以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることが可能である。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されない。
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
また、本明細書等において、第1、第2等として付される序数詞は便宜上用いており、工程順又は積層順を示さない場合がある。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
また、本明細書等において、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる場合がある。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
なお、本明細書等において、一重項励起状態(S*)は、励起エネルギーを有する一重項状態のことである。また、S1準位は、一重項励起エネルギー準位の最も低い準位であり、最も低い一重項励起状態(S1状態)の励起エネルギー準位のことである。また、三重項励起状態(T*)は、励起エネルギーを有する三重項状態のことである。また、T1準位は、三重項励起エネルギー準位の最も低い準位であり、最も低い三重項励起状態(T1状態)の励起エネルギー準位のことである。なお、本明細書等において、単に一重項励起状態および一重項励起エネルギー準位と表記した場合であっても、S1状態およびS1準位を表す場合がある。また、三重項励起状態および三重項励起エネルギー準位と表記した場合であっても、T1状態およびT1準位を表す場合がある。
また、本明細書等において、蛍光性化合物とは、一重項励起状態から基底状態へ緩和する際に可視光領域に発光を与える物質である。一方、燐光性化合物とは、三重項励起状態から基底状態へ緩和する際に、室温において可視光領域に発光を与える物質である。換言すると燐光性化合物とは、三重項励起エネルギーを可視光へ変換可能な物質の一つである。
なお、本明細書等において、室温とは、0℃以上40℃以下のいずれかの温度をいう。
また、本明細書等において、青色の波長領域は、400nm以上500nm未満であり、青色の発光は、該波長領域に少なくとも一つの発光スペクトルピークを有する。また、緑色の波長領域は、500nm以上580nm未満であり、緑色の発光は、該波長領域に少なくとも一つの発光スペクトルピークを有する。また、赤色の波長領域は、580nm以上680nm以下であり、赤色の発光は、該波長領域に少なくとも一つの発光スペクトルピークを有する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子について、図1乃至図3を用いて以下説明する。
<発光素子の構成例1>
まず、本発明の一態様の発光素子の構成について、図1を用いて、以下説明する。
図1は、本発明の一態様の発光素子150の断面模式図である。
発光素子150は、一対の電極(電極101及び電極102)を有し、該一対の電極間に設けられたEL層100を有する。EL層100は、少なくとも発光層110を有する。また、本実施の形態においては、一対の電極のうち、電極101は陰極としての機能を有し、電極102は陽極としての機能を有する。
また、図1に示すEL層100は、発光層110の他に、電子注入層112、電子輸送層113、正孔輸送層115、及び正孔注入層116等の機能層を有する。
なお、図1においては、電極101を発光層110の下側に、電極102を発光層110の上側に図示しているが、発光素子150の構成としては、その限りではない。つまり、電極102を発光層110の下側とし、電極101を発光層110の上側とし、当該電極間の各層の積層を、逆の順番にしてもよい。すなわち、陰極側から、電子注入層112と、電子輸送層113と、発光層110と、正孔輸送層115と、正孔注入層116と、が積層する順番とすればよい。
また、発光素子150においては、電極101を基板上に設け、電極101上にEL層100を設ける構成であっても、電極102を基板上に設け、電極102上にEL層100を設ける構成であってもよい。また、発光素子150においては、電極101側から光を取り出す構造であっても、電極102側から光を取り出す構造であってもよく、電極101側及び電極102側の双方から光を取り出す構造であってもよい。
なお、EL層100の構成は、図1に示す構成に限定されず、電子注入層112、電子輸送層113、正孔輸送層115、及び正孔注入層116の中から選ばれた少なくとも一つを有する構成とすればよい。あるいは、EL層100は、正孔または電子の注入障壁を低減する、正孔または電子の輸送性を向上する、正孔または電子の輸送性を阻害する、または電極による消光現象を抑制する、ことができる等の機能を有する機能層を有する構成としてもよい。なお、機能層はそれぞれ単層であっても、複数の層が積層された構成であってもよい。
また、発光層110は、ホスト材料と、ゲスト材料(発光材料)と、を有する。
また、ホスト材料としては、正孔を輸送する機能(正孔輸送性)を有する材料(正孔輸送性材料)、及び電子を輸送する機能(電子輸送性)を有する材料(電子輸送性材料)のいずれか一方または双方を用いることが好ましく、正孔輸送性及び電子輸送性を有する材料を用いてもよい。
また、ホスト材料が、電子輸送性材料と正孔輸送性材料との組み合わせである場合、その混合比によってキャリアバランスを容易に制御することが可能となる。具体的には、電子輸送性材料:正孔輸送性材料=1:9から9:1(重量比)の範囲が好ましい。また、該構成を有することで、容易にキャリアバランスを制御することができることから、キャリア再結合領域の制御も簡便に行うことができる。
また、ゲスト材料としては、発光性の有機化合物を用いればよく、該発光性の有機化合物としては、蛍光を発することができる物質(以下、蛍光性化合物)または燐光を発することができる物質(以下、燐光性化合物ともいう)であると好適である。
本発明の一態様の発光素子150においては、一対の電極(電極101及び電極102)間に電圧を印加することにより、陰極から電子が、陽極から正孔(ホール)が、それぞれEL層100に注入され、電流が流れる。そして、注入された電子及び正孔が再結合することによって、励起子が形成される。なお、励起子とは、キャリア(電子及び正孔)対のことである。励起子は励起エネルギーを有するため、励起子が形成された材料は、励起状態となる。
ホスト材料においてキャリアが再結合した場合、励起子の生成によってホスト材料の励起状態(一重項励起状態または三重項励起状態)が形成される。ゲスト材料が蛍光性化合物の場合、ホスト材料のS1準位からゲスト材料のS1準位へ、励起エネルギーがエネルギー移動し、ゲスト材料の一重項励起状態が形成される。また、ゲスト材料が燐光性化合物の場合、ホスト材料のS1準位およびT1準位からゲスト材料のT1準位へ、励起エネルギーがエネルギー移動し、ゲスト材料の三重項励起状態が形成される。そして、いずれの場合においても励起状態のゲスト材料が基底状態に失活する際に発光する。
電極101は、陰極としての機能を有するため、仕事関数が低いことが好ましい。そうすることで、電極101からEL層100への電子注入性を高めることができる。また、電極102は、陽極としての機能を有するため、仕事関数が高いことが好ましい。そうすることで、電極102からEL層100への正孔注入性を高めることができる。
また、電極101側から光を取り出す場合、電極101は光を透過する機能を有し、電極102は光を反射する機能を有することが好ましい。または、電極102側から光を取り出す場合、電極101は光を反射する機能を有し、電極102は光を透過する機能を有することが好ましい。または、電極101側および電極102側の双方から光を取り出す場合、電極101および電極102は光を透過する機能を有することが好ましい。
しかしながら、正孔注入性または電子注入性と、光の透過性または反射性と、が共に高く、電極に適した安定な材料を選択することは困難である。なぜならば、例えば、インジウム錫酸化物等の金属酸化物から成る透明導電性材料は、仕事関数が比較的高く、陽極として用いた場合には比較的容易にEL層へ正孔を注入することができる一方、陰極として用いた場合には電子注入障壁が大きくなる。また、当該金属酸化物から成る透明導電性材料をEL層100上に成膜すると、EL層100に損傷を与える場合があり、発光素子の特性が低下する原因となる。また、例えば、アルミニウムや銀マグネシウム合金等の金属は、仕事関数が比較的低く、陰極として用いた場合には比較的容易にEL層へ電子を注入することができる一方、陽極として用いた場合には正孔注入障壁が大きくなる。また、当該金属は大気中で容易に表面酸化が生じるため、当該金属を有する基板を大気に曝すと電極の抵抗が高くなってしまい、発光素子の特性が低下する原因となる。
したがって、陽極を基板上に設け、該陽極上にEL層を設ける順積み構造に用いることができる電極の構成を、陰極を基板上に設け、該陰極上にEL層を設ける逆積み構造に用いる電極に、そのまま適用することは困難である。
そのため、電極101および電極102とEL層100との界面に、キャリア(電子及び正孔)の注入障壁を低減する材料を有する層を用いることが好ましい。
本発明の一態様の発光素子150は、正孔注入層116を有する。正孔注入層116は、EL層へ正孔を注入する層であり、正孔注入性の高い材料を含む層である。正孔注入層116として、正孔輸送性材料と電子受容体(アクセプター)を含む複合材料を用いることができる。正孔輸送性材料と電子受容体(アクセプター)を含むことで、電子受容体(アクセプター)により正孔輸送性材料から電子が引き抜かれて正孔(ホール)が発生し、正孔輸送層115を介して発光層110に正孔が注入される。また、電子受容体(アクセプター)により引き抜かれた電子は、電極102へ輸送される。
また、本発明の一態様の発光素子150は、正孔注入層116と、電極102との間に、バッファ層117と、バッファ層118と、を有する。
バッファ層118は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を有すると好ましい。バッファ層118が、当該金属を有することで、正孔注入層116から電極102への電子注入障壁を低減させることができる。
一方、バッファ層118が有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属が、正孔注入層116へ拡散すると、正孔注入層116が、ドナー性の強い材料(アルカリ金属またはアルカリ土類金属)とアクセプター性が強い材料(電子受容体)とを有する構成となるため、正孔注入層116のキャリア(電子および正孔)輸送性が低下する場合がある。この場合、発光素子の駆動電圧が高くなり、消費電力が増大し、寿命が低下するため問題となる。そのため、バッファ層117は、バッファ層118が有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属が、正孔注入層116に拡散することを防止する機能を有すると好ましい。
バッファ層117に用いることができる材料としては、電子を輸送する機能を有する材料が好ましい。特に、バッファ層118が有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属が拡散してバッファ層117に取り込まれたときに、該金属を電子供与体(ドナー)として機能させることができる有機化合物であると好ましい。当該有機化合物に、電子供与体(ドナー)としてアルカリ金属またはアルカリ土類金属が混入した複合材料は、電子供与体(ドナー)によって該有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れる。そのため、正孔注入層116と、バッファ層118との間に、バッファ層117を設けても、電極102への電子輸送性を確保することができる。また、正孔注入層116で発生した電子を、電極102へ容易に輸送することが可能となる。
バッファ層117に用いる材料は、電子輸送層113に用いる材料と、同じ材料を用いることができる。バッファ層117と電子輸送層113とで同じ材料を用いることで、発光素子の製造コストを安価にすることができる。また、バッファ層117に用いる材料は、電子輸送層113に用いる材料と異なる材料であってもよい。バッファ層117と電子輸送層113とで異なる材料を用いることで、材料選択の幅を広げ、電子輸送性および電子注入性の幅を広げることができる。
また、正孔注入層116と、バッファ層118との間に、バッファ層117だけでなく、さらに層を形成してもよい。ただし、バッファ層117の機能である、バッファ層118が有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属が正孔注入層116へ拡散することを防止する機能を発揮するために、該金属が拡散し得る領域にバッファ層117を有する構成とすることが好ましい。換言すると、バッファ層117と、バッファ層118間の距離は、該金属が拡散し得る距離よりも小さい距離が好ましく、バッファ層117とバッファ層118とが接する領域を有する構成がさらに好ましい。また、該金属が正孔注入層116へと拡散することを防止するため、バッファ層117と正孔注入層116とが接する領域を有する構成が好ましい。
バッファ層117は、単層であっても2層以上の層が積層された層であってもよい。バッファ層117を2層以上の層で構成する場合、少なくとも1つの層に電子輸送性を有する材料を用いる構成であればよく、他の層には多様の材料を用いることができる。発光素子における光路長は発光素子から射出される光の波長に影響を与えることが知られているが、バッファ層117中の当該他の層に透光性を有する導電性の高い材料を用いることにより、所望の波長の光を取り出すための発光素子の光学調整を行うことができる。例えば、電子輸送性の高い有機化合物に電子供与体(ドナー)を添加してバッファ層117中の当該他の層を形成してもよい。
以上のように、本発明の一態様の構成により、駆動電圧が低減された発光素子を提供することができる。また、発光効率の高い発光素子を提供することができる。また、消費電力が低減された発光素子を提供することができる。
<発光素子の構成例2>
次に、図1に示す発光素子150と異なる構成例について、図2(A)を用いて、以下説明する。
図2(A)は、本発明の一態様の発光素子152の断面模式図である。なお、図2(A)において、図1に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
発光素子152は、正孔注入層116と、電極102との間に、バッファ層117と、バッファ層118と、バッファ層119と、を有する。
バッファ層118が有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属が、電極102と接すると、エネルギー障壁が形成され、電極102への電子注入性が阻害される場合がある。この場合、発光素子の駆動電圧が高くなり、消費電力が増大し、寿命が低下するため問題となる。そのため、バッファ層119は、バッファ層118が有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属が、電極102と接することを防止する機能を有すると好ましい。
バッファ層119に用いることができる材料としては、電子を輸送する機能を有する材料が好ましい。特に、バッファ層118が有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属が拡散して取り込まれたときに、該金属を電子供与体(ドナー)として機能させることができる有機化合物であると好ましい。当該有機化合物に、電子供与体(ドナー)としてアルカリ金属またはアルカリ土類金属が混入した複合材料は、電子供与体(ドナー)によって該有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れる。そのため、電極102と、バッファ層118との間に、バッファ層119を設けても、電極102への電子注入性を確保することができる。また、正孔注入層116で発生した電子を、電極102へ容易に注入することが可能となる。
バッファ層119に用いる材料は、バッファ層117に用いる材料と、同じ材料を用いることができる。バッファ層119とバッファ層117とで同じ材料を用いることで、発光素子の製造コストを安価にすることができる。また、バッファ層119に用いる材料は、バッファ層117に用いる材料と異なる材料であってもよい。バッファ層119とバッファ層117とで異なる材料を用いることで、材料選択の幅を広げ、電子輸送性および電子注入性の幅を広げることができる。
また、電極102と、バッファ層118との間に、バッファ層119だけでなく、さらに層を形成してもよい。ただし、バッファ層119の機能である、バッファ層118が有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属が電極102と接することを防止する機能を発揮するために、該金属が拡散し得る領域にバッファ層119を有する構成とすることが好ましい。換言すると、バッファ層119と、バッファ層118間の距離は、該金属が拡散し得る距離よりも小さい距離が好ましく、バッファ層119とバッファ層118とが接する領域を有する構成がさらに好ましい。また、該金属が電極102と接することを防止するため、バッファ層119と電極102とが接する領域を有する構成が好ましい。
バッファ層119は、単層であっても2層以上の層が積層された層であってもよい。バッファ層119を2層以上の層で構成する場合、少なくとも1つの層に電子輸送性を有する材料を用いる構成であればよく、他の層には多様の材料を用いることができる。発光素子における光路長は発光素子から射出される光の波長に影響を与えることが知られているが、バッファ層119中の当該他の層に透光性を有する導電性の高い材料を用いることにより、所望の波長の光を取り出すための発光素子の光学調整を行うことができる。例えば、電子輸送性の高い有機化合物に電子供与体(ドナー)を添加してバッファ層119中の当該他の層を形成してもよい。
以上のように、本発明の一態様の構成により、駆動電圧が低減された発光素子を提供することができる。また、発光効率の高い発光素子を提供することができる。また、消費電力が低減された発光素子を提供することができる。
なお、発光素子152における他の構成については、発光素子150の構成を参酌すればよい。
<発光素子の構成例3>
次に、図1に示す発光素子150と異なる構成例について、図2(B)を用いて、以下説明する。
図2(B)は、本発明の一態様の発光素子154の断面模式図である。なお、図2(B)において、図1に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
発光素子154は、電子注入層112と、電極101との間に、バッファ層111を有する。
電子注入層112は、EL層へ電子を注入する層であり、電子注入性の高い材料を含む層である。電子注入層112として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。電子注入層112が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を有することで、電子注入層112から電極101への電子注入障壁を低減させることができる。
また、電子注入層112に用いる材料は、バッファ層118に用いる材料と、同じ材料を用いることができる。電子注入層112とバッファ層118とで同じ材料を用いることで、発光素子の製造コストを安価にすることができる。また、電子注入層112に用いる材料は、バッファ層118と異なる材料であってもよい。電子注入層112とバッファ層118とで異なる材料を用いることで、材料選択の幅を広げ、電子注入性の幅を広げることができる。
なお、電極101として、金属酸化物等からなる仕事関数が比較的高い導電性材料を用いた場合、電子注入層112が有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属が、電極101と接すると、エネルギー障壁が形成され、電極101から電子注入層112への電子注入性が阻害される場合がある。この場合、発光素子の駆動電圧が高くなり、消費電力が増大し、寿命が低下するため問題となる。そのため、バッファ層111は、電子注入層112が有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属が、電極101と接することを防止する機能を有すると好ましい。
バッファ層111に用いることができる材料としては、電子を輸送する機能を有する材料が好ましい。特に、電子注入層112が有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属が拡散して取り込まれたときに、該金属を電子供与体(ドナー)として機能させることができる有機化合物であると好ましい。当該有機化合物に、電子供与体(ドナー)としてアルカリ金属またはアルカリ土類金属が混入した複合材料は、電子供与体(ドナー)によって該有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れる。そのため、電極101と、電子注入層112との間に、バッファ層111を設けても、電極101からEL層100への電子注入性を確保することができる。また、電極102から電子注入層112へ電子を容易に注入することが可能となる。
バッファ層111に用いる材料は、電子輸送層113に用いる材料と、同じ材料を用いることができる。バッファ層111と電子輸送層113とで同じ材料を用いることで、発光素子の製造コストを安価にすることができる。また、バッファ層111に用いる材料は、電子輸送層113に用いる材料と異なる材料であってもよい。バッファ層111と電子輸送層113とで異なる材料を用いることで、材料選択の幅を広げ、電子輸送性および電子注入性の幅を広げることができる。
また、電極101と、電子注入層112との間に、バッファ層111だけでなく、さらに層を形成してもよい。ただし、バッファ層111の機能である、電子注入層112が有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属が電極101と接することを防止する機能を発揮するために、該金属が拡散し得る領域にバッファ層111を有する構成とすることが好ましい。換言すると、バッファ層111と、電子注入層112間の距離は、該金属が拡散し得る距離よりも小さい距離が好ましく、バッファ層111と電子注入層112とが接する領域を有する構成がさらに好ましい。また、該金属が電極101と接することを防止するため、バッファ層111と電極101とが接する領域を有する構成が好ましい。
バッファ層111は、単層であっても2層以上の層が積層された層であってもよい。バッファ層111を2層以上の層で構成する場合、少なくとも1つの層に電子輸送性を有する材料を用いる構成であればよく、他の層には多様の材料を用いることができる。発光素子における光路長は発光素子から射出される光の波長に影響を与えることが知られているが、バッファ層111中の当該他の層に透光性を有する導電性の高い材料を用いることにより、所望の波長の光を取り出すための発光素子の光学調整を行うことができる。例えば、電子輸送性の高い材料に電子供与体(ドナー)を添加してバッファ層111中の当該他の層を形成してもよい。または、正孔輸送性の高い材料に電子受容体(アクセプター)を添加してバッファ層111中の当該他の層を形成してもよい。
以上のように、本発明の一態様の構成により、駆動電圧が低減された発光素子を提供することができる。また、発光効率の高い発光素子を提供することができる。また、消費電力が低減された発光素子を提供することができる。
なお、発光素子154における他の構成については、発光素子150の構成を参酌すればよい。
<発光素子の構成例4>
次に、図1に示す発光素子150と異なる構成例について、図3を用いて、以下説明する。
図3は、本発明の一態様の発光素子156の断面模式図である。なお、図3において、図1に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
発光素子156は、一対の電極(電極101及び電極102)間に、複数の発光ユニット(図3においては、発光ユニット106及び発光ユニット108)を有する。複数の発光ユニットのうちいずれか一つの発光ユニットは、図1で示すEL層100と同様の構成を有すると好ましい。すなわち、図1に示す発光素子150は、一つの発光ユニットを有し、図3に示す発光素子156は、複数の発光ユニットを有する構成である。
また、図3に示す発光素子156は、発光ユニット106と発光ユニット108とが積層されており、発光ユニット106と発光ユニット108との間には、電荷発生層が設けられる。なお、発光ユニット106と発光ユニット108とは、同じ構成であっても異なる構成であってもよい。
また、発光素子156は、電極101と電極102との間に、発光層110と、発光層120と、を有する。換言すると、発光素子156は、複数の発光層が電荷発生層を介して積層されるタンデム型の発光素子の構成例である。
また、タンデム型の発光素子156は、電子注入層112と、電子輸送層113と、正孔輸送層115と、正孔注入層116と、バッファ層117と、電子注入層122と、電子輸送層123と、正孔輸送層125と、正孔注入層126と、バッファ層127と、バッファ層128と、を有する。
電子注入層122、電子輸送層123、正孔輸送層125、正孔注入層126、バッファ層127、及びバッファ層128は、それぞれ電子注入層112、電子輸送層113、正孔輸送層115、正孔注入層116、バッファ層117、及びバッファ層118と同様の材料および構成を用いることができる。
また、発光層110及び発光層120は、それぞれ発光性の有機化合物を有する。なお、発光層110と発光層120とがそれぞれ有する発光性の有機化合物が呈する発光色としては、互いに同じであっても異なっていてもよい。
例えば、発光ユニット106及び発光ユニット108で互いに同じ色の発光を呈する機能を有する発光性の有機化合物を有する場合、発光素子156は少ない電流値で高い発光輝度を呈する発光素子となり好ましい。
また、例えば、発光ユニット106及び発光ユニット108で互いに異なる色の発光を呈する機能を有する発光性の有機化合物を有する場合、発光素子156は多色発光を呈する発光素子となり好ましい。この場合、発光層120および110の一方または双方に発光波長の異なる複数の発光材料を用いることによって、タンデム型の発光素子156が呈する発光スペクトルは異なる発光ピークを有する発光が合成された光となるため、少なくとも二つの極大値を有する発光スペクトルとなる。
上記の構成は白色発光を得るためにも好適である。例えば、発光ユニット106及び発光ユニット108がそれぞれ呈する光の色を、互いに補色の関係となるよう発光性の有機化合物を選択することによって、白色発光を得ることができる。特に、演色性の高い白色発光、あるいは少なくとも赤色と緑色と青色とを有する発光、になるよう発光性の有機化合物を選択することが好適である。
なお、発光層110及び発光層120は、一方または双方が2層に積層された構成であってもよい。2層の発光層に、互いに異なる色の発光を呈する機能を有する2種類の発光性の有機化合物をそれぞれ用いることで、複数の発光色を有する発光を得ることができる。特に、発光層110と発光層120とが呈する発光により、白色となるよう、各発光層に用いる発光性の有機化合物を選択すると好ましい。
なお、発光層110及び発光層120は、それぞれ3層以上が積層された構成としてもよく、発光性の有機化合物を有さない層が含まれていてもよい。
また、発光ユニット106及び発光ユニット108のどちらか一方に蛍光材料を用い、他方に燐光材料を用いる場合、発光材料としてそれぞれ蛍光性化合物と燐光性化合物とを用いる場合、蛍光性化合物からの発光が、燐光性化合物からの発光よりも短波長側に発光スペクトルのピークを有する構成とすることが好ましい。高い三重項励起エネルギー準位を有する材料を用いた発光素子は輝度劣化が早い傾向がある。そこで、短波長な発光を呈する発光層に蛍光性化合物を用いることによって、輝度劣化の小さい発光素子を提供することができる。
電荷発生層は、一対の電極(電極101及び電極102)間に電圧を印加したときに、発光層110または発光層120の一方に電子を注入し、他方に正孔を注入する機能を有する。
例えば、タンデム型の発光素子156においては、電極102に電極101よりも電位が高くなるように電圧を印加すると、電荷発生層から発光層110に正孔が注入され、発光層120に電子が注入される。
また、電荷発生層は、正孔輸送性を有する材料と電子受容体(アクセプター)とを有する複合材料、または電子輸送性を有する材料と電子供与体(ドナー)とを有する複合材料を用いることができる。また、これらの両方の構成が積層されていてもよい。
なお、発光ユニットの陽極側の面が電荷発生層に接している場合は、電荷発生層が該発光ユニットの正孔注入層または正孔輸送層の役割も担うことができるため、該発光ユニットには正孔注入層または正孔輸送層を設けない構成であっても良い。あるいは、発光ユニットの陰極側の面が電荷発生層に接している場合は、電荷発生層が該発光ユニットの電子注入層または電子輸送層の役割も担うことができるため、該発光ユニットには電子注入層または電子輸送層を設けない構成であっても良い。
本発明の一態様の発光素子156においては、電荷発生層として、正孔注入層116を用いることができる。
また、電子注入層122には、電子注入層112またはバッファ層128の材料および構成を用いることができる。すなわち、電子注入層122は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。電子注入層122が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を有することで、正孔注入層116から電子輸送層123への電子注入障壁を低減させることができる。
また、バッファ層117は、電子注入層122が有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属が、正孔注入層116に拡散することを防止する機能を有すると好ましい。また、バッファ層117に用いることができる材料としては、電子を輸送する機能を有する材料が好ましい。特に、電子注入層122が有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属が拡散して取り込まれたときに、該金属を電子供与体(ドナー)として機能させることができる有機化合物であると好ましい。そうすることで、正孔注入層116と、電子注入層122との間に、バッファ層117を設けても、電子輸送層123への電子注入性を確保することができる。また、正孔注入層116で発生した電子を、電子輸送層123へ容易に輸送することが可能となる。
なお、電荷発生層としては、正孔注入層116だけでなく、さらに層を形成してもよい。
また、正孔注入層116と、電子注入層122との間に、バッファ層117だけでなく、さらに層を形成してもよい。ただし、バッファ層117の機能である、電子注入層122が有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属が正孔注入層116へ拡散することを防止する機能を発揮するために、該金属が拡散し得る領域にバッファ層117を有する構成とすることが好ましい。換言すると、バッファ層117と、電子注入層122との距離は、該金属が拡散し得る距離よりも小さい距離が好ましく、バッファ層117と電子注入層122とが接する領域を有する構成がさらに好ましい。
なお、図3においては、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。発光素子156に示すように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度発光を可能とし、さらに長寿命な発光素子を提供することができる。また、消費電力が低い発光素子を提供することができる。
以上のような構成によって電荷発生層を形成することで、発光層が積層された場合における発光素子の駆動電圧の上昇を抑制することができる。
なお、発光素子156における他の構成については、発光素子150の構成を参酌すればよい。
また、本実施の形態に係る発光素子は、上記の構造のそれぞれを自由に組み合わせることが可能である。
<発光素子の構成要素>
次に、本発明の一態様に係る発光素子の構成要素の詳細について、以下説明を行う。
≪一対の電極≫
電極101及び電極102は、それぞれ発光素子の陰極及び陽極としての機能を有する。電極101及び電極102は、金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物や積層体などを用いて形成することができる。
電極101または電極102の一方は、光を反射する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、アルミニウム(Al)またはAlを含む合金等が挙げられる。Alを含む合金としては、AlとL(Lは、チタン(Ti)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、及びランタン(La)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等が挙げられ、例えばAlとTi、またはAlとNiとLaを含む合金等である。アルミニウムは、抵抗値が低く、光の反射率が高い。また、アルミニウムは、地殻における存在量が多く、安価であるため、アルミニウムを用いることによる発光素子の作製コストを低減することができる。また、銀(Ag)、またはAgとN(Nは、イットリウム(Y)、Nd、マグネシウム(Mg)、イッテルビウム(Yb)、Al、Ti、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、スズ(Sn)、鉄(Fe)、Ni、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、または金(Au)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等を用いても良い。銀を含む合金としては、例えば、銀とパラジウムと銅を含む合金、銀と銅を含む合金、銀とマグネシウムを含む合金、銀とニッケルを含む合金、銀と金を含む合金、銀とイッテルビウムを含む合金等が挙げられる。その他、タングステン、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、銅、チタンなどの遷移金属を用いることができる。
また、発光層から得られる発光は、電極101及び電極102の一方または双方を通して取り出される。したがって、電極101または電極102の少なくとも一方は、光を透過する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、可視光の透過率が40%以上100%以下、好ましくは60%以上100%以下であり、かつその抵抗率が1×10−2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。
また、電極101及び電極102は、光を透過する機能と、光を反射する機能と、を有する導電性材料により形成されても良い。該導電性材料としては、可視光の反射率が20%以上80%以下、好ましくは40%以上70%以下であり、かつその抵抗率が1×10−2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。例えば、導電性を有する金属、合金、導電性化合物などを1種又は複数種用いて形成することができる。具体的には、例えば、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITO)、珪素または酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(略称:ITSO)、酸化インジウム−酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、チタンを含有した酸化インジウム−錫酸化物、インジウム−チタン酸化物、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムなどの金属酸化物を用いることができる。また、光を透過する程度(好ましくは、1nm以上30nm以下の厚さ)の金属薄膜を用いることができる。金属としては、例えば、Ag、またはAgとAl、AgとMg、AgとAu、AgとYbなどの合金等を用いることができる。
