JP4833497B2 - 回転成形によって円筒部材を形成するための方法ならびにそれにより得られた部材 - Google Patents
回転成形によって円筒部材を形成するための方法ならびにそれにより得られた部材 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転成形によって円筒部材を形成するための方法、ならびに、そのような方法により得られた部材、に関するものである。
【0002】
本発明は、限定するものではないが、複数の層を有しかつ回転対称であるような、継目無しのプラスチック部材または構造の製造に応用することができる。
【0003】
構造または円筒部材という用語は、例えばタンクや密閉容器や貯蔵槽や樽などといったような円筒状容器を例えば形成し得るよう、デッドボリュームを規定する構造を意味している。
【0004】
回転成形は、プラスチック材料から形成された中空部材を製造するために使用される。回転成形は、小規模な製造シリーズにおいて部材を製造するに際して特に使用される経済的な技術である。
【0005】
回転成形プロセスにおいては、溶融状態の材料は、炉内において回転するモールド内を、重力の影響によって移動する。したがって、回転成形される材料は、特別の物理化学的性質とモルフォロジーとを有している必要がある。このことが、回転成形可能な材料として現時点で市場に存在しているものの種類が限定されていることの理由である。
【0006】
例えばガスタンクの場合のような貯蔵応用のために、回転対称をなす継ぎ目無しの一様構造を、例えばガス透過性や機械的強度や照射耐性や溶媒耐性などといったような性質が改良されたものとして、得ることができる。
【0007】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
現存の回転成形手順においては、本質的に、例えばポリエチレンやポリ塩化ビニルやポリアミドやポリウレタンやビニルアセテートコポリマーやポリスチレンといったような材料を使用する。そのような手順においては、これら熱可塑性ポリマーのうちでも、かなり粘度が小さくかつ0.924〜0.939という密度を有しかつ3〜9g/10分というメルトフローインデックスを有したグレードのものを使用することが推奨される。グレードとは、取引名のことである。ポリマーに関しては、いくつかの商用銘柄が存在する。すなわち、様々な結晶性や様々な質量や様々なチェイン長さ等のものが存在する。
【0008】
産業的には、複数層の回転成形においては、本質的に、ポリエチレン/ポリエチレンタイプの構造あるいはポリエチレン/ポリウレタン発泡体/ポリエチレンタイプの構造に関心がある。
【0009】
特にエチレン−ビニルアルコールコポリマー系の熱可塑性材料といったようなエンジニアリング目的の熱可塑性材料は、決して、回転成形に供されなかった。これらコポリマーは、実際に、例えばガスバリア材料としてといったようにパッケージング応用のためにまた食品加工応用のためにまた化粧品応用のために、射出や押出によって使用されてきた。このような応用においては、500μm未満といったように、厚さの薄いものが使用されてきた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、より詳細には、回転成形によってあるいは複数の層の順次的な形成を可能とする技術によって、熱可塑性材料からなる複数の層の順次的な形成を行うというサイクルを具備しているような円筒部材製造方法であって、そのサイクルにおいては、170〜240℃という温度範囲において例えば180〜230℃という温度範囲において、回転成形によってあるいは複数の層の順次的な形成を可能とする技術によって、その温度範囲において0.94〜1.4という密度を有し例えば1.10〜1.22という密度を有しかつ1.3〜4.2g/10分というメルトフローインデックスを有した例えば1.5〜4g/10分というメルトフローインデックスを有したエチレン−ビニルアルコールコポリマーからなる少なくとも1つの層を形成するという方法を提供することである。
【0011】
本発明においては、エチレン−ビニルアルコールコポリマーは、以下の組成を有したものとして定義することができる。
【化1】
ここで、mは、ポリマー内において10〜80モル%である、あるいは、ポリマー内において20〜80モル%である。
【0012】
