[0003] 身体の形態又は機能を回復又は矯正するために、毎年多数の形成外科処置が行われる。これらの処置の多くは、若々しい外観を回復しようとするもの、又は既存の外観を向上させようとさえするものである。加齢及び重力などの自然の要因は、若々しい外観の喪失に寄与する。例えば、皮膚弛緩、筋緊張の喪失、及び靭帯の減弱は、乳房の下垂(垂れ)をもたらし得る。形成外科医は、加齢に伴って生じる種々の解剖学的構造の下垂を矯正するために、多くの外科技術を開発してきた。これらの技術は、切開のタイプ、切開の方向、剥離の平面、剥離の量、組織の再配置の程度、種々のタイプの縫合糸の使用、種々の縫合技術、及び種々の固定技術において異なる。
[0004] 形成外科医は、乳房を吊り上げるための多数の異なる乳房固定術処置を開発してきた。しかしながら、これらの処置は、非常に侵襲的であり得、広範な剥離を必要とし、患者に目に見える瘢痕を残し得る。例えば、ロリポップ又は垂直乳房固定術処置は、乳輪の周囲の切開と、乳輪から乳房下溝(IMF)まで乳房の下極の垂直切開とを行うことによって実施される。アンカー又はWise処置は、ロリポップ処置で用いられる垂直切開に加え、切開が乳房下溝を横断して行われる、ロリポップ処置より更に侵襲的な処置である。ロリポップ処置及びアンカー処置のいずれもが、患者の乳房の下極に永久的な瘢痕を残すおそれがあり、その点において不良な美容的転帰をもたらし得る。
[0005] 瘢痕形成を最小限にする助けとなる低侵襲的な縫合糸ベースの乳房固定術処置が開発されている。これらには、内側切開線が乳輪の周囲を辿り外側切開線が乳輪を更に外側で丸く囲むドーナツ形状の乳房皮膚片が乳輪の周囲から切除される、Benelli乳房固定術が含まれる。このアプローチは、瘢痕形成を最小限に抑えはするものの、乳輪の深刻な伸張又は組織壊死をもたらすおそれがある。なぜなら、乳房の新たに吊り上げられた実質組織重量の全てが、乳輪を包囲する、乳房皮膚を乳輪の周囲に戻すように近付けるために使用される縫合糸によって支持されるからである。
[0006] 何人かの外科医は、切開手術での乳房固定術処置及び乳房再建処置において、外科用メッシュを使用して吊り上げ処置を補強しようと試みている。これらの技術のうちいくつかは、平坦な重合体メッシュ、同種移植片、異種移植片、及び自己移植片など、ヘルニア修復において使用されるものに類似する様々な補強材料の使用も組み込んでいる。しかしながら、下極の皮膚から負荷を移動させる係留要素を使用せずに実質組織の周りに材料を巻き付けると、乳房は、乳房手術の前に存在したのと同じ下垂力に曝されたままになり得る。
[0007] 1981年に、Johnsonは、第2肋骨の領域にメッシュを取り付けることによって乳房固定術後の乳房組織の支持を皮膚起源から骨格起源に変換するためのMARLEX(登録商標)(ポリプロピレン)メッシュの使用について述べた(Johnson, Aesth. Plast. Surg. 5:77-84 (1981))。平坦なMARLEXメッシュは、ポリプロピレンから作製された永久メッシュであり、各乳房に乳房組織を支持する2つのスリングを提供するように移植された。この処置は、Wise切開手術乳房吊り上げに基づくものである。
[0008] Auclair及びMitzは、平坦な吸収性メッシュ及び乳輪縁皮膚切除技術を用いたメッシュ補助乳房固定術について述べている((Auclair and Mitz, Ann. Chir. Plast. Esthet. 38:107-113 (1993))。内部ブラを形成するために、迅速吸収性のVICRYL(登録商標)メッシュが乳腺の前面の周りに設置された。この処置は、乳房の切開手術を必要とし、広範な剥離を伴う。
[0009] Goesは、二重皮膚技術を用いた乳輪縁乳房形成術におけるポリグラクチン910(90%グリコリド及び10%L-ラクチドの吸収性共重合体であり、VICRYLとしても知られている)及び混合メッシュ(60%ポリグラクチン910及び40%永久ポリエステルを含有する)の使用を報告している(Goes, Plast. Reconstr. Surg. 97:959-968 (1996))。この切開手術技術は、実質組織から軟組織エンベロープを剥離すること、及び乳房実質組織をメッシュで包んで活発な結合瘢痕の形成を誘発するのを助け、下垂しにくい乳房ライニング構造を生成することを伴う。
[0010] Firmin他の米国特許第6,210,439号は、中心から延在するV字形状の開口を備えた円形VICRYLメッシュを開示しており、このメッシュは周縁を一周する金属補強ワイヤを有している。このインプラントは、侵襲的切開手術処置において挿入されるように設計されており、補強ワイヤが締められたときに乳房形成術に適した円錐形状をとる。
[0011] Frankの米国特許7,476,249号は、患者において乳房インプラントを支持及び配置するための移植可能なスリング形状のプロテーゼデバイスを開示しており、このデバイスは、乳房インプラントを支持するべく、ポリテトラフルオロエチレン又はシリコーンなどの化学的に不活性な永久材料のシートから構成されている。スリング形状のデバイスは、切開手術の侵襲的処置において設置されるように設計されている。
[0012] Chen他の米国特許出願公開第2009/0082864号もまた、メッシュから作製された乳房インプラントを支持するための補綴デバイスを開示している。このデバイスは、平坦な後壁と、凹状の前壁と、これらの壁の間の、滑らかに湾曲した底部周縁を形成する湾曲移行区域と、を有する。デバイスの挿入には、有意な剥離を伴う切開手術処置が必要である。
[0013] Codori-Hurff他による米国特許出願第2008/0097601号は、腸又は真皮に由来する加工された組織材料の使用によって補助される乳房固定術及び乳房再建処置を開示している。この組織材料は、乳房固定術用のインプラントを形成するべく三日月形状に切られ、侵襲的切開手術処置を用いて移植される。
[0014] Altmanの米国特許出願第20160038269号は、下乳を支持するために切開手術を用いて移植され得る様々なシルク織物インプラントを開示している。
[0015] Mortarino他の米国特許出願第20120185041号は、乳房の下極への支持を提供するために用いられ得る編まれたシルクメッシュを開示している。
[0016] Mortarinoの米国特許出願第20130304098号は、乳房再建に用いられ得るポケットの形態の絹インプラントを開示している。
[0017] Lauryssenの国際公開第2009/001293号は、乳房固定術処置に用いられ得るカップ形状に形成されたポリプロピレン及びポリエステルのメッシュインプラントを開示している。このメッシュは、切開手術処置において移植され、乳房組織を完全に包囲する。
[0018] Hamiltonの国際公開第2004/096098号は、ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から作製された、軟組織支持のための乳房形状に形成された永久インプラントを開示しており、これは所定の乳房形状を形成する際に用いられ得る。
[0019] Lauryssen他の国際公開第2006/117622号は、概ねL字形状又はU字形状であり、支持を提供するように乳房の周りに巻き付けられる、乳房の軟組織支持のための永久インプラントを開示している。
[0020] Van Deventer他(Aesth. Plast. Surg. 36:578-89(2012))は、円錐に形成された部分分解性メッシュを用いた乳房固定術のための内部乳房支持システムの使用を開示している(van Deventer他、Aesth. Plast. Surg. 36:578-89(2012))。このメッシュは、切開手術処置において移植され、乳房の上極及び下極を完全に包囲する。
[0021] Felixの米国特許第9,532,867号は、乳房実質組織に適合する、乳房手術のための吸収性インプラントを開示している。このインプラントは、新たに吊り上げられた乳房実質組織を支持することができる。
[0022] Youngの米国特許出願公開第20100023029号は、乳房再建に使用されるVICRYLから作製されたシートであって、患者の解剖学的構造にシートを取り付けるためのいくつかの取り付け区域を備えるシートを開示している。デバイスは、組織拡張器又はインプラントを部分的に被覆及び拘束するために使用され得る。
[0023] Popovの国際公開第2007004214号は、乳房の下極を支持するためのかご形状のデバイスを開示している。このデバイスは、切開手術を用いて移植されるように設計されている。
[0024] 乳房自体の筋膜支持システムである乳房周囲の靱帯を模倣することによって切開手術による乳房固定術を実施するためのいくつかのデバイスが説明されている。
[0025] Rehnkeの米国特許出願第2017/0224471号は、乳房周囲の靭帯が伸張されるか又は弱められたときに乳房を吊り上げるために用いられ得る巾着紐を備える円形管状部材を開示している。デバイスは、乳房周囲の靭帯を締めるために、切開手術処置において挿入される。デバイスは、胸筋の上部の乳腺の後ろに設置され、乳房周囲の靱帯に係留され、巾着紐を用いてより小さな直径へと緊締される。緊締は、乳房の基部専有面積を狭め、患者の胸部のより高くより突出した位置に乳房を集める。
[0026] Leeの米国特許出願第2017/0231753号は、切開手術を用いて乳房の下の胸筋に設置される、乳房組織の周囲被覆を提供するための材料、その材料を乳房の上方に伸張させて固定すること、及び乳房組織を持ち上げるためにその材料を乳房の内側及び外側の胸部筋肉組織に取り付けることを開示している。
[0027] スリングを使用して最小侵襲的な手法で乳房固定術処置を実施するためのいくつかのデバイスが説明されている。
[0028] Guttermanによる米国特許出願第2008/0027273号は、軟組織支持スリングを有する最小侵襲的乳房固定術システムを開示している。このデバイスは、スリングを使用して乳房を上極区域から吊り下げることによって支持を提供するように設計されている。
[0029] Moses他による米国特許出願第2012/0283826号は、挿入デバイス、吊り下げストラット、及び下極支持体を有する最小侵襲的乳房固定術システムを開示している。下極支持体は、乳房を吊り上げるためのスリングとして、乳房の下極の下に挿入される。
[0030] Cohenの米国特許出願第20100217388号は、乳房の軟組織整形のためのクレードル部材を開示している。クレードル部材はスリングとして作用し、乳房の下極を吊り上げるために移植される。
[0031] Shfaram他の米国特許第7,670,372号は、最小侵襲的乳房吊り上げシステムを開示している。このシステムは、1つ以上の吊り下げ部材と、乳房の下極の下に設置されたクレードル部材と、を組み込んでいる。クレードル部材は、縫合糸であることが多い吊り下げ部材に接続され、乳房を吊り上げるためのスリングとして作用する。
[0032] Lashinski他による米国特許出願公開第2010/0331612号、Bishop他の米国特許出願公開第2008/0082113号、及びSaint他の米国特許出願公開第2009/0248071号は、スリングと、乳房を支持するために上位位置に導入される軟組織アンカーと、を備える、最小侵襲的乳房固定術を実施するためのデバイスを開示している。Martin他の米国特許出願公開第2012/0053689号は、これらのデバイスで使用されるPHA繊維を開示している。
[0033] 上述した進歩にもかかわらず、ほとんどの乳房固定術処置は、長い外科的切開を伴う切開外科的処置を必要とし、これは、特に処置の直後の時期に、乳房に目立った且つ永久的な瘢痕を残す。これらの瘢痕は、患者に、処置の審美的転帰に対する不満と、処置が患者の期待に添わなかったという失望と、を抱かせ得る。また、説明された処置は、一般に、乳房の下極における組織平面の広範な剥離と、下極を吊り上げるため又は整形するためのスリング又は他の構成物の挿入と、を伴う。これらの既存の処置における広範な剥離は、通常、全身麻酔の使用を必要とする。
[0034] 本発明の実施形態の目的及び利点は、上述の欠点を解決することである。例えば、本発明の実施形態の目的及び利点は、切開手術、大きな切開、並びに組織の広範な剥離及び操作なしに画定された審美的に喜ばしい転帰を提供するために用いられ得ると共に、乳房における永久的な瘢痕の形成を最小限にする、乳房固定術のためのインプラント及びシステムを提供することである。本発明の別の目的及び利点は、瘢痕化する外科的切開の使用、組織平面の剥離、過剰な皮膚の除去、及び切開を閉じるための縫合糸の使用を回避するために用いられ得る、乳房固定術のためのインプラント及びシステムを提供することである。本発明の別の目的及び利点は、小さな穿刺切開を通して移植することができる乳房固定術インプラントを提供することである。そのような処置は、手術時間と、全身麻酔の必要性と、を低減させ得る。後者は、全身麻酔に関連する潜在的なリスクを排除するだけでなく、特に、上述したようなより侵襲的な処置を遅らせることを好むかもしれない一部の若い患者に対して、より魅力的でより簡単な乳房固定術処置を提供するであろう。本発明の別の目的及び利点は、乳房に存在する脂肪組織の含有量がより高いために乳房組織を吊り上げることがより困難である脂肪性乳房又は低密度の乳房組織を有する患者に用いられ得る、最小侵襲的乳房固定術のためのインプラント及びシステムを提供することである。
[0035] 本明細書において説明されるインプラント及びシステムは、審美的に喜ばしい形状を提供するために、外科医が乳房を再整形すること、再配置すること、又は吊り上げること、を補助する。
[0036] 実施形態において、乳房固定術のためのインプラント及びシステムは、瘢痕の形成を最小限に抑えるように設計されている。インプラントは、鈍的剥離を使用し、小さな開口を通して患者の乳房内に移植され得る。乳房固定術のためのインプラント及びシステムは、三日月乳房固定術、ドーナツ(又はBenelli)乳房固定術、ロリポップ(又は垂直)乳房固定術、及びアンカー(又はWeissもしくはWise)乳房固定術のような従来の外科的アプローチの使用を回避する。これらはいずれも、乳房内に乳房固定術インプラントを挿入するために、通常、患者組織の除去と併せて広範な外科的切開を必要とする。
[0037] 実施形態において、乳房固定術のためのインプラント及びシステムは、乳房内に1つ以上の新たな組織平面を生成するように設計されている。実施形態において、インプラントは、移植後に乳房内に組織平面を作り出す係留部材を備える吊り下げ部材を備えている。係留部材は、組織平面を作り出すために、組織内殖を促すように設計されている。組織平面は、吊り上げられた乳房の負荷を、単に縫合糸又は有刺縫合糸を使用して乳房を吊り上げることによって達成できるよりも広い面積に分散させる。吊り下げ部材の係留部材は、係留部材の一端のみにおいて支持線に取り付けられている。支持線は係留部材の両端には取り付けられない。係留部材は、好ましくは、乳房組織に係合するためのリテーナを備えている。乳房内への移植の後、係留部材を乳房組織に係合させて乳房を吊り上げさせる力が支持線に印加され得る。係留部材の大きな表面積は、乳房の吊り上げを容易にするべく、乳房組織への係留部材の取り付けのための複数の尖端(point)を提供する。係留部材によって作り出される複数の取り付けの尖端は、乳房が脂肪性乳房組織又は低密度の乳房組織を含むとき、及び縫合糸が脂肪性乳房組織においてしっかりと保持され得ないときに、患者の乳房を吊り上げるのに特に有用である。乳房組織への係留部材の取り付けのための複数の尖端は、吊り上げられた組織の負荷が分配されること及び局所化されないことを可能にする。係留部材の移植後に乳房内に形成される組織平面は、乳房の負荷を広い面積にわたって分散させるのに役立ち、それによって、乳房吊り上げを維持すると共にその後の下垂を防止するのに役立つ。実施形態において、インプラント及びシステムは、移植後に乳房内に新たな組織の1つ以上の領域を作り出して乳房吊り上げを維持する。特記すべきことには、係留部材はスリングではなく、係留部材の両端に取り付けられた支持線を備えない。係留部材は、乳房を吊り上げるために上位方向に引っ張られ得る支持部材が乳房の内側及び外側に設置された状態でスリングを乳房の下極に設置することによって乳房を吊り上げるようには設計されていない。代わりに、吊り下げ部材インプラントの係留部材は、乳房の一方の側に係留部材を移植し、乳房の、係留部材が移植された側で、係留部材を上位方向に吊り上げるべく、取り付けられた支持線を引っ張ることによって、組織を吊り上げるように設計されている。好ましくは、乳房の両側の組織を吊り上げるために、乳房の、第1の係留部材とは反対側に、第2の係留部材が移植されてもよい。
[0038] 実施形態において、インプラントは、吊り上げられた乳房組織に対する支持が何ら失われることなく乳房の支持がインプラントから新しい組織に移行するのを可能にするのに十分なほど長く、強度を保持する。実施形態において、吊り下げ部材の係留部材は、乳房への移植後12週間にわたって、その初期強度の少なくとも15%、好ましくはその初期強度の少なくとも30%、より好ましくはその初期強度の少なくとも50%を保持する。実施形態において、インプラントの係留部材に取り付けられた支持線は、乳房への移植後12週間にわたって、その初期強度の少なくとも15%、好ましくはその初期強度の少なくとも30%、より好ましくはその初期強度の少なくとも50%を保持する。実施形態において、インプラントは、乳房を吊り上げると共に乳房に初期支持を提供する一時的なスカフォールドとして機能するが、経時的に分解して、宿主組織と置換される。
[0039] 実施形態において、インプラントは最小限の外科的介入によって移植される。実施形態において、インプラントは、穿刺切開及び鈍的剥離を用いて乳房内に移植される。実施形態において、インプラントは、全身麻酔を使用せずに移植されるように設計されている。
[0040] 実施形態において、インプラントは、第1の端部及び第2の端部を有する支持線と、第1の端部及び第2の端部を有する係留部材とを備える吊り下げ部材を備えており、支持線は、その第2の端部において、係留部材の第1の端部に接続されている。実施形態において、インプラントの係留部材は多孔性である。実施形態において、インプラントの係留部材は織物を備える。実施形態において、インプラントの係留部材は、メッシュ、編まれたメッシュ、又は織られたメッシュを備える。実施形態において、インプラントの係留部材はモノフィラメントを備える。実施形態において、インプラントの係留部材は配向モノフィラメントを備える。実施形態において、インプラントの係留部材はリテーナを備えて構成される。リテーナは、乳房組織に係合して吊り上げるように設計されている。実施形態において、インプラントの係留部材のリテーナは、アンカー、スイベルアンカー、フック、ダーツ、返し、鉤、突起、延長部、バルジ、隆起、スパー、バンプ、尖端、コグ、表面粗さ、表面不規則性、尖叉、及び矢のうち1つ以上から選択される。実施形態において、リテーナは、係留部材の平面から0.1~25mm、より好ましくは1~15mm、更に好ましくは3~10mm延在する。実施形態において、リテーナは係留部材に対して角度をつけられている。実施形態において、(i)係留部材の第1の端部とその角度の頂点と(ii)リテーナの先端とその角度の頂点とが成す角度は、90度未満である。実施形態において、移植されたリテーナの先端は上位方向を指す。実施形態において、係留部材の第2の端部は、イントロデューサツールに係合するように設計されたイントロデューサ筐体先端に接続されている。実施形態において、イントロデューサ筐体先端は円錐形状を有する。実施形態において、吊り下げ部材の係留部材のイントロデューサ筐体先端にイントロデューサツールが挿入されてもよく、イントロデューサツールは吊り下げ部材を乳房内に移植するために使用されてもよい。実施形態において、イントロデューサ筐体先端は鈍的駆動先端を有する。実施形態において、吊り下げ部材の係留部材のイントロデューサ筐体先端にイントロデューサツールが挿入されてもよく、イントロデューサ筐体先端の鈍的駆動先端は、鈍的剥離によって患者の乳房内にチャネルを作り出すと共に吊り下げ部材を移植するために使用されてもよい。実施形態において、吊り下げ部材の支持線は細長い。実施形態において、支持線は、支持線の第1の端部から第2の端部まで弧に沿って延在する長さを有する。実施形態において、インプラントの吊り下げ部材の支持線は、繊維、モノフィラメント繊維、又は編組繊維を備える。実施形態において、繊維、モノフィラメント繊維、又は編組繊維は、配向重合体から形成される。実施形態において、吊り下げ部材の支持線は、固定要素を備えるか、又は固定要素を提供するように構成される。固定要素は、支持線を周囲の軟組織に固定するように設計されている。実施形態において、支持線の固定要素は、繊維ストランド、ループ、鎖編、及び編組テープのうち1つ以上から選択される。実施形態において、吊り下げ部材又は係留部材は、除去可能なシースによって部分的にもしくは完全に被覆され、又は除去可能なシースに挿入される。実施形態において、除去可能なシースはナイロンで形成されている。実施形態において、インプラントはストラットを更に備える。好ましくは、ストラットは、第1の端部及び第2の端部を備える第1のアームと、第1の端部及び第2の端部を備える第2のアームと、第1の端部及び第2の端部を備える中心要素と、を有し、第1のアームの第2の端部は要素の第1の端部に接続されており、第2のアームの第2の端部は要素の第2の端部に接続されている。実施形態において、要素は板又は織物である。好ましくは、板又は織物は多孔性である。好ましくは、板又は織物は尖叉又は他のセルフグリップ機能を備える。好ましくは、尖叉又はセルフグリップ機能は、板又は織物の平面から突出し、移植後に組織に係合するように設計されている。実施形態において、尖叉又はセルフグリップ機能は、板又は織物の少なくとも一方の面に位置する。実施形態において、ストラットは、1本以上の針、より好ましくは鈍端を有する1本以上の針を更に備える。実施形態において、ストラットは、第1の端部及び第2の端部を備える第1のアームと、第1の端部及び第2の端部を備える第2のアームと、第1の端部及び第2の端部を備える中心要素と、を有し、第1のアームの第2の端部は要素の第1の端部に接続されており、第2のアームの第2の端部は要素の第2の端部に接続されており、ストラットは、ストラットの第1のアームの第1の端部に取り付けられた針と、任意選択的にはストラットの第2のアームの第1の端部に取り付けられた第2の針と、を更に備える。
