本発明の配線基板ならびにそれを用いたプローブカードおよび電子装置について、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に示す例では、配線基板の最表面の配線層3は16個で、絶縁樹脂層2は3層、セラミック配線基板1のセラミック絶縁層8も3層と簡略化した例を示している。配線基板に搭載する電子部品の端子の数や、プローブカードで検査するウエハ上の半導体素子の数および半導体素子の端子の数、およびそれらの配置に応じて、絶縁樹脂層2、配線層3、ビア導体4、内部配線5および外部配線7の大きさや配置が設定される。
また、図1〜図4に示す例では、最下層の絶縁樹脂層2に形成されたビア導体4と内部配線5の端部とは、接続配線6を介して接続されている。内部配線5とセラミック絶縁層8とが同時焼成により形成されるセラミック配線基板1は、その作製工程において、焼結収縮ばらつきによる寸法ばらつきが発生することから、セラミック配線基板1上に露出する内部配線5の位置も同様にばらつきがある。このばらつきを吸収してビア導体4と内部配線5との接続を確実なものとするためには、接続配線6を介して接続するのが好ましい。最下層の絶縁樹脂層2のビア導体4を、位置のばらつきがある内部配線5に合わせて形成する場合であれば、接続配線6を介さずにビア導体4と内部配線5の端部とを直接接続してもよい。この場合は、最下層の絶縁樹脂層2の上面の配線層3の形状をセラミック配線基板1の内部配線5の位置ばらつきに応じた形状にするか、位置ばらつきを吸収できるように大きいものとする必要があり、生産性が低下したり、微細な配線の引き回しが困難となったりする可能性があるので、接続配線6を設けるのが好ましい。
セラミック配線基板1は、セラミックスから成る絶縁基体と、その表面に形成された外部配線7および内部に形成された内部配線5とを有する。絶縁基体を図1に示す例のように複数のセラミック絶縁層8で構成して内部配線5を展開することで、セラミック配線基板1の下面の外部配線7の間隔を大きくすることができる。絶縁樹脂層2の上面の配線層3の間隔が大きい場合は、内部配線5を展開する必要がないので、セラミック絶縁層8は1層で構成してもよい。セラミック絶縁層8が1層である場合は、絶縁基体を作製した後に絶縁基体に内部配線5を形成することができるので、内部配線5の位置精度が高いものとなり、接続配線6を小さくしたり、省いたりすることができる。
セラミック配線基板1の下面の外部配線7は、配線基板を外部回路に接続するためのものである。内部配線5は、セラミック配線基板1の下面の外部配線7と絶縁樹脂層2に形成された配線層3等とを電気的に接続するためのものであり、セラミック絶縁層8・8間の内部配線層と、セラミック絶縁層8を貫通して内部配線層間や内部配線層と外部配線7とを接続する内部貫通導体とがある。図1〜図4に示す例において、最下層の絶縁樹脂層2に形成されたビア導体4が電気的に接続される内部配線5の端部とは、最上層のセラミック絶縁層8に形成された内部貫通導体の上端部となる。
セラミック配線基板1のセラミック絶縁層8は、酸化アルミニウム(アルミナ:Al2O3)質焼結体,窒化アルミニウム(AlN)質焼結体,炭化珪素(SiC)質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミックスから成るものである。プローブカードに用いる場合は、熱膨張係数がウエハを形成するシリコン(Si)に近い、酸化アルミニウム(Al2O3)質焼結体またはガラスセラミックスが好ましい。セラミック絶縁層8がこのようなセラミックスから成るものであると、配線基板上にプローブ端子を形成する際に、プローブ端子やプローブ端子の接合部に加わる、プローブ端子とともに接合されるウエハと配線基板との熱膨張差による熱応力が比較的小さなものとなるので好ましい。また、プローブカードとして用いた場合に、半導体素子の電気特性の測定時における熱負荷に対する熱変形を有効に防止でき、さらに、高い熱伝達性により内部に熱を滞留させることがない。
