JP6810538B2 - 表面粗化金属部材の製造方法および金属/樹脂複合構造体の製造方法 - Google Patents
表面粗化金属部材の製造方法および金属/樹脂複合構造体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6810538B2 JP6810538B2 JP2016112169A JP2016112169A JP6810538B2 JP 6810538 B2 JP6810538 B2 JP 6810538B2 JP 2016112169 A JP2016112169 A JP 2016112169A JP 2016112169 A JP2016112169 A JP 2016112169A JP 6810538 B2 JP6810538 B2 JP 6810538B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- metal member
- metal
- thermoplastic resin
- composite structure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- ing And Chemical Polishing (AREA)
Description
熱可塑性樹脂または上記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材との接合のために用いられる表面粗化金属部材を製造するための製造方法であって、
少なくとも金属部材の上記熱可塑性樹脂部材との接合部表面を、40℃以上60℃未満の温水に接触させる温水処理工程を含む表面粗化金属部材の製造方法。
[2]
上記[1]に記載の表面粗化金属部材の製造方法において、
少なくとも上記金属部材の上記接合部表面を酸性水溶液および/または塩基性水溶液により洗浄する工程の後に、上記温水処理工程をおこなう表面粗化金属部材の製造方法。
[3]
上記[1]または[2]に記載の表面粗化金属部材の製造方法において、
上記温水が、イオン交換水、純水、または蒸留水である表面粗化金属部材の製造方法。
[4]
上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の表面粗化金属部材の製造方法において、
上記表面粗化金属部材は鉄、鉄鋼材、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、亜鉛、亜鉛合金、スズ、スズ合金、チタンおよびチタン合金から選択される一種または二種以上の金属材料により構成されたものである表面粗化金属部材の製造方法。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の表面粗化金属部材の製造方法により表面粗化金属部材を作製する工程(A)と、
上記表面粗化金属部材の上記接合部表面に接するように、熱可塑性樹脂または上記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材を成形し、上記表面粗化金属部材と上記熱可塑性樹脂部材を接合させる工程(B)と、
を含む金属/樹脂複合構造体の製造方法。
[6]
上記[5]に記載の金属/樹脂複合構造体の製造方法において、
上記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、およびポリアセタール樹脂から選択される一種または二種以上を含む金属/樹脂複合構造体の製造方法。
[7]
上記[5]または[6]に記載の金属/樹脂複合構造体の製造方法において、
上記工程(B)の後に、得られた金属/樹脂複合構造体を構成する金属部材の表面に酸化被膜を形成する工程(C)をさらに含む金属/樹脂複合構造体の製造方法。
本実施形態に係る表面粗化金属部材103の製造方法は、熱可塑性樹脂(P1)または熱可塑性樹脂(P1)を含む樹脂組成物(P2)により構成された熱可塑性樹脂部材105との接合のために用いられる表面粗化金属部材103を製造するための製造方法であって、少なくとも金属部材の熱可塑性樹脂部材105との接合部表面104を、40℃以上60℃未満の温水に接触させる温水処理工程を含む。
まず、温水処理をおこなうことによって、金属部材表面が溶解し、次いで、水酸化物が析出して金属部材の接合部表面104に表面粗化金属部材103と熱可塑性樹脂部材105との間のアンカー効果を効果的に発現できる、水酸基含有皮膜により構成された微細凹凸構造が形成される。このような水酸基含有皮膜は、40℃以上60℃未満の温水処理によって形成されると、酸化被膜形成処理に対してより安定な結晶構造になると考えられる。すなわち、金属部材の熱可塑性樹脂部材105との接合部表面104に対して、40℃以上60℃未満の温水に接触させる処理をおこなうことにより、金属部材の接合部表面104に、酸化被膜形成処理に対して安定な水酸基含有被膜により構成された微細凹凸構造が形成されるため、酸化被膜形成処理後の金属/樹脂複合構造体106における表面粗化金属部材103と熱可塑性樹脂部材105との接合力の低下を抑制させることができると考えられる。
