JP7784663B2 - 抗菌性複合体、抗菌性複合体溶液、抗菌性組成物、及びその製造方法 - Google Patents
抗菌性複合体、抗菌性複合体溶液、抗菌性組成物、及びその製造方法Info
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Description
また、本発明は、抗菌性組成物に含まれる金属の種類として、一定の抗菌作用を有する金属(例えば、銅、銀、金、白金、亜鉛、コバルト、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、及びこれらの組み合わせなど)を用いる、あるいは、金属酸化物(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム、酸化ジルコニウム、及びこれらの組み合わせなどの、光触媒反応による抗菌作用を有する化合物)を含有させることで、農業以外の医療、介護、畜水産、食品などの産業用途、並びに、一般用途に適用可能な抗菌性組成物を提供することも目的とする。
また、本発明は、上記抗菌性組成物の有効成分として使用するのに適した抗菌性複合体、及び抗菌性複合体溶液を提供することも目的とする。
前記金属または金属酸化物の含有量に対する前記補助剤の含有量の質量比[(補助剤)/(金属・金属酸化物)]は、0.3以上200以下であってもよい。
前記担体の含有量に対する前記金属または金属酸化物の含有量の質量比[(金属・金属酸化物)/(担体)]は、0.02以上0.5以下であってもよい。
また、前記金属は、銅、銀、金、白金、亜鉛、コバルト、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。
また、前記金属酸化物は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム、酸化ジルコニウム、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。
また、前記生体高分子は、セルロース、キトサン、キチン、シルク、ゼラチン、コラーゲン、アルギン酸、デンプン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。
また、前記担体は、ナノファイバーであってもよい。
また、前記補助剤は、マグネシウム塩、カルシウム塩、またはこれらの組み合わせ、あるいは、第4級アンモニウム塩であってもよい。
本発明の抗菌性複合体(以下、単に「複合体」とも称する。)は、生体高分子からなるナノ構造体である担体と、当該担体に担持されたナノ粒子である金属または金属酸化物と、多価の正電荷を有する補助剤とを含有する。
なお、本発明において、上記担体と、上記金属または金属酸化物と、上記補助剤とを含有するとは、上記担体と、上記金属または金属酸化物と、上記補助剤とを配合してなることをも意味する。
本明細書において、「担体」とは、後述する金属または金属酸化物を固定する土台となる物質を意味する。即ち、本発明において、担体は、金属または金属酸化物を担持する支持体(Supporting Body)である。
ナノ粒子である金属または金属酸化物は、上述した担体に担持されている。言い換えると、本発明の抗菌性複合体において、ナノ粒子である金属または金属酸化物は、担体を構成する生体高分子に固定されている。この固定様式は特に限定されないが、例えば、静電相互作用などの物理的相互作用もしくは化学的相互作用(共有結合、イオン結合、金属結合、配位結合などの化学結合の形成)による吸着が挙げられる。
本明細書において、「補助剤」とは、金属または金属酸化物が担体に担持された構造を形成しやすくする、及び/または、当該構造を維持しやすくする目的で、並びに/あるいは、複合体が有する抗菌性を維持もしくは高める目的で、複合体に含有される物質を意味する。言い換えると、補助剤は、一般に農薬などの薬剤の有効成分の効力を維持もしくは増強したり、施用(使用)を容易にしたりするための物質(アジュバント:Adjuvant)としての意味と、これらの目的で製造時もしくは製剤時に添加される物質(添加剤:Additive)としての意味の少なくとも一方または両方を有し得る。
カルシウム塩としては、塩化カルシウム、酸化カルシウム、クエン酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウムが挙げられる。
上記のマグネシウム塩及びカルシウム塩はいずれも、食品添加物として使用し得る物質であるので、安全性の観点で好ましい。
次に、上述した本発明の抗菌性複合体に含有される各構成成分の含有割合、具体的には、担体、金属または金属酸化物、及び補助剤の含有量の質量比について説明する。
