以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の担保管理システム10の全体構成が示されている。図2には、時価情報記憶手段40の構成が示され、図3には、融資額記憶手段41の構成が示され、図4には、信用取引建玉金額記憶手段42の構成が示され、図5には、担保情報記憶手段43の構成が示され、図6には、最適判定結果記憶手段45の構成が示され、図7には、維持率調整結果記憶手段44の構成が示されている。また、図8および図9には、ローン用および信用取引用の担保の管理の流れがフローチャートで示されている。さらに、図10には、指定状態選択画面100の一例が示され、図11には、履歴を示すグラフを含む詳細情報画面200の一例が示されている。また、図12は、維持率の調整処理の説明図である。
図1において、担保管理システム10は、ローン用の担保および信用取引用の担保を管理する処理を実行する担保管理サーバ20と、この担保管理サーバ20とネットワーク1を介して接続された顧客端末装置50とを備えている。また、担保管理サーバ20には、時価情報を提供する処理を実行する時価情報提供システム60が専用線2で接続されている。さらに、担保管理サーバ20には、証券会社が顧客から預かっている預り資産を管理する処理を実行する預り資産管理システム70と、ローンに関する処理を実行するローン管理システム80と、信用取引に関する処理を実行する信用取引管理システム90とが専用線3,4,5で接続されている。
ネットワーク1は、本実施形態では、主としてインターネットであるが、インターネットとイントラネットやLAN等との組合せでもよく、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わず、要するに、複数地点(距離の長短は問わない。)間で、ある程度の速度をもって情報を伝送することができるものであればよい。また、専用線2〜5は、ネットワーク1でもよく、あるいはイントラネットやLAN等で構成される社内やグループ企業内等におけるネットワークでもよい。
担保管理サーバ20は、ローン用の担保および信用取引用の担保の管理に必要な各種処理を実行する処理手段20Aと、この処理手段20Aに接続されて担保の管理に必要な各種データを記憶する各種の記憶手段、すなわち時価情報記憶手段40、融資額記憶手段41、信用取引建玉金額記憶手段42、担保情報記憶手段43、維持率調整結果記憶手段44、および最適判定結果記憶手段45とを備えて構成されている。
処理手段20Aは、連携情報取得処理手段21と、担保区分指定受付処理手段22と、時価情報取得処理手段23と、維持率算出処理手段24と、維持率不適正判断処理手段25と、維持率調整処理手段26と、維持率調整結果判断処理手段27と、最適指定状態判定処理手段28と、担保区分振替候補表示処理手段29と、履歴グラフ表示処理手段30と、担保区分振替処理手段31とを含んで構成されている。
連携情報取得処理手段21は、預り資産管理システム70、ローン管理システム80、および信用取引管理システム90にアクセスし、これらのシステム70,80,90から各種の連携情報を取得する処理を実行するものである。この際、各システム70,80,90へのアクセスは、連携情報取得処理手段21による時間管理で連携情報取得処理手段21による送信要求から始まってもよく、あるいは各システム70,80,90による時間管理で各システム70,80,90からの送信処理で始まってもよい。
具体的には、連携情報取得処理手段21は、専用線3を介して預り資産管理システム70にアクセスし、預り資産管理システム70から、証券会社が各顧客から預かっている預り資産の情報、すなわち各顧客が保有する株式等の金融商品についての金融商品識別情報(銘柄コード等)およびその保有数量(株数等)を、顧客識別情報(口座番号等)とともに受信し、受信した金融商品識別情報(銘柄コード等)およびその保有数量(株数等)を、顧客識別情報(口座番号等)と関連付けて担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶させる処理を行う。この処理は、金融商品の売買が行われ、預り資産管理システム70における各顧客の各金融商品の保有情報が更新される都度に行ってもよく、あるいは預り資産管理システム70における保有情報の更新のタイミングにかかわらず、担保管理サーバ20による所定のタイミングで(例えば、定期的に)行ってもよい。なお、預り資産管理システム70において、時価情報(単価)や評価額(保有数量×単価)が保存および更新管理されている場合には、これらの情報を併せて受信し、担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶させてもよい。
また、連携情報取得処理手段21は、専用線4を介してローン管理システム80にアクセスし、ローン管理システム80から、各顧客への融資額およびローン用の担保とする各金融商品(株式等)についての金融商品識別情報(銘柄コード等)を、顧客識別情報(口座番号等)とともに受信し、受信した各顧客の融資額を、顧客識別情報と関連付けて融資額記憶手段41(図3参照)に記憶させるとともに、受信した金融商品識別情報(銘柄コード等)に対応させて、担保情報記憶手段43(図5参照)の担保区分に、ローン用の担保であることを示すデータを保存する処理を行う。この処理は、ローン管理システム80において、ローンの契約(極度貸付契約)の申込および借入の申込の受付が行われ、契約や借入の審査を経て融資額が定まった際に行われるとともに、その後にローンの返済や追加借入等による融資額の増減があった際にも行われるが、後者の場合には、ローン用の担保とする各金融商品(株式等)についての金融商品識別情報(銘柄コード等)は受信せずに、増減された融資額を、顧客識別情報(口座番号等)とともに受信するだけでよい。また、前者の場合に、先ず、ローンの契約(極度貸付契約)の申込の受付が行われて契約の審査が行われ、その後、時間を置いて、借入の申込の受付が行われて借入の審査が行われ、融資額が定まるようなときには、先ず、ローン管理システム80から、各顧客が指定したローン用の担保とする各金融商品(株式等)についての金融商品識別情報(銘柄コード等)を、顧客識別情報(口座番号等)とともに受信し、受信した金融商品識別情報(銘柄コード等)に対応させて、担保情報記憶手段43(図5参照)の担保区分に、ローン用の担保であることを示すデータを保存し、その後、ローン管理システム80から、各顧客への融資額を、顧客識別情報(口座番号等)とともに受信し、受信した各顧客の融資額を、顧客識別情報と関連付けて融資額記憶手段41(図3参照)に記憶させてもよい。
なお、ローン管理システム80において、ローンの契約(極度貸付契約)の申込および借入の申込の受付が行われる際には、連携情報取得処理手段21により、担保情報記憶手段43(図5参照)における当該顧客の保有する各金融商品の担保区分を参照し、当該顧客が既に信用取引用の担保に指定している金融商品があれば、それらの金融商品についての金融商品識別情報(銘柄コード等)を、担保管理サーバ20からローン管理システム80へ送信するか、あるいはローン用の担保とすることができる金融商品(すなわち信用取引用の担保に指定されていない金融商品)についての金融商品識別情報(銘柄コード等)を、担保管理サーバ20からローン管理システム80へ送信する。これにより、連携情報取得処理手段21は、ローン管理システム80に対し、ローン管理システム80でのローン申込受付時において顧客がローン用の担保の指定をする際に参照する情報(いずれの金融商品をローン用の担保に指定することができるかという情報)を提供することができ、あるいはローン管理システム80での審査時において顧客によりローン用の担保として指定された金融商品が信用取引用の担保に指定されていないか否かのチェック処理に用いられる情報を提供することができる。
さらに、連携情報取得処理手段21は、専用線5を介して信用取引管理システム90にアクセスし、信用取引管理システム90から、各顧客の信用取引建玉金額および信用取引用の担保とする各金融商品(株式等)についての金融商品識別情報(銘柄コード等)を、顧客識別情報(口座番号等)とともに受信し、受信した各顧客の信用取引建玉金額を、顧客識別情報と関連付けて信用取引建玉金額記憶手段42(図4参照)に記憶させるとともに、受信した金融商品識別情報(銘柄コード等)に対応させて、担保情報記憶手段43(図5参照)の担保区分に、信用取引用の担保であることを示すデータを保存する処理を行う。この処理は、信用取引管理システム90において、信用取引の契約の申込の受付が行われ、信用取引の建て処理が行われて信用取引建玉金額が定まった際に行われるとともに、その後に建て処理や埋め処理(手仕舞いの処理)が行われて信用取引建玉金額の増減があった際にも行われるが、後者の場合には、信用取引用の担保とする各金融商品(株式等)についての金融商品識別情報(銘柄コード等)は受信せずに、増減された信用取引建玉金額を、顧客識別情報(口座番号等)とともに受信するだけでよい。また、前者の場合に、先ず、信用取引の契約の申込の受付が行われ、その後、時間を置いて、信用取引の建て処理が行われ、信用取引建玉金額が定まるようなときには、先ず、信用取引管理システム90から、各顧客が指定した信用取引用の担保とする各金融商品(株式等)についての金融商品識別情報(銘柄コード等)を、顧客識別情報(口座番号等)とともに受信し、受信した金融商品識別情報(銘柄コード等)に対応させて、担保情報記憶手段43(図5参照)の担保区分に、信用取引用の担保であることを示すデータを保存し、その後、信用取引管理システム90から、各顧客の信用取引建玉金額を、顧客識別情報(口座番号等)とともに受信し、受信した各顧客の信用取引建玉金額を、顧客識別情報と関連付けて信用取引建玉金額記憶手段42(図4参照)に記憶させてもよい。
なお、信用取引管理システム90において、信用取引の契約の申込の受付が行われる際には、連携情報取得処理手段21により、担保情報記憶手段43(図5参照)における当該顧客の保有する各金融商品の担保区分を参照し、当該顧客が既にローン用の担保に指定している金融商品があれば、それらの金融商品についての金融商品識別情報(銘柄コード等)を、担保管理サーバ20から信用取引管理システム90へ送信するか、あるいは信用取引用の担保とすることができる金融商品(すなわちローン用の担保に指定されていない金融商品)についての金融商品識別情報(銘柄コード等)を、担保管理サーバ20から信用取引管理システム90へ送信する。これにより、連携情報取得処理手段21は、信用取引管理システム90に対し、信用取引管理システム90での信用取引申込受付時において顧客が信用取引用の担保の指定をする際に参照する情報(いずれの金融商品を信用取引用の担保に指定することができるかという情報)を提供することができ、あるいは信用取引管理システム90において顧客により信用取引用の担保として指定された金融商品がローン用の担保に指定されていないか否かのチェック処理に用いられる情報を提供することができる。
担保区分指定受付処理手段22は、顧客が保有する各金融商品について、ローン用の担保とするか、信用取引用の担保とするかの顧客による担保区分の指定のための入力を受け付ける処理を実行するものである。本実施形態では、顧客による担保区分の最初の指定は、ローン管理システム80および信用取引管理システム90で行われ、その指定情報を、連携情報取得処理手段21により、ローン管理システム80および信用取引管理システム90から取得するので、この担保区分指定受付処理手段22による指定の受付処理は、本実施形態では、顧客が指定を変更する場合、および金融商品の購入により、保有する金融商品に新規なものが加わったときに、その新規な金融商品について顧客が担保区分を指定する場合に行われる。