セラミック配線基板1の内部配線5および外部配線7は、セラミック絶縁層8と同時焼成により形成される、タングステン(W),モリブデン(Mo),モリブデン−マンガン(Mo−Mn)合金,銀(Ag),銅(Cu),金(Au),銀−パラジウム(Pd)合金等の金属を主成分とするメタライズから成るものである。
このようなセラミック配線基板1は、以下の方法により製作される。例えば、セラミック絶縁層8が酸化アルミニウム質焼結体で形成される場合には、まず、酸化アルミニウム(アルミナ),酸化珪素,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムの原材料粉末に適当な有機バインダおよび溶媒を添加混合して泥漿状となすとともに、これをドクターブレード法等によってシート状に成形し、セラミック絶縁層8となる複数のセラミックグリーンシートを作製する。
次に、セラミックグリーンシートの内部貫通導体が形成される所定位置に金型等を用いた打ち抜き加工やレーザ加工によって貫通孔を形成するとともに、貫通孔に導体ペーストを充填する。また、スクリーン印刷法等によってセラミックグリーンシートの所定位置に内部配線層あるいは外部配線7となる導体ペースト層を10〜20μmの厚みに形成する。導体ペーストは、タングステン(W),モリブデン(Mo),モリブデン−マンガン(Mo−Mn)合金等の融点の高い金属粉末と適当な樹脂バインダおよび溶剤とを混練することにより作製される。
最後に、これらセラミックグリーンシートを重ね合わせて圧着して積層体を作製し、この積層体を1500℃〜1600℃程度の高温で焼成することによってセラミック配線基板1が作製される。セラミック配線基板1の外部配線7の表面には、腐食防止や外部回路との接続性のために、厚さ1〜10μm程度のニッケルめっき層および厚さ0.1〜3μm程度の金めっき層を順次形成するとよい。内部配線5のセラミック配線基板1の上面に露出する部分(内部配線5の端部)にも同様のめっき層を形成してもよい。
セラミック絶縁層8がガラスセラミックスから成る場合であれば、セラミックグリーンシートが焼結する温度では焼結収縮しない、アルミナ等を主成分とする拘束グリーンシートを積層体の両面に積層して焼成すると、拘束グリーンシートによりセラミックグリーンシートは積層面方向の焼結収縮が抑えられ、平面方向の収縮が小さく収縮ばらつきや寸法精度が良好なセラミック配線基板1が得られるので好ましい。
セラミック絶縁層8が1層である場合は、まず、セラミックグリーンシートを積層して所定の厚みとなるような積層体を作製するか、原料粉末に適当な有機バインダを加えたものを金型プレスで成型体を作製して、焼成することで絶縁基体を作製する。次に、絶縁基体にブラスト加工やレーザ加工によって内部配線5(内部貫通導体)を形成するための貫通孔を形成する。ブラスト加工は、貫通孔を形成する部分に開口を有する、例えばレジスト膜等からなるマスクを絶縁基体の上面に配置しておいて行なう。貫通孔の形成前または形成後に、絶縁基体の少なくとも上面を研磨によって平坦に研磨しておくと、配線基板の平坦性を高めることができるとともに、絶縁樹脂層2を良好に形成することができるので好ましい。貫通孔を有する絶縁基体は、セラミックグリーンシートやセラミックグリーンシートの積層体に打ち抜き加工やレーザ加工によって貫通孔を形成しておく、あるいは粉末のプレス成型の際に金型によって貫通孔を形成しておくことでも作製することができる。この場合は、焼成収縮による内部配線5を形成するための貫通孔の位置ずれが発生するので、上記のように、絶縁基体を作製した後に貫通孔を形成するのがより好ましい。そして、内部配線5となる導体ペーストを印刷法等の埋め込み方法によって貫通孔を充填し、スクリーン印刷法等によって外部配線7となる導体ペースト層を形成して、熱処理することによって、メタライズから成る内部配線5および外部配線7を有するセラミック配線基板1が作製される。この場合も外部配線7の表面および内部配線5の端部にも上記と同様のめっき層を形成してもよい。
