JP6418929B2 - 位相差フィルムの製造方法および積層偏光板の製造方法 - Google Patents

位相差フィルムの製造方法および積層偏光板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、位相差フィルムの製造方法に関する。さらに、本発明は偏光子と位相差フィルムとが積層された積層偏光板の製造方法に関する。
液晶表示装置等のディスプレイには、コントラスト向上や視野角拡大等の光学補償を行う目的で、位相差フィルムが用いられる(例えば特許文献1参照)。光学補償に用いられる位相差フィルムには、膜厚や光学特性の均一性が要求される。そのため、位相差フィルムの製膜には、溶液製膜法が広く用いられている。溶液製膜法では、溶媒中にポリマーを溶解させた樹脂溶液(ドープ)を支持体上に塗布した後、加熱乾燥等により溶媒が除去され、支持体上に塗膜が密着積層された積層体が形成される。
特許文献2に記載されているように、溶液製膜法により製膜された塗膜(フィルム)は、そのまま位相差フィルムとして用いることができる。また、溶液製膜法により製膜された塗膜を、少なくとも一方向に延伸することにより、様々な光学的な異方性を付与することもできる。溶液製膜法により形成された塗膜を延伸して位相差フィルムを製造する場合、一般には、支持体と塗膜との積層体から支持体を剥離して、塗膜を単体で延伸する方法が採用される。
一方、溶液製膜の支持体として、樹脂フィルム等からなる支持体が用いられる場合は、支持体と塗膜との積層体を延伸して光学異方性を付与することも行われている。特に、塗膜の膜厚が小さい場合(例えば30μm以下)や、展延性の低い(脆い)樹脂材料が用いられる場合は、塗膜の自己支持性が低くハンドリングが困難であるため、製膜に用いた支持体と塗膜との積層体を延伸する方法が採用される。この場合、特許文献3に開示されているように、積層体から支持体を剥離することなく、支持体と塗膜との積層体をそのまま積層位相差板として実用に供する方法と、延伸後の積層体から支持体を剥離して、延伸後の塗膜のみを位相差フィルムとして実用に供する方法がある。また、特許文献4には、熱収縮フィルムを支持体として溶液製膜により塗膜を形成し、この積層体を加熱収縮させた後、支持体を剥離することにより、nx>nz>nyの光学異方性を有する位相差フィルムを形成する方法が開示されている。
溶液製膜に用いる支持体には、溶媒に対する耐溶剤性や、加熱乾燥時の耐熱性が求められる。また、支持体と塗膜とを剥離することなく、延伸後の積層体をそのまま位相差フィルムとして用いる場合、支持体は光学的に均一であることが求められる。一方、延伸後の積層体から支持体を剥離して、延伸後の塗膜のみを位相差フィルムとして用いる場合、支持体は、最終製品である位相差フィルムには含まれない工程部材である。この場合、支持体は、必ずしも光学的に均一である必要はなく、製膜や延伸等の加工に耐え得る耐溶剤性や耐熱性を有する範囲で、できる限り安価であることが好ましい。
特開2009‐139747号公報 特開2009−80440号公報 特開2004−46068号公報 特開2011−227430号公報
近年、ディスプレイの高画質化が進むと共に、位相差フィルムに対する要求性能も高くなってきている。同時に、ディスプレイの軽量化や薄型化に対する要求も高まっており、従来よりも膜厚の小さい位相差フィルムが用いられるようになっている。膜厚の小さいフィルムや、機械強度が小さい樹脂材料からなるフィルムの製造には、上述のように、樹脂フィルム支持体上にドープを塗布して、支持体上に塗膜を形成した後、支持体と塗膜との積層体を一体で延伸し、支持体を剥離する方法が適している。
支持体としては、安価でかつ機械的強度が高いものが好ましく、一般に、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)等の汎用樹脂からなる二軸配向性の延伸フィルムが用いられる。しかしながら、本発明者らの検討によると、二軸配向性フィルムからなる支持体とその上に形成された塗膜との積層体を一体で延伸した場合、延伸後の塗膜、すなわち位相差フィルムの光学軸の配向角の幅方向でのバラツキが大きくなる場合があることが判明した。
また、汎用二軸延伸PETフィルム等を支持体として用いる場合の別の問題として、塗膜と支持体との積層体を延伸する際の延伸加工性が乏しいために、延伸を実施できない場合があったり、ウェーブ等の外観不良を生じる場合がある。本発明者らは、支持体と塗膜との積層体を延伸加工する際の加熱温度(例えば140℃付近)における加工性の高い支持体を用いれば、上記のような延伸加工性の問題を解決できることを見出した。しかしながら、加工性の高い支持体を用いた場合は、位相差フィルムの光学軸の配向角のバラツキがより大きくなる傾向がみられた。
これらに鑑み、本発明は、二軸配向性の支持体フィルムとその上に形成された塗膜との積層体を一体で延伸する位相差フィルムの製造方法において、延伸後の位相差フィルムの光学軸の配向角の精度を向上することを目的とする。
本発明の位相差フィルムの製造方法では、支持体フィルムが長手方向に搬送されながら、支持体フィルム上に樹脂溶液が塗布され(塗布工程)、支持体フィルム上に塗布された樹脂溶液が加熱により乾燥される(乾燥工程)。これらの工程により、支持体フィルム上に塗膜が密着積層された積層体が形成される。乾燥後の塗膜の膜厚は、好ましくは30μm以下である。
本発明の製造方法においては、支持体上への樹脂溶液の塗布前に、支持体フィルムの加熱処理が行われる。本発明者らの検討により、塗膜形成前の支持体を加熱処理することにより、延伸後の位相差フィルムの光学軸の配向角が均一になることが見出された。加熱処理は、支持体フィルムの長手方向に張力を付与した状態で実施される。
支持体フィルム上に塗膜が密着積層された積層体が、少なくとも一方向に延伸されることにより、塗膜に光学異方性が付与され(延伸工程)、位相差フィルムが得られる。一実施形態では、延伸工程において、積層体を長手方向または幅方向のいずれか一方向に延伸し、かつ延伸方向と直交する方向に収縮させる。例えば、積層体の幅方向の両端部が把持されていない状態で、長手方向に自由端一軸延伸(縦延伸)が行われることにより、延伸方向と直交する方向に積層体を収縮させることができる。また、積層体の幅方向の両端部が把持された状態で、幅方向に延伸が行われるとともに、長手方向に積層体を収縮させることによっても、延伸方向と直交する方向に積層体を収縮させることができる。
支持体フィルムとしては、二軸配向性フィルムが用いられる。支持体フィルムは、好ましくは二軸延伸フィルムである。支持体フィルムとしてポリエステルフィルムが用いられる場合、延伸時の加工性を高める観点から、支持体フィルムのガラス転移温度Tgは、110℃以下であることが好ましい。また、支持体フィルムの140℃における引張弾性率は、1000MPa以下であることが好ましい。支持体フィルムは熱収縮フィルムでもよい。
加熱処理における加熱温度Tは、好ましくは80℃以上であり、加熱時間tは好ましくは8秒以上である。また、加熱温度が80℃未満の場合でも、加熱時間を長くすることにより、80℃以上で加熱処理を行った場合と同様の効果が得られる場合がある。加熱処理の温度は、支持体フィルムのガラス転移温度を基準として設定することもできる。
さらに、本発明は、積層偏光板の製造方法に関する。上記の製造方法により得られた位相差フィルム上に、偏光子を含む光学フィルムを積層することにより、積層偏光板が得られる。
本発明によれば、製膜前に支持体フィルムの加熱処理が行われることにより、支持体と塗膜との積層体の延伸により得られる位相差フィルムの光学軸の配向角のバラツキを小さくできる。特に、延伸時の加工性に優れる低引張弾性率の支持体フィルムを用いた場合に、配向角のバラツキ低減効果が大きい。そのため、膜厚が小さく、かつ光学特性の均一性に優れる位相差フィルムを歩留まり高く生産できる。
加熱処理後に塗布工程および乾燥工程を連続して行う実施形態を模式的に表す図である。 延伸工程、剥離工程および貼合工程を連続して行う一実施形態を模式的に表す図である。 延伸工程後に貼合工程および剥離工程を連続して行う一実施形態を模式的に表す図である。 位相差フィルムの配向角が幅方向で不均一となる要因の検討について説明するための図である。図4Aは、加熱前の支持体に描いた線(下段)および加熱前の支持体における配向角(上段)を模式的に表している。図4B1およびB2は、加熱後の支持体の寸法変化挙動を示す写真である。 作製例Aにおける塗膜(延伸後)の光学軸の配向角の幅方向の分布である。 (A):作製例A1(支持体の140℃引張弾性率:800MPa) (B):作製例A2(支持体の140℃引張弾性率:600MPa) (C):作製例A3(支持体の140℃引張弾性率:200MPa) 作製例Bにおける位相差フィルムの光学軸の配向角の幅方向の分布であり、(A)は延伸前、(B)は延伸後である。
位相差フィルムを構成する樹脂材料としては、透明性、機械的強度、熱安定性に優れるポリマーが好ましく用いられる。このようなポリマーの具体例としては、アセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、マレイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリスルホン系樹脂、およびこれらの混合物あるいは共重合体等が挙げられる。
