JP6199643B2 - 放射能汚染水の処理装置および放射性汚染水の処理方法 - Google Patents
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Description
中でも、放射性セシウムを含有した焼却灰、特に焼却飛灰には、揮発した放射性セシウムが濃縮しているばかりか、放射性セシウムが塩化セシウムとなって極めて水に溶解し易い形態で存在する。そのため、このような焼却灰を洗浄した際に排出される洗浄排水には放射性セシウムが多量に溶解することになる。しかし、水に溶解した状態で存在する放射性セシウムの除染処理技術は未だ確立されておらず、放射能汚染水から放射性物質を除去する放射能汚染水の処理方法の確立が急がれている。
かかる課題を解決するための手段として、水分を分離させることが比較的容易な粒状の吸着剤を利用する方法や、多孔性素材の表面や空隙部に放射性物質吸着能を有する物質を添着或いは担持させた放射性物質除去物質を利用する方法などを挙げることができる。
さらにまた、特許文献5(特公昭62−43519号公報)には、フェロシアン化銅を粒状活性炭に添着させてなる放射性物質除去物質が開示されている。
本実施形態に係る放射能汚染水の処理方法(「本除洗方法」と称する)は、放射性物質を含有する放射能汚染水を、難溶性フェロシアン化合物の含有率が比較的低い下記放射性物質吸着層1に通水して処理した後、難溶性フェロシアン化合物の含有率が比較的高い下記放射性物質吸着層2に通水して処理し、場合によってはさらに、水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有するCN吸着層3に通水して処理することを特徴とする放射能汚染水の処理方法である。
本除染方法の被処理水としての放射能汚染水は、放射性物質を含有していればよく、中でも放射性セシウムを含有している放射能汚染水であるのが好ましい。
放射能汚染水(被処理水)中の放射性セシウムの濃度は、特に限定するものではなく、高濃度汚染水への適用を不可とするものではないが、処理後の放射性廃棄物処分時の作業者被曝リスクを考慮すると、放射性セシウムによる放射能濃度として10〜5000Bq/Lであるのが好ましい。
この際、被処理水のpHが低ければ、難溶性フェロシアン化合物の水に対する溶解度を下げることができる反面、被処理水のpHが低過ぎると、難溶性フェロシアン化合物のセシウム選択吸着性が低下してしまうため、放射能汚染水のpH5以下に調整するのが好ましい。その一方で、被処理水のpHを下げ過ぎると、難溶性フェロシアン化合物のセシウム選択吸着性が低下してしまうことが分かってきた。そこで、被処理水のpHは3〜5に調整するのが特に好ましい。
放射性物質吸着層1は、被処理水としての放射能汚染水に含まれる放射性物質、特に放射性セシウムの多くを、この層1全体で均等に吸着除去する役割を担う層であり、後段へ負荷となる放射能レベルを低減させることを目的とする。好ましくは、放射能汚染水に含まれる放射性物質、特に放射性セシウムの60%以上、中でも80%以上、その中でも90%以上を吸着するのが好ましい。
ここで、放射性物質吸着層1の「層」とは、難溶性フェロシアン化合物及びその他の原料素材を含む吸着剤粒子が密に集まった状態を意味し、カラムや容器、塔内の一部において密に集まって層を形成する場合も、例えばカートリッジ容器内に充填された場合も包含する。
放射性物質吸着層1は、該層1の充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が0.4g/L以上かつ11g/L以下であり、このような少量の難溶性フェロシアン化合物が層1中に均一に分散して存在するのが好ましい。そうであれば、放射性物質、特に放射性セシウムが層1の流入部に集中して高汚染量に吸着されることがなく、放射性物質吸着層1全体で分散して吸着除去することができる。
