実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様のトリアゾール誘導体、及び、該トリアゾール誘導体を合成する際に用いられる複素環化合物について説明する。
本発明の一態様のトリアゾール誘導体は、トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン骨格、又はトリアゾロ[3,4−a]イソキノリン骨格を有する。本発明の一態様のトリアゾール誘導体は、大きな三重項励起エネルギーに加えて、キャリア輸送性も有しているため、発光素子に好適に用いることができる。
本発明の一態様は、一般式(G0)で表されるトリアゾール誘導体である。
一般式(G0)において、Aは、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表し、Eは、置換もしくは無置換のトリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン、又は置換もしくは無置換のトリアゾロ[3,4−a]イソキノリンを表し、Arは、置換又は無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。なお、該アリーレン基が有する置換基は互いに結合して環を形成しても良い。
上記のトリアゾール誘導体としては、例えば、一般式(G1−1)で表されるトリアゾール誘導体が挙げられる。
式中、Aは、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表し、R1〜R6は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、Arは、置換又は無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。なお、該アリーレン基が有する置換基は互いに結合して環を形成しても良い。R1及びR2は互いに結合して六員環を形成しても良い。
一般式(G1−1)で表されるトリアゾール誘導体のうち、特に、トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン骨格を有するトリアゾール誘導体を、一般式(G1−2)に示す。
式中、Aは、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表し、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、Arは、置換又は無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。なお、該アリーレン基が有する置換基は互いに結合して環を形成しても良い。
本発明の一態様のトリアゾール誘導体は、一般式(G2−1)で表されるトリアゾール誘導体である。
式中、Qは、酸素又は硫黄を表し、R1〜R6、及びR21〜R27は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、Arは、置換又は無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。なお、該アリーレン基が有する置換基は互いに結合して環を形成しても良い。R1及びR2は互いに結合して六員環を形成しても良い。
一般式(G2−1)で表されるトリアゾール誘導体のうち、特に、トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン骨格を有するトリアゾール誘導体を、一般式(G2−2)に示す。
式中、Qは、酸素又は硫黄を表し、R11〜R18、及びR21〜R27は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、Arは、置換又は無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。なお、該アリーレン基が有する置換基は互いに結合して環を形成しても良い。
本発明の一態様は、一般式(G3−1)で表されるトリアゾール誘導体である。
式中、R1〜R6、及びR31〜R38は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、Arは、置換又は無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。なお、該アリーレン基が有する置換基は互いに結合して環を形成しても良い。R1及びR2は互いに結合して六員環を形成しても良い。
一般式(G3−1)で表されるトリアゾール誘導体のうち、特に、トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン骨格を有するトリアゾール誘導体を、一般式(G3−2)に示す。
式中、R11〜R18、及びR31〜R38は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、Arは、置換又は無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。なお、該アリーレン基が有する置換基は互いに結合して環を形成しても良い。
上記一般式(G0)で表されるトリアゾール誘導体の別の態様としては、例えば、一般式(G1−3)で表されるトリアゾール誘導体が挙げられる。
式中、Aは、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基を表し、R41〜R48は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、Arは、置換又は無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。なお、該アリーレン基が有する置換基は互いに結合して環を形成しても良い。
また、本発明の一態様は、一般式(G2−3)で表されるトリアゾール誘導体である。
式中、Qは、酸素又は硫黄を表し、R21〜R27、及びR41〜R48は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、Arは、置換又は無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。なお、該アリーレン基が有する置換基は互いに結合して環を形成しても良い。
また、本発明の一態様は、一般式(G3−3)で表されるトリアゾール誘導体である。
式中、R31〜R38、及びR41〜R48は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、Arは、置換又は無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。なお、該アリーレン基が有する置換基は互いに結合して環を形成しても良い。
上記のトリアゾール誘導体において、Arとしては、合成の容易さの点から、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置換もしくは無置換のビフェニルジイル基であることが好ましく、特に、置換又は無置換のフェニレン基であることが好ましい。
本発明の一態様のトリアゾール誘導体において、R1〜R6、R11〜R18、R21〜R27、R31〜R38、及びR41〜R48の具体的な構造としては、例えば、構造式(1−1)〜構造式(1−23)に示す置換基が挙げられる。
本発明の一態様のトリアゾール誘導体において、Arの具体的な構造としては、例えば、構造式(2−1)〜構造式(2−15)に示す置換基が挙げられる。
本発明の一態様のトリアゾール誘導体としては、具体的には、構造式(100)〜構造式(166)、構造式(200)〜構造式(266)、構造式(300)〜構造式(366)、構造式(400)〜構造式(468)、構造式(500)〜構造式(568)、構造式(600)〜構造式(668)、及び構造式(1000)〜構造式(1027)で表されるトリアゾール誘導体を挙げることができる。ただし、本発明はこれらに限定されない。
また、本実施の形態で示すトリアゾール誘導体を合成する際に用いられる複素環化合物も新規な物質であるため、該複素環化合物も本発明の一態様に含まれるものとする。したがって、本発明の一態様は、一般式(G4)で表される複素環化合物である。
式中、Eは、置換もしくは無置換のトリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン、又は置換もしくは無置換のトリアゾロ[3,4−a]イソキノリンを表し、Xは、ヨウ素又は臭素を表し、Arは、置換又は無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。なお、該アリーレン基が有する置換基は互いに結合して環を形成しても良い。
また、本発明の一態様は、下記一般式(G5−1)で表される複素環化合物である。
式中、R1〜R6は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、Xは、ヨウ素又は臭素を表し、Arは、置換又は無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。なお、該アリーレン基が有する置換基は互いに結合して環を形成しても良い。R1及びR2は互いに結合して六員環を形成しても良い。
または、本発明の一態様は、下記一般式(G5−2)で表される複素環化合物である。
式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、Xは、ヨウ素又は臭素を表し、Arは、置換又は無置換の炭素数6〜13のアリーレン基を表す。なお、該アリーレン基が有する置換基は互いに結合して環を形成しても良い。
上記複素環化合物において、Arは、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置換もしくは無置換のビフェニルジイル基であることが好ましい。特に、置換又は無置換のフェニレン基であることが好ましい。
本発明の一態様の複素環化合物において、Arの具体的な構造としては、例えば、前述の構造式(2−1)〜構造式(2−15)に示す置換基が挙げられる。
本発明の一態様の複素環化合物において、R1〜R6、及びR11〜R18の具体的な構造としては、例えば、前述の構造式(1−1)〜構造式(1−23)に示す置換基が挙げられる。
また、本発明の別の態様は、一般式(G6)で表される複素環化合物である。
式中、R41〜R48は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜13の置換もしくは無置換のアリール基を表し、Xは、ヨウ素又は臭素を表す。
本発明の一態様の複素環化合物において、R41〜R48の具体的な構造としては、例えば、前述の構造式(1−1)〜構造式(1−23)に示す置換基が挙げられる。
本発明の一態様のトリアゾール誘導体を合成する際に用いられる複素環化合物としては、具体的には、構造式(700)〜構造式(783)、構造式(800)〜構造式(883)、及び構造式(900)〜構造式(936)で表される複素環化合物を挙げることができる。ただし、本発明はこれらに限定されない。
本実施の形態のトリアゾール誘導体の合成法、及び該トリアゾール誘導体を合成する際に用いられる複素環化合物の合成法としては、種々の反応の適用が可能である。例えば、以下に示す合成反応を行うことによって、本発明の一態様のトリアゾール誘導体を合成することができる。以下では、本発明の一態様のトリアゾール誘導体の一例である、下記化合物(G0)を合成する方法について説明する。なお、本発明の一態様のトリアゾール誘導体の合成方法は、以下の合成方法に限定されない。
≪一般式(G0)で表されるトリアゾール誘導体の合成方法1≫
はじめに合成スキーム(A−1)を以下に示す。
合成スキーム(A−1)に示すように、トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン誘導体もしくはトリアゾロ[3,4−a]イソキノリン誘導体のハロゲン化物、又はトリフラート基を有するトリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン誘導体もしくはトリアゾロ[3,4−a]イソキノリン誘導体(化合物1)と、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、又はジベンゾチオフェン誘導体の有機ボロン化合物、又はボロン酸(化合物2)を、鈴木・宮浦反応によりカップリングさせることで、目的化合物(G0)を得ることができる。
合成スキーム(A−1)において、Aはカルバゾリル基、ジベンゾチオフェニル基、又はジベンゾフラニル基を表し、Eは、トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン誘導体、又はトリアゾロ[3,4−a]イソキノリン誘導体を表す。Arは、炭素数6〜13の置換又は無置換のアリーレン基を表し、R50及びR51は、それぞれ独立に、水素、又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。合成スキーム(A−1)において、R50とR51は互いに結合して環を形成していても良い。また、X1は、ハロゲン又はトリフラート基を表し、ハロゲンとしては、ヨウ素又は臭素が好ましい。
合成スキーム(A−1)において、用いることができるパラジウム触媒としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド等が挙げられるが、用いることができるパラジウム触媒はこれらに限られるものでは無い。合成スキーム(A−1)において、用いることができるパラジウム触媒の配位子としては、トリ(オルト−トリル)ホスフィンや、トリフェニルホスフィンや、トリシクロヘキシルホスフィン等が挙げられるが、用いることができるパラジウム触媒の配位子はこれらに限られるものでは無い。
合成スキーム(A−1)において、用いることができる塩基としては、ナトリウム tert−ブトキシド等の有機塩基や、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基等が挙げられるが、用いることができる塩基はこれらに限られるものでは無い。
合成スキーム(A−1)において、用いることができる溶媒としては、トルエンと水の混合溶媒、トルエンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、キシレンと水の混合溶媒、キシレンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、ベンゼンと水の混合溶媒、ベンゼンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類と水の混合溶媒などが挙げられる。ただし、用いることができる溶媒はこれらに限られるものでは無い。特に、トルエンと水、トルエンとエタノールと水の混合溶媒、又はエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類と水の混合溶媒が好ましい。
合成スキーム(A−1)に示すカップリング反応としては、化合物2で示される有機ホウ素化合物、又はボロン酸を用いる鈴木・宮浦反応の代わりに、有機アルミニウムや、有機ジルコニウム、有機亜鉛、有機スズ化合物等を用いるクロスカップリング反応を用いてもよい。ただし、これらに限定されるものではない。
また、合成スキーム(A−1)において、トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン誘導体、又はトリアゾロ[3,4−a]イソキノリン誘導体の有機ホウ素化合物、又はボロン酸と、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体もしくはジベンゾチオフェン誘導体のハロゲン化物、又はトリフラート基を有するカルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体もしくはジベンゾチオフェン誘導体とを、鈴木・宮浦反応によりカップリングしてもよい。
以上によって、本実施の形態のトリアゾール誘導体を合成することができる。
≪一般式(G0)で表されるトリアゾール誘導体の合成方法2≫
はじめに合成スキーム(B−1)を以下に示す。
合成スキーム(B−1)に示すように、トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン誘導体もしくはトリアゾロ[3,4−a]イソキノリン誘導体のハロゲン化物、又はトリフラート基を有するトリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン誘導体もしくはトリアゾロ[3,4−a]イソキノリン誘導体(化合物3)と、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、又はジベンゾチオフェン誘導体の有機ボロン化合物、又はボロン酸(化合物4)を、鈴木・宮浦反応によりカップリングさせることで、目的化合物(G0)を得ることができる。
合成スキーム(B−1)において、Aはカルバゾリル基、ジベンゾチオフェニル基、又はジベンゾフラニル基を表し、Eは、トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン誘導体、又はトリアゾロ[3,4−a]イソキノリン誘導体を表す。Arは、炭素数6〜13の置換又は無置換のアリーレン基を表し、R52及びR53は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基を表す。合成スキーム(B−1)においてR52とR53は互いに結合して環を形成していても良い。また、X2は、ハロゲン又はトリフラート基を表し、ハロゲンとしては、ヨウ素又は臭素が好ましい。
合成スキーム(B−1)において、用いることができるパラジウム触媒としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド等が挙げられるが、用いることができるパラジウム触媒はこれらに限られるものでは無い。合成スキーム(B−1)において、用いることができるパラジウム触媒の配位子としては、トリ(オルト−トリル)ホスフィンや、トリフェニルホスフィンや、トリシクロヘキシルホスフィン等が挙げられるが、用いることができるパラジウム触媒の配位子はこれらに限られるものでは無い。
合成スキーム(B−1)において、用いることができる塩基としては、ナトリウム tert−ブトキシド等の有機塩基や、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基等が挙げられるが、用いることができる塩基はこれらに限られるものでは無い。
合成スキーム(B−1)において、用いることができる溶媒としては、トルエンと水の混合溶媒、トルエンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、キシレンと水の混合溶媒、キシレンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、ベンゼンと水の混合溶媒、ベンゼンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類と水の混合溶媒などが挙げられる。ただし、用いることができる溶媒はこれらに限られるものでは無い。特に、トルエンと水、トルエンとエタノールと水の混合溶媒、又はエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類と水の混合溶媒が好ましい。
合成スキーム(B−1)に示すカップリング反応としては、化合物2で示される有機ホウ素化合物、又はボロン酸を用いる鈴木・宮浦反応の代わりに、有機アルミニウムや、有機ジルコニウム、有機亜鉛、有機スズ化合物等を用いるクロスカップリング反応を用いてもよい。ただし、これらに限定されるものではない。また、このカップリングにおいて、ハロゲン以外にもトリフラート基等を用いても良いが、これらに限定されるものではない。
また、合成スキーム(B−1)において、トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン誘導体、又はトリアゾロ[3,4−a]イソキノリン誘導体の有機ホウ素化合物、又はボロン酸と、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体もしくはジベンゾチオフェン誘導体のハロゲン化物、又はトリフラート基を有するカルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体もしくはジベンゾチオフェン誘導体とを、鈴木・宮浦反応によりカップリングしてもよい。
一般式(G0)において、AがN−カルバゾリル基のトリアゾール誘導体を合成する場合は、スキーム(B−2)に従って合成することで、一般式(G10)に示すトリアゾール誘導体を得ることができる。
合成スキーム(B−2)に示すように、トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン誘導体もしくはトリアゾロ[3,4−a]イソキノリン誘導体のハロゲン化物、又はトリフラート基を有するトリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン誘導体もしくはトリアゾロ[3,4−a]イソキノリン誘導体(化合物3)と、9H−カルバゾール誘導体(化合物5)を、塩基存在下で金属触媒、金属、又は金属化合物によりカップリングさせることにより、目的化合物(G10)を得ることができる。
合成スキーム(B−2)において、Eは、トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン誘導体、又はトリアゾロ[3,4−a]イソキノリン誘導体を表す。R31〜R38は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。Arは、炭素数6〜13の置換又は無置換のアリーレン基を表す。また、X2は、ハロゲン又はトリフラート基を表し、ハロゲンとしては、ヨウ素と臭素がより好ましい。
合成スキーム(B−2)において、ハートウィック・ブッフバルト反応を行う場合、用いることができるパラジウム触媒としては、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)等が挙げられる。なお、合成スキーム(B−2)において、用いることができるパラジウム触媒の配位子としては、トリ(tert−ブチル)ホスフィンや、トリ(n−ヘキシル)ホスフィンや、トリシクロヘキシルホスフィン等が挙げられる。
合成スキーム(B−2)において、用いることができる塩基としては、ナトリウム tert−ブトキシド等の有機塩基や、炭酸カリウム等の無機塩基等が挙げられる。
また、合成スキーム(B−2)において、用いることができる溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
また、ハートウィック・ブッフバルト反応以外にも、ウルマン反応などを用いても良く、これらに限定されるものではない。
以上によって、本実施の形態のトリアゾール誘導体を合成することができる。
本実施の形態のトリアゾール誘導体は、トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン骨格、又はトリアゾロ[3,4−a]イソキノリン骨格を有する。本実施の形態のトリアゾール誘導体は、大きな三重項励起エネルギーに加えて、キャリア輸送性も有しているため、発光素子に好適に用いることができる。本実施の形態のトリアゾール誘導体は、大きな三重項励起エネルギーを有するため、燐光を発光する物質とともに発光層に用いることができる。特に、発光ピーク波長が400nm以上500nm以下の短波長の発光を示す燐光を発光する物質と共に本発明の一態様のトリアゾール誘導体を発光層に用いた場合であっても、高い発光効率を実現することができる。本実施の形態のトリアゾール誘導体を発光素子に用いることで、発光効率が高い発光素子を提供することができる。また、駆動電圧の低い発光素子を提供することができる。また、長寿命の発光素子を提供することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子について図1を用いて説明する。
本発明の一態様は、トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン誘導体、又はトリアゾロ[3,4−a]イソキノリン誘導体、を含む発光素子である。
トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン誘導体、又はトリアゾロ[3,4−a]イソキノリン誘導体を発光素子に用いることで、発光効率が高い発光素子を実現することができる。また、駆動電圧の低い発光素子を実現することができる。また、長寿命の発光素子を実現することができる。
本発明の一態様の発光素子に用いることができる、トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン誘導体、及び、トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン誘導体としては、例えば、実施の形態1に挙げた本発明の一態様のトリアゾール誘導体が挙げられるが、これに限られない。