上記ポリマーは、正の固有複屈折を有するものでもよく、負の固有複屈折を有するものでもよい。位相差フィルムの面内の遅相軸方向の屈折率nxよりも厚み方向の屈折率nzの方が小さい位相差フィルム、すなわち、ポジティブAプレート(nx>ny=nz)、およびネガティブBプレート(nx>ny>nz)の製造には、正の固有複屈折を有するポリマーが好ましく用いられる。一方、位相差フィルムの面内の進相軸方向の屈折率nyよりも厚み方向の屈折率nzの方が大きい位相差フィルム、すなわち、ネガティブAプレート(nz=nx>ny)、およびポジティブBプレート(nz>nx>ny)の製造には、負の固有複屈折を有するポリマーが好ましく用いられる。
ここで、nxおよびnyは、それぞれ塗膜の面内の遅相軸方向および進相軸方向の屈折率であり、nzは塗膜の厚み方向の屈折率である。本明細書において、面内複屈折Δnin、面内レターデーションRe、厚み方向複屈折Δnout、厚み方向レターデーションRth、およびNz係数は、それぞれ以下の関係を有する。
Re=Δnin×d=(nx‐ny)×d
Rth=Δnout×d=(np−nz)×d
Nz=(nx−nz)/(nx−ny)
ただし、nxおよびnyのうち、nzとの差が大きい方をnpとする。
本発明の製造方法では、支持体フィルム上に、位相差フィルムを構成する樹脂材料の溶液(ドープ)が塗布される(塗布工程)。支持体フィルム上に塗布されたドープは、加熱により乾燥され、支持体フィルム上に樹脂材料の塗膜が密着積層された積層体が形成される(乾燥工程)。支持体フィルム上に塗膜が形成された積層体が少なくとも一方向に延伸されることにより、塗膜に光学異方性が付与される(延伸工程)。
支持体フィルム上へのドープの塗布前に、支持体フィルムの長手方向に張力を付与した状態で加熱処理が行われる。塗膜形成前に支持体フィルムの加熱処理が行われることにより、配向角のバラツキの小さい位相差フィルムが得られる。
なお、延伸工程において「少なくとも一方向に延伸される」とは、面内の少なくとも一方向において、2点間の距離が大きくなるように加工されることを指し、フィルムの長手方向(MD)への延伸(縦延伸)、フィルムの幅方向(TD)への延伸(横延伸)、長手方向と幅方向の両方向への延伸(二軸延伸)、および斜め方向への延伸を含む。縦延伸および横延伸では、延伸方向と直交する方向にフィルムを収縮させてもよい。
例えば、フィルムの幅方向の両端部が把持されていない状態で、長手方向への延伸が行われる場合(自由端縦延伸)、フィルムは幅方向に収縮する。一般に、自由端縦延伸では、幅方向の収縮率と厚み方向の収縮率は同等であり、幅方向の屈折率と厚み方向の屈折率の減少率(または増加率)は同等となる。一方、支持体フィルムとして熱収縮フィルムを用い、熱収縮フィルムの収縮力を利用することにより、幅方向の屈折率の減少率(または増加率)を、厚み方向の屈折率の減少率(または増加率)よりも大きくできる。このように、延伸方向と直交する方向の収縮を積極的に行うことにより、nx>nz>nyの光学異方性を有する位相差フィルムを得ることもできる。
また、テンタークリップ等でフィルムの幅方向の両端部を把持した状態で、幅方向への延伸が行われる場合(固定端横延伸)、同時二軸延伸機を用いれば、幅方向および長手方向にフィルムを延伸することや、幅方向に延伸を行いつつ長手方向にフィルムを収縮させることもできる。さらには、上記特許文献4(特開2011−227430号公報)にも記載されているように、支持体フィルムとして熱収縮フィルムを用い、熱収縮フィルムの収縮力を利用することにより、長手方向の収縮率を大きくして、横延伸により、nx>nz>nyの光学異方性を有する位相差フィルムを得ることもできる。
延伸後の積層体は、そのまま位相差フィルムとして用いることができる。好ましくは、延伸後の積層体から、支持体フィルムが剥離され(剥離工程)、剥離後の塗膜が位相差フィルムとして用いられる。
位相差フィルムの生産性を高める観点から、上記加熱、塗布、および乾燥は、ロール・トゥー・ロール法で行われることが好ましい。ロール・トゥー・ロール法では、長尺状の支持体フィルムが用いられる。また、延伸、および延伸後の支持体からの塗膜の剥離も、ロール・トゥー・ロールで行われることが好ましい。以下では、ロール・トゥー・ロールによる実施形態を中心に、本発明の製造方法を各工程に沿って説明する。
図1は、ロール・トゥー・ロール法により、加熱処理、製膜工程および乾燥工程が連続して実施される形態の一例を模式的に表す工程概念図である。図1に示すように、繰出し部11に長尺状の支持体1の巻回体10がセットされる。巻回体10から巻き出された支持体1は、繰出し部11から、搬送経路の下流側に位置する加熱炉101、製膜部110、乾燥炉120へと順次搬送され、支持体上への製膜が行われる。
[支持体フィルム]
ロール・トゥー・ロール法では、支持体フィルムを長手方向に沿って搬送させながら製膜が行われる。そのため、支持体フィルムとして、長尺状フィルムの巻回体(ロール)が用いられる。以下では、支持体フィルムを単に「支持体」と記載する場合がある。
本発明の製造方法では、溶液製膜法により支持体上に塗膜が形成された後、支持体と塗膜との積層体が延伸工程に供される。そのため、支持体は、可撓性を有し、熱安定性および機械的強度に優れることが好ましい。かかる観点から、支持体としては、二軸配向性フィルムが用いられる。特に、支持体を構成する材料が結晶性ポリマーである場合、フィルムが二軸配向性を有することにより、ポリマーの結晶性が高められ、機械強度とともに耐熱性や耐溶剤性等も向上し得る。
二軸配向性フィルムは、例えばフィルムを二軸延伸することにより得られる。二軸延伸としては、縦横逐次二軸延伸や縦横同時二軸延伸が挙げられる。縦横逐次二軸延伸では、フィルムの幅方向(TD)を固定せずにロール延伸等により長手方向(MD)への延伸(縦延伸)を行った後、テンター等でフィルムの幅方向の両端を把持して固定した状態で幅方向への延伸(横延伸)が行われる。同時二軸延伸では、テンタークリップ等でフィルムの幅方向の両端部を把持した状態で、リニアモーター方式、パンタグラフ方式、モーター・チェーン方式等の駆動方式により、長手方向のテンタークリップ間隔を変化させながら幅方向のクリップ間距離を拡げることにより、縦延伸と横延伸が同時に行われる。
また、フィルムの幅方向の両端部をテンタークリップ等で把持した状態で長手方向(MD)への延伸(縦延伸)を行う方法や、フィルムを熱ロール等と接触させて幅方向への収縮を抑制した状態で縦延伸を行う方法等によっても、二軸配向性フィルムが得られる。二軸配向性フィルムは、延伸フィルムを、さらに延伸したもの(あるいは収縮させたもの)でもよい。
支持体を構成する樹脂材料は特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリシクロオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー等が挙げられる。これらの中から、溶液製膜時の溶媒に溶解しないものが好適に用いられる。中でも、高い耐溶剤性を有する樹脂材料として、結晶性ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
結晶性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)や、これらのポリエステルを構成するモノマー単位のグリコール成分および/またはジカルボン酸の一部または全部を他のモノマー成分に置換したポリエステル等が挙げられる。
支持体は、塗膜形成後の延伸工程での加熱温度(例えば140℃付近)における延伸加工性に優れるものが好ましい。例えば、汎用の二軸延伸PETフィルムの140℃における引張弾性率は、1200MPa程度である。このように、高温での弾性率が高いフィルムを支持体として用いた場合、塗膜と支持体との積層体を延伸する際の延伸加工性が乏しく、延伸を実施できない場合があったり、ウェーブ等の外観不良を生じる場合がある。
延伸加工性の観点から、支持体は、140℃における引張弾性率が1000MPa以下であることが好ましい。支持体の140℃における引張弾性率が1000MPa以下であれば、延伸時の加工性に優れ、延伸方向のウェーブの発生等の外観不良が抑制される。延伸加工性を高める観点から、支持体の140℃における引張弾性率は、900MPa以下がより好ましく、800MPa以下がさらに好ましい。
支持体の引張弾性率の下限は特に限定されない。支持体の引張弾性率が過度に小さいと、延伸による塗膜への光学異方性の付与が不十分となったり、延伸後の塗膜(位相差フィルム)の光学軸の配向角(以下、単に「配向角」と記載する場合がある)が不均一となる場合がある。そのため、支持体の140℃における引張弾性率は、100MPa以上が好ましく、200MPa以上がより好ましく、300MPa以上がさらに好ましい。
二軸配向性フィルムは、長手方向(MD)と幅方向(TD)の延伸倍率の相違等に起因して、引張弾性率が異方性を有する場合がある。支持体のMDとTDの引張弾性率が異なる場合、MDの140℃における引張弾性率が上記範囲であることが好ましい。MDおよびTDの両方の140℃における弾性率が上記範囲内であることがより好ましい。