なお、本明細書等において、光を透過する機能を有する材料は、可視光を透過する機能を有し、且つ導電性を有する材料であればよく、例えば上記のようなITOに代表される酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、または有機物を含む有機導電体を含む。有機物を含む有機導電体としては、例えば、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料、有機化合物と電子受容体(アクセプター)とを混合してなる複合材料等が挙げられる。また、グラフェンなどの無機炭素系材料を用いても良い。また、当該材料の抵抗率としては、好ましくは1×105Ω・cm以下、さらに好ましくは1×104Ω・cm以下である。
また、上記の材料の複数を積層することによって電極101及び電極102の一方または双方を形成してもよい。
また、光取り出し効率を向上させるため、光を透過する機能を有する電極と接して、該電極より屈折率の高い材料を形成してもよい。このような材料としては、可視光を透過する機能を有する材料であればよく、導電性を有する材料であっても有さない材料であってもよい。例えば、上記のような酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、有機物が挙げられる。有機物としては、例えば、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、または電子注入層に例示した材料が挙げられる。また、無機炭素系材料や光が透過する程度の金属薄膜も用いることができ、数nm乃至数十nmの層を複数積層させてもよい。
電極101が陰極としての機能を有する場合には、仕事関数が小さい(3.8eV以下)材料を有することが好ましい。例えば、元素周期表の第1族又は第2族に属する元素(リチウム、ナトリウム、セシウム等のアルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、マグネシウム等)、これら元素を含む合金(例えば、AgとMg、AlとLi)、ユーロピウム(Eu)、Yb等の希土類金属、これら希土類金属を含む合金、アルミニウム、銀を含む合金等を用いることができる。
また、電極102を陽極として用いる場合、仕事関数の大きい(4.0eV以上)材料を用いることが好ましい。
また、電極101及び電極102は、光を反射する機能を有する導電性材料と、光を透過する機能を有する導電性材料との積層としてもよい。その場合、電極101及び電極102は、各発光層からの所望の波長の光を共振させ、所望の波長の光を強めることができるように、光学距離を調整する機能を有することができるため好ましい。
電極101及び電極102の成膜方法は、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、塗布法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いることができる。
≪正孔注入層≫
正孔注入層116は、例えば遷移金属酸化物、フタロシアニン誘導体、あるいは芳香族アミンなどによって形成される。遷移金属酸化物としては、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物などが挙げられる。フタロシアニン誘導体としては、例えばフタロシアニン(略称:H2Pc)及び銅フタロシアニン(略称:CuPC)等の金属フタロシアニンなどが挙げられる。芳香族アミンとしてはベンジジン誘導体やフェニレンジアミン誘導体などが挙げられる。ポリチオフェンやポリアニリンなどの高分子化合物を用いることもでき、例えば自己ドープされたポリチオフェンであるポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)などがその代表例である。また、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体や、側鎖または主鎖に芳香族アミン骨格またはπ電子過剰型複素芳香族骨格を有するポリアリーレン及びその誘導体、などが挙げられる。
また、正孔注入層116として、正孔輸送性材料と、これに対して電子受容性を示す材料(アクセプター)の複合材料を有する層を用いることもできる。あるいは、電子受容性を示す材料を含む層と正孔輸送性材料を含む層の積層を用いても良い。これらの材料間では定常状態、あるいは電界存在下において電荷の授受が可能である。電子受容性を示す材料としては、キノジメタン誘導体やクロラニル誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体などの有機アクセプターを挙げることができる。具体的には、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,10,11−ヘキサシアノ−1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT−CN)等の電子吸引基(ハロゲン基やシアノ基)を有する化合物である。また、遷移金属酸化物、例えば第4族から第8族金属の酸化物を用いることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムなどである。中でも酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
正孔輸送性材料としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する材料であることが好ましい。具体的には、例えば芳香族アミン、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、スチルベン誘導体などを用いることができる。また、該正孔輸送性材料は高分子化合物であっても良い。
これら正孔輸送性の高い材料として、例えば、芳香族アミン化合物としては、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等を挙げることができる。
また、カルバゾール誘導体としては、具体的には、例えば、3−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA2)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−(1−ナフチル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等を挙げることができる。
また、カルバゾール誘導体としては、他に、例えば、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等を用いることができる。
また、芳香族炭化水素としては、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14乃至炭素数42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。
なお、芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
また、例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、及びポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物を用いることもできる。
また、正孔輸送性の高い材料としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’−トリス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1’−TNATA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−3’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−N−{9,9−ジメチル−2−[N’−フェニル−N’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ]−9H−フルオレン−7−イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、N−(9,9−ジメチル−2−ジフェニルアミノ−9H−フルオレン−7−イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、2−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPASF)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、4−フェニルジフェニル−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)アミン(略称:PCA1BP)、N,N’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,3−ジアミン(略称:PCA2B)、N,N’,N’’−トリフェニル−N,N’,N’’−トリス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)ベンゼン−1,3,5−トリアミン(略称:PCA3B)、N−(4−ビフェニル)−N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCBiF)、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)、9,9−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−アミン(略称:PCBASF)、2−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:PCASF)、2,7−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−(4−フェニル)フェニルアニリン(略称:YGA1BP)、N,N’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニル−9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジアミン(略称:YGA2F)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。また、3−[4−(1−ナフチル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPN)、3−[4−(9−フェナントリル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPPn)、3,3’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P−II)、1,3,5−トリ(ジベンゾチオフェン−4−イル)−ベンゼン(略称:DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)、4−[3−(トリフェニレン−2−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:mDBTPTp−II)等のアミン化合物、カルバゾール化合物、チオフェン化合物、フラン化合物、フルオレン化合物、トリフェニレン化合物、フェナントレン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。
≪正孔輸送層≫
正孔輸送層115は正孔輸送性材料を含む層であり、正孔注入層116の材料として例示した正孔輸送性材料を使用することができる。正孔輸送層115は正孔注入層116に注入された正孔を発光層110へ輸送する機能を有するため、正孔注入層116のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital、最高被占軌道ともいう)準位と同じ、あるいは近いHOMO準位を有することが好ましい。
また、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層してもよい。
≪電子注入層≫
電子注入層112は電極101からの電子注入障壁を低減することで電子注入を促進する機能を有し、例えば第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩などを用いることができる。また、先に示す電子輸送性材料と、これに対して電子供与性を示す材料の複合材料を用いることもできる。電子供与性を示す材料としては、第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物などを挙げることができる。具体的には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF3)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、電子注入層112にエレクトライドを用いてもよい。該エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。
また、上記に挙げた材料のうち、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を、バッファ層118に好適に用いることができる。
また、電子注入層112に、電子輸送性材料と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって電子輸送性材料に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、電子輸送性材料としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば金属錯体や複素芳香族化合物等を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、ナトリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
電子輸送性材料としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましく、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族、及び金属錯体などを用いることができる。具体的には、例えば、キノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、またはチアゾール配位子を有する金属錯体が挙げられる。また、例えば、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、及びピリミジン誘導体などが挙げられる。
具体的には、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げられる。また、この他ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm−II)、バソフェナントロリン(略称:Bphen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの複素環化合物、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)、2−[3’−(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、2−[4−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq−III)、7−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq−II)、及び、6−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq−II)、4,6−ビス[3−(フェナントレン−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6−ビス[3−(4−ジベンゾチエニル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm−II)、4,6−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCzP2Pm)などのジアジン骨格を有する複素環化合物、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)などのトリアジン骨格を有する複素環化合物、3,5−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、1,3,5−トリ[3−(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)などのピリジン骨格を有する複素環化合物、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。また、ポリ(2,5−ピリジンジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。ここに述べた物質は、主に1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を用いても構わない。
≪電子輸送層≫
電子輸送層113は、電子注入層112を経て電極101から注入された電子を発光層110へ輸送する機能を有する。電子輸送性材料としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましい。電子輸送性材料としては、例えば含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族や金属錯体などを用いることができる。具体的には、電子注入層112に用いることができる電子輸送性材料として挙げたピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体などが挙げられる。また、1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質であることが好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層113は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層してもよい。
また、上記に挙げた電子輸送性材料は、バッファ層117、バッファ層119、及びバッファ層111に好適に用いることができる。
また、電子輸送層113と発光層110との間に電子キャリアの移動を制御する層を設けても良い。これは上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質を少量添加した層であって、電子キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバランスを調節することが可能となる。このような構成は、発光層を電子が突き抜けてしまうことにより発生する問題(例えば素子寿命の低下)の抑制に大きな効果を発揮する。
また、n型の化合物半導体を用いても良く、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化錫、酸化タングステン、酸化タンタル、チタン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、ケイ酸ジルコニウムのような酸化物、窒化ケイ素のような窒化物、硫化カドミウム、セレン化亜鉛、及び硫化亜鉛等も用いることができる。
≪電荷発生層≫
電荷発生層は、正孔輸送性材料に電子受容体であるアクセプター性物質が添加された構成であっても、電子輸送性材料に電子供与体であるドナー性物質が添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。
電荷発生層に、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料が含まれる場合、該複合材料には先の正孔注入層に用いることができる複合材料を用いればよい。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール化合物、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔移動度が1×10−6cm2/Vs以上である有機化合物を適用することが好ましい。ただし、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。有機化合物とアクセプター性物質の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。
なお、電荷発生層は、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と他の材料により構成される層を組み合わせた積層構造として形成してもよい。例えば、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、ドナー性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、透明導電膜を含む層とを組み合わせて形成してもよい。
なお、電荷発生層は、光取出し効率の点から、可視光に対して透光性(具体的には、電荷発生層に対する可視光の透過率が40%以上)を有することが好ましい。また、電荷発生層は、一対の電極よりも低い導電率であっても機能する。
上述した材料を用いて電荷発生層を形成することにより、発光層が積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
また、電荷発生層と接して、電子リレー層を形成してもよい。電子リレー層は、電子輸送性の高い材料により形成する。電子輸送性の高い材料を用いると、電荷発生層からバッファ層へ電子を速やかに送ることが可能となる。
電子リレー層に含まれる電子輸送性の高い材料としてはフタロシアニン系の材料、または金属−酸素結合と芳香族配位子を有する金属錯体を用いることが好ましい。
電子リレー層に含まれる金属−酸素結合と芳香族配位子を有する金属錯体としては、金属−酸素の二重結合を有する金属錯体を用いることが好ましい。金属−酸素の二重結合はアクセプター性(電子を受容しやすい性質)を有するため、電子の移動(授受)がより容易になる。また、金属−酸素の二重結合を有する金属錯体は安定である。したがって、金属−酸素の二重結合を有する金属錯体を用いることにより発光素子を低電圧でより安定に駆動することが可能になる。
金属−酸素結合と芳香族配位子を有する金属錯体としてはフタロシアニン系材料が好ましい。特に、分子構造的に金属−酸素の二重結合が他の分子に対して作用しやすく、アクセプター性が高い材料を用いることが好ましい。
なお、上述したフタロシアニン系材料としては、フェノキシ基を有するものが好ましい。具体的にはPhO−VOPcのような、フェノキシ基を有するフタロシアニン誘導体が好ましい。フェノキシ基を有するフタロシアニン誘導体は、溶媒に可溶である。そのため、発光素子を形成する上で扱いやすいという利点を有する。また、溶媒に可溶であるため、成膜に用いる装置のメンテナンスが容易になるという利点を有する。
≪発光層≫
発光層(発光層110及び発光層120)は、紫色、青色、青緑色、緑色、黄緑色、黄色、黄橙色、橙色、または赤色の中から選ばれる少なくとも一つの波長領域に発光スペクトルピークを呈する機能を有する発光材料を有する。また、発光層は、発光材料(ゲスト材料)に加えて、ホスト材料を含んで構成される。ホスト材料としては、電子輸送性材料または正孔輸送性材料の一方または双方を有する構成が好ましい。
また、発光層に用いる発光材料としては、一重項励起エネルギーを発光に変換できる機能を有する発光材料、または三重項励起エネルギーを発光に変換できる機能を有する発光材料を用いることができる。なお、上記発光材料としては、例えば以下が挙げられる。
一重項励起エネルギーを発光に変換できる機能を有する発光材料としては、蛍光を発する物質(蛍光性化合物)が挙げられる。蛍光性化合物としては、特に限定はないが、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、スチルベン誘導体、アクリドン誘導体、クマリン誘導体、フェノキサジン誘導体、フェノチアジン誘導体などが好ましく、例えば以下の材料を用いることができる。
具体的には、5,6−ビス[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAP2BPy)、5,6−ビス[4’−(10−フェニル−9−アントリル)ビフェニル−4−イル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAPP2BPy)、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPBA)、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)、N,N’−ビス(ジベンゾフラン−2−イル)−N,N’−ジフェニルピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6FrAPrn)、N,N’−ビス(ジベンゾチオフェン−2−イル)−N,N’−ジフェニルピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6ThAPrn)、N,N’’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPPA)、N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)、クマリン6、クマリン545T、N,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2−(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2−{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)、2−{2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2−{2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2−(2,6−ビス{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2−{2,6−ビス[2−(8−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)、5,10,15,20−テトラフェニルビスベンゾ[5,6]インデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン、などが挙げられる。
また、三重項励起エネルギーを発光に変換できる機能を有する発光材料(燐光性化合物)としては、例えば、イリジウム系、ロジウム系、または白金系の有機金属錯体、あるいは金属錯体が挙げられ、中でも有機イリジウム錯体、例えばイリジウム系オルトメタル錯体が好ましい。オルトメタル化する配位子としては4H−トリアゾール配位子、1H−トリアゾール配位子、イミダゾール配位子、ピリジン配位子、ピリミジン配位子、ピラジン配位子、あるいはイソキノリン配位子などが挙げられる。金属錯体としては、ポルフィリン配位子を有する白金錯体などが挙げられる。
青色または緑色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mpptz−dmp)3)、トリス(5−メチル−3,4−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz)3)、トリス[4−(3−ビフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrptz−3b)3)、トリス[3−(5−ビフェニル)−5−イソプロピル−4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPr5btz)3)のような4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体、トリス[3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz1−mp)3)、トリス(1−メチル−5−フェニル−3−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Prptz1−Me)3)のような1H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体、fac−トリス[1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾール]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrpmi)3)、トリス[3−(2,6−ジメチルフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナントリジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(dmpimpt−Me)3)のようなイミダゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CF3ppy)2(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))のような電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属イリジウム錯体が挙げられる。上述した中でも、4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性及び発光効率に優れるため、特に好ましい。
また、緑色または黄色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス(4−メチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)3)、トリス(4−t−ブチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)3)、(アセチルアセトナト)ビス(6−メチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[4−(2−ノルボルニル)−6−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(nbppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[5−メチル−6−(2−メチルフェニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(mpmppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス{4,6−ジメチル−2−[6−(2,6−ジメチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(dmppm−dmp)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(dppm)2(acac))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−Me)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−iPr)2(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)2(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)2(acac))、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:Ir(bzq)3)、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(pq)3)、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)2(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(dpo)2(acac))、ビス{2−[4’−(パーフルオロフェニル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p−PF−ph)2(acac))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)2(acac))など有機金属イリジウム錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)3(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性及び発光効率に際だって優れるため、特に好ましい。
また、黄色または赤色に発光ピークを有する物質としては、例えば、(ジイソブチリルメタナト)ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)2(dibm))、ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)2(dpm))、ビス[4,6−ジ(ナフタレン−1−イル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(d1npm)2(dpm))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(acac))、ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(dpm))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Fdpq)2(acac)])のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体、トリス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(piq)3)、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)2(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)のような白金錯体、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)3(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)3(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性及び発光効率に際だって優れるため、特に好ましい。また、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、色度の良い赤色発光が得られる。