これらの粘土鉱物としては、Na形モンモリロナイトであるベントナイト、H形モンモリロナイトである酸性白土、これらを酸処理して可溶性陽イオンを溶出させて表面活性を高めた活性白土、およびカオリン(白陶土)が挙げられる。
前記陰イオン交換樹脂としては、強塩基性陰イオン交換樹脂であれば、粒状、繊維状、液状、膜状のいずれの形態であってもよい。例えば、スチレン・ジビニルベンゼンの共重合体からなる母体を有する強塩基性陰イオン交換樹脂を挙げることができる。
放射性物質吸着層1が2層以上からなる場合、2層以上の放射性物質吸着層1における難溶性フェロシアン化合物の含有質量比率は、同じ比率であってもよいし、異なる比率であってもよい。例えば下流側に行くにしたがって、該難溶性フェロシアン化合物の含有質量比率が高まるように調整することもできる。
放射性物質吸着層1が2層以上からなる場合、例えば同一カラム内に2層以上の放射性物質吸着層1を設けることもできるし、又、別々のカラム乃至カートリッジ内に充填して1層の放射性物質吸着層1を形成することもできる。
放射性物質吸着層2は、放射性物質吸着層1で吸着されなかった放射性物質、特に放射性セシウムを吸着して、放射性物質、特に放射性セシウムの量を排出基準以下まで除去することができ、好ましくは処理水中の放射性物質、特に放射性セシウムが含まれないか或いは僅かに含まれる程度まで除去する役割を担う層である。
Cs134の濃度(Bq/L)/60(Bq/L)+Cs137の濃度(Bq/L)/90(Bq/L)
ここで、放射性物質吸着層2の「層」とは、難溶性フェロシアン化合物及びその他の原料素材からなる粒子が密に集まった状態を意味し、カラムや容器、塔内の一部において密に集まって層を形成する場合も、例えばカートリッジ容器内に充填された場合も包含する。
放射性物質吸着層1で吸着されなかった放射性物質、特に放射性セシウムを確実に吸着して漏らさない観点から、放射性物質吸着層2における難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率は11g/Lより高くかつ550g/L以下であることが重要であり、中でも11g/Lより高くかつ110g/L以下、その中でも特に11g/Lより高くかつ55g/L以下であるのが好ましい。
放射性物質吸着層2が2層以上からなる場合、2層以上の放射性物質吸着層2における難溶性フェロシアン化合物の含有質量比率は、同じ比率であってもよいし、異なる比率であってもよい。例えば下流側に行くにしたがって、該難溶性フェロシアン化合物の含有質量比率が高まるように調整することもできる。
放射性物質吸着層2が2層以上からなる場合、例えば同一カラム内に2層以上の放射性物質吸着層2を設けることもできるし、又、別々のカラム乃至カートリッジ内に1層の放射性物質吸着層2を設けることもできる。
1層又は2層以上からなる放射性物質吸着層1の合計量と、1層又は2層以上からなる放射性物質吸着層2の合計量の比率は、処理後の廃棄吸着剤層の放射能汚染レベル及び吸着剤の交換頻度を考慮して、適宜の比率に調整することができる。例えば、被処理水の放射能汚染レベルが高い時には、放射性物質吸着層1の比率を高くしたり、交換頻度を多くしたりすることができる。
放射性物質吸着層1及び放射性物質吸着層2を通水するほか、必要に応じて、さらに水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有するCN吸着層3に通水して処理するようにしてもよい。
ここで、CN吸着層3の「層」とは、水溶性フェロシアン化合物吸着剤からなる粒子が密に集まった状態を意味し、カラムや容器、塔内の一部において層を形成する場合も、例えばカートリッジ容器内に充填された場合も包含する。
また、上記のように、放射性物質吸着層1又は放射性物質吸着層2又はこれら両方が、水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有する場合には、CN吸着層3を配設しなくても、処理水の全シアン量を低減することが可能である。よって、その場合には、CN吸着層3を配設しなくても好ましい。