[0041] 実施形態において、係留部材は、0.02mmと0.7mmとの間、より好ましくは0.05mmと0.25mmとの間、更に好ましくは0.07mmと0.175mmとの間の平均直径を有する繊維を備える。
[0042] 実施形態において、インプラントは1つ以上の吸収性重合体を備える。実施形態において、インプラントは吸収性である。実施形態において、インプラントの支持線は吸収性である。実施形態において、インプラントの係留部材は吸収性である。実施形態において、イントロデューサ筐体先端は吸収性である。
[0043] 実施形態において、インプラントの吊り下げ部材は、少なくとも5N、少なくとも10N、又は少なくとも60Nの負荷に耐えることができる。実施形態において、インプラントの吊り下げ部材は、500N未満の負荷に耐えることができる。
[0044] 実施形態において、インプラントの係留部材は、少なくとも1N、又は少なくとも10Nの破裂力(burst force)に耐えることができる。実施形態において、係留部材は、1,000N未満の破裂力に耐えることができる。
[0045] 実施形態において、インプラントの係留部材はメッシュ又は織物を備えており、メッシュ又は織物は以下の特性(i)少なくとも1Kgfの縫合糸引き抜き強度、(ii)0.1~100Kgの破裂強度、(iii)0.05mm以上の厚さ、(iv)5~800g/m2の面密度、及び(v)5μm~10mmの孔直径、のうち1つ以上を有する。好適な一実施形態において、インプラントの係留部材はメッシュ又は織物を備えており、メッシュ又は織物は以下の特性(i)1Kgf~20Kgfの縫合糸引き抜き強度、(ii)1~50Kg又は10~50Kgの破裂強度、(iii)0.1~1mmの厚さ、(iv)100~300g/m2の面密度、及び(v)100μm~1mmの孔直径のうち1つ以上を有する。
[0046] 実施形態において、支持線は、少なくとも1MPa、より好ましくは10MPa、更に好ましくは100MPaであるが、20GPa未満の引張強度を有する。
[0047] 実施形態において、吊り下げ部材はテンショナを備える。テンショナは、吊り下げ部材の張力を調節し、それによって乳房吊り上げの程度を調節するために用いられ得る。
[0048] 実施形態において、乳房固定術のためのインプラントは、乳房の上極の1つ以上の進入点を通して挿入されるように設計されている。実施形態において、乳房固定術のためのインプラントは、乳房の下極の1つ以上の進入点を通して挿入されるように設計されている。実施形態において、インプラントは、0.1~20mm、より好ましくは5~10mmの幅又は直径を有する1つ以上の進入点を通して挿入される。実施形態において、進入点は穿刺切開によって作られる。
[0049] 実施形態において、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又はそれより多くのインプラントが、乳房を吊り上げるために乳房内に移植される。
[0050] 実施形態において、インプラントはポリ-4-ヒドロキシ酪酸(P4HB)又はその共重合体を含む。実施形態において、インプラントはポリ(ブチレンサクシネート)又はその共重合体を含む。実施形態において、インプラントはポリジオキサノンを含む。実施形態において、インプラントは、メッシュ又は織物、好ましくはモノフィラメントから作製されたモノフィラメントメッシュ又はモノフィラメント織物の形態の、P4HBもしくはその共重合体、PBSもしくはその共重合体、又はポリジオキサノンを含む。
[0051] 実施形態において、乳房固定術システムが提供される。実施形態において、開示される乳房固定術システムは、本明細書に開示されるインプラントのうち1つ以上と、1つ以上のツールと、を備える。実施形態において、乳房固定術システムは、(i)第1の端部及び第2の端部を有する支持線と、第1の端部及び第2の端部を有する係留部材と、を備える吊り下げ部材を備えた1つ以上のインプラントであって、支持線は、その第2の端部において、係留部材の第1の端部に接続されている、インプラントと、(ii)穿刺切開ツール、鈍的剥離ツール、及びイントロデューサツールの群から選択された1つ以上のツールと、を備える。実施形態において、鈍的剥離ツールは直針を備える。実施形態において、鈍的剥離ツールは湾曲針を備える。実施形態において、穿刺切開ツールは、乳房に穿刺切開を行うために使用される。実施形態において、鈍的剥離ツールは、吊り下げ部材のために乳房を通して画定されたチャネルを作り出すために使用される。乳房を通るチャネルは、好ましくは、乳房の穿刺切開から作り出される。鈍的剥離ツールによって乳房に作り出されるチャネルは、吊り下げ部材を備える乳房固定術インプラントの挿入を可能にするようにサイズ決めされる。実施形態において、乳房のチャネルは、1mm~15mm、より好ましくは2~5mmの直径を有するツールによって作り出される。実施形態において、吊り下げ部材のために鈍的剥離によって作り出される画定されたチャネルは湾曲している。湾曲したチャネルは、インプラントを乳房組織に係合させるのに役立つ。実施形態において、イントロデューサツールは、吊り下げ部材を備えるインプラントを装填されている。実施形態において、イントロデューサツールは、吊り下げ部材を備えるインプラントを乳房内に挿入するために用いられる。実施形態において、イントロデューサツールは、吊り下げ部材を備えるインプラントを、鈍的剥離ツールによって乳房内に作り出されたチャネル内に挿入するために用いられる。実施形態において、吊り下げ部材の係留部材の第2の端部は、イントロデューサツールの遠位端を取り付けるためのイントロデューサ筐体先端を備える。イントロデューサツールは、イントロデューサ筐体先端内に挿入され得ると共に、鈍的剥離ツールによって作り出された乳房のチャネル内に吊り下げ部材を挿入するために用いられ得る。より好ましくは、イントロデューサ筐体先端は、鈍的駆動先端を備える円錐形状を有しており、別個の鈍的剥離ツールを使用せずに乳房内にチャネルを形成するために使用され得る。本実施形態において、イントロデューサツールは吊り下げ部材の端部に取り付けられたイントロデューサ筐体先端に挿入され、イントロデューサツールはイントロデューサ筐体先端を乳房の穿刺切開に挿入するために用いられる。その後、乳房組織を穿通するのに十分な穿通力で、鈍的駆動先端を備えるイントロデューサ筐体先端を乳房組織に押し通すことによって、乳房内の画定されたチャネルが作られ、イントロデューサ筐体先端に取り付けられた吊り下げ部材がインプラント部位に送達される。実施形態において、吊り下げ部材を備えるインプラントは、乳房内へのインプラントの挿入後に乳房を吊り上げるために用いられる。
[0052] 実施形態において、インプラントは、穿刺切開を通して乳房に挿入されるようにサイズ決めされている。実施形態において、穿刺切開は0.3~3cm、より好ましくは0.5~1.5cmである。実施形態において、インプラントは、鈍的剥離によって形成された、任意選択的には鈍的剥離ツールによって形成されたチャネルを通して乳房に挿入されるようにサイズ決めされている。
[0053] 実施形態において、患者の乳房を目標位置に固定するための乳房固定術システムが提供され、乳房固定術システムは、第1の端部及び第2の端部を有する第1の支持線と、第1の端部及び第2の端部を有する第1の係留部材と、を備える第1の吊り下げ部材であって、第1の支持線は、その第2の端部において、第1の係留部材の第1の端部に接続されている、第1の吊り下げ部材と、第1の端部及び第2の端部を有する第2の支持線と、第1の端部及び第2の端部を有する第2の係留部材と、を備える第2の吊り下げ部材であって、第2の支持線は、その第2の端部において、第2の係留部材の第1の端部に接続されている、第2の吊り下げ部材と、を備えており、各吊り下げ部材の支持線が乳房内の係留部材よりも上位に位置し、支持線の第1の端部が乳頭乳輪複合体(NAC)の上方に位置するように、一方の吊り下げ部材は乳房内に移植されたときに乳房の外側に位置しており、第2の吊り下げ部材は乳房内に移植されたときに乳房の内側に位置している。乳房固定術システムは、穿刺切開ツール、鈍的剥離ツール、及びイントロデューサツールのうち1つ以上を更に備えていてもよい。乳房固定術システムは、係留部材の第2の端部に位置するイントロデューサツールのためのイントロデューサ筐体先端を更に備えていてもよい。イントロデューサツールは、イントロデューサ筐体先端内に挿入され得ると共に、例えば1つ以上の鈍的剥離ツールによって作り出された乳房内の画定されたチャネル内に吊り下げ部材を挿入するために用いられ得る。代替的には、乳房における画定されたチャネルの作成及び吊り下げ部材の挿入は、鈍的剥離をするように設計されたイントロデューサ筐体先端、例えば、円錐形状及び鈍的駆動先端を備えるイントロデューサ筐体先端によって実施されてもよい。本実施形態において、乳房固定術システムは、吊り下げ部材の端部に接続されたイントロデューサ筐体先端に挿入されるイントロデューサツールを備えており、システムは、好ましくは穿刺切開を通して乳房内にイントロデューサ筐体先端を挿入することと、イントロデューサ筐体先端をその鈍的駆動先端で乳房組織を通して駆動することにより乳房内に画定されたチャネルを作り出すこととによって使用される。イントロデューサ筐体先端に取り付けられた吊り下げ部材は、同時に、画定されたチャネル内に移植される。乳房固定術システムは、乳房のNACよりも上位の位置に移植され得ると共に支持線の第1の端部に接続され得るストラットを更に備えていてもよい。支持線に張力を印加すること及び支持線をストラットに取り付けることは、乳房を吊り上げるために用いられ得る。実施形態において、ストラットは、第1の端部及び第2の端部を有する第1のアームと、第1の端部及び第2の端部を有する第2のアームと、第1の端部及び第2の端部を有する中心要素と、を備え、第1のアームの第2の端部は要素の第1の端部に接続されており、第2のアームの第2の端部は要素の第2の端部に接続されている。実施形態において、要素は織物又は板である。好ましくは、そのように構成されたストラットは、NACよりも上位の位置で乳房内に移植されてもよく、乳房は、ストラットの第1のアームを移植された第1の吊り下げ部材の支持線の第1の端部に接続すること、及びストラットの第2のアームを第2の移植された吊り下げ部材の支持線の第2の端部に接続することによって吊り上げられてもよい。実施形態において、乳房固定術システムのストラットは、好ましくは、鈍的剥離によって形成される、NACよりも上位のチャネルに挿入される。実施形態において、乳房固定術システムのストラットは、ストラットの挿入のための、NACよりも上位のチャネルを形成するために用いられ得る、1本以上の針、好ましくは鈍端を備える1本以上の針を備えている。好ましくは、チャネルと移植されたストラットの位置とは、乳房のNACよりも上位の内側-外側平面に沿っている。実施形態において、ストラットの板部品は、孔及び/又は尖叉を備える。尖叉は、板の平面から突出し、組織に係合してストラットを適所に固定するように設計されている。孔は、ストラットを適所に固定するべく板内への組織内殖(tissue in-growth)を可能にするように設計されている。実施形態において、板は成形される。実施形態において、ストラットのアームは、モノフィラメント繊維、マルチフィラメント繊維、又は編組繊維から形成される。実施形態において、これらの繊維は一端において、針、好ましくは先端が鈍い針に加締められる。
[0054] 実施形態において、(i)第1の端部及び第2の端部を有する第1の支持線と、第1の端部及び第2の端部を有する第1の係留部材と、を備える第1の吊り下げ部材を導入するステップであって、第1の支持線は、乳房の外側又は内側で、その第2の端部において、第1の係留部材の第1の端部に接続されているステップと、(ii)第1の端部及び第2の端部を有する第2の支持線と、第1の端部及び第2の端部を有する第2の係留部材と、を備える第2の吊り下げ部材を導入するステップであって、第2の支持線は、乳房の、第1の吊り下げ部材とは反対側で、その第2の端部において、第2の係留部材の第1の端部に接続されているステップと、(iii)乳房のNACよりも上位の位置で第1の支持線の第1の端部を第2の支持線の第1の端部に接続する、又は乳房のNACよりも上位の位置で第1の支持線の第1の端部及び第2の支持線の第1の端部を姿勢組織に固定する、又は乳房のNACよりも上位の位置にストラットを挿入して吊り下げ部材の支持線の第1の端部をストラットに接続するステップと、を備える、患者の乳房を吊り上げる方法が提供される。実施形態において、方法は、第2の端部にイントロデューサ筐体先端を有する係留部材を備える吊り下げ部材を挿入することを備える。イントロデューサツールが、イントロデューサ筐体先端内に挿入され、鈍的剥離ツールによって作り出された乳房内の画定されたチャネル内に吊り下げ部材を挿入するために用いられてもよい。他の実施形態において、イントロデューサ筐体先端は、鈍的剥離をするように設計された形状を有しており、イントロデューサツールと共に用いられて、鈍的剥離によって乳房内に画定されたチャネルを形成すると共に吊り下げ部材を乳房に送達してもよい。実施形態において、イントロデューサ筐体先端は、吊り下げ部材のために乳房内にチャネルを作るべく用いられ得るように、円錐形状及び鈍的駆動先端を有している。実施形態において、吊り下げ部材のための乳房内の画定されたチャネルは、乳房組織を穿通するのに十分な力でイントロデューサ筐体先端を乳房内に押し込むことによって作り出される。実施形態において、乳房を吊り上げる方法は、支持線を姿勢組織に固定することを含み、姿勢組織は、筋肉、胸筋、肋間組織、筋膜、骨、肋骨、鎖骨、靭帯、腱、及び皮膚である。実施形態において、方法は、第1及び第2の端部を有する第1のアームと、第1及び第2の端部を有する第2のアームと、第1及び第2の端部を有する中心要素と、を備えるストラットを挿入することを更に備え、第1のアームの第2の端部は要素の第1の端部に接続されており、第2のアームの第2の端部は要素の第2の端部に接続されている。実施形態において、ストラットのアームのうち一方の第1の端部が針に取り付けられ、その針がストラットの挿入のために乳房内にチャネルを形成するために使用されるか、又は両方のアームの第1の端部が針に取り付けられ、それらの針がストラットの挿入のために乳房内にチャネルを形成するために使用される。実施形態において、ストラットの要素は織物又は板である。実施形態において、乳房を吊り上げる方法は、張力を第1の支持線の第1の端部に印加してそれをストラットの第1のアームに接続することと、張力を第2の支持線の第1の端部に印加してそれをストラットの第2のアームに接続することと、を備える。実施形態において、方法は、係留部材をリテーナと共に使用することと、リテーナを乳房組織に係合させることと、乳房を吊り上げるためにリテーナに力を印加することと、を更に備える。好ましくは、リテーナは、係留部材が下位から上位の方向に移動されるにつれて乳房組織に係合するように角度をつけられた先端を有する。実施形態において、(i)係留部材の第1の端部とその角度の頂点と(ii)リテーナの先端とその角度の頂点とが成す角度は、90度未満である。実施形態において、方法は、固定要素を備えるか又は固定要素を備えて構成される支持線を使用することを備え、固定要素は支持線を適所に係留するように乳房組織に係合される。
[0055] 実施形態において、(i)乳房の外側又は内側に、第1の端部及び第2の端部を有する第1の支持線と、第1の端部及び第2の端部を有する第1の係留部材と、を備える第1の吊り下げ部材を導入するステップであって、第1の支持線は、その第2の端部において、第1の係留部材の第1の端部に接続されているステップと、(ii)乳房の、第1の吊り下げ部材とは反対側に、第1の端部及び第2の端部を有する第2の支持線と、第1の端部及び第2の端部を有する第2の係留部材と、を備える第2の吊り下げ部材を導入するステップであって、第2の支持線は、その第2の端部において、第2の係留部材の第1の端部に接続されているステップと、(iii)乳房のNACよりも上位の位置で第1の支持線の第1の端部を第2の支持線の第1の端部に接続する、又は乳房のNACよりも上位の位置で第1の支持線の第1の端部及び第2の支持線の第1の端部を姿勢組織に固定する、又は乳房のNACよりも上位の位置にストラットを挿入して吊り下げ部材の支持線の第1の端部をストラットに接続するステップと、を備える、患者の乳房を吊り上げる方法が提供され、この方法は更に、(i)乳房に1つ以上の穿刺切開を行うステップ、(ii)吊り下げ部材の挿入のために鈍的剥離によって乳房の内側及び外側に直線チャネル又は湾曲チャネルを作り出すステップ、(iii)イントロデューサツールに吊り下げ部材を挿入し、イントロデューサツールから乳房内に吊り下げ部材を展開するステップ、(iv)吊り下げ部材の係留部材の第2の端部に接続されたイントロデューサ筐体先端にイントロデューサツールを挿入し、イントロデューサツールを用いて乳房内に吊り下げ部材を展開するステップ、(v)吊り下げ部材の係留部材の第2の端部に接続されたイントロデューサ筐体先端にイントロデューサツールを挿入し、イントロデューサ筐体先端を用いて乳房内に画定されたチャネルを形成すると共に吊り下げ部材を乳房内に移植するステップ、(vi)吊り下げ部材が部分的に又は完全にシースによって被覆されるか又はシースに挿入されているところ、吊り下げ部材を乳房に挿入し、吊り下げ部材の挿入後にシースを除去し、任意選択的にはシースを下位から上位の方向に除去し、好ましくはシースを乳房の上極を通して除去するステップ、(vii)任意選択的には患者を直立姿勢で座らせた後に、吊り下げ部材のうち1つ以上に下位から上位の方向に張力を印加して乳房を吊り上げるステップ、(viii)任意選択的には1本以上の針をストラットに取り付けること、ストラットに取り付けられた1本以上の針を使用してチャネルを作り出すこと、及び1本以上の針をストラットから除去することにより、ストラットの挿入のために鈍的剥離によって乳房のNACよりも上位にチャネルを作り出すステップ、並びに(ix)支持線を互いに接続した後に支持線を切り取るステップ、のうち1つ以上を備えている。