以下、本実施形態に係る熱可塑性樹脂部材105について説明する。
熱可塑性樹脂部材105は熱可塑性樹脂(P1)または熱可塑性樹脂(P1)を含む樹脂組成物(P2)により構成されている。樹脂組成物(P2)は、樹脂成分として熱可塑性樹脂(P1)と、必要に応じて充填材(B)と、含む。さらに、樹脂組成物(P2)は必要に応じてその他の配合剤を含む。
熱可塑性樹脂(P1)としては特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール−ポリ塩化ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、無水マレイン酸−スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等の芳香族ポリエーテルケトン、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、スチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アイオノマー、アミノポリアクリルアミド樹脂、イソブチレン無水マレイン酸コポリマー、ABS、ACS、AES、AS、ASA、MBS、エチレン−塩化ビニルコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフトポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、カルボキシビニルポリマー、ケトン樹脂、非晶性コポリエステル樹脂、ノルボルネン樹脂、フッ素プラスチック、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、フッ素化エチレンポリプロピレン樹脂、PFA、ポリクロロフルオロエチレン樹脂、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリパラメチルスチレン樹脂、ポリアリルアミン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、オリゴエステルアクリレート、キシレン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリヒドロキシブチレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリグルタミン酸樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリアセタール樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は一種単独で使用してもよいし、二種以上組み合わせて使用してもよい。
上記ポリオレフィン系樹脂を構成するオレフィンとしては、例えば、エチレン、α−オレフィン、環状オレフィン等が挙げられる。
樹脂組成物(P2)は、表面粗化金属部材103と熱可塑性樹脂部材105との線膨張係数差の調整や熱可塑性樹脂部材105の機械的強度の向上、ヒートサイクル特性の向上等の観点から、充填材(B)をさらに含んでもよい。
これにより、成形後の熱可塑性樹脂部材105の収縮を抑制することができるため、表面粗化金属部材103と熱可塑性樹脂部材105との接合をより強固なものとすることができる。
樹脂組成物(P2)には、個々の機能を付与する目的でその他の配合剤を含んでもよい。
上記配合剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、耐候剤、難燃剤、可塑剤、分散剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、耐衝撃性改質剤等が挙げられる。
樹脂組成物(P2)の製造方法は特に限定されず、一般的に公知の方法により製造することができる。例えば、以下の方法が挙げられる。まず、上記熱可塑性樹脂(P1)と、必要に応じて上記充填材(B)と、さらに必要に応じて上記その他の配合剤とを、バンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機、高速2軸押出機等の混合装置を用いて、混合または溶融混合することにより、樹脂組成物(P2)が得られる。
次に、表面粗化金属部材103の製造方法について説明する。
以下、表面粗化金属部材103の製造方法の一例を示す。ただし、本実施形態に係る表面粗化金属部材103の製造方法は、以下の例に限定されない。
これらの中でも、軽量かつ高強度の点から、アルミニウム(アルミニウム単体)およびアルミニウム合金が好ましく、アルミニウム合金がより好ましい。
アルミニウム合金としては、JIS H4000に規定された合金番号1050、1100、2014、2024、3003、5052、6061、6063、7075等の展伸用合金、AC5A、AC4C等の鋳物用合金、ADC12等のダイカスト用合金が好ましく用いられる。
