JP6199643B2 - 放射能汚染水の処理装置および放射性汚染水の処理方法 - Google Patents

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本発明は、放射性セシウムなどの放射性物質を含有する水(「放射能汚染水」と称する)から放射性物質を除去する放射能汚染水の処理装置および放射性汚染水の処理方法に関する。
2011年3月11日に我が国を襲った東日本大震災は大津波の発生を伴うものであり、東北地方沿岸部の市町村に壊滅的被害をもたらす未曾有の大災害となった。その津波による被害は東京電力(株)福島原子力発電所にも及び、原子炉冷却施設の機能停止、燃料棒のメルトダウン、水蒸気爆発などを引き起こし、放射性物質放出による環境汚染ならびに施設内の高レベル放射性物質汚染排液の発生という憂慮すべき事態を現出させた。そのため、放射性物質汚染排液から放射性物質を除去することは、日本国が可及的速やかに解決しなければならない課題の一つである。
原子力発電所等の放射性物質取り扱い施設から放出される主な放射性核種として、ウラン−235の核分裂反応により生成されるヨウ素−131(半減期8.02日)の放射性ヨウ素と、セシウム−134(半減期2.06年)およびセシウム−137(半減期30.07年)の放射性セシウムなどが挙げられる。
このうち、放射性ヨウ素は、半減期が8日程度と短いため、震災直後には浄水汚泥などから検出され問題となったが、現在では沈静化している。一方、放射性セシウムは、半減期も長く、また東北地方や関東地方に幅広く拡散されたため、放射性セシウムにより汚染された土壌、落葉、瓦礫、下水汚泥、焼却灰の処理が大きな問題となっている。
中でも、放射性セシウムを含有した焼却灰、特に焼却飛灰には、揮発した放射性セシウムが濃縮しているばかりか、放射性セシウムが塩化セシウムとなって極めて水に溶解し易い形態で存在する。そのため、このような焼却灰を洗浄した際に排出される洗浄排水には放射性セシウムが多量に溶解することになる。しかし、水に溶解した状態で存在する放射性セシウムの除染処理技術は未だ確立されておらず、放射能汚染水から放射性物質を除去する放射能汚染水の処理方法の確立が急がれている。
放射性セシウムを除去する技術としては、その結晶格子内にセシウムイオンを選択的に取り入れることができるフェロシアン化合物(鉄、銅、ニッケル塩など)の立体的特性(図1及び図2参照)を利用して、フェロシアン化合物粉末を放射性セシウム含有排水に添加接触させた後、固液分離して放射性セシウム含有量を低減する技術や、粘土結晶格子面上のSiO四面体層の配列により形成された6個の酸素原子による六角形構造にセシウムイオンを選択的に取り入れることができるモンモリロナイト属の粘土鉱物の立体的特性(図3及び図4参照)を利用して、モンモリロナイト属の粘土鉱物粉末を放射性セシウム含有排水に添加接触させた後、固液分離して放射性セシウム含有量を低減する技術など、セシウム吸着能を有する粉末状の吸着剤に放射性セシウム含有排水を接触させてセシウムを吸着除去する技術が知られている。
しかし、放射性物質吸着能を有する粉末状の吸着剤に放射性物質含有排水を接触させた後に固液分離する方法では、粉末状の吸着剤から水分を分離することが難しいため、固液分離後に放射性物質を含有する大量の汚泥(スラリー)が発生し、その汚泥減容化処理が必要となるという課題を抱えていた。
かかる課題を解決するための手段として、水分を分離させることが比較的容易な粒状の吸着剤を利用する方法や、多孔性素材の表面や空隙部に放射性物質吸着能を有する物質を添着或いは担持させた放射性物質除去物質を利用する方法などを挙げることができる。
前者の方法に関しては、例えば特許文献1(特開昭56−79999号公報)において、60〜80メッシュ径のX型ゼオライトを湿潤後、硫酸銅水溶液を加えて銅イオンを吸着させたのち、フェロシアン化カリウム水溶液と反応させることにより、ゼオライトの空隙内および各面にフェロシアン化銅を生成させることにより、フェロシアン化金属化合物を添着させる添着方法、および該添着ゼオライトを吸着剤として用いる処理方法が開示されている。
他方、後者の方法に関しては、例えば特許文献2(特開平9−173832号公報)において、多孔性樹脂に低沸点有機溶剤に可溶かつ水に難溶の第四級アンモニウム塩を担持させ、さらにヘキサシアノ鉄(II)酸塩(発明者注:フェロシアン化塩の別名)含有水溶液で処理したのち、この処理物を銅塩含有水溶液と接触させて該樹脂の細孔内にヘキサシアノ鉄(II)酸銅を沈積させ、次いで樹脂内の第四級アンモニウム塩を低沸点有機溶剤で抽出することを特徴とするヘキサシアノ鉄(II)酸銅担持多孔性樹脂の製造方法が開示されている。
また、特許文献3(特公昭62−43519号公報)には、フェロシアン化銅をゼオライトに添着させてなる放射性物質除去物質が開示され、特許文献4(特開平9−173832号公報)には、ヘキサシアノ鉄(II)酸銅を多孔性樹脂に担持させてなる放射性物質除去物質が開示されている。
さらにまた、特許文献5(特公昭62−43519号公報)には、フェロシアン化銅を粒状活性炭に添着させてなる放射性物質除去物質が開示されている。
特開昭56−79999号公報 特開平9−173832号公報 特公昭62−43519号公報 特開平9−173832号公報 特公昭62−43519号公報
フェロシアン化合物は、放射性セシウムを選択的に吸着するセシウム選択吸着性が極めて高く、放射性セシウム除去剤の有効成分として期待される物質である。ところが、フェロシアン化合物を含む放射性物質吸着材を用いて処理すると、セシウム吸着性が高すぎるため、処理後の放射性物質吸着材の放射能汚染レベルが局部的に高くなり、処理後の放射性物質吸着材を処分する段階で取扱いに支障を来たす可能性がある。
そこで本発明は、フェロシアン化合物を含む放射性物質吸着材を用いて、放射性汚染水を処理する方法及び装置に関し、放射能汚染水から放射性セシウムを効率良く除去することができるだけでなく、放射性セシウム吸着後の放射性物質吸着剤の放射能汚染レベルを制御することができる、新たな放射能汚染水の除洗方法および処理装置を提供せんとするものである。
本発明は、放射性物質を含有する被処理水(放射能汚染水)を接触させて該被処理水中の放射性物質を吸着除去して放射能濃度を低減させる、難溶性フェロシアン化合物を含有する第一の放射性物質吸着層(1)と、前記第一の放射性物質吸着層(1)からの放射能濃度が低減された被処理水を接触させて放射性物質を吸着除去する、難溶性フェロシアン化合物の含有率が前記第一の放射性物質吸着層(1)よりも高い第二の放射性物質吸着層(2)と、を有し、前記第一の放射性物質吸着層(1)は、前記被処理水を通水する経路内に、充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が0.4g/L以上、且つ11g/L以下であり、前記第二の放射性物質吸着層(2)は、充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が11g/Lよりも高く、且つ550g/L以下であることを特徴とする放射能汚染水の処理装置を提案する。
本発明はまた、放射性物質を含有する被処理水(放射能汚染水)を、充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が0.4g/L以上、且つ11g/L以下の放射性物質吸着層(1)に通水し、その後、充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が11g/Lよりも高く、且つ550g/L以下の放射性物質吸着層(2)に通水することを特徴とする放射能汚染水の処理方法を提案する。
さらに本発明は、放射能汚染水の除洗方法および処理装置において、放射性物質吸着層1又は放射性物質吸着層2又はこれら両方の層が、水溶性フェロシアン化合物を吸着剤する作用を有する水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有するか、或いは、放射性物質吸着層1及び放射性物質吸着層2とは異なる層として、水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有するCN吸着層3を備えた放射能汚染水の除洗方法および処理装置を提案する。
