JP7367371B2 - 人工皮革およびその製造方法 - Google Patents
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Description
要件1:前記極細繊維Aは黒色顔料を含有し、該黒色顔料の含有量が極細繊維Aの質量に対し0.01質量%以上1.0質量%以下である
要件2:前記繊維絡合体に占める前記極細繊維Aの質量比が10質量%以上90%質量以下である
要件3:前記繊維絡合体の表面における前記極細繊維Bの占有率のバラツキが10%以下である
要件4:前記繊維絡合体の表面のL * 値が25以上80以下である
要件5:前記人工皮革に占める高分子弾性体の質量比が15質量%以上50質量%以下である
本発明の人工皮革の好ましい態様によれば、前記の高分子弾性体に含まれる黒色顔料の含有量が0.01質量%以上2.0質量%以下である。
工程(1):繊維長25mm以上90mm以下の極細繊維発現型繊維A0、および、繊維長25mm以上90mm以下の極細繊維発現型繊維B0を前記極細繊維発現型繊維A0の質量比が10質量%以上90質量%以下となるよう混綿された原綿を開繊し、さらに、ニードルパンチ処理して繊維絡合体を製造する工程
工程(2):前記極細繊維発現型繊維A0、および、前記極細繊維発現型繊維B0の易溶解性成分を除去し、平均単繊維直径が1.0μm以上6.0μm以下である極細繊維Aとポリエステル系樹脂からなり、平均単繊維直径が1.0μm以上6.0μm以下である極細繊維Bを発現させる工程
工程(3):黒色顔料を含有する高分子弾性体を人工皮革の質量に対して15質量%以上50質量%以下となるように付与し、シート状物を得る工程
工程(4):前記シート状物を起毛処理し、染色する工程
本発明の人工皮革の製造方法の好ましい態様によれば、前記の極細繊維発現型繊維A0、および、前記極細繊維発現型繊維B0が捲縮を有する。
要件1:前記極細繊維Aは黒色顔料を含有し、該黒色顔料の含有量が極細繊維Aの質量に対し0.01質量%以上1.0質量%以下である
要件2:前記繊維絡合体に占める前記極細繊維Aの質量比が10質量%以上90%質量以下である
要件3:前記繊維絡合体の表面における前記極細繊維Bの占有率のバラツキが10%以下である
要件4:前記繊維絡合体の表面のL * 値が25以上80以下である
要件5:前記人工皮革に占める高分子弾性体の質量比が15質量%以上50質量%以下である
以下に、その構成要素について詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に説明する範囲に何ら限定されるものではない。
本発明において、繊維絡合体を構成する極細繊維Aおよび極細繊維Bは、耐久性や耐熱性、特には機械的強度等に優れることから、ポリエステル系樹脂からなる。
(1)人工皮革断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を撮影し、円形または円形に近い楕円形の極細繊維をランダムに10本選ぶ。
(2)単繊維直径を測定して10本の算術平均値を計算して、小数点以下第二位で四捨五入する。
(ただし、異型断面の極細繊維を採用した場合には、まず単繊維の断面積を測定し、当該断面を円形と見立てた場合の直径を算出することによって単繊維の直径を求めるものとする。)
また、本発明で用いられる黒色顔料は、極細繊維中の粒子径の算術平均が好ましくは0.01μm以上0.30μm以下である。
(1) 極細繊維の長手方向に垂直な面の断面方向に厚さ5~10μmの超薄切片を作製する。
(2) 透過型電子顕微鏡(TEM)にて超薄切片中の繊維断面を10000倍で観察する。
(3) 画像解析ソフトを使用して、観察像の2.3μm×2.3μmの視野の中に含まれる顔料の粒子径の円相当径を20点測定する。
(4) 測定した20点の粒子径について、平均値(算術平均)を算出する。
(1) ジメチルホルムアミド等を含む溶液に人工皮革を浸漬させ高分子弾性体を取り除き、極細繊維を採取する。
