以下、本発明の受電器、及び、電力伝送システムを適用した実施の形態について説明する。
<実施の形態1>
本発明の受電器、及び、電力伝送システムを適用した実施の形態1について説明する前に、図1乃至図3を用いて、実施の形態1の受電器、及び、電力伝送システムの前提技術について説明する。
図1は、電力伝送システム50を示す図である。
図1に示すように、電力伝送システム50は、交流電源1、一次側(送電側)の送電器10、及び二次側(受電側)の受電器20を含む。電力伝送システム50は、送電器10及び受電器20を複数含んでもよい。
送電器10は、一次側コイル11と一次側共振コイル12を有する。受電器20は、二次側共振コイル21と二次側コイル22を有する。二次側コイル22には負荷装置30が接続される。
図1に示すように、送電器10及び受電器20は、一次側共振コイル(LC共振器)12と二次側共振コイル(LC共振器)21の間の磁界共鳴(磁界共振)により、送電器10から受電器20へエネルギー(電力)の伝送を行う。ここで、一次側共振コイル12から二次側共振コイル21への電力伝送は、磁界共鳴だけでなく電界共鳴(電界共振)等も可能であるが、以下の説明では、主として磁界共鳴を例として説明する。
また、実施の形態1では、一例として、交流電源1が出力する交流電圧の周波数が6.78MHzであり、一次側共振コイル12と二次側共振コイル21の共振周波数が6.78MHzである場合について説明する。
なお、一次側コイル11から一次側共振コイル12への電力伝送は電磁誘導を利用して行われ、また、二次側共振コイル21から二次側コイル22への電力伝送も電磁誘導を利用して行われる。
また、図1には、電力伝送システム50が二次側コイル22を含む形態を示すが、電力伝送システム50は二次側コイル22を含まなくてもよく、この場合には、二次側共振コイル21に負荷装置30を直接的に接続すればよい。
図2は、送電器10から電子機器40A、40Bに磁界共鳴によって電力を伝送する状態を示す図である。
電子機器40A及び40Bは、それぞれ、タブレットコンピュータ及びスマートフォンであり、それぞれ、受電器20A、20Bを内蔵している。受電器20A及び20Bは、図1に示す受電器20(図1参照)から二次側コイル22を取り除いた構成を有する。すなわち、受電器20A及び20Bは、二次側共振コイル21を有する。なお、図2では送電器10を簡略化して示すが、送電器10は交流電源1(図1参照)に接続されている。
図2では、電子機器40A、40Bは、送電器10から互いに等しい距離の位置に配置されており、それぞれが内蔵する受電器20A及び20Bが磁界共鳴によって送電器10から非接触の状態で同時に電力を受電している。
ここで一例として、図2に示す状態において、電子機器40Aに内蔵される受電器20Aの受電効率が40%、電子機器40Bに内蔵される受電器20Bの受電効率が40%であることとする。
受電器20A及び20Bの受電効率は、交流電源1に接続される一次側コイル11から伝送される電力に対する、受電器20A及び20Bの二次側コイル22が受電する電力の比率で表される。なお、送電器10が一次側コイル11を含まずに交流電源1に一次側共振コイル12が直接的に接続されている場合は、一次側コイル11から伝送される電力の代わりに、一次側共振コイル12から伝送される電力を用いて受電電力を求めればよい。また、受電器20A及び20Bが二次側コイル22を含まない場合は、二次側コイル22が受電する電力の代わりに二次側共振コイル21が受電する電力を用いて受電電力を求めればよい。
受電器20A及び20Bの受電効率は、送電器10と受電器20A及び20Bのコイル仕様や各々との間の距離・姿勢によって決まる。図2では、受電器20A及び20Bの構成は同一であり、送電器10から互いに等しい距離・姿勢の位置に配置されているため、受電器20A及び20Bの受電効率は互いに等しく、一例として、40%である。
また、電子機器40Aの定格出力は10W、電子機器40Bの定格出力は5Wであることとする。
このような場合には、送電器10の一次側共振コイル12(図1参照)から伝送される電力は、18.75Wになる。18.75Wは、(10W+5W)/(40%+40%)で求まる。
ところで、送電器10から18.75Wの電力を電子機器40A及び40Bに向けて伝送すると、受電器20A及び20Bは、合計で15Wの電力を受信することになり、受電器20A及び20Bは、均等に電力を受電するため、それぞれが7.5Wの電力を受電することになる。
この結果、電子機器40Aは、電力が2.5W不足し、電子機器40Bは、電力が2.5W余ることになる。
すなわち、送電器10から18.75Wの電力を電子機器40A及び40Bに伝送しても、電子機器40A及び40Bがバランスよく受電することはできない。換言すれば、電子機器40A及び40Bが同時に受電する際における電力の供給バランスがよくない。
図3は、送電器10から電子機器40B1、40B2に磁界共鳴によって電力を伝送する状態を示す図である。
電子機器40B1、40B2は、同じタイプのスマートフォンであり、それぞれ、受電器20B1、20B2を内蔵している。受電器20B1及び20B2は、図2に示す受電器20Bと等しい。すなわち、受電器20B1及び20B2は、二次側共振コイル21を有する。なお、図3では送電器10を簡略化して示すが、送電器10は交流電源1(図1参照)に接続されている。
図3では、電子機器40B1及び40B2の送電器10に対する角度(姿勢)は等しいが、電子機器40B1は、電子機器40B2よりも送電器10から遠い位置に配置されている。電子機器40B1、40B2がそれぞれ内蔵する受電器20B1及び20B2は、磁界共鳴によって送電器10から非接触の状態で電力を同時に受電している。
ここで一例として、図3に示す状態において、電子機器40B1に内蔵される受電器20B1の受電効率が35%、電子機器40B2に内蔵される受電器20B2の受電効率が45%であることとする。
ここでは、電子機器40B1及び40B2の送電器10に対する角度(姿勢)は等しいため、受電器20B1及び20B2の受電効率は、受電器20B1及び20B2の各々と送電器10との間の距離によって決まる。このため、図3では、受電器20B1の受電効率は、受電器20B2の受電効率よりも低い。なお、電子機器40B1及び40B2の定格出力は、ともに5Wである。
このような場合には、送電器10の一次側共振コイル12(図1参照)から伝送される電力は、12.5Wになる。12.5Wは、(5W+5W)/(35%+45%)で求まる。
ところで、送電器10から12.5Wの電力を電子機器40B1及び40B2に向けて伝送すると、受電器20B1及び20B2は、合計で10Wの電力を受信することになる。また、図3では、受電器20B1の受電効率が35%であり、受電器20B2の受電効率が45%であるため、受電器20B1は、約4.4Wの電力を受電し、受電器20B2は、約5.6%の電力を受電することになる。
この結果、電子機器40B1は、電力が約0.6W不足し、電子機器40B2は、電力が0.6W余ることになる。
すなわち、送電器10から12.5Wの電力を電子機器40B1及び40B2に伝送しても、電子機器40B1及び40B2がバランスよく受電することはできない。換言すれば、電子機器40B1及び40B2が同時に受電する際における電力の供給バランスがよくない(改善の余地がある)。
なお、ここでは、電子機器40B1及び40B2の送電器10に対する角度(姿勢)が等しく、電子機器40B1及び40B2の送電器10からの距離が異なる場合の電力の供給バランスについて説明した。
しかしながら、受電効率は、送電器10と受電器20B1及び20B2との間の距離と角度(姿勢)によって決まるため、図3に示す位置関係において電子機器40B1及び40B2の角度(姿勢)が異なれば、受電器20B1及び20B2の受電効率は、上述した35%及び45%とは異なる値になる。
また、電子機器40B1及び40B2の送電器10からの距離が等しくでも、電子機器40B1及び40B2の送電器10に対する角度(姿勢)が異なれば、受電器20B1及び20B2の受電効率は互いに異なる値になる。
以上、図2に示すように、定格出力が互いに異なる電子機器40A、40Bに、送電器10から磁界共鳴によって電力を同時に伝送する際には、電子機器40A及び40Bがバランスよく受電することは困難である。
また、図3に示すように、電子機器40B1及び40B2の定格出力が互いに等しくても、電子機器40B1及び40B2の送電器10に対する角度(姿勢)が異なれば、受電器20B1及び20B2の受電効率は互いに異なるため、電子機器40B1及び40B2がバランスよく受電することは困難である。
また、図2及び図3では、電子機器40A及び40Bと、電子機器40B1及び40B2とがそれぞれ同時に受電する場合について説明したが、電子機器40Aと40B、又は、電子機器40B1と40B2のような複数の電子機器が時分割的に別々に受電することも考えられる。
しかしながら、複数の電子機器が時分割的に別々に受電する場合には、それぞれの電子機器が受電している間は、他の電子機器は受電できないため、すべての電子機器の受電が完了するのに時間がかかるという問題が生じる。
次に、図4乃至図9を用いて、実施の形態1の受電器、及び、電力伝送システムについて説明する。
図4は、実施の形態1の受電器100と送電装置80を示す図である。送電装置80は、交流電源1と送電器10を含む。交流電源1と送電器10は、図1に示すものと同様であるが、図4では、より具体的な構成を示す。
また、受電器100は、例えば、図2に示す電子機器40Aあるいは40B、又は、図3に示す電子機器40B1又は40B2と同様の電子機器に含まれる。電子機器は、加速度センサ41を内蔵する。
送電装置80は、交流電源1と送電器10を含む。
送電器10は、一次側コイル11、一次側共振コイル12、整合回路13、キャパシタ14、制御部15、及びアンテナ16を有する。
受電器100は、二次側共振コイル110、キャパシタ115、整流回路120、調整部130、平滑キャパシタ140、制御部150、電圧計145、出力端子160X、160Y、及びアンテナ170を含む。出力端子160X、160Yには、DC−DCコンバータ210が接続されており、DC−DCコンバータ210の出力側にはバッテリ220が接続されている。
まず、送電器10について説明する。図4に示すように、一次側コイル11は、ループ状のコイルであり、両端間に整合回路13を介して交流電源1に接続されている。一次側コイル11は、一次側共振コイル12と非接触で近接して配置されており、一次側共振コイル12と電磁界結合される。一次側コイル11は、自己の中心軸が一次側共振コイル12の中心軸と一致するように配設される。中心軸を一致させるのは、一次側コイル11と一次側共振コイル12との結合強度を向上させるとともに、磁束の漏れを抑制して、不必要な電磁界が一次側コイル11及び一次側共振コイル12の周囲に発生することを抑制するためである。
一次側コイル11は、交流電源1から整合回路13を経て供給される交流電力によって磁界を発生し、電磁誘導(相互誘導)により電力を一次側共振コイル12に送電する。
図4に示すように、一次側共振コイル12は、一次側コイル11と非接触で近接して配置されて一次側コイル11と電磁界結合されている。また、一次側共振コイル12は、所定の共振周波数を有し、高いQ値を有するように設計されている。一次側共振コイル12の共振周波数は、二次側共振コイル110の共振周波数と等しくなるように設定されている。一次側共振コイル12の両端の間に、共振周波数を調整するためのキャパシタ14が直列に接続される。
一次側共振コイル12の共振周波数は、交流電源1が出力する交流電力の周波数と同一の周波数になるように設定されている。一次側共振コイル12の共振周波数は、一次側共振コイル12のインダクタンスと、キャパシタ14の静電容量によって決まる。このため、一次側共振コイル12のインダクタンスと、キャパシタ14の静電容量は、一次側共振コイル12の共振周波数が、交流電源1から出力される交流電力の周波数と同一の周波数になるように設定されている。
整合回路13は、一次側コイル11と交流電源1とのインピーダンス整合を取るために挿入されており、インダクタLとキャパシタCを含む。
交流電源1は、磁界共鳴に必要な周波数の交流電力を出力する電源であり、出力電力を増幅するアンプを内蔵する。交流電源1は、例えば、数百kHzから数十MHz程度の高周波の交流電力を出力する。
キャパシタ14は、一次側共振コイル12の両端の間に、直列に挿入される可変容量型のキャパシタである。キャパシタ14は、一次側共振コイル12の共振周波数を調整するために設けられており、静電容量は制御部15によって設定される。
制御部15は、交流電源1の出力電圧及び出力周波数の制御、キャパシタ14の静電容量の制御等を行う。また、制御部15は、アンテナ16を通じて、受電器100とデータ通信を行う。