エチレン−ビニルアルコールコポリマーのメルトフローインデックスは、米国ペンシルベニア州 Morgantown 19543 所在の Kayeness Inc.社によって製造された Kayeness Galaxy 1(登録商標)装置の型番 7053 DEを使用した試験によって、ASTM D 1238-88規格に従って、決定される。この試験においては、ポリマーの融点よりも高い所定温度とされたチューブ上にポリマーフィラーを配置し、30秒間で流れるポリマー量を測定する。30秒というこの時間は、その後、分へと換算される。
【0013】
EVOHポリマーは、良好な機械的性質を有した熱可塑性材料であり、ガスに対しての非常に良好なバリアを形成する。この特性は、本発明による方法を使用して得ることができるEVOH層が厚い場合には、特に魅力的である。
【0014】
EVOHポリマーは、通常、ペレットの形態で市販されている。好ましくは、市販のペレットを、例えば室温においてあるいは極低温において、前もって微粉化する。その際、サイズ等級は、ポリマーの性質や、想定される多層構造、に応じて選択される。サイズ等級は、好ましくは、0.7mm未満とされ、有利には、0.1〜0.7mmとされる。この微粉化により、その後の工程においてEVOHを溶融させるに際してEVOHを過度に加熱する必要性を排除するとともに、一様な層の形成を可能とする。
【0015】
さらに、本発明において選択されるEVOHグレードは、好ましくは、より小さなメルトフローインデックスを有している。すなわち、通常的に回転成形される例えばPEやPVCやPAといったような熱可塑性材料の粘度よりも、より大きな粘度を有している。すなわち、本発明においては、EVOHは、溶融状態においても非常に粘性的なままであり、そのため、0.5mmよりも厚い厚さでもって回転成形することができる。このことは、熱可塑性材料のかなり流動的なグレードを通常的には必要とするという通常の回転成形手順における要求とは、相違している。
【0016】
EVOH熱可塑性材料は、多量の水分を吸収し、そのことが、EVOHの機械的特性やレオロジー的特性やガスバリア特性を低減してしまう。よって、本発明による多層構造の回転成形においては、EVOHを水から保護することが好ましい。例えば、耐水性の熱可塑材料からなる他の層を使用することによって、EVOHを水から保護することが好ましい。このことは、従来技術においては行われなかったことである。それは、回転成形に関してEVOH以外の層として従来技術において使用されていた熱可塑性材料層に関しての、粘度や流動性等といったようなレオロジー特性、および、融解温度や極性や劣化温度等といったような物理化学的特性が、多くの場合、互いに非常に相違しているからである。
【0017】
本発明は、この問題点を解消する。特に、EVOHに関して微粉化を通して溶融状態においても粘性なままであるような適切なグレードを選択することにより、また、EVOHの融点よりもわずかに高温の印加温度を選択することにより、この問題点を解消する。よって、EVOHからなる厚い層が得られ、EVOH層に対して隣接している他の熱可塑性材料層がEVOH層に対して混合することが防止される。
【0018】
本発明は、さらに、様々な熱可塑性材料層の形成時に装置温度を低減させる必要なく、各層を回転成形することができるあるいは形成することができる、という利点を有している。よって、例えば、従来技術とは異なり、内側熱可塑性材料層の温度すなわち回転成形によって形成される最終層の温度を、外側熱可塑性材料層の温度すなわち最初に形成される層の温度よりも、高温とすることができ、その場合でも、層どうしの相互侵入は起こらない。
【0019】
したがって、本発明は、特に、例えばガス透過性や機械的強度や照射耐性や溶媒耐性等において特性が改良されているような、回転対称性を有した継目無しの一様構造の製造に際して使用される。したがって、本発明は、円筒部材を製造するための方法を提供するとともに、この方法によって得られた円筒部材であって、溶媒や炭化水素やあるいは加圧水素とか加圧酸素とかいうガス等のためのタンクといったような貯蔵応用に完全に適合した円筒部材を提供する。
【0020】
本発明においては、A,Bを、回転成形においてあるいは複数の層の順次的な形成を可能とする技術において使用可能な熱可塑性材料とし、さらに、A,Bを、互いに同じものであっても良くまた互いに異なるものでも良いものとし、その上、A,Bを、エチレン−ビニルアルコールコポリマーとは異なるものとした場合に、エチレン−ビニルアルコールコポリマー層は、例えば、熱可塑性材料Aからなる層の形成と熱可塑性材料Bからなる層の形成との間において形成することができる。
【0021】
