハイブリッドSACD(ハイブリッドSACDはL0層がSACD、L1層がCDであり、ディスク表面とL0層の距離が0.6mm、L0層とL1層の距離が0.6mm)と判別する(図9のステップS14−2,媒体判別ステップ)。
基板厚が0.6mmでハイブリッドSACDでないと判定されたときには、光ディスク101をDVD又はHD DVDであると判別する。この場合は、記録層数判定手段116が、光ディスク101を1層媒体であるか2層媒体であるかをフォーカスS字信号の出現回数から判定する(図9のステップS14−3,記録層数判定ステップ)。
このように、本実施形態においては、青色光ビームを用いてフォーカスサーチを行う。これは、HD DVDの2層媒体に赤色光を照射すると、L1層のフォーカスS字信号がほぼ検出できないのでHD DVDの2層媒体を1層媒体と誤判定してしまうが、HD DVD2層媒体に青色光を照射すると2つの記録層を確実に認識できるからである。
その理由は、赤色光ではHD DVDの2層媒体の中間層厚を検出できる分解能がないため中間層厚が薄いほど各記録層で別々にフォーカスS字信号が発生せず、2層を分離検出できないからである。HD DVD2層媒体の中間層厚は、NA0.65、波長405nmの光学系でL0層とL1層が分離できるように中間層厚が定められており(この場合の中間層厚は15μm〜25μm)、DVD2層媒体の中間層厚はNA0.60、波長650nmでL0層とL1層が分離できるように中間層厚が定められている(この場合の中間層厚は40μm〜70μm)。よって、DVDの記録再生を前提にしたNA0.60、波長650nmの赤色光を用いた光学系でHD DVDの2層媒体をフォーカスサーチすると、想定している中間層厚よりも薄いので、中間層厚が15μmに近いほどL0層とL1層で別々にフォーカスS字信号が発生せず2層を分離検出できない。
もう1つの理由は、HD DVDの2層媒体に関し、青色光に対してL0層は50%以上の透過率であるが、赤色光に対してL0層は30%程度の透過率となるため、例え赤色光でHD DVD2層を分離検出できてもL1層の反射率が低下してL1層のフォーカスS字信号の検出が困難になるからである。L1層への照射光は照射時と反射時の2回L0層を通過するので、光ヘッド113にて検出されるL1層の実効的反射率、即ち光ディスク101の表面に照射した光量に対してL1層からの反射光として光ヘッド113に戻ってくる光量の比率は、L1層自体の反射率を100%としても、青色光だとL0層1回通過毎に50%に低減されるのでほぼ25%となるが、赤色光だとL0層1回通過毎に30%に低減されるため、L1層の反射光量は9%程度にしかならない。また、CDの記録・再生に使われる赤外光だとL0層の透過率は30%未満となり、赤色光を用いるよりも更にL1層のフォーカスS字信号の検出が困難になる。
ここで、HD DVDは、記録層が2層ある場合、L1層にBCAを形成すると規定されている。記録層数判定手段116が光ディスク101を2層媒体と判断すると、青色光LDを点灯させた状態で、サーボコントローラ104のサーボ制御手段122が、直ちにサーボ駆動系103を制御してスレッドモータ108を動かし、光ヘッド113を、光ディスク101内周のBCAが存在し得る位置に移動させて(図9のステップS15)、次いで、BCAが形成されたL1層にフォーカスサーボを引き込む(図9のステップS16,BCAリードステップ)。
BCAにフォーカスサーボを引き込んだ状態で、RF回路部107のBCA信号抽出手段107Dが、光検出器112から出力されるRF信号を、RF信号のピークとボトムとの中間レベルに設定したスレッショルドで規制して2値化し、BCA信号を抽出する。その後、システムコントローラ105の識別情報判定部117により、BCA信号を読込めるか否かが判定される(図9のステップS17,識別情報判定ステップ)。BCA信号が読込める場合には、媒体識別部118が、BCAに記録された媒体識別情報に従って、光ディスク101の種類をHD DVD−ROMの2層,HD DVD−Rの2層,HD DVD−RWの2層,TWINのいずれかであると識別する(図9のステップS17−1,媒体識別ステップ)。媒体識別情報がHD DVDを示していない場合、或いは、BCA信号が読込めない場合には、DVDであると判断する(図9のステップS17−2,媒体識別ステップ)。