以上のような送電装置80は、交流電源1から一次側コイル11に供給される交流電力を磁気誘導により一次側共振コイル12に送電し、一次側共振コイル12から磁界共鳴により電力を受電器100の二次側共振コイル110に送電する。
次に、受電器100に含まれる二次側共振コイル110について説明する。ここでは、一例として、共振周波数が6.78MHzである形態について説明する。
二次側共振コイル110は、一次側共振コイル12と同一の共振周波数を有し、高いQ値を有するように設計されている。二次側共振コイル110は、共振コイル部111と、端子112X、112Yとを有する。ここで、共振コイル部111は、実体的には二次側共振コイル110そのものであるが、ここでは、共振コイル部111の両端に端子112X、112Yを設けたものを二次側共振コイル110として取り扱う。
共振コイル部111には、共振周波数を調整するためのキャパシタ115が直列に挿入されている。また、キャパシタ115には、調整部130が並列に接続されている。また、共振コイル部111の両端には、端子112X、112Yが設けられている。端子112X、112Yは、整流回路120に接続されている。端子112X、112Yは、それぞれ、第1端子及び第2端子の一例である。
二次側共振コイル110は、二次側コイルを介さずに整流回路120に接続されている。二次側共振コイル110は、調整部130によって共振が発生しうる状態にされているときには、送電器10の一次側共振コイル12から磁界共鳴によって送電される交流電力を整流回路120に出力する。
キャパシタ115は、二次側共振コイル110の共振周波数を調整するために、共振コイル部111に直列に挿入されている。キャパシタ115は、端子115X及び115Yを有する。キャパシタ115には、調整部130が並列に接続されている。
整流回路120は、4つのダイオード121〜124を有する。ダイオード121〜124は、ブリッジ状に接続されており、二次側共振コイル110から入力される電力を全波整流して出力する。
調整部130は、二次側共振コイル110の共振コイル部111において、キャパシタ115に並列に接続されている。
調整部130は、スイッチ131X、131Y、ダイオード132X、132Y、キャパシタ133X、133Y、及び端子134X、134Yを有する。
スイッチ131X及び131Yは、端子134X及び134Yの間で互いに直列に接続されている。スイッチ131X及び131Yは、それぞれ、第1スイッチ及び第2スイッチの一例である。端子134X、134Yは、それぞれ、キャパシタ115の端子115X、115Yに接続されている。このため、スイッチ131X及び131Yの直列回路は、キャパシタ115に並列に接続されている。
ダイオード132Xとキャパシタ133Xは、スイッチ131Xに並列に接続されている。ダイオード13Yとキャパシタ133Yは、スイッチ131Yに並列に接続されている。ダイオード132X及び132Yは、互いのアノード同士が接続されるとともに、互いのカソードがキャパシタ115に接続されている。すなわち、ダイオード132X及び132Yは、互いの整流方向が反対向きになるように接続されている。
なお、ダイオード132X及び132Yは、それぞれ、第1整流素子及び第2整流素子の一例である。また、調整部130は、キャパシタ133X及び133Yを含まなくてもよい。
スイッチ131X、ダイオード132X、及びキャパシタ133Xとしては、例えば、FET(Field Effect Transistor)を用いることができる。Pチャネル型又はNチャネル型のFETのドレイン−ソース間のボディダイオードが、ダイオード132Xのような整流方向を有するように接続すればよい。Nチャネル型のFETを用いる場合は、ソースがダイオード132Xのアノードであり、ドレインがダイオード132Xのカソードである。
また、スイッチ131Xは、制御部150から出力される駆動信号がゲートに入力されることにより、ドレイン−ソース間の接続状態を切り替えることによって実現される。また、キャパシタ133Xは、ドレイン−ソース間の寄生容量によって実現することができる。
同様に、スイッチ131Y、ダイオード132Y、及びキャパシタ133Yとしては、例えば、FETを用いることができる。Pチャネル型又はNチャネル型のFETのドレイン−ソース間のボディダイオードが、ダイオード132Bのような整流方向を有するように接続すればよい。Nチャネル型のFETを用いる場合は、ソースがダイオード132Yのアノードであり、ドレインがダイオード132Yのカソードである。
また、スイッチ131Yは、制御部150から出力される駆動信号がゲートに入力されることにより、ドレイン−ソース間の接続状態を切り替えることによって実現される。また、キャパシタ133Yは、ドレイン−ソース間の寄生容量によって実現することができる。
なお、スイッチ131X、ダイオード132X、及びキャパシタ133Xは、FETによって実現するものに限られず、スイッチ、ダイオード、及びキャパシタを並列に接続することによって実現してもよい。これは、スイッチ131Y、ダイオード132Y、及びキャパシタ133Yについても同様である。
スイッチ131Xと131Yは、互いに逆位相でオン/オフが切り替えられる。スイッチ131Xがオフでスイッチ131Yがオンのときには、調整部130内では端子134Xからキャパシタ133X及びスイッチ131Yを経て端子134Yに向かう方向に共振電流が流れるとともに、キャパシタ115には端子115Xから端子115Yに共振電流が流れ得る状態になる。すなわち、図4において、二次側共振コイル110には時計回りの方向に共振電流が流れ得る状態になる。
また、スイッチ131Xがオンでスイッチ131Yがオフのときには、調整部130内では端子134Xからスイッチ131X及びダイオード132Yを経て端子134Yに向かう電流経路が生じる。この電流経路は、キャパシタ115に並列であるため、キャパシタ115には電流が流れなくなる。
従って、スイッチ131Xがオフでスイッチ131Yがオンにされていて、二次側共振コイル110に時計回りの方向に共振電流が流れている状態から、スイッチ131Xがオンでスイッチ131Yがオフの状態に切り替えられると、共振電流が生じなくなる。電流経路にキャパシタが含まれなくなるからである。
また、スイッチ131Xがオンでスイッチ131Yがオフのときには、調整部130内では端子134Yからキャパシタ133Y及びスイッチ131Xを経て端子134Xに向かう方向に共振電流が流れるとともに、キャパシタ115には端子115Yから端子115Xに共振電流が流れ得る状態になる。すなわち、図4において、二次側共振コイル110には反時計回りの方向に共振電流が流れ得る状態になる。
また、スイッチ131Xがオフでスイッチ131Yがオンのときには、調整部130内では端子134Yからスイッチ131Y及びダイオード132Xを経て端子134Xに向かう電流経路が生じる。この電流経路は、キャパシタ115に並列であるため、キャパシタ115には電流が流れなくなる。
従って、スイッチ131Xがオンでスイッチ131Yがオフにされていて、二次側共振コイル110に反時計回りの方向に共振電流が流れている状態から、スイッチ131Xがオフでスイッチ131Yがオンの状態に切り替えられると、共振電流が生じなくなる。電流経路にキャパシタが含まれなくなるからである。
調整部130は、上述のようにスイッチ131X及び131Yを切り替えることにより、共振電流が生じ得る状態と、共振電流が生じない状態とを切り替える。スイッチ131X及び131Yの切り替えは、制御部150から出力される駆動信号によって行われる。
駆動信号の周波数は、二次側共振コイル110が受電する交流周波数に設定される。
スイッチ131X及び131Yは、上述のような高い周波数で交流電流の遮断を行う。例えば、2つのFETを組み合わせた調整部130は、高速で交流電流の遮断を行うことができる。
なお、駆動信号と調整部130の動作については、図6を用いて後述する。
平滑キャパシタ140は、整流回路120の出力側に接続されており、整流回路120で全波整流された電力を平滑化して直流電力として出力する。平滑キャパシタ140の出力側には、出力端子160X、160Yが接続される。整流回路120で全波整流された電力は、交流電力の負成分を正成分に反転させてあるため、略交流電力として取り扱うことができるが、平滑キャパシタ140を用いることにより、全波整流された電力にリップルが含まれるような場合でも、安定した直流電力を得ることができる。
なお、平滑キャパシタ140の上側の端子と出力端子160Xとを結ぶ線路は、高電圧側の線路であり、平滑キャパシタ140の下側の端子と出力端子160Yとを結ぶ線路は、低電圧側の線路である。
制御部150は、内部メモリにバッテリ220の定格出力を表すデータを保持する。また、送電器10の制御部15からのリクエストに応じて、送電器10から受電器100が受電する電力(受電電力)を測定し、受電電力を表すデータをアンテナ170を介して送電器10に送信する。
また、制御部150は、送電器10から位相を表すデータを受信すると、受信した位相を用いて駆動信号を生成して、スイッチ131X及び131Yを駆動する。なお、受電電力は、制御部150が、電圧計145で測定される電圧Vと、バッテリ220の内部抵抗値Rとに基づいて求めればよい。受電電力PはP=V2/Rで求められる。また、処理部151が受電電力Pを求める。
ここで、図5を用いて制御部150について説明する。図5は、制御部150の内部構成を示す図である。
制御部150は、処理部151、発振器152、位相シフト回路153、位相制御部154、反転回路155、及び位相原点検出部156を有する。
処理部151は、電圧計145で測定される電圧Vと、バッテリ220の内部抵抗値Rとに基づいて、受電電力Pを求める。処理部151は、受電電力Pに基づいて、位相制御部154を介して、位相シフト回路153のクロックCLK1、CLK2の位相を調整する。
また、処理部151は、受電電力Pを位相原点検出部156に入力し、位相原点検出部156に位相の原点を検出させる。
発振器152は、交流電源1が出力する交流電圧の周波数と等しい周波数の正弦波を発振でき、かつ、発振周波数を調整できる発振器であればよい。ここでは、交流電圧の周波数は、6.78MHzである。発振器152が発振する正弦波は、スイッチ131X及び131Yを駆動するクロックCLK1、CLK2として用いられる。
発振器152としては、例えば、水晶発振器を用いることができる。また、発振器152としては、水晶振動子の代わりに、例えば、セラミック製の振動子(例えば、ピエゾ素子)を用いて正弦波を発振してもよい。
また、発振器152の代わりにPLL(Phase Locked Loop)を用いてもよいが、PLLを用いる場合よりも発振器152を用いる場合の方が、安価に受電器100を提供することができる。
位相シフト回路153は、発振器152の出力側に接続されており、位相制御部154から入力される位相を表す信号に基づき、発振器152から出力されるクロックの位相を信号が表す位相だけシフトして出力する。位相シフト回路153としては、例えば、Phase Shifterを用いればよい。
位相制御部154は、送電器10から送信される位相を表す信号が入力されると、位相を表す信号を位相シフト回路153用の信号に変換して出力する。
位相制御部154から入力される信号に基づいて、位相がシフトされたクロックは、二手に分岐され、一方はそのままクロックCLK1として出力され、他方は反転回路155で反転されてクロックCLK2として出力される。クロックCLK1とCLK2は、制御部150が出力する制御信号である。
反転回路155は、位相シフト回路153から出力される正弦波を反転してクロックCLK2として出力する。反転回路155は、正弦波を反転できる回路であればよく、例えば、オペアンプ等を用いればよい。
位相原点検出部156は、位相シフト回路153がクロックの位相をシフトするシフト量を制御することにより、発振器152が出力するクロックに対する位相シフト回路153が出力するクロックの位相を調整して、最大の電力が得られる位相を検出する。このようにして求まる位相は、位相の原点として用いられるものである。なお、位相原点検出部156は、処理部151によって制御される。
電圧計145は、出力端子160Xと160Yの間に接続される。電圧計145は、受電器100の受電電力を計算するために用いられる。電圧計145で測定される電圧Vと、バッテリ220の内部抵抗値Rとに基づいて上述のように受電電力を求めれば、電流を測定して受電電力を測定する場合に比べて損失が少ないため、好ましい測定方法である。しかしながら、受電器100の受電電力は、電流と電圧を測定して求めてもよい。電流を測定する場合は、ホール素子、磁気抵抗素子、検出コイル、又は抵抗器等を用いて測定すればよい。