また、延伸加工性を高める観点から、支持体のガラス転移温度Tgは、延伸工程における加熱温度(延伸温度)よりも低温であることが好ましい。支持体がポリエステルフィルムである場合、ガラス転移温度Tgは、110℃以下が好ましく、105℃以下がより好ましく、100℃以下がさらに好ましい。支持体のガラス転移温度Tgの下限は特に限定されないが、ガラス転移温度が過度に低いと、延伸時の支持体の弾性率が小さいために、延伸による塗膜への光学異方性の付与が不十分となったり、延伸後の塗膜の配向角が不均一となる場合がある。支持体がポリエステルフィルムである場合、ガラス転移温度Tgは、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。ガラス転移温度は、熱機械分析(TMA)の荷重引張モードによる測定値である。
上記の引張弾性率およびガラス転移温度を有する結晶性ポリエステルフィルムとしては、ポリエステルを構成するモノマー単位のグリコール成分および/またはジカルボン酸の一部または全部を他のモノマー成分に置換した結晶性ポリエステルの二軸延伸フィルムが好ましく用いられる。グリコール成分を置換したポリエステルとしては、PETのエチレングリコールやPBTの1,4−ブタンジオール等の直鎖状グリコールの一部を、1,2−シクロヘキサンジメタノールや1,4−シクロヘキサンジメタノール等に置換したグリコール変性ポリエステル等が挙げられる。また、ジカルボン酸成分を置換したポリエステルとしては、PETのテレフタル酸やPENの2,6−ナフタレンジカルボン酸を、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸等に置換したジカルボン酸変性ポリエステル等が挙げられる。
上記の中でも、PETのテレフタル酸の一部をイソフタル酸で置換した、ポリエチレン−テレフタレート/イソフタレート共重合体が好ましく用いられる。ポリエチレン−テレフタレート/イソフタレート共重合体は、テレフタル酸成分とイソフタル酸成分の比率を変化させることにより、弾性率等の機械特性や熱特性等を調整可能であり、イソフタル酸成分の比率を増加させることで、140℃における弾性率をPETよりも小さくできる。また、ポリエチレン−テレフタレート/イソフタレート共重合体は、PETと同様に、延伸により結晶化させることができるため、機械強度に優れるとともに、高い耐溶剤性を有することからも、溶液製膜の支持体として好適である。
支持体は無色透明でもよく、有色あるいは不透明のものでもよい。支持体の表面には、易接着処理、離型処理、帯電防止処理、ブロッキング防止処理等が施されていてもよい。また、ブロッキング防止等の目的で、支持体の幅方向の端部には、エンボス加工(ナーリング)等が施されていてもよい。
支持体は、自己支持性と可撓性とを兼ね備えるものであれば、その厚みは特に限定されない。支持体の厚みは、一般的に20μm〜200μm程度であり、30μm〜150μmが好ましく、35μm〜100μmがより好ましい。支持体の幅は特に制限されないが、300mm以上が好ましく、500mm以上がより好ましく、700mm以上がより好ましく、1000mm以上が特に好ましい。支持体の幅を大きくすることで、位相差フィルムの量産性が高められるとともに、大画面ディスプレイへの適用が可能となる。
[加熱処理]
本発明の製造方法では、製膜部110で支持体1上にドープが塗布される前に、支持体1の加熱処理が行われる。加熱処理が行われることにより、支持体上に形成された塗膜を支持体と共に延伸して得られる位相差フィルムの配向角の幅方向でのバラツキを小さくできる。
加熱処理は、支持体の長手方向に張力を付与した状態で実施される。例えば、長尺状の支持体の巻回体10から支持体1を巻き出しながら、下流側へと連続的に搬送し、加熱炉101内で支持体を加熱する方法が挙げられる。支持体を長手方向に搬送することにより、搬送張力、すなわち長手方向への張力が付与される。
支持体の加熱は、支持体の長手方向に張力を付与しつつ、支持体の幅方向への寸法変化を許容した状態で実施されることが好ましい。そのため、ロール搬送法やフロート搬送法等により、支持体の幅方向の両端が把持されていない状態で、長手方向に支持体を搬送しながら加熱が行われることが好ましい。
加熱処理時の張力は、支持体を長手方向に搬送可能である限り特に限定されず、支持体の厚み、引張弾性率、線膨張係数等に応じて適切な値を設定すればよい。例えば、支持体が結晶性ポリエステルの二軸延伸フィルムである場合、支持体の単位幅あたりの張力は、25N/m〜500N/m程度の範囲に設定される。長手方向の張力が小さすぎると、加熱処理時のフィルムの搬送が困難となったり、延伸後の塗膜の配向角のバラツキ低減効果が不十分となる場合がある。一方、加熱処理時の長手方向の張力が大きすぎると、伸びが大きくなり、支持体にキズやシワが生じ、その上に形成される塗膜の外観不良等を生じる場合がある。加熱処理の前後での支持体の長手方向の寸法変化率は、10%以内が好ましく、5%以内がより好ましく、3%以内がさらに好ましい。
ドープの塗布前に支持体の加熱処理が行われることにより、位相差フィルムの配向角のバラツキが小さくなることは、ドープ塗布後の加熱乾燥やその後に延伸を実施する際の支持体の寸法変化挙動が均一化されることに関連していると推定される。
図4を用いて、支持体と塗膜との積層体の延伸により得られる位相差フィルムの配向角が幅方向で不均一となる要因についての検討の概要を説明する。図4B1およびB2は、二軸延伸ポリエステルフィルムの加熱による寸法変化挙動の確認結果を表す写真である。この実験では、二軸延伸フィルムを、幅方向に複数の試験片に分割し、各試験片にMDおよびTDに延在する直線、ならびにこれらの直線の交点を中心とする円を描き(図4Aの下側参照)、140℃のオーブン中で5分間加熱した。図4B1は幅方向端部の試験片の加熱後の写真であり、図4B2は幅方向中央部の試験片の加熱後の写真である。図4B1およびB2では、加熱前の試験片におけるMD方向の直線および円を点線で描き、加熱による収縮方向を図中に矢印で示している。
幅方向中央の試料(図4B2)では、加熱により、MDにわずかな収縮がみられるが、加熱前後でMDの直線の角度はほとんど変化していない。一方、幅方向端部の試料(図4B1)では、加熱により斜め方向に収縮が生じ、加熱後にMDの直線の角度が変化していることが分かる。これらの結果から、二軸配向性フィルムでは、加熱によるフィルムの収縮方向が、図4Aの上部に模式的に示すように、幅方向に弓形に分布(いわゆる「ボウイング」)していることが分かる。
このように、加熱による寸法変化挙動が支持体の幅方向で異なる場合は、ドープ塗布後の乾燥時の加熱や、延伸時に、支持体の寸法変化挙動が幅方向で異なる。そのため、支持体と共に延伸された位相差フィルムの配向角が幅方向で不均一となりやすいと考えられる。これに対して、本発明では、支持体の加熱処理を行い、図4に示すような支持体の寸法変化を事前に生じさせ、その後に、ドープの塗布および乾燥(塗膜の形成)、ならびに延伸が行われる。このように、事前に加熱処理を行い、基材を寸法変化させてボウイングを緩和することにより、ドープ塗布後の乾燥時およびその後の延伸時の支持体の寸法変化挙動のバラツキが小さくなり、位相差フィルムの配向角の均一性が高められると考えられる。
汎用の二軸延伸フィルムの製造においては、加熱による寸法変化の抑制や、ボウイングの緩和を目的として、テンターによる横延伸の後に、フィルムの幅方向を把持したままの状態で加熱を行うことにより熱固定(ヒートセット)が実施される場合がある。しなしながら、汎用フィルムでは、位相差フィルム等の光学フィルムのような高い配向角精度は求められないため、熱固定により寸法変化挙動が抑制された二軸配向性フィルムを支持体として用いた場合でも、その上に形成される位相差フィルムは、幅方向の配向角のバラツキが大きくなりやすい。これに対して、本発明では、長手方向に張力を付与しつつ、幅方向への収縮が可能な状態で支持体の加熱処理が行われるため、二軸延伸フィルムの製造における熱固定処理よりも高精度に寸法変化挙動を均一化でき、支持体上に形成される位相差フィルムの配向角が幅方向で均一になると考えられる。
加熱処理の温度や時間は特に制限されず、支持体の材料、ガラス転移温度、配向性(延伸倍率や配向精度)等を考慮して、延伸後の位相差フィルムの配向角のバラツキが所定範囲内となるように調整すればよい。加熱処理の温度が高く、加熱時間が長いほど、延伸後の位相差フィルムの配向角のバラツキが小さくなる傾向がある。
支持体の加熱温度Tは、目安として、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、90℃以上がさらに好ましく、100℃以上が特に好ましい。加熱温度を高めることにより、位相差フィルムの配向角の均一性向上に要する加熱時間を短縮できる。また、支持体の加熱温度Tを、支持体のガラス転移温度Tgに応じて設定することもできる。加熱温度Tは、Tg−15℃以上が好ましく、Tg−5℃以上がより好ましく、Tg以上がさらに好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、あるいはポリエチレン−テレフタレート/イソフタレート共重合体のガラス転移温度は75℃〜80℃程度であるため、加熱温度は60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。特に、加熱温度TがTg+15℃以上の場合に、加熱時間を短縮できる傾向がある。
一方、加熱温度が過度に高いと、フィルムの溶融、寸法安定性の低下、強度の低下等を生じる場合がある。また、ポリエステルフィルムが高温に加熱されるとオリゴマーが析出し、支持体上に形成される塗膜の外観不良を生じる場合がある。そのため、加熱温度Tは180℃以下が好ましく、160℃以下がより好ましく、150℃以下がさらに好ましい。