発光層のホスト材料として用いることが可能な材料としては、特に限定はないが、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:Bphen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)などの複素環化合物、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物が挙げられる。また、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体等の縮合多環芳香族化合物が挙げられ、具体的には、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、YGAPA、PCAPA、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、2PCAPA、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセン、DBC1、9−[4−(10−フェニル−9−アントラセニル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:PCzPA)、7−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−7H−ジベンゾ[c,g]カルバゾール(略称:cgDBCzPA)、6−[3−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−ベンゾ[b]ナフト[1,2−d]フラン(略称:2mBnfPPA)、9−フェニル−10−{4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)ビフェニル−4’−イル}アントラセン(略称:FLPPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、1,3,5−トリ(1−ピレニル)ベンゼン(略称:TPB3)、5,12−ジフェニルテトラセン、5,12−ビス(ビフェニル−2−イル)テトラセンなどを挙げることができる。これら及び様々な物質の中から、上記発光材料のエネルギーギャップより大きなエネルギーギャップを有する物質を、一種もしくは複数種選択して用いればよい。また、発光材料が燐光を発する物質である場合、ホスト材料としては、発光材料の三重項励起エネルギー(基底状態と三重項励起状態とのエネルギー差)よりも三重項励起エネルギーの大きい物質を選択すれば良い。
また、発光層のホスト材料として、複数の材料を用いる場合、励起錯体(エキサイプレックス、エキシプレックスまたはExciplexともいう)を形成する2種類の化合物を組み合わせて用いることが好ましい。この場合、様々なキャリア輸送性材料を適宜用いることができるが、効率よく励起錯体を形成するために、電子輸送性材料と、正孔輸送性材料とを組み合わせることが特に好ましい。
なぜならば、電子輸送性材料と、正孔輸送性材料とを組み合わせて励起錯体を形成するホスト材料とする場合、電子輸送性材料及び正孔輸送性材料の混合比率を調節することで、発光層における正孔と電子のキャリアバランスを最適化することが容易となる。発光層における正孔と電子のキャリアバランスを最適化することにより、発光層中で電子と正孔の再結合が起こる領域が偏ることを抑制できる。再結合が起こる領域の偏りを抑制することで、発光装置の信頼性を向上させることができる。
電子輸送性材料としては、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族及び金属錯体などを用いることができる。具体的には、電子注入層または電子輸送層に用いることができる電子輸送性材料を用いることができる。中でも、ピリジン骨格、ジアジン骨格、及びトリアジン骨格を有する複素環化合物は、信頼性が良好であり好ましい。特に、ジアジン(ピリミジン及びピラジン)骨格及びトリアジン骨格を有する複素環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
正孔輸送性材料としては、π電子過剰型複素芳香族(例えばカルバゾール誘導体及びインドール誘導体)又は芳香族アミンなどを好適に用いることができる。具体的には、正孔注入層または正孔輸送層に用いることができる正孔輸送性材料を用いることができる。中でも、芳香族アミン骨格を有する化合物及びカルバゾール骨格を有する化合物は、信頼性が良好であり、また、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与するため好ましい。
なお、励起錯体を形成するホスト材料の組み合わせとしては、上述した化合物に限定されることなく、キャリアを輸送でき、且つ励起錯体を形成できる組み合わせであり、当該励起錯体の発光が、発光物質の吸収スペクトルにおける最も長波長側の吸収帯(発光物質の一重項基底状態から一重項励起状態への遷移に相当する吸収)と重なっていればよく、他の材料を用いても良い。
また、上記正孔輸送性材料と電子輸送性材料とが、効率よく励起錯体を形成するためには、正孔輸送性材料のHOMO準位が電子輸送性材料のHOMO準位より高く、正孔輸送性材料のLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital、最低空軌道ともいう)準位が電子輸送性材料のLUMO準位より高いことが好ましい。具体的には、正孔輸送性材料のHOMO準位と電子輸送性材料のHOMO準位とのエネルギー差は、好ましくは0.05eV以上であり、より好ましくは0.1eV以上であり、さらに好ましくは0.2eV以上である。また、正孔輸送性材料のLUMO準位と電子輸送性材料のLUMO準位とのエネルギー差は、好ましくは0.05eV以上であり、より好ましくは0.1eV以上であり、さらに好ましくは0.2eV以上である。
また、発光層の発光材料またはホスト材料として、熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)体を用いても良い。熱活性化遅延蛍光体は、三重項励起エネルギー準位と一重項励起エネルギー準位との差が小さく、逆項間交差によって三重項励起状態から一重項励起状態へエネルギーを変換する機能を有する材料である。熱活性化遅延蛍光が効率良く得られる条件としては、S1準位とT1準位とのエネルギー差が、好ましくは0eVより大きく0.3eV以下、より好ましくは0eVより大きく0.2eV以下、さらに好ましくは0eVより大きく0.1eV以下であることが挙げられる。
熱活性化遅延蛍光体としては、一種類の材料から構成されていても良く、複数の材料から構成されていても良い。例えば、熱活性化遅延蛍光体が、一種類の材料から構成される場合、以下の材料を用いることができる。
まずフラーレン及びその誘導体、プロフラビン等のアクリジン誘導体、エオシン等が挙げられる。またマグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(In)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンが挙げられる。該金属含有ポルフィリンとしては、例えば、プロトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Proto IX))、メソポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Meso IX))、ヘマトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Hemato IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル−フッ化スズ錯体(SnF2(Copro III−4Me))、オクタエチルポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(OEP))、エチオポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Etio I))、オクタエチルポルフィリン−塩化白金錯体(PtCl2OEP)等が挙げられる。
また、一種の材料から構成される熱活性化遅延蛍光体としては、例えば2−(ビフェニル−4−イル)−4,6−ビス(12−フェニルインドロ[2,3−a]カルバゾール−11−イル)−1,3,5−トリアジン(略称:PIC−TRZ)、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)、2−[4−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PXZ−TRZ)、3−[4−(5−フェニル−5,10−ジヒドロフェナジン−10−イル)フェニル]−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール(略称:PPZ−3TPT)、3−(9,9−ジメチル−9H−アクリジン−10−イル)−9H−キサンテン−9−オン(略称:ACRXTN)、ビス[4−(9,9−ジメチル−9,10−ジヒドロアクリジン)フェニル]スルホン(略称:DMAC−DPS)、10−フェニル−10H,10’H−スピロ[アクリジン−9,9’−アントラセン]−10’−オン(略称:ACRSA)等のπ電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有する複素環化合物も用いることができる。該複素環化合物は、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有するため、電子輸送性及び正孔輸送性が高く、好ましい。なお、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香環のドナー性とπ電子不足型複素芳香環のアクセプター性が共に強く、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位の差が小さくなるため、特に好ましい。
また、熱活性化遅延蛍光体をホスト材料として用いる場合、励起錯体を形成する2種類の材料を組み合わせて用いることが好ましい。この場合、上記に示した励起錯体を形成する組み合わせである電子輸送性材料と、正孔輸送性材料とを用いることが特に好ましい。
また、発光層は、ホスト材料および発光材料以外の材料を有していても良い。
なお、発光層は2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層とする場合、第1の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する材料を用い、第2の発光層のホスト材料として電子輸送性を有する材料を用いる構成などがある。また、第1の発光層と第2の発光層とが有する発光材料は、同じ材料であっても異なる材料であってもよく、同じ色の発光を呈する機能を有する材料であっても、異なる色の発光を呈する機能を有する材料であってもよい。2層の発光層に、互いに異なる色の発光を呈する機能を有する発光材料をそれぞれ用いることで、複数の発光を同時に得ることができる。特に、2層の発光層が呈する発光により、白色になるよう、各発光層に用いる発光材料を選択すると好ましい。
なお、上述した、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、発光層、及び電荷発生層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、ノズルプリント法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。また、上述した、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、発光層、及び電荷発生層には、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いてもよい。
発光材料としては量子ドットも用いることができる。量子ドットは、数nmサイズの半導体ナノ結晶であり、1×103個から1×106個程度の原子から構成されている。量子ドットはサイズに依存してエネルギーシフトするため、同じ物質から構成される量子ドットであっても、サイズによって発光波長が異なり、用いる量子ドットのサイズを変更することによって容易に発光波長を調整することができる。
また、量子ドットは、発光スペクトルのピーク幅が狭いため、色純度のよい発光を得ることができる。さらに、量子ドットの理論的な内部量子効率はほぼ100%であると言われており、蛍光発光を呈する有機化合物の25%を大きく上回り、りん光発光を呈する有機化合物と同等となっている。このことから、量子ドットを発光材料として用いることによって発光効率の高い発光素子を得ることができる。その上、無機化合物である量子ドットはその本質的な安定性にも優れているため、寿命の観点からも好ましい発光素子を得ることができる。
量子ドットを構成する材料としては、第14族元素、周期表第15族元素、周期表第16族元素、複数の第14族元素からなる化合物、第4族から第14族に属する元素と第16族元素との化合物、第2族元素と第16族元素との化合物、第13族元素と第15族元素との化合物、第13族元素と第17族元素との化合物、第14族元素と第15族元素との化合物、第11族元素と第17族元素との化合物、酸化鉄類、酸化チタン類、カルコゲナイドスピネル類、各種半導体クラスターなどを挙げることができる。
具体的には、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化カドミウム(CdS)、テルル化カドミウム(CdTe)、セレン化亜鉛(ZnSe)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、テルル化亜鉛(ZnTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)、砒化インジウム(InAs)、リン化インジウム(InP)、砒化ガリウム(GaAs)、リン化ガリウム(GaP)、窒化インジウム(InN)、窒化ガリウム(GaN)、アンチモン化インジウム(InSb)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、リン化アルミニウム(AlP)、砒化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、セレン化鉛(II)(PbSe)、テルル化鉛(II)(PbTe)、硫化鉛(II)(PbS)、セレン化インジウム(In2Se3)、テルル化インジウム(In2Te3)、硫化インジウム(In2S3)、セレン化ガリウム(Ga2Se3)、硫化砒素(III)(As2S3)、セレン化砒素(III)(As2Se3)、テルル化砒素(III)(As2Te3)、硫化アンチモン(III)(Sb2S3)、セレン化アンチモン(III)(Sb2Se3)、テルル化アンチモン(III)(Sb2Te3)、硫化ビスマス(III)(Bi2S3)、セレン化ビスマス(III)(Bi2Se3)、テルル化ビスマス(III)(Bi2Te3)、ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、セレン(Se)、テルル(Te)、ホウ素(B)、炭素(C)、リン(P)、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、砒化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、硫化アルミニウム(Al2S3)、硫化バリウム(BaS)、セレン化バリウム(BaSe)、テルル化バリウム(BaTe)、硫化カルシウム(CaS)、セレン化カルシウム(CaSe)、テルル化カルシウム(CaTe)、硫化ベリリウム(BeS)、セレン化ベリリウム(BeSe)、テルル化ベリリウム(BeTe)、硫化マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgSe)、硫化ゲルマニウム(GeS)、セレン化ゲルマニウム(GeSe)、テルル化ゲルマニウム(GeTe)、硫化錫(IV)(SnS2)、硫化錫(II)(SnS)、セレン化錫(II)(SnSe)、テルル化錫(II)(SnTe)、酸化鉛(II)(PbO)、フッ化銅(I)(CuF)、塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、酸化銅(I)(Cu2O)、セレン化銅(I)(Cu2Se)、酸化ニッケル(II)(NiO)、酸化コバルト(II)(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)、四酸化三鉄(Fe3O4)、硫化鉄(II)(FeS)、酸化マンガン(II)(MnO)、硫化モリブデン(IV)(MoS2)、酸化バナジウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(VO2)、酸化タングステン(IV)(WO2)、酸化タンタル(V)(Ta2O5)、酸化チタン(TiO2、Ti2O5、Ti2O3、Ti5O9など)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、窒化ケイ素(Si3N4)、窒化ゲルマニウム(Ge3N4)、酸化アルミニウム(Al2O3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、セレンと亜鉛とカドミウムの化合物(CdZnSe)、インジウムと砒素とリンの化合物(InAsP)、カドミウムとセレンと硫黄の化合物(CdSeS)、カドミウムとセレンとテルルの化合物(CdSeTe)、インジウムとガリウムと砒素の化合物(InGaAs)、インジウムとガリウムとセレンの化合物(InGaSe)、インジウムとセレンと硫黄の化合物(InSeS)、銅とインジウムと硫黄の化合物(例えばCuInS2)およびこれらの組合せなどを挙げることができるが、これらに限定されない。また、組成が任意の比率で表される、いわゆる合金型量子ドットを用いても良い。例えば、CdSxSe1−x(xは0から1の任意の数)で表される合金型量子ドットは、xの比率を変化させることで発光波長を変えることができるため、青色発光を得るには有効な手段の一つである。
量子ドットの構造としては、コア型、コア−シェル型、コア−マルチシェル型などがあり、そのいずれを用いても良いが、コアを覆ってより広いバンドギャップを持つ別の無機材料でシェルを形成することによって、ナノ結晶表面に存在する欠陥やダングリングボンドの影響を低減することができる。これにより、発光の量子効率が大きく改善するためコア−シェル型やコア−マルチシェル型の量子ドットを用いることが好ましい。シェルの例としては、硫化亜鉛(ZnS)や酸化亜鉛(ZnO)が挙げられる。
また、量子ドットは、表面原子の割合が高いことから、反応性が高く、凝集が起こりやすい。そのため、量子ドットの表面には保護剤が付着している又は保護基が設けられていることが好ましい。当該保護剤が付着している又は保護基が設けられていることによって、凝集を防ぎ、溶媒への溶解性を高めることができる。また、反応性を低減させ、電気的安定性を向上させることも可能である。保護剤(又は保護基)としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、トリ(n−ヘキシル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン、トリ(n−デシル)アミン等の第3級アミン類、トリプロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、トリデシルホスフィンオキシド等の有機リン化合物、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類、また、ピリジン、ルチジン、コリジン、キノリン類等の含窒素芳香族化合物等の有機窒素化合物、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等のアミノアルカン類、ジブチルスルフィド等のジアルキルスルフィド類、ジメチルスルホキシドやジブチルスルホキシド等のジアルキルスルホキシド類、チオフェン等の含硫黄芳香族化合物等の有機硫黄化合物、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸、アルコール類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類等が挙げられる。
なお、量子ドットは、棒状の量子ロッドであっても良い。量子ロッドはc軸方向に偏光した指向性を有する光を呈するため、量子ロッドを発光材料として用いることにより、より外部量子効率が良好な発光素子を得ることができる。
発光層の発光材料に量子ドットを用いる場合、当該発光層の膜厚は3nm乃至100nm、好ましくは10nm乃至100nmとし、発光層中の量子ドットの含有率は1乃至100体積%とする。ただし、量子ドットのみで発光層を形成することが好ましい。なお、当該量子ドットを発光材料としてホストに分散した発光層を形成する場合は、ホスト材料に量子ドットを分散させる、またはホスト材料と量子ドットとを適当な液媒体に溶解または分散させてウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、ダイコート法、ブレードコート法、ロールコート法、インクジェット法、印刷法、スプレーコート法、カーテンコート法、ラングミュア・ブロジェット法など)により形成すればよい。
ウェットプロセスに用いる液媒体としては、たとえば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒を用いることができる。
また、発光層に用いることができる高分子化合物としては、例えば、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](略称:MEH−PPV)、ポリ(2,5−ジオクチル−1,4−フェニレンビニレン)等のポリフェニレンビニレン(PPV)誘導体、ポリ(9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−2,7−ジイル)(略称:PF8)、ポリ[(9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,8−ジイル)](略称:F8BT)、ポリ[(9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−(2,2’−ビチオフェン−5,5’−ジイル)](略称F8T2)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−alt−(9,10−アントラセン)]、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−alt−(2,5−ジメチル−1,4−フェニレン)]等のポリフルオレン誘導体、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)(略称:P3HT)等のポリアルキルチオフェン(PAT)誘導体、ポリフェニレン誘導体等が挙げられる。また、これらの高分子化合物や、ポリ(9−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(2−ビニルナフタレン)、ポリ[ビス(4−フェニル)(2,4,6−トリメチルフェニル)アミン](略称:PTAA)等の高分子化合物に、発光性の低分子化合物をドープして発光層に用いてもよい。発光性の低分子化合物としては、先に挙げた発光材料を用いることができる。
≪基板≫
また、本発明の一態様に係る発光素子は、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に作製すればよい。基板上に作製する順番としては、電極101側から順に積層しても、電極102側から順に積層しても良い。
なお、本発明の一態様に係る発光素子を形成できる基板としては、例えばガラス、石英、又はプラスチックなどを用いることができる。また可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、からなるプラスチック基板等が挙げられる。また、フィルム、無機蒸着フィルムなどを用いることもできる。なお、発光素子、及び光学素子の作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。あるいは、発光素子、及び光学素子を保護する機能を有するものであればよい。
例えば、本発明等においては、様々な基板を用いて発光素子を形成することが出来る。基板の種類は、特に限定されない。その基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含むセルロースナノファイバー(CNF)や紙、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の樹脂などがある。または、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。特に、半導体基板、単結晶基板、又はSOI基板などを用いてトランジスタを製造することによって、特性、サイズ、又は形状などのばらつきが少なく、電流能力が高く、サイズの小さいトランジスタを製造することができる。このようなトランジスタによって回路を構成すると、回路の低消費電力化、又は回路の高集積化を図ることができる。
また、基板として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、発光素子を形成してもよい。または、基板と発光素子との間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に発光素子を一部あるいは全部完成させた後、基板より分離し、他の基板に転載するために用いることができる。その際、耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも発光素子を転載できる。なお、上述の剥離層には、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜との無機膜の積層構造の構成、または基板上にポリイミド等の樹脂膜が形成された構成等を用いることができる。
つまり、ある基板を用いて発光素子を形成し、その後、別の基板に発光素子を転置し、別の基板上に発光素子を配置してもよい。発光素子が転置される基板の一例としては、上述した基板に加え、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、壊れにくい発光素子、耐熱性の高い発光素子、軽量化された発光素子、または薄型化された発光素子とすることができる。
また、上述した基板上に、例えば電界効果トランジスタ(FET)を形成し、FETと電気的に接続された電極上に発光素子150を作製してもよい。これにより、FETによって発光素子150の駆動を制御するアクティブマトリクス型の表示装置を作製できる。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。つまり、本実施の形態および他の実施の形態では、様々な発明の態様が記載されているため、本発明の一態様は、特定の態様に限定されない。例えば、本発明の一態様として、発光素子に適用した場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。例えば、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様は、発光素子に適用しなくてもよい。または、例えば、本発明の一態様では、正孔注入層と、陽極としての機能を有する電極と、の間に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を有するバッファ層と、当該金属の拡散を防止する機能を有し、且つ、電子を輸送する機能を有する材料を含むバッファ層と、を設ける場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、当該金属を有するバッファ層を設けなくてもよい。あるいは、当該金属の拡散を防止する機能を有するバッファ層を設けなくてもよい。あるいは、電子を輸送する機能を有する材料を有するバッファ層を設けなくてもよい。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、実施の形態1に示す発光素子に用いることができる発光層の発光機構について、図4及び図5を用いて、以下説明を行う。
<発光層の構成例1>
図4(A)は、本発明の一態様の発光素子に好適に用いることができる発光層130の断面模式図である。
発光層130は、図4(A)に示すように、ホスト材料131と、ゲスト材料132とを有する。なお、ゲスト材料132は蛍光性化合物として、以下説明する。
≪発光層130の発光機構≫
発光層130の発光機構について、以下説明を行う。
一対の電極(電極101及び電極102)あるいは電荷発生層から注入された電子および正孔が発光層130において再結合することにより、励起子が生成する。ゲスト材料132と比較してホスト材料131は大量に存在するので、励起子の生成により、ホスト材料131の励起状態が形成される。
なお、励起子はキャリア(電子および正孔)対のことである。励起子はエネルギーを有するため、励起子が生成した材料は励起状態となる。
形成されたホスト材料131の励起状態が一重項励起状態である場合、ホスト材料131のS1準位からゲスト材料132のS1準位へ一重項励起エネルギーがエネルギー移動し、ゲスト材料132の一重項励起状態が形成される。
ゲスト材料132は蛍光性化合物であるため、ゲスト材料132において一重項励起状態が形成されると、ゲスト材料132は速やかに発光する。このとき、高い発光効率を得るためには、ゲスト材料132の蛍光量子収率は高いことが好ましい。なお、ゲスト材料132において、キャリアが再結合し、生成した励起状態が一重項励起状態である場合も同様である。
次に、キャリアの再結合によってホスト材料131の三重項励起状態が形成される場合について説明する。この場合のホスト材料131およびゲスト材料132のエネルギー準位の相関を図4(B)に示す。また、図4(B)における表記および符号は、以下の通りである。なお、ホスト材料131のT1準位がゲスト材料132のT1準位より低いことが好ましいため、図4(B)では、この場合を図示するが、ホスト材料131のT1準位がゲスト材料132のT1準位よりも高くてもよい。
・Host(131):ホスト材料131
・Guest(132):ゲスト材料132(蛍光性化合物)
・SFH:ホスト材料131のS1準位
・TFH:ホスト材料131のT1準位
・SFG:ゲスト材料132(蛍光性化合物)のS1準位
・TFG:ゲスト材料132(蛍光性化合物)のT1準位
図4(B)に示すように、キャリアの再結合によって生成した三重項励起子同士が相互作用し、互いに励起エネルギーの受け渡し、及びスピン角運動量の交換を行うことで、結果としてホスト材料131のS1準位(SFH)のエネルギーを有する一重項励起子に変換される反応、すなわち三重項−三重項消滅(TTA:Triplet−Triplet Annihilation)が生じる(図4(B) TTA参照)。ホスト材料131の一重項励起エネルギーは、SFHから、それよりもエネルギーの低いゲスト材料132のS1準位(SFG)へエネルギー移動が生じ(図4(B) ルートE5参照)、ゲスト材料132の一重項励起状態が形成され、ゲスト材料132が発光する。
なお、発光層130における三重項励起子の密度が十分に高い場合(例えば、1×1012cm−3以上)では、三重項励起子単体の失活を無視し、2つの近接した三重項励起子による反応のみを考えることができる。
また、ゲスト材料132においてキャリアが再結合し三重項励起状態が形成されるとき、ゲスト材料132の三重項励起状態は熱失活するため、発光に利用することが困難となる。しかしながら、ホスト材料131のT1準位(TFH)がゲスト材料132のT1準位(TFG)より低い場合、ゲスト材料132の三重項励起エネルギーは、ゲスト材料132のT1準位(TFG)からホスト材料131のT1準位(TFH)へエネルギー移動する(図4(B) ルートE6参照)ことが可能であり、その後TTAに利用される。
すなわち、ホスト材料131は、TTAによって三重項励起エネルギーを一重項励起エネルギーに変換する機能を有すると好ましい。そうすることで、発光層130で生成した三重項励起エネルギーの一部を、ホスト材料131におけるTTAによって一重項励起エネルギーに変換し、該一重項励起エネルギーをゲスト材料132に移動することで、蛍光発光として取り出すことが可能となる。そのためには、ホスト材料131のS1準位(SFH)は、ゲスト材料132のS1準位(SFG)より高いことが好ましい。また、ホスト材料131のT1準位(TFH)は、ゲスト材料132のT1準位(TFG)より低いことが好ましい。
なお、特に、ゲスト材料132のT1準位(TFG)がホスト材料131のT1準位(TFH)よりも低い場合においては、ホスト材料131とゲスト材料132との重量比は、ゲスト材料132の重量比が低い方が好ましい。具体的には、ゲスト材料132の含有量がホスト材料131に対する重量比で、0より大きく0.05以下が好ましい。そうすることで、ゲスト材料132でキャリアが再結合する確率を低減させることができる。また、ホスト材料131のT1準位(TFH)からゲスト材料132のT1準位(TFG)へのエネルギー移動が生じる確率を低減させることができる。
なお、ホスト材料131は単一の化合物で構成されていても良く、複数の化合物から構成されていても良い。
<発光層の構成例2>
次に、図4(A)(B)に示す発光層130と異なる構成例について、図4(C)(D)を用いて、以下説明する。
図4(C)は、発光層140の断面模式図である。
発光層140は、図4(C)で示すように、ホスト材料141と、ゲスト材料142とを有する。また、ホスト材料141は、有機化合物141_1と、有機化合物141_2と、を有する。なお、発光層140が有するゲスト材料142が燐光性化合物として、以下説明する。
≪発光層140の発光機構≫
次に、発光層140の発光機構について、以下説明を行う。
発光層140が有する、有機化合物141_1と、有機化合物141_2とは励起錯体を形成すると好ましい。
有機化合物141_1と有機化合物141_2との組み合わせは、互いに励起錯体を形成することが可能な組み合わせであればよいが、一方が正孔輸送性を有する化合物であり、他方が電子輸送性を有する化合物であることが、より好ましい。
発光層140における有機化合物141_1と、有機化合物141_2と、ゲスト材料142とのエネルギー準位の相関を図4(D)に示す。なお、図4(D)における表記及び符号は、以下の通りである。
・Host(141_1):有機化合物141_1(ホスト材料)
・Host(141_2):有機化合物141_2(ホスト材料)
・Guest(142):ゲスト材料142(燐光性化合物)
・SPH1:有機化合物141_1(ホスト材料)のS1準位
・TPH1:有機化合物141_1(ホスト材料)のT1準位
・SPH2:有機化合物141_2(ホスト材料)のS1準位
・TPH2:有機化合物141_2(ホスト材料)のT1準位
・TPG:ゲスト材料142(燐光性化合物)のT1準位
・SPE:励起錯体のS1準位
・TPE:励起錯体のT1準位
有機化合物141_1と有機化合物141_2とは励起錯体を形成し、該励起錯体のS1準位(SPE)とT1準位(TPE)は互いに隣接するエネルギーとなる(図4(D) ルートE7参照)。
有機化合物141_1及び有機化合物141_2は、一方がホールを、他方が電子を受け取ることで速やかに励起錯体を形成する。あるいは、一方が励起状態となると、速やかに他方と相互作用することで励起錯体を形成する。したがって、発光層140における励起子のほとんどが励起錯体として存在する。励起錯体の励起エネルギー準位(SPEおよびTPE)は、励起錯体を形成するホスト材料(有機化合物141_1及び有機化合物141_2)のS1準位(SPH1及びSPH2)より低くなるため、より低い励起エネルギーでホスト材料141の励起状態を形成することが可能となる。これによって、発光素子の駆動電圧を下げることができる。
そして、励起錯体の(SPE)と(TPE)の双方のエネルギーを、ゲスト材料142(燐光性化合物)のT1準位へ移動させて発光が得られる(図4(D) ルートE8、E9参照)。
なお、励起錯体のT1準位(TPE)は、ゲスト材料142のT1準位(TPG)より大きいことが好ましい。そうすることで、生成した励起錯体の一重項励起エネルギーおよび三重項励起エネルギーを、励起錯体のS1準位(SPE)およびT1準位(TPE)からゲスト材料142のT1準位(TPG)へエネルギー移動することができる。
また、励起錯体からゲスト材料142へ効率よく励起エネルギーを移動させるためには、励起錯体のT1準位(TPE)が、励起錯体を形成する各有機化合物(有機化合物141_1および有機化合物141_2)のT1準位(TPH1およびTPH2)と同等か、より小さいことが好ましい。これにより、各有機化合物(有機化合物141_1及び有機化合物141_2)による励起錯体の三重項励起エネルギーのクエンチが生じにくくなり、効率よく励起錯体からゲスト材料142へエネルギー移動が発生する。
