JP5772945B2 - 芯体、芯体の再生方法及び樹脂無端ベルトの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンター等の電子写真方式を利用した画像形成装置に用い得る樹脂無端ベルトの製造方法、及び該無端ベルトの製造方法等に好適に用いられる芯体、芯体の再生方法に関する。
画像形成装置において、感光体、帯電体、転写体、及び定着体等には、金属やプラスチック、又はゴム製の回転体が使用されているが、機器の小型化或いは高性能化のために、これら回転体は変形可能なものが好ましい場合があり、それには薄肉の樹脂ベルトが用いられる。この場合、ベルトに継ぎ目(シーム)があると、出力画像に継ぎ目に起因する欠陥が生じるので、継ぎ目がない無端ベルトが好ましい。材料としては、強度や寸法安定性、耐熱性等の面でポリイミド等の樹脂が特に好ましい。
ポリイミド樹脂で無端ベルトを作製するには、例えば、円筒体の内面にポリイミド前駆体溶液を塗布し、回転しながら乾燥させる遠心成形法(例えば、特許文献1参照)や、円筒体内面にポリイミド前駆体溶液を展開する内面塗布法(例えば、特許文献2参照)がある。
また、他のポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法として、円筒芯体の表面に、浸漬塗布法によってポリイミド前駆体溶液を塗布して乾燥し、加熱反応させた後、ポリイミド樹脂皮膜を円筒芯体から剥離する方法もある(例えば、特許文献3参照)。
これらの芯体は加熱しても変形しないことが必要であるため、材質は金属が適している。
また、このような無端ベルトを転写ベルトとして使用する場合、ベルト自体の抵抗調整が必要となる。抵抗値は高すぎると転写電界がトナーに及ばず、低すぎると部分的にリークが発生するため、転写不良をもたらす。そのため、導電性顔料を予めポリイミド前駆体溶液に添加し、分散させたものを用いる方法が一般的である。
一方、所定の抵抗が得られても、ベルト内で抵抗バラツキが存在すると、上述した理由に基づき、部分的に転写不良が生じてしまう。この抵抗バラツキはポリイミド前駆体溶液や顔料の吸湿などによっても生じるが、ベルト作製時の加熱温度ムラが大きな要因となっている。カーボン添加量が一定の場合、加熱温度が高い方が抵抗値は低くなる傾向がある。そのため、加熱炉の雰囲気温度は極力一定に保つことが望ましいが、一般に加熱炉は防爆仕様上、熱風循環式が採用されており、炉内の容積が大きくなるほど温度の均一性を持たせることは難しくなる。
このような状況に鑑みて、ベルト内の抵抗バラツキを極力小さくするには、熱伝導性の高い金属の芯体を用いることが必要となる。熱伝導度λ0(kcal/m/hr/K)は、例えば、アルミニウムが175、銅が300〜340、鉄および鋼が40〜45、マグネシウムが135、ニッケルが50である。熱伝導度からは銅が最も優れているが、これはポリイミド前駆体溶液中の溶剤によって銅の酸化が促進されるため、芯体としては適していない。次いで、熱伝導度が高い材質がアルミニウムであり、これは耐溶剤性に問題はなく、かつ入手性、経済性にも優れている。
以上のことから、転写ベルト作製用の芯体材料としては、耐熱性、耐溶剤性、熱伝導性の観点から、アルミニウム材質が適している。ただし、炉内の温度均一性が高い場合や抵抗バラツキの許容度が広い場合、またベルト自体で抵抗調整が不要などの場合においては、耐溶剤性に問題なければ、アルミニウム以外の金属を使用することができる。
一方、アルミニウムを芯体として用いると、比較的軟らかい材質であるため、皮膜を抜き取る際や、設備上に摺擦物が存在する場合、表面に傷が入りやすい欠点がある。傷が入った芯体を用いると、微小な突起や凹みが存在するベルトになってしまい、部分的な転写不良をもたらす。
そこで、アルミニウムを基体とし、表面にアルミニウムよりも硬い金属をメッキ処理することで耐久性を上げる試みがなされている(例えば、特許文献4参照)。しかし、その強度は未だ充分なものではなく、更なる改善が望まれていた。
特開昭57−74131号公報 特開昭62−19437号公報 特開昭61−273919号公報 特開2002−160239号公報
本発明は、前記従来における課題を解決することを目的とする。即ち、本発明の目的は、製造安定性に優れ、製造コストが低減できる樹脂無端ベルトの製造方法を提供することにある。
また、優れた耐久性を有する芯体の再生方法、該再生方法によって再生された芯体、及び該芯体を用い、製造安定性に優れ製造コストが低減できる樹脂無端ベルトの製造方法を提供することにある。
上記目的は、以下の方法により達成される。即ち、本発明の樹脂無端ベルトの製造に用いられる芯体は、
<1> 金属製の基体の表面に、無電解ニッケルメッキ処理を施すことによって形成されたメッキ層を有し、前記メッキ層が非晶質であり、該メッキ層表面にシリコーン系離型剤を塗布した後に加熱を行い、前記メッキ層の結晶化と、離型層の焼付け処理を同時に行った芯体である。
<2> 前記メッキ層表面のビッカース硬度が500HV以上であることを特徴とする前記<1>に記載の芯体である。
<3> 前記メッキ層の線膨張係数をαC、前記基体の線膨張係数をαBとしたとき、αC/αBが0.4以上となることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の芯体である。
<4> 前記無電解ニッケルメッキ処理を施す前に基体表面に切削加工を施し、且つ前記切削加工の際、導電率が5μS/cm以下のイオン交換水で希釈した水溶性加工油を使用することを特徴とする前記<1>〜<3>の何れか1項に記載の芯体である。
<5> 前記切削加工後、前記無電解ニッケルメッキ処理を施す前に、基体表面に残存する水溶性加工油の残油分濃度を10×10-4mg/cm2以下とすることを特徴とする前記<4>に記載の芯体である。
また、本発明の樹脂無端ベルトの製造方法は、
<6> 樹脂前駆体溶液を芯体表面に塗布し樹脂前駆体塗膜を形成する樹脂前駆体塗膜形成工程と、前記樹脂前駆体塗膜を加熱乾燥させ、加熱反応させて樹脂皮膜を形成する樹脂皮膜形成工程と、前記樹脂皮膜の全てを前記芯体から剥離する樹脂皮膜剥離工程と、を繰り返すことで樹脂無端ベルトを繰り返し製造する樹脂無端ベルトの製造方法であって、前記芯体として、前記<1>〜<5>の何れか1項に記載の芯体を用いることを特徴とする樹脂無端ベルトの製造方法である。
更に、本発明の芯体の再生方法は、
<7> 金属製の基体の表面にメッキ層が形成された芯体から前記メッキ層を剥離し、再度無電解ニッケルメッキ処理を施すことによってメッキ層を再形成する工程を有し、再形成した前記メッキ層が非晶質であり、該メッキ層表面にシリコーン系離型剤を塗布した後に加熱を行い、再形成した前記メッキ層の結晶化と、離型層の焼付け処理を同時に行っており、且つ前記芯体は、メッキ層上に樹脂前駆体溶液を塗布し加熱乾燥させて樹脂被膜を形成する工程および前記樹脂被膜の全てを剥離する工程を繰り返すことで樹脂無端ベルトを繰り返し製造する樹脂無端ベルトの製造に用いられることを特徴とする芯体の再生方法である。
<8> 前記メッキ層の剥離後、基体表面に研磨及び/又はブラスト処理を施すことを特徴とする前記<7>に記載の芯体の再生方法である。
<9> 前記メッキ層の剥離が施される芯体が、樹脂無端ベルトの製造に用いられることによって表面に欠陥の生じた芯体であり、且つ前記欠陥が、メッキ層表面から外側方向への膨らみと内側方向への凹みを有するうねり形状の盛上り欠陥であり、前記膨らみが20μm以下、前記凹みが20μm以下、前記欠陥の直径が1mm以下であることを特徴とする前記<7>又は<8>に記載の芯体の再生方法である。
また、本発明の別の態様の芯体は、
<10> 前記<7>〜<9>の何れか1項に記載の芯体の再生方法によってメッキ層が再形成され、且つ前記離型層を設けたメッキ層上に樹脂前駆体溶液を塗布し加熱乾燥させて樹脂被膜を形成する工程および前記樹脂被膜の全てを剥離する工程を繰り返すことで樹脂無端ベルトを繰り返し製造する樹脂無端ベルトの製造に用いられることを特徴とする芯体である。
更に、本発明の別の態様の樹脂無端ベルトの製造方法は、
<11> 樹脂前駆体溶液を芯体表面に塗布し樹脂前駆体塗膜を形成する樹脂前駆体塗膜形成工程と、前記樹脂前駆体塗膜を加熱乾燥させ、加熱反応させて樹脂皮膜を形成する樹脂皮膜形成工程と、前記樹脂皮膜の全てを前記芯体から剥離する樹脂皮膜剥離工程と、を繰り返すことで樹脂無端ベルトを繰り返し製造する樹脂無端ベルトの製造方法であって、前記芯体として、表面にメッキ層が再形成された前記<10>に記載の芯体を用いることを特徴とする樹脂無端ベルトの製造方法である。