具体的には、担保区分指定受付処理手段22は、担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶された当該顧客の各金融商品の担保区分を参照し、各金融商品について指定されている担保区分の表示用データ(ローン用および信用取引用のいずれの担保にも指定されていない金融商品の表示も含む。)を、ネットワーク1を介して顧客端末装置50へ送信するとともに、ネットワーク1を介して顧客端末装置50から送信されてきた顧客による担保区分の変更後の指定状態または新規な金融商品についての担保区分の指定情報を受信し、受信した担保区分の情報に基づき、担保情報記憶手段43(図5参照)の担保区分を変更し、または新規な金融商品について指定された担保区分を担保情報記憶手段43(図5参照)に保存する処理を行う。
また、担保区分指定受付処理手段22は、後述する維持率不適正判断処理手段25による処理で、ローン維持率または信用取引維持率が不適正であると判断された場合に採る対応処理についての顧客の選択を受け付ける処理も行う。不適正であると判断された場合に採る対応処理としては、例えば、(a)後述する維持率調整結果判断処理手段27により適正条件(ローン維持率および信用取引維持率の双方が共に不適正でないという条件)を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態を顧客端末装置50に画面表示し、この中からの顧客の選択を受け付ける処理、(b)適正条件を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態と、最適判定結果(1),(2),(3)(図10参照)の全部または一部とを顧客端末装置50に画面表示し、この中からの顧客の選択を受け付ける処理、(c)最適判定結果(1),(2),(3)(図10参照)のうちのいずれかで自動的に担保区分の指定の変更を行う処理等があり、担保区分指定受付処理手段22は、これらの(a),(b),(c)等の対応処理の中から、顧客の選択を受け付ける。具体的には、担保区分指定受付処理手段22は、ネットワーク1を介して顧客端末装置50へ選択肢(a),(b),(c)等を表示した画面の表示用データを送信するとともに、顧客端末装置50からネットワーク1を介して送信されてくる顧客による対応処理の選択情報を受信し、受信した対応処理の選択情報を、図示されない対応処理選択情報記憶手段に顧客識別情報(口座番号等)と関連付けて記憶させる。
時価情報取得処理手段23は、専用線2を介して時価情報提供システム60から、各金融商品の時価情報(単価)を金融商品識別情報(銘柄コード等)とともに取得し、取得した時価情報(単価)を、金融商品識別情報(銘柄コード等)と関連付けて時価情報記憶手段40(図2参照)に記憶させる処理を実行するものである。
維持率算出処理手段24は、各顧客のローン維持率および信用取引維持率を算出する処理を行うものである。すなわち、維持率算出処理手段24は、処理対象の顧客についての顧客識別情報をキーとして、担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶された当該顧客の各金融商品の担保区分を参照し、担保情報記憶手段43から、担保区分にローン用の担保であることを示すデータが記憶されている金融商品の保有数量(株数等)を抽出し、当該金融商品についての金融商品識別情報(銘柄コード等)をキーとして、時価情報記憶手段40(図2参照)に記憶された当該金融商品の最新の時価情報(単価)を抽出し、抽出した金融商品の保有数量(株数等)と、その時価情報(単価)とを乗じることにより、その金融商品の評価額を算出する。そして、算出した評価額および算出に用いた時価情報(単価)を、担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶させる。図5の例では、大和太郎の保有する銘柄Dについて、担保区分にローン用の担保であることを示すデータが記憶され、この銘柄Dについての保有数量(株数)が600株、時価情報(単価)が3,200円となっているので、評価額は、600株×3,200円=1,920,000円と算出され、この評価額1,920,000円と、時価情報(単価)3,200円とが、保有数量(株数)600株と対応した状態で、大和太郎の保有する銘柄Dのデータとして担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶される。さらに、維持率算出処理手段24は、評価額に、予め定められた代用掛目(担保掛目ともいい、例えば60%とする。)を乗じることにより、当該金融商品についてのローン用の担保としての担保評価額を算出し、算出したローン用の担保としての金融商品の担保評価額を、ローン用の担保とされている全ての金融商品について合計する。図5の例では、大和太郎がローン用の担保として指定しているのは銘柄D,E,Fであるから、これらの評価額1,920,000円、3,010,000円、3,660,000円に、それぞれ60%を乗じて担保評価額1,152,000円、1,806,000円、2,196,000円を算出し、これらの合計額5,154,000円を算出する。それから、処理対象の顧客についての顧客識別情報をキーとして、融資額記憶手段(図3参照)に記憶された当該顧客の融資額を抽出し、抽出した当該顧客の融資額を、ローン用の担保に供された当該顧客の各金融商品の担保評価額の合計額で除することにより、当該顧客のローン維持率を算出する。図3の例では、大和太郎への融資額は、450万円であるから、大和太郎のローン維持率は、4,500,000円÷5,154,000円=87.31%と算出される(図10の指定状態番号23参照)。
また、維持率算出処理手段24は、処理対象の顧客についての顧客識別情報をキーとして、担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶された当該顧客の各金融商品の担保区分を参照し、担保情報記憶手段43から、担保区分に信用取引用の担保であることを示すデータが記憶されている金融商品の保有数量(株数等)を抽出し、当該金融商品についての金融商品識別情報(銘柄コード等)をキーとして、時価情報記憶手段40(図2参照)に記憶された当該金融商品の最新の時価情報(単価)を抽出し、抽出した金融商品の保有数量(株数等)と、その時価情報(単価)とを乗じることにより、その金融商品の評価額を算出する。そして、算出した評価額および算出に用いた時価情報(単価)を、担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶させる。図5の例では、大和太郎の保有する銘柄Aについて、担保区分に信用取引用の担保であることを示すデータが記憶され、この銘柄Aについての保有数量(株数)が1,000株、時価情報(単価)が2,200円となっているので、評価額は、1,000株×2,200円=2,200,000円と算出され、この評価額2,200,000円と、時価情報(単価)2,200円とが、保有数量(株数)1,000株と対応した状態で、大和太郎の保有する銘柄Aのデータとして担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶される。さらに、維持率算出処理手段24は、評価額に、予め定められた代用掛目(担保掛目ともいい、例えば80%とする。)を乗じることにより、当該金融商品についての信用取引用の担保としての担保評価額を算出し、算出した信用取引用の担保としての金融商品の担保評価額を、信用取引用の担保とされている全ての金融商品について合計する。図5の例では、大和太郎が信用取引用の担保として指定しているのは銘柄A,B,Cであるから、これらの評価額2,200,000円、6,200,000円、3,250,000円に、それぞれ80%を乗じて担保評価額1,760,000円、4,960,000円、2,600,000円を算出し、これらの合計額9,320,000円を算出する。それから、処理対象の顧客についての顧客識別情報をキーとして、信用取引建玉金額記憶手段(図4参照)に記憶された当該顧客の信用取引建玉金額を抽出し、信用取引用の担保に供された当該顧客の各金融商品の担保評価額の合計額を、抽出した当該顧客の信用取引建玉金額で除することにより、当該顧客の信用取引維持率を算出する。図4の例では、大和太郎の信用取引建玉金額は、2000万円であるから、大和太郎の信用取引維持率は、9,320,000円÷20,000,000円=46.60%と算出される(図10の指定状態番号23参照)。
維持率不適正判断処理手段25は、維持率算出処理手段24により算出したローン維持率が、予め定められたローン維持率用閾値以上または超過(本実施形態では、「以上」とする。)であるか否かを判断するとともに、維持率算出処理手段24により算出した信用取引維持率が、予め定められた信用取引維持率用閾値以下または未満(本実施形態では、「以下」とする。)であるか否かを判断する処理を実行するものである。
ここで、ローン維持率用閾値は、本実施形態では、一例として、85%(以上)とする。また、ローン維持率用閾値は、後述する維持率調整処理手段26による処理の対象とするか否かを決めるための境界値であるが、この他に、顧客に対し、ローン維持率が悪化(上昇)していることを知らせるための境界値として、アラームレベル1(例えば、ローン維持率70%(以上))、アラームレベル2(例えば、ローン維持率80%(以上))を設けてもよい。そして、これらのアラームレベル1(例えば、ローン維持率70%(以上))、アラームレベル2(例えば、ローン維持率80%(以上))、およびローン維持率用閾値(例えば、ローン維持率85%(以上))は、例えば、プログラム内に記述してもよく、あるいは値の設定変更を容易にするために、図示されない閾値記憶手段に記憶させておいてもよい。
また、信用取引維持率用閾値は、本実施形態では、一例として、25%(以下)とする。また、信用取引維持率用閾値は、後述する維持率調整処理手段26による処理の対象とするか否かを決めるための境界値であるが、この他に、顧客に対し、信用取引維持率が悪化(下降)していることを知らせるための境界値として、アラームレベル(例えば、信用取引維持率30%(以下))を設けてもよい。そして、これらのアラームレベル(例えば、信用取引維持率30%(以下))および信用取引維持率用閾値(例えば、信用取引維持率25%(以下))は、例えば、プログラム内に記述してもよく、あるいは値の設定変更を容易にするために、図示されない閾値記憶手段に記憶させておいてもよい。
さらに、維持率不適正判断処理手段25は、ローン維持率がローン維持率用閾値以上または超過(本実施形態では、「以上」)であると判断した場合、または信用取引維持率が信用取引維持率用閾値以下または未満(本実施形態では、「以下」)であると判断した場合に、顧客に対し、維持率が不適正である旨(悪化している旨)および対応処理の内容を通知する処理も行う。具体的には、維持率不適正判断処理手段25は、図示されない顧客情報記憶手段に顧客識別情報(口座番号等)と関連付けて記憶されている当該顧客の電子メールアドレス等を用いて、電子メール等を当該顧客の操作する顧客端末装置50へネットワーク1を介して送信する処理(正確には、当該顧客の契約しているプロバイダが管理する当該顧客のPOPサーバへ送信する処理)等を行う。この通知には、例えば、「ローン維持率が85%以上になりました。」、「信用取引維持率が25%以下になりました。」等の維持率の悪化の通知と、例えば、「自己の端末装置を操作し、画面表示された幾つかの仮振替後の指定状態の中から、採用する指定状態を選択する手続を行って下さい。」、「最適判定結果(1)に基づき担保区分の指定の変更を自動的に行います。」等の対応処理の通知とが含まれる。