また、有機化合物141_1と有機化合物141_2とが、効率よく励起錯体を形成するためには、有機化合物141_1および有機化合物141_2の一方のHOMO準位が他方のHOMO準位より高く、一方のLUMO準位が他方のLUMO準位より高いことが好ましい。例えば、有機化合物141_1が正孔輸送性を有し、有機化合物141_2が電子輸送性を有する場合、有機化合物141_1のHOMO準位が有機化合物141_2のHOMO準位より高いことが好ましく、有機化合物141_1のLUMO準位が有機化合物141_2のLUMO準位より高いことが好ましい。あるいは、有機化合物141_2が正孔輸送性を有し、有機化合物141_1が電子輸送性を有する場合、有機化合物141_2のHOMO準位が有機化合物141_1のHOMO準位より高いことが好ましく、有機化合物141_2のLUMO準位が有機化合物141_1のLUMO準位より高いことが好ましい。具体的には、有機化合物141_1のHOMO準位と有機化合物141_2のHOMO準位とのエネルギー差は、好ましくは0.05eV以上であり、より好ましくは0.1eV以上であり、さらに好ましくは0.2eV以上である。また、有機化合物141_1のLUMO準位と有機化合物141_2のLUMO準位とのエネルギー差は、好ましくは0.05eV以上であり、より好ましくは0.1eV以上であり、さらに好ましくは0.2eV以上である。
また、有機化合物141_1と有機化合物141_2との組み合わせが、正孔輸送性を有する化合物と電子輸送性を有する化合物との組み合わせである場合、その混合比によってキャリアバランスを容易に制御することが可能となる。具体的には、正孔輸送性を有する化合物:電子輸送性を有する化合物=1:9から9:1(重量比)の範囲が好ましい。また、該構成を有することで、容易にキャリアバランスを制御することができることから、キャリア再結合領域の制御も簡便に行うことができる。
<エネルギー移動機構>
次に、ホスト材料141と、ゲスト材料142との分子間のエネルギー移動過程の支配因子について説明する。分子間のエネルギー移動の機構としては、フェルスター機構(双極子−双極子相互作用)と、デクスター機構(電子交換相互作用)の2つの機構が提唱されている。ここでは、ホスト材料141とゲスト材料142との分子間のエネルギー移動過程について説明するが、ホスト材料141が励起錯体の場合も同様である。
≪フェルスター機構≫
フェルスター機構では、エネルギー移動に、分子間の直接的接触を必要とせず、ホスト材料141及びゲスト材料142間の双極子振動の共鳴現象を通じてエネルギー移動が起こる。双極子振動の共鳴現象によってホスト材料141がゲスト材料142にエネルギーを受け渡し、励起状態のホスト材料141が基底状態になり、基底状態のゲスト材料142が励起状態になる。なお、フェルスター機構の速度定数kh*→gを数式(1)に示す。
数式(1)において、νは、振動数を表し、f’h(ν)は、ホスト材料141の規格化された発光スペクトル(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は蛍光スペクトル、三重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は燐光スペクトル)を表し、εg(ν)は、ゲスト材料142のモル吸光係数を表し、Nは、アボガドロ数を表し、nは、媒体の屈折率を表し、Rは、ホスト材料141とゲスト材料142の分子間距離を表し、τは、実測される励起状態の寿命(蛍光寿命や燐光寿命)を表し、cは、光速を表し、φは、発光量子収率(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は蛍光量子収率、三重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は燐光量子収率)を表し、K2は、ホスト材料141とゲスト材料142の遷移双極子モーメントの配向を表す係数(0から4)である。なお、ランダム配向の場合はK2=2/3である。
≪デクスター機構≫
デクスター機構では、ホスト材料141とゲスト材料142が軌道の重なりを生じる接触有効距離に近づき、励起状態のホスト材料141の電子と、基底状態のゲスト材料142との電子の交換を通じてエネルギー移動が起こる。なお、デクスター機構の速度定数kh*→gを数式(2)に示す。
数式(2)において、hは、プランク定数であり、Kは、エネルギーの次元を持つ定数であり、νは、振動数を表し、f’h(ν)は、ホスト材料141の規格化された発光スペクトル(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は蛍光スペクトル、三重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は燐光スペクトル)を表し、ε’g(ν)は、ゲスト材料142の規格化された吸収スペクトルを表し、Lは、実効分子半径を表し、Rは、ホスト材料141とゲスト材料142の分子間距離を表す。
ここで、ホスト材料141からゲスト材料142へのエネルギー移動効率φETは、数式(3)で表される。krは、ホスト材料141の発光過程(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は蛍光、三重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は燐光)の速度定数を表し、knは、ホスト材料141の非発光過程(熱失活や項間交差)の速度定数を表し、τは、実測されるホスト材料141の励起状態の寿命を表す。
数式(3)より、エネルギー移動効率φETを高くするためには、エネルギー移動の速度定数kh*→gを大きくし、他の競合する速度定数kr+kn(=1/τ)が相対的に小さくなれば良いことがわかる。
≪エネルギー移動を高めるための概念≫
フェルスター機構によるエネルギー移動においては、エネルギー移動効率φETは、量子収率φ(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じている場合は蛍光量子収率、三重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は燐光量子収率)が高い方が良い。また、ホスト材料141の発光スペクトル(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は蛍光スペクトル)とゲスト材料142の吸収スペクトル(一重項基底状態から三重項励起状態への遷移に相当する吸収)との重なりが大きいことが好ましい。さらに、ゲスト材料142のモル吸光係数も高い方が好ましい。このことは、ホスト材料141の発光スペクトルと、ゲスト材料142の最も長波長側に現れる吸収帯とが重なることを意味する。
また、デクスター機構によるエネルギー移動において、速度定数kh*→gを大きくするにはホスト材料141の発光スペクトル(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は蛍光スペクトル、三重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は燐光スペクトル)とゲスト材料142の吸収スペクトル(一重項基底状態から三重項励起状態への遷移に相当する吸収)との重なりが大きい方が良い。したがって、エネルギー移動効率の最適化は、ホスト材料141の発光スペクトルと、ゲスト材料142の最も長波長側に現れる吸収帯とが重なることによって実現される。
なお、ホスト材料141からゲスト材料142へのエネルギー移動と同様に、励起錯体からゲスト材料142へのエネルギー移動過程についても、フェルスター機構、及びデクスター機構の双方の機構によるエネルギー移動が生じる。
すなわち、ホスト材料141は、ゲスト材料142に効率的にエネルギー移動が可能なエネルギードナーとしての機能を有する励起錯体であり、該励起錯体を形成する組み合わせの有機化合物141_1および有機化合物141_2を有する。有機化合物141_1および有機化合物141_2が形成する励起錯体は、有機化合物141_1単体および有機化合物141_2単体の励起状態より低い励起エネルギーで形成が可能となる。したがって、発光素子の駆動電圧を低減することができる。
さらに、励起錯体のS1準位からエネルギーアクセプターとなるゲスト材料142のT1準位へのエネルギー移動が生じやすくするためには、励起錯体の発光スペクトルと、ゲスト材料142の最も長波長側(低エネルギー側)に現れる吸収帯と、が重なると好ましい。そうすることで、ゲスト材料142の三重項励起状態の生成効率を高めることができる。
なお、発光層140において生成する励起錯体は、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位とが近接しているという特徴を有するため、励起錯体の発光スペクトルとゲスト材料142の最も長波長側(低エネルギー側)に現れる吸収帯を重ねることで、励起錯体の三重項励起エネルギー準位からゲスト材料142の三重項励起エネルギー準位へのエネルギー移動も生じやすくすることが可能となる。
発光層140を上述の構成とすることで、発光層140のゲスト材料142(燐光性化合物)からの発光を、効率よく得ることが可能となる。
なお、上記に示すルートE7乃至E9の過程を、本明細書等においてExTET(Exciplex−Triplet Energy Transfer)と呼称する場合がある。別言すると、発光層140は、励起錯体からゲスト材料142への励起エネルギーの供与がある。なお、この場合は必ずしもTPEからSPEへの逆項間交差効率が高い必要はなく、SPEからの発光量子収率が高い必要もないため、材料を幅広く選択することが可能となる。
<発光層の構成例3>
次に、図4(A)(B)(C)(D)に示す発光層と異なる構成例について、図5(A)(B)を用いて、以下説明を行う。
図5(A)は、発光層180の断面模式図である。
発光層180は、発光層130と、発光層140と、を有する。また、発光層130は、ホスト材料131と、ゲスト材料132とを有する。また、発光層140は、ホスト材料141と、ゲスト材料142とを有する。また、ホスト材料141は、有機化合物141_1と、有機化合物141_2とを有する。なお、ゲスト材料132が蛍光性化合物、ゲスト材料142が燐光性化合物として、以下説明する。
≪発光層180の発光機構≫
発光層130の発光機構としては、図4(A)(B)に示す発光層130と同様の発光機構である。また、発光層140の発光機構としては、図4(C)(D)に示す発光層140と同様の発光機構である。
図5(A)に示すように、発光層130と、発光層140とが互いに接する構成を有する場合、発光層130と発光層140との界面において、発光層140の励起錯体から発光層130のホスト材料131へのエネルギー移動(とくに三重項励起準位のエネルギー移動)が起こったとしても、発光層130にて上記三重項励起エネルギーを発光に変換することができる。
なお、発光層130のホスト材料131のT1準位が、発光層140が有する有機化合物141_1及び有機化合物141_2のT1準位よりも低いと好ましい。また、発光層130において、ホスト材料131のS1準位がゲスト材料132(蛍光性化合物)のS1準位よりも高く、且つ、ホスト材料131のT1準位がゲスト材料132(蛍光性化合物)のT1準位よりも低いと好ましい。
具体的には、発光層130にTTAを用い、発光層140にExTETを用いる場合のエネルギー準位の相関を図5(B)に示す。なお、図5(B)における表記及び符号は、以下の通りである。
・Fluorescence EML(130):発光層130(蛍光発光層)
・Phosphorescence EML(140):発光層140(燐光発光層)
・Host(131):ホスト材料131
・Guest(132):ゲスト材料132(蛍光性化合物)
・Host(141_1):ホスト材料(有機化合物141_1)
・Guest(142):ゲスト材料142(燐光性化合物)
・Exciplex:励起錯体(有機化合物141_1及び有機化合物141_2)
・SFH:ホスト材料131のS1準位
・TFH:ホスト材料131のT1準位
・SFG:ゲスト材料132(蛍光性化合物)のS1準位
・TFG:ゲスト材料132(蛍光性化合物)のT1準位
・SPH:ホスト材料(有機化合物141_1)のS1準位
・TPH:ホスト材料(有機化合物141_1)のT1準位
・TPG:ゲスト材料142(燐光性化合物)のT1準位
・SE:励起錯体のS1準位
・TE:励起錯体のT1準位
図5(B)に示すように、励起錯体は励起状態でしか存在しないため、励起錯体と励起錯体との間の励起子拡散は生じにくい。また、励起錯体の励起エネルギー準位(SE、TE)は、発光層140の有機化合物141_1(すなわち、燐光性化合物のホスト材料)の励起エネルギー準位(SPH、TPH)よりも低いので、励起錯体から有機化合物141_1へのエネルギーの拡散も生じない。すなわち、燐光発光層(発光層140)内において、励起錯体の励起子拡散距離は短いため、燐光発光層(発光層140)の効率を保つことが可能となる。また、蛍光発光層(発光層130)と燐光発光層(発光層140)の界面において、燐光発光層(発光層140)の励起錯体の三重項励起エネルギーの一部が、蛍光発光層(発光層130)に拡散したとしても、その拡散によって生じた蛍光発光層(発光層130)の三重項励起エネルギーは、TTAを通じて発光に変換されるため、エネルギー損失を低減することが可能となる。
以上のように、発光層180は、発光層140にExTETを利用し、且つ発光層130にTTAを利用することで、エネルギー損失が低減されるため、高い発光効率の発光層とすることができる。また、発光層180のように、発光層130と、発光層140とが互いに接する構成とする場合、上記エネルギー損失が低減されるとともに、発光層の層数を低減させることができる。したがって、製造コストの少ない発光素子とすることができる。
なお、発光層130と発光層140とは互いに接していない構成であっても良い。この場合、発光層140中で生成する、有機化合物141_1、有機化合物141_2、またはゲスト材料142(燐光性化合物)の励起状態から発光層130中のホスト材料131、またはゲスト材料132(蛍光性化合物)へのデクスター機構によるエネルギー移動(特に三重項エネルギー移動)を防ぐことができる。したがって、発光層130と発光層140との間に設ける層は数nm程度の厚さがあればよい。具体的には、1nm以上5nm以下であると、駆動電圧の上昇を抑制することができ好適である。
発光層130と発光層140との間に設ける層は単一の材料で構成されていても良いが、正孔輸送性材料と電子輸送性材料の両方が含まれていても良い。単一の材料で構成する場合、バイポーラー性材料を用いても良い。ここでバイポーラー性材料とは、電子と正孔の移動度の比が100以下である材料を指す。また、正孔輸送性材料または電子輸送性材料などを使用しても良い。もしくは、そのうちの少なくとも一つは、発光層140のホスト材料(有機化合物141_1または有機化合物141_2)と同一の材料で形成しても良い。これにより、発光素子の作製が容易になり、また、駆動電圧が低減される。さらに、正孔輸送性材料と電子輸送性材料とで励起錯体を形成しても良く、これによって励起子の拡散を効果的に防ぐことができる。具体的には、発光層140のホスト材料(有機化合物141_1または有機化合物141_2)あるいはゲスト材料142(燐光性化合物)の励起状態から、発光層130のホスト材料131あるいはゲスト材料132(蛍光性化合物)へのエネルギー移動を防ぐことができる。
また、発光層130が正孔輸送層側、発光層140が電子輸送層側であってもよく、発光層130が電子輸送層側、発光層140が正孔輸送層側であってもよい。
なお、発光層180では、キャリアの再結合領域はある程度の分布を持って形成されることが好ましい。このため、発光層130または発光層140において、適度なキャリアトラップ性があることが好ましく、発光層140が有するゲスト材料142(燐光性化合物)が電子トラップ性を有していることが好ましい。また、発光層130が有するゲスト材料132(蛍光性化合物)が正孔トラップ性を有していることが好ましい。
なお、発光層130からの発光が、発光層140からの発光よりも短波長側に発光のピークを有する構成とすることが好ましい。短波長の発光を呈する燐光性化合物を用いた発光素子は輝度劣化が早い傾向がある。そこで、短波長の発光を蛍光発光とすることによって、輝度劣化の小さい発光素子を提供することができる。
また、発光層130と発光層140とで異なる発光波長の光を得ることによって、多色発光の素子とすることができる。この場合、発光スペクトルは異なる発光ピークを有する発光が合成された光となるため、少なくとも二つの極大値を有する発光スペクトルとなる。
また、上記の構成は白色発光を得るためにも好適である。発光層130と発光層140との光を互いに補色の関係とすることによって、白色発光を得ることができる。
また、発光層130及び発光層140のいずれか一方または双方に、発光波長の異なる複数の発光材料を用いることによって、三原色や、4色以上の発光色からなる演色性の高い白色発光を得ることもできる。この場合、発光層を層状にさらに分割し、当該分割した層ごとに異なる発光材料を含有させるようにしても良い。
<発光層に用いることができる材料の例>
次に、発光層130、及び発光層140に用いることのできる材料について、以下説明する。
≪発光層130に用いることのできる材料≫
発光層130中では、ホスト材料131が重量比で最も多く存在し、ゲスト材料132(蛍光性化合物)は、ホスト材料131中に分散される。ホスト材料131のS1準位は、ゲスト材料132(蛍光性化合物)のS1準位よりも高く、ホスト材料131のT1準位は、ゲスト材料132(蛍光性化合物)のT1準位よりも低いことが好ましい。
発光層130において、ゲスト材料132としては、特に限定はないが、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、スチルベン誘導体、アクリドン誘導体、クマリン誘導体、フェノキサジン誘導体、フェノチアジン誘導体などが好ましい。具体的には、例えば、実施の形態1で例示した蛍光性化合物を用いることができる。
また、発光層130において、ホスト材料131に用いることが可能な材料としては、特に限定はないが、例えば、実施の形態1で例示したホスト材料を用いることができる。また、これら及び公知の物質の中から、ゲスト材料132のエネルギーギャップより大きなエネルギーギャップを有する物質を、一種もしくは複数種選択して用いればよい。
なお、発光層130は2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層130とする場合、第1の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する物質を用い、第2の発光層のホスト材料として電子輸送性を有する物質を用いる構成などがある。
また、発光層130において、ホスト材料131は、一種の化合物から構成されていても良く、複数の化合物から構成されていても良い。あるいは、発光層130において、ホスト材料131およびゲスト材料132以外の材料を有していても良い。
≪発光層140に用いることのできる材料≫
発光層140中では、ホスト材料141が重量比で最も多く存在し、ゲスト材料142(燐光性化合物)は、ホスト材料141中に分散される。発光層140のホスト材料141(有機化合物141_1及び有機化合物141_2)のT1準位は、ゲスト材料142のT1準位よりも高いことが好ましい。
有機化合物141_1としては、亜鉛やアルミニウム系金属錯体の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体などが挙げられる。他の例としては、芳香族アミンやカルバゾール誘導体などが挙げられる。具体的には、実施の形態1で示した電子輸送性材料および正孔輸送性材料を用いることができる。
有機化合物141_2としては、有機化合物141_1と励起錯体を形成できる組み合わせが好ましい。具体的には、例えば、実施の形態1で示した電子輸送性材料および正孔輸送性材料を用いることができる。この場合、有機化合物141_1と有機化合物141_2とで形成される励起錯体の発光ピークが、ゲスト材料142(燐光性化合物)の三重項MLCT(Metal to Ligand Charge Transfer)遷移の吸収帯、より具体的には、最も長波長側の吸収帯と重なるように、有機化合物141_1、有機化合物141_2、およびゲスト材料142(燐光性化合物)を選択することが好ましい。これにより、発光効率が飛躍的に向上した発光素子とすることができる。ただし、燐光性化合物に替えて熱活性化遅延蛍光性化合物を用いる場合においては、最も長波長側の吸収帯は一重項の吸収帯であることが好ましい。
ゲスト材料142(燐光性化合物)としては、イリジウム、ロジウム、または白金系の有機金属錯体、あるいは金属錯体が挙げられ、中でも有機イリジウム錯体、例えばイリジウム系オルトメタル錯体が好ましい。オルトメタル化する配位子としては4H−トリアゾール配位子、1H−トリアゾール配位子、イミダゾール配位子、ピリジン配位子、ピリミジン配位子、ピラジン配位子、あるいはイソキノリン配位子などが挙げられる。金属錯体としては、ポルフィリン配位子を有する白金錯体などが挙げられる。具体的には、例えば、実施の形態1で例示した燐光性化合物を用いることができる。
発光層140に含まれる発光材料としては、三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料であればよい。該三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料としては、燐光性化合物の他に、熱活性化遅延蛍光性化合物が挙げられる。したがって、燐光性化合物と記載した部分に関しては、熱活性化遅延蛍光性化合物と読み替えても構わない。
また、熱活性化遅延蛍光を示す材料は、単独で逆項間交差により三重項励起状態から一重項励起状態を生成できる材料であっても良いし、励起錯体(エキサイプレックス、またはExciplexともいう)を形成する複数の材料から構成されても良い。
熱活性化遅延蛍光性化合物が、一種類の材料から構成される場合、具体的には、実施の形態1で示した熱活性化遅延蛍光性化合物を用いることができる。
また、熱活性化遅延蛍光性化合物をホスト材料として用いる場合、励起錯体を形成する2種類の化合物を組み合わせて用いることが好ましい。この場合、上記に示した励起錯体を形成する組み合わせである電子を受け取りやすい化合物と、正孔を受け取りやすい化合物とを用いることが特に好ましい。
なお、発光層130、発光層140、及び発光層180は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1に示す構成と異なる構成の発光素子の例について、図6乃至図9を用いて以下に説明する。
<発光素子の構成例1>
図6(A)(B)は、本発明の一態様の発光素子を示す断面図である。なお、図6(A)(B)において、図1に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
図6(A)(B)に示す発光素子260a及び発光素子260bは、基板200側に光を取り出す下面射出(ボトムエミッション)型の発光素子であってもよく、基板200と反対方向に光を取り出す上面射出(トップエミッション)型の発光素子であってもよい。なお、本発明の一態様はこれに限定されず、発光素子が呈する光を基板200の上方および下方の双方に取り出す両面射出(デュアルエミッション)型の発光素子であっても良い。
発光素子260a及び発光素子260bが、ボトムエミッション型である場合、電極101は、光を透過する機能を有することが好ましい。また、電極102は、光を反射する機能を有することが好ましい。あるいは、発光素子260a及び発光素子260bが、トップエミッション型である場合、電極101は、光を反射する機能を有することが好ましい。また、電極102は、光を透過する機能を有することが好ましい。
発光素子260a及び発光素子260bは、基板200上に電極101と、電極102とを有する。また、電極101と電極102との間に、発光層110Bと、発光層110Gと、発光層110Rと、を有する。また、電子注入層112と、電子輸送層113と、正孔輸送層115と、正孔注入層116と、バッファ層117と、バッファ層118と、を有する。
また、発光素子260bは、電極101の構成の一部として、導電層101aと、導電層101a上の導電層101bと、導電層101a下の導電層101cとを有する。すなわち、発光素子260bは、導電層101aが、導電層101bと、導電層101cとで挟持された電極101の構成を有する。
発光素子260bにおいて、導電層101bと、導電層101cとは、異なる材料で形成されてもよく、同じ材料で形成されても良い。導電層101bと、導電層101cとが、同じ導電性材料で形成される場合、電極101の形成過程におけるエッチング工程によるパターン形成が容易になるため好ましい。
なお、発光素子260bにおいて、導電層101bまたは導電層101cにおいて、いずれか一方のみを有する構成としてもよい。
なお、電極101が有する導電層101a、101b、及び101cは、それぞれ実施の形態1で示した電極101または電極102と同様の構成および材料を用いることができる。
図6(A)(B)においては、電極101と電極102とで挟持された領域221B、領域221G、及び領域221R、の間に隔壁145を有する。隔壁145は、絶縁性を有する。隔壁145は、電極101の端部を覆い、該電極と重なる開口部を有する。隔壁145を設けることによって、各領域の基板200上の電極101を、それぞれ島状に分離することが可能となる。
なお、発光層110Bと、発光層110Gとは、隔壁145と重なる領域において、互いに重なる領域を有していてもよい。また、発光層110Gと、発光層110Rとは、隔壁145と重なる領域において、互いに重なる領域を有していてもよい。また、発光層110Rと、発光層110Bとは、隔壁145と重なる領域において、互いに重なる領域を有していてもよい。
隔壁145としては、絶縁性であればよく、無機材料または有機材料を用いて形成される。該無機材料としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等が挙げられる。該有機材料としては、例えば、アクリル樹脂、またはポリイミド樹脂等の感光性の樹脂材料が挙げられる。
なお、酸化窒化シリコン膜とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い膜を指し、好ましくは酸素が55原子%以上65原子%以下、窒素が1原子%以上20原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が0.1原子%以上10原子%以下の範囲で含まれる膜をいう。窒化酸化シリコン膜とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い膜を指し、好ましくは窒素が55原子%以上65原子%以下、酸素が1原子%以上20原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が0.1原子%以上10原子%以下の濃度範囲で含まれる膜をいう。
また、発光層110R、発光層110G、発光層110Bは、それぞれ異なる色を呈する機能を有する発光材料を有することが好ましい。例えば、発光層110Rが赤色を呈する機能を有する発光材料を有することで、領域221Rは赤色の発光を呈し、発光層110Gが緑色を呈する機能を有する発光材料を有することで、領域221Gは緑色の発光を呈し、発光層110Bが青色を呈する機能を有する発光材料を有することで、領域221Bは青色の発光を呈する。このような構成を有する発光素子260aまたは発光素子260bを、表示装置の画素に用いることで、フルカラー表示が可能な表示装置を作製することができる。また、それぞれの発光層の膜厚は、同じであっても良いし、異なっていても良い。
また、バッファ層117及びバッファ層118は、実施の形態1で示したバッファ層117及びバッファ層118の構成を有することが好ましい。そうすることで、発光効率の良好な発光素子及び信頼性が高い発光素子を提供することができる。
なお、発光層110B、発光層110G、発光層110R、のいずれか一つまたは複数の発光層は、2層以上が積層された構成としても良い。
以上のように、実施の形態1で示したバッファ層の構成を有し、該バッファ層を有する発光素子260aまたは発光素子260bを、表示装置の画素に用いることで、発光効率の高い表示装置及び信頼性が高い表示装置を提供することができる。すなわち、発光素子260aまたは発光素子260bを有する表示装置は、消費電力を低減することができる。
なお、光を取り出す電極の光を取り出す方向に、光学素子(例えば、カラーフィルタ、偏光板、反射防止膜等)を設けることで、発光素子260a及び発光素子260bの色純度を向上させることができる。そのため、発光素子260aまたは発光素子260bを有する表示装置の色純度を高めることができる。あるいは、発光素子260a及び発光素子260bの外光反射を低減することができる。そのため、発光素子260aまたは発光素子260bを有する表示装置のコントラスト比を高めることができる。
なお、発光素子260a及び発光素子260bにおける他の構成については、実施の形態1、及び実施の形態2を参酌すればよい。
<発光素子の構成例2>
次に、図6(A)(B)に示す発光素子と異なる構成例について、図7(A)(B)を用いて、以下説明を行う。
図7(A)(B)は、本発明の一態様の発光素子を示す断面図である。なお、図7(A)(B)において、図6(A)(B)に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
図7(A)(B)は、一対の電極間に、発光層を有する発光素子の構成例である。図7(A)に示す発光素子262aは、基板200と反対の方向に光を取り出す上面射出(トップエミッション)型の発光素子、図7(B)に示す発光素子262bは、基板200側に光を取り出す下面射出(ボトムエミッション)型の発光素子である。ただし、本発明の一態様はこれに限定されず、発光素子が呈する光を発光素子が形成される基板200の上方および下方の双方に取り出す両面射出(デュアルエミッション)型であっても良い。
発光素子262a及び発光素子262bは、基板200上に電極101と、電極102と、電極103と、電極104とを有する。また、電極101と電極102との間、及び電極102と電極103との間、及び電極102と電極104との間に、少なくとも発光層130と、発光層140と、電荷発生層とを有する。また、電子注入層112と、電子輸送層113と、正孔輸送層115と、正孔注入層116と、バッファ層117と、電子注入層122と、電子輸送層123と、正孔輸送層115と、正孔注入層116と、バッファ層127と、バッファ層128と、を有する。
また、電極101は、導電層101aと、導電層101a上に接する導電層101bと、を有する。また、電極103は、導電層103aと、導電層103a上に接する導電層103bと、を有する。電極104は、導電層104aと、導電層104a上に接する導電層104bと、を有する。
図7(A)に示す発光素子262a、及び図7(B)に示す発光素子262bは、電極101と電極102とで挟持された領域222B、電極102と電極103とで挟持された領域222G、及び電極102と電極104とで挟持された領域222R、の間に、隔壁145を有する。隔壁145は、絶縁性を有する。隔壁145は、電極101、電極103、及び電極104の端部を覆い、該電極と重なる開口部を有する。隔壁145を設けることによって、各領域の基板200上の該電極を、それぞれ島状に分離することが可能となる。
また、電荷発生層としては、正孔輸送性材料に電子受容体(アクセプター)が添加された材料、または電子輸送性材料に電子供与体(ドナー)が添加された材料により、形成することができる。本実施の形態においては、正孔注入層116が電荷発生層の機能を兼ねることができる。なお、電荷発生層の導電率が一対の電極と同程度に高い場合、電荷発生層によって発生したキャリアが、隣接する画素に流れて、隣接する画素が発光してしまう場合がある。したがって、隣接する画素が不正に発光することを抑制するためには、電荷発生層は、一対の電極よりも導電率が低い材料で形成されると好ましい。
また、発光素子262a及び発光素子262bは、領域222B、領域222G、及び領域222Rから呈される光が取り出される方向に、それぞれ光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rを有する基板220を有する。各領域から呈される光は、各光学素子を介して発光素子外部に射出される。すなわち、領域222Bから呈される光は、光学素子224Bを介して射出され、領域222Gから呈される光は、光学素子224Gを介して射出され、領域222Rから呈される光は、光学素子224Rを介して射出される。
また、光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rは、入射される光から特定の色を呈する光を選択的に透過する機能を有する。例えば、光学素子224Bを介して射出される領域222Bから呈される光は、青色を呈する光となり、光学素子224Gを介して射出される領域222Gから呈される光は、緑色を呈する光となり、光学素子224Rを介して射出される領域222Rから呈される光は、赤色を呈する光となる。
光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rには、例えば、着色層(カラーフィルタともいう)、バンドパスフィルタ、多層膜フィルタなどを適用できる。また、光学素子に色変換素子を適用することができる。色変換素子は、入射される光を、当該光の波長より長い波長の光に変換する光学素子である。色変換素子として、量子ドットを用いる素子であると好適である。量子ドットを用いることにより、表示装置の色再現性を高めることができる。
なお、光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224R上に他の光学素子を一または複数、重ねて設けてもよい。他の光学素子としては、例えば円偏光板や反射防止膜などを設けることができる。円偏光板を、表示装置の発光素子が発する光が取り出される側に設けると、表示装置の外部から入射した光が、表示装置の内部で反射されて、外部に射出される現象を防ぐことができる。また、反射防止膜を設けると、表示装置の表面で反射される外光を弱めることができる。これにより、表示装置が発する発光を、鮮明に観察できる。
なお、図7(A)(B)において、各光学素子を介して各領域から射出される光を、青色(B)を呈する光、緑色(G)を呈する光、赤色(R)を呈する光、として、それぞれ破線の矢印で模式的に図示している。
また、各光学素子の間には、遮光層223を有する。遮光層223は、隣接する領域から発せられる光を遮光する機能を有する。なお、遮光層223を設けない構成としても良い。
遮光層223としては、外光の反射を抑制する機能を有する。または、遮光層223としては、隣接する発光素子から発せられる光の混色を防ぐ機能を有する。遮光層223としては、金属、黒色顔料を含んだ樹脂、カーボンブラック、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等を用いることができる。
なお、光学素子224Bと、光学素子224Gとは、遮光層223と重なる領域において、互いに重なる領域を有していても良い。あるいは、光学素子224Gと、光学素子224Rとは、遮光層223と重なる領域において、互いに重なる領域を有していても良い。あるいは、光学素子224Rと、光学素子224Bとは、遮光層223と重なる領域において、互いに重なる領域を有していても良い。
また、基板200、及び光学素子を有する基板220の構成としては、実施の形態1を参酌すればよい。
さらに、発光素子262a及び発光素子262bは、マイクロキャビティ構造を有する。
≪マイクロキャビティ構造≫
発光層130、及び発光層140から射出される光は、一対の電極(例えば、電極101と電極102)の間で共振される。また、発光層130及び発光層140は、射出される光のうち所望の波長の光が強まる位置に形成される。例えば、電極101の反射領域から発光層130の発光領域までの光学距離と、電極102の反射領域から発光層130の発光領域までの光学距離と、を調整することにより、発光層130から射出される光のうち所望の波長の光を強めることができる。また、電極101の反射領域から発光層140の発光領域までの光学距離と、電極102の反射領域から発光層140の発光領域までの光学距離と、を調整することにより、発光層140から射出される光のうち所望の波長の光を強めることができる。すなわち、複数の発光層(ここでは、発光層130及び発光層140)を積層する発光素子の場合、発光層130及び発光層140のそれぞれの光学距離を最適化することが好ましい。