[0056] 実施形態において、穿刺切開ツールと、イントロデューサツールと、乳房固定術インプラントと、を提供することであって、乳房固定術インプラントは、第1の端部及び第2の端部を有する支持線と、第1の端部及び第2の端部を有する係留部材と、を備える吊り下げ部材を備えており、支持線は、その第2の端部において、係留部材の第1の端部に接続されており、係留部材は、その第2の端部において、イントロデューサ筐体先端に接続されていることと、乳房に穿刺切開を行うことと、イントロデューサツールの遠位先端をイントロデューサ筐体先端に挿入し、イントロデューサ筐体先端を穿刺切開内に設置することと、乳房組織を穿通するのに十分な穿通力で、移植される支持線が係留部材よりも上位になるように、イントロデューサツールを乳房組織に押し通すことによって、乳房内に画定されたチャネルを作ると共に吊り下げ部材を送達することと、イントロデューサツールを乳房から除去することと、乳房を吊り上げるために、下位から上位の方向に支持線に張力を印加することと、支持線を乳房のNACよりも上位の位置で固定することと、を備える、患者の乳房及びNACを吊り上げる方法が提供される。実施形態において、方法は、リテーナを備える多孔性係留部材の使用を備え、任意選択的には、係留部材は織物又はメッシュである。実施形態において、乳房を吊り上げる方法は、乳房のNACよりも上位で穿刺切開を行うことと、乳房のNACよりも上位の位置から開始して乳房内に画定されたチャネルを形成することと、を備え、又は穿刺切開は患者のNACよりも下位で行われ、画定されたチャネルは乳房のNACよりも下位の位置から開始して作られる。実施形態において、方法は更に、乳房のNACよりも上方に画定されたチャネルを作ることと、チャネルにストラットを挿入することと、支持線に張力をかけることと、張力をかけられた支持線をストラットに取り付けることと、を備える。
[0057] 実施形態において、インプラントは吊り下げ部材を備え、吊り下げ部材は係留部材に接続された支持線を備え、係留部材は支持線から乳房内に吊り下げられる。
[0058] 実施形態において、第1の端部及び第2の端部を有する支持線と、第1の端部及び第2の端部を有する係留部材と、を各々が備える第1の吊り下げ部材及び第2の吊り下げ部材を提供することであって、支持線はその第2の端部において係留部材の第1の端部に接続されており、係留部材は一方の端部でのみ支持線に接続されていることと、第1の吊り下げ部材を鈍的剥離によって乳房内の第1の場所まで乳房内へ前進させることと、第2の吊り下げ部材を鈍的剥離によって乳房内の第2の場所まで乳房内へ前進させることと、吊り下げ部材を下位から上位の方向に引っ張ることによって乳房を吊り上げることと、第1の吊り下げ部材の支持線を第2の吊り下げ部材の支持線に接続すること、又は吊り下げ部材の支持線を組織に固定すること、又は乳房のNACよりも上位で乳房内でストラットを前進させて吊り下げ部材の支持線をストラットに接続することと、を含む、最小侵襲的な乳房固定術の方法が提供される。実施形態において、乳房内の第1及び第2の場所はNACよりも上位である。実施形態において、吊り下げ部材の支持線は、NACよりも上位の場所に挿入され、乳房の下位の場所から乳房の上位の場所へ乳房組織を牽引するために使用される。実施形態において、乳房の第1及び第2の場所はNACよりも下位である。実施形態において、吊り下げ部材の支持線は、NACよりも下位の場所に挿入され、乳房の下位の場所から乳房の上位の場所へ乳房組織を牽引するために使用される。
[0059] 実施形態において、吊り下げ部材は、部分的に又は完全にシースの中で乳房内へ前進される。実施形態において、シース内の吊り下げ部材は、乳房内へ前進され、その後シースを除去することによって組織と係合される。実施形態において、シースは乳房の上極を通して除去される。実施形態において、吊り下げ部材は、吊り下げ部材の係留部材の第2の端部に接続されたイントロデューサ筐体先端内に挿入されたイントロデューサツールを用いて乳房内に前進される。実施形態において、イントロデューサ筐体先端は、鈍的剥離によって乳房内に画定されたチャネルを作り出すために使用される。
[0060] 実施形態において、ストラットは1本以上の針をストラットに接続することによって乳房内に前進され、1本以上の針はストラットの移植後に除去される。
[0061] 実施形態において、インプラントは、乳房内への送達のために三次元形状に折り畳まれるか又は巻かれる。実施形態において、インプラントは、三次元形状を有すると共に、乳房内への送達のためにイントロデューサツール内に挿入される。実施形態において、インプラントは形状記憶を有する。形状記憶は、インプラントが、移植部位への送達後に所望の形状に展開することを可能にする。
[0062] 実施形態において、インプラントは、患者の組織を除去することなく移植されてもよい。インプラントは、患者の皮膚を除去することなく移植されてもよい。
[0063] 実施形態において、インプラントは、鈍的剥離ツールを乳房に挿入し、組織を穿通しインプラントのために乳房内にチャネルを形成するのに十分な穿通力で、ツールを乳房組織に押し通すことによって、鈍的剥離を用いて移植される。実施形態において、鈍的剥離ツールは、イントロデューサツールをイントロデューサ筐体先端に接続することによって形成される。
[0064] 実施形態において、インプラントは、細胞、幹細胞、ゲル、ヒドロゲル、生物活性剤、薬剤、生物学的薬剤、脂肪組織、自己脂肪、吸引脂肪(fat lipoaspirate)、脂肪細胞、線維芽細胞、及び他の材料をインプラント部位に送達するための手段を外科医に提供する役割を果たす。
[0065] 実施形態において、インプラントは、20エンドトキシン単位未満のエンドトキシン含有量を有する。実施形態において、インプラントは滅菌されている。インプラントは、好ましくは、エチレンオキシド、冷エチレンオキシド、電子ビーム照射、又はガンマ線照射によって滅菌される。
[0066] 本明細書に記載されるインプラント及び方法は、乳房固定術及び乳房再建のために以前に開示された他のインプラント及び方法とは大いに異なることに留意されたい。第一に、インプラントは、長い外科的切開の代わりに、乳房内に画定されたチャネルを形成するための穿刺切開及び鈍的剥離を用いて移植される。このアプローチは乳房の瘢痕形成を低減させる。第二に、インプラントは、インプラントの移植のためにより長い又は開いた外科的切開を用いるのではなく、穿刺切開を通して挿入されるようにサイズ決めされる。第三に、処置は全身麻酔を使用せずに実施され得る。第四に、インプラントは、乳房の下極を吊り上げるためのハンモックとして用いられるスリングではない。インプラントの移植は、スリングの挿入のための乳房の下極における組織平面の広範な剥離を必要としない。
[0067] 本発明のこれらの利点並びに他の目的及び利点は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
[0081] 本発明を詳細に説明する前に、説明される本発明に対しては様々な変更又は修正がなされ得ると共に本発明の精神及び範囲から逸脱することなく均等物が代用され得るので、本発明は本明細書に記載される特定の変形例に限定されないことが理解されるべきである。本開示を読んだ当業者には明らかであるように、本明細書において説明及び図示される個々の実施形態の各々は、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴と容易に分離され得るか又は組み合わせられ得る別々の構成要素及び特徴を有する。また、特定の状況、材料、物質の組成、プロセス、1つもしくは複数のプロセス行為、又は1つもしくは複数のステップを、本発明の1つ又は複数の目的、精神、又は範囲に適合させるために、多くの修正がなされ得る。そのような修正は全て、本明細書においてなされる特許請求の範囲内にあることが意図されている。
[0082] 本明細書に記載される方法は、論理的に可能である記載された事象の任意の順序、並びに事象の記載された順序で実行され得る。さらに、値の範囲が提示される場合には、その範囲の上限と下限との間に介在する全ての値、及びその定められた範囲にある任意の他の定められた又は介在する値は、本発明に包含されるものと理解される。また、説明される本発明の変形例の何らかの任意選択的特徴は、独立して、又は本明細書において説明される特徴のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて、記載及び特許請求され得ると考えられる。
[0083] 本明細書において言及される全ての既存の主題(例えば、刊行物、特許、特許出願、及びハードウェア)は、その主題が本発明の主題と矛盾し得る場合を除いて(その場合、本明細書に存在するものが優先するものとする)、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[0084] 単数の物品の参照は、複数の同じ物品が存在する可能性を含む。より具体的には、本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられるとき、単数形の「a」、「an」、「said」、及び「the」は、文脈が別途明確に規定しない限り、複数の参照対象を含む。特許請求の範囲は任意選択の要素を排除するように作成され得ることに更に留意されたい。よって、この記述は、特許請求の範囲の要素の記載に関連した「単独で(solely)」、「のみ(only)」などの排他的用語の使用、又は「否定的」限定の使用のための先行詞としての役割を果たすことが意図される。
[0085] ここで図1から図2を参照すると、本発明の理解を容易にするために、患者の乳房の解剖学的構造及び乳房吊り上げのためのシステムが図示されている。特に、図1は、患者の乳房の輪郭1及びNAC2と、第1の吊り下げ部材3、第2の吊り下げ部材4、及びストラット5からなる、乳房を吊り上げるためのインプラントと、を示す図である。吊り下げ部材は、乳房の内側及び外側に挿入され、乳房を吊り上げるために上位方向に持ち上げられる。乳房を吊り上げるために吊り下げ部材に張力をかけた後、吊り下げ部材は、患者の組織に直接固定されてもよく、互いに固定されてもよく、又は好ましくは、患者のNACの上方で乳房に挿入されたストラット5に接続点6で接続されてもよい。
[0086] 図2は、第1の吊り下げ部材10と、第2の吊り下げ部材11と、ストラット12と、2つの直針付きイントロデューサツール13と、を備える、乳房固定術のためのインプラント及びツールのシステムを示す図である。イントロデューサツールは、第1及び第2の吊り下げ部材を乳房の内側及び外側に移植するために使用される。ストラットは、乳房のNACよりも上位の位置で乳房内に移植される。乳房への挿入後、第1及び第2の吊り下げ部材は、吊り下げ部材に張力をかけて乳房を吊り上げるために、上位に吊り上げられる。吊り上げられた乳房は、張力をかけられた吊り下げ部材をストラットに接続することによって、吊り下げ部材を患者の組織に固定することによって、又は吊り下げ部材を互いに接続することによって、適所に保持され得る。
[0087] 以下の理解を更に補助するために、次に定義を記載する。もっとも、本明細書において説明されるように異なって定義されない限り、本明細書において用いられる全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般に理解されるのと同一の意味を有する。
[0088] 定義
[0089] 本明細書において一般的に使用される「吸収性」は、材料が体内で分解され、分解産物が身体から排除又は排泄されることを意味する。「吸収性」、「再吸収性」、「分解性」、及び「侵食性」という用語は、「bio(生物、生体)」という接頭辞の有無に関係なく、分解が主に加水分解に起因するのか、又は代謝プロセスによって媒介されるのかにかかわらず、分解されて身体によって徐々に吸収、排泄、又は排除される材料を説明するために、本明細書において互換的に使用され得る。
[0090] 本明細書において一般的に使用される「生物活性剤」は、治療剤、予防剤、又は診断剤、好ましくは治癒及び宿主組織の再生を促進する薬剤、並びに感染症を防止、阻害、又は排除する治療剤を指す。「生物活性剤」は、単一のそのような薬剤を含み、複数を含むことも意図される。
[0091] 本明細書において一般的に使用される「ブレンド」は、2つ以上の異なる単量体で形成される共重合体とは対照的に、異なる重合体の物理的組み合わせを意味する。
[0092] 本明細書において一般に使用される「破裂強度」は、ASTM D6797-02(布の破裂強度の標準試験法一定速度拡張(CRE)ボールバースト試験)に従って、周囲条件で、1.6cmの円形開口及び直径1cmの半円形プローブを備えるボール破裂固定具を使用して判定される。
[0093] 本明細書において一般的に使用される「ポリ-4-ヒドロキシ酪酸の共重合体」は、1つ以上の異なるヒドロキシ酸単位を有する4-ヒドロキシ酪酸を含有する任意の重合体を意味する。
[0094] 本明細書において一般的に使用される「エンドトキシン含有量」は、インプラント又は試料中に存在するエンドトキシンの量を指し、カブトガニ血球抽出物(LAL)アッセイによって判定される。
[0095] 本明細書において一般的に使用される「乳房下溝」又は「IMF」は、乳房の下極が胸壁と交わる位置である。
[0096] 本明細書において一般的に使用される「下極」は、乳房下溝(IMF)と乳頭経線基準(nipple meridian reference)との間に位置し胸壁から遠ざかるように突出している乳房の部分を意味する。
[0097] 本明細書において一般的に使用される「分子量」は、別段の指定がない限り、数平均分子量(Mn)ではなく重量平均分子量(Mw)を指し、ポリスチレンに対してGPCによって測定される。
[0098] 本明細書において一般的に使用される「ポリ-4-ヒドロキシ酪酸」は、4-ヒドロキシ酸単位を含有する同種重合体を意味する。これは本明細書においてはP4HB又はTephaFLEX(登録商標)生体材料(マサチューセッツ州レキシントンのTepha社によって製造される)と称され得る。
[0099] 本明細書において一般的に使用される「リテーナ」は、係留部材に組み込まれる、組織に係合することができる造形物を意味する。リテーナは一般的に、組織に係合するための鋭利な先端を有する。係留部材に組み込まれ得る適切なリテーナの例は、フック、ダーツ、アンカー、及び突刺を含む。
[00100] 本明細書において一般的に使用される「縫合糸引き抜き強度」は、インプラントが縫合糸を保持できなくなるピーク負荷(kg)を意味する。これは、インプラントを水平保持板に固定し、インプラントの縁部から1cmの距離でインプラントにループ状に縫合糸を通し、インプラントの上方に位置決めされた繊維グリップに縫合糸アームを固定することによって、引張試験機を使用して判定される。試験は100mm/分のクロスヘッド速度で行われ、ピーク負荷(kg)が記録される。縫合糸は、縫合糸が機能しなくなる前にインプラントが機能しなくなるように選択される。
[00101] 本明細書において一般的に使用される「上極」は、上極基準(upper pole reference)と乳頭経線基準との間に位置し胸壁から遠ざかるように突出している、乳房の上部分を意味する。
[00102] 無瘢痕乳房固定術用インプラントを調製するための材料
[00103] 実施形態において、インプラント及び乳房固定術システムが、最小限の目に見える瘢痕形成を引き起こす、鈍的剥離による乳房固定術処置を実施するために、多種多様な材料を使用して開発されている。インプラントは、乳房内の組織を吊り上げることによって、審美的に喜ばしい乳房を生み出す。インプラントは、吊り上げられた乳房の負荷を長期間にわたって支持することができる新しい組織平面を乳房内に作り出す。インプラントは、乳房を吊り上げるためのスリングデバイスと、乳房の有意な目に見える瘢痕形成を引き起こし得るスリングデバイスの移植のための乳房組織の広範囲の剥離と、を使用する必要性を回避する。
[00104] A.インプラントを調製するための重合体及び乳房固定術のためのシステム
[00105] 乳房固定術インプラントは、超高分子量ポリエチレン、超高分子量ポリプロピレン、ナイロン、ポリ(エチレンテレフタレート)などのポリエステル、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリウレタン、ポリ(エーテル-ウレタン)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、及びポリ(エチレンオキシド)など、エチレン及びプロピレンの重合体及び共重合体を含む、非分解性熱可塑性重合体のような永久材料を含んでいてもよい。しかしながら、インプラントは、好ましくは吸収性材料、より好ましくは熱可塑性又は重合体吸収性材料を含み、更に好ましくはインプラントは完全に吸収性材料から作製される。実施形態において、乳房固定術のためのシステムは、インプラントの送達を容易にするために使用される永久材料と、吸収性材料を含むインプラントと、を備えていてもよい。例えば、乳房固定術のためのシステムは、吸収性材料を含む吊り下げ部材を備えるインプラントと、インプラントの送達のために使用される、永久材料から作製されるシースと、を備えていてもよい。
[00106] 好適な一実施形態において、インプラントは、1つ以上の吸収性重合体、好ましくは吸収性熱可塑性重合体及び共重合体から作製される。インプラントは、例えば、限定されないが、グリコール酸、乳酸、1,4-ジオキサノン、トリメチレンカーボネート、1,4-ブタンジオール、コハク酸、アジピン酸、3-ヒドロキシ酪酸、4-ヒドロキシ酪酸、ε-カプロラクトンの重合体を含み、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、VICRYL(登録商標)、MAXON(登録商標)、及びMONOCRYL(登録商標)重合体のようなグリコール酸と乳酸との共重合体を含み、ポリ(ラクチド-コ-カプロラクトン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ無水物、ポリ(ホスファゼン)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、合成的又は生物学的に調製されたポリエステル、ポリカーボネート、チロシンポリカーボネート、ポリアミド(合成及び天然ポリアミド、ポリペプチド、及びポリ(アミノ酸)を含む)、ポリエステルアミド、ポリ(アルキレンアルキレート)、ポリエーテル(ポリエチレングリコール(PEG)及びポリエチレンオキシド(PEO)など)、ポリビニルピロリドンすなわちPVP、ポリウレタン、ポリエーテルエステル、ポリアセタール、ポリシアノアクリレート、ポリ(オキシエチレン)/ポリ(オキシプロピレン)共重合体、ポリアセタール、ポリケタール、ポリリン酸塩、(リン含有)重合体、ポリホスホエステル、ポリアルキレンオキサレート、ポリアルキレンサクシネート、ポリ(マレイン酸)、シルク(組換えシルク並びにシルク誘導体及びシルク類似体を含む)、キチン、キトサン、修飾キトサン、ケラチン、生体適合性多糖類、他の生体適合性又は生分解性重合体のブロックを有するポリエチレングリコール(PEG)もしくはポリビニルピロリドン(PVP)などの親水性又は水溶性重合体、例えばポリ(乳酸)、ポリ(乳酸-コ-グリコリド)、又はポリカプロラクトン及びその共重合体を含み、そのランダム共重合体及びブロック共重合体を含む、重合体から調製され得る。好ましくは、吸収性重合体又は共重合体は、移植後、1~24カ月の時間枠内、より好ましくは3~18カ月の時間枠内で実質的に再吸収される。好ましくは、吸収性重合体は、少なくとも2週間~3カ月間、いくらかの残留強度を保持する。
[00107] 重合体、好ましくは吸収性重合体のブレンドも、乳房固定術インプラントを調製するために用いることができる。吸収性重合体の特に好適なブレンドは、グリコール酸、乳酸、1,4-ジオキサノン、トリメチレンカーボネート、1,4-ブタンジオール、コハク酸、アジピン酸、3-ヒドロキシ酪酸、4-ヒドロキシ酪酸、ε-カプロラクトン、又はそれらの共重合体を含む重合体を含むがこれらに限定されない吸収性重合体から調製される。
