以下、本発明のステージ装置及び露光装置の実施の形態を、図1ないし図16を参照して説明する。
本実施形態では、露光装置EXとしてマスクMと基板(試料)Pとを走査方向における互いに異なる向き(逆方向)に同期移動しつつマスクMに形成されたパターンを基板Pに露光する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)を使用する場合を例にして説明する。以下の説明において、投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面内でマスクMと基板Pとの同期移動方向(走査方向)をX軸方向、Z軸方向及びX軸方向に垂直な方向(非走査方向)をY軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。なお、ここでいう「基板」は半導体ウエハ上に感光性材料であるフォトレジストを塗布したものを含み、「マスク」は基板上に縮小投影されるデバイスパターンを形成されたレチクルを含む。
また、この露光装置EXにおいては、本発明のステージ装置を基板ステージに適用するものとして説明する。
(第1実施形態)
図1において、本実施形態の露光装置EXは、マスクMを支持するマスクステージMSTと、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像をステージ装置としての基板ステージPSTに支持されている基板Pに投影露光する投影光学系PLとを備えており、露光装置EX全体の動作は制御装置CONTによって統括制御される。
本実施形態の露光装置EXは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上させるとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸露光装置であって、基板P上に液体1を供給する液体供給機構(液体供給装置)10と、基板P上の液体1を回収する液体回収機構20とを備えている。露光装置EXは、少なくともマスクMのパターン像を基板P上に転写している間、液体供給機構10から供給した液体1により投影光学系PLの投影領域AR1を含む基板P上の一部に(局所的に)液浸領域(第1位置)AR2を形成する。具体的には、露光装置EXは、投影光学系PLの像面側終端部の光学素子2と、その像面側に配置された基板P表面との間に液体1を満たす局所液浸方式を採用し、この投影光学系PLと基板Pとの間の液体1及び投影光学系PLを介してマスクMを通過した露光光ELを基板Pに照射することによってマスクMのパターンを基板Pに投影露光する。
照明光学系ILは、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明するものであり、露光用光源、露光用光源から射出された光束の照度を均一化するオプティカルインテグレータ、オプティカルインテグレータからの露光光ELを集光するコンデンサレンズ、リレーレンズ系、及び露光光ELによるマスクM上の照明領域をスリット状に設定する可変視野絞り等を有している。マスクM上の所定の照明領域は照明光学系ILにより均一な照度分布の露光光ELで照明される。照明光学系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。本実施形態においてはArFエキシマレーザ光が用いられる。
マスクステージMSTは、マスクMを支持するものであって、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、すなわちXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微小回転可能である。マスクステージMSTはリニアモータ等のマスクステージ駆動装置により駆動される。マスクステージ駆動装置は制御装置CONTにより制御される。マスクステージMST上には移動鏡50が設けられている。また、移動鏡50に対向する位置にはレーザ干渉計からなるXY干渉計51が設けられている。マスクステージMST上のマスクMの2次元方向の位置、及び回転角はXY干渉計51によりリアルタイムで計測され、計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはXY干渉計51の計測結果に基づいてマスクステージ駆動装置を駆動することでマスクステージMSTに支持されているマスクMの位置決めを行う。
投影光学系PLは、マスクMのパターンを所定の投影倍率βで基板Pに投影露光するものであって、基板P側(投影光学系PLの像面側)の終端部に設けられた光学素子(レンズ)2を含む複数の光学素子で構成されており、これら光学素子は鏡筒PKで支持されている。本実施形態において、投影光学系PLは、投影倍率βが例えば1/4あるいは1/5の縮小倒立系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよく、倒立系でも正立系でもよい。投影光学系PLが正立系の場合は、マスクMと基板Pとは同じ方向に走査する。また、本実施形態の投影光学系PLの先端部の光学素子(レンズ)2は鏡筒PKに対して着脱(交換)可能に設けられており、光学素子2には液浸領域AR2の液体1が接触する。
本実施形態において、液体1には純水が用いられる。純水はArFエキシマレーザ光のみならず、例えば水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)も透過可能である。なお、本実施形態においては、液浸露光用の純水を適用した投影光学系の開口数は1以上(1.0〜1.2程度)に設定されている。
光学素子2は螢石で形成されている。螢石表面、あるいはMgF2、Al2O3、SiO2等を付着させた表面は水との親和性が高いので、光学素子2の液体接触面2aのほぼ全面に液体1を密着させることができる。すなわち、本実施形態においては光学素子2の液体接触面2aとの親和性が高い液体(水)1を供給するようにしているので、光学素子2の液体接触面2aと液体1との密着性が高く、光学素子2と基板Pとの間の光路を液体1で確実に満たすことができる。なお、光学素子2は水との親和性が高い石英であってもよい。また光学素子2の液体接触面2aに親水(親液)処理を施して、液体1との親和性をより高めるようにしてもよい。
以下、基板Pを保持して移動可能な基板ステージPSTについて説明する。
基板ステージPSTは、基板Pを保持して移動可能な基板テーブル(第1移動テーブル)52と、基板テーブル52を支持してベース(定盤)BP上の移動面Baに沿ってXY方向に移動するXYステージ(移動ステージ)53とを備えている。
