JP5267792B2 - 燃料電池用電解質膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池用電解質膜の製造方法に関する。さらに詳細には、電解質膜を保護・補強するための保護フィルムを含む燃料電池用電解質膜の製造方法に関する。
燃料電池用の電解質膜は、触媒層と相まって燃料電池の発電性能の良否を決める重要部材である。そのため、たとえ、周縁部が損傷しても燃料電池の性能が劣化し、かつ、その損傷を起因として耐久性も劣化するおそれがある。
さらに、燃料電池用の電解質膜は、薄膜であり、強度が弱く、ガス拡散層のような隣接層(より具体的には、主にガス拡散層の材料であるカーボンの毛羽)から損傷を受け易い。
そこで、特許文献1は、二枚の額縁状保護フィルムを準備し、各額縁部を、接着剤を介して電解質膜の周縁部をサンドイッチし、電解質膜の周縁部を保護する方法を提示し、、特許文献2は、電解質膜をキャリアフィルムに形成後、電解質膜に触媒層を形成し、その上から触媒層が額縁内周縁部に沿うように額縁状保護フィルムを接合し、電解質膜の周縁部を保護する方法を提示している。
特開2007−250249号公報 特表2007−533088号公報
しかしながら、特許文献1の方法によれば、電解質膜の周縁部で保護フィルムが隆起するため、保護フィルム付き電解質膜が、周辺部から中央部に向かって凹むようなアンデュレーション(undulation)の面状態になる。このような面状態の保護フィルム付き電解質膜に、触媒層を形成するために触媒インクを塗布する際、塗布面がフラットでないため、円滑な塗布作業が困難となる。特に量産ライン[例えば、ロールトゥロール(Roll to Roll)のライン]で、スキージのような塗布手段を用いた塗布は尚更困難となる。
、燃料電池は、単セルを複数個スタックし、所望の発電性能を得るところ、保護フィルム付き電解質膜がアンデュレーションの面状態であると、その電解質膜の両面に、順に触媒層、拡散層、セパレータをスタックした単位セルの面内に所望の面圧を加えることが困難となり、触媒層、拡散層、セパレータが好適に密着接触できにくくなり無用な内部抵抗の発生および電圧降下を招来し、所望の発電性能が発揮できない。さらに、スタックを締結するにせよ燃料電池の外周部に極端に強い荷重をかけることになり、スタックの劣化を促進するおそれもある。
、特許文献2の方法によれば、触媒層と保護フィルムとが重ね合わされる際に両者間に正確な位置合わせが必要であり、触媒層と保護フィルムとの接合作業が煩雑になる。、特許文献2の図1、図2の方法により、好適に両者が重ね合わされたとしても、重ね合わせ部にある触媒層は発電することが出来ず、触媒性能を最大限発揮することができなくなる。特に、触媒層に代表的に使用される白金触媒は、白金が高価な金属であるため、触媒インクをできるだけ無駄なく使用すべきであるが、当該方法によれば、発電性能に対する材料コストを押し上げてしまう。、面内に所望の面圧を加えることが困難な構造である。さらに、特許文献2の図3の方法により、好適に両者が重ね合わされたとしても、拡散層のエッジ部分が保護フィルムより内側にあるため、電解質膜に損傷を与え易い構造となる。
本発明は、保護フィルムを含みながらも、電解質膜の面内が平滑となる電解質膜構造体を提供し、かつ、電解質膜に塗布される触媒インクを最大限利用可能な、電解質膜用の保護フィルムを含む燃料電池を提供することを目的とする。
(発明の態様)
以下、発明の態様を示し、それらについて説明する。
(1)キャリアフィルムに、額縁状の保護フィルムを接合し、凹部を有するフィルム接合体を作製する接合工程と、該フィルム接合体の前記凹部を含む面に、電解質溶液を塗布する塗布工程と、該塗布された該電解質溶液を乾燥し、断面T字状の電解質膜に、断面T字の両脇であって、断面T字と前記キャリアフィルム面との空間に前記保護フィルムが形成された態様の電解質膜構造体を形成する乾燥工程とを含むことを特徴とする燃料電池用電解質膜の製造方法(請求項1)