本発明によれば、製造安定性に優れ、製造コストが低減できる樹脂無端ベルトの製造方法を提供することができる。
また、優れた耐久性を有する芯体の再生方法、該再生方法によって再生された芯体、及び該芯体を用い、製造安定性に優れ製造コストが低減できる樹脂無端ベルトの製造方法を提供することができる。
(a)は、本発明の円筒芯体の構成を示す斜視図であり、(b)は、本発明の円筒芯体の構成を示す断面図である。 本発明の円筒芯体表面に無電解ニッケルメッキ層を形成する方法を示す説明図である。 図2に記載の円筒芯体表面付近の拡大図である。 本発明の円筒芯体表面をバーチカル研磨する方法を示す概略図である。 浸漬塗布装置の構造を示す概略断面図である。 環状塗布装置の構造を示す概略断面図である。 (A)はメッキ剥がれの兆候部分の概略断面図であり、図7(B)は(A)を上方から見た平面図である。 メッキ剥がれ欠陥が発生した部分の概略断面図である。 メッキ剥がれの兆候部分を有する芯体にメッキ剥離を行った後の状態を示す概略断面図である。 メッキ剥がれ欠陥が発生した部分を有する芯体にメッキ剥離を行った後の状態を示す概略断面図である。
本発明の樹脂無端ベルトの製造に用いられる芯体(以下単に「本発明の芯体」とも称す)は、金属製の基体の表面に無電解ニッケルメッキ処理を施すことによって形成されたメッキ層を有し、前記メッキ層が非晶質であり、該メッキ層表面にシリコーン系離型剤を塗布した後に加熱を行い、前記メッキ層の結晶化と、離型層の焼付け処理を同時に行っている。尚、該離型層を設けたメッキ層上に樹脂前駆体溶液を塗布し加熱乾燥させて樹脂被膜を形成する工程および前記樹脂被膜の全てを剥離する工程を繰り返すことで樹脂無端ベルトを繰り返し製造する樹脂無端ベルトの製造に用いられることを特徴とする。無電解ニッケルメッキ処理によってメッキ層を設けることにより、非常に耐久性に優れた芯体とすることができる。尚、本発明の芯体は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を焼成してなる樹脂無端ベルトの製造に好適に用いることができる。
<芯体>
本発明における芯体の形状は、特に限定されるわけではないが、特に樹脂無端ベルトの製造に用いる場合には円筒状若しくは円柱状であることが望ましい。尚、前記円筒状若しくは円柱状の芯体(以下、両者をさして「円筒芯体」とよぶ)において、メッキ層を設ける面としては、内面塗布法など芯体の内側に樹脂無端ベルトを形成する場合には、芯体の周方向内周面側に、浸漬塗布法など芯体の外側に樹脂無端ベルトを形成する場合には、芯体の周方向外周面側にメッキ層を設けることが必要である。
外周表面にメッキ層を設けた本発明の円筒芯体の構造を、図1に示す。図1の(a)及び(b)に示すように、円筒芯体11は、円筒状の基体12の外周表面にメッキ層13を設けた態様となっている。
−無電解ニッケルメッキ処理−
ここで、図1に示すような、円筒芯体の外周表面にメッキ層を形成する方法について、説明する。
まず芯体を塩化メチレンによって脱脂洗浄し、次いで水酸化ナトリウムによるアルカリ洗浄、弗硝酸による酸洗浄を行ったあと、亜鉛置換処理、硝酸による亜鉛剥離、再度亜鉛置換処理を施す。その後、図2に示す様に、無電解ニッケルメッキ用のメッキ液7を満たしたメッキ槽6中に円筒芯体3を浸漬し、自己触媒作用によって図3に示す様に、芯体3の表面にニッケル5を析出させる。
ここで用いられるメッキ液7は、公知のものならば特に限定されるものではなく、例えば、ニッケル塩と還元剤とを含むメッキ液等を用いることができる。前記ニッケル塩としては、次亜燐酸塩ニッケル、炭酸ニッケル等が用いられ、中でも次亜燐酸塩ニッケルが還元剤としての機能も有していることから好ましい。また、メッキ液には、上記のニッケル塩、還元剤の他に、公知のpH調整剤、pH緩衝剤、安定剤、促進剤等を添加することもできる。
工業的に販売されているメッキ液としては、例えば、日本カニゼン社製のカニゼンメッキ液(例えばSEK670)を用いることができる。
こうして形成されるメッキ層の厚みは、芯体として必要とされる耐久性や導電性の観点から3〜50μmが好ましく、更には5〜20μmが好ましい。
−ビッカース硬度−
芯体の耐傷性の観点から、前記メッキ層表面のビッカース硬度(JIS−Z2244、1998年)が500HV以上、更には600HV以上であるのが好ましい。
ビッカース硬度は、例えば、アルミニウムが40〜80HV程度、無電解ニッケルメッキが500HV程度、電解ニッケルメッキが300HV程度である。
尚、前記無電解ニッケルメッキにおいては、熱処理による析出硬化によってそのビッカース硬度を800〜900HV程度にまで高めることができる。そのため、メッキ層に350〜400℃の温度範囲で10〜30分熱処理を施し、表面硬度や耐摩耗性を向上させることが好ましい。
−線膨張係数−
前記無電解ニッケルメッキ処理において、基体とメッキ層の密着を確保するためには、メッキ処理前の基体表面への処理が重要であり、アルカリ脱脂、酸脱脂、電解洗浄等を行った上でメッキ処理を施すことが好ましい。このような前処理を施した無電解ニッケルメッキ層は、例えばアルミニウムに対する密着性が約20kg/mm2であり、常温においては該メッキ層が剥がれることはない(尚、アルミニウムに対する密着性は、電解ニッケルメッキが約30kg/mm2、クロムメッキが約8kg/mm2)。
ところが、一般に物質は加熱すると膨張する性質を有している。膨張係数は物質毎に異なり、線膨張係数はアルミニウムが23×10-6/K、鉄が12×10-6/K、ニッケルが15×10-6/K、クロムが8.4×10-6/Kであり、アルミニウムは金属の中で、線膨張係数が高い代表的な金属である。よって、樹脂無端ベルトの製造工程中の加熱時には基体が膨張するため、メッキ層は基体の膨張に耐え得ることが必要である。メッキ層が基体の膨張に耐えられない場合には、メッキ層にクラックが生じ、このクラック部にポリイミド前駆体溶液中の溶剤が徐々に浸透し、メッキ層が剥離してしまう問題が発生する。
この膨張に耐え得る指標として、基体の線膨張係数をαB、メッキの線膨張係数をαCとしたときの線膨張係数比率αC/αBが有効であり、常温における密着性が十分得られる場合にαC/αBが0.4以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上であれば、クラックを効果的に防止することができる。
−基体表面への前処理−
無電解ニッケルメッキ処理された芯体を用いて無端ベルトを作製する際、メッキ層表面にメッキ不良があると、この部分で皮膜が貼り付き、表面故障として不良になることがある。該メッキ不良はシミ状に発生するものが多いが、メッキ処理後には修復や除去することが非常に困難であり、メッキ処理時に発生させないことが重要である。
ここで、前記メッキ不良には、以下の発生原因があることが判明した。
(1)基体の表面切削工程に起因するもの
(a)メッキ前の基体は切削により表面を加工するが、径が大きい場合は切削油の使用量が多いので、廃液処理をしやすい水溶性切削油を用いるのが好ましい。水溶性切削油は非水溶性の切削油をエマルジョン化したものであり、水で希釈して使用されるが、その場合、希釈する水の水質が悪い(井水や水道水等、各種イオン成分を含む)と、切削後の基体表面は、イオン成分でアルミニウム表面が腐食され、表面粗さが不均一に変化してしまうことがある。そのままの状態でメッキ処理を行うと、白いシミ状のメッキ不良の発生原因となる。
(b)切削後、水溶性切削油は洗浄剤で洗浄して除去するが、切削油がある程度以上残っていると、これがアルミニウムを腐食させてしまい、白いシミ状のメッキ不良の原因となる。
(2)無電解ニッケルメッキの洗浄工程に起因するもの
(c)メッキ処理後にメッキ槽から芯体を引き上げた際、表面にはメッキ液が付着しているが、付着したままにしておくと、表面に部分的な酸化が起こり、斑点状のシミとなることがある。
(d)そのため、メッキ処理後の芯体表面にメッキ液が残らないように、芯体を浸漬洗浄やシャワー洗浄等の水を用いた洗浄で仕上げればよいが、メッキ処理後の芯体は数十度に温まっているために洗浄水が乾燥し易く、井水や、メッキ液成分が多量に混入している水など、水質が悪い場合には、洗浄後に、洗浄水中の不純物が瞬時に白または薄褐色のシミとなることがある。水切りの目的で、温水槽から引き上げる方法を用いた場合、水質が悪いと、軸方向に水滴シミが連続した引き上げしみとなって発生することがある。