基板ステージPSTはリニアモータ等の基板ステージ駆動装置により駆動される。基板ステージ駆動装置は制御装置CONTにより制御される。基板テーブル52は、XYステージ53上に、例えばピエゾ素子やボイスコイルモータ(VCM)で構成された複数(ここでは3つ)のアクチュエータ30(30A〜30C)を介して設けられている。アクチュエータ30A〜30Cは、制御装置CONTからの駆動信号に基づいて、基板テーブル52をXYステージ53に対して、全体的にZ軸方向に微小に並進移動させるとともに、θX方向とθY方向とに微小傾斜させることにより、基板テーブル52に保持されている基板PのZ軸方向における位置(フォーカス位置)、及びθX、θY方向における位置が制御される。
すなわち、基板テーブル52は、基板Pのフォーカス位置及び傾斜角を制御して基板Pの表面をオートフォーカス方式、及びオートレベリング方式で投影光学系PLの像面に合わせ込み、XYステージ53は基板PのXY平面内における位置決め(X、Y、θZ方向)を行う。なお、基板テーブル52とXYステージ53とを一体的に設けてよいことは言うまでもない。
また、基板テーブル52の上面(支持面)には複数のピン部材(不図示)が設けられ、その複数のピン部材の間には真空系に接続する真空吸着孔が設けられている。すなわち基板テーブルは所謂ピンチャック機構を有しており、基板Pの裏面をピン部材で支持した状態で真空吸着保持する。
さらに、基板テーブル52には、基板を吸着保持するとともに、Z軸方向に昇降(リフト)するリフトピン72が設けられている。リフトピン72は、図2に示すように、基板Pを複数箇所(ここでは3ヶ所)で吸着保持する構成となっている。
そして、基板Pに対する基板テーブル52への吸着保持を解除するとともに、基板Pを吸着保持させてリフトピン72を上昇させることにより、基板Pは基板テーブル52から離脱させ、ウエハローダ73へ基板Pを受け渡すことが可能である。
なお、実際には基板テーブル52には基板ホルダが設けられ、基板Pは基板ホルダに吸着保持されるが、ここでは基板テーブル52が基板ホルダを含むものとして説明する。
基板ステージPST(基板テーブル52)の側面(図1では−X側の側面)にはXY移動鏡55が設けられている。また、XY移動鏡55に対向する位置には、XY移動鏡55に向けて計測ビーム(ビーム)Bを照射するレーザ干渉計からなるXY干渉計(位置検出装置)56が設けられている。基板ステージPST(ひいては基板テーブル52及び基板P)の2次元方向の位置情報、及び回転角(X、Y、及びθZ方向に関する位置情報)は、XY移動鏡55からの計測ビームBの反射光を用いてXY干渉計56によりリアルタイムで計測され、計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはXY干渉計56の計測結果に基づいて基板ステージ駆動装置を駆動することで基板Pを保持した基板ステージPSTの位置決めを行う。
基板ステージPST(基板テーブル52)上には、基板ステージPSTに保持された基板Pを囲むようにプレート部材60が設けられている。プレート部材60は、基板Pの外側に基板テーブル52から延出するように形成されている。プレート部材60は、基板ステージPSTに保持された基板Pの表面とほぼ同じ高さ(面一)の平坦面(平坦部)60Aを有している。
プレート部材60は、例えばポリ四フッ化エチレン(テフロン(登録商標))などの撥液性を有する材料によって形成されている。そのため、平坦面60Aは撥液性を有する。
なお、例えば所定の金属などでプレート部材60を形成し、その金属製のプレート部材60の少なくとも平坦面60Aに対して撥液処理を施すことで、平坦面60Aを撥液性にしてもよい。プレート部材60(平坦面60A)の撥液処理としては、例えば、ポリ四フッ化エチレン等のフッ素系樹脂材料あるいはアクリル系樹脂材料等の撥液性材料を塗布、あるいは前記撥液性材料からなる薄膜を貼付する。撥液性にするための撥液性材料としては液体1に対して非溶解性の材料が用いられる。また、撥液性材料の塗布領域としては、プレート部材60の表面全域に対して塗布してもよいし、平坦面60Aなど撥液性を必要とする一部の領域のみに対して塗布するようにしてもよい。
基板Pの周囲に、基板P表面とほぼ面一の平坦面60Aを有するプレート部材60を設けたので、基板Pのエッジ領域Eを液浸露光するときにおいても、投影光学系PLの下に液体1を保持し、投影光学系PLの像面側に液浸領域AR2を良好に形成することができる。また、平坦面60Aを撥液性にすることにより、液浸露光中における基板P外側(平坦面60A外側)への液体1の流出を抑え、また液浸露光後においても液体1を円滑に回収できて、平坦面60A上などに液体1が残留することが防止される。
また、本実施の形態では、基板テーブル52(プレート部材60)が投影光学系PLの光学素子2と対向する位置、より詳細には液浸領域AR2と対向する第1位置から外れた位置(例えば基板Pの交換位置;第2位置)へ移動した際に、当該液浸領域AR2と対向する位置に位置決めされるようにZ方向に移動する移動テーブル(第2移動テーブル)70が設けられている。移動テーブル70は、プレート部材60と同一の撥液性を有する材料によって形成されており、昇降装置71の駆動によりZ軸方向に移動自在となっている。移動テーブル70の厚さは、昇降時にXY干渉計56の計測ビームBを横切った際にも、計測ビームBの基板テーブル52への照射が維持され、位置計測が継続できる大きさ(例えば計測ビームBのビーム径が8mm程度のときには移動テーブル70の厚さは2mm程度)に設定されている。
昇降装置71は、エアシリンダやモータ及びカムからなるアクチュエータで構成されており、移動テーブル70に連結されたシリンダ71aが制御装置CONTの制御下でZ方向に延びることにより移動テーブル70を、その表面(撥液部)70Aがプレート部材60の平坦面60Aと略面一で、且つプレート部材60と微小隙間をもって並ぶ位置と、計測ビームBよりも下方の待避位置(図1に示す位置)との間で昇降させる構成となっている。この微小隙間は、例えば数μm〜〜数mm程度に設定されており、液体1の表面張力により、微小隙間を介して液体1が漏出することが抑制されている。
図1に戻り、液体供給機構10は、基板P上に液体1を供給するものであって、液体1を収容するタンク、及び加圧ポンプなどを備えた液体供給装置11と、液体供給装置11にその一端部接続し、他端部を供給ノズル14に接続した供給管13とを備えている。供給ノズル14は基板Pに近接して配置されており、基板Pの上方から液体1を供給する。液体供給装置11より送出され、供給管13及び供給ノズル14を介して基板P上に供給された液体1は、投影光学系PLの先端部の光学素子2と基板Pとの間の空間を満たして液浸領域AR2を形成する。