(2) 採取した極細繊維について、フェノールとテトラクロロエタンの混合液を用いてポリエステル成分を溶解させ、黒色顔料のみを抽出する。
(3)抽出した黒色顔料について発生ガス分析を実施し、黒色顔料由来の発生ガスについての検量線を作成する。
(4) 人工皮革を脱染料処理後、ジメチルホルムアミド等を用いて高分子弾性体を抽出し極細繊維のみにしたのち、極細繊維Aを採取する。
(5) 採取した極細繊維Aについて発生ガス分析を実施し、黒色顔料由来の発生ガス検出強度と(3)で作成した検量線から、極細繊維Aに含まれる黒色顔料の割合を算出する。
(1)デジタルマイクロスコープにて繊維絡合体の表面画像を100倍で、ランダムに10枚撮像する。
(2)画像解析ソフトを使用して、撮像した表面画像をそれぞれ二値化し、全体面積に占める白色(極細繊維Bが存在する場所に相当)の占有率を10点算出する。
(3)算出した10点の占有率の平均値(算術平均)と標準偏差を求め、占有率のバラツキ(CV)を下式より算出する。
・CV=標準偏差/平均値×100
また、本発明の繊維絡合体は極細繊維Aと極細繊維Bとの混合比率により表面の明度(L*値)を調節することができ、表面の明度(L*値)は好ましくは25以上80以下、より好ましくは30以上75以下、さらに好ましくは35以上70以下とすることにより、淡色から濃色までの色相を発色することができる。なお、表面の明度とは、繊維絡合体の表面を測定面として、JIS Z8781-4:2013「測色-第4部:CIE1976L*a*b*色空間」の「3.3 CIE1976 明度指数」で規定されるL*値のことを指す。本発明において、L*値の計測は分光測色計を用いて10回測定し、その測定結果の算術平均を繊維絡合体のL*値として採用する。
本発明の人工皮革を構成する高分子弾性体は、人工皮革を構成する極細繊維を把持するバインダーであるため、本発明の人工皮革の柔軟な風合いを考慮すると、用いられる高分子弾性体としては、ポリウレタン、ポリウレタン、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)およびアクリル樹脂等が挙げられる。中でも、ポリウレタンを主成分として用いることが好ましい態様である。ポリウレタンを用いることにより、充実感のある触感、皮革様の外観および実使用に耐える物性を備えた人工皮革を得ることができる。なお、本発明でいう「主成分である」とは、高分子弾性体全体の質量に対してポリウレタンの質量が50質量%より多いことをいう。
(1) フェノールとテトラクロロエタンの混合液に人工皮革を浸漬させ極細繊維を溶解し、高分子弾性体を採取する。
(2)採取した高分子弾性体を、ジメチルホルムアミド等を用いて溶液化させ、黒色顔料のみを抽出する。
(3) 抽出した黒色顔料について発生ガス分析を実施し、黒色顔料由来の発生ガスについての検量線を作成する。
(4) 人工皮革に含まれる高分子弾性体を、ジメチルホルムアミド等を用いて溶液化したのち、ジメチルホルムアミド等を取り除くことで、再度、高分子弾性体を固化させる。
(5) (4)で得られた高分子弾性体について発生ガス分析を実施し、黒色顔料由来の発生ガス検出強度と(3)で作成した検量線から、人工皮革を構成する高分子弾性体に含まれる黒色顔料の割合を算出する。
本発明の人工皮革においては、表面に立毛を有することが好ましい態様である。立毛は人工皮革の表面のみに有していてもよく、両面に有することも許容される。表面に立毛を有する場合の立毛形態は、意匠効果の観点から指でなぞったときに立毛の方向が変わることで跡が残る、いわゆるフィンガーマークが発する程度の立毛長と方向柔軟性を備えていることが好ましい。より具体的には、表面の立毛長は100μm以上であることが好ましく、150μm以上であることがより好ましく、200μm以上であることがさらに好ましい。一方、立毛長が長すぎると人工皮革の摩擦に対する耐久性が低下するため、400μm以下であることが好ましく、350μm以下であることがより好ましい態様である。表面の立毛長は、リントブラシ等を用いて人工皮革の立毛を逆立てた状態で人工皮革の断面を倍率50倍でSEM撮影し、立毛部(極細繊維のみからなる層)の高さを10点測定して平均値を計算することにより算出する。