また、熱可塑性樹脂部材105と接合する接合部表面104の形状は、特に限定されないが、平面、曲面等が挙げられる。
まず、後述する温水処理工程(1)の前に、少なくとも金属部材の接合部表面に対して前処理をおこない、金属部材の表面に付着した油脂や、酸化被膜を除去することが好ましい。
このような前処理としては、例えば、ブラスト処理やローレット加工等の物理的処理;レーザースキャニング加工等のレーザー処理;侵食性水溶液または侵食性懸濁液による洗浄処理等が挙げられる。これらの方法の中でも、侵食性水溶液として酸性水溶液および/または塩基性水溶液を用いる洗浄処理が好んで採用される。
まず、金属部材を市販の金属部材用脱脂剤の水溶液に、例えば、30〜80℃で1〜10分間浸漬し、その後、金属部材を水洗する。
つづいて、濃度が0.1〜5質量%の酸性水溶液に金属部材を、例えば、30〜80℃で0.1〜10分間浸漬し、その後、金属部材を水洗する。酸性水溶液を使用する目的は主に酸化被膜の除去である。この目的に合う酸性水溶液であれば特に限定されず、例えば、塩酸、硫酸、酢酸、炭酸等が挙げられる。
次いで、濃度が0.1〜3質量%の塩基性水溶液に金属部材を、例えば、30〜80℃で1〜10分間浸漬し、その後、金属部材を水洗する。塩基性水溶液に使う塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類の水酸化物、これらが含まれた安価な材料であるソーダ灰(Na2CO3、無水炭酸ナトリウム)等が挙げられる。また、水酸化アルカリ土類金属(Ca、Sr、Ba、Ra)類も使用できる。塩基性水溶液に浸漬することにより、金属部材の表面は水素を放ちつつイオンになって溶解し、金属部材の表面は微細なエッチング面になる。
次いで、濃度が0.1〜5質量%の酸性水溶液に金属部材を、例えば、30〜80℃で0.1〜10分間浸漬し、その後、金属部材を水洗する。酸性水溶液を使用する目的はスマット除去ならびに中和である。塩基が金属部材表面に残存すると、本工程に続く粗化処理工程における処理液のpH調整が煩雑になる場合があるので中和が必要となる。また、金属部材内に固溶していた金属が塩基性水溶液の前工程では完全溶解せずに表面近傍に水酸化物その他の組成物となって存在している場合、酸性水溶液に浸漬することでこれらを取り除くこともできる。この目的に合う酸性水溶液であれば特に限定されず、例えば、硝酸、塩酸、硫酸、フッ化水素酸等が挙げられる。
つづいて、少なくとも金属部材の接合部表面104に対して40℃以上60℃未満の温水に接触させることにより、接合部表面104の温水処理をおこなう。温水処理によって、金属部材表面が溶解し、次いで、水酸化物が析出して金属部材の表面が微細凹凸構造に粗化される。
なお、本実施形態では、40℃以上60℃未満の温水を用いて金属部材を粗化処理する際、金属部材表面の全面を粗化処理してもよく、熱可塑性樹脂部材105が接合される面だけを部分的に粗化処理してもよい。
温水処理における温水の温度は特に限定されないが、40℃以上50℃未満であることがより好ましい。
温水処理の処理時間は通常、5秒〜60分間、好ましくは10秒〜30分間程度である。
このような温水処理により、金属の表面に5nm〜100nm程度の厚さの微多孔質の水酸基含有皮膜が形成される。温水の温度が高いほど処理時間を短くし、温水の温度が低いほど処理時間を長くして、所望の膜厚が得られるように調整することができる。
ここで、水酸基含有皮膜は、金属の表面に温水処理を施すことにより形成でき、水酸化皮膜および/または水和皮膜ということもでき、例えば、金属の水酸化物および/または水和酸化物を含む皮膜である。
つづいて、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106の製造方法について説明する。
金属/樹脂複合構造体106の製造方法は特に限定されないが、少なくとも以下の工程(A)および(B)を含むことが好ましく、必要に応じて以下の工程(C)を含む。
(A)前述した本実施形態に係る表面粗化金属部材103の製造方法により表面粗化金属部材103を作製する工程
(B)表面粗化金属部材103の接合部表面104に接するように、熱可塑性樹脂(P1)または熱可塑性樹脂(P1)を含む樹脂組成物(P2)により構成された熱可塑性樹脂部材105を成形し、表面粗化金属部材103と熱可塑性樹脂部材105を接合させる工程
(C)工程(B)の後に、得られた金属/樹脂複合構造体106を構成する金属部材の表面に酸化被膜を形成する工程
すなわち、表面粗化金属部材103に対して、熱可塑性樹脂(P1)または樹脂組成物(P2)を所望の熱可塑性樹脂部材105の形状になるように成形しながら接合させることにより、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106が得られる。上記(A)の工程については、前述した本実施形態に係る表面粗化金属部材103の製造方法で述べたため、ここでは説明を省略する。
