本発明の取引所株価指数先物取引システムは、例えば、現物の株式取引における株価指数である日経平均株価(登録商標)を指数とする株価指数先物取引であり、現物の株式取引における株価指数自体を取引対象とした先物取引を提供する。図5は、本発明の株価指数先物取引の取引概要を示す図である。すなわち、従来の日経平均株価先物取引の株価指数は、上述のように現物の株式取引における日経平均株価と乖離したものであり、かつマーケットメイク方式による株価指数先物取引である点において、本発明は大きく相違する。以下の実施形態では、代表的な現物の株式取引における株価指数として日経平均株価を適用して説明するが、日経平均株価に限らず、TOPIX(登録商標)等の他の国内外の現物の株式取引における株価指数を用いることができる。
また、上述のように本発明の株価指数先物取引は、従来の日経平均株価先物取引とは異なり、3月限、6月限、9月限、12月限などの限月取引ではなく、取引期日(取引最終日)を日々の取引終了時点の当該取引日とした限日取引、言い換えれば、取引期日を毎取引日として取引日終了時点の未決済建玉が繰り延べられる取引である。
そして、本発明の清算処理では、取引終了時点において注文者が保有する未決済建玉に対し、該取引日から翌取引日までの期間の金利相当額及び該取引日の配当相当額を、未決済建玉の買い方及び売り方との間で受け渡す処理を遂行し、かつ当該取引日における清算価格を用いた未決済建玉の差金損益による日々の値洗い処理を遂行し、現物の株式取引における株価指数自体を取引対象とする株価指数先物取引を提供する(差金損益に対して建玉に付随する金利や配当を別枠で処理し、清算価格に基づく差金損益と別枠で処理された金利や配当に係る相当額とに基づいて、最終的な資金授受の金額を算出する)。
(第1実施形態)
図1から図8は、本発明の株価指数先物取引が適用された取引所株価指数先物取引システムの第1実施形態を示す図である。
<システム構成>
図1は、本実施形態の取引所株価指数先物取引システムの概略図である。図1に示すように、本実施形態の取引所株価指数先物取引システム100は、取引所が保有するコンピュータ等の情報処理装置により構成され、取引所株価指数先物取引に参加する取引業者が保有する取引業者サーバ200及び取引業者端末201と、株価指数先物取引において呼び値(値付け)をするマーケットメーカー(証券会社等の金融機関など)のマーケットメーカー端末(MM端末)400と、証券会社、銀行、商社、ブローカー、保険会社、一般投資家等の各注文者が操作する注文者端末300とが、インターネットや所定の専用通信回線等のネットワークNを介して接続可能に構成されている。注文者は、注文者端末300を通じ、取引業者サーバ200を介して株価指数先物取引システム100に接続することができる。注文者端末300は、パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機等の移動通信端末装置などの表示装置、通信機能及び演算機能を備えた情報処理端末である。
本実施形態の株価指数先物取引システム100は、株価指数先物取引において呼び値をする複数のマーケットメーカーから提供されるビッド情報/オファー情報に基づいて取引レート情報を生成し、取引所に登録された取引業者が取次ぐことにより取引所株価指数先物証拠金取引を個人投資家等の注文者に提供する。マーケットメーカー及び取引業者は、取引所に対して登録されている取引業者(取引参加者)であり、本実施形態の取引業者は、個人投資家等の注文者(顧客)から注文を受託して取引所株価指数先物証拠金取引を遂行する金融庁に登録された取引業者である。マーケットメーカーも同様に取引所に登録された取引参加者であり、注文者に対して株価指数先物価格に相当する取引指数のビッド値/オファー値及び取引可能数量を提示し、株価指数先物取引に応じる者である。
ここで、後述するように、本実施形態の取引所株価指数先物取引は、従来のオークション方式とは異なり、マーケットメイク方式によって取引が成立する。すなわち、マーケットメーカーが提供するビッド情報/オファー情報と注文者が発注する注文情報とにおいて、注文者同士の注文情報間及びマーケットメーカー同士のビッド情報/オファー情報間では取引は成立(約定)せず、注文者の取引相手は必ずマーケットメーカーとなり、かつマーケットメーカーの取引相手は必ず注文者となるように、取引処理がなされる取引態様で取引所株価指数先物取引が遂行される。
また、本実施形態の取引レート情報は、後述する取引レート管理部1104により、複数のマーケットメーカーのMM端末400から複数のビッド情報及びオファー情報を受信し、複数のビッド情報のうち最も高いビッド値と複数のオファー情報のうち最も低いオファー値とを抽出し、抽出した最も高いビッド値及び最も低いオファー値で構成される1つの統合された取引レート情報を生成し、1つのビッド値及びオファー値が取引所株価指数先物取引の取引レート情報として個人投資家等の注文者に提示される。
図2は、本実施形態の取引所株価指数先物取引システム100の構成ブロック図であり、株価指数先物取引サーバ110と、取引業者端末201及び取引業者サーバ200を経由して注文者端末300が通信網を通じて接続する株価指数CFD用サーバ120と、MM端末400が通信網を介して接続するMM用サーバ130と、MM端末400、取引業者端末201及び取引業者サーバ200を経由して個人投資家等の注文者端末300が取引所株価指数先物取引システム100に接続する際のアクセス認証を行う認証サーバ140と、を含んで構成される。
株価指数先物取引サーバ110は、取引所株価指数先物取引システム100内の各サーバ及び通信網を介した取引業者サーバ200、取引業者端末201、注文者端末300及びMM端末400との間の通信制御を行うともに、外部機関が運営するシステムやサーバとの通信制御を行う通信制御部1101と、株価指数先物取引を行う注文者が注文者端末300を介して入力した取引要求(新規の売り/買い注文、転売・買戻しによる決済注文などの注文情報)を受信し、複数のMM端末400からMM用サーバ130に送信されたマーケットメーカーが提示するビッド値又は/及びオファー値を用いて注文情報に対する取引処理(現物の株式取引における日経平均株価を株価指数とする株価指数先物取引処理)を遂行する取引制御部1103と、株価指数先物取引において呼び値をするマーケットメーカーのMM端末400から送信されるビッド情報及びオファー情報に基づいて、株価指数先物価格に相当する取引指数のビッド値及びオファー値を含む取引レート情報を生成する取引レート管理部1104と、所定の取引時間終了後の清算処理を遂行する清算処理部1105と、を含んで構成される。なお、後述するように、取引レート管理部1104は、金利相当額及び配当相当額が指数として除外された取引指数(現物の株式取引における株価指数を取引指数)とする取引レート情報を生成する。