セラミック配線基板1の上面の接続配線6は、外部配線7と同様に、セラミック絶縁層8と同時焼成で形成してもよいし、接続配線6を有さないセラミック配線基板1を作製して、その上面を研磨するなどして平坦にした後に、いわゆるモリマン法等のメタライズ法で形成してもよい。あるいは、接続配線6を有さないセラミック配線基板1を作製して、蒸着法,スパッタリング法,イオンプレーティング法等の薄膜形成法によって形成してもよい。外部配線7も同様に、薄膜形成法によって形成してもよい。メタライズ法の場合は、例えば、スクリーン印刷法等によってセラミック配線基板1の所定位置にタングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn)等の金属粉末と適当な樹脂バインダおよび溶剤とを含む導体ペーストを塗布し、1400℃以上の高温で熱処理することによって作製される。接続配線6の表面にも上記と同様のめっき層を形成してもよい。薄膜形成法の場合は、セラミック配線基板1の上面の全面に、0.1μm〜3μm程度の厚みの、例えばクロム(Cr)−Cu合金層やチタン(Ti)−Cu合金層から成る下地導体層を形成し、その上に接続配線6のパターン形状の開口を有するレジスト膜を形成して、このレジスト膜をマスクとしてめっき等で銅や金等の金属から成る、2μm〜10μm程度の厚みの主導体層を形成する。そして、レジスト膜を剥離除去し、下地導体層の露出した部分をエッチングにより除去することで接続配線6が形成される。その表面には、さらに、めっき法によりニッケルや金のめっき層を形成するとよい。
セラミック配線基板1の上面の凸部9は、ビア導体4と内部配線5の端部との接続部を取り囲むように形成されており、図1に示す例のように、複数の接続部のそれぞれを離間して取り囲むように、絶縁樹脂層2の絶縁樹脂よりもヤング率の大きい材料で複数形成されているものである。
凸部9の平面視の形状は、図2(a)に示す例のように、1つの環状の凸部9であってもよいし、図2(b)に示す例のように、環状の凸部9が複数に分断されたようなもの、あるいは図2(c)に示す例のように、複数の凸部9が接続部を取り囲むように配置されたものであってもよい。図2(a)に示す例のように、凸部9が環状の突起状のものであると、内部配線5と接続されているビア導体4の周囲の絶縁樹脂2は、その周囲の全てにおいて凸部9によって固定されることとなり、平面方向におけるどの方向からの応力に対しても、凸部9によって固定されて変形し難いものとなるので好ましい。この場合の凸部9の平面視の形状は、特に制限はなく、円形や楕円形あるいは長円形のような円形状や四角形や六角形のような多角形状の環状であってもよいが、通常は、横断面形状が円形であるビア導体4に対して接続部を中心とする円形であると、接続部から凸部9までの距離が等しくなるので、特定の方向からの応力に対して絶縁樹脂が変形しやすくなることがなく、また、角部がないことによって絶縁樹脂を凸部9の内側に充填しやすいことから、図2(a)に示す例のような接続部を取り囲むような円形に凸部9を形成したものであるのが好ましい。
図2(b)や図2(c)に示す例のように、複数の凸部9で接続部を取り囲むような場合は、複数の凸部9の間隔は小さいほうが好ましく、各凸部9の中心と接続部の中心とを結ぶ線に沿った方向の長さ(図2(c)に示す例であれば凸部9の直径)よりも小さいのが好ましい。また、複数の凸部9は、その形状は特に制限はないが、それぞれの形状は同じで大きさが等しく、接続部の中心を中心とする円周上に等間隔に配置することで、特定の方向からの応力に対して絶縁樹脂が変形しやすくなることがない。このとき、例えば図1に示す例のような配線基板の場合は、それぞれの接続部から配線基板の中心に向かう方向の熱応力が大きくなるので、それぞれの接続部と配線基板の中心とを通る直線上に凸部9を配置するのが好ましい。また、凸部9が複数からなる場合の各凸部9の平面視の形状(横断面形状)は、特に制限はなく、図2(c)に示す例のような円形や楕円形あるいは長円形のような円形状以外にも、四角形や六角形のような多角形状であってもよい。上記と同様に凸部9の内側への絶縁樹脂の充填性を考慮すると角部の角度が大きい(90度以上)形状、あるいは角部がない形状であるのが好ましい。