本発明が提案する放射能汚染水の除洗方法および処理装置によれば、処理の最初の段階では、難溶性フェロシアン化合物の含有率が低い放射性物質吸着層1に被処理水を接触させて、この層1全体で均等に放射性物質を吸着除去して汚染水の放射能レベルを低減させた後、次に難溶性フェロシアン化合物の含有率が高い放射性物質吸着層2に被処理水を接触させて、放射性物質を排出基準以下まで吸着除去することができる。よって、高濃度汚染水と接触する部分(例えば装置の流入部)での過剰吸着を防止できると共に、放射性セシウム吸着後の放射性物質吸着剤の放射能汚染レベルが局部的に高くならないように制御することができる。
また、難溶性フェロシアン化合物を放射能汚染水に加えると、水溶性フェロシアン化合物が処理水中に一部溶解する場合がある。フェロシアン化合物自体には毒性は無いものの、環境基準や排水基準で規定されている全シアン量が増えることになるため、好ましいことではない。そこで、放射能汚染水の除洗方法および処理装置において、放射性物質吸着層1又は放射性物質吸着層2又はこれら両方の層が、水溶性フェロシアン化合物を吸着剤する作用を有する水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有するか、或いは、放射性物質吸着層1及び放射性物質吸着層2とは異なる層として、水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有するCN吸着層3を備えることにより、フェロシアン化合物が処理水中に溶解するのを抑制することができ、処理水の全シアン量を抑制することができる。
フェロシアン化鉄の結晶格子の原子配列を模式的に示した図である。 フェロシアン化鉄の結晶格子内に、セシウムイオンが取り込まれた状態の一例を模式的に示した図である。 モンモリロナイト系粘土鉱物の酸化ケイ素層の酸素原子配列を模式的に示した図である。 粘土鉱物の酸化ケイ素層の酸素の六角形格子内に、セシウムイオンが取り込まれた状態の一例を模式的に示した図である。 (A)本発明の処理装置の一例として、カートリッジ式反応容器を用いた処理装置を示した概念図であり、(B)はその装置における水の流れを示した図である。 同じく、本発明の処理装置の他例を示した概念図である。 同じく、本発明の処理装置の他例を示した概念図である。 同じく、本発明の処理装置の他例を示した概念図である。 同じく、本発明の処理装置の他例を示した概念図である。 同じく、本発明の処理装置の他例を示した概念図である。 本発明の処理装置をメリーゴーランド方式で運用する場合の処理フローの一例を示した概念図である。 試験1の処理装置を示した概念図である。
次に、本発明を実施するための形態について説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本除洗方法>
本実施形態に係る放射能汚染水の処理方法(「本除洗方法」と称する)は、放射性物質を含有する放射能汚染水を、難溶性フェロシアン化合物の含有率が比較的低い下記放射性物質吸着層1に通水して処理した後、難溶性フェロシアン化合物の含有率が比較的高い下記放射性物質吸着層2に通水して処理し、場合によってはさらに、水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有するCN吸着層3に通水して処理することを特徴とする放射能汚染水の処理方法である。
(放射能汚染水)
本除染方法の被処理水としての放射能汚染水は、放射性物質を含有していればよく、中でも放射性セシウムを含有している放射能汚染水であるのが好ましい。
放射能汚染水(被処理水)中の放射性セシウムの濃度は、特に限定するものではなく、高濃度汚染水への適用を不可とするものではないが、処理後の放射性廃棄物処分時の作業者被曝リスクを考慮すると、放射性セシウムによる放射能濃度として10〜5000Bq/Lであるのが好ましい。
なお、放射能汚染水(被処理水)を放射性物質吸着層1に通水する前に、被処理水としての放射能汚染水のpHを酸性領域に調整するようにしてもよい。
この際、被処理水のpHが低ければ、難溶性フェロシアン化合物の水に対する溶解度を下げることができる反面、被処理水のpHが低過ぎると、難溶性フェロシアン化合物のセシウム選択吸着性が低下してしまうため、放射能汚染水のpH5以下に調整するのが好ましい。その一方で、被処理水のpHを下げ過ぎると、難溶性フェロシアン化合物のセシウム選択吸着性が低下してしまうことが分かってきた。そこで、被処理水のpHは3〜5に調整するのが特に好ましい。
放射能汚染水のpHを調整する手段としては、 被処理水を酸性領域、好ましくはpH5以下に調整する手段としては、被処理水に塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸などの酸を添加する方法を挙げることができる。
(放射性物質吸着層1)
放射性物質吸着層1は、被処理水としての放射能汚染水に含まれる放射性物質、特に放射性セシウムの多くを、この層1全体で均等に吸着除去する役割を担う層であり、後段へ負荷となる放射能レベルを低減させることを目的とする。好ましくは、放射能汚染水に含まれる放射性物質、特に放射性セシウムの60%以上、中でも80%以上、その中でも90%以上を吸着するのが好ましい。
放射性物質吸着層1は、難溶性フェロシアン化合物及びその他の原料素材を含む吸着剤粒子からなる層である。
ここで、放射性物質吸着層1の「層」とは、難溶性フェロシアン化合物及びその他の原料素材を含む吸着剤粒子が密に集まった状態を意味し、カラムや容器、塔内の一部において密に集まって層を形成する場合も、例えばカートリッジ容器内に充填された場合も包含する。
放射性物質吸着層1は、該層1の充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が0.4g/L以上かつ11g/L以下であることが重要であり、中でも1.1g/L以上かつ5.5g/L以下、その中でも特に2.2g/L以上かつ5.5g/L以下であるのが好ましい。
放射性物質吸着層1は、該層1の充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が0.4g/L以上かつ11g/L以下であり、このような少量の難溶性フェロシアン化合物が層1中に均一に分散して存在するのが好ましい。そうであれば、放射性物質、特に放射性セシウムが層1の流入部に集中して高汚染量に吸着されることがなく、放射性物質吸着層1全体で分散して吸着除去することができる。
難溶性フェロシアン化合物としては、例えばFe(III)塩、Fe(II)塩、Ni(II)塩、Cu(II)塩、Co(II)塩など難溶性フェロシアン化合物を挙げることができ、中でも価格などを考慮すると、Fe(III)塩(紺青)が好適である。
放射性物質吸着層1を構成する難溶性フェロシアン化合物以外の原料素材、すなわち「その他の原料素材」はその種類を特に限定するものではない。例えば放射性物質を吸着する能力を備えた放射能物質除去物質或いはその粒子であってもよいし、水溶性フェロシアン化合物を吸着する能力を備えた水溶性フェロシアン化合物吸着剤或いはその粒子であってもよいし、前記2者のいずれをも吸着する能力を備えているか否か不明である物質或いはその粒子であってもよい。
放射能物質除去物質としては、例えば、粘土鉱物及びゼオライトなどを挙げることができる。他の放射性物質除去物質の種類は、目的に合わせて含有する放射性物質除去物質を選択し、必要に応じて組み合わせて用いることが可能であるから、複数の核種を同時除去することも可能であり、汎用性が極めて高いといえる。