また、株価指数先物取引サーバ110は、取引レート情報や取引出来高情報などを外部機関に提供する情報提供部1106と、株価指数CFD用サーバ120の顧客データベース122に記憶される、取引業者と取引委託契約を締結した個人投資家等の注文者の顧客情報(個人情報、取引条件情報等)を管理する顧客管理部1107と、取引業者端末201及び注文者端末300に対し取引所株価指数先物証拠金取引を遂行するためのASP機能を、取引業者サーバ200を通じて又は取引業者端末201及び注文者端末300に直接に提供する株価指数CFD用サーバ120を管理する株価指数CFD管理部1108と、ビッド情報/オファー情報等の各情報を取引所株価指数先物取引システム100に提供するマーケットメーカーに対しASP機能を提供するMM用サーバ130を管理するMM管理部1109と、注文者毎の株価指数先物取引における取引情報(注文情報、注文履歴情報、建玉情報、約定情報、証拠金情報、入出金情報、取引レート情報、清算価格等)と、マーケットメーカー毎の取引情報(提示したビッド情報/オファー情報、建玉情報、約定情報、証拠金情報、入出金情報等)と、政策金利(無担保コール翌日物誘導目標の金利)、現物の株式取引における日経平均株価を構成する銘柄に対する配当金に関する情報等と、を記憶する記憶部である取引データベース1110と、をさらに備えている。そして、これら株価指数先物取引サーバ110の各部は、制御部(CPU)1102により制御される。なお、取引データベース1110は、外部機関から提供される現物の株式取引における日経平均株価、現物の株式取引における日経平均株価の終値、現物の株式取引における日経平均株価の前日比などの情報を格納することも可能である。
なお、取引データベース1110に格納される政策金利(無担保コール翌日物誘導目標の金利)、現物の株式取引における日経平均株価を構成する銘柄に対する配当金に関する情報は、所定の情報提供先から取引所に対して自動的に伝送され、制御部1102等が取引データベース1110に記憶されるように制御することができる。なお、政策金利や配当金に関する情報は、株価指数先物取引サーバ100が備える不図示の入力手段を介して手作業で取引データベース1110に格納することも可能である。
本実施形態の取引所株価指数先物取引システム100は、この取引所株価指数先物証拠金取引に参加する株価指数CFD用サーバ120の株価指数CFD用データベース121に登録された取引業者(取引業者端末201)に対し、取引所取引における株価指数先物取引を遂行するためのASP機能を提供する。この株価指数CFD用データベース121には、取引業者端末201及び注文者端末300に送信される画面プログラムなどの画面情報も記憶されている。
株価指数CFD用サーバ120は、取引業者及び取引業者に取引委託した各個人投資家(注文者)を一元的に管理するための顧客データベース122を有し、取引業者端末201が株価指数CFD用サーバ120に接続した場合、取引委託して当該取引業者から取引を許諾された個人投資家等の顧客情報を入力するための入力画面等が株価指数CFD用サーバ120から取引業者端末201に提供され、取引業者端末201の不図示のディスプレイ装置に表示される。取引業者は、表示された入力画面等に個人投資家等の顧客情報を入力し、画面を通じて入力された顧客情報は、取引所株価指数先物取引システム100に伝送され、株価指数CFD用サーバ120の顧客データベース122に記憶される。
この顧客データベース122には、個人投資家等を一意に識別するためのコード(委託者コード、参加者コード等)や、個人投資家等の建玉(ポジション)情報、証拠金情報等の顧客取引情報が登録される。例えば、各個人投資家等毎に付与されるユーザコードとともに、参加者コード、ユーザ名、証拠金預託額、売約定数量、買約定数量、売建玉数量、買建玉数量などが登録される。
そして、複数の各取引業者が保有する取引業者端末201は、株価指数CFD用サーバ120に接続することで、顧客データベース122に登録されている個人投資家等の氏名、メールアドレス、ログインのためのID及びパスワードなどの情報を取得することができる。つまり、ID及びパスワードの発行処理を始めとする注文者の登録及び取引処理などの主要な処理は、全て取引所株価指数先物取引システム100で一元的に管理・遂行されるようになっており、各取引業者は、個人投資家等の個人情報や証拠金情報、これらの情報に基づく取引条件等の情報を該取引所株価指数先物取引システム100に登録し、取引業者が個別に個人投資家等に対して取引所株価指数先物取引についての機能を提供する必要はない。また、個人投資家等は、取引業者サーバ200を通じて直接に株価指数先物取引システム100(株価指数CFD用サーバ120)に接続することで、委託した取引業者を介した取引所株価指数先物証拠金取引を行うことができる。
具体的には、取引業者を通じた取引所への登録により、取引所において注文者が一元管理され、該注文者は、取引業者との間の委託契約に基づき、注文者端末300から取引業者サーバ200を通じて取引所株価指数先物取引システム100の株価指数CFD用サーバ120に接続し、株価指数CFD用サーバ120が提供するASP機能により取引所株価指数先物証拠金取引を遂行することができる。株価指数CFD用サーバ120は、注文者端末300からの接続要求に応答して所定のログイン画面を提供する。注文者により入力されたIDとパスワードを用いて認証サーバ140による認証処理が行われる。認証処理の結果、取引所に登録された正当な注文者であると認証され、取引開始を許諾する場合には、株価指数CFD用サーバ120は、格納されている画面プログラムを注文者端末300に提供し、個人投資家等は、その表示画面を通じて注文、決済などの取引(注文指示、決済指示、出金指示等)、現在までの取引状況の閲覧(未約定の注文、未決済の建玉、注文履歴、約定履歴、証拠金状況、入金状況、入出金履歴、出金指示履歴等)、取引の各種設定登録を行うことができる。
つまり、本実施形態の株価指数CFD用サーバ120は、株価指数先物取引サーバ110から提供されるマーケットメーカーからのビッド値/オファー値に基づいて個人投資家等が注文した注文情報を受信し、受信した注文情報に基づいて取引所を通じた株価指数先物証拠金取引を遂行するサーバとして機能する。言い換えれば、株価指数CFD用サーバ120は、注文者から注文情報を受信した取引業者が、取引所(株価指数先物取引サーバ110)に対して注文等を行うサーバとして機能し、したがって、図2に示すように、株価指数CFD用サーバ120は、取引処理部123を備え、この取引処理部123が、個人投資家等が要求する注文、決済などの取引要請を株価指数先物取引サーバ110に出力(送信)し、株価指数先物取引サーバ110との間の株価指数先物証拠金取引の取引処理を遂行する。
MM用サーバ130は、マーケットメーカーから送信されたビッド情報/オファー情報を受信し、株価指数先物取引サーバ110の取引レート管理部1104に出力する処理を遂行するとともに、各マーケットメーカーに関する情報を記憶するMM用データベース131を備えており、MM業者コード、MM業者名、連絡先等のMM業者情報を記憶している。例えば、マーケットメーカー毎に付与されるMM業者コードとともに、証拠金預託額、提示したビッド/オファーに基づく売約定数量、買約定数量、売建玉数量、買建玉数量などが記憶される。MM用データベース131(取引所)に登録されているマーケットメーカーは、MM端末400からMM用サーバ130に接続し、ビッド値/オファー値及びそれらの取引可能数量を含むビッド情報/オファー情報等を取引所株価指数先物取引システム100に提供する。このとき、MM用サーバ130は、株価指数CFD用サーバ120と同様に、ビッド値、オファー値、取引可能数量等の入力又は送信するための画面プログラムやMM用データベース131に記憶されている各種情報を閲覧するための画面プログラムをMM端末400に提供することができる。また、MM用データベース131は、各マーケットメーカーから順次連続して送信されるビッド情報/オファー情報の各情報を、所定期間(例えば一週間分)保持することもできる。