本実施の形態では、実施の形態1で構造式(100)に示した3−[4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン(略称:DBTTPt−II)を含む発光素子について図1を用いて説明する。
本実施の形態の発光素子は、一対の電極間に少なくとも発光層を有するEL層を挟持して形成される。EL層は発光層の他に複数の層を有してもよい。当該複数の層は、電極から離れたところに発光領域が形成されるように、つまり電極から離れた部位でキャリアの再結合が行われるように、キャリア注入性の高い物質やキャリア輸送性の高い物質からなる層を組み合わせて積層されたものである。本明細書では、キャリア注入性の高い物質やキャリア輸送性の高い物質からなる層をキャリアの注入、輸送などの機能を有する、機能層ともよぶ。機能層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層などを用いることができる。
図1(A)に示す本実施の形態の発光素子において、第1の電極101及び第2の電極103の一対の電極間に、発光層113を有するEL層102が設けられている。EL層102は、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115を有している。図1(A)における発光素子は、基板100上に、第1の電極101と、第1の電極101の上に順に積層した正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115と、さらにその上に設けられた第2の電極103から構成されている。なお、本実施の形態に示す発光素子において、第1の電極101は陽極として機能し、第2の電極103は陰極として機能する。
基板100は発光素子の支持体として用いられる。基板100としては、例えばガラス、石英、又はプラスチックなどを用いることができる。また可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォンからなるプラスチック基板等が挙げられる。また、フィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニル等からなる)、無機蒸着フィルムなどを用いることもできる。なお、発光素子の支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。
第1の電極101としては、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、導電性化合物、及びこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等が挙げられる。これらの導電性金属酸化物膜は、通常スパッタにより成膜されるが、ゾル−ゲル法などを応用して作製しても構わない。例えば、IZO膜は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。また、IWZO膜は、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。この他、金、白金、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、又は金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
但し、EL層102のうち、第1の電極101に接して形成される層が、後述する有機化合物と電子受容体(アクセプター)とを混合してなる複合材料を用いて形成される場合には、第1の電極101に用いる物質は、仕事関数の大小に関わらず、様々な金属、合金、導電性化合物、及びこれらの混合物などを用いることができる。例えば、アルミニウム、銀、アルミニウムを含む合金(例えば、Al−Si)等も用いることもできる。
第1の電極101上に形成されるEL層102は、少なくとも発光層113を有しており、またEL層102の一部には、本発明の一態様であるトリアゾール誘導体を含んで形成される。EL層102の一部には公知の物質を用いることもでき、低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもできる。なお、EL層102を形成する物質には、有機化合物のみから成るものだけでなく、無機化合物を一部に含む構成も含めるものとする。
また、EL層102は、発光層113の他、図1に示すように正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層114、電子注入層115などを適宜組み合わせて積層することにより形成される。
正孔注入層111は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、例えば、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等の金属酸化物を用いることができる。また、フタロシアニン(略称:H2Pc)、銅(II)フタロシアニン(略称:CuPc)等のフタロシアニン系の化合物を用いることができる。
また、低分子の有機化合物である4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物等を用いることができる。
さらに、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いることもできる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることができる。
また、正孔注入層111として、有機化合物と電子受容体(アクセプター)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子受容体によって有機化合物に正孔が発生するため、正孔注入性及び正孔輸送性に優れている。この場合、有機化合物は、発生した正孔の輸送に優れた材料(正孔輸送性の高い物質)であることが好ましい。
複合材料に用いる有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、複合材料に用いる有機化合物としては、正孔輸送性の高い有機化合物であることが好ましい。具体的には、10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。以下では、複合材料に用いることのできる有機化合物を具体的に列挙する。
複合材料に用いることのできる有機化合物としては、例えば、TDATA、MTDATA、DPAB、DNTPD、DPA3B、PCzPCA1、PCzPCA2、PCzPCN1、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB又はα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)等の芳香族アミン化合物や、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:PCzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等のカルバゾール誘導体を用いることができる。
また、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]−2−tert−ブチルアントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン等の芳香族炭化水素化合物を用いることができる。
さらに、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン、ペンタセン、コロネン、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等の芳香族炭化水素化合物を用いることができる。
また、電子受容体としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル等の有機化合物や、遷移金属酸化物を挙げることができる。また、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
なお、上述したPVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPD等の高分子化合物と、上述した電子受容体を用いて複合材料を形成し、正孔注入層111に用いてもよい。
正孔輸送層112は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送性の高い物質としては、例えば、NPB、TPD、BPAFLP、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)等の芳香族アミン化合物を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
また、正孔輸送層112には、CBP、CzPA、PCzPAのようなカルバゾール誘導体や、t−BuDNA、DNA、DPAnthのようなアントラセン誘導体を用いても良い。
なお、正孔輸送層112には、PVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPDなどの高分子化合物を用いることもできる。
発光層113は、発光物質を含む層である。なお、本実施の形態では、実施の形態1に示したDBTTPt−IIを発光層に用いる場合について説明する。DBTTPt−IIは、発光物質(ゲスト材料)を他の物質(ホスト材料)に分散させた構成の発光層において、ホスト材料として用いることができる。DBTTPt−IIに発光物質であるゲスト材料を分散させた構成とすることで、ゲスト材料からの発光を得ることができる。
また、発光物質(ゲスト材料)を分散させるための物質(ホスト材料)は複数種用いることができる。よって、発光層は、DBTTPt−II以外に、ホスト材料を含んでいても良い。
発光物質としては、例えば、蛍光を発光する蛍光性化合物や燐光を発光する燐光性化合物を用いることができる。発光層113に用いることができる蛍光性化合物としては、例えば、青色系の発光材料として、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)]−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)などが挙げられる。また、黄色系の発光材料として、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)などが挙げられる。また、赤色系の発光材料として、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)などが挙げられる。
また、発光層113に用いることができる燐光性化合物としては、例えば、青色系の発光材料として、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CF3ppy)2(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)2(acac))、ビス(1,2−ジフェニル−1H−ベンゾイミダゾラト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pbi)2(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)2(acac)))、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:Ir(bzq)3)などが挙げられる。また、黄色系の発光材料として、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(dpo)2(acac))、ビス[2−(4’−パーフルオロフェニルフェニル)ピリジナト]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p−PF−ph)2(acac))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)−5−メチルピラジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdppr−Me)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス{2−(4−メトキシフェニル)−3,5−ジメチルピラジナト}イリジウム(III)(略称:Ir(dmmoppr)2(acac))などが挙げられる。また、橙色系の発光材料として、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(pq)3)、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−Me)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−iPr)2(acac))などが挙げられる。また、赤色系の発光材料として、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(btp)2(acac))、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(acac))、(ジピバロイルメタナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(dpm))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)等の有機金属錯体が挙げられる。また、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)3(Phen))、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)3(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)3(Phen))等の希土類金属錯体は、希土類金属イオンからの発光(異なる多重度間の電子遷移)であるため、燐光性化合物として用いることができる。
また、発光物質として高分子化合物を用いることができる。具体的には、青色系の発光材料として、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)(略称:PFO)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)](略称:PF−DMOP)、ポリ{(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−[N,N’−ジ−(p−ブチルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン]}(略称:TAB−PFH)などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、ポリ(p−フェニレンビニレン)(略称:PPV)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−alt−co−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,7−ジイル)](略称:PFBT)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−alt−co−(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレン)]などが挙げられる。また、橙色〜赤色系の発光材料として、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニレンビニレン](略称:MEH−PPV)、ポリ(3−ブチルチオフェン−2,5−ジイル)(略称:R4−PAT)、ポリ{[9,9−ジヘキシル−2,7−ビス(1−シアノビニレン)フルオレニレン]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}、ポリ{[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−ビス(1−シアノビニレンフェニレン)]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}(略称:CN−PPV−DPD)などが挙げられる。
電子輸送層114は、電子輸送性の高い物質を含む層である。本発明の一態様のトリアゾール誘導体は、電子輸送性が高いため、電子輸送層114として用いることができる。このほかに、電子輸送性の高い物質としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格又はベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げられる。また、この他ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)なども用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
電子注入層115は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層115には、リチウム、セシウム、カルシウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム、フッ化カルシウム、リチウム酸化物等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、又はそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウムのような希土類金属化合物を用いることができる。また、上述した電子輸送層114を構成する物質を用いることもできる。
あるいは、電子注入層115に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性及び電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層114を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
なお、上述した正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
第2の電極103は、第2の電極103が陰極として機能する際は仕事関数の小さい(好ましくは3.8eV以下)金属、合金、導電性化合物、及びこれらの混合物などを用いて形成することが好ましい。具体的には、元素周期表の第1族又は第2族に属する元素、すなわちリチウムやセシウム等のアルカリ金属、及びマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、及びこれらを含む合金(例えば、Mg−Ag、Al−Li)、ユーロピウム、イッテルビウム等の希土類金属及びこれらを含む合金の他、アルミニウムや銀などを用いることができる。
但し、EL層102のうち、第2の電極103に接して形成される層が、上述する有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いる場合には、仕事関数の大小に関わらず、アルミニウム、銀、ITO、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等様々な導電性材料を用いることができる。
なお、第2の電極103を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。また、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
上述した発光素子は、第1の電極101と第2の電極103との間に生じた電位差により電流が流れ、EL層102において正孔と電子とが再結合することにより発光する。そして、この発光は、第1の電極101又は第2の電極103のいずれか一方又は両方を通って外部に取り出される。従って、第1の電極101又は第2の電極103のいずれか一方、又は両方が可視光に対する透光性を有する電極となる。
なお、第1の電極101と第2の電極103との間に設けられる層の構成は、上記のものに限定されない。発光領域と金属とが近接することによって生じる消光を防ぐように、第1の電極101及び第2の電極103から離れた部位に正孔と電子とが再結合する発光領域を設けた構成であれば上記以外のものでもよい。
つまり、層の積層構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、正孔注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質、又は正孔ブロック材料等から成る層を、DBTTPt−IIをホスト材料として含む発光層と自由に組み合わせて構成すればよい。
図1(B)に示す発光素子は、基板100上において、第1の電極101及び第2の電極103の一対の電極間に、EL層102が設けられている。EL層102は、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115を有している。図1(B)における発光素子は、基板100上に、陰極として機能する第2の電極103と、第2の電極103上に順に積層した電子注入層115、電子輸送層114、発光層113、正孔輸送層112、正孔注入層111と、さらにその上に設けられた陽極として機能する第1の電極101から構成されている。
以下、具体的な発光素子の形成方法を示す。
本実施の形態の発光素子は一対の電極間にEL層が挟持される構造となっている。EL層は少なくとも発光層を有し、発光層は、DBTTPt−IIをホスト材料として用いて形成される。また、EL層には、発光層の他に機能層(正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層など)を含んでもよい。電極(第1の電極及び第2の電極)、発光層、及び機能層は液滴吐出法(インクジェット法)、スピンコート法、印刷法などの湿式法を用いて形成してもよく、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法などの乾式法を用いて形成してもよい。湿式法を用いれば、大気圧下で形成することができるため、簡易な装置及び工程で形成することができ、工程が簡略化し、生産性が向上するという効果がある。一方乾式法は、材料を溶解させる必要がないために溶液に難溶の材料も用いることができ、材料の選択の幅が広い。
発光素子を構成する薄膜のすべての形成を湿式法で行ってもよい。この場合、湿式法で必要な設備のみで発光素子を作製することができる。また、発光層を形成するまでの積層を湿式法で行い、発光層上に積層する機能層や第1の電極などを乾式法により形成してもよい。さらに、発光層を形成する前の第2の電極や機能層を乾式法により形成し、発光層、及び発光層上に積層する機能層や第1の電極を湿式法によって形成してもよい。もちろん、本実施の形態はこれに限定されず、用いる材料や必要とされる膜厚、界面状態によって適宜湿式法と乾式法を選択し、組み合わせて発光素子を作製することができる。
本実施の形態においては、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に発光素子を作製している。一基板上にこのような発光素子を複数作製することで、パッシブマトリクス型の発光装置を作製することができる。また、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に、例えば薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、TFTと電気的に接続された電極上に発光素子を作製してもよい。これにより、TFTによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置を作製できる。なお、TFTの構造は、特に限定されない。スタガ型のTFTでもよいし逆スタガ型のTFTでもよい。また、TFTに用いる半導体の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体を用いてもよいし、結晶性半導体を用いてもよい。また、TFT基板に形成される駆動用回路についても、N型及びP型のTFTからなるものでもよいし、若しくはN型又はP型のいずれか一方からのみなるものであってもよい。
以上のように、実施の形態1に記載のDBTTPt−IIを用いて発光素子を作製することができる。本発明の一態様では、トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン誘導体、又はトリアゾロ[3,4−a]イソキノリン誘導体、を含むことで、駆動電圧が低い発光素子を実現することができる。また、電流効率が高い発光素子を実現することができる。また、長寿命な発光素子を実現するができる。
また、このようにして得られた本発明の一態様の発光素子を用いた発光装置は低消費電力を実現できる。
なお、本実施の形態で示した発光素子を用いて、パッシブマトリクス型の発光装置や、トランジスタによって発光素子の駆動が制御されたアクティブマトリクス型の発光装置を作製することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態は複数の発光ユニットを積層した構成の発光素子(以下、積層型素子という)の態様について、図2を参照して説明する。この発光素子は、第1の電極と第2の電極との間に複数の発光ユニットを有する発光素子である。