本除洗方法では、被処理水の性状や、目的、環境などに応じて、放射性物質吸着層1、放射性物質吸着層2及びCN吸着層3以外の層に通水して処理することは任意である。
放射性物質吸着層1及び放射性物質吸着層2を構成する好ましい放射性物質吸着材の一例として、アルギン酸金属塩を含有する多孔質体粒状体を基体粒子とし、難溶性フェロシアン化合物及び必要に応じて他の物質(以下、フェロシアン化合物及び他の素材の全体を「原料素材」と称する。但し、ゾル化剤及びゲル化剤はこれに含まない。)が前記基体粒子の表面乃至内部に散在してなる構成を備えた粒子(「本放射性物質吸着材粒子」と称する)多数からなる放射性物質吸着材(以下、「本放射性物質吸着材A」と称する)を挙げることができる。
なお、その原料素材としては、放射性物質除去作用を有する物質であっても、放射性物質除去作用を有されない物質であっても、放射性物質除去作用を有するか不明な物質であってもよい。
かかる観点から、本放射性物質吸着材粒子の平均粒径は1mm以上であることが好ましく、中でも、接触効率や圧力損失を考慮すると、1.5mm以上或いは5mm以下、その中でも特に2mm以上或いは4mm以下であるのが特に好ましい。
本放射性物質吸着材粒子は、被処理水が粒子内部まで浸透することができるという点で、粒子表面から内部に通じる空隙を多数含む多孔質体であるのが好ましい。
本放射性物質吸着材粒子を構成するアルギン酸金属塩としては、例えばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸リチウム、アルギン酸カリウムなどを挙げることができ、中でも、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸リチウム、アルギン酸カリウムが好ましく、価格などを考慮すると、アルギン酸ナトリウムが特に好適である。
本放射性物質吸着材粒子は、放射性物質除去効率の観点から、粒子の表面及び内部に合計で、原料素材の総量として60w/w%以上の原料素材を含有するのが好ましく、中でも70w/w%以上含有するのが好ましい。
本放射性物質吸着材粒子におけるフェロシアン化合物の含有率は、放射性物質吸着層1又は放射性物質吸着層2が所望するフェロシアン化合物の含有率に応じて適宜調整すればよい。
また、本放射性物質吸着材粒子において、放射性物質除去効率の観点から、原料素材は粒子の表面及び内部に均一濃度で分散しているのが好ましい。
本放射性物質吸着材Aは、アルギン酸金属塩の水溶液に原料素材を加えて分散させて原料ゾル溶液を作製する原料ゾル作製工程と、該原料ゾル溶液を、ゲル化剤を含んだ水溶液中に滴下してアルギン酸カルシウムゲルを作製するアルギン酸ゲル作製工程と、このアルギン酸カルシウムゲルを乾燥させて水分を離脱させることにより多孔質体造粒物とする工程とを経て製造することができる(以下「本製造方法」と称する)。
ただし、本放射性物質吸着材Aの製造方法がこの製法に限定されるものではない。
また、粉体の成形方法としては、転動造粒成形、圧密成形、押し出し成形などがあるが、これらの方法はいずれも成形体を圧密状態にするものであるため、被処理水が粒子内部へ浸入することが困難であり、有効に利用されるのは粒子表面に限定されるのに対し、本製造方法によれば、アルギン酸カルシウムゲルを乾燥させて水分を離脱させることにより粒子内に空隙を作るため、粒子表面から内部に通じる空隙を多数含む多孔質体を作製することができるから、被処理水が粒子内部へ容易に浸入することができるため、内部の放射性物質除去物質も有効に利用される。
しかも、後述するように、添加する原料素材の濃度を調整することで本放射性物質吸着材の粒度制御が可能である。
アルギン酸金属塩は、水に可溶であり、粘稠性の水溶液となる。アルギン酸金属塩の水溶液の濃度としては0.5〜5w/w%が好ましく、中でもv0.5w/w%以上或いは2w/w%以下であるのが特に好ましい。
