JP5048896B2 - 表面保護シート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス、金属、プラスチック等の材料で形成された表面が平滑な板の保護を目的として、一時的にこれらの被着体に貼着する表面保護シートに関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、ガラス板、金属板、プラスチック板、化粧板、サッシの枠体等の被着体の一時的な表面保護を目的として、ポリエチレン、ポリプロピレン等の基材の片面に、感圧性接着剤を形成したものが使用されてきる。ところが、このような表面保護シートは、耐衝撃性が劣るために、運搬や保管時の取り扱いによって、被着面に傷を付けてしまうことがある。
この不都合を改良するために、ウレタンフォーム材等の緩衝性を有する層を基材と感圧性接着剤との間に介在させることが考えられるが、製造工程が複雑となり従来品より大幅なコストアップが免れないものである。
また、感圧性接着剤を用いた表面保護シートでは、温度、経時により、また丁寧に剥がさないと、しばしば糊(接着剤)残り現象が発生することがある。さらに、このような表面保護シートは、被着面に対して、一回剥離すると、再度貼着することが難しくなり、環境面で好ましいものとはいえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであって、ガラス面等の平滑面を、外部からの衝撃から保護する衝撃吸収性に優れた表面保護シートを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アクリル系樹脂組成ならびにその配合、製法を工夫することにより自己接着性を有し、しかも衝撃吸収性に優れた連続気泡構造を有する発泡構造(フォーム)を極めて簡単な製造方法により得られることを知見したものであり、すなわち本発明の表面保護シートは、表面側となる基材と貼着面側となる発泡層との積層構造を有し、前記発泡層は、架橋性発泡エマルジョンが、基材上にコーティングされ、その後加熱乾燥されてなることを特徴とする。
また、前記架橋性発泡エマルジョンが、主として(メタ)アクリル酸エステル単量体と官能基を有する単量体とからなるアクリル系共重合体と、架橋剤とが、混合・機械発泡されてなるものであることを特徴とする。なお、機械発泡とは、撹拌羽根等で機械的に周囲の空気を微細化してエマルジョン中に混入させる発泡方法のことである。
【0005】
前記共重合体は、一般に行われている乳化重合手法によって重合されるものが好ましい。
具体的には、(メタ)アクリル酸エステル単量体、前記単量体と共重合可能で架橋剤と反応して架橋構造を形成できる官能基を有する単量体を乳化剤の存在下、水を溶媒として重合したものである。また、フォーム物性を調整するために、(メタ)アクリル酸エステル単量体及び官能基を有する単量体と共重合可能な他の単量体を加えて重合したものであってもよい。
この重合の際、必要に応じて重合開始剤、連鎖移動剤等を加えながら温度条件を調整しながら重合反応を行い、目的とするエマルジョンを調製する。
この際、官能基を有する単量体の重量比率は、単量体の合計に対して1〜10重量%の量が好ましく、1重量%より少ないの場合、得られるフォームが充分に架橋されず、耐水性が劣り、濡れた状態で引き剥がす時にフォームが破断することが考えられ、また逆に10重量%を超えた場合では、架橋密度が上がりすぎ、フォーム表面の粘着性(タック)が低下し吸着力が悪くなるため好ましくない。
【0006】
ここで、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを意味し、(メタ)アクリル酸と、脂肪族アルコールや脂環族アルコールや芳香族アルコールとの縮合物である。
【0007】
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸iso−ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸iso−アミル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等であり、好ましくは(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ノニルが挙げられる。
【0008】
他の単量体としては、スチレン、p−クロロスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0009】
官能基を有する単量体としては、 (メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有単量体、エチレン性不飽和ポリカルボン酸無水物などの酸無水物を持つ単量体、n−メチロール(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール、メタアリルアルコール、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルメチル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチルなどの水酸基含有単量体、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、β−アミノエチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ビニルアミン、ビニルメチルアミン、ビニルエチルアミン、ビニルジメチルアミン、ビニルジエチルアミン、アリルアミン、アリルジメチルアミン、メタアリルジメチルアミン、ビニルジフェニルアミン、アリルジメチルアミン、アリルジメチルアミン、メタアリルジエチルアミン、アリルジメチル、メタアリルジエチルアミン、p−アミノスチレンなどのアミノ基含有の単量体、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、イタコンジアミド、メチルイタコンアミド、マレインジアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピオキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有単量体、(メタ)アクリル酸グリシジル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有単量体、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、トリメチルプロパンポリ(メタ)アクリレート、グリセリンポリ(メタ)アクリレート、末端水酸基含有ポリエステルのポリ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレートなどの多官能性不飽和結合を有する単量体などを使用することができる。
【0010】
これらの単量体を乳化重合するにおいて、通常単量体の合計100重量部に対して100〜200重量部の水を使用し、乳化剤及び重合開始剤の存在下で、場合により連鎖移動剤、各種電解質、pH調製剤とうを添加することによって行われる。
【0011】
乳化重合における乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤を1種以上使用することができる。
アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸のアルカリ金属塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン・アルキルフェニルエーテル硫酸塩、脂肪油の硫酸エステル塩、脂肪族アミンまたは脂肪族アミドの硫酸塩、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪族アミドのスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ホルマリン縮合ナフタレンスルホン酸塩、脂肪族アルコールのリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エテルリン酸エステル塩等が使用できる。
この中でも特に、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルキルエルテルスルホン酸ナトリウムが好適に使用される。
【0012】
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が使用できる。
乳化剤の添加量としては、単量体成分に対して0.5〜10重量%程度が一般的であり、好ましくは1〜3重量%である。
乳化剤の添加量が少なすぎると均一に乳化重合することが困難になり、また多すぎると作製されるフォームの耐水性が悪化するなどの弊害が発生する。
【0013】
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、クメンハイドロパーオキサイド、イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−1−ブチルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、アゾビスイソカプロニトリル、アゾビス(フェニルイソブチロニトリル)等のアゾ化合物が使用できる。
開始剤の添加量はモノマーに対して0.03〜2重量%が好ましく、さらに好ましくは0.05〜1重量%の範囲である。
開始剤の添加量が少なすぎると重合時間がかかり過ぎたり、製造される重合体の分子量が大きすぎ使用に適さないなどの問題が発生する。また逆に重合開始剤の添加量が多すぎると製造される重合体の分子量が低すぎて得られるフォームが脆くなる等の問題が発生する。
【0014】
このようにして得られたエマルジョンに、架橋剤が添加混合され、架橋性エマルジョンとなる。なお、架橋剤の添加時に架橋性エマルジョンの発泡を行ってもよい。また架橋剤の添加前あるいは添加と同時に、フォーム製造のための加工性向上、得られるフォームの諸特性の向上のために添加剤を加えることができる。
【0015】
架橋剤としては、エポキシ基を有するエポキシ化合物が使用される。例えば、(1)式に示したプロピレングリコールジグリシジルエーテル(ナガノ化成製デナコールEX−911がある)、(2)式で示したN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(三菱瓦斯化学社製テトラッド−Xがある)などが使用される。
【化1】
【化2】
【0016】
添加剤としては、充填剤、防腐・防カビ剤、整泡剤、発泡助剤、ゲル化剤、難燃剤、粘着付与剤、顔料、染料等が使用できる。
また、エマルジョンの改質としてアクリル系樹脂エマルジョンに加え他の樹脂系エマルジョンをブレンドすることも可能であり、特に引張強度の改良を目的にアクリル系樹脂エマルジョンの一部を置換する形でウレタン系エマルジョンを加えることもできる。
【0017】
充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、クレー、カオリン、ガラス紛等が使用できる。
【0018】