前記粘土鉱物としては、セシウムイオンを選択吸着できる酸素配列の立体構造を持ったものであれば何れでもよく、特に限定するものではない。モンモリロナイト属、イライト属、バーミキュライト属あるいはカオリナイト属のように、粘土結晶格子面上のSiO四面体層の配列により形成された6個の酸素原子による六角形構造(図1)を有しているものが好適であり、ALO八面体層の両面をSiO四面体層が挟んだ形状の三層構造をしているモンモリロナイト属、或いは、ALO八面体層とSiO四面体層からなる二層構造をしているカオリナイト属の粘土鉱物が特に好適である。
これらの粘土鉱物としては、Na形モンモリロナイトであるベントナイト、H形モンモリロナイトである酸性白土、これらを酸処理して可溶性陽イオンを溶出させて表面活性を高めた活性白土、およびカオリン(白陶土)が挙げられる。
前記ゼオライトとしては、天然ゼオライト、合成ゼオライトのいずれでもよい。この種のゼオライトは、高い陽イオン交換能を有していることから放射性陽イオン核種を除去することができる。よって、放射性セシウムのほかにも、放射性ストロンチウムを除去することもできる。特に、4A型合成ゼオライトはストロンチウムの選択除去性が高いことが知られている。
前記の水溶性フェロシアン化合物吸着剤としては、活性炭や陰イオン交換樹脂などを使用することができる。但し、これらに限定するものではなく、水溶性フェロシアン化合物を吸着する機能を有する物質であれば使用可能である。
前記活性炭としては、例えば石炭系、ヤシ殻系、木質系など、あらゆる種類の活性炭粉末を利用することができる。また、フェルト状、クロス状の活性炭繊維も利用できる。
前記陰イオン交換樹脂としては、強塩基性陰イオン交換樹脂であれば、粒状、繊維状、液状、膜状のいずれの形態であってもよい。例えば、スチレン・ジビニルベンゼンの共重合体からなる母体を有する強塩基性陰イオン交換樹脂を挙げることができる。
放射性物質も水溶性フェロシアン化合物も吸着する能力を備えているか否か不明である物質としては、例えば鋳物砂、石炭灰、ろ過砂などを挙げることができる。
放射性物質吸着層1の好適な一例として、難溶性フェロシアン化合物からなる粒子と、粘土鉱物及びゼオライトからなる群のうちから選ばれる1つ以上の非フェロシアン系放射性物質吸着素材からなる粒子と、必要に応じて活性炭及び陰イオン交換樹脂からなる群のうちから選ばれる1つ以上の水溶性フェロシアン化合物吸着剤からなる粒子とを含有し、且つ、層1の充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が0.4g/L以上かつ11g/L以下である例を挙げることができる。
放射性物質吸着層1は、当該層1を構成する物質、すなわち、難溶性フェロシアン化合物及びその他の原料素材は、例えばそれぞれの物質を含有する粒子を形成し、当該粒子を容器(反応塔やカラムを含む)内に充填して形成することもできる。この際、当該粒子の固化法としては、水ガラス固化、セメント固化などの様々な固化方法を採ることも可能であるが、以下に説明するアルギン酸固化法が特に好ましい。このアルギン酸固化法で製造した好ましい一例として、後述する「放射性物質吸着剤A」の形態を挙げることができる。
放射性物質吸着層1は、1層であっても、2層以上であってもよい。すなわち、放射能汚染水を、1層又は2層以上の放射性物質吸着層1に通水して処理した後、放射性物質吸着層2に通水して処理するようにしてもよい。
放射性物質吸着層1が2層以上からなる場合、2層以上の放射性物質吸着層1における難溶性フェロシアン化合物の含有質量比率は、同じ比率であってもよいし、異なる比率であってもよい。例えば下流側に行くにしたがって、該難溶性フェロシアン化合物の含有質量比率が高まるように調整することもできる。
放射性物質吸着層1が2層以上からなる場合、例えば同一カラム内に2層以上の放射性物質吸着層1を設けることもできるし、又、別々のカラム乃至カートリッジ内に充填して1層の放射性物質吸着層1を形成することもできる。
(放射性物質吸着層2)
放射性物質吸着層2は、放射性物質吸着層1で吸着されなかった放射性物質、特に放射性セシウムを吸着して、放射性物質、特に放射性セシウムの量を排出基準以下まで除去することができ、好ましくは処理水中の放射性物質、特に放射性セシウムが含まれないか或いは僅かに含まれる程度まで除去する役割を担う層である。
なお、事業場及び最終処分場周辺の公共水域の水中の限度濃度としては、Cs134は60Bq/L、Cs137は90Bq/L、かつ以下の式の基準が求められている。
Cs134の濃度(Bq/L)/60(Bq/L)+Cs137の濃度(Bq/L)/90(Bq/L)
放射性物質吸着層2は、難溶性フェロシアン化合物、必要に応じてその他の原料素材を含む層である。
ここで、放射性物質吸着層2の「層」とは、難溶性フェロシアン化合物及びその他の原料素材からなる粒子が密に集まった状態を意味し、カラムや容器、塔内の一部において密に集まって層を形成する場合も、例えばカートリッジ容器内に充填された場合も包含する。
放射性物質吸着層2は、層2の充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が11g/Lよりも高く且つ550g/L以下であることが重要である。
放射性物質吸着層1で吸着されなかった放射性物質、特に放射性セシウムを確実に吸着して漏らさない観点から、放射性物質吸着層2における難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率は11g/Lより高くかつ550g/L以下であることが重要であり、中でも11g/Lより高くかつ110g/L以下、その中でも特に11g/Lより高くかつ55g/L以下であるのが好ましい。
放射性物質吸着層2に含まれる難溶性フェロシアン化合物の種類、難溶性フェロシアン化合物以外の原料素材(水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含む)の種類は、放射性物質吸着層1と同様である。
放射性物質吸着層2の好適な一例として、難溶性フェロシアン化合物からなる粒子と、粘土鉱物及びゼオライトからなる群のうちから選ばれる1つ以上の非フェロシアン系放射性物質吸着素材からなる粒子と、必要に応じて活性炭及び陰イオン交換樹脂からなる群のうちから選ばれる1つ以上の水溶性フェロシアン化合物吸着剤からなる粒子とを含有し、且つ、層2の充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が11g/Lよりも高く且つ550g/L以下である例を挙げることができる。
放射性物質吸着層2は、当該層2を構成する物質、すなわち、難溶性フェロシアン化合物及びその他の原料素材は、例えばそれぞれの物質を含有する粒子を形成し、当該粒子を容器(反応塔やカラムを含む)内に充填して形成することもできる。好ましい一例として、難溶性フェロシアン化合物の含有量を適宜調整した「放射性物質吸着剤A(後述)」から放射性物質吸着層2を形成する形態を挙げることができる。
放射性物質吸着層2は、1層であっても、2層以上であってもよい。すなわち、放射能汚染水を、1層又は2層以上の放射性物質吸着層2に通水して処理するようにしてもよい。
放射性物質吸着層2が2層以上からなる場合、2層以上の放射性物質吸着層2における難溶性フェロシアン化合物の含有質量比率は、同じ比率であってもよいし、異なる比率であってもよい。例えば下流側に行くにしたがって、該難溶性フェロシアン化合物の含有質量比率が高まるように調整することもできる。
放射性物質吸着層2が2層以上からなる場合、例えば同一カラム内に2層以上の放射性物質吸着層2を設けることもできるし、又、別々のカラム乃至カートリッジ内に1層の放射性物質吸着層2を設けることもできる。
(放射性物質吸着層1と放射性物質吸着層2の比率)
1層又は2層以上からなる放射性物質吸着層1の合計量と、1層又は2層以上からなる放射性物質吸着層2の合計量の比率は、処理後の廃棄吸着剤層の放射能汚染レベル及び吸着剤の交換頻度を考慮して、適宜の比率に調整することができる。例えば、被処理水の放射能汚染レベルが高い時には、放射性物質吸着層1の比率を高くしたり、交換頻度を多くしたりすることができる。