(i)熱可塑性樹脂(P1)を準備する工程、または樹脂組成物(P2)を製造する工程
(ii)表面粗化金属部材103を射出成形用の金型内に設置する工程
(iii)熱可塑性樹脂(P1)または樹脂組成物(P2)を、表面粗化金属部材103の少なくとも一部と接するように、上記金型内に射出成形し、熱可塑性樹脂部材105を成形する工程
以下、各工程について説明する。
射出発泡成形の方法として、化学発泡剤を樹脂に添加する方法や、射出成形機のシリンダー部に直接、窒素ガスや炭酸ガスを注入する方法、あるいは、窒素ガスや炭酸ガスを超臨界状態で射出成形機のシリンダー部に注入するMuCell射出発泡成形法があるが、いずれの方法でも樹脂部材が発泡体である金属/樹脂複合構造体106を得ることができる。また、いずれの方法でも、金型の制御方法として、カウンタープレッシャーを使用したり、成形品の形状によってはコアバックを利用したりすることも可能である。
高速ヒートサイクル成形は、急速加熱冷却装置を金型に接続することにより、実施することができる。急速加熱冷却装置は、一般的に使用されている方式で構わない。加熱方法として、蒸気式、加圧熱水式、熱水式、熱油式、電気ヒータ式、電磁誘導過熱式のいずれか1方式またはそれらを複数組み合わせた方式でよい。
冷却方法としては、冷水式、冷油式のいずれか1方式またはそれらを組み合わせた方式でよい。高速ヒートサイクル成形法の条件としては、例えば、射出成形金型を100℃以上250℃以下の温度に加熱し、熱可塑性樹脂(P1)または樹脂組成物(P2)の射出が完了した後、上記射出成形金型を冷却することが望ましい。
金型を加熱する温度は、熱可塑性樹脂(P1)または樹脂組成物(P2)を構成する熱可塑性樹脂(P1)によって好ましい範囲が異なり、結晶性樹脂で融点が200℃未満の樹脂であれば、100℃以上150℃以下が好ましく、結晶性樹脂で融点が200℃以上の樹脂であれば、140℃以上250℃以下が望ましい。非晶性樹脂については、50℃以上250℃以下が望ましく、100℃以上180℃以下がより望ましい。
表面粗化金属部材103への塗膜の形成方法としては、従来用いられている塗膜の形成方法を制限なく利用することができる。
具体的には、表面粗化金属部材103の表面110の微細凹凸構造の中に熱可塑性樹脂(P1)または樹脂組成物(P2)が進入することによって、表面粗化金属部材103と熱可塑性樹脂部材105との間に物理的な抵抗力(アンカー効果)が効果的に発現し、通常では接合が困難な表面粗化金属部材103と、熱可塑性樹脂(P1)または樹脂組成物(P2)により構成された熱可塑性樹脂部材105と、を強固に接合することが可能になったものと考えられる。
酸化被膜を形成する方法としては特に限定されないが、例えば、アルマイト加工処理等の陽極酸化皮膜処理が挙げられる。陽極酸化皮膜処理で用いる陽極酸化溶液としては、例えば、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、クロム酸等を用いることができる。
本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は、生産性が高く、形状制御の自由度も高いので、様々な用途に展開することが可能である。
さらに、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は、高い気密性、水密性が発現するので、これらの特性に応じた用途に好適に用いられる。
図1は、表面粗化金属部材103と熱可塑性樹脂部材105との金属/樹脂複合構造体106の構造の一例を模式的に示した外観図である。
図2は、表面粗化金属部材103と熱可塑性樹脂部材105との金属/樹脂複合構造体106を製造する過程の一例を模式的に示した構成図である。具体的には所定形状に加工され、表面に微細凹凸構造を有する接合部表面(表面処理領域)104が形成された表面粗化金属部材103を射出成形用の金型102内に設置し、射出成形機101により、熱可塑性樹脂(P1)または樹脂組成物(P2)をゲート/ランナー107を通して射出し、微細凹凸構造が形成された表面粗化金属部材103と熱可塑性樹脂部材105とが一体化された金属/樹脂複合構造体106を製造する過程を模式的に示している。
引っ張り試験機「モデル1323(アイコーエンジニヤリング社製)」を使用し、引張試験機に専用の治具を取り付け、室温(23℃)にて、チャック間距離60mm、引張速度10mm/minの条件にて測定をおこなった。破断荷重(N)を金属/樹脂接合部分の面積で除することにより接合強度(MPa)を得た。
[調製例1]
(前処理)
JIS H4000に規定された合金番号6063のアルミニウム板材(厚み:1.6mm)を、長さ45mm、幅18mmの形状になるように切断した。次いで任意の20枚のアルミニウム板材について、特開2012−066383号の実験例1に記載の方法に準拠して表面処理した。