図2(A)において、第1の電極301と第2の電極303との間には、第1の発光ユニット311と第2の発光ユニット312が積層されている。本実施の形態において、第1の電極301は陽極として機能する電極であり、第2の電極303は陰極として機能する電極である。なお、第1の電極301と第2の電極303は実施の形態2と同様の構成を適用することができる。また、第1の発光ユニット311と第2の発光ユニット312は同じ構成であっても異なる構成であっても良い。また、第1の発光ユニット311と、第2の発光ユニット312は、その構成として、実施の形態2と同様なものを適用しても良いし、いずれかが異なる構成であっても良い。
また、第1の発光ユニット311と第2の発光ユニット312の間には、電荷発生層313が設けられている。電荷発生層313は、第1の電極301と第2の電極303に電圧を印加したときに、一方の発光ユニットに電子を注入し、他方の発光ユニットに正孔を注入する機能を有する。本実施の形態の場合には、第1の電極301に第2の電極303よりも電位が高くなるように電圧を印加すると、電荷発生層313から第1の発光ユニット311に電子が注入され、第2の発光ユニット312に正孔が注入される。
なお、電荷発生層313は、光の取り出し効率の点から、可視光に対する透光性を有することが好ましい。また、電荷発生層313は、第1の電極301や第2の電極303よりも低い導電率であっても機能する。
電荷発生層313は、正孔輸送性の高い有機化合物と電子受容体(アクセプター)とを含む構成であっても、電子輸送性の高い有機化合物と電子供与体(ドナー)とを含む構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。
正孔輸送性の高い有機化合物に電子受容体が添加された構成とする場合において、正孔輸送性の高い有機化合物としては、例えば、NPBやTPD、TDATA、MTDATA、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い有機化合物であれば、上記以外の物質を用いても構わない。
また、電子受容体としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル等を挙げることができる。また、遷移金属酸化物を挙げることができる。また元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
一方、電子輸送性の高い有機化合物に電子供与体が添加された構成とする場合において、電子輸送性の高い有機化合物としては、例えば、Alq、Almq3、BeBq2、BAlqなど、キノリン骨格又はベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等を用いることができる。また、Zn(BOX)2、Zn(BTZ)2などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、PBDやOXD−7、TAZ、BPhen、BCPなども用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い有機化合物であれば、上記以外の物質を用いても構わない。
また、電子供与体としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、又は元素周期表における第13族に属する金属及びその酸化物、炭酸塩などを用いることができる。具体的には、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、インジウム、酸化リチウム、炭酸セシウムなどを用いることが好ましい。また、テトラチアナフタセンのような有機化合物を電子供与体として用いてもよい。
なお、上述した材料を用いて電荷発生層313を形成することにより、EL層が積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
本実施の形態では、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、同様に、図2(B)に示すように、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子も適用することが可能である。本実施の形態に係る発光素子のように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度で発光する長寿命素子を実現できる。
また、それぞれの発光ユニットの発光色を異なるものにすることで、発光素子全体として、所望の色の発光を得ることができる。例えば、2つの発光ユニットを有する発光素子において、第1の発光ユニットの発光色と第2の発光ユニットの発光色を補色の関係になるようにすることで、発光素子全体として白色発光する発光素子を得ることも可能である。なお、補色とは、混合すると無彩色になる色同士の関係をいう。つまり、補色の関係にある色を発光する物質から得られた光を混合すると、白色発光を得ることができる。また、3つの発光ユニットを有する発光素子の場合でも同様であり、例えば、第1の発光ユニットの発光色が赤色であり、第2の発光ユニットの発光色が緑色であり、第3の発光ユニットの発光色が青色である場合、発光素子全体としては、白色発光を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の、発光素子を有する発光装置について図3を用いて説明する。なお、図3(A)は、発光装置を示す上面図、図3(B)は図3(A)をA−B及びC−Dで切断した断面図である。
図3(A)において、点線で示された401は駆動回路部(ソース側駆動回路)、402は画素部、403は駆動回路部(ゲート側駆動回路)である。また、404は封止基板、405はシール材であり、シール材405で囲まれた内側は、空間407になっている。
なお、引き回し配線408はソース側駆動回路401及びゲート側駆動回路403に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)409からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPC又はPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図3(B)を用いて説明する。素子基板410上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路401と、画素部402中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路401はnチャネル型TFT423とpチャネル型TFT424とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は、TFTで形成される種々のCMOS回路、PMOS回路又はNMOS回路で形成しても良い。また、本実施の形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバ一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部402はスイッチング用TFT411と、電流制御用TFT412とそのドレインに電気的に接続された第1の電極413とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極413の端部を覆って絶縁物414が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
また、被覆性を良好なものとするため、絶縁物414の上端部又は下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物414の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物414の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物414として、光の照射によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光の照射によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。
第1の電極413上には、発光層416、及び第2の電極417がそれぞれ形成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極413に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO膜、又は珪素を含有したインジウム錫酸化物膜、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれる。
また、発光層416は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法などの液滴吐出法、印刷法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。発光層416は、実施の形態1で示したトリアゾール誘導体を含んでいる。また、発光層416を構成する他の材料としては、低分子材料、オリゴマー、デンドリマー、又は高分子材料であっても良い。
さらに、発光層416上に形成され、陰極として機能する第2の電極417に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Mg、Li、Ca、又はこれらの合金や化合物、Mg−Ag、Mg−In、Al−Li、LiF、CaF2等)を用いることが好ましい。なお、発光層416で生じた光が第2の電極417を透過させる場合には、第2の電極417として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化亜鉛等)との積層を用いるのが良い。
さらにシール材405で封止基板404を素子基板410と貼り合わせることにより、素子基板410、封止基板404、及びシール材405で囲まれた空間407に発光素子418が備えられた構造になっている。なお、空間407には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材405で充填される場合もある。
なお、シール材405にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板404に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステル又はアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、本発明の一態様の発光素子を有するアクティブマトリクス型の発光装置を得ることができる。
また、本発明の発光素子は、上述したアクティブマトリクス型の発光装置のみならずパッシブマトリクス型の発光装置に用いることもできる。図4に本発明の発光素子を用いたパッシブマトリクス型の発光装置の斜視図及び断面図を示す。なお、図4(A)は、発光装置を示す斜視図、図4(B)は図4(A)をX−Yで切断した断面図である。
図4において、基板501上の第1の電極502と第2の電極503との間にはEL層504が設けられている。第1の電極502の端部は絶縁層505で覆われている。そして、絶縁層505上には隔壁層506が設けられている。隔壁層506の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなるような傾斜を有する。つまり、隔壁層506の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層505と接する辺)の方が上辺(絶縁層505と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層506を設けることで、クロストーク等に起因した発光素子の不良を防ぐことができる。
以上により、本発明の一態様の発光素子を有するパッシブマトリクス型の発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態で示した発光装置(アクティブマトリクス型、パッシブマトリクス型)は、いずれも本発明の一態様の発光素子を用いて形成されることから、消費電力の低い発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明を適用した一態様である発光装置を用いて完成させた様々な電子機器および照明器具の一例について、図5、図6を用いて説明する。
発光装置を適用した電子機器として、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。これらの電子機器および照明器具の具体例を図5に示す。
図5(A)は、テレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置7100は、筐体7101に表示部7103が組み込まれている。表示部7103により、映像を表示することが可能であり、発光装置を表示部7103に用いることができる。また、ここでは、スタンド7105により筐体7101を支持した構成を示している。
テレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7110により行うことができる。リモコン操作機7110が備える操作キー7109により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部7103に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機7110に、当該リモコン操作機7110から出力する情報を表示する表示部7107を設ける構成としてもよい。
なお、テレビジョン装置7100は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
図5(B)はコンピュータであり、本体7201、筐体7202、表示部7203、キーボード7204、外部接続ポート7205、ポインティングデバイス7206等を含む。なお、コンピュータは、発光装置をその表示部7203に用いることにより作製される。
図5(C)は携帯型遊技機であり、筐体7301と筐体7302の2つの筐体で構成されており、連結部7303により、開閉可能に連結されている。筐体7301には表示部7304が組み込まれ、筐体7302には表示部7305が組み込まれている。また、図5(C)に示す携帯型遊技機は、その他、スピーカ部7306、記録媒体挿入部7307、LEDランプ7308、入力手段(操作キー7309、接続端子7310、センサ7311(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン7312)等を備えている。もちろん、携帯型遊技機の構成は上述のものに限定されず、少なくとも表示部7304および表示部7305の両方、または一方に発光装置を用いていればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる。図5(C)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能や、他の携帯型遊技機と無線通信を行って情報を共有する機能を有する。なお、図5(C)に示す携帯型遊技機が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
図5(D)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体7401に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、スピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、発光装置を表示部7402に用いることにより作製される。
図5(D)に示す携帯電話機7400は、表示部7402を指などで触れることで、情報を入力することができる。また、電話を掛ける、或いはメールを作成するなどの操作は、表示部7402を指などで触れることにより行うことができる。
表示部7402の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする表示モードであり、第2は、文字等の情報の入力を主とする入力モードである。第3は表示モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。
例えば、電話を掛ける、或いはメールを作成する場合は、表示部7402を文字の入力を主とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。この場合、表示部7402の画面のほとんどにキーボードまたは番号ボタンを表示させることが好ましい。
また、携帯電話機7400内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、携帯電話機7400の向き(縦か横か)を判断して、表示部7402の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
また、画面モードの切り替えは、表示部7402を触れること、又は筐体7401の操作ボタン7403の操作により行われる。また、表示部7402に表示される画像の種類によって切り替えるようにすることもできる。例えば、表示部に表示する画像信号が動画のデータであれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替える。
また、入力モードにおいて、表示部7402の光センサで検出される信号を検知し、表示部7402のタッチ操作による入力が一定期間ない場合には、画面のモードを入力モードから表示モードに切り替えるように制御してもよい。
表示部7402は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部7402に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部に近赤外光を発光するバックライトまたは近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。
図5(E)は卓上照明器具であり、照明部7501、傘7502、可変アーム7503、支柱7504、台7505、電源7506を含む。なお、卓上照明器具は、発光装置を照明部7501に用いることにより作製される。なお、照明器具には天井固定型の照明器具または壁掛け型の照明器具なども含まれる。
図6は、発光装置を、室内の照明装置801として用いた例である。発光装置は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置として用いることができる。その他、ロール型の照明装置802として用いることもできる。なお、図6に示すように、室内の照明装置801を備えた部屋で、図5(E)で説明した卓上照明器具803を併用してもよい。
以上のようにして、本発明の一態様の発光装置を適用して電子機器や照明器具を得ることができる。発光装置の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
なお、本実施の形態に示す構成は、実施の形態1乃至実施の形態4に示した構成を適宜組み合わせて用いることができる。
≪合成例1≫
本実施例では、実施の形態1で構造式(100)に示した、本発明の一態様のトリアゾール誘導体である、3−[4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン(略称:DBTTPt−II)、及び実施の形態1で構造式(700)に示した、本発明の一態様の複素環化合物である、3−(4−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジンの合成方法について説明する。
<ステップ1:N’−(4−ブロモベンゾイル)−N−(フェナントリジン−6−イル)ヒドラジンの合成>
ステップ1の合成スキームを(C−1)に示す。
200mL三口フラスコに6−クロロフェナントリジン4.3g(20mmol)、4−ブロモベンゾイルヒドラジン4.7g(22mmol)、パラ−キシレン80mLを加えた。この混合物を窒素気流下、160℃で21時間還流した。所定時間経過後、この混合物を室温まで冷却し、析出した固体を吸引濾過により回収した。得られた固体を加熱したクロロホルム、さらに水で洗浄した。この固体を乾燥したところ、目的物の淡黄色粉末を収量6.0g、収率75%で得た。
<ステップ2:3−(4−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジンの合成>
ステップ2の合成スキームを(C−2)に示す。
300mL三口フラスコに、ステップ1で合成したN’−(4−ブロモベンゾイル)−N−(フェナントリジン−6−イル)ヒドラジン2.0g(5.0mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド100mLを加えた。この混合物を、窒素気流下、120℃で3時間攪拌した。所定時間経過後、この混合物を室温まで冷却し、1N塩酸に加え、水層から有機物をクロロホルムで抽出した。得られた抽出溶液を1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水により洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体のメタノール懸濁液に超音波を照射し、固体を吸引濾過により回収したところ、目的物の白色粉末を収量1.5g、収率78%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である3−(4−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジンであることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(CDCl3、300MHz):δ=7.36(t、J=8.4Hz、1H)、7.51−7.63(m、4H)、7.70−7.80(m、4H)、8.39(d、J=8.4Hz、1H)、8.46(d、J=8.4Hz、1H)、8.84(dd、J=7.8Hz、1.5Hz、1H)。
また、1H NMRチャートを図7に示す。なお、図7(B)は、図7(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
<ステップ3:3−[4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン(略称:DBTTPt−II)の合成>
ステップ3の合成スキームを(C−3)に示す。
50mL三口フラスコに、ステップ2で合成した3−(4−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン1.0g(2.7mmol)、ジベンゾチオフェン−4−ボロン酸0.7g(3.1mmol)、トリ(オルト−トリル)ホスフィン40mg(0.1mmol)を加え、フラスコ内を窒素置換した。このフラスコにトルエン10mL、エタノール3.3mL、2Mの炭酸カリウム水溶液3mLを加え、この混合物を、減圧下で攪拌することで脱気した。この混合物に、酢酸パラジウム(II)6mg(27μmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、90℃で6.5時間還流した。所定時間経過後、得られた混合物に水を加え、クロロホルムで水層から有機物を抽出した。得られた抽出溶液と有機層とを合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=4:1)で精製し、さらにトルエンで再結晶したところ、目的物の白色粉末を収量1.2g、収率95%で得た。
得られた目的物の白色粉末1.1gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.3Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、白色粉末を280℃で加熱して行った。昇華精製後、目的物の白色粉末を収量0.9g、収率80%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物であるDBTTPt−IIであることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(CDCl3、300MHz):δ=7.41(t、J=7.2Hz、1H)、7.49−7.57(m、3H)、7.63−7.64(m、2H)、7.71−7.81(m、3H)、7.86−7.90(m、3H)、8.00(d、J=8.1Hz、2H)、8.21−8.26(m、2H)、8.41(d、J=7.5Hz、1H)、8.48(d、J=7.8Hz、1H)、8.88(dd、J=7.5Hz、1.8Hz、1H)。