加熱温度は適宜の手段により調整できる。例えば、加熱炉内での搬送により支持体の加熱が行われる場合は、熱風又は冷風が循環する空気循環式垣温オーブン、マイクロ波又は遠赤外線を利用したヒーター、温度調節用に加熱されたロール、ヒートパイプロール等の適宜の加熱手段により、加熱温度が調整され得る。加熱温度は、炉内で一定である必要はなく、段階的に昇温あるいは降温するような温度プロファイルを持たせてもよい。
上述のように、加熱時間tは、支持体の種類や加熱温度Tに応じて設定すればよい。例えば、加熱温度Tが80℃以上である場合、加熱時間tは8秒以上が好ましく、12秒以上がより好ましく、15秒以上がさらに好ましい。加熱温度Tが60℃以上80℃未満の場合、加熱時間tは23秒以上が好ましく、30秒以上がより好ましく、40秒以上がさらに好ましい。
加熱時間は、支持体のガラス転移温度Tgと加熱温度Tとの関係に基づいて設定することもできる。例えば、加熱温度TがTg+15℃以上の場合、加熱時間tは8秒以上が好ましく、12秒以上がより好ましく、15秒以上がさらに好ましい。加熱温度TがTg−15℃以上Tg+15℃未満の範囲では、加熱時間tは、{(Tg−T)×2+38}秒以上が好ましく、{(Tg−T)×2+45}秒以上がより好ましく、{(Tg−T)×2+45}秒以上がさらに好ましい。
加熱時間は、加熱炉の長さ(加熱炉内でのフィルム搬送経路の長さ)を支持体の搬送速度で割ったものである。同一の設備を用いる場合、加熱炉の長さは一定であるため、加熱時間tを長くするには、支持体の搬送速度を小さくする必要がある。図1に示すように、支持体の加熱処理とドープの塗布および乾燥が連続してインラインで実施される場合、加熱時間tを長くするために支持体の搬送速度を小さくすると、引き続き行われる製膜工程および乾燥工程の効率も低下してしまう。一方で、加熱時間を過度に長くしても、配向角のバラツキ抑制効果は、一定の範囲にとどまる。そのため、生産性向上の観点から、所望の配向角の均一化効果が得られる範囲で加熱時間はできる限り短いことが好ましい。加熱処理と塗布工程とが連続して行われる場合、加熱時間は、300秒以下が好ましく、150秒以下がより好ましく、100秒以下がさらに好ましい。
[塗工工程前の他の工程]
加熱処理前、あるいは加熱処理後塗工工程の前に、他の工程が実施されてもよい。例えば、支持体と塗膜との密着性向上等を目的として、支持体の表面に、コロナ処理、プラズマ処理、ケン化処理、低圧UV処理等の活性化処理が行われてもよい。また、支持体上に付着した異物の除去等を目的として、支持体の洗浄処理が行われてもよい。
<洗浄処理>
支持体の洗浄方法としては、超音波エアや洗浄ガス等を吹き付ける非接触方式、粘着ロール等のクリーニングロールとの接触や、液体との接触による接触方式等が挙げられる。ドープ塗布前の支持体の洗浄は、ドープの塗布面および背面のいずれに行ってもよく、支持体の両面を洗浄してもよい。ドープ塗布面を洗浄することにより、支持体上に付着した異物等のフィルム内への取り込みが低減されるため、光学的な欠点の少ない位相差フィルムが得られる。また、支持体の背面を洗浄することにより、製膜時にバックアップロールと支持体との間への異物の噛み込みが抑制される。
製膜時にバックアップロールと支持体との間に異物が存在すると、その押圧によって、支持体の製膜面側が凸状に変形し、その上にドープが塗布されるため、支持体が変形した部分の塗布厚みが局所的に小さくなり、点状の干渉ムラのような欠点(以下、「スポットムラ」と称する場合がある)が生じる場合がある。特に、塗膜の膜厚が小さい場合には、局所的な膜厚低下によるスポットムラが欠陥として認識され易くなる傾向がある。支持体を繰り出してから、ドープを塗布するまでの間に、支持体の製膜面と反対側の面(背面)をインライン洗浄することにより、スポットムラの発生を低減できる。特に、洗浄液を介して支持体の背面と洗浄ロールとを接触させながらウェット洗浄することによって、スポットムラの低減効果が顕著となる傾向がある。
洗浄ロールは、表面に凹凸パターンを有するものが好ましく、中でも、凹凸パターンの凸部がロールの周方向と非平行に延在しているものが好ましく用いられる。周方向と非平行な方向に延在する凸部を有するロールとしては、例えば、グラビアロール、マイヤーバーロール、エンボスロール等が挙げられる。支持体を傷付けることなく、洗浄液を支持体背面に塗り拡げられることから、洗浄ロールとしては、グラビアロールおよびマイヤーバーロールが特に好ましく用いられる。洗浄ロールと、支持体の背面とを洗浄液を介して接触させながらウェット洗浄が行われることによって、支持体の背面に付着した異物が効率的に除去され、スポットムラの発生を抑制できる。
洗浄ロールと支持体との間に供給される洗浄液は、液体であり、支持体を溶解しないものであれば特に限定されず、水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合物等が用いられる。インライン洗浄を効率的に行う観点から、洗浄液としては、水よりも沸点の低い液体が好適に用いられる。また、洗浄力の向上等を目的として、界面活性剤や親水性有機化合物等が洗浄液中に添加されてもよい。親水性有機化合物としては、水酸基、アミノ基、アミド基、イミノ基、イミド基、ニトロ基、シアノ基、イソシアネート基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基、カルボニル基、スルホン酸基、SO基等を有する有機化合物が挙げられる。
洗浄液との接触により洗浄後の支持体は、ドープが塗布されるまでの間に、表面に付着した洗浄液の乾燥が行われてもよい。乾燥方法は特に限定されず、クリーンエアを吹き付ける方法や、加熱オーブンを通過させる方法等が挙げられる。また、支持体の表面に付着した洗浄液の乾燥を兼ねて上記の乾燥処理を行ってもよい。洗浄後に乾燥を兼ねて加熱処理を行うことにより、製造工程が簡略化されるため、配向角の幅方向でのバラツキが低減され、かつスポットムラの発生が抑制された位相差フィルムを、高い生産性で得られる。
[製膜工程および乾燥工程]
製膜工程では、加熱処理後の支持体2を長手方向(MD)に沿って搬送させながら、その上に樹脂溶液(ドープ)が塗布される。その後、加熱により樹脂溶液が乾燥され、支持体上に塗膜が密着積層された長尺状の積層体が形成される。
図1に示す形態では、加熱炉101において加熱処理が行われた支持体2が、ガイドローラ207を経て、下流側に設けられた製膜部110へと搬送され、製膜が行われる。なお、図1では、加熱炉101での加熱処理後に連続して製膜部110で製膜が行われる形態が示されているが、加熱処理と製膜とは必ずしも連続で実施する必要はない。例えば、加熱処理後の支持体を一旦ロール状に巻き取り、加熱処理後の支持体の巻回体から支持体を巻き出して下流側に搬送しながら、製膜が行われてもよい。
製膜部110では、支持体2にドープ118が塗り拡げられ、常法にしたがって製膜が行われる。図1では、ナイフロールコータが図示されている。このロールコータでは、支持体2をバックアップロール112と接触させながら、液ダム117内のドープ118と接触させ、ナイフロール111でドープの液切りを行うことによって、塗膜の厚みが調整される。製膜部110における製膜方法は、ナイフロールコートに限定されず、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、スプレーコート、マイヤーバーコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコート等の各種方法が用いられる。
ドープ118は、位相差フィルムを形成するための樹脂材料の溶液であり、樹脂材料(ポリマー)および溶媒を含有する。ドープには、必要に応じて、レベリング剤、可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤等の添加剤が含まれていてもよい。位相差フィルムを形成するための樹脂材料としては、目的とする位相差フィルムの光学異方性に応じて、正の固有複屈折を有するポリマー、および負の固有複屈折を有するポリマーのいずれも使用できる。また、目的とする位相差フィルムの光学特性等に応じて、複数の樹脂材料を混合して用いることもできる。溶媒の種類は、樹脂材料を溶解し、かつ支持体を溶解させないものであれば特に限定されず、溶液製膜に一般的に用いられる各種の溶媒を用いることができる。ドープの固形分や粘度等は、樹脂の種類や分子量、位相差フィルムの厚み、製膜方法等に応じて適宜に設定される。
製膜厚みは、位相差フィルムに求められる光学特性(レターデーション値)等に応じて、例えば、乾燥後の膜厚が1μm〜100μm程度となるように設定される。本発明では、支持体とその上に形成された塗膜との積層体を延伸するため、塗膜単体では膜厚が小さくハンドリングが困難な場合であっても、延伸等の加工を容易になし得る。そのため、塗膜の膜厚が、30μm以下の場合でも、本発明の製造方法を適用すれば、膜厚が小さく、かつ配向角の均一性に優れる位相差フィルムを容易に得られる。
支持体2上に塗布されたドープ層は、支持体とともに乾燥炉120内へ搬送されて、溶媒が除去され、支持体2上に塗膜が密着形成された積層体3が得られる。積層体3は、乾燥炉120から下流側に搬送され、ガイドローラ211〜215を経て、巻取り部21で巻き取られ、支持体と塗膜との積層体3の巻回体20が得られる。