以上の発生原因から、本発明では、前記(1)の(a)に対しては、水溶性切削油を希釈する水の導電率を5μS/cm以下のイオン交換水とすることで、メッキ不良の発生を効果的に防止することができる。導電率が5μS/cmを超える水、例えば導電率約200μS/cmの井水を用いた場合、切削後に一晩放置すると、洗浄した後の基体表面には、腐食された部分が白いシミとなって残るものの、導電率5μS/cm以下のイオン交換水を使用すれば、一晩放置しても、基体表面には腐食によるシミが発生することはない。尚、水溶性切削油を繰返し長時間使用した場合、水が腐敗したり、水垢が発生して配管内に蓄積し、配管詰まり等を起し易くなるので、水垢の増殖防止のために、水溶性切削油を希釈するイオン交換水は、除菌フィルターを通すことがより好ましい。
また、前記(1)の(b)に対しては、メッキ処理前の基体表面の残油分(基体表面に残る水溶性切削油)濃度を10×10-4mg/cm2以下とすることで、メッキ不良の発生を効果的に防止することができる。残油分濃度を10×10-4mg/cm2以下とするには、基体の切削後、水系洗浄剤、準水系洗浄剤、溶剤、酸、アルカリ、アルカリ性洗浄剤、電解アルカリ性水等の洗浄剤を用いて、超音波洗浄、スクラブ洗浄、シャワー洗浄等の洗浄方法により、切削油を除去した後、洗浄剤を十分に濯ぐことで達成される。尚、その後、熱風乾燥等により基体を乾燥させることがより好ましい。
ここで、前記残油分濃度は、以下の方法で測定される。
[測定原理]
対象物に付着する油分を抽出溶剤にて抽出し、その液に赤外線を照射し、油分共通の吸収波長3.4〜3.5μm付近で検出される油分濃度を、標準物質に換算して求める。なお、油分濃度は通常、単位面積当りの付着量として算出される。
・測定機:油分濃度測定機OCMA220(堀場製作所製)
・抽出溶剤:クロロフロロカーボン(商品名:S316、堀場製作所製)
・測定手順概略
抽出溶剤S316中に入っている油分量(バックグラウンド値):A
油分測定値:B
差分:C=B−A
抽出溶剤液量:D
油分量Q=C×D/1000
基材面積(内外面):S
基材単位面積あたりの油分濃度:X=Q/S (mg/cm2
尚、切削油洗浄後の基体をメッキ処理するまでの間、保管する際には、表面への異物付着防止や傷付き防止等の目的で、樹脂フィルムを巻き付けることが好ましい。但し、樹脂フィルムによって、温度や湿度等の影響で基体表面が結露した場合、水分の逃げ場がなくなり、溜まった水分でアルミニウムを腐食させてしまうこともある。そこで、ある程度の空気の流通があり、埃などの異物が入り込まない保管容器を使用することが好ましい。また、何らかの基体表面保護剤が必要な場合には、傷が付きにくいやわらかな中性紙等を使用することも好ましい。
また、前記(2)の(c)に対しては、メッキ処理後の芯体を水で洗浄することにより、前記(2)(d)に対しては、洗浄に用いる水の導電率を5μS/cm以下とすることにより、メッキ不良を効果的に防止することができる。洗浄に用いる水の導電率が5μS/cmを超える場合、やはりシミを生じやすく、このシミは前述の通り、除去が困難である。
前記メッキ処理後の水での洗浄としては、芯体を冷却する目的で水槽に浸漬した後、超音波洗浄やバブリング洗浄を行なって、メッキ液を十分に除去する方法が好ましく用いられる。その後、温イオン交換水槽に浸漬して引き上げる等の方法や、温イオン交換水で基体表面を拭き取る方法等で、芯体表面の水分を除去し、洗浄工程内の移動時にも、芯体表面の乾燥防止のため、導電率が5μS/cm以下の水を吹き付けるとさらに好ましい。
また、洗浄工程で使用した水分がメッキ表面に残ると、メッキしみになり易いので、100度前後の熱風や、ドライエアの吹き付け等による、水分除去を行うのが好ましい。
−離型層−
本発明の芯体を、後述する樹脂無端ベルトの製造に用いる際、形成されたポリイミド樹脂皮膜は円筒芯体表面に接着する虞があるため、円筒芯体の表面には、離型性が付与されていることが好ましい。それには、円筒芯体表面をフッ素系樹脂やシリコーン樹脂で表面を被覆することにより、離型層を形成する方法がある。
離型層はポリイミド等の樹脂皮膜を加熱反応させた後、芯体から剥離させるために必要なものであり、離型層と芯体との密着性が低いと、樹脂皮膜内面に容易に転写されてしまい、頻繁に離型層を被覆する必要が生じ、コストアップにつながる。
一般的に、離型層の耐久性を上げるためには、焼付け処理を行い、芯体表面との化学的な結合や吸着を促進させる方法が挙げられる。しかしながら、この化学的な結合や吸着の度合いは芯体の材質によって異なり、電解ニッケルメッキは表面のビッカース硬度が高く傷が発生しにくいものの、離型層との密着力が弱いために、離型層の寿命が短くなるという欠点がある。これは、電解ニッケルメッキは結晶が成長しながら層が形成されるため、層が形成された時点で既に結晶化されており、シリコーン系離型剤の化学的な結合が乏しいためと考えられる。
芯体に、高い表面硬度と共に、離型層との良好な密着性を付与する手段として、本発明では非晶質(結晶化前)の無電解ニッケルメッキに離型剤を塗布した上で、高温での加熱処理を行う。無電解ニッケルメッキを結晶化して芯体の硬度を上げると同時に離型層の焼付け処理を行い、離型層の耐久性を向上させることができる。
これは無電解ニッケルメッキ層を高温で加熱することで、無電解ニッケルが非晶質から結晶化に転移することに伴い、ビッカース硬度が上がり、かつその際に離型層とニッケル間での化学的な結合(シロキサン結合)が形成されるためと推定される。シロキサン結合の結合エネルギーは444kJ/molであり、炭素結合の結合エネルギーの356kJ/molよりも高く、安定性に優れている。
尚、前記加熱処理は200℃以上が好ましく、300℃以上がさらに望ましい。200℃未満では無電解ニッケルメッキの結晶化が進行しにくいため表面硬度の変化が少なく、かつシリコーン系離型剤との結合にも乏しくなる。
−メッキ層の再生−
上述のような無電解ニッケルメッキ処理を施した芯体を用いた場合であっても、数百回使い続けると、打痕のような傷が入ったり、メッキ層表面に微小なメッキ剥がれが起きることがあり、該打痕やメッキ剥がれが生じた部分では、製造されるベルトに欠陥が発生する。そこで、本発明の芯体の再生方法を用いることにより、表面に部分的に打痕やメッキ剥がれ等の欠陥が発生した場合でも、該欠陥部分を補修し、且つ新たに芯体を製造するよりも安価で、かつ短期間に芯体を再生することが可能となる。
即ち、本発明の芯体の再生方法は、金属製の基体の表面にメッキ層が形成された芯体から前記メッキ層を剥離し、再度無電解ニッケルメッキ処理を施すことによってメッキ層を再形成する工程を有し、且つ前記芯体は、メッキ層上に樹脂前駆体溶液を塗布し加熱乾燥させて樹脂被膜を形成する工程および前記樹脂被膜の全てを剥離する工程を繰り返すことで樹脂無端ベルトを繰り返し製造する樹脂無端ベルトの製造に用いられることを特徴とする。
ここで、前記メッキ層の剥離方法としては、研磨・切削等の機械加工による方法、無電解ニッケルメッキの剥離液への浸漬等の化学的加工による方法等がある。しかし前記メッキ層の剥離は、芯体の内外表面及びフランジ部の全ての部分で必要であり、内面の層まで機械加工によって除去することは困難である。そこで、化学的加工によるメッキ剥離が適している。化学的なメッキ剥離に用いる剥離液としては、硝酸が広く用いられる。
(1)化学的加工によるメッキ剥離の弊害〜アルミニウム表面の侵食
硝酸は無電解ニッケルメッキ層を溶解しながら進行し、基体としてアルミニウムを用いた場合には、アルミニウムに対して不動体を作る作用がある。しかし、アルミニウムの表面を侵食してしまい、表面の粗さがメッキ剥離前に比べて大きくなってしまう場合がある。
そのため、メッキ剥離後の基体表面を研磨及び/又はブラスト処理して表面粗さを小さくした上で、無電解ニッケルメッキ処理を行うことにより、メッキ層の再生を良好に行うことができる。該研磨の方法としては、例えば、バーチカル研磨、バフ研磨、グラインダー研磨等が挙げられるが、特にバーチカル研磨が好ましい。
ここで、バーチカル研磨の方法を図4に示す。芯体22を回転軸25を中心に矢印A方向に回転させながら、円形砥石21を芯体22表面に接触させ、回転軸24を中心に矢印B方向に回転させると共に、矢印C方向に移動させて、芯体22表面全面の研磨を行う。
バーチカル研磨は研磨量を正確に制御できるほか、例えば芯体表面に傷(大きな凸凹など)があっても、表面全面を平滑化できるため当該傷等を除去でき、特に本発明においては好ましい。一方、前記バフ研磨では、研磨する量が全面にわたって一定であるため、芯体表面に傷があった場合などには、傷の部分も他の部分と同じ研磨量となり平均的に研磨されるので、傷を除去することはできない。また、前記グラインダー研磨の場合、研磨量が大きすぎて研磨量を制御しにくいほか、表面が荒れすぎるという欠点もある。