(CN吸着層3)
放射性物質吸着層1及び放射性物質吸着層2を通水するほか、必要に応じて、さらに水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有するCN吸着層3に通水して処理するようにしてもよい。
ここで、CN吸着層3の「層」とは、水溶性フェロシアン化合物吸着剤からなる粒子が密に集まった状態を意味し、カラムや容器、塔内の一部において層を形成する場合も、例えばカートリッジ容器内に充填された場合も包含する。
難溶性フェロシアン化合物を放射能汚染水に加えると、水溶性フェロシアン化合物が処理水中に一部溶解する場合がある。フェロシアン化合物自体の毒性は無いものの、環境基準や排水基準で規定されている全シアン量が増えることになるため、好ましいことではない。そこで、水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有するCN吸着層3に通水することにより、難溶性フェロシアン化合物から一部溶出する可能性のある水溶性フェロシアン化合物を除去することができ、処理水の全シアン量を低減することができる。
水溶性フェロシアン化合物吸着剤の種類は上記説明したとおりである。
また、上記のように、放射性物質吸着層1又は放射性物質吸着層2又はこれら両方が、水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有する場合には、CN吸着層3を配設しなくても、処理水の全シアン量を低減することが可能である。よって、その場合には、CN吸着層3を配設しなくても好ましい。
(その他)
本除洗方法では、被処理水の性状や、目的、環境などに応じて、放射性物質吸着層1、放射性物質吸着層2及びCN吸着層3以外の層に通水して処理することは任意である。
<本放射性物質吸着材A>
放射性物質吸着層1及び放射性物質吸着層2を構成する好ましい放射性物質吸着材の一例として、アルギン酸金属塩を含有する多孔質体粒状体を基体粒子とし、難溶性フェロシアン化合物及び必要に応じて他の物質(以下、フェロシアン化合物及び他の素材の全体を「原料素材」と称する。但し、ゾル化剤及びゲル化剤はこれに含まない。)が前記基体粒子の表面乃至内部に散在してなる構成を備えた粒子(「本放射性物質吸着材粒子」と称する)多数からなる放射性物質吸着材(以下、「本放射性物質吸着材A」と称する)を挙げることができる。
中でも、難溶性フェロシアン化合物と共に、粘土鉱物、活性炭、ゼオライト、及びその他の放射性物質吸着剤又はその他の水溶性フェロシアン吸着物質からなる群のうちから選ばれる1つ以上の非フェロシアン化合物、或いはその他の原料素材が、前記基体粒子の表面乃至内部に散在してなる構成を備えた粒子からなる放射性物質吸着材であるのが好ましい。
なお、その原料素材としては、放射性物質除去作用を有する物質であっても、放射性物質除去作用を有されない物質であっても、放射性物質除去作用を有するか不明な物質であってもよい。
本放射性物質吸着材粒子が微粒であると、放射性物質含有排水を接触させた後に固液分離しても、放射性物質除去物質から水分を分離させることが難しいため、固液分離した後に放射性物質を含有する大量の汚泥が発生することになってしまう。そのため、本放射性物質吸着材粒子は、固液分離し易い大きさであるのが好ましい。かかる観点から、本放射性物質吸着材粒子の平均粒径は1mm以上であるのが好ましい。その一方、本放射性物質吸着材粒子が大き過ぎると、表面積が小さくなり、放射性物質の除去効率が低下するため、5mm以下であるのが好ましい。
かかる観点から、本放射性物質吸着材粒子の平均粒径は1mm以上であることが好ましく、中でも、接触効率や圧力損失を考慮すると、1.5mm以上或いは5mm以下、その中でも特に2mm以上或いは4mm以下であるのが特に好ましい。
本放射性物質吸着材粒子の形状、言い換えれば多孔質体粒状体(基体)の形状は、球状、楕円球状、扁平板状など任意である。中でも、分散性などの点で球状であるのが好ましい。
本放射性物質吸着材粒子は、被処理水が粒子内部まで浸透することができるという点で、粒子表面から内部に通じる空隙を多数含む多孔質体であるのが好ましい。
本放射性物質吸着材粒子を構成するアルギン酸金属塩は、2価以上の金属イオン、例えばバリウムイオンやカルシウムイオンを含有する水中に滴下することにより、瞬時にゲル化反応を起こし、球状造粒物を作ることが知られている。例えば塩化カルシウム水溶液にアルギン酸ナトリウム水溶液を一滴ずつ入れると、アルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムが反応し、アルギン酸ナトリウム水溶液の表面にアルギン酸カルシウム膜が形成され、アルギン酸ナトリウム水溶液が球状になり、所謂人工種子(イクラ)が形成されることが知られている。
本放射性物質吸着材粒子を構成するアルギン酸金属塩としては、例えばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸リチウム、アルギン酸カリウムなどを挙げることができ、中でも、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸リチウム、アルギン酸カリウムが好ましく、価格などを考慮すると、アルギン酸ナトリウムが特に好適である。
(原料素材の含有量)
本放射性物質吸着材粒子は、放射性物質除去効率の観点から、粒子の表面及び内部に合計で、原料素材の総量として60w/w%以上の原料素材を含有するのが好ましく、中でも70w/w%以上含有するのが好ましい。
本放射性物質吸着材粒子におけるフェロシアン化合物の含有率は、放射性物質吸着層1又は放射性物質吸着層2が所望するフェロシアン化合物の含有率に応じて適宜調整すればよい。
また、本放射性物質吸着材粒子において、放射性物質除去効率の観点から、原料素材は粒子の表面及び内部に均一濃度で分散しているのが好ましい。
(本放射性物質吸着材Aの製造方法)
本放射性物質吸着材Aは、アルギン酸金属塩の水溶液に原料素材を加えて分散させて原料ゾル溶液を作製する原料ゾル作製工程と、該原料ゾル溶液を、ゲル化剤を含んだ水溶液中に滴下してアルギン酸カルシウムゲルを作製するアルギン酸ゲル作製工程と、このアルギン酸カルシウムゲルを乾燥させて水分を離脱させることにより多孔質体造粒物とする工程とを経て製造することができる(以下「本製造方法」と称する)。
ただし、本放射性物質吸着材Aの製造方法がこの製法に限定されるものではない。
このような本製造方法によれば、任意の難水溶性の粉末状原料素材をアルギン酸カルシウムゲルで包み込むことにより、容易に、しかも任意の割合で粒状に成形することが可能である。
また、粉体の成形方法としては、転動造粒成形、圧密成形、押し出し成形などがあるが、これらの方法はいずれも成形体を圧密状態にするものであるため、被処理水が粒子内部へ浸入することが困難であり、有効に利用されるのは粒子表面に限定されるのに対し、本製造方法によれば、アルギン酸カルシウムゲルを乾燥させて水分を離脱させることにより粒子内に空隙を作るため、粒子表面から内部に通じる空隙を多数含む多孔質体を作製することができるから、被処理水が粒子内部へ容易に浸入することができるため、内部の放射性物質除去物質も有効に利用される。
しかも、後述するように、添加する原料素材の濃度を調整することで本放射性物質吸着材の粒度制御が可能である。
原料ゾル作製工程では、例えば、ゾル化剤としてアルギン酸金属塩を水に溶解して粘稠性の水溶液を作製し、この水溶液に原料素材を加えて均一に分散・混合させることで原料ゾル溶液を作製する。
アルギン酸金属塩は、水に可溶であり、粘稠性の水溶液となる。アルギン酸金属塩の水溶液の濃度としては0.5〜5w/w%が好ましく、中でもv0.5w/w%以上或いは2w/w%以下であるのが特に好ましい。
アルギン酸金属塩の水溶液中に加える原料素材の量は、放射性物質除去効率の観点から、原料ゾル溶液に対して5w/w%以上、中でも10w/w%以上あるいは20w/w%以下とするのが好ましい。