また、1H NMRチャートを図8に示す。なお、図8(B)は、図8(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、DBTTPt−IIのトルエン溶液の吸収スペクトルを図9(A)に、発光スペクトルを図9(B)にそれぞれ示す。また、DBTTPt−IIの薄膜の吸収スペクトルを図10(A)に、発光スペクトルを図10(B)にそれぞれ示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着してサンプルを作製した。吸収スペクトルに関して、溶液については石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示し、薄膜については石英基板の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示した。図9(A)及び図10(A)において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表し、図9(B)及び図10(B)において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では、281、314、及び332nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは、384nm(励起波長335nm)であった。また、薄膜の場合では、242、291、及び337nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは389nm(励起波長339nm)であった。
≪合成例2≫
本実施例では、実施の形態1で構造式(300)に示した、本発明の一態様のトリアゾール誘導体である、3−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン(略称:CzTPt)の合成方法について説明する。
CzTPtの合成スキームを(D−1)に示す。
50mLナスフラスコに、3−(4−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン1.0g(2.7mmol)、9H−カルバゾール0.7g(4.2mmol)、炭酸カリウム0.5g(3.6mmol)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)2mLを加えた。この混合物に18−クラウン−6−エーテル21mg(79μmol)、ヨウ化銅(I)15mg(79μmol)を加え、窒素気流下、180℃で6時間攪拌した。所定時間経過後、得られた混合物にトルエンを加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=4:1)により精製し、さらにトルエンで2回再結晶したところ、目的物の白色粉末を収量1.0g、収率79%で得た。
得られた目的物の白色粉末1.0gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力3.0Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、目的物を260℃で加熱して行った。昇華精製後、目的物の白色粉末を収量0.8g、収率83%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物であるCzTPtであることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(CDCl3、300MHz):δ=7.36(t、J=7.2Hz、2H)、7.41−7.60(m、6H)、7.72−7.82(m、3H)、7.86(d、J=8.7Hz、2H)、7.99(d、J=8.4Hz、2H)、8.19(d、J=7.8Hz、2H)、8.42(dd、J=7.2Hz、1.5Hz、1H)、8.50(dd、J=8.4Hz、1.5Hz、1H)、8.89(dd、J=7.2Hz、1.8Hz、1H)。
また、1H NMRチャートを図11に示す。なお、図11(B)は、図11(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、CzTPtのトルエン溶液の吸収スペクトルを図12(A)に、発光スペクトルを図12(B)にそれぞれ示す。また、CzTPtの薄膜の吸収スペクトルを図13(A)に、発光スペクトルを図13(B)にそれぞれ示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着してサンプルを作製した。吸収スペクトルに関して、溶液については石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示し、薄膜については石英基板の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示した。図12(A)及び図13(A)において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表し、図12(B)及び図13(B)において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では、282、292、307、326及び339nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは、384nm(励起波長340nm)であった。また、薄膜の場合では、242、315、328、及び342nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは408nm(励起波長342nm)であった。
≪合成例3≫
本実施例では、実施の形態1で構造式(400)に示した、本発明の一態様のトリアゾール誘導体である3−[4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン(略称:DBTTIq−II)、及び実施の形態1で構造式(741)に示した、本発明の一態様の複素環化合物である3−(4−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリンの合成方法について説明する。
<ステップ1:3−(4−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリンの合成>
ステップ1の合成スキームを(E−1)に示す。
50mL三口フラスコに1−クロロイソキノリン0.8g(5.0mmol)、4−ブロモベンゾイルヒドラジン1.1g(5.0mmol)、パラ−キシレン10mLを加えた。この混合物を、窒素気流下、100℃で4時間攪拌した。所定時間経過後、この混合物を室温まで冷却し、析出した固体を吸引濾過により回収した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=10:1)で精製したところ、目的物の白色粉末を収量0.5g、収率29%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が3−(4−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリンであることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(CDCl3、300MHz):δ=7.13(d、J=7.2Hz、1H)、7.68−7.78(m、7H)、7.95(d、J=7.2Hz、1H)、8.80(dd、J=6.9Hz、1.8Hz、1H)。
また、1H NMRチャートを図14に示す。なお、図14(B)は、図14(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
<ステップ2:3−[4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン(略称:DBTTIq−II)の合成>
ステップ2の合成スキームを(E−2)に示す。
50mLの三口フラスコに3−(4−ブロモフェニル)トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン1.1g(3.4mmol)と、ジベンゾチオフェン−4−ボロン酸0.9g(3.9mmol)と、トリ(オルト−トリル)ホスフィン53mg(0.2mmol)を加え、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、2.0M炭酸カリウム水溶液3.9mLと、トルエン13mLと、エタノール4.4mLを加え、減圧下で攪拌することにより脱気した。この混合物に酢酸パラジウム(II)7.9mg(35μmol)を加え、窒素気流下、90℃で7時間攪拌した。所定時間経過後、得られた混合物に水を加え、水層から有機物をクロロホルムで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過により濾別し、濾液を濃縮して油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して固体を得た。クロマトグラフィーの展開溶媒は、トルエンと酢酸エチルの混合溶媒(トルエン:酢酸エチル=10:1)とした。得られた固体を熱クロロホルムで洗浄したところ、目的物である白色粉末を収量1.0g、収率65%で得た。
目的物の白色粉末1.0gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.3Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、白色粉末を255℃で加熱して行った。昇華精製後、目的物の白色粉末を収量0.8g、収率84%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物であるDBTTIq−IIであることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ=7.43(t、J=7.8Hz、1H)、7.54−7.60(m、2H)、7.69−7.75(m、2H)、7.78−7.84(m、2H)、7.99−8.09(m、4H)、8.16(d、J=8.4Hz、2H)、8.43−8.51(m、3H)、8.61−8.67(m、1H)。
また、1H NMRチャートを図15に示す。なお、図15(B)は、図15(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、DBTTIq−IIのトルエン溶液の吸収スペクトルを図16(A)に、発光スペクトルを図16(B)にそれぞれ示す。また、DBTTIq−IIの薄膜の吸収スペクトルを図17(A)に、発光スペクトルを図17(B)にそれぞれ示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着してサンプルを作製した。吸収スペクトルに関して、溶液については石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示し、薄膜については石英基板の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示した。図16(A)及び図17(A)において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表し、図16(B)及び図17(B)において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では、288、及び333nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは、365、385、及び403nm(励起波長337nm)であった。また、薄膜の場合では、243、294、及び341nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは401nm(励起波長338nm)であった。
≪合成例4≫
本実施例では、実施の形態1で構造式(101)に示した、本発明の一態様のトリアゾール誘導体である、3−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン(略称:mDBTTPt−II)、及び実施の形態1で構造式(701)に示した、本発明の一態様の複素環化合物である3−(3−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジンの合成方法について説明する。
<ステップ1:1−(3−ブロモベンゾイル)−2−(フェナントリジン−6−イル)ヒドラジンの合成>
ステップ1の合成スキームを(F−1)に示す。
100mL三口フラスコに6−クロロフェナントリジン1.1g(5.1mmol)、3−ブロモベンゾイルヒドラジン1.2g(5.5mmol)、パラーキシレン40mLを加えた。この混合物を、窒素気流下、160℃で4時間還流した。所定時間経過後、この混合物を室温まで冷却し、析出した固体を吸引濾過により回収し、トルエン、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた固体のメタノール懸濁液に超音波を照射し、固体を吸引濾過により回収したところ、目的物の淡黄色粉末を収量1.3g、収率66%で得た。
<ステップ2:3−(3−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジンの合成>
ステップ2の合成スキームを(F−2)に示す。
200mL三口フラスコに、ステップ1で合成した1−(3−ブロモベンゾイル)−2−(フェナントリジン−6−イル)ヒドラジン1.3g(3.3mmol)と、N,N−ジメチルホルムアミド70mLと、を加えた。この溶液を、窒素気流下、120℃で5時間攪拌した。所定時間経過後、この混合物を室温まで冷却し、クロロホルムを加えた。この溶液を1N塩酸に加え、水層から有機物をクロロホルムで抽出した。得られた抽出溶液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水により洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体のメタノール懸濁液に超音波を照射し、固体を吸引濾過により回収したところ、目的物の白色粉末を収量0.9g、収率69%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である3−(3−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジンであることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(CDCl3、300MHz):δ=7.31−7.37(m、1H)、7.44−7.54(m、3H)、7.63(d、J=7.8Hz、1H)、7.68−7.79(m、3H)、7.88−7.89(m、1H)、8.37(d、J=7.8Hz、1H)、8.44(d、J=7.2Hz、1H)、8.83(dd、J=7.2Hz、1.8Hz、1H)。
また、1H NMRチャートを図18に示す。なお、図18(B)は、図18(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
<ステップ3:3−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン(略称:mDBTTPt−II)の合成>
ステップ3の合成スキームを(F−3)に示す。
100mL三口フラスコに、ステップ2で合成した3−(3−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン0.9g(2.3mmol)、ジベンゾチオフェン−4−ボロン酸0.5g(2.4mmol)、トリ(オルト−トリル)ホスフィン0.1g(0.4mmol)、トルエン25mL、エタノール3mL、2Mの炭酸カリウム水溶液2.5mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌することで脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、酢酸パラジウム(II)18mg(80μmol)を加え、窒素気流下、80℃で6時間攪拌した。所定時間経過後、得られた混合物に水を加え、水層から有機物をクロロホルムにより抽出した。得られた抽出溶液と有機層とを合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥した。この混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィーの展開溶媒は、クロロホルムと酢酸エチルの混合溶媒(クロロホルム:酢酸エチル=4:1)とした。さらにトルエンにより再結晶したところ、目的物の白色粉末を収量0.8g、収率74%で得た。
得られた白色粉末0.82gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.7Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、白色粉末を270℃で加熱して行った。昇華精製後、目的物の白色粉末を収量0.67g、収率81%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物であるmDBTTPt−IIであることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(CDCl3、300MHz):δ=7.38−7.61(m、6H)、7.69−7.83(m、6H)、8.01−8.06(m、2H)、8.16−8.21(m、2H)、8.39(dd、J=7.8Hz、1.5Hz、1H)、8.46(dd、J=8.1Hz、1.5Hz、1H)、8.86(dd、J=7.2Hz、2.1Hz、1H)。
また、1H NMRチャートを図19に示す。なお、図19(B)は、図19(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、mDBTTPt−IIのトルエン溶液の吸収スペクトルを図20(A)に、発光スペクトルを図20(B)にそれぞれ示す。また、mDBTTPt−IIの薄膜の吸収スペクトルを図21(A)に、発光スペクトルを図21(B)にそれぞれ示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着してサンプルを作製した。吸収スペクトルに関して、溶液については石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示し、薄膜については石英基板の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示した。図20(A)及び図21(A)において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表し、図20(B)及び図21(B)において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では、280、317、及び332nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは、357nm(励起波長330nm)であった。また、薄膜の場合では、243、287、317、及び332nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは372nm(励起波長332nm)であった。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子について、図22(A)を用いて説明する。本実施例で用いた材料の化学式を以下に示す。
以下に、本実施例の発光素子1〜3、及び比較発光素子4の作製方法を示す。
(発光素子1)
まず、ガラス基板1100上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極1101を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
当該基板1100上に発光素子を形成するための前処理としては、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板1100を30分程度放冷した。
次に、第1の電極1101が形成された面が下方となるように、第1の電極1101が形成された基板1100を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極1101上に、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)と酸化モリブデン(VI)を共蒸着することで、正孔注入層1111を形成した。その膜厚は、50nmとし、BPAFLPと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:2(=BPAFLP:酸化モリブデン)となるように調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で、複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
次に、正孔注入層1111上に、BPAFLPを10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層1112を形成した。
さらに、実施例2にて合成した3−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン(略称:CzTPt)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、及びトリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)を共蒸着し、正孔輸送層1112上に第1の発光層1113aを形成した。ここで、CzTPt、PCBA1BP、及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.25:0.06(=CzTPt:PCBA1BP:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、第1の発光層1113aの膜厚は20nmとした。
次に、第1の発光層1113a上に、CzTPt及びIr(ppy)3を共蒸着し、第2の発光層1113bを形成した。ここで、CzTPt及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.06(=CzTPt:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、第2の発光層1113bの膜厚は20nmとした。
さらに、第2の発光層1113b上に、CzTPtを膜厚15nmとなるように成膜し、第1の電子輸送層1114aを形成した。
その後、第1の電子輸送層1114a上に、バソフェナントロリン(略称:BPhen)を膜厚15nmとなるように成膜し、第2の電子輸送層1114bを形成した。
さらに、第2の電子輸送層1114b上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚で蒸着し、電子注入層1115を形成した。
最後に、陰極として機能する第2の電極1103として、アルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着することで、本実施例の発光素子1を作製した。
なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
(発光素子2)
発光素子2の第1の発光層1113aは、実施例1にて合成した3−[4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン(略称:DBTTPt−II)、PCBA1BP、及びIr(ppy)3を共蒸着することで形成した。ここで、DBTTPt−II、PCBA1BP、及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.25:0.06(=DBTTPt−II:PCBA1BP:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、第1の発光層1113aの膜厚は20nmとした。
さらに、発光素子2の第2の発光層1113bは、DBTTPt−II及びIr(ppy)3を共蒸着することで形成した。ここで、DBTTPt−II及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.06(=DBTTPt−II:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、第2の発光層1113bの膜厚は20nmとした。
そして、発光素子2の第1の電子輸送層1114aは、DBTTPt−IIを膜厚15nmとなるように成膜することで形成した。第1の発光層1113a、第2の発光層1113b、及び第1の電子輸送層1114a以外は発光素子1と同様に作製した。
(発光素子3)
発光素子3の第1の発光層1113aは、実施例3で合成した3−[4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン(略称:DBTTIq−II)、PCBA1BP、及びIr(ppy)3を共蒸着することで形成した。ここで、DBTTIq−II、PCBA1BP、及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.3:0.06(=DBTTIq−II:PCBA1BP:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、第1の発光層1113aの膜厚は20nmとした。