また、複数の凸部9を配置する場合は、図2(d)に示す例のように、接続部を凹部9の外側で2重に取り囲み、接続部の中心からの放射線上に凸部9が位置するように配置すると、環状の凸部9と同様に、接続部の周囲をもれなく取り囲むことができるので好ましい。図2(d)に示す例では、外側の凸部9の形状と内側の凸部9の形状とは異なっているが、例えば、外側の凸部9の形状も内側と同様に環状の突起を複数に分断したような形状にするなど、内側と外側とで凸部9の形状が同じであってもよい。
凸部9は、絶縁樹脂層2の絶縁樹脂の種類にもよるが、その幅(図3(a)に示すW)、具体的には、図2(a)および(b)に示す例のような環状の凸部9の場合の凸部9の、内側(接続部側)の面から凸部9の外側の面までの距離、あるいは図2(c)に示す例のような場合の凸部9の直径は、0.1mm〜0.5mm程度で、高さ(図3(a)に示すH)が最下層の絶縁樹脂層2の厚み(図3(a)に示すT)の1/3〜2/3程度であるのがよい。凸部9の幅Wが0.1mmよりも小さいと、接続部に対して加わる応力の方向の凸部9の厚みが小さくなるので凸部9が変形しやすくなってしまい、ビア導体4と内部配線5の端部との接続部に加わる応力を抑えることが困難となる。一方、凸部9の幅Wが0.5mmよりも大きいと凸部9の大きさが大きくなって配線を高密度に配置することができなくなる。また、凸部9の高さHが絶縁樹脂層2の厚みTの1/3よりも低いと、凸部9よりも上方のヤング率の小さい絶縁樹脂2を介して応力が凸部9の内側へ伝わりやすくなって、ビア導体4と内部配線5の端部との接続部が固定され難くなり、一方、凸部9の高さHが絶縁樹脂層2の厚みTの2/3よりも高いと凸部9の上の絶縁樹脂層2の厚みが薄くなって、この部分の絶縁樹脂層2が破れやすくなるので、その上面の配線層3が破断してしまう場合がある。そして、ビア導体4の接続部から凸部9までの距離(図3に示すD)が0.3mmよりも大きいと凸部9によって接続部の周囲の絶縁樹脂が固定され難くなるので0.3mm程度までであるのがよく、また、接続部は接続配線6上に位置するので、凸部9は接続配線6の外側に形成される。
凸部9は、絶縁樹脂層2の絶縁樹脂よりもヤング率の大きい材料から成るものであり、ガラス,セラミックス,樹脂,メタライズ金属およびこれらの混合物で形成すればよい。固定材料9のヤング率は、好ましくは絶縁樹脂層2の絶縁樹脂のヤング率の2倍程度以上であるのがよい。凸部9がガラス,セラミックス,メタライズ金属およびこれらの混合物から成る場合は、凸部9は後述するような絶縁樹脂層2の絶縁樹脂よりもヤング率が大きいもの(絶縁樹脂の10倍以上)となる。凸部9が樹脂から成る場合には、例えば、絶縁樹脂層2の絶縁樹脂にポリアミドイミド樹脂(ヤング率:3GPa)を用いて、凸部9にポリイミド樹脂(ヤング率:12GPa)を用いる場合が挙げられる。また、凸部9の樹脂成分としては絶縁樹脂層2と同じものを用いて、アルミナやシリカ(SiO2)等の絶縁性の無機粉末から成るフィラーを添加することでヤング率を大きくしたものを用いてもよい。例えば、ヤング率が3GPaのポリアミドイミド樹脂に対して、フィラーとして30質量%の溶融シリカ粉末を加えることによってヤング率は約10GPaとなる。このようなフィラーを添加することによって凸部9の熱膨張係数をセラミック絶縁層8の熱膨張係数に近づけることができ、凸部9とセラミック絶縁層8との接合がより強固となるので、凸部9内の絶縁樹脂の固定の信頼性を高めることができる。
凸部9が樹脂から成る場合は、例えば、液状の熱硬化性の樹脂をセラミック配線基板1上にスクリーン印刷法で所定形状に印刷塗布して加熱によって硬化させることで形成すればよい。セラミック配線基板1の上面に感光性樹脂を塗布してフォトリソグラフィ法で所定形状の凸部9に形成すると、図3(a)に示す例のようにシャープなエッジ形状とすることができる。あるいは、セラミック配線基板1の上面に感光性樹脂を塗布して、フォトリソグラフィ法で凸部9の形状の孔を形成して、セラミック配線基板1の上面に直接マスクを形成し、孔を液状の樹脂で充填して硬化させた後にマスクを除去してもよい。