[00108] 特に好適な一実施形態において、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸(マサチューセッツ州レキシントンのTepha社のP4HB(商標)重合体)又はその共重合体が、インプラントを作製するために使用される。共重合体は、P4HBと3-ヒドロキシ酪酸のような別のヒドロキシ酸との共重合体、及びP4HBとグリコール酸又は乳酸単量体との共重合体を含む。ポリ-4-ヒドロキシ酪酸は、生体適合性で吸収性の、強くて可撓性の熱可塑性ポリエステルである(Williams他、Poly-4-hydroxybutyrate(P4HB):a new generation of resorbable medical devices for tissue repair and regeneration, Biomed. Tech.58(5):439-452(2013))。移植されると、P4HBはその単量体に加水分解し、単量体はクレブス回路を介して二酸化炭素と水とに代謝される。好適な一実施形態において、P4HB同種重合体及びその共重合体は、50kDa~1,200kDa(ポリスチレンに対するGPCによる)、より好ましくは100kDa~600kDaの範囲内の重量平均分子量Mwを有する。50kDa以上の重合体の重量平均分子量が、加工性及び機械的特性のためには好適である。
[00109] 別の好適な一実施形態において、乳房固定術インプラントは、少なくともジオール及び二酸を含む重合体を含む。特に好適な一実施形態において、乳房固定術インプラントを調製するために用いられる重合体は、ジオールが1,4-ブタンジオールであり二酸がコハク酸であるポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)である。ポリ(ブチレンサクシネート)重合体は、他のジオール、他の二酸、又はそれらの組み合わせとの共重合体であってもよい。例えば、重合体は、1,3-プロパンジオール、2,3-ブタンジオール、エチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、グルタル酸、アジピン酸、テレフタル酸、マロン酸、メチルコハク酸、ジメチルコハク酸、及びシュウ酸のうち1つ以上を更に含むポリ(ブチレンサクシネート)共重合体であってもよい。好適なポリ(ブチレンサクシネート)共重合体の例は、ポリ(ブチレンサクシネート-コ-アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート-コ-テレフタレート)、ポリ(ブチレンサクシネート-コ-ブチレンメチルサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート-コ-ブチレンジメチルサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート-コ-エチレンサクシネート)、及びポリ(ブチレンサクシネート-コ-プロピレンサクシネート)である。ポリ(ブチレンサクシネート)重合体又はその共重合体は、鎖延長剤、カップリング剤、架橋剤、及び分岐剤のうち1つ以上も更に含み得る。例えば、ポリ(ブチレンサクシネート)重合体又はその共重合体は、リンゴ酸、トリメチロールプロパン、トリメシン酸、クエン酸、グリセロールプロポキシレート、及び酒石酸の薬剤のうち1つ以上を添加することによって、分岐、鎖延長、又は架橋され得る。ポリ(ブチレンサクシネート)重合体又はその共重合体を分岐、鎖延長、又は架橋するための特に好適な薬剤は、ヒドロキシカルボン酸単位である。好ましくは、ヒドロキシカルボン酸単位は、2つのカルボキシル基と1つのヒドロキシル基、2つのヒドロキシル基と1つのカルボキシル基、3つのカルボキシル基と1つのヒドロキシル基、又は2つのヒドロキシル基と2つのカルボキシル基を有する。ある好適な実施形態において、乳房インプラントは、分岐剤、鎖延長剤、又は架橋剤としてリンゴ酸を含むポリ(ブチレンサクシネート)を含む。このポリ(ブチレンサクシネート)共重合体は、リンゴ酸によって架橋もしくは鎖延長されたポリ(ブチレンサクシネート)、コハク酸-1,4-ブタンジオール-リンゴ酸コポリエステル、又はリンゴ酸によって架橋もしくは鎖延長されたポリ(1,4-ブチレングリコール-コ-コハク酸)と称され得る。リンゴ酸並びに他の架橋剤、カップリング剤、分岐剤、及び鎖延長剤への言及は、これらの薬剤を用いて調製された重合体を含み、薬剤は処理中に更なる反応を経ていることが理解されるべきである。例えば、薬剤は重合中に脱水し得る。よって、ポリ(ブチレンサクシネート)-リンゴ酸共重合体は、コハク酸、1,4-ブタンジオール、及びリンゴ酸から調製される共重合体を指す。別の好適な一実施形態において、リンゴ酸が分岐剤、鎖延長剤、又は架橋剤として、ポリ(ブチレンサクシネート)とアジペートとの共重合体を調製するために用いられてもよく、これはリンゴ酸によって架橋又は鎖延長されたポリ[(ブチレンサクシネート)-コ-アジペート]と称され得る。本明細書において使用される場合、「ポリ(ブチレンサクシネート)及び共重合体」は、鎖延長剤、カップリング剤、架橋剤、及び分岐剤のうち1つ以上を用いて調製された重合体及び共重合体を含む。特に好適な一実施形態において、ポリ(ブチレンサクシネート)及びその共重合体は、少なくとも70重量%、より好ましくは80重量%、更に好ましくは90重量%のコハク酸及び1,4-ブタンジオール単位を含有する。ポリ(ブチレンサクシネート)及びその共重合体並びに本明細書に記載される他のものを含む、二酸及びジオールを含む重合体は、ポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)に基づいて、好ましくは10,000Da~400,000Da、より好ましくは50,000Da~300,000Da、更に好ましくは100,000Da~200,000Daの重量平均分子量(Mw)を有する。特に好適な一実施形態において、重合体及び共重合体は、50,000Da~300,000Da、より好ましくは75,000Da~300,000Daの重量平均分子量を有する。ある好適な実施形態において、インプラント又はインプラントの構成要素を作製するために使用されるポリ(ブチレンサクシネート)又はその共重合体は、以下の特性、1.23~1.26g/cm3の密度、-31℃~-35℃のガラス転移温度、113℃~117℃の融点、2~10g/10分の190℃/2.16kgfにおけるメルトフローレート(MFR)、及び30~60MPaの引張強度、のうち1つ以上又は全てを有する。
[00110] B.添加剤
[00111] インプラントには、好ましくはインプラントを作製するために使用される吸収性重合体、共重合体、又はそれらのブレンドに、特定の添加剤が組み込まれてもよい。好ましくは、これらの添加剤は、後で溶融加工できるペレットを生成するための配合処理中に組み込まれる。例えば、ペレットは、インプラントを作製するのに適した繊維に押出成形されてもよい。別の一実施形態において、添加剤は溶液ベースの処理を使用して組み込まれてもよく、例えば、繊維が、重合体及び1つ以上の添加剤の溶液から紡糸されてもよい。
[00112] 好適な一実施形態において、添加剤は生体適合性であり、更に好ましくは、添加剤は生体適合性及び吸収性の両方である。
[00113] 一実施形態において、添加剤は、成核剤及び/又は可塑剤であってもよい。これらの添加剤は、所望の結果を生み出すのに十分な量で添加され得る。概して、これらの添加剤は、1重量%と20重量%との間の量で添加され得る。成核剤は、重合体、共重合体、又はブレンドの結晶化速度を増加させるために組み込まれ得る。そのような薬剤は、例えば、インプラントの製作を容易にするため、及びインプラントの機械的特性を向上させるために用いられ得る。好適な成核剤は、クエン酸カルシウムなどの有機酸の塩、PHA重合体及び共重合体の重合体又はオリゴマー、PGAなどの高融点重合体、タルク、微粉化雲母、炭酸カルシウム、塩化アンモニウム、並びにチロシン及びフェニルアラニンなどの芳香族アミノ酸を含むがこれらに限定されない。
[00114] インプラントを調製するための組成物に組み込まれ得る可塑剤は、マレイン酸ジ-n-ブチル、ラウリン酸メチル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジ(2-エチルヘキシル)(ジオクチル)、パラフィン、ドデカノール、オリーブ油、大豆油、ポリテトラメチレングリコール、オレイン酸メチル、オレイン酸n-プロピル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、エポキシ化アマニ油、2-エチルヘキシルエポキシタレート、三酢酸グリセロール、リノール酸メチル、フマル酸ジブチル、アセチルリシノール酸メチル、クエン酸アセチルトリ(n-ブチル)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリ(n-ブチル)、クエン酸トリエチル、ダイマー酸ビス(2-ヒドロキシエチル)、リシノール酸ブチル、グリセリルトリ-(アセチルリシノール酸)、リシノール酸メチル、リシノール酸n-ブチルアセチル、リシノール酸プロピレングリコール、コハク酸ジエチル、アジピン酸ジイソブチル、アゼライン酸ジメチル、アゼライン酸ジ(n-ヘキシル)、リン酸トリ-ブチル、及びこれらの混合物を含むがこれらに限定されない。特に好適な可塑剤は、クエン酸エステルである。
[00115] C.生物活性剤
[00116] インプラントは、生物活性剤を充填されるか又は生物活性剤でコーティングされることができる。生物活性剤は、様々な理由でインプラントに含まれ得る。例えば、生物活性剤は、インプラントへの組織内殖を向上させるため、組織成熟を向上させるため、活性剤の送達を提供するため、インプラントの濡れ性を向上させるため、感染症を防止するため、及び細胞付着を向上させるために含まれ得る。生物活性剤はまた、インプラントの構造に組み込まれてもよい。
[00117] インプラントは、細胞接着性ポリペプチドを含む細胞接着因子を含有していてもよい。本明細書において使用される場合、「細胞接着性ポリペプチド」という用語は、細胞表面分子を介して細胞を結合することのできる、1分子あたり少なくとも2つのアミノ酸を有する化合物を指す。細胞接着性ポリペプチドは、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、エラスチン、フィブリノゲン、コラーゲンI型、II型、及びV型、並びに同様の細胞接着特性を有する合成ペプチドを含む、細胞接着において役割を果たすことが知られている細胞外マトリクスのタンパク質のいずれかを含む。細胞接着性ポリペプチドは、結合ドメインを含む断片又は配列を含む、前述のタンパク質のいずれかに由来するペプチドも含む。
[00118] インプラントは、インプラント構造の表面の濡れ性を向上させて流体がインプラント表面上に容易に吸収されることを可能にするように、並びに細胞付着を促進するように及び/又はインプラント表面の水接触角を修正するように設計された湿潤剤を組み込むことができる。湿潤剤の例は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの重合体、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、又はこれらの共重合体、例えばPLURONICS(登録商標)を含む。他の適当な湿潤剤は、界面活性剤又は乳化剤を含む。
[00119] インプラントは、湿潤特性(wetting properties)を更に向上させるため及びスカフォールドの厚さ全体にわたる細胞増殖を促進するために、ゲル、ヒドロゲル、又は生ヒドロゲルハイブリッド(living hydrogel hybrids)を含有し得る。ヒドロゲルハイブリッドは、ゼラチン、メタクリル化ゼラチン(GelMa)、シルクゲル、及びヒアルロン酸(HA)ゲルのような生体適合性ヒドロゲル中に封入された生細胞からなる。
[00120] インプラントは、成長因子、細胞分化因子、細胞リクルート因子、細胞受容体、細胞結合因子、サイトカインなどの細胞シグナル伝達分子、並びに細胞遊走、細胞分裂、細胞増殖、及び細胞外マトリクス沈着を促進する分子を含む、細胞内殖を刺激するように設計された活性剤を含有し得る。そのような活性剤は、線維芽細胞増殖因子(FGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、上皮成長因子(EGF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、インスリン様成長因子(IGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、インターロイキン-1-B(IL-1 B)、インターロイキン-8(IL-8)、及び神経成長因子(NGF)、並びにこれらの組み合わせを含む。
[00121] インプラントに組み込まれ得る他の生物活性剤は、抗菌剤、特に抗生物質、消毒薬、腫瘍学的薬剤、抗瘢痕化剤、抗炎症剤、麻酔剤、小分子薬物、抗血管新生因子及び血管新生促進因子、免疫調節剤、並びに血液凝固剤を含む。生物活性剤は、コラーゲン及び抗体などのタンパク質、ペプチド、キトサン、アルギン酸、ケラチン、ヒアルロン酸、及びこれらの誘導体などの多糖類、核酸分子、ステロイドなどの低分子量化合物、ヒドロキシアパタイトなどの無機材料、又は多血小板血漿などの複合混合物であってもよい。適当な抗菌剤は、バシトラシン、ビグアニド、トリクロサン、ゲンタマイシン、ミノサイクリン、リファンピン、バンコマイシン、セファロスポリン、銅、亜鉛、銀、及び金を含む。核酸分子は、DNA、RNA、siRNA、miRNA、アンチセンス、又はアプタマーを含み得る。
[00122] インプラントは、無細胞真皮マトリクス材料及び小腸粘膜下組織(SIS)を含む同種移植材料及び異種移植材料も含有し得る。
[00123] また、自己脂肪移植片などのヒト脂肪がインプラントスカフォールドの全体又は中に添加又は注入されてもよい。患者からの吸引脂肪組織がインプラントの内面又は外面に添加されてもよい。インプラントが多孔性である領域では、脂肪組織及び小球はインプラントの孔内の適所に保持され得る。
[00124] 別の一実施形態において、収集された脂肪組織は、インプラントに添加される天然又は合成の流動状スカフォールドマトリクス(fluidized scaffolding matrix)と混合されて、インプラント内の適所に脂肪の小球を保持するのを補助する。天然及び合成の流動状スカフォールドマトリクスの例は、限定されないが、ヒドロゲル、水溶性重合体、ポリエステル、並びにポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコールを含む親水性重合体、並びにフィブリン、トロンビン、アルギン酸、コラーゲン、キトサン、及びシルクの重合体を含む。
[00125] 更に別の好適な一実施形態において、インプラントは、治療剤又は予防剤の制御放出のためのシステムを組み込むことができる。
[00126] 乳房固定術インプラントを調製するための構成要素
[00127] 乳房固定術用のインプラント及びシステムを製造するために、様々な方法が用いられ得る。インプラントは、本明細書に開示される繊維を含んでいてもよい。
[00128] 乳房固定術インプラントを作製するための繊維
[00129] インプラントは繊維を含み得る。繊維は、好ましくは吸収性熱可塑性重合体から作製され、更に好ましくは吸収性熱可塑性ポリエステルから作製される。繊維は、好ましくは上記で列挙した吸収性材料から作製される。繊維は、モノフィラメント繊維、マルチフィラメント繊維、又はこれらの組み合わせであってもよい。特に好適なインプラントはモノフィラメント繊維を備える。繊維は、無配向であってもよく、部分配向されてもよく、高配向されてもよく、又はこれらの組み合わせであってもよいが、好ましくは配向されている。繊維は、好ましくは3%~100%、より好ましくは3%~50%の破断までの伸び値を有する。繊維は、1ミクロン~5mm、より好ましくは10ミクロン~1mm、更に好ましくは50ミクロン~500ミクロンの範囲の直径を有し得る。繊維は、10kDa~1,200kDa、しかしより好ましくは50kDa~600kDaの範囲の重量平均分子量を有し得る。繊維は、好ましくは1~6カ月間、より好ましくは2~4カ月間、インビボでその初期強度の少なくとも50%を保持する。繊維は、好ましくは移植から5年以内、より好ましくは移植から2年以内に完全に分解する。繊維は、好ましくは1~1,300MPa、より好ましくは50MPa~1,000MPaの範囲の初期引張強度を有する。
[00130] 一実施形態において、インプラントは、以下の特性、10~100%の破断までの伸び、及び300~1,000MPaの引張強度、のうち1つ以上を有する繊維を備える。
[00131] 好適な一実施形態において、乳房固定術インプラントは、P4HBから作製された繊維、より好ましくはP4HBモノフィラメント繊維から作製された繊維を備える。P4HBモノフィラメント繊維は、好ましくは部分配向又は全配向されている(すなわち、押出後に部分的に又は完全に伸張されている)。一実施形態において、P4HBモノフィラメント繊維は、以下の方法に従って生成され得る。ペレット形態のバルクP4HB樹脂を、回転翼真空ポンプシステムを使用して、300ppm未満の水分まで乾燥させる。乾燥された樹脂は、ペレットを乾燥状態に保つための窒素パージを有する押出機供給ホッパに移される。ペレットは、冷却されたフィーダ部分に重力供給され、1.5インチ(3.8cm)の直径を有し30:1のL/D比を有する押出スクリュを装着された押出機バレルに導入される。押出機バレルは、好ましくは5つの加熱ゾーン(又は押出ゾーン)を含み、American Kuhne社によって製造される。押出機からの加熱され軟化した樹脂は、加熱された定量ポンプ(溶融ポンプ)に供給され、溶融ポンプから、押し出された樹脂は、加熱されたブロック及び8穴紡糸口金アセンブリに供給される。適当な処理プロファイル範囲は、温度については40℃~260℃、圧力については400psi~2000psi(2.76MPa~13.8MPa)である。溶融フィラメントは、好ましくは水焼入れされ、任意選択的には配向ライン、好ましくは3段階配向ラインに搬送され、任意選択的には、スプールへのモノフィラメントの巻き取りの前に、インライン弛緩される。この手順は、例えば、以下の特性、10~100%の破断までの伸び、50~1,300MPaの引張強度、及び70~1,000MPaの引張弾性率、のうち1つ以上を有するP4HBモノフィラメント繊維を生成するために用いられ得る。P4HBモノフィラメント繊維は、20ミクロン~1mm、しかしより好ましくは50ミクロン~500ミクロンの範囲の平均直径を有し得る。一実施形態において、P4HBモノフィラメント繊維は、USP(米国薬局方)サイズ10,9,8,7,6,5,4,3,2,1,0,2-0,3-0,4-0,5-0,6-0,7-0,8-0,9-0,10-0,11-0,及び12-0を有し得る。
[00132] 別の一実施形態において、乳房固定術インプラントは、P4HBマルチフィラメント繊維から作製された繊維を備える。P4HB又はその共重合体のマルチフィラメント繊維は、例えば以下のように紡糸され得る。重合体、共重合体、又はそれらのブレンドはペレット化され、重合体、共重合体、又はブレンドの含水量が300ppm未満になるように乾燥される。乾燥されたペレットは押出機の供給ホッパに入れられ、例えば乾燥窒素パージによって水分から保護される。ペレットは、冷却されたフィーダ部分に重力供給され、押出スクリュを備える適当な押出機バレルに導入される。ある適当な押出機バレルは、0.75インチ(1.91cm)の直径及び25.69インチ(65.3cm)の長さを有し、30:1のL/D比を有する押出スクリュを装着されている。American Kuhne社が適当な押出機を製造している。好適な一実施形態において、押出機バレルは4つの加熱ゾーンを含み、処理プロファイルは40℃~300℃の範囲の温度及び200psi~3,000psi(1.38MPa~20.7MPa)の圧力で設定される。加熱され軟化した重合体、共重合体、又はブレンドは、定量ポンプに供給され、溶融ポンプから、樹脂は、加熱されたブロックに供給される。スピンヘッドには、濾材(スクリーン)を備えるスピンパックと、マルチフィラメント糸の個々のフィラメントを形成するための所望の数の穴を含む紡糸口金とが装着されている。例えば、紡糸口金は、15個、30個、60個、120個又はそれ以上もしくはそれ以下の穴を有していてもよい。押出されたフィラメントは紡糸口金を出て、加熱されたチムニーを通過してから冷却される。糸には好ましくはスピン仕上げが適用され、糸は、巻取機に集められるか、又はインラインで配向されるかのいずれかであり得る。適当なスピン仕上げは、PEG400及びTween20(商標)を含む。マルチフィラメント繊維は、1デニールあたり1グラムと12グラムとの間の引っ張り強さを有し得る。