本発明においては、エチレン−ビニルアルコールコポリマー層とは異なる層として形成される層をなす熱可塑性材料は、すなわち、熱可塑性材料A,Bは、互いに同じものであっても良くまた互いに異なるものであっても良く、例えば、ポリエチレン(PE)、グラフトポリエチレン(PEG)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、エチレンビニルアセテート(EVA)コポリマー、ポリスチレン(PS)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、アミドポリエステル、ポリアミド(PA)、ポリアリルアミド(PAA)、および、これら熱可塑性材料の混合物、からなるグループの中から選択することができる。
【0022】
本発明による方法は、円筒部材を製造するために使用することができる。
【0023】
本発明の一実施形態においては、円筒部材は、例えば、ポリアミド層と、エチレン−ビニルアルコールコポリマー層と、グラフトポリエチレン層と、を順次的に備えることができる。
【0024】
本発明の他の実施形態においては、円筒部材は、例えば、ポリアミドからなる第1層と、エチレン−ビニルアルコールコポリマー層と、ポリアミドからなる第2層と、を順次的に備えることができ、第1層をなすポリアミドと、第2層をなすポリアミドとは、互いに同じものとされているあるいは互いに異なるものとされている。
【0025】
各層の厚さは、モールドの形状を考慮しつつモールド内へと導入するポリマー粉末の量によって調節することができる。モールド表面は、所望層の厚さによって被覆される。
【0026】
本発明においては、EVOH層の厚さは、例えば想定された用途に応じて材料特性を改良するように、コストや重量や機械的強度やガスバリア特性等の関数として、選択することができる。エチレン−ビニルアルコールコポリマーから構成されたこの層は、例えば、0.3〜20mmという厚さで、好ましくは0.5〜10mmという厚さで、より好ましくは0.5〜5mmという厚さで、形成することができる。ただし、厚さに関するこれら例示は、本発明を限定するものではない。
【0027】
本発明においては、エチレン−ビニルアルコールコポリマー層とは異なる層として回転成形によって形成される熱可塑性材料層は、製造される部材の使用目的のために十分な厚さでもって形成することができ、例えば、0.1〜10mmという厚さで、好ましくは0.1〜5mmという厚さで、形成することができる。ただし、厚さに関するこれら例示は、本発明を限定するものではない。
【0028】
本発明において順次的に複数の層を形成するために使用される技術は、例えば、成型技術、冷プラズマ射出、共ブロー成形、共射出成型、共押出成形、等である。
【0029】
EVOHや他のものといったような熱可塑性材料は、例えば機械的強度や耐老化性を改良したりまた使いやすさを改良したりするために、可能であれば、有機フィラーや無機フィラーを添加することができる。
【0030】
本発明による円筒部材は、さらに、熱的に架橋している樹脂に対して含浸されたカーボンワイヤ構造といったような硬化構造を備えることができる。その場合、製造方法に、円筒部材上にこの硬化構造を形成するための設置ステップや織込ステップを付加することができる。
【0031】
本発明による方法による製造方法は、例えば、以下の手順を使用して行うことができる。
−回転成形によって例えば第1層を形成するための、EVOHとは異なる熱可塑性材料すなわち熱可塑性材料Aからなる粉末を、約200℃という固定温度とされた予熱済みの炉内において回転可能に設置されている装置モールド内へと、導入する。
−内部空気温度が、熱可塑性材料の性質に応じて、第1ポリマーの融点(Tf)と280℃との間における適切な値に到達するまで、回転モールドを、適切な時間にわたって炉内に放置する。
−そして、回転モールドを炉から取り出して、適切な時間にわたって放冷し、モールド内の空気温度を、例えば280℃と130℃との間の温度といったような第1熱可塑性材料の性質に応じた所定温度に到達させる。
−その後、EVOH熱可塑性材料を、高温炉内へと戻された回転モールド内へと、連続的にあるいは非連続的に導入することができる。ガスバリアとして作用するEVOHのグレードは、溶融状態において高粘度を有しているようにしてすなわち本発明により規定されているようにして、選択される。モールド内の空気温度が、EVOHの融点よりわずかに高温の値に到達した時点で、すなわち例えば185℃〜200℃という値に到達した時点で、一般的にはEVOHの融点よりも最大でも50℃高温であるような温度に到達した時点で、回転モールドを炉から取り出して、適切な時間にわたって放冷し、モールド内の空気温度を、例えば20℃と150℃との間の温度といったように、その後に付加される第3ポリマーの性質に応じた所定温度に到達させる。
