JP7729025B2 - パワーモジュール - Google Patents
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Description
前記パワー半導体素子と前記金属回路基板とをシンタリングペーストにより接合した接合層と、
前記金属回路基板の他方の面に放熱部材を接合するために設けられる放熱シートと、
を有し、
前記パワー半導体素子と、前記接合層と、前記金属回路基板と、前記放熱シートとが積層された第1の積層構造において、積層方向(高さ方向)の熱抵抗の合計が0.40(K/W)以下である、
パワーモジュールが提供される。
<パワーモジュール10>
本実施形態に係るパワーモジュール10について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るパワーモジュール10を模式的に示した断面図である。以下では、説明を簡単にするため、パワーモジュール10の各構成要素の位置関係(上下関係等)が各図に示す関係であるものとして説明を行う場合がある。ただし、この説明における位置関係は、半導体装置100の使用時や製造時の位置関係とは無関係である。
パワー半導体チップ1は、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT;Insulated Gate Bipolar Transistor)およびダイオード等である。パワー半導体チップ1の上面には図示しない電極パターンが形成され、パワー半導体チップ1の下面には図示しない導電パターンが形成されている。
パワー半導体チップ1の下面は、接合層であるシンタリング層2を介してCu回路3の一方の面に接合されている。パワー半導体チップ1の上面の電極パターンは、リードフレーム6に対して電気的に接続されている。
シンタリング層2は、金属粒子が含有されたシンタリングペーストを焼結させ接合層である。シンタリングペーストとしては、銀粒子を含有するAgシンタリングペースト、アルミニウム粒子を含有するALシンタリングペースト、銅粒子を含有するCuシンタリングペーストのいずれかを用いることができる。
シンタリング層2では、金属粒子によるシンタリングネットワーク(金属結合バス)が形成されており、高熱伝導性や低い電気抵抗が実現される。なお、シンタリング層2による接合性の向上の観点から、Cu回路3やリードフレーム6に、シンタリングペーストに含有される金属によるメッキの表面処理が施されてもよい。具体的には、本実施形態では、Cu回路3やリードフレーム6の表面にAgメッキが施されてもよい。
Cu回路3は、導電性を有する金属材料で構成された金属回路基板である。Cu回路3の一方の面(図示で上側の面)に形成された回路パターンに、接合層であるシンタリング層2を介して、パワー半導体チップ1が設けられている。
放熱シート4は、Cu回路3とCuベースプレート5の間に配置される。パワー半導体チップ1の熱をCu回路3で受け、さらに、放熱シート4を介して放熱手段であるCuベースプレート5に伝熱される。これにより、パワーモジュール10の絶縁性を保ちつつ、発熱体であるパワー半導体チップ1から生じる熱を、パワーモジュール10の外部へ効果的に放散させることができる。このため、半導体装置の絶縁信頼性を向上させることが可能となる。
放熱シート4は、例えば樹脂シートであって、シート用樹脂組成物を用いて形成されている。以下、シート用樹脂組成物について説明する。
本実施形態において、シート用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂(A)、充填剤(B)、および硬化剤(C)などを含むことが好ましい。熱硬化性樹脂を含む場合、放熱絶縁シートは、熱硬化性樹脂(A)をBステージ化したものである。
熱硬化性樹脂(A)としては、たとえば、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ビスマレイミド樹脂、フェノキシ樹脂、およびアクリル樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂(A)として、これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
なかでも、高い絶縁性を有する観点から、熱硬化性樹脂(A)としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびフェノキシ樹脂であることが好ましい。
フェノール樹脂の中でも、フェノールノボラック樹脂であることが好ましい。
熱硬化性樹脂(A)の含有量が上記下限値以上であると、シート用樹脂組成物のハンドリング性が向上し、放熱絶縁シートを形成するのが容易となるとともに、放熱絶縁シートの強度が向上する。
熱硬化性樹脂(A)の含有量が上記上限値以下であると、放熱絶縁シートの線膨張率や弾性率がより一層向上したり、熱伝導性がより一層向上したりする。
本実施形態における充填剤(B)は、放熱絶縁シート熱伝導性を向上させるとともに強度を得る観点から用いられる。
シート用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂(A)としてエポキシ樹脂、またはフェノール樹脂を用いる場合、さらに硬化剤(C)を含むことが好ましい。
硬化触媒(C-1)としては、たとえば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩;トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の3級アミン類;2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2,4-ジエチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類;トリフェニルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン、1,2-ビス-(ジフェニルホス