本発明の人工皮革は次の工程(1)~(4)を含んで製造される。
工程(1):繊維長25mm以上90mm以下の極細繊維発現型繊維A0、および、繊維長25mm以上90mm以下の極細繊維発現型繊維B0を前記極細繊維発現型繊維A0の質量比が10質量%以上90質量%以下となるよう混綿された原綿を開繊し、さらに、ニードルパンチ処理して繊維絡合体を製造する工程
工程(2):前記極細繊維発現型繊維A0、および、前記極細繊維発現型繊維B0の易溶解性成分を除去する工程
工程(3):黒色顔料を含有する高分子弾性体を人工皮革の質量に対して15質量%以上50質量%以下となるように付与し、シート状物を得る工程
工程(4):前記シート状物を起毛処理し、染色する工程
以下に、各工程の詳細について説明する。
本工程においては、まず、極細繊維発現型繊維A0および極細繊維発現型繊維B0を製造する。極細繊維発現型繊維A0および極細繊維発現型繊維B0としては、海島複合繊維や混合紡糸型複合繊維などを挙げることができる。そのうち、5.0μm以下の極細繊維を容易に安定して製造できることから海島複合繊維が好ましい。
(1) 長さ20cmの極細繊維発現型繊維を10本束ねる。
(2) (1)の試料から易溶解性ポリマーを溶解除去したのちに、風乾する。
(3) JIS L1013:2010「化学繊維フィラメント糸試験方法」の「8.5 引張強さ及び伸び率」の「8.5.1 標準時試験」にて、つかみ長さ5cm、引張速度5cm/分、荷重2Nの条件にて10回試験する(N=10)。
(4) (3)で得られた試験結果の算術平均値(cN/dtex)を小数点以下第二位で四捨五入して得られる値を、極細繊維発現型繊維を構成する難溶解性ポリマーの強度とする。
(1) 切断後の極細繊維発現型繊維を10本採取する。
(2) 定規等の計測器具を用いて、捲縮加工されていない場合は採取した10本の極細繊維発現型繊維の長さを測定(N=10)し、捲縮加工されている場合は採取した10本の極細繊維発現型繊維に、極細繊維発現型繊維の長手方向に1cNの荷重をかけたのち長さを測定(N=10)する。
(3) (2)で得られた測定結果の算術平均値(mm)を小数点以下第一位で四捨五入して得られる値を、極細繊維発現型繊維の繊維長とする。
短繊維化後に混綿することで、極細繊維Aと極細繊維Bとが人工皮革内で均一に分散された人工皮革を得ることができ、繊維絡合体の表面色相を均一にすることができる。なお、繊維絡合体に占める極細繊維発生型繊維A0の質量比は、繊維絡合体の中の10質量%以上90%質量以下である。
(1) ニードルパンチ処理後の繊維絡合体の加工重量(kg)、加工長さ(m)、加工幅(m)および厚さ(mm)を測定する。
(2) 測定した繊維絡合体の加工重量、加工長さ、加工幅、厚さから、繊維絡合体の見掛け密度(g/cm3)を下式より算出する。
・見掛け密度(g/cm3)=加工重量(kg)/(加工長さ(m)×加工幅(m)×厚さ(mm))
前記の繊維絡合体には、繊維の緻密感向上のために、温水やスチームによる熱収縮処理を施すことも好ましい態様である。
本工程では、得られた繊維絡合体を溶剤で処理して、極細繊維発現型繊維A0、および、極細繊維発現型繊維B0から、単繊維の平均単繊維径が1.0μm以上10.0μm以下の極細繊維を発現させる。
本工程では、極細繊維または極細繊維発現型繊維を主構成成分とする繊維絡合体に高分子弾性体の溶液を含浸し固化したのち、人工皮革の質量に対して黒色顔料を含有する高分子弾性体を15質量%以上50質量%以下付与する。高分子弾性体としては、前記したものが好ましく用いられる。なお、高分子弾性体を繊維絡合体に固定する方法としては、高分子弾性体の溶液を繊維絡合体に含浸させた後に、凝固浴中に浸漬させて固定する「湿式凝固する方法」、または、乾燥させて固定する「乾式凝固する方法」などがあり、使用する高分子弾性体の種類により適宜これらの方法を選択することができる。