DC−DCコンバータ210は、出力端子160X、160Yに接続されており、受電器100から出力される直流電力の電圧をバッテリ220の定格電圧に変換して出力する。DC−DCコンバータ210は、整流回路120の出力電圧の方がバッテリ220の定格電圧よりも高い場合は、整流回路120の出力電圧をバッテリ220の定格電圧まで降圧する。また、DC−DCコンバータ210は、整流回路120の出力電圧の方がバッテリ220の定格電圧よりも低い場合は、整流回路120の出力電圧をバッテリ220の定格電圧まで昇圧する。
バッテリ220は、繰り返し充電が可能な二次電池であればよく、例えば、リチウムイオン電池を用いることができる。例えば、受電器100がタブレットコンピュータ又はスマートフォン等の電子機器に内蔵される場合は、バッテリ220は、このような電子機器のメインのバッテリである。
なお、一次側コイル11、一次側共振コイル12、二次側共振コイル110は、例えば、銅線を巻回することによって作製される。しかしながら、一次側コイル11、一次側共振コイル12、二次側共振コイル110の材質は、銅以外の金属(例えば、金、アルミニウム等)であってもよい。また、一次側コイル11、一次側共振コイル12、二次側共振コイル110の材質は異なっていてもよい。
このような構成において、一次側コイル11及び一次側共振コイル12が電力の送電側であり、二次側共振コイル110が電力の受電側である。
磁界共鳴方式によって、一次側共振コイル12と二次側共振コイル110との間で生じる磁界共鳴を利用して送電側から受電側に電力を伝送するため、送電側から受電側に電磁誘導で電力を伝送する電磁誘導方式よりも長距離での電力の伝送が可能である。
磁界共鳴方式は、共振コイル同士の間の距離又は位置ずれについて、電磁誘導方式よりも自由度が高く、ポジションフリーというメリットがある。
次に、図6を用いて、駆動信号でスイッチ131X及び131Yを駆動したときの電流経路について説明する。
図6は、キャパシタ115及び調整部130における電流経路を示す図である。図6は、図4と同様に、端子134Xからキャパシタ115又は調整部130の内部を通って端子134Yに流れる電流の向きを時計回り(CW(Clockwise))と称す。また、端子134Yからキャパシタ115又は調整部130の内部を通って端子134Xに流れる電流の向きを反時計回り(CCW(Counterclockwise))と称す。
まず、スイッチ131Xと131Yがともにオフで電流が時計回り(CW)の場合は、端子134Xからキャパシタ133X及びダイオード132Yを経て端子134Yに向かう方向に共振電流が流れるとともに、キャパシタ115には端子115Xから端子115Yに共振電流が流れる。従って、二次側共振コイル110には時計回りの方向に共振電流が流れる。
スイッチ131Xと131Yがともにオフで電流が反時計回り(CCW)の場合は、端子134Yからキャパシタ133Y及びダイオード132Xを経て端子134Xに向かう方向に共振電流が流れるとともに、キャパシタ115には端子115Yから端子115Xに共振電流が流れる。従って、二次側共振コイル110には反時計回りの方向に共振電流が流れる。
スイッチ131Xがオンでスイッチ131Yがオフで、電流が時計回り(CW)の場合は、調整部130内では端子134Xからスイッチ131X及びダイオード132Yを経て端子134Yに向かう電流経路が生じる。この電流経路は、キャパシタ115に並列であるため、キャパシタ115には電流が流れなくなる。従って、二次側共振コイル110には共振電流は流れない。なお、この場合には、スイッチ131Yをオンにしても、二次側共振コイル110には共振電流は流れない。
スイッチ131Xがオンでスイッチ131Yがオフで、電流が反時計回り(CCW)の場合は、調整部130内では端子134Yからキャパシタ133Y及びスイッチ131Xを経て端子134Xに向かう方向に共振電流が流れるとともに、キャパシタ115には端子115Yから端子115Xに共振電流が流れる。従って、二次側共振コイル110には反時計回りの方向に共振電流が流れる。なお、スイッチ131Xと並列なダイオード132Xにも電流が流れる。
スイッチ131Xがオフでスイッチ131Yがオンで、電流が時計回り(CW)の場合は、調整部130内では端子134Xからキャパシタ133X及びスイッチ131Yを経て端子134Yに向かう方向に共振電流が流れるとともに、キャパシタ115には端子115Xから端子115Yに共振電流が流れる。従って、二次側共振コイル110には時計回りの方向に共振電流が流れる。なお、スイッチ131Yと並列なダイオード132Yにも電流が流れる。
スイッチ131Xがオフでスイッチ131Yがオンで、電流が反時計回り(CCW)の場合は、調整部130内では端子134Yからスイッチ131Y及びダイオード132Xを経て端子134Xに向かう電流経路が生じる。この電流経路は、キャパシタ115に並列であるため、キャパシタ115には電流が流れなくなる。従って、二次側共振コイル110には共振電流は流れない。なお、この場合には、スイッチ131Xをオンにしても、二次側共振コイル110には共振電流は流れない。
なお、共振電流の共振周波数に寄与する静電容量は、キャパシタ115と、キャパシタ132X又は132Yとによって決まる。このため、キャパシタ132Xと132Yの静電容量は等しいことが望ましい。
図7は、二次側共振コイル110に生じる交流電圧と、駆動信号に含まれる2つのクロックを示す図である。
図7(A)及び(B)に示す交流電圧V0は、送電周波数と同一周波数の波形で、例えば二次側共振コイル110に生じる交流電圧である。また、クロックCLK1、CLK2は、駆動信号に含まれる2つのクロックである。例えば、クロックCLK1は、スイッチ131Xの駆動用に用いられ、クロックCLK2は、スイッチ131Yの駆動用に用いられる。クロックCLK1及びCLK2は、それぞれ、第1信号及び第2信号の一例であり、スイッチ131X、131Yのスイッチングに用いられる信号である。
図7(A)では、クロックCLK1、CLK2は、交流電圧V0に同期している。すなわち、クロックCLK1、CLK2の周波数は、交流電圧V0の周波数に等しく、クロックCLK1の位相は、交流電圧V0の位相に等しい。なお、クロックCLK2は、クロックCLK1とは180度位相が異なり、逆位相である。
図7(A)において、交流電圧V0の周期Tは、周波数fの逆数であり、周波数は6.78MHzである。
実施の形態1の受電器100は、交流電圧V0とクロックCLK1、CLK2を同期させることは行わずに、受電電力が最大になるときのクロックCLK1、CLK2の位相を基準として、クロックCLK1、CLK2の位相を制御する。ここでは、基準になる位相を位相の原点と称す。位相の原点については後述する。
図7(B)では、クロックCLK1、CLK2の位相は、交流電圧V0に対してθ度遅れている。このように交流電圧V0に対して位相θ度を有するクロックCLK1、CLK2は、制御部150が位相シフト回路153を用いて生成すればよい。
次に、図8を用いて、駆動信号の位相を調整した場合に、受電器100が送電器10から受電する電力の受電効率について説明する。
図8は、駆動信号の位相に対する受電効率の特性を示すシミュレーション結果を示す図である。横軸の位相は、受電電力が最大となる位相を0度としたときの交流電圧V0に対する2つのクロックの位相であり、縦軸の受電効率は、交流電源1(図1参照)が送電器10に入力する電力(Pin)に対する、受電器100が出力する電力(Pout)の比である。受電効率は、送電器10と受電器100との間における電力の伝送効率に等しい。
なお、送電器10が送電する電力の周波数は6.78MHzであり、駆動信号の周波数もこれと同一に設定した。また、位相が0度の状態は、共振電流の1周期の全期間にわたって磁界共鳴による共振が二次側共振コイル110に生じており、共振電流が二次側共振コイル110に流れている状態である。位相が大きくなることは、共振電流の1周期の中で二次側共振コイル110に共振が生じない期間が増えることを意味する。従って、位相が180度の状態は、理論的には二次側共振コイル110に共振電流が全く流れない状態になる。
図8に示すように、位相を0度から増大させて行くと、受電効率が低下する。位相が約60度以上になると、受電効率は約0.1未満である。このように、交流電圧V0に対する2つのクロックの位相を変化させると、二次側共振コイル110に流れる共振電流の電力量が変化することにより、受電効率が変化する。
図9は、実施の形態1の電力伝送システム400を用いた送電装置80と電子機器200A及び200Bを示す図である。
送電装置80は、図4に示す送電装置80と同一のものであるが、図9では、図4における一次側コイル11、制御部15、及びアンテナ16以外の構成要素を電源部10Aとして表してある。電源部10Aは、一次側共振コイル12、整合回路13、キャパシタ14をまとめて表したものである。なお、交流電源1、一次側共振コイル12、整合回路13、キャパシタ14をまとめて電源部として捉えてもよい。
アンテナ16は、例えば、Bluetooth(登録商標)のような近距離での無線通信を行うことができるアンテナであればよい。アンテナ16は、電子機器200A及び200Bに含まれる受電器100A及び100Bから、受電電力及び定格出力を表すデータを受信するために設けられており、受信したデータは制御部15に入力される。制御部15は、制御部の一例であるとともに第3通信部の一例である。
電子機器200A及び200Bは、例えば、それぞれ、タブレットコンピュータ又はスマートフォン等の端末機である。電子機器200A及び200Bは、それぞれ、受電器100A及び100B、DC−DCコンバータ210A及び210B、及び、バッテリ220A及び220Bを内蔵する。
受電器100A及び100Bは、図4に示す受電器100と同様の構成を有する。以下では、受電器100A及び100Bを特に区別しない場合には、受電器100と称す。
DC−DCコンバータ210A及び210Bは、それぞれ、図4に示すDC−DCコンバータ210と同様である。また、バッテリ220A及び220Bは、それぞれ、図4に示すバッテリ220と同様である。
受電器100Aは、二次側共振コイル110A、キャパシタ115A、整流回路120A、調整部130A、平滑キャパシタ140A、制御部150A、及びアンテナ170Aを有する。二次側共振コイル110Aは、第1の二次側共振コイルの一例である。
二次側共振コイル110A、キャパシタ115A、整流回路120A、調整部130A、平滑キャパシタ140A、制御部150Aは、それぞれ、図4に示す二次側共振コイル110、キャパシタ115、整流回路120、調整部130、平滑キャパシタ140、制御部150に対応する。なお、図9では、二次側共振コイル110A、整流回路120A、平滑キャパシタ140Aを簡略化して示し、電圧計145及び出力端子160X、160Yは省略する。
受電器100Bは、二次側共振コイル110B、キャパシタ115B、整流回路120B、調整部130B、平滑キャパシタ140B、制御部150B、及びアンテナ170Bを有する。受電器100Bは、受電器100Aから見て、他の受電器の一例である。また、二次側共振コイル110Bは、第2の二次側共振コイルの一例である。
二次側共振コイル110B、キャパシタ115B、整流回路120B、調整部130B、平滑キャパシタ140B、制御部150Bは、それぞれ、図4に示す二次側共振コイル110、キャパシタ115、整流回路120、調整部130、平滑キャパシタ140、制御部150に対応する。なお、図9では、二次側共振コイル110B、整流回路120B、平滑キャパシタ140Bを簡略化して示し、電圧計145及び出力端子160X、160Yは省略する。
アンテナ170A及び170Bは、例えば、Bluetooth(登録商標)のような近距離での無線通信を行うことができるアンテナであればよい。アンテナ170A及び170Bは、送電器10のアンテナ16とデータ通信を行うために設けられており、それぞれ、受電器100A及び100Bの制御部150A及び150Bに接続されている。制御部150A及び150Bは、駆動制御部の一例であるとともに、それぞれ、第1通信部及び第2通信部の一例である。
受電器100Aの制御部150Aは、二次側共振コイル110Aの受電電力と、バッテリ220Aの定格出力を表すデータをアンテナ170Aを介して送電器10に送信する。同様に、受電器100Bの制御部150Bは、二次側共振コイル110Bの受電電力と、バッテリ220Bの定格出力を表すデータをアンテナ170Bを介して送電器10に送信する。
電子機器200A及び200Bは、それぞれ、送電装置80の近くに配置した状態で、送電装置80に接触せずにバッテリ220A及び220Bを充電することができる。バッテリ220A及び220Bの充電は、同時に行うことが可能である。
電力伝送システム400は、図9に示す構成要素のうち、送電器10と、受電器100A及び100Bとによって構築される。すなわち、送電装置80と、電子機器200A及び200Bとは、磁界共鳴による非接触状態での電力伝送を可能にする電力伝送システム400を採用している。