−その後、EVOHとは異なる第2熱可塑性材料すなわち熱可塑性材料Bからなる粉末を、高温炉内へと戻された回転モールド内へと、連続的にあるいは非連続的に導入することができる。そして、想定される多層構造に応じて、上記第1ポリマーに関して上述したのと同様の手順が、再度開始される。従来技術による回転成形によって得られた多層構造とは異なり、この層に対する印加温度を、先に形成された層に対する印加温度よりも高温とすることができる。それは、本発明の特徴をなすEVOHの高粘度および厚さによるものである。
【0032】
モールド加熱や、引抜時間や、冷却時間や、各層に関する温度パラメータは、使用される熱可塑性材料の性質に応じて決定される。これらパラメータや、モールドの2軸回転速度や、例えばスチールやステンレススチールやPTFE等から形成されたモールドの性質は、ポリマーの溶融層の粘度を調節するために使用可能な、また、ポンプの溶融層内に拘束されたすべてのバブルを追い出すために使用可能な、いくつかの要素である。
【0033】
一般に、本発明においては、各層に対しての加熱時間は、先に形成された層の劣化を防止するため、好ましくは短いものとされ、また、可能な限り短いものとされる。
【0034】
本発明においては、EVOH層は、従来技術と比較して革新的であるような0.5mm以上とすることができる厚さであることにより、最大で230/240℃といったような溶融温度よりわずかに高温の温度において、使用することができる。このことは、熱可塑性材料の融点や印加温度にかかわらず、熱可塑性材料層を、EVOH層上に集積することができることを意味している。これに対し、従来技術においては、層どうしの相互侵入を避ける目的から、後から形成される層に対する印加温度を、低いものとすべきであることが推奨されている。
【0035】
本発明においては、熱可塑性ポリマーの性質や積層の関数として、数hPaという程度の低圧でもって例えば窒素といったような不活性ガスを使用することによって、多層構造の製造を容易なものとすることができる。
【0036】
したがって、本発明は、多くの応用に適用することができる。上述した以外のいくつかの応用には、200×105〜600×105Paという圧力に耐える燃料電池に対する応用や、−40〜160℃にわたる温度変化を受けるような、燃料電池用の水素タンクに対する応用、がある。
【0037】
上述した利点とは別に、本発明による製造方法、および、このような方法により得られた円筒部材は、従来技術におけるよりも軽量のタンクを製造するために使用することができ、製造コストを低減することができ、製造されたタンクの寿命を延ばすことができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の他の特徴点や利点は、添付図面を参照しつつ、本発明を何ら限定するものではなく単なる例示としての以下の説明を読むことにより、明瞭となるであろう。
【0039】
[実験例]
[実験例1]
TOTAL-FINA-ELF社により製造されたポリアミド12(PA12)RISLAN(登録商標)の商品グレード ARVO 950 TLD からなる1mm厚さの外層と;NIPPON
GOHSEI社により製造されたエチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVOH) SOARNOL(登録商標)の商品グレード D 2908 からなる2mm厚さの中間(内側)層と;TOTAL-FINA-ELF社により製造されたグラフトされたポリエチレン(グラフトポリエチレン、グラフトPE)OREVAC(登録商標)の商品グレード 18350 Pからなる1mm厚さの内層と;から構成された3層円筒部材が、本発明による回転成形によって作製された。
【0040】
これら3つの熱可塑性材料に関する理論的融点は、TPA12=170℃、TEVOH=180℃、および、Tgrafted PE=130℃である。
【0041】
主要パラメータとして、サイクル時間と使用温度とが図1に示されている。図1は、本発明による円筒部材の製造時において、回転成形モールドの外面上に配置された温度センサが検出した温度変化(曲線1)と、回転成形炉の内部雰囲気の温度変化(曲線3)とを、単位を分とした時間の関数として示すグラフである。この図において、温度上昇(a,b,c)は、第1層、第2層(EVOH)、および、第3層をなす熱可塑性ポリマーにそれぞれ対応している。
【0042】