フィノ)エタン等の有機リン化合物;フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物;酢酸、安息香酸、サリチル酸、p-トルエンスルホン酸等の有機酸;等、またはこの混合物が挙げられる。硬化触媒(C-1)として、これらの中の誘導体も含めて1種類を単独で用いることもできるし、これらの誘導体も含めて2種類以上を併用したりすることもできる。
硬化触媒(C-1)の含有量は、特に限定されないが、シート用樹脂組成物全量に対し、0.001質量%以上1質量%以下が好ましい。
これらの中でも、ガラス転移温度の向上及び線膨張係数の低減の観点から、フェノール系硬化剤(C-2)がノボラック型フェノール樹脂またはレゾール型フェノール樹脂が好ましい。
シート用樹脂組成物は、カップリング剤(D)を含んでもよい。カップリング剤(D)は、熱硬化性樹脂(A)と充填剤(B)との界面の濡れ性を向上させることができる。
カップリング剤(D)の含有量は、特に限定されないが、充填剤(B)100質量%に対して、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。一方、当該含有量は、充填剤(B)100質量%に対して、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。
さらに、シート用樹脂組成物は、フェノキシ樹脂(E)を含んでもよい。フェノキシ樹脂(E)を含むことにより放熱絶縁シートの耐屈曲性を向上できる。
また、フェノキシ樹脂(E)を含むことにより、放熱絶縁シートの弾性率を低下させることが可能となり、放熱絶縁シートの応力緩和力を向上させることができる。
脂、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹脂、アントラセン骨格を有するフェノキシ樹脂、およびビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂等が挙げられる。また、これらの骨格を複数種有した構造のフェノキシ樹脂を用いることもできる。
シート用樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、ほかに酸化防止剤、レベリング剤等を含むことができる。
Cuベースプレート5は、放熱部材の一種であって、銅の板状の基部5Aと、基部5Aの下面から一体に延出する複数のフィン部5Bを有する。
放熱部材として、Cuベースプレート5の他に、例えばアルミニウムのベースプレートが採用されてもよい。また、パワー半導体チップ1の発熱をCu回路3を介して取得して他に逃がす機能を有すれば、一般的な放熱部材に限らず、他の構成の一部(例えばハウジング)などであってもよい。その場合であっても、放熱シート4が用いられる。
リードフレーム6は、パワー半導体チップ1を支持固定し、また外部配線との電気的接続をするものであって、銅や鉄などの金属素材の薄板をプレス加工やエッチング加工等によって作られた部品である。
封止材7は、例えばモールド樹脂であって、パワー半導体チップ1と、シンタリング層2と、Cu回路3と、放熱シート4と、Cuベースプレート5と、リードフレーム6とを内部に一体封止している。封止材7として、モールド樹脂の他に、シリコーンゲルなどが用いられてもよい。以下では、モールド樹脂で一体封止する構成について説明する。
封止材7のモールド樹脂は、熱硬化性樹脂(A)および無機充填材(B)を含む熱硬化性組成物(C)の硬化体である。熱硬化性組成物(C)には、硬化促進剤(D)が含まれる。
本実施形態の硬化促進剤(D)は、活性が強いものである。これにより、低温硬化を実現する一方で、特段の工夫をせずにそのまま用いると保存中に反応が進行する等し、保存性が低下する。
硬化促進剤(D)としては、たとえば、有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、または、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、イミダゾール等のアミジン系化合物;ベンジルジメチルアミン等の3級アミン、アミジニウム塩、またはアンモニウム塩等の窒素原子含有化合物等が挙げられる。
なかでも、硬化促進剤(D)が、イミダゾール系硬化促進剤またはリン系硬化促進剤であることが好ましい。イミダゾール系硬化促進剤として、例えば、アミジン系化合物のイミダゾール化合物を含むことがより好ましい。イミダゾール化合物としては、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、イダゾール-2-カルボアルデヒド、5-アザベンゾイミダゾール、4-アザベンゾイミダゾール等が挙げられるがこれらに限定されない。中でも、2-メチルイミダゾールが好ましく用いられる。
硬化促進剤(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止樹脂組成物を適切に硬化しやすくなる。一方、硬化促進剤(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、溶融状態を長くし、より低粘度状態を長くできる結果、低温封止を実現しやすくなる。
熱硬化性樹脂(A)としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、およびポリウレタン等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、フェノール樹脂およびエポキシ樹脂のうちの少なくとも一方を含むことが好ましく、エポキシ樹脂を含むことがより好ましい。