ここで、バッテリ220A及び220Bの充電を同時に行うと、図2及び図3を用いて説明したように、電子機器200A及び200Bへの電力の供給バランスがよくない状態が生じうる。
そこで、送電器10は、電力供給のバランスを改善するために、二次側共振コイル110Aの受電効率、バッテリ220Aの定格出力、二次側共振コイル110Bの受電効率、及びバッテリ220Bの定格出力に基づいて、交流電圧V0に対する調整部130A及び130Bを駆動する駆動信号(クロックCLK1とCLK2)の位相を設定する。
図10は、駆動信号の位相と、受電器100A及び100Bの受電効率との関係を示す図である。
ここでは、受電器100Bの調整部130Bを駆動する駆動信号の位相を受電効率が最大となる位相(0度)に固定した状態において、受電器100Aの調整部130Aを駆動する駆動信号の位相を受電効率が最大となる位相(0度)から変化させる場合について説明する。
なお、受電効率が最大になることは、受電電力が最大になることである。このため、受電効率が最大となる位相とは、受電電力が最大になる位相と同義であり、位相の原点を意味する。
図10において、横軸は、受電器100A、100Bの調整部130A、130Bを駆動する駆動信号の位相(θA、θB)を表す。また、左側の縦軸は、受電器100A及び100Bのそれぞれの受電効率と、受電器100A及び100Bの受電効率の合計値とを示す。
受電器100Bの調整部130Bを駆動する駆動信号の位相を0度に固定した状態で、受電器100Aの調整部130Aを駆動する駆動信号の位相を0度から増大又は低下させて行くと、図10に示すように、受電器100Aの受電効率の比率は低下する。受電器100Aの受電効率は、位相が0度のときに最大である。また、受電器100Aの受電効率の低下に伴い、受電器100Aの受電効率の比率は増大する。
このように受電器100Aの調整部130Aを駆動する駆動信号の位相を変化させると、受電器100Aの受電量が減少するため、受電器100Aに流れる電流も減少する。すなわち、位相の変化により、受電器100Aのインピーダンスが変化していることになる。
磁界共鳴を用いた同時電力伝送では、磁界共鳴によって送電器10から受電器100A及び100Bに送電される電力を受電器100Aと100Bとで分配している。このため、受電器100Aの調整部130Aを駆動する駆動信号の位相を0度から変化させて行くと、受電器100Aの受電量が減る分だけ、受電器100Bの受電量が増えることになる。
このため、図10に示すように、受電器100Aの受電効率の比率は低下する。また、これに伴い受電器100Bの受電効率の比率は増大する。
受電器100Aの調整部130Aを駆動する駆動信号の位相が約±90度まで変化すると、受電器100Aの受電効率の比率は、略0まで低下し、受電器100Bの受電効率の比率は、約0.8まで増大する。
そして、受電器100A及び100Bの受電効率の和は、受電器100Aの調整部130Aを駆動する駆動信号の位相が0度のときに約0.85であり、受電器100Bの調整部130Aを駆動する駆動信号の位相が約±90度まで低下すると、受電器100A及び100Bの受電効率の和は、約0.8になる。
このように、受電器100Aの調整部130Bを駆動する駆動信号の位相を0度に固定した状態で、受電器100Aの調整部130Aを駆動する駆動信号の位相を0度から変化させて行くと、受電器100Aの受電効率の比率が低下し、受電器100Bの受電効率の比率が増大する。そして、受電器100A及び100Bの受電効率の和は、約0.8前後の値で大きく変動しない。
磁界共鳴を用いた電力伝送では、磁界共鳴によって送電器10から受電器100A及び100Bに送電される電力を受電器100Aと100Bとで分配しているため、位相が変化しても、受電器100A及び100Bの受電効率の和が大きく変動しない。
同様に、受電器100Aの調整部130Aを駆動する駆動信号の位相を0度に固定した状態で、受電器100Bの調整部130Bを駆動する駆動信号の位相を0度から低下させれば、受電器100Bの受電効率の比率が低下し、受電器100Aの受電効率の比率が増大することになる。そして、受電器100A及び100Bの受電効率の和は、約0.8前後の値で大きく変動しない。
従って、受電器100A又は100Bの調整部130A又は130Bのいずれか一方を駆動する駆動信号の位相を調整すれば、受電器100A及び100Bの受電効率の比率を調整することができる。
以上のように、調整部130A又は130Bを駆動する駆動信号の位相を変化させると、受電器100A及び100Bの二次側共振コイル110A及び110Bの受電効率の比率が変わる。
このため、実施の形態1では、調整部130A及び130Bのどちらの駆動信号の位相を位相の原点から変更するかは、次のように判定する。
まず、バッテリ220Aの定格出力を二次側共振コイル110Aの受電効率で除算して得る第1の値と、バッテリ220Bの定格出力を二次側共振コイル110Bの受電効率で除算して得る第2の値とを求める。
そして、第1の値と第2の値とのうち、いずれか小さい方の受電器(100A又は100B)に対応する駆動信号の位相を0度から変化させて適切な位相に設定する。
定格出力を受電効率で除算して得る値は、送電器10が受電器(100A又は100B)に送電する電力量(必要送電量)を表す。必要送電量とは、受電器(100A又は100B)が余剰電力も不足電力も生じることなく受電できるように、送電器10から送電する電力量である。
従って、必要送電量が小さい方の受電器(100A又は100B)への電力供給量を絞れば、必要送電量が大きい方の受電器(100A又は100B)への電力供給量を増やすことができる。この結果、受電器100A及び100Bへの電力供給量のバランスを改善することができる。
図10から分かるように、いずれか一方の受電器(100A又は100B)の位相を変化させると、その受電器(100A又は100B)の受電電力量が低下する。また、いずれか他方の受電器(100A又は100B)は、位相が0度に固定された状態で、受電電力量が増大する。
このため、必要送電量が小さい方の受電器(100A又は100B)に対応する駆動信号の位相を位相の原点(0度)から変化させれば、必要送電量が小さい方の受電器(100A又は100B)への電力供給量が絞られ、必要送電量が大きい方の受電器(100A又は100B)への電力供給量を増やすことができる。
このようにして、受電器100A及び100Bへの電力供給量のバランスを改善すればよい。なお、具体的な位相の設定方法については後述する。
図11及び図12は、受電器100が受電する電力(受電電力)のうなりを示す図である。図11及び図12では、横軸は時間軸であり、縦軸は受電電力を表す。図11及び図12では、受電電力がゼロのレベルを0Wと表す。
受電器100が受電する電力(受電電力)には、うなりが含まれる。二次側共振コイル110に生じる交流電圧V0の周波数と、クロックCLK1、CLK2の周波数との差(周波数差)がない場合には、図11の左側に示すように、うなりは、発生しない。
しかしながら、周波数差がある場合には、図11の右側に示すように、うなりが発生する。うなりが発生すると、受電電力が周期的に変化し、ほとんどゼロになる期間が発生する。
図12の(A)に示すように、周波数差が大きい場合には、うなりの周波数は高くなる。また、周波数差が小さくなって行くと、図12の(B)、(C)、(D)に示すように、うなりの周波数は低くなる。
そして、図12の(E)に示すように、周波数差がかなり小さくなっても、うなりは発生するため、時間の変化に対して受電電力は一定ではなく、時間経過とともに低下している。
ここで、一例として、交流電圧V0の周波数が6.78MHzである場合に、交流電圧V0の周波数と、クロックCLK1、CLK2の周波数との周波数差が1mHzであったとする。この場合に、うなりの周期は約30分になる。このため、例えば、受電開始時に交流電圧V0の周波数と、クロックCLK1、CLK2の周波数との周波数差が1mHzであっても、約15分後には受電電力が略ゼロになることになる。
交流電圧V0の周波数が6.78MHzである場合に、周波数差をゼロにすることは非常に困難であり、周波数差を1mHzにすることも簡単ではない。
実施の形態1では、このような受電電力のうなりが発生している場合において、受電電力を確保する。
図13及び図14は、実施の形態1の受電器100でうなりの影響を緩和する手法を示す図である。図13及び図14において、横軸は時間であり、縦軸は受電器100の受電電力を示す。
図13に示すように、うなりが発生している場合の受電電力は、t=0から時間の経過に伴って徐々に減少する。このような場合に、受電電力がt=0のときのP0に対して、X%低下したときに、クロックCLK1、CLK2の位相を調整して、受電電力を増大させる。図13では、t=t1でクロックCLK1、CLK2の位相を調整して、受電電力を増大させている。
このとき、受電電力がX%低下するまでの経過時間tXが、クロックCLK1、CLK2の位相を調整してから受電電力が安定するまでの過渡応答期間tPよりも十分に長いことが望ましい。このため、実施の形態1の受電器100では、経過時間tXが過渡応答期間tPよりも十分に長くなるように、クロックCLK1、CLK2の周波数を調整する。
このようなクロックCLK1、CLK2の周波数の調整は、電圧計145の検出電圧に基づいて処理部151が算出する受電電力に基づいて発振器152(図5参照)が行う。なお、受電電力P0は、クロックCLK1、CLK2の位相を調整して、受電電力を増大させる際の目標値となる所定の設定値の一例である。電力P0は、複数の受電器100が送電器10から受電する場合には、複数の受電器100への電力配分を最適化するために、送電器10によって設定される。
また、うなりが発生している場合には、クロックCLK1、CLK2の位相を調整することによって増大させても再び受電電力は低下するため、クロックCLK1、CLK2の位相を繰り返し調整することによって、図14に示すように、受電電力の低下分を1%以内にすることができる。図14では、クロックCLK1、CLK2の位相を調整することによって増大させた受電電力を黒丸(●)で示し、増大する前の受電電力を白丸(○)で示す。
このようなクロックCLK1、CLK2の位相の調整は、位相シフト回路153(図5参照)が処理部151が算出する受電電力に基づいて行う。増大させた受電電力(●)は、図13に示す電力P0である。
図14に示すように受電電力を増大させるために位相を調整する際に、どの程度位相を進めるか、又は、遅延させるかについては、例えば、実験等で位相と受電電力の変化の関係を予め調べた上で設定すればよい。
ここでは、一例として、受電電力が1%低下する度にクロックCLK1、CLK2の位相を調整する形態について説明するが、用途等に応じてX%の値を適宜設定すればよい。
図15は、位相の原点を見つける手法を示す図である。
実施の形態1の受電器100では、クロックCLK1、CLK2の位相を360度スキャンすることによって、受電電力の最大値PMAXを与える位相θ0を求める。この位相θ0を位相の原点として用いる。クロックCLK1、CLK2の位相のスキャンは、制御部150の処理部151が位相原点検出部156に位相シフト回路153を制御させて、位相シフト回路153がクロックCLK1、CLK2の位相をシフトさせることによって実行すればよい。
次に、図16を用いて、送電器10が受電器100A及び100Bから受電効率と定格出力を表すデータを入手する方法について説明する。
図16は、送電器10と受電器100A及び100Bとが位相を設定するために実行する処理を示すタスク図である。このタスクは、制御部15、150A、及び150B(図9参照)によって実行される。
まず、受電器100Aは、受電電力を表すデータを送電器10に送信する(ステップS1A)。同様に、受電器100Bは、受電電力を表すデータを送電器10に送信する(ステップS1B)。これにより、送電器10は、受電器100A及び100Bから受電電力を表すデータを受信する(ステップS1)。
受電電力を表すデータの送信は、例えば、送電器10からのリクエストに応じて、制御部150A及び150Bがアンテナ170A及び170Bを介して行うようにすればよい。また、受電電力を表すデータには、受電器100A及び100Bを識別する識別子を含ませればよい。
受電電力を表すデータは、次のようにして取得すればよい。まず、送電器10から受電器100Bに調整部130Bの両スイッチ(図4の131X及び131Y)をオンに設定する信号を無線通信で送信するとともに、送電器10から受電器100Aに調整部130Aの両スイッチをオフに設定する信号を無線通信で送信する。
ここで、調整部130Bの両スイッチをオンにすると、調整部130Bには共振が生じなくなり、受電器100Bは電力を受電しない状態になる。すなわち、受電器100Bはオフにされる。また、調整部130Aの両スイッチをオフにすると、二次側共振コイル110Aに共振電流が流れる状態になる。