光ディスク101の記録層数が1層媒体であると判断した場合、青色光LDを点灯させた状態で、サーボコントローラ104のサーボ制御手段122が、フォーカスサーチを終了し、データ再生のためのパラメータ調整のみを行い、即座にサーボ駆動系103を制御してスレッドモータ108を動かし、光ヘッド113を、光ディスク101内周のBCAが存在し得る場所に移動させて(図9のステップS15)、フォーカスサーボパラメータの調整のみを行い、L0層にフォーカスサーボを引き込む(図9のステップS16,BCAリードステップ)。
そして、データ再生のためのパラメータ調整のみを行い、RF回路部107のBCA信号抽出手段107Dが、光検出器112から出力されるRF信号を、RF信号のピークとボトムとの中間レベルに設定したスレッショルドで規制して2値化し、BCA信号を抽出する。その後、システムコントローラ105の識別情報判定部117により、BCA信号からデータを読込めるか否かを判定される(図9のステップS17,識別情報判定ステップ)。BCA信号からデータが読込める場合には、媒体識別部118は、BCAに記録された媒体識別情報に従って、光ディスク101が、HD DVD−ROMの1層,HD DVD−Rの1層,HD DVD−RWの1層であると識別する(図9のステップS17−1,媒体識別ステップ)。媒体識別情報がHD DVDを示していない場合、或いは、BCA信号が読めない場合には、DVDであると判断する(図9のステップS17−2,媒体識別ステップ)。
フォーカスサーボをBCAに引き込む前には、フォーカスS字信号振幅とオフセットの調整、メイン和信号またはサブ和信号の振幅とオフセットの調整が必要である。これは前述の通り、和信号から記録層位置を特定し、記録層でのフォーカスS字信号を用いて所望の記録層にフォーカスサーボを引き込むからである。また、フォーカスサーボをBCAに引き込んだ後には、RF信号の振幅およびRF信号のピークとボトムとの中間レベルにBCA検出用スレッショルドの設定が必要である。フォーカスサーチ(図9のステップS14)からBCAリード(図9のステップS17)まで、トラックサーボを引き込むことは無いので、トラックサーボパラメータの調整は必要としない。
このフォーカスS字信号の振幅設定ゲインおよび印加オフセット、メイン和信号またはサブ和信号の振幅設定ゲインおよび印加オフセット、RF信号の振幅設定ゲイン、BCA検出用スレッショルドを媒体識別情報取得用パラメータとして予め求めておき、BCA検出のためのフォーカスサーボ引き込み直前(図9のステップS16)に設定するように構成してもよい。このようにすれば、BCAにフォーカスサーボを引き込む際のパラメータ調整を省くことができる。
光ディスク101をTWINと判別した場合には、図10のシーケンスを実行する。
スピンドルにセットされた光ディスク101がTWINであるという情報がシステムコントローラ105からインタフェース部120を経由して、ホストコンピュータ200のホストコントローラ201に送信される。
ホストコントローラ201は、光ディスク101がTWINであることを認識すると表示部202にHD DVDかDVDのどちらを再生するかを問い合わせる画面を表示し(例えば、1=HD DVD、2=DVD)、HD DVDかDVDのどちらを再生するかユーザに決定させて、それを示す情報の入力部203への入力を促す(図10のステップT11)。
そして、ホストコンピュータ200は、入力部203にHD DVDかDVDかを示す情報の入力があるまで入力待ち状態となり、入力があり次第、光ディスク装置100のシステムコントローラ105に割り込みを発生し、ユーザが選択した媒体の種別情報(HD DVDまたはDVD)を送る。また、光ディスク装置100のシステムコントローラ105から割り込みとともに記録再生コマンド受付け状態であることを受信したら、ユーザが選択した媒体の種別情報送信後に再生コマンドを光ディスク装置100のシステムコントローラ105に送信する。
光ディスク装置100のシステムコントローラ105は、ホストコンピュータ200からの割り込みとともに送信されたユーザが選択した媒体の種別情報がHD DVDである場合、またはユーザーが媒体の種別を選択しない場合、青色光LDを点灯させたまま、かつフォーカスサーボをL1層のHD DVD層に引き込んだままスレッドモータ108を駆動させて光ヘッド113を光ディスク101のデータ領域に移動させる(図10のステップT12)。そして、サーボパラメータや記録再生パラメータの自動調整を行う(図10のステップT13)。