前記バーチカル研磨による研磨量は10μm以下とすることが好ましく、この研磨量分を再度形成されるメッキ層膜厚で補うことで、芯体の外径をメッキ剥離前と同じにすることが可能となる。
(2)化学的加工によるメッキ剥離の弊害〜アルミニウム基体における穴の発生
また、剥離前のメッキ層にメッキ剥がれの欠陥が発生している場合、芯体表面のメッキ剥がれ部分はアルミニウム基体が露出していて、メッキ層が形成されている部分のアルミニウム基体よりも長時間硝酸に漬かることになり、その部分だけ多くアルミニウムの溶解が進行してしまうことがある。そのため、メッキ剥がれ部ではアルミニウム基体に穴が開いてしまい、その穴は直径2mm以上、深さ50μm以上になってしまうこともある。この穴があいたまま、通常の厚さ(3〜50μm)のメッキ層を形成しても、メッキ層表面に凹みが出来、その結果製造されるベルト表面にも欠陥が発生する。
また、上記の穴を埋めるため、50〜100μmの厚さのメッキ層を施そうとした場合、メッキ処理時間が長くなるとともにメッキ層中にボイド等の欠陥が起きやすくなり、好ましくない。あるいは、メッキ剥離後に、アルミニウム基体全面を前述のようなバーチカル研磨等により研磨して、上記の穴を軽減化する方法もあるが、結果として研磨した分だけ厚みのあるメッキ層を形成しなければならない。
そこで、メッキ層表面にメッキ剥がれ欠陥が生じる前、より具体的には、メッキ層表面に生じている欠陥が、メッキ層表面から外側方向への膨らみと内側方向への凹みを有するうねり形状であり、前記膨らみ(メッキ層表面であったラインから膨らみの頂点までの長さ)が20μm以下、前記凹み(メッキ層表面であったラインから凹みの頂点までの長さ)が20μm以下、前記欠陥の直径(最大箇所の径)が1mm以下である盛上り欠陥(以下、単に「メッキ剥がれの兆候」と呼ぶ)である時点で、前記めっき剥離を行いメッキ層の再形成を行うことが好ましい。
樹脂無端ベルトの製造に芯体を数百回程度使い続けると、メッキ層表面に上記寸法のメッキ剥がれの兆候が発生することがある。この状態ではまだメッキ剥がれ欠陥は発生していない。さらに芯体を使い続けると、上記メッキ剥がれの兆候部分の盛上り部(膨らみの頂点近辺)でクラックが発生し始め、いずれ直径2mm以上のメッキ剥がれが起こることがある。この際、メッキが剥がれた部分はアルミニウム基体が露出して光沢を呈している。
ここで、メッキ剥がれの兆候部分について図を用いて説明する。
図7(A)はメッキ剥がれの兆候部分の概略断面図であり、図7(B)は(A)を上方から見た平面図である。メッキ剥がれの兆候部分では、20μm以下の膨らみ55と、20μm以下の凹み57が発生しており、またメッキ層53の下では、アルミニウム基体52の膨らみと凹みが発生している。
メッキ剥がれの兆候部分を有する芯体について、剥離液を用いてメッキ剥離を行うと、アルミニウム基体の断面状態は図9に示すような形状となる。メッキ剥がれの兆候部にもメッキ層53が存在していたため、周囲の正常なメッキ層部分と同等にメッキ剥離が進行し、剥離後のアルミニウム基体52表面の凹凸状態は、剥離する前の図7と変わらない。
尚、芯体のメッキ層表面に、メッキ剥がれの兆候が発生しているか否かを判定する手法としては、光学式表面検査を行う方法が挙げられる。メッキ剥がれの兆候として判断する基準(下限値)としては、膨らみ5μm以上、凹み5μm以上、直径0.05mm以上であることが好ましい。また、メッキ剥がれ欠陥が発生する可能性を低減する観点から、メッキ剥がれの兆候の上限値は、膨らみ20μm以下、凹み20μm以下、直径1mm以下として判断することが好ましい。
次いで、メッキ剥がれ欠陥が発生した部分について図を用いて説明する。
図8はメッキ剥がれ欠陥が発生した部分の概略断面図である。メッキ剥がれが発生したため、図7に示すメッキ剥がれの兆候部分におけるメッキ層53がなくなり、基体52が露出している。
メッキ剥がれ欠陥が発生し、基体52が露出した芯体について、剥離液を用いてメッキ剥離を行うと、前述のように、基体52が長時間剥離液に晒されることになり、その部分だけ多く溶解が進行してしまい、図10に示すように穴が開いてしまう懸念がある。
上記のように、メッキ剥がれの兆候部分が発生した段階で(メッキ剥がれ欠陥が発生する前に)メッキ剥離を行うと、基体表面が図9に示すように膨らみと凹みを有するうねり形状となっている。そこで基体全面を研磨することで、このうねりが除去されて、均一な面が得られる。研磨方法としては、バフ研磨、円筒研磨、バーチカル研磨等があるが、前記と同様の理由から、バーチカル研磨が最も好ましい。
また、研磨を行った後、基体表面をブラスト処理等により粗面化してもよい。
上記のようにしてメッキ剥離を行った基体表面に、前述の同様の方法にて、再度無電解ニッケルメッキ層を形成することにより、芯体の再生を行うことができる。尚、再生されるメッキ層の膜厚は、3〜50μmであることが好ましく、10〜20μmであることがより好ましい。
尚、再生したメッキ層が厚い場合には、所定の外径に研磨することも好ましい。
−基体−
本発明に用いる基体としては、アルミニウム、銅、鉄、鋼、マグネシウム、ニッケル等の金属製のものが好ましく、中でも市場流通性、耐溶剤性、熱伝導性、強度等の観点から、アルミニウムが特に好ましく用いられる。
なお、アルミニウムは350℃に加熱すると強度が低下して変形を起こしやすいという性質があり、このようなアルミニウムの熱変形は、円筒芯体形状への冷間加工中に歪みが蓄積していると発生しやすい。そのような歪みを取り去るには、アルミニウムを焼鈍(焼きなまし)する方法がある。但し、焼鈍によっても熱変形が起こるので、所定形状への加工は、その後に施す必要がある。焼鈍とは、アルミニウム素材を350〜400℃に加熱し、空気中で自然に冷却する方法である。
尚、芯体には耐溶剤性も要求され、例えば、基体として鉄のようなビッカース硬度が高く表面に傷が入りにくい材料を用いた場合でも、無電解ニッケルメッキ層を設けることにより防錆効果が得られ、良好な耐溶剤性を有する芯体とすることができる。
−芯体の表面粗さ−
後述の樹脂無端ベルトの製造において、乾燥時に残留溶剤を完全に除去できない場合、或いは加熱時に発生する水が除去しきれない場合、樹脂皮膜に部分的に提灯状の膨れが生じることがある。これは特にポリイミド等の樹脂皮膜の膜厚が50μmを越えるような厚い場合に顕著な問題である。その場合、円筒芯体の表面を、JIS−B0601(1994年)に規定する表面粗さRaで0.2〜2μmの範囲に粗面化することが有効である。これにより、樹脂皮膜から生じる残留溶剤又は水の蒸気は、円筒芯体と樹脂皮膜の間にできるわずかな隙間を通って外部に出ることができ、膨れを防止することができる。円筒芯体表面の粗面化には、ブラスト、切削、サンドペーパーがけ等の方法がある。
この粗面化はメッキ処理前に行っても、メッキ処理後に行っても構わない。ただし、メッキ処理前に行う場合には、メッキ処理によって粗度が小さくなるので、これを見込んだ粗度にする必要がある。
<樹脂無端ベルトの製造方法>
本発明の樹脂無端ベルトの製造方法は、前述の無電解ニッケルメッキ層を形成した芯体、あるいは前述の芯体の再生方法により無電解ニッケルメッキ層を再形成した芯体を用いることを特徴とする。
本発明の樹脂無端ベルトの製造方法においては、従来から用いられている公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を挙げることができる。前記ポリイミド樹脂の前駆体としては、例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)からなる前駆体や、ピロメリット酸二無水物(PMDA)と4,4’−ジアミノフェニルエーテル(ODA)からなる前駆体等を用いることができる。一方、前記ポリアミドイミド樹脂の前駆体としては、例えば、アミド基含有芳香族ジアミンとPMDAからなる前駆体や、芳香族ジアミンまたはその誘導体と無水トリメリット酸(TMA)からなる前駆体等を用いることができる。
以下、特に好ましい態様として、ポリイミド樹脂製の無端ベルトの製造方法について詳細に説明する。
−ポリイミド前駆体塗膜形成工程−
ポリイミド前駆体塗膜形成工程では、まず、ポリイミド前駆体が非プロトン系極性溶剤に溶解したポリイミド前駆体溶液を用意する。ポリイミド前駆体としては、前記において列記した具体例からなるものを用いることができる。また、ポリイミド前駆体は、2種以上を混合して用いてもよいし、酸又はアミンのモノマーを混合して共重合されてもよい。
非プロトン系極性溶剤としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。溶液におけるポリイミド前駆体の濃度、粘度等は、塗布方法に応じて適宜選択される。