乾燥工程における加熱温度(乾燥温度)や乾燥時間は特に制限されない。一般には、ドープを構成する溶剤の沸点付近、あるいは溶剤の沸点よりも高温で乾燥が行われる。乾燥時間を短縮して、生産工程を高める観点から、気泡等の外観不良が生じない範囲において、乾燥温度はできるかぎり高温であることが好ましい。具体的には、乾燥温度は、70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、90℃以上がさらに好ましく、100℃以上が特に好ましい。一方、乾燥温度が過度に高いと、溶剤の突沸により塗膜に気泡が生じたり、支持体の寸法変化が生じる場合がある。そのため、乾燥温度は230℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましく、180℃以下がさらに好ましい。
従来の製造方法では、二軸配向性の支持体上へのドープ塗布後の乾燥温度を高くすると、位相差フィルムの配向角の幅方向でのバラツキが大きくなる傾向があった。本発明の製造方法では、事前に加熱処理が行われることにより、乾燥工程における支持体の寸法変化の不均一性を解消できるため、乾燥温度が高い場合でも、位相差フィルムの配向角を均一化できる。
乾燥工程における加熱温度は、加熱処理に関して前述したのと同様の方法により調整され得る。炉内の温度は、炉内全体で一定である必要はなく、段階的に昇温あるいは降温するような温度プロファイルを有していてもよい。例えば、炉内を複数のゾーンに分割して、各ゾーンごとに設定温度を変えることもできる。また、加熱炉の入口や出口での温度変化による支持体の急激な寸法変化等を抑制する観点から、加熱炉の入口および出口付近での温度変化が緩やかになるように、予備加熱ゾーンや冷却ゾーンを設けることもできる。
なお、乾燥炉内全体の温度が一定ではない場合、乾燥温度とは、最も高温となる部分での炉内温度(すなわち、炉内の雰囲気温度)を指す。乾燥工程において、上記温度範囲での加熱時間は、10秒以上が好ましく、20秒以上がより好ましく、30秒以上がさらに好ましい。加熱時間は、加熱炉中の支持体の搬送経路の長さ(炉長)や、支持体の搬送速度によって調整できる。
支持体上の塗膜の乾燥時に、ポリマーの分子鎖は面内方向に配向する傾向がある。正の固有複屈折を有するポリマーが面内に配向すると、塗膜の厚み方向屈折率nzが、面内の屈折率(nxおよびny)に対して相対的に大きくなり、塗膜がnx=ny>nzの屈折率異方性(Rthが正の値)を有するポジティブCプレート特性が発現する。負の固有複屈折を有するポリマーが面内に配向すると、塗膜の厚み方向屈折率nzが、面内の屈折率に対して相対的に小さくなり、nx=ny<nzの屈折率異方性(Rthが負の値)を有するポジティブCプレート特性が発現する。
二軸配向性フィルムは、加熱時の寸法変化率が方向により相違するため、支持体上に形成された塗膜の乾燥を高温で行うと、支持体の寸法変化の異方性に起因して、塗膜が面内の屈折率異方性を生じる場合がある。乾燥時の加熱により、図4B1に示すように支持体が斜め方向に収縮すると、その上に形成されている塗膜も斜め方向に収縮し、斜め方向に光学軸を有する場合がある。そのため、支持体の収縮率や収縮方向が幅方向不均一であると、塗膜の光学軸が幅方向で不均一となる。これに対して、本発明では、前述のように、事前に支持体の加熱処理が行われるため、支持体の寸法変化挙動が幅方向で均一となり、これに伴ってその上に形成される塗膜も、光学軸の配向角が幅方向で均一となる。
[延伸工程]
加熱処理後の支持体2上に塗膜が密着形成された積層体3は、延伸工程で少なくとも一方向に延伸される。図2は、延伸工程および剥離工程の一形態を模式的に表す図である。図2に示す形態では、延伸装置の繰出し部22に積層体3の巻回体20がセットされている。巻回体20から巻き出された積層体3は、繰出し部22からガイドローラ221,222を経て、下流側の延伸部130の加熱炉139へと連続的に搬送される。なお、図1および図2では、製膜装置の巻取り部21で、ドープを乾燥後の積層体3が一旦巻き取られた後、積層体3の巻回体20が延伸装置の繰出し部22にセットされ、巻き出される形態が図示されているが、製膜および乾燥工程の後に積層体を巻き取らずに、積層体がそのまま延伸工程に供されてもよい。
図2に示す形態では、延伸部130において、フロート法により長手方向(MD)に自由端一軸延伸(縦延伸)を行う例が図示されている。延伸部130は加熱炉139を備え、加熱炉139の上流側(入口)にニップロール231,232が設けられており、下流側(出口)にニップロール236、237が設けられている。自由端一軸延伸では、積層体の幅方向の端部を把持することなく、長手方向にフィルムが延伸される。図2に示す形態では、加熱炉139の下流側のニップロール236,237の周速度を、上流側のニップロール231,232の周速度よりも大きくすることで、積層体3が長手方向に延伸される。
図2に示す形態において、加熱炉139内には、積層体の搬送経路の上下に熱風吹き出しノズル(フローティングノズル)131〜137が千鳥状に配置され、熱風による加熱下で延伸が行われる。加熱炉(延伸炉)139内でのフィルムの搬送方法は、フロート法に限定されず、ロール搬送法や、テンター搬送法等の適宜の搬送方法が採用される。テンター搬送によりフィルムを長手方向(MD)に搬送させながら、幅方向(TD)の延伸を行うこともできる。また、加熱炉139内で長手方向と幅方向の同時二軸延伸や、斜め方向延伸を行ってもよい。さらには、加熱炉139内で長手方向に延伸した後、別の加熱炉(不図示)で幅方向に延伸する等により逐次二軸延伸を行ってもよい。
延伸工程での加熱温度(延伸温度)は特に限定されないが、支持体とその上に形成された塗膜を共に延伸可能な温度であることが好ましく、塗膜(位相差フィルム)を構成するポリマーの種類や、支持体の熱特性等に応じて設定される。延伸温度は、一般には100℃〜220℃程度、好ましくは120℃〜200℃程度である。支持体上に形成された塗膜のガラス転移温度をtgとした場合、延伸温度は、(tg−100)℃以上が好ましく、(tg−90)℃以上がより好ましく、(tg−80)℃以上がさらに好ましい。延伸温度が低すぎると、支持体からの塗膜の剥離が生じたり、レターデーションが不均一となったり、ヘイズ上昇等の外観不良を生じる場合がある。一方、延伸温度が高すぎると、塗膜を構成するポリマーの配向性が低下し、所期のレターデーションを得られない場合がある。
加熱炉139内の温度は、炉内全体で一定である必要はなく、段階的に昇温あるいは降温するような温度プロファイルを有していてもよい。例えば、炉内を複数のゾーンに分割して、ゾーンごとに設定温度を変えることもできる。また、加熱炉139の入口や出口での温度変化によって積層体が急激に寸法変化して、シワを生じたり、搬送不良を生じる等の不具合を抑制する観点から、加熱炉の入口および出口付近での温度変化が緩やかになるように、予備加熱ゾーンや冷却ゾーンを設けたり、加熱ロールや冷却ロールを設けることもできる。
自由端一軸延伸では、長手方向に積層体が延伸されることに伴って、幅方向および厚み方向には収縮作用が生じる。そのため、塗膜を構成するポリマーが、正の固有複屈折を有する場合、長手方向の屈折率(nx)が大きくなり、幅方向の屈折率(ny)および厚み方向の屈折率(nz)は小さくなる。一方、塗膜を構成するポリマーが、負の固有複屈折を有する場合、長手方向の屈折率(ny)が小さくなり、幅方向の屈折率(nx)および厚み方向の屈折率(nz)は大きくなる。自由端一軸延伸では、一般に、幅方向の収縮率と厚み方向の収縮率は同等であり、幅方向の屈折率と厚み方向の屈折率の減少率(または増加率)は同等となる。そのため、位相差フィルムの材料として、正の固有複屈折を有するポリマーを用いる場合、自由端一軸延伸により得られる位相差フィルムは、nx>ny=nzの屈折率異方性を有するポジティブAプレートとなる。一方、負の固有複屈折を有するポリマーを用いる場合、自由端一軸延伸により得られる位相差フィルムは、nz=nx>nyの屈折率異方性を有するネガティブAプレートとなる。
なお、支持体上に塗膜が密着形成された積層体を自由端一軸延伸に供する場合、積層体の幅方向の収縮率は、支持体の機械特性や熱特性に大きく左右されるため、塗膜の幅方向の収縮率と厚み方向の収縮率が異なる場合がある。また、支持体上の塗膜の乾燥時にポリマーの分子鎖が面内方向に配向することにより、塗膜の厚み方向屈折率nzが、面内の屈折率に対して相対的に大きく、あるいは小さくなり、塗膜がnx=ny>nzの屈折率異方性(Rthが正の値)を有するポジティブCプレート特性、あるいはnx=ny<nzの屈折率異方性(Rthが負の値)を有するポジティブCプレート特性を有する場合がある。そのため、支持体上に形成された正の固有複屈折を有するポリマーからなる塗膜がnx=ny>nzの屈折率異方性を有する場合には、ny>nzの屈折率異方性が、延伸の前後で保持され、nx>ny>nzの屈折率異方性を有するネガティブBプレートが得られる場合がある。同様の原理により、位相差フィルムの材料として負の固有複屈折を有するポリマーが用いられる場合、自由端一軸延伸により、nz>nx>nyの屈折率異方性を有するポジティブBプレートが得られる場合がある。
上記のように、自由端一軸延伸では、延伸対象となる支持体および塗膜の延伸に伴って、幅方向への収縮が生じ、光学異方性が付与される。本発明においては、支持体上への塗膜の形成前に支持体の加熱処理が行われることにより、乾燥時の寸法変化挙動が均一となることに加えて、延伸時の寸法変化挙動も均一となるため、位相差フィルムの光学軸の配向角を幅方向で均一化できる。