上記質量比[(補助剤)/(担体)]が、0.02以上15以下であり、
上記質量比[(補助剤)/(金属・金属酸化物)]が、0.5以上200以下であり、
上記質量比[(金属・金属酸化物)/(担体)]が、0.04以上0.5以下である。
さらに、この実施形態に係る抗菌性複合体は、水溶性テトラゾリウム塩還元反応を基にした微生物代謝活性測定法によって測定される、金属または金属酸化物の含有量換算の、大腸菌及び/または黄色ブドウ球菌の最小生育阻止濃度(Minimal Inhibitory Concentration:MIC)の値が、参照試料よりも低い。
本発明の抗菌性複合体は、任意の溶媒と混合された状態で、抗菌性複合体溶液としても提供され得る。即ち、本発明の抗菌性複合体溶液は、上記抗菌性複合体と、任意の溶媒とを含有する。
なお、本発明において、上記抗菌性複合体と、上記任意の溶媒とを含有するとは、上記担体と、上記金属または金属酸化物と、上記補助剤と、上記任意の溶媒とを配合してなることをも意味する。
上記質量比[(補助剤)/(担体)]が、0.5以上5以下であり、
上記質量比[(補助剤)/(金属・金属酸化物)]が、5以上50以下であり、
上記質量比[(金属・金属酸化物)/(担体)]が、0.03以上0.25以下である。
ここで、上記担体は、セルロース、キトサン、キチン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される生体高分子のナノファイバーであってもよい。
また、上記金属または金属酸化物は、銅のナノ粒子であってもよい。
また、上記補助剤は、マグネシウム塩、カルシウム塩、またはこれらの組み合わせであってもよい。
上記質量比[(補助剤)/(担体)]が、0.1以上12.5以下であり、
上記質量比[(補助剤)/(金属・金属酸化物)]が、0.5以上85以下であり、
上記質量比[(金属・金属酸化物)/(担体)]が、0.03以上0.25以下である。
ここで、上記担体は、セルロース、キトサン、キチン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される生体高分子のナノファイバーであってもよい。
また、上記金属または金属酸化物は、銅のナノ粒子であってもよい。
また、上記補助剤は、第4級アンモニウム塩であってもよい。
上記質量比[(補助剤)/(担体)]が、0.3以上5以下であり、
上記質量比[(補助剤)/(金属・金属酸化物)]が、5以上200以下であり、
上記質量比[(金属・金属酸化物)/(担体)]が、0.02以上0.1以下である。
ここで、上記担体は、セルロース、キトサン、キチン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される生体高分子のナノファイバーであってもよい。
また、上記金属または金属酸化物は、銀のナノ粒子であってもよい。
また、上記補助剤は、第4級アンモニウム塩であってもよい。
実施形態L2は、金属または金属酸化物を、銅のナノ粒子とし、補助剤を、第4級アンモニウム塩とすることで、一般細菌などに対する抗菌性がより確実に得られることが重視される用途(例えば、医療、介護など)に好適に使用し得る。
実施形態L3は、金属または金属酸化物を、銀のナノ粒子とし、補助剤を、第4級アンモニウム塩とすることで、実施形態L2と同様に、一般細菌などに対する抗菌性がより確実に得られることが重視される用途(例えば、医療、介護など)に好適に使用し得る。
加えて、実施形態L1~実施形態L3のいずれも、担体を、セルロース、キトサン、キチン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される生体高分子のナノファイバーとすることで、対象物への付着性が良好であり、十分な残効性を有する複合体を含有する抗菌性複合体溶液となる。さらに、上記質量比[(金属・金属酸化物)/(担体)]が0.04以上であると、対象物への付着性と残効性により優れた抗菌性複合体溶液とすることができる。
次に、本発明の抗菌性複合体溶液の製造方法について説明する。
担体溶液の溶媒としては特に制限されない。上述した本発明の抗菌性複合体溶液の溶媒と同様に、溶液の用途、対象物などに応じて適宜選択すればよい。例えば、典型的な一実施形態では、担体溶液の溶媒は水である。また、別の実施形態では、担体溶液の溶媒は、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノールなど)、及びこれらの混合溶媒であってもよい。