図3及び図4は、本実施形態の取引所株価指数先物取引システム100の処理フローを示した図である。
まず、個人投資家等は、自身のコンピュータ(注文者端末300)から取引所株価指数証拠金取引を取扱う取引業者が保有する取引業者サーバ200に接続し、取引業者サーバ200が提供する所定の取引申込画面を通じて個人情報を登録するとともに、取引所株価指数先物証拠金取引のための口座を開設する。取引業者サーバ200では、登録された個人情報に基づく与信審査や取引業者の所定の審査・手続きを経て、個人投資家等の与信情報が取引条件に適合すると判断した場合、取引業者は、取引業者端末201から取引業者サーバ200を経由して又は直接に取引所株価指数先物取引システム100の株価指数CFD用サーバ120に接続し、当該個人投資家等の顧客情報、口座開設情報等を株価指数CFD用サーバ120に登録する。取引業者サーバ200は、例えば、取引業者が運営するWEBサイトを提供するWEBサーバであり、注文者端末300は、取引業者サーバ200に接続して当該取引業者が提供する所定の画面から株価指数CFD用サーバ120(取引所株価指数先物取引システム100)に接続(ログイン)し、その後、当該取引業者サーバ200を通じて接続し、各種処理を株価指数CFD用サーバ120が提供するASP機能に基づいて遂行することができる。つまり、本実施形態の取引業者サーバ200は、注文者端末300と取引所株価指数先物取引システム100(株価指数CFD用サーバ120)とを中継する中継装置としての役割を担う。
株価指数先物取引サーバ110の顧客管理部1107は、取引業者端末201から株価指数CFD用サーバ120への顧客情報登録処理に伴って、個人投資家等の個人情報、取引金額、各種取引条件を所定の基準と比較してチェックし、取引所に対する個人投資家等の登録処理を行う。そして、顧客管理部1107は、顧客登録処理の登録完了後、認証サーバ140に対してID及びパスワードの発行要求を出力し、発行されたID及びパスワードは認証データベース141に登録される。発行済みのIDとパスワードは、顧客管理部1107又は株価指数CFD管理部1108により株価指数CFD用サーバ120の顧客データベース122に反映(格納)されるとともに、取引業者端末201に送信される。取引業者は、取引所株価指数先物取引システム100から取得したID、パスワード情報を注文者端末300に通知するとともに、必要な証拠金情報を含む口座開設通知等を行う。
注文者端末300では、口座開設通知に対して必要な証拠金の入金処理を行う。取引業者は、取引業者端末201を通じて証拠金の入金確認処理を行い、取引所株価指数先物取引システム100の株価指数CFD用サーバ120に確認した入金情報を送信する。株価指数先物取引サーバ110の顧客管理部1107は、受信した入金情報を顧客データベース122に格納する。顧客管理部1107は、株価指数CFD用サーバ120の顧客データベース122への入金登録処理の完了後に、注文者端末300に対して取引所株価指数先物証拠金取引の開始許諾通知を行う。
個人投資家等(注文者端末300)は、取引開始許諾に基づいて取引所株価指数先物取引システム100にネットワークNを通じて取引業者サーバ200から接続すると(ステップS101)、取引業者サーバ200は取引所株価指数先物取引システム100の株価指数CFD用サーバ120に対して取引開始要求を送信し、株価指数CFD用サーバ120は、注文者端末300に所定のログイン画面を提供し、注文者は、取引業者を介して取得したID及びパスワードを用いてログインする。注文者端末300に表示されたログイン画面において入力されたID及びパスワードは、株価指数CFD用サーバ120を経由して認証サーバ140に送信され、認証処理が遂行される(ステップS302)。
認証処理後、顧客管理部1107は、取引開始処理を実行し、株価指数CFD用サーバ120に対して株価指数CFD用データベース121に格納されている所定の画面プログラムを注文者端末300に送信する命令を出力する。株価指数CFD用サーバ120は、注文者端末300に当該画面用プログラムを送信する。
一方、マーケットメーカーは、MM端末400を介してビッド情報及びオファー情報を取引所株価指数先物取引システム100に伝送する(ステップS501)。マーケットメーカーから送信されたビッド情報/オファー情報は、MM用サーバ130で受信され、MM用サーバ130から取引レート管理部1104に出力される。取引レート管理部1104は、MM用サーバ130から受信したビッド情報/オファー情報に基づいて、株価指数先物価格に相当する取引指数のビッド値及びオファー値を含む取引レート情報を生成する。
そして、注文者端末300には株価指数先物取引用の所定の画面が表示されるとともに、株価指数先物取引サーバ110は、生成した取引レート情報を取引業者サーバ200を経由して又は直接に注文者端末300にリアルタイムで提供する(ステップS303)。図5(b)は、取引レート情報が表示された取引レート画面の一例を示す図である。注文者端末300では、この所定の画面に表示されたリアルタイムに変動する取引レート情報(ビッド/オファー及びその取引可能数量)を参照し、所定の注文フォームから買い又は売りの注文情報を入力して取引所株価指数先物取引システム100に送信する。また、注文の変更や取り消し等についても、所定の変更/取り消しフォームから入力し、取引所株価指数先物取引システム100に送信する(ステップS102)。
株価指数CFD用サーバ120(取引処理部123)は、注文者端末300からの注文情報を受信すると、受信した注文情報を取引制御部1103に出力し(ステップS304)、取引制御部1103は、該注文情報に含まれる詳細な情報(注文者が指定する注文ビッドや注文オファー、その取引数量等についての条件等)に基づいて、注文方式(単一注文、OCO注文、ストリーミング注文等)を特定し、該注文方式及び注文者が指定する注文ビッドや注文オファーに則った取引処理を遂行する。例えば、取引制御部1103は、受信した注文情報の受付処理、及び注文内容及びビッド値或いはオファー値に従った注文の成否の決定、注文成立時における新規注文の約定処理を行い(ステップS305)、これら処理結果を株価指数CFD用サーバ120及びMM用サーバ130に送信する(ステップS306)。なお、注文者は注文方式として他にIfDone注文やIfDoneOCO注文を行うことができるが、この場合、取引所株価指数先物取引システム100は、当該IfDone注文及びIfDoneOCO注文として注文方式を特定して取引処理を遂行するのではなく、当該IfDone注文又はIfDoneOCO注文に対応する単一注文又はOCO注文として注文形式を特定して取引処理を遂行し、「IfDone」に関する部分、すなわち、注文の発注条件は、例えば、取引業者(取引業者サーバ200)側で判別し、取引業者サーバ200は、当該IfDone注文又はIfDoneOCO注文に対して、発注条件を満たした場合、各々対応する注文を単一注文又はOCO注文として注文情報を生成し、取引所株価指数先物取引システム100に伝送することができる。