ポリイミド前駆体塗膜形成工程おいて、ポリイミド前駆体溶液の塗布方法としては、円筒体の内面にポリイミド前駆体溶液を塗布し、回転しながら乾燥させる遠心成形法や、円筒体内面にポリイミド前駆体溶液を展開する内面塗布法がある。但し、これら内面に成膜する方法では、ポリイミド前駆体皮膜が、管状体として強度を保持できる状態になるまで熱処理した後、円筒体から抜いて外型に載せ換える必要があり、工数が増える問題がある。また、表面にフッ素樹脂のような他の樹脂を塗布する場合も、外型に載せ換えた後で塗布する必要がある。
これに対し、円筒芯体をポリイミド前駆体溶液に浸漬した後円筒芯体を上昇させ(引き上げ)る浸漬塗布法、円筒芯体を回転させながら表面にポリイミド前駆体溶液を吐出する流し塗り法、その際にブレードで皮膜をメタリングするブレード塗布法など、外周表面に塗布する公知の方法が好適に用いられる。この方法では、外型に載せ換える工数が不要という利点がある。
上記流し塗り法やブレード塗布法では塗布部を水平移動させるので、皮膜はらせん状に形成されるが、ポリイミド前駆体溶液は乾燥が遅いために、継ぎ目は自然に平滑化される。なお、「円筒芯体上に塗布する」とは、円柱も含まれる円筒芯体の側面の表面、及び該表面に層を有する場合は、その層の表面に塗布することをいう。また、「円筒芯体を上昇(引き上げ)」とは、塗布時の液面との相対関係であり、「円筒芯体を停止し、塗布液面を下降」させる場合を含む。
ポリイミド前駆体塗膜形成工程において、ポリイミド前駆体溶液の塗布を浸漬塗布法で行う場合、ポリイミド前駆体溶液は粘度が非常に高いので、膜厚が所望値より厚くなりすぎることがある。その際は、以下の如き環状体により膜厚を制御する浸漬塗布法が適用できる。
環状体により膜厚を制御する塗布方法を、図5及び6を参照して説明する。
図5は、環状体により膜厚を制御する浸漬塗布法に用いる装置の一例を示す概略構成図である。ただし、図は塗布主要部のみを示し、他の装置は省略する。
図5に示すように、この浸漬塗布法は、塗布槽33に満たされたポリイミド前駆体溶液32に、円筒芯体31の外径よりも大きな孔を設けた環状体35を浮かべ、該孔を通して円筒芯体31をポリイミド前駆体溶液32に浸漬し、次いで、芯体を上昇させる(引き上げる)塗布法である。
環状体35は、ポリイミド前駆体溶液液面に浮くもので、その材質は、ポリイミド前駆体溶液32によって侵されないものであれば、金属やプラスチック等から選ばれる。また、浮上しやすいように、例えば、中空構造であってもよいし、沈没防止のために、環状体の外周面または塗布槽に、環状体を支える足や腕を設けてもよい。
環状体35は、ポリイミド前駆体溶液32の上でわずかの力で動くことができよう、溶液上に浮遊させたり、環状体35をローラ等で支える方法、環状体35をエア圧で支える方法、などの方法で自由移動可能に設置する。
円筒芯体31の外径と、孔36の径との間隙は、所望の膜厚により調整する。所望膜厚(乾燥膜厚)は、濡れ膜厚とポリイミド前駆体溶液32の不揮発分濃度の積になる。これから、所望の濡れ膜厚が求めら、円筒芯体31の外径と、孔36の径との間隙は、所望の濡れ膜厚の1倍〜2倍であるのがよい。1倍〜2倍とするのは、ポリイミド前駆体溶液32の粘度及び/又は表面張力などにより、間隙が濡れ膜厚になるとは限らないからである。
環状体35に設けられる孔36の内壁面は、ポリイミド前駆体溶液に浸る下部が広く、上部が狭い形状であれば、図5に示すように、傾斜面であるものや、図6に示すように、組み合わせた傾斜面であればよい。また、階段状や曲線的でもよい。
浸漬塗布を行う際、円筒芯体31を、ポリイミド前駆体溶液32に浸漬する。次いで、孔36の中を通して円筒芯体を引き上げる。この際、円筒芯体31と孔36との間隙により塗膜34の厚さが決定される。引き上げ速度は、0.1〜1.5m/min程度が好ましい。この塗布方法に好ましいポリイミド前駆体溶液の固形分濃度は10〜40質量%、粘度は1〜100Pa・sである。
円筒芯体31を、孔36を通して引き上げる際、環状体35はある高さに持ち上げられ、また自由移動可能状態でるため、円筒芯体31と環状体35との摩擦抵抗が周方向で一定になるように環状体35は動く。即ち、円筒芯体を引き上げる際、ある位置で、環状体と円筒芯体との間隙が狭まろうとした場合、狭まろうとした部分では摩擦抵抗が大きくなる一方、その反対側では摩擦抵抗が小さくなり、一時的に摩擦抵抗が不均一な状態が生じるが、摩擦抵抗が不均一な状態から均一な状態になるように、環状体が自動的に動き、環状体が円筒芯体と接触するようなことはない。
従って、円筒芯体31の表面には、一定の濡れ膜厚を有するポリイミド前駆体塗膜34が形成される。
更に、浸漬塗布法に用いる塗布装置は、円筒芯体を保持する円筒芯体保持手段、並びに、所望により、該保持手段を上下方向に移動する第1の移動手段及び/又はポリイミド前駆体溶液を入れる容器を上下方向に移動する第2の移動手段を有してもよい。
このように、高粘度のポリイミド前駆体溶液を用いて、環状体により膜厚を制御する浸漬塗布法を適用することで、重力による円筒芯体上端部での塗膜の垂れも少なくなり、周方向でも軸方向でも膜厚を均一にすることができる。
なお、ポリイミド前駆体塗膜形成工程おいて、図6に示す環状塗布法も適用できる。図6は、環状塗布法に用いる装置の一例を示す概略構成図である。
図6において、図5との違いは、環状塗布槽37の底部に、円筒芯体の外径より若干小さい穴を有する環状シール材38が設けられることである。円筒芯体31を環状シール材38の中心に挿通させ、環状塗布槽37にポリイミド前駆体溶液32を収容する。これにより、ポリイミド前駆体溶液32が漏れないようになっている。円筒芯体31は、環状塗布槽37の下部から上部に順次つき上げられ、環状シール材38を挿通させることにより、表面に塗膜34が形成される。円筒芯体の上下には、円筒芯体に嵌合可能な中間体39が取り付けられることもある。環状体35の機能は、前述と同様である。
このような環状塗布法では、環状塗布槽37は図5の浸漬塗布槽33よりも小さくできるので、溶液の必要量が少なくて済む利点がある。
−ポリイミド樹脂皮膜形成工程−
ポリイミド樹脂皮膜形成工程においては、前記ポリイミド前駆体塗膜を加熱乾燥させてから、加熱反応させてポリイミド樹脂皮膜を形成する。
まず、ポリイミド樹脂皮膜形成工程において、ポリイミド前駆体塗膜中に過度に残留する溶剤を除去する目的で、静置しても塗膜が変形しない程度の加熱乾燥を行う。加熱条件は、80〜200℃の温度で30〜60分間であることが好ましい。その際、温度が高いほど、加熱時間は短くてよい。また、加熱することに加え、風を当てることも有効である。また、遠赤外線加熱を用いれば、溶剤除去をさらに効率よく行うことができる。加熱は、時間内において、段階的に上昇させたり、一定速度で上昇させてもよい。
なお、ポリイミド前駆体塗膜から溶剤を除去させすぎると、塗膜はまだベルトとしての強度を保持していないので、割れを生じる虞がある。そこで、ある程度(具体的にはポリイミド前駆体塗膜中に15〜50質量%、好ましくは35〜50質量%)、溶剤を残留させておくのがよい。
ポリイミド前駆体塗膜を加熱乾燥させてから加熱反応まで、連続的に行えばよいが、途中で一旦、温度を低下させてもよい。ここで、「温度を低下させる」とは、加熱乾燥により高温状態となっているポリイミド前駆体塗膜を、円筒芯体ごと冷却し、温度を低下させることをいう。低下させる温度は、常温でもよい。温度を低下させることは、加熱乾燥装置と加熱反応装置が異なっている場合に有効である。
乾燥の後、好ましくは300〜450℃、より好ましくは350℃前後で、20〜60分間、ポリイミド前駆体塗膜を加熱反応させることで、ポリイミド樹脂皮膜を形成することができる。加熱反応の際、非プロトン系極性溶剤が残留しているとポリイミド樹脂皮膜に膨れが生じることがあるため、加熱の最終温度に達する前に、完全に残留溶剤を除去することが好ましく、具体的には、加熱前に、200〜250℃の温度で、10〜30分間加熱乾燥して残留溶剤を除去し、続けて、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させて加熱し、ポリイミド樹脂皮膜を形成することが好ましい。この際、遠赤外線加熱を併用すれば、残留溶剤の除去とイミド化反応を効率的に行える。
−ポリイミド樹脂皮膜剥離工程−
