JP5314329B2 - 研磨液 - Google Patents
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Description
LSIなどの半導体デバイスを製造する際には、微細な配線を多層に形成することが行われており、その各層においてCuなどの金属配線を形成する際には層間絶縁膜への配線材料の拡散を防止することや、配線材料の密着性を向上させることを目的として、TaやTaN、Ti、TiNなどのバリアメタルを前もって形成することが行われている。
しかしながら、このような固体砥粒を含む研磨液を用いてCMPを行うと、研磨傷(スクラッチ)、研磨面全体が必要以上に研磨される現象(シニング)、研磨金属面が皿上にたわむ現象(ディッシング)、金属配線間の絶縁体が必要以上に研磨された上、複数の配線金属面が皿上にたわむ現象(エロージョン)などが発生することがある。
例えば、研磨傷をほとんど発生させずに高速研磨することを目的としたCMP研磨剤及び研磨方法(例えば、特許文献1参照)、CMPにおける洗浄性を向上させた研磨組成物及び研磨方法(例えば、特許文献2参照)、及び、研磨砥粒の凝集防止を図った研磨用組成物(例えば、特許文献3参照)などがそれぞれ提案されている。
前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤である、研磨液。
<2> 前記包接化合物が、シクロデキストリンであることを特徴とする<1>に記載の研磨液。
<3> 前記酸が、カルボキシル基を有する有機酸であることを特徴とする<1>または<2>に記載の研磨液。
<4> 前記酸が、2つ以上のカルボキシル基を有する有機酸であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の研磨液。
<5> 前記有機酸が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする<3>又は<4>に記載の研磨液。
(一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭化水素基又は酸素含有炭化水素基を表す。なお、R1とR2とは互いに結合して環状構造を形成してもよい。)
<6> 更にジ4級アンモニウム塩を含むことを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の研磨液。
<7> 前記ジ4級アンモニウム塩が、下記一般式(2)で表されるアンモニウム塩であることを特徴とする<6>に記載の研磨液。
(一般式(2)中、R3〜R8は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表す。R3〜R8のうち2つが互いに結合して環を形成してもよい。Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基を表す。X−は、陰イオンを表す。)
<8> 前記シクロデキストリンが、β−シクロデキストリンであることを特徴とする<2>〜<7>のいずれかに記載の研磨液。
<9> 砥粒、防食剤、酸、及びジ4級アンモニウム塩を含有する溶液Aと、界面活性剤及び包接化合物を含有する溶液Bとを、混合して得られることを特徴とする<6>〜<8>のいずれかに記載の研磨液。
<10> 前記酸化剤が、過酸化水素である、<1>〜<9>のいずれかに記載の研磨液。
<11> <1>〜<10>のいずれかに記載の研磨液を研磨パッドに供給し、該研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させ、該研磨パッドと該被研磨体を相対運動させて該被研磨面を研磨することを特徴とする化学的機械的研磨方法。
本発明に係る研磨液は、半導体集積回路のバリア層と層間絶縁膜との化学的機械的研磨に用いられ、砥粒、防食剤、酸、界面活性剤、包接化合物を含み、pHが5未満である研磨液であって、更に必要に応じて、任意の成分を含んでいてもよい。
本発明の研磨液が含有する各成分は1種を単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
以下、本発明の研磨液を構成する各成分について詳細に説明する。
本発明の研磨液は、砥粒を含有する。砥粒としては、シリカ、アルミナ、セリア、チタン、マンガン、ジルコニアやダイヤモンドなど業界で一般に使用されているものを用いる事ができる。これらの中でもシリカ、アルミナ、セリアが好ましく用いられ、中でもシリカがスクラッチ低減の点で好ましく用いる事ができる。シリカの中では、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカなど目的に応じて使用可能であるが、スクラッチ低減の点では、コロイダルシリカをより好ましく用いる事ができる。
本発明の研磨液に対し、併用しうる砥粒としては、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、セリア、アルミナ、チタニア等が好適に挙げられる。これら併用砥粒のサイズは、コロイダルシリカと同等か、0.5倍〜2倍以下であることが好ましい。
本発明の研磨液は、被研磨表面に吸着して皮膜を形成し、金属表面の腐食を制御する防食剤(腐食抑制剤ともいう)を含有する。本発明に用いることができる防食剤としては、研磨対象の金属表面に不動態膜を形成する化合物が選択され、具体的には、複素環化合物を挙げることができる。
本発明で用いうる複素環化合物の複素環の環員数は特に限定されず、単環化合物であっても縮合環を有する多環化合物であってもよい。単環の場合の員数は、好ましくは3〜8であり、さらに好ましくは5〜7であり、特に好ましくは5及び6である。また、縮合環を有する場合の環数は、好ましくは2〜4であり、さらに好ましくは2又は3である。