エポキシ樹脂としては、具体的には、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格含有ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、アルコキシナフタレン骨格含有フェノールアラルキルエポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の3官能型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、テルペン変性フェノール型エポキシ樹脂等の変性フェノール型エポキシ樹脂;トリアジン核含有エポキシ樹脂等の複素環含有エポキシ樹脂が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、アルミニウム電解コンデンサの信頼性、および成形性のバランスを向上させる観点からは、アラルキル型エポキシ樹脂およびナフチルエーテル型エポキシ樹脂のうちの少なくとも一方を用いることがより好ましい。
一方、熱硬化性樹脂(A)の150℃におけるICI粘度の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.01ポアズ以上としてもよい。
なお、1ポアズは、0.1Pa・sである。
熱硬化性樹脂(A)の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止樹脂組成物の流動性や成型性をより効果的に向上させることができる。また、熱硬化性樹脂(A)の含有量を上記上限値以下とすることにより、アルミニウム電解コンデンサの信頼性をより効果的に向上させることができる。
無機充填材(B)としては、例えば、シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、クレイ、マイカ、ロックウール、ウォラストナイト、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスファイバー、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミ、カーボンブラック、グラファイト、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、セルロース、アラミド、または木材等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、無機充填材(B)の体積基準粒度分布は、市販のレーザー式粒度分布計(たとえば、株式会社島津製作所製、SALD-7000)で測定することができる。
無機充填材(B)の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止樹脂組成物により封止されたアルミニウム電解コンデンサの信頼性を効果的に向上させることができる。また、無機充填材(B)の含有量を上記上限値以下とすることにより、封止樹脂組成物の流動性を良好なものとし、成形性をより効果的に向上させることが可能となる。
[硬化剤(C)]
封止樹脂組成物は、硬化剤(C)を含むことができる。硬化剤(C)としては、熱硬化性樹脂(A)と反応して硬化させるものであればとくに限定されないが、たとえば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、および、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2~20の直鎖脂肪族ジアミン、ならびに、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジシクロヘキサン、ビス(4-アミノフェニル)フェニルメタン、1,5-ジアミノナフタレン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,1-ビス(4-アミノフェニル)シクロヘキサン、ジシアノジアミド等のアミン類;アニリン変性レゾール樹脂、ジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert-ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂等のフェノールアラルキル樹脂;ナフタレン骨格やアントラセン骨格のような縮合多環構造を有するフェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等を含む酸無水物等;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテル等のポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネート等のイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂等の有機酸類が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、封止樹脂組成物の低温・低圧封止を実現させる観点からは、ノボラック型フェノール樹脂またはフェノールアラルキル樹脂のうちの少なくとも一方を用いることがより好ましい。
硬化剤(C)の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止樹脂組成物を適切に硬化しやすくなる。一方、硬化剤(C)の含有量を上記上限値以下とすることにより、適度な流動性を保持し、低温・低圧封止を実現しやすくなる。