金属ナノ粒子または金属酸化物ナノ粒子の分散液の溶媒としては、担体溶液との混和性が良好であるものが選択される。典型的な一実施形態では、金属ナノ粒子または金属酸化物ナノ粒子の分散液の溶媒は、担体溶液の溶媒と同じであり、例えば、水である。また、別の実施形態では、担体溶液の溶媒が複数種類の溶媒の混合溶媒である場合、金属ナノ粒子または金属酸化物ナノ粒子の分散液の溶媒は、当該混合溶媒と同じ組成を有する溶媒であってもよく、当該混合溶媒と実質的に同じ組成もしくは類似の組成を有しかつ混和性が良好な溶媒であってもよい。
なお、撹拌混合する際の撹拌速度、撹拌時間などの条件は、溶液の液量などを考慮して適宜設定すればよい。
上記混合液への補助剤の添加方法は、補助剤の形態(固体であるか、液体であるかなど)、添加量などを考慮して適宜選択すればよい。また、撹拌混合する際の撹拌速度、撹拌時間などの条件は、ステップS120と同様に、溶液の液量や添加した補助剤の量などを考慮して適宜設定すればよい。
次に、本発明の抗菌性組成物について説明する。
即ち、本態様に係る抗菌性組成物は、農業用途に特に適した、抗菌性を有する、銅含有組成物である。また、本態様に係る抗菌性組成物は、本発明の抗菌性複合体溶液を含有することが好ましく、当該溶液の溶媒は、水であることがより好ましい。
本態様に係る抗菌性組成物を液状製剤(例えば、水性懸濁製剤)に製剤化した場合、当該製剤(銅剤)は、そのまま使用可能なものであってもよいし、任意の溶媒(例えば、水)で適宜希釈して使用可能なものであってもよい。
・参照URL:
https://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_sasshin/group/top.html
https://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_sasshin/group/sakumotu_bunrui.html
もも類としては、もも、ネクタリンが含まれる。
小粒核果類としては、あんず(アプリコット)、うめ、すもも(プラム、プルーン)、及び、これらの作物間の交配種が含まれる。
日本国においては、モモせん孔細菌病の病原細菌は、前年の秋季に枝に感染してそのまま越冬し、翌年の春季に伝染源である春型枝病斑(スプリングキャンカー)を形成して周囲に飛散することが知られている。春型枝病斑の発生が多い場合には、モモせん孔細菌病の被害が大きくなる危険性が高くなるため、病斑のせん除や農薬散布が重要な防除対策となる。また、春型枝病斑は長期間にわたって発生するため、病斑のせん除や農薬散布を複数回実施する必要がある。具体的な防除方法としては、従来、開花始めにボルドー液を散布して春型枝病斑からの感染を防ぐ;次いで、落花期から収穫期まで10日~14日間隔で抗生物質剤を中心に予防散布する;この開花始めから収穫期直前までの間に病斑のせん除作業を複数回行う;さらに、収穫期後の9月中下旬~10月上旬に2~3回ボルドー液を散布して枝への秋季感染を防ぐ、などの手法が採用されている。また、圃場の周囲に防風ネットや防風垣を設置することや、果実袋を早期にかけることで果実被害を軽減するといった対策も行われている。
一方、上述したように、従来のボルドー液は、抗菌・殺菌性能には優れるが、硫酸銅を含有することに起因する銅害(薬害)の問題がある。また、薬害の問題が発生しにくい農薬として有機銅剤があるが、有機農業には使用できず、環境への負荷をできる限り低減した農業生産方法を志向する観点では望ましくない。
ナノ粒子製造方法は、大きな塊を粉砕するトップダウン(粉砕)法と分子レベルの小さな原料から成長させていくビルドアップ(凝集)法に大別される。後者には乾式(気相)法と湿式(液相)法があり、代表的な乾式法としては、加熱蒸発法、レーザービーム法、スパッタリング法、CVD(気相反応)法などがある。代表的な湿式法としては、熱分解法、化学還元法、プラズマ法などがある。
参考文献:兵野篤、米澤徹著、ナノテクノロジー講座(第VII講)「金属ナノ粒子の基礎と最近の話題」色材協会誌82巻10号468-474(2009)。
目的とする複合体作製にはいずれの方法で製造したナノ粒子でも適用可能である。本実施例における金属ナノ粒子作製は、湿式法を用いた。
金属ナノ粒子分散液作製法の例を以下に示す。
国際公開番号:WO2003/032932号公報
“水中でチタン族金属電極と対極を有する高圧放電発生装置を用いて該金属と対極の間でプラズマ水中放電して、水中にチタン族金属超微粒子を超微分散させることを特徴とする水中にチタン族超微粒子が微分散してなる毛髪修正液の製造方法。”(請求の範囲 第2項)
上記の製造方法の電極に銅電極を使用して銅ナノ粒子分散液の作製を行った。
また、電極に銀電極を用いたこと以外は上記と同じ製造方法で、銀ナノ粒子分散液の作製を行った。
得られた銅ナノ粒子及び銀ナノ粒子の粒径を、レーザー光源を用いた動的光散乱法(DLS)により測定した。