各層に対する順次的な印加温度は、180℃、190℃、および、200℃である。PA12からなる第1層が、200℃において再度溶融するものの、EVOH層に対しての相互侵入は、起こらない。それは、200℃においてEVOH層も同様に溶融するものの、EVOH層が、200℃において非常に粘度が高いままでありかつ厚いままであるからである。グラフトPEの溶融温度が約130℃であるけれども、形成されるバブルを除去するためには、それよりも高温を印加しなければならない、すなわち、180℃以上の温度としなければならない。この場合には、200℃とされている。
【0043】
3層間の化学結合は、アセンブリの良好な機械的耐性を保証する3つの極性ポリマー(ポーラーポリマー、polar polymer)を選択することにより、可能である。
【0044】
EVOHペレットは、 WEDCO(登録商標)タイプの装置を使用することにより400μm粉末としさらに乾燥させることによって、前もって微粉化された。
【0045】
回転成形機の2軸回転速度は、一次軸に関しては5.4rpmであり、二次軸に関しては7.3rpmである。使用されるモールドは、アルミニウム製とされ、モールドの内面は、Tefron(登録商標)によってコーティングされている。使用される回転成形機は、ガス炉と ROTOLOG(登録商標)ソフトウェアとを備えているCACCIA(登録商標)タイプのものとされる。
【0046】
[実験例2]
この例においては、TOTAL-FINA-ELF社により製造されたグラフトポリエチレン(グラフトPE)OREVAC(登録商標)の商品グレード 18350 Pからなる1mm厚さの外層と;NIPPON GOHSEI 社により製造されたエチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVOH) SOARNOL(登録商標)の商品グレード D 2908 からなる3mm厚さの中間(内側)層と;TOTAL-FINA-ELF社により製造されたポリアミド12(PA12)RISLAN(登録商標)の商品グレード ARVO 950 TLD からなる1mm厚さの内層と;から構成された3層構造が、本発明による回転成形によって作製された。
【0047】
主要パラメータをなす、サイクル時間と使用温度とが図2に示されている。図2は、3層構成円筒部材の製造時において、回転成形モールドの外面上に配置された温度センサが検出した温度変化と、回転成形炉の内部雰囲気の温度変化とを、単位を分とした時間の関数として、単位を℃として示すグラフである。この図において、温度上昇(a,b,c)は、第1層、第2層(EVOH)、および、第3層をなす熱可塑性ポリマーにそれぞれ対応している。
【0048】
順次的な各層に対する印加温度は、190℃、200℃、および、205℃である。
【0049】
グラフトPEからなる第1層が、205℃において溶融するものの、EVOH層に対しての相互侵入は、起こらない。それは、205℃においてEVOH層も同様に溶融するものの、EVOH層が、205℃において非常に粘度が高いままでありかつ厚いままであるからである。EVOHペレットは、 WEDCO(登録商標)タイプの装置を使用することにより300μm粉末としさらに乾燥させることによって、前もって微粉化された。回転成形機の2軸回転速度は、一次軸に関しては6.2rpmであり、二次軸に関しては8.5rpmである。使用されるモールドは、アルミニウム製とされ、モールドの内面は、Tefron(登録商標)によってコーティングされている。使用される回転成形機は、ガス炉と ROTOLOG(登録商標)ソフトウェアとを備えているCACCIA(登録商標)タイプのものとされる。
【0050】
[実験例3]
この例においては、TOTAL-FINA-ELF社により製造されたポリアミド12(PA12)RISLAN(登録商標)の商品グレード ARVO 950 TLD からなる1mm厚さの外層と;NIPPON GOHSEI 社により製造されたエチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVOH) SOARNOL(登録商標)の商品グレード D 2908 からなる2mm厚さの中間(内側)層と;TOTAL-FINA-ELF社により製造されたポリアミド6(PA6)ORGALLOY(登録商標)の商品グレード LE 6000からなる3mm厚さの内層と;から構成された3層構造が、本発明による回転成形によって作製された。
【0051】
主要パラメータをなす、サイクル時間と使用温度とが図3に示されている。図3は、3層構成円筒部材の製造時において、回転成形モールドの外面上に配置された温度センサが検出した温度変化と、回転成形炉の内部雰囲気の温度変化とを、単位を分とした時間の関数として、単位を℃として示すグラフである。この図において、温度上昇(a,b,c)は、第1層、第2層(EVOH)、および、第3層をなす熱可塑性ポリマーにそれぞれ対応している。