例えば、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピラン環、チオピラン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピロリジン環、ピラゾリジン環、イミダゾリジン環、イソオキサゾリジン環、イソチアゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、クロマン環、チオクロマン環、イソクロマン環、イソチオクロマン環、インドリン環、イソインドリン環、ピリンジン環、インドリジン環、インドール環、インダゾール環、プリン環、キノリジン環、イソキノリン環、キノリン環、ナフチリジン環、フタラジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、アクリジン環、ペリミジン環、フェナントロリン環、カルバゾール環、カルボリン環、フェナジン環、アンチリジン環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアジン環、トリアゾール環、テトラゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾフロキサン環、ナフトイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、テトラアザインデン環等が挙げられ、より好ましくはトリアゾール環、テトラゾール環が挙げられる。
本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、当該部分はそれ自体が置換されていなくても、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていてもよいことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換又は無置換のアルキル基を意味する。
例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基(置換基を有するカルバモイル基としては、例えば、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基)、カルバゾイル基、カルボキシル基又はその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えば、ピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)ジチオ基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基又はその塩、スルファモイル基(置換基を有するスルファモイル基としては、例えばN−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基)又はその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
なおここで活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、ここに電子求引性基とはアシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基が挙げられる。
例えば、1,2,3,4−テトラゾール、5−アミノ−1,2,3,4−テトラゾール、5−メチル−1,2,3,4−テトラゾール、1H−テトラゾール−5−酢酸、1H−テトラゾール−5−コハク酸、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、4−カルボキシ−1H−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジカルボキシ−1H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール−4−酢酸、4−カルボキシ−5−カルボキシメチル−1H−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、3−カルボキシ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジカルボキシ−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−酢酸、1H−ベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、ベンゾトリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。中でも、1,2,3−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、及び1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾールから選ばれることがより好ましい。
これらの防食剤は、単独で使用する事も、2種以上併用して使用する事も可能である。
本発明の研磨液は、酸を含有する。酸としては、無機酸あるいは、有機酸を目的に応じ使用する事が可能であり、これらの併用も可能である。本発明においては、カルボキシル基を有する有機酸を好ましく用いる事ができる。カルボキシル基を有する有機酸としては、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物であれば特に制限されず、例えば、アミノ酸(例えば、グリシン、α―アラニン)などが挙げられる。なかでも、研磨速度向上の観点から、下記一般式(1)で表される化合物を選択することが好ましい。
なお、分子内に存在するカルボキシル基は、1〜4個であることが好ましく、安価に使用できる観点からは、1〜2個であることがより好ましい。
本発明で用いられる界面活性剤としては、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤の何れでも構わないが、陰イオン界面活性剤(中でも、酸型)、又は陽イオン界面活性剤が好ましく用いられる。界面活性剤の種類、量を調整することで、研磨速度を向上させることや、絶縁層層の研磨速度を制御することができる。なお、塩としては、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等が挙げられ、特にナトリウム塩、アンモニウム塩及びカリウム塩が好ましく、以下の群から選ばれたものが好適である。