本項に記載の燃料電池用電解質膜の製造方法によれば、断面T字状の電解質膜に、断面T字の両脇であって、断面T字とキャリアフィルム面との空間に保護フィルムが形成された電解質膜構造体を形成することができる。この電解質膜構造体によって、断面T字状の電解質膜の上面がフラット、かつ、キャリアフィルム面と平行に、保護フィルムによって補強された電解質膜(断面T字状)を提供することができる。
、本項に記載の燃料電池用電解質膜の製造方法により、キャリアフィルムに担持された保護フィルム付き電解質膜構造体の二体を別個に作製し、それぞれの構造体からキャリアフィルムを剥離し、断面T字状の電解質膜の塗工面側同士を背中合わせに(対称構造になるように)接合することによって、アノードとカソードの両側に額縁状の保護フィルムの外周部と略同じ面寸法の断面十字状の保護フィルム付き電解質膜を製造することができる。
このようにして得られた保護フィルム付き電解質膜は、膜強度が高まり外部から損傷を受けにくくなる。、同電解質膜は、面寸法が大きく、かつ、同電解質膜のアノードとカソードの両側の面がフラットかつ、互いに平行となる。その結果、耐久性に優れ、発電性能に寄与する有効面積が広くなる。そして、触媒インクの電解質膜への塗布が円滑になるため量産性が向上する。そして、単セル同士が好適に導通接触し、もって、単セル間の導通性に優れた燃料電池を提供することを可能とする。
接合工程において、キャリアフィルムに、額縁状の保護フィルムを接合し、凹部を有するフィルム接合体を作製する際、キャリアフィルムと、額縁状の保護フィルムとの間に、粘着剤(接着剤)を塗布することが好ましい。粘着剤は、例えばアクリル系微粘着剤が好ましいが、これに限定されず、熱可塑性樹脂の粘着剤からなるものを塗布するようにしてもよい。
乾燥工程は、前述の通り、自然乾燥でもよいが、量産性を考慮すると温風乾燥が好ましい。
本項に記載の燃料電池用電解質膜の製造方法によって、得られた保護フィルム付きの電解質の両側に触媒層を形成することにより、保護フィルム付き膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:「MEA」と略す)が提供可能であり、さらに触媒層の上にガス拡散層(Gas Diffusion Layer:「GDL」と略す。)を形成し、保護フィルム付き膜電極ガス拡散層接合体(Membrane Electrode GDL Assembly:「MEGA」と略す)が提供可能である。、キャリアフィルムに担持された保護フィルム付きハーフ電解質膜(本明細書で、「ハーフ」とは電解質膜が最終的に燃料電池内に含まれて使用されるときの電解質膜構造体の半分(ハーフ)の構造体を指す。以下同様)、保護フィルム付きハーフ電解質膜、さらには、これらの電解質膜に触媒層を形成することによりキャリアフィルムに担持された保護フィルム付きハーフMEA、保護フィルム付きハーフMEAを提供することができる。これらを背中合わせに接合することによって、キャリアフィルムに担持された保護フィルム付き電解質膜、保護フィルム付きハーフ電解質膜、キャリアフィルムに担持された保護フィルム付きMEA、又は保護フィルム付きMEAが提供可能であり、さらに触媒層の上にGDLを形成し、キャリアフィルムに担持された保護フィルム付きMEGA、又は保護フィルム付きMEGAが提供可能である。
(2)上記(1)項記載の接合工程に先立ち、キャリアフィルムに、電解質溶液を塗布し、電解質溶液で被覆されたキャリアフィルムを形成する第1塗布工程と、
該塗布された電解質溶液を乾燥し、電解質膜を形成する第1乾燥工程とを含み
該電解質膜が形成されたキャリアフィルムの塗布面に、額縁状の保護フィルムを接合し、凹部を有するフィルム接合体を作製する前記接合工程と、
該フィルム接合体の前記凹部を含む面に、上記(1)項記載の塗布工程としての、電解質溶液を塗布する第2塗布工程と、
該塗布された該電解質溶液を乾燥し、断面H字状の電解質膜に、断面H字の状態の両脇空間に前記保護フィルムが形成された態様の電解質膜構造体を形成する、上記(1)項記載の乾燥工程としての第2乾燥工程と、