【0052】
順次的な各層に対する印加温度は、190℃、190℃、および、210℃である。
【0053】
得られた3層円筒部材は、上記実験例1,2に関して得られた性質と同じ性質を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 1mm厚さのポリアミド(PA12)/2mm厚さのエチレン−ビニルアルコール/1mm厚さのグラフトポリエチレンからなる3層円筒部材に関しての、本発明による方法を使用した製造時において、回転成形モールドの外面上に配置された温度センサが検出した温度変化と、回転成形炉の内部雰囲気の温度変化とを、単位を分とした時間の関数として示すグラフである。
【図2】 1mm厚さのグラフトポリエチレン/3mm厚さのエチレン−ビニルアルコール/1mm厚さのポリアミド(PA12)からなる3層円筒部材に関しての、本発明による方法を使用した製造時において、回転成形モールドの外面上に配置された温度センサが検出した温度変化と、回転成形炉の内部雰囲気の温度変化とを、単位を分とした時間の関数として示すグラフである。
【図3】 1mm厚さのポリアミド(PA12)/2mm厚さのエチレン−ビニルアルコール/3mm厚さのポリアミド(PA6)からなる3層円筒部材に関しての、本発明による方法を使用した製造時において、回転成形モールドの外面上に配置された温度センサが検出した温度変化と、回転成形炉の内部雰囲気の温度変化とを、単位を分とした時間の関数として示すグラフである。
【符号の説明】
1 曲線
3 曲線
Claims (8)
- 回転成形によってあるいは複数の層の順次的な形成を可能とする技術によって、熱可塑性材料からなる複数の層の順次的な形成を行うというサイクルを具備しているような円筒部材製造方法であって、
前記サイクルにおいては、170〜240℃という温度範囲において、回転成形によってあるいは複数の層の順次的な形成を可能とする技術によって、前記温度範囲において0.94〜1.4g/m 3 という密度を有しかつ1.3〜4.2g/10分というメルトフローインデックスを有したエチレン−ビニルアルコールコポリマーからなる少なくとも1つの層を形成し、
A,Bを、回転成形においてあるいは複数の層の順次的な形成を可能とする技術において使用可能な熱可塑性材料とし、さらに、A,Bを、互いに同じものであっても良くまた互いに異なるものでも良いものとし、その上、A,Bを、エチレン−ビニルアルコールコポリマーとは異なるものとした場合に、
前記エチレン−ビニルアルコールコポリマー層を、熱可塑性材料Aからなる層の形成と熱可塑性材料Bからなる層の形成との間において形成することを特徴とする方法。 - 請求項1記載の方法において、
前記エチレン−ビニルアルコールコポリマー層とは異なる層として形成される層をなす熱可塑性材料を、ポリエチレン、グラフトポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリスチレン、ポリフッ化ビニリデン、アミドポリエステル、ポリアミド、ポリアリルアミド、および、これら熱可塑性材料の混合物、からなるグループの中から選択したものとすることを特徴とする方法。 - 請求項1記載の方法において、
前記エチレン−ビニルアルコールコポリマー層を、0.3〜20mmという厚さで形成することを特徴とする方法。 - 請求項1記載の方法において、
前記エチレン−ビニルアルコールコポリマー層とは異なる層として回転成形によって形成される熱可塑性材料層を、0.1〜10mmという厚さで形成することを特徴とする方法。 - 請求項1記載の方法において、
前記エチレン−ビニルアルコールコポリマー層を、回転成形によってあるいは複数の層の順次的な形成を可能とする技術によって、0.7mm未満というサイズ等級を有したエチレン−ビニルアルコールコポリマー粉末を出発原料として、形成することを特徴とする方法。 - 円筒部材であって、
請求項1〜5のいずれか1項に記載された方法によって得られたことを特徴とする円筒部材。 - 請求項6記載の円筒部材において、
ポリアミド層と、エチレン−ビニルアルコールコポリマー層と、グラフトポリエチレン層と、を順次的に備えていることを特徴とする円筒部材。 - 請求項6記載の円筒部材において、
ポリアミドからなる第1層と、エチレン−ビニルアルコールコポリマー層と、ポリアミドからなる第2層と、を順次的に備え、
第1層をなすポリアミドと、第2層をなすポリアミドとが、互いに同じものとされているあるいは互いに異なるものとされていることを特徴とする円筒部材。
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