得られた銅ナノ粒子及び銀ナノ粒子の濃度を、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP)を用いて測定した。
銅ナノ粒子作製法の別の例を以下に示す。
特許公開番号:特開2017-071816号公報
“銅イオンとクエン酸とを含み、pH10以上pH12未満の範囲に調整された第1の水溶液を用意する工程と、
アスコルビン酸を含み、pH10以上pH12未満の範囲に調整された第2の水溶液を用意する工程と、
前記第1の水溶液と前記第2の水溶液とを混合して、前記銅イオンを還元して銅ナノ粒子の分散液を得る工程と、
を含む、銅ナノ粒子の製造方法。”(請求項1)
を参考にして銅ナノ粒子分散液の作製を行った。
〔銀ナノ粒子分散液の作製〕
銀ナノ粒子作製法の別の例を以下に示す。
特許公開番号:特開2008-88480号公報
“酸化銀(平均粒子径1.5μm)1.0g、溶性デンプン1.0gを蒸留水98g中に投入した。続いて攪拌しながら60℃で1時間加熱を行った。溶液は初め酸化銀が懸濁した黒色を呈していたが、還元反応が進むにつれ黄色に変化し、最終的には黄褐色になり、銀が生成していることが確認された。
溶液の一部をとり蒸留水で希釈して電子顕微鏡にて観察したところ、粒子径10-30nmの銀ナノ粒子が得られていることが分かった”(段落0025、実施例1、図1)
を参考にして銀ナノ粒子分散液の作製を行った。
得られた銅ナノ粒子及び銀ナノ粒子の粒径を、レーザー光源を用いた動的光散乱法(DLS)により測定した。
得られた銅ナノ粒子及び銀ナノ粒子の濃度を、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP)を用いて測定した。
〔抗菌性銅ナノ粒子担持セルロースナノファイバーの作製〕
純水500mLに、担体として濃度2wt%のセルロースナノファイバー((株)スギノマシン製)83.5gを添加して、撹拌機で30分間撹拌した。その後、上記銅ナノ粒子分散液835mL(銅含有量87.6mg、104.9ppm)を加え、さらに撹拌混合し、茶褐色の懸濁液を得た。
次いで、その中に、補助剤として塩化マグネシウム3.3gを添加した後、30分間撹拌混合し、銅ナノ粒子をセルロースナノファイバーに静電相互作用によって吸着させることで、銅ナノ粒子がセルロースナノファイバーに担持された銅ナノ粒子担持セルロースナノファイバーと、塩化マグネシウムとを含有する複合体を得た。
得られた複合体は、水と混合された状態(即ち、抗菌性複合体と、溶媒である水とを含有する溶液)であり、撹拌後の反応容器中の溶液の上清は透明であった。このことから、上記の方法によって得られた抗菌性複合体溶液では、もともと溶媒の水中に分散していた銅ナノ粒子がセルロースナノファイバーに担持されていることで、当該溶液の上清が透明になることが確認された。
以下の表1に示す通りの成分組成を有する抗菌性複合体溶液を、上記方法と同様の手順に従って調製した。
表2には、各抗菌性複合体溶液に含有される複合体の各構成成分(担体、金属ナノ粒子、及び補助剤)の含有割合に関して上述した三種類の質量比を示した。
担体としてキトサンナノファイバー、キチンナノファイバー、及びセルロースナノファイバー(いずれも(株)スギノマシン製)を用いた。セルロースナノファイバーは、TEMPO法により作製されたもの、及び機械粉砕法により作製されたものの二種類を用いた。
金属ナノ粒子として上記銅ナノ粒子分散液を用いた。
補助剤として塩化マグネシウムを用いた。
なお、例5Aと例5Bは、抗菌性複合体溶液の成分組成は同じであるが、使用した担体に関し、例5Aでは、TEMPO法により作製されたセルロースナノファイバーを用いたのに対して、例5Bでは、機械粉砕法により作製されたセルロースナノファイバーを用いた点で異なる。
例1~例7の溶液はいずれも、調製後の溶液の上清は透明であり、銅ナノ粒子が所定の担体に担持されていることが確認された。
担体としてTEMPO法により作製されたセルロースナノファイバー、及び機械粉砕法により作製されたセルロースナノファイバー(いずれも(株)スギノマシン製)を用いた。
金属ナノ粒子として上記銅ナノ粒子分散液を用いた。
補助剤として塩化ベンザルコニウム水溶液(濃度10w/v%)を用いた。
例8~例15の溶液はいずれも、調製後の溶液の上清は透明であり、銅ナノ粒子が所定の担体に担持されていることが確認された。
担体としてキトサンナノファイバー、キチンナノファイバー、及びTEMPO法により作製されたセルロースナノファイバー(いずれも(株)スギノマシン製)を用いた。
金属ナノ粒子として上記銀ナノ粒子分散液を用いた。
補助剤として塩化ベンザルコニウム水溶液(濃度10w/v%)を用いた。
例16~例18の溶液はいずれも、調製後の溶液の上清は透明であり、銀ナノ粒子が所定の担体に担持されていることが確認された。