[00133] 別の好適な一実施形態において、乳房固定術インプラントは、ポリ(ブチレンサクシネート)又はその共重合体から、より好ましくはポリ(ブチレンサクシネート)又はその共重合体のモノフィラメント繊維から作製された繊維を備える。ポリ(ブチレンサクシネート)又はその共重合体のモノフィラメント繊維は、好ましくは部分配向又は全配向されている(すなわち、押出後に部分的に又は完全に伸張されている)。一実施形態において、ポリ(ブチレンサクシネート)又はその共重合体のモノフィラメント繊維は、以下の方法に従って生成され得る。バルク樹脂を真空下で0.01%(w/w)未満の水分まで一晩乾燥させる。重合体の乾燥ペレットは、窒素ブランケット下で、Zenith型定量ポンプのモデルHPB917、0.5mm・8穴紡糸口金を有するダイ、及び8つの加熱ゾーンを装備した2.5インチのAmerican Kuhne社の単軸押出機(30:1のL:D、3:1圧縮)の押出機バレルに供給される。押出機の8つの加熱ゾーンは、40℃と200℃との間に設定される。押出機には35~70℃の水で満たされた急冷槽が装着されており、紡糸口金の底部と水の表面との間には10mmの空隙が設けられる。急冷槽の後には2つの5ロールゴデットが配置され、多段的に繊維を配向するために、ゴデットによって供給される3組の高温伝導チャンバが続く。高温チャンバの温度は、50℃と90℃との間の温度に設定される。最後のチャンバの後にもう1つのゴデットが配置され、次にマルチポジションのSahm社の巻取機が配置される。この手順は、例えば、以下の特性、10~100%又はより好ましくは10~50%の破断までの伸び、50~1,300MPa又はより好ましくは400~1,200MPaの引張強度、及び50~3,000MPaの引張弾性率、のうち1つ以上を有するポリ(ブチレンサクシネート)又はその共重合体のモノフィラメント繊維を生成するために用いられ得る。ポリ(ブチレンサクシネート)及びその共重合体のモノフィラメント繊維は、20ミクロン~1mm、しかしより好ましくは50ミクロン~500ミクロンの範囲の平均直径を有し得る。一実施形態において、ポリ(ブチレンサクシネート)又はその共重合体のモノフィラメント繊維は、USP(米国薬局方)サイズ10,9,8,7,6,5,4,3,2,1,0,2-0,3-0,4-0,5-0,6-0,7-0,8-0,9-0,10-0,11-0,及び12-0を有し得る。
[00134] 別の一実施形態において、乳房固定術インプラントは、ポリ(ブチレンサクシネート)及びその共重合体から作製されたマルチフィラメント繊維を備える。ポリ(ブチレンサクシネート)又はその共重合体のマルチフィラメント繊維は、好ましくは部分配向又は全配向されている(すなわち、押出後に部分的に又は完全に伸張されている)。一実施形態において、ポリ(ブチレンサクシネート)又はその共重合体のマルチフィラメント繊維は、以下の方法に従って生成され得る。バルク樹脂を真空下で0.01%(w/w)未満の水分まで乾燥させる。重合体の乾燥ペレットは、AJA(サウスカロライナ州グリアのAlex James Associates社)の3/4インチ単軸押出機(24:1のL:D)の押出機バレルに供給される。押出バレルは、4つの加熱ゾーンと、1つの定量ポンプと、1つのスピンパックアセンブリと、を含んでいた。ペレットは、冷却されたフィーダ部分に重力供給され、チムニー40℃~100℃、紡糸口金170℃±30℃、ポンプ170℃±30℃、ブロック170℃±30℃、ゾーン4 160℃±40℃、ゾーン3 150℃±40℃、ゾーン2 120℃±50℃、ゾーン1 30℃~40℃、供給ゾーン:周囲温度、のように設定された温度プロファイルを有する押出機に導入される。押出機からの加熱され均質化された溶融樹脂は、加熱された定量ポンプ(溶融ポンプ)に供給され、溶融ポンプから、押し出された樹脂は、加熱されたブロック及び紡糸口金アセンブリに供給される。紡糸口金は、0.200ミリメートルの毛細管直径及び2:1のL/D比を有する30個の穴を有する。(紡糸口金は他の代替的な様式で構成されていてもよい。例えば、紡糸口金は、0.150~0.300ミリメートル(6ミル~12ミル)の毛細管直径、15個、120個、及び240個の穴、並びにより大きい及びより小さい直径及び穴の数を備えて構成され得る。)適当な処理温度プロファイル範囲は35℃~250℃であり、圧力は、バレル内で200~5,000psi(1.38MPa~34.5MPa)及びスピンパック内で200~5,000psi(1.38MPa~34.5MPa)の範囲である。溶融フィラメントは、スピンパックを出るとき、長さが6~12インチで40℃~100℃の温度範囲である加熱されたチムニーカラー(chimney collar)を通過し、次に空気急冷ボックスを通過する。スピンパックは、溶融フィラメントの結晶化及びスピン仕上げ潤滑剤の塗布を可能にするのに十分な距離で糸巻取りロールの上方に垂直に吊り下げられる。25%ポリエチレン25グリコール400(PEG400)のスピン仕上げ水溶液が、フィラメントをまとめて糸束を形成するために用いられる。糸巻取りロールのスピード(典型的には毎分3~18メートル)は、紡糸したままの糸束のデニールを制御するために溶融フィラメントの流量に比例して設定される。次に、紡糸したままの糸束は、後でオフラインで配向するためにLessona社の巻取機に搬送されるか、又は一連の低温の及び加熱されたゴデット対並びにセパレータロール上でインライン配向するために巻取りロールに搬送される。所望の場合には、スピン仕上げは糸束を純水で再湿潤化することによって再活性化することができ、糸は5~14倍の速度及び50℃~90℃の範囲の温度で延伸され得る。この手順は、例えば、以下の特性、10~100%又はより好ましくは10~50%の破断までの伸び、1デニールあたり1グラムよりも大きい、より好ましくは1デニールあたり4グラムよりも大きい、しかし1デニールあたり14グラム未満の引っ張り強さ、のうち1つ以上を有するポリ(ブチレンサクシネート)又はその共重合体のマルチフィラメント繊維を生成するために用いられ得る。
[00135] 乳房固定術インプラントを作製するための織物
[00136] 本明細書に記載される繊維は、例えば、編むこと、縫うこと、織ること、又は鈎針編みすることによって、織物に加工され得る。乳房固定術インプラントを調製するための特に好適な織物は、2ループ鎖構成である。乳房固定術インプラントの調製に使用するための別の特に好適な織物は、メッシュ又は経編メッシュ、より好ましくは吸収性経編メッシュである。
[00137] 実施形態において、乳房固定術インプラントを調製するために使用される織物及びメッシュは、0.6N/cm2と90N/cm2との間、より好ましくは1.2N/cm2と30N/cm2との間の破裂強度を有する。実施形態において、乳房固定術インプラントを調製するために使用される織物及びメッシュは、それらの初期破裂強度値の少なくとも40%の移植後3か月の破裂強度を有する。
[00138] 実施形態では、乳房固定術インプラントを調製するために使用される織物及びメッシュは、多孔性であり、インプラントの中及び周囲に成長する、乳房を支持するのに十分なほど強い宿主組織にインビボで置換され得る。メッシュ孔又は織物の孔の直径は、組織内殖を容易にするために、好ましくは25μmより大きく、より好ましくは75μmより大きく、更に好ましくは250μmより大きいが、20mmより小さく、より好ましくは10mmより小さく、更に好ましくは5mmより小さい。
[00139] 編まれたメッシュ及び織られたメッシュなどの織物、並びに2ループ鎖構成織物を備える乳房固定術インプラントは、P4HB又はその共重合体の繊維、及びポリ(ブチレンサクシネート)又はその共重合体の繊維を使用して生成され得る。好ましくは、繊維はモノフィラメント繊維である。これらの重合体及び共重合体の配向又は部分配向されたモノフィラメント繊維を含むインプラントは、長期の強度保持プロファイルを有し、1年程度の間、いくらかの残留強度を維持することができる。これらの繊維の長期の強度保持は、これらの繊維から作製された織物への組織内殖のために延長された期間を提供する。これらの織物への組織内殖は、乳房吊り上げを支持することができる、乳房内の新しい組織平面の形成をもたらす。また、繊維及び織物の長期の強度保持は、これらの繊維及び織物を備える乳房固定術インプラントが、乳房内で新しい組織平面が発達する間、吊り上げられた乳房のための短期間の支持を提供できることを意味する。
[00140] 他の実施形態において、2ループ鎖構成物を含む織物又は編まれたメッシュを備える乳房固定術インプラントは、ポリジオキサノンの繊維、好ましくはポリジオキサノンのモノフィラメント繊維、更に好ましくはポリジオキサノンの配向されたモノフィラメント繊維を使用して生成され得る。
[00141] 乳房固定術インプラントにおける使用に適当な編まれたP4HBメッシュは、例えば、以下の方法によって調製され得る。49個のスプールからのP4HBのモノフィラメント繊維が、一定の張力下で、経糸ビームの表面へ引っ張られる。経糸は大きな幅広のスプールであり、そこに個々の繊維が平行に巻き取られて、Tween(登録商標)20潤滑剤の10%溶液によるコーティングの準備ができた状態の繊維のシートを提供する。Tween20潤滑剤は、回転しておりTween20で満たされた槽に浸漬されている「キス」ローラによって、繊維のシートの表面に添加される。ローラの上面を繊維のシートと接触させ、ローラを一定のスピードで回転させて、Tween20仕上げの均一な塗布を提供する。Tween20の塗布に続いて、繊維のシートは、スプールされた各繊維が経糸ビーム上の次のスプールされた繊維に並んで整列され巻き付けられるようにクリール位置に設置される。次に、経糸ビームは、両面編ループによって、完成したメッシュ生地に変換される。8つの経糸ビームが平行にトリコット機のレットオフに搭載され、「ランナー長さ」によって決定される一定速度で編成要素に供給される。各ビームからの個々それぞれのモノフィラメント繊維は、一連の動的張力要素を通して、編成「ガイド」下方に送り込まれる。各繊維は、ガイドバーに固定された単一のガイドを通過する。ガイドバーは、メッシュ構造を形成する針の周りに繊維を導く。次に、メッシュ生地は、一定速度で巻下げローラによって針から引き抜かれる。メッシュ生地はその後、巻き上げられ、ロールに巻き取られる。この方法に従って生成されたP4HBモノフィラメントメッシュは、水で超音波的にスコーリングされ、任意選択的には熱水中でヒートセットされ、任意選択的には70%エタノール水溶液で洗浄され得る。
[00142] 実施形態において、P4HBモノフィラメントから作製された織物及びメッシュは以下の特性(i)少なくとも1Kgfの縫合糸引き抜き強度、(ii)0.1~100Kgの破裂強度、(iii)0.05~5mmの厚さ、(iv)5~800g/m2の面密度、及び(v)5μm~5mmの孔直径、のうち1つ以上を有する。実施形態において、織物及びモノフィラメントメッシュは以下の特性(i)1Kgf~20Kgfの縫合糸引き抜き強度、(ii)1~50Kg、より好ましくは10~50Kgの破裂強度、(iii)0.1~1mmの厚さ、(iv)100~300g/m2の面密度、及び(v)100μm~1mmの孔直径、のうち1つ以上を有する。実施形態において、P4HBモノフィラメントメッシュ又は織物は以下の特性、500±100μmの孔直径、0.5±0.2mmの厚さ、およそ182±50g/m2の面密度、5.6±2kgfの縫合糸引き抜き強度、及び少なくとも15Kg、より好ましくは少なくとも24.5Kgの破裂強度、のうち実質的に1つ以上を有する。
[00143] 乳房固定術インプラントにおける使用に適当な、ポリ(ブチレンサクシネート)又はその共重合体の編まれたメッシュは、例えば、以下の方法によって調製され得る。49個のスプールからのモノフィラメント繊維が、クリールに搭載され、並んで整列されて、一定の張力下で「キス」ローラの上面へ引っ張られる。「キス」ローラは、ポリエチレングリコールソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコール、又は他の適切な潤滑剤の10%溶液で満たされた槽に半浸漬されながら回転している。潤滑剤は繊維のシートの表面上に堆積される。潤滑剤の塗布に続いて、繊維のシートは、コームガイドに通され、次に経糸ビームに巻き取られる。経糸は大きな幅広の円筒であり、そこに個々の繊維が平行に巻き取られて、繊維のシートを提供する。次に、経糸ビームは、両面編ループによって、完成したメッシュ生地に変換される。8つの経糸ビームが平行にトリコット機のレットオフに搭載され、「ランナー長さ」によって決定される一定速度で編成要素に供給される。各ビームからの個々それぞれのモノフィラメント繊維は、一連の動的張力要素を通して、編成「ガイド」下方に送り込まれる。各繊維は、ガイドバーに固定された単一のガイドを通過する。ガイドバーは、メッシュ生地構造を形成する針の周りに繊維を導く。次に、メッシュ生地は、生地「品質」によって決定される一定速度で巻下げローラによって針から引き抜かれる。メッシュ生地はその後、巻上げられ、スコーリングできる状態のロールに巻き取られる。次に、ポリ(ブチレンサクシネート)又はその共重合体のモノフィラメントメッシュは、水で超音波的にスコーリングされると共に、(i)(例えば高温伝導液槽又はオーブン内で)ヒートセットされ、それから(ii)70%エタノール水溶液で洗浄され得る。
[00144] ポリ(ブチレンサクシネート)又はその共重合体のモノフィラメント又はマルチフィラメントから作製された、2ループ鎖構成物を含むメッシュ及び織物は、好ましくは以下の特性(i)少なくとも10N又は少なくとも20Nの縫合糸引き抜き強度、(ii)0.1~100kgfの、より好ましくは1kgfと50kgfとの間の、又は0.1kPaよりも大きい破裂強度、(iii)0.05~5mmの厚さ、(iv)5~800g/m2の面密度、(v)5μm~5mm、より好ましくは100μm~1mmの孔直径、及び(vi)少なくとも0.01テーバー剛性単位、より好ましくは0.1~19テーバー剛性単位のテーバー剛性、のうち1つ以上を有する。より好ましくは、これらのモノフィラメント又はマルチフィラメントのメッシュ及び織物は、以下の特性(i)1kgf~20kgfの縫合糸引き抜き強度、(ii)1~50kgf、より好ましくは5~30kgfの破裂強度、(iii)0.1~1mmの厚さ、(iv)100~300g/m2の面密度、及び(v)100μm~1mmの孔直径、のうち1つ以上を有する。別の好適な一実施形態において、ポリ(ブチレンサクシネート)又はその共重合体のモノフィラメント又はマルチフィラメントのメッシュ又は織物は、以下の特性、500±100μmの孔直径、0.4±0.3mmの厚さ、およそ182±50g/m2の面密度、5.6±2kgfの縫合糸引き抜き強度、及び少なくとも3kgf、より好ましくは少なくとも6kgfの破裂強度、のうち実質的に1つ以上を有する。
[00145] 乳房固定術インプラントを調製するための方法及び乳房固定術のためのシステム
[00146] 乳房固定術インプラント及び乳房固定術のためのシステムを製造するために、様々な方法が用いられ得る。好ましくは、乳房固定術インプラントは、吸収性であり、移植時の通常の活動中に乳房に作用する機械力を支持するように、及びインプラントが分解した後にも同じ機械力を支持することができる再生宿主組織への機械力の安定した移行を可能にするように設計される。
[00147] 吊り下げ部材
[00148] 実施形態において、乳房固定術インプラントは吊り下げ部材を備える。吊り下げ部材は、患者の乳房を吊り上げるために使用することができる。吊り下げ部材は、乳房を吊り上げるために乳房の下極の下にハンモックを作るように設計されたスリングではない。その代わりに、1つ以上の吊り下げ部材が乳房の外側を吊り上げるために乳房の外側に移植され、1つ以上の吊り下げ部材が乳房の内側を吊り上げるために乳房の内側に移植される。好適な一実施形態において、吊り下げ部材は、乳房を吊り上げるために乳房の両側に移植される。実施形態において、吊り下げ部材20は支持線21と係留部材24とを備える(図3を参照)。支持線21は、第1の端部22及び第2の端部23を有する。係留部材24は、第1の端部25及び第2の端部26を有する。吊り下げ部材は、係留部材に接続された支持線を備える。支持線21は、その第2の端部23で係留部材24の第1の端部25に接続されている。係留部材24は、その第1の端部25でのみ支持線21に接続されている。係留部材24は、その第2の端部26では第2の支持線に接続されていない。ある意味では、係留部材の第2の端部は、図3においては自由端として示されている。
[00149] 吊り下げ部材20は、乳房組織を係留部材24と係合させ、係合した組織を支持線21に下位から上位の方向に力を印加することで吊り上げることによって、患者の乳房を吊り上げるように設計されている。支持線に対する上向きの力は、係留部材に伝達され、乳房組織の上向きの移動をもたらす。実施形態において、吊り下げ部材は、乳房を吊り上げるために乳房の外側及び内側に移植されるように設計されている。
[00150] 吊り下げ部材は一時的なスカフォールドとなるように設計される。つまり、吊り下げ部材は、最初は乳房を吊り上げるように、しかし移植後に吊り下げ部材が分解するにつれて新しい組織に置換されるように設計されている。時間が経過すると、吊り下げ部材によって提供される乳房の支持は、宿主組織からの支持に置換される。このようにして、乳房は、吊り下げ部材によって吊り上げられるが、内部成長した乳房組織によってその吊り上げられた位置に長期間維持される。実施形態において、吊り下げ部材は、移植後12週間にわたって、その初期強度の少なくとも15%、好ましくはその初期強度の少なくとも30%、更に好ましくはその初期強度の少なくとも50%を保持する。
[00151] 実施形態において、吊り上げ部材は、吊り下げ部材が分解して強度を失うにつれて吊り上げられた乳房を支持するために用いられ得る新しい組織平面を乳房内に作り出すように設計されている。実施形態において、吊り下げ部材は、吊り上げられた乳房の負荷を新しい組織平面の領域にわたって分配するように設計されている。乳房の負荷を分配するための吊り下げ部材の使用は、より耐久性のある結果を提供すると共に、負荷の集中、潜在的なチーズワイヤリング、及び乳房吊り上げ処置において縫合糸のみが使用されるときに生じ得る組織牽引の損失を回避する。この点に関して、吊り下げ部材は、縫合糸が乳房組織を貫通しがちである高脂肪組織含有量を有する乳房を吊り上げる際に、特に望ましいであろう。吊り下げ部材20の幅/外形は、吊り上げられた乳房の負荷を拡張された領域にわたって分散させるために大きくする必要はなく、それでも有効であることがわかっている。本明細書に記載される薄型吊り下げ部材設計は、(a)吊り下げ部材が刺創及び狭いチャネルのみを通して展開されることを可能にし、(b)乳房を十分に支持することができ、(c)縫合糸及びスリングに関連する上述の問題を回避する。
[00152] 乳房を吊り上げるために、吊り下げ部材は、少なくとも5Nの、より好ましくは少なくとも10Nの、より好ましくは少なくとも60Nの、しかし500N未満の負荷を支持するように設計される。
[00153] 実施形態において、吊り下げ部材は多孔性部品を備えている。多孔性部品は組織内殖を可能にする。
[00154] 吊り下げ部材は更にテンショナを備えていてもよい。テンショナは、乳房組織に対する吊り下げ部材の張力を増加又は減少させるように、及び乳房吊り上げの調節を可能にするように設計される。
[00155] 吊り上げ部材は、患者の乳房に行われた穿刺切開を通して移植されるようにサイズ決めされる。実施形態において、吊り下げ部材は、患者の組織の広範囲の剥離なしに使用されるように設計される。実施形態において、吊り下げ部材は、患者の組織の除去なしに使用されるように設計される。実施形態において、吊り下げ部材は、最小侵襲的に送達されるように設計される。実施形態において、吊り下げ部材は、患者への移植の前に折り畳まれるか又は巻き上げられるように設計される。移植後、折り畳まれた又は巻き上げられた吊り下げ部材は、乳房内で所望の形状に展開され得る。実施形態において、吊り下げ部材は形状記憶を有する。移植後、形状記憶を有する吊り下げ部材は、乳房内で所望の形状に展開され得る。実施形態において、吊り下げ部材は、好ましくは鈍的剥離によって乳房に形成されたチャネル内に移植されるように設計される。実施形態において、吊り下げ部材は、乳房の上極の進入点を通して挿入されるように設計される。実施形態において、吊り下げ部材は、乳房の下極の進入点を通して挿入されるように設計される。