アルギン酸金属塩の水溶液中に加える原料素材の量は、放射性物質除去効率の観点から、原料ゾル溶液に対して5w/w%以上、中でも10w/w%以上あるいは20w/w%以下とするのが好ましい。
ゲル化剤としては、2価以上の金属塩を使用することができ、例えばバリウム、カルシウム、銅、鉄、アルミニウム等の塩が挙げられる。具体的には例えば塩化バリウム、塩化カルシウム、硫酸銅、塩化第二鉄、ポリ塩化アルミニウム等を挙げることができ、中でもカルシウム塩が価格や取扱上の安全性などの理由で特に好ましい。
カルシウム塩としては、塩化物塩、臭化物塩、硝酸塩など、水溶性のカルシウム塩であれば特に限定するものではない。価格などを考慮すると、塩化カルシウムが好適である。
カルシウム塩水溶液の濃度としては、特に限定するものではないが、アルギン酸ゾルを加えた時のゲル化反応性の観点から、0.5w/v%以上であるのが好ましく、中でも1w/v%以上或いは5w/v%以下であるのがより一層好ましい。
アルギン酸カルシウムゲルを乾燥させる前に、必要に応じて、アルギン酸カルシウムゲルを水或いは食塩水などで洗浄してもよい。また、0℃〜−20℃で一度凍結させた後にこれは融解させる凍結融解を行う工程を付加してもよい。このような洗浄により、余分なカルシウムイオンを除去することができるから、例えばカルシウムと類似する放射性ストロンチウムの除去率を高めることが期待することができる。
乾燥温度は、粒子内部の空隙の大きさと割合を調整する観点から、50〜120℃とするのが好ましく、中でも50℃以上或いは100℃以下とするのがより好ましい。
本実施形態に係る放射能汚染水の処理装置(「本除洗処理装置」と称する)は、上記の本除洗方法を実施することができる処理装置の一例である。
ここで、「放射能汚染水(被処理水)を通水する経路」は、管、塔、槽、容器(カートリッジ式含む)、カラムなどを包含し、その形態を特に限定するものではない。
放射性物質吸着層1又は2がそれぞれ2層以上からなる場合、2層以上の放射性物質吸着層1又は2間における難溶性フェロシアン化合物の含有質量比率は、同じ比率であってもよいし、異なる比率であってもよい。例えば下流側に行くにしたがって該難溶性フェロシアン化合物の含有質量比率が高まるように形成することもできる。
中でも、処理後の放射性廃棄物処理の必要性を考慮すると、作業者の被曝リスクが高い充填塔からの取り出し作業などが不要であり、処理後のカラムをそのまま廃棄処分することが可能なカートリッジ式カラムによる方式がより好ましい。
反応容器の本体は、FRPなどの合成樹脂或いは鉛、アルミニウムやステンレスなどの金属、その他の材料から形成することができる。
容器本体上部には流入口と排水口とが設けられ、該排水口には、容器内部を通じて容器の底部まで伸びる集水管4が連結され、この集水管4の下端部に設けられた集水部4aは容器本体内の底部に配設されている。
容器本体内部には、容器本体上部から下方に向かって順に、放射性物質吸着層1、放射性物質吸着層2、CN吸着層3が形成されており、前記集水部はCN吸着層3内に配設されている。
そして、前記流入口には、被処理水流通管5に着脱可能に連結され、前記排水口には処理水流通管に着脱可能に連結されている。
但し、ここで説明する以外にも、被処理水の放射能濃度、処理水の許容放射能濃度、処理後吸着剤の許容放射能濃度、処理後カラムの許容表面線量、およびカラムの許容交換頻度等を勘案して、カラム内の吸着剤充填パターンや接続するカラム段数の組合せなどを適宜選択し、様々な装置フロー様態を採ることが可能である。
次いで、放射性物質吸着層2に通水することにより、放射性セシウムを排出基準以下まで除去することができる。
さらに、CN吸着層3に通水することにより、水溶性フェロシアン化合物の処理水への溶出を抑制することができる。この場合、カートリッジ式反応容器6のように被処理水の酸性度を調節する必要がない。