また、発光素子262a及び発光素子262bにおいては、各領域で導電層(導電層101b、導電層103b、及び導電層104b)の厚さを調整することで、発光層130及び発光層140から呈される光のうち所望の波長の光を強めることができる。なお、各領域で正孔注入層116または正孔輸送層115のうち少なくとも一つ、あるいは電子注入層112または電子輸送層113のうち少なくとも一つ、の厚さを異ならせることで、発光層130及び発光層140から呈される光を強めても良い。
例えば、電極101乃至電極104において、光を反射する機能を有する導電性材料の屈折率が、発光層130または発光層140の屈折率よりも小さい場合においては、電極101が有する導電層101bの膜厚を、電極101と電極102との間の光学距離がmBλB/2(mBは自然数、λBは領域222Bで強める光の波長を、それぞれ表す)となるよう調整する。同様に、電極103が有する導電層103bの膜厚を、電極103と電極102との間の光学距離がmGλG/2(mGは自然数、λGは領域222Gで強める光の波長を、それぞれ表す)となるよう調整する。さらに、電極104が有する導電層104bの膜厚を、電極104と電極102との間の光学距離がmRλR/2(mRは自然数、λRは領域222Rで強める光の波長を、それぞれ表す)となるよう調整する。
なお、電極101乃至電極104の反射領域を厳密に決定することが困難な場合、電極101乃至電極104の任意の領域を反射領域と仮定することで、発光層130または発光層140から射出される光を強める光学距離を導出してもよい。また、発光層130および発光層140の発光領域を厳密に決定することは困難な場合、発光層130および発光層140の任意の領域を発光領域と仮定することで、発光層130および発光層140から射出される光を強める光学距離を導出してもよい。
上記のように、マイクロキャビティ構造を設け、各領域の一対の電極間の光学距離を調整することで、各電極近傍における光の散乱および光の吸収を抑制し、高い光取り出し効率を実現することができる。
なお、上記構成においては、導電層101b、導電層103b、導電層104bは、光を透過する機能を有することが好ましい。また、導電層101b、導電層103b、導電層104b、を構成する材料は、互いに同じであっても良いし、異なっていても良い。導電層101b、導電層103b、及び導電層104bに同じ材料を用いる場合、電極101、電極103、電極104の形成過程におけるエッチング工程によるパターン形成が容易になるため好ましい。また、導電層101b、導電層103b、導電層104bは、それぞれ2層以上の層が積層された構成であっても良い。
なお、図7(A)に示す発光素子262a、上面射出型の発光素子であるため、導電層101a、導電層103a、及び導電層104aは、光を反射する機能を有することが好ましい。また、電極102は、光を透過する機能と、光を反射する機能とを有することが好ましい。
また、図7(B)に示す発光素子262bは、下面射出型の発光素子であるため、導電層101a、導電層103a、導電層104aは、光を透過する機能と、光を反射する機能と、を有することが好ましい。また、電極102は、光を反射する機能を有することが好ましい。
また、発光素子262a及び発光素子262bにおいて、導電層101a、導電層103a、または導電層104a、に同じ材料を用いても良いし、異なる材料を用いても良い。導電層101a、導電層103a、導電層104a、に同じ材料を用いる場合、発光素子262a及び発光素子262bの製造コストを低減できる。なお、導電層101a、導電層103a、導電層104aは、それぞれ2層以上の層が積層された構成であっても良い。
また、発光素子262a及び発光素子262bにおけるバッファ層117、バッファ層127、及びバッファ層128には、実施の形態1で示したバッファ層117、バッファ層127、及びバッファ層128の構成を用いることが好ましい。そうすることで、高い発光効率を示す発光素子及び高い信頼性を示す発光素子を提供することができる。
また、発光層130及び発光層140は、例えば発光層140a及び発光層140bのように、一方または双方で2層が積層された構成としてもよい。2層の発光層に、第1の化合物及び第2の化合物という、異なる色を呈する機能を有する2種類の発光材料をそれぞれ用いることで、複数の発光を同時に得ることができる。特に発光層130と、発光層140と、が呈する発光により、白色となるよう、各発光層に用いる発光材料を選択すると好ましい。
また、発光層130または発光層140は、一方または双方で3層以上が積層された構成としても良く、発光材料を有さない層が含まれていても良い。
以上のように、実施の形態1で示したバッファ層の構成を有する発光素子262aまたは発光素子262bを、表示装置の画素に用いることで、発光効率の高い表示装置及び信頼性が高い表示装置を提供することができる。すなわち、発光素子262aまたは発光素子262bを有する表示装置は、消費電力を低減することができる。
なお、発光素子262a及び発光素子262bにおける他の構成については、発光素子260aまたは発光素子260b、あるいは実施の形態1で示した発光素子の構成を参酌すればよい。
<発光素子の作製方法>
次に、本発明の一態様の発光素子の作製方法について、図8及び図9を用いて以下説明を行う。なお、ここでは、図7(A)に示す発光素子262aの作製方法について説明する。
図8及び図9は、本発明の一態様の発光素子の作製方法を説明するための断面図である。
以下で説明する発光素子262aの作製方法は、第1乃至第7の7つのステップを有する。
≪第1のステップ≫
第1のステップは、発光素子の電極(具体的には、電極101を構成する導電層101a、電極103を構成する導電層103a、及び電極104を構成する導電層104a)を、基板200上に形成する工程である(図8(A)参照)。
本実施の形態においては、基板200上に、光を反射する機能を有する導電層を形成し、該導電層を所望の形状に加工することで、導電層101a、導電層103a、及び導電層104aを形成する。上記光を反射する機能を有する導電層としては、銀とパラジウムと銅の合金膜(Ag−Pd−Cu膜、またはAPCともいう)を用いる。このように、導電層101a、導電層103a、及び導電層104aを、同一の導電層を加工する工程を経て形成することで、製造コストを安くすることができるため好適である。
なお、第1のステップの前に、基板200上に複数のトランジスタを形成してもよい。また、該複数のトランジスタと、導電層101a、導電層103a、及び導電層104aとを、それぞれ電気的に接続させてもよい。
≪第2のステップ≫
第2のステップは、電極101を構成する導電層101a上に光を透過する機能を有する導電層101bを、電極103を構成する導電層103a上に光を透過する機能を有する導電層103bを、電極104を構成する導電層104a上に光を透過する機能を有する導電層104bを、形成する工程である(図8(B)参照)
本実施の形態においては、光を反射する機能を有する導電層101a、103a、及び104a、の上にそれぞれ、光を透過する機能を有する導電層101b、103b、及び104bを形成することで、電極101、電極103、及び電極104を形成する。上記の導電層101b、103b、及び104bとしては、ITSO膜を用いる。
なお、光を透過する機能を有する導電層101b、103b、及び104bは、複数回に分けて形成してもよい。複数回に分けて形成することで、各領域で適したマイクロキャビティ構造となる膜厚で、導電層101b、103b、及び104bを形成することができる。
≪第3のステップ≫
第3のステップは、発光素子の各電極の端部を覆う隔壁145を形成する工程である(図8(C)参照)。
隔壁145は、電極と重なるように開口部を有する。該開口部によって露出する導電膜が発光素子の陰極として機能する。本実施の形態では、隔壁145として、ポリイミド樹脂を用いる。
なお、第1乃至第3のステップにおいては、EL層(有機化合物を含む層)を損傷するおそれがないため、さまざまな成膜方法及び微細加工技術を適用できる。本実施の形態では、スパッタリング法を用いて反射性の導電層を成膜し、リソグラフィ法を用いて、該導電層にパターンを形成し、その後ドライエッチング法またはウエットエッチング法を用いて、該導電層を島状に加工することで、電極101を構成する導電層101a、電極103を構成する導電層103a、及び電極104を構成する導電層104a、を形成する。その後、スパッタリング法を用いて透明性を有する導電膜を成膜し、リソグラフィ法を用いて、該透明性を有する導電膜にパターンを形成し、その後ウエットエッチング法を用いて、該透明導電膜を島状に加工して、電極101、電極103、及び電極104を形成する。
≪第4のステップ≫
第4のステップは、電子注入層112、電子輸送層113、発光層130、正孔輸送層115、正孔注入層116、及びバッファ層117を形成する工程である(図9(A)参照)。
電子注入層112としては、電子注入性の高い物質を蒸着することで形成することができる。また、電子輸送層113としては、電子輸送性の高い物質を蒸着することで形成することができる。
発光層130としては、紫色、青色、青緑色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、または赤色の中から選ばれる少なくとも一つの発光を呈するゲスト材料を蒸着することで形成することができる。ゲスト材料としては、蛍光または燐光を呈する発光性の有機化合物を用いることができる。また、発光層130として、2層の構成としてもよい。その場合、2層の発光層は、それぞれ互いに異なる発光色を呈する発光性の有機化合物を有することが好ましい。
正孔輸送層115としては、正孔輸送性材料を蒸着することで形成することができる。また、電荷発生層を兼ねる正孔注入層116としては、正孔輸送性材料とアクセプター性物質を含む材料とを共蒸着することで形成することができる。なお、共蒸着とは、異なる複数の物質をそれぞれ異なる蒸発源から同時に蒸発させる蒸着法である。
バッファ層117としては、電子輸送性の高い物資を蒸着することで形成することができる。なお、実施の形態1で示したバッファ層117の構成を用いることが好ましい。
≪第5のステップ≫
第5のステップは、電子注入層122、電子輸送層123、発光層140、正孔輸送層125、正孔注入層126、バッファ層127、バッファ層128、及び電極102を形成する工程である(図9(B)参照)。
電子注入層122としては、先に示す電子注入層112と同様の材料及び同様の方法により形成することができる。また、電子輸送層123としては、先に示す電子輸送層113と同様の材料及び同様の方法により形成することができる。
発光層140としては、紫色、青色、青緑色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、または赤色の中から選ばれる少なくともいずれか一つの発光を呈するゲスト材料を蒸着することで形成することができる。ゲスト材料としては、蛍光または燐光を呈する発光性の有機化合物を用いることができる。また、発光層130及び発光層140は、互いに異なる発光を呈する機能を有する発光性の有機化合物を有すると好ましい。
正孔輸送層125としては、先に示す正孔輸送層115と同様の材料及び同様の方法により形成することができる。また、正孔注入層126としては、先に示す正孔注入層116と同様の材料及び同様の方法により形成することができる。
バッファ層127としては、先に示すバッファ層117と同様の材料及び同様の方法により形成することができる。また、バッファ層128としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらを含む化合物を蒸着することで形成することができる。なお、実施の形態1で示したバッファ層118の構成を用いることが好ましい。
電極102としては、反射性を有する導電膜と、透光性を有する導電膜を積層することで形成することができる。また、電極102としては、単層構造、または積層構造としてもよい。
上記工程を経て、電極101、電極103、及び電極104上に、それぞれ領域222B、領域222G、及び領域222Rを有する発光素子が基板200上に形成される。
≪第6のステップ≫
第6のステップは、基板220上に遮光層223、光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rを形成する工程である(図9(C)参照)。
遮光層223としては、黒色顔料の含んだ樹脂膜を所望の領域に形成する。その後、基板220及び遮光層223上に、光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rを形成する。光学素子224Bとしては、青色顔料の含んだ樹脂膜を所望の領域に形成する。また、光学素子224Gとしては、緑色顔料の含んだ樹脂膜を所望の領域に形成する。また、光学素子224Rとしては、赤色顔料の含んだ樹脂膜を所望の領域に形成する。
≪第7のステップ≫
第7のステップは、基板200上に形成された発光素子と、基板220上に形成された遮光層223、光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rと、を貼り合わせ、シール材を用いて封止する工程である(図示しない)。
以上の工程により、図7(A)に示す発光素子262aを形成することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を有する表示装置について、図10乃至図20を用いて説明する。
<表示装置の構成例1>
図10(A)は表示装置600を示す上面図、図10(B)は図10(A)の一点鎖線A−B、及び一点鎖線C−Dで切断した断面図である。表示装置600は、駆動回路部(信号線駆動回路部601、及び走査線駆動回路部603)、並びに画素部602を有する。なお、信号線駆動回路部601、走査線駆動回路部603、及び画素部602は、発光素子の発光を制御する機能を有する。
また、表示装置600は、素子基板610と、封止基板604と、シール材605と、シール材605で囲まれた領域607と、引き回し配線608と、FPC609と、を有する。
なお、引き回し配線608は、信号線駆動回路部601及び走査線駆動回路部603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPC609しか図示されていないが、FPC609にはプリント配線基板(PWB:Printed Wiring Board)が取り付けられていても良い。
また、信号線駆動回路部601は、Nチャネル型のトランジスタ623とPチャネル型のトランジスタ624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。なお、信号線駆動回路部601または走査線駆動回路部603は、種々のCMOS回路、PMOS回路、またはNMOS回路を用いることが出来る。また、本実施の形態では、基板上に駆動回路部を形成したドライバと画素とを同一の表面上に設けた表示装置を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路部を基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部602は、スイッチング用のトランジスタ611と、電流制御用のトランジスタ612と、電流制御用のトランジスタ612のドレインに電気的に接続された下部電極613と、を有する。なお、下部電極613の端部を覆って隔壁614が形成されている。隔壁614としては、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることができる。
また、被覆性を良好にするため、隔壁614の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、隔壁614の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、隔壁614の上端部のみに曲率半径(0.2μm以上3μm以下)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、隔壁614として、ネガ型の感光性樹脂、またはポジ型の感光性樹脂のいずれも使用することができる。
なお、トランジスタ(トランジスタ611、612、623、624)の構造は、特に限定されない。例えば、スタガ型のトランジスタを用いてもよい。また、トランジスタの極性についても特に限定はなく、Nチャネル型およびPチャネル型のトランジスタを有する構造、及びNチャネル型のトランジスタまたはPチャネル型のトランジスタのいずれか一方のみからなる構造を用いてもよい。また、トランジスタに用いられる半導体膜の結晶性についても特に限定はない。例えば、非晶質半導体膜、結晶性半導体膜を用いることができる。また、半導体材料としては、14族(ケイ素等)半導体、化合物半導体(酸化物半導体を含む)、有機半導体等を用いることができる。トランジスタとしては、例えば、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、さらに好ましくは3eV以上の酸化物半導体を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができるため好ましい。該酸化物半導体としては、In−Ga酸化物、In−M−Zn酸化物(Mは、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、錫(Sn)、ハフニウム(Hf)、またはネオジム(Nd)を表す)等が挙げられる。
下部電極613上には、EL層616、および上部電極617がそれぞれ形成されている。なお、下部電極613は、陰極として機能し、上部電極617は、陽極として機能する。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法(真空蒸着法を含む)、液滴吐出法(インクジェット法ともいう)、スピンコート法等の塗布法、グラビア印刷法等の種々の方法によって形成される。また、EL層616を構成する材料としては、低分子化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)であっても良い。
なお、下部電極613、EL層616、及び上部電極617により、発光素子618が形成される。発光素子618は、実施の形態1乃至実施の形態3の構成を有する発光素子であると好ましい。なお、画素部に複数の発光素子が形成される場合、実施の形態1乃至実施の形態3に記載の発光素子と、それ以外の構成を有する発光素子の両方が含まれていても良い。
また、シール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた領域607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、領域607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材605に用いることができる紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂で充填される場合もあり、例えば、PVC(ポリビニルクロライド)系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)系樹脂、またはEVA(エチレンビニルアセテート)系樹脂を用いることができる。封止基板には凹部を形成し、そこに乾燥剤を設けると水分の影響による劣化を抑制することができ、好ましい構成である。
また、発光素子618と互いに重なるように、光学素子621が封止基板604の下方に設けられる。また、封止基板604の下方には、遮光層622が設けられる。光学素子621及び遮光層622としては、それぞれ、実施の形態3に示す光学素子、及び遮光層と同様の構成とすればよい。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しにくい材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
≪液滴吐出法による発光素子の形成方法≫
ここで、液滴吐出法を用いてEL層616を形成する方法について、図19を用いて説明する。図19(A)乃至図19(D)は、EL層616の作製方法を説明する断面図である。
まず、図19(A)においては、下部電極613及び隔壁614が形成された素子基板610を図示しているが、図10(B)のように絶縁膜上に下部電極613及び隔壁614が形成された基板を用いてもよい。
次に、隔壁614の開口部である下部電極613の露出部に、液滴吐出装置683より液滴684を吐出し、組成物を含む層685を形成する。液滴684は、溶媒を含む組成物であり、下部電極613上に付着する(図19(B)参照)。
なお、液滴684を吐出する工程を減圧下で行ってもよい。
次に、組成物を含む層685より溶媒を除去し、固化することによってEL層616を形成する(図19(C)参照)。
なお、溶媒の除去方法としては、乾燥工程または加熱工程を行えばよい。
次に、EL層616上に上部電極617を形成し、発光素子618を形成する(図19(D)参照)。
このようにEL層616を液滴吐出法で行うと、選択的に組成物を吐出することができるため、材料のロスを削減することができる。また、形状を加工するためのリソグラフィ工程なども必要ないために工程も簡略化することができ、低コスト化が達成できる。
なお、図19においては、EL層616を一層で形成する工程を説明したが、EL層616が発光層に加えて機能層を有する場合、各層を下部電極613側から順に形成していけばよい。このとき、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、及び正孔注入層を液滴吐出法を用いて形成してもよく、電子注入層、電子輸送層、及び発光層を液滴吐出法を用いて形成し、正孔輸送層及び正孔注入層を蒸着法等にて形成してもよい。また、発光層を液滴吐出法と蒸着法等とで形成してもよい。
発光層としては、紫色、青色、青緑色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、または赤色の中から選ばれる少なくとも一つの発光を呈する高分子化合物または低分子化合物によって形成することができる。高分子化合物および低分子化合物としては、蛍光または燐光を呈する発光性の有機化合物を用いることができる。高分子化合物および低分子化合物は、溶媒に溶解させることで、液滴吐出法やスピンコート法等の塗布法により形成することができる。また、発光層の形成後に、大気雰囲気下または窒素などの不活性気体雰囲気下で、加熱処理を行ってもよい。なお、蛍光性または燐光性の有機化合物をゲスト材料とし、ゲスト材料より励起エネルギーが大きな高分子化合物または低分子化合物に該ゲスト材料を分散してもよい。また、該発光性の有機化合物は、単独で成膜してもよいが、他の物質と混合して成膜してもよい。また、発光層として、2層の構成としてもよい。その場合、2層の発光層は、それぞれ互いに異なる発光色を呈する発光性の有機化合物を有することが好ましい。また、発光層に低分子化合物を用いる場合、蒸着法を用いて形成することができる。
なお、上記説明した液滴吐出法とは、組成物の吐出口を有するノズル、または一つもしくは複数のノズルを有するヘッド等の液滴を吐出する手段を有するものの総称とする。
≪液滴吐出装置≫
次に、液滴吐出法に用いる液滴吐出装置について、図20を用いて説明する。図20は、液滴吐出装置1400を説明する概念図である。
液滴吐出装置1400は、液滴吐出手段1403を有する。また、液滴吐出手段1403は、ヘッド1405と、ヘッド1412とを有する。
ヘッド1405、及びヘッド1412は制御手段1407に接続され、それがコンピュータ1410で制御することにより予めプログラミングされたパターンに描画することができる。
また、描画するタイミングとしては、例えば、基板1402上に形成されたマーカー1411を基準に行えば良い。あるいは、基板1402の外縁を基準にして基準点を確定させても良い。ここでは、マーカー1411を撮像手段1404で検出し、画像処理手段1409にてデジタル信号に変換したものをコンピュータ1410で認識して制御信号を発生させて制御手段1407に送る。
撮像手段1404としては、電荷結合素子(CCD)や相補型金属酸化物半導体(CMOS)を利用したイメージセンサなどを用いることができる。なお、基板1402上に形成されるべきパターンの情報は記憶媒体1408に格納されており、この情報を基にして制御手段1407に制御信号を送り、液滴吐出手段1403の個々のヘッド1405、ヘッド1412を個別に制御することができる。吐出する材料は、材料供給源1413、材料供給源1414より配管を通してヘッド1405、ヘッド1412にそれぞれ供給される。
ヘッド1405の内部は、点線が示すように液状の材料を充填する空間1406と、吐出口であるノズルを有する構造となっている。図示しないが、ヘッド1412もヘッド1405と同様な内部構造を有する。ヘッド1405とヘッド1412のノズルを異なるサイズで設けると、異なる材料を異なる幅で同時に描画することができる。一つのヘッドで、複数種の発光材料などをそれぞれ吐出し、描画することができ、広領域に描画する場合は、スループットを向上させるため複数のノズルより同材料を同時に吐出し、描画することができる。大型基板を用いる場合、ヘッド1405、ヘッド1412は基板上を、図20中に示すX、Y、Zの矢印の方向に自在に走査し、描画する領域を自由に設定することができ、同じパターンを一枚の基板に複数描画することができる。
また、組成物を吐出する工程は、減圧下で行ってもよい。吐出時に基板を加熱しておいてもよい。組成物を吐出後、乾燥と焼成の一方又は両方の工程を行う。乾燥と焼成の工程は、両工程とも加熱処理の工程であるが、その目的、温度と時間が異なる。乾燥の工程、焼成の工程は、常圧下又は減圧下で、レーザ光の照射や瞬間熱アニール、加熱炉などにより行う。なお、この加熱処理を行うタイミング、加熱処理の回数は特に限定されない。乾燥と焼成の工程を良好に行うためには、そのときの温度は、基板の材質及び組成物の性質に依存する。
以上のように、液滴吐出装置を用いてEL層616を作製することができる。
以上のようにして、実施の形態1乃至実施の形態3に記載の発光素子及び光学素子を有する表示装置を得ることができる。
<表示装置の構成例2>
次に、表示装置の別の一例について、図11(A)(B)及び図12を用いて説明を行う。なお、図11(A)(B)及び図12は、本発明の一態様の表示装置の断面図である。
図11(A)には基板1001、下地絶縁膜1002、ゲート絶縁膜1003、ゲート電極1006、1007、1008、第1の層間絶縁膜1020、第2の層間絶縁膜1021、周辺部1042、画素部1040、駆動回路部1041、発光素子の下部電極1024R、1024G、1024B、隔壁1025、EL層1028、発光素子の上部電極1026、封止層1029、封止基板1031、シール材1032などが図示されている。
また、図11(A)では、光学素子の一例として、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、及び青色の着色層1034B)を透明な基材1033に設けている。また、遮光層1035をさらに設けても良い。着色層及び遮光層が設けられた透明な基材1033は、位置合わせし、基板1001に固定する。なお、着色層、及び遮光層は、オーバーコート層1036で覆われている。また、図11(A)においては、着色層を透過する光は赤、緑、青となることから、3色の画素で映像を表現することができる。
図11(B)では、光学素子の一例として、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)をゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間に形成する例を示している。このように、着色層は基板1001と封止基板1031の間に設けられていても良い。
図12では、光学素子の一例として、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を第1の層間絶縁膜1020と第2の層間絶縁膜1021との間に形成する例を示している。このように、着色層は基板1001と封止基板1031の間に設けられていても良い。
また、以上に説明した表示装置では、トランジスタが形成されている基板1001側に光を取り出す構造(ボトムエミッション型)の表示装置としたが、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の表示装置としても良い。
<表示装置の構成例3>
トップエミッション型の表示装置の断面図の一例を図13(A)(B)に示す。図13(A)(B)は、本発明の一態様の表示装置を説明する断面図であり、図11(A)(B)及び図12に示す駆動回路部1041、周辺部1042等を省略して例示している。
この場合、基板1001は光を通さない基板を用いることができる。トランジスタと発光素子の陰極とを接続する接続電極を作製するまでは、ボトムエミッション型の表示装置と同様に形成する。その後、電極1022を覆うように、第3の層間絶縁膜1037を形成する。この絶縁膜は平坦化の役割を担っていても良い。第3の層間絶縁膜1037は第2の層間絶縁膜と同様の材料の他、他の様々な材料を用いて形成することができる。
発光素子の下部電極1024R、1024G、1024Bはここでは陰極とするが、陽極であっても構わない。また、図13(A)(B)のようなトップエミッション型の表示装置である場合、下部電極1024R、1024G、1024Bは光を反射する機能を有することが好ましい。また、EL層1028上に上部電極1026が設けられる。上部電極1026は光を反射する機能と、光を透過する機能を有し、下部電極1024R、1024G、1024Bと、上部電極1026との間で、マイクロキャビティ構造を採用し、特定波長における光強度を増加させると好ましい。
図13(A)のようなトップエミッションの構造では、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、及び青色の着色層1034B)を設けた封止基板1031で封止を行うことができる。封止基板1031には画素と画素との間に位置するように遮光層1035を設けても良い。なお、封止基板1031は透光性を有する基板を用いると好適である。
また、図13(A)においては、複数の発光素子と、該複数の発光素子にそれぞれ着色層を設ける構成を例示したが、これに限定されない。例えば、図13(B)に示すように、緑色の着色層を設けずに、赤色の着色層1034R、及び青色の着色層1034Bを設けて、赤、緑、青の3色でフルカラー表示を行う構成としてもよい。図13(A)に示すように、発光素子と、該発光素子にそれぞれ着色層を設ける構成とした場合、外光反射を抑制できるといった効果を奏する。一方で、図13(B)に示すように、発光素子に、緑色の着色層を設けずに、赤色の着色層、及び青色の着色層を設ける構成とした場合、緑色の発光素子から射出された光のエネルギー損失が少ないため、消費電力を低くできるといった効果を奏する。
<表示装置の構成例4>
以上に示す表示装置は、3色(赤色、緑色、青色)の副画素を有する構成を示したが、4色(赤色、緑色、青色、黄色、あるいは赤色、緑色、青色、白色)の副画素を有する構成としてもよい。図14乃至図16は、下部電極1024R、1024G、1024B、及び1024Yを有する表示装置の構成である。図14(A)(B)及び図15は、トランジスタが形成されている基板1001側に光を取り出す構造(ボトムエミッション型)の表示装置であり、図16(A)(B)は、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の表示装置である。
図14(A)は、光学素子(着色層1034R、着色層1034G、着色層1034B、着色層1034Y)を透明な基材1033に設ける表示装置の例である。また、図14(B)は、光学素子(着色層1034R、着色層1034G、着色層1034B、着色層1034Y)をゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間に形成する表示装置の例である。また、図15は、光学素子(着色層1034R、着色層1034G、着色層1034B、着色層1034Y)を第1の層間絶縁膜1020と第2の層間絶縁膜1021との間に形成する表示装置の例である。
着色層1034Rは赤色の光を透過し、着色層1034Gは緑色の光を透過し、着色層1034Bは青色の光を透過する機能を有する。また、着色層1034Yは黄色の光を透過する機能、あるいは青色、緑色、黄色、赤色の中から選ばれる複数の光を透過する機能を有する。着色層1034Yが青色、緑色、黄色、赤色の中から選ばれる複数の光を透過する機能を有するとき、着色層1034Yを透過した光は白色であってもよい。黄色あるいは白色の発光を呈する発光素子は発光効率が高いため、着色層1034Yを有する表示装置は、消費電力を低減することができる。
また、図16に示すトップエミッション型の表示装置においては、下部電極1024Yを有する発光素子においても、図13(A)の表示装置と同様に、上部電極1026との間で、マイクロキャビティ構造を有する構成が好ましい。また、図16(A)の表示装置では、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B、及び黄色の着色層1034Y)を設けた封止基板1031で封止を行うことができる。
マイクロキャビティ、及び黄色の着色層1034Yを介して呈される発光は、黄色の領域に発光スペクトルを有する発光となる。黄色は視感度が高い色であるため、黄色の発光を呈する発光素子は発光効率が高い。すなわち、図16(A)の構成を有する表示装置は、消費電力を低減することができる。
また、図16(A)においては、複数の発光素子と、該複数の発光素子にそれぞれ着色層を設ける構成を例示したが、これに限定されない。例えば、図16(B)に示すように、黄色の着色層を設けずに、赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、及び青色の着色層1034Bを設けて、赤、緑、青、黄の4色、または赤、緑、青、白の4色でフルカラー表示を行う構成としてもよい。図16(A)に示すように、発光素子と、該発光素子にそれぞれ着色層を設ける構成とした場合、外光反射を抑制できるといった効果を奏する。一方で、図16(B)に示すように、発光素子に、黄色の着色層を設けずに、赤色の着色層、緑色の着色層、及び青色の着色層を設ける構成とした場合、黄色または白色の発光素子から射出された光のエネルギー損失が少ないため、消費電力を低くできるといった効果を奏する。
<表示装置の構成例5>
次に、本発明の他の一態様の表示装置について、図17に示す。図17は、図10(A)の一点鎖線A−B、及び一点鎖線C−Dで切断した断面図である。なお、図17において、図10(B)に示す符号と同様の機能を有する箇所には同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図17に示す表示装置600は、素子基板610、封止基板604、及びシール材605で囲まれた領域607に、封止層607a、封止層607b、封止層607cを有する。封止層607a、封止層607b、封止層607cのいずれか一つまたは複数には、例えば、PVC(ポリビニルクロライド)系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)系樹脂、またはEVA(エチレンビニルアセテート)系樹脂等の樹脂を用いることができる。また、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等の無機材料を用いてもよい。封止層607a、封止層607b、封止層607cを形成することで、水などの不純物による発光素子618の劣化を抑制することができ好ましい。なお、封止層607a、封止層607b、封止層607cを形成する場合、シール材605を設けなくてもよい。
また、封止層607a、封止層607b、封止層607cは、いずれか一つまたは二つであってもよく、4つ以上の封止層が形成されてもよい。封止層を多層にすることで、水などの不純物が、表示装置600の外部から表示装置内部の発光素子618まで侵入するのを効果的に防ぐことができるため好ましい。なお、封止層が多層の場合、樹脂と無機材料とを積層させると好ましい構成である。
<表示装置の構成例6>
また、本実施の形態における構成例1乃至構成例4に示す表示装置は、光学素子を有する構成を例示したが、本発明の一態様としては、光学素子を設けなくてもよい。