比較のために、表1に示す通りの条件で、例19~例25の溶液を調製した。使用した撹拌機及び撹拌条件は、例1~例18と同様とした。
担体としてキトサンナノファイバー、キチンナノファイバー、及び機械粉砕法により作製されたセルロースナノファイバー(いずれも(株)スギノマシン製)を用いた。
金属ナノ粒子として上記銅ナノ粒子分散液を用いた。
補助剤として塩化ベンザルコニウム水溶液(濃度10w/v%)を用いた。
例19~例21では、補助剤を含有しない、担体と銅ナノ粒子の混合溶液を得た。調製後の溶液の上清は茶褐色を示した。このことから、例19~例21の溶液では、銅ナノ粒子は担体に担持されておらず、上清中に留まっていると考えられる。
例22の溶液は、金属ナノ粒子を含有しない、担体と補助剤の混合溶液である。
例23の溶液は、例8~例18で補助剤として用いた塩化ベンザルコニウムの水溶液(濃度10w/v%)である。
例24及び例25の溶液は、それぞれ銅ナノ粒子の含有量が260ppm及び210ppmとなるように調整した、銅ナノ粒子分散液である。
なお、以下では、便宜的に、例1~例15、例19~例21、例24及び例25の溶液を「銅含有溶液」とも称し、例16~例18の溶液を「銀含有溶液」とも称する。
<試験例1>
試験菌として、植物病原細菌であるモモせん孔細菌病菌(学名:Xanthomonas arboricola pv. pruni)を用い、最小生育阻止濃度(MIC)を評価した。
MIC値の測定には、水溶性テトラゾリウム塩還元反応を基にした微生物代謝活性測定法(参考文献 日本食品化学工業会誌62巻7号321-327、2015)を用いた。
モモせん孔細菌病菌を普通ブイヨン(NB)液体培地に懸濁し、27℃で一晩培養後に約108cfu/mLとなるように希釈し、これに対してさらに10倍希釈の系列希釈を行い、101cfu/mLまで用意した。希釈には全てNB液体培地を用いた。
この系列希釈した希釈液のうち、107~101cfu/mLの溶液から95μLずつを96ウェルプレートに添加し、各ウェルは約106~100cfuの菌量を含むようにした。
そこに、NB液体培地95μLと1-methoxy-PMS(1-Methoxy-5-methylphenazinium methylsulfate)とWST-1[2-(4-Iodophenyl)-3-(4-nitrophenyl)-5-(2,4-disulfophenyl)-2H-tetrazolium, monosodium salt]の混合液(終濃度はそれぞれ0.04mMと0.5mM)10μLを加えて、各ウェルの総量を200μLとした。
NB液体培地190μLに1-methoxy-PMSとWST-1の混合液10μLを添加したものを対照とした。
各希釈液及び対照は3ウェル分用意した。
用意したプレートをプレートリーダーに設置し、温度条件を27℃とし、450nmの吸光度を1時間ごとに測定した。
各菌量の吸光度は3ウェルの平均値を代表値とした。
測定結果からそれぞれの菌量のウェルの吸光度が0.5を超える培養時間(単位は時間)を縦軸に、菌量の自然対数を横軸に取り、検量線を作製した。この検量線から、初期菌量が1cfuの場合、吸光度が0.5を超えるまで約50時間かかることが分かった。つまり、50時間以上培養した後の吸光度が0.5未満であれば、菌の生育は無いと判断できる。
例1、例5A、例5B、例8、例24の溶液、及び、硫酸銅溶液を試験に供した。
銅含有溶液をそれぞれ銅濃度が100ppmとなるように希釈し、それを原液として2倍希釈の段階希釈で16倍まで希釈し、原液を含め6種類の希釈液(銅含有組成物)を作製した。
硫酸銅溶液は、硫酸銅・五水和物から銅濃度が1000ppmとなるように水に溶かして調製し、そこから銅濃度が100ppmとなるように希釈し、以降の段階希釈は他の銅含有溶液と同様に行った。
希釈には全てNB液体培地を用いた。
各銅含有溶液及び硫酸銅溶液の6種類の希釈液95μLを96ウェルプレートに添加した。
そこへ約106cfu/mLとなるようにNB液体培地で調製したモモせん孔細菌病菌の懸濁液95μLと1-methoxy-PMSとWST-1の混合液(終濃度は上述と同じようにそれぞれ0.04mMと0.5mM)10μLを加えて各ウェル総量を200μLとした。
対照には菌の懸濁液の代わりにNB液体培地を添加した。
各希釈液及び対照は3ウェル分用意した。
用意したプレートをプレートリーダーに設置し、温度条件を27℃として70時間程度培養し、その間450nmの吸光度を1時間おきに測定した。
銅含有溶液(銅含有組成物)に菌液を添加した吸光度の平均値からそれぞれの対照の平均値を引いたものを代表値とし、この代表値が培養中に0.5を超えない最小の銅濃度を各銅含有溶液のMIC値とした。硫酸銅溶液についても同様である。
結果を表3に示す。