延伸工程における延伸倍率は、1.01倍以上が好ましく、1.03倍以上がより好ましい。自由端一軸延伸では、延伸倍率が大きいほど、面内複屈折(Δnin)が大きくなる傾向がある。延伸倍率が過度に大きいと、塗膜の破断を生じたり、光学特性が不均一となる場合がある。そのため、延伸倍率は3倍以下が好ましく、2.5倍以下がより好ましく、2倍以下がさらに好ましい。延伸工程における延伸方法や延伸倍率は、目的とする光学特性に応じて調整できる。位相差フィルムの面内レターデーションReは、例えば15nm〜400nm程度である。位相差フィルムの厚み方向レターデーションRth、およびNz係数等の光学特性は、位相差フィルムの用途等に応じて適宜に設定される。
[剥離工程]
延伸後の積層体4はそのまま位相差フィルムとして用いることができる。好ましくは、延伸後の積層体4から、延伸後の支持体7が剥離され、支持体を剥離後の塗膜5が位相差フィルムとして用いられる。この場合、支持体は、最終製品である位相差フィルムには含まれない工程部材である。そのため、支持体は光学的に均一である必要はなく、安価な支持体を使用できる。
延伸後の積層体4は、一旦ロール状に巻き取ってもよく、延伸工程から連続して剥離工程に供することもできる。図2では、延伸工程後に連続して、剥離部160で剥離工程が行われる形態が図示されている。延伸後の支持体7と塗膜(位相差フィルム5)の剥離方法は特に限定されないが、均一に剥離を行い得る観点からは、積層体4をニップロール261,262で挟持し、その下流側で、支持体7および位相差フィルム5のそれぞれを上部ロール261および下部ロール262に沿うように搬送させて、剥離することが好ましい。剥離後の支持体7は、適宜の方式により巻取り部71で巻き取られる。
[延伸工程後の他の工程]
延伸工程後や剥離工程後に、位相差フィルムをさらに他の工程に供することもできる。例えば、図2に示す形態では、支持体7を剥離後の位相差フィルム5が、検査部170で検査された後、貼合部190で他のフィルム9と貼り合わせられた後、位相差フィルム5とフィルム9との積層体6が巻取り部51で巻き取られ、巻回体50が形成される。
<検査工程>
検査部は、位相差フィルムを検査するための検査装置を備える。図2に示す形態では、検査部170は、位相差計171および欠点検出部172を備える。位相差計171は、位相差フィルム5のレターデーションや遅相軸の配向角度を検出する。測定されたレターデーション値を、延伸部130におけるロール周速等にフィードバックさせることで、レターデーションを一定に保つことができる。位相差フィルム5のレターデーションを正確に測定する観点から、支持体7を剥離後に位相差測定が行われることが好ましい。
欠点検出部は、位相差フィルムの内部あるいは表面に存在する異物や、打痕等の凹凸状欠陥、キズ等の欠点を検出可能に構成されている。支持体7を剥離後に欠点検出を行うことで、支持体7のみに含まれる欠点を検出することなく、位相差フィルム5の欠点を選択的に検出可能となるため、欠点検出精度が高められる。
<貼合工程>
貼合部190では、位相差フィルム5が他のフィルム9と貼り合わせられ、積層体6が形成される。フィルム9としては、例えば、位相差フィルム5に仮着される保護フィルム(セパレータ)や、他の光学フィルム(位相差フィルム、偏光子等)が挙げられる。位相差フィルムと他のフィルムとの積層は、適宜の接着剤を介して行われることが好ましい。
位相差フィルム上に偏光子を積層することにより、位相差フィルムを備える積層偏光板を形成できる。なお、位相差フィルム上には偏光子が単体で積層されてもよく、偏光子上に透明保護フィルムや他の位相差フィルムが貼り合せられたものが積層されてもよい。
位相差フィルム上に積層される偏光子の厚みは、特に限定されないが、一般に1μm〜50μm程度である。特に、薄型の積層偏光板を得る観点から、偏光子の厚みは25μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、8μm以下が好ましい。偏光子の厚みを小さくすることにより、熱や湿度等の周囲の環境変化に伴う偏光子の寸法変化により生じる応力が、隣接する位相差フィルム等に及ぼす影響を小さくできる。そのため、位相差フィルムに積層される偏光子の厚みを小さくすることにより、位相差フィルムの厚みが小さい場合でも、周囲の環境変化による光学特性の変化が小さい積層偏光板が得られる。
位相差フィルム5の表面には、他の光学フィルムや液晶セル等との貼り合せのための粘着剤層が積層されてもよい。例えば、適宜のセパレータ上に粘着剤層が付設された粘着シートの、粘着剤層側の面と位相差フィルムと貼り合せることにより、位相差フィルム上に粘着剤層を積層できる。
積層体3から支持体7を剥離後の位相差フィルム5の厚みが30μm以下の場合、位相差フィルム5単体では自己支持性が小さくハンドリング性が十分ではないため、他のフィルムや粘着剤層と貼り合わせることにより、ハンドリング性を高められる。なお、図2では、位相差フィルム5の片面にのみフィルム9が貼り合わせられる形態が図示されているが、位相差フィルム5の両面にフィルムや粘着剤層等が貼り合わせられてもよい。
また、剥離部160で積層体3から支持体7が剥離される前に、積層体3の位相差フィルム5側の面に他のフィルムや粘着剤層が貼り合わせられてもよい。支持体7が剥離される前に、位相差フィルム5上に他のフィルムや粘着剤層等が貼り合わせられることにより、位相差フィルムを単体で搬送する必要がなくなる。そのため、位相差フィルムの厚みが小さい場合でも、ハンドリング性が高められる。積層体3の位相差フィルム5側の面に他のフィルムや粘着剤層を積層した後、支持体7を剥離し、支持体剥離後の位相差フィルム5の露出面に、さらに別のフィルムや粘着剤層を積層してもよい。
<巻取り工程>
支持体7を剥離後の位相差フィルム5は、必要に応じて検査工程や貼合工程に供された後、巻取り部51で巻き取られ、位相差フィルムの巻回体が形成される。図2に示すように、位相差フィルム5は、他のフィルム9と積層された積層体6(例えば、積層偏光板)として巻取り部51で巻き取られてもよい。また、支持体7を剥離後の位相差フィルム5は、巻取り工程に供することなく、そのまま枚葉体にカットされてもよい。
図2では、支持体上に塗膜が密着積層された積層体3を延伸後、巻回体に巻取ることなく、剥離部160で支持体7を剥離する形態が図示されているが、延伸後の積層体4を一旦巻回体に巻取った後、延伸工程とは別の装置で剥離工程を行うこともできる。また、積層体から支持体を剥離する前に他のフィルムとの貼り合せが行われてもよい。
例えば、延伸後の積層体4を一旦ロール状に巻き取った後、図3に示すように、積層体の巻回体340を、貼合・剥離装置の繰出し部342から巻き出して搬送しながら、他のフィルム309との貼り合せおよび支持体307の剥離を順に行ってもよい。図3に示す形態では、巻回体340から巻き出された延伸後の積層体304は、繰出し部342からガイドローラ321,322を経て、下流側の貼合部390で、積層体304の支持体と反対側の面に、他のフィルム309(例えば偏光板)が貼り合せられ、積層体308が形成される。さらに下流側の剥離部360で、積層体から支持体307が剥離され、位相差フィルムと他のフィルムとが貼り合せられた積層体306(例えば積層偏光板)が得られる。位相差フィルムと他のフィルムとが貼り合せられた積層体306は、必要に応じて検査部470で検査に供された後、巻取り部351で巻き取られ、巻回体350が形成される。
この形態では、位相差フィルムと他のフィルムとを貼り合せた後、支持体が剥離されることにより、支持体上に形成された位相差フィルムが、他のフィルムに転写される。このように、積層体から支持体が剥離される前に、他のフィルムとの貼り合せを行えば、位相差フィルムを単独でハンドリングする必要がない。そのため、支持体上に形成される塗膜の膜厚が小さく塗膜単独でのハンドリングが困難な場合でも、位相差フィルムと他のフィルムとが積層された積層光学フィルムの生産性や歩留まりを高めることができる。
[熱収縮性支持体を用いる実施形態]
延伸によりAプレート又はBプレートを作成する例を中心に説明したが、支持体として熱収縮フィルムを用いることにより、nx>nz>nyの屈折率異方性を有する(NZが0より大きく1より小さい)位相差フィルムを作製することもできる。支持体として熱収縮フィルムを用いる場合、延伸工程において、支持体と塗膜との積層体を一方向に延伸すると共に、支持体の収縮力を利用して延伸方向と直交する方向に収縮させることにより、延伸方向と直交する方向(収縮方向)の屈折率の減少率(または増加率)を、厚み方向の屈折率の減少率(または増加率)よりも大きくできる。
支持体としての熱収縮フィルムは、二軸配向性を有し、延伸工程において延伸方向と直交する方向に熱収縮するものであれば特に限定されない。熱収縮フィルムは、延伸工程での加熱温度(例えば140℃付近)において、積層体を収縮させる方向の収縮倍率(収縮後の長さ/収縮前の長さ)が、0.50〜0.99であることが好ましく、0.60〜0.98であることがより好ましく、0.70〜0.95であることがさらに好ましい。