加熱反応後、形成されたポリイミド樹脂皮膜を円筒芯体から剥離する工程を経ることで、ポリイミド樹脂無端ベルトが得られる。剥離は芯体と皮膜の隙間に、加圧空気を注入することで、皮膜を膨張させて剥離する。加圧空気の圧力は、一般的な空気圧縮機で得られる数気圧程度でよい。注入された加圧空気は、ある程度は皮膜端部から漏れるが、全部が漏れるわけではないので、皮膜は空気圧により、多少、膨れることになる。そのため、形成された無端ベルト皮膜を芯体から容易に抜き取ることができる。その際、皮膜が芯体表面を摺擦しても、芯体表面のビッカース硬度が500HV以上であれば、傷が付くことない。
抜き取られた無端ベルトは、その両端は膜厚の均一性が劣っていたり、皮膜の破片が付着していたりするが、その部分は不要部分として切断される。端部の不要部が切断されてポリイミド樹脂無端ベルトが得られるが、必要に応じて、穴あけ(パンチング)加工、リブ付け加工、等が施されることがある。
無端ベルトを転写ベルトや接触帯電ベルトとして使用するには、樹脂材料の中に導電性物質を分散させる。導電性物質としては、例えば、カーボンブラック、カーボンブラックを造粒したカーボンビーズ、カーボンファイバー、グラファイト等の炭素系物質、銅、銀、アルミニウム等の金属又は合金、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、SnO2−In23複合酸化物等の導電性金属酸化物等が挙げられる。
無端ベルトを定着体として使用する場合には、表面に付着するトナーの剥離性の向上のため、ベルト表面に非粘着性の樹脂皮膜を形成することが有効である。その材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂が好ましい。非粘着層には、耐摩耗性や静電オフセットの向上、トナーの付着防止用オイルとの親和性等のために、カーボン粉体や、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機化合物粉体等、フッ素樹脂以外の材料を含んでもよい。
これらフッ素系樹脂皮膜を形成するには、その水分散液を無端ベルトの表面に塗布して焼き付け処理する方法が好ましい。
このように、ベルト表面にフッ素系樹脂皮膜を形成するには、加熱してポリイミド樹脂皮膜(ベルト)を円筒芯体の表面に形成してから、これらを塗布してもよいが、ポリイミド前駆体溶液を塗布して溶剤を乾燥させてから、フッ素系樹脂分散液を塗布し、その後に加熱してイミド化反応とフッ素系樹脂皮膜の焼成処理を同時に行ってもよい。この場合、フッ素系樹脂皮膜の密着性が強固になることもある。
定着ベルトとして、ポリイミド樹脂層の厚さは25〜200μmの範囲が好ましく、非粘着層の厚さは5〜50μmの範囲が好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。但し、以下に示す実施例10は、本発明に対する参考例として示すものである。
(実施例1)
−芯体の製造−
外径365.9mm、長さ600mmのアルミニウム(JIS−材質記号A6063)製円筒(線膨張係数は23×10-6/K)を用意した。かかる円筒は、外径377mm、長さ650mmのアルミニウム製素管の表面を切削したものであり、更に、球形ガラス粒子によるブラスト処理により、表面をRa0.40μmに粗面化した。その表面を3体積%の水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ脱脂を行い、20体積%の硝酸で酸脱脂を行って洗浄し、亜鉛置換を2度繰り返した。次いで、液温60℃、酸性下でメッキ液(カニゼン(Kanigen)メッキ液SEK670:日本カニゼン(株)製/組成:次亜燐酸陰イオン、ニッケル陽イオンが存在)に40分間浸漬させ、水洗し、表面に厚さ10μmの無電解ニッケルメッキ(線膨張係数は15×10-6/K)処理を施した。表面の粗度はRa0.35μmであった。また、芯体表面の硬度はマイクロビッカース硬度計(商品名;MVK−HVL、アカシ社製)にて測定したところ、510HVであった。なお、この芯体の基体とメッキ層の線膨張係数比率(αC/αB)は0.65である。
さらに、その表面に、シリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布して、300℃で1時間、焼き付け処理を施し、円筒芯体とした。芯体表面はこの加熱処理により硬度が上昇し、ビッカース硬度が810HVであった。
−ポリイミド前駆体塗膜形成工程−
3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と、p−フェニレンジアミン(PDA)と、をN,N−ジメチルアセトアミド中で合成して、22質量%濃度ポリイミド前駆体溶液Aを調製した。この溶液Aに、カーボンブラック(商品名:スペシャルブラック4、デグザヒュルス社製)を固形分質量比で23%混合し、次いでジェットミルにより分散し、更に、塗膜はじきを生じにくくするため、シリコーンレベリング剤(商品名:DC3PA、ダウコーニングトーレシリコーン社製)を、濃度が500ppmになるよう添加して、ポリイミド前駆体溶液Bとした。粘度は45Pa・sであった。
前記ポリイミド前駆体溶液Bを用い、図6に示す環状塗布法により、円筒芯体上にポリイミド前駆体塗膜を形成した。環状体35としては、外径409mm、最小部の内径367.3mm、高さ50mmのアルミニウム製のものを作製した。内壁は傾斜状である。
円筒芯体31を、底面に内径363mmの穴を有する硬質ポリエチレン製環状シール材38が取り付けられた、内径495mm、高さ110mmの環状塗布槽37に通した。環状塗布槽37にポリイミド前駆体溶液32を入れ、環状体35を配置して、円筒芯体31を0.5m/分で上昇させ、塗布を行った。これにより、円筒芯体31の表面には濡れ膜厚が約500μmのポリイミド前駆体塗膜34が形成された。
−ポリイミド樹脂皮膜形成工程−
次に、円筒芯体を水平にして、20rpmで回転させながら、室温で5分間の乾燥後、80℃で20分間、100℃で1時間、加熱乾燥させた。これにより、厚さ約150μmのポリイミド前駆体塗膜を得た。次に、円筒芯体を一旦、室温まで冷却した。その後、芯体を垂直に立てて、200℃で30分、300℃で30分加熱反応させ、ポリイミド樹脂皮膜を形成した。この際、ポリイミド樹脂皮膜はその軸方向に約1%収縮した。
−ポリイミド樹脂皮膜剥離工程−
室温に冷えた後、円筒芯体と皮膜の隙間に圧力0.5MPaの加圧空気を注入したところ、ポリイミド樹脂皮膜が膨張し、容易に抜き取ることができた。得られたポリイミド樹脂無端ベルトの不要部分を両端から切断し、電子写真用転写ベルトを得た。
この電子写真用転写ベルトは膜厚が80μmで均一となり、表面抵抗率の常用対数値の平均値が10.8logΩ/□で、最高値と最低値の差(抵抗バラツキ)が0.36logΩ/□であった。得られたポリイミド樹脂無端ベルトは、電子写真用転写ベルトとして好適に使用することができた。
また、この芯体を用いて、ポリイミド樹脂無端ベルトの製作を600回繰り返しても、芯体表面に傷が入ることはなかった。また、αC/αBが0.4以上であるため、メッキ層にクラックの発生も見られず、芯体として好適に使用することができた。
(実施例2)
実施例1において用いた芯体を、ポリイミド樹脂無端ベルトの製作に600回を超えて引き続き使用したところ、芯体表面に摺擦傷が入った。そこで、芯体のメッキ層を切削して、除去した後、新たにメッキ厚40μmの無電解ニッケルメッキ処理を施して芯体の再生を行った。この芯体のシリコーン系離型剤焼き付け後のビッカース硬度は805HVであった。
この芯体を用いてポリイミド樹脂無端ベルトを作製したところ、ベルトの膜厚は80μmで均一となり、表面抵抗率の常用対数値の平均値が10.8logΩ/□で、抵抗バラツキは0.35logΩ/□となり、電子写真用転写ベルトとして好適に使用することができた。
また、この芯体を用いて、ポリイミド樹脂無端ベルトの製作を500回繰り返しても、芯体表面に傷が入ることはなかった。また、メッキ層にクラックの発生も見られず、芯体として好適に使用することができ、芯体の再生が可能であった。
(実施例3)
実施例1において、基体の材質を鉄(線膨張係数は12×10-6/K)にした以外は全て同様にしてポリイミド樹脂無端ベルトを作製した。この芯体のシリコーン系離型剤焼き付け処理後のビッカース硬度は810HVであった。なお、この芯体の基体とメッキ層の線膨張係数比率(αC/αB)は1.25である。
その結果、ベルトの膜厚は80μmで均一となり、表面抵抗率の常用対数値の平均値が10.7logΩ/□で、抵抗バラツキは0.64logΩ/□となり、電子写真用転写ベルトとして好適に使用することができた。ただし、抵抗バラツキは実施例1よりも悪くなっており、転写システムによっては使用できないこともあり得るものと推察される。これは鉄基体の熱伝導性がアルミニウムのそれよりも小さいため、皮膜への加熱温度ムラが大きくなることが原因と思われる。