特に、例1及び例8では、硫酸銅溶液で得られたMIC値(23.8ppm)を有意に下回るMIC値(5.9ppm及び1.5ppm未満)が得られ、かつ、例24の溶液(銅ナノ粒子分散液)で得られたMIC値(11.9ppm)よりも小さい値であった。このことから、本発明の抗菌性組成物は、銅ナノ粒子単体での抗菌効果を上回る抗菌効果が得られることが分かった。
加えて、菌量(cfu)の常用対数を縦軸に、試験溶液(6種類の希釈液)中の銅濃度(ppm)の常用対数を横軸に取り、銅濃度と菌量の関係を両対数グラフ上にプロットすると、例1では、例24の溶液(銅ナノ粒子分散液)よりも低い銅濃度で菌量が減少する傾向が得られた。また、補助剤として塩化ベンザルコニウム水溶液を用いた例8では、塩化マグネシウムを用いた例よりもとりわけ低い銅濃度で菌量が減少しており、このことは、少なくとも銅ナノ粒子による抗菌活性のみならず塩化ベンザルコニウムによる抗菌活性が効果的に作用していることを示唆している。
なお、例5Aと例5Bの試験結果が同じであったことから、本試験例では、担体として使用したセルロースナノファイバーの製法の違いによるMIC値の差は見られなかった。また、上述した両対数グラフ上のプロットにおいても、例5Aと例5Bは同様の抗菌活性の傾向を示した。
モモのポット樹を用いた薬害の確認試験を実施した。
試験溶液として、例2の溶液、例2の溶液の10倍希釈液、市販の無機銅農薬(コサイド(登録商標)3000、銅濃度3000ppm)の2000倍希釈液(モモせん孔細菌病に対する収穫後~落葉期のメーカー推奨散布濃度)、及び水を用いた。
ここで、例2の溶液、及び例2の溶液の希釈液中の銅濃度は、市販の無機銅農薬の希釈液中の銅濃度(150ppm)とほぼ同程度となるように調整した。
各試験溶液500mLを3鉢に3回散布した後、全葉について調査を行い、調査枚数に占める薬害発生枚数の割合を薬害発生率(%)とした。
各試験溶液について、3鉢の平均±標準偏差を表4に示す。
モモのポット樹を用いた防除効果の確認試験を実施した。
試験溶液として、例3の溶液、例6の溶液、市販の無機銅農薬(試験例2で用いた薬剤)の1000倍希釈液(モモせん孔細菌病に対する開花までの時期のメーカー推奨散布濃度)、及び水を用いた。
各試験溶液500mLを3鉢に散布し、翌日、苗木を揺らしてある程度葉を落とした後、菌液(1×108cfu/mL)500mLを噴霧した。
この工程を2週間おきに3回繰り返した後、鉢を翌春の開花時期まで約6か月圃場に静置した。
新芽が出そろった後に春型枝病斑を確認し、発病芽の全調査芽数に占める割合(%)を求めた。
各試験溶液について、3鉢の平均±標準偏差を表5に示す。
一般細菌に対する抗菌性を、水溶性テトラゾリウム塩還元反応を基にした微生物代謝活性測定法(参考文献 日本食品化学工業会誌62巻7号321-327、2015)にて評価した。
ここで、例1、例4、例5A、例5B、例7、例8~例11、例15、例17、例18の溶液については、それぞれ表6に示す銅濃度の値となる溶液を原液とし、2倍希釈の段階希釈で128倍まで普通ブイヨン(NB)液体培地で希釈し、原液を含め8種類の希釈液(銅含有組成物)を用いた。
また、比較のために、例24の溶液(銅ナノ粒子分散液)、及び、例24の溶液の銅濃度と同じ濃度の硫酸銅溶液(濃度260ppm)についても、同様にNB液体培地で段階希釈をして用いた。
そこへ、NB液体培地に懸濁した大腸菌(ATCC8739株)または黄色ブドウ球菌(ATCC6538株)を約1x105cfu/80μL添加した。
さらに、検出試薬として5mMのWST-1と0.2mMの1-methoxy-PMSの混合液20μLを添加し、35℃にて培養しながら、一定間隔(大腸菌は20分間隔、黄色ブドウ球菌は30分間隔)で450nmの吸光度を約16~24時間経過するまで測定した。
得られた結果から、吸光度が0.5を超えるまでの時間を求め、あらかじめ播種菌数を変えて測定しておいた検量線から、初発菌数(cfu)を推定し、初発菌数が0となる供試溶液の最小生育阻止濃度(MIC)を求めた。
結果を表6に示す。
加えて、初発菌数(cfu)の常用対数を縦軸に、試験溶液(8種類の希釈液)中の銅濃度(ppm)の常用対数を横軸に取り、銅濃度と初発菌数の関係を両対数グラフ上にプロットすると、補助剤として塩化マグネシウムを用いた場合に初発菌数の減少が見られる銅濃度は、例24の溶液及び硫酸銅溶液と同程度である傾向が認められた。このことは、本発明の抗菌性組成物は、従来の銅剤より少ない銅含有量で、従来と同等もしくはそれを上回る抗菌効果が得られることを示唆している。さらに、補助剤として塩化ベンザルコニウムを用いた場合には、とりわけ低い銅濃度で初発菌数が減少する傾向が認められ、このことは、銅ナノ粒子による抗菌活性のみならず塩化ベンザルコニウムによる抗菌活性が効果的に作用していることを示唆している。