熱収縮フィルムは、延伸工程における延伸方向と収縮方向での収縮倍率が異なるものでもよい。例えば、延伸工程において積層体を幅方向に延伸し長手方向に収縮させる場合、長手方向により収縮し易い熱収縮フィルムを用いてもよい。一例として、熱収縮フィルムの作製時に、テンタークリップ等でフィルムの両端を把持して、幅方向のクリップ間距離を保持した状態で長手方向のテンタークリップ間隔が増大するようにクリップを移動させることにより、長手方向に収縮し易い熱収縮フィルムが得られる。
支持体としての熱収縮フィルムを構成する材料は特に限定されず、支持体の材料として前述したもの等を用いることができる。中でも、上記のポリエステルや、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましく用いられる。
支持体として熱収縮フィルムを用いる場合、支持体の加熱処理ならびに支持体上へのドープの塗布および乾燥は、前述と同様に実施すればよい。加熱処理時の加熱温度Tは、目安として、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、90℃以上がさらに好ましく、100℃以上が特に好ましい。加熱温度を高めることにより、支持体の収縮挙動のバラツキが緩和され、その上に形成される塗膜の配向角が均一となるため、延伸後の位相差フィルムも配向角が均一となる傾向がある。一方、加熱処理の温度が高すぎると、加熱処理の際に支持体が熱収縮したり、熱固定されるために、延伸工程における収縮が生じ難くなる場合がある。そのため、加熱温度Tは、延伸工程における加熱温度よりも低温であることが好ましい。同様に、支持体上にドープを塗布後の乾燥温度も、延伸工程における加熱温度よりも低温であることが好ましい。
延伸工程では、支持体と塗膜との積層体を一方向に延伸するとともに、延伸方向と直交する方向に収縮させる。延伸と収縮とは別個に実施してもよいが、同時に実施することが好ましい。両者を同時に実施することで、収縮および延伸により発現した配向性を緩和させることなく維持できる。支持体として熱収縮フィルムを用いることにより、延伸時の加熱により、熱収縮フィルムが延伸方向と直交する方向に収縮するため、延伸と収縮とが同時に実施され、支持体(熱収縮フィルム)上に形成されている塗膜を、一方向に延伸し、延伸方向と直交する方向に収縮させることができる。上述のように、自由端一軸延伸等の延伸方法でも、長手方向への延伸に伴って幅方向(延伸方向と直交する方向)への収縮が生じるが、厚み方向へも同等の収縮が生じる。これに対して、熱収縮フィルムを用いた場合、厚み方向の収縮量よりも延伸方向と直交する方向の収縮量を大きくできるため、nx>nz>nyの光学異方性を有する位相差フィルムを作製できる。
延伸と同時に延伸方向と直交する方向への収縮を行う方法としては、長手方向(MD)への延伸と同時に幅方向(TD)を収縮させる方法、あるいは幅方向(TD)への延伸と同時に長手方向(MD)を収縮させる方法が好ましい。中でも、位相差フィルムの幅を確保して大画面ディスプレイへの位相差フィルムの適用を容易とする観点、あるいは位相差フィルムを画面サイズに合わせて切り出す際の面積効率を向上する観点からは、幅方向への延伸と同時に長手方向を収縮させる方法が好ましい。
長手方向への延伸と同時に幅方向に収縮させるには、例えば、ロール延伸機を用いて自由端一軸延伸(縦延伸)を行えばよい。また、二軸延伸機を用いて、幅方向の両端を把持して、幅方向への収縮率を制御しながら、長手方向に延伸を行ってもよい。幅方向への延伸と同時に長手方向に収縮させるに場合、幅方向の両端を把持して、幅方向への収縮率を制御しながら、長手方向に延伸を行ってもよい。幅方向への延伸と同時に長手方向に収縮させるには、例えば、二軸延伸機を用いて、テンタークリップ等でフィルムの幅方向の両端部を把持した状態で幅方向に延伸しながら、長手方向のクリップ間距離が小さくなるように、クリップを移動させればよい。
[位相差フィルムの用途および光学特性]
位相差フィルムの用途は特に限定されないが、液晶表示装置の光学補償に好適に用いられる。位相差フィルムが液晶表示装置の光学補償に用いられる場合、液晶セルと偏光子との間に位相差フィルムが配置される。
位相差フィルムの面内レターデーションReや厚み方向レターデーションRth等の光学特性は、液晶セルの駆動方式やセルのレターデーション値等に応じて、適宜に選択される。例えば、イン・プレーン・スイッチング(IPS)方式の液晶表示装置では、偏光板の吸収軸方向に対して、方位角45°の斜め方向から画面を視認視した際に黒輝度が大きくなるが、液晶セルと偏光子との間に位相差フィルムを配置することにより、斜め方向の黒輝度を小さくして、コントラストを向上できる。IPS方式の液晶表示装置の光学補償では、例えば上記特許文献1(特開2009‐139747号公報)に開示されているように、2枚以上の位相差フィルムを組み合わせて用いることもできる。液晶表示装置の光学補償に、2枚以上の位相差フィルムが用いられる場合、少なくとも1枚の位相差フィルムに、本発明の製造方法による位相差フィルムが用いられる。
なお、液晶表示装置の光学補償に用いられる位相差フィルムの数は、2枚に限定されず、1枚でもよく3枚以上でもよい。例えば、支持体として熱収縮フィルムを用い、延伸方向と直交する方向に積層体を収縮させることにより得られるnx>nz>nzの屈折率異方性を有する位相差フィルムを用いれば、1枚の位相差フィルムで、IPS方式の液晶表示装置の光学補償を行い得る。
液晶表示装置は、例えば、本発明の位相差フィルムと、偏光子等の他の光学フィルム、液晶セル、およびバックライド等の光学部材とを適宜に組み立てて駆動回路を組み込むことにより製造できる。位相差フィルムと液晶セルとの貼り合せに際しては、配向軸方向の均一性向上や、製造工程簡略化の観点から、前述のように、位相差フィルムと偏光子等を貼り合せた積層偏光板と液晶セルとを、粘着剤等の適宜の接着層を介して貼り合せることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[測定方法]
フィルムの弾性率は、恒温槽付きのオートグラフ(島津製作所製)を用い、温度140℃、引張速度10mm/分の条件で、JIS K7127に準じて測定した。位相差フィルムのレターデーションおよび光学軸の配向方向は、偏光・位相差測定システム(Axometrics製 製品名「AxoScan」)を用い、23℃の環境下にて測定した(測定波長590nm)。
支持体のガラス転移温度は、JIS C6481(1996年版)に記載のTMA法に準じて測定した。
[合成例A:フマル酸エステル系樹脂(負の複屈折を有するポリマー)の合成およびドープの調製]
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えたオートクレーブに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)48重量部、蒸留水15601重量部、フマル酸ジイソプロピル8161重量部、アクリル酸3−エチル−3−オキセタニルメチル240重量部および重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート45重量部を入れ、窒素バブリングを1時間行った後、攪拌しながら49℃で24時間保持することにより、ラジカル懸濁重合を行なった。次いで、室温まで冷却し、生成したポリマー粒子を含む懸濁液を遠心分離した。得られたポリマーを蒸留水で2回及びメタノールで2回洗浄した後、減圧乾燥した。
得られたフマル酸エステル系樹脂を、トルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とした。さらに、フマル酸エステル系樹脂100重量部に対し、可塑剤としてトリブチルトリメリテート5重量部を添加して、ドープを調製した。
[位相差フィルム作製例A1〜A3]
位相差フィルム作製例Aでは、支持体フィルムとして、ポリエステル(ポリエチレン−テレフタレート/イソフタレート共重合体)の二軸延伸フィルム(厚み75μm、幅1350mm)を用いた。ポリエステルにおけるテレフタレート/イソフタレート含有比率の異なる3種類の支持体を用い、各支持体の加熱処理条件を変更して、延伸後の位相差フィルムの光学軸の配向角の評価を行った。作製例A1,A2,A3で用いた支持体の140℃における引張弾性率(MD)は、それぞれ800MPa,600MPa,200MPaであった。
<加熱処理、塗布、乾燥>
支持体フィルムの巻回体を、製膜装置の繰出し部にセットし、支持体フィルムを繰り出して、下流側に搬送しながら、加熱炉で加熱処理を行った。加熱炉内の雰囲気温度を変化させることにより、加熱処理の温度を調整した。加熱時間は、支持体の搬送速度を変更することにより調整した。加熱処理後の支持体上に、合成例Aで調製したドープを、乾燥後の膜厚が6μmとなるように塗布して、140℃で乾燥させた。乾燥後の塗膜は、支持体と共に積層体として巻き取った。
<延伸および剥離>
上記の積層体を、延伸装置の繰出し部にセットし、積層体を繰り出して下流側に搬送しながら、温度140℃の延伸炉内で自由端一軸延伸を行った。延伸後の積層体から支持体を剥離し、位相差フィルムを得た。延伸倍率は、支持体を剥離後の位相差フィルムの面内レターデーションが35nmとなるように調整した。