アルギン酸ゲル作製工程では、例えば、カルシウム塩などのゲル化剤を含んだ原料ゾル溶液を調製しておき、緩やかに撹拌した当該水溶液中に前記原料ゾル溶液を内径2mm〜3mmのノズルから液滴を滴下させることにより、前原料素材を均一に包含したアルギン酸カルシウムゲルを作製する。
ゲル化剤としては、2価以上の金属塩を使用することができ、例えばバリウム、カルシウム、銅、鉄、アルミニウム等の塩が挙げられる。具体的には例えば塩化バリウム、塩化カルシウム、硫酸銅、塩化第二鉄、ポリ塩化アルミニウム等を挙げることができ、中でもカルシウム塩が価格や取扱上の安全性などの理由で特に好ましい。
カルシウム塩としては、塩化物塩、臭化物塩、硝酸塩など、水溶性のカルシウム塩であれば特に限定するものではない。価格などを考慮すると、塩化カルシウムが好適である。
カルシウム塩水溶液の濃度としては、特に限定するものではないが、アルギン酸ゾルを加えた時のゲル化反応性の観点から、0.5w/v%以上であるのが好ましく、中でも1w/v%以上或いは5w/v%以下であるのがより一層好ましい。
多孔質化工程では、上記のようにして得られたアルギン酸カルシウムゲルを、乾燥させることで造粒物内から水分を脱離させる過程で、造粒物を多孔質化させることができる。
アルギン酸カルシウムゲルを乾燥させる前に、必要に応じて、アルギン酸カルシウムゲルを水或いは食塩水などで洗浄してもよい。また、0℃〜−20℃で一度凍結させた後にこれは融解させる凍結融解を行う工程を付加してもよい。このような洗浄により、余分なカルシウムイオンを除去することができるから、例えばカルシウムと類似する放射性ストロンチウムの除去率を高めることが期待することができる。
乾燥手段としては、例えば自然乾燥、減圧乾燥、加温乾燥など公知の乾燥手段を適宜採用することができる。中でも、乾燥時間の点で加温乾燥が特に好ましい。
乾燥温度は、粒子内部の空隙の大きさと割合を調整する観点から、50〜120℃とするのが好ましく、中でも50℃以上或いは100℃以下とするのがより好ましい。
<本除洗処理装置>
本実施形態に係る放射能汚染水の処理装置(「本除洗処理装置」と称する)は、上記の本除洗方法を実施することができる処理装置の一例である。
本除洗処理装置は、放射性物質を含有する放射能汚染水(被処理水)を通水する経路内に、前記放射性物質吸着層1と前記放射性物質吸着層2とを備え、前記放射性物質吸着層2よりも上流側に前記放射性物質吸着層1を配置してなる構成を備えた放射能汚染水の処理装置である。
ここで、「放射能汚染水(被処理水)を通水する経路」は、管、塔、槽、容器(カートリッジ式含む)、カラムなどを包含し、その形態を特に限定するものではない。
本除洗方法の項目でも説明したように、放射性物質吸着層1及び2を構成する物質、すなわち、難溶性フェロシアン化合物及びその他の原料素材は、例えばそれぞれの物質を含有する粒子を形成し、当該粒子を容器(反応塔やカラムを含む)内に充填して形成することもできる。例えば難溶性フェロシアン化合物の含有率を適宜調整した前記放射性物質吸着剤Aを容器内に充填して放射性物質吸着層1及び2を形成することができる。
また、放射性物質吸着層1,2は、1層であっても、2層以上であってもよい。
放射性物質吸着層1又は2がそれぞれ2層以上からなる場合、2層以上の放射性物質吸着層1又は2間における難溶性フェロシアン化合物の含有質量比率は、同じ比率であってもよいし、異なる比率であってもよい。例えば下流側に行くにしたがって該難溶性フェロシアン化合物の含有質量比率が高まるように形成することもできる。
また、放射性物質吸着層1又は2がそれぞれ2層以上からなる場合、例えば同一カラム内に2層以上の放射性物質吸着層1、2を設けることもできるし、又、別々のカラム乃至カートリッジ内に1層の放射性物質吸着層1、2を設けることもできる。
例えば、反応槽又は反応容器内において、流入口から順に、放射性物質吸着層1及び放射性物質吸着層2、必要に応じてCN吸着層3を形成し、反応槽又は反応容器の流入口から流入した放射性物質汚染水(被処理水)が、放射性物質吸着層1、放射性物質吸着層2、CN吸着層3の順に接触し、排出口から処理水が排出される構成の本除洗処理装置を挙げることができる。
また、放射性物質吸着層1を構成する材料、放射性物質吸着層2を構成する材料、必要に応じてCN吸着層3を構成する材料を、それぞれ別々の反応槽又は反応容器内に充填して放射性物質吸着層1、放射性物質吸着層2及びCN吸着層3を形成し、最初に、放射性物質吸着層1を構成する材料が充填された反応槽又は反応容器内に放射性物質汚染水(被処理水)を通水し、当該反応槽又は反応容器の排水口から排水された放射性物質汚染水(被処理水)を、次に、放射性物質吸着層2を構成する材料が充填された反応槽又は反応容器内に被処理水を通水し、当該反応槽又は反応容器の排水口から排水された放射性物質汚染水(被処理水)を、次に、CN吸着層3を構成する材料が充填された反応槽又は反応容器内に被処理水を通水し、当該反応槽又は反応容器の排水口から排水された処理水として得ることができる構成の本除洗処理装置を挙げることもできる。
上記のような構成を備えた本除洗処理装置を使用して放射性物質汚染水(被処理水)を処理すれば、被処理水から効果的に放射性物質を除去できる。また、凝集沈殿処理装置のような大きな設備が不要であり、処理廃棄物としての汚泥スラリーが発生しないというメリットを享受できるほか、各種の放射性物質除去物質を組み合わせることによって、複数の核種を一つの充填槽で同時除去することも可能であり、極めて汎用性の高い処理方法といえる。
中でも、処理後の放射性廃棄物処理の必要性を考慮すると、作業者の被曝リスクが高い充填塔からの取り出し作業などが不要であり、処理後のカラムをそのまま廃棄処分することが可能なカートリッジ式カラムによる方式がより好ましい。
なお、放射性物質吸着層1及び放射性物質吸着層2は、各層を構成する材料、すなわち、難溶性フェロシアン化合物からなる粒子と、その他の原料素材からなる粒子を、所定のフェロシアン化合物含有率となるように調整して混合して各層を形成するようにしてもよいし、予め所定のフェロシアン化合物含有率となるように調整した粒子、例えば上記の本放射性物質吸着材(A)から形成するようにしてもよい。
図5(A)は、カートリッジ式反応容器、すなわち着脱可能な容器の一例を示した図であり、図5(B)は、このカートリッジ式反応容器内の水の流れを示した図である。
反応容器の本体は、FRPなどの合成樹脂或いは鉛、アルミニウムやステンレスなどの金属、その他の材料から形成することができる。
容器本体上部には流入口と排水口とが設けられ、該排水口には、容器内部を通じて容器の底部まで伸びる集水管4が連結され、この集水管4の下端部に設けられた集水部4aは容器本体内の底部に配設されている。
容器本体内部には、容器本体上部から下方に向かって順に、放射性物質吸着層1、放射性物質吸着層2、CN吸着層3が形成されており、前記集水部はCN吸着層3内に配設されている。
そして、前記流入口には、被処理水流通管5に着脱可能に連結され、前記排水口には処理水流通管に着脱可能に連結されている。
図5(B)に示すように、放射性物質汚染水(被処理水)は、被処理水流通管5から前記流入口を介して容器内に流入して、下向流となって放射性物質吸着層1、放射性物質吸着層2、CN吸着層3の順に通水し、各層と接触しながら処理され、このように処理された処理水は、容器底部(CN吸着層3内)の集水部4aから集水管4内に集水され、集水管上端部の排水口を介して処理水流通管5に排出される。
次に、カートリッジ式反応容器を用いて本除洗処理装置を形成した具体的な例について説明する。
但し、ここで説明する以外にも、被処理水の放射能濃度、処理水の許容放射能濃度、処理後吸着剤の許容放射能濃度、処理後カラムの許容表面線量、およびカラムの許容交換頻度等を勘案して、カラム内の吸着剤充填パターンや接続するカラム段数の組合せなどを適宜選択し、様々な装置フロー様態を採ることが可能である。
図6は、カートリッジ式反応容器内に、容器本体上部から下方に向かって順に、放射性物質吸着層1、放射性物質吸着層2を積層充填してなる構成を備えたカートリッジ式反応容器6からなる本除洗処理装置である。