なお、ローン維持率について、アラームレベル1(例えば、ローン維持率70%(以上))およびアラームレベル2(例えば、ローン維持率80%(以上))を設けた場合、並びに信用取引維持率について、アラームレベル(例えば、信用取引維持率30%(以下))を設けた場合には、維持率不適正判断処理手段25は、これらのレベルに達したか否かを判断し、達していたときには、顧客に対し、これらのレベルに達した旨の通知を、電子メール等で送信する処理を行う。
維持率調整処理手段26は、維持率不適正判断処理手段25によりローン維持率がローン維持率用閾値以上または超過(本実施形態では、「以上」)であると判断した場合、または信用取引維持率が信用取引維持率用閾値以下または未満(本実施形態では、「以下」)であると判断した場合に、維持率が不適正と判断された顧客の保有する各金融商品の担保区分についてローン用の担保の指定と信用取引用の担保の指定とを仮に振り替え、得られた全ての仮振替後の指定状態について、ローン用の担保に供された各金融商品の担保評価額の合計額を仮算出してローン維持率を仮算出するとともに、信用取引用の担保に供された各金融商品の担保評価額の合計額を仮算出して信用取引維持率を仮算出する処理を実行するものである。例えば、図5に示すように、大和太郎が銘柄A,B,C,D,E,Fの6銘柄を保有していたとすると、図10に示すように、これらの6銘柄の全てをローン用の担保にする場合(1通りである。図10の指定状態番号1参照)、6銘柄のうち1銘柄を信用取引用の担保とし、残りをローン用の担保にする場合(6C1=6通りである。図10の指定状態番号2〜7参照)、6銘柄のうち2銘柄を信用取引用の担保とし、残りをローン用の担保にする場合(6C2=15通りである。図10の指定状態番号8,9,10…参照)、6銘柄のうち3銘柄を信用取引用の担保とし、残りをローン用の担保にする場合(6C3=20通りである。図10の指定状態番号23,24,25,26…参照)、6銘柄のうち4銘柄を信用取引用の担保とし、残りをローン用の担保にする場合(6C4=15通りである。)、6銘柄のうち5銘柄を信用取引用の担保とし、残りをローン用の担保にする場合(6C5=6通りである。)、6銘柄の全てを信用取引用の担保にする場合(1通りである。)があるので、これらの全ての場合について、ローン維持率および信用取引維持率の仮算出を行う。なお、ローン維持率および信用取引維持率の仮算出方法は、維持率算出処理手段24の処理と同様である。また、本実施形態では、1人の顧客が保有する金融商品は、すべてローン用の担保か信用取引用の担保のいずれかに指定されているが、本発明においては、いずれの担保にも指定されない金融商品が存在する状態での維持率調整(ローン維持率および信用取引維持率の仮算出)を行ってもよく、この場合において、いずれの担保にも指定されない金融商品は、いずれの担保にも指定しないことを顧客が指定した金融商品でもよく、あるいはシステムで自動的にいずれの指定も外すことを決めた金融商品(維持率調整において、いずれの指定も外すことを決めた金融商品およびその数を、変化させていく処理を行う場合を含む。)でもよい。
そして、維持率調整処理手段26は、仮振替後の指定状態(各金融商品についての金融商品識別情報および仮の担保区分)、各金融商品についての担保評価額、ローン用の担保に供された金融商品の担保評価額の合計額、信用取引用の担保に供された金融商品の担保評価額の合計額、並びに仮算出したローン維持率および信用取引維持率を、顧客識別情報(口座番号等)および指定状態番号と関連付けて維持率調整結果記憶手段44(図7参照)に記憶させる処理も行う。また、維持率調整処理手段26は、ローン用の担保に供された金融商品の担保評価額の合計額に、極度掛目(例えば、80%等)を乗じることにより、極度融資可能額を算出するとともに、信用取引用の担保に供された金融商品の担保評価額の合計額に、一定比率(例えば、10/3等)を乗じることにより、信用取引建可能額を算出し、算出した極度融資可能額および信用取引建可能額も、顧客識別情報(口座番号等)および指定状態番号と関連付けて維持率調整結果記憶手段44(図7参照)に記憶させる。
維持率調整結果判断処理手段27は、維持率調整処理手段26により仮算出したローン維持率が、ローン維持率用閾値未満または以下(本実施形態では、一例として「85%未満」とする。)であり、かつ、維持率調整処理手段26により仮算出した信用取引維持率が、信用取引維持率用閾値超過または以上(本実施形態では、一例として「25%超過」とする。)であるという条件(適正条件)を満たすか否かを判断する処理を実行するものである。また、維持率調整結果判断処理手段27は、上記の判断処理に加え、ローン維持率が80%未満で、かつ信用取引維持率が30%超過の場合に該当するか否かを判断する処理も行う。そして、維持率調整結果判断処理手段27は、図10に示すように、ローン維持率が80%未満で、かつ信用取引維持率が30%超過の場合に該当すれば、指定状態評価結果を「○」とし、そこまでは良好ではないものの、ローン維持率が85%未満で、かつ信用取引維持率が25%超過の場合に該当すれば、指定状態評価結果を「△」とし、それ以外の場合、すなわちローン維持率が85%以上、または信用取引維持率が25%以下の場合は、指定状態評価結果を「×」とし、これらの指定状態評価結果を、顧客識別情報(口座番号等)および指定状態番号と関連付けて維持率調整結果記憶手段44(図7参照)に記憶させる。
最適指定状態判定処理手段28は、維持率調整結果判断処理手段27により上記の適正条件を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態について、ローン維持率についてのローン維持率用閾値に対するパーセンテージの余裕度を算出するとともに、信用取引維持率についての信用取引維持率用閾値に対するパーセンテージの余裕度を算出し、維持率調整結果判断処理手段27により適正条件を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態の中から、双方の余裕度が等しいかまたは最も近くなる最適な仮振替後の指定状態を判定する処理を実行するものである。この判定結果を、最適判定結果(1)という(図10参照)。図7の例では、維持率調整結果記憶手段44における大和太郎の指定状態番号24について見ると、ローン維持率は、75.60%であるから、ローン維持率用閾値85%に対するパーセンテージの余裕度は、85%−75.60%=9.4%である。一方、信用取引維持率は、41.28%であるから、信用取引維持率用閾値25%に対するパーセンテージの余裕度は、41.28%−25%=16.28%である。従って、パーセンテージの余裕度の差は、16.28%−9.4%=6.88%である。このようなローン維持率および信用取引維持率についてのパーセンテージの余裕度の差の算出処理を、指定状態評価結果が「○」または「△」となっている全ての仮振替後の指定状態について行い、パーセンテージの余裕度の差が最も小さい仮振替後の指定状態を、最適な仮振替後の指定状態と判定する。
また、最適指定状態判定処理手段28は、維持率調整結果判断処理手段27により適正条件を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態について、顧客の融資額をローン維持率用閾値で除して顧客のローン用必要担保評価額を算出し、このローン用必要担保評価額とローン用の担保に供された顧客の各金融商品の担保評価額の合計額との差額を算出するとともに、顧客の信用取引建玉金額に信用取引維持率用閾値を乗じて顧客の信用取引用必要担保評価額を算出し、この信用取引用必要担保評価額と信用取引用の担保に供された前記顧客の各金融商品の担保評価額の合計額との差額を算出し、維持率調整結果判断処理手段27により適正条件を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態の中から、双方の差額(金額の余裕度)が等しいかまたは最も近くなる最適な仮振替後の指定状態を判定する処理を実行するものである。この判定結果を、最適判定結果(2)という(図10参照)。例えば、融資額記憶手段41(図3参照)における大和太郎の融資額は、450万円であるから、この融資額450万をローン維持率用閾値85%で除して、顧客のローン用必要担保評価額529.4万円を算出する(図10参照)。そして、図7の例で、維持率調整結果記憶手段44における大和太郎の指定状態番号24について見ると、ローン用の担保に供された顧客の各金融商品の担保評価額の合計額は、595.2万円であるから、ローン用必要担保評価額529.4万円と、ローン用の担保に供された顧客の各金融商品の担保評価額の合計額595.2万円との差額(金額の余裕度)は、595.2万円−529.4万円=65.8万円である。一方、信用取引建玉金額記憶手段42(図4参照)における大和太郎の信用取引建玉金額は、2000万円であるから、この信用取引建玉金額2000万円に信用取引維持率用閾値25%を乗じて顧客の信用取引用必要担保評価額500万円を算出する(図10参照)。そして、図7の例で、維持率調整結果記憶手段44における大和太郎の指定状態番号24について見ると、信用取引用の担保に供された顧客の各金融商品の担保評価額の合計額は、825.6万円であるから、信用取引用必要担保評価額500万円と、信用取引用の担保に供された顧客の各金融商品の担保評価額の合計額825.6万円との差額(金額の余裕度)は、825.6万円−500万円=325.6万円である。従って、金額の余裕度の差は、325.6万円−65.8万円=259.8万円である。このようなローン用の担保に供された各金融商品の担保評価額の合計額および信用取引用の担保に供された各金融商品の担保評価額の合計額についての必要額に対する金額の余裕度(差額)の差の算出処理を、指定状態評価結果が「○」または「△」となっている全ての仮振替後の指定状態について行い、金額の余裕度の差が最も小さい仮振替後の指定状態を、最適な仮振替後の指定状態と判定する。