上記で得られた位相差フィルムの光学軸の配向角を幅方向に10mm間隔で測定し(測定範囲:幅方向の中央1230mm)、最大値と最小値との差を、光学軸のバラツキ範囲とした。作製例A1(支持体の140℃引張弾性率:800MPa)における、支持体の加熱処理時間および加熱処理温度に対する光学軸の配向角(°)のバラツキ範囲を表1に示す。また、作製例A2(支持体の140℃引張弾性率:600MPa)および作製例A3(支持体の140℃引張弾性率:200MPa)の結果を、それぞれ表2および表3に示す。なお、表1〜3において、時間0秒は、加熱炉101を室温として加熱処理を行わなかった場合の配向角のバラツキ範囲を表している。また、作製例A1〜A3の位相差フィルムの配向角の測定結果(一部抜粋)を、それぞれ図5(A)〜(C)に示す。
<評価結果>
作製例A1,A2およびA3のいずれにおいても、支持体の加熱処理の温度を高くし、加熱処理時間を長くするほど、位相差フィルムの配向角のバラツキが小さくなっていることが分かる。支持体の140℃における引張弾性率が200MPaの作製例A3では、支持体の加熱処理を行わない場合(表3)、配向角のバラツキが20°であるのに対して、加熱処理の温度を高くし、加熱時間を長くすることにより、バラツキを1°以下にできることが分かる。この結果から、支持体の引張弾性率が小さい場合に、支持体の加熱処理による配向角の均一化作用が特に大きいことが分かる。
[合成例B]ポリアリレート系樹脂(正の複屈折を有するポリマー)の合成およびドープの調製]
攪拌装置を備えた反応容器中、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン54.0g、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド12重量部を、1M水酸化ナトリウム溶液に溶解させた。この溶液に、テレフタル酸クロライド406重量部をクロロホルムに溶解させた溶液を攪拌しながら一度に加え、室温で90分間攪拌した。その後、重合溶液を静置分離してポリマーを含んだクロロホルム溶液を分離し、ついで酢酸水で洗浄し、イオン交換水で洗浄した後、メタノールに投入してポリマーを析出させた。析出したポリマーを、蒸留水で2回及びメタノールで2回洗浄した後、減圧乾燥した。
得られたポリアリレート系樹脂を、シクロペンタノンに溶解して、固形分濃度20%のドープを調製した。
[位相差フィルム作製例B]
位相差フィルム作製例B1およびB2では、支持体フィルムとして熱収縮フィルムを用いた。熱収縮フィルムとしては、無延伸のポリプロピレンフィルムの幅方向の両端部を同時二軸延伸機のテンタークリップで把持し、幅方向のクリップ間距離を保持した状態で長手方向に延伸することにより二軸配向させたものを用いた。
<加熱処理、塗布、乾燥>
作製例B1では、熱収縮性支持体フィルム(幅600mm)の巻回体10を、図1に模式的に示す製膜装置の繰出し部11にセットし、支持体フィルム1を繰り出して、下流側に搬送しながら、加熱炉で、110℃で60秒の加熱処理を行った。加熱処理後の支持体上に、合成例Bで調製したドープを、乾燥後の膜厚が15μmとなるように塗布して、100℃で乾燥させた。乾燥後の塗膜は、支持体と共に積層体として巻き取った。作製例B2では、加熱炉を室温(すなわち加熱を行わなない)としたこと以外は作製例B1と同様に、支持体上へのドープの塗布および乾燥を行った。得られた積層体から支持体を剥離して、塗膜の光学軸の配向角を幅方向に2mmの間隔で測定した(測定範囲:幅方向の中央530mm)。熱処理あり(作製例B1)および熱処理なし(作製例B2)の配向角の測定結果を図6(A)に示す。
<延伸および剥離>
上記の積層体を、二軸延伸機を用いて、温度145℃で、幅方向に1.2倍に延伸しながら、長手方向のクリップ間距離を小さくして、0.75倍に収縮させた。支持体を剥離後の位相差フィルムは、面内レターデーションが270nm、NZ=0.5であった。この位相差フィルムの光学軸を幅方向に2mm間隔で測定した(測定範囲:幅方向の中央150mm)。熱処理あり(作製例B1)および熱処理なし(作製例B2)の位相差フィルムの配向角の測定結果を図6(B)に示す。また、作製例B1およびB2の延伸前後での光学軸の配向角(°)のバラツキを表4に一覧で示す。
図6(A)と図6(B)の対比から、作製例B1(熱処理あり)および作製例B2(熱処理なし)のいずれにおいても、延伸により配向角のバラツキが小さくなる傾向があることが分かる。支持体の加熱処理が行われなかった作製例B2では、ドープを塗布・乾燥後の塗膜の配向角のバラツキが大きいために(図6(A))、延伸後もその傾向が残り、位相差フィルムの配向角のバラツキが大きくなっている(図6(B))と考えられる。これに対して、作製例B1では、支持体の加熱処理後にドープを塗布・乾燥することにより、塗膜の配向角のバラツキが小さく、延伸によって配向角のバラツキがさらに小さくなっている。これらの結果から、支持体として熱収縮フィルムを用いた場合にも、製膜前に支持体を加熱処理することにより、幅方向での配向角のバラツキが小さい位相差フィルムが得られることが分かる
1,2,7 支持体
3,4,6 積層体
5 位相差フィルム
10 支持体巻回体
20 積層体巻回体
50 位相差フィルム積層体巻回体
11,22 繰出し部
21,51 巻取り部
101 加熱炉
110 製膜部
120 乾燥炉
130 延伸部
139 加熱炉(延伸炉)
160 剥離部
170 検査部
171 位相差計
172 欠点検出部
190 貼合部

Claims (11)

  1. 長尺の二軸配向性フィルムからなる支持体フィルムが加熱処理される工程;
    前記支持体フィルムが長手方向に搬送されながら、前記支持体フィルム上に樹脂溶液が塗布される塗布工程;
    前記樹脂溶液が加熱により乾燥され、前記支持体フィルム上に塗膜が密着積層された積層体が形成される乾燥工程;および
    前記乾燥工程後に、前記積層体が長手方向または幅方向のいずれか一方向に延伸され延伸方向と直交する方向に収縮することにより、前記塗膜に光学異方性が付与される延伸工程、をこの順に有し、
    前記支持体フィルムの加熱処理は、加熱炉内で、前記支持体フィルムが幅方向に収縮可能な状態で長手方向に張力を付与しながら、
    加熱温度T が60℃以上80℃未満、加熱時間t が23秒以上、
    または
    加熱温度T が80℃以上、加熱時間t が8秒以上
    の条件で実施される、位相差フィルムの製造方法。
  2. 長尺の二軸配向性フィルムからなる支持体フィルムが加熱処理される工程;
    前記支持体フィルムが長手方向に搬送されながら、前記支持体フィルム上に樹脂溶液が塗布される塗布工程;
    前記樹脂溶液が加熱により乾燥され、前記支持体フィルム上に塗膜が密着積層された積層体が形成される乾燥工程;および
    前記乾燥工程後に、前記積層体が長手方向または幅方向のいずれか一方向に延伸され延伸方向と直交する方向に収縮することにより、前記塗膜に光学異方性が付与される延伸工程、をこの順に有し、
    前記支持体フィルムの加熱処理は、加熱炉内で、前記支持体フィルムが幅方向に収縮可能な状態で長手方向に張力を付与しながら、
    加熱温度T がTg−15℃以上Tg+15℃未満、加熱処理時間t が、{(Tg−T )×2+38}秒以上、
    または
    加熱温度T がTg+15℃以上、加熱処理時間t が8秒以上
    の条件で実施される、位相差フィルムの製造方法(ただし、TgはTMAによって測定される前記支持体のガラス転移温度である)
  3. 前記加熱温度T が180℃以下である、請求項1または2に記載の位相差フィルムの製造方法。
  4. 前記支持体フィルムが二軸延伸フィルムである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
  5. 前記支持体フィルムは、TMAによって測定されるガラス転移温度Tgが110℃以下のポリエステルフィルムである、請求項1〜のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
  6. 前記支持体フィルムは、前記加熱処理前において140℃における引張弾性率が1000MPa以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
  7. 前記乾燥工程において乾燥後の塗膜の膜厚が30μm以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
  8. 前記延伸後の塗膜の面内レターデーションが15nm〜400nmである、請求項1〜のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
  9. 前記延伸工程において、前記積層体の幅方向の両端部が把持されていない状態で、長手方向に自由端一軸延伸が行われる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
  10. 前記延伸工程において、前記積層体の幅方向の両端部が把持された状態で、幅方向に延伸が行われるとともに、長手方向に前記積層体を収縮させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
  11. 偏光子と位相差フィルムとが積層された積層偏光板の製造方法であって、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法により位相差フィルムが製造され、
    前記位相差フィルム上に、偏光子を含む光学フィルムが積層されることを特徴とする、積層偏光板の製造方法。
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