また、この芯体を用いて、ポリイミド樹脂無端ベルトの製作を600回繰り返しても、芯体表面に傷が入ることはなかった。また、メッキ層にクラックの発生も見られず、芯体として好適に使用することができた。
(比較例1)
実施例1において、芯体表面にメッキ処理を施さなかったアルミニウム芯体を用いて、ポリイミド樹脂無端ベルトを製作した。この芯体のビッカース硬度は45HVであった。得られたベルトの膜厚は80μmで均一となり、表面抵抗率の常用対数値の平均値が10.8logΩ/□で、抵抗バラツキは0.34logΩ/□となり、電子写真用転写ベルトとして好適に使用することができた。
しかしながら、ポリイミド樹脂無端ベルトの製作を20回繰り返したところ、微小な傷が入り、微小な突起や凹みが存在するベルトとなってしまった。さらに、50回目以降からは芯体表面の傷が目立つようになり、ベルトの外観品質上、この芯体を用いることは困難となった。
(比較例2)
実施例1において、芯体表面にメッキ厚10μmのクロムメッキ(線膨張係数は8.4×10-6/K)処理を施した芯体を用いた。この芯体のビッカース硬度は830HVであった。なお、この芯体の基体とメッキ層の線膨張係数比率(αC/αB)は0.37である。この芯体に実施例1同様にシリコーン系離型剤の焼き付け処理を施したところ、芯体表面にはクラックが生じ、メッキ層が剥離してしまい、芯体として使用することはできなかった。
これはαC/αBが小さいため、メッキ層が基体の膨張に耐えられず、クラックが生じたものである。
実施例1〜3、比較例1、2の結果をまとめたものを表1に示す。
(実施例4)
−芯体の製造−
外径365.9mm、長さ600mmのアルミニウム(JIS−材質記号A6063)製円筒(線膨張係数は23×10-6/K)を用意した。かかる円筒は、外径377mm、長さ650mmのアルミニウム製素管の表面を切削したものであり、ダイヤモンドバイトを用いた鏡面旋盤により切削加工を行い、表面粗さRa(JIS−B0601(1994年)に規定されている中心線平均粗さ):0.2μmの平滑面に仕上げた。その際、切削油原液は、ユシロ化学工業製のユシローケンEC50を用い、希釈水として、0.2μmの除菌フィルターを通した導電率2μS/cmのイオン交換水を用いた。切削後、半日放置した。
次いで、切削油を洗浄するため、超音波洗浄装置で、炭化水素系の洗浄液を用いて、切削油を除去した。条件は、超音波周波数70KHz(+スイープ)であり、第一槽:NSクリーン100W(ジャパンエナジー製)で切削液を除去し、第二槽:NSクリーン100(ジャパンエナジー製)で濯ぎを行い、最後に60℃のドライエアで温風乾燥を行った。得られた基材の残油分濃度の測定結果は、5×10-4mg/cm2であった。
次いで、球形ガラス粒子によるブラスト処理により、表面をRa0.4μmに粗面化した。さらに、ブラスト後の表面を、3体積%の水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ脱脂を行い、次いで20体積%の硝酸水溶液で酸脱脂を行って洗浄し、亜鉛置換を2度繰り返した後、表面に厚さ10μmの無電解ニッケルメッキ(線膨張係数は15×10-6/K)処理を施した。基材をメッキ槽から引上げるのと同時に、基材外面に50℃のイオン交換水(導電率5μS/cm)を吹き付けて、メッキ液の付着を防いだ。その後、導電率5μS/cmのイオン交換水(常温)を入れたバブリング洗浄槽にて上下に揺動し、メッキ液の除去と基材の冷却を行った。次に、導電率5μS/cmのイオン交換水(35℃)を吹き付けた後、PVAスポンジローラ(シグナスローラ、アイオン(株)製)を基材に当てながら回転させ、吸水した。その後、60℃のドライエアで温風乾燥を行った。メッキ後の基材全表面をCCD欠陥検出装置によって検査したところ、φ50μm以上のしみや、引上げしみの発生はなかった。
このようにして得られた芯体表面の粗度はRa0.35μmであった。表面の硬度はビッカース硬度計にて測定したところ、510HVであった。なお、この芯体の基体とメッキ層の線膨張係数比率(αC/αB)は0.65である。
さらに、その表面には、シリコーン系離型剤(商品名:セパコート、信越化学(株)製)を塗布して、300℃で1時間、焼き付け処理を施し、円筒芯体とした。
実施例1にて調製したポリイミド前駆体溶液Bを用い、図6に示す環状塗布法により、円筒芯体上にポリイミド前駆体塗膜を形成した。環状体35としては、外径409mm、最小部の内径367.3mm、高さ50mmのアルミニウム製のものを作製した。内壁は傾斜状である。
円筒芯体31を、底面に内径363mmの穴を有する硬質ポリエチレン製環状シール材38が取り付けられた、内径495mm、高さ110mmの環状塗布槽37に通した。環状塗布槽37にポリイミド前駆体溶液32を入れ、環状体35を配置して、円筒芯体31を0.5m/分で上昇させ、塗布を行った。これにより、円筒芯体31の表面には濡れ膜厚が約500μmのポリイミド前駆体塗膜34が形成された。
−ポリイミド樹脂皮膜形成工程−
次に、円筒芯体を水平にして、20rpmで回転させながら、室温で5分間の乾燥後、80℃で20分間、100℃で1時間、加熱乾燥させた。これにより、厚さ約150μmのポリイミド前駆体塗膜を得た。次に、円筒芯体を一旦、室温まで冷却した。
その後、芯体を垂直に立てて、200℃で30分、300℃で30分加熱反応させ、PI樹脂皮膜を形成した。この際、ポリイミド前駆体塗膜はその軸方向に約1%収縮した。
−ポリイミド樹脂皮膜剥離工程−
室温に冷えた後、円筒芯体と皮膜の隙間に圧力0.5MPaの加圧空気を注入したところ、ポリイミド樹脂皮膜が膨張し、容易に抜き取ることができた。その際、無電解ニッケルメッキしみに起因する、貼り付き等のベルト表面故障不良は発生しなかった。得られたポリイミド樹脂無端ベルトは、不要部分を両端から切断した。
この無端ベルトは膜厚が80μmで均一となり、表面抵抗率の常用対数値の平均値が10.8logΩ/□で、最高値と最低値の差(抵抗バラツキ)が0.36logΩ/□であった。
得られたポリイミド樹脂無端ベルトは、電子写真用転写ベルトとして好適に使用することができた。
また、この芯体を用いて、ポリイミド樹脂無端ベルトの製作を600回繰り返しても、芯体表面に傷が入ることはなく、メッキしみに起因する、貼り付き等のベルト表面故障不良も発生しなかった。
また、αC/αBが0.4以上であるため、メッキ層にクラックの発生も見られず、芯体として好適に使用することができた。
(実施例5)
実施例4において、基体の材質を鉄(線膨張係数は12×10-6/K)にした以外は全て同一にしてポリイミド樹脂無端ベルトを作製した。この芯体のビッカース硬度は520HVであった。なお、この芯体の基体とメッキ層の線膨張係数比率(αC/αB)は1.25となる。
その結果、ベルトの膜厚は80μmで均一となり、表面抵抗率の常用対数値の平均値が10.7logΩ/□で、抵抗バラツキは0.64logΩ/□となり、電子写真用転写ベルトとして好適に使用することができた。ただし、抵抗バラツキは実施例1よりも悪くなっており、転写システムによっては使用できないこともあり得る。これは鉄基体の熱伝導性がアルミニウムのそれよりも小さいため、皮膜への加熱温度ムラが大きくなることが原因である。
また、この芯体を用いて、ポリイミド樹脂無端ベルトの製作を600回繰り返しても、芯体表面に傷が入ることはなく、メッキしみに起因する貼り付き等のベルト表面故障不良も発生しなかった。
また、メッキ層にクラックの発生も見られず、芯体として好適に使用することができた。
(比較例3)
実施例4において、芯体表面にメッキ処理を施さなかったアルミニウム芯体を用いてポリイミド樹脂無端ベルトを製作した。この芯体のビッカース硬度は45HVであった。この芯体を用いて、ポリイミド樹脂無端ベルトを製作したところ、ベルトの膜厚は80μmで均一となり、表面抵抗率の常用対数値の平均値が10.8logΩ/□で、抵抗バラツキは0.34logΩ/□となり、電子写真用転写ベルトとして好適に使用することができた。
しかしながら、ポリイミド樹脂無端ベルトの製作を20回繰り返したところ、微小な傷が入り、微小な突起や凹みが存在するベルトとなってしまった。さらに、50回目以降からは芯体表面の傷が目立つようになり、ベルトの外観品質上、この芯体を用いることは困難となった。
(比較例4)