自動調整終了後、トラックサーボをオフし、スレッドモータ108を駆動させて光ヘッド113を光ディスク101の記録領域内のシステムリードインに移動させてトラックサーボを引き込み、システムリードインの読み込み(図10のステップT14)を行って光ディスク101の記録再生に必要な情報を取得する。
システムリードインの読み込み終了後、トラックサーボをオフし、スレッドモータ108により、光ヘッド113を、光ディスク101のデータ領域に移動させて、トラックサーボを引き込み、トラックジャンプにより特定の半径位置近傍にサーボをかけ続けてホストコンピュータ200からの記録再生コマンドの待ち状態となるとともに(図10のステップT15)、ホストコンピュータ200に割り込みとともに記録再生コマンド受付け状態であることを送信する。システムコントローラ105はホストコンピュータ200から割り込みとともに再生コマンドを受信すると、トラックサーボをオフしスレッドモータ108を駆動させて光ヘッド113を光ディスク101のデータ領域の再生開始位置に移動させて、トラックサーボを引き込み、記憶情報の再生を開始する。
ユーザが選択した媒体の種別情報がDVDの場合、システムコントローラ105は、即座にサーボ動作をオフし、青色光LDを消灯し(図10のステップT16)、スレッドモータ108を駆動させて光ヘッド113を光ディスク101のデータ領域に移動させる(図10のステップT17)。そして、赤色光LDを点灯させ(図10のステップT18)、L0層(DVD)のサーボパラメータや記録再生パラメータの自動調整を行う(図10のステップT19)。その後、トラックサーボをオフし、スレッドモータ108を駆動させて光ヘッド113を光ディスク101のリードインに移動させてトラックサーボを引き込み、光ディスクの記録再生に必要な情報を読み出すリードインの読み込みを行う(図10のステップT20)。
その後、トラックサーボをオフし、スレッドモータ108を駆動させて光ヘッド113を光ディスク101のデータ領域に移動させて、トラックサーボを引き込み、トラックジャンプにより特定の半径位置近傍にサーボをかけ続けてホストコンピュータ200からの記録再生コマンドの待ち状態となるとともに(図10のステップT21)、ホストコンピュータ200に割り込みとともに記録再生コマンド受付け状態であることを送信する。
その後、システムコントローラ105は、ホストコンピュータ200からの割り込みとともに再生コマンドを受信すると、トラックサーボをオフし、スレッドモータ108を駆動させて光ヘッド113を光ディスク101のデータ領域の予め決められた再生開始位置に移動させて、トラックサーボを引き込み、記憶情報の再生を開始する。
従来の光ディスク装置では、TWINを再生する場合、HD DVD層とDVD層のどちらを再生するかの選択をユーザに委ねるため、他の媒体種類の場合に比べて再生開始までの時間が大きくなっていたが、本実施形態のようにフォーカスサーチ中の記録層数判定後、直ちにBCAの読み込みを行い光ディスク101の種類を判別することで、光ディスク101の種類判別までの時間が短縮され、HD DVDの再生を想定しHD DVD層(L1層)のデータ再生のためのパラメータ調整をユーザに対する選択要求を出力してから応答が返ってくるまでの間に行うことで、TWIN媒体においてHD DVD層の再生開始までの時間を大幅に短縮することができる。
また、青色光LDを用いてフォーカスサーチを行うことで、記録層数を確実に判別でき、光ディスク101がTWINの場合、記録層数を判別後、直ちにL1層のBCA信号を読み込むことができる。
本実施形態では、BCA信号を読込んだ後(図9のステップS17)、フォーカスサーボをオン状態にしたまま光ヘッド113を光ディスク101のデータ領域に移動させた。しかし、BCA信号を読込んだ後(図9のステップS17)、一旦フォーカスサーボをオフし、光ヘッド113を光ディスク101のデータ領域に移動させ、再度データ領域においてフォーカスサーボをオンにしてもよい。この場合、データ領域にてフォーカスサーボを引き込む前にフォーカスS字信号の振幅とオフセットの調整、メイン和信号またはサブ和信号の振幅とオフセットの調整を実施する。