銀イオンや銅(I)イオンのような単原子金属イオン、ジアンミン銀イオンやビオレオなどの錯イオンなどが挙げられる。なかでも、水素イオン、アルカリ金属イオン、または第4級アンモニウムイオン、オキソニウムイオンやアンモニウムイオンなどの多原子イオンが好ましい。
なお、Ra〜Rdのうち2つが互いに結合し、ピリジン構造、ピロリジン構造、ピペリジン構造、ピロール構造などの環状構造を形成してもよい。
より具体的には、カルボン酸塩としては、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド;
硫酸エステル塩として、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩;
リン酸エステル塩として、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩を好ましく用いることができる。
本発明の研磨液は、研磨速度向上、保存安定性の観点で、包接化合物を含有する。本明細書において、包接化合物とは、分子内部や分子集合体の内部に空洞を有し、他のイオン、原子または分子などを識別し、それらを種々の相互作用によって空洞内に取り込む化合物と定義される。
このような包接化合物としては、例えば、シクロデキストリン類、シクロファン類、中性ポリリガンド、環状ポリアニオン、環状ポリカチオン、環状ペプチド等が挙げられる。本発明のおいては、保存安定性がより向上する点で、シクロデキストリン類が好ましく用いられる。
シクロデキストリンは、数分子のD−グルコースがグルコシド結合によって結合し、環状構造をとった環状オリゴ糖の一種である。グルコースが5個以上結合したものが知られており、一般的なものはグルコースが6〜8個結合したものである。それぞれ6個結合しているものがα−シクロデキストリン、7個結合しているものがβ−シクロデキストリン、8個結合しているものがγ−シクロデキストリンと呼ばれる。このうち比較的安価に入手可能なβ−シクロデキストリンがより好ましい。
また包接化合物の量は、界面活性剤との兼ね合いで決める事も可能で、界面活性剤1molあたり、0.01mol〜50mol、好ましくは0.01〜40mol、更に好ましくは0.01〜30molの範囲で使用量を決める事もできる。
本発明の研磨液は、ジ4級アンモニウム塩(以下、単に、「特定カチオン塩」と称する場合がある。)を含有してもよい。
本発明におけるジ4級アンモニウム塩は、化学構造中に2つの4級窒素を含む構造であれば、特に限定されない。中でも、十分な研磨速度の向上を達成する観点から、下記一般式(2)で表されるアンモニウム塩であることが好ましい。
本発明の研磨液は、研磨対象の金属を酸化できる化合物(酸化剤)を含有する。
酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水、及び銀(II)塩、鉄(III)塩が挙げられ、中でも、過酸化水素が好ましく用いられる。
鉄(III)塩としては、例えば、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、臭化鉄(III)など無機の鉄(III)塩の他、鉄(III)の有機錯塩が好ましく用いられる。
本発明の研磨液は、pH5未満であることを要し、pH2.0〜4.5の範囲であることが好ましい。研磨液のpHをこの範囲に制御することで、バリア層及び層間絶縁膜の研磨速度調整がより顕著に行うことが可能にある。
pHを上記好ましい範囲に調整するために、アルカリ/酸又は緩衝剤が用いられる。本発明の研磨液は、pHがこの範囲において優れた効果を発揮する。
アルカリ/酸又は緩衝剤としては、アンモニア、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、硝酸、硫酸、りん酸などの無機酸、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、リン酸三ナトリウムなどのリン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩等を好ましく挙げることができる。特に好ましいアルカリ剤として水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
本発明の研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤(すなわち硬水軟化剤)を含有することが好ましい。キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物であり、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。キレート剤は必要に応じて2種以上併用してもよい。
また、製造方法の好ましい態様の一つとして、砥粒、防食剤、酸、ジ4級アンモニウム塩を含有する溶液(A)と、界面活性剤、包接化合物を含有する溶液(B)とを別々に調整し、任意の比率で混合して、研磨液を製造することもできる。
本発明の研磨液の研磨対象であるバリア層を構成する材料としては、一般に低抵抗のメタル材料がよく、特に、TiN、TiW、Ta、TaN、W、WNが好ましく、中でも、Ta、TaNが特に好ましい。
本発明の研磨液の研磨対象である層間絶縁膜としては、TEOS(テトラエトキシシラン)等の通常用いられる層間絶縁膜の他、例えば、比誘電率が3.5〜2.0程度の低誘電率の材料(例えば、有機ポリマー系、SiOC系、SiOF系、等が挙げられ、通常、Low−k膜と略称される)を含む層間絶縁膜が挙げられる。
具体的には、低誘電率の層間絶縁膜の形成に用いる材料として、SiOC系ではHSG−R7(日立化成工業)、BLACKDIAMOND(Applied Materials,Inc)などがある。
本発明においては、研磨対象である被研磨体は、例えば、LSI等の半導体デバイスに適用されるような、銅金属及び/又は銅合金からなる配線を有することが好ましい。特にこの配線の原材料としては、銅合金が好ましい。更に、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が好ましい。