さらに、補助剤として塩化ベンザルコニウムを含有する例8~例11の溶液では、MIC値が、例24の溶液及び硫酸銅溶液のそれよりも大幅に低く、高い抗菌活性を示すと共に、質量比[(補助剤)/(金属)]の値が高いほど、MIC値が低下する傾向が認められた。また、上述した両対数グラフ上のプロットにおいても、大腸菌に対する試験結果と同様に、補助剤として塩化ベンザルコニウムを用いた場合には、とりわけ低い銅濃度で初発菌数が減少する傾向が認められ、このことは、銅ナノ粒子による抗菌活性のみならず塩化ベンザルコニウムによる抗菌活性が効果的に作用していることを示唆している。
図2において、白菱形のプロットは、例1、例5A、例5B、及び例7の溶液の、大腸菌に対するMIC値であり、黒菱形のプロットは、例8~例11、及び例15の溶液の、大腸菌に対するMIC値である。白四角形のプロットは、例1、及び例5Aの溶液の、黄色ブドウ球菌に対するMIC値であり、黒四角形のプロットは、例8~例11の溶液の、黄色ブドウ球菌に対するMIC値である。黒丸形及び白丸形のプロットは、それぞれ、例24の溶液の、大腸菌及び黄色ブドウ球菌に対するMIC値である。
図3において、黒菱形のプロットは、例9~例11、及び例15の溶液の、大腸菌に対するMIC値であり、黒四角形のプロットは、例9~例11の溶液の、黄色ブドウ球菌に対するMIC値である。黒丸形及び白丸形のプロットは、それぞれ、例24の溶液の、大腸菌及び黄色ブドウ球菌に対するMIC値である。
このことは、補助剤として塩化ベンザルコニウムを含有する態様においては、抗菌性材料である金属(銅)の存在により、塩化ベンザルコニウムが有する抗菌性との相乗効果が得られ得ることを示唆している。
また、この効果は、組成物中の塩化ベンザルコニウムの含有量が低く、かつ、金属の含有量も同程度に低い場合(即ち、これにより質量比[(補助剤)/(金属)]の値が小さい場合)に、より発揮されやすいと考えられる。
補助剤として塩化マグネシウムを含有する点で共通する例1、例4、例5A、例5B、例7の溶液について見ると、例1、例4、例5A、例5Bの溶液では、大腸菌に対するMIC値は、例7の溶液でのMIC値(87.5ppm)に比べて低くなっている。例えば、例5A、例5Bの溶液でのMIC値(64.5ppm)は、例7の溶液でのMIC値に対する比で、約0.74である。
同様に、補助剤として塩化ベンザルコニウムを含有する点で共通する例8~例11、例15の溶液について見ると、例8~例11の溶液では、大腸菌に対するMIC値は、例15の溶液でのMIC値(22.9ppm)に比べて低くなっている。例えば、例11の溶液でのMIC値(13.9ppm)は、例15の溶液でのMIC値に対する比で、約0.61である。
基材に対する付着性及び残効性を、以下の方法で評価した。
ここで、例1、例4、例5A、例7、例8~例11、例15の溶液については、それぞれ銅濃度が表7に示す値となるように希釈した希釈液(銅含有組成物)を用いた。
また、比較のために、例22、例23、例25の溶液(銅ナノ粒子分散液)、及び、例25の溶液の銅濃度と同じ濃度の硫酸銅溶液(濃度210ppm)を用いた。
例1及び例4の溶液については、溶液中の担体濃度が他の銅含有溶液と比べて高いため、各0.4mLを超純水9.6mLで希釈し、例7の溶液については、0.2mLを超純水9.8mLで希釈し、例10の溶液については、0.5mLを超純水9.5mLで希釈し、それぞれメンブレンフィルターでろ過し、真空中で4h乾燥した。
このように、各溶液中の担体濃度を考慮して希釈割合を調整することで、ろ過・乾燥後にメンブレンフィルター上に残留する物質がメンブレンフィルターから剥離しないようにした。
その後、各ウェル内に菌液(1×105cfu/180μL NB培地)とWST-1試薬(5mM WST-1と200μM 1-methoxy-PMSの混合液20μL)を添加し、35℃にて培養しながら、一定間隔(20分、30分または1時間間隔)で450nmの吸光度を約16、24または70時間経過するまで測定した。
試験菌としては、大腸菌(ATCC8739株)、黄色ブドウ球菌(ATCC6538株)、またはモモせん孔細菌病菌を用いた。
加えて、対照として、いずれの溶液もろ過していない、メンブレンフィルターのみについても同様の試験を行った。
結果を表7に示す。
一方、例22の溶液を用いた場合は、「浸漬0回」では抗菌活性を示さなかった。例23の溶液を用いた場合は、塩化ベンザルコニウムが有する抗菌作用により、「浸漬0回」の生菌率が、対照のメンブレンフィルターのみよりも低い結果になったと考えられる。