液体回収機構20は、基板P上の液体1を回収するものであって、真空ポンプ等の真空系、気液分離器、及び回収した液体1を収容するタンクなどを備えた液体回収装置21と、液体回収装置21にその一端部を接続し、他端部を回収ノズル24に接続した回収管23とを備えている。回収ノズル24は基板Pに近接して配置されており、基板P上の液体1を回収可能である。液体回収装置21の真空系を駆動することにより、基板P上の液体1は、回収ノズル24及び回収管23を介して液体回収装置21に吸引回収される。
制御装置CONTは、基板P上に液体1の液浸領域AR2を形成する際、液体供給機構10の液体供給装置11を駆動し、供給管13及び供給ノズル14を介して基板P上に対して単位時間当たり所定量の液体1を供給するとともに、液体回収機構20の液体回収装置21を駆動し、回収ノズル24及び回収管23を介して単位時間当たり所定量の液体1を基板P上より回収する。これにより、投影光学系PLの先端部の光学素子2と基板Pとの間の空間に液体1が配置され、液浸領域AR2が形成される。
図3は、液体供給機構10、液体回収機構20、及び投影光学系PLの投影領域AR1の位置関係を示す平面図である。図3において、投影光学系PLの投影領域AR1はY軸方向に細長い矩形状となっており、その投影領域AR1をX軸方向に挟むように、+X方向側に3つの供給ノズル14A〜14Cが配置され、−X方向側に2つの回収ノズル24A、24Bが配置されている。そして、供給ノズル14A〜14Cは供給管13を介して液体供給装置11に接続され、回収ノズル24A、24Bは回収管23を介して液体回収装置21に接続されている。また、供給ノズル14A〜14Cと回収ノズル24A、24Bとを投影領域AR1の中心に対してほぼ180°回転した位置関係で、供給ノズル16A〜16Cと、回収ノズル26A、26Bとが配置されている。供給ノズル14A〜14Cと回収ノズル26A、26BとはY軸方向に交互に配列され、供給ノズル16A〜16Cと回収ノズル24A、24BとはY軸方向に交互に配列され、供給ノズル16A〜16Cは供給管17を介して液体供給装置11に接続され、回収ノズル26A、26Bは回収管27を介して液体回収装置21に接続されている。
そして、矢印Xaで示す走査方向(−X方向)に基板Pを移動させて走査露光を行う場合には、供給管13、供給ノズル14A〜14C、回収管23、及び回収ノズル24A、24Bを用いて、液体供給装置11及び液体回収装置21により液体1の供給及び回収が行われる。すなわち、基板Pが−X方向に移動する際には、供給管13及び供給ノズル14(14A〜14C)を介して液体供給装置11から液体1が投影光学系PLと基板Pとの間に供給されるとともに、回収ノズル24(24A、24B)、及び回収管23を介して液体1が液体回収装置21に回収され、投影光学系PLの像面側の光学素子2と基板Pとの間を満たすように−X方向に液体1が流れる。
一方、矢印Xbで示す走査方向(+X方向)に基板Pを移動させて走査露光を行う場合には、供給管17、供給ノズル16A〜16C、回収ノズル26A、26B、及び回収管27を用いて、液体供給装置11及び液体回収装置21により液体1の供給及び回収が行われる。すなわち、基板Pが+X方向に移動する際には、供給管17及び供給ノズル16(16A〜16C)を介して液体供給装置11から液体1が投影光学系PLと基板Pとの間に供給されるとともに、回収ノズル26(26A、26B)、及び回収管27を介して液体1が液体回収装置21に回収され、投影光学系PLの像面側の光学素子2と基板Pとの間を満たすように+X方向に液体1が流れる。
このように、制御装置CONTは、液体供給装置11及び液体回収装置21を用いて、基板Pの移動方向に沿って基板Pの移動方向と同一方向へ液体1を流す。この場合、例えば液体供給装置11から供給ノズル14を介して供給される液体1は基板Pの−X方向への移動に伴って投影光学系PLの光学素子2と基板Pとの間の空間に引き込まれるようにして流れるので、液体供給装置11の供給エネルギーが小さくでも液体1を光学素子2と基板Pとの間の空間に容易に供給できる。そして、走査方向に応じて液体1を流す方向を切り替えることにより、+X方向、又は−X方向のどちらの方向に基板Pを走査する場合にも、光学素子2と基板Pとの間を液体1で満たすことができ、高い解像度及び広い焦点深度を得ることができる。
そして、走査露光時には、投影光学系PLの投影領域AR1にマスクMの一部のパターン像が投影され、投影光学系PLに対して、マスクMが−X方向(又は+X方向)に速度Vで移動するのに同期して、XYステージ53を介して基板Pが+X方向(又は−X方向)に速度β・V(βは投影倍率)で移動する。そして、1つのショット領域への露光終了後に、基板Pのステッピングによって次のショット領域が走査開始位置に移動し、以下、ステップ・アンド・スキャン方式で各ショット領域に対する露光処理が順次行われる。
なお、上述したノズルの形状は特に限定されるものでなく、例えば投影領域AR1の長辺について2対のノズルで液体1の供給又は回収を行うようにしてもよい。なお、この場合には、+X方向、又は−X方向のどちらの方向からも液体1の供給及び回収を行うことができるようにするため、供給ノズルと回収ノズルと上下に並べて配置してもよい。また、不図示ではあるが、液体1の供給及び回収を行うノズルは、投影光学系PLの光学素子2の周りに所定間隔で設けられており、基板Pが走査方向(+X方向、−X方向)以外の方向に移動する場合にも、基板Pの移動方向と平行に、基板Pの移動方向と同方向に液体1を流すことができる。
基板Pの露光面である表面PAにはフォトレジスト(感光材)が塗布されている。本実施形態において、感光材はArFエキシマレーザ用の感光材(例えば、東京応化工業株式会社製TARF-P6100)であって撥液性(撥水性)を有している。また、本実施形態において、基板Pの側面は撥液処理(撥水処理)されている。具体的には、基板Pの側面にも、撥液性を有する上記感光材が塗布されている。更に、基板Pの裏面にも上記感光材が塗布されて撥液処理されている。
次に、上述した露光装置EXを用いてマスクMのパターンを基板Pに液浸露光する際の動作について説明する。
基板Pにパターンを露光する際には、予め基板P上の露光領域が液浸領域AR2内の投影領域AR1と対向する露光位置(図1に示す位置、第1位置)K1に、XYステージ53を駆動しておく。
そして、液体供給機構10により基板P上に液体1を供給しつつ、液体回収機構20により基板P上の液体1を回収して液浸領域AR2を形成する。そして、制御装置CONTは、投影光学系PLと液体1とを介して基板Pに露光光ELを照射し、基板Pを支持した基板ステージPST(基板テーブル52)を移動させながらマスクMのパターン像を基板P上に投影し、基板Pを露光する液浸露光を行う。
このとき、移動テーブル70は、計測ビームBの光路よりも下方の図1に示す待避位置にあるため、計測ビームBを遮光することがなく、従ってXY干渉系56による基板テーブル52(基板P)の位置計測(または速度計測)に支障を来すことがない。