このとき、清算処理部1105は、保有する建玉に対する転売・買戻しに対する決済処理を注文者及びマーケットメーカーの各々に対して個別に遂行する(ステップS305a、S305b)。具体的には、清算処理部1105は、転売・買戻しによる決済注文の場合、取引制御部103による約定処理後、決済注文に付随して又は個別に注文者端末300から未決済建玉についての転売・買戻しによる決済申請を受信し、これに応答して未決済建玉の約定価格と転売・買戻しの決済価格との差額のみに基づく差金決済を遂行する。なお、決済方式は、指定決済方式又はFIFO方式を適用することができる。FIFO方式では、保有している買い建玉(売り建玉)について反対の売り付取引(買い付取引)が約定した場合、自動的に最も古い買い建玉から順番に決済されることになる。この場合において、清算処理部1105は、買い建玉の約定価格に対して売り付取引の約定価格を決済価格として、その差額のみに基づく差金決済を遂行する。
処理結果を受信した株価指数CFD用サーバ120の取引処理部123は、処理結果に基づいて該当の個人投資家等の顧客データベース122に格納されたデータ(注文情報、建玉情報、約定情報、証拠金情報等)を更新するとともに、当該処理結果を注文者端末300に送信する(ステップS307)。一方、処理結果を受信したMM用サーバ130においても、処理結果に基づいて該当の各マーケットメーカーのMM用データベース131に格納されたデータ(建玉情報、約定情報、証拠金情報等)を更新するとともに、当該処理結果をMM端末400に送信する(ステップS307)。また、このとき清算処理部1105は又は取引制御部1103は、これらの処理結果を取引データベース1110にも同様に記憶する。
なお、取引所株価指数先物取引システム100の株価指数CFD用サーバ120における取引処理部123は、ステップS304において注文者端末300からの注文情報を受信した際、株価指数CFD用サーバ120の顧客データベース122に登録されている顧客情報に基づく与信処理、例えば、注文内容が証拠金情報等に基づく取引条件と合致するかなどの与信処理を行うことができる。この与信処理の結果、注文者端末300から送信された注文情報が取引条件等に合致しない場合には、注文情報にエラー情報が含まれるとして、注文者端末300に対して注文情報エラー通知を送信する。例えば、証拠金及びレバレッジの関係等から設定される取引可能上限金額を超えている場合、その注文を受け付けないようにする。
また、取引制御部1103は、注文者の注文情報に対して取引が成立すると、ビッド値又はオファー値を提供した該当のマーケットメーカーと取引業者との間で取引を約定(成立)させ、約定情報、建玉情報等を取引データベース1110に記憶する。このとき、取引制御部1103は、ビッド値又はオファー値を提供した該当のマーケットメーカーと取引業者との間で約定した株価指数先物取引を、マーケットメーカーと取引所との間で約定した第1の取引と取引業者と取引所との間で約定した第2の取引の2つの独立した株価指数先物取引として処理する。つまり、取引業者及びマーケットメーカーの各取引当事者の取引の相手方を、すべて取引所に置き換えた取引として処理することで、取引業者とマーケットメーカーとの間で成立した株価指数先物取引の債権債務が、取引業者と取引所間の債権債務と取引所とマーケットメーカー間の債権債務とに置き換わり、取引業者(注文者)及びマーケットメーカーは、それぞれ取引所を直接の相手方として取引を履行する。
また、注文者及びマーケットメーカーは、注文者端末300及びMM端末400を通じて取引状況照会を行うことができる。例えば、個人投資家等が注文者端末300に表示された表示画面の所定の照会ボタンを押下することによって、注文者端末300から取引所株価指数先物取引システム100の株価指数CFD用サーバ120に照会要求が送信され、株価指数CFD用サーバ120は、注文者からの照会要求に基づいて株価指数先物取引サーバ110に照会要請を出力する。株価指数先物取引サーバ110の取引制御部1103は、この照会要請に応答して取引データベース1110の注文情報テーブル、注文履歴テーブル、約定情報テーブル、証拠金情報テーブルから対応する各種のデータを抽出する取引状況取得処理を行い、例えば、建玉照会の要求が成された場合、建玉一覧情報(約定日、約定番号、商品、売買区分、建玉数量、約定価格等)を生成して株価指数CFD用サーバ120に送信する。株価指数CFD用サーバ120は、受信した建玉一覧情報を含む所定の画面(建玉一覧画面)を注文者端末300に送信することができる。また、取引制御部1103は、その他に照会要求(照会要請)に基づいて、注文一覧情報(注文状況、注文方法、商品名、売買区分、執行条件、注文価格、注文数量、約定価格、約定数量、注文日時、注文受付番号等)、注文履歴情報、約定情報、証拠金情報等を生成して、株価指数CFD用サーバ120を通じて注文者端末300に送信することもできる。同様にMM用サーバ130もMM端末400からの照会要求に基づいて取引所株価指数先物取引システム100(取引所)に照会要請を出力し、株価指数先物取引サーバ110から受信した照会要求に基づく情報をMM端末400に送信する取引状況照会や証拠金状況照会などを遂行する。なお、株価指数先物取引サーバ110の取引制御部1103が遂行する照会要請に対する各種情報の抽出及び生成処理は、株価指数CFD用サーバ120(取引処理部123)が遂行するように構成することも可能であり、この場合、株価指数CFD用サーバ120は、注文者からの照会要請に応答し、株価指数先物取引サーバ110の取引データベース1110の各テーブルから各種のデータを抽出する取引状況取得処理を行い、生成した建玉一覧情報を含む所定の画面(建玉一覧画面)を注文者端末300に送信することができる。
そして、取引所によって任意に定められた所定の取引時間終了(マーケットクローズ)時刻になった場合、取引所株価指数先物取引システム100は、マーケットクローズ処理を遂行する(ステップS308)。このマーケットクローズ処理は、取引終了時点において注文者が保有する未決済建玉(取引日当日に約定した取引のうち未決済のもの及び取引日以前に約定して繰り延べされた建玉を含む)に対し、取引日終了後の日々の各注文者の未決済建玉の評価替え(値洗い処理(清算処理))を行うための処理である。このため、取引所株価指数先物取引システム100は、未決済建玉の評価替えを行うための基準価格となる清算価格を生成する(ステップS309)。