カートリッジ式反応容器7Aの前段にカートリッジ式反応容器7Bを接続することにより、より一層長期間の処理が要求される場合に適することになる。
このように構成することにより、図7(A)に示した除洗処理装置に比べて、さらに水溶性フェロシアン化合物の処理水への溶出を抑制することができる。
また、図9(C)は、カートリッジ式反応容器9Aの前段、すなわち上流側に、2つ或いはそれ以上のカートリッジ式反応容器9Cを接続してなる構成を備えた装置である。このようにカートリッジ式反応容器9Aの前段に接続するカートリッジ式反応容器9Cの数を増やすことにより、さらに長期間の処理に対応可能となる。
図10(C)は、カートリッジ式反応容器10Bの前段、すなわち上流側に、さらにもう一つ(合計3つ)カートリッジ式反応容器10Aを接続してなる構成を備えた装置である。
このように、カートリッジ式反応容器10Bの前段に接続するカートリッジ式反応容器10Aの数を増やすことにより、さらに長期間の処理に対応可能となる。
放射性物質吸着層1又は放射性物質吸着層2又はこれら両方の層が、水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有していれば、被処理水の酸性度を調節することなく水溶性フェロシアン化合物の処理水への溶出を抑制することができる。また、処理後廃棄物処分時においても廃棄物からの水溶性フェロシアン化合物の溶出を抑制することができる。
上記のようなカートリッジ式反応容器(単に「カラム」とも称する)を用いて本除洗処理装置を形成する場合、メリーゴーラウンド方式と呼ばれる通水方式を採ることにより、充填吸着剤をより有効に利用することができる。
そこで、図11の中央に示したように、飽和吸着に達したカラム11Aを使用済みカラムとして取り外すとともに、新品カラム11Dを最下流側に配置し、カラム11B、カラム11C、カラム11Dの順に接続する。
そして次に、図11の右に示したように、第2ラウンドの処理を再開し、カラム11Bが飽和吸着に達するまで処理を継続する。
以下同様に、最上流側のカラムが飽和吸着に達したら取り外すとともに最下流側に新品カラムを接続するという、第3ラウンド以降の処理を繰り返せばよい。
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液にフェロシアン化鉄(III)を混合し、重量組成比でフェロシアン化鉄(III)13w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液(アルギン酸ナトリウムゾル)を調製した。
この原料ゾル溶液を、4w/v%塩化カルシウム溶液からなるゲル化剤中に滴下して球状の湿潤ゲルを得た。そして、得られた湿潤ゲルを、乾燥温度50℃で12時間乾燥させ、球状の多孔質体造粒物(放射性物質吸着材2−1)を得た。
こうして得られた放射性物質吸着材2−1は、アルギン酸金属塩(アルギン酸カルシウム)を含有する多孔質体粒状体を基体粒子とし、フェロシアン化鉄(III)が前記基体粒子の表面乃至内部に散在してなる構成を備えた粒子からなるものであり、放射性物質吸着材2−1の充填容積に対するフェロシアン化鉄(III)の含有質量の比率が550g/Lであった。
1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液にフェロシアン化鉄(III)及びカオリンを混合し、表1に示した重量組成比の原料ゾル溶液(アルギン酸ナトリウムゾル)を調製した。
この原料ゾル溶液を、4w/v%塩化カルシウム溶液からなるゲル化剤中に滴下して球状の湿潤ゲルを得た。そして、得られた湿潤ゲルを、乾燥温度50℃で12時間乾燥させ、球状の多孔質体造粒物(放射性物質吸着材2−2、1−1〜1−4)を得た。