放射性物質吸着層1には、難溶性フェロシアン化合物が少量、分散して存在しているため、放射性セシウムは流入部に集中して高汚染量に吸着されることがなく、放射性物質吸着層1全体で分散して吸着除去することができる。次いで、放射性物質吸着層2に通水することにより、放射性セシウムを排出基準以下まで除去することができる。
なお、この本カートリッジ式反応容器6は、上記のようなCN吸着層3を備えていないため、被処理水の酸性度を、水溶性フェロシアン化合物溶出し難いpH(pH3〜5程度)に調整した上で、カートリッジ式反応容器内に通水するのが好ましい。
図7(A)は、カートリッジ式反応容器内に、容器本体上部から下方に向かって順に、放射性物質吸着層1、放射性物質吸着層2、CN吸着層3を積層充填してなる構成を備えたカートリッジ式反応容器7Aからなる除洗処理装置を示している。
この放射性物質吸着層1には、難溶性フェロシアン化合物が少量、分散して存在しているため、放射性セシウムは流入部に集中して高汚染量に吸着されることがなく、放射性物質吸着層1全体で分散して吸着除去することができる。
次いで、放射性物質吸着層2に通水することにより、放射性セシウムを排出基準以下まで除去することができる。
さらに、CN吸着層3に通水することにより、水溶性フェロシアン化合物の処理水への溶出を抑制することができる。この場合、カートリッジ式反応容器6のように被処理水の酸性度を調節する必要がない。
図7(B)は、カートリッジ式反応容器7Aの前段、すなわち上流側に、放射性物質吸着層1を内部に形成してなるカートリッジ式反応容器7Bを接続してなる構成を備えた装置を示している。
カートリッジ式反応容器7Aの前段にカートリッジ式反応容器7Bを接続することにより、より一層長期間の処理が要求される場合に適することになる。
また、図7(C)のように、カートリッジ式反応容器7Aの前段、すなわち上流側に、2以上のカートリッジ式反応容器7Bを接続してなる構成を備えた装置とすることも可能である。このように、カートリッジ式反応容器7Aの前段により多くのカートリッジ式反応容器7Bを接続することにより、より一層長期間の処理が要求される場合に適することになる。
図8(A)は、カートリッジ式反応容器内に放射性物質吸着層1を形成してなるカートリッジ式反応容器8Aを最も上流側に配設し、その排水口に、カートリッジ式反応容器内に、容器本体上部から下方に向かって順に、放射性物質吸着層2、CN吸着層3を積層充填してなる構成を備えたカートリッジ式反応容器8Bを接続してなる構成を備えた除洗処理装置を示している。
このように構成することにより、図7(A)に示した除洗処理装置に比べて、さらに水溶性フェロシアン化合物の処理水への溶出を抑制することができる。
図8(B)は、カートリッジ式反応容器8Bの前段、すなわち上流側に、放射性物質吸着層1を内部に形成してなるカートリッジ式反応容器8Aをさらに接続してなる構成を備えた装置である。カートリッジ式反応容器8Bの上流側に2つのカートリッジ式反応容器8A、8Aを接続することにより、より一層長期間の処理が要求される場合に適することになる。
また、図8(C)のように、カートリッジ式反応容器8Bの前段、すなわち上流側に、3つ或いはそれ以上のカートリッジ式反応容器8Aを接続してなる構成を備えた装置とすることも可能である。このように、カートリッジ式反応容器8Bの前段に接続するカートリッジ式反応容器8Aの数を増やすことにより、より一層長期間の処理が要求される場合に適することになる。
図9(A)は、カートリッジ式反応容器内に容器本体上部から下方に向かって順に、放射性物質吸着層1、放射性物質吸着層2を積層充填してなる構成を備えたカートリッジ式反応容器9Aを最も上流側に配設し、その排水口に、カートリッジ式反応容器内にCN吸着層3を形成してなる構成を備えたカートリッジ式反応容器9Bを接続してなる構成を備えた除洗処理装置である。図8(A)に示した除洗処理装置よりもさらに水溶性フェロシアン化合物の処理水への溶出を抑制することができる。
図9(B)は、カートリッジ式反応容器9Aの前段、すなわち上流側に、放射性物質吸着層1を内部に形成してなるカートリッジ式反応容器9Cを接続してなる構成を備えた装置である。このようにカートリッジ式反応容器9Aの前段にカートリッジ式反応容器9Cを接続することにより、より一層長期間の処理が要求される場合に適することになる。
また、図9(C)は、カートリッジ式反応容器9Aの前段、すなわち上流側に、2つ或いはそれ以上のカートリッジ式反応容器9Cを接続してなる構成を備えた装置である。このようにカートリッジ式反応容器9Aの前段に接続するカートリッジ式反応容器9Cの数を増やすことにより、さらに長期間の処理に対応可能となる。
図10(A)は、放射性物質吸着層1のみを内部に備えたカートリッジ式反応容器10Aを最も上流側に配設し、その排水口に、放射性物質吸着層2のみを内部に備えたカートリッジ式反応容器10Bを接続し、さらにその排水口に、CN吸着層3のみを内部に備えたカートリッジ式反応容器10Cを接続してなる構成を備えた除洗処理装置である。図7〜図9に示した装置よりもさらに高放射能濃度の被処理水の処理に対応できる。
図10(B)は、カートリッジ式反応容器10Bの前段、すなわち上流側に、さらにもう一つ(合計2つ)カートリッジ式反応容器10Aを接続してなる構成を備えた装置である。
図10(C)は、カートリッジ式反応容器10Bの前段、すなわち上流側に、さらにもう一つ(合計3つ)カートリッジ式反応容器10Aを接続してなる構成を備えた装置である。
このように、カートリッジ式反応容器10Bの前段に接続するカートリッジ式反応容器10Aの数を増やすことにより、さらに長期間の処理に対応可能となる。
なお、各構成の除洗処理装置において、放射性物質吸着層1又は放射性物質吸着層2又はこれら両方の層が、水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有していてもよい。
放射性物質吸着層1又は放射性物質吸着層2又はこれら両方の層が、水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有していれば、被処理水の酸性度を調節することなく水溶性フェロシアン化合物の処理水への溶出を抑制することができる。また、処理後廃棄物処分時においても廃棄物からの水溶性フェロシアン化合物の溶出を抑制することができる。
(メリーゴーラウンド方式)
上記のようなカートリッジ式反応容器(単に「カラム」とも称する)を用いて本除洗処理装置を形成する場合、メリーゴーラウンド方式と呼ばれる通水方式を採ることにより、充填吸着剤をより有効に利用することができる。
以下、図11に示すように、図7(A)示したカートリッジ式反応容器7Aを三段連結してなる装置の運用例をもとに、メリーゴーラウンド方式の処理について説明する。
図11の左に示した第1ラウンドの処理では、被処理水流入側からカラム11A、カラム11B、カラム11Cの順に通水されるため、これらのカラムのうちでカラム11Aが最も先に被吸着物質濃度の高い状態となり、最初に被処理水の被吸着物質濃度に対してほぼ飽和吸着量に達するようになる。他方、この時点では、カラム11B、カラム11Cはまだ飽和吸着には達しない。
そこで、図11の中央に示したように、飽和吸着に達したカラム11Aを使用済みカラムとして取り外すとともに、新品カラム11Dを最下流側に配置し、カラム11B、カラム11C、カラム11Dの順に接続する。
そして次に、図11の右に示したように、第2ラウンドの処理を再開し、カラム11Bが飽和吸着に達するまで処理を継続する。
以下同様に、最上流側のカラムが飽和吸着に達したら取り外すとともに最下流側に新品カラムを接続するという、第3ラウンド以降の処理を繰り返せばよい。
このように、複数のカラムを下流側から上流側に順繰りに入れ替えながら運用することから、この処理方式はメリーゴーラウンド方式と称される。この方式の利点は、全てのカラムの吸着剤をほぼ飽和吸着に達するまで有効に利用できることと、最下流には常に新品カラムが配置されるため、処理水質も常に良好に保つことができることである。