具体的には、清算処理部1105は、マーケットメーカーが提示したビッド値及びオファー値又は取引処理において取引が成立した約定価格に基づいて清算価格を算出する。例えば、取引データベース1110に記憶されている取引終了直近の約定価格(取引終了直近に約定した売り又は買いの約定価格)やマーケットメーカーが提示したビッド値及びオファー値の仲値を清算価格として算出することができる。生成された清算価格は、各取引日別に取引データベース1110に記憶される。
清算処理部1105は、取引データベース1110から各注文者及び各マーケットメーカーの未決済建玉に関する情報(約定価格、約定数量)を取得し、また、未決済建玉を繰り越した際に適用される金利及び株価指数を構成する銘柄に対する配当金に関する情報を取得し、当該取引日から翌取引日までの期間の各未決済建玉に対する金利相当額及び該取引日における配当相当額を算出し、これら相当額を未決済建玉の買い方及び売り方との間で受け渡す処理と、生成された清算価格を用いた未決済建玉の差金損益を算出する処理とを遂行する(ステップS311)。清算処理の詳細については、後述する。
また、清算処理部1105は、証拠金額から算出された未決済建玉の評価損益を差し引いた金額が、取引参加者に取引所が要求する必要証拠金額を満たしているか否かを判別する処理を遂行し、満たしていない場合には、証拠金に不足が生じている旨(追証通知)とともに、値洗い処理の結果(値洗い情報)を株価指数CFD用サーバ120及びMM用サーバ130を介して注文者端末300及びMM端末400に送信する(ステップS312)。
なお、本実施形態では、上述のように株価指数CFD用サーバ120が、注文者から注文情報を受信した取引業者が取引所(株価指数先物取引サーバ110)に対して注文等の取引所株価指数先物取引を遂行するためのサーバとして機能するため、注文者に対する与信処理や値洗い処理及びその通知などの機能も株価指数CFD用サーバ120が提供するASP機能で遂行しているが、これに限らず、例えば、取引業者が与信処理や値洗い処理等を遂行し、取引業者に委託している各注文者を管理するようにしてもよい。すなわち、取引業者サーバ200において注文者端末300から送信される注文情報に応答して、図3におけるステップS304の与信処理を遂行し、注文内容が証拠金情報等に基づく取引条件と合致するかなどの与信処理を行うことができる。この与信処理の結果、注文者端末300から送信された注文情報が取引条件等に合致するものを、取引業者サーバ200が取引所株価指数先物取引システム100に正式な注文情報として送信するように構成することができる。つまり、取引業者サーバ200において、例えば、証拠金及びレバレッジの関係等から設定される取引可能上限金額を超えている場合、その注文を受け付けないようにすることができる。この場合、株価指数CFD用サーバ120の顧客データベース122に登録されている顧客情報を参照して行うこともでき、また取引業者サーバ200において株価指数CFD用サーバ120の顧客データベース122に登録されている顧客情報と同様の情報を格納し、又は取引業者が独自に管理する顧客情報(必要証拠金額や取引可能上限金額等の取引条件に関する情報)を格納して当該取引業者に委託した複数の各注文者を管理することができる。
また、値洗い処理についても、取引業者サーバ200において株価指数CFD用サーバ120(取引所株価指数先物取引システム100)から値洗い情報を受信し、各注文者に対する値洗い処理及び各注文者端末に値洗い処理の結果(証拠金不足の通知)など送信するように構成することもできる。この場合、取引業者サーバ200は、取引所株価指数先物取引システム100から図4のステップ312において値洗い情報を受信して値洗い処理を遂行し、各注文者端末に値洗い処理の結果を送信するようにして、取引業者側で各注文者を管理するように構成することができる。
このように本実施形態の取引業者サーバ200は、注文者端末300及び取引業者端末201と取引所株価指数先物取引システム100(株価指数CFD用サーバ120)とを中継する中継装置としての役割を担うことができるので、本実施形態の取引所株価指数先物取引システム100は、取引業者サーバ200に対して各種情報(取引レート情報、約定情報、値洗い情報等)を送信し、取引業者サーバ200において管理する各注文者端末300に、取引所株価指数先物取引システム100を通じた株価指数先物取引の各種情報を当該取引業者サーバ200が処理及び送信するようにしてもよい。例えば、取引所株価指数先物システム100は、株価指数先物取引を取引業者単位で管理して、各注文者を個別に管理せずに取引業者サーバ200との間で株価指数先物取引に関する各種情報をやり取りし、取引業者サーバ200が各注文者(注文者端末300)に対して株価指数先物取引の制御を遂行するようにしてもよい。
<清算処理>
本実施形態の取引所株価指数先物取引システム100の清算処理について、以下に詳細に説明する。上述のように、清算処理は、清算処理部1105によって遂行され、取引終了時点において注文者が保有する未決済建玉(取引日当日に約定した取引のうち未決済のもの及び取引日以前に約定して繰り延べされた建玉を含む)に対し、取引日終了後の日々の値洗い処理を遂行する。値洗いは、株価指数先物取引における未決済建玉について清算価格により日々評価替えを行う処理であり、本実施形態では、当該取引日から翌取引日までの期間の各未決済建玉に対する金利相当額及び該取引日における配当相当額を算出し、これら相当額を未決済建玉の買い方及び売り方との間で受け渡す処理と、当該取引日における清算価格を用いた未決済建玉の差金損益を算出する処理とを遂行する。
ここで、金利相当額とは、株価指数先物取引における建玉についてロールオーバー(当限の建玉を手仕舞うと同時に翌限で同一内容の建玉を保有すること)がなされたことにより予定されていた差金決済の取引期日が繰り延べられた結果、当該建玉について繰り延べられた日数に応じて発生する利息である。
つまり、本実施形態では取引期日を一取引日とした限日取引であるため、清算処理部1105は、日々の値洗い処理において転売・買い戻しによる差金決済がなされなかった当該取引日限の未決済建玉を手仕舞うと同時に翌日の取引日限とする同一内容の建玉を発生させ、翌日の取引日を決済期限とする建玉の繰り越しを行う。このとき、取引終了時点の当該取引日から翌取引日までの期間に金利相当額が発生する。したがって、この繰り越しの際の繰り延べられた日数に応じた建玉一枚当りの金利相当額(政策金利×清算価格×取引単位(100円)×(日数÷365))として算出することができ、算出された金利相当額を買い方(買い建玉を保有する者)が売り方(売り建玉を保有する者)へ支払う処理を遂行する。なお、この政策金利は、未決済建玉の買い建玉及び売り建玉の双方に共通に適用される(同じ金利が適用される)。なお、本実施形態では、政策金利を用いて金利相当額を算出しているが、これに限らず、政策金利以外の金利又は政策金利に基づいて算出される取引所が決定する金利を適用することも可能である。
配当相当額とは、現物の株式取引における日経平均株価を構成する銘柄に配当金の支払が見込まれる場合、見込まれる配当金の支払いが日経平均株価に与える理論上の影響値(日経平均ベースの配当落ち)に相当する額である。