さらに、最適指定状態判定処理手段28は、維持率調整結果判断処理手段27により適正条件を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態について、顧客の融資額をローン維持率用閾値で除して顧客のローン用必要担保評価額を算出し、顧客の信用取引建玉金額に信用取引維持率用閾値を乗じて顧客の信用取引用必要担保評価額を算出し、顧客のローン用必要担保評価額と顧客の信用取引用必要担保評価額との比率を算出するとともに、ローン用の担保に供された顧客の各金融商品の担保評価額の合計額と信用取引用の担保に供された顧客の各金融商品の担保評価額の合計額との比率を算出し、維持率調整結果判断処理手段27により適正条件を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態の中から、双方の比率が等しいかまたは最も近くなる最適な仮振替後の指定状態を判定する処理を実行するものである。この判定結果を、最適判定結果(3)という(図10参照)。例えば、融資額記憶手段41(図3参照)における大和太郎の融資額は、450万円であるから、この融資額450万をローン維持率用閾値85%で除して、顧客のローン用必要担保評価額529.4万円を算出する(図10参照)。一方、信用取引建玉金額記憶手段42(図4参照)における大和太郎の信用取引建玉金額は、2000万円であるから、この信用取引建玉金額2000万円に信用取引維持率用閾値25%を乗じて顧客の信用取引用必要担保評価額500万円を算出する(図10参照)。そして、顧客のローン用必要担保評価額529.4万円と顧客の信用取引用必要担保評価額500万円との比率1.0588を算出する。また、図7の例では、維持率調整結果記憶手段44における大和太郎の指定状態番号24について見ると、ローン用の担保に供された顧客の各金融商品の担保評価額の合計額は、595.2万円であり、信用取引用の担保に供された顧客の各金融商品の担保評価額の合計額は、825.6万円であるから、これらの比率0.7209を算出する。従って、必要担保評価額の比率が1.0588であるのに対し、各金融商品の担保評価額の合計額の比率は、0.7209である。このような必要担保評価額の比率と各金融商品の担保評価額の合計額の比率との比較処理を、指定状態評価結果が「○」または「△」となっている全ての仮振替後の指定状態について行い、必要担保評価額の比率1.0588に対し、各金融商品の担保評価額の合計額の比率が最も近くなる仮振替後の指定状態を、最適な仮振替後の指定状態と判定する。つまり、ローン用の担保に供された顧客の各金融商品の担保評価額の合計額と、信用取引用の担保に供された顧客の各金融商品の担保評価額の合計額との大小関係が、顧客のローン用必要担保評価額と、顧客の信用取引用必要担保評価額との大小関係に比例するような仮振替後の指定状態を最適と判定する。
担保区分振替候補表示処理手段29は、維持率調整結果判断処理手段27により適正条件を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態を含む複数の仮振替後の指定状態およびそれらの評価結果、並びに最適指定状態判定処理手段28により得られた最適な仮振替後の指定状態を示す指定状態選択画面100(図10参照、例えばWeb画面)の表示用データを、維持率調整結果記憶手段44(図7参照)、最適判定結果記憶手段45(図6参照)、融資額記憶手段41(図3参照)、および信用取引建玉金額記憶手段42(図4参照)に記憶されたデータを用いて作成し、作成した表示用データを、顧客端末装置50へネットワークを介して送信することにより、顧客端末装置50の画面上に、図10に示すように、適正条件を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態を含む複数の仮振替後の指定状態およびそれらの評価結果、並びに最適な仮振替後の指定状態を、顧客による選択候補として表示する処理を実行するものである。
履歴グラフ表示処理手段30は、維持率調整結果判断処理手段27により適正条件を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態を含む複数の仮振替後の指定状態について、顧客端末装置50の画面上に、図11に示すような履歴グラフを含む詳細情報画面200(例えばWeb画面)を表示する処理を実行するものである。具体的には、履歴グラフ表示処理手段30は、図10の指定状態選択画面100で顧客が「詳細」ボタン136をクリックしたときに顧客端末装置50からネットワーク1を介して送信されてくる顧客による詳細情報の表示要求信号として、指定状態番号を顧客識別情報(口座番号等)とともに受信し、受信した顧客識別情報(口座番号等)および指定状態番号をキーとして、維持率調整結果記憶手段44(図7参照)に記憶された当該顧客の当該指定状態番号に対応する仮振替後の指定状態における各金融商品の仮の担保区分を参照し、仮の担保区分にローン用の担保であることを示すデータが記憶されている当該顧客の各金融商品についての金融商品識別情報(銘柄コード等)を抽出し、担保情報記憶手段43(図5参照)から、抽出した金融商品識別情報(銘柄コード等)をキーとして、当該顧客の各金融商品の保有数量(株数)を抽出し、抽出した各金融商品の保有数量(株数)と、時価情報記憶手段40(図2参照)に記憶された各金融商品の最新の時価情報(単価)および過去の時価情報(単価)とを乗じることにより、過去から現在までの各金融商品の評価額を算出し、さらに予め定められた代用掛目(例えば60%)を乗じることにより、過去から現在までのローン用の担保としての各金融商品の担保評価額を算出し、この担保評価額を、それぞれの時点において、仮振替えでローン用の担保とされている当該顧客の全ての金融商品について合計することにより、ローン用の担保に供された当該顧客の各金融商品の担保評価額の合計額の履歴を示すグラフのデータを作成する。この際、各金融商品の保有数量(株数)は、過去の時価情報と乗じるときも、過去の保有数量(株数)ではなく、現在の保有数量(株数)を用い、過去においても現在の保有数量(株数)が継続していたものと仮定して過去の評価額を算出する。つまり、変動させるのは、時価情報のみとする。また、過去の時点において、いずれの金融商品がローン用の担保に指定されていたかは関係なく、仮振替えでローン用の担保とされている金融商品が、過去から現在に至るまで継続してローン用の担保に指定されていたものと仮定して、それらの各金融商品のローン用の担保としての過去の担保評価額を算出する。
また、履歴グラフ表示処理手段30は、顧客端末装置50からネットワーク1を介して受信した顧客識別情報(口座番号等)および指定状態番号をキーとして、維持率調整結果記憶手段44(図7参照)に記憶された当該顧客の当該指定状態番号に対応する仮振替後の指定状態における各金融商品の仮の担保区分を参照し、仮の担保区分に信用取引用の担保であることを示すデータが記憶されている当該顧客の各金融商品についての金融商品識別情報(銘柄コード等)を抽出し、担保情報記憶手段43(図5参照)から、抽出した金融商品識別情報(銘柄コード等)をキーとして、当該顧客の各金融商品の保有数量(株数)を抽出し、抽出した各金融商品の保有数量(株数)と、時価情報記憶手段40(図2参照)に記憶された各金融商品の最新の時価情報(単価)および過去の時価情報(単価)とを乗じることにより、過去から現在までの各金融商品の評価額を算出し、さらに予め定められた代用掛目(例えば80%)を乗じることにより、過去から現在までの信用取引用の担保としての各金融商品の担保評価額を算出し、この担保評価額を、それぞれの時点において、仮振替えで信用取引用の担保とされている当該顧客の全ての金融商品について合計することにより、信用取引用の担保に供された当該顧客の各金融商品の担保評価額の合計額の履歴を示すグラフのデータを作成する。この際、各金融商品の保有数量(株数)は、過去の時価情報と乗じるときも、過去の保有数量(株数)ではなく、現在の保有数量(株数)を用い、過去においても現在の保有数量(株数)が継続していたものと仮定して過去の評価額を算出する。つまり、変動させるのは、時価情報のみとする。また、過去の時点において、いずれの金融商品が信用取引用の担保に指定されていたかは関係なく、仮振替えで信用取引用の担保とされている金融商品が、過去から現在に至るまで継続して信用取引用の担保に指定されていたものと仮定して、それらの各金融商品の信用取引用の担保としての過去の担保評価額を算出する。
そして、履歴グラフ表示処理手段30は、作成した双方の履歴を示すグラフのデータと、維持率調整結果記憶手段44(図7参照)、融資額記憶手段41(図3参照)、および信用取引建玉金額記憶手段42(図4参照)に記憶されたデータとを用いて、双方の履歴グラフを含む詳細情報画面200(図11参照)の表示用データを作成し、作成した表示用データを、顧客端末装置50へネットワークを介して送信することにより、顧客端末装置50の画面上に、図11に示すような履歴グラフを含む詳細情報画面200を表示する処理を実行する。
担保区分振替処理手段31は、顧客端末装置50からネットワーク1を介して送信されてくる顧客による仮振替後の指定状態の選択情報(図10の指定状態選択画面100の指定状態選択部137で選択された仮振替後の指定状態についての指定状態番号)を、顧客識別情報(口座番号等)とともに受信し、受信した選択情報(指定状態番号)および顧客識別情報をキーとして、維持率調整結果記憶手段44(図7参照)から当該顧客が選択した仮振替後の指定状態を抽出し、抽出した仮振替後の指定状態を用いて、担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶された当該顧客の各金融商品の担保区分を、当該顧客により選択された仮振替後の指定状態に変更する処理を実行するものである。
また、担保区分振替処理手段31は、担保区分指定受付処理手段22により受け付けた顧客の選択が、前述した(c)の場合、すなわち最適判定結果(1),(2),(3)(図10参照)のうちのいずれかで自動的に担保区分の指定の変更を行う処理であった場合には、最適判定結果(1),(2),(3)のうちのいずれかで、当該顧客の各金融商品の担保区分の指定を自動的に変更する。
時価情報記憶手段40は、図2に示すように、時価情報取得処理手段23により時価情報提供システム60から専用線2を介して取得した各金融商品の最新の時価情報(単価)および過去の時価情報(単価)を、金融商品識別情報(銘柄コード等)と関連付けて蓄積記憶するものである。
融資額記憶手段41は、図3に示すように、顧客への融資額を、顧客識別情報(口座番号等)と関連付けて記憶するものである。
信用取引建玉金額記憶手段42は、図4に示すように、顧客の信用取引建玉金額を、顧客識別情報(口座番号等)と関連付けて記憶するものである。
担保情報記憶手段43は、図5に示すように、顧客の保有する各金融商品のそれぞれについてのローン用の担保に供するかまたは信用取引用の担保に供するかの指定の別を示す担保区分と、各金融商品の保有数量(株数)と、時価情報(単価)と、保有数量(株数)に時価情報(単価)を乗じて得られる評価額とを、顧客識別情報(口座番号等)および金融商品識別情報(銘柄コード等)と関連付けて記憶するものである。ここで、本実施形態では、同じ銘柄の金融商品については、ローン用の担保または信用取引用の担保のいずれかの指定のみを行うことができるものとするが、本発明においては、これに限定されるものではなく、同じ銘柄の金融商品であっても、異なる時期に購入して簿価が異なるものは、異なる金融商品として取り扱い、同じ銘柄がローン用の担保および信用取引用の担保の双方に指定されることがあってもよいものとする。
維持率調整結果記憶手段44は、図7に示すように、指定状態評価結果(「○」、「△」、「×」の別)と、各金融商品についての金融商品識別情報(銘柄コード等)および仮の担保区分(ローン用の担保に供するかまたは信用取引用の担保に供するかの指定の別)並びに担保評価額と、ローン用の担保に供された金融商品の担保評価額の合計額と、極度融資可能額と、ローン維持率と、信用取引用の担保に供された金融商品の担保評価額の合計額と、信用取引建可能額と、信用取引維持率とを、顧客識別情報(口座番号等)および指定状態識別情報(指定状態番号等)と関連付けて記憶するものである。
最適判定結果記憶手段45は、図6に示すように、最適指定状態判定処理手段28による処理で得られた最適判定結果(1),(2),(3)を示す指定状態番号を、顧客識別情報(口座番号等)と関連付けて記憶するものである。