凸部9がガラスやセラミックスから成る場合は、セラミック配線基板1の上にこれらを主成分とするペーストをスクリーン印刷法等の方法で所定形状に印刷塗布して、ペーストをセラミック配線基板1の上面に焼き付ければよい。このときの加熱によってセラミック配線基板1が反る等の変形が生じないように、セラミック配線基板1の焼成温度よりも低い温度で焼付けるのが好ましい。例えば低融点ガラスと、セラミック絶縁層8と熱膨張係数を合わせるためのアルミナ粉末等のフィラーおよび可塑剤、有機溶剤等を混合した低融点ガラスペーストを、ビア導体4と内部配線5の端部との接続部を離間して取り囲むような形状にスクリーン印刷等の方法でセラミック絶縁層8の上面に印刷塗布し、低融点ガラスの融点付近の温度でグレーズしてやればよい。
凸部9がメタライズ金属から成る場合は、上述したメタライズ法で接続配線6を形成する方法と同様にして形成することができ、メタライズ法で接続配線6を形成する際に同時に凸部9を形成してもよい。
スクリーン印刷法等によって樹脂やガラスから成る凸部9を形成すると図3(b)に示す例のように凸部9の上面側のエッジ部分にRが付きやすく(丸みが付きやすく)、凸部9にRが付くと絶縁樹脂2を固定する効果が低下しやすくなるが、絶縁樹脂やガラスに対して50体積%以上のフィラーを加えて凸部9を形成すると、凸部9の表面にフィラーによる凹凸が形成されることで、凸部9の上部にRが形成されても絶縁樹脂を固定する効果が低下しにくくなるので好ましい。なお、メタライズから成る凸部9の場合は、印刷法で形成しても、通常はその表面にメタライズ金属による凹凸が形成される。
絶縁樹脂層2は、ポリイミド樹脂,ポリアミドイミド樹脂,シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂,シロキサン変性ポリイミド樹脂,ポリフェニレンサルファイド樹脂,全芳香族ポリエステル樹脂,BCB(ベンゾシクロブテン)樹脂,エポキシ樹脂,ビスマレイミドトリアジン樹脂,ポリフェニレンエーテル樹脂,ポリキノリン樹脂,フッ素樹脂等の絶縁樹脂から成るものである。
セラミック配線基板1の上に絶縁樹脂層2を形成するには、例えば、ポリイミド樹脂からなる場合には、ワニス状のポリイミド前駆体をセラミック配線基板1の上面にスピンコート法・ダイコート法・カーテンコート法・印刷法等の塗布法により塗布し、しかる後、400℃程度の熱で硬化させてポリイミド化させることによって、10μm〜50μm程度の厚みに形成する。あるいは、上記樹脂から成る10μm〜50μm程度のシートの下面に、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂,シロキサン変性ポリイミド樹脂,ポリイミド樹脂,ビスマレイミドトリアジン樹脂,エポキシ樹脂等の樹脂接着剤を乾燥厚みで5μm〜20μm程度にドクターブレード法等の塗布法にて塗布して乾燥させることで接着剤層を形成し、これをセラミック配線基板1の上に重ねて加熱プレスすることで形成する。いずれの方法においても、絶縁樹脂層2にビア導体4および配線層3を形成して上記工程を必要な絶縁樹脂層2の数だけ繰り返すことで複数の絶縁樹脂層2が形成される。フィルム形状の樹脂を用いる方法は、複数のフィルムを一括してプレスすることが可能であり、1層毎に塗布および硬化を行なう必要がないので、製造工程を短くすることができる。
絶縁樹脂層2にはビア導体4が形成されるので、この部分には例えば直径が20μm〜100μmの貫通孔が形成される。この貫通孔の形成方法は、まず絶縁樹脂層2に開口を有するレジスト膜を形成するとともに、このレジスト膜の開口に位置する絶縁樹脂層2をエッチングすることによって、あるいはレーザを使い、直接絶縁樹脂層2の一部を除去することによって形成される。このときのレーザにはエキシマレーザ,CO2レーザ等を用いることができるが、貫通孔の内壁の形状を垂直に近く調整でき、さらに貫通孔の内壁面を滑らかに加工できる、紫外線レーザで形成しておくのが望ましい。あるいは、ワニス状の樹脂を塗布する方法の場合であれば、感光性の樹脂を用いて、例えば露光により貫通孔が形成される部分以外を硬化させて、貫通孔が形成される部分の樹脂をエッチングにより除去することにより貫通孔を形成してもよい。