また、本実施形態では、光ディスク101の記録層のデータ領域にビーム光を照射して記録層数を判別した後、光ディスク101のBCA領域に対物レンズ21を移動し、BCA領域にてフォーカスサーボを引き込んでいる。しかし、データ領域でフォーカスサーボを引き込み、フォーカスサーボを引き込んだまま対物レンズ21をBCA領域に移動してもよい。
上記では、ユーザーが選択を思案している間(図10のステップT1)、HD DVDの自動調整、システムリードイン読み込み、ホストコンピュータ200からのコマンド待ちと処理を進めたが、図10のステップT1に示すようなHD DVDかDVDのどちらを再生するかユーザによる選択待ちの間、光ディスク装置100は次の処理にいかなくし、ユーザの選択が完了してから、HD DVDやDVDの自動調整等の処理を実行してもよい。処理を進める場合では、HD DVDの自動調整等の処理を実行中にユーザからDVDを選択された場合、HD DVDの処理を強制終了してDVDの処理に移るので、HD DVDの処理を途中まで実行した分の消費電力がかかる。処理を進めない場合は、ユーザからDVDを選択されるまで次の処理を行わないので無駄な消費電力を使わずに済む。
ここで、上述した内容では、従来の3ビーム法を実行するためのメインビーム及びサブビームを用いて光ディスク101の基板厚を算定しているが、光量の異なるビームを用いればこれに限らず、例えば、最も光量の大きいビームより光量の小さい複数のビームを主に検出する複数の光検出器のうち光量の大きいビームの反射光の結像面内に存在する光検出器のいずれかから生成される和信号を用いた場合であっても、図8(4)に示すようにこの和信号のパルス波形がよりブロードになり、光ディスク101の表面および記録層を検出しやすくできる。また、サブビーム用の光検出器25,27の受光光量から和信号を検出できればよいので、媒体判別に限定してサブビームを用いるのであれば、サブビーム用の光検出器25,27の受光領域は分割されていなくてもよい。
また、青色光LDを用いた場合について述べたが、基板厚の算定に関してならば、青色光LD以外にも赤色光LDや赤外光LD等の様々な波長光を用いてもよい。またさらに、本実施形態では、フォーカスエラー信号を差動非点収差法から生成しているが、ナイフエッジ法から生成してもよい。
また、光ディスク101の種類として、HD DVD、DVD、CD、ハイブリッドSACDを判別対象とし、媒体判別手段115は、ディスクの基板又はカバー層の厚さの違いからCDを判別しているが、CDに限らず、基板又はカバー層の厚さが固有の種類であれば判別できる。
また、和信号は、RF信号からデータ成分を除去した信号であるとしているが、フォーカス位置が光ディスク101の光入射面を通過したときと記録層を通過したときにレベル変化を示す信号であればよいので、RF信号そのものであってもよい。よって、メイン和信号生成手段107E及びサブ和信号生成手段107Cで生成されるメイン和信号及びサブ和信号は、光検出器25、26,27から出力されるRF信号(再生信号)そのものであってもよい。
以上のように、本実施形態においては、フォーカスS字信号を用いることで記録層数を検出しやすくなる。また、サブ和信号とフォーカスS字信号とで判別する光ディスクの種類が異なり、それぞれ判別すべき複数種類の光ディスクの中で青色光に対して最も反射率の低くなる光ディスクの反射率に基づいてサブ和信号の検出のためのスレッショルドとフォーカスS字信号の検出のためのスレッショルドとを設定する。これにより、多種類ある光ディスクにおいて、高速で安定な媒体判別が実現できる。
本実施形態は、複数のビームから生成される差信号及び和信号を検出する構成の光ディスク装置に対して広く適用することができ、適用することにより媒体識別の確度が向上し、媒体識別に要する時間を著しく短縮することができる。
次に、上述したBCAによる媒体識別について詳しく説明する。
本実施形態においては、まず、LD111から出射されたビーム光を対物レンズ21を介して光ディスク101へ集光照射し、サーボ駆動系103が対物レンズアクチュエータ109を駆動させることで、対物レンズ21を光軸方向に移動させてビーム光の焦点位置を制御しフォーカスサーチを行う。