以上において、担保管理サーバ20の処理手段20Aの各処理手段21〜31は、担保管理サーバ20を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、担保管理サーバ20は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータ等で分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
さらに、担保管理サーバ20の各記憶手段40〜45は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
顧客端末装置50は、顧客が操作する端末装置であり、WWWブラウザが搭載されたコンピュータにより構成され、例えばマウスやキーボード等の入力手段と、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示手段と、例えばプリンタやプロッタ等の出力手段とを備えている。なお、顧客端末装置50は、例えば、携帯電話機(PHSも含む。)や携帯情報端末(PDA)等の携帯機器であってもよい。
時価情報提供システム60は、各金融商品の時価情報を提供するコンピュータにより構成されたシステムであり、証券取引所システム等の市場システムでもよく、情報提供会社が運用するシステムでもよく、あるいは証券会社の内部システムでもよい。
預り資産管理システム70は、証券会社が各顧客から預かっている預り資産の情報を管理するコンピュータにより構成されたシステムである。この預り資産管理システム70は、各顧客が保有する各金融商品(株式等)についての金融商品識別情報(銘柄コード等)およびその保有数量(株数等)、あるいはこれらに加えて各金融商品の時価情報(単価)および評価額(保有数量×単価)等を、顧客識別情報(口座番号等)と関連付けて記憶しており、金融商品(株式等)の売買等に伴って保有数量(株数等)を増減させたり、時価変動に伴って評価額を更新する処理を行う。
ローン管理システム80は、ローンの契約(極度貸付契約)の申込および借入の申込の受付(ネットワーク1を介しての受付)、契約や借入の審査等のローンに関する処理を行うコンピュータにより構成されたシステムである。このローン管理システム80は、各顧客への融資額およびローン用の担保とする各金融商品(株式等)についての金融商品識別情報(銘柄コード等)を、顧客識別情報(口座番号等)と関連付けて記憶しており、ネットワーク1を介して顧客端末装置50と接続され、ローンの契約時に、顧客端末装置50からネットワーク1を介して顧客によるローン用の担保に供する金融商品の指定情報を受け付ける処理を行う。
信用取引管理システム90は、信用取引の契約の申込の受付(ネットワーク1を介しての受付)、信用取引の建て処理や埋め処理(手仕舞いの処理)等の信用取引に関する処理を行うコンピュータにより構成されたシステムである。この信用取引管理システム90は、各顧客の信用取引建玉金額および信用取引用の担保とする各金融商品(株式等)についての金融商品識別情報(銘柄コード等)を、顧客識別情報(口座番号等)と関連付けて記憶しており、ネットワーク1を介して顧客端末装置50と接続され、信用取引の契約時に、顧客端末装置50からネットワーク1を介して顧客による信用取引用の担保に供する金融商品の指定情報を受け付ける処理を行う。
このような本実施形態においては、以下のようにして担保管理システム10によりローン用および信用取引用の担保の管理が行われる。
図8において、連携情報取得処理手段21により、専用線3を介して預り資産管理システム70にアクセスし、預り資産管理システム70から、証券会社が各顧客から預かっている預り資産の情報、すなわち各顧客が保有する株式等の金融商品についての金融商品識別情報(銘柄コード等)およびその保有数量(株数等)を、顧客識別情報(口座番号等)とともに受信し、受信した金融商品識別情報(銘柄コード等)およびその保有数量(株数等)を、顧客識別情報(口座番号等)と関連付けて担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶させる(ステップS1)。
続いて、連携情報取得処理手段21により、専用線4を介してローン管理システム80にアクセスし、ローン管理システム80から、各顧客への融資額およびローン用の担保とする各金融商品(株式等)についての金融商品識別情報(銘柄コード等)を、顧客識別情報(口座番号等)とともに受信し、受信した各顧客の融資額を、顧客識別情報と関連付けて融資額記憶手段41(図3参照)に記憶させるとともに、受信した金融商品識別情報(銘柄コード等)に対応させて、担保情報記憶手段43(図5参照)の担保区分に、ローン用の担保であることを示すデータを保存する(ステップS2)。
さらに、連携情報取得処理手段21により、専用線5を介して信用取引管理システム90にアクセスし、信用取引管理システム90から、各顧客の信用取引建玉金額および信用取引用の担保とする各金融商品(株式等)についての金融商品識別情報(銘柄コード等)を、顧客識別情報(口座番号等)とともに受信し、受信した各顧客の信用取引建玉金額を、顧客識別情報と関連付けて信用取引建玉金額記憶手段42(図4参照)に記憶させるとともに、受信した金融商品識別情報(銘柄コード等)に対応させて、担保情報記憶手段43(図5参照)の担保区分に、信用取引用の担保であることを示すデータを保存する(ステップS3)。
その後、顧客が顧客端末装置50を操作し、担保区分の指定の変更や新たな金融商品の担保区分の指定を行うための画面、および維持率不適正時の対応処理の選択入力を行うための画面の表示要求を行うと、その表示要求信号がネットワーク1を介して担保管理サーバ20へ送信される。担保管理サーバ20では、担保区分指定受付処理手段22により、この表示要求信号を受信すると、担保区分の指定の変更や新たな金融商品の担保区分の指定を行うための画面、および維持率不適正時の対応処理の選択入力を行うための画面の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置50へ送信する。
そして、顧客端末装置50の画面上に、担保区分の指定の変更や新たな金融商品の担保区分の指定を行うための画面が表示されると、顧客は、この画面上で、既に行われている各金融商品の担保区分の指定を変更したり、金融商品の購入等で、保有する金融商品に新規なものが生じたときにはその担保区分の指定を行う。また、顧客端末装置50の画面上に、維持率不適正時の対応処理の選択入力を行うための画面が表示されると、顧客は、この画面上で、例えば、(a)維持率調整結果判断処理手段27により適正条件(ローン維持率および信用取引維持率の双方が共に不適正でないという条件)を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態を顧客端末装置50に画面表示し、この中からの顧客の選択を受け付ける処理、(b)適正条件を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態と、最適判定結果(1),(2),(3)(図10参照)の全部または一部とを顧客端末装置50に画面表示し、この中からの顧客の選択を受け付ける処理、(c)最適判定結果(1),(2),(3)(図10参照)のうちのいずれかで自動的に担保区分の指定の変更を行う処理等の対応処理の中からの選択を行う。そして、担保区分の指定(変更を含む。)のための入力、維持率不適正時の対応処理の選択入力が行われると、顧客による担保区分の指定情報や対応処理の選択情報が、顧客識別情報(口座番号等)とともにネットワーク1を介して顧客端末装置50へ送信される(ステップS4)。担保管理サーバ20では、担保区分指定受付処理手段22により、顧客による担保区分の指定情報および対応処理の選択情報を顧客識別情報(口座番号等)とともに受信すると、受信した担保区分の指定情報に基づき、担保情報記憶手段43(図5参照)の当該顧客の各金融商品の担保区分の指定を変更し、また、対応処理の選択情報を、図示されない対応処理選択情報記憶手段に顧客識別情報(口座番号等)と関連付けて記憶させる(ステップS5)。
その後、時価情報取得処理手段23により、専用線2を介して時価情報提供システム60から、各金融商品の時価情報(単価)を金融商品識別情報(銘柄コード等)とともに取得し、取得した時価情報(単価)を、金融商品識別情報(銘柄コード等)と関連付けて時価情報記憶手段40(図2参照)に記憶させる(ステップS6)。
続いて、維持率算出処理手段24により、処理対象の顧客についての顧客識別情報をキーとして、担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶された当該顧客の各金融商品の担保区分を参照し、担保情報記憶手段43から、担保区分にローン用の担保であることを示すデータが記憶されている金融商品の保有数量(株数等)を抽出し、当該金融商品についての金融商品識別情報(銘柄コード等)をキーとして、時価情報記憶手段40(図2参照)に記憶された当該金融商品の最新の時価情報(単価)を抽出し、抽出した金融商品の保有数量(株数等)と、その時価情報(単価)とを乗じることにより、その金融商品の評価額を算出する。そして、算出した評価額および算出に用いた時価情報(単価)を、顧客識別情報(口座番号等)および金融商品識別情報(銘柄コード等)と関連付けて担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶させる。さらに、維持率算出処理手段24により、評価額に、予め定められた代用掛目(例えば60%)を乗じることにより、当該金融商品についてのローン用の担保としての担保評価額を算出し、算出したローン用の担保としての金融商品の担保評価額を、ローン用の担保とされている全ての金融商品について合計する。それから、処理対象の顧客についての顧客識別情報をキーとして、融資額記憶手段41(図3参照)に記憶された当該顧客の融資額を抽出し、抽出した当該顧客の融資額を、ローン用の担保に供された当該顧客の各金融商品の担保評価額の合計額で除することにより、当該顧客のローン維持率を算出する(ステップS7)。
また、維持率算出処理手段24により、処理対象の顧客についての顧客識別情報をキーとして、担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶された当該顧客の各金融商品の担保区分を参照し、担保情報記憶手段43から、担保区分に信用取引用の担保であることを示すデータが記憶されている金融商品の保有数量(株数等)を抽出し、当該金融商品についての金融商品識別情報(銘柄コード等)をキーとして、時価情報記憶手段40(図2参照)に記憶された当該金融商品の最新の時価情報(単価)を抽出し、抽出した金融商品の保有数量(株数等)と、その時価情報(単価)とを乗じることにより、その金融商品の評価額を算出する。そして、算出した評価額および算出に用いた時価情報(単価)を、担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶させる。さらに、維持率算出処理手段24は、評価額に、予め定められた代用掛目(例えば80%)を乗じることにより、当該金融商品についての信用取引用の担保としての担保評価額を算出し、算出した信用取引用の担保としての金融商品の担保評価額を、信用取引用の担保とされている全ての金融商品について合計する。それから、処理対象の顧客についての顧客識別情報をキーとして、信用取引建玉金額記憶手段42(図4参照)に記憶された当該顧客の信用取引建玉金額を抽出し、信用取引用の担保に供された当該顧客の各金融商品の担保評価額の合計額を、抽出した当該顧客の信用取引建玉金額で除することにより、当該顧客の信用取引維持率を算出する(ステップS7)。