そして、送電器10から磁界共鳴で所定の電力を受電器100Aに送電し、受電器100Aで電力を受電する。このとき、受電器100Aで受信した電力量を表す信号を送電器10に送電すれば、送電器10で受電器100Aの受電効率を測定することができる。
また、受電器100Bの受電効率を測定するには、送電器10から受電器100Aに調整部130Aの両スイッチをオンに設定する信号を無線通信で送信するとともに、送電器10から受電器100Bに調整部130Bの両スイッチをオフに設定する信号を無線通信で送信する。送電器10から磁界共鳴で所定の電力を受電器100Bに送電し、受電器100Bで受信した電力量を表す信号を送電器10に送電すれば、送電器10で受電器100Bの受電効率を測定することができる。
次に、受電器100Aは、定格出力を表すデータを送電器10に送信する(ステップS2A)。同様に、受電器100Bは、定格出力を表すデータを送電器10に送信する(ステップS2B)。これにより、送電器10は、受電器100A及び100Bから定格出力を表すデータを受信する(ステップS2)。
電子機器200A及び200Bの定格出力を表すデータは、例えば、制御部150A及び150Bの内部メモリに予め格納しておき、受電効率を表すデータを送った後に、制御部150A及び150Bがアンテナ170A及び170Bを介して送電器10に送信するようにしておけばよい。
次に、送電器10は、受電器100Aの受電効率を表すデータ及び定格出力を表すデータと、受電器100Bの受電効率を表すデータ及び定格出力を表すデータとに基づき、受電器100A又は100Bのいずれか一方の駆動信号の位相を調整する(ステップS3)。いずれか他方の駆動信号の位相は調整しない。
次に、送電器10は、位相を調整する指令を受電器100A及び100Bに送信する(ステップS4)。そして、受電器100A及び100Bは、位相を調整する指令を受信する(ステップS4A及びS4B)。
位相を調整する指令は、電力の分配比を変更するために位相を調整する第1指令と、図14に示すように、うなりに対する位相の調整を行うかどうかという第2指令との2種類の指令を含む。
ここで、送電器10の制御部15は、アンテナ16を介して位相を調整する指令を受電器100A及び100Bに送信するように設定されている。ここで、一例として、受電器100Aの受電量を減らすために受電器100Aの駆動信号の位相を調整する場合には、受電器100Bに送信される第1指令は、位相を0度(位相の原点)に調整する指令になる。すなわち、位相を調整しない指令になる。
また、位相を調整する指令のうちの第2指令については、受電器100A及び100Bのそれぞれでうなりに対する位相の調整を行うかどうかで指令の内容を設定すればよい。
受電器100A及び100Bの制御部150A及び150Bは、位相を調整する指令を駆動信号に設定する(ステップS5A及びS5B)。ここで、一例として、受電器100Aの駆動信号の位相を調整する場合には、受電器100Bの制御部150Bは、位相を調整しないことになる。
送電器10は、送電を開始する(ステップS6)。ステップS6の処理は、例えば、駆動信号への位相を調整する指令の設定を制御部150A及び150Bが完了したことを表す通知が送電器10に対してなされたときに実行すればよい。
ここで、図17及び図18を用いて、受電器100A及び100Bの受電効率を表すデータの取得方法について説明する。
図17は、送電装置80と電子機器200A及び200Bの等価回路を示す図である。図17に示す等価回路は、図9に示す送電装置80と電子機器200A及び200Bに対応している。ただし、ここでは、送電装置80は、一次側コイル11を含まず、交流電源1に一次側共振コイル12が直接接続されているものとして説明する。また、受電器100A及び100Bは、それぞれ、電圧計145A及び145Bを含む。
図17では、二次側共振コイル110Aは、コイルLRAと抵抗器RRAであり、キャパシタ115Aは、キャパシタCRAである。また、平滑キャパシタ140AはキャパシタCSAであり、DC−DCコンバータ210Aとバッテリ220Aは、抵抗器RLAである。
同様に、二次側共振コイル110Bは、コイルLRBと抵抗器RRBであり、キャパシタ115Bは、キャパシタCRBである。また、平滑キャパシタ140BはキャパシタCSBであり、DC−DCコンバータ210Bとバッテリ220Bは、抵抗器RLBである。
また、送電装置80の一次側共振コイル12は、抵抗器RTとコイルLTであり、交流電源1は、電源VSと抵抗器RSである。また、キャパシタ14は、キャパシタCTである。
送電装置80と電子機器200Aとの相互インダクタンスをMTA、送電装置80と電子機器200Bとの相互インダクタンスをMTB、電子機器200Aと200Bとの相互インダクタンスをMABとする。
ここで、相互インダクタンスMTAと相互インダクタンスMTBを比べると、相互インダクタンスMABは無視できるほど小さいので、ここでは、相互インダクタンスMTAと相互インダクタンスMTBについて検討する。
相互インダクタンスMTAは、送電装置80と、電子機器200Aの受電器100Aとの受電効率によって決まる。受電効率は、送電装置80に対する受電器100Aの位置(距離)と姿勢(角度)によって決まるからである。同様に、相互インダクタンスMTBは、送電装置80と、電子機器200Bの受電器100Bとの受電効率によって決まる。
受電器100Aの受電効率は、受電器100Bをオフにした状態で、送電器10から受電器100Aに電力を送電し、受電器100Aが受電した電力量を計測することによって求めることができる。同様に、受電器100Bの受電効率は、受電器100Aをオフにした状態で、送電器10から受電器100Bに電力を送電し、受電器100Bが受電した電力量を計測することによって求めることができる。
従って、受電器100Aと100Bの単独での受電効率を求めれば、相互インダクタンスMTAと、相互インダクタンスMTBを求めることができる。
実施の形態1では、受電器100A及び100Bの二次側共振コイル110A及び110Bの受電効率の比率を変えるために、調整部130A又は130Bを駆動する駆動信号の位相を変化させる。
このため、相互インダクタンスMTAと相互インダクタンスMTBとの関係に対して、位相を関連付けたテーブルデータを予め用意しておき、このようなテーブルデータを用いて、駆動信号の位相を調整する。
図18は、相互インダクタンスMTAと相互インダクタンスMTBとの関係に対して、位相を関連付けたテーブルデータを示す図である。
図18の(A)は、調整部130Bを駆動する駆動信号の位相を0度に固定した状態で、調整部130Aを駆動する駆動信号の位相を調整するためのテーブルデータである。
相互インダクタンスMTA1、MTA2、MTA3・・・は、実際には、具体的な相互インダクタンスMTAの値をとる。同様に、相互インダクタンスMTB1、MTB2、MTB3・・・は、実際には、具体的な相互インダクタンスMTBの値をとる。位相PH1A、PH2A、PH3A、・・・、PH11A、PH12A、PH13A、・・・は、具体的には、シミュレーションまたは実験的に求められた具体的な位相の値をとる。
図18の(B)は、調整部130Aを駆動する駆動信号の位相を0度に固定した状態で、調整部130Bを駆動する駆動信号の位相を調整するためのテーブルデータである。
相互インダクタンスMTA1、MTA2、MTA3・・・と、相互インダクタンスMTB1、MTB2、MTB3・・・は、図18の(A)と同様である。位相PH1B、PH2B、PH3B、・・・、PH11B、PH12B、PH13B、・・・は、具体的には、シミュレーションまたは実験的に求められた具体的な位相の値をとる。
図18の(A)及び(B)に示すテーブルデータを実験的に求めるには、受電器100Aと100Bの送電器10に対する位置及び姿勢を様々に変えた状態で、相互インダクタンスMTAとMTBを計測しつつ、位相の最適化を図ることによって作成することができる。
図19は、相互インダクタンスMTA、MTBと、受電効率とを関連付けたテーブルデータである。図19の(A)は、相互インダクタンスMTAと、受電器100Aの受電効率とを関連付けたテーブルデータであり、図19の(B)は、相互インダクタンスMTBと、受電器100Bの受電効率とを関連付けたテーブルデータである。
相互インダクタンスMTA、MTBは、それぞれ、送電装置80と、受電器100A、100Bとの受電効率EA、EBによって決まる。
図19の(A)では、相互インダクタンスMTA1、MTA2、・・・と、受電器100Aの受電効率EA1、EA2、・・・とが関連付けられている。また、図19の(B)では、相互インダクタンスMTB1、MTB2、・・・と、受電器100Bの受電効率EB1、EB2、・・・とが関連付けられている。
予め実験等で受電器100A、100Bの相互インダクタンスMTA、MTBと、受電効率とを測定しておき、図19の(A)、(B)に示すようなテーブルデータを作成しておけば、受電器100A、100Bの受電効率から、受電器100A、100Bの相互インダクタンスMTA、MTBを求めることができる。あるいはシミュレーションによって、受電器100A、100Bの受電効率から、受電器100A、100Bの相互インダクタンスMTA、MTBを求めてもよい。
次に、図20を用いて、位相の設定方法について説明する。
図20は、実施の形態1の送電器10が受電器100A又は100Bの位相を設定する方法を示すフローチャートである。このフローは、送電器10の制御部15によって実行される処理を表し、図16のステップS3の処理内容の詳細を示すものである。
制御部15は、受電器100A及び100Bから受電電力を表す信号を受信して受電効率を求め、受電器100A及び100Bから定格出力を表す信号を受信してステップS3に進行すると、図20に示す処理を開始する。
制御部15は、バッテリ220Aの定格出力を二次側共振コイル110Aの受電効率で除算して得る第1の値と、バッテリ220Bの定格出力を二次側共振コイル110Bの受電効率で除算して得る第2の値とを求め、第1の値が第2の値よりも大きいか否かを判定する(ステップS31)。
制御部15は、第1の値が第2の値よりも大きい(S31:YES)と判定すると、受電器100Aの調整部130Aを駆動する駆動信号の位相を0度に設定する(ステップS31A)。位相を0度に設定するとは、位相の原点に設定することをいう。
なお、位相の原点は、位相シフト回路153で駆動信号の位相を変化させて、電圧計145の検出電圧に基づいて処理部151が算出する受電電力を検出することにより、図15に示す受電電力の最大値PMAXを与える位相θ0を求めればよい。
次いで、制御部15は、受電器100Bの調整部130Bを駆動する駆動信号の位相を設定する(ステップS32A)。具体的には、制御部15は、図14の(A)及び(B)に示すテーブルデータに基づき、それぞれ、受電器100A、100Bの受電効率EA、EBから受電器100A、100Bの相互インダクタンスMTA、MTBを求める。そして、制御部15は、図13の(B)に示すテーブルデータから、受電器100A、100Bの相互インダクタンスMTA、MTBに基づいて、受電器100Bの調整部130Bを駆動する駆動信号の位相を求める。
ステップS32Aの処理が終了すると、制御部15はフローをステップS4(図11参照)に進行する。
また、制御部15は、第1の値が第2の値よりも小さい(S31:NO)と判定すると、受電器100Bの調整部130Bを駆動する駆動信号の位相を0度に設定する(ステップS31B)。位相を0度に設定するとは、位相の原点に設定することをいう。
次いで、制御部15は、受電器100Aの調整部130Aを駆動する駆動信号の位相を設定する(ステップS32B)。具体的には、制御部15は、図14の(A)及び(B)に示すテーブルデータに基づき、それぞれ、受電器100A、100Bの受電効率EA、EBから受電器100A、100Bの相互インダクタンスMTA、MTBを求める。そして、制御部15は、図13の(A)に示すテーブルデータから、受電器100A、100Bの相互インダクタンスMTA、MTBに基づいて、受電器100Aの調整部130Aを駆動する駆動信号の位相を求める。
ステップS32Bの処理が終了すると、制御部15はフローをステップS4(図11参照)に進行する。
以上のようにして、制御部15は、受電器100A、100Bの調整部130A、130Bを駆動する駆動信号の位相を設定する。
図21乃至図24は、制御部150が実行する処理を示すフローチャートである。
ここでは、クロックCLK1、CLK2をスイッチ131X、131Yのスイッチングを行うスイッチング信号と称す。
制御部150は、スイッチング信号の位相制御が必要であるかどうかを判定する(ステップS300)。スイッチング信号の位相制御が必要であるかどうかは、送電器10から受信する位相を調整する指令に含まれる第1指令と第2指令の内容によって決まる。