一方、基板Pに対する露光処理が終了して基板Pを交換する際には、液浸露光の完了後、制御装置CONTが昇降装置71を駆動し、シリンダ71aを上昇させることにより、図4に示すように、表面70Aがプレート部材60の表面60Aと略面一となる高さに移動テーブル70を移動させるとともに、第2位置となる基板交換位置K2(図4中、投影光学系PLよりも+X側)にXYステージ53を移動させる。
この移動テーブル70の上昇時、移動テーブル70はXY干渉計56の計測ビームBを横切ることになるが、移動テーブル70の厚さは、計測ビームBを用いたXY干渉計56による位置計測に支障を来さない大きさに設定されているので、XYステージ53(基板テーブル52)が基板交換位置へ移動する際の位置計測を途切れさせることなく継続することができる。
また、XYステージ53が基板交換位置へ移動するのに伴って、基板P上またはプレート部材60上にあった液浸領域AR2は、プレート部材60上から外れ、図2に示すように、移動テーブル70の表面70A上に位置することになる。換言すると、移動テーブル70が露光位置に相当する位置K1に位置決めされることになる。
このとき、液浸領域AR2はプレート部材60と移動テーブル70との間の隙間を跨ぐことになるが、プレート部材60の表面60A及び移動テーブル70の表面70Aの双方が撥液性を有しており、またこの隙間が液体1の表面張力に応じた大きさに設定されているため、液体1が隙間から漏れ出すことなく移動テーブル70を液浸領域AR2に位置決めすることができる。
基板ステージPSTが基板交換位置K2に位置決めされると、制御装置CONTが基板Pの基板テーブル52への吸着保持を解除させるとともに、リフトピン72に基板Pを吸着保持させた状態で、当該リフトピン72を上昇させ、基板Pを基板テーブル52から離間させる。そして、リフトピン72によって上昇した基板Pと基板テーブル52との間に搬送アーム73が進入し、基板Pの下面を支持する(図2及び図4参照)。そして、搬送アーム73は、基板Pを基板テーブル52(基板ステージPST)から搬出するとともに、次に露光処理を施す基板を基板テーブル52上に載置する。
このように基板交換位置K2で基板交換を終えた基板ステージPSTは、再度露光位置K1へ移動する。ここで、制御装置CONTは、基板ステージPSTの移動に伴って、液浸領域AR2が移動テーブル70上から基板テーブル52(プレート部材60または基板)上へ移った後に、昇降装置71を駆動し、シリンダ71aを下降させることにより、図1に示した待避位置に移動テーブル70を移動させる。これにより、計測ビームBを用いた位置計測に支障を来すことなく露光処理を実施することが可能になる。
このように、本実施の形態では、プレート部材60を有する基板テーブル52が露光位置K1から基板交換位置K2へと移動した際にも、移動テーブル70が位置K1に位置決めされ液体1が漏れ出すことなく液浸領域AR2を維持できるので、液浸領域AR2への液体供給及び液体回収を停止させずに基板交換を実施することができる。そのため、本実施の形態では、基板テーブル52が露光位置から外れるシーケンスを含む場合でも、液体供給及び回収に伴う待機時間を削減できスループットを向上させることができる。さらに、本実施の形態では、常に液浸領域AR2が形成されることから、投影光学系PLにウォーターマークが発生するという問題や気化熱による投影レンズ、液体供給ノズル等に温度変化が生じるという問題を回避することができる。
また、本実施形態では、移動テーブル70の表面70Aが撥液性を有しているので、液浸領域AR2が移動テーブル70上に位置した場合でも、液体1が濡れ拡がることなく液浸領域AR2を維持することができる。加えて、本実施の形態では、移動テーブル70とプレート部材60とが同じ材質で形成されているので、液浸領域AR2が移動テーブル70とプレート部材60とに跨って形成される場合でも、撥液性の相違により撥液性の劣る側へ液体1が偏って液浸領域AR2が安定して形成されなくなってしまうことを防止できる。
さらに、本実施の形態では、移動テーブル70の厚さが計測ビームBのビーム径に基づき、XY干渉計56による位置計測が継続できる大きさに設定されているため、移動テーブル70の昇降時に計測ビームBを横切っても位置計測を途切れさせず、従って計測不能によるエラー等を生じさせず、安定した露光処理を実施できる。
(第2実施形態)
続いて、本発明に係るステージ装置の第2実施形態について図5乃至図12を参照して説明する。
図5に示す本実施形態におけるステージ装置STは、基板Pを保持するステージを2つ搭載したツインステージ型のステージ装置であって、共通のベースBP上を各々独立に移動可能な第1基板ステージPST1及び第2基板ステージPST2を備えている。また、ツインステージ型ステージ装置STは、液浸領域AR2が配置され基板Pに対する露光処理を行う露光エリアA(図5中、左側)と、基板Pを保持した基板ステージPST1(又はPST2)に関する計測処理を行う計測エリアAL(図5中、右側)とを備えている。第1基板ステージPST1と第2基板ステージPST2とが移動することにより、露光エリアAと計測エリアALとの間で第1基板ステージPST1と第2基板ステージPST2とが交換可能である。なお、計測エリアALにおいては、基板ステージPST1(PST2)に対する基板Pの搬入(ロード)及び搬出(アンロード)が行われる。つまり計測エリアALにおいて基板Pの交換が行われる。
ステージ装置12は、ベースプレートBPのX軸方向両側外側にそれぞれY軸方向に沿って配置された固定子58、58と、Xガイドステージ61Aを介して基板ステージPST1に接続され固定子58、58に沿って移動することで基板ステージPST1をY軸方向へ移動させる可動子62A、62Aと、Xガイドステージ61Bを介して基板ステージPST2に接続され固定子58、58に沿って移動することで基板ステージPST2をY軸方向へ移動させる可動子62B、62Bと、可動子62A、62A間にX方向に沿って架設された上記Xガイドステージ61Aと、可動子62B、62B間にX方向に沿って架設された上記Xガイドステージ61Bと、基板ステージPST1に接続されXガイドステージ61Aに沿って移動するX粗動ステージ63A、基板ステージPST2に接続されXガイドステージ61Bに沿って移動するX粗動ステージ63Bとを備えている。
固定子58と可動子62Aとにより、Yリニアモータ65Aが構成されており、可動子62Aが固定子58との間の電磁気的相互作用により駆動することで基板ステージPST1がY軸方向に移動する。同様に、固定子58と可動子62Bとにより、Yリニアモータ65Bが構成されており、可動子62Bが固定子58との間の電磁気的相互作用により駆動することで基板ステージPST2がY軸方向に移動する。すなわち、本実施の形態では、Yリニアモータ65A、65Bにおいて固定子58を共用する構成となっている。