を含むことを特徴とする上記(1)項燃料電池用電解質膜の製造方法(請求項2)。
本項に記載の燃料電池用電解質膜の製造方法によれば、断面H字状の電解質膜に、断面H字の(図7ではH字を横にした)状態の両脇空間に保護フィルムが形成された電解質膜構造体を形成することができる。この電解質膜構造体によって、断面H字状の電解質膜の上面及び下面がフラットかつ平行、さらにはキャリアフィルム面とも平行に、保護フィルムによって補強された電解質膜(断面H字状)を提供することができる。
又、上記(1)項の場合と同様に、膜強度が高まり外部から損傷を受けにくくなる。、同電解質膜は、面寸法が大きく、かつ、同電解質膜のアノードとカソードの両側の面がフラットかつ、互いに平行となる。その結果、耐久性に優れ、発電性能に寄与する有効面積が広くなる。そして、触媒インクの電解質膜への塗布が円滑になるため量産性が向上する。そして、単セル同士が好適に導通接触し、もって、単セル間の導通性に優れた燃料電池を提供することを可能とする。
さらに、(1)項の場合と同様に、保護フィルムによって補強された電解質膜に触媒層、又は触媒層とガス拡散層を付加すれば、MEA又はMEGAが提供可能となる。
乾燥工程については、(1)項と同様なのでその説明を省略する。
(3)上記(1)項記載の乾燥工程又は上記(2)項記載の第2乾燥工程の後、前記キャリアフィルムを前記フィルム接合体から剥離する剥離工程を含むことを特徴とする(1)項又は(2)項に記載の燃料電池用電解質膜の製造方法(請求項3)
燃料電池の製造工程中、本項によるキャリアフィルムの剥離完了後、(1)項では、断面T字状の電解質膜部が保護フィルムで保護・補強された保護フィルム付き電解質膜又はハーフ電解質膜が、一方、(2)項では、断面H字状の電解質膜部が保護フィルムで保護・補強された保護フィルム付き電解質膜が作製される。
なお、この本項によるキャリアフィルムの剥離前又は後に、全体の面寸法を精密に揃えるために、適宜各辺は全部の辺をカットするようにしてもよい。、保護フィルム付きの、電解質膜、MEA、又はMEGAの単体で、輸送、一時保管、又は販売する場合には、キャリアフィルムを保護フィルム付き電解質膜から剥離しない状態で取り扱うことが好ましい。
(4) 上記(1)又は(2)に記載の燃料電池用電解質膜の製造方法により得られるキャリアフィルムに形成された保護フィルム付き燃料電池用電解質膜(請求項4)
(5) 上記(3)に記載の燃料電池用電解質膜の製造方法により得られる保護フィルム付き燃料電池用電解質膜(請求項5)
上記(4)及び(5)項についての説明は、上記の説明と重複するので省略する。
(6) (4)又は(5)の保護フィルム付き燃料電池用電解質膜を含むことを特徴とする固体高分子形燃料電池又はダイレクトメタノール形燃料電池。
本項は、(4)項又は(5)項によって得られる保護フィルム付き燃料電池用電解質膜を適用できる燃料電池を例示するものである。保護フィルム付き燃料電池用電解質膜の両面に、触媒層、必要な撥水層、ガス拡散層、流路付きセパレータを順に形成することで単セルを構成し、それをスタック、締結することで、固体高分子形燃料電池又はダイレクトメタノール形燃料電池を製造することができる。
本発明に係る燃料電池用電解質膜の製造方法によれば、保護フィルムを含みながらも、電解質膜の両面が平行な電解質膜構造体を提供することができ、かつ、電解質膜に塗布される触媒インクによる触媒性能を最大限発揮できる、電解質膜用の保護フィルムを含む燃料電池を提供することができる。特に、当該製造方法によれば、触媒インクを電解質膜に円滑に塗布することができるため、当該製造方法は、燃料電池(単位セル)を、ロールトゥロールの量産ラインにおいて量産を可能とし、燃料電池の製造ラインにおいて、大幅なコストダウンを達成することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1乃至図3、及び、図4乃至図7は、発明を実施する形態、即ち第1実施形態及び第2実施形態を説明するために図示したものであって、図中、同一の符号を付した部分は同一物又は同一材質を示す。