第1指令が、電力の分配比を変更するために位相を調整することを表す場合は、スイッチング信号の位相制御が必要な場合である。また、第2指令がうなりに対する位相の調整を行うことを表す場合は、スイッチング信号の位相制御が必要な場合である。
スイッチング信号の位相制御が必要ではない場合は、第1指令が、電力の分配比を変更するための位相の調整を行わないことを表し、かつ、第2指令がうなりに対する位相の調整を行わないことを表す場合である。
制御部150は、スイッチング信号の位相制御が必要である(S300:YES)と判定すると、スイッチング信号の周波数を調整する(ステップS310)。ステップS310の詳細は、図22を用いて後述するが、ステップS310では、制御部150は、経過時間tXが過渡応答期間tPよりも十分に長くなるように、クロックCLK1、CLK2の周波数を調整する。
制御部150は、位相の原点を求める(ステップS320)。ステップS320の詳細は、図23を用いて後述するが、ステップS320では、制御部150は、図15を用いて説明したように、位相の原点を求める。
制御部150は、受電器100(自己)が移動しているかどうかを判定する(ステップS330)。受電器100(自己)が移動しているかどうかは、例えば、制御部150を含む電子機器が内蔵する加速度センサ41(図4参照)の検出値に基づいて判定すればよい。
ステップS330で受電器100(自己)が移動しているかどうかを判定するのは、受電電力の低下が、制御部150が送電器10から離れていることが原因なのか、受電電力のうなりによる低下であるのかを切り分けて処理を行うためである。
制御部150は、受電器100(自己)が移動していない(S330:NO)と判定すると、スイッチング信号の位相を制御する(ステップS340)。ステップS340の詳細は、図24を用いて後述するが、ステップS340では、制御部150は、スイッチング信号の位相を制御することにより、うなりによって低下している受電電力を増大させる。
制御部150は、受電状態が継続しているかどうかを判定する(ステップS350)。ステップS350では、受電器100(自己)が受電しているかどうかで判定すればよい。
制御部150は、受電状態が継続している(S350:YES)と判定すると、フローをステップS340にリターンする。この結果、制御部150は、スイッチング信号の位相を制御することにより、うなりによって低下している受電電力を増大させる。
また、制御部150は、受電状態が継続していない(S350:NO)と判定すると、一連の処理を終了する(エンド)。
制御部150は、受電器100(自己)が移動している(S330:YES)と判定すると、受電電力が減少しているかどうかを判定する(ステップS351)。
制御部150は、受電電力が減少している(S351:YES)と判定すると、スイッチング信号の位相は最大値θMAXであるかどうかを判定する(ステップS352)。受電電力が減少しているかどうかは、電圧計145の検出電圧に基づいて処理部151が算出する受電電力が減少しているかどうかで判定すればよい。
最大値θMAXとは、スイッチング信号の位相の調整幅の最大値である。すなわち、ステップS352は、スイッチング信号の位相をさらに調整できるかどうかを判定するステップである。最大値θMAXは、360度である。
ステップS352に辿り着く場合は、受電電力が減少していて、これ以上、スイッチング信号の位相を調整する余裕がない状態である。このような場合には、送電器10の送電電力を増大させる。
制御部150は、スイッチング信号の位相が最大値θMAXである(S352:YES)と判定すると、送電電力を増大させる指令を送電器10に送信する(ステップS353)。制御部150は、送電電力を増大させる指令を無線通信で送電器10に送信する。この処理は処理部151が実行する。
制御部150は、受電状態が継続しているかどうかを判定する(ステップS354)。ステップS354では、受電器100(自己)が受電しているかどうかで判定すればよい。
制御部150は、受電状態が継続していない(S354:NO)と判定すると、一連の処理を終了する(エンド)。
制御部150は、受電状態が継続している(S354:YES)と判定すると、スイッチング信号の位相制御を継続するかどうかを判定する(ステップS358)。位相制御を継続するかどうかは、送電器10から受信する位相を調整する指令に含まれる第1指令と第2指令の内容によって決まる。
また、制御部150は、ステップS351において、受電電力が減少していない(S351:NO)と判定すると、スイッチング信号の位相を調整して受電電力を減少させる(ステップS355)。受電器100(自己)が移動して受電電力が増大している場合は、受電器100(自己)が送電器10に近づいている場合であるため、受電量を減らすこととしたものである。
制御部150は、ステップS351の処理を終えると、フローをステップS300にリターンする。
また、制御部150は、ステップS352において、スイッチング信号の位相が最大値θMAXではない(S352:NO)と判定すると、スイッチング信号の位相を調整して受電電力を増大させる(ステップS356)。受電器100(自己)が移動して受電電力が減少している場合は、受電器100(自己)が送電器10から遠ざかっている場合であるため、受電量を増大することとしたものである。
制御部150は、ステップS356の処理を終えると、設定した受電電力(設定受電電力)に到達しているかどうかを判定する(ステップS357)。設定した受電電力とは、第1指令によって決まる電力である。ステップS357の処理は、電圧計145の検出電圧に基づいて処理部151が算出する受電電力が第1指令によって決まる電力に達成したかどうかを処理部151が判定することによって行われる。
制御部150は、設定した受電電力に到達している(S357:YES)と判定すると、フローをステップS300にリターンする。
また、制御部150は、設定した受電電力に到達していない(S357:NO)と判定すると、フローをステップS353に進行させる。
また、制御部150は、スイッチング信号の位相制御が必要ではない(S300:NO)と判定すると、位相を0度(位相の原点)に調整する(ステップS359)。ステップS359の処理が終了すると、一連の処理が終了する(エンド)。
以上で、図21に示すフローが終了する。
次に、図22に示すフローチャートについて説明する。
制御部150は、テスト受電を開始する(ステップS311)。テスト受電は、予め設定した所定電力を送電器10に送電させて、受電状態をテストするものである。ここでは、受電電力にうなりがあるかどうかを判定できればよいため、予め設定した所定電力は、非常に少ない電力でよい。
制御部150は、受電電力のうなりが所定レベル以下であるかどうかを判定する(ステップS312)。所定レベル以下であるかどうかは、例えば、時間変化に対するうなりの減少度合が所定値以下であって十分に小さく、うなりの周波数が十分に低いかどうかで判定すればよい。
制御部150は、受電電力のうなりが所定レベル以下である(S312:YES)と判定すると、スイッチング信号の周波数を調整する(ステップS313)。ステップS313では、制御部150は、経過時間tXが過渡応答期間tPよりも十分に長くなるように、クロックCLK1、CLK2の周波数を調整する。
制御部150は、ステップS313の処理を終えると、フローをステップS312にリターンする。
制御部150は、受電電力のうなりが所定レベル以下ではない(S312:NO)と判定すると、スイッチング信号の周波数をそのときの値に設定する(ステップS314)。
以上で、スイッチング信号の周波数を調整するステップS310が完了する(エンド)。
次に、図23に示すフローチャートについて説明する。
制御部150は、テスト受電を開始する(ステップS321)。テスト受電は、予め設定した所定電力を送電器10に送電させて、受電状態をテストするものである。ここでは、受電電力にうなりがあるかどうかを判定できればよいため、予め設定した所定電力は、非常に少ない電力でよい。
制御部150は、スイッチング信号の位相をスキャンして受電電力を測定する(ステップS322)。スイッチング信号の位相をスキャンするには、位相シフト回路153でスイッチング信号の位相をシフトすればよく、360度シフトさせながら、電圧計145の検出電圧に基づいて処理部151が受電電力を測定すればよい。これにより、図15に示すような特性が求められる。
制御部150は、ステップS322で得た特性から、受電電力が最大値になる位相を位相の原点として求める(ステップS323)。
制御部150は、ステップS323で得た位相の原点をスイッチング信号に設定する(ステップS323)。具体的には、位相制御部154が位相の原点を表す値を保持し、位相シフト回路153に設定すればよい。
以上で、位相の原点を求めるステップS320の処理が完了する(エンド)。
次に、図24に示すフローチャートについて説明する。
制御部150は、本送電が開始したかどうかを判定する(ステップS331)。本送電が開始したかどうかは、例えば、送電器10から本送電を開始することを表す通知信号を受信したかどうかで判定すればよい。
制御部150は、処理部151が算出する受電電力Pと設定受電電力Psとの誤差ΔPを検出する(ステップS342)。設定受電電力Psとは、ステップS357の設定受電電力と同一である。誤差ΔPは、設定受電電力Psから受電電力Pを減算することによって得られる。
制御部150は、誤差ΔPが閾値以上であるかどうかを判定する(ステップS343)。
制御部150は、誤差ΔPが閾値以上である(S343:YES)と判定すると、スイッチング信号の位相を調整する(ステップS344)。
制御部150は、調整前の動作状態における位相が図8の横軸に示す位相が正の領域にある場合には、受電電力を増大させるために位相を小さくすればよい。例えば、調整前の位相が30度である場合には、30度よりも0度に近づけて、位相を小さくすればよい。
制御部150は、調整前の動作状態における位相が図8の横軸に示す位相が負の領域にある場合には、受電電力を増大させるために位相を大きくすればよい。例えば、調整前の位相が−30度である場合には、−30度よりも0度に近づけて、位相を大きくすればよい。
制御部150は、誤差ΔPが閾値以上ではない(S343:NO)と判定すると、送電終了であるかどうかを判定する(ステップS345)。送電終了であるかどうかは、例えば、受電器100が送電器10から送電終了であることを表す信号を受信したかどうかで判断すればよい。
以上、実施の形態1によれば、受電器100A及び100Bの二次側共振コイル110A及び110Bの受電効率と、電子機器200A及び200Bの定格出力とにより、受電器100A及び100Bへの必要送電量を求める。
そして、受電器100A及び100Bのうち、必要送電量が小さい方の受電器(100A又は100B)に対応する駆動信号の位相を位相の原点から変化させる。
この結果、必要送電量が小さい方の受電器(100A又は100B)への電力供給量が絞られ、必要送電量が大きい方の受電器(100A又は100B)への電力供給量を増やすことができる。
このようにして、受電器100A及び100Bへの電力供給量のバランスを改善する。
従って、実施の形態1によれば、電力供給量のバランスを改善することのできる受電器100A又は100Bを提供することができる。また、実施の形態1によれば、電力供給量のバランスを改善することができる電力伝送システム400を提供することができる。
また、実施の形態1によれば、受電電力がX%低下するまでの経過時間tXが、クロックCLK1、CLK2の位相を調整してから受電電力が安定するまでの過渡応答期間tPよりも十分に長くなるようにクロックCLK1、CLK2の周波数を調整する。
このため、うなりの周期による受電電力の変化を緩和することができ、受電電力の急激な変化を抑制することができる。
また、実施の形態1によれば、受電電力のうなりによって誤差ΔPが大きくなると、クロックCLK1、CLK2(スイッチング信号)の位相を調整して受電電力を増大させる。このため、うなりによる受電電力の低下を抑制することができ、効率的に受電することができる。
また、以上では、位相の原点を求めて、位相の原点からクロックCLK1、CLK2(スイッチング信号)の位相を変化させる形態について説明した。しかしながら、位相の原点を求めずに、クロックCLK1、CLK2(スイッチング信号)の位相を変化させてもよい。この場合には、図18及び図19に示すデータを用いる必要はない。
位相の原点を求めずに、クロックCLK1、CLK2(スイッチング信号)の位相を変化させる場合は、例えば、実験等で、位相と受電電力の関係を予め調べた上で設定すればよい。また、位相を進めるか遅延させるかについても、位相と受電電力の関係を予め調べた上で設定すればよい。