封止樹脂組成物は、たとえばカップリング剤(E)を含むことができる。カップリング剤(E)としては、たとえばエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を用いることができる。
より具体的には、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ-アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-[ビス(β-ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(β-アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N-(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N-(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチルーブチリデン)プロピルアミンの加水分解物等のシラン系カップリング剤;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N-アミノエチル-アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
パワーモジュール10の積層構造における熱抵抗について説明する。
パワーモジュール10において、パワー半導体チップ1と、シンタリング層2と、Cu回路3と、放熱シート4とが積層された構造を第1の積層構造とする。このとき、第1の積層構造において、積層方向(高さ方向)の熱抵抗の合計X1が0.30(K/W)以下である。熱抵抗の合計X1の下限は、特に制限はないが現実的な値として、0.05以上であり、好ましくは0.06(K/W)以上、より好ましくは0.07(K/W)以上である。熱抵抗の合計X1の上限は、好ましくは0.25(K/W)以下、より好ましくは0.20(K/W)以下である。
パワー半導体チップ1と、シンタリング層2と、Cu回路3と、放熱シート4と、Cuベースプレート5とが積層された構造を第2の積層構造とする。すなわち、第2の積層構造は、第1の積層構造の放熱シート4の下側にさらにCuベースプレート5を積層した構造である。
本実施形態の特徴・効果をまとめると次の通りである。
(1)本実施形態のパワーモジュール10は、パワー半導体チップ1と、パワー半導体チップ1を一方の面に設けたCu回路3と、を有するパワーモジュール(10)であって、
パワー半導体チップ1とCu回路3(金属回路基板)とをシンタリングペーストにより接合したシンタリング層2(シンタリング層)と、
Cu回路3の他方の面にCuベースプレート5(放熱部材)を接合するために設けられる放熱シート4と、
を有し、
パワー半導体チップ1と、シンタリング層2と、Cu回路3と、放熱シート4とが積層された第1の積層構造において、積層方向の熱抵抗の合計X1が0.30(K/W)以下である。
このような構成とすることで、パワーモジュール10の放熱性能を良好に実現できる。
具体的には、パワー半導体チップ1とCu回路3との接合に、従来用いられたはんだの代わりにシンタリング層2(シンタリングペースト)を用いた。シンタリング層2(シンタリングペースト)は高い熱伝導率を有することからパワー半導体チップ1の発熱を効果的に外部に逃がすことができる。
また、Cu回路3とCuベースプレート5などの放熱機能を有する部材との接続に、従来用いられたはんだの代わりに放熱シート4を用いた。これによってパワー半導体チップ1の発熱を効果的に外部に逃がすことができる。
これらの結果、パワー半導体チップ1における最大温度を低下させることができ、電気特性の向上が実現できる。また、放熱性が向上することで、継続使用における熱ストレスが低減し、シンタリング層2や放熱シート4などのような接合部分の信頼性が向上する。
(2)Cu回路3の他方の面に放熱シート4により接合されたCuベースプレート5(放熱部材)を更に有する。
(3)パワー半導体チップ1と、シンタリング層2と、Cu回路3と、放熱シート4と、Cuベースプレート5とが積層された第2の積層構造において、積層方向の熱抵抗の合計X2が0.45(K/W)以下である。
(4)シンタリングペーストに含有される金属粒子は、銀粒子、アルミニウム粒子または銅粒子のいずれかである。すなわち、Agシンタリングペースト、Alシンタリングペースト、Cuシンタリングペーストのいずれかのシンタリングペーストを用いることで、シンタリング層2の熱抵抗を、はんだの場合と比較して大幅に低く出来る。すなわち、放熱性を向上させることができる。
(5)パワー半導体チップ1を覆う封止材7をさらに備える。
このような封止材7により、パワー半導体チップ1を有するパワーモジュールにおいて、小型化や薄型化に対応することが容易になる。
(6)封止材7はモールド樹脂からなる。
封止材7はモールド樹脂とすることで、パワー半導体チップ1を有するパワーモジュールにおいて、小型化や薄型化に対応することが一層容易になる。
(7)封止材7は、Cuベースプレート5(より具体的には基部5A)の厚さ方向の側面の一部又は全部を覆うようにパワー半導体チップ1を覆って封止している。
Cuベースプレート5の一部または全部を封止材7が覆う構成にすることで、パワーモジュール10としての強度と放熱性のバランスをとることが容易になる。
(8)Cu回路3は厚銅(圧延銅)をパターンニングした回路基板であって、厚みが0.3mm以上5mm以下である。このよう厚みのCu回路3とすることで、Cu回路3の熱抵抗と強度のバランスを良好にし、放熱性を向上させることができる。
(9)第1の積層構造の積層方向の熱抵抗の合計をX1(W/K)、第1の積層構造の厚みの合計をt1(mm)とした場合に、比X1/t1が0.25(W/(K・mm))以下である。