また、Xガイドステージ61A、61Bには、それぞれX方向に沿って固定子(不図示)がそれぞれ埋設され、X粗動ステージ63A、63Bのそれぞれには各固定子に沿って移動する不図示の可動子が設けられている。これらXガイドステージ61A、61Bに設けられた固定子と、X粗動ステージ63A、63Bに設けられた可動子とにより、Xリニアモータ67A、67Bが構成され、可動子が固定子との間の電磁気的相互作用により駆動することで基板ステージPST1、PST2がそれぞれX軸方向に移動する。
図6は、基板ステージPST1(PST2)の正面図である。
なお、基板ステージPST1、PST2の構成は同様であるので、以下においては基板ステージPST1についてのみ説明し、基板ステージPST2については図において符号(主に添字Bを付記)のみ記載する。
図6に示すように、基板ステージPST1は、上述のX粗動ステージ(第2移動装置)63Aと、このX粗動ステージ63Aに対して交換自在に設けられるテーブル部80Aとから構成されている。粗動ステージ63Aの底面には非接触ベアリングである真空予圧型の複数のエアベアリング82が設けられており、エアベアリング82の軸受け面から吹き出される加圧気体(例えばヘリウム、あるいは窒素ガスなど)の静圧と、粗動ステージ63A全体の自重と真空吸引力とのバランスにより、粗動ステージ63Aがベースプレート(定盤)BPの上面である移動面Baの上方に数ミクロン程度のクリアランスを介して非接触で支持されるようになっている。
テーブル部80Aは、基板Pを保持する基板テーブル(第1移動テーブル)52Aと、該基板テーブル52Aを、Z・チルト駆動機構を介して支持する微動ステージ(第1移動装置)100Aとを備えている。Z・チルト駆動機構は、例えば微動ステージ100Aにほぼ正三角形の頂点の位置に配置されたボイスコイルモータの固定子と、これらの固定子に対応して基板テーブル52Aの底面に配置された3つのボイスコイルモータの可動子とから構成され、これら3つのボイスコイルモータによって、基板テーブル52AをZ軸方向、θx方向(X軸回りの回転方向)、及びθy方向(X軸回りの回転方向)の3自由度方向について、X粗動ステージ63Aによる基板テーブル52Aの駆動量よりも微少量で駆動することができる。
微動ステージ100Aの底面には非接触ベアリングである真空予圧型の複数のエアベアリング81が設けられており、エアベアリング81の軸受け面から吹き出される加圧気体(例えばヘリウム、あるいは窒素ガスなど)の静圧と、テーブル部80A全体の自重と真空吸引力とのバランスにより、テーブル部80Aが定盤BPの上面である移動面Baの上方に数ミクロン程度のクリアランスを介して非接触で支持されるようになっている。
基板テーブル52Aの上面には、不図示のホルダを介して基板Pが静電吸着又は真空吸着により固定されている。基板テーブル52Aは上面に例えばフッ素樹脂コーティング等の撥液処理が施され、液体1に対して撥液性を有している。
微動ステージ100AのY軸方向両側には、Z方向に間隔をあけて対向する磁石75a、75a及び75b、75bが互いにZ方向の位置が同一で配置されている。また、X粗動ステージ63Aには、磁石75a、75a及び75b、75bの間に挟持される位置に電機子ユニットを内蔵する固定子74が突設されている。これら磁石75a、75a間の隙間及び磁石75b、75b間の隙間は、Z方向の位置が上記固定子74と同一に設定され、且つ固定子74に対向する側が開口し、Y方向に関して対称(図6では左右対称)となっている。そして、磁石75a、75bを備えた微動ステージ100Aは、可動子として固定子74とともにXリニアモータ76Aを構成し、固定子74との間の電磁気的相互作用により駆動することでX軸方向に微少移動する。なお、図示していないものの、微動ステージ100Aは、ボイスコイルモータ等の駆動装置により、X軸方向に関して所定の移動範囲内でのみ移動可能に拘束され、且つY軸方向に関しては、X粗動ステージ63Aに対して離間する方向には拘束されない状態で移動する構成となっている。すなわち、微動ステージ100Aは、X粗動ステージ63Aに対して少なくともX方向及びY方向について微少移動するとともに、X粗動ステージ63Aから離間するY方向に移動することで当該X粗動ステージ63Aから離脱し、逆に接近する方向に移動することでX粗動ステージ63Aに接続するように着脱自在な構成となっている。
そして、X粗動ステージ63Aには、基板テーブル52Aが液浸領域AR2と対向する露光位置K1から外れた位置(第2位置)へ移動した際に、当該液浸領域AR2と対向する位置に位置決めされるようにZ方向に移動する移動テーブル(第2移動テーブル)70(X粗動ステージ63Bには設けられず、X粗動ステージ63Aにのみ設けられるため添字は付加しない)が設けられている。移動テーブル70は、基板テーブル52Aと同一の撥液性を有する材料によって形成されており、昇降装置71の駆動によりZ軸方向に移動自在となっている。また、移動テーブル70は、テーブル部80A、80Bの交換シーケンス等でX粗動ステージ63AがベースプレートBP上を移動したときに、基板テーブル52が液浸領域AR2と対向する位置から外れた際に、いずれかの箇所が液浸領域AR2と対向する大きさに形成されている。
昇降装置71は、移動テーブル70に連結されたシリンダ71aが制御装置CONTの制御下でZ方向に延びることにより移動テーブル70を、その表面70Aが基板テーブル52Aの平坦面52A’と略面一で、且つ基板テーブル52Aと微小隙間をもって並ぶ位置(図6に実線で示す位置)と、後述する計測ビームBA、BBよりも下方の待避位置(図6に二点鎖線で示す位置)との間で昇降させる構成となっている。この微小隙間は、例えば数μm〜〜数mm程度に設定されており、液体1の表面張力により、微小隙間を介して液体1が漏出することが抑制されている。
露光エリアAに位置するウエハステージのY軸方向の位置は、基板テーブル52A(または52B)の−Y側の側面に対して計測ビームBAを照射するレーザ干渉計32により計測され、X軸方向の位置は基板テーブル52Aの−X側の側面に対して計測ビームを照射するレーザ干渉計33により計測され、その結果が制御装置CONTに出力される。本実施の形態でも、第1実施形態と同様に、基板テーブル52A(及び52B)の厚さは、昇降時にレーザ干渉計32の計測ビームBAを横切った際にも、計測ビームBAの基板テーブル52Aへの照射が維持され、位置計測が継続できる大きさに設定されている。