配線層3の形成は、まず、蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティング法等の薄膜形成法により、絶縁樹脂層2の主面の全面に、0.1μm〜3μm程度の厚みの、例えばクロム(Cr)−銅(Cu)合金層やチタン(Ti)−銅(Cu)合金層から成る下地導体層を形成する。次に、下地導体層の上に配線層3のパターン形状の開口を有するレジスト膜を形成して、このレジスト膜をマスクとしてめっき等で銅や金等の電気抵抗の小さい金属から成る、2μm〜10μm程度の厚みの主導体層を形成する。そして、レジスト膜を剥離除去し、下地導体層の露出した部分をエッチングによって除去することで、配線層3が形成される。最上層の配線層3の表面には、外部配線7と同様に、めっき法によってニッケルや金のめっき層を形成するとよい。
配線層3は、図4に示す例のように、絶縁樹脂層2に配線層3と同形状の凹部を形成しておき、その凹部内に配線層3を形成すると、絶縁樹脂層2の上面と配線層3の上面との間に段差がなく平坦になるので、複数の絶縁樹脂層2を積層しても配線基板の上面は平坦となり、最上層の絶縁樹脂層2の上面の配線層3に電子部品やプローブピンをより良好に接続することが可能となるので好ましい。絶縁樹脂層2に凹部を形成するには、絶縁樹脂層2の表面に配線層3のパターン形状の開口を有するレジスト膜を形成して、RIE(Reactive Ion Etching)等のエッチング法によって絶縁樹脂層2の露出した部分の表面を除去して形成すればよい。
ビア導体4は、配線層3を形成する前に、例えば、銅等の金属粉末と樹脂を主成分とする導体ペーストを絶縁樹脂層2の貫通孔に充填しておくことによって、図1〜図4に示す例のような、貫通孔が導体により充填されたものが形成される。導体ペーストは、銅等の金属粉末と樹脂と溶媒から成り、貫通孔に充填した後に乾燥させることによって固化するものである。あるいは、配線層3を形成する際に、貫通孔の内面にも下地導体層および主導体層を形成することによって、配線層3と同時に形成してもよい。この場合のビア導体4は、絶縁樹脂層2の貫通孔の内面に被着して形成され、貫通孔は導体により充填されたものとはならない。主導体層を形成する際のめっき厚みを厚くすると、図1〜図4に示す例のような、貫通孔が導体により充填されたものとすることができる。ビア導体4を配線層3と同時に形成する場合は、貫通孔の内面に薄膜により下地導体層を良好に形成することができるように、図1〜図4に示す例のように、貫通孔は絶縁樹脂層2の上面側の方が大きくなるような形状にするのが好ましい。このような形状の貫通孔は、エッチングによって貫通孔を形成する場合はエッチング条件により、レーザによって貫通孔を形成する場合はレーザの出力等の調節により、感光性樹脂を用いる場合は露光条件やエッチング条件により、所望の大きさや形状の貫通孔を形成することができる。
本発明のプローブカードは、上記のような本発明の配線基板と、最上層の絶縁樹脂層2の上面の配線層3に接続されたプローブピンとを具備するものである。プローブピンは、例えば、以下のようにして作製され、本発明の配線基板に取り付けられる。まず、シリコンウエハの1面にエッチングにより複数のプローブピンの雌型を形成し、雌型を形成した面にめっき法によってニッケルから成る金属を被着させるとともに雌型をニッケルで埋め込み、埋め込まれたニッケル以外のウエハ上のニッケルをエッチング等の加工を施すことによって除去して、ニッケル製プローブピンが埋設されたシリコンウエハを作製する。このシリコンウエハに埋設されたニッケル製プローブピンを配線基板の最上層の絶縁樹脂層2の上面の配線層3にはんだ等の接合材で接合する。そして、シリコンウエハを水酸化カリウム水溶液で除去することによって、プローブカードが得られる。
本発明の電子装置は、上記のような本発明の配線基板と、最上層の絶縁樹脂層2の上面の配線層3に接続された電子部品とを具備するものである。電子部品は、例えばICチップ等の半導体素子や水晶振動子等の圧電振動子であり、チップコンデンサ等の受動素子も必要に応じて搭載される。このような電子部品の配線層3への接続は、はんだ付けや導電性接着剤による接着、あるいはワイヤボンディングによって行なわれる。