[00156] 実施形態において、吊り下げ部材は繊維を備える。実施形態において、繊維は吸収性熱可塑性重合体から作製され、実施形態において、吸収性熱可塑性重合体から作製された繊維は配向されている。配向とは、繊維が伸張されていることを意味する。繊維の伸張は、繊維中の重合体鎖の分子整列を引き起こし、繊維の引張強度を増加させる。(この文脈における「配向」は、別の物体に対する繊維のジオメトリに関係するものではない。)実施形態において、吊り下げ部材は、モノフィラメント繊維、好ましくは吸収性モノフィラメント繊維、更に好ましくは配向重合体吸収性モノフィラメント繊維を備える。
[00157] 実施形態において、吊り下げ部材は、セクションAで列挙された重合体のうち1つ以上を含む。好ましくは、吊り下げ部材は、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体、ポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体、又はポリジオキサノンのうち1つ以上を含む。
[00158] 実施形態において、インプラントは、吊り下げ部材と、1つ以上の生物活性剤とを備える。生物活性剤は、吊り下げ部材上にコーティングされてもよく、又は吊り下げ部材に組み込まれてもよい。特に好適な生物活性剤は、抗菌剤、抗生物質、タンパク質、及び組織内殖を促進する薬剤を含む。実施形態において、インプラントは、吊り下げ部材と、細胞、幹細胞、ゲル、ヒドロゲル、脂肪組織、自己脂肪、吸引脂肪、脂肪細胞、及び線維芽細胞のうち1つ以上とを備える。これらの細胞及び物質は、吊り下げ部材の表面上にコーティングされてもよく、又は吊り下げ部材の本体に組み込まれてもよい。
[00159] 実施形態において、吊り下げ部材は、20エンドトキシン単位未満のエンドトキシン含有量を有する。実施形態において、吊り下げ部材は滅菌されている。実施形態において、吊り下げ部材は、エチレンオキシド、冷エチレンオキシド、電子ビーム照射、又はガンマ線照射によって滅菌されている。
[00160] 支持線
[00161] 実施形態において、吊り下げ部材は支持線を備える。支持線は、第1の端部及び第2の端部を有する。支持線の第2の端部は係留部材の第1の端部に取り付けられている。図3は、第2の端部23で係留部材24の第1の端部25に取り付けられた支持線21の一例を示す。この例では、係留部材は梯子状構造24を有する。図4は、第2の端部で係留部材32の第1の端部に取り付けられた支持線31の一例を示しており、係留部材は3つのリテーナ33に接続された梯子状構造を有する。実施形態において、吊り下げ部材は、支持線31が係留部材よりも上位に配置された状態で、患者の乳房内に移植される。移植の際には、係留部材上に位置するリテーナが近くの乳房組織に係合し、乳房組織を下位から上位の方向に吊り上げるように、支持線に対して下位から上位の方向に力が印加される。
[00162] 実施形態において、吊り下げ部材の支持線は、10~40cm、より好ましくは15~25cmの長さを有し得る。
[00163] 実施形態において、支持線はモノフィラメント繊維、より好ましくは0.1~0.4mm、より好ましくは0.2~0.25mmの平均直径を有するモノフィラメント繊維を備える。実施形態において、支持線はマルチフィラメント繊維を備える。実施形態において、支持線は編組を備える。
[00164] 実施形態において、支持線は固定要素を備える。固定要素は、乳房組織に係合するように、及び吊り下げ部材が乳房を吊り上げるために使用された後に支持線を乳房組織に固定するのを助けるように設計される。
[00165] 実施形態において、固定要素は、支持線に接続されるか又は組み込まれ、支持線から外向きに延在する。
[00166] 実施形態において、固定要素は、支持線から延在する小さいフィラメントである。小さいフィラメントはモノフィラメント又はマルチフィラメントであり得る。
[00167] 実施形態において、固定要素を備えた支持線は一体構造である。2ループ鎖編構造を有する固定要素を備えた支持線の一例が、支持線31の領域Aの拡大である図4の詳細Aに示されている。他の実施形態において、固定要素を備えた支持線は、1ループ鎖編構造を有する。
[00168] 実施形態において、固定要素を備えた支持線は織物加工によって形成される。他の実施形態において、固定要素は支持線に束縛され、融着され、又は溶接される。実施形態において、固定要素を備えた支持線は成形される。
[00169] 実施形態において、固定要素は吸収性重合体を含む。実施形態において、固定要素は、セクションAで列挙された重合体のうち1つ以上を含む。
[00170] 実施形態において、支持線は吸収性重合体を含む。実施形態において、支持線は、セクションAで列挙された重合体のうち1つ以上を含む。好ましくは、支持線は、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体、ポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体、又はポリジオキサノンのうち1つ以上を含む。
[00171] 実施形態において、吊り下げ部材は、織物構造及びリテーナを有する係留部材と、第2の端部において係留部材の第1の端部に接続された支持線とを備えており、全ての構成要素が同一の重合体、好ましくはポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体、ポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体、又はポリジオキサノンを含む。
[00172] 係留部材
[00173] 実施形態において、吊り下げ部材20は係留部材24を備える(図3を参照)。係留部材は、第1の端部25及び第2の端部26を有する。係留部材24は、その第1の端部25で支持線21に取り付けられている。係留部材24は、その第2の端部26では支持線に接続されていない。第2の端部は自由端である。係留部材は、スリング又はハンモックではない。係留部材24は、乳房の下極に広がることが可能な肥大した2D又は3D形状を有さない。対照的に、係留部材の例示的な形状は、帯、リボン、又は細長片である。実施形態において、係留部材は、広げられた編物又は糸のブレスレットの外観を有する。その長さはその幅よりも遥かに大きい。
[00174] 係留部材は乳房組織に係合するように設計されている。乳房組織の係合後、吊り下げ部材は、患者の乳房を吊り上げるために使用され得る。縫合糸とは異なり、係留部材は拡張された領域にわたって乳房組織に接触し、これは、係留部材が、乳房の吊り上げの際に印加される負荷を乳房組織の広い領域にわたって分散させることを可能にする。拡張された領域にわたって負荷を分散させることは、係留部材が乳房組織を断裂させること又は乳房の局所的区域に過大な張力を印加することを防止するのに役立つ。後者は、乳房の望ましくない外観をもたらすおそれがある。係留部材は、脂肪性乳房組織を切断するかもしれない又は脂肪組織によって保持されないかもしれない縫合糸とは異なり、脂肪性乳房組織を吊り上げるのに特に有用である。乳房組織を吊り上げるための改良された手段を提供することに加えて、係留部材は、乳房内に拡張された新しい組織平面を作り出すことによって、吊り上げられた乳房の長期支持を提供するための手段を提供する。新しい組織平面は、係留部材内への組織内殖から生じる。新しい組織平面は、吊り上げられた乳房の内部支持を提供する。
[00175] 係留部材は、好ましくは、イントロデューサツールを使用し、刺創を通して送達されるようにサイズ決めされる。係留部材は、移植部位への送達を可能にするために、巻かれるか又は折り畳まれてもよい。係留部材は形状記憶を有していてもよく、係留部材がイントロデューサツールによって移植部位に送達され、その後形状を回復することを可能にする。
[00176] 係留部材は、乳房の外側又は内側のいずれかに挿入されて乳房組織を吊り上げるように設計されている。好ましくは、少なくとも1つの係留部材が乳房の外側に挿入され、少なくとも1つの係留部材が乳房の内側に挿入される。乳房全体は、乳房の両側の係留部材を用いて吊り上げられ得る。
[00177] 実施形態において、吊り下げ部材の係留部材は、8~20cm、より好ましくは12~16cmの長さと、4~20mm、より好ましくは6~12mmの幅とを有し得る。好適な一実施形態において、係留部材は、5:50、より好ましくは10:25の長さ対幅の比を有する。別の言い方をすれば、係留部材の長さは、好ましくは係留部材の幅の10~25倍である。
[00178] 係留部材は、移植後12週間にわたって、好ましくはその初期強度の少なくとも15%、より好ましくはその初期強度の少なくとも30%、更に好ましくはその初期強度の少なくとも50%を保持する。係留部材は、好ましくは少なくとも1Nの、より好ましくは少なくとも10Nの、しかし1,000N未満の破裂力に耐えることができる。
[00179] 係留部材は、好ましくは吸収性重合体、より好ましくは吸収性熱可塑性重合体、更に好ましくは合成又は生合成吸収性熱可塑性重合体を含む。実施形態において、係留部材は、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体、ポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体、又はポリジオキサノンのうち1つ以上を含む。好適な一実施形態において、係留部材は完全に吸収性である。特に好適な一実施形態において、係留部材は一時的なものである。
[00180] 実施形態において、係留部材は多孔性である。
[00181] 係留部材は、好ましくは織物を備える。織物は、メッシュ、編組、織られたメッシュ、及び編まれたメッシュを含む。これらの織物は、好ましくはモノフィラメント繊維、より好ましくは吸収性モノフィラメント繊維を備える。特に好適な一実施形態において、吸収性モノフィラメント繊維は重合体であり配向されている。配向とは、この実施形態において、繊維中の重合体鎖の分子整列を増加させるように繊維が伸張されていることを意味する。実施形態において、モノフィラメント繊維は、0.02~0.7mm、より好ましくは0.05~0.25mm、更に好ましくは0.07~0.175mmの平均直径を有する。実施形態において、係留部材は、以下の特性(i)少なくとも1Kgfの縫合糸引き抜き強度、(ii)0.1~100Kgの破裂強度、(iii)0.05~5mmの厚さ、(iv)5~800g/m2の面密度、及び(v)5μm~10mmの孔直径、のうち1つ以上を有する織物を備える。好適な一実施形態において、インプラントの係留部材は織物を備え、織物は以下の特性(i)1Kgf~20Kgfの縫合糸引き抜き強度、(ii)1~50Kg又は10~50Kgの破裂強度、(iii)0.1~1mmの厚さ、(iv)100~300g/m2の面密度、及び(v)100μm~1mmの孔直径、のうち1つ以上を有する。
[00182] 実施形態において、係留部材は、セクションAで列挙された重合体のうち1つ以上を含む。これらの重合体は、係留部材の織物構造を調製するために使用され得る。好ましくは、係留部材は、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体、又はポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体のうち1つ以上を含む。実施形態において、係留部材は、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体を含む繊維、ポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体を含む繊維、又はポリジオキサノンを含む繊維、のうち1つ以上から調製されるメッシュを備える。
[00183] 実施形態において、係留部材は1つ以上の生物活性剤を含む。生物活性剤は、係留部材上にコーティングされてもよく、又は係留部材に組み込まれてもよい。特に好適な生物活性剤は、抗菌剤、抗生物質、タンパク質、及び組織内殖を促進する薬剤を含む。実施形態において、係留部材は、細胞、幹細胞、ゲル、ヒドロゲル、脂肪組織、自己脂肪、吸引脂肪、脂肪細胞、及び線維芽細胞、のうち1つ以上を備える。これらの細胞及び物質は、係留部材上にコーティングされてもよく、又は係留部材に組み込まれてもよい。
[00184] 実施形態において、係留部材は梯子形状を有する。一実施形態において、吊り下げ部材は梯子状の係留部材を備える。図3は、支持線21の第2の端部23に接続された梯子状の係留部材24を備える吊り下げ部材20の一例である。好ましくは、梯子状の係留部材は、繊維で編まれており、より好ましくはモノフィラメント繊維で編まれている。実施形態において、梯子状の係留部材は、垂直部材(すなわち梯子の側部)を作り出すための両面鎖編と、梯子の水平部材(すなわちステップ)を作り出すための緯入れインレイとの組み合わせを用いて編まれる。鎖編及びインレイは、同じ平均直径の繊維で形成されてもよく、又は異なる平均直径の繊維で形成されてもよい。一実施形態において、係留部材は梯子状の編まれた構造を備えており、梯子の垂直部材は、梯子の水平部材を形成するために用いられるモノフィラメント繊維よりも小さい直径を有するモノフィラメント繊維から形成される。一実施形態において、梯子の垂直部材は、0.02~0.3mm、より好ましくは0.07~0.1mmの平均直径を有するモノフィラメント繊維で形成され、梯子の水平部材は、0.05~0.35mm、より好ましくは0.1~0.15mmの平均直径を有するモノフィラメント繊維で形成される。一実施形態において、梯子状の編まれた構造は、10~20cmの長さを有すると共に、5~12mmの幅を有する。好ましくは、梯子状の係留部材を備える吊り下げ部材は完全に吸収性であり、更に好ましくは、梯子状の係留部材は、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体、ポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体、又はポリジオキサノンから生成される。
[00185] 実施形態において、係留部材は、乳房組織に係合し得るリテーナを備える。実施形態において、リテーナは、梯子状の織物に挿入されて係留部材を形成するように設計される。梯子状の織物は、本明細書に記載されるように形成され得る。図4は、係留部材32を形成するために梯子構造に挿入された3つのリテーナ33を有する梯子状の織物を備える吊り下げ部材30の一例である。係留部材は支持線31の第2の端部に接続されている。図4に示すように、リテーナの先端は、係留部材の平面から遠ざかるように(すなわち梯子構造の平面から遠ざかるように)角度をつけられており、全てが同じ方向、つまり支持線31の方向を指している。リテーナは、吊り下げ部材に下位から上位の方向に吊り上げ力が印加されたときに組織に係合するように角度をつけられている。
[00186] 一実施形態において、リテーナは基部と先端とを備える。図5の詳細Aは、3つのリテーナ47を備える係留部材44を有する吊り下げ部材40の領域Aの拡大であり、リテーナ50、係留部材の梯子状構造51、リテーナの基部52、リテーナの先端53、及び縦横に走る梯子状構造51に固定54されたリテーナを示している。実施形態において、リテーナ50の基部52は係留部材の平面に接続されており、リテーナの先端部53は係留部材の平面から遠ざかるように延在している。実施形態において、リテーナは、リテーナの先端を乳房組織に係合して吊り上げるように配置するために、ある角度で係留部材の平面に接続される。実施形態において、リテーナは係留部材の平面に対してある角度で位置決めされ、(i)係留部材の第1の端部とその角度の頂点と(ii)リテーナの先端とその角度の頂点とが成す角度は、90度未満であるが、0度よりも大きい。実施形態において、リテーナの先端は、吊り下げ部材の移植後、上位方向を指して配置されている。実施形態において、リテーナの基部は、移植後、リテーナの先端よりも下位に配置されている。
[00187] 実施形態において、リテーナは、リテーナを係留部材の梯子状構造に固定するために用いられる溝を備える。図6はリテーナ80の一例であり、リテーナの基部81と、先端82と、係留部材の梯子状構造にリテーナを固定するための溝83とを示している。図5の詳細Aは、係留部材の梯子状構造に固定された、溝を有するリテーナを示す。
[0188] 実施形態において、リテーナは平面構造を有しており、そのようなリテーナ80が図6に示されている。他の実施形態において、リテーナは非平面構造を有する。非平面構造を有するリテーナの一例が図7に示されている。この例では、リテーナ90は、平面基部91から出ている、角度をつけられた尖叉93を有する。基部は、(図5の詳細Aに示されるように)基部91を梯子状構造に固定するための溝94を含む。リテーナ90は、リテーナの先端92が、支持線の方向を指すように角度をつけられると共に吊り下げ部材が下位から上位の方向に吊り上げられたときに乳房組織に係合することができるように、梯子状構造に固定される。
[00189] 実施形態において、係留部材はリテーナを備えており、リテーナは、係留部材の平面からリテーナの先端まで、0.1~25mm、より好ましくは1~15mm、更に好ましくは3~10mm延在する。リテーナは、組織に係合するように、及び係留部材に下位から上位の方向に力が印加されたときに組織を吊り上げることができるように設計される。係留部材に組み込まれ得る適当なリテーナの例は、アンカー、スイベルアンカー、フック、ダーツ、返し、鉤、突起、延長部、バルジ、隆起、スパー、バンプ、尖端、コグ、表面粗さ、表面不規則性、及び矢を含む。好ましくは、リテーナは、乳房組織に係合することができる鋭利な先端を有する。
[00190] 実施形態において、係留部材は、乳房組織に係合するための複数のリテーナを備える。実施形態において、係留部材は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,又はより多くのリテーナを備える。複数のリテーナは、係留部材が、吊り上げられた乳房の負荷を広い領域にわたって分散させることを可能にする。吊り上げられた乳房の負荷をリテーナによって乳房組織のより広い領域にわたって分散させることは、乳房組織を吊り上げるより確実な方法を提供し、乳房組織の別々の領域に高い張力がかかることを防止し、吊り上げを維持すると共にその後の下垂を防止するのに役立つ。複数のリテーナの使用は、脂肪性乳房組織又は密度の低い乳房組織を吊り上げるために特に望ましい。これらの組織は、典型的には、例えば、乳房内の単一の点に係留する縫合糸又は他のデバイスを使用して吊り上げることが困難である。なぜなら、局所的な点における張力の印加が組織の断裂及びデバイスの貫通をもたらすおそれがあるからである。
[00191] 実施形態において、係留部材は織物を備え、リテーナの基部はその織物に接続される。実施形態において、係留部材のリテーナの基部は、吸収性モノフィラメント織物、より好ましくは吸収性モノフィラメントの編組織物、編まれた織物、又は織られた織物に固定される。特に好適な一実施形態において、係留部材の平面は、以下の特性(i)少なくとも1Kgfの縫合糸引き抜き強度、(ii)0.1~100Kgの破裂強度、(iii)0.05~5mmの厚さ、(iv)5~800g/m2の面密度、及び(v)5μm~10mmの孔直径のうち1つ以上を有する織物と、その織物に挿入された、アンカー、スイベルアンカー、フック、ダーツ、返し、鉤、突起、延長部、バルジ、隆起、スパー、バンプ、尖端、コグ、表面粗さ、表面不規則性、及び矢を備える群から選択される1つ、2つ、3つ、又はより多くのリテーナと、を備える。
[00192] 実施形態において、リテーナは吸収性重合体を含む。実施形態において、リテーナは、セクションAで列挙された重合体のうち1つ以上を含む。好ましくは、リテーナは、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体、ポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体、又はポリジオキサノンのうち1つ以上を含む。実施形態において、係留部材の平面は織物構造を備え、係留部材はリテーナを備え、織物構造とリテーナとの両方が同一の重合体、好ましくはポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体、ポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体、又はポリジオキサノンを含む。