こうして得られた放射性物質吸着材は、アルギン酸金属塩(アルギン酸カルシウム)を含有する多孔質体粒状体を基体粒子とし、フェロシアン化鉄(III)及びカオリンが前記基体粒子の表面乃至内部に散在してなる構成を備えた粒子からなるものであり(平均粒径2〜3mm)、それぞれの放射性物質吸着材の充填容積に対するフェロシアン化鉄(III)の含有質量の比率は表1に示すとおりであった。
1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液にフェロシアン鉄(III)及び粉末状ゼオライトを混合し、表1に示した重量組成比の原料ゾル溶液(アルギン酸ナトリウムゾル)を調製した。
この原料ゾル溶液を、4w/v%塩化カルシウム溶液からなるゲル化剤中に滴下して球状の湿潤ゲルを得た。そして、得られた湿潤ゲルを、乾燥温度50℃で12時間乾燥させ、球状の多孔質体造粒物(放射性物質吸着材2−3、1−5〜1−8)を得た。
こうして得られた放射性物質吸着材は、アルギン酸金属塩(アルギン酸カルシウム)を含有する多孔質体粒状体を基体粒子とし、フェロシアン化鉄(III)及びゼオライトが前記基体粒子の表面乃至内部に散在してなる構成を備えた粒子からなるものであり(平均粒径2〜3mm)、それぞれの放射性物質吸着材の充填容積に対するフェロシアン化鉄(III)の含有質量の比率は表1に示すとおりであった。
1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液にフェロシアン鉄(III)及び活性炭を混合し、表1に示した重量組成比の原料ゾル溶液(アルギン酸ナトリウムゾル)を調製した。
この原料ゾル溶液を、3w/w%塩化カルシウム及び1w/v%ポリ塩化アルミニウム含有溶液からなるゲル化剤中に滴下して球状の湿潤ゲルを得た。そして、得られた湿潤ゲルを、乾燥温度50℃で12時間乾燥させ、球状の多孔質体造粒物(放射性物質吸着材2−4、1−9〜1−12)を得た。
こうして得られた放射性物質吸着材は、アルギン酸金属塩(アルギン酸カルシウム及びアルギン酸アルミニウム)を含有する多孔質体粒状体を基体粒子とし、難溶性フェロシアン化合物(フェロシアン化鉄)及び活性炭が前記基体粒子の表面乃至内部に散在してなる構成を備えた粒子からなるものであり(平均粒径2〜3mm)、それぞれの放射性物質吸着材の充填容積に対するフェロシアン化鉄(III)の含有質量の比率は表1に示すとおりであった。
1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液にフェロシアン鉄(III)、粉末状ゼオライト及び活性炭を混合し、表1に示した重量組成比の原料ゾル溶液(アルギン酸ナトリウムゾル)を調製した。
この原料ゾル溶液を、3w/v%塩化カルシウム及び1w/v%ポリ塩化アルミニウム含有溶液からなるゲル化剤中に滴下して球状の湿潤ゲルを得た。そして、得られた湿潤ゲルを、乾燥温度50℃で12時間乾燥させ、球状の多孔質体造粒物(放射性物質吸着材2−5、1−13〜1−16)を得た。
こうして得られた放射性物質吸着材は、アルギン酸金属塩(アルギン酸カルシウム及びアルギン酸アルミニウム)を含有する多孔質体粒状体を基体粒子とし、フェロシアン化鉄(III)、粉末状ゼオライト及び活性炭が前記基体粒子の表面乃至内部に散在してなる構成を備えた粒子からなるものであり(平均粒径2〜3mm)、それぞれの放射性物質吸着材の充填容積に対するフェロシアン化鉄(III)の含有質量の比率は表1に示すとおりであった。
放射性物質吸着剤2−1を内径50mmのカラムに400mL充填し、このカラムを図12に示すように5段連結して処理装置を作製した。
この処理装置に、放射性セシウムを100Bq/L含有する海水(pH7.3、塩類濃度3.6w/w%)を、通水線速度LV=2m/時で、通水倍率250倍(L/L−吸着剤)通水した。
その後、各段のカラムから吸着剤を取り出して均一に混和し、各段の吸着剤の放射能濃度を測定した。