すなわち、第一の1Lのビーカーに市販アルミニウム合金用脱脂剤NE−6(メルテックス社製)と水を投入して60℃、アルミニウム合金用脱脂剤の濃度が7.5質量%の水溶液600mlとした。これにアルミニウム板材20枚を重ならないように7分間浸漬した。浸漬後はよく水洗した。
つづいて、第二の1Lのビーカーに40℃とした1質量%濃度の塩酸水溶液600mlを用意し、これに上記のアルミニウム板材20枚を重ならないように1分間浸漬した。浸漬後はよく水洗した。次いで第三の1Lのビーカーに40℃とした1.5質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液600mlを用意し、水洗後のアルミニム板20枚を重ならないように4分間浸漬した。浸漬後はよく水洗した。次いで、第四の1Lのビーカーに40℃とした3質量%濃度の硝酸水溶液を600ml用意し、これにアルミニウム板材20枚を重ならないように1分間浸漬した。浸漬後はよく水洗した。以上の手順により、前処理アルミニウム板材を得た。
調製例1で調製した前処理アルミニウム板材を45℃の温水(イオン交換水)に30分間浸漬した。得られた金属部材を金属部材1と呼ぶ。
日本製鋼所社製のJ85AD110Hに小型ダンベル金属インサート金型102を装着し、金型102内に金属部材1(103)を設置した。次いで、その金型102内に熱可塑性樹脂(P1)として、市販のPBT樹脂(長春社製)を、シリンダー温度250℃、金型温度120℃、射出速度25mm/sec、保圧80MPa、保圧時間10秒の条件にて射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体106を得た。
また、得られた金属/樹脂複合構造体106をアルカリ脱脂後、50℃の2.0質量%水酸化ナトリウム水溶液に1分間浸漬し、その後、6.0質量%の希硝酸により中和した(常温、30秒間)。次いで90質量%リン酸/10質量%硫酸系溶液で86℃、2分間の化学研磨を行った後、6.0質量%希硝酸によってデスマットした。このように前処理された成形体を陽極酸化処理(18質量%硫酸、18℃、39分、1A/dm2)した後、染色(奥野製薬Red染料、50℃、8分間)し、Ni封孔(95℃、15分間)、純水湯洗、エアーブローを行うことによって、金属/樹脂複合構造体106の表面に酸化被膜を形成した。
酸化被膜形成前の金属/樹脂複合構造体106および酸化被膜形成後の金属/樹脂複合構造体106についてそれぞれ接合強度を測定した。得られた接合強度の評価結果を表1に示す。
調製例1で調製した前処理アルミニウム板材を55℃の温水(イオン交換水)に10分間浸漬した。得られた金属部材を金属部材2と呼ぶ。
実施例1において、金属部材1の代わりに金属部材2を用いた以外は実施例1と同様に射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体106を得た。また、実施例1と同様に金属/樹脂複合構造体106の表面に酸化被膜を形成した。
酸化被膜形成前の金属/樹脂複合構造体106および酸化被膜形成後の金属/樹脂複合構造体106についてそれぞれ接合強度を測定した。得られた接合強度の評価結果を表1に示す。
実施例1において、金属部材1の代わりに調製例1で調製した前処理アルミニウム板材を用いた以外は実施例1と同様に射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体106を得た。また、実施例1と同様に金属/樹脂複合構造体106の表面に酸化被膜を形成した。
酸化被膜形成前の金属/樹脂複合構造体106および酸化被膜形成後の金属/樹脂複合構造体106についてそれぞれ接合強度を測定した。得られた接合強度の評価結果を表1に示す。
調製例1で調製した前処理アルミニウム板材を60℃の温水(イオン交換水)に8分間浸漬した。得られた金属部材を金属部材3と呼ぶ。
実施例1において、金属部材1の代わりに金属部材3を用いた以外は実施例1と同様に射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体106を得た。また、実施例1と同様に金属/樹脂複合構造体106の表面に酸化被膜を形成した。
酸化被膜形成前の金属/樹脂複合構造体106および酸化被膜形成後の金属/樹脂複合構造体106についてそれぞれ接合強度を測定した。得られた接合強度の評価結果を表1に示す。
調製例1で調製した前処理アルミニウム板材を70℃の温水(イオン交換水)に3分間浸漬した。得られた金属部材を金属部材4と呼ぶ。
実施例1において、金属部材1の代わりに金属部材4を用いた以外は実施例1と同様に射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体106を得た。また、実施例1と同様に金属/樹脂複合構造体106の表面に酸化被膜を形成した。
酸化被膜形成前の金属/樹脂複合構造体106および酸化被膜形成後の金属/樹脂複合構造体106についてそれぞれ接合強度を測定した。得られた接合強度の評価結果を表1に示す。