続いて、維持率不適正判断処理手段25により、維持率算出処理手段24により算出したローン維持率が、予め定められたローン維持率用閾値以上または超過(本実施形態では、「以上」とする。)であるか否かを判断するとともに、維持率算出処理手段24により算出した信用取引維持率が、予め定められた信用取引維持率用閾値以下または未満(本実施形態では、「以下」とする。)であるか否かを判断する(ステップS8)。
ここで、維持率不適正判断処理手段25により、ローン維持率および信用取引維持率のいずれについても不適正である(悪化している)と判断されなかった場合(ステップS9)、すなわちローン維持率がローン維持率用閾値未満または以下(本実施形態では、「未満」)であり、かつ、信用取引維持率が信用取引維持率用閾値超過または以上(本実施形態では、「超過」)であると判断された場合には、ステップS6の処理に戻る。
一方、維持率不適正判断処理手段25により、ローン維持率または信用取引維持率が不適正である(悪化している)と判断した場合(ステップS9)、すなわちローン維持率がローン維持率用閾値以上または超過(本実施形態では、「以上」)であると判断した場合、または信用取引維持率が信用取引維持率用閾値以下または未満(本実施形態では、「以下」)であると判断した場合には、維持率不適正判断処理手段25により、顧客識別情報(口座番号等)をキーとして、図示されない対応処理選択情報記憶手段から、当該顧客の選択した維持率不適正時の対応処理の識別情報を抽出するとともに、顧客識別情報(口座番号等)をキーとして、図示されない顧客情報記憶手段から、当該顧客の電子メールアドレス等を抽出し、抽出した電子メールアドレス等を用いて、維持率が不適正である旨(悪化している旨)および維持率不適正時の対応処理の内容(図示されない対応処理選択情報記憶手段から抽出した対応処理の識別情報で特定される内容)を通知するための電子メール等を当該顧客の操作する顧客端末装置50へネットワーク1を介して送信する(ステップS10)。そして、顧客は、顧客端末装置50で、電子メール等で送信されてきた通知を画面表示させ、その内容を確認する(ステップS11)。
なお、ローン維持率について、アラームレベル1(例えば、ローン維持率70%(以上))およびアラームレベル2(例えば、ローン維持率80%(以上))を設けた場合、並びに信用取引維持率について、アラームレベル(例えば、信用取引維持率30%(以下))を設けた場合には、維持率不適正判断処理手段25により、これらのレベルに達したか否かを判断し、達していたときには、顧客に対し、これらのレベルに達した旨の通知を、電子メール等で送信する。
続いて、維持率調整処理手段26により、維持率が不適正と判断された顧客の保有する各金融商品の担保区分についてローン用の担保の指定と信用取引用の担保の指定とを仮に振り替え、得られた全ての仮振替後の指定状態について、ローン用の担保に供された各金融商品の担保評価額の合計額を仮算出してローン維持率を仮算出するとともに、信用取引用の担保に供された各金融商品の担保評価額の合計額を仮算出して信用取引維持率を仮算出する(図9のステップS12)。
ここで、維持率調整処理手段26によるローン維持率の仮算出は、次のように行う。先ず、担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶された処理対象の顧客の各金融商品のうち、担保区分の指定をローン用の担保の指定に仮に振り替えた各金融商品について、担保情報記憶手段43から、当該金融商品の評価額を抽出する。当該金融商品の保有数量(株数等)とその時価情報(単価)とを乗じることにより評価額を再計算してもよい。次に、ローン用の担保の指定に仮に振り替えた各金融商品の評価額に、予め定められた代用掛目(例えば60%)を乗じることにより、当該金融商品についてのローン用の担保としての担保評価額を算出し、算出したローン用の担保としての金融商品の担保評価額を、仮振替えでローン用の担保とされている全ての金融商品について合計する。それから、処理対象の顧客についての顧客識別情報をキーとして、融資額記憶手段(図3参照)に記憶された当該顧客の融資額を抽出し、抽出した当該顧客の融資額を、仮振替えでローン用の担保とされている当該顧客の各金融商品の担保評価額の合計額で除することにより、当該顧客のローン維持率を仮算出する。
また、維持率調整処理手段26による信用取引維持率の仮算出は、次のように行う。先ず、担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶された処理対象の顧客の各金融商品のうち、担保区分の指定を信用取引用の担保の指定に仮に振り替えた各金融商品について、担保情報記憶手段43から、当該金融商品の評価額を抽出する。当該金融商品の保有数量(株数等)とその時価情報(単価)とを乗じることにより評価額を再計算してもよい。次に、信用取引用の担保の指定に仮に振り替えた各金融商品の評価額に、予め定められた代用掛目(例えば80%)を乗じることにより、当該金融商品についての信用取引用の担保としての担保評価額を算出し、算出した信用取引用の担保としての金融商品の担保評価額を、仮振替えで信用取引用の担保とされている全ての金融商品について合計する。それから、処理対象の顧客についての顧客識別情報をキーとして、信用取引建玉金額記憶手段(図4参照)に記憶された当該顧客の信用取引建玉金額を抽出し、仮振替えで信用取引用の担保とされている当該顧客の各金融商品の担保評価額の合計額を、抽出した当該顧客の信用取引建玉金額で除することにより、当該顧客の信用取引維持率を仮算出する。
そして、維持率調整処理手段26により、仮振替後の指定状態(各金融商品についての金融商品識別情報および仮の担保区分)、各金融商品についての担保評価額、仮振替えでローン用の担保に供された金融商品の担保評価額の合計額、仮振替えで信用取引用の担保に供された金融商品の担保評価額の合計額、並びに仮算出したローン維持率および信用取引維持率を、顧客識別情報(口座番号等)および指定状態識別情報(システムで自動的に振り付けた指定状態番号等)と関連付けて維持率調整結果記憶手段44(図7参照)に記憶させる。また、維持率調整処理手段26により、仮振替えでローン用の担保に供された金融商品の担保評価額の合計額に、極度掛目(例えば、80%等)を乗じることにより、極度融資可能額を算出するとともに、仮振替えで信用取引用の担保に供された金融商品の担保評価額の合計額に、一定比率(例えば、10/3等)を乗じることにより、信用取引建可能額を算出し、算出した極度融資可能額および信用取引建可能額も、顧客識別情報(口座番号等)および指定状態識別情報(システムで自動的に振り付けた指定状態番号等)と関連付けて維持率調整結果記憶手段44(図7参照)に記憶させる。
それから、維持率調整結果判断処理手段27により、維持率調整処理手段26によりローン維持率および信用取引維持率を仮算出した全ての仮振替後の指定状態について、仮算出したローン維持率が、ローン維持率用閾値未満または以下(本実施形態では、一例として「85%未満」とする。)であり、かつ、仮算出した信用取引維持率が、信用取引維持率用閾値超過または以上(本実施形態では、一例として「25%超過」とする。)であるという条件(適正条件)を満たすか否かを判断する(ステップS13)。
また、維持率調整結果判断処理手段27により、上記の判断処理に加え、ローン維持率が80%未満で、かつ信用取引維持率が30%超過の場合に該当するか否かを判断する処理も行う。そして、維持率調整結果判断処理手段27により、図10に示すように、ローン維持率が80%未満で、かつ信用取引維持率が30%超過の場合に該当すれば、指定状態評価結果を「○」とし、そこまでは良好ではないものの、ローン維持率が85%未満で、かつ信用取引維持率が25%超過の場合に該当すれば、指定状態評価結果を「△」とし、それ以外の場合、すなわちローン維持率が85%以上、または信用取引維持率が25%以下の場合は、指定状態評価結果を「×」とし、これらの指定状態評価結果を、顧客識別情報(口座番号等)および指定状態識別情報(システムで自動的に振り付けた指定状態番号等)と関連付けて維持率調整結果記憶手段44(図7参照)に記憶させる。なお、仮振替前の元の指定状態については、指定状態評価結果に「(×)」を記憶させる(図7の指定状態番号23参照)。
続いて、最適指定状態判定処理手段28により、融資額記憶手段41(図3参照)、信用取引建玉金額記憶手段42(図4参照)、および維持率調整結果記憶手段44(図7参照)に記憶された各データを用いて、維持率調整結果判断処理手段27により適正条件を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態の中から、3通りの方法で、最適な仮振替後の指定状態を判定する(ステップS14)。そして、最適指定状態判定処理手段28により、3通りの方法で得られた最適判定結果(1),(2),(3)を示す指定状態識別情報(指定状態番号等)を、顧客識別情報(口座番号等)と関連付けて最適判定結果記憶手段45(図6参照)に記憶させる。
その後、顧客は、前述した図8のステップS11において、通知を受け取っているので、顧客端末装置50を操作し、複数の仮振替後の指定状態の評価結果および最適判定結果(1),(2),(3)が示されている指定状態選択画面100(図10参照)の表示要求を行うと、この表示要求信号は、ネットワーク1を介して担保管理サーバ20へ送信される。担保管理サーバ20では、この表示要求信号を受信すると、担保区分振替候補表示処理手段29により、維持率調整結果判断処理手段27により適正条件を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態を含む複数の仮振替後の指定状態およびそれらの評価結果、並びに最適指定状態判定処理手段28により得られた最適な仮振替後の指定状態を示す指定状態選択画面100(図10参照)の表示用データを、維持率調整結果記憶手段44(図7参照)、最適判定結果記憶手段45(図6参照)、融資額記憶手段41(図3参照)、および信用取引建玉金額記憶手段42(図4参照)に記憶されたデータを用いて作成し、作成した表示用データを、顧客端末装置50へネットワークを介して送信する(ステップS15)。すると、顧客端末装置50の画面上には、図10に示すような指定状態選択画面100が表示される(ステップS16)。
図10において、指定状態選択画面100には、顧客名表示部101と、口座番号表示部102と、日付表示部103と、ローンの融資額を表示する融資額表示部110と、アラームレベル1(ローン維持率70%以上)を回避するために必要な担保評価額を表示するローン維持率70%必要担保評価額表示部111と、アラームレベル2(ローン維持率80%以上)を回避するために必要な担保評価額を表示するローン維持率80%必要担保評価額表示部112と、担保区分の振替(ローン維持率85%以上)を回避するために必要な担保評価額を表示するローン維持率85%必要担保評価額表示部113と、信用取引建玉金額を表示する信用取引建玉金額表示部120と、アラーム(信用取引維持率30%以下)を回避するために必要な担保評価額を表示する信用取引維持率30%必要担保評価額表示部121と、担保区分の振替(信用取引維持率25%以下)を回避するために必要な担保評価額を表示する信用取引維持率25%必要担保評価額表示部122とが設けられている。このうち、融資額表示部110および各表示部111〜113の表示は、融資額記憶手段41(図3参照)に記憶されたデータを用いて行われ、信用取引建玉金額表示部120および各表示部121,122の表示は、信用取引建玉金額記憶手段42(図4参照)に記憶されたデータを用いて行われる。