また、充填容積に対するフェロシアン化鉄(III)の含有率が28g/Lである放射性物質吸着剤2−2の場合、処理後の各段カラム充填吸着剤の放射能濃度は、一段目、二段目、三段目、四段目、五段目がそれぞれ94,000、39、000、11,000、6,000、3,800Bq/kgであった。放射性物質吸着剤2−1ほどではないものの、やはり入口側である一段目、二段目が集中的に吸着されて高い放射能レベルになっている一方、三段目以降の放射能レベルは比較的軽微であることが分かった。
このような傾向は、充填容積に対するフェロシアン化鉄(III)の含有率が28g/Lである放射性物質吸着剤2−3、2−4、2−5についても同様であった。
試験1−1と同様の通水試験を充填容積に対するフェロシアン化鉄(III)の含有率がそれぞれ11、3、1、0.4g/Lである放射性物質吸着剤1−1、1−2、1−3,1−4についても実施した。それぞれの結果を表3に示す。
このような傾向は、放射性物質吸着剤1−5、1−6、1−7,1−8の組合せ、放射性物質吸着剤1−9、1−10、1−11,1−12の組合せ、並びに、放射性物質吸着剤1−13、1−14、1−15,1−16の組合せついても同様であった。
放射性物質吸着剤1−3を50L、放射性物質吸着剤2−1を1L、水溶性フェロシアン化合物吸着剤として粒状活性炭3Lを、この順番に、内容量54L、径260mmのカートリッジ式カラムカラムに充填し、図5に示すように容器内に3層の吸着剤層を有するカートリッジ式カラム(図5参照)を作製した。
そして、このカートリッジ式カラムに、放射性セシウム濃度100Bq/Lを含有する海水(pH7.3、塩類濃度3.6w/w%)を、10L/分で10m3通水した。
また、処理後の放射性物質吸着剤1−3を充填した層の上層および下層の放射能濃度はそれぞれ32,000、29,000Bq/kg、放射性物質吸着剤2−1を充填した層の放射能濃度は40,000Bq/kgであり、特に局部的に放射能濃度が極端に高濃度になった部位は認められなかった。
水溶性フェロシアン化合物吸着剤として、粒状活性炭の代わりに陰イオン交換樹脂(水ing株式会社製強塩基性陰イオン交換樹脂エバイオン500)を用いた以外は、上記試験と同様の試験を行ったところ、処理水の放射能濃度は10Bq/L未満、全シアン濃度は0.01mg/L未満であり、かつ、処理後の放射性物質吸着剤1−3を充填した層および放射性物質吸着剤2−1を充填した層についても、特に局部的に放射能濃度が極端に高濃度になった部位は認められなかった。
放射性物質吸着剤1−11を50L、放射性物質吸着剤2−4を4L、この順番にカラム上層から下層へ向け積層充填した内容量54Lのカートリッジ式カラム(図6参照)に、放射性セシウム濃度100Bq/Lを含有する海水を10L/分で10m3通水した。
その結果、処理水の放射能濃度は10Bq/L未満、全シアン濃度は1mg/L未満であった。
また、処理後の放射性物質吸着剤1−11を充填層した上層および下層の放射能濃度はそれぞれ29,000、27,000Bq/kg、放射性物質吸着剤2−4を充填した層の放射能濃度は38,000Bq/kgであり、特に局部的に放射能濃度が極端に高濃度になった部位は認められなかった。
フェロシアン化鉄(III)に替えてフェロシアン化銅(II)を使用した以外は、放射性物質吸着剤1−3及び放射性物質吸着剤2−1と同様の条件で製造した放射性物質吸着剤3−3及び放射性物質吸着剤4−1を、それぞれ放射性物質吸着剤1−3及び放射性物質吸着剤2−1に替えて、試験3と同様の条件で試験5を行った。
その結果、処理水の放射能濃度は10Bq/L未満、全シアン濃度は1mg/L未満であった。
また、処理後の放射性物質吸着剤3−3及び放射性物質吸着剤4−1を充填した層についても、特に局部的に放射能濃度が極端に高濃度になった部位は認められなかった。
フェロシアン化鉄(III)に替えてフェロシアン化ニッケル(II)を使用した以外は、放射性物質吸着剤1−3及び放射性物質吸着剤2−1と同様の条件で製造した放射性物質吸着剤5−3及び放射性物質吸着剤6−1を、それぞれ放射性物質吸着剤1−3及び放射性物質吸着剤2−1に替えて、試験4と同様の条件で試験7を行った。