また、以上では、2つの受電器100A及び100Bのうち、必要送電量が小さい方の受電器(100A又は100B)に対応する駆動信号の位相を低減することによって受電器100A及び100Bへの電力供給量のバランスを改善する形態について説明した。
しかしながら、3つ以上の受電器が同時に充電される場合もある。このような場合には、必要電力量、つまりは各定格電力を各受電効率で除算して得る電力量が最大の受電器以外の受電器の駆動信号の位相を低減するようにすればよい。
また、以上では、電子機器200A及び200Bが、一例として、タブレットコンピュータ又はスマートフォン等の端末機である形態について説明したが、電子機器200A及び200Bは、例えば、ノート型のPC(Personal Computer)、携帯電話端末機、携帯型のゲーム機、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の充電式のバッテリを内蔵する電子機器であってもよい。
また、以上では、2つの受電器100A及び100Bの受電効率と定格出力に応じて位相を求め、制御部150A又は150Bがスイッチ131A及び131Bを駆動する駆動信号の位相を調整する形態について説明した。
しかしながら、1つの送電器10と1つの受電器100(図4参照)との間で電力を伝送する場合には、受電器100の制御部150が、実験等で予め求めておいた位相を用いてスイッチ131A及び131Bを駆動してもよい。この場合には、制御部150の内部メモリにバッテリ220の定格出力を表すデータを格納しておく必要はない。
また、1つの送電器10と1つの受電器100(図4参照)との間で電力を伝送する場合には、受電器100の制御部150がクロックCLK1、CLK2の位相を調整することによって、受電電力を調整することができる。この場合には、受電器100が受電する電力が最大になる位相を検出する必要はない。
また、以上では、受電器100A及び100Bがバッテリ220A及び220Bを同時に充電する形態について説明した。しかしながら、電子機器200A及び200Bは、バッテリ220A及び220Bを含まずに、受電器100A及び100Bが受電した電力を直接的に消費して動作してもよい。受電器100A及び100Bは、同時に効率的に受電できるので、電子機器200A及び200Bがバッテリ220A及び220Bを含まない場合でも、電子機器200A及び200Bが同時に駆動することが可能になる。これは、時分割的に受電する場合には不可能であるため、同時に受電する場合のメリットの一つである。なお、このような場合には、電子機器200A及び200Bの駆動に必要な定格出力を用いて、位相を設定すればよい。
また、以上では、送電器10の制御部15が駆動信号を生成し、受電器100A及び100Bに送信する形態について説明したが、送電器10の送電電力を表すデータを受電器100A、100Bに送信し、受電器100A、100B側で駆動信号を生成してもよい。この場合に、受電器100Aと100Bとの間でデータ通信を行い、受電器100A又は100Bで、どちらの受電電力が大きいかを判定し、受電電力の少ない方の受電器(100A又は100B)の駆動信号の位相を増大するように、少なくともいずれか一方の受電器(100A又は100B)が駆動信号を生成するようにすればよい。
また、送電器10が受電器100A、100Bから受電電力と定格出力を表すデータを受信して、必要送電量が小さい方の受電器(100A又は100B)の制御部(150A又は150B)に位相を調整させるようにしてもよい。この場合に、位相を調整するために必要なデータは、制御部(150A又は150B)が内部メモリに格納すればよい。
また、調整部130のダイオード131X及び131Yの向きは、図4に示す向きとは反対であってもよい。図25は、実施の形態1の変形例の調整部130Vを示す図である。
調整部130Vは、スイッチ131X、131Y、ダイオード132VX、132VY、キャパシタ133X、133Y、及び端子134X、134Yを有する。ダイオード132VX、132VYの整流方向は、それぞれ、図4に示すダイオード132X、132Yと反対である。それ以外は、図4に示す調整部130と同様であるため、同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
図26は、キャパシタ115及び調整部130Vにおける電流経路を示す図である。図26では、端子134Xからキャパシタ115又は調整部130Vの内部を通って端子134Yに流れる電流の向きを時計回り(CW(Clockwise))と称す。また、端子134Yからキャパシタ115又は調整部130Vの内部を通って端子134Xに流れる電流の向きを反時計回り(CCW(Counterclockwise))と称す。
スイッチ131Xがオフでスイッチ131Yがオンで、電流が時計回り(CW)の場合は、調整部130V内では端子134Xからダイオード132VX及びスイッチ131Yを経て端子134Yに向かう電流経路が生じる。この電流経路は、キャパシタ115に並列であるため、キャパシタ115には電流が流れなくなる。従って、二次側共振コイル110には共振電流は流れない。
スイッチ131Xがオフでスイッチ131Yがオンで、電流が反時計回り(CCW)の場合は、調整部130V内では端子134Yからスイッチ131Y及びキャパシタ133Xを経て端子134Xに向かう方向に共振電流が流れるとともに、キャパシタ115には端子115Yから端子115Xに共振電流が流れる。従って、二次側共振コイル110には反時計回りの方向に共振電流が流れる。
スイッチ131Xがオンでスイッチ131Yがオフで、電流が時計回り(CW)の場合は、調整部130V内では端子134Xからスイッチ131X及びキャパシタ133Yを経て端子134Yに向かう方向に共振電流が流れるとともに、キャパシタ115には端子115Xから端子115Yに共振電流が流れる。従って、二次側共振コイル110には時計回りの方向に共振電流が流れる。
スイッチ131Xがオンでスイッチ131Yがオフで、電流が反時計回り(CCW)の場合は、調整部130V内では端子134Yからダイオード132VY及びスイッチ131Xを経て端子134Xに向かう電流経路が生じる。この電流経路は、キャパシタ115に並列であるため、キャパシタ115には電流が流れなくなる。従って、二次側共振コイル110には共振電流は流れない。
<実施の形態2>
図27は、実施の形態2の受電器500と送電装置80を示す図である。送電装置80は、交流電源1と送電器10を含む。以下では、実施の形態1の構成要素と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
送電装置80は、交流電源1と送電器10を含む。
送電器10は、一次側コイル11、一次側共振コイル12、整合回路13、キャパシタ14、制御部15、及びアンテナ16を有する。
受電器500は、二次側共振コイル110、キャパシタ115、整流回路120、調整部530、平滑キャパシタ140、制御部150、電圧計160V、出力端子160X、160Y、及びアンテナ170を含む。出力端子160X、160Yには、DC−DCコンバータ210が接続されており、DC−DCコンバータ210の出力側にはバッテリ220が接続されている。
まず、送電器10について説明する。図27に示すように、一次側コイル11は、ループ状のコイルであり、両端間に整合回路13を介して交流電源1に接続されている。一次側コイル11は、一次側共振コイル12と非接触で近接して配置されており、一次側共振コイル12と電磁界結合される。一次側コイル11は、自己の中心軸が一次側共振コイル12の中心軸と一致するように配設される。中心軸を一致させるのは、一次側コイル11と一次側共振コイル12との結合強度を向上させるとともに、磁束の漏れを抑制して、不必要な電磁界が一次側コイル11及び一次側共振コイル12の周囲に発生することを抑制するためである。
一次側コイル11は、交流電源1から整合回路13を経て供給される交流電力によって磁界を発生し、電磁誘導(相互誘導)により電力を一次側共振コイル12に送電する。
図27に示すように、一次側共振コイル12は、一次側コイル11と非接触で近接して配置されて一次側コイル11と電磁界結合されている。また、一次側共振コイル12は、所定の共振周波数を有し、高いQ値を有するように設計されている。一次側共振コイル12の共振周波数は、二次側共振コイル110の共振周波数と等しくなるように設定されている。一次側共振コイル12の両端の間に、共振周波数を調整するためのキャパシタ14が直列に接続される。
一次側共振コイル12の共振周波数は、交流電源1が出力する交流電力の周波数と同一の周波数になるように設定されている。一次側共振コイル12の共振周波数は、一次側共振コイル12のインダクタンスと、キャパシタ14の静電容量によって決まる。このため、一次側共振コイル12のインダクタンスと、キャパシタ14の静電容量は、一次側共振コイル12の共振周波数が、交流電源1から出力される交流電力の周波数と同一の周波数になるように設定されている。
整合回路13は、一次側コイル11と交流電源1とのインピーダンス整合を取るために挿入されており、インダクタLとキャパシタCを含む。
交流電源1は、磁界共鳴に必要な周波数の交流電力を出力する電源であり、出力電力を増幅するアンプを内蔵する。交流電源1は、例えば、数百kHzから数十MHz程度の高周波の交流電力を出力する。
キャパシタ14は、一次側共振コイル12の両端の間に、直列に挿入される可変容量型のキャパシタである。キャパシタ14は、一次側共振コイル12の共振周波数を調整するために設けられており、静電容量は制御部15によって設定される。
制御部15は、交流電源1の出力電圧及び出力周波数の制御、キャパシタ14の静電容量の制御等を行う。また、制御部15は、アンテナ16を通じて、受電器500とデータ通信を行う。
以上のような送電装置80は、交流電源1から一次側コイル11に供給される交流電力を磁気誘導により一次側共振コイル12に送電し、一次側共振コイル12から磁界共鳴により電力を受電器500の二次側共振コイル110に送電する。
次に、受電器500に含まれる二次側共振コイル110について説明する。ここでは、一例として、共振周波数が6.78MHzである形態について説明する。
二次側共振コイル110は、一次側共振コイル12と同一の共振周波数を有し、高いQ値を有するように設計されている。二次側共振コイル110は、共振コイル部111と、端子112X、112Yとを有する。ここで、共振コイル部111は、実体的には二次側共振コイル110そのものであるが、ここでは、共振コイル部111の両端に端子112X、112Yを設けたものを二次側共振コイル110として取り扱う。
共振コイル部111には、共振周波数を調整するためのキャパシタ115が直列に挿入されている。また、キャパシタ115には、調整部530が並列に接続されている。また、共振コイル部111の両端には、端子112X、112Yが設けられている。端子112X、112Yは、整流回路120に接続されている。端子112X、112Yは、それぞれ、第1端子及び第2端子の一例である。
二次側共振コイル110は、二次側コイルを介さずに整流回路120に接続されている。二次側共振コイル110は、調整部530によって共振が発生しうる状態にされているときには、送電器10の一次側共振コイル12から磁界共鳴によって送電される交流電力を整流回路120に出力する。
キャパシタ115は、二次側共振コイル110の共振周波数を調整するために、共振コイル部111に直列に挿入されている。キャパシタ115は、端子115X及び115Yを有する。キャパシタ115には、調整部530が並列に接続されている。キャパシタ115は、第1キャパシタの一例である。
整流回路120は、4つのダイオード121〜124を有する。ダイオード121〜124は、ブリッジ状に接続されており、二次側共振コイル110から入力される電力を全波整流して出力する。
調整部530は、二次側共振コイル110の共振コイル部111において、キャパシタ115に並列に接続されている。
調整部530は、スイッチ131X、131Y、ダイオード132X、132Y、キャパシタ133X、133Y、端子134X、134Y、及びキャパシタ135を有する。スイッチ131X、131Y、ダイオード132X、132Y、キャパシタ133X、133Y、端子134X、134Yは、実施の形態1と同様である。
キャパシタ135は、端子134Xと接続点136との間に直列に挿入されている。接続点136は、スイッチ131Xの一端と、ダイオード132Xのカソードと、キャパシタ133Xの一端とを接続する点である。すなわち、キャパシタ135は、スイッチ131X及び131Yの直列回路に直列に挿入されている。換言すれば、キャパシタ135は、ダイオード132X及び132Yの直列回路に直列に挿入されており、キャパシタ133X及び133Yの直列回路に直列に挿入されている。