例25の溶液を用いた場合は、銅濃度が高い溶液をろ過することで、銅のナノ粒子がメンブレンフィルター上に多く残留する結果、銅ナノ粒子単体の抗菌性が作用し、「浸漬0回」の生菌率が特に低くなったと考えられるが、これよりも銅濃度が低い、例8の溶液(銅濃度126.9ppm)を用いた場合でも、同様に低い生菌率(<0.001%)が得られていることにも注目されたい。これに対して、同じ銅濃度であっても、硫酸銅溶液を用いた場合には、「浸漬0回」の生菌率は100%を上回る結果となった。
これらの結果は、本試験例で用いたメンブレンフィルターや、これと同様の材質・性状を有する基材に付着した状態(保持された状態)で抗菌活性を発現させるためには、抗菌性材料である金属(銅)の存在のみならず、その形態がナノ粒子であることが必要であることを示唆している。
即ち、例5、例8の溶液を用いた場合には、黄色ブドウ球菌及びモモせん孔細菌病菌のいずれについても、「浸漬0回」、「浸漬1回」、「浸漬2回」の生菌率が低く、優れた抗菌活性を示した。ここで、例5、例8の溶液では、質量比[(金属)/(担体)]の値が0.177、0.176であり、さらには、質量比[(補助剤)/(担体)]、及び、質量比[(補助剤)/(金属)]の値も互いに近しいことは、注目に値する。上述したように、補助剤が塩化マグネシウムである場合と、塩化ベンザルコニウムである場合とでは、補助剤自体が有する抗菌性の有無によって、複合体が発揮し得る抗菌活性自体には差が生じ得るが、言い換えると、当該複合体に含有される各構成成分の含有割合(含有量の質量比)を同程度として、それらの構成成分の種類(組み合わせ)を変えることで、様々な目的や用途に適した抗菌性を有し、かつ、対象物(基材)に対する付着性及び残効性に優れた組成物を調製することができると言える。
特に、金属ナノ粒子として銅ナノ粒子を用いた場合には、従来の銅剤よりも少ない銅含有量もしくは少ない施用量で、環境への影響が小さく、かつ従来と同等もしくはそれを上回る抗菌効果が得られる、農業用抗菌性組成物として利用することができる。
また、本発明では、金属の種類として、銅や銀など、一定の抗菌作用を有する金属のナノ粒子を用いることができるので、農業用途以外にも、医療、介護、畜水産、食品などの産業用途、並びに、一般用途への適用も可能である。
さらに、本発明の抗菌性複合体は、基材への付着性が良好であるので、農業用途の場合に対象となる農作物の樹皮などのほかに、例えば不織布などの材料に付着させた状態で抗菌性を発現させることができ、一定の残効性をも発揮することが期待できる。
Claims (5)
- 担体と、前記担体に担持されたナノ粒子である金属または金属酸化物と、補助剤とを含有する抗菌性複合体と、任意の溶媒とを含有し、
前記担体が、セルロース、キトサン、キチン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される生体高分子のナノファイバーであり、
前記金属または金属酸化物が、銅のナノ粒子であり、
前記補助剤が、マグネシウム塩、カルシウム塩、またはこれらの組み合わせであり、
前記マグネシウム塩が、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、L-グルタミン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リン酸三マグネシウム、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され、
前記カルシウム塩が、塩化カルシウム、酸化カルシウム、クエン酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され、
前記担体の含有量に対する前記補助剤の含有量の質量比[(補助剤)/(担体)]が、0.5以上5以下であり、
前記金属または金属酸化物の含有量に対する前記補助剤の含有量の質量比[(補助剤)/(金属・金属酸化物)]が、5以上50以下であり、
前記担体の含有量に対する前記金属または金属酸化物の含有量の質量比[(金属・金属酸化物)/(担体)]が、0.03以上0.25以下である、抗菌性複合体溶液。 - 前記銅のナノ粒子の粒径が、1nm以上250nm以下である、請求項1に記載の抗菌性複合体溶液。
- 請求項1または2に記載の抗菌性複合体溶液を含有する抗菌性組成物。
- 請求項1または2に記載の抗菌性複合体溶液を含有する農業用抗菌性組成物。
- 請求項1または2に記載の抗菌性複合体溶液の製造方法であって、
前記担体を含有する担体溶液を調製することと、
前記担体溶液に銅のナノ粒子の分散液を添加し、撹拌混合することと、
得られた混合液に前記補助剤を添加し、さらに撹拌混合することと
を包含する、方法。
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