さらに、発光素子3の第2の発光層1113bは、DBTTIq−II及びIr(ppy)3を共蒸着することで形成した。ここで、DBTTIq−II及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.06(=DBTTIq−II:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、第2の発光層1113bの膜厚は20nmとした。
そして、発光素子3の第1の電子輸送層1114aは、DBTTIq−IIを膜厚15nmとなるように成膜することで形成した。第1の発光層1113a、第2の発光層1113b、及び第1の電子輸送層1114a以外は発光素子1と同様に作製した。
(比較発光素子4)
比較発光素子4の第1の発光層1113aは、3−[4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル)]−4,5−ジフェニル−4H−トリアゾール(略称:DBTTAZ−II)、PCBA1BP、及びIr(ppy)3を共蒸着することで形成した。ここで、DBTTAZ−II、PCBA1BP、及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.3:0.06(=DBTTAZ−II:PCBA1BP:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、第1の発光層1113aの膜厚は20nmとした。
さらに、比較発光素子4の第2の発光層1113bは、DBTTAZ−II及びIr(ppy)3を共蒸着することで形成した。ここで、DBTTAZ−II及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.06(=DBTTAZ−II:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、第2の発光層1113bの膜厚は20nmとした。
そして、比較発光素子4の第1の電子輸送層1114aは、DBTTAZ−IIを膜厚15nmとなるように成膜することで形成した。第1の発光層1113a、第2の発光層1113b、及び第1の電子輸送層1114a以外は発光素子1と同様に作製した。
以上により得られた発光素子1〜3、及び比較発光素子4の素子構造を表1に示す。
発光素子1〜3、及び比較発光素子4を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子1〜3、及び比較発光素子4の電流密度−輝度特性を図23に示す。図23において、横軸は、電流密度(mA/cm2)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、電圧−輝度特性を図24に示す。図24において、横軸は電圧(V)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、輝度−電流効率特性を図25に示す。図25において、横軸は輝度(cd/m2)を、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。また、各発光素子における輝度1000cd/m2付近のときの電圧(V)、電流密度(mA/cm2)、CIE色度座標(x、y)、電流効率(cd/A)、外部量子効率(%)を表2に示す。
表2に示す通り、1100cd/m2の輝度の時の発光素子1のCIE色度座標は(x,y)=(0.32,0.62)であった。1100cd/m2の輝度の時の発光素子2のCIE色度座標は(x,y)=(0.32,0.61)であった。1100cd/m2の輝度の時の発光素子3のCIE色度座標は(x,y)=(0.33,0.61)であった。810cd/m2の輝度の時の比較発光素子4のCIE色度座標は(x,y)=(0.32,0.61)であった。これらの発光素子は全て、Ir(ppy)3に由来する発光が得られたことがわかった。
図23〜25、及び表2から、発光素子1〜3、及び比較発光素子4は、電流効率が高い発光素子であることが確認できた。また、低電圧で駆動可能な発光素子であることが確認できた。
次に、発光素子1〜3、及び比較発光素子4の信頼性試験を行った。信頼性試験の結果を図26、図27に示す。図26において、縦軸は初期輝度を100%とした時の規格化輝度(%)を示し、横軸は素子の駆動時間(h)を示す。図27において、縦軸は電圧上昇量(V)、横軸は素子の駆動時間(h)を示す。
信頼性試験は、初期輝度を1000cd/m2に設定し、電流密度一定の条件で本実施例の発光素子1〜3、及び比較発光素子4を駆動した。
図26から、発光素子1の270時間後の輝度は、初期輝度の62%を保っていた。発光素子2の270時間後の輝度は、初期輝度の73%を保っていた。発光素子3の410時間後の輝度は、初期輝度の66%を保っていた。比較発光素子4の270時間後の輝度は、初期輝度の56%を保っていた。さらに、図27から、発光素子1〜3は、比較発光素子4に比べ、電圧の時間変化が少ないことがわかる。
本発明の一態様のトリアゾール誘導体と同程度に大きな三重項励起エネルギーを有する物質であるDBTTAZ−IIを発光層のホスト材料、及び電子輸送層の材料に用いた比較発光素子4に比べて、本発明の一態様を適用した発光素子1〜3は長寿命であることが明らかとなった。
以上、示したように、実施例1〜3で合成した本発明の一態様のトリアゾール誘導体を発光層のホスト材料、及び電子輸送層の材料として用いることで、電流効率が高く、低電圧で駆動可能な発光素子を作製することができた。また、長寿命な発光素子を作製することができた。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子について、図22(A)を用いて説明する。本実施例で用いた材料の化学式を以下に示す。なお、既に示した材料については省略する。
以下に、本実施例の発光素子5、及び比較発光素子6の作製方法を示す。
(発光素子5)
まず、実施例5で示した発光素子1と同様の条件で、ガラス基板1100上に、第1の電極1101、正孔注入層1111、及び正孔輸送層1112を形成した。
次に、実施例4にて合成した3−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン(略称:mDBTTPt−II)、PCBA1BP、及びIr(ppy)3を共蒸着し、正孔輸送層1112上に第1の発光層1113aを形成した。ここで、mDBTTPt−II、PCBA1BP、及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.3:0.08(=mDBTTPt−II:PCBA1BP:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、第1の発光層1113aの膜厚は20nmとした。
次に、第1の発光層1113a上に、mDBTTPt−II及びIr(ppy)3を共蒸着し、第1の発光層1113a上に、第2の発光層1113bを形成した。ここで、mDBTTPt−II及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.08(=mDBTTPt−II:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、第2の発光層1113bの膜厚は20nmとした。
さらに、第2の発光層1113b上に、mDBTTPt−IIを膜厚15nmとなるように成膜し、第1の電子輸送層1114aを形成した。
その後、第1の電子輸送層1114a上に、BPhenを膜厚15nmとなるように成膜し、第2の電子輸送層1114bを形成した。
さらに、第2の電子輸送層1114b上に、LiFを1nmの膜厚で蒸着し、電子注入層1115を形成した。
最後に、陰極として機能する第2の電極1103として、アルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着することで、本実施例の発光素子5を作製した。
なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
(比較発光素子6)
比較発光素子6の第1の発光層1113aは、DBTTAZ−II、PCBA1BP、及びIr(ppy)3を共蒸着することで形成した。ここで、DBTTAZ−II、PCBA1BP、及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.3:0.08(=DBTTAZ−II:PCBA1BP:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、第1の発光層1113aの膜厚は20nmとした。
さらに、比較発光素子6の第2の発光層1113bは、DBTTAZ−II及びIr(ppy)3を共蒸着することで形成した。ここで、DBTTAZ−II及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.08(=DBTTAZ−II:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、第2の発光層1113bの膜厚は20nmとした。
そして、比較発光素子6の第1の電子輸送層1114aは、DBTTAZ−IIを膜厚15nmとなるように成膜することで形成した。第1の発光層1113a、第2の発光層1113b、及び第1の電子輸送層1114a以外は発光素子5と同様に作製した。
以上により得られた発光素子5、及び比較発光素子6の素子構造を表3に示す。
発光素子5、及び比較発光素子6を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子5、及び比較発光素子6の電流密度−輝度特性を図28に示す。図28において、横軸は、電流密度(mA/cm2)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、電圧−輝度特性を図29に示す。図29において、横軸は電圧(V)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、輝度−電流効率特性を図30に示す。図30において、横軸は輝度(cd/m2)を、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。また、各発光素子における輝度1100cd/m2付近のときの電圧(V)、電流密度(mA/cm2)、CIE色度座標(x、y)、電流効率(cd/A)、外部量子効率(%)を表4に示す。
表4に示す通り、1200cd/m2の輝度の時の発光素子5のCIE色度座標は(x,y)=(0.35,0.60)であった。1100cd/m2の輝度の時の比較発光素子6のCIE色度座標は(x,y)=(0.34,0.60)であった。これらの発光素子は全て、Ir(ppy)3に由来する発光が得られたことがわかった。
図28〜30及び表4から、発光素子5及び比較発光素子6は、電流効率が高く、低電圧で駆動可能な発光素子であることが確認できた。
次に、発光素子5及び比較発光素子6の信頼性試験を行った。信頼性試験の結果を図31、図32に示す。図31において、縦軸は初期輝度を100%とした時の規格化輝度(%)を示し、横軸は素子の駆動時間(h)を示す。図32において、縦軸は電圧上昇量(V)、横軸は素子の駆動時間(h)を示す。
信頼性試験は、初期輝度を1000cd/m2に設定し、電流密度一定の条件で本実施例の発光素子5、及び比較発光素子6を駆動した。
図31から、発光素子5の1000時間後の輝度は、初期輝度の62%を保っていた。比較発光素子6の300時間後の輝度は、初期輝度の50%を保っていた。さらに、図32から、発光素子5は、比較発光素子6に比べ、電圧の時間変化が少ないことがわかる。
本発明の一態様のトリアゾール誘導体と同程度に大きな三重項励起エネルギーを有する物質であるDBTTAZ−IIを発光層のホスト材料、及び電子輸送層の材料に用いた比較発光素子6に比べて、本発明の一態様を適用した発光素子5は長寿命であることが明らかとなった。
以上、示したように、実施例4で合成した本発明の一態様のトリアゾール誘導体を発光層のホスト材料、及び電子輸送層の材料として用いることで、電流効率が高く、低電圧で駆動可能な発光素子を作製することができた。また、長寿命な発光素子を作製することができた。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子について、図22(B)を用いて説明する。本実施例で用いた材料の化学式を以下に示す。なお、既に示した材料については省略する。
以下に、本実施例の発光素子7の作製方法を示す。
(発光素子7)
まず、ガラス基板1100上に、ITSOをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極1101を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
当該基板1100上に発光素子を形成するための前処理としては、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板1100を30分程度放冷した。
次に、第1の電極1101が形成された面が下方となるように、第1の電極1101が形成された基板1100を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極1101上に、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)と酸化モリブデン(VI)を共蒸着することで、正孔注入層1111を形成した。その膜厚は、50nmとし、CBPと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:2(=CBP:酸化モリブデン)となるように調節した。
次に、正孔注入層1111上に、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層1112を形成した。
さらに、実施例2にて合成したCzTPtとトリス(5−メチル−3,4−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz)3)を共蒸着し、正孔輸送層1112上に第1の発光層1113aを形成した。その膜厚は、30nmとし、CzTPtとIr(Mptz)3の比率は、重量比で1:0.08(=CzTPt:Ir(Mptz)3)となるように調節した。
そして、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm−II)とIr(Mptz)3を共蒸着し、第1の発光層1113a上に第2の発光層1113bを形成した。ここで、mDBTBIm−IIとIr(Mptz)3の重量比は、1:0.08(=mDBTBIm−II:Ir(Mptz)3)となるように調節した。また、第2の発光層1113bの膜厚は10nmとした。
次に、第2の発光層1113b上に、BPhenを膜厚15nmとなるように成膜し、電子輸送層1114を形成した。
さらに、電子輸送層1114上に、LiFを1nmの膜厚で蒸着し、電子注入層1115を形成した。
最後に、陰極として機能する第2の電極1103として、アルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着することで、本実施例の発光素子7を作製した。
なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
以上により得られた発光素子7の素子構造を表5に示す。
発光素子7を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子7の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子7の電流密度−輝度特性を図33に示す。図33において、横軸は、電流密度(mA/cm2)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、電圧−輝度特性を図34に示す。図34において、横軸は電圧(V)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、輝度−電流効率特性を図35に示す。図35において、横軸は輝度(cd/m2)を、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。また、発光素子7における輝度520cd/m2のときの電圧(V)、電流密度(mA/cm2)、CIE色度座標(x、y)、電流効率(cd/A)、外部量子効率(%)を表6に示す。
表6に示す通り、520cd/m2の輝度の時の発光素子7のCIE色度座標は(x,y)=(0.24,0.49)であった。発光素子7は、Ir(Mptz)3に由来する発光が得られたことがわかった。本実施例の発光素子は、三重項励起エネルギーが大きいトリアゾール誘導体を用いているため、短波長の青色系発光を示すIr(Mptz)3を効率よく発光させることができる。本発明の一態様を適用することにより、短波長の発光を示す燐光性化合物であるIr(Mptz)3を効率良く発光させることができると示された。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子について、図22(C)を用いて説明する。本実施例で用いた材料の化学式を以下に示す。なお、既に示した材料については省略する。
以下に、本実施例の発光素子8の作製方法を示す。
(発光素子8)
まず、ガラス基板1100上に、ITSOをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極1101を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
当該基板1100上に発光素子を形成するための前処理としては、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板1100を30分程度放冷した。
次に、第1の電極1101が形成された面が下方となるように、第1の電極1101が形成された基板1100を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極1101上に、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−2,2’−ジメチル−ビフェニル(略称:dmCBP)と酸化モリブデン(VI)を共蒸着することで、正孔注入層1111を形成した。その膜厚は、50nmとし、dmCBPと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:2(=dmCBP:酸化モリブデン)となるように調節した。
次に、正孔注入層1111上に、dmCBPを10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層1112を形成した。
さらに、mCPとトリス[3−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrFptz)3)を共蒸着し、正孔輸送層1112上に第1の発光層1113aを形成した。その膜厚は、30nmとし、mCPとIr(iPrFptz)3の比率は、重量比で1:0.06(=mCP:Ir(iPrFptz)3)となるように調節した。
そして、実施例1にて合成したDBTTPt−IIとIr(iPrFptz)3を共蒸着し、第1の発光層1113a上に第2の発光層1113bを形成した。ここで、DBTTPt−IIとIr(iPrFptz)3の重量比は、1:0.06(=DBTTPt−II:Ir(iPrFptz)3)となるように調節した。また、第2の発光層1113bの膜厚は10nmとした。
次に、第2の発光層1113b上に、DBTTPt−IIを膜厚10nmとなるように成膜し、第1の電子輸送層1114aを形成した。
次に、第1の電子輸送層1114a上に、Alqを膜厚10nmとなるように成膜し、第2の電子輸送層1114bを形成した。
その後、第2の電子輸送層1114b上に、BPhenを膜厚15nmとなるように成膜し、第3の電子輸送層1114cを形成した。
さらに、第3の電子輸送層1114c上に、LiFを1nmの膜厚で蒸着し、電子注入層1115を形成した。
最後に、陰極として機能する第2の電極1103として、アルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着することで、本実施例の発光素子8を作製した。
なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
以上により得られた発光素子8の素子構造を表7に示す。
発光素子8を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子8の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子8の電流密度−輝度特性を図36に示す。図36において、横軸は、電流密度(mA/cm2)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、電圧−輝度特性を図37に示す。図37において、横軸は電圧(V)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、輝度−電流効率特性を図38に示す。図38において、横軸は輝度(cd/m2)を、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。また、発光素子8における輝度890cd/m2のときの電圧(V)、電流密度(mA/cm2)、CIE色度座標(x、y)、電流効率(cd/A)、外部量子効率(%)を表8に示す。
表8に示す通り、890cd/m2の輝度の時の発光素子8のCIE色度座標は(x,y)=(0.18,0.29)であった。発光素子8は、Ir(iPrFptz)3に由来する発光が得られたことがわかった。本実施例の発光素子は、三重項励起エネルギーが大きいトリアゾール誘導体を用いているため、短波長の青色系発光を示すIr(iPrFptz)3を効率よく発光させることができることがわかる。本発明の一態様を適用することにより、短波長の発光を示す燐光性化合物であるIr(iPrFptz)3を効率良く発光させることができると示された。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子について、図22(C)を用いて説明する。本実施例で用いた材料は、前の実施例にて既に示した材料のため化学式は省略する。
以下に、本実施例の発光素子9の作製方法を示す。
(発光素子9)
まず、実施例8で作製した発光素子8と同様の条件で、ガラス基板1100上に、第1の電極1101、正孔注入層1111、及び正孔輸送層1112を形成した。
さらに、dmCBPとIr(iPrFptz)3)を共蒸着し、正孔輸送層1112上に第1の発光層1113aを形成した。その膜厚は、30nmとし、dmCBPとIr(iPrFptz)3の比率は、重量比で1:0.06(=dmCBP:Ir(iPrFptz)3)となるように調節した。
そして、実施例3にて合成したDBTTIq−IIとIr(iPrFptz)3を共蒸着し、第1の発光層1113a上に第2の発光層1113bを形成した。ここで、DBTTIq−IIとIr(iPrFptz)3の重量比は、1:0.06(=DBTTIq−II:Ir(iPrFptz)3)となるように調節した。また、第2の発光層1113bの膜厚は10nmとした。
次に、第2の発光層1113b上に、DBTTIq−IIを膜厚10nmとなるように成膜し、第1の電子輸送層1114aを形成した。
次に、第1の電子輸送層1114a上に、Alqを膜厚10nmとなるように成膜し、第2の電子輸送層1114bを形成した。
その後、第2の電子輸送層1114b上に、BPhenを膜厚15nmとなるように成膜し、第3の電子輸送層1114cを形成した。
さらに、第3の電子輸送層1114c上に、LiFを1nmの膜厚で蒸着し、電子注入層1115を形成した。
最後に、陰極として機能する第2の電極1103として、アルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着することで、本実施例の発光素子9を作製した。
なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
以上により得られた発光素子9の素子構造を表9に示す。
発光素子9を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子9の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子9の電流密度−輝度特性を図39に示す。図39において、横軸は、電流密度(mA/cm2)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、電圧−輝度特性を図40に示す。図40において、横軸は電圧(V)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、輝度−電流効率特性を図41に示す。図41において、横軸は輝度(cd/m2)を、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。また、発光素子9における輝度930cd/m2のときの電圧(V)、電流密度(mA/cm2)、CIE色度座標(x、y)、電流効率(cd/A)、外部量子効率(%)を表10に示す。