調製例1で調製した前処理アルミニウム板材を80℃の温水(イオン交換水)に3分間浸漬した。得られた金属部材を金属部材5と呼ぶ。
実施例1において、金属部材1の代わりに金属部材5を用いた以外は実施例1と同様に射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体106を得た。また、実施例1と同様に金属/樹脂複合構造体106の表面に酸化被膜を形成した。
酸化被膜形成前の金属/樹脂複合構造体106および酸化被膜形成後の金属/樹脂複合構造体106についてそれぞれ接合強度を測定した。得られた接合強度の評価結果を表1に示す。
102 金型
103 表面粗化金属部材
104 接合部表面
105 熱可塑性樹脂部材
106 金属/樹脂複合構造体
107 ゲート/ランナー
110 表面粗化金属部材の表面
Claims (4)
- 熱可塑性樹脂または前記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材との射出成形による接合のために用いられる表面粗化金属部材を製造するための製造方法であって、
少なくとも金属部材の前記熱可塑性樹脂部材との接合部表面を、40℃以上60℃未満の温水に接触させる温水処理工程を含み、
少なくとも前記金属部材の前記接合部表面を酸性水溶液および/または塩基性水溶液により洗浄する工程の後に、前記温水処理工程をおこない、
前記表面粗化金属部材はアルミニウムおよびアルミニウム合金から選択される一種または二種以上の金属材料により構成されたものであり、
前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、およびポリアセタール樹脂から選択される一種または二種以上を含む表面粗化金属部材の製造方法。 - 請求項1に記載の表面粗化金属部材の製造方法において、
前記温水が、イオン交換水、純水、または蒸留水である表面粗化金属部材の製造方法。 - 請求項1または2に記載の表面粗化金属部材の製造方法により表面粗化金属部材を作製する工程(A)と、
前記表面粗化金属部材の前記接合部表面に接するように、熱可塑性樹脂または前記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材を射出成形し、前記表面粗化金属部材と前記熱可塑性樹脂部材を接合させる工程(B)と、
を含み、
前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、およびポリアセタール樹脂から選択される一種または二種以上を含む金属/樹脂複合構造体の製造方法。 - 請求項3に記載の金属/樹脂複合構造体の製造方法において、
前記工程(B)の後に、得られた金属/樹脂複合構造体を構成する金属部材の表面に酸化被膜を形成する工程(C)をさらに含む金属/樹脂複合構造体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016112169A JP6810538B2 (ja) | 2016-06-03 | 2016-06-03 | 表面粗化金属部材の製造方法および金属/樹脂複合構造体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016112169A JP6810538B2 (ja) | 2016-06-03 | 2016-06-03 | 表面粗化金属部材の製造方法および金属/樹脂複合構造体の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2017218615A JP2017218615A (ja) | 2017-12-14 |
| JP6810538B2 true JP6810538B2 (ja) | 2021-01-06 |
Family
ID=60658800
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2016112169A Active JP6810538B2 (ja) | 2016-06-03 | 2016-06-03 | 表面粗化金属部材の製造方法および金属/樹脂複合構造体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP6810538B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP7319610B2 (ja) * | 2019-02-15 | 2023-08-02 | 国立大学法人 東京大学 | 複合部材の製造方法、及び複合部材 |
| JP7268568B2 (ja) * | 2019-10-10 | 2023-05-08 | 新東工業株式会社 | 複合部材の製造方法、及び複合部材 |
| JP7371867B2 (ja) * | 2020-03-24 | 2023-10-31 | 新東工業株式会社 | 複合部材の製造方法、及び複合部材 |