また、計測エリアALに位置する基板ステージのY軸方向の位置は、ベースプレートBPの略中央に設けられ基板テーブル52B(または52A)の−Y側の側面に対して計測ビームBBを照射するレーザ干渉計34により計測され、X軸方向の位置は基板テーブル52Bの−X側の側面に対して計測ビームを照射するレーザ干渉計35により計測され、その結果が制御装置CONTに出力される。
レーザ干渉計34のボディには、図7に示すように、X軸方向の両側にテーブル部80A、80B(微動ステージ100A、100B)をロック(保持)するロック機構90が設けられている。ロック機構90は、Z軸方向に沿って配置された軸部材90aと、制御装置CONTの制御下でこの軸部材90aをZ軸方向に駆動する、例えば電磁ソレノイド式のアクチュエータ90bとから構成される。各側において軸部材90aは、テーブル部80A、80B(微動ステージ100A、100B)に設けられたブラケット86の二つの孔部85、85と同じピッチで配置され、下降したときに孔部85、85に嵌合してテーブル部80A、80Bを後述する交換位置に位置決め(固定)する。
続いて、本実施形態に係るステージ装置STの動作の中、テーブル部の入れ替え(交換)について図5、図8乃至図12を参照して説明する。
なお、これらの図においては、各図を用いて説明する動作に関係のあるものについてのみ符号を付す。
図5は、露光エリアAに位置する基板ステージPST1(テーブル部80A)に対して露光処理が行われている図である。
このとき、液浸領域AR2は、露光位置K1に位置するテーブル部80A上(または基板P)上に形成されており、液体が漏れ出すことはない。
そして、露光エリアAに位置する基板ステージPST1に対する露光処理が終了するとともに、計測エリアALに位置する基板ステージPST2に対する計測処理が終了すると、図8に示すように、X粗動ステージ63AをXガイドステージ61Aに沿って−X軸側の端部へ移動させ、X粗動ステージ63BをXガイドステージ61Bに沿って+X軸側の端部へ移動させる。
このとき、液浸領域AR2は、移動テーブル70の+X側、+Y側の隅部において表面70Aと対向するため、液体が漏れ出すことがなく液浸領域AR2は維持される。また、基板ステージPST1が図5に示した露光位置K1から図8に示す交換準備位置へ移動する過程においては、液浸領域AR2が基板テーブル52A上から移動テーブル70上に移動する前に、制御装置CONTが昇降装置71を駆動し、シリンダ71aを上昇させることにより、図6に二点鎖線で示すように、表面70Aが基板テーブル52Aの平坦面52A’と略面一となる高さに移動テーブル70を移動させる。従って、基板テーブル52Aの平坦面52A’上に形成されていた液浸領域AR2は、円滑に移動テーブル70の表面70A上に移動できる。なお、液浸領域AR2が基板テーブル52Aと移動テーブル70とに跨ることになるが、これらの隙間が微小であるため、液体が表面張力により漏れ出さないことは上記第1実施形態と同様である。
次に、可動子62A、62Bを固定子58に沿ってそれぞれ前方(相互に接近する方向)へ移動させ、図9に示すように、テーブル部80A、80Bが干渉計34の側方(X方向両側)に位置するテーブル部交換位置(第2位置)K3に基板ステージPST1、PST2を移動させる。そして、図7に示すように、ロック機構90のアクチュエータ90bを駆動して軸部材90aを下降させる。これにより、二点鎖線で示すように、軸部材90aがブラケット86の孔部85に嵌合し、テーブル部80A、80Bがテーブル部交換位置K3でロックされる。
このテーブル部交換位置K3にテーブル部80Aが位置決めされたときには、液浸領域AR2は移動テーブル70の+X側、−Y側の隅部において表面70Aと対向するため、液体が漏れ出すことがなく液浸領域AR2が維持される。
続いて、図10に示すように、固定子58に沿って可動子62A、62Bを後方(相互に離間する方向)へ移動させ、テーブル部80Aに設けられた磁石75a、75a(図6参照)間の隙間(テーブル部80Bでは磁石75b、75b間の隙間)から固定子74を引き抜く。このとき、可動子62A、62Bを、固定子74が磁石75a、75a(または75b、75b)間の隙間に位置する当初の数十mmは安全性を高めるために低速で移動させ、そして固定子74が磁石75a、75a(または75b、75b)から抜けた後はスループットを向上させるために中速で移動させる。
テーブル部80AとX粗動ステージ63Aとが分離した際には、液浸領域AR2は移動テーブル70の+X側、+Y側の隅部において表面70Aと対向するため、液体が漏れ出すことがなく液浸領域AR2が維持される。
次に、図11に示すように、Xガイドステージ61Aに沿ってX粗動ステージ63Aを+X方向へ移動させテーブル部80Bに対向させるとともに、Xガイドステージ61Bに沿ってX粗動ステージ63Bを−X方向へ移動させテーブル部80Aに対向させる。このとき、液浸領域AR2は移動テーブル70の−X側、+Y側の隅部において表面70Aと対向するため、液体が漏れ出すことがなく液浸領域AR2が維持される。
次に、図12に示すように、固定子58に沿って可動子62A、62Bを相互に接近する方向に前進させ、X粗動ステージ63A、63Bに設けられた固定子74をテーブル部80A、80Bの磁石間の隙間に挿入する。この場合、テーブル部80Aの固定子74は、磁石75b、75b間の隙間に挿入され、テーブル部80Bの固定子74は、磁石75a、75a間の隙間に挿入されることになる。このとき、液浸領域AR2は移動テーブル70の−X側、−Y側の隅部において表面70Aと対向するため、液体が漏れ出すことがなく液浸領域AR2が維持される。
なお、このときもスループットを向上させるために固定子74が磁石間の隙間に達するまでは可動子62A、62Bを中速で移動させ、固定子74が磁石間の隙間に達した後の数十mmは安全性を高めるために可動子62A、62Bを低速で移動させることが好ましい。
この後、ロック機構90のアクチュエータ90bを駆動して軸部材90aを上昇させる。これにより、図7に実線で示すように、軸部材90aがブラケット86の孔部85から外れて、テーブル部80A、80Bに対するロックが解除される。続いて、固定子58に沿って可動子62A、62Bを後方へ移動させることにより、基板ステージ(テーブル部)の入れ替え(交換)が完了する。そして、X粗動ステージ63AをXガイドステージ61Aに沿って移動させて、液浸領域AR2が対向状態で形成される露光位置K1にテーブル部80Bを位置させることにより、テーブル部80Bの基板テーブル52Bに保持された基板に対して露光処理を実施する。
このとき、液浸領域AR2が移動テーブル70上から基板テーブル52B上に移動した後に、制御装置CONTが昇降装置71を駆動し、シリンダ71aを下降させることにより、図6に実線で示すように、移動テーブル70を待避位置に移動させる。