また、指定状態選択画面100には、維持率調整処理手段26による調整結果を表示する維持率調整結果表示部130が設けられ、この維持率調整結果表示部130には、仮振替後の指定状態を識別するための指定状態識別情報である指定状態番号を表示する指定状態番号表示部131と、指定状態評価結果表示部132と、仮振替後の指定状態を表示する仮振替後指定状態表示部133と、ローン維持率表示部134と、信用取引維持率表示部135と、各指定状態の履歴グラフを含む詳細情報をそれぞれ表示するための複数の「詳細」ボタン136と、各指定状態を選択するための複数のチェックボックスからなる指定状態選択部137とが設けられている。維持率調整結果表示部130の各表示部131〜135の表示は、維持率調整結果記憶手段44(図7参照)に記憶されたデータを用いて行われる。
さらに、指定状態選択画面100には、3通りの方法で得られた最適な仮振替後の指定状態を示す最適判定結果表示部140が設けられ、この最適判定結果表示部140には、(1)維持率についてパーセンテージの余裕度を等しくする場合の最適判定結果を示す指定状態番号を表示する最適判定結果(1)表示部141と、(2)担保評価額の合計額について金額の余裕度を等しくする場合の最適判定結果を示す指定状態番号を表示する最適判定結果(2)表示部142と、(3)担保評価額の合計額を必要額に比例させる場合の最適判定結果を示す指定状態番号を表示する最適判定結果(3)表示部143とが設けられている。最適判定結果表示部140の各表示部141〜143の表示は、最適判定結果記憶手段45(図6参照)に記憶されたデータを用いて行われる。
また、指定状態選択画面100には、維持率調整結果表示部130の指定状態選択部137での選択情報を、担保管理サーバ20へネットワーク1を介して送信するための「送信」ボタン150が設けられている。
そして、図10の指定状態選択画面100において、顧客が、維持率調整結果表示部130のいずれかの仮入替後の指定状態の「詳細」ボタン136をクリックすると、履歴グラフを含む詳細情報の表示要求信号(指定状態番号および顧客識別情報を含む。)が、ネットワーク1を介して担保管理サーバ20へ送信される。担保管理サーバ20では、この表示要求信号を受信すると、履歴グラフ表示処理手段30により、維持率調整結果記憶手段44(図7参照)、担保情報記憶手段43(図5参照)、時価情報記憶手段40(図2参照)、融資額記憶手段41(図3参照)、および信用取引建玉金額記憶手段42(図4参照)に記憶されたデータを用いて、図11に示すような履歴グラフを含む詳細情報画面200の表示用データが作成され、作成された表示用データが、ネットワーク1を介して顧客端末装置50へ送信される(ステップS17)。すると、顧客端末装置50の画面上には、図11に示すような履歴グラフを含む詳細情報画面200が表示される(ステップS18)。
図11において、詳細情報画面200には、顧客がクリックした「詳細」ボタン136に対応する指定状態番号を表示する指定状態番号表示部201と、仮振替えでローン用の担保とされている金融商品の銘柄を表示するローン用担保表示部210と、仮振替えでローン用の担保とされている各金融商品の現在の担保評価額の合計額を表示するローン用担保評価額合計額現在値表示部211と、極度融資可能額表示部212と、仮振替えでローン用の担保とされている各金融商品の担保評価額の合計額についての過去から現在に至るまでの履歴グラフを表示するローン用担保評価額合計額履歴グラフ表示部220とが設けられている。各表示部210〜212の表示は、維持率調整結果記憶手段44(図7参照)に記憶されたデータを用いて行われる。
ローン用担保評価額合計額履歴グラフ表示部220には、ローン用担保評価額合計額履歴グラフ221と、アラームレベル1(ローン維持率70%以上)を回避するために必要な担保評価額を示すローン維持率70%必要担保評価額ライン222と、アラームレベル2(ローン維持率80%以上)を回避するために必要な担保評価額を示すローン維持率80%必要担保評価額ライン223と、担保区分の振替(ローン維持率85%以上)を回避するために必要な担保評価額を示すローン維持率85%必要担保評価額ライン224とが表示される。このうち、ローン用担保評価額合計額履歴グラフ221の表示は、維持率調整結果記憶手段44(図7参照)、担保情報記憶手段43(図5参照)、および時価情報記憶手段40(図2参照)に記憶されたデータを用いて行われ、各ライン222,223,224の表示は、融資額記憶手段41(図3参照)に記憶されたデータを用いて行われる。
また、詳細情報画面200には、仮振替えで信用取引用の担保とされている金融商品の銘柄を表示する信用取引用担保表示部230と、仮振替えで信用取引用の担保とされている各金融商品の現在の担保評価額の合計額を表示する信用取引用担保評価額合計額現在値表示部231と、信用取引建可能額表示部232と、仮振替えで信用取引用の担保とされている各金融商品の担保評価額の合計額についての過去から現在に至るまでの履歴グラフを表示する信用取引用担保評価額合計額履歴グラフ表示部240と、図10の指定状態選択画面100へ戻るための「戻る」ボタン250とが設けられている。各表示部230〜232の表示は、維持率調整結果記憶手段44(図7参照)に記憶されたデータを用いて行われる。
信用取引用担保評価額合計額履歴グラフ表示部240には、信用取引用担保評価額合計額履歴グラフ241と、アラーム(信用取引維持率30%以下)を回避するために必要な担保評価額を示す信用取引維持率30%必要担保評価額ライン242と、担保区分の振替(信用取引維持率25%以下)を回避するために必要な担保評価額を示す信用取引維持率25%必要担保評価額ライン243とが表示される。このうち、信用取引用担保評価額合計額履歴グラフ241の表示は、維持率調整結果記憶手段44(図7参照)、担保情報記憶手段43(図5参照)、および時価情報記憶手段40(図2参照)に記憶されたデータを用いて行われ、各ライン242,243の表示は、信用取引建玉金額記憶手段42(図4参照)に記憶されたデータを用いて行われる。
それから、図11の詳細情報画面200で履歴グラフを含む詳細情報を確認し、あるいは図10の指定状態選択画面100に表示された最適判定結果(1),(2),(3)等の各種情報を確認した後に、図10の指定状態選択画面100において、顧客が、維持率調整結果表示部130の指定状態選択部137のいずれかにチェックを入れて仮振替後の指定状態を選択し、「送信」ボタン150をクリックすると、選択した仮振替後の指定状態を示す指定状態番号が、顧客識別情報(口座番号等)とともにネットワーク1を介して担保管理サーバ20へ送信される(ステップS19)。
担保管理サーバ20では、担保区分振替処理手段31により、顧客端末装置50からネットワーク1を介して送信されてくる指定状態番号を顧客識別情報(口座番号等)とともに受信すると(ステップS20)、受信した指定状態番号および顧客識別情報をキーとして、維持率調整結果記憶手段44(図7参照)から当該顧客が選択した仮振替後の指定状態(各金融商品についての金融商品識別情報(銘柄コード)および仮の担保区分)を抽出し、抽出した仮振替後の指定状態を用いて、担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶された当該顧客の各金融商品の担保区分の指定を、当該顧客により選択された仮振替後の指定状態に変更する(ステップS21)。
また、担保区分振替処理手段31により、顧客識別情報(口座番号等)をキーとして、図示されない対応処理選択情報記憶手段から、ローン維持率または信用取引維持率が不適正であると判断された場合に採る対応処理についての当該顧客の選択情報(担保区分指定受付処理手段22により受け付けた顧客の選択情報)を抽出する。そして、顧客の選択した対応処理が、前述した(c)の場合、すなわち最適判定結果(1),(2),(3)(図10参照)のうちのいずれかで自動的に担保区分の指定の変更を行う処理であった場合には、当該顧客の選択情報に従って、最適判定結果記憶手段45(図6参照)から最適判定結果(1),(2),(3)を示す指定状態番号のうちのいずれかを抽出し、抽出した指定状態番号および当該顧客の顧客識別情報をキーとして、維持率調整結果記憶手段44(図7参照)から、仮振替後の指定状態(各金融商品についての金融商品識別情報(銘柄コード)および仮の担保区分)を抽出し、抽出した仮振替後の指定状態を用いて、担保情報記憶手段43(図5参照)に記憶された当該顧客の各金融商品の担保区分の指定を、自動判定された最適な仮振替後の指定状態に変更する。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、担保管理システム10は、融資額記憶手段41、信用取引建玉金額記憶手段42、担保情報記憶手段43、時価情報取得処理手段23、維持率算出処理手段24、維持率不適正判断処理手段25、維持率調整処理手段26、維持率調整結果判断処理手段27、および担保区分振替処理手段31を備えているので、担保とする金融商品の時価が下がってその担保評価額が下がったり、担保とする金融商品を売却したり、あるいはローンの融資額や信用取引建玉金額を増額させる等の事情により、ローン維持率や信用取引維持率が悪化したときに、各金融商品の担保区分についてローン用の担保の指定と信用取引用の担保の指定とを振り替えてローン維持率および信用取引維持率を調整することができるため、双方の維持率を、適正な値に保つことができる。このため、1人の顧客に対し、その顧客が保有する金融商品を担保として、ローンサービスおよび信用取引サービスの双方のサービスの提供を行うことができ、顧客の満足度を向上させることができる。
例えば、図12に示すように、ローンの融資額が450万円で、信用取引建玉金額が2,000万円であり、これらは変動しないものとし、銘柄A,B,C,D,E,Fの時価情報(単価)が、2007年4月9日の時点の値から、1ヶ月後の2007年5月9日の時点の値に変動した場合を考える。これらの時点での銘柄A,B,C,D,E,Fの時価情報(単価)の値は、図2の時価情報記憶手段40に示した数値例と対応している。2007年4月9日の時点では、極度融資可能額は、4,939,200円であり、実際のローンの融資額450万円を超えているとともに、信用取引建可能額は、28,666,667円であり、実際の信用取引建玉金額2,000万円を超えているので、何ら問題のない状態にある。ところが、1ヶ月後の2007年5月9日の時点では、銘柄A,B,C,D,E,Fの保有数量(株数)は変わっていないが、時価変動があったため、信用取引建可能額は、増加して31,066,667円となり、実際の信用取引建玉金額2,000万円を超えているものの、極度融資可能額は、減少して4,123,200円となり、実際のローンの融資額450万円を下回る状態となった。この状態は、図7および図10の指定状態番号23(指定状態評価結果が「(×)」になっているもの)に対応している。そこで、2007年5月9日の時点における保有数量(株数)および時価情報(単価)はそのままにして、銘柄Cを信用取引用の担保からローン用の担保へ振り替えるとともに、銘柄Dをローン用の担保から信用取引用の担保へ振り替えることにより、極度融資可能額については、4,761,600円に増加し、実際のローンの融資額450万円を超える状態に復活するとともに、信用取引建可能額については、27,520,000円となり、実際の信用取引建玉金額2,000万円を超えた状態を維持することができる。この状態は、図7、図10、および図11の指定状態番号24(指定状態評価結果が「○」になっているもの)に対応している。従って、このような担保区分の振替調整を行うことで、ローン維持率や信用取引維持率を適正な値に保つことができる。なお、維持率不適正判断処理手段25によりローン維持率や信用取引維持率が不適正であると判断するためのローン維持率用閾値や信用取引維持率用閾値は、極度融資可能額や信用取引建可能額に対応している必要はなく、本実施形態では、極度融資可能額や信用取引建可能額よりも緩やかな閾値となっている。すなわち、本実施形態では、極度融資可能額が実際のローンの融資額を下回っても、すぐには維持率不適正判断処理手段25による不適正判断はなされず、アラームレベル2に達するだけであり、また、信用取引建可能額が実際の信用取引建玉金額を下回っても、すぐには維持率不適正判断処理手段25による不適正判断はなされず、アラームレベルに達するだけである。一方、本実施形態とは異なり、ローン維持率用閾値や信用取引維持率用閾値を、極度融資可能額や信用取引建可能額に対応させてもよい。