<第1実施形態>
第1実施形態は、接合工程と、塗布工程と、乾燥工程とを含む。この第1実施形態を、図1乃至図3を参照し説明する。
接合工程:図1を参照しながら、本工程を以下説明する。
本工程では、まず、キャリアフィルム1を準備する。キャリアフィルム1は、担持体として適当な強度と柔軟性を備えたETFE(エチレン・テトラフロロエチレン共重合体)製のものを使用することが好ましい。ロールトゥロールの量産ラインでは、キャリアフィルムをロールに巻き回したものをロールで巻き取るようにする。キャリアフィルムは、強度ばかりでなくフレキシビリティも必要であり、この観点から、その厚さは例えば15μmから50μmから程度のものが好ましい。ロール幅は幅方向に加工しろを加味して単位セルを何個取るかによって決めればよい。次に、額縁状の保護フィルム2を準備する。保護フィルム2は電解質膜4(図2、図3参照)の特に周縁部を保護・補強するものであるため、強度が高くキャリアフィルム1と同様にロールトゥロールの量産ラインにおいて使用搬送し易いような柔軟性を兼ね備えたものが好ましい。この観点から、例えばエンジニアリングプラスチックとしてしばしば使用されるPEN(ポリエチレンナフレタート)製のフィルムであって、その厚さが5μmから25μm程度のものが好ましい。額縁状の保護フィルム2のフレーム幅は、単位セルの発電性能を左右する電解質膜のプロトン伝導性を妨げないようにする観点からは、できるだけ狭いことが好ましいが、本来の目的である電解質膜4を保護・補強する観点からは、ある程度の幅があることが好ましい。例えば、単位セル構造の触媒層寸法、セパレータ寸法などを加味して決めればよい。なお、キャリアフィルム1の面寸法は、額縁状の保護フィルム2の外周寸法と同等か、又はそれ以上にする。材料コストを低減する観点からは両者は同一であることが望ましいが、製造上(量産上)は、同一とすると精緻な位置合わせが必須となるため、キャリアフィルム1の面寸法を額縁状の保護フィルム2の外周寸法よりやや大きく形成し、所望の単位セルの面寸法となるように最終的に切断又は打ち抜き加工等により適宜カットして調整することが望ましい。
準備されたキャリアフィルム1と額縁状フィルム2とを接合する際に、接合面に、アクリル系微粘着剤を、額縁状フィルム2側の面に数μm塗布して極薄のアクリル層を形成することが好ましい。両者を接着した後、二つのロールで両者をニップするか、プレス機で両者を加圧して接合する。このようにして、本工程において、図1に例示されているような、凹部3を有するフィルム接合体49が形成される。
塗布工程:図2を参照しながら、本工程を説明する。
本工程では、接合工程で形成された凹部3を有するフィルム接合体49に、電解質溶液4を、例えばスキージや、バーコータ、ダイコータ、ドクターブレード等の塗布手段5を用いて、キャスト法により塗布し、最終的に、電解質溶液4で、凹部3を充填しつつ、額縁状の保護フィルム2の額縁(フレーム)面2Fを被覆し、平面状の塗布面を形成する。なお、電解質溶液4は低粘度であるため、凹部3に電解質溶液4が重力により容易に流されて凹部3を充填し、そこから溢れ出る電解質溶液4が上記の平面状の塗布面を形成することになる。
電解質溶液4は、パーフルオロスルホン酸からなる電解質ポリマー(例えば、テフロン(登録商標)骨格のスルホン酸基を持つポリマー)を、水、エタノールを溶媒として10%から20%程度の濃度の電解質溶液である。なお、パーフルオロスルホン酸からなる電解質ポリマーの具体例は、デュポン社製のナフィオン(登録商標)、旭硝子社製のフレミオン(登録商標)、又は旭化成社製のアシプレックス(登録商標)等である。さらに、塗布された電解質溶液4に、100℃から130℃程度の温風を送り、水分及び有機溶媒分を蒸発させる。
このようにして、第1実施形態において、図3(図2のA−A´断面図)に例示されているような、キャリアフィルム1に担持された額縁状保護フィルム2付きの断面略T字状の電解質膜4からなる電解質膜構造体50が製造される。