なお、銅合金に含有される銀含量は、40質量%以下が好ましく、特には10質量%以下、更には1質量%以下が好ましく、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
本発明においては、研磨対象である被研磨体が、例えば、DRAMデバイス系に適用される場合、ハーフピッチで0.15μm以下である配線を有することが好ましく、より好ましくは0.10μm以下、更に好ましくは0.08μm以下である。
一方、被研磨体が、例えば、MPUデバイス系に適用される場合、0.12μm以下である配線を有することが好ましく、より好ましくは0.09μm以下、更に好ましくは0.07μm以下である。
このような配線を有する被研磨体に対して、上述の本発明における研磨液は特に優れた効果を発揮する。
本発明の研磨液は、1.濃縮液であって、使用する際に水又は水溶液を加えて希釈して使用液とする場合、2.各成分が次項に述べる水溶液の形態で準備され、これらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、3.使用液として調製されている場合などがあるが、これらに限定されない。本発明の研磨液を用いた研磨方法にはいずれの場合の研磨液も適用可能である。この研磨方法(化学的機械的研磨方法)は、研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨体の被研磨面と接触させて、被研磨面と研磨パッドを相対運動させる方法である。
研磨終了後の被研磨体は、流水中でよく洗浄された後、スピンドライヤ等を用いて被研磨体上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させる。
このように、濃縮液を水溶液で希釈して使用する場合には、溶解しにくい成分を水溶液の形で後から配合することができることから、より濃縮した濃縮液を調製することができる。
例えば、砥粒、酸化剤、防食剤、酸、任意に加えられるジ4級アンモニウム塩を構成成分(A)とし、界面活性剤、包接化合物を構成成分(B)とし、それらを使用する際に水又は水溶液で、構成成分(A)及び構成成分(B)を希釈して使用することができる。
その他の混合方法は、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法や、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された研磨液を供給する方法がある。
本発明において、本発明においては、研磨液の成分を二分割以上に分割して、被研磨面に供給する方法を適用する場合、その供給量は、各配管からの供給量の合計を表すものである。
本発明の研磨方法に適用しうる研磨用の研磨パッドは、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に、一般的に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては、不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、被研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
本発明における研磨液でCMPを行う対象の被研磨体としてのウエハは、径が200mm以上であることが好ましく、特には300mm以上が好ましい。300mm以上である時に顕著に本発明の効果を発揮する。
本発明の研磨液を用いて研磨を実施できる装置は、特に限定されないが、Mirra Mesa CMP、Reflexion CMP(アプライドマテリアルズ)、FREX200、FREX300 (荏原製作所)、NPS3301、NPS2301(ニコン)、A−FP−310A、A−FP−210A(東京精密)、2300 TERES(ラムリサーチ)、Momentum(Speedfam IPEC)などを挙げることができる。
下記に示す組成の研磨液を調製し、研磨実験を行った。
<組成(1)>
・砥粒:コロイダルシリカ(扶桑化学工業社製PL−3) 300g/L
(二次粒子径:65nm、シリカ濃度20質量%)
・防食剤:ベンゾトリアゾール(BTA) 2.0g/L
・酸:ジグリコール酸 1g/L
・界面活性剤:ドデシルベンゼンスルホン酸 0.01g/L
・包接化合物:β−シクロデキストリン 0.5g/L
・ジ4級アンモニウム塩:ジ4級カチオンA1(陰イオン:硝酸イオン) 2.0g/L
・酸化剤:過酸化水素水(過酸化水素濃度30質量%) 35mL
・純水を加えて全量 1000mL
pH(アンモニア水と硝酸で調整) 3.5
研磨装置として荏原製作所社製装置「F−REX 300」を使用し、下記の条件で、スラリーを供給しながら、下記に示す各ウエハ膜を研磨した。
・テーブル回転数:90rpm
・ヘッド回転数:85rpm
・研磨圧力:14.0kPa
・研磨パッド:IC1400−XY−k Groove(ロデール社製)
・研磨液供給速度:300ml/min
後述する研磨速度評価用の研磨対象物として、Si基板上に、Ta膜、TEOS膜、SiOC膜を成膜した12インチウエハを使用した。
研磨対象物として、フォトリソグラフィー工程と反応性イオンエッチング工程により、TEOS(テトラエトキシシラン)基板をパターニングして、幅0.09〜100μm、深さ600nmの配線用溝と接続孔を形成し、更に、スッパタリング法により厚さ20nmのTa膜を形成した。続いてスッパタリング法により厚さ50nmの銅膜を形成後、メッキ法により合計厚さ1000nmの銅膜を形成した12inchウエハを使用した。
研磨速度は、CMP前後におけるTa膜(バリア層)、TEOS膜、SiOC膜(絶縁膜)の膜厚をそれぞれ測定し、以下の式から換算することで求めた。
研磨速度(Å/分)=(研磨前の膜の厚さ−研磨後の膜の厚さ)/研磨時間
得られた結果を表1に示す。
上記スクラッチ評価用の研磨対象物を、上記ウエハにてTEOSまで研磨(TEOS膜を50nm研磨)した後、研磨面を純水洗浄して乾燥した。乾燥した研磨面を光学顕微鏡にて観察し、下記の評価基準に基づいてスクラッチの評価を行った。なお、○及び△は、実用上問題の無いレベルと判断する。
−評価基準−
○:問題となるスクラッチは観測されず