フォーカスS字信号検出手段114が、フォーカスサーチ中のフォーカスエラー信号中に発生するフォーカスS字信号を検出してその検出回数を計測し、記録層数判定手段116が、フォーカスS字信号の出現回数に基づいて光ディスク101の記録層数を判定する。
光ディスク101の記録層数が判定されると、システムコントローラ105がBCAの在る記録層を特定し、サーボコントローラ104のサーボ制御手段122が、システムコントローラ105からの指令を受けて、BCAにフォーカスサーボを引き込むようにサーボ駆動系103を制御する。
そして、BCA信号抽出手段107Dが、BCAからのビーム光の反射光に基づく再生信号からBCA信号を抽出し、識別情報判定部がBCA信号から媒体識別情報の有無を判定し、媒体識別ステップが識別情報の有無または識別情報の内容に基づいて光ディスク101の種類を識別する。
このように、本実施形態においては、記録層数判定手段116により光ディスク101の記録層数が判定されると、サーボコントローラ104のサーボ制御手段122が、直ちに、BCAにフォーカスサーボを引き込むようにサーボ駆動系103を制御する。これにより、従来と比較してBCA読み込みによる媒体判別までの時間が短縮されている。
BCAは、通常のピット幅よりも十分に幅の大きい凹凸パターンで信号が刻まれる領域であり、その信号(BCAコード)を読み取るのに、トラックサーボは必要なく、フォーカスサーボのみを行えばよい。このため、本実施形態では、光ディスク101の記録層数を判定すると、サーボパラメータの調整は行わず、再生パラメータ調整のみを行い、即座にBCAにフォーカスサーボを引き込むことで、BCAに記録された媒体判別情報による媒体判別までの時間を従来よりも大幅に短縮している。
光ディスク101がTWINと判別された場合には、ホストコンピュータ200へ判別結果を送信し、ユーザに対して選択要求を行うので、媒体判別までの時間が短縮されたことで、ユーザに対して選択要求を提示するまでの時間が短縮される。よって、ユーザにとっては、TWINディスクを挿入してから、選択できるようになるまでの時間が短縮され、煩わしさが軽減される。
また、ユーザによる選択思案中の間に、HD DVDの再生を想定しHD DVD層(L1層)においてサーボパラメータ及び記録再生パラメータの調整を行い、システムリードインの読みこみを完了し、記録再生の準備を行うので、光ディスク101がセットされて媒体種別が完了し、TWIN媒体においてHD DVD層の再生が開始されるまでの時間が従来と比較して大幅に短縮されている。
例えば、従来は、フォーカスサーチを開始して記録層数判定を行い、RF信号及びサーボエラー信号の調整を行い、データ記録領域にサーボを引き込み、システムリードインを読み込み、BCA信号の読み込みを行ってTWINと識別するまで、15秒要したとすると、本実施形態では、記録層数判定を行うと直ちにBCA信号の読み込みを行うため、TWIN識別まで5秒程度ですむ。本実施形態では、TWINと識別した後、ユーザに対して選択要求をしてその応答があるまでの間に、HD DVDの再生を想定しHD DVD層(L1層)においてRF信号及びサーボエラー信号の調整を行いシステムリードインの読み込みを完了し再生の準備を行うので、ユーザがHD DVDかDVDのどちらを再生するか思案する時間を10秒とすると、ユーザがHD DVDを選択した場合、再生までの時間は、従来で25秒だったのが、本実施形態では15秒に短縮されている。すなわち、従来のシーケンスを変更し、記録層数判定後、フォーカスサーチを終了し直ちにBCA読み込みを行うようにすることで、TWIN媒体においてHD DVD層の再生開始までの時間を短縮することができる。
また、TWINと識別した後、ユーザに対して選択要求をしてその応答があるまでの間に、DVDの再生を想定すると、DVD層(L0層)においてサーボパラメータ及び記録再生パラメータの調整を行い、システムリードインの読み込みを完了し再生の準備を行うので、光ディスク101がセットされて媒体種別が完了し、TWIN媒体においてDVD層の再生が開始されるまでの時間が従来と比較して大幅に短縮することができる。
このような媒体識別処理のシーケンスは、1つのビーム光を光ディスクに照射する構成であれば実行可能であるので、本実施形態のような3ビーム法を用いた光ディスク装置100に限らず、様々な光ディスク装置に適用することが可能である。