図18(A)(B)に示す表示装置は、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の表示装置である。図18(A)は、発光層1028R、発光層1028G、発光層1028B、を有する表示装置の例である。また、図18(B)は、発光層1028R、発光層1028G、発光層1028B、発光層1028Y、を有する表示装置の例である。
発光層1028Rは、赤色の発光を呈し、発光層1028Gは、緑色の発光を呈し、発光層1028Bは、青色の発光を呈する機能を有する。また、発光層1028Yは、黄色の発光を呈する機能、または青色、緑色、赤色の中から選ばれる複数の発光を呈する機能を有する。発光層1028Yが呈する発光は、白色であってもよい。黄色あるいは白色の発光を呈する発光素子は発光効率が高いため、発光層1028Yを有する表示装置は、消費電力を低減することができる。
図18(A)及び図18(B)に示す表示装置は、異なる色の発光を呈するEL層を副画素に有するため、光学素子となる着色層を設けなくてもよい。
また、封止層1029は、例えば、PVC(ポリビニルクロライド)系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)系樹脂、またはEVA(エチレンビニルアセテート)系樹脂等の樹脂を用いることができる。また、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等の無機材料を用いてもよい。封止層1029を形成することで、水などの不純物による発光素子の劣化を抑制することができ好ましい。
また、封止層1029は、いずれか一つまたは二つであってもよく、4つ以上の封止層が形成されてもよい。封止層を多層にすることで、水などの不純物が、表示装置の外部から表示装置内部まで侵入するのを効果的に防ぐことができるため好ましい。なお、封止層が多層の場合、樹脂と無機材料とを積層させると好ましい構成である。
なお、封止基板1031は、発光素子を保護する機能を有するものであればよい。そのため、封止基板1031には、可撓性を有する基板やフィルムを用いることができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態や本実施の形態中の他の構成と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を有する表示装置について、図21を用いて説明を行う。
なお、図21(A)は、本発明の一態様の表示装置を説明するブロック図であり、図21(B)は、本発明の一態様の表示装置が有する画素回路を説明する回路図である。
<表示装置に関する説明>
図21(A)に示す表示装置は、表示素子の画素を有する領域(以下、画素部802という)と、画素部802の外側に配置され、画素を駆動するための回路を有する回路部(以下、駆動回路部804という)と、素子の保護機能を有する回路(以下、保護回路806という)と、端子部807と、を有する。なお、保護回路806は、設けない構成としてもよい。
駆動回路部804の一部、または全部は、画素部802と同一基板上に形成されていることが望ましい。これにより、部品数や端子数を減らすことが出来る。駆動回路部804の一部、または全部が、画素部802と同一基板上に形成されていない場合には、駆動回路部804の一部、または全部は、COGやTAB(Tape Automated Bonding)によって、実装することができる。
画素部802は、X行(Xは2以上の自然数)Y列(Yは2以上の自然数)に配置された複数の表示素子を駆動するための回路(以下、画素回路801という)を有し、駆動回路部804は、画素を選択する信号(走査信号)を出力する回路(以下、走査線駆動回路804aという)、画素の表示素子を駆動するための信号(データ信号)を供給するための回路(以下、信号線駆動回路804b)などの駆動回路を有する。
走査線駆動回路804aは、シフトレジスタ等を有する。走査線駆動回路804aは、端子部807を介して、シフトレジスタを駆動するための信号が入力され、信号を出力する。例えば、走査線駆動回路804aは、スタートパルス信号、クロック信号等が入力され、パルス信号を出力する。走査線駆動回路804aは、走査信号が与えられる配線(以下、走査線GL_1乃至GL_Xという)の電位を制御する機能を有する。なお、走査線駆動回路804aを複数設け、複数の走査線駆動回路804aにより、走査線GL_1乃至GL_Xを分割して制御してもよい。または、走査線駆動回路804aは、初期化信号を供給することができる機能を有する。ただし、これに限定されず、走査線駆動回路804aは、別の信号を供給することも可能である。
信号線駆動回路804bは、シフトレジスタ等を有する。信号線駆動回路804bは、端子部807を介して、シフトレジスタを駆動するための信号の他、データ信号の元となる信号(画像信号)が入力される。信号線駆動回路804bは、画像信号を元に画素回路801に書き込むデータ信号を生成する機能を有する。また、信号線駆動回路804bは、スタートパルス、クロック信号等が入力されて得られるパルス信号に従って、データ信号の出力を制御する機能を有する。また、信号線駆動回路804bは、データ信号が与えられる配線(以下、データ線DL_1乃至DL_Yという)の電位を制御する機能を有する。または、信号線駆動回路804bは、初期化信号を供給することができる機能を有する。ただし、これに限定されず、信号線駆動回路804bは、別の信号を供給することも可能である。
信号線駆動回路804bは、例えば複数のアナログスイッチなどを用いて構成される。信号線駆動回路804bは、複数のアナログスイッチを順次オン状態にすることにより、画像信号を時分割した信号をデータ信号として出力できる。また、シフトレジスタなどを用いて信号線駆動回路804bを構成してもよい。
複数の画素回路801のそれぞれは、走査信号が与えられる複数の走査線GLの一つを介してパルス信号が入力され、データ信号が与えられる複数のデータ線DLの一つを介してデータ信号が入力される。また、複数の画素回路801のそれぞれは、走査線駆動回路804aによりデータ信号のデータの書き込み及び保持が制御される。例えば、m行n列目の画素回路801は、走査線GL_m(mはX以下の自然数)を介して走査線駆動回路804aからパルス信号が入力され、走査線GL_mの電位に応じてデータ線DL_n(nはY以下の自然数)を介して信号線駆動回路804bからデータ信号が入力される。
図21(A)に示す保護回路806は、例えば、走査線駆動回路804aと画素回路801の間の配線である走査線GLに接続される。または、保護回路806は、信号線駆動回路804bと画素回路801の間の配線であるデータ線DLに接続される。または、保護回路806は、走査線駆動回路804aと端子部807との間の配線に接続することができる。または、保護回路806は、信号線駆動回路804bと端子部807との間の配線に接続することができる。なお、端子部807は、外部の回路から表示装置に電源及び制御信号、及び画像信号を入力するための端子が設けられた部分をいう。
保護回路806は、自身が接続する配線に一定の範囲外の電位が与えられたときに、該配線と別の配線とを導通状態にする回路である。
図21(A)に示すように、画素部802と駆動回路部804にそれぞれ保護回路806を接続することにより、ESD(Electro Static Discharge:静電気放電)などにより発生する過電流に対する表示装置の耐性を高めることができる。ただし、保護回路806の構成はこれに限定されず、例えば、走査線駆動回路804aに保護回路806を接続した構成、または信号線駆動回路804bに保護回路806を接続した構成とすることもできる。あるいは、端子部807に保護回路806を接続した構成とすることもできる。
また、図21(A)においては、走査線駆動回路804aと信号線駆動回路804bによって駆動回路部804を形成している例を示しているが、この構成に限定されない。例えば、走査線駆動回路804aのみを形成し、別途用意された信号線駆動回路が形成された基板(例えば、単結晶半導体膜、多結晶半導体膜で形成された駆動回路基板)を実装する構成としても良い。
<画素回路の構成例>
図21(A)に示す複数の画素回路801は、例えば、図21(B)に示す構成とすることができる。
図21(B)に示す画素回路801は、トランジスタ852、854と、容量素子862と、発光素子872と、を有する。
トランジスタ852のソース電極及びドレイン電極の一方は、データ信号が与えられる配線(データ線DL_n)に電気的に接続される。さらに、トランジスタ852のゲート電極は、ゲート信号が与えられる配線(走査線GL_m)に電気的に接続される。
トランジスタ852は、データ信号のデータの書き込みを制御する機能を有する。
容量素子862の一対の電極の一方は、電位が与えられる配線(以下、電位供給線VL_aという)に電気的に接続され、他方は、トランジスタ852のソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続される。
容量素子862は、書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
トランジスタ854のソース電極及びドレイン電極の一方は、電位供給線VL_aに電気的に接続される。さらに、トランジスタ854のゲート電極は、トランジスタ852のソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続される。
発光素子872のアノード及びカソードの一方は、電位供給線VL_bに電気的に接続され、他方は、トランジスタ854のソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続される。
発光素子872としては、実施の形態1乃至実施の形態3に示す発光素子を用いることができる。
なお、電位供給線VL_a及び電位供給線VL_bの一方には、高電源電位VDDが与えられ、他方には、低電源電位VSSが与えられる。
図21(B)の画素回路801を有する表示装置では、例えば、図21(A)に示す走査線駆動回路804aにより各行の画素回路801を順次選択し、トランジスタ852をオン状態にしてデータ信号のデータを書き込む。
データが書き込まれた画素回路801は、トランジスタ852がオフ状態になることで保持状態になる。さらに、書き込まれたデータ信号の電位に応じてトランジスタ854のソース電極とドレイン電極の間に流れる電流量が制御され、発光素子872は、流れる電流量に応じた輝度で発光する。これを行毎に順次行うことにより、画像を表示できる。
また、画素回路に、トランジスタのしきい値電圧等の変動の影響を補正する機能を持たせてもよい。
また、本発明の一態様の発光素子は、表示装置の画素に能動素子を有するアクティブマトリクス方式、または、表示装置の画素に能動素子を有しないパッシブマトリクス方式のそれぞれの方式に適用することができる。
アクティブマトリクス方式では、能動素子(アクティブ素子、非線形素子)として、トランジスタだけでなく、さまざまな能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いることが出来る。例えば、MIM(Metal Insulator Metal)、又はTFD(Thin Film Diode)などを用いることも可能である。これらの素子は、製造工程が少ないため、製造コストの低減、又は歩留まりの向上を図ることができる。または、これらの素子は、素子のサイズが小さいため、開口率を向上させることができ、低消費電力化や高輝度化をはかることが出来る。
アクティブマトリクス方式以外のものとして、能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いないパッシブマトリクス型を用いることも可能である。能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いないため、製造工程が少ないため、製造コストの低減、又は歩留まりの向上を図ることができる。または、能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いないため、開口率を向上させることができ、低消費電力化、又は高輝度化などを図ることが出来る。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態においては、本発明の一態様の発光素子を有する表示装置、及び該表示装置に入力装置を取り付けた電子機器について、図22乃至図26を用いて説明を行う。
<タッチパネルに関する説明1>
なお、本実施の形態において、電子機器の一例として、表示装置と、入力装置とを合わせたタッチパネル2000について説明する。また、入力装置の一例として、タッチセンサを有する場合について説明する。
図22(A)(B)は、タッチパネル2000の斜視図である。なお、図22(A)(B)において、明瞭化のため、タッチパネル2000の代表的な構成要素を示す。
タッチパネル2000は、表示装置2501とタッチセンサ2595とを有する(図22(B)参照)。また、タッチパネル2000は、基板2510、基板2570、及び基板2590を有する。なお、基板2510、基板2570、及び基板2590はいずれも可撓性を有する。ただし、基板2510、基板2570、及び基板2590のいずれか一つまたは全てが可撓性を有さない構成としてもよい。
表示装置2501は、基板2510上に複数の画素及び該画素に信号を供給することができる複数の配線2511を有する。複数の配線2511は、基板2510の外周部にまで引き回され、その一部が端子2519を構成している。端子2519はFPC2509(1)と電気的に接続する。また、複数の配線2511は、信号線駆動回路2503s(1)からの信号を複数の画素に供給することができる。
基板2590は、タッチセンサ2595と、タッチセンサ2595と電気的に接続する複数の配線2598とを有する。複数の配線2598は、基板2590の外周部に引き回され、その一部は端子を構成する。そして、該端子はFPC2509(2)と電気的に接続される。なお、図22(B)では明瞭化のため、基板2590の裏面側(基板2510と対向する面側)に設けられるタッチセンサ2595の電極や配線等を実線で示している。
タッチセンサ2595として、例えば静電容量方式のタッチセンサを適用できる。静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。
投影型静電容量方式としては、主に駆動方式の違いから自己容量方式、相互容量方式などがある。相互容量方式を用いると同時多点検出が可能となるため好ましい。
なお、図22(B)に示すタッチセンサ2595は、投影型静電容量方式のタッチセンサを適用した構成である。
なお、タッチセンサ2595には、指等の検知対象の近接または接触を検知することができる、様々なセンサを適用することができる。
投影型静電容量方式のタッチセンサ2595は、電極2591と電極2592とを有する。電極2591は、複数の配線2598のいずれかと電気的に接続し、電極2592は複数の配線2598の他のいずれかと電気的に接続する。
電極2592は、図22(A)(B)に示すように、一方向に繰り返し配置された複数の四辺形が角部で接続される形状を有する。
電極2591は四辺形であり、電極2592が延在する方向と交差する方向に繰り返し配置されている。
配線2594は、電極2592を挟む二つの電極2591と電気的に接続する。このとき、電極2592と配線2594の交差部の面積ができるだけ小さくなる形状が好ましい。これにより、電極が設けられていない領域の面積を低減でき、透過率のバラツキを低減できる。その結果、タッチセンサ2595を透過する光の輝度のバラツキを低減することができる。
なお、電極2591及び電極2592の形状はこれに限定されず、様々な形状を取りうる。例えば、複数の電極2591をできるだけ隙間が生じないように配置し、絶縁層を介して電極2592を、電極2591と重ならない領域ができるように離間して複数設ける構成としてもよい。このとき、隣接する2つの電極2592の間に、これらとは電気的に絶縁されたダミー電極を設けると、透過率の異なる領域の面積を低減できるため好ましい。
<表示装置に関する説明>
次に、図23(A)を用いて、表示装置2501の詳細について説明する。図23(A)は、図22(B)に示す一点鎖線X1−X2間の断面図に相当する。
表示装置2501は、マトリクス状に配置された複数の画素を有する。該画素は表示素子と、該表示素子を駆動する画素回路とを有する。
以下の説明においては、白色の光を射出する発光素子を表示素子に適用する場合について説明するが、表示素子はこれに限定されない。例えば、隣接する画素毎に射出する光の色が異なるように、発光色が異なる発光素子を適用してもよい。
基板2510及び基板2570としては、例えば、水蒸気の透過率が1×10−5g・m−2・day−1以下、好ましくは1×10−6g・m−2・day−1以下である可撓性を有する材料を好適に用いることができる。または、基板2510の熱膨張率と、基板2570の熱膨張率とが、およそ等しい材料を用いると好適である。例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、好ましくは5×10−5/K以下、より好ましくは1×10−5/K以下である材料を好適に用いることができる。
なお、基板2510は、発光素子への不純物の拡散を防ぐ絶縁層2510aと、可撓性基板2510bと、絶縁層2510a及び可撓性基板2510bを貼り合わせる接着層2510cと、を有する積層体である。また、基板2570は、発光素子への不純物の拡散を防ぐ絶縁層2570aと、可撓性基板2570bと、絶縁層2570a及び可撓性基板2570bを貼り合わせる接着層2570cと、を有する積層体である。
接着層2510c及び接着層2570cとしては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂を用いることができる。もしくは、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を用いることができる。
また、基板2510と基板2570との間に封止層2560を有する。封止層2560は、空気より大きい屈折率を有すると好ましい。また、図23(A)に示すように、封止層2560側に光を取り出す場合は、封止層2560は光学的な接合層を兼ねることができる。
また、封止層2560の外周部にシール材を形成してもよい。当該シール材を用いることにより、基板2510、基板2570、封止層2560、及びシール材で囲まれた領域に発光素子2550Rを有する構成とすることができる。なお、封止層2560として、不活性気体(窒素やアルゴン等)を充填してもよい。また、当該不活性気体内に、乾燥剤を設けて、水分等を吸着させる構成としてもよい。あるいは、アクリルやエポキシ等の樹脂によって充填してもよい。また、上述のシール材としては、例えば、エポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、シール材に用いる材料としては、水分や酸素を透過しない材料を用いると好適である。
また、表示装置2501は、画素2502Rを有する。また、画素2502Rは発光モジュール2580Rを有する。
画素2502Rは、発光素子2550Rと、発光素子2550Rに電力を供給することができるトランジスタ2502tとを有する。なお、トランジスタ2502tは、画素回路の一部として機能する。また、発光モジュール2580Rは、発光素子2550Rと、着色層2567Rとを有する。
発光素子2550Rは、下部電極と、上部電極と、下部電極と上部電極の間にEL層とを有する。発光素子2550Rとして、例えば、実施の形態1乃至実施の形態3に示す発光素子を適用することができる。
また、下部電極と上部電極との間で、マイクロキャビティ構造を採用し、特定波長における光強度を増加させてもよい。
また、封止層2560が光を取り出す側に設けられている場合、封止層2560は、発光素子2550Rと着色層2567Rに接する。
着色層2567Rは、発光素子2550Rと重なる位置にある。これにより、発光素子2550Rが発する光の一部は着色層2567Rを透過して、図中に示す矢印の方向の発光モジュール2580Rの外部に射出される。
また、表示装置2501には、光を射出する方向に遮光層2567BMが設けられる。遮光層2567BMは、着色層2567Rを囲むように設けられている。
着色層2567Rとしては、特定の波長領域の光を透過する機能を有していればよく、例えば、赤色の波長領域の光を透過するカラーフィルタ、緑色の波長領域の光を透過するカラーフィルタ、青色の波長領域の光を透過するカラーフィルタ、黄色の波長領域の光を透過するカラーフィルタなどを用いることができる。各カラーフィルタは、様々な材料を用いて、印刷法、インクジェット法、フォトリソグラフィ技術を用いたエッチング方法などで形成することができる。
また、表示装置2501には、絶縁層2521が設けられる。絶縁層2521はトランジスタ2502tを覆う。なお、絶縁層2521は、画素回路に起因する凹凸を平坦化するための機能を有する。また、絶縁層2521に不純物の拡散を抑制できる機能を付与してもよい。これにより、不純物の拡散によるトランジスタ2502t等の信頼性の低下を抑制できる。
また、発光素子2550Rは、絶縁層2521の上方に形成される。また、発光素子2550Rが有する下部電極には、該下部電極の端部に重なる隔壁2528が設けられる。なお、基板2510と、基板2570との間隔を制御するスペーサを、隔壁2528上に形成してもよい。
走査線駆動回路2503g(1)は、トランジスタ2503tと、容量素子2503cとを有する。なお、駆動回路を画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができる。
また、基板2510上には、信号を供給することができる配線2511が設けられる。また、配線2511上には、端子2519が設けられる。また、端子2519には、FPC2509(1)が電気的に接続される。また、FPC2509(1)は、ビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を供給する機能を有する。なお、FPC2509(1)にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。
また、表示装置2501には、様々な構造のトランジスタを適用することができる。図23(A)においては、ボトムゲート型のトランジスタを適用する場合について、例示しているが、これに限定されず、例えば、図23(B)に示す、トップゲート型のトランジスタを表示装置2501に適用する構成としてもよい。
また、トランジスタ2502t及びトランジスタ2503tの極性については、特に限定はなく、Nチャネル型およびPチャネル型のトランジスタを有する構造、Nチャネル型のトランジスタまたはPチャネル型のトランジスタのいずれか一方のみからなる構造を用いてもよい。また、トランジスタ2502t及び2503tに用いられる半導体膜の結晶性についても特に限定はない。例えば、非晶質半導体膜、結晶性半導体膜を用いることができる。また、半導体材料としては、14族の半導体(例えば、ケイ素を有する半導体)、化合物半導体(酸化物半導体を含む)、有機半導体等を用いることができる。トランジスタ2502t及びトランジスタ2503tのいずれか一方または双方に、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、さらに好ましくは3eV以上の酸化物半導体を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができるため好ましい。当該酸化物半導体としては、In−Ga酸化物、In−M−Zn酸化物(Mは、Al、Ga、Y、Zr、La、Ce、Sn、Hf、またはNdを表す)等が挙げられる。
<タッチセンサに関する説明>
次に、図23(C)を用いて、タッチセンサ2595の詳細について説明する。図23(C)は、図22(B)に示す一点鎖線X3−X4間の断面図に相当する。
タッチセンサ2595は、基板2590上に千鳥状に配置された電極2591及び電極2592と、電極2591及び電極2592を覆う絶縁層2593と、隣り合う電極2591を電気的に接続する配線2594とを有する。
電極2591及び電極2592は、透光性を有する導電材料を用いて形成する。透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を用いることができる。なお、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。還元する方法としては、熱を加える方法等を挙げることができる。
例えば、透光性を有する導電性材料を基板2590上にスパッタリング法により成膜した後、フォトリソグラフィ法等の様々なパターン形成技術により、不要な部分を除去して、電極2591及び電極2592を形成することができる。
また、絶縁層2593に用いる材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料を用いることもできる。
また、電極2591に達する開口が絶縁層2593に設けられ、配線2594が隣接する電極2591と電気的に接続する。透光性の導電性材料は、タッチパネルの開口率を高めることができるため、配線2594に好適に用いることができる。また、電極2591及び電極2592より導電性の高い材料は、電気抵抗を低減できるため配線2594に好適に用いることができる。
電極2592は、一方向に延在し、複数の電極2592がストライプ状に設けられている。また、配線2594は電極2592と交差して設けられている。
一対の電極2591が1つの電極2592を挟んで設けられる。また、配線2594は一対の電極2591を電気的に接続している。
なお、複数の電極2591は、1つの電極2592と必ずしも直交する方向に配置される必要はなく、0度より大きく90度未満の角度をなすように配置されてもよい。
また、配線2598は、電極2591または電極2592と電気的に接続される。また、配線2598の一部は、端子として機能する。配線2598としては、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、チタン、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、またはパラジウム等の金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。
なお、絶縁層2593及び配線2594を覆う絶縁層を設けて、タッチセンサ2595を保護してもよい。
また、接続層2599は、配線2598とFPC2509(2)を電気的に接続させる。
接続層2599としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
<タッチパネルに関する説明2>
次に、図24(A)を用いて、タッチパネル2000の詳細について説明する。図24(A)は、図22(A)に示す一点鎖線X5−X6間の断面図に相当する。
図24(A)に示すタッチパネル2000は、図23(A)で説明した表示装置2501と、図23(C)で説明したタッチセンサ2595と、を貼り合わせた構成である。
また、図24(A)に示すタッチパネル2000は、図23(A)及び図23(C)で説明した構成の他、接着層2597と、反射防止層2567pと、を有する。
接着層2597は、配線2594と接して設けられる。なお、接着層2597は、タッチセンサ2595が表示装置2501に重なるように、基板2590を基板2570に貼り合わせている。また、接着層2597は、透光性を有すると好ましい。また、接着層2597としては、熱硬化性樹脂、または紫外線硬化樹脂を用いることができる。例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、またはシロキサン系樹脂を用いることができる。
反射防止層2567pは、画素に重なる位置に設けられる。反射防止層2567pとして、例えば円偏光板を用いることができる。
次に、図24(A)に示す構成と異なる構成のタッチパネルについて、図24(B)を用いて説明する。
図24(B)は、タッチパネル2001の断面図である。図24(B)に示すタッチパネル2001は、図24(A)に示すタッチパネル2000と、表示装置2501に対するタッチセンサ2595の位置が異なる。ここでは異なる構成について詳細に説明し、同様の構成を用いることができる部分は、タッチパネル2000の説明を援用する。
着色層2567Rは、発光素子2550Rと重なる位置にある。また、図24(B)に示す発光素子2550Rは、トランジスタ2502tが設けられている側に光を射出する。これにより、発光素子2550Rが発する光の一部は、着色層2567Rを透過して、図中に示す矢印の方向の発光モジュール2580Rの外部に射出される。
また、タッチセンサ2595は、表示装置2501の基板2510側に設けられている。
接着層2597は、基板2510と基板2590の間にあり、表示装置2501とタッチセンサ2595を貼り合わせる。
図24(A)(B)に示すように、発光素子から射出される光は、基板2510側及び基板2570側のいずれか一方または双方を通して射出されればよい。
<タッチパネルの駆動方法に関する説明>
次に、タッチパネルの駆動方法の一例について、図25(A)(B)を用いて説明を行う。
図25(A)は、相互容量方式のタッチセンサの構成を示すブロック図である。図25(A)では、パルス電圧出力回路2601、電流検出回路2602を示している。なお、図25(A)では、パルス電圧が与えられる電極2621をX1−X6として、電流の変化を検知する電極2622をY1−Y6として、それぞれ6本の配線で例示している。また、図25(A)は、電極2621と、電極2622とが重なることで形成される容量2603を示している。なお、電極2621と電極2622とはその機能を互いに置き換えてもよい。
パルス電圧出力回路2601は、X1−X6の配線に順にパルスを印加するための回路である。X1−X6の配線にパルス電圧が印加されることで、容量2603を形成する電極2621と電極2622との間に電界が生じる。この電極間に生じる電界が遮蔽等により容量2603の相互容量に変化を生じさせることを利用して、被検知体の近接、または接触を検出することができる。
電流検出回路2602は、容量2603での相互容量の変化による、Y1−Y6の配線での電流の変化を検出するための回路である。Y1−Y6の配線では、被検知体の近接、または接触がないと検出される電流値に変化はないが、検出する被検知体の近接、または接触により相互容量が減少する場合には電流値が減少する変化を検出する。なお電流の検出は、積分回路等を用いて行えばよい。
次に、図25(B)には、図25(A)で示す相互容量方式のタッチセンサにおける入出力波形のタイミングチャートを示す。図25(B)では、1フレーム期間で各行列での被検知体の検出を行う。また図25(B)では、被検知体を検出しない場合(非タッチ)と被検知体を検出する場合(タッチ)との2つの場合について示している。なお、図25(B)では、Y1−Y6の配線で検出される電流値に対応する電圧値の波形を示している。
X1−X6の配線には、順にパルス電圧が与えられ、該パルス電圧にしたがってY1−Y6の配線での波形が変化する。被検知体の近接または接触がない場合には、X1−X6の配線の電圧の変化に応じてY1−Y6の波形が一様に変化する。一方、被検知体が近接または接触する箇所では、電流値が減少するため、これに対応する電圧値の波形も変化する。
このように、相互容量の変化を検出することにより、被検知体の近接または接触を検知することができる。
<センサ回路に関する説明>
また、図25(A)ではタッチセンサとして配線の交差部に容量2603のみを設けるパッシブマトリクス型のタッチセンサの構成を示したが、トランジスタと容量とを有するアクティブマトリクス型のタッチセンサとしてもよい。アクティブマトリクス型のタッチセンサに含まれるセンサ回路の一例を図26に示す。
図26に示すセンサ回路は、容量2603と、トランジスタ2611と、トランジスタ2612と、トランジスタ2613とを有する。
トランジスタ2613はゲートに信号G2が与えられ、ソースまたはドレインの一方に電圧VRESが与えられ、他方が容量2603の一方の電極およびトランジスタ2611のゲートと電気的に接続する。トランジスタ2611は、ソースまたはドレインの一方がトランジスタ2612のソースまたはドレインの一方と電気的に接続し、他方に電圧VSSが与えられる。トランジスタ2612は、ゲートに信号G1が与えられ、ソースまたはドレインの他方が配線MLと電気的に接続する。容量2603の他方の電極には電圧VSSが与えられる。
次に、図26に示すセンサ回路の動作について説明する。まず、信号G2としてトランジスタ2613をオン状態とする電位が与えられることで、トランジスタ2611のゲートが接続されるノードnに電圧VRESに対応した電位が与えられる。次に、信号G2としてトランジスタ2613をオフ状態とする電位が与えられることで、ノードnの電位が保持される。
続いて、指等の被検知体の近接または接触により、容量2603の相互容量が変化することに伴い、ノードnの電位がVRESから変化する。
読み出し動作は、信号G1にトランジスタ2612をオン状態とする電位を与える。ノードnの電位に応じてトランジスタ2611に流れる電流、すなわち配線MLに流れる電流が変化する。この電流を検出することにより、被検知体の近接または接触を検出することができる。
トランジスタ2611、トランジスタ2612、及びトランジスタ2613としては、酸化物半導体層をチャネル領域が形成される半導体層に用いることが好ましい。とくにトランジスタ2613にこのようなトランジスタを適用することにより、ノードnの電位を長期間に亘って保持することが可能となり、ノードnにVRESを供給しなおす動作(リフレッシュ動作)の頻度を減らすことができる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子と、反射型の液晶素子とを有し、透過モードと反射モードの両方の表示を行うことが可能な表示装置について、図27乃至図30を用いて以下説明する。
図27(A)は、本発明の一態様の表示装置300の構成を説明する下面図である。また、図27(B)は、図27(A)の一部を説明する下面図である。なお、煩雑さを避けるため、図27(B)では図示する一部の構成を省略している。
図28は、本発明の一態様の表示装置300の構成を説明する断面図である。図28は、図27(A)の切断線X1−X2、X3−X4、X5−X6、X7−X8、X9−X10、X11−X12における断面図である。
図29は、本発明の一態様の表示装置300が有する画素302の回路を説明する図である。
<表示装置の構成例>
図27(A)に示すように、本発明の一態様の表示装置300は、画素部502と、画素部502の外側に配置される駆動回路GD及び駆動回路SDとを有する。また、画素部502は、画素302を有する。
画素302は、液晶素子350と、発光素子550と、を有する。また、画素302は、トランジスタ581を有する。また、画素302は、トランジスタ585及びトランジスタ586を有する(図28参照)。
発光素子550は、液晶素子350が表示をする方向と同一の方向に表示をする機能を有する。例えば、液晶素子350が外光を反射する強度を制御して表示をする方向を、図28中の破線矢印で示す。また、発光素子550が表示をする方向を、図28中の実線矢印で示す。
液晶素子350は、入射する光を反射する機能を有する反射膜351Bと、反射する光の強さを制御する機能を有する材料を有する液晶層353と、を有する。そのため、液晶素子350は、入射する光を反射する機能と、反射する光の強さを制御する機能と、を有する。
液晶素子350には、反射型の液晶素子を用いることが好ましい。具体的には、液晶素子350は、液晶層353の他に、電極351と、電極352と、を有する。電極351は、光を反射する機能を有する反射膜351Bを有する。また、液晶層353は、液晶材料を有する。なお、電極352は、電極351との間に液晶材料の配向を制御する電界が形成されるよう配置される。また、液晶層353は、液晶素子350に入射し反射膜351Bで反射する光の強さを制御する機能を有する。
電極351は、トランジスタ581と電気的に接続される。また、電極351は、反射膜351Bを挟持するように、導電膜351A及び導電膜351Cを有する構成であると好ましい。反射膜351Bを導電膜351A及び導電膜351Cが挟持することで、反射膜351Bが有する元素が他の層に拡散することを抑制することができる。また、外部から侵入する不純物によって反射膜351Bが汚染されることを抑制することができる。
