JP5585929B2 - 硬質被覆層がすぐれた耐欠損性を発揮する表面被覆切削工具 - Google Patents
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Description
特にTiおよびSiなどの窒化物あるいは炭窒化物の結晶構造に着目した技術として、特許文献1および特許文献2に示される文献では、化学蒸着法によって蒸着された、チタンの炭窒化物が双晶構造を持つことにより、硬質被覆層を形成する粒同士の結合力を高める技術が提案されている。また、特許文献3に示される文献では、硬質被覆層を形成するTiSiNの結晶粒が、工具基体の法線方向から0度〜15度の方向に結晶方位<111>を有する結晶粒が全体の15%を占め、隣り合う結晶粒同士のなす角を測定した場合に、小角粒界(0〜15度)の割合が50%であるような結晶配列を示すチタンの炭窒化物を構成することで、表面被覆切削工具の耐欠損性を向上させる技術が提案されている。
装置内加熱温度:300〜500℃、
工具基体に印加する直流バイアス電圧:−50〜−100V、
カソード電極:Ti-Si合金
スパッタリング電力:3〜6kW、
装置内ガス流量:窒素(N2)ガス+アルゴン(Ar)ガス、
装置内ガス圧力:0.3〜1.5Pa、
の条件で、Ti1-xSixN層(以下、従来Ti1-xSixN層という)を形成することにより製造されている。
工具基体温度:240〜400 ℃、
蒸発源:金属Ti、金属Si
プラズマガン放電電力 金属Tiに対して:10〜12 kW、
プラズマガン放電電力 金属Siに対して:5〜8 kW、
反応ガス流量:窒素(N2)ガス 80〜120 sccm、
放電ガス:アルゴン(Ar)ガス 30〜50 sccm、
工具基体に印加する直流バイアス電圧: 0 V、
蒸着速度: 0.04〜0.11 nm/秒
という条件下で蒸着を行うと、このTi1-xSixN層(以下、改質Ti1-xSixN層という)は、前記従来Ti1-xSixN層に比して、切刃に対して高負荷がかかる高送り、高切り込みの重切削加工において、すぐれた耐摩耗性と耐欠損性を示すことを見出したのである。
「炭化タングステン基超硬合金焼結体からなる工具基体の表面に、0.2〜2μmの平均層厚を有するTi1-xSixN膜からなる硬質被覆層を物理蒸着した表面被覆切削工具において、xが0.1≦x≦0.3を満たし、さらに、
上記Ti1-xSixN層は上記平均層厚と等しい高さを有する柱状晶組織からなり、さらに、電子線後方散乱回折装置で表面の結晶粒の結晶方位を測定した場合、隣り合う測定点との結晶方位の方位差が15度以上となる結晶界面によって囲まれた区分径0.2〜4μmの区分が、測定された全体の面積のうち20%以上を占有し、かつ、上記Ti 1-x Si x N層の表面から100nmの深さの水平断面における結晶粒組織を観察した場合、粒径が10〜100nmの結晶粒が測定面積のうち90%以上を占有することを特徴とする表面被覆切削工具。」
に特徴を有するものである。
工具基体温度:240〜400 ℃、
蒸発源:金属Ti、金属Si
プラズマガン放電電力 金属Tiに対して:10〜12 kW、
プラズマガン放電電力 金属Siに対して:5〜8 kW、
反応ガス流量:窒素(N2)ガス 80〜120 sccm、
放電ガス:アルゴン(Ar)ガス 30〜50 sccm、
工具基体に印加する直流バイアス電圧: 0 V、
蒸着速度: 0.04〜0.11 nm/秒、
という条件下で成膜を行うものである。従来Ti1-xSixN層の構成成分であるTi成分が高温強度を向上させ、Si成分が耐熱性を向上させ、また、Nが層の強度を向上させる作用があることはすでによく知られているが、これに加えて、この発明の改質Ti1-xSixN層は高速断続切削加工条件という厳しい使用条件下でも、すぐれた靭性と耐欠損性を発揮する。
そしてその理由は以下に述べるように、改質Ti1-xSixN層の特異な結晶粒形態と強い関連性を有する。
なお、前記方位差を記述する上での回転角度とは、向きの異なる2つの結晶の一方に対して、1回の回転操作で2つの結晶が完全に同じ向きとなる場合の回転角度を指し、また、ここでいう区分径とは、その区分領域と同じ面積をもつ真円の直径を指すものであると定義する。
なお、ここでいう直径とは、その結晶粒と同じ面積をもつ真円の直径を指すものであると定義する。
したがって、面積割合で前記区分内に存在する少なくとも50%以上の結晶粒は近傍に存在する結晶粒、特に同一の区分内に存在する結晶粒と、結晶方位の方位差が回転角度で15度未満となるような二軸配向性を示していることから、前記区分内に存在する結晶粒同士の界面整合性が高く、あたかも単結晶のような優れた靭性を具備するとともに、さらに、直径10〜100nmという微細組織をもち優れた耐欠損性を維持できることから、皮膜中に亀裂や欠損が生じやすい断続重切削加工においても、工具の長寿命化がはかられるものである。
また、結晶粒の大きさが10nm未満であると、結晶粒自体の強度が得られず所望の強度を得られなくなり、また100nmを超えると結晶粒が粗大になりチッピングの原因となることから、面積割合で皮膜の90%以上を占める結晶粒の大きさを10nm〜100nmと定めた。
また、Ti1-xSixN層を構成する、結晶方位が15度以上の界面で囲まれる区分の面積割合が20%未満では、所望の靭性を得ることが出来ないため、該区分の面積割合を20%以上と定めた。