また、担保管理システム10は、担保区分振替候補表示処理手段29を備えているので、仮振替えを複数通り行い、適正条件を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態を含む複数の仮振替後の指定状態を、顧客端末装置50の画面上に表示し、その中から顧客に仮振替後の指定状態を選択させることができる。このため、顧客に対し、適切な選択肢を与えることにより、顧客の意向を取り入れつつ、ローン維持率および信用取引維持率の双方を、適正な値に保つことができる。
さらに、担保管理システム10は、最適指定状態判定処理手段28を備えているので、ローン維持率や信用取引維持率が悪化したときに、担保区分を最適な仮振替後の指定状態へ変更する処理を自動的に行うことができる。このため、顧客の変更手続の手間およびその際の判断の手間を軽減することができる。また、最適指定状態判定処理手段28は、3通りの方法で、最適判定結果(1),(2),(3)を求めることができるので、担保区分を自動的に変更する場合においても、顧客はいずれの最適判定結果を用いて自動変更するのかを予め選択しておくことができるため、顧客の選択自由度を向上させることができる。
そして、担保管理システム10は、最適指定状態判定処理手段28を備えているので、担保区分振替候補表示処理手段29により、維持率調整結果判断処理手段27により適正条件を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態および最適指定状態判定処理手段28により得られた最適な仮振替後の指定状態を、顧客による選択候補として顧客端末装置50の画面上に表示することができる。このため、顧客に対し、より一層高度な判断材料として最適な仮振替後の指定状態の判定結果を提示することを含めて適切な選択肢を与えることにより、顧客の意向を取り入れつつ、ローン維持率および信用取引維持率の双方を、適正な値に保つことができる。また、最適指定状態判定処理手段28は、3通りの方法で、最適判定結果(1),(2),(3)を求めることができるので、担保区分を自動的に変更するのではなく、担保区分の変更に用いる仮振替後の指定状態について顧客の選択を受け付ける場合においても、顧客に対し、より多くの有用な判断材料を提示することができる。
また、担保管理システム10は、履歴グラフ表示処理手段30を備えているので、維持率調整結果判断処理手段27により適正条件を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態を含む複数の仮振替後の指定状態について、ローン用の担保に供された各金融商品の担保評価額の合計額の履歴を示すグラフと、信用取引用の担保に供された各金融商品の担保評価額の合計額の履歴を示すグラフとを、顧客端末装置50の画面上に表示することができる。このため、顧客は、画面表示された仮振替後の指定状態の中からの選択作業を行う際に、それらの履歴を示すグラフを参照しながら選択のための判断を行うことができるので、顧客に対し、より一層高度な判断材料を提示することができる。例えば、ある指定状態番号が付された仮振替後の指定状態について、そのようなローン用の担保とする金融商品の組合せ、またはそのような信用取引用の担保とする金融商品の組合せにすると、ローン用の担保とする各金融商品の担保評価額の合計額、または信用取引用の担保とする各金融商品の担保評価額の合計額が大きく変動する傾向が出て、安定性に欠ける組合せであることを把握することができたり、あるいは現在は適正条件を満たすものの、すぐにローン維持率または信用取引維持率が不適正な状態になるという予測をすることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態の担保管理システム10は、担保管理サーバ20の連携情報取得処理手段21により、預り資産管理システム70、ローン管理システム80、および信用取引管理システム90にアクセスし、これらのシステム70,80,90から専用線3,4,5を介して各種の連携情報を取得する構成とされていたが、本発明の担保管理システムは、このような構成に限定されるものではなく、担保管理サーバ20と、預り資産管理システム70、ローン管理システム80、および信用取引管理システム90のうちの全部または一部とを一体化したシステムとしてもよい。
また、前記実施形態では、最適指定状態判定処理手段28は、図10に示すように、3通りの方法で、(1)維持率についてパーセンテージの余裕度を等しくする場合の最適判定結果と、(2)担保評価額の合計額について金額の余裕度を等しくする場合の最適判定結果と、(3)担保評価額の合計額を必要額に比例させる場合の最適判定結果とを求める構成とされていたが、これらの最適判定処理に代えて、または加えて、次のような最適判定処理を行う構成としてもよい。すなわち、本発明の最適指定状態判定処理手段は、維持率調整結果判断処理手段27により適正条件を満たすと判断された全ての仮振替後の指定状態を含む複数の仮振替後の指定状態について、担保情報記憶手段43(図5参照)から、仮振替えでローン用の担保とされている顧客の各金融商品の保有数量(株数等)を抽出し、抽出した各金融商品の保有数量(株数等)と、時価情報記憶手段40(図2参照)に記憶された各金融商品の最新の時価情報(単価)および過去の時価情報(単価)とを用いて、仮振替えでローン用の担保とされている顧客の各金融商品の担保評価額の合計額の履歴データについての分散または標準偏差を算出するとともに、担保情報記憶手段(図5参照)から、仮振替えで信用取引用の担保とされている顧客の各金融商品の保有数量(株数等)を抽出し、抽出した各金融商品の保有数量(株数等)と、時価情報記憶手段40(図2参照)に記憶された各金融商品の最新の時価情報(単価)および過去の時価情報(単価)とを用いて、仮振替えで信用取引用の担保とされている顧客の各金融商品の担保評価額の合計額の履歴データについての分散または標準偏差を算出し、双方の分散の和または双方の標準偏差の和が最小になる最適な仮振替後の指定状態を判定する構成としてもよい。なお、履歴データ(過去から現在に至るまでの各時点のデータ)の算出方法は、履歴グラフ表示処理手段30により履歴グラフのデータを作成する場合と同様である。このような構成とした場合には、ローン用の担保とする各金融商品の担保評価額の合計額や、信用取引用の担保とする各金融商品の担保評価額の合計額についての変動が少なくなるような金融商品の組合せ(ローン用の担保とする金融商品の組合せ、および信用取引用の担保とする金融商品の組合せ)を選択することができるので、再び維持率が不適正になる事態を生じにくくすることができる。但し、ローン維持率および信用取引維持率の双方についてパーセンテージの余裕度がある程度確保されていること、あるいはローン用の担保についての担保評価額の合計額および信用取引用の担保についての担保評価額の合計額の双方について金額の余裕度がある程度確保されていることが前提である。
さらに、前記実施形態の担保管理システム10では、極度融資可能額や信用取引建可能額は、図10の指定状態選択画面100で「詳細」ボタン136をクリックしたときに、図11の詳細情報画面200で提示される構成となっていたが、顧客への極度融資可能額や信用取引建可能額の提示は、このような形での提示のみならず、例えば、オンライントレードを行っている顧客であって、ローンを組んでない顧客または信用取引を行っていない顧客が、顧客端末装置50を操作し、その顧客の金融商品を預かっている証券会社のホームページにアクセスした際に提示されるようにしてもよい。この場合には、極度融資可能額表示処理手段や信用取引建可能額表示処理手段を設け、次のようにして極度融資可能額や信用取引建可能額を、顧客端末装置50の画面上に表示させることができる。先ず、、顧客が入力した顧客識別情報(口座番号等)をキーとして、担保情報記憶手段43(図5参照)から、当該顧客の保有する金融商品のうちローン用の担保の指定が可能な各金融商品、あるいは信用取引用の担保の指定が可能な各金融商品(担保区分の指定がなされていない金融商品)の評価額を抽出する。担保情報記憶手段43(図5参照)から保有数量(株数等)を抽出し、時価情報記憶手段40(図2参照)に記憶された最新の時価情報(単価)を乗じて評価額を算出してもよい。次に、評価額に代用掛目(例えば、ローン用の担保であれば60%、信用取引用の担保であれば80%)を乗じることにより、ローン用の担保としての担保評価額、あるいは信用取引用の担保としての担保評価額を算出する。さらに、ローン用の担保の指定が可能な金融商品、あるいは信用取引用の担保の指定が可能な金融商品が複数存在する場合には、それらの複数の金融商品についての担保評価額を合計し、ローン用の担保としての各金融商品の担保評価額の合計額、あるいは信用取引用の担保としての各金融商品の担保評価額の合計額を算出する。そして、極度融資可能額表示処理手段により、ローン用の担保としての各金融商品の担保評価額の合計額に、極度掛目(例えば80%)を乗じることにより、極度融資可能額を算出し、あるいは信用取引建可能額表示処理手段により、信用取引用の担保としての各金融商品の担保評価額の合計額に、一定比率(例えば10/3)を乗じることにより、信用取引建可能額を算出し、算出した極度融資可能額や信用取引建可能額の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置50へ送信する。
このような極度融資可能額表示処理手段を設けた場合には、ローン口座を開設していない顧客であっても、自己の極度融資可能額がわかるので、証券担保ローンの存在も知らないローン未契約顧客に対し、「自分はこれぐらい借りることができるのか」と思わせることができ、潜在顧客の取り込みに繋がるうえ、ローンの契約はしたが未だ借りていないローン契約顧客に対しても、ローンサイトに行かずに極度融資可能額を示すことができ、ローンサービスの存在を意識させることができる。また、信用取引建可能額表示処理手段を設けた場合も同様であり、信用取引口座を開設していない顧客であっても、自己の信用取引建可能額がわかるので、信用取引未契約顧客に対し、「自分はこれぐらい信用取引を建てることができるのか」と思わせることができ、潜在顧客の取り込みに繋がるうえ、信用取引契約顧客に対しても、信用取引サイトに行かずに信用取引建可能額を示すことができ、信用取引サービスの存在を意識させることができる。