また、導電膜351A、及び導電膜351Cは、光を透過する機能を有することが好ましい。導電膜351Aが光を透過する機能を有することで、外部から液晶素子350に入射した光を効率よく反射膜351Bで反射させることができる。また、導電膜351Cが光を透過する機能を有することで、後に示すように発光素子550が射出する光を効率よく外部へ取り出すことができる。
また、表示装置300は、配向膜331および配向膜332を有する。配向膜332は、配向膜331との間に液晶層353を挟持するように配設される。
また、表示装置300は、画素302と重なる領域に、着色層375と、遮光層373と、絶縁膜371と、機能膜370Dと、機能膜370Pと、を有する。
着色層375は、液晶素子350と重なる領域を有する。遮光層373は、液晶素子350と重なる領域に開口部を有する。着色層375を設けることにより、外部から液晶素子350に入射する光が着色層375を介して反射膜351Bに入射し、反射膜351Bで反射した光が着色層375を介して外部へ取り出されるため、外部から液晶素子350に入射し、反射する光を所定の色で外部に取り出すことができる。
絶縁膜371は、着色層375と液晶層353との間、または遮光層373と液晶層353との間に配設される。これにより、遮光層373または着色層375等から液晶層353への不純物の拡散を抑制することができる。また、着色層375の厚さに基づく凹凸を平坦にするよう絶縁膜371を配設してもよい。
機能膜370D及び機能膜370Pは、液晶素子350と重なる領域を有する。機能膜370Dは、液晶素子350との間に、基板370を挟持するように配設される。機能膜370D及び機能膜370Pには、液晶素子350及び発光素子550の表示を鮮明にする機能を有する膜や、表示装置300の表面を保護する機能を有する膜などを用いることができる。なお、機能膜370D及び機能膜370Pは、どちらか一方であってもよい。
また、表示装置300は、基板370と、基板570と、機能層520と、を有する。
基板370は、基板570と重なる領域を有する。機能層520は、基板570および基板370との間に配設される。
機能層520は、画素302が有するトランジスタと、発光素子550と、絶縁膜521と、絶縁膜528と、を有する。
絶縁膜521は、画素302が有するトランジスタおよび発光素子550との間に配設される。絶縁膜521は、絶縁膜521と重なるさまざまな構造に由来する段差を平坦化することができるよう形成されると好ましい。
また、発光素子550の構成としては、実施の形態1乃至実施の形態3で示した本発明の一態様の発光素子の構成を用いることが好ましい。
発光素子550は、電極551と、電極552と、発光層553と、を有する。電極552は、電極551と重なる領域を有し、発光層553は、電極551及び電極552の間に配設される。そして、電極551は、接続部522において、画素302が有するトランジスタ585と電気的に接続される。
発光素子550が、ボトムエミッション型である場合、電極552は、光を反射する機能を有することが好ましい。そのため、電極552は、光を反射する機能を有する反射膜を有することが好ましい。また、電極551は、光を透過する機能を有することが好ましい。
また、絶縁膜528は、電極551と電極552とで挟持される領域を有する。絶縁膜528は、絶縁性を有し、電極551及び電極552の短絡を防止することができる。そのためには、電極551の側端部は、絶縁膜528と接する領域を有すると好ましい。また、絶縁膜528は、発光素子550と重なる領域に開口部を有し、該開口部において、発光素子550が発光する。
発光層553は、発光性の材料として、有機材料または無機材料を有することが好ましい。具体的には、蛍光発光性の有機材料、または燐光発光性の有機材料を用いることができる。また、量子ドットなどの発光性の無機材料を用いることができる。
また、液晶素子350が有する反射膜351Bは、開口部351Hを有する。開口部351Hは、光を透過する機能を有する導電膜351A及び導電膜351Cと重なる領域を有する。発光素子550は、開口部351Hに向けて光を射出する機能を有する。換言すると、液晶素子350は、反射膜351Bと重なる領域に表示を行う機能を有し、発光素子550は、開口部351Hと重なる領域に表示を行う機能を有する。
また、液晶素子は、反射膜351Bと重なる領域に表示をする機能を有し、発光素子は、開口部351Hと重なる領域に表示をする機能を有するため、発光素子550は、液晶素子350が表示をする領域に囲まれた領域に表示をする機能を有する(図27(B)参照)。
以上のように、反射型の液晶素子を液晶素子350に用い、発光素子を発光素子550に用い、明るい環境下においては反射型の液晶素子350により表示を行い、暗い環境下においては発光素子550が射出する光を用いて表示を行うことで、消費電力が低減され、明るい環境下でも暗い環境下でも視認性の高く利便性の高い表示装置を提供することができる。また、薄暗い環境下においては、外光を利用した反射型の液晶素子による表示と、発光素子が射出する光を用いた表示を行うことで、視認性が高く消費電力が低減された利便性の高い表示装置を提供することができる。
また、本発明の一態様の表示装置は、発光素子550と重なる領域に、光学素子(例えば、着色層、色変換層(例えば量子ドット等)、偏光板、反射防止膜等)として機能する着色層375、機能膜370D、及び機能膜370Pを有する。そのため、発光素子550が呈する発光の色純度を向上させることができ、表示装置300の色純度を高めることができる。あるいは、表示装置300のコントラスト比を高めることができる。なお、機能膜370D及び機能膜370Pには、例えば、偏光板、位相差板、拡散フィルム、反射防止膜または集光フィルム等を用いることができる。または、2色性色素を含む偏光板を用いることができる。また、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜などを、機能膜370D及び機能膜370Pに用いることができる。
また、液晶素子350と発光素子550とに挟持され開口部351Hと重なる領域に、着色層575を有する構成であってもよい。このような構成とすることで、発光素子550から射出される光が着色層575及び着色層375を通して外部に射出されるため、発光素子550から射出される光の色純度を高めることができ、且つ、発光素子550から射出される光の強度を高めることができる。
なお、所定の色の光を透過する材料を着色層375及び着色層575に用いることができる。これにより、着色層375及び着色層575を例えばカラーフィルタに用いることができる。例えば、青色の光を透過する材料、緑色の光を透過する材料、赤色の光を透過する材料、黄色の光を透過する材料または白色の光を透過する材料などを着色層375及び着色層575に用いることができる。
また、図28に示す表示装置300に、タッチパネルを設ける構成としてもよい。当該タッチパネルとしては、静電容量方式(表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等)を好適に用いることができる。
<画素および配線等の配置例>
駆動回路GDは、走査線GL1及びGL2と電気的に接続される。駆動回路GDは、例えば、トランジスタ586を有する。具体的には、画素302が有するトランジスタ(例えばトランジスタ581)と同じ工程で形成することができる半導体膜を有するトランジスタを、トランジスタ586に用いることができる(図28参照)。
駆動回路SDは、信号線SL1及びSL2と電気的に接続される。駆動回路SDは、例えば、端子519Bまたは端子519Cと同一の工程で形成することができる端子に、導電性材料を用いて電気的に接続される。
また、画素302は、信号線SL1と電気的に接続される(図29参照)。なお、トランジスタ581のソース電極またはドレイン電極の一方が、信号線SL1と電気的に接続されると好ましい(図28および図29参照)。
図30(A)は、本発明の一態様の表示装置300に用いることができる画素の回路および配線等の配置を説明するブロック図である。また、図30(B−1)および図30(B−2)は、本発明の一態様の表示装置300に用いることができる開口部351Hの配置を説明する模式図である。
なお、本発明の一態様の表示装置300は、複数の画素302を有する。画素302は、それぞれ液晶素子350、発光素子550、トランジスタ581、及びトランジスタ585等を有し、行方向(図30(A)において矢印Rで示す方向)、及び行方向と交差する列方向(図30(A)において矢印Cで示す方向)に配設される。
行方向に配設される一群の画素302は、走査線GL1と電気的に接続される。また、列方向に配設される他の一群の画素302は、信号線SL1と電気的に接続される。
例えば、画素302の行方向(図30(B−1)において矢印Rで示す方向)に隣接する画素は、画素302が有する開口部351Hの配置と異なるように、配設される開口部を有する。また、例えば、画素302の列方向(図30(B−2)において矢印Cで示す方向)に隣接する画素は、画素302が有する開口部351Hの配置と異なるように、配置される開口部を有する。
また、多角形(例えば四角形や十字等)、楕円形、または円形等の形状を開口部351Hの形状に用いることができる。また、細長い筋状、スリット状、市松模様状の形状を開口部351Hの形状に用いることができる。また、開口部351Hを隣接する画素に寄せて配置してもよい。好ましくは、開口部351Hを同じ色を表示する機能を有する他の画素に寄せて配置する。これにより、発光素子550が射出する光が隣接する画素に配置された着色膜に入射してしまう現象(クロストークともいう)を抑制できる。
以上のように、本発明の一態様の表示装置300は、画素302を有し、画素302は、液晶素子350と、発光素子550とを有し、液晶素子350が有する電極351は、画素302が有するトランジスタ581と電気的に接続し、発光素子550が有する電極551は、画素302が有するトランジスタ585と電気的に接続し、発光素子550は、開口部351Hを通して光を射出する機能を有し、液晶素子は、表示装置300に入射する光を反射する機能を有する。
これによって、例えば同一の工程を用いて形成することができるトランジスタを用いて、液晶素子350と、発光素子550と、を駆動することができる。
<表示装置の構成要素>
画素302は、信号線SL1、信号線SL2、走査線GL1、走査線GL2、配線CSCOMおよび配線ANOと電気的に接続される(図29参照)。
なお、信号線SL2に供給する信号に用いる電圧が、隣接する画素の信号線SL1に供給する信号に用いる電圧と異なる場合、隣接する画素の信号線SL1を信号線SL2から離して配置する。具体的には、信号線SL2と隣接する画素の信号線SL2とが隣接するように配置する。
画素302は、トランジスタ581、容量素子C1、トランジスタ582、トランジスタ585および容量素子C2を有する。
例えば、走査線GL1と電気的に接続されるゲート電極と、信号線SL1と電気的に接続される第1の電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)と、を有するトランジスタを、トランジスタ581に用いることができる。
容量素子C1は、トランジスタ581の第2の電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)に電気的に接続される第1の電極と、配線CSCOMに電気的に接続される第2の電極と、を有する。
例えば、走査線GL2と電気的に接続されるゲート電極と、信号線SL2と電気的に接続される第1の電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)と、を有するトランジスタを、トランジスタ582に用いることができる。
トランジスタ585は、トランジスタ582の第2の電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)に電気的に接続されるゲート電極と、配線ANOと電気的に接続される第1の電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)と、を有する。
なお、半導体膜をゲート電極との間に挟むように設けられた導電膜を有するトランジスタを、トランジスタ585に用いることができる。例えば、トランジスタ585の第1の電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)と同じ電位を供給することができる配線と、電気的に接続された導電膜を該導電膜に用いることができる。
容量素子C2は、トランジスタ582の第2の電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)に電気的に接続される第1の電極と、トランジスタ585の第1の電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)に電気的に接続される第2の電極と、を有する。
なお、液晶素子350の第1の電極をトランジスタ581の第2の電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)と電気的に接続し、液晶素子350の第2の電極を配線VCOM1と電気的に接続する。これにより、液晶素子350を駆動することができる。
また、発光素子550の第1の電極をトランジスタ585の第2の電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)と電気的に接続し、発光素子550の第2の電極を配線VCOM2と電気的に接続する。これにより、発光素子550を駆動することができる。
≪画素の構成要素≫
また、画素302は、絶縁膜501Cと、中間膜354と、を有する。また、画素302は、トランジスタ581を有する。また、画素302は、トランジスタ585及びトランジスタ586を有する。これらのトランジスタに用いる半導体膜は、酸化物半導体であると好ましい。
また、表示装置300は、端子519Bを有し、端子519Bは、導電膜511Bと、中間膜354と、を有する。また、表示装置300は、端子519Cと、導電体337とを有し、端子519Cは、導電膜511Cと、中間膜354とを有する(図28参照)。例えば、水素を透過または供給する機能を備える材料を中間膜354に用いることができる。また、導電性を有する材料を中間膜354に用いることができる。また、透光性を有する材料を中間膜354に用いることができる。
絶縁膜501Cは、絶縁膜501Aと導電膜511Bとの間に挟持される領域を有する。
導電膜511Bは、画素302と電気的に接続される。例えば、電極351または第1の導電膜を反射膜351Bに用いる場合、端子519Bの接点として機能する面は、電極351における、液晶素子350に入射する光に向いている面と同じ方向を向いている。
また、導電性材料339を用いて、フレキシブルプリント基板377と端子519Bとを電気的に接続することができる。これにより、端子519Bを介して電力または信号を、画素302に供給することができる。
導電膜511Cは、画素302と電気的に接続される。例えば、電極351または第1の導電膜を反射膜351Bに用いる場合、端子519Cの接点として機能する面は、電極351における、液晶素子350に入射する光に向いている面と同じ方向を向いている。
導電体337は、端子519Cと電極352との間に挟持され、端子519Cと電極352とを電気的に接続する。例えば、導電性の粒子を導電体337に用いることができる。
また、表示装置300は、接合層505と、シール材315と、構造体335と、を有する。
接合層505は、機能層520および基板570との間に配設され、機能層520および基板570を貼り合わせる機能を有する。接合層505には、例えば、シール材315に用いることができる材料を用いることができる。
シール材315は、機能層520および基板370との間に配設され、機能層520および基板370を貼り合せる機能を有する。
構造体335は、機能層520および基板570との間に所定の間隔を設ける機能を有する。
構造体335等には、例えば、有機材料、無機材料または有機材料と無機材料の複合材料を用いることができる。これにより、構造体335等を挟む構成の間に所定の間隔を設けることができる。具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリシロキサン若しくはアクリル樹脂等またはこれらから選択された複数の樹脂の複合材料などを用いることができる。また、感光性を有する材料を用いて形成してもよい。
≪液晶素子の構成要素≫
次に、本発明の一態様の表示装置を構成する液晶素子の構成例について説明する。
液晶素子350は、光の反射または透過を制御する機能を有する。例えば、液晶素子と偏光板とを組み合わせた構成、またはシャッター方式のMEMS表示素子等を用いることができる。また、反射型の表示素子を用いることにより、表示装置の消費電力を低減することができる。具体的には、反射型の液晶素子を液晶素子350に用いることが好ましい。
IPS(In−Plane−Switching)モード、TN(Twisted Nematic)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどの駆動方法を用いて駆動することができる液晶素子を用いることができる。
また、例えば垂直配向(VA)モード、具体的には、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、CPA(Continuous Pinwheel Alignment)モード、ASV(Advanced Super−View)モードなどの駆動方法を用いて駆動することができる液晶素子を用いることができる。
また、液晶素子350の駆動方法としては、上述した駆動方法の他、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)モード、ゲストホストモードなどがある。ただし、これに限定されず、液晶素子およびその駆動方式として様々なものを用いることができる。
液晶素子350には、液晶素子に用いることができる液晶材料等を用いればよい。例えば、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。または、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す液晶材料を用いることができる。または、ブルー相を示す液晶材料を用いることができる。
また、配向膜を用いないブルー相(Blue Phase)を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が1msec以下と短く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、かつ、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。よって液晶表示装置の生産性を向上させることが可能となる。
また、画素(ピクセル)をいくつかの領域(サブピクセル)に分け、それぞれ別の方向に分子を倒すよう工夫されているマルチドメイン化あるいはマルチドメイン設計といわれる方法を用いることができる。
≪トランジスタの構成要素≫
トランジスタ581、トランジスタ582、トランジスタ585、トランジスタ586等には、例えば、ボトムゲート型またはトップゲート型等のトランジスタを用いることができる。
また、例えば、第14族の元素を含む半導体を上記トランジスタの半導体膜に利用することができる。具体的には、シリコンを含む半導体をトランジスタの半導体膜に用いることができる。例えば、単結晶シリコン、ポリシリコン、微結晶シリコンまたはアモルファスシリコンなどをトランジスタの半導体膜に用いることができる。
また、トランジスタ581、トランジスタ582、トランジスタ585、トランジスタ586等には、例えば、酸化物半導体を半導体膜に用いるトランジスタを利用することができる。具体的には、インジウムを含む酸化物半導体またはインジウムとガリウムと亜鉛を含む酸化物半導体を半導体膜に用いることができる。
酸化物半導体を用いたトランジスタをトランジスタ581、トランジスタ582、トランジスタ585、トランジスタ586等に用いることで、アモルファスシリコンを半導体膜に用いたトランジスタを利用する画素回路と比較して、画素回路が画像信号を保持することができる時間を長くすることができる。具体的には、フリッカーの発生を抑制しながら、選択信号を30Hz未満、好ましくは1Hz未満、より好ましくは一分に一回未満の頻度で供給することができる。その結果、情報処理装置の使用者に蓄積する疲労を低減することができる。また、駆動に伴う消費電力を低減することができる。
本実施の形態で示す構成、方法は、他の実施の形態で示す構成、方法と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を有する表示モジュール及び電子機器について、図31乃至図35を用いて説明を行う。
<電子機器に関する説明>
図31(A)乃至図31(G)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有することができる。また、センサ9007は、脈拍センサや指紋センサ等のように生体情報を測定する機能を有してもよい。
図31(A)乃至図31(G)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチセンサ機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信または受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図31(A)乃至図31(G)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。また、図31(A)乃至図31(G)には図示していないが、電子機器には、複数の表示部を有する構成としてもよい。また、該電子機器にカメラ等を設け、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
図31(A)乃至図31(G)に示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
図31(A)は、携帯情報端末9100を示す斜視図である。携帯情報端末9100が有する表示部9001は、可撓性を有する。そのため、湾曲した筐体9000の湾曲面に沿って表示部9001を組み込むことが可能である。また、表示部9001はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部9001に表示されたアイコンに触れることで、アプリケーションを起動することができる。
図31(B)は、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えば電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を省略して図示しているが、図31(A)に示す携帯情報端末9100と同様の位置に設けることができる。また、携帯情報端末9101は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。例えば、3つの操作ボタン9050(操作アイコンまたは単にアイコンともいう)を表示部9001の一の面に表示することができる。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することができる。なお、情報9051の一例としては、電子メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や電話などの着信を知らせる表示、電子メールやSNSなどの題名、電子メールやSNSなどの送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、電波等の受信信号の強度を示す表示などがある。または、情報9051が表示されている位置に、情報9051の代わりに、操作ボタン9050などを表示してもよい。
筐体9000の材料としては、例えば、合金、プラスチック、セラミックス等を用いることができる。プラスチックとしては強化プラスチックを用いることもできる。プラスチックの一種である炭素繊維強化樹脂複合材(Carbon Fiber Reinforced Plastics:CFRP)は軽量であり、且つ、腐食しない利点がある。また、他の強化プラスチックとしては、ガラス繊維を用いた強化プラスチック、アラミド繊維を用いた強化プラスチックを挙げることができる。合金としては、アルミニウム合金やマグネシウム合金が挙げられるが、中でもジルコニウムと銅とニッケルとチタンを含む非晶質合金(金属ガラスとも呼ばれる)が弾性強度の点で優れている。この非晶質合金は、室温においてガラス遷移領域を有する非晶質合金であり、バルク凝固非晶質合金とも呼ばれ、実質的に非晶質原子構造を有する合金である。凝固鋳造法により、少なくとも一部の筐体の鋳型内に合金材料が鋳込まれ、凝固させて一部の筐体をバルク凝固非晶質合金で形成する。非晶質合金は、ジルコニウム、銅、ニッケル、チタン以外にもベリリウム、シリコン、ニオブ、ボロン、ガリウム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、イットリウム、バナジウム、リン、炭素などを含んでもよい。また、非晶質合金は、凝固鋳造法に限定されず、真空蒸着法、スパッタ法、電解めっき法、無電解メッキ法などによって形成してもよい。また、非晶質合金は、全体として長距離秩序(周期構造)を持たない状態を維持するのであれば、微結晶またはナノ結晶を含んでもよい。なお、合金とは、単一の固体相構造を有する完全固溶体合金と、2つ以上の相を有する部分溶体の両方を含むこととする。筐体9000に非晶質合金を用いることで高い弾性を有する筐体を実現できる。従って、携帯情報端末9101を落下させても、筐体9000が非晶質合金であれば、衝撃が加えられた瞬間には一時的に変形しても元に戻るため、携帯情報端末9101の耐衝撃性を向上させることができる。
図31(C)は、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えば、携帯情報端末9102の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、その表示(ここでは情報9053)を確認することができる。具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
図31(D)は、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006を有し、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また接続端子9006を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は接続端子9006を介さずに無線給電により行ってもよい。
図31(E)(F)(G)は、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。また、図31(E)が携帯情報端末9201を展開した状態の斜視図であり、図31(F)が携帯情報端末9201を展開した状態または折り畳んだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図であり、図31(G)が携帯情報端末9201を折り畳んだ状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。ヒンジ9055を介して2つの筐体9000間を屈曲させることにより、携帯情報端末9201を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。例えば、携帯情報端末9201は、曲率半径1mm以上150mm以下で曲げることができる。
また、電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、本発明の一態様の電子機器は、二次電池を有していてもよく、非接触電力伝送を用いて、二次電池を充電することができると好ましい。
二次電池としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウムイオンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などが挙げられる。
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器が二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
図32(A)はビデオカメラであり、筐体7701、筐体7702、表示部7703、操作キー7704、レンズ7705、接続部7706等を有する。操作キー7704およびレンズ7705は筐体7701に設けられており、表示部7703は筐体7702に設けられている。そして、筐体7701と筐体7702とは、接続部7706により接続されており、筐体7701と筐体7702の間の角度は、接続部7706により変更が可能である。表示部7703における映像を、接続部7706における筐体7701と筐体7702との間の角度にしたがって切り替える構成としてもよい。
図32(B)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体7121、表示部7122、キーボード7123、ポインティングデバイス7124等を有する。なお、表示部7122は、非常に画素密度が高く高精細とすることができるため、中小型でありながら8kの表示を行うことができ、非常に鮮明な画像を得ることができる。
図32(C)には、ヘッドマウントディスプレイ7200の外観を示している。
ヘッドマウントディスプレイ7200は、装着部7201、レンズ7202、本体7203、表示部7204、ケーブル7205等を有している。また装着部7201には、バッテリ7206が内蔵されている。
ケーブル7205は、バッテリ7206から本体7203に電力を供給する。本体7203は無線受信機等を備え、受信した画像データ等の映像情報を表示部7204に表示させることができる。また、本体7203に設けられたカメラで使用者の眼球やまぶたの動きを捉え、その情報をもとに使用者の視点の座標を算出することにより、使用者の視点を入力手段として用いることができる。
また、装着部7201には、使用者に触れる位置に複数の電極が設けられていてもよい。本体7203は使用者の眼球の動きに伴って電極に流れる電流を検知することにより、使用者の視点を認識する機能を有していてもよい。また、当該電極に流れる電流を検知することにより、使用者の脈拍をモニタする機能を有していてもよい。また、装着部7201には、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ等の各種センサを有していてもよく、使用者の生体情報を表示部7204に表示する機能を有していてもよい。また、使用者の頭部の動きなどを検出し、表示部7204に表示する映像をその動きに合わせて変化させてもよい。
図32(D)に、カメラ7300の外観を示す。カメラ7300は、筐体7301、表示部7302、操作ボタン7303、シャッターボタン7304、結合部7305等を有する。またカメラ7300には、レンズ7306を取り付けることができる。
結合部7305は、電極を有し、後述するファインダー7400のほか、ストロボ装置等を接続することができる。
ここではカメラ7300として、レンズ7306を筐体7301から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ7306と筐体7301が一体となっていてもよい。
シャッターボタン7304を押すことにより、撮像することができる。また、表示部7302はタッチセンサを有し、表示部7302を操作することにより撮像することも可能である。
表示部7302に、本発明の一態様の表示装置、またはタッチセンサを適用することができる。
図32(E)には、カメラ7300にファインダー7400を取り付けた場合の例を示している。
ファインダー7400は、筐体7401、表示部7402、ボタン7403等を有する。
筐体7401には、カメラ7300の結合部7305と係合する結合部を有しており、ファインダー7400をカメラ7300に取り付けることができる。また当該結合部には電極を有し、当該電極を介してカメラ7300から受信した映像等を表示部7402に表示させることができる。
ボタン7403は、電源ボタンとしての機能を有する。ボタン7403により、表示部7402の表示のオンとオフとを切り替えることができる。
なお、図32(D)(E)では、カメラ7300とファインダー7400とを別の電子機器とし、これらを脱着可能な構成としたが、カメラ7300の筐体7301に、本発明の一態様の表示装置、またはタッチセンサを備えるファインダーが内蔵されていてもよい。
図33(A)乃至図33(E)は、ヘッドマウントディスプレイ7500及び7510の外観を示す図である。
ヘッドマウントディスプレイ7500は、筐体7501、2つの表示部7502、操作ボタン7503、及びバンド状の固定具7504を有する。
ヘッドマウントディスプレイ7500は、上記ヘッドマウントディスプレイ7200が有する機能に加え、2つの表示部を備える。
2つの表示部7502を有することで、使用者は片方の目につき1つの表示部を見ることができる。これにより、視差を用いた3次元表示等を行う際であっても、高い解像度の映像を表示することができる。また、表示部7502は使用者の目を概略中心とした円弧状に湾曲している。これにより、使用者の目から表示部の表示面までの距離が一定となるため、使用者はより自然な映像を見ることができる。また、表示部からの光の輝度や色度が見る角度によって変化してしまうような場合であっても、表示部の表示面の法線方向に使用者の目が位置するため、実質的にその影響を無視することができるため、より現実感のある映像を表示することができる。
操作ボタン7503は、電源ボタンなどの機能を有する。また操作ボタン7503の他にボタンを有していてもよい。
また、ヘッドマウントディスプレイ7510は、筐体7501、表示部7502、バンド状の固定具7504、及び一対のレンズ7505を有する。
使用者は、レンズ7505を通して、表示部7502の表示を視認することができる。なお、表示部7502を湾曲して配置させると好適である。表示部7502を湾曲して配置することで、使用者が高い臨場感を感じることができる。
表示部7502に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。本発明の一態様の表示装置は、精細度を高くすることが可能なため、図33(E)のようにレンズ7505を用いて拡大したとしても、使用者に画素が視認されることなく、より現実感の高い映像を表示することができる。
図34(A)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置9300は、筐体9000に表示部9001が組み込まれている。ここでは、スタンド9301により筐体9000を支持した構成を示している。
図34(A)に示すテレビジョン装置9300の操作は、筐体9000が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機9311により行うことができる。または、表示部9001にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部9001に触れることで操作してもよい。リモコン操作機9311は、当該リモコン操作機9311から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機9311が備える操作キー又はタッチパネルにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9001に表示される映像を操作することができる。
なお、テレビジョン装置9300は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
また、本発明の一態様の電子機器又は照明装置は可撓性を有するため、家屋やビルの内壁もしくは外壁、又は、自動車の内装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。
図34(B)に自動車9700の外観を示す。図34(C)に自動車9700の運転席を示す。自動車9700は、車体9701、車輪9702、ダッシュボード9703、ライト9704等を有する。本発明の一態様の表示装置又は発光装置等は、自動車9700の表示部などに用いることができる。例えば、図34(C)に示す表示部9710乃至表示部9715に本発明の一態様の表示装置又は発光装置等を設けることができる。