なお、図11では、カラムを三段連結した例を示したが、メリーゴーラウンド方式の運用は、カラムを二段連結した場合でも、また、カラムを四段以上連結した場合でも同様に運用することが可能である。
<語句の説明>
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
(放射性物質吸着材2−1)
1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液にフェロシアン化鉄(III)を混合し、重量組成比でフェロシアン化鉄(III)13w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液(アルギン酸ナトリウムゾル)を調製した。
この原料ゾル溶液を、4w/v%塩化カルシウム溶液からなるゲル化剤中に滴下して球状の湿潤ゲルを得た。そして、得られた湿潤ゲルを、乾燥温度50℃で12時間乾燥させ、球状の多孔質体造粒物(放射性物質吸着材2−1)を得た。
こうして得られた放射性物質吸着材2−1は、アルギン酸金属塩(アルギン酸カルシウム)を含有する多孔質体粒状体を基体粒子とし、フェロシアン化鉄(III)が前記基体粒子の表面乃至内部に散在してなる構成を備えた粒子からなるものであり、放射性物質吸着材2−1の充填容積に対するフェロシアン化鉄(III)の含有質量の比率が550g/Lであった。
(放射性物質吸着材2−2、1−1〜1−4)
1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液にフェロシアン化鉄(III)及びカオリンを混合し、表1に示した重量組成比の原料ゾル溶液(アルギン酸ナトリウムゾル)を調製した。
この原料ゾル溶液を、4w/v%塩化カルシウム溶液からなるゲル化剤中に滴下して球状の湿潤ゲルを得た。そして、得られた湿潤ゲルを、乾燥温度50℃で12時間乾燥させ、球状の多孔質体造粒物(放射性物質吸着材2−2、1−1〜1−4)を得た。
こうして得られた放射性物質吸着材は、アルギン酸金属塩(アルギン酸カルシウム)を含有する多孔質体粒状体を基体粒子とし、フェロシアン化鉄(III)及びカオリンが前記基体粒子の表面乃至内部に散在してなる構成を備えた粒子からなるものであり(平均粒径2〜3mm)、それぞれの放射性物質吸着材の充填容積に対するフェロシアン化鉄(III)の含有質量の比率は表1に示すとおりであった。
(放射性物質吸着材2−3、1−5〜1−8)
1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液にフェロシアン鉄(III)及び粉末状ゼオライトを混合し、表1に示した重量組成比の原料ゾル溶液(アルギン酸ナトリウムゾル)を調製した。
この原料ゾル溶液を、4w/v%塩化カルシウム溶液からなるゲル化剤中に滴下して球状の湿潤ゲルを得た。そして、得られた湿潤ゲルを、乾燥温度50℃で12時間乾燥させ、球状の多孔質体造粒物(放射性物質吸着材2−3、1−5〜1−8)を得た。
こうして得られた放射性物質吸着材は、アルギン酸金属塩(アルギン酸カルシウム)を含有する多孔質体粒状体を基体粒子とし、フェロシアン化鉄(III)及びゼオライトが前記基体粒子の表面乃至内部に散在してなる構成を備えた粒子からなるものであり(平均粒径2〜3mm)、それぞれの放射性物質吸着材の充填容積に対するフェロシアン化鉄(III)の含有質量の比率は表1に示すとおりであった。
(放射性物質吸着材2−4、1−9〜1−12)
1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液にフェロシアン鉄(III)及び活性炭を混合し、表1に示した重量組成比の原料ゾル溶液(アルギン酸ナトリウムゾル)を調製した。
この原料ゾル溶液を、3w/w%塩化カルシウム及び1w/v%ポリ塩化アルミニウム含有溶液からなるゲル化剤中に滴下して球状の湿潤ゲルを得た。そして、得られた湿潤ゲルを、乾燥温度50℃で12時間乾燥させ、球状の多孔質体造粒物(放射性物質吸着材2−4、1−9〜1−12)を得た。
こうして得られた放射性物質吸着材は、アルギン酸金属塩(アルギン酸カルシウム及びアルギン酸アルミニウム)を含有する多孔質体粒状体を基体粒子とし、難溶性フェロシアン化合物(フェロシアン化鉄)及び活性炭が前記基体粒子の表面乃至内部に散在してなる構成を備えた粒子からなるものであり(平均粒径2〜3mm)、それぞれの放射性物質吸着材の充填容積に対するフェロシアン化鉄(III)の含有質量の比率は表1に示すとおりであった。
(放射性物質吸着材2−5、1−13〜1−16)
1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液にフェロシアン鉄(III)、粉末状ゼオライト及び活性炭を混合し、表1に示した重量組成比の原料ゾル溶液(アルギン酸ナトリウムゾル)を調製した。
この原料ゾル溶液を、3w/v%塩化カルシウム及び1w/v%ポリ塩化アルミニウム含有溶液からなるゲル化剤中に滴下して球状の湿潤ゲルを得た。そして、得られた湿潤ゲルを、乾燥温度50℃で12時間乾燥させ、球状の多孔質体造粒物(放射性物質吸着材2−5、1−13〜1−16)を得た。
こうして得られた放射性物質吸着材は、アルギン酸金属塩(アルギン酸カルシウム及びアルギン酸アルミニウム)を含有する多孔質体粒状体を基体粒子とし、フェロシアン化鉄(III)、粉末状ゼオライト及び活性炭が前記基体粒子の表面乃至内部に散在してなる構成を備えた粒子からなるものであり(平均粒径2〜3mm)、それぞれの放射性物質吸着材の充填容積に対するフェロシアン化鉄(III)の含有質量の比率は表1に示すとおりであった。
Figure 0006199643
<試験1>
放射性物質吸着剤2−1を内径50mmのカラムに400mL充填し、このカラムを図12に示すように5段連結して処理装置を作製した。
この処理装置に、放射性セシウムを100Bq/L含有する海水(pH7.3、塩類濃度3.6w/w%)を、通水線速度LV=2m/時で、通水倍率250倍(L/L−吸着剤)通水した。
その後、各段のカラムから吸着剤を取り出して均一に混和し、各段の吸着剤の放射能濃度を測定した。
同様の通水試験を、放射性物質吸着剤2−2についても実施した。それぞれの結果を表2に示す。
充填容積に対するフェロシアン化鉄(III)の含有率が550g/Lである放射性物質吸着剤2−1の場合、処理後の各段カラム充填吸着剤の放射能濃度は、一段目、二段目、三段目、四段目、五段目がそれぞれ179,000、7,900、1,000、250、110Bq/kg(何れも乾燥物換算値。以下、同様)であった。このうちの一段目だけに集中的に吸着されて極めて高い放射能レベルになっている一方、二段目以降の吸着剤は殆ど有効に利用されていないことが分かった。
また、充填容積に対するフェロシアン化鉄(III)の含有率が28g/Lである放射性物質吸着剤2−2の場合、処理後の各段カラム充填吸着剤の放射能濃度は、一段目、二段目、三段目、四段目、五段目がそれぞれ94,000、39、000、11,000、6,000、3,800Bq/kgであった。放射性物質吸着剤2−1ほどではないものの、やはり入口側である一段目、二段目が集中的に吸着されて高い放射能レベルになっている一方、三段目以降の放射能レベルは比較的軽微であることが分かった。
このような傾向は、充填容積に対するフェロシアン化鉄(III)の含有率が28g/Lである放射性物質吸着剤2−3、2−4、2−5についても同様であった。
Figure 0006199643
<試験2>
試験1−1と同様の通水試験を充填容積に対するフェロシアン化鉄(III)の含有率がそれぞれ11、3、1、0.4g/Lである放射性物質吸着剤1−1、1−2、1−3,1−4についても実施した。それぞれの結果を表3に示す。