この後、電解質膜構造体50を用いて燃料電池を製造するときには、二対の電解質膜構造体50を準備し、それらからキャリアフィルム1をそれぞれ剥離し、略T字状電解質膜の底部4B同士が背中合わせになるようにホットプレスにより接合して、保護フィルム付き電解質膜を作製することもできる。そして、常法により、さらに保護フィルム付き電解質膜の両側に、触媒層、必要な撥水層、ガス拡散層、セパレータを対称的に形成し、単セルを作製する。その後、所望の電力を得るために、単セルをスタックし、スタック体を締結し、燃料電池を作製する。
なお、電解質膜構造体50単体として、その上に触媒層を形成したハーフMEAとして、又は、さらにハーフMEAの上にガス拡散層を形成したハーフMEGAとして、保管、搬送、又は販売することもできる。
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1塗布工程と、接合工程と、第2塗布工程と、乾燥工程とを含む。この第2実施形態を、図4乃至図7を参照し説明する。
第1塗布工程:図4を参照しながら、本工程を以下説明する。
本工程では、第1実施形態と同材料のキャリアフィルム1に、同実施形態と同成分の電解質溶液6を、同実施形態と同様なキャスト法により塗布し、100℃から130℃程度の温風で電解質溶液6中の水分、有機溶媒分を蒸発させて、電解質膜6で被覆されたキャリアフィルム1からなるフィルム接合体98を形成する。
接合工程:図5は、本工程により得られるフィルム接合体99を示すが、図1と図5とを比較参照すると分かるように、実施形態1の接合工程と同様の方法によって、額縁状保護フィルム7を、フィルム接合体98(図4)の上に接合する。このとき、図1の凹部3と同様の凹部8が形成される。
第2塗布工程:図6は、本工程を説明するための図を示すが、図2と図6とを比較参照すると分かるように、実施形態1の塗布工程と同様の方法によって、実施形態1と同様の成分の電解質溶液9を、実施形態1と同様のキャスト法により塗布し、100℃から130℃程度の温風で電解質溶液9中の水分、有機溶媒分を蒸発させて、電解質膜9で被覆された電解質膜構造体100を形成する。
このようにして、第2実施形態により、図7(図5のB−B´断面図)に例示されているような、キャリアフィルム1に担持された額縁状保護フィルム7付きの断面略H字状(図7では横向きのH字状)の電解質膜9からなる電解質膜構造体100が製造される。
この後、電解質膜構造体100を用いて燃料電池を製造するときには、キャリアフィルム1を剥離し、保護フィルム付き電解質膜を作製する。そして、常法により、さらに保護フィルム付き電解質膜の両側に、触媒層、必要な撥水層、ガス拡散層、セパレータを対称的に形成し、単セルを作製する。その後、所望の電力を得るために、単セルをスタックしスタック体を締結し燃料電池を作製する。
第2実施形態は、第1実施形態の構成を引用して、次のようにまとめられるものである。
すなわち、第1実施形態の接合工程(図1)に先立ち、キャリアフィルム1に、電解質溶液6を塗布し、電解質溶液6で被覆されたキャリアフィルム1を形成する第1塗布工程(図4)と、
塗布された電解質溶液6を乾燥してなる電解質膜を含むフィルム接合体98を形成する第1乾燥工程(図4)とを含み、
電解質膜6が形成されたキャリアフィルム1であるフィルム接合体98の塗布面に、額縁状の保護フィルム7を接合し、凹部8を有するフィルム接合体99を作製する接合工程(図5)と、
フィルム接合体99の凹部8を含む面に、第1実施形態における塗布工程と同じく、電解質溶液9を塗布する第2塗布工程(図6)と、
塗布された電解質溶液9を乾燥し、断面H字状の電解質膜に、断面H字の状態の両脇空間に保護フィルム7が形成された態様の電解質膜構造体100を形成する、第1実施形態の乾燥工程としての第2乾燥工程(図6)と、
を含むことを特徴とする燃料電池用電解質膜の製造方法である。
なお、電解質膜構造体100単体として、その上に触媒層を形成したMEAとして、又は、さらにMEAの上にガス拡散層を形成したMEGAとして、保管、搬送、又は販売することもできる。