前記工程3を終えて、高分子弾性体が付与されてなるシート状物は、製造効率を向上させる観点から、厚み方向に半裁して2枚のシート状物となるようにすることも好ましい態様である。
A.顔料の粒子径の算術平均:
極細繊維の長手方向に垂直な面の断面方向の超薄切片は、Sorvall社製ウルトラミクロトーム「MT6000型」を用いて作製した。得られた切片は、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製「H7700型」)を用いて観察した。次いで顔料の粒子径については、画像解析ソフト(三谷商事製「WinROOF」)を用いて測定した。
繊維絡合体の表面画像は、キーエンス社製デジタルマイクロスコープ「VHX-950F」を用いて撮像した。次いで撮像した表面画像の二値化処理については、画像解析ソフト「ImageJ」を使用した。
極細繊維A、および、高分子弾性体に含まれる黒色顔料の割合は、SHIMADZU社製発生ガス分析装置「GCMS-QP2010」を用いて測定した。
分光測色系を用いて前記したJIS Z8781-4:2013「測色-第4部:CIE1976L*a*b*色空間」の3.3で規定されるL*値を計測した。計測はコニカミノルタ社製色彩色差計「CR-310」によって10回測定し、その平均を繊維絡合体および人工皮革のL*値とした。
測定後のサンプルの汚染度合いをJIS L0805:2005「汚染用グレースケール」に規定の汚染用グレースケールを用いて級判定し、4級以上(L*a*b*表色系による色差ΔE* abが4.5±0.3以下)を合格とした。
照射後サンプルの変退色度合いをJIS L0804:2004「変退色用グレースケール」に規定の変退色用グレースケールを用いて級判定し、4級以上(L*a*b*表色系による色差ΔE* abが1.7±0.3以下)を合格とした。
摩耗試験器としてJames H. Heal & Co.製「Model 406」を、標準摩擦布として同社の「Abrastive CLOTH SM25」を用いて耐摩耗試験を行い、人工皮革の摩耗減量が10mg以下であった人工皮革を合格とした。
健康な成人男性と成人女性各10名ずつ、計20名を評価者として、目視評価によって、下記のように評価し、最も多かった評価を表面の均一性とした。なお、評価が同数となった場合は、より高い評価をその人工皮革の表面の均一性とすることとした。本発明において良好なレベルは、「AまたはB」である。
・A:非常に均一な表面色相である
・B:均一な表面色相である
・C:ムラの大きい表面色相である
・D:非常にムラの大きい表面色相である。
健康な成人男性と成人女性各10名ずつ、計20名を評価者として、官能評価によって、下記のように評価し、最も多かった評価を人工皮革の風合いとした。なお、評価が同数となった場合は、より高い評価をその人工皮革の風合いとすることとした。本発明において良好なレベルは、「AまたはB」である。
・A:柔軟で良好な風合いである
・B:わずかに柔軟で良好な風合いである
・C:わずかに強硬で不良な風合いである
・D:強硬で不良な風合いである。
<工程1>
海島型複合構造を有する、海島複合繊維A0(島部:極細繊維A)、および、海島複合繊維B0(島部:極細繊維B)を、以下の条件で溶融紡糸した。
[海島複合繊維A0]
・島部(極細繊維A): 以下の成分(a)と(b)が95:5の質量比で混合したもの
(a) 固有粘度(IV値)が0.73のポリエチレンテレフタレートA
(b) 上記ポリエチレンテレフタレートA中に、黒色顔料としてカーボンブラック(粒子径の平均:0.20μm)がマスターバッチの質量対比で20質量%含有されている、マスターバッチ
・海部: MFRが65g/10分のポリスチレン
・口金: 島数が16島/ホールの海島型複合用口金
・紡糸温度: 285℃
・島部/海部 質量比率: 80/20
・吐出量: 1.2g/(分・ホール)
・紡糸速度: 1100m/分。
[海島複合繊維B0]
・島部(極細繊維B): 固有粘度(IV値)が0.73のポリエチレンテレフタレートA
・海部: MFRが65g/10分のポリスチレン
・口金: 島数が16島/ホールの海島型複合用口金