| JP7688871B2 (ja) * | 2021-06-08 | 2025-06-05 | 国立大学法人 東京大学 | めっきされた金属と樹脂との複合部材の製造方法および複合部材 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS529642A (en) * | 1975-07-15 | 1977-01-25 | Rasa Industries | Process for forming conversion coating on aluminum or its alloy |
| JP5058593B2 (ja) * | 2006-12-28 | 2012-10-24 | Ykk株式会社 | 金属と樹脂の複合体の製造方法 |
| JP5266175B2 (ja) * | 2009-09-24 | 2013-08-21 | 富士フイルム株式会社 | 平版印刷版原版 |
| TWI630101B (zh) * | 2013-03-26 | 2018-07-21 | Nippon Light Metal Company, Ltd. | 金屬樹脂接合體及其製造方法 |
-
2016
- 2016-06-03 JP JP2016112169A patent/JP6810538B2/ja active Active
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2017218615A (ja) | 2017-12-14 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| CN104583458B (zh) | 金属/树脂复合结构体及金属构件 | |
| JP7042740B2 (ja) | 金属/樹脂複合構造体、金属部材および金属部材の製造方法 | |
| CN105517795B (zh) | 金属/树脂复合结构体 | |
| JP6469403B2 (ja) | 金属/樹脂複合構造体の製造方法 | |
| JP2018144475A (ja) | アルミニウム系金属/樹脂複合構造体、アルミニウム系金属部材、アルミニウム系金属部材の製造方法およびアルミニウム系金属/樹脂複合構造体の製造方法 | |
| JP6810538B2 (ja) | 表面粗化金属部材の製造方法および金属/樹脂複合構造体の製造方法 | |
| JPWO2020158820A1 (ja) | アルミニウム系金属樹脂複合構造体、アルミニウム系金属部材、アルミニウム系金属部材の製造方法およびアルミニウム系金属樹脂複合構造体の製造方法 | |
| JP6867814B2 (ja) | 金属/樹脂複合構造体、金属/樹脂複合構造体の製造方法、ニッケルめっき化鉄鋼部材およびニッケルめっき化鉄鋼部材の製造方法 | |
| JP6882855B2 (ja) | 表面粗化金属部材の製造方法および金属/樹脂複合構造体の製造方法 | |
| EP3287547B1 (en) | Method for producing metal/resin composite structure and method for producing surface-roughened steel member | |
| JP6001232B1 (ja) | 金属/樹脂複合構造体の製造方法および表面粗化鉄鋼部材の製造方法 | |
| JP6803155B2 (ja) | 表面粗化金属部材の製造方法および金属/樹脂複合構造体の製造方法 | |
| JP2016117228A (ja) | 金属/樹脂複合構造体、摺動部品および金属/樹脂複合構造体の製造方法 | |
| JP6422751B2 (ja) | 金属/樹脂複合構造体および金属/樹脂複合構造体の製造方法 | |
| JP6491740B2 (ja) | 金属/樹脂複合構造体および金属/樹脂複合構造体の製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190311 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200116 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200303 |
|
| A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20200430 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200619 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20201124 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20201211 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6810538 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