このようなステージ装置STにおいては、2つの基板ステージPST1、PST2を独立して2次元方向に移動させながら上述したテーブル部80A、80Bの入れ替え(交換)、露光エリアAの基板ステージ上の基板に対する露光シーケンスと、計測エリアALの基板ステージ上の基板に対する基板交換及びアライメントシーケンスとの並行処理が繰り返し行わる。
このように、本実施の形態では、複数の基板ステージPST1、PST2を交換しながら露光処理と計測処理とを並行して行うダブルステージ方式を採用する場合に、テーブル部が露光位置K1から外れた場合でも移動テーブル70によって、液体1が漏れ出すことなく液浸領域AR2を維持できるので、液浸領域AR2への液体供給及び液体回収を停止させずにステージ交換及び基板交換を実施でき、スループットを向上させることが可能になる。
なお、上述した第2実施形態では、移動テーブル70をX粗動ステージ63Aに設ける構成としたが、これに限定されるものではなく、第1実施形態と同様に、各テーブル部80A、80B毎にそれぞれ移動テーブル70を設ける(つまり、基板テーブルと移動テーブルとをそれぞれ複数設ける)構成としてもよい。この場合、露光エリアAに位置するテーブル部において、基板テーブルが露光位置から外れるときに移動テーブル70を露光位置(液浸領域AR2と対向し、且つ基板テーブルの上面と略面一となる位置)に位置決めすればよい。
(第3実施形態)
続いて、ステージ装置STの第3実施形態について、図13乃至図15を参照して説明する。これらの図において、図5乃至図12に示した第2実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
上記第2実施形態では、ダブルステージ方式のステージ装置において、移動テーブルをX粗動ステージ63Aに設ける構成としたが、本実施形態では基板テーブル52Aを微動ステージ100Aよりも大きなストロークで駆動するYリニアモータ65Aの可動子62Aに移動テーブル70を連結する構成としている。
すなわち、本実施形態では、図13に示すように、Yリニアモータ65Aを構成する一対の可動子(第2移動装置)62A、62A間には、X方向に延在するステー76が水平方向に懸架されている。ステー76からは、X軸方向の位置が液浸領域AR2と同一で移動テーブル70が+Y側に延出している。移動テーブル70は、基板テーブル52Aと同一の撥液性を有する材料によって形成されており、図14に示すように、表面70Aが基板テーブル52A(または52B)の上面52A’(または52B’)と略面一となる高さで、且つテーブル部80A、80Bが固定子74(X粗動ステージ63A)と結合したときに基板テーブル52A(または52B)と液体が漏れ出さない微小隙間をもって並ぶ位置に配置されている。
また、移動テーブル70は、X粗動ステージ63AがXガイドステージ61Aに沿ってX軸方向に移動した際にもX粗動ステージ63Aと接触しない高さに配置されている。さらに、移動テーブル70は、可動子62Aが最も+Y側へ移動するテーブル部交換時においても、図15に示すように、表面70Aが液浸領域AR2と対向する大きさで形成されている。
なお、本実施形態では、移動テーブル70が常時基板テーブル52A、52Bと同じ高さにあるため、露光エリアAに位置する基板テーブルの位置はレーザ干渉計34により計測され、計測エリアALに位置する基板テーブルの位置は、ベースプレートBPの+Y側端部Lに設けられたレーザ干渉計32によって計測される。なお、必ずしも移動テーブル70を常時52A、52Bと同じ高さにする必要はなく、前述の実施例のように移動テーブル70をZ方向に沿って駆動させてもよい。
他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
本実施形態では、上記第2実施形態と同様に、テーブル部が露光位置K1から外れた場合でも移動テーブル70によって、液体1が漏れ出すことなく液浸領域AR2を維持できるので、液浸領域AR2への液体供給及び液体回収を停止させずにステージ交換及び基板交換を実施でき、スループットを向上させることが可能になる。また、本実施の形態では、移動テーブル70の移動用の駆動機構を別個に設けている構成ではないので、コストダウンに寄与できる。また、既存のステージ装置に対しても、移動テーブル70を容易に付設することが可能である。
なお、上記実施の形態では、移動テーブルが基板テーブルに代わって液浸露光時の液浸領域AR2を形成する構成として説明したが、これに限定されるものではなく、例えば移動テーブルに位置計測用のマーク類を搭載させ、基板テーブルがベースプレートBP上の計測位置から外れた際には移動テーブルが計測位置に移動したときに計測処理を実施する構成とすることも可能である。
また、上記第2実施形態では、Yリニアモータ65A、65Bで固定子58を共用する構成としたが、個別に固定子を設ける構成としても差し支えない。
さらに、上記第1、第2実施形態では、液浸領域AR2を形成した後の移動テーブル70には、表面70Aに液体(液滴)が付着しており、XYステージ53やX粗動ステージ63Aの駆動時の衝撃で飛散する可能性がある。そのため、昇降装置71の駆動で下降した移動テーブル70に対してエアを吹き付けて液体を除去したり、下降時には移動テーブルを斜めに傾けておき、自重により液体を落下させる構成としてもよい。
さらに、上記実施の形態では、基板ステージPST1、PST2(テーブル部80A、80B)が共通のベースプレートBPにより移動可能に支持される構成としたが、それぞれ個別の定盤に支持される2枚定盤形式を採用することも可能である。
また、上記実施の形態では、本発明のステージ装置を基板ステージに適用する構成としたが、マスクステージMSTに適用することも可能である。
また、上記実施形態では、一方の基板ステージ上で1枚のマスクのパターンを用いて露光を行っている間に、他方の基板ステージ上で基板交換、アライメント等を行う場合について説明したが、これに限らず、例えば特開平10−214783号に開示されるように、2枚のマスクを搭載可能なマスクステージを用いて、一方の基板ステージ上で2枚のマスクのパターンを用いて二重露光を行っている間に、他方の基板ステージ上で基板交換、アライメント等を並行して行うようにしても良い。このようにすると、同時並行処理によりスループットをあまり低下させることなく、二重露光により高解像度とDOF(焦点深度)の向上効果とを得ることができる。
上述したように、本実施形態においては露光光としてArFエキシマレーザ光を用いた際には、液浸露光用の液体として純水が供給される。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、基板(ウエハ)上のフォトレジストや光学素子(レンズ)等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有量が極めて低いため、基板の表面、及び投影光学系の先端面に設けられている光学素子の表面を洗浄する作用も期待できる。