清算処理部1105は、配当金の配当権利付最終日の取引終了後の値洗い処理において、配当権利付最終日までに保有していた未決済建玉の数量及び配当金に基づいて配当相当額を算出し、算出された配当相当額を買い方が売り方から受け取る(売り方が買い方に支払う)処理を遂行する。具体的には、建玉一枚当りの配当相当額は、配当相当額×取引単位(100円)で算出することができる。配当金の配当権利付き最終日の翌日以外の取引日における日々の値洗い処理では、配当相当額を0円として計算するように構成することができる。このとき、清算処理部1105は、配当相当額の値洗い処理が遂行される日が取引データベース1110に予め設定・登録された配当金の配当権利付最終日の翌日であるか否かを判別し、配当権利付最終日の取引終了後の値洗い処理において、配当相当額の算出及び授受の処理を遂行するように構成することができる。また、値洗い処理が遂行される日により判別以外にも、取引データベース1110への配当金に関する情報の入力をトリガーとしたり、システム管理者等が配当権利付最終日の翌日の値洗い処理において、これらの処理を遂行するように指示入力することも可能である。
そして、清算処理部1105は、清算価格を用いた差金損益、上述の金利相当額及び配当相当額を合計した株価指数差金を算出し、この株価指数差金を値洗い結果として注文者の証拠金情報及び現金授受額に反映し、取引データベース1110を更新する。
図6は、本実施形態の値洗い処理を説明した模式図である。図6に示すように、現物の日々の株式取引に対し、本実施形態の値洗い処理は、転売・買戻しが行われなかった建玉又は新規に約定した建玉に係る金利相当額が、取引日毎の日々の値洗い処理において差金損益に含まれることなく別途算出され、株価指数差金に含まれた形で証拠金等に反映される。また、別途算出していることから、差金損益と個別に、金利相当額を未決済建玉毎に提示することもできる。
また、権利付き最終日と同じ取引日、図6の例では、権利付き最終日(3月27日)の取引終了時点における建玉について、権利付き最終日の翌日の配当権利落ち日(3月28日)の値洗い処理で配当相当額が、差金損益に含まれることなく別途算出され、株価指数差金に含まれた形で証拠金等に反映される。また、別途算出していることから、差金損益と個別に、配当相当額を未決済建玉毎に提示することもできる。
図8は、本実施形態の清算処理の処理フローを示したフローチャートである。図8に示すように取引所株価指数先物取引システム100の清算処理部1105は、マーケットクローズ後に、生成した清算価格を用いて値洗い処理を各注文者が保有する建玉について遂行する。
まず、清算処理部1105は、マーケットメーカーが提示したビッド値及びオファー値又は取引処理において取引が成立した約定価格に基づいて清算価格を算出し、算出された清算価格を値洗い処理を行う処理当日の清算価格として取引データベース1110に格納する(ステップS801)。また、この日の政策金利及び配当金に関する情報を更新(登録)する(ステップS802)。
次に、清算処理部1105は、取引データベース1110を参照し、各注文者の未決済建玉を抽出して、清算価格を用いた当該未決済建玉の差金損益を算出する(ステップS803)。また、清算処理部1105は、取引期日を取引終了時点の取引日とした未決済建玉に対する金利相当額及び配当相当額を算出する(ステップS804,S805)。
その後、清算処理部1105は、算出された金利相当額を買い方(買い建玉を保有する者)から売り方(売り建玉を保有する者)へ支払う処理、言い換えれば、買い建玉に対する金利相当額をマイナスとし、売り建玉に対する金利相当額をプラスとして、買い建玉の金利相当額を売り建玉の金利相当額に割り当て、買い方及び売り方の間で金利相当額の受け渡す処理を遂行する(ステップS806)。
同様に清算処理部1105は、算出された配当相当額を売り方(売り建玉を保有する者)から買い方(買い建玉を保有する者)へ支払う処理、言い換えれば、買い建玉に対する配当相当額をプラスとし、売り建玉に対する配当相当額をマイナスとして、売り建玉の配当相当額を買い建玉の配当相当額に割り当て、買い方及び売り方の間で配当相当額の受け渡す処理を遂行する(ステップS807)。
そして、清算処理部1105は、清算価格を用いて算出された差金損益、上述の金利相当額及び配当相当額を合計した株価指数差金を算出し(ステップS808)、この株価指数差金を値洗い結果として注文者の証拠金情報及び現金授受額に反映し、取引データベース1110を更新する(ステップS809)。
なお、本実施形態の清算処理(値洗い処理)において、翌取引日に持ち越される未決済建玉に対して日々金利相当額及び配当相当額が算出され、これら各相当額を未決済建玉の買い方及び売り方との間で受け渡す処理を遂行し、証拠金に反映しているが、これは日々の評価替えに対する反映であり、実際の現金授受とは別である。すなわち、未決済建玉に対して日々算出される金利相当額及び配当相当額は、該当の未決済建玉が反対売買による決済取引により決済されるまでの間、持ち越しされる日数分蓄積され、最終的に決済取引によって確定する差金損益の現金授受額に、持ち越された各日における金利相当額及び配当相当額の合計額が反映されることになる。
このように本実施形態の株価指数先物取引は、取引終了時点において注文者が保有する未決済建玉に対し、該取引日から翌取引日までの期間の金利相当額及び該取引日の配当相当額を、当該未決済建玉の買い方及び売り方との間で受け渡す処理を遂行し、かつ当該取引日における現物の株式取引における平均株価の終値を用いた未決済建玉の差金損益による日々の値洗い処理を遂行するので、現物の株式取引における株価指数自体を取引対象とする株価指数先物取引を提供することが可能となる。
すなわち、取引対象である日経平均株価に金利や配当金に関連する指数が含まれず、現物の株式取引における日経平均株価自体を取引対象とした株価指数先物取引を実現することが可能となる。
したがって、従来の日経平均株価先物取引では、株価指数に金利や配当金が含まれているため、金利や配当金を個別に把握することは難しく、現物の株式取引における日経平均株価指数との乖離を適切に把握することができなかったが、本実施形態の株価指数先物取引では、株価指数に金利や配当金が含まれていないため、日経平均株価自体を取引することができるとともに、株価指数と独立して金利や配当金を容易に把握することができる。
また、本実施形態の株価指数先物取引は、取引期日を取引終了時点の一取引日とする限日取引であるため、従来の日経平均株価先物取引のように保有する建玉を次の限月に繰り延べる際に限月交代のための取引を行う必要がなく、取引コスト及び手続等を低減することができる。
さらに、本実施形態の株価指数先物取引は、マーケットメーカーが提示するビッド値及びオファー値を用い、株価指数先物取引を行う注文者の注文情報に対する取引処理を遂行するので、ロスカットに対して複雑な処理又は別途の処理を備えることなく、かつ株価指数先物取引において信頼性及び透明性が高いロスカット導入環境を実現することが可能となる。