なお、本発明に係る燃料電池用電解質膜の製造方法は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、第1及び第2実施形態の変形例として、上記の接合工程において、キャリアフィルムに、額縁状の保護フィルムを接合した後、該保護フィルムの上に、例えば延伸PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)(多孔質膜に電解質ポリマーをフィリングしたPTFE)フィルムを額縁状に形成してから、次工程の塗布工程に進むようにしてもよい。このように形成することによって、さらに電解質膜構造体50、100を補強することができる。
、第1及び第2の実施形態の別の変形例として、第1の実施形態にあっては、接合工程(図1)と塗布工程(図2)を複数回繰り返し、第2実施形態にあっては、接合工程(図5)と第2塗布工程(図6)を複数回繰り返し、保護フィルムを複層構造にしてもよい。このように形成することによって、さらに電解質膜構造体50、100を補強することができる。
図1は、第1実施形態の接合工程を説明するための斜視図である。 図2は、第1実施形態の塗布工程を説明するための斜視図である。 図3は、第1実施形態で製造される保護フィルム付き電解質膜構造体50の断面図である。 図4は、第2実施形態の第1塗布工程を説明するための斜視図である。 図5は、第2実施形態の接合工程を説明するための斜視図である。 図6は、第2実施形態の第2塗布工程を説明するための斜視図である。 図7は、第2実施形態で製造される保護フィルム付き電解質膜構造体100の断面図である。
1:キャリアフィルム、2、7:保護フィルム、4、6、9:電解質膜、50、100:保護フィルム付き電解質膜構造体

Claims (5)

  1. キャリアフィルムに、額縁状の保護フィルムを接合し、凹部を有するフィルム接合体を作製する接合工程と、
    該フィルム接合体の前記凹部を含む面に、電解質溶液を塗布する塗布工程と、
    該塗布された該電解質溶液を乾燥し、断面T字状の電解質膜に、断面T字の両脇であって、断面T字と前記キャリアフィルム面との空間に前記保護フィルムが形成された態様の電解質膜構造体を形成する乾燥工程と、
    を含むことを特徴とする燃料電池用電解質膜の製造方法。
  2. 請求項1記載の接合工程に先立ち、キャリアフィルムに、電解質溶液を塗布し、電解質溶液で被覆されたキャリアフィルムを形成する第1塗布工程と、
    該塗布された電解質溶液を乾燥し、電解質膜を形成する第1乾燥工程とを含み
    該電解質膜が形成されたキャリアフィルムの塗布面に、額縁状の保護フィルムを接合し、凹部を有するフィルム接合体を作製する前記接合工程と、
    該フィルム接合体の前記凹部を含む面に、請求項1記載の塗布工程としての、電解質溶液を塗布する第2塗布工程と、
    該塗布された該電解質溶液を乾燥し、断面H字状の電解質膜に、断面H字の状態の両脇空間に前記保護フィルムが形成された態様の電解質膜構造体を形成する、請求項1記載の乾燥工程としての第2乾燥工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1記載の燃料電池用電解質膜の製造方法。
  3. 請求項1記載の乾燥工程又は請求項2記載の第2乾燥工程の後、前記キャリアフィルムを前記フィルム接合体から剥離する剥離工程を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池用電解質膜の製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の燃料電池用電解質膜の製造方法により得られるキャリアフィルムに形成された保護フィルム付き燃料電池用電解質膜。
  5. 請求項3に記載の燃料電池用電解質膜の製造方法により得られる保護フィルム付き燃料電池用電解質膜。
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