なお、ここでは被覆インサートを中心にして説明するが、被覆インサートに限らず、被覆エンドミルや被覆ドリル等の各種の被覆工具に適用できるものである。
表2に示す条件で、圧力勾配型Arプラズマガンの放電電力を12kWとし、Arガスを60sccm,窒素ガスを100sccm流しながら、炉内の圧力を3×10−2〜6×10−2Paに保ち、金属Ti蒸発源および金属Si蒸発源にプラズマビームを入射し金属Tiおよび金属Siの蒸気を発生させるとともにプラズマビームでイオン化し、かつ、チャンバー内での改質Ti1-xSixN層の成長速度を、水晶発振式膜厚コントローラを用いて測定しながら、前記成長速度が目的の速度(0.04〜0.11nm/sec)から±0.01nm/secの範囲となるようプラズマガンの出力を調整しながら、工具基体表面に、表4に示される所定目標層厚の改質Ti1-xSixN層を蒸着形成させ、本発明被覆工具としての本発明被覆インサート(以下、本発明インサートという)1〜14を製造した。
なお、表2に、本発明インサート1〜14の改質Ti1-xSixN層の形成条件である圧力勾配型Arプラズマガンを利用したイオンプレーティングの各種条件を示す。
なお、表3には、従来インサート1〜14の従来Ti1-xSixN層の形成されるスパッタリング条件を示す。
さらに、前記硬質被覆層を基板側から約1mmの厚さまで機械研磨したのち、Arイオン研磨装置を用いて厚さ100nmとなるまで研磨し薄片とした状態で、透過型電子顕微鏡を用いて層の表面から100nmの深さ近傍におけるTi1-xSixN層の結晶粒径を観察し、図3(a)に例示されるように改質Ti1-xSixN層の工具基体表面のうち、幅10〜100nmの微細粒が占有する面積割合αを求め、区分の全測定面積に対する面積割合とともに表4および表5に示した。
表4から、本発明インサート1〜14の改質Ti1-xSixN層は、直径10〜100nmのTi1-xSixN結晶粒が面積割合で90%を占め、かつ、電子線後方散乱回折装置で結晶方位を解析したときに、回転角度で15度以上の結晶方位の方位差をもつ界面によって囲まれる区分径0.2〜4μmの区分の面積割合が、全測定面積の20%以上となっており、二軸配向性を有する10〜100nmの微細結晶によって構成されている区分が面積割合で20%以上存在ことが分かる。
一方、表5から、従来インサート1〜14の従来Ti1-xSixN層は、回転角度で15度以上の結晶方位の差をもつ界面によって区分される区分径0.2〜4μmの区分の面積割合が全測定面積の20%以上となるものの、10〜100nmの微細結晶の存在割合は面積割合で90%以下となっており、表面組織は直径100nm以上の粗大粒によって構成されている。すなわち、二軸配向性を有する10〜100nmの微細結晶によって構成される区分は全く存在せず、100nm以上の粗大な単結晶によってのみ構成されていることが分かる。
被削材:平面寸法 100mm×250mm 厚さ50mmの JIS規格・SUS316の板材
切削速度: 200 m/min.、
切り込み: 3 mm、
1刃あたりのテーブル送り: 0.3 mm/刃、
切削時間: 2 分、
の条件(切削条件1という)でのステンレス鋼の乾式高速フライス加工試験(通常の切削速度及びテーブル送りは、それぞれ、150m/min、0.2mm/rev.)、
被削材:平面寸法 100mm×250mm 厚さ50mmの JIS・SCM440の板材
切削速度: 250 m/min.、
切り込み: 3 mm、
1刃あたりのテーブル送り: 0.3 mm/刃、
切削時間: 2 分、
の条件(切削条件2という)での合金鋼の乾式高速フライス加工試験(通常の切削速度及びテーブル送りは、それぞれ、160m/min、0.2mm/rev.)、
を行い、いずれの切削加工試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
この測定結果を表6に示した。
これに対して、表5、表6から、従来インサート1〜14においては、従来Ti1-xSixN層は、10〜100nmの結晶粒の占める面積割合が小さく、粗大な単結晶粒子のみが存在することから、耐欠損性と靭性に劣り、乾式断続高速切削加工条件ではチッピングや欠損等により、比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。
Claims (1)
- 炭化タングステン基超硬合金焼結体からなる工具基体の表面に、0.2〜2μmの平均層厚を有するTi1-xSixN膜からなる硬質被覆層を物理蒸着した表面被覆切削工具において、xが0.05≦x≦0.3を満たし、さらに、
上記Ti1-xSixN層は上記平均層厚と等しい高さを有する柱状晶組織からなり、さらに、電子線後方散乱回折装置で表面の結晶粒の結晶方位を測定した場合、隣り合う測定点との結晶方位の方位差が15度以上となる結晶界面によって囲まれた区分径0.2〜4μmの区分が、測定された全体の面積のうち20%以上を占有し、かつ、上記Ti1-xSixN層の表面から100nmの深さの水平断面における結晶粒組織を観察した場合、粒径が10〜100nmの結晶粒が測定面積のうち90%以上を占有することを特徴とする表面被覆切削工具。
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