すなわち、本実施形態の株価指数先物取引は、マーケットメイク方式により取引が成立するため、従来のオークション方式による株価指数先物取引のように、値が付き難いなどの市場の変動の影響を受け難く、ロスカットに対して常時有効な取引レート情報を供給することができ、また、注文者の取引相手が必ずマーケットメーカーとなるので、取引価格の透明性及び安定性を確保することができる。また、ロスカットにおける反対売買においても複数のマーケットメーカーが提示する複数のビッド情報のうち最も高いビッド値と複数のオファー情報のうち最も低いオファー値とで構成される1つの統合された取引レート情報により取引処理が遂行されるので、ロスカットにおける取引価格の形成過程の透明性が高く、かつ信頼性の高い取引価格を形成することができる。
このため、従来のオークション方式の株価指数先物取引に比べて、取引所株価指数先物取引システム100が、複雑な処理又は別途の処理を備えることなく、ロスカットの反対売買に関する注文情報あっても、通常の取引処理によりロスカットを遂行できるとともに、ロスカットに対して信頼性及び透明性の高い取引環境をシンプルに実現することができる。
したがって、本実施形態の株価指数先物取引は、注文者に対する取引上の損失を好適に抑制する環境を提供しつつ、現物の株式取引における株価指数自体を取引対象とした株価指数先物取引を提供することが可能となる。
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態における取引所株価指数先物取引システムの訂正処理の処理遷移を示すフローチャートであり、上記第1実施形態の取引所株価指数先物取引システムが、未決済建玉の訂正機能を具備する実施形態である。
訂正処理の一例としてギブアップシステムの利用がある。このギブアップとは、本来は取引の清算(証拠金および損益の管理を含む)を他の取引参加者に行わせる制度であるが、該ギブアップシステムは一度約定した建玉を訂正する訂正処理のツールとして利用される。従来の先物取引においても一般的に適用される制度である。本実施形態では、このギブアップシステムを利用した建玉の訂正処理を清算処理部1105が具備している。
通常、従来の先物取引では、訂正を申告した取引参加者(訂正元取引参加者)から訂正先に指定され、該申告を承認した取引参加者(訂正先取引参加者)にて清算がなされ、それに伴う差金等の修正を行うことで処理することができたが、本実施形態の株価指数先物取引は、従来の処理に加え、建玉に係る金利及び配当金を訂正元取引参加者と訂正先取引参加者との間で受け渡しする必要がある。つまり、日々の値洗い処理において取引期日を取引終了時点の一取引日とした(限日取引)未決済建玉に対する金利相当額及び配当相当額を、当該未決済建玉の買い方及び売り方との間で受け渡す処理を遂行しているため、既に値洗い処理がなされた未決済建玉が訂正される場合、訂正元取引参加者が授受した未決済建玉に対する金利相当額及び配当相当額を、訂正先取引参加者との間で調整する必要がある。
そこで、清算処理部1105は、注文者が保有する未決済建玉についての訂正要請に応答し、訂正が要求された未決済建玉について既に(過去に)受け渡しされた金利相当額及び配当相当額を、訂正要請を受信した日の値洗い処理に反映する訂正処理を遂行する。
具体的には、清算処理部1105は、訂正処理要求があった場合に、該要求に含まれる訂正する建玉、建玉訂正先の情報に基づいて訂正建玉、訂正建玉数及び訂正先を決定する(ステップS901)。決定された訂正建玉について適用された金利及び配当金に関する情報を取引データベース1110から取得し、訂正建玉数に基づく金利相当額及び配当相当額を算出する(ステップS902)。そして、訂正先取引参加者に訂正建玉数、訂正建玉の金利相当額及び配当相当額を割り当てる処理を遂行する(ステップS903)。
すなわち、訂正建玉が買い建玉であれば、訂正建玉数についての金利相当額を訂正元取引参加者から訂正先取引参加者に支払い、売り建玉であれば訂正元取引参加者から訂正先取引参加者に支払うように金利相当額を割り当てる。また、訂正建玉数についての配当相当額も同様に、訂正建玉が買い建玉であれば、訂正元取引参加者から訂正先取引参加者に支払い、売り建玉であれば訂正先取引参加者から訂正元取引参加者に支払うように配当相当額を割り当てる。そして、清算処理部1105は、値洗い処理において算出する株価指数差金に訂正建玉分の金利相当額及び配当相当額に含めて各々の取引参加者の証拠金に反映する(ステップS904)。
なお、この訂正処理におけるステップS901からステップS903は、値洗い処理に含めて遂行するように構成することができ、また、値洗い処理と独立してギブアップシステムを利用した訂正の要求があった際に遂行するによう構成することができる。
(第3実施形態)
図10、図11は、本発明の第3実施形態における取引所株価指数先物取引システムのロスカット処理の処理遷移を示すフローチャートであり、上記第1又は第2実施形態の取引所株価指数先物取引システム100が、ASP機能として取引業者に取引所株価指数取引におけるロスカットを提供する実施形態である。
上述のように、取引所株価指数先物取引システム100は、取引業者に対し、取引所取引における株価指数先物取引を遂行するためのASP機能を提供するので、このASP機能の1つとして各注文者のロスカット処理を、取引所株価指数先物取引システム100側で自動的に遂行する。
図10に示すように、取引業者は、取引業者端末201から株価指数CFD用サーバ120に接続し、注文者と同様、所定の画面から株価指数CFD用サーバ120(取引所株価指数先物取引システム100)にログインする(S701)。その後、株価指数CFD用サーバ120は、所定のロスカット設定画面を取引業者端末201に伝送し、取引業者は、所定のロスカット設定画面から各注文者のロスカットに関する注文者情報を入力する(S702)。入力されたロスカットに関する注文者情報は、顧客データベース122に格納される(S3001)。
ロスカットに関する注文者情報は、例えば、取引業者又は注文者自身が設定する株価指数先物取引を行うにあたり必要とされる証拠金に関する情報であり、例えば、上述した必要証拠金額である。また、必要証拠金額以外にも、例えば、日々の取引において保有する注文者の証拠金(有効証拠金)と必要証拠金との比率を設定し、ロスカット処理のトリガー値(基準値)をロスカットに関する注文者情報として顧客データベース122に格納することもできる。
取引業者は、ロスカットに関する注文者情報の登録とともに、各注文者に対してロスカット設定を行う。すなわち、注文者別に、所定のロスカット条件を満たす場合にロスカット処理を開始し、反対売買を行って損失を確定させるか否かについての設定を行う。つまり、ロスカットを「する」/「しない」の設定情報が、ロスカットに関する注文者情報とともに顧客データベース122に格納される(S703,S3002)。この時点で株価指数CFD用サーバ120の顧客データベース122には、各注文者の証拠金、必要証拠金及び注文者が保有する未決済建玉に関する情報が記憶され、取引処理部123によって、マーケットオープン中の市場の変動、すなわち、取引レート情報が生成された時点でリアルタイムに各注文者の未決済建玉に対する評価損益額算出処理が遂行される。