・紡糸温度: 285℃
・島部/海部 質量比率: 80/20
・吐出量: 1.2g/(分・ホール)
・紡糸速度: 1100m/分。
上記のようにして得られた原綿を、繊維絡合体における極細繊維Aと極細繊維Bの比率が質量比率で50:50となるよう、ピン状の突起物をもつ回転体を有する混綿機を用いて混綿した。
上記のようにして得られた繊維絡合体を96℃の熱水で収縮処理させた。その後、濃度が12質量%となるように調製した、鹸化度88%のポリビニルアルコール(PVA)水溶液を熱水で収縮処理させた繊維絡合体に含浸させた。さらにこれをロールで絞り、温度120℃の熱風で10分間PVAをマイグレーションさせながら乾燥させ、シート基体の質量に対するPVA質量が25質量%となるようにしたPVA付シートを得た。このようにして得られたPVA付シートをトリクロロエチレンに浸漬させて、マングルによる搾液と圧縮を10回行った。これによって、海部の溶解除去とPVA付シートの圧縮処理を行い、PVAが付与された極細繊維束が絡合してなるPVA付シートを得た。
上記のようにして得られたPVA付シートに、黒色顔料としてカーボンブラックを含むポリウレタンを主成分とする固形分の濃度が13%となるように調製した、ポリウレタンのDMF(ジメチルホルムアミド)溶液を浸漬させた。その後、ポリウレタンのDMF溶液に浸漬させた脱海PVA付シートをロールで絞った。次いで、このシートを濃度30質量%のDMF水溶液中に浸漬させ、ポリウレタンを凝固させた。その後、PVAおよびDMFを熱水で除去し、110℃の温度の熱風で10分間乾燥させた。これによって、厚みが1.8mmで、繊維絡合体の質量に対するポリウレタン質量が30質量%、ポリウレタンに含まれるカーボンブラックの含有量が0.1質量%となるようにしたポリウレタン付シートを得た。
上記のようにして得られたポリウレタン付シートを厚みがそれぞれ1/2ずつとなるように半裁した。続いて、サンドペーパー番手180番のエンドレスサンドペーパーで半裁面の反対側の面の表層部を0.3mm研削して表面の立毛長が300μmとなるように起毛処理を行い、厚み0.6mmの立毛シートを得た。
高分子弾性体に含まれるカーボンブラックの含有量が1.5質量%である以外は実施例1と同様にして、人工皮革を得た。得られた人工皮革は、優れた摩擦堅牢性および耐光堅牢度を有し、耐摩耗性を併せ持っていた。また、人工皮革の表面は均一な色相であり、かつ良好な風合いを有していた。結果を表1に示す。
繊維絡合体における極細繊維Aと極細繊維Bの比率が質量比率で20:80、80:20である以外は実施例1と同様にして、人工皮革を得た。得られた人工皮革は、優れた摩擦堅牢性および耐光堅牢度を有し、耐摩耗性を併せ持っていた。また、人工皮革の表面は均一な色相であり、かつ良好な風合いを有していた。結果を表1に示す。
高分子弾性体に含まれるカーボンブラックの含有量が3.0質量%である以外は実施例1と同様にして、人工皮革を得た。得られた人工皮革は、摩擦堅牢性がわずかに劣るものの優れた耐光堅牢度を有し、耐摩耗性を併せ持っていた。また、人工皮革の表面は均一な色相であり、かつ良好な風合いを有していた。結果を表1に示す。
極細繊維Aに含まれるカーボンブラックの含有量が3.0質量%である以外は実施例1と同様にして、人工皮革を得た。得られた人工皮革は、耐摩耗性がわずかに劣るものの優れた摩擦堅牢度および耐光堅牢性を有していた。また、人工皮革の表面は均一な色相であり、かつ良好な風合いを有していた。結果を表1に示す。
極細繊維Aに含まれる黒色顔料がチタンブラックである以外は実施例1と同様にして、人工皮革を得た。得られた人工皮革は、耐摩耗性がわずかに劣るものの優れた摩擦堅牢度および耐光堅牢性を有していた。また、人工皮革の表面は均一な色相であり、かつ良好な風合いを有していた。結果を表1に示す。
高分子弾性体に含まれる黒色顔料がチタンブラックである以外は実施例1と同様にして、人工皮革を得た。得られた人工皮革は、摩擦堅牢性がわずかに劣るものの優れた耐光堅牢度を有し、耐摩耗性を併せ持っていた。また、人工皮革の表面は均一な色相であり、かつ良好な風合いを有していた。結果を表1に示す。