△:ウエハ面内に問題となるスクラッチを1〜2個観測
×:ウエハ面内に問題となるスクラッチを多数観測
実施例1における組成(1)を、下記表1に記載の組成に変更して調製した研磨液を用い、実施例1と同様の研磨条件で、研磨実験を行った。結果を表1に示す。なお、表1で使用したジ4級アンモニウム塩(ジ4級カチオンA−1〜A−32)の陰イオンは、硝酸イオンである。また、表1で使用した過酸化水素水中の過酸化水素の濃度は30質量%(wt%)である。
防食剤
BTA:1,2,3−ベンゾトリアゾール
DBTA:5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール
DCEBTA:1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール
HEABTA:1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール
HMBTA:1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール
PL−3L:一次粒径 35nm 球状
PL−3H:一次粒径 35nm 会合度3
PL−2:一次粒径 25nm 会合度2
PL−2L:一次粒径 25nm 球状
一方、比較例2の研磨液はスクラッチ性能には比較的問題は小さいものの、SiOCの研磨速度は劣っていた。また、比較例1、3の研磨液は、Ta及びTEOSの研磨速度が低く、また、スクラッチ性能にも問題があることが分かった。包接化合物と界面活性剤を併用しない場合、SiOC研磨速度のみは比較的良好であるが、スクラッチ性能に劣ることが分かった。この原因としては、後述する保存時に発生する凝集、沈殿物に起因しているものと推測される。
実施例1において、ドデシルベンゼンスルホン酸とβ−シクロデキストリンを除いた研磨液A(pH 3.5に調整)と、ドデシルベンゼンスルホン酸の含有量が0.1g/Lでβ−シクロデキストリンの含有量が5g/Lで、溶媒が純水である溶液B1000mL(pH3.5に調整)を準備した。下記表2に示すとおり、AとBを任意の比率で混合することにより、SiOCの研磨速度を自在に制御できる事が分かった。
(実施例36〜39、参考例40〜41、実施例42〜49、参考例50〜51、実施例52〜67(実施例1〜4、参考例5〜6、実施例7〜14、参考例15〜16、実施例17〜32)、比較例4〜6(比較例1〜3))
前述の実施例1〜4、参考例5〜6、実施例7〜14、参考例15〜16、実施例17〜32、比較例1〜3の研磨液を用いて、以下の手順で保存安定性の評価を行った。調製した研磨液を試験管に入れ、25℃、湿度60%の環境下で放置し、調製直後、1日後、7日後、30日後、90日後の凝集、沈殿物の有無を目視で判断した。
評価において○は、研磨液の凝集、沈殿物が確認できなかったもの、△は、凝集、沈殿が確認できたが、攪拌で元の状態に戻る程度のもの、×は、攪拌しても元の状態に戻らない凝集、沈殿物ができているものとし、3段階の評価を行った。下記表3に評価した結果を示す。
Claims (11)
- 半導体集積回路のバリア層と層間絶縁膜との化学的機械的研磨に用いられる研磨液であって、砥粒、酸化剤、防食剤、酸、界面活性剤、及び包接化合物を含み、pHが5未満であることを特徴とする研磨液であって、
前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤である、研磨液。 - 前記包接化合物が、シクロデキストリンであることを特徴とする請求項1に記載の研磨液。
- 前記酸が、カルボキシル基を有する有機酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨液。
- 前記酸が、2つ以上のカルボキシル基を有する有機酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨液。
- 前記有機酸が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項3又は4に記載の研磨液。
(一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭化水素基又は酸素含有炭化水素基を表す。なお、R1とR2とは互いに結合して環状構造を形成してもよい。) - 更にジ4級アンモニウム塩を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の研磨液。
- 前記ジ4級アンモニウム塩が、下記一般式(2)で表されるアンモニウム塩であることを特徴とする請求項6に記載の研磨液。
(一般式(2)中、R3〜R8は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表す。R3〜R8のうち2つが互いに結合して環を形成してもよい。Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基を表す。X−は、陰イオンを表す。) - 前記シクロデキストリンが、β−シクロデキストリンであることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の研磨液。
- 砥粒、防食剤、酸、及びジ4級アンモニウム塩を含有する溶液Aと、界面活性剤及び包接化合物を含有する溶液Bとを、混合して得られることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の研磨液。
- 前記酸化剤が、過酸化水素である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の研磨液。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の研磨液を研磨パッドに供給し、該研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させ、該研磨パッドと該被研磨体を相対運動させて該被研磨面を研磨することを特徴とする化学的機械的研磨方法。
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