表10に示す通り、930cd/m2の輝度の時の発光素子9のCIE色度座標は(x,y)=(0.20,0.29)であった。発光素子9は、Ir(iPrFptz)3に由来する発光が得られたことがわかった。本実施例の発光素子は、三重項励起エネルギーが大きいトリアゾール誘導体を用いているため、短波長の青色系発光を示すIr(iPrFptz)3を効率よく発光させることができることがわかる。本発明の一態様を適用することにより、短波長の発光を示す燐光性化合物であるIr(iPrFptz)3を効率良く発光させることができると示された。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子について、図22(C)を用いて説明する。本実施例で用いた材料は、前の実施例にて既に示した材料のため化学式は省略する。
以下に、本実施例の発光素子10の作製方法を示す。
(発光素子10)
まず、ガラス基板1100上に、ITSOをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極1101を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
当該基板1100上に発光素子を形成するための前処理としては、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板1100を30分程度放冷した。
次に、第1の電極1101が形成された面が下方となるように、第1の電極1101が形成された基板1100を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極1101上に、CBPと酸化モリブデン(VI)を共蒸着することで、正孔注入層1111を形成した。その膜厚は、50nmとし、CBPと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:2(=CBP:酸化モリブデン)となるように調節した。
次に、正孔注入層1111上に、mCPを10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層1112を形成した。
さらに、mCPとIr(iPrFptz)3)を共蒸着し、正孔輸送層1112上に第1の発光層1113aを形成した。その膜厚は、30nmとし、mCPとIr(iPrFptz)3の比率は、重量比で1:0.08(=mCP:Ir(iPrFptz)3)となるように調節した。
そして、実施例4にて合成したmDBTTPt−IIとIr(iPrFptz)3を共蒸着し、第1の発光層1113a上に第2の発光層1113bを形成した。ここで、mDBTTPt−IIとIr(iPrFptz)3の重量比は、1:0.08(=mDBTTPt−II:Ir(iPrFptz)3)となるように調節した。また、第2の発光層1113bの膜厚は10nmとした。
次に、第2の発光層1113b上にmDBTTPt−IIを膜厚10nmとなるように成膜し、第1の電子輸送層1114aを形成した。
次に、第1の電子輸送層1114a上に、Alqを膜厚10nmとなるように成膜し、第2の電子輸送層1114bを形成した。
その後、第2の電子輸送層1114b上にBPhenを膜厚15nmとなるように成膜し、第3の電子輸送層1114cを形成した。
さらに、第3の電子輸送層1114c上に、LiFを1nmの膜厚で蒸着し、電子注入層1115を形成した。
最後に、陰極として機能する第2の電極1103として、アルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着することで、本実施例の発光素子10を作製した。
なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
以上により得られた発光素子10の素子構造を表11に示す。
発光素子10を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子10の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子10の電流密度−輝度特性を図42に示す。図42において、横軸は、電流密度(mA/cm2)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、電圧−輝度特性を図43に示す。図43において、横軸は電圧(V)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、輝度−電流効率特性を図44に示す。図44において、横軸は輝度(cd/m2)を、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。また、発光素子10における輝度830cd/m2のときの電圧(V)、電流密度(mA/cm2)、CIE色度座標(x、y)、電流効率(cd/A)、外部量子効率(%)を表12に示す。
表12に示す通り、830cd/m2の輝度の時の発光素子10のCIE色度座標は(x,y)=(0.10,0.29)であった。発光素子10は、Ir(iPrFptz)3に由来する発光が得られたことがわかった。本実施例の発光素子は、三重項励起エネルギーが大きいトリアゾール誘導体を用いているため、短波長の青色系発光を示すIr(iPrFptz)3を効率よく発光させることができることがわかる。本発明の一態様を適用することにより、短波長の発光を示す燐光性化合物であるIr(iPrFptz)3を効率良く発光させることができると示された。
≪合成例5≫
本実施例では、実施の形態1で構造式(209)に示した、本発明の一態様のトリアゾール誘導体である、3−{3−[3−(ジベンゾフラン−4−イル)フェニル]フェニル}−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン(略称:mDBFPTPt−II)の合成方法について説明する。
mDBFPTPt−IIの合成スキームを(G−1)に示す。
100mL三口フラスコに3−(3−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン1.1g(3.0mmol)、3−(ジベンゾフラン−4−イル)フェニルボロン酸0.87g(3.0mmol)、トリ(オルト−トリル)ホスフィン0.13g(0.43mmol)、トルエン30mL、エタノール3mL、2Mの炭酸カリウム水溶液3mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌することで脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、酢酸パラジウム(II)15mg(66μmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、80℃で6時間攪拌した。攪拌後、得られた混合物に水を加え、クロロホルムで水層から有機物を抽出した。得られた抽出溶液と有機層とを合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=4:1)で精製し油状物を得た。得られた油状物にメタノールを加え、超音波を照射し、析出した固体を吸引濾過により回収したところ、目的物の白色粉末を収量1.3g、収率82%で得た。
得られた目的物の白色粉末1.3gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力3.9Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、白色粉末を300℃で加熱して行った。昇華精製後、目的物の白色粉末を収量0.95g、収率72%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物であるmDBFPTPt−IIであることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(CDCl3、300MHz):δ=7.29−7.49(m、5H)、7.56(d、J=7.8Hz、1H)、7.61−7.79(m、8H)、7.93−8.01(m、4H)、8.06(s、1H)、8.16−8.17(m、1H)、8.38(dd、J=7.5Hz、1.5Hz、1H)、8.43(dd、J=8.4Hz、1.2Hz、1H)、8.87(dd、J=7.5Hz、1.8Hz、1H)。
また、1H NMRチャートを図45に示す。なお、図45(B)は、図45(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、mDBFPTPt−IIのトルエン溶液の吸収スペクトルを図46(A)に、発光スペクトルを図46(B)にそれぞれ示す。また、mDBFPTPt−IIの薄膜の吸収スペクトルを図47(A)に、発光スペクトルを図47(B)にそれぞれ示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着してサンプルを作製した。吸収スペクトルに関して、溶液については石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示し、薄膜については石英基板の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示した。図46(A)及び図47(A)において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表し、図46(B)及び図47(B)において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では、282、及び314nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは、371nm(励起波長315nm)であった。また、薄膜の場合では、204、258、272、303及び315nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは374及び386nm(励起波長316nm)であった。
≪合成例6≫
本実施例では、実施の形態1で構造式(301)に示した、本発明の一態様のトリアゾール誘導体である、3−[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン(略称:mCzTPt)の合成方法について説明する。
mCzTPtの合成スキームを(H−1)に示す。
200mL3口フラスコに3−(3−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン1.4g(3.8mmol)、9H−カルバゾール0.72g(4.3mmol)、18−クラウン−6−エーテル0.17g(0.64mmol)、炭酸カリウム1.2g(8.4mmol)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)3mLを加えた。この混合物に、ヨウ化銅(I)93mg(0.49mmol)を加え、窒素気流下、180℃で19時間攪拌した。攪拌後、この混合物を室温まで冷却し、クロロホルムを加えた。この有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=5:1)により精製し、さらにトルエンで再結晶したところ、目的物の白色粉末を収量1.2g、収率69%で得た。
得られた目的物の白色粉末1.2gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.2Pa、アルゴン流量10mL/minの条件で、白色粉末を290℃で加熱して行った。昇華精製後目的物の白色粉末を収量0.56g、収率46%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物であるmCzTPtであることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(CDCl3、300MHz):δ=7.30(td、J=7.8Hz、1.2Hz、2H)、7.38−7.59(m、6H)、7.70−7.93(m、7H)、8.14(d、J=7.8Hz、2H)、8.39(dd、J=7.8Hz、1.5Hz、1H)、8.48(dd、J=7.8Hz、1.5Hz、1H)、8.86(dd、J=7.2Hz、2.1Hz、1H)。
また、1H NMRチャートを図48に示す。なお、図48(B)は、図48(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、mCzTPtのトルエン溶液の吸収スペクトルを図49(A)に、発光スペクトルを図49(B)にそれぞれ示す。また、mCzTPtの薄膜の吸収スペクトルを図50(A)に、発光スペクトルを図50(B)にそれぞれ示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着してサンプルを作製した。吸収スペクトルに関して、溶液については石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示し、薄膜については石英基板の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示した。図49(A)及び図50(A)において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表し、図49(B)及び図50(B)において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では、282、及び338nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは、346、及び360nm(励起波長325nm)であった。また、薄膜の場合では、216、243、281、295、327、及び341nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは380nm(励起波長342nm)であった。
≪合成例7≫
本実施例では、実施の形態1で構造式(600)に示した、本発明の一態様のトリアゾール誘導体である、3−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン(略称:CzTIq)の合成方法について説明する。
CzTIqの合成スキームを(I−1)に示す。
200mL3口フラスコに3−(4−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン1.6g(5.0mmol)、9H−カルバゾール0.92g(5.5mmol)、18−クラウン−6−エーテル0.19g(0.72mmol)、炭酸カリウム1.4g(10mmol)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)3mLを加えた。この混合物に、ヨウ化銅(I)58mg(0.31mmol)を加え、窒素気流下、180℃で6時間攪拌した。攪拌後、この混合物を100℃まで冷却し、トルエンを加えた。この混合物を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=4:1)により精製し、さらにトルエンで再結晶したところ、目的物の白色粉末を収量1.5g、収率70%で得た。
得られた目的物の白色粉末1.4gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力3.1Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、白色粉末を260℃で加熱して行った。昇華精製後目的物の白色粉末を収量1.2g、収率84%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物であるCzTIqであることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(CDCl3、300MHz):δ=7.18(d、J=7.2Hz、1H)、7.34(td、J=7.8Hz、1.2Hz、2H)、7.47(td、J=6.9Hz、1.2Hz、2H)、7.54(d、J=8.4Hz、2H)、7.73−7.87(m、5H)、8.10−8.19(m、5H)、8.85(dd、J=6.3Hz、1.8Hz、1H)。
また、1H NMRチャートを図51に示す。なお、図51(B)は、図51(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、CzTIqのトルエン溶液の吸収スペクトルを図52(A)に、発光スペクトルを図52(B)にそれぞれ示す。また、CzTIqの薄膜の吸収スペクトルを図53(A)に、発光スペクトルを図53(B)にそれぞれ示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着してサンプルを作製した。吸収スペクトルに関して、溶液については石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示し、薄膜については石英基板の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示した。図52(A)及び図53(A)において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表し、図52(B)及び図53(B)において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では、281、292、326、及び336nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは、368、及び385nm(励起波長340nm)であった。また、薄膜の場合では、204、245、285、333、及び343nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは390、399nm(励起波長343nm)であった。
≪合成例8≫
本実施例では、実施の形態1で構造式(601)に示した、本発明の一態様のトリアゾール誘導体である、3−[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン(略称:mCzTIq)、及び実施の形態1で構造式(742)に示した、本発明の一態様の複素環化合物である、3−(3−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリンの合成方法について説明する。
<ステップ1:N’−(3−ブロモベンゾイル)−N−(1−イソキノリル)ヒドラジンの合成>
ステップ1の合成スキームを(J−1)に示す。
200mL三口フラスコに1−クロロイソキノリン3.3g(20mmol)、3−ブロモベンゾイルヒドラジン4.3g(20mmol)、パラ−キシレン80mLを加えた。この混合物を窒素気流下、150℃で14時間還流した。所定時間経過後、この混合物を室温まで冷却し、析出した固体を吸引濾過により回収した。得られた固体をトルエン、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄した。この固体を乾燥したところ、目的物の淡黄色粉末を収量6.2g、収率90%で得た。
<ステップ2:3−(3−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリンの合成>
ステップ2の合成スキームを(J−2)に示す。
500mL三口フラスコにN’−(3−ブロモベンゾイル)−N−(1−イソキノリル)ヒドラジン6.2g(18mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)200mLを加えた。この混合物を、窒素気流下、120℃で9時間攪拌した。所定時間経過後、この混合物を室温まで冷却し、クロロホルムと水を加え、水層から有機物をクロロホルムで抽出した。得られた抽出溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水により洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=10:1)で精製し固体を得た。この固体のメタノール懸濁液に超音波を照射し、固体を吸引濾過により回収したところ、目的物の白色粉末を収量5.5g、収率92%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である3−(3−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリンであることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ=7.38(d、J=7.5Hz、1H)、7.61(t、J=7.8Hz、1H)、7.75−7.87(m、3H)、7.92−8.02(m、2H)、8.09−8.10(m、1H)、8.30(d、J=7.2Hz、1H)、8.56−8.61(m、1H)。
また、1H NMRチャートを図54に示す。なお、図54(B)は、図54(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
<ステップ3:3−[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン(略称:mCzTIq)の合成>
ステップ3の合成スキームを(J−3)に示す。
200mL3口フラスコにステップ2で合成した3−(3−ブロモフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン1.6g(5.0mmol)、9H−カルバゾール0.92g(5.5mmol)、18−クラウン−6−エーテル0.16g(0.61mmol)、炭酸カリウム1.4g(10mmol)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)3mLを加えた。この混合物に、ヨウ化銅(I)82mg(0.43mmol)を加え、窒素気流下、180℃で6時間攪拌した。攪拌後、この混合物を室温まで冷却し、クロロホルムを加えた。この有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=5:1)により精製し、固体を得た。得られた固体のメタノール懸濁液に超音波を照射し、固体を吸引濾過により回収し、さらにこの固体をトルエンで再結晶したところ、目的物の白色粉末を収量1.6g、収率78%で得た。
得られた目的物の白色粉末1.6gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.6Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、白色粉末を270℃で加熱して行った。昇華精製後目的物の白色粉末を収量1.4g、収率86%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物であるmCzTIqであることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(CDCl3、300MHz):δ=7.12(d、J=7.5Hz、1H)、7.32(td、J=7.8Hz、0.9Hz、2H)、7.42−7.52(m、4H)、7.68−7.89(m、5H)、7.98−8.01(m、1H)、8.05(d、J=7.5Hz、1H)、8.09−8.10(m、1H)、8.17(d、J=7.8Hz、2H)、8.82(d、J=8.4Hz、1H)。
また、1H NMRチャートを図55に示す。なお、図55(B)は、図55(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、mCzTIqのトルエン溶液の吸収スペクトルを図56(A)に、発光スペクトルを図56(B)にそれぞれ示す。また、mCzTIqの薄膜の吸収スペクトルを図57(A)に、発光スペクトルを図57(B)にそれぞれ示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着してサンプルを作製した。吸収スペクトルに関して、溶液については石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示し、薄膜については石英基板の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示した。図56(A)及び図57(A)において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表し、図56(B)及び図57(B)において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では、281、324、及び337nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは、371、及び357nm(励起波長339nm)であった。また、薄膜の場合では、206、246、284、329、及び340nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは377nm(励起波長340nm)であった。
≪合成例9≫