実施例4において、芯体表面にメッキ厚10μmのクロムメッキ(線膨張係数は8.4×10-6/K)処理を施した芯体を用いた。この芯体のビッカース硬度は830HVであった。なお、この芯体の基体とメッキ層の線膨張係数比率(αC/αB)は0.37である。この芯体に実施例4同様にシリコーン系離型剤の焼き付け処理を施したところ、芯体表面にはクラックが生じ、メッキ層が剥離してしまい、芯体として使用することはできなかった。
これはαC/αBが小さいため、メッキ層が基体の膨張に耐えられず、クラックが生じたものである。
実施例4、5及び比較例3、4の結果をまとめたものを表2に示す
(実施例6)
実施例4において、水溶性切削油を希釈する水の導電率を7μS/cmのイオン交換水に変更した以外は、全て同一にして芯体を作製したところ、切削、洗浄後の基材表面に、若干の白いしみが発生した。特に、切削後の保管時に切削液が多く付着した場所には、しみが目立ち、メッキ後にも同じ場所に白いしみが発生した。
(実施例7)
実施例4において、切削後の洗浄及び濯ぎの時間を半分にし、残油分濃度が20×10-4mg/cm2のアルミニウム基材を用いた以外は、全て同一にして芯体を作製したところ、メッキ後の芯体表面に、部分的に白いしみが発生した。
(実施例8)
実施例4において、無電解ニッケルメッキ処理後の洗浄で、導電率が10μS/cmのイオン交換水を用いた以外は、全て同一にして芯体を作製したところ、メッキ洗浄後の芯体表面に、斑点状の白いしみや、白い引上げしみの発生が若干確認された。
(実施例9)
外径366mmのアルミパイプ表面に、実施例1と同様の方法によりメッキ厚10μmの無電解ニッケルメッキを施し、加熱処理を行わず、非晶質のままにした。この表面にシリコーン系離型剤(商品名:セパコート、信越化学製)を塗布した後、300℃60分で加熱したものを芯体として使用し、実施例1と同様にして無端ベルトを作製した。
無端ベルトを作製を200回以上繰り返しても離型作用が継続して発現され、かつ傷の発生もなく、好適に使用することができた。
(実施例10)
実施例9と同様にして無電解ニッケルメッキを施した後、300℃60分で加熱して結晶化させた。その後にシリコーン系離型剤を塗布して300℃60分で加熱した芯体を用い、実施例9と同様に無端ベルトを作製した。
無端ベルトの作製を10回繰り返した時点で離型作用が発現されなくなり、離型層の再形成が必要となった。
(比較例5)
実施例10において、無電解ニッケルメッキの代わりに、電解ニッケルメッキを施した以外は同様にして無端ベルトを作製した。
無端ベルトの作製を10回繰り返した時点で離型作用が発現されなくなり、離型層の再形成が必要となった。
(実施例11)
外径377mm、肉厚26mm、長さ1110mmのアルミニウム(A6063)製円筒を用意した。この円筒体を切削加工し、外径365.9mm、肉厚10mm、長さ1100mmの円筒体とした。この加工後に、球形ガラス粒子によるブラスト処理により、表面をRa0.40μmに粗面化した。その表面に実施例1と同様の方法にて厚さ10μmの無電解ニッケルメッキ処理を施した。表面の粗度はRa0.35μmであった。
さらに、その表面には、シリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布して、300℃で1時間、焼き付け処理を施して円筒芯体とし、実施例1と同様の方法により、ポリイミド前駆体溶液Bを用い、環状塗布法により円筒芯体上にポリイミド前駆体塗膜を形成した。
この芯体を約600回使用したところで、芯体表面に微小なキズが混入していた。
そこで、60体積%の硝酸液に3時間浸漬し、芯体の無電解ニッケルメッキ層を剥離した。このときの表面粗さRaは0.80μmであった。次いで、図4に示すバーチカル研磨で10μm研磨した。加工条件はワーク回転数が60rpm、砥石の番手が3000番、砥石の回転数が200rpm、砥石の移動速度が毎分400mmである。このときの表面粗さRaは0.20μmであった。
さらに、ガラスビーズにて表面粗さRaが0.40μmとなるようにブラスト処理を行ったあと、無電解ニッケルメッキをメッキ厚20μmとなるように処理し、芯体を再生させた。
この芯体を用いたポリイミド樹脂無端ベルトは、電子写真用転写ベルトとして好適に使用することができた。
(実施例12)
基体の長さを600mmから1100mmに変更した以外は、実施例1と同様にして表面にメッキ層を有する芯体を製造した。
この芯体をポリイミド樹脂無端ベルトの製造に用いる前に、表面の検査を行った。CCDカメラと顕微鏡からなる欠陥検出装置(光学式表面検査装置)で走査し、膨らみ5〜20μm、凹み5〜20μm、直径0.05〜1mmのメッキ剥がれの兆候部分の有無を検査したところ、兆候部分は検出されなかった。
上記より得た芯体を用い、実施例1と同様にしてポリイミド樹脂無端ベルトを製作した。800回のベルト製作に使用した後、上記と同様にして芯体の表面検査を行ったところ、膨らみ10μm、凹み10μm、直径0.5mmのメッキ剥がれの兆候部分を検出したのでベルト製作を中止し、60体積%の硝酸液に3時間浸漬してメッキ層を剥離した。アルミニウム基体表面のうねり形状箇所(メッキ剥がれの兆候部分に該当する箇所)を観察したところ、膨らみ・凹み共に10μmであった。
次いで、図4に示すバーチカル研磨で、研磨量10μm、表面粗さRa0.2μmとなるよう、アルミニウム基体表面全面を研磨した。具体的な加工条件としては、ワーク回転数60rpm、砥石の番手3000番、砥石の回転数200rpm、砥石の移動速度毎分400mmとした。この研磨工程により、上記うねり形状箇所はなくなり、均一な表面状態となった。
その後、芯体表面に無電解ニッケルメッキをメッキ厚10μmとなるように処理し、メッキ層を再生した。
このようにして再生された芯体を用いて、ポリイミド樹脂無端ベルトを作製したところ、表面欠陥の発生は無かった。
3、11、22、31 芯体
5 ニッケル(ニッケル−リン酸合金)
6 メッキ槽
7 メッキ液
12、52 基体
13、53 無電解ニッケルメッキ層
21 砥石
24 砥石回転軸
25 芯体回転軸
32 ポリイミド前駆体溶液
33 塗布槽
34 ポリイミド前駆体塗膜
35 環状体
36 孔
37 環状塗布槽
38 シール材
39 中間体
55 メッキ剥がれの兆候部分の膨らみ
57 メッキ剥がれの兆候部分の凹み

Claims (4)

  1. 樹脂前駆体溶液を芯体表面に塗布し樹脂前駆体塗膜を形成する樹脂前駆体塗膜形成工程と、前記樹脂前駆体塗膜を加熱乾燥させ、加熱反応させて樹脂皮膜を形成する樹脂皮膜形成工程と、前記樹脂皮膜の全てを前記芯体から剥離する樹脂皮膜剥離工程と、を繰り返すことで樹脂無端ベルトを繰り返し製造する樹脂無端ベルトの製造方法であって、
    前記芯体として、金属製の基体の表面に、無電解ニッケルメッキ処理を施すことによって形成されたメッキ層を有し、前記メッキ層が非晶質であり、該メッキ層表面にシリコーン系離型剤を塗布した後に加熱を行い、前記メッキ層の結晶化と、離型層の焼付け処理を同時に行った芯体を用いることを特徴とする樹脂無端ベルトの製造方法。
  2. 金属製の基体の表面にメッキ層が形成された芯体から前記メッキ層を剥離し、再度無電解ニッケルメッキ処理を施すことによってメッキ層を再形成する工程を有し、
    再形成した前記メッキ層が非晶質であり、該メッキ層表面にシリコーン系離型剤を塗布した後に加熱を行い、再形成した前記メッキ層の結晶化と、離型層の焼付け処理を同時に行っており、
    且つ前記芯体は、該離型層を設けたメッキ層上に樹脂前駆体溶液を塗布し加熱乾燥させて樹脂被膜を形成する工程および前記樹脂被膜の全てを剥離する工程を繰り返すことで樹脂無端ベルトを繰り返し製造する樹脂無端ベルトの製造に用いられることを特徴とする芯体の再生方法。
  3. 請求項2に記載の芯体の再生方法によってメッキ層が再形成され
    且つ前記離型層を設けたメッキ層上に樹脂前駆体溶液を塗布し加熱乾燥させて樹脂被膜を形成する工程および前記樹脂被膜の全てを剥離する工程を繰り返すことで樹脂無端ベルトを繰り返し製造する樹脂無端ベルトの製造に用いられることを特徴とする芯体。
  4. 樹脂前駆体溶液を芯体表面に塗布し樹脂前駆体塗膜を形成する樹脂前駆体塗膜形成工程と、前記樹脂前駆体塗膜を加熱乾燥させ、加熱反応させて樹脂皮膜を形成する樹脂皮膜形成工程と、前記樹脂皮膜の全てを前記芯体から剥離する樹脂皮膜剥離工程と、を繰り返すことで樹脂無端ベルトを繰り返し製造する樹脂無端ベルトの製造方法であって、
    前記芯体として、表面にメッキ層が再形成された請求項3に記載の芯体を用いることを特徴とする樹脂無端ベルトの製造方法。
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