防腐・防カビ剤としては、例えばジヒドロキシジクロロフェニルメタン、ナトリウムペンタクロロフェネート、2,3,4,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン、ビス(トリブチル錫)オキサイド、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−s−トリアジン、銀錯体、亜鉛錯体等が使用できる。
【0019】
整泡剤としては、ステアリン酸アンモニウム、アルキルスルホサクシネート、四級アルキルアンモニウムクロライド等が使用できる。
【0020】
発泡助剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等が使用できる。
【0021】
ゲル化剤としては、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム等のアンモニウム塩、アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物、ポリビニルメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリエーテルポリホルマール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、シリコン系感熱化剤等が使用できる。
【0022】
難燃剤としては、リン酸エステル系化合物、ハロゲンリン酸エステル系化合物、ポリリン酸アンモニウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム等が使用できる。
【0023】
粘着付与剤は、ガラス面あるいはサッシ面への密着性を向上させるために添加するものでこれら粘着付与剤としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジン、ロジングリセリンエステル、水添ロジン・グリセリンエステルなどのロジン系樹脂及、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂などのテルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂などの石油系樹脂、クマロンインデン樹脂から選ばれる化合物が使用できる。
【0024】
顔料、染料としては、例えば酸化チタン、カーボングラック、べんがら、キナクリドン等を挙げることができる。
【0025】
このようにして得られた架橋性エマルジョンを発泡して架橋性発泡エマルジョンとする方法としては、前記エマルジョン中に一定量の空気を混入しオークスミキサー、ホイッパー等により連続的又はバッチ式に撹拌することにより行われる。こうして得られた架橋性発泡エマルジョンはソフトクリーム状になる。
【0026】
そして架橋性発泡エマルジョンを基材上にコーティングし、前記エマルジョンを加熱乾燥させることによって固化した発泡層を形成するのである。この際、アクリル系共重合体に含まれる官能基とエポキシ化合物に含まれるエポキシ基が反応し架橋構造が形成されて、衝撃吸収性及び強度を有する発泡層となる。
【0027】
基材としては、プラスチックフィルムならばすべて適用可能であるが、強靱であり耐熱性の優れたポリエステルフィルムが好ましい。
ポリエステルフイルムとしては、一軸延伸PET、2軸延伸PET、A−PET、PET−Gフィルムなどが使用できる。
基材の厚さとしては、10〜80μmのものが好ましく、さらに好ましくは38〜50μmである。厚さが10μmより小さいと、鋭利な形状を有する物体の衝突に対して十分保護材として機能しなくなる虞があるとともに、表面保護シート自体を製造する段階で、皺等が生じやすい。80μmより大きいと、表面保護シート自体の取り扱い、例えば巻物にしたりする場合、小さい径では巻き癖がつきやすくなる等の不都合が生じる。
さらに、プラスチックフィルムには、予めコロナ放電処理あるいはプライマー処理等をして発泡層と強固接着するようにしておくことが好ましい。
【0028】
架橋性発泡エマルジョンのコーテイング方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、スクリーンコーター、ドクターナイフコーター、コンマナイフコーター等の一般に知られているコーテイング装置が使用でき、特にドクターナイフコーターが塗布厚み的に好適に使用される。
この際、単層コーテイングはむろんのこと、複層コーテイングとすることも何ら問題はなく、複層とする場合、各々の層が同一種類のエマルジョンでなくとも良い。
【0029】
加熱乾燥の方法としては、基材上にコーテイングされた架橋性発泡エマルジョンを乾燥、架橋させることができる方法であるならば特に限定されるものではなく、バッチ式にコーティングされるものであれば、通常の熱風循環型のオーブン等を使用でき、連続的にコーティングされるものであれば、熱油循環熱風チャンバー、遠赤外線ヒーターチャンバー等を使用することができる。この際の乾燥温度は90℃〜180℃が適当であり、前記エマルジョンの性質、塗布量、塗布厚み等により乾燥の条件は適宜選定される。
また、一定温度ではなく、初期は低温で内部から乾燥させ、後期により高温で十分乾燥させるような多段階乾燥を行うことが特に好ましい。
【0030】
得られる発泡層の密度、厚さ、硬度等は、気泡の混入比率、前記エマルジョンの組成、固形分濃度、加熱乾燥固化の条件等により調整されるものである。
発泡層の厚さに関しては、0.3〜5mmが好ましく、さらに好ましくは、0.5〜1mmである。厚さが0.3mmより小さいと、衝撃吸収性が十分でなく、5mmより大きいと発泡層を曲面に貼着しにくくなりやはり好ましくない。