本実施例では、実施の形態1で構造式(1005)に示した、本発明の一態様のトリアゾール誘導体である、7−[4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−3−フェニル−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン(略称:3Ph−7DBTPTPt−II)、及び実施の形態1で構造式(905)に示した、本発明の一態様の複素環化合物である、7−ブロモ−3−フェニル−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジンの合成方法について説明する。
<ステップ1:N’−ベンゾイル−N−(2−ブロモフェナントリジン−6−イル)ヒドラジンの合成>
ステップ1の合成スキームを(K−1)に示す。
200mL三口フラスコに2−ブロモ−6−クロロフェナントリジン3.2g(11mmol)、ベンゾイルヒドラジン1.8g(13mmol)、パラ−キシレン45mLを加えた。この混合物を窒素気流下、160℃で6時間還流した。所定時間経過後、この混合物を100℃まで降温し、トルエンを100mL加えた。この混合物を室温に冷却し、析出した固体を吸引濾過により回収した。得られた固体をトルエン、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、メタノールで洗浄した。この固体を乾燥したところ、目的物の淡黄色粉末を得た。さらに、得られた有機溶液を濃縮し、得られた固体をトルエン、メタノールで洗浄したところ、目的物の淡黄色粉末を得た。これらの操作により、目的物の淡黄色粉末を全量で収量4.0g、収率92%で得た。
<ステップ2:7−ブロモ−3−フェニル−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジンの合成>
ステップ2の合成スキームを(K−2)に示す。
500mL三口フラスコにN’−ベンゾイル−N−(2−ブロモフェナントリジン−6−イル)ヒドラジン4.0g(10mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド200mLを加えた。この混合物を、窒素気流下、120℃で6時間攪拌した。所定時間経過後、この混合物を室温まで冷却し、クロロホルムと水を加え、水層から有機物をクロロホルムで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水により洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=4:1)で精製し固体を得た。この固体のメタノール懸濁液に超音波を照射し、固体を吸引濾過により回収したところ、目的物の白色粉末を収量2.9g、収率75%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である7−ブロモ−3−フェニル−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジンであることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(CDCl3、300MHz):δ=7.40(s、2H)、7.58−7.80(m、7H)、8.29−8.32(m、1H)、8.54(s、1H)、8.83−8.86(m、1H)。
また、1H NMRチャートを図58に示す。なお、図58(B)は、図58(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
<ステップ3:7−[4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−3−フェニル−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン(略称:3Ph−7DBTPTPt−II)の合成>
ステップ3の合成スキームを(K−3)に示す。
100mL三口フラスコにステップ2で合成した7−ブロモ−3−フェニル−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン0.94g(2.5mmol)、4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニルボロン酸0.84g(2.8mmol)、トルエン25mL、エタノール3mL、2Mの炭酸カリウム水溶液3mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌することで脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)71mg(62μmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、80℃で8時間攪拌した。攪拌後、得られた混合物に水を加え、クロロホルムで水層から有機物を抽出した。得られた抽出溶液と有機層とを合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体にメタノールを加え、超音波を照射し、析出した固体を吸引濾過により回収した。この固体をアルミナカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=10:1)で精製し、さらにトルエンにより再結晶したところ、目的物の白色粉末を収量0.74g、収率53%で得た。
得られた目的物の白色粉末0.68gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.6Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、白色粉末を330℃で15時間加熱して行った。昇華精製後、目的物の白色粉末を収量0.59g、収率87%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である3Ph−7DBTPTPt−IIであることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(CDCl3、300MHz):δ=7.46−7.70(m、9H)、7.72−7.91(m、9H)、8.18−8.24(m、2H)、8.51(d、J=7.2Hz、1H)、8.72(d、J=1.5Hz、1H)、8.89(dd、J=7.2Hz、1.5Hz、1H)。
また、1H NMRチャートを図59に示す。なお、図59(B)は、図59(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、3Ph−7DBTPTPt−IIのトルエン溶液の吸収スペクトルを図60(A)に、発光スペクトルを図60(B)にそれぞれ示す。また、3Ph−7DBTPTPt−IIの薄膜の吸収スペクトルを図61(A)に、発光スペクトルを図61(B)にそれぞれ示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着してサンプルを作製した。吸収スペクトルに関して、溶液については石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示し、薄膜については石英基板の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示した。図60(A)及び図61(A)において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表し、図60(B)及び図61(B)において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では、286及び334nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは、363nm(励起波長336nm)であった。また、薄膜の場合では、242、264、292、及び340nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは390nm(励起波長346nm)であった。
≪合成例10≫
本実施例では、実施の形態1で構造式(1014)に示した、本発明の一態様のトリアゾール誘導体である、7−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−3−フェニル−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン(略称:3Ph−7mDBTPTPt−II)の合成方法について説明する。
3Ph−7mDBTPTPt−IIの合成スキームを(L−1)に示す。
100mL三口フラスコに7−ブロモ−3−フェニル−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン0.94g(2.5mmol)、3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニルボロン酸0.87g(2.9mmol)、トルエン25mL、エタノール3mL、2Mの炭酸カリウム水溶液3mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌することで脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)87mg(75μmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、100℃で7時間攪拌した。攪拌後、得られた混合物に水を加え、トルエンで水層から有機物を抽出した。得られた抽出溶液と有機層とを合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して油状物を得た。得られた油状物をアルミナカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=10:1)で精製し、油状物を得た。この油状物を高速液体カラムクロマトグラフィーにより精製した。高速液体カラムクロマトグラフィーはクロロホルムを展開溶媒に用いることにより行った。得られたフラクションを濃縮して油状物を得た。この油状物にメタノールを加えて超音波を照射し、析出した固体を吸引濾過により濾取したところ、目的物である白色粉末を収量0.92g、収率66%で得た。
得られた目的物の白色粉末0.89gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.8Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、白色粉末を310℃で加熱して行った。昇華精製後、目的物の白色粉末を収量0.76g、収率85%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である3Ph−7mDBTPTPt−IIであることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(CDCl3、300MHz):δ=7.47−7.86(m、17H)、8.05−8.06(m、1H)、8.18−8.22(m、2H)、8.47(dd、J=7.2Hz、1.8Hz、1H)、8.70(s、1H)、8.87(dd、J=7.5Hz、1.5Hz、1H)。
また、1H NMRチャートを図62に示す。なお、図62(B)は、図62(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、3Ph−7mDBTPTPt−IIのトルエン溶液の吸収スペクトルを図63(A)に、発光スペクトルを図63(B)にそれぞれ示す。また、3Ph−7mDBTPTPt−IIの薄膜の吸収スペクトルを図64(A)に、発光スペクトルを図64(B)にそれぞれ示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着してサンプルを作製した。吸収スペクトルに関して、溶液については石英セルにトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示し、薄膜については石英基板の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを示した。図63(A)及び図64(A)において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表し、図63(B)及び図64(B)において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では、282及び329nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは、352、及び364nm(励起波長331nm)であった。また、薄膜の場合では、250、266、287、及び335nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは373nm(励起波長335nm)であった。
≪合成例11≫
本実施例では、実施の形態1で構造式(900)に示した、本発明の一態様の複素環化合物である、7−ブロモ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジンの合成方法について説明する。
7−ブロモ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジンの合成スキームを(M−1)に示す。
500mL三口フラスコに2−ブロモ−6−クロロフェナントリジン2.6g(8.9mmol)、ホルミルヒドラジン0.65g(11mmol)、パラ−キシレン36mLを加えた。この混合物を、窒素気流下、120℃で8時間攪拌し、160℃で12時間還流した。還流後、この混合物を室温まで冷却し、トルエン100mL、水50mLを加え、固体を吸引濾過し、メタノールで洗浄して固体を得た。また、得られた濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水により洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。これらの得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=4:1)で精製し、さらにトルエンにより再結晶したところ、目的物の白色粉末を収量1.1g、収率40%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である7−ブロモ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジンであることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(CDCl3、300MHz):δ=7.73−7.85(m、4H)、8.33(dd、7.2Hz、2.1Hz、1H)、8.59(d、2.1Hz、1H)、8.79(dd、7.2Hz,2.1Hz、1H)、9.18(s、1H)。
また、1H NMRチャートを図65に示す。なお、図65(B)は、図65(A)における7.0ppm〜9.5ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子について、図22(D)を用いて説明する。本実施例で用いた材料の化学式を以下に示す。なお、既に示した材料については省略する。
以下に、本実施例の発光素子11の作製方法を示す。
(発光素子11)
まず、ガラス基板1100上に、ITSOをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極1101を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
当該基板1100上に発光素子を形成するための前処理としては、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板1100を30分程度放冷した。
次に、第1の電極1101が形成された面が下方となるように、第1の電極1101が形成された基板1100を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極1101上に、CBPと酸化モリブデン(VI)を共蒸着することで、正孔注入層1111を形成した。その膜厚は、60nmとし、CBPと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:2(=CBP:酸化モリブデン)となるように調節した。
次に、正孔注入層1111上に、BPAFLPを30nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層1112を形成した。
さらに、実施例12にて合成した3−[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン(略称:mCzTPt)、及びIr(ppy)3を共蒸着し、正孔輸送層1112上に発光層1113を形成した。ここで、mCzTPt、及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.08(=mCzTPt:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、発光層1113の膜厚は30nmとした。
次に、発光層1113上に、実施例1にて合成したDBTTPt−IIを膜厚15nmとなるように成膜し、第1の電子輸送層1114aを形成した。
その後、第1の電子輸送層1114a上に、BPhenを膜厚15nmとなるように成膜し、第2の電子輸送層1114bを形成した。
さらに、第2の電子輸送層1114b上に、LiFを1nmの膜厚で蒸着し、電子注入層1115を形成した。
最後に、陰極として機能する第2の電極1103として、アルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着することで、本実施例の発光素子11を作製した。
なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
以上により得られた発光素子11の素子構造を表13に示す。
発光素子11を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子11の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子11の電流密度−輝度特性を図66に示す。図66において、横軸は、電流密度(mA/cm2)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、電圧−輝度特性を図67に示す。図67において、横軸は電圧(V)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、輝度−電流効率特性を図68に示す。図68において、横軸は輝度(cd/m2)を、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。また、発光素子11における輝度980cd/m2のときの電圧(V)、電流密度(mA/cm2)、CIE色度座標(x、y)、電流効率(cd/A)、外部量子効率(%)を表14に示す。
表14に示す通り、980cd/m2の輝度の時の発光素子11のCIE色度座標は(x,y)=(0.33,0.62)であった。発光素子11はIr(ppy)3に由来する発光が得られたことがわかった。
図66〜68、及び表14から、発光素子11は、電流効率が高い発光素子であることが確認できた。また、低電圧で駆動可能な発光素子であることが確認できた。
以上、示したように、実施例1、12で合成した本発明の一態様のトリアゾール誘導体を発光層のホスト材料、及び電子輸送層の材料として用いることで、電流効率が高く、低電圧で駆動可能な発光素子を作製することができた。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子について、図22(B)を用いて説明する。本実施例で用いた材料の化学式を以下に示す。なお、既に示した材料については省略する。
以下に、本実施例の発光素子12の作製方法を示す。
(発光素子12)
まず、実施例18で作製した発光素子11と同様の条件で、ガラス基板1100上に、第1の電極1101、及び正孔注入層1111を形成した。
次に、正孔注入層1111上に、mCPを20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層1112を形成した。
さらに、実施例12にて合成したmCzTPtとトリス[3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz1−mp)3)を共蒸着し、正孔輸送層1112上に第1の発光層1113aを形成した。その膜厚は、30nmとし、mCzTPtとIr(Mptz1−mp)3の比率は、重量比で1:0.08(=mCzTPt:Ir(Mptz1−mp)3)となるように調節した。
そして、実施例1にて合成したDBTTPt−IIとIr(Mptz1−mp)3を共蒸着し、第1の発光層1113a上に第2の発光層1113bを形成した。ここで、DBTTPt−IIとIr(Mptz1−mp)3の重量比は、1:0.08(=DBTTPt−II:Ir(Mptz1−mp)3)となるように調節した。また、第2の発光層1113bの膜厚は10nmとした。
次に、第2の発光層1113b上に、BPhenを膜厚15nmとなるように成膜し、電子輸送層1114を形成した。
その後、電子輸送層1114上に、LiFを1nmの膜厚で蒸着し、電子注入層1115を形成した。
最後に、陰極として機能する第2の電極1103として、アルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着することで、本実施例の発光素子12を作製した。
なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
以上により得られた発光素子12の素子構造を表15に示す。
発光素子12を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子12の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子12の電流密度−輝度特性を図69に示す。図69において、横軸は、電流密度(mA/cm2)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、電圧−輝度特性を図70に示す。図70において、横軸は電圧(V)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、輝度−電流効率特性を図71に示す。図71において、横軸は輝度(cd/m2)を、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。また、発光素子12における輝度520cd/m2のときの電圧(V)、電流密度(mA/cm2)、CIE色度座標(x、y)、電流効率(cd/A)、外部量子効率(%)を表16に示す。
表16に示す通り、520cd/m2の輝度の時の発光素子12のCIE色度座標は(x,y)=(0.19,0.33)であった。発光素子12は、Ir(Mptz1−mp)3に由来する発光が得られたことがわかった。本実施例の発光素子は、三重項励起エネルギーが大きいトリアゾール誘導体を用いているため、短波長の青色系発光を示すIr(Mptz1−mp)3を効率よく発光させることができることがわかる。本発明の一態様を適用することにより、短波長の発光を示す燐光性化合物であるIr(Mptz1−mp)3を効率良く発光させることができると示された。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子について、図22(D)を用いて説明する。本実施例で用いた材料の化学式を以下に示す。なお、既に示した材料については省略する。
以下に、本実施例の発光素子13、14の作製方法を示す。
(発光素子13)
まず、実施例18で作製した発光素子11と同様の条件で、ガラス基板1100上に、第1の電極1101、正孔注入層1111、及び正孔輸送層1112を形成した。ただし、正孔輸送層1112の膜厚は、20nmとした。
次に、実施例13にて合成した3−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン(略称:CzTIq)とIr(ppy)3を共蒸着し、正孔輸送層1112上に発光層1113を形成した。その膜厚は、30nmとし、CzTIqとIr(ppy)3の比率は、重量比で1:0.08(=CzTIq:Ir(ppy)3)となるように調節した。
次に、発光層1113上に、mDBTBIm−IIを膜厚15nmとなるように成膜し、第1の電子輸送層1114aを形成した。
その後、第1の電子輸送層1114a上に、BPhenを膜厚15nmとなるように成膜し、第2の電子輸送層1114bを形成した。
さらに、第2の電子輸送層1114b上に、LiFを1nmの膜厚で蒸着し、電子注入層1115を形成した。
最後に、陰極として機能する第2の電極1103として、アルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着することで、本実施例の発光素子13を作製した。
なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
(発光素子14)