[00193] イントロデューサ筐体先端
[00194] 実施形態において、吊り下げ部材は更にイントロデューサ筐体先端を備える。イントロデューサ筐体先端は、好ましくは係留部材の第2の端部に接続されている。イントロデューサ筐体先端は、イントロデューサツールと共に使用されるように設計されており、イントロデューサツールの遠位端を受け入れるように設計されている。イントロデューサ筐体先端内へのイントロデューサツールの遠位端の挿入は、外科医が吊り下げ部材を乳房内に送達するための手段を提供する。インプラント部位への吊り下げ部材の送達後、ツールは、イントロデューサ筐体先端から切り離され、所望の場所に移植された吊り下げ部材を残して、乳房から除去される。実施形態において、イントロデューサ筐体先端は、鈍的駆動先端を有しており、乳房組織の鈍的剥離をするように設計されている。本実施形態におけるイントロデューサ筐体先端内へのイントロデューサツールの遠位端の挿入は、外科医が、乳房組織を穿通するのに十分な穿通力で、イントロデューサツールを備えるイントロデューサ筐体先端を乳房組織に押し通すことによって、吊り下げ部材の挿入のために乳房内に画定されたチャネルを作ることを可能にする。乳房内に画定されたチャネルが形成された後、イントロデューサツールは、画定されたチャネル内に移植された吊り下げ部材を、取り付けられたイントロデューサ筐体先端と共に残して、乳房から引き抜かれ得る。
[00195] イントロデューサ筐体先端は、イントロデューサ筐体先端内にイントロデューサツールの遠位先端を挿入すること、及びその後、吊り下げ部材が乳房内の所望の場所に送達されると、イントロデューサ筐体先端から遠位先端を除去することを可能にするように設計されている。
[00196] 実施形態において、イントロデューサ筐体先端は、穿刺切開を通した先端の通過を可能にするようにサイズ決めされる。実施形態において、イントロデューサ筐体先端は、吊り下げ部材の挿入のために鈍的剥離によって乳房内に作り出されるチャネルを通過できるようにサイズ決めされる。
[00197] 好適な一実施形態において、イントロデューサ筐体先端は、吊り下げ部材のために乳房内に画定されたチャネルを作り出すために乳房組織の鈍的剥離を可能にするように設計されている。好ましくは、イントロデューサ筐体先端は、図5に示されるような円錐形状48を有する。好ましくは、イントロデューサ筐体先端は、乳房組織の鈍的剥離のための鈍的駆動先端62を有する。
[00198] イントロデューサ筐体先端は、インプラント部位への吊り下げ部材の送達のためにイントロデューサツールの遠位先端を収容するようにサイズ決めされる。
[00199] 好適な一実施形態において、吊り下げ部材は、第1の端部及び第2の端部を備える梯子状の係留部材を有し、その第1の端部では支持線の第2の端部に接続されており、その第2の端部ではイントロデューサ筐体先端に接続されている。
[00200] 係留部材の第2の端部に接続されたイントロデューサ筐体先端の一例が図5に示されている。この例では、イントロデューサ筐体先端48は、その第2の端部46で係留部材44に接続されている。係留部材は梯子状構造及び3つのリテーナ47を備えており、係留部材はその第1の端部45で支持線41の第2の端部43に接続されている。図5の詳細Bは吊り下げ部材40の領域Bの拡大であり、イントロデューサ筐体先端61内にイントロデューサツールの遠位端を挿入する場所60と、吊り下げ部材を患者の乳房内に導くために用いられる円錐形状の先端62とを示す。イントロデューサ筐体先端61は、好ましくは、図5の詳細Bに示されるように、乳房組織の鈍的剥離のための鈍端62を備えるテーパ形状を有する。
[00201] 実施形態において、イントロデューサ筐体先端61は、イントロデューサツールを挿入するために、場所60に内部ボアを有する。内部ボアはイントロデューサツールの遠位先端を収容するようにサイズ決めされている。好ましくは、内部ボアの直径は1~4mm、より好ましくは2mmであり、内部ボアの長さは好ましくは0.5~2cm、より好ましくは1cmである。実施形態において、イントロデューサ筐体先端は、2~10mm、より好ましくは3~8mm、更に好ましくは4~6mmの最大外径を有する。実施形態において、イントロデューサ筐体先端の長さは10~30mm、より好ましくは15mmである。実施形態において、イントロデューサ筐体先端は円錐形状61を有しており、テーパ形状が鈍的な丸みを帯びた先端62で終端する。
[00202] 図8は、直針101を有するイントロデューサツール100がどのようにイントロデューサ筐体先端102内に挿入されるかを示す図である。イントロデューサ筐体先端102は、吊り下げ部材104の係留部材103に接続されている。図8の詳細Dは領域Dの拡大であり、イントロデューサ筐体先端102に挿入されたイントロデューサツール先端の遠位端(105)と、係留部材103の梯子状構造107へのイントロデューサ筐体先端102の接続106とを示している。
[00203] 実施形態において、イントロデューサ筐体先端は3Dプリントされるか、又は成形される。好ましくは、イントロデューサ筐体先端は射出成形される。
[00204] 実施形態において、イントロデューサ筐体先端は、先端と係留部材とをまとめて融着することによって係留部材の第2の端部に接続される。実施形態において、イントロデューサ筐体先端は、超音波溶接によって係留部材の第2の端部に接続される。図5は、梯子状の係留部材に超音波溶接されたイントロデューサ筐体先端を示している。
[00205] 実施形態において、イントロデューサ筐体先端は吸収性である。好ましくは、イントロデューサ筐体先端は移植後に再吸収される。実施形態において、イントロデューサ筐体先端は吸収性重合体から形成される。実施形態において、イントロデューサ筐体先端は、セクションAで列挙された重合体を含む。好ましくは、イントロデューサ筐体先端は、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体、ポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体、又はポリジオキサノンのうち1つ以上を含む。実施形態において、支持線、係留部材、リテーナ、及びイントロデューサ筐体先端は同一の吸収性重合体を含み、より好ましくはポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体、ポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体、又はポリジオキサノンを含む。
[00206] ストラット
[00207] 実施形態において、乳房を吊り上げるために、吊り下げ部材と併せてストラットが使用される。1は、患者の乳房における2つの吊り下げ部材3及び4の移植位置と、接続点6における、移植されたストラット5へのそれらの接続点とを示す。ストラット5は、患者のNACよりも上位に移植される。乳房を吊り上げるための吊り下げ部材3及び4への張力付与後、吊り下げ部材の支持線は、張力及び乳房の吊り上げられた位置を維持するために、ストラット5に接続される。
[00208] 実施形態において、ストラットは、中心要素と共に2つのアームを有する。図9は、適当なストラット110の図である。ストラット110は、第1の端部112及び第2の端部113を有する第1のアーム111と、第1の端部115及び第2の端部116を有する第2のアーム114と、第1の端部118及び第2の端部119を備える要素117とを有しており、第1のアームの第2の端部は要素の第1の端部に接続され、第2のアームの第2の端部は要素の第2の端部に接続されている。好ましくは、要素117は板又は織物である。実施形態において、板はフィルムであり得る。図9に示される詳細Fは要素117の領域Fの拡大であり、要素117内への組織内殖を促すための要素の穿孔120を示している。例えば、フィルムに穿孔が行われて要素117を形成してもよい。図9の詳細Fは、要素117に組み込まれ得る尖叉121も示している。例えば、フィルム又は射出成形された板の表面上に尖叉が形成されて要素117を形成してもよい。尖叉は、患者の組織内にストラットを係留して移植後のストラットの移動を防止するのに役立つ。実施形態において、要素117は穿孔及び尖叉を備える。実施形態において、ストラット110は更に1本以上の針を備える。実施形態において、ストラット110は2本の針を備え、アーム111及び114の各々に1本の針が取り付けられる。図9は、第1のアーム111の第1の端部112に接続された第1の針122と、第2のアーム114の第1の端部115に接続された第2の針123とを示す。第1及び第2の針122及び123は、好ましくは鈍端を有する。
[00209] 実施形態において、ストラットのアーム111及び114は繊維、モノフィラメント繊維又はマルチフィラメント繊維のいずれかを備えるが、より好ましくはモノフィラメント繊維を備える。更に好ましくは、アームは、吸収性モノフィラメント繊維又は配向された吸収性モノフィラメント繊維を備える。実施形態において、繊維の平均直径は0.02mm~0.5mm、より好ましくは0.06mm~0.3mm、更に好ましくは0.1mm~0.2mmである。実施形態において、アームは、セクションAで列挙された重合体を含む。好ましくは、アームは、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体、ポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体、又はポリジオキサノンのうち1つ以上を含む。
[00210] 実施形態において、要素117は板、射出成形された板、又はフィルムであり、より好ましくは穿孔された板又はフィルムである。実施形態において、要素の孔は、少なくとも50μm、より好ましくは少なくとも75μmの直径を有する。実施形態において、要素の孔は、75μmと3mmとの間、より好ましくは250μmと1mmとの間の平均直径を有する。実施形態において、要素は、その表面から突出する尖叉を有する。実施形態において、尖叉は要素の表面から0.1~3mm、より好ましくは0.5~2mm突出する。実施形態において、要素は、インプラント部位への送達のために巻き上げられて小さな管にされ、インプラント部位に送達されると広げられ得る。
[00211] 実施形態において、要素117は織物、好ましくは編まれた織物、編組織物、又は織られた織物である。実施形態において、織物は多孔性であり、少なくとも50μm、より好ましくは少なくとも75μm、更に好ましくは75μmと3mmとの間、又は250μmと1mmとの間の平均孔サイズを有する。実施形態において、織物は、インプラント部位への送達のために巻き上げられて小さな管にされ、インプラント部位に送達されると広げられ得るように設計される。
[00212] 実施形態において、要素117は、セクションAで列挙された重合体を含む。好ましくは、要素117は、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体、ポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体、又はポリジオキサノンのうち1つ以上を含む。実施形態において、支持線、係留部材、リテーナ、イントロデューサ筐体先端、及びストラットは同一の吸収性重合体を含み、より好ましくはポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体、ポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体、又はポリジオキサノンを含む。
[00213] 実施形態において、アーム111及び114は、融着、溶接、又は束縛によって要素117に接続される。実施形態において、アーム111及び114と要素117とは、一体構造として編まれるか、織られるか、編組されるか、成形されるか、又は3Dプリントされる。
[00214] 実施形態において、プレートの形態の要素117を射出成形し、そのプレートにアームを束縛することで、プレートをその第1及び第2の端部においてアーム111及び114に接続することによって、ストラットが形成される。実施形態において、アームは、結ぶことによって要素117に手動で束縛される。実施形態において、アームは長さ10~25cmであり、より好ましくは長さ20cmである。実施形態において、アームは、0.1mmの平均最小直径及び0.3mmの平均最大直径を有する。実施形態において、アーム111及び114はモノフィラメント繊維から形成される。実施形態において、モノフィラメント繊維は、0.1mmの平均最小直径及び0.3mmの平均最大直径と、10~25cmの長さとを有する。実施形態において、要素117、例えば射出成形された板は、2cm×5cm×0.5mm(幅×長さ×厚さ)の寸法で形成される。実施形態において、射出成形された板は更に、(a)板の表面から0.5mm延在する高さ及び0.4mmの基部直径を備える円錐形状の尖叉121(図9、詳細Fを参照)と、(b)0.8mmの直径を備える孔120(図9、詳細Fを参照)とを含む。実施形態において、尖叉の密度は1cm2あたり5つの尖叉であり、孔の密度は1cm2あたり16個の孔である。実施形態において、ストラットは、アーム111又は114に1本の針を取り付けられて、又はより好ましくはアーム111及び114の各々に1本の針を取り付けられて形成される。好ましくは、針は鈍端を有する。実施形態において、一方のアームが針に加締められるか、又は両方のアームが針に加締められる。図9は、針122及び123にそれぞれ加締められた各アーム111及び114の第1の端部112及び115を示している。実施形態において、針は直線状である。実施形態において、針サイズは10ゲージである。実施形態において、射出成形された要素117とモノフィラメント繊維で作製されたアーム111及び114とは、セクションAで列挙された重合体を含む。好ましくは、射出成形された要素117及びモノフィラメント繊維は、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体、ポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体、又はポリジオキサノンのうち1つ以上を含む。
[00215] 実施形態において、ストラットは編むこと又は織ることによって形成される。実施形態において、ストラットは、組織を把持する織物の形態の要素117を備える。一実施形態において、織物は経編メッシュであり、好ましくはモノフィラメント繊維から編まれる。モノフィラメント繊維は、好ましくは0.05mm~0.2mmの平均最小直径、より好ましくは0.07mm~0.15mmの平均最小直径を有する。実施形態において、要素117はセルフグリップメッシュ(self-gripping mesh)である。セルフグリップメッシュは、例えば、モノフィラメント繊維を用いて20ゲージ二重針床経編機上でスペーサメッシュを編むこと、及びホットナイフを用いてスペーサメッシュの前側メッシュと後側メッシュとを接続するモノフィラメントを切断することによって形成され得る。モノフィラメントを切断すると、露出したモノフィラメント端を有するメッシュが生成される。これらの構成物は、要素117の所望の寸法(幅及び長さ)に更に切断することができ、メッシュの一方の面に露出したモノフィラメント端(すなわち、一方の面でメッシュから突出するモノフィラメント尖叉)の密度を有する。モノフィラメント端の密度は、好ましくは10~50毎平方cmである。好ましくは、モノフィラメント端は、メッシュの本体から0.5~5mm、より好ましくは1~3mm遠ざかるように突出する。一実施形態において、セルフグリップメッシュで形成された要素117は、その第1及び第2の端部においてモノフィラメント繊維に、繊維をセルフグリップメッシュに束縛することによって接続されて、アーム111及び114を形成し得る。実施形態において、モノフィラメント繊維から形成されるアーム111及び114は、0.2mmの平均最小直径及び0.25mmの平均最大直径を有する。実施形態において、アーム111及び114と要素117とは、一体構造として編まれ得る。実施形態において、織物要素117とモノフィラメント繊維アーム111及び114とは、セクションAで列挙された重合体のうち1つ以上を含む。好ましくは、織物要素117及びモノフィラメント繊維アームは、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体、ポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体、又はポリジオキサノンのうち1つ以上を含む。
[00216] テンショナ
[00217] 実施形態において、吊り下げ部材は更にテンショナを備える。テンショナの例は、プーリシステム、又はスプールテンショナを含む。実施形態において、例えば乳房を吊り上げるために支持線又は係留部材により多くの張力を印加するように、テンショナは移植の際に調節されてもよく、又はテンショナは移植後に調節されてもよい。実施形態において、テンショナは、小切開を通して挿入される小さなツールを使用して調節され得る。
[00218] 実施形態において、テンショナは、好ましくは吊り下げ部材の支持線に組み込まれるが、より好ましくは支持線の第1又は第2の端部に組み込まれる。
[00219] 実施形態において、テンショナは吸収性重合体を含む。実施形態において、テンショナは、セクションAで列挙された重合体のうち1つ以上を含む。好ましくは、テンショナは、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体、ポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体、又はポリジオキサノンのうち1つ以上を含む。
[00220] シース
[00221] 実施形態において、吊り下げ部材は、インプラント部位への吊り下げ部材の送達のために、除去可能なシースの内側に部分的に又は全体的に挿入される。実施形態において、吊り下げ部材の係留部材は除去可能なシースの内側に挿入される。インプラント部位への吊り下げ部材の送達を容易にするために、吊り下げ部材の全部又は一部がシースの内側に挿入されてもよい。特に、除去可能なシースは、移植中、とりわけ吊り下げ部材が乳房内の所望の位置に配置される前に、係留部材又は固定要素が乳房組織に時期尚早に係合することを防止するために用いられ得る。実施形態において、吊り下げ部材が除去可能なシースの内側に部分的に又は完全に挿入され、吊り下げ部材を備えるシースが乳房内に移植され、吊り下げ部材を乳房内に展開するために除去可能なシースが除去される。
[00222] 実施形態において、除去可能なシースは重合体を含む。実施形態において、シースは、ナイロン、高密度ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、及び低密度ポリエチレンから形成される。
[00223] イントロデューサツール
[00224] 実施形態において、吊り下げ部材は、イントロデューサ筐体先端を備えると共に、イントロデューサ筐体先端に挿入され得るイントロデューサツールを用いて移植されるように設計される。例えば、イントロデューサ筐体先端61の場所60においてである(図5、詳細Bを参照)。実施形態において、イントロデューサツール100は、ハンドルと、ハンドルから出ている針部101と、場所60においてイントロデューサ筐体先端に挿入されるように設計された遠位先端105(ハンドルとは反対端の針の端部に位置する)とを備える。実施形態において、ハンドルは、医療グレードのポリプロピレンから作製される。実施形態において、ハンドルは、長さが10~15cm、より好ましくは12cmであり、2~3cm、より好ましくは2.5cmの直径を有する。実施形態において、イントロデューサツールは、左利き及び右利きの両方の使用を可能にするようにユニバーサルハンドル設計を有する。実施形態において、イントロデューサツールの針は、316Lステンレス鋼から作製される。実施形態において、針は、20~30cm、より好ましくは25cmの長さを有する。実施形態において、針は、ハンドルのそばでは3mmの直径を有しており、それがイントロデューサツールの遠位端(ハンドルとは反対端、例えば場所105)においては2mmの直径まで減少し、より好ましくはツールの遠位端から1cmの距離では2mmの直径まで減少する。針の端部における減少した直径は、場所60でのイントロデューサ筐体先端への針先端部の挿入、及びインプラント部位への吊り下げ部材の送達を可能にするように設計されている。