繊維絡合体における極細繊維Aと極細繊維Bの比率が質量比率で0:100、すなわち、繊維絡合体が極細繊維Bのみから構成される以外は実施例1と同様にして、人工皮革を得た。得られた人工皮革は、実施例1対比で摩擦堅牢度および耐光堅牢度に劣るものであった。結果を表2に示す。
繊維絡合体の表面における極細繊維Bの占有率のバラツキが15.0%である以外は実施例1と同様にして、人工皮革を得た。得られた人工皮革は、実施例1対比で表面の色相バラツキが大きく表面色相の均一性に劣るものであった。結果を表2に示す。
実施例1に記載の単繊維繊度が3.8dtexの海島複合繊維を長さ5mmに切断したのちトリクロロエチレンに浸漬させて、単繊維繊度4.4μmの極細繊維Aおよび極細繊維Bを製造し、極細繊維Aと極細繊維Bの比率が質量比率で50:50になるように水中で分散させ抄造法により目付100g/m2の抄造シートを製造し表面繊維層として用いた。同様の方法にて目付50g/m2の抄造シートを製造し裏面繊維層として用いた。表面繊維層と裏面繊維層の中間にポリエステル樹脂からなる織物をスクリムとして挿入し、3層構造のシートとした。次いで、高速水流の噴射により繊維絡合体を得た。この繊維絡合体の表層をサンドペーパーでバフィングし起毛した繊維絡合体を得た。次いで、黒色顔料を含有する高分子弾性体を起毛処理した繊維絡合体に付与することで人工皮革を得た。なお、人工皮革に占める高分子弾性体の質量比は10質量%であった。得られた人工皮革は、実施例1対比で風合いに劣るものであった。結果を表2に示す。
Claims (6)
- ポリエステル系樹脂からなり、平均単繊維直径が1.0μm以上6.0μm以下である極細繊維Aとポリエステル系樹脂からなり、平均単繊維直径が1.0μm以上6.0μm以下である極細繊維Bとからなる繊維絡合体、および、黒色顔料を含有する高分子弾性体とを含む人工皮革であって、以下の要件1~5をすべて満たす人工皮革。
要件1:前記極細繊維Aは黒色顔料を含有し、該黒色顔料の含有量が極細繊維Aの質量に対し0.01質量%以上1.0質量%以下である
要件2:前記繊維絡合体に占める前記極細繊維Aの質量比が10質量%以上90%質量以下である
要件3:前記繊維絡合体の表面における前記極細繊維Bの占有率のバラツキが10%以下である
要件4:前記繊維絡合体の表面のL * 値が25以上80以下である
要件5:前記人工皮革に占める高分子弾性体の質量比が15質量%以上50質量%以下である - 前記高分子弾性体に含まれる黒色顔料の含有量が0.01質量%以上2.0質量%以下である、請求項1に記載の人工皮革。
- 前記要件1の黒色顔料がカーボンブラックである、請求項1または2に記載の人工皮革。
- 前記高分子弾性体に含まれる黒色顔料がカーボンブラックである、請求項1~3のいずれかに記載の人工皮革。
- 下記(1)~(4)の工程を含む、請求項1~4のいずれかに記載の人工皮革の製造方法。
工程(1):繊維長25mm以上90mm以下の極細繊維発現型繊維A0、および、繊維長25mm以上90mm以下の極細繊維発現型繊維B0を前記極細繊維発現型繊維A0の質量比が10質量%以上90質量%以下となるよう混綿された原綿を開繊し、さらに、ニードルパンチ処理して繊維絡合体を製造する工程
工程(2):前記極細繊維発現型繊維A0、および、前記極細繊維発現型繊維B0の易溶解性成分を除去し、平均単繊維直径が1.0μm以上6.0μm以下である極細繊維Aとポリエステル系樹脂からなり、平均単繊維直径が1.0μm以上6.0μm以下である極細繊維Bを発現させる工程
工程(3):黒色顔料を含有する高分子弾性体を人工皮革の質量に対して15質量%以上50質量%以下となるように付与し、シート状物を得る工程
工程(4):前記シート状物を起毛処理し、染色する工程 - 前記極細繊維発現型繊維A0、および、前記極細繊維発現型繊維B0が捲縮を有する、請求項5に記載の人工皮革の製造方法。
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