このような構成により、パワーモジュール10において高い放熱性と小型化・薄型化に対応することが容易になる。
(10)第2の積層構造の積層方向の熱抵抗の合計をX2(W/K)、第2の積層構造の厚みの合計をt2(mm)とした場合に、比X2/t2が0.08(W/(K・mm))以下である。
このような構成により、Cuベースプレート5を含めたパワーモジュール10において高い放熱性と小型化・薄型化に対応することが一層容易になる。
表1に、上述した第1及び第2の積層構造の例(実施例1、実施例2)の熱伝導率を比較例の熱伝導率とともに例示する。実施例1と実施例2では、Cu回路3に相当する構成の厚みtが異なり、他の条件は同じである。表中の構成要素において、第1の積層構造に相当する要素は「チップ、シンタリング、回路、放熱シート」による積層構造である。第2の積層構造に相当する要素は、「チップ、シンタリング、回路、放熱シート、ベース基板」による積層構造である。なお、放熱シートとして、上述の実施形態で説明した放熱シート14の樹脂シートのうち熱伝導率が18Wのものを適用した。
第2の実施例では、実施形態で示したパワーモジュール10について、パワー半導体チップ1の放熱性の観点から、従来の構造(比較例)とシミュレーションモデルについて検討した。
実施例と比較例のシミュレーションモデルは次の通りであり、図2に実施例と比較例のパワーモジュールの構造例を断面図で示している。
(A)実施例:図下側から、Cuベースプレート、放熱シート、Cu回路、シンタリング層、パワー半導体チップをこの順で積層したパワーモジュールであり、上述した実施形態のパワーモジュール10の構成に対応する。
(B)比較例:図下側から、Cuベースプレート、接合はんだ、Cu板、セラミック基板、Cu回路、はんだ、パワー半導体チップ、封止材をこの順で積層したパワーモジュール10である。
シミュレーションの条件概要は次の通りである。
図3~5及び表2に、シミュレーションの実施例及び比較例の各構成要素の物性値・寸法(厚み)を示す。図3(a)はパワーモジュールの上側から見た斜視図、図3(b)が平面図である。図4(a)はパワーモジュールの下側から見た斜視図、図4(b)が底面図である。図5はシミュレーション(伝熱解析)における熱条件を示した図である。
シミュレーションソフト:ANSYS Mechanical 2019R3
パワー半導体チップ:IGBTとFWD(Free Wheeling Diode)を搭載した
ベース基板:Cuベース板に凸ポールを設け、Cuベース板裏及び凸ポール面を冷却水(65℃)で冷却した
図6に、シミュレーション結果として熱分布をパワーモジュールのモデル上に示す。
比較例では図6(a)に示すように、パワー半導体チップ(ここではIGBT)の表面の最大温度が184℃である。一方で、実施例では図6(b)に示すように、パワー半導体チップ(ここではIGBT)の表面の最大温度が152℃であり、比較例に対して32℃低い温度になった。
2 シンタリング層
3 Cu回路(金属回路基板)
4 放熱シート
5 Cuベースプレート(放熱部材)
6 リードフレーム
7 封止材
10 パワーモジュール
Claims (9)
- パワー半導体素子と、前記パワー半導体素子を一方の面に設けた金属回路基板と、を有するパワーモジュールであって、
前記パワー半導体素子と前記金属回路基板とをシンタリングペーストにより接合した接合層と、
前記金属回路基板の他方の面に放熱部材を接合するために設けられる放熱シートと、
を有し、
前記パワー半導体素子と、前記接合層と、前記金属回路基板と、前記放熱シートとが積層された第1の積層構造において、積層方向の熱抵抗の合計が0.30(K/W)以下であり、
前記シンタリングペーストに含有される金属粒子は、銀粒子、アルミニウム粒子または銅粒子のいずれかであり、
前記放熱シートは、シート用樹脂組成物を用いて形成され、
前記シート用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂(A)、充填剤(B)、および硬化剤(C)を含み、
前記金属回路基板は厚銅(圧延銅)をパターンニングした回路基板である、
パワーモジュール。 - 前記金属回路基板の他方の面に前記放熱シートにより接合された放熱部材を更に有する、請求項1に記載のパワーモジュール。
- 前記パワー半導体素子と、前記接合層と、前記金属回路基板と、前記放熱シートと、前記放熱部材とが積層された第2の積層構造において、積層方向(高さ方向)の熱抵抗の合計が0.45(K/W)以下である、請求項2に記載のパワーモジュール。
- 前記パワー半導体素子を覆う封止材をさらに備える、請求項1から3までのいずれか1項に記載のパワーモジュール。
- 前記封止材はモールド樹脂からなる、請求項4に記載のパワーモジュール。
- 前記封止材は、前記放熱部材の厚さ方向の側面の一部又は全部を覆うように前記パワー半導体素子を覆って封止している、少なくとも請求項2に従属する請求項4または5に記載のパワーモジュール。
- 前記金属回路基板は厚みが0.3mm以上5mm以下である、請求項1から6までのいずれか1項に記載のパワーモジュール。
- 前記第1の積層構造の前記積層方向の熱抵抗の合計をX1(W/K)、前記第1の積層構造の厚みの合計をt1(mm)とした場合に、比X1/t1が0.25(W/(K・mm))以下である、請求項1から7までのいずれか1項に記載のパワーモジュール。
- 前記第2の積層構造の前記積層方向の熱抵抗の合計をX2(W/K)、前記第2の積層構造の厚みの合計をt2(mm)とした場合に、比X2/t2が0.08(W/(K・mm))以下である、請求項3に記載のパワーモジュール。
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