[00225] 実施形態において、イントロデューサツールは直針を備える。実施形態において、イントロデューサツールは湾曲針を備える。
[00226] 乳房固定術システム
[00227] 実施形態において、乳房固定術のためのシステムが提供される。システムは、インプラントと、インプラントの移植のための1つ以上のツールとを備え得る。好適な一実施形態において、システムは、2つの吊り下げ部材と、ストラットと、イントロデューサツールとを備える。吊り下げ部材、ストラット、及びイントロデューサツールは、本明細書に記載されるように調製され得る。システムは更に、穿刺切開ツール、及び鈍的剥離ツールのうち1つ以上を備えていてもよい。実施形態において、システムは、例えば図2に示されるように、2つの吊り下げ部材と、ストラットと、2つのイントロデューサツールとを備え得る。
[00228] 実施形態において、患者の乳房を目標位置に固定するための乳房固定術システムが提供され、乳房固定術システムは、第1の端部及び第2の端部を有する第1の支持線と、第1の端部及び第2の端部を有する第1の係留部材とを備える第1の吊り下げ部材であって、第1の支持線は、その第2の端部において、第1の係留部材の第1の端部に接続されている、第1の吊り下げ部材と、第1の端部及び第2の端部を有する第2の支持線と、第1の端部及び第2の端部を有する第2の係留部材とを備える第2の吊り下げ部材であって、第2の支持線は、その第2の端部において、第2の係留部材の第1の端部に接続されている、第2の吊り下げ部材と、を備えており、吊り下げ部材の支持線が係留部材よりも上位に位置し、支持線の第1の端部が乳頭乳輪複合体(NAC)の上方に位置するように、一方の吊り下げ部材は乳房内に移植されたときに乳房の外側に位置し、第2の吊り下げ部材は乳房内に移植されたときに乳房の内側に位置する。乳房固定術システムは更に、穿刺切開ツール、鈍的剥離ツール、及びイントロデューサツールのうち1つ以上を備えていてもよい。乳房固定術システムは、好ましくは更に、各吊り下げ部材の係留部材の第2の端部に位置する、イントロデューサツールに接続するように設計された、イントロデューサ筐体先端を備える。イントロデューサツールはこれらのイントロデューサ筐体先端内に挿入され得、イントロデューサツールとイントロデューサ筐体先端とのアセンブリが、鈍的剥離によって吊り下げ部材のために乳房組織を通る画定されたチャネルを作り出すべく使用され得る。乳房内に画定されたチャネルを形成した後、イントロデューサツールは、依然としてイントロデューサ筐体先端に接続されている、乳房内に移植された吊り下げ部材を残して、乳房から除去される。代替的には、イントロデューサツールは、イントロデューサ筐体先端内に挿入され得ると共に、鈍的剥離ツールによって既に乳房内に作り出されたチャネル内に吊り下げ部材を挿入するために用いられ得る。乳房内のインプラント部位への吊り下げ部材の送達を容易にするために、乳房固定術システムは更に、除去可能なシースによって部分的に又は完全に被覆された吊り下げ部材を備えていてもよい。シースは、吊り下げ部材が乳房内の所望の場所に移植された後に、除去される。シースは、係留部材が時期尚早に組織に係合するのを防止する。乳房固定術システムは更に、乳房のNACよりも上位の位置に移植され得るストラットを備えていてもよい。ストラットは、好ましくは、第1の端部及び第2の端部を有する第1のアームと、第1の端部及び第2の端部を有する第2のアームと、第1の端部及び第2の端部を有する要素とを備えており、第1のアームの第2の端部は要素の第1の端部に接続され、第2のアームの第2の端部は要素の第2の端部に接続される。ストラットのアームは、好ましくは、モノフィラメント繊維、マルチフィラメント繊維、又は編組繊維から形成される。要素は、好ましくは、フィルムなどの板、又は織物である。要素は、好ましくは多孔性であり、好ましくは一方の面にセルフグリップ機能を有する。孔及びセルフグリップ機能は、要素内への組織内殖を可能にするように、及びストラットを適所に固定するように設計される。セルフグリップ機能は、例えば、尖叉、又は短いモノフィラメント繊維であってもよい。好ましくは、そのように構成されたストラットは、NACよりも上位の位置で乳房内に移植されてもよく、乳房は、ストラットの第1のアームを第1の吊り下げ部材の支持線の第1の端部に接続すること及びストラットの第2のアームを第2の吊り下げ部材の支持線の第2の端部に接続することによって吊り上げられてもよい。実施形態において、乳房固定術システムのストラットは、好ましくは、鈍的剥離によって形成される、NACよりも上位のチャネルに挿入される。好ましくは、チャネルと移植されたストラットの位置とは、乳房のNACよりも上位の内側-外側平面に沿っている。所望であれば、ストラットは、移植を容易にするために除去可能なシース内に封入されてもよく、シースは、ストラットが乳房内の所望の位置に配置されると、除去されてもよい。乳房内への吊り下げ部材及びストラットの移植とシースの除去との後で、乳房を吊り上げるために吊り下げ部材の支持線に張力が印加されてもよく、乳房を吊り上げられた位置に維持するために支持線がストラットのアームに接続されてもよい。
[00229] リテーナを搭載され、第1の端部では0.2mmの平均最小直径及び0.25mmの平均最大直径を有するモノフィラメント繊維で作製された支持線に接続され、第2の端部ではイントロデューサ筐体先端に融着によって接続された、梯子状の編まれた係留部材からなる乳房固定術のための例示的なシステムは、以下のように調製され得る。係留部材の梯子状構造は、モノフィラメント繊維を使用して、8mmの幅及び14cmの長さで調製される。梯子状の係留部材は、梯子の縦桟を作り出すための、両面鎖編並びに0.07mmの最小平均直径及び0.1mmの平均最大直径を有するモノフィラメント繊維と、水平部材(すなわち梯子のステップ)を作り出すための、0.1mmの最小平均直径及び0.15mmの平均最大直径を有するモノフィラメント繊維で作製された緯入れインレイ編と、の組み合わせを用いて、経編みされる。射出成形によって調製された3つのリテーナは、縦横に走るパターン(図5の詳細Aを参照)を用いて、編まれた梯子状の係留部材の水平部材内に手動で挿入され、係留部材の梯子状構造上で互いに3cm離間する。リテーナは、4mm×25mm×2mm(幅×長さ×厚さ)の寸法で成形される。リテーナは、(図5の詳細Aに示されるように)梯子状の係留部材にリテーナを固定するために、基部(図6の81を参照)と、リテーナの両面に4mm間隔で設定された直径1mmの5つの円形溝(図6の83を参照)とを有する形をとる。各リテーナは、30度の角度をつけられた先端を備えて形成される(図6の特徴82を参照)。モノフィラメント繊維から作製された支持線は、20cmの長さで形成され、梯子状の係留部材の第1の端部に束縛によって接続される。梯子状の係留部材の第2の端部は、射出成形されたイントロデューサ筐体先端に超音波溶接される。イントロデューサ筐体先端(図5の詳細Bの61を参照)は、基部における5mmの最大外径と、15mmの長さと、場所60における2.1mmの直径及び12.5mmの長さを有する内部ボアと、鈍的な丸みを帯びた先端62で終端する20度の角度を有するテーパ部とを備える円錐形状で形成される。例示的な乳房固定術システムは更に、ストラットを備える。ストラットは、(図9の詳細Fに示すように)円錐形の尖叉及び穿孔を有する板を射出成形すると共にその板117の両端部にモノフィラメント繊維を束縛してアーム111及び114を形成することによって、又はストラットの要素117をモノフィラメント繊維から編成すると共にモノフィラメント繊維アームを要素117の両端部に取り付けることによって、形成される。リテーナを搭載された係留部材と、モノフィラメント支持線と、イントロデューサ筐体先端と、ストラット要素と、アームとは、セクションAで列挙された重合体のうち1つ以上から形成され得る。より好ましくは、これらの構成要素は、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸もしくはその共重合体、ポリ(ブチレンサクシネート)もしくはその共重合体、又はポリジオキサノンから形成される。
[00230] 実施形態において、乳房固定術のためのシステムは、最小侵襲的に送達されるように設計される。インプラントは、小切開を通して送達されることを可能にする設計及び特性を有する。実施形態において、インプラントは、小切開を通した送達を可能にするように、巻かれ得るか又は折り畳まれ得るように設計される。この最小侵襲的アプローチは、患者の罹患、瘢痕形成、及び感染症の可能性を低減させることができる。実施形態において、インプラントは、インプラント部位に送達された後に自力で元の形状をとることを可能にする形状記憶特性を有する。例えば、インプラントは、インプラント部位への送達のために巻き上げて小径の円筒形状にすることによって一時的に変形されてもよく、その後、インビボでその元の形状を自力で回復させることができてもよい。
[00231] 乳房固定術インプラントを移植する方法
[00232] 本明細書に記載されるインプラント及びシステムは、乳房手術における使用、より具体的には乳房固定術処置に最も適している。
[00233] 図10から図13は、乳房固定術インプラントを用いて乳房吊り上げを実施する方法を示す。図10は、患者の乳房の輪郭130と、乳房のNAC131と、患者の乳房の第1の側に挿入される第1の吊り下げ部材133(図5にインプラント44としてより詳細に示されている)を装填されたイントロデューサツール132とを示す。この方法は、好ましくは、図10に示される場所134で穿刺切開を行うことを伴う。イントロデューサツール132の遠位端は、第1の吊り下げ部材のイントロデューサ筐体先端(図8により詳細に示されている)に挿入される。イントロデューサ筐体先端は、乳房組織の鈍的剥離をするように設計された鈍的駆動先端を有する。イントロデューサ筐体先端は、穿刺切開に挿入され、イントロデューサツールを使用して前進されて、図10に示される矢印の方向でイントロデューサツールに力を印加することにより、第1の吊り下げ部材のために乳房の側部に鈍的剥離によって画定されたチャネルを形成する。実施形態において、この第1のチャネルは、比較的小さい直径を有し、直線状又は線形形状である。チャネルの方向は、後方から下方、又はその逆であり、NAC151から外側に離間している。ある意味で、これは、乳房の下極全体に及ぶスリング型インプラントに必要とされる大きな2D平面型剥離と比較すると、一次元のチャネルである。
[00234] 第1の吊り下げ部材が所望の場所まで前進されると、イントロデューサツール132は、乳房内に移植された第1の吊り下げ部材を残して、乳房から除去される。図11は、移植された第1の吊り下げ部材142と、第1の吊り下げ部材を挿入するために使用されたのと同じ処置を用いた、乳房の反対側への、穿刺切開場所146を通した第2の吊り下げ部材144の移植とを示す。第2の吊り下げ部材のために、第2の線形チャネルが作り出される。第2のチャネルは、乳頭から離間して示されている。第1及び第2のチャネルは、接続又は重畳せず、実施形態において互いに実質的に平行である。各チャネルは、別々の線形の狭いチャネルとして示され、NAC151から外側又は内側に離間している。
[00235] 第2の吊り下げ部材144がイントロデューサツール143を用いて所望の場所まで前進されると、イントロデューサツール143は、乳房内に移植された第1及び第2の吊り下げ部材を残して、乳房から除去される。図10及び11に示される方法は更に、部分的に又は完全にシース内に封入された吊り下げ部材を挿入することと、吊り下げ部材の移植後にシースを除去することとを含んでいてもよい。
[0236] 乳房の一方の側から他方の側まで下極に広がる、上述した従来技術のスリング型デバイスのうちのいくつかとは対照的に、吊り下げ部材の各々の第2の端部は、組織内でNAC151のそばに展開され、展開後は自由であるか又は追加の部材に接続されない。
[00237] 図10及び11に示されるものに代わる方法では、イントロデューサツール132及び143は、直針の代わりに湾曲針を有していてもよく、NAC131又は141から外側又は内側に離間して乳房内に湾曲したチャネルを作り出すために使用され得る。この代替的な方法では、吊り下げ部材は湾曲したチャネル内に移植される。
[00238] 図12は、患者の乳房内へのストラット155(図9に110としてより詳細に示されている)の挿入の方法を示す図である。ストラット155は、乳房の穿刺切開のうちの1つ(例えば157)を通して挿入され得る。一実施形態において、ストラットは、鈍的剥離によって乳房の穿刺切開場所156と穿刺切開場所157との間の既に作り出されている画定されたチャネル内に挿入される。代替的には、ストラットのための画定されたチャネルは、ストラットが移植されるのと同時に、鈍的剥離によって形成されてもよい。実施形態において、鈍的剥離によってストラットを挿入するために、図9に示されるような、ストラットのアームに取り付けられた鈍端を有する針が使用され得る。実施形態において、ストラットのアームに取り付けられた針をNACの上方の乳房組織を通して駆動することによってストラット用のチャネルを作り出すために、イントロデューサツールが使用されてもよい。図13は、乳房のNAC161よりも上位に位置する移植されたストラット165と、ストラットを移植するために使用されたイントロデューサツール164とを示す図である。ストラットは、好ましくは、図13に示すように内側から外側に向かう平面に挿入される。ストラット165の移植後、イントロデューサ164は、図1に示すように乳房内に移植された吊り下げ部材及びストラットを残して、引き抜かれる。乳房は、支持線に下位から上位の方向に張力を印加すること、及び支持線をストラット165のアームに接続することによって、吊り上げられる。(図1は、接続点6におけるストラットのアームへの支持線の接続をより詳細に示している。)支持線をストラットアームに接続するためには任意の適当な方法が用いられ得る。実施形態において、支持線はストラットアームに束縛され、ステープル留めされ、又は融着される。実施形態において、余分な支持線及びストラットのアームは、支持線がストラットのアームに接続された後、切り取られてもよい。ストラットのアームに取り付けられた針は、ストラットの移植の後で除去される。実施形態において、支持線に張力が印加され、支持線は、患者が直立姿勢である間にストラットアームに接続される。図10から図13に示される方法は、乳房の各側における1つの吊り下げ部材の移植を示しているが、所望であれば、所望の吊り上げを提供するために、追加の吊り下げ部材が乳房に挿入されてもよい。
[00239] 一実施形態において、患者の乳房を吊り上げる方法は、(i)第1の端部及び第2の端部を有する第1の支持線と、第1の端部及び第2の端部を有する第1の係留部材と、を備える第1の吊り下げ部材を導入するステップであって、第1の支持線は、乳房の外側で、その第2の端部において、第1の係留部材の第1の端部に接続されているステップと、(ii)第1の端部及び第2の端部を有する第2の支持線と、第1の端部及び第2の端部を有する第2の係留部材とを備える第2の吊り下げ部材を導入するステップであって、第2の支持線は、乳房の内側で、その第2の端部において、第2の係留部材の第1の端部に接続されているステップと、(iii)乳房のNACよりも上位の位置で第1の支持線の第1の端部を第2の支持線の第1の端部に接続する、乳房のNACよりも上位の1つ以上の位置で第1の支持線の第1の端部及び第2の支持線の第1の端部を姿勢組織に固定する、又は乳房のNACよりも上位にストラットを導入して第1及び第2の支持線の第1の端部をストラットに接続するステップと、を備える。実施形態において、係留部材は、組織に係合し吊り上げるためのリテーナを備えて構成される。実施形態において、支持線は、組織に係合するための固定要素を備えて構成される。実施形態において、姿勢組織は、筋肉、胸筋、肋間組織、筋膜、骨、肋骨、鎖骨、靭帯、腱、及び皮膚のうち1つ以上から選択される。実施形態において、方法は、吊り下げ部材を乳房内に上位から下位の方向に挿入することを伴う。実施形態において、方法は、吊り下げ部材を乳房内に下位から上位の方向に挿入することを伴う。実施形態において、係留部材は更に、係留部材の第2の端部にイントロデューサ筐体先端を備える。実施形態において、方法は、係留部材に接続されたイントロデューサ筐体先端にイントロデューサツールを挿入すること、及びイントロデューサツールを用いて吊り下げ部材を乳房内に移植することを備える。実施形態において、イントロデューサ筐体先端は、鈍的駆動先端を有し、吊り下げ部材の移植のために乳房内に画定されたチャネルを形成するために使用される。実施形態において、イントロデューサツールを用いて、乳房組織を穿通するのに十分な穿通力で、鈍的駆動先端を備えるイントロデューサ筐体先端を乳房組織に押し通すことによって、乳房内に画定されたチャネルが形成される。各チャネルが形成された後、イントロデューサツールは、イントロデューサ筐体先端に接続されている、乳房内に移植された吊り下げ部材を残して、乳房から除去される。実施形態において、イントロデューサ筐体先端は、乳房内の画定されたチャネルの形成を容易にするために鈍的駆動先端を備えた円錐形状を有している。実施形態において、ストラットは、第1の端部及び第2の端部を有する第1のアームと、第1の端部及び第2の端部を有する第2のアームと、第1の端部及び第2の端部を有する織物又は板と、を備え、第1のアームの第2の端部は織物又は板の第1の端部に接続されており、第2のアームの第2の端部は織物又は板の第2の端部に接続されており、乳房を吊り上げる方法は、ストラット及び吊り下げ部材の乳房内への移植の後、第1の支持線の第1の端部をストラットの第1のアームに接続すること及び第2の支持線の第1の端部をストラットの第2のアームに接続することを備える。実施形態において、方法は更に、(a)乳房に1つ以上の穿刺切開を行うステップ、(b)吊り下げ部材に接続されたイントロデューサ筐体先端、又は鈍的剥離ツールを、穿刺切開に挿入するステップ、(c)吊り下げ部材の挿入のために鈍的剥離によって乳房の内側及び外側に直線チャネル又は湾曲チャネルを作り出すステップ、(d)吊り下げ部材をイントロデューサツールと共に挿入し、吊り下げ部材を乳房内に移植するステップ、(e)吊り下げ部材が部分的に又は完全にシースによって被覆されているところ、吊り下げ部材を乳房に挿入し、吊り下げ部材の乳房への挿入後に乳房からシースを除去するステップ、(f)任意選択的には患者を直立姿勢で座らせた後に、吊り下げ部材のうち1つ以上に下位から上位の方向に張力を印加して乳房を吊り上げるステップ、(g)支持線を互いに接続した後に支持線を切り取るステップ、(h)ストラットの挿入のために鈍的剥離によって乳房のNACよりも上位に直線チャネル又は湾曲チャネルを作り出すステップ、のうち1つ以上を備える。
[00240] 一実施形態において、乳房を吊り上げる方法は、穿刺切開ツールと、イントロデューサツールと、第1の端部及び第2の端部を有する支持線を備える吊り下げ部材と、第1の端部及び第2の端部を有する係留部材と、を提供することであって、支持線は、その第2の端部において、係留部材の第1の端部に接続されており、係留部材の第2の端部には鈍的剥離先端を有するイントロデューサ筐体先端が接続されていることと、乳房に穿刺切開を行うことと、イントロデューサツールをイントロデューサ筐体先端に接続し、イントロデューサ筐体先端を穿刺切開に挿入することと、イントロデューサツールを用いて、乳房組織を穿通するのに十分な穿通力でイントロデューサ筐体先端を乳房組織に押し通し、イントロデューサ筐体先端に接続された吊り下げ部材を、吊り下げ部材の支持線が係留部材よりも上位位置にある状態で、チャネル内に送達することによって、乳房の外側又は内側で、乳房内に画定されたチャネルを作ることと、支持線に力を印加して乳房を吊り上げることと、支持線を乳房のNACよりも上位の位置で固定することと、を備える。一実施形態において、方法は更に、鈍的剥離ツールを使用して乳房のNACの上方に内側から外側の方向にチャネルを形成することと、チャネルにストラットを挿入することと、吊り上げられた乳房を持ち上げられた位置に固定するために支持線をストラットに接続することと、を備える。
[00241] 方法及び組成物の修正及び変更は、前述の詳細な説明から明らかであり、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。