発泡層の密度は、特に限定されるものではないが、衝撃吸収性の観点から0.1〜0.3g/cm3になるように架橋性エマルジョンへの空気の混入量を調整することが好ましい。
【0031】
このようにして、架橋性発泡エマルジョンが基材上にコーティングされ、加熱乾燥されて得られた表面保護シートは、通常の製造では、巻取機によって巻き取られ、プレス裁断、スリッターにより裁断されて使いやすいサイズに加工される。
【0032】
【実施例】
以下に具体的な例を挙げ、本発明の自己吸着性のある吸水性フォームに関して詳細に説明するが、本発明は以下に挙げる例に限定されるものではない。
(アクリル系共重合体の製造)
重合釜に蒸留水2000g入れ、その中に乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム15g、表1に示すそれぞれの単量体指定量それぞれ混合し、65℃に温度を調節し撹拌しながら炭酸カリウム1g、過硫酸カリウム3gを徐々に加え10時間乳化重合反応を行うことによりアクリル系共重合体エマルジョンA〜Cを得た。
【0033】
【表1】
【0034】
(架橋性エマルジョンの調製、実施例1〜10、比較例1及び2)
アクリル系共重合体エマルジョンA〜Cを用いて架橋剤、添加剤を添加し混合撹拌し架橋性エマルジョンを調製し、その後、前記架橋性エマルジョンをプラスチックビーカーに取り、0.3g/ccの比重になるまでホイッパーにて空気を混入して架橋性発泡エマルジョンを作製した(表2及び表3)。
なお、実験に使用した架橋剤、添加剤は、整泡剤A:ステアリン酸アンモニウム、整泡剤B:アルキルスルホサクシネート、ゲル化剤:ポリプロピレングリコール、架橋剤A:メラミン系化合物、架橋剤B:エポキシ系化合物、粘着付与剤:ロジン系樹脂エマルジョン、顔料:カーボンブラック水分散体黒顔料(固形分濃度 60重量%)。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
表2及び表3に示す配合で作製された架橋性発泡エマルジョンを、所定の厚さにドクターナイフコーターにてポリエチレンフタレートフィルム上にコーティングした。その後、所定の加熱条件で加熱乾燥を行って固化した発泡層を得て、基材と発泡層の積層構造を有するシートを得た(表2及び表3)。
また、このような実験を、8μm厚さのポリエチレンテレフタレートにて試みたが、厚さが薄くて、良好なシートは得られなかった。
【0038】
(参考例1及び2)
下記の市販されている全く素材の異なるものも、下記の評価方法で評価した。参考例1:密度20Kg/m3、厚さ15mmのポリウレタンフォームを3mmに熱成形し、片面に粘着剤層を積層したもの。
参考例2:発泡倍率35倍、厚さ1mmの発泡ポリエチレンの片面に粘着剤層を積層したもの。
【0039】
(貼着性の評価)
平坦なガラス板上に、得られたシートを、0.1MPaの力で2秒間押しつけて貼着を試みた。貼着状態を下記の基準で評価した。
◎:十分に吸着力がある。
○:吸着力はやや劣るが自然に剥がれる状態ではない。
△:ガラス板を垂直にすると剥がれてくる。
×:吸着しない
【0040】
(剥離性)
上記の方法で貼着したシートを、500mm/secの速度で90度剥離した。
○:発泡層の破壊なく、ガラス板に異物を残すことなくキレイに剥がれる。
×:ガラス板に異物を残してしまう。
【0041】
(衝撃吸収性)
得られたシートを上面に貼着した、厚さ2mm×縦100mm×横400mmのガラス板を持ち上げて、横方向両端を合板製の支持台に固定し、1mの高さから5.5gのパチンコ玉を自然落下させ、ガラス板の状態を下記の基準で評価した。
○:ガラス板に変化なし。
×:ガラス板にヒビ又はガラス板が割れた。
【0042】
(保護シートの表面強度)
上記と同じシートを貼着したガラス板を用いて、そのガラス板の横方向の片側を、5cm持ち上げて合板製の支持台に固定し、15cmの高さから45gのボルトを20回落下させて、発泡層表面の破損状態を観察した。
◎:表面に破損無し。
△:表面に破損が認められる。
×:発泡層まで破損した。
【0043】
また、実施例1〜10の内容で得られたシートを、ガラス板に0.1MPaの力で2秒間押しつけて貼着した後、2週間放置、その後剥離して、さらに、離型性シートに発泡層側で貼りつけて、2週間放置、その後、これらのシートを離型性シートから剥離して、ガラス面に貼着させたところ、十分な貼着であった。すなわち実施例1〜10のものは、再利用可能なものである。
【0044】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明の表面保護シートは、接着剤層を別途設ける必要がないので、剥離時に糊残りする心配がなく、ガラス板等の平滑な面に容易に脱着(再利用も可能)でき、また、発泡層と基材との組み合わせの効果で、被着体をしっかり保護することができる。また、本発明の表面保護シートは、従前の製造装置が使用でき、製造工程も非常に簡潔なものである。
Claims (1)
- 表面側となる10〜80μmの基材と0.3〜5mmの貼着面側となる発泡層との積層構造を有し、
前記発泡層は、主として(メタ)アクリル酸エステル単量体と官能基を有する単量体1〜10重量%とからなるアクリル系共重合体と、架橋剤とからなり、混合・機械発泡されてなる架橋性発泡エマルジョンが、基材上にコーティングされ、その後、乾燥温度90℃〜180℃において、初期は低温で内部から加熱乾燥され、後期は高温で加熱乾燥されてなることを特徴とする表面保護シート。
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