二次側共振コイル110に磁界共鳴による共振が発生するL,C条件のうちのキャパシタンスCは、キャパシタ133X又は133Yのいずれか一方と、キャパシタ135と、キャパシタ115との合成容量に設定されている。すなわち、二次側共振コイル110の電流経路に、キャパシタ133X又は133Yのいずれか一方と、キャパシタ135と、キャパシタ115とが含まれる場合に、磁界共鳴による共振が発生する。
なお、二次側共振コイル110に磁界共鳴による共振が発生する条件のうちのインダクタンスは、二次側共振コイル110のインダクタンスである。
スイッチ131Xと131Yは、互いに逆位相でオン/オフが切り替えられる。スイッチ131Xがオフでスイッチ131Yがオンのときには、調整部530内では端子134Xからキャパシタ135、キャパシタ133X及びスイッチ131Yを経て端子134Yに向かう方向に共振電流が流れるとともに、キャパシタ115には端子115Xから端子115Yに共振電流が流れ得る状態になる。すなわち、図27において、二次側共振コイル110には時計回りの方向に共振電流が流れ得る状態になる。
また、スイッチ131Xがオンでスイッチ131Yがオフのときには、調整部530内では端子134Xからキャパシタ135、スイッチ131X及びダイオード132Yを経て端子134Yに向かう電流経路が生じる。この電流経路は、キャパシタ115に並列であるため、キャパシタ115には電流が流れなくなる。
従って、スイッチ131Xがオフでスイッチ131Yがオンにされていて、二次側共振コイル110に時計回りの方向に共振電流が流れている状態から、スイッチ131Xがオンでスイッチ131Yがオフの状態に切り替えられると、共振電流が生じなくなる。電流経路にキャパシタ135が含まれるが、キャパシタ135だけでは共振条件が成立しないからである。
また、スイッチ131Xがオンでスイッチ131Yがオフのときには、調整部530内では端子134Yからキャパシタ133Y、スイッチ131X、及びキャパシタ135を経て端子134Xに向かう方向に共振電流が流れるとともに、キャパシタ115には端子115Yから端子115Xに共振電流が流れ得る状態になる。すなわち、図27において、二次側共振コイル110には反時計回りの方向に共振電流が流れ得る状態になる。
また、スイッチ131Xがオフでスイッチ131Yがオンのときには、調整部530内では端子134Yからスイッチ131Y、ダイオード132X、及びキャパシタ135を経て端子134Xに向かう電流経路が生じる。この電流経路は、キャパシタ115に並列であるため、キャパシタ115には電流が流れなくなる。
従って、スイッチ131Xがオンでスイッチ131Yがオフにされていて、二次側共振コイル110に反時計回りの方向に共振電流が流れている状態から、スイッチ131Xがオフでスイッチ131Yがオンの状態に切り替えられると、共振電流が生じなくなる。電流経路にキャパシタ135が含まれるが、キャパシタ135だけでは共振条件が成立しないからである。
調整部530は、上述のようにスイッチ131X及び131Yを切り替えることにより、共振電流が生じ得る状態と、共振電流が生じない状態とを切り替える。スイッチ131X及び131Yの切り替えは、制御部150から出力される駆動信号によって行われる。
駆動信号の周波数は、二次側共振コイル110が受電する交流周波数に設定される。
スイッチ131X及び131Yは、上述のような高い周波数で交流電流の遮断を行う。例えば、2つのFETを組み合わせた調整部530は、高速で交流電流の遮断を行うことができる。
なお、駆動信号と調整部530の動作については、図28を用いて後述する。
平滑キャパシタ140は、整流回路120の出力側に接続されており、整流回路120で全波整流された電力を平滑化して直流電力として出力する。平滑キャパシタ140の出力側には、出力端子160X、160Yが接続される。整流回路120で全波整流された電力は、交流電力の負成分を正成分に反転させてあるため、略交流電力として取り扱うことができるが、平滑キャパシタ140を用いることにより、全波整流された電力にリップルが含まれるような場合でも、安定した直流電力を得ることができる。
なお、平滑キャパシタ140の上側の端子と出力端子160Xとを結ぶ線路は、高電圧側の線路であり、平滑キャパシタ140の下側の端子と出力端子160Yとを結ぶ線路は、低電圧側の線路である。
図28は、キャパシタ115及び調整部530における電流経路を示す図である。図28は、図27と同様に、端子134Xからキャパシタ115又は調整部530の内部を通って端子134Yに流れる電流の向きを時計回り(CW(Clockwise))と称す。また、端子134Yからキャパシタ115又は調整部530の内部を通って端子134Xに流れる電流の向きを反時計回り(CCW(Counterclockwise))と称す。
また、ここでは、スイッチ131X及び131YがPチャネル型のFETである場合のクロックCLK1及びCLK2を示す。スイッチ131X及び131Yは、クロックCLK1及びCLK2がLレベルのときにオンになり、Hレベルのときにオフになる。
まず、スイッチ131Xと131Yがともにオフで電流が時計回り(CW)の場合は、端子134Xからキャパシタ135、キャパシタ133X及びダイオード132Yを経て端子134Yに向かう方向に共振電流が流れるとともに、キャパシタ115には端子115Xから端子115Yに共振電流が流れる。従って、二次側共振コイル110には時計回りの方向に共振電流が流れる。
スイッチ131Xと131Yがともにオフで電流が反時計回り(CCW)の場合は、端子134Yからキャパシタ133Y、ダイオード132X、及びキャパシタ135を経て端子134Xに向かう方向に共振電流が流れるとともに、キャパシタ115には端子115Yから端子115Xに共振電流が流れる。従って、二次側共振コイル110には反時計回りの方向に共振電流が流れる。
スイッチ131Xがオンでスイッチ131Yがオフで、電流が時計回り(CW)の場合は、調整部530内では端子134Xからキャパシタ135、スイッチ131X及びダイオード132Yを経て端子134Yに向かう電流経路が生じる。この電流経路は、キャパシタ115に並列であるため、キャパシタ115には電流が流れなくなる。従って、二次側共振コイル110には共振電流は流れない。なお、この場合には、スイッチ131Yをオンにしても、二次側共振コイル110には共振電流は流れない。
スイッチ131Xがオンでスイッチ131Yがオフで、電流が反時計回り(CCW)の場合は、調整部530内では端子134Yからキャパシタ133Y、スイッチ131X、及びキャパシタ135を経て端子134Xに向かう方向に共振電流が流れるとともに、キャパシタ115には端子115Yから端子115Xに共振電流が流れる。従って、二次側共振コイル110には反時計回りの方向に共振電流が流れる。なお、スイッチ131Xと並列なダイオード132Xにも電流が流れる。
スイッチ131Xがオフでスイッチ131Yがオンで、電流が時計回り(CW)の場合は、調整部530内では端子134Xからキャパシタ135、キャパシタ133X及びスイッチ131Yを経て端子134Yに向かう方向に共振電流が流れるとともに、キャパシタ115には端子115Xから端子115Yに共振電流が流れる。従って、二次側共振コイル110には時計回りの方向に共振電流が流れる。なお、スイッチ131Yと並列なダイオード132Yにも電流が流れる。
スイッチ131Xがオフでスイッチ131Yがオンで、電流が反時計回り(CCW)の場合は、調整部530内では端子134Yからスイッチ131Y、ダイオード132X、及びキャパシタ135を経て端子134Xに向かう電流経路が生じる。この電流経路は、キャパシタ115に並列であるため、キャパシタ115には電流が流れなくなる。従って、二次側共振コイル110には共振電流は流れない。なお、この場合には、スイッチ131Xをオンにしても、二次側共振コイル110には共振電流は流れない。
なお、共振電流の共振周波数に寄与する静電容量は、キャパシタ115と、キャパシタ132X又は132Yと、キャパシタ135との3つのキャパシタによって決まる。3つのキャパシタには、キャパシタ132X又は132Yのいずれか一方が含まれる。このため、キャパシタ132Xと132Yの静電容量は等しいことが望ましい。
図29は、実施の形態2の変形例の調整部530−1、530−2を示す図である。
図29(A)に示す調整部530−1は、スイッチ131X、131Y、ダイオード132X、132Y、キャパシタ133X、133Y、端子134X、134Y、及びキャパシタ135Aを有する。
キャパシタ135Aは、スイッチ131Yの右側の端子と、ダイオード132Yのアノードと、キャパシタ133Yの右側の端子との接続点136Aと、端子134Yとの間に直列に挿入されている。
図29(B)に示す調整部530−2は、スイッチ131X、131Y、ダイオード132X、132Y、キャパシタ133X、133Y、端子134X、134Y、及びキャパシタ135Bを有する。
キャパシタ135Bは、スイッチ131Xの右側の端子と、ダイオード132Xのカソードと、キャパシタ133Xの右側の端子との接続点136Cと、スイッチ131Yの左側の端子と、ダイオード132Yのカソードと、キャパシタ133Yの左側の端子との接続点136Dとの間に直列に挿入される。
また、図27に示す調整部530に、キャパシタ135に加えて、図29(B)に示すキャパシタ135Bを加えてもよく、図29(A)に示す調整部530−1に、図29(B)に示すキャパシタ135Bを加えてもよい。このような場合には、キャパシタ135Bのキャパシタンスも含めて共振条件を設定すればよい。
また、調整部530のダイオード132X及び132Yの向きは、図27に示す向きとは反対であってもよい。図30は、実施の形態2の変形例の調整部530Vを示す図である。
調整部530Vは、スイッチ131X、131Y、ダイオード132VX、132VY、キャパシタ133X、133Y、端子134X、134Y、及びキャパシタ135を有する。ダイオード132VX、132VYの整流方向は、それぞれ、図27に示すダイオード132X、132Yと反対である。それ以外は、図27に示す調整部530と同様であるため、同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
図31は、キャパシタ115及び調整部530Vにおける電流経路を示す図である。図31では、端子134Xからキャパシタ115又は調整部530Vの内部を通って端子134Yに流れる電流の向きを時計回り(CW(Clockwise))と称す。また、端子134Yからキャパシタ115又は調整部530Vの内部を通って端子134Xに流れる電流の向きを反時計回り(CCW(Counterclockwise))と称す。
スイッチ131Xがオフでスイッチ131Yがオンで、電流が時計回り(CW)の場合は、調整部530V内では端子134Xからキャパシタ135、ダイオード132VX及びスイッチ131Yを経て端子134Yに向かう電流経路が生じる。この電流経路は、キャパシタ115に並列であるため、キャパシタ115には電流が流れなくなる。従って、二次側共振コイル110には共振電流は流れない。
スイッチ131Xがオフでスイッチ131Yがオンで、電流が反時計回り(CCW)の場合は、調整部530V内では端子134Yからスイッチ131Y、キャパシタ133X、及びキャパシタ135を経て端子134Xに向かう方向に共振電流が流れるとともに、キャパシタ115には端子115Yから端子115Xに共振電流が流れる。従って、二次側共振コイル110には反時計回りの方向に共振電流が流れる。
スイッチ131Xがオンでスイッチ131Yがオフで、電流が時計回り(CW)の場合は、調整部530V内では端子134Xからキャパシタ135、スイッチ131X及びキャパシタ133Yを経て端子134Yに向かう方向に共振電流が流れるとともに、キャパシタ115には端子115Xから端子115Yに共振電流が流れる。従って、二次側共振コイル110には時計回りの方向に共振電流が流れる。
スイッチ131Xがオンでスイッチ131Yがオフで、電流が反時計回り(CCW)の場合は、調整部530V内では端子134Yからダイオード132VY、スイッチ131X、及びキャパシタ135を経て端子134Xに向かう電流経路が生じる。この電流経路は、キャパシタ115に並列であるため、キャパシタ115には電流が流れなくなる。従って、二次側共振コイル110には共振電流は流れない。
以上、実施の形態2によれば、実施の形態1の受電器100にキャパシタ135を加えた構成の受電器500が複数ある場合に、電力供給量のバランスを改善することができる。
また、受電電力のうなりの周期による受電電力の変化を緩和することができ、受電電力の急激な変化を抑制することができる。さらに、うなりによる受電電力の低下を抑制することができ、効率的に受電することができる。
以上、本発明の例示的な実施の形態の受電器、及び、電力伝送システムについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。