表示部9710と表示部9711は、自動車のフロントガラスに設けられた表示装置である。本発明の一態様の表示装置又は発光装置等は、電極や配線を、透光性を有する導電性材料で作製することによって、反対側が透けて見える、いわゆるシースルー状態とすることができる。表示部9710や表示部9711がシースルー状態であれば、自動車9700の運転時にも視界の妨げになることがない。よって、本発明の一態様の表示装置又は発光装置等を自動車9700のフロントガラスに設置することができる。なお、表示装置又は発光装置等を駆動するためのトランジスタなどを設ける場合には、有機半導体材料を用いた有機トランジスタや、酸化物半導体を用いたトランジスタなど、透光性を有するトランジスタを用いるとよい。
表示部9712はピラー部分に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9712に映し出すことによって、ピラーで遮られた視界を補完することができる。表示部9713はダッシュボード部分に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9713に映し出すことによって、ダッシュボードで遮られた視界を補完することができる。すなわち、自動車の外側に設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによって、死角を補い、安全性を高めることができる。また、見えない部分を補完する映像を映すことによって、より自然に違和感なく安全確認を行うことができる。
また、図34(D)は、運転席と助手席にベンチシートを採用した自動車の室内を示している。表示部9721は、ドア部に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9721に映し出すことによって、ドアで遮られた視界を補完することができる。また、表示部9722は、ハンドルに設けられた表示装置である。表示部9723は、ベンチシートの座面の中央部に設けられた表示装置である。なお、表示装置を座面や背もたれ部分などに設置して、当該表示装置を、当該表示装置の発熱を熱源としたシートヒーターとして利用することもできる。
表示部9714、表示部9715、または表示部9722はナビゲーション情報、スピードメーターやタコメーター、走行距離、給油量、ギア状態、エアコンの設定など、その他様々な情報を提供することができる。また、表示部に表示される表示項目やレイアウトなどは、使用者の好みに合わせて適宜変更することができる。なお、上記情報は、表示部9710乃至表示部9713、表示部9721、表示部9723にも表示することができる。また、表示部9710乃至表示部9715、表示部9721乃至表示部9723は照明装置として用いることも可能である。また、表示部9710乃至表示部9715、表示部9721乃至表示部9723は加熱装置として用いることも可能である。
図35(A)(B)に示す表示装置9500は、複数の表示パネル9501と、軸部9511と、軸受部9512と、を有する。また、複数の表示パネル9501は、表示領域9502と、透光性を有する領域9503と、を有する。
また、複数の表示パネル9501は、可撓性を有する。また、隣接する2つの表示パネル9501は、それらの一部が互いに重なるように設けられる。例えば、隣接する2つの表示パネル9501の透光性を有する領域9503を重ね合わせることができる。複数の表示パネル9501を用いることで、大画面の表示装置とすることができる。また、使用状況に応じて、表示パネル9501を巻き取ることが可能であるため、汎用性に優れた表示装置とすることができる。
また、図35(A)(B)においては、表示領域9502が隣接する表示パネル9501で離間する状態を図示しているが、これに限定されず、例えば、隣接する表示パネル9501の表示領域9502を隙間なく重ねあわせることで、連続した表示領域9502としてもよい。
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有する。ただし、本発明の一態様の発光素子は、表示部を有さない電子機器にも適用することができる。また、本実施の形態において述べた電子機器の表示部においては、可撓性を有し、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる構成、または折り畳み可能な表示部の構成について例示したが、これに限定されず、可撓性を有さず、平面部に表示を行う構成としてもよい。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を有する発光装置について、図36及び図37を用いて説明する。
本実施の形態で示す、発光装置3000の斜視図を図36(A)に、図36(A)に示す一点鎖線E−F間に相当する断面図を図36(B)に、それぞれ示す。なお、図36(A)において、図面の煩雑さを避けるために、構成要素の一部を破線で表示している。
図36(A)(B)に示す発光装置3000は、基板3001と、基板3001上の発光素子3005と、発光素子3005の外周に設けられた第1の封止領域3007と、第1の封止領域3007の外周に設けられた第2の封止領域3009と、を有する。
また、発光素子3005からの発光は、基板3001及び基板3003のいずれか一方または双方から射出される。図36(A)(B)においては、発光素子3005からの発光が下方側(基板3001側)に射出される構成について説明する。
また、図36(A)(B)に示すように、発光装置3000は、発光素子3005が第1の封止領域3007と、第2の封止領域3009とに、囲まれて配置される二重封止構造である。二重封止構造とすることで、発光素子3005側に入り込む外部の不純物(例えば、水、酸素など)を、好適に抑制することができる。ただし、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009を、必ずしも設ける必要はない。例えば、第1封止領域3007のみの構成としてもよい。
なお、図36(B)において、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009は、基板3001及び基板3003と接して設けられる。ただし、これに限定されず、例えば、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009の一方または双方は、基板3001の上方に形成される絶縁膜、あるいは導電膜と接して設けられる構成としてもよい。または、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009の一方または双方は、基板3003の下方に形成される絶縁膜、あるいは導電膜と接して設けられる構成としてもよい。
基板3001及び基板3003としては、それぞれ先の実施の形態に記載の基板200と、基板220と同様の構成とすればよい。発光素子3005としては、先の実施の形態に記載の発光素子と同様の構成とすればよい。
第1の封止領域3007としては、ガラスを含む材料(例えば、ガラスフリット、ガラスリボン等)を用いればよい。また、第2の封止領域3009としては、樹脂を含む材料を用いればよい。第1の封止領域3007として、ガラスを含む材料を用いることで、生産性や封止性を高めることができる。また、第2の封止領域3009として、樹脂を含む材料を用いることで、耐衝撃性や耐熱性を高めることができる。ただし、第1の封止領域3007と、第2の封止領域3009とは、これに限定されず、第1の封止領域3007が樹脂を含む材料で形成され、第2の封止領域3009がガラスを含む材料で形成されてもよい。
また、上述のガラスフリットとしては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ホウ素、酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化テルル、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化鉛、酸化スズ、酸化リン、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化鉄、酸化銅、二酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化リチウム、酸化アンチモン、ホウ酸鉛ガラス、リン酸スズガラス、バナジン酸塩ガラス又はホウケイ酸ガラス等を含む。赤外光を吸収させるため、少なくとも一種類以上の遷移金属を含むことが好ましい。
また、上述のガラスフリットとしては、例えば、基板上にフリットペーストを塗布し、これに加熱処理、またはレーザ照射などを行う。フリットペーストには、上記ガラスフリットと、有機溶媒で希釈した樹脂(バインダとも呼ぶ)とが含まれる。また、ガラスフリットにレーザ光の波長の光を吸収する吸収剤を添加したものを用いても良い。また、レーザとして、例えば、Nd:YAGレーザや半導体レーザなどを用いることが好ましい。また、レーザ照射の際のレーザの照射形状は、円形でも四角形でもよい。
また、上述の樹脂を含む材料としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂を用いることができる。もしくは、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を用いることができる。
なお、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009のいずれか一方または双方にガラスを含む材料を用いる場合、当該ガラスを含む材料と、基板3001との熱膨張率が近いことが好ましい。上記構成とすることで、熱応力によりガラスを含む材料または基板3001にクラックが入るのを抑制することができる。
例えば、第1の封止領域3007にガラスを含む材料を用い、第2の封止領域3009に樹脂を含む材料を用いる場合、以下の優れた効果を有する。
第2の封止領域3009は、第1の封止領域3007よりも、発光装置3000の外周部に近い側に設けられる。発光装置3000は、外周部に向かうにつれ、外力等による歪みが大きくなる。よって、歪みが大きくなる発光装置3000の外周部側、すなわち第2の封止領域3009に、樹脂を含む材料によって封止し、第2の封止領域3009よりも内側に設けられる第1の封止領域3007にガラスを含む材料を用いて封止することで、外力等の歪みが生じても発光装置3000が壊れにくくなる。
また、図36(B)に示すように、基板3001、基板3003、第1の封止領域3007、及び第2の封止領域3009に囲まれた領域には、第1の領域3011が形成される。また、基板3001、基板3003、発光素子3005、及び第1の封止領域3007に囲まれた領域には、第2の領域3013が形成される。
第1の領域3011及び第2の領域3013としては、例えば、希ガスまたは窒素ガス等の不活性ガスが充填されていると好ましい。あるいは、アクリルやエポキシ等の樹脂が充填されていると好ましい。なお、第1の領域3011及び第2の領域3013としては、大気圧状態よりも減圧状態であると好ましい。
また、図36(B)に示す構成の変形例を図36(C)に示す。図36(C)は、発光装置3000の変形例を示す断面図である。
図36(C)は、基板3003の一部に凹部を設け、該凹部に乾燥剤3018を設ける構成である。それ以外の構成については、図36(B)に示す構成と同じである。
乾燥剤3018としては、化学吸着によって水分等を吸着する物質、または物理吸着によって水分等を吸着する物質を用いることができる。例えば、乾燥剤3018として用いることができる物質としては、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)、硫酸塩、金属ハロゲン化物、過塩素酸塩、ゼオライト、シリカゲル等が挙げられる。
次に、図36(B)に示す発光装置3000の変形例について、図37(A)(B)(C)(D)を用いて説明する。なお、図37(A)(B)(C)(D)は、図36(B)に示す発光装置3000の変形例を説明する断面図である。
図37(A)(B)(C)(D)に示す発光装置は、第2の封止領域3009を設けずに、第1の封止領域3007とした構成である。また、図37(A)(B)(C)(D)に示す発光装置は、図36(B)に示す第2の領域3013の代わりに領域3014を有する。
領域3014としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂を用いることができる。もしくは、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を用いることができる。
領域3014として、上述の材料を用いることで、いわゆる固体封止の発光装置とすることができる。
また、図37(B)に示す発光装置は、図37(A)に示す発光装置の基板3001側に、基板3015を設ける構成である。
基板3015は、図37(B)に示すように凹凸を有する。凹凸を有する基板3015を、発光素子3005の光を取り出す側に設ける構成とすることで、発光素子3005からの光の取出し効率を向上させることができる。なお、図37(B)に示すような凹凸を有する構造の代わりに、拡散板として機能する基板を設けてもよい。
また、図37(C)に示す発光装置は、図37(A)に示す発光装置が基板3001側から光を取り出す構造であったのに対し、基板3003側から光を取り出す構造である。
図37(C)に示す発光装置は、基板3003側に基板3015を有する。それ以外の構成は、図37(B)に示す発光装置と同様である。
また、図37(D)に示す発光装置は、図37(C)に示す発光装置の基板3003、3015を設けずに、基板3016を設ける構成である。
基板3016は、発光素子3005の近い側に位置する第1の凹凸と、発光素子3005の遠い側に位置する第2の凹凸と、を有する。図37(D)に示す構成とすることで、発光素子3005からの光の取出し効率をさらに、向上させることができる。
したがって、本実施の形態に示す構成を実施することにより、水分や酸素などの不純物による発光素子の劣化が抑制された発光装置を実現することができる。または、本実施の形態に示す構成を実施することにより、光取出し効率の高い発光装置を実現することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態10)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を様々な照明装置及び電子機器に適用する一例について、図38及び図39を用いて説明する。
本発明の一態様の発光素子を、可撓性を有する基板上に作製することで、曲面を有する発光領域を有する電子機器、照明装置を実現することができる。
また、本発明の一態様を適用した発光装置は、自動車の照明にも適用することができ、例えば、ダッシュボードや、フロントガラス、天井等に照明を設置することもできる。
図38(A)は、多機能端末3500の一方の面の斜視図を示し、図38(B)は、多機能端末3500の他方の面の斜視図を示している。多機能端末3500は、筐体3502に表示部3504、カメラ3506、照明3508等が組み込まれている。本発明の一態様の発光装置を照明3508に用いることができる。
照明3508は、本発明の一態様の発光装置を用いることで、面光源として機能する。したがって、LEDに代表される点光源と異なり、指向性が少ない発光が得られる。例えば、照明3508とカメラ3506とを組み合わせて用いる場合、照明3508を点灯または点滅させて、カメラ3506により撮像することができる。照明3508としては、面光源としての機能を有するため、自然光の下で撮影したような写真を撮影することができる。
なお、図38(A)、(B)に示す多機能端末3500は、図31(A)乃至図31(G)に示す電子機器と同様に、様々な機能を有することができる。
また、筐体3502の内部に、スピーカ、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン等を有することができる。また、多機能端末3500の内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、多機能端末3500の向き(縦か横か)を判断して、表示部3504の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
表示部3504は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部3504に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部3504に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。なお、表示部3504に本発明の一態様の発光装置を適用してもよい。
図38(C)は、防犯用のライト3600の斜視図を示している。ライト3600は、筐体3602の外側に照明3608を有し、筐体3602には、スピーカ3610等が組み込まれている。本発明の一態様の発光装置を照明3608に用いることができる。
ライト3600としては、例えば、照明3608を握持する、掴持する、または保持することで発光することができる。また、筐体3602の内部には、ライト3600からの発光方法を制御できる電子回路を備えていてもよい。該電子回路としては、例えば、1回または間欠的に複数回、発光が可能なような回路としてもよいし、発光の電流値を制御することで発光の光量が調整可能なような回路としてもよい。また、照明3608の発光と同時に、スピーカ3610から大音量の警報音が出力されるような回路を組み込んでもよい。
ライト3600としては、あらゆる方向に発光することが可能なため、例えば、暴漢等に向けて光、または光と音で威嚇することができる。また、ライト3600にデジタルスチルカメラ等のカメラ、撮影機能を有する機能を備えてもよい。
図39は、発光素子を室内の照明装置8501として用いた例である。なお、発光素子は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置を形成することもできる。その他、曲面を有する筐体を用いることで、発光領域が曲面を有する照明装置8502を形成することもできる。本実施の形態で示す発光素子は薄膜状であり、筐体のデザインの自由度が高い。したがって、様々な意匠を凝らした照明装置を形成することができる。さらに、室内の壁面に大型の照明装置8503を備えても良い。また、照明装置8501、8502、8503に、タッチセンサを設けて、電源のオンまたはオフを行ってもよい。
また、発光素子をテーブルの表面側に用いることによりテーブルとしての機能を備えた照明装置8504とすることができる。なお、その他の家具の一部に発光素子を用いることにより、家具としての機能を備えた照明装置とすることができる。
以上のようにして、本発明の一態様の発光装置を適用して照明装置及び電子機器を得ることができる。なお、適用できる照明装置及び電子機器は、本実施の形態に示したものに限らず、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
また、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子の作製例を示す。本実施例で作製した発光素子の断面模式図を図40(A)に、素子構造の詳細を表1及び表2に、それぞれ示す。また、使用した化合物の構造と略称を以下に示す。
<発光素子の作製>
≪発光素子1の作製≫
基板650上にITSOを厚さが110nmになるよう形成することで、電極651を形成した。なお、電極651の電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、電極651上にバッファ層631として、銅フタロシアニン(略称:CuPc)を厚さが2nmになるように蒸着し、続いて、バソフェナントロリン(略称:BPhen)を厚さが5nmになるよう蒸着した。
次に、電子注入層632として、酸化リチウム(Li2O)を厚さが0.15nmになるよう蒸着した。
次に、電子輸送層633として、BPhenを厚さが10nmになるよう蒸着し、続いて、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)を厚さが20nmになるよう蒸着した。
次に、発光層634として、2mDBTBPDBq−IIと、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)と、ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2,6−ジメチルフェニル)−3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(2,4−ペンタンジオナト−κ2O,O’)イリジウム(III)(略称:Ir(dmdppr−dmp)2(acac))と、を重量比(2mDBTBPDBq−II:PCBNBB:Ir(dmdppr−dmp)2(acac))が0.8:0.2:0.06になるように、且つ厚さが30nmになるように共蒸着した。
次に、正孔輸送層635として、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)を、厚さが20nmになるよう蒸着した。
次に、正孔注入層636として、3−[4−(9−フェナントリル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPPn)と、酸化モリブデン(MoO3)とを重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5、厚さが30nmになるよう共蒸着した。
次に、バッファ層637として、BPhenを10nmになるよう蒸着した。続いて、バッファ層638として、フッ化リチウム(LiF)を厚さが1nmになるよう蒸着した。
次に、電極652として、銀(Ag)及びマグネシウム(Mg)の合金膜と、アルミニウム(Al)膜とを、それぞれ厚さが15nmと、200nmとになるよう順次形成した。なお、Ag及びMgの合金膜としては、体積比(Ag:Mg)が1:0.1となるように蒸着した。
次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、有機EL用シール材を用いて封止するための基板660を、有機材料を形成した基板650に固定することで、発光素子1を封止した。具体的には、基板650に形成した有機材料の周囲にシール材を塗布し、該基板650と基板660とを貼り合わせ、波長が365nmの紫外光をシール材に6J/cm2照射し、80℃にて1時間熱処理した。以上の工程により発光素子1を得た。
≪発光素子2乃至6の作製≫
発光素子2乃至6は、先に示す発光素子1と、バッファ層637及びバッファ層638の形成工程のみ異なり、それ以外の工程は発光素子1と同様の作製方法とした。
発光素子2のバッファ層637として、BPhenを10nmになるよう蒸着した。なお、発光素子2においては、バッファ層638を形成せずにバッファ層637上に電極652を形成した。
発光素子3においては、バッファ層637を形成せず、正孔注入層636上にバッファ層638として、フッ化リチウム(LiF)を厚さが1nmになるよう蒸着した。
発光素子4においては、バッファ層637及びバッファ層638を形成せず、正孔注入層636上に電極652を形成した。
発光素子5のバッファ層637として、CuPcを厚さが2nmになるよう蒸着し、続いて、BPhenを5nmになるよう蒸着した。また、バッファ層637上にバッファ層638として、Li2Oを厚さが0.15nmになるよう蒸着した。
発光素子6のバッファ層637として、CuPcを厚さが2nmになるよう蒸着し、続いて、BPhenを5nmになるよう蒸着した。また、バッファ層637上にバッファ層638として、Li2Oを厚さが0.15nmになるよう蒸着した。また、バッファ層638上にバッファ層639として、BPhenを厚さが10nmになるよう蒸着した。
<発光素子の特性>
作製した発光素子1乃至6の輝度−電流密度特性を図41に示す。また、電流密度−電圧特性を図42に示す。また、電流効率−輝度特性を図43に示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。
また、発光素子1乃至6に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の電界発光スペクトル(ELスペクトル)を図44に示す。なお、図44において縦軸は、各電界発光スペクトルの最大値で規格化した発光強度(EL強度)である。
また、1000cd/m2付近における、発光素子1乃至6の素子特性を表3に示す。
図44に示すように、発光素子1、2、4、5、及び6からは電界発光スペクトルのピーク波長が618nm付近の赤色の発光が得られた。なお、発光素子3からは1cd/m2を超える輝度の発光が得られなかった。
また、図42及び表3に示すように、発光素子1、5、及び6においては、3.3Vで1000cd/m2程度の輝度を示す発光が得られており、駆動電圧の低い発光素子である。一方、発光素子2及び4は、駆動電圧が高い。すなわち、バッファ層637及びバッファ層638を有する発光素子は、駆動電圧が低減された発光素子である。
また、図43及び表3に示すように、発光素子1、5、及び6は高い電流効率が得られている。一方、発光素子4は電流効率が低い結果であり、最大輝度が280cd/m2と低い結果であった。そのため、発光素子1、5、及び6は、高い電力効率が得られている。すなわち、バッファ層637及びバッファ層638を有する発光素子は、消費電力が低減された発光素子である。
また、発光素子6のように、バッファ層639を有する発光素子であっても低い駆動電圧と、高い電流効率を示している。なお、発光素子6において、発光素子1および5と比べて電流効率がやや低い値である原因は、発光素子6がバッファ層639を有しており、発光素子6の一対の電極(電極651及び電極652)間の距離が、他の発光素子(発光素子1、2、3、4、及5)より大きいために、一対の電極間の光学距離が異なるからである。
以上のように、本発明の一態様により、駆動電圧の低減された発光素子を提供することができる。また、消費電力が低減された発光素子を提供することができる。
本実施例に示す構成は、他の実施例および他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、本発明の一態様のタンデム型の発光素子の作製例を示す。本実施例で作製した発光素子の断面模式図を図40(B)に、素子構造の詳細を表3及び表4に、それぞれ示す。また、使用した化合物の構造と略称を以下に示す。なお、他の化合物については、実施例1を参酌すればよい。
<発光素子の作製>
≪発光素子7の作製≫
基板650上にアルミニウムとニッケルとランタンの合金膜(Al−Ni−La膜)を厚さが200nmになるよう形成した。次に、Al−Ni−La膜上にチタン(Ti)膜を厚さ6nmになるように形成後、300℃にて1時間のベーク処理を行うことで、Ti膜を酸化し、チタン酸化膜を形成した。次に、ITSO膜を厚さが45nmになるよう形成した。以上の工程により、電極651を形成した。なお、電極651の電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、電極651上にバッファ層631(1)として、PCPPnと、MoO3とを重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5、厚さが25nmになるよう共蒸着、続いて、バッファ層631(2)として、CuPcを厚さが2nmになるように蒸着し、続いて、BPhenを厚さが5nmになるよう蒸着した。
次に、電子注入層632として、酸化リチウム(Li2O)を厚さが0.15nmになるよう蒸着した。
次に、電子輸送層633として、BPhenを厚さが10nmになるよう蒸着し、続いて、7−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−7H−ジベンゾ[c,g]カルバゾール(略称:cgDBCzPA)を厚さが10nmになるよう蒸着した。
次に、発光層634として、cgDBCzPAと、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)と、を重量比(cgDBCzPA:1,6mMemFLPAPrn)が1:0.05になるように、且つ厚さが25nmになるように共蒸着した。
次に、正孔輸送層635として、PCPPnを厚さが15nmになるよう蒸着した。
次に、電荷発生層を兼ねる正孔注入層636として、PCPPnと、MoO3とを重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5、厚さが10nmになるよう共蒸着した。
次に、バッファ層641として、CuPcを厚さが2nmになるように蒸着し、続いて、BPhenを厚さが5nmになるよう蒸着した。
次に、電子注入層642として、Li2Oを厚さが0.15nmになるよう蒸着した。
次に、電子輸送層643として、BPhenを厚さが10nmになるよう蒸着し、続いて、2mDBTBPDBq−IIを厚さが20nmになるよう蒸着した。
次に、発光層644として、2mDBTBPDBq−IIと、ビス[2−(5−(2,6−ジメチルフェニル)−3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN)−4,6−ジメチルフェニル−κC](2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κ2O,O’)イリジウム(III)(略称:Ir(dmdppr−dmp)2(dpm))と、を重量比(2mDBTBPDBq−II:Ir(dmdppr−dmp)2(dpm))が1:0.06になるように、且つ厚さが20nmになるように共蒸着し、続いて、2mDBTBPDBq−IIと、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)と、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)2(acac))と、を重量比(2mDBTBPDBq−II:PCBBiF:Ir(tBuppm)2(acac))が0.7:0.3:0.06になるように、且つ厚さが20nmになるように共蒸着した。
次に、正孔輸送層645として、BPAFLPを、厚さが20nmになるよう蒸着した。
次に、正孔注入層646として、PCPPnと、MoO3とを重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5、厚さが25nmになるよう共蒸着した。
次に、バッファ層647として、BPhenを10nmになるよう蒸着した。続いて、バッファ層648として、フッ化リチウム(LiF)を厚さが1nmになるよう蒸着した。
次に、電極652として、Ag及びMgの合金膜と、ITO膜とを、それぞれ厚さが15nmと、70nmとになるよう順次形成した。なお、Ag及びMgの合金膜としては、体積比(Ag:Mg)が1:0.1となるように蒸着した。
また、発光素子7に重畳する光学素子670とするため、基板660上に赤色のカラーフィルタ(CF Red)を2.1μmの厚さで形成した。
次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、有機EL用シール材を用いて封止するための光学素子670を有する基板660を、有機材料を形成した基板650に固定することで、発光素子7を封止した。具体的には、基板650に形成した有機材料の周囲にシール材を塗布し、該基板650と基板660とを貼り合わせ、波長が365nmの紫外光をシール材に6J/cm2照射し、80℃にて1時間熱処理した。以上の工程により発光素子7を得た。
≪発光素子8及び9の作製≫
発光素子8及び9は、先に示す発光素子7と、電極651、バッファ層631(1)、及び光学素子670の形成工程のみ異なり、それ以外の工程は発光素子7と同様の作製方法とした。
発光素子8の電極651として、厚さが200nmのAl−Ni−La膜、及び厚さが6nmのチタン酸化膜上に、ITSO膜を厚さが10nmになるよう形成した。
次に、電極651上にバッファ層631(1)として、PCPPnと、MoO3とを重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5、厚さが20nmになるよう共蒸着した。
また、発光素子8に重畳する光学素子670とするため、基板660上に緑のカラーフィルタ(CF Green)を1.2μmの厚さで形成した。
発光素子9の電極651として、厚さが200nmのAl−Ni−La膜、及び厚さが6nmのチタン酸化膜上に、ITSO膜を厚さが75nmになるよう形成した。
次に、電極651上にバッファ層631(1)として、PCPPnと、MoO3とを重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5、厚さが15nmになるよう共蒸着した。
また、発光素子9に重畳する光学素子670とするため、基板660上に青のカラーフィルタ(CF Blue)を0.8μmの厚さで形成した。
<発光素子の特性>
作製した発光素子7乃至9の輝度−電流密度特性を図45に示す。また、電流密度−電圧特性を図46に示す。また、電流効率−輝度特性を図47に示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。
また、発光素子7乃至9に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の電界発光スペクトル(ELスペクトル)を図48に示す。なお、図48において縦軸は、各電界発光スペクトルの最大値で規格化した発光強度(EL強度)である。
また、1000cd/m2付近における、発光素子7乃至9の素子特性を表6に示す。
図48に示すように、発光素子7、8、及び9の電界発光スペクトルのピーク波長はそれぞれ616nm、541nm、及び466nmであり、赤色、緑色、及び青色の発光を示した。また、発光素子7、8、及び9の電界発光スペクトルの半値全幅はそれぞれ40nm、31nm、及び17nmであり、色純度の高い発光を示した。これは、発光素子7乃至9が、一対の電極(電極651及び電極652)間でマイクロキャビティ構造を有するためである。
また、図46及び表6に示すように、発光素子7、8、及び9においては、タンデム型の発光素子としては低い駆動電圧であった。すなわち、本発明の一態様の構成を有する発光素子は、駆動電圧が低減された発光素子である。
また、図47及び表6に示すように、発光素子7、8、及び9は、それぞれ赤色、緑色、青色を呈する発光素子として、高い電流効率が得られた。すなわち、本発明の一態様の構成を有する発光素子は、消費電力が低減された発光素子である。
次に、上記作製した発光素子7乃至9を表示装置に用いた場合における、該表示装置の消費電力を見積もった。
本実施例においては、表示領域の縦横比が16:9で、対角サイズが4.3インチで、面積が50.97cm2である表示装置において、開口率が35%と仮定して、表示装置の消費電力を見積もった。また、該仕様の表示装置において、色温度が6500Kの白色(色度(x,y)が(0.313,0.329))を300cd/m2で表示領域全面に表示させたときの発光素子及び表示装置の特性を見積もった。
その結果、発光素子7乃至9を上記仕様の表示装置に用いた場合においては、発光素子7の輝度が617cd/m2、発光素子8の輝度が1771cd/m2、発光素子9の輝度が183cd/m2の時に、色温度が6500Kの白色(色度(x,y)が(0.313,0.329))を300cd/m2で表示領域全面に表示させることができ、この時に表示装置の消費電力は601mWと見積もることができた。
また、全米テレビジョン放送方式標準化委員会(NTSC)が策定した色域規格に対して該表示装置が表示可能な領域は、CIE1976色度座標における面積比(NTSC比)で、114%と見積もられ、高い色再現性を示すことが分かった。
以上のように、本発明の一態様により、駆動電圧の低減された発光素子を提供することができる。また、消費電力が低減された発光素子を提供することができる。また、色純度の高い発光素子を提供することができる。また、色再現性の高い表示装置を提供することができる。
本実施例に示す構成は、他の実施例および他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。