図11は、本実施形態の取引所株価指数先物取引システム100におけるロスカット処理の処理遷移を示すフローチャートである。
上述のように、株価指数先物取引サーバ110によって生成された取引レート情報は、株価指数CFD用サーバ120を通じて注文者端末300に送信され(S3101)、株価指数CFD用サーバ120は、注文者に提示される取引レート情報を株価指数先物取引サーバ110から受信する度に評価損益額算出処理及びロスカット判定処理を遂行する。なお、この評価損益額算出処理又は/及びロスカット判定処理は、取引レート情報の生成(受信)をトリガーとせずに、所定の時間間隔(例えば、5分間隔)毎に遂行させるように制御することも可能である。この場合、所定時間において遂行する各処理において適用される取引レート情報は、所定時間直前又はその時点で受信した最新の取引レート情報とすることができる。
具体的には、取引処理部123は、取引レート情報を株価指数先物取引サーバ110から受信すると、上述した清算処理と同様に、各注文者が保有する未決済建玉について受信した取引レート情報に含まれるビッド値又は/及びオファー値を用い、未決済建玉の約定価格及び約定数量に対して差金損益を演算して合計し、評価損益額を算出する(S3102)。
取引処理部123は、評価損益額を算出した後、顧客データベース122を参照してロスカットに関する注文者情報からロスカット設定(する/しない)とともに、各注文者の証拠金及び必要証拠金を抽出する。取引処理部123は、ロスカット設定が「する」であって、かつ所定のロスカット条件を満たすか否かのロスカット判定処理、例えば、算出された評価損益額が反映された場合の注文者の証拠金(証拠金−評価損益額)が必要証拠金未満であるか否かを判定する処理を遂行する(S3103)。
取引処理部123は、判定の結果、所定のロスカット条件を満たさない場合(算出された評価損益額が反映された場合の注文者の証拠金(証拠金−評価損益額)が必要証拠金以上の場合)には、取引レート情報を受信する度にその注文者に対する評価損益額算出処理及びロスカット判定処理を繰り返し遂行する。一方、所定のロスカット条件を満たす場合(算出された評価損益額が反映された場合の注文者の証拠金(証拠金−評価損益額)が必要証拠金未満)には(S3104)、取引処理部123は、当該注文者の全ての未決済建玉に対する反対売買の注文情報を生成し(S3105)、取引業者サーバ200を介した注文者の注文情報として生成したロスカットに関する注文情報を株価指数先物取引サーバ110に伝送する(S3106)。このとき、ロスカットに関する注文情報であるが、本実施形態の場合、ロスカットに関する注文情報である旨の情報(例えば、ロスカット注文区分やフラグ等)を含まない通常の注文者端末300において入力された注文情報と同様の注文情報となる。
株価指数先物取引サーバ110は、受信した注文情報に対して図3に示した取引処理(S305,S305a,S305b)を遂行し、取引結果を株価指数CFD用サーバ120に送信する(S3107)。取引結果を受信した株価指数CFD用サーバ120の取引処理部123は、処理結果に基づいて該当の注文者の顧客データベース122に格納されたデータ(注文情報、建玉情報、約定情報、証拠金情報等)を更新するとともに、当該ロスカット処理に関する情報(例えば、自動ロスカット処理の通知等)を注文者端末300に送信する(ステップS3108)。
なお、取引所株価指数先物取引システム100が、ASP機能として取引業者に取引所株価指数取引におけるロスカットを提供する態様について説明したが、例えば、取引業者サーバ200において構築された別途のロスカット機能によって、注文者に対するロスカット処理を遂行する場合も、取引業者サーバ200から株価指数CFD用サーバ120に伝送されるロスカットに関する注文情報は、ロスカットに関する注文情報である旨の情報を含まない通常の注文情報と同様の注文情報となるので、取引所株価指数先物取引システム100及び取引業者サーバ200は、ロスカット処理を特別な注文情報として処理する必要がなく、通常の注文情報と同様に取り扱うことができる。
以上、本発明を好ましい実施形態に則して説明したが、上記実施形態における情報処理装置は、ハードウェア構成として上述以外にも、キーボード、マウス、スキャナー等の操作入力手段、液晶ディスプレイ等の表示手段、プリンタ、スピーカなどの出力手段、主記憶装置(メモリ)、補助記憶装置(ハードディスク等)等を備えることが可能であり、注文者端末においてもこれらの手段を備えることができる。各手段に制御は、全体の制御を司る制御手段(CPU)により遂行される。
また、本発明の取引所株価指数先物取引システムは、図2に示す各部を各々異なるサーバ装置等の情報処理装置で実現し、ネットワーク等の通信回線を介して複数の情報処理装置が接続されたシステムとして構成することもできる。すなわち、各処理部及びデータベース毎に分散されたシステム構成とすることが可能である。
また、上記実施形態の清算処理部1105は、取引所株価指数先物取引システム100に接続し、当該取引所株価指数先物取引システム100から各種情報を受け取って取引所株価指数先物取引システム100と独立した清算機関(清算処理装置)として構成することも可能である。
また、本発明の株価指数先物取引の各処理ステップ及び清算処理の各ステップは、コンピュータで実行可能なプログラムとして提供することも可能であり、当該プログラムがインストールされたコンピュータは、本発明の株価指数先物取引及び清算処理を遂行する情報処理装置として動作することが可能である。例えば、不図示の補助記憶装置に当該プログラムが格納され、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された該プログラムを制御部が実行し、コンピュータに本発明の株価指数先物取引及び清算処理の各処理を動作させることができる。また、本発明のプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で提供可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD−ROM等の光ディスク、DVD−ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)(登録商標)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、本発明の目的のために特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
そして、本発明の詳細な説明では具体的な実施形態に則して説明したが、本発明の技術分野において熟練した当業者にとっては、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想及びその領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更させることができる。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきであり、発明を実施するための最良の形態により制限されるものではない。