処理後の一段目、二段目、三段目、四段目、五段目各段カラム充填吸着剤の放射能濃度は、それぞれ放射性物質吸着剤1−1の場合は61,000、45、000、38,000、26,000、15,000Bq/kg、放射性物質吸着剤1−2の場合は42,000、38、000、32,000、29,000、21,000Bq/kg、放射性物質吸着剤1−3の場合は33,000、31、000、30,000、30,000、26,000Bq/kg、放射性物質吸着剤1−1の場合は31,000、31、000、30,000、30,000、30,000Bq/kgであった。この処理後の充填吸着剤の放射能レベルは全段ほぼ均等であることが分かった。
このような傾向は、放射性物質吸着剤1−5、1−6、1−7,1−8の組合せ、放射性物質吸着剤1−9、1−10、1−11,1−12の組合せ、並びに、放射性物質吸着剤1−13、1−14、1−15,1−16の組合せついても同様であった。
Figure 0006199643
<試験3>
放射性物質吸着剤1−3を50L、放射性物質吸着剤2−1を1L、水溶性フェロシアン化合物吸着剤として粒状活性炭3Lを、この順番に、内容量54L、径260mmのカートリッジ式カラムカラムに充填し、図5に示すように容器内に3層の吸着剤層を有するカートリッジ式カラム(図5参照)を作製した。
そして、このカートリッジ式カラムに、放射性セシウム濃度100Bq/Lを含有する海水(pH7.3、塩類濃度3.6w/w%)を、10L/分で10m通水した。
その結果、処理水の放射能濃度は10Bq/L未満、全シアン濃度は排水基準を定める省令(最終改正:平成25年5月23日環境省令第15号)による1mg/L未満であった。
また、処理後の放射性物質吸着剤1−3を充填した層の上層および下層の放射能濃度はそれぞれ32,000、29,000Bq/kg、放射性物質吸着剤2−1を充填した層の放射能濃度は40,000Bq/kgであり、特に局部的に放射能濃度が極端に高濃度になった部位は認められなかった。
<試験4>
水溶性フェロシアン化合物吸着剤として、粒状活性炭の代わりに陰イオン交換樹脂(水ing株式会社製強塩基性陰イオン交換樹脂エバイオン500)を用いた以外は、上記試験と同様の試験を行ったところ、処理水の放射能濃度は10Bq/L未満、全シアン濃度は0.01mg/L未満であり、かつ、処理後の放射性物質吸着剤1−3を充填した層および放射性物質吸着剤2−1を充填した層についても、特に局部的に放射能濃度が極端に高濃度になった部位は認められなかった。
<試験5>
放射性物質吸着剤1−11を50L、放射性物質吸着剤2−4を4L、この順番にカラム上層から下層へ向け積層充填した内容量54Lのカートリッジ式カラム(図6参照)に、放射性セシウム濃度100Bq/Lを含有する海水を10L/分で10m通水した。
その結果、処理水の放射能濃度は10Bq/L未満、全シアン濃度は1mg/L未満であった。
また、処理後の放射性物質吸着剤1−11を充填層した上層および下層の放射能濃度はそれぞれ29,000、27,000Bq/kg、放射性物質吸着剤2−を充填した層の放射能濃度は38,000Bq/kgであり、特に局部的に放射能濃度が極端に高濃度になった部位は認められなかった。
<試験6>
フェロシアン化鉄(III)に替えてフェロシアン化銅(II)を使用した以外は、放射性物質吸着剤1−3及び放射性物質吸着剤2−1と同様の条件で製造した放射性物質吸着剤3−3及び放射性物質吸着剤4−1を、それぞれ放射性物質吸着剤1−3及び放射性物質吸着剤2−1に替えて、試験3と同様の条件で試験5を行った。
その結果、処理水の放射能濃度は10Bq/L未満、全シアン濃度は1mg/L未満であった。
また、処理後の放射性物質吸着剤3−3及び放射性物質吸着剤4−1を充填した層についても、特に局部的に放射能濃度が極端に高濃度になった部位は認められなかった。
<試験7>
フェロシアン化鉄(III)に替えてフェロシアン化ニッケル(II)を使用した以外は、放射性物質吸着剤1−3及び放射性物質吸着剤2−1と同様の条件で製造した放射性物質吸着剤5−3及び放射性物質吸着剤6−1を、それぞれ放射性物質吸着剤1−3及び放射性物質吸着剤2−1に替えて、試験4と同様の条件で試験7を行った。
その結果、処理水の放射能濃度は10Bq/L未満、全シアン濃度は1mg/L未満であった。
また、処理後の放射性物質吸着剤5−3及び放射性物質吸着剤6−1を充填した層についても、特に局部的に放射能濃度が極端に高濃度になった部位は認められなかった。
<試験8>
フェロシアン化鉄(III)に替えてフェロシアン化コバルト(II)を使用した以外は、放射性物質吸着剤1−3及び放射性物質吸着剤2−1と同様の条件で製造した放射性物質吸着剤7−3及び放射性物質吸着剤8−1を、それぞれ放射性物質吸着剤1−3及び放射性物質吸着剤2−1に替えて、試験5と同様の条件で試験8行った。
その結果、処理水の放射能濃度は10Bq/L未満、全シアン濃度は1mg/L未満であった。
また、処理後の放射性物質吸着剤7−3及び放射性物質吸着剤8−1を充填した層についても、特に局部的に放射能濃度が極端に高濃度になった部位は認められなかった。
<試験9>
フェロシアン化鉄(III)に替えてフェロシアン化鉄(II)を使用した以外は、放射性物質吸着剤1−3及び放射性物質吸着剤2−1と同様の条件で製造した放射性物質吸着剤7−3及び放射性物質吸着剤8−1を、それぞれ放射性物質吸着剤1−3及び放射性物質吸着剤2−1に替えて、試験5と同様の条件で試験8行った。
その結果、処理水の放射能濃度は10Bq/L未満、全シアン濃度は1mg/L未満であった。
また、処理後の放射性物質吸着剤7−3及び放射性物質吸着剤8−1を充填した層についても、特に局部的に放射能濃度が極端に高濃度になった部位は認められなかった。

Claims (4)

  1. 放射性物質を含有する被処理水(放射能汚染水)を接触させて該被処理水中の放射性物質を吸着除去して放射能濃度を低減させる、難溶性フェロシアン化合物を含有する第一の放射性物質吸着層(1)と、
    前記第一の放射性物質吸着層(1)からの放射能濃度が低減された被処理水を接触させて放射性物質を吸着除去する、難溶性フェロシアン化合物の含有率が前記第一の放射性物質吸着層(1)よりも高い第二の放射性物質吸着層(2)と、を有し、
    前記第一の放射性物質吸着層(1)は、前記被処理水を通水する経路内に、充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が0.4g/L以上、且つ11g/L以下であり、
    前記第二の放射性物質吸着層(2)は、充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が11g/Lよりも高く、且つ550g/L以下であることを特徴とする放射能汚染水の処理装置。
  2. 前記第一の放射性物質吸着層(1)および前記第二の放射性物質吸着層(2)の少なくともいずれか一方は、水溶性フェロシアン化合物を吸着する作用を有する水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有することを特徴とする請求項1記載の放射能汚染水の処理装置。
  3. 前記第一の放射性物質吸着層(1)および前記第二の放射性物質吸着層(2)を通水した前記被処理水を、更に通水させる水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有したCN吸着層(3)を有することを特徴とする請求項1又は2記載の放射能汚染水の処理装置。
  4. 放射性物質を含有する被処理水(放射能汚染水)を、充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が0.4g/L以上、且つ11g/L以下の第一の放射性物質吸着層(1)に通水し、
    その後、充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が11g/Lよりも高く、且つ550g/L以下の第二の放射性物質吸着層(2)に通水することを特徴とする放射能汚染水の処理方法。
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