その結果、処理水の放射能濃度は10Bq/L未満、全シアン濃度は1mg/L未満であった。
また、処理後の放射性物質吸着剤5−3及び放射性物質吸着剤6−1を充填した層についても、特に局部的に放射能濃度が極端に高濃度になった部位は認められなかった。
フェロシアン化鉄(III)に替えてフェロシアン化コバルト(II)を使用した以外は、放射性物質吸着剤1−3及び放射性物質吸着剤2−1と同様の条件で製造した放射性物質吸着剤7−3及び放射性物質吸着剤8−1を、それぞれ放射性物質吸着剤1−3及び放射性物質吸着剤2−1に替えて、試験5と同様の条件で試験8行った。
その結果、処理水の放射能濃度は10Bq/L未満、全シアン濃度は1mg/L未満であった。
また、処理後の放射性物質吸着剤7−3及び放射性物質吸着剤8−1を充填した層についても、特に局部的に放射能濃度が極端に高濃度になった部位は認められなかった。
フェロシアン化鉄(III)に替えてフェロシアン化鉄(II)を使用した以外は、放射性物質吸着剤1−3及び放射性物質吸着剤2−1と同様の条件で製造した放射性物質吸着剤7−3及び放射性物質吸着剤8−1を、それぞれ放射性物質吸着剤1−3及び放射性物質吸着剤2−1に替えて、試験5と同様の条件で試験8行った。
その結果、処理水の放射能濃度は10Bq/L未満、全シアン濃度は1mg/L未満であった。
また、処理後の放射性物質吸着剤7−3及び放射性物質吸着剤8−1を充填した層についても、特に局部的に放射能濃度が極端に高濃度になった部位は認められなかった。
Claims (4)
- 放射性物質を含有する被処理水(放射能汚染水)を接触させて該被処理水中の放射性物質を吸着除去して放射能濃度を低減させる、難溶性フェロシアン化合物を含有する第一の放射性物質吸着層(1)と、
前記第一の放射性物質吸着層(1)からの放射能濃度が低減された被処理水を接触させて放射性物質を吸着除去する、難溶性フェロシアン化合物の含有率が前記第一の放射性物質吸着層(1)よりも高い第二の放射性物質吸着層(2)と、を有し、
前記第一の放射性物質吸着層(1)は、前記被処理水を通水する経路内に、充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が0.4g/L以上、且つ11g/L以下であり、
前記第二の放射性物質吸着層(2)は、充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が11g/Lよりも高く、且つ550g/L以下であることを特徴とする放射能汚染水の処理装置。 - 前記第一の放射性物質吸着層(1)および前記第二の放射性物質吸着層(2)の少なくともいずれか一方は、水溶性フェロシアン化合物を吸着する作用を有する水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有することを特徴とする請求項1記載の放射能汚染水の処理装置。
- 前記第一の放射性物質吸着層(1)および前記第二の放射性物質吸着層(2)を通水した前記被処理水を、更に通水させる水溶性フェロシアン化合物吸着剤を含有したCN吸着層(3)を有することを特徴とする請求項1又は2記載の放射能汚染水の処理装置。
- 放射性物質を含有する被処理水(放射能汚染水)を、充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が0.4g/L以上、且つ11g/L以下の第一の放射性物質吸着層(1)に通水し、
その後、充填容積に対する難溶性フェロシアン化合物の含有質量の比率が11g/Lよりも高く、且つ550g/L以下の第二の放射性物質吸着層(2)に通水することを特徴とする放射能汚染水の処理方法。
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