発光素子14の発光層1113は、実施例14にて合成した3−[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン(略称:mCzTIq)、及びIr(ppy)3を共蒸着することで形成した。ここで、mCzTIq、及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.08(=mCzTIq:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、発光層1113の膜厚は30nmとした。発光層1113以外は発光素子13と同様に作製した。
以上により得られた発光素子13、14の素子構造を表17に示す。
発光素子13、14を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子13、14の電流密度−輝度特性を図72に示す。図72において、横軸は、電流密度(mA/cm2)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、電圧−輝度特性を図73に示す。図73において、横軸は電圧(V)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、輝度−電流効率特性を図74に示す。図74において、横軸は輝度(cd/m2)を、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。また、各発光素子における輝度1000cd/m2付近のときの電圧(V)、電流密度(mA/cm2)、CIE色度座標(x、y)、電流効率(cd/A)、外部量子効率(%)を表18に示す。
表18に示す通り、900cd/m2の輝度の時の発光素子13のCIE色度座標は(x,y)=(0.34,0.62)であった。1200cd/m2の輝度の時の発光素子14のCIE色度座標は(x,y)=(0.33,0.62)であった。これらの発光素子は全て、Ir(ppy)3に由来する発光が得られたことがわかった。
図72〜74及び表18から、発光素子13、14は、電流効率が高く、低電圧で駆動可能な発光素子であることが確認できた。
以上、示したように、実施例13、14で合成した本発明の一態様のトリアゾール誘導体を発光層のホスト材料として用いることで、電流効率が高く、低電圧で駆動可能な発光素子を作製することができた。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子について、図22(A)を用いて説明する。本実施例で用いた材料の化学式を以下に示す。なお、既に示した材料については省略する。
以下に、本実施例の発光素子15、16の作製方法を示す。
(発光素子15)
まず、ガラス基板1100上に、ITSOをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極1101を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
当該基板1100上に発光素子を形成するための前処理としては、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板1100を30分程度放冷した。
次に、第1の電極1101が形成された面が下方となるように、第1の電極1101が形成された基板1100を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極1101上に、BPAFLPと酸化モリブデン(VI)を共蒸着することで、正孔注入層1111を形成した。その膜厚は、50nmとし、BPAFLPと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:2(=BPAFLP:酸化モリブデン)となるように調節した。
次に、正孔注入層1111上に、BPAFLPを20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層1112を形成した。
さらに、実施例15にて合成した7−[4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−3−フェニル−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン(略称:3Ph−7DBTPTPt−II)、PCBA1BP、及びIr(ppy)3を共蒸着し、正孔輸送層1112上に第1の発光層1113aを形成した。ここで、3Ph−7DBTPTPt−II、PCBA1BP、及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.3:0.06(=3Ph−7DBTPTPt−II:PCBA1BP:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、第1の発光層1113aの膜厚は20nmとした。
次に、第1の発光層1113a上に、3Ph−7DBTPTPt−II及びIr(ppy)3を共蒸着し、第2の発光層1113bを形成した。ここで、3Ph−7DBTPTPt−II及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.06(=3Ph−7DBTPTPt−II:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、第2の発光層1113bの膜厚は20nmとした。
さらに、第2の発光層1113b上に、3Ph−7DBTPTPt−IIを膜厚15nmとなるように成膜し、第1の電子輸送層1114aを形成した。
その後、第1の電子輸送層1114a上に、BPhenを膜厚15nmとなるように成膜し、第2の電子輸送層1114bを形成した。
さらに、第2の電子輸送層1114b上に、LiFを1nmの膜厚で蒸着し、電子注入層1115を形成した。
最後に、陰極として機能する第2の電極1103として、アルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着することで、本実施例の発光素子15を作製した。
なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
(発光素子16)
発光素子16の第1の発光層1113aは、実施例16にて合成した7−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−3−フェニル−1,2,4−トリアゾロ[4,3−f]フェナントリジン(略称:3Ph−7mDBTPTPt−II)、PCBA1BP、及びIr(ppy)3を共蒸着することで形成した。ここで、3Ph−7mDBTPTPt−II、PCBA1BP、及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.3:0.06(=3Ph−7mDBTPTPt−II:PCBA1BP:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、第1の発光層1113aの膜厚は20nmとした。
さらに、発光素子16の第2の発光層1113bは、3Ph−7mDBTPTPt−II及びIr(ppy)3を共蒸着することで形成した。ここで、3Ph−7mDBTPTPt−II及びIr(ppy)3の重量比は、1:0.06(=3Ph−7mDBTPTPt−II:Ir(ppy)3)となるように調節した。また、第2の発光層1113bの膜厚は20nmとした。
そして、発光素子16の第1の電子輸送層1114aは、3Ph−7mDBTPTPt−IIを膜厚15nmとなるように成膜することで形成した。第1の発光層1113a、第2の発光層1113b、及び第1の電子輸送層1114a以外は発光素子15と同様に作製した。
以上により得られた発光素子15、16の素子構造を表19に示す。
発光素子15、16を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子15、16の電流密度−輝度特性を図75に示す。図75において、横軸は、電流密度(mA/cm2)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、電圧−輝度特性を図76に示す。図76において、横軸は電圧(V)を、縦軸は輝度(cd/m2)を表す。また、輝度−電流効率特性を図77に示す。図77において、横軸は輝度(cd/m2)を、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。また、各発光素子における輝度1200cd/m2のときの電圧(V)、電流密度(mA/cm2)、CIE色度座標(x、y)、電流効率(cd/A)、外部量子効率(%)を表20に示す。
表20に示す通り、1200cd/m2の輝度の時、発光素子15、16のCIE色度座標はどちらも(x,y)=(0.34,0.61)であった。これらの発光素子は全て、Ir(ppy)3に由来する発光が得られたことがわかった。
図75〜77、及び表20から、発光素子15、16は、電流効率が高い発光素子であることが確認できた。また、低電圧で駆動可能な発光素子であることが確認できた。
以上、示したように、実施例15、16で合成した本発明の一態様のトリアゾール誘導体を発光層のホスト材料、及び電子輸送層の材料として用いることで、電流効率が高く、低電圧で駆動可能な発光素子を作製することができた。
(参考例1)
上記実施例で用いた、3−[4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−4,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール(略称:DBTTAZ−II)の合成方法について説明する。DBTTAZ−IIの構造を以下に示す。
DBTTAZ−IIの合成スキームを(a−1)に示す。
300mL三口フラスコに3−(4−ブロモフェニル)−4,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール1.9g(5.3mmol)、ジベンゾチオフェン−4−ボロン酸1.3g(5.8mmol)、トリ(オルト−トリル)ホスフィン0.17g(0.56mmol)、エチレングリコールジメチルエーテル50mL、2Mの炭酸カリウム水溶液5mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌することで脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、酢酸パラジウム(II)29mg(0.13mmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、80℃で4時間攪拌した。所定時間経過後、この混合物に水を加え、水層から有機物をトルエンにより抽出した。得られた抽出溶液と有機層とを合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。このとき、展開溶媒は、クロロホルムと酢酸エチルの混合溶媒(クロロホルム:酢酸エチル=6:1)とした。さらにトルエンにより再結晶したところ、目的物の白色粉末を収量2.3g、収率89%で得た。
得られた目的物の白色粉末2.3gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力10Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、白色粉末を250℃で加熱して行った。昇華精製後、白色粉末を1.5g、収率65%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である3−[4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−4,5−ジフェニル−4H−トリアゾール(略称:DBTTAZ−II)であることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(DMSO−d6、300MHz):δ(ppm)=7.34−7.45(m、5H)、7.52−7.66(m、11H)、7.76(d、J=8.4Hz、2H)、8.02−8.04(m、1H)、8.41−8.43(m、2H)。
(参考例2)
上記実施例で用いた4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)の合成方法について具体的に説明する。BPAFLPの構造を以下に示す。
[ステップ1:9−(4−ブロモフェニル)−9−フェニルフルオレンの合成法]
100mL三口フラスコにて、マグネシウムを1.2g(50mmol)減圧下で30分加熱撹拌し、マグネシウムを活性化させた。これを室温にまで冷ましてフラスコ内を窒素雰囲気にした後、ジブロモエタン数滴を加えて発泡、発熱するのを確認した。ここにジエチルエーテル10mL中に溶かした2−ブロモビフェニル12g(50mmol)をゆっくり滴下した後、2.5時間加熱還流撹拌してグリニヤール試薬とした。
4−ブロモベンゾフェノンを10g(40mmol)、ジエチルエーテルを100mL、を500mL三口フラスコに入れた。ここに先に合成したグリニヤール試薬をゆっくり滴下した後、9時間加熱還流撹拌した。
反応後、この混合液を濾過して濾物を得た。得られた濾物を酢酸エチル150mLに溶かし、ここに1N−塩酸を酸性になるまで加えて2時間撹拌した。この液体の有機層の部分を水で洗浄し、硫酸マグネシウムを加えて水分を取り除いた。この懸濁液を濾過し、得られた濾液を濃縮し粘性の高い物質を得た。
500mLなすフラスコに、この粘性の高い物質と、氷酢酸50mLと、塩酸1.0mLとを入れ、窒素雰囲気下、130℃で1.5時間加熱撹拌し、反応させた。
反応後、この反応混合液を濾過して濾物を得た。得られた濾物を水、水酸化ナトリウム水溶液、水、メタノールの順で洗浄したのち乾燥させ、目的物の白色粉末を収量11g、収率69%で得た。また、上記合成法の反応スキームを下記(b−1)に示す。
[ステップ2:4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)の合成法]
100mL三口フラスコへ、9−(4−ブロモフェニル)−9−フェニルフルオレンを3.2g(8.0mmol)、4−フェニル−ジフェニルアミンを2.0g(8.0mmol)、ナトリウム tert−ブトキシドを1.0g(10mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)を23mg(0.04mmol)加え、フラスコ内の雰囲気を窒素置換した。この混合物へ、脱水キシレン20mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌しながら脱気した後、トリ(tert−ブチル)ホスフィン(10wt%ヘキサン溶液)0.2mL(0.1mmol)を加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、110℃で2時間加熱撹拌し、反応させた。
反応後、この反応混合液にトルエン200mLを加え、この懸濁液をフロリジール(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:540−00135)、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)を通して濾過した。得られた濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 トルエン:ヘキサン=1:4)による精製を行った。得られたフラクションを濃縮し、アセトンとメタノールを加えて超音波をかけたのち、再結晶したところ、目的物の白色粉末を収量4.1g、収率92%で得た。また、上記合成法の反応スキームを下記(b−2)に示す。
シリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)でのRf値(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=1:10)は、目的物は0.41、9−(4−ブロモフェニル)−9−フェニルフルオレンは0.51、4−フェニル−ジフェニルアミンは0.27だった。
上記ステップ2で得られた化合物を核磁気共鳴法(NMR)により測定した。以下に測定データを示す。測定結果から、フルオレン誘導体であるBPAFLPが得られたことがわかった。
1H NMR(CDCl3,300MHz):δ(ppm)=6.63−7.02(m,3H),7.06−7.11(m,6H),7.19−7.45(m,18H),7.53−7.55(m,2H),7.75(d、J=6.9,2H)。
(参考例3)
上記実施例で用いた、トリス(5−メチル−3,4−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz)3)の合成方法について説明する。
<ステップ1;3−メチル−4,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール(略称:HMptz)の合成>
まず、チオアセトアニリド5.04g、ベンゾイルヒドラジン5.44g、1−ブタノール50mLを、還流管を付けた丸底フラスコに入れ、内部をアルゴン置換した。この反応容器にマイクロ波(2.45GHz 100W)を2時間45分間照射することで加熱した。その後、この溶液に水を加え、ジクロロメタンにて有機層を抽出した。得られた有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥した後の溶液を濾過した。この溶液の溶媒を留去し、得られた残渣を、酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、3−メチル−4,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール(略称:HMptz)を得た(淡黄色の粉末、収率18%)。ステップ1の合成スキームを下記(c−1)に示す。
<ステップ2;トリス(5−メチル−3,4−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz)3)の合成>
次に、上記ステップ1で得られた配位子HMptz1.40g、トリス(アセチルアセトナト)イリジウム(III)0.58gを、三方コックを付けた反応容器に入れ、反応容器内をアルゴン置換した。その後、250℃にて17時間30分間加熱し、反応させた。反応物をジクロロメタンに溶解し、この溶液を濾過した。得られた濾液の溶媒を留去し、酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。さらに、ジクロロメタンとヘキサンの混合溶媒にて再結晶し、目的物である有機金属錯体Ir(Mptz)3を得た(黄色粉末、収率22%)。ステップ2の合成スキームを下記(c−2)に示す。
上記ステップ2で得られた黄色粉末の核磁気共鳴分光法(1H−NMR)による分析結果を下記に示す。この結果から、有機金属錯体Ir(Mptz)3が得られたことがわかった。
1H−NMR.δ(CDCl3):2.17(s,9H),6.38(d,3H),6.54(t,3H),6.72(dt,3H),6.87(dd,3H),7.34(m,3H),7.51(brm,3H),7.57(m,9H).
(参考例4)
上記実施例で用いた、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm−II)の合成方法について説明する。mDBTBIm−IIの構造を以下に示す。
mDBTBIm−IIの合成スキームを(d−1)に示す。
2−(3−ブロモフェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール1.2g(3.3mmol)と、ジベンゾチオフェン−4−ボロン酸0.8g(3.3mmol)と、トリ(オルト−トリル)ホスフィン50mg(0.2mmol)を50mLの三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に2.0mmol/L炭酸カリウム水溶液3.3mLと、トルエン12mLと、エタノール4mLを加え、減圧下で攪拌することにより脱気した。この混合物に酢酸パラジウム(II)7.4mg(33μmol)を加え、窒素気流下、80℃で6時間攪拌した。
所定時間経過後、得られた混合物の水層から有機物をトルエンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過により濾別し、濾液を濃縮して油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーは、トルエンを展開溶媒に用いて行った。得られたフラクションを濃縮して油状物を得た。この油状物を高速液体カラムクロマトグラフィーにより精製した。高速液体カラムクロマトグラフィーはクロロホルムを展開溶媒に用いて行った。得られたフラクションを濃縮して油状物を得た。この油状物をトルエンとヘキサンの混合溶媒で再結晶したところ、目的物である淡黄色粉末を収量0.8g、収率51%で得た。
得られた淡黄色粉末0.8gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力3.0Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、淡黄色粉末を215℃で加熱して行った。昇華精製後、目的物の白色粉末を収量0.6g、収率82%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物であるmDBTBIm−IIであることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR(CDCl3,300MHz):δ=7.23−7.60(m,13H)、7.71−7.82(m,3H)、7.90−7.92(m,2H)、8.10−8.17(m,2H)。
(参考例5)
上記実施例で用いた、トリス[3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz1−mp)3)の合成方法について説明する。Ir(Mptz1−mp)3の構造を以下に示す。
<ステップ1;N−(1−エトキシエチリデン)ベンズアミドの合成>
まず、アセトイミド酸エチル塩酸塩15.5g、トルエン150mL、トリエチルアミン(Et3N)31.9gを500mL三口フラスコに入れ、室温で10分間撹拌した。この混合物にベンゾイルクロリド17.7gとトルエン30mLの混合溶液を50mL滴下ロートより滴下し、室温で24時間撹拌した。所定時間経過後、反応混合物を吸引濾過し、固体をトルエンで洗浄した。得られた濾液を、濃縮してN−(1−エトキシエチリデン)ベンズアミドを得た(赤色油状物、収率82%)。ステップ1の合成スキームを下記(e−1)に示す。
<ステップ2;3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール(略称:HMptz1−mp)の合成>
次に、オルト−トリルヒドラジン塩酸塩8.68g、四塩化炭素100mL、Et3N35mLを300mLナスフラスコに入れ、室温で1時間撹拌した。所定時間経過後、この混合物に上記ステップ1で得られたN−(1−エトキシエチリデン)ベンズアミド8.72gを加えて室温で24時間撹拌した。所定時間経過後、反応混合物に水を加え、水層から有機物をクロロホルムで抽出した。この有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。得られた混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して油状物を得た。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒にはジクロロメタンを用いた。得られたフラクションを濃縮して、3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール(略称:HMptz1−mp)を得た(橙色油状物、収率84%)。ステップ2の合成スキームを下記(e−2)に示す。
<ステップ3;トリス[3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz1−mp)3)の合成>
次に、上記ステップ2で得られた配位子HMptz1−mp2.71g、トリス(アセチルアセトナト)イリジウム(III)1.06gを、三方コックを付けた反応容器に入れた。この反応容器をアルゴン置換し、250℃にて48時間加熱し、反応させた。この反応混合物をジクロロメタンに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、まず、ジクロロメタン用い、次いでジクロロメタン:酢酸エチル=10:1(体積比)の混合溶媒を用いた。得られたフラクションを濃縮して固体を得た。この固体を酢酸エチルで洗浄し、次いで、ジクロロメタンと酢酸エチルの混合溶媒にて再結晶し、有機金属錯体Ir(Mptz1−mp)3を得た(黄色粉末、収率35%)。ステップ3の合成スキームを下記(e−3)に示す。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物であるIr(Mptz1−mp)3であることを確認した。
得られた化合物の1H NMRデータを以下に示す。
1H NMR.δ(CDCl3):1.94−2.21(m、18H)、6.47−6.76(m、12H)、7.29−7.52(m、12H)。