そして、波長が193nm程度の露光光ELに対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.44と言われており、露光光ELの光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた場合、基板P上では1/n、すなわち約134nmに短波長化されて高い解像度が得られる。更に、焦点深度は空気中に比べて約n倍、すなわち約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
また、液体1としては、その他にも、露光光に対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PLや基板P表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なものを用いることも可能である。
露光光としてF2レーザ光を用いる場合は、液体としてF2レーザ光を透過可能な、例えばフッ素系オイルや過フッ化ポリエーテル(PFPE)等のフッ素系の液体を用いればよい。
なお、上述したような液浸法を用いた場合には、投影光学系PLの開口数NAが0.9〜1.3になることもある。このように、投影光学系PLの開口数NAが大きくなる場合には、従来から露光光として用いられているランダム偏光光では偏光効果によって結像特性が悪化することもあるので、偏光照明を用いることが望ましい。その場合、マスク(レチクル)のライン・アンド・スペースパターンのラインパターンの長手方向に合わせた直線偏光照明を行い、マスク(レチクル)のパターンからは、S偏光成分(TE偏光成分)、すなわちラインパターンの長手方向に沿った偏光方向成分の回折光が多く射出されるようにするとよい。投影光学系PLと基板P表面に塗布されたレジストとの間が液体で満たされている場合、投影光学系PLと基板P表面に塗布されたレジストとの間が空気(気体)で満たされている場合に比べて、コントラストの向上に寄与するS偏光成分(TE偏光成分)の回折光のレジスト表面での透過率が高くなるため、投影光学系の開口数NAが1.0を超えるような場合でも高い結像性能を得ることができる。また、位相シフトマスクや特開平6−188169号公報に開示されているようなラインパターンの長手方向に合わせた斜入射照明法(特にダイポール照明法)などを適宜組み合わせるとより効果的である。
また、例えばArFエキシマレーザ光を露光光とし、1/4程度の縮小倍率の投影光学系PLを使って、微細なライン・アンド・スペースパターン(例えば25〜50nm程度のL/S)を基板P上に露光するような場合、マスクMの構造(例えばパターンの微細度やクロムの厚み)によっては、Wave guide効果によりマスクMが偏光板として作用し、コントラストを低下させるP偏光成分(TM偏光成分)の回折光よりS偏光成分(TE偏光成分)の回折光が多くマスクから射出されるようになる。この場合も、上述したような直線偏光照明を用いることが望ましいが、ランダム偏光光でマスクMを照明しても、開口数NAが0.9〜1.3のように大きい投影光学系を使って高い解像性能を得ることが可能になる。また、マスクM上の極微細なライン・アンド・スペースパターンを基板P上に露光するような場合には、Wave guide効果によりP偏光成分(TM偏光成分)がS偏光成分(TE偏光成分)よりも大きくなる可能性もあるが、例えばArFエキシマレーザ光を露光光とし、1/4程度の縮小倍率の投影光学系を使って、25nmよりも大きいライン・アンド・スペースパターンを基板P上に露光するような条件であれば、S偏光成分(TE偏光成分)の回折光がP偏光成分(TM偏光成分)の回折光よりも多くマスクから射出されるので、投影光学系の開口数NAが0.9〜1.3のように大きい場合でも高い解像性能を得ることができる。
さらに、マスク(レチクル)のラインパターンの長手方向に合わせた直線偏光照明(S偏光照明)だけでなく、特開平6−53120号公報に開示されているように、光軸を中心とした円の接線(周)方向に直線偏光する偏光照明法と斜入射照明法との組み合わせも効果的である。特に、マスク(レチクル)のパターンが所定の一方向に延びるラインパターンだけでなく、複数の異なる方向に延びるラインパターンが混在する場合には、同じく特開平6−53120号公報に開示されているように、光軸を中心とした円の接線方向に直線偏光する偏光照明法と輪帯照明法とを併用することによって、投影光学系の開口数NAが大きい場合でも高い結像性能を得ることができる。
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。また、本発明は基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、上述した実施形態では、液浸露光装置の一例として、倍率1/4の反射屈折系を有する走査型露光装置(スキャナー)を用いたが、これに限定されるものではない。例えば、倍率1/8の屈折系(全屈型)を有する液浸ステッパーを用いてもよい。倍率1/8とした場合、大面積のチップを一括露光できなくなるので、大面積のチップに対しては、スティッチング方式を採用して対応すればよい。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージPST、MSTは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
各ステージPST、MSTの駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニットと、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステージPST、MSTを駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージPST、MSTに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージPST、MSTの移動面側に設ければよい。
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−166475号公報(USP5,528,118)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−330224号公報(US S/N 08/416,558)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図16に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。