JPH0129906B2 - - Google Patents
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- JPH0129906B2 JPH0129906B2 JP59021565A JP2156584A JPH0129906B2 JP H0129906 B2 JPH0129906 B2 JP H0129906B2 JP 59021565 A JP59021565 A JP 59021565A JP 2156584 A JP2156584 A JP 2156584A JP H0129906 B2 JPH0129906 B2 JP H0129906B2
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Description
[産業上の利用分野]
本発明は合成繊維の処理剤に関するもので、特
に合成繊維の製造工程並びに加工工程において、
繊維糸条に高度な平滑性と静電気防止能を付与す
る、新規な繊維処理用油剤に関するものである。 [従来技術] 従来より、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維
などの合成繊維、特にフイラメントの製造・加工
に当つては生産性向上のためにスピードアツプが
図られているが、糸条速度のスピードアツプとと
もに糸条と各種接触体(例えばガイド、ローラ
ー、ヒーターなど)との接圧の増大、熱処理温度
のアツプ等など、製糸条件にきびしい方向に向つ
ている。これに伴い、糸条と各種接触体間の摩擦
も極めて増大する結果、繊維糸条の損傷による毛
羽や断糸の発生及び接触体の摩耗による接触体の
寿命減少、及び摩擦静電気発生の増大による各種
の障害(ローラー捲付、断糸及び品質の低下)が
著しく、生産効率、品質低下あるいは接触体寿命
減少にともなう交換周期の短縮化等によるコスト
アツプが大きくなる傾向にある。 例えば仮撚捲縮加工糸の製造においては、従来
のスピンドル方式に代つて摩擦仮撚加工法が採用
されるに至り、仮撚加工速度が飛躍的にスピード
アツプがされてきた。そして摩擦仮撚加工方式で
さえ、諸機械設備の進歩からさらにスピードアツ
プされ、最近では600〜800m/分、更には1000
m/分を越えるほどの高速加工が行なわれるよう
になつている。それと同時にヒーター温度も、従
来の160〜190℃という範囲から200〜230℃ないし
250℃に上昇されてきた。しかも、高速化、高温
化の苛酷な条件下では、繊維糸条と糸導や張力を
制御規制するガイド類やコンペンセーター、ロー
ラー及び熱処理ヒーター等との摩擦が増大する結
果、繊維糸条が損傷して毛羽や断糸を誘発し、著
しく生産効率が低下することになる。 又他の例として、織物や編物の製造においても
高速化が進んでおり、筬や編針などと糸条の摩擦
増大によつて糸条の損傷、さらには筬編針などの
摩耗が非常に多くなつている。特に、酸化チタン
やカーボンブラツク等の硬質の無機物を比較的多
量に含有する糸条を用いる場合に、この傾向は顕
著になる。 一方、こうした高速化では摩擦が増大すること
によつて、繊維糸条と各種接触体間で摩擦静電気
の発生も著しく増大する。その結果、フイラメン
トの延伸および加工工程などにおいて、糸掛時や
走行時にローラー部分に単糸が巻付いたり、場合
によつては断糸したりして作業性がきわめて低下
する。このような現象は、特に熱処理を受けた場
合に顕著におこる。即ち、静電気の発生は一般に
低湿時になると急激に増大するため、仮撚加工時
のように高温で熱セツトを受けた糸は絶乾状態に
近く、静電気が非常に発生しやすい状況にある。
又、低張力下で糸が走行するような工程では、糸
が接触部からはずれたりして糸質そのものに斑が
生じ、品質の低下を招くこともしばしばある。 かかる問題点を防止するため、すなわち繊維糸
条の製造、加工条件の高速化、高温化に伴つて糸
条と各種接触体間との摩擦が増大する結果生じ
る、糸条の損傷、接触体の摩耗が誘起する生産効
率の低下、品質の低下などに基づくコストアツプ
の招来を防止するため、平滑性及び静電気防止性
能を付与し得る繊維処理用油剤として、本発明者
の一部は先にクエン酸と炭素数が8個以上の高級
脂肪酸とのエステル化合物の塩を含有する油剤
(特開昭58−36268号公報)を提案した。しかし、
工業的生産を目的とする場合には、長時間にわた
り、広い範囲での繊維の製造加工安定性が必要で
あり、この点において、前記油剤はなお不十分な
場合があつた。 [発明の目的] 本発明の目的は、高速化、高温化を中心とした
繊維加工条件の革新化に対応した繊維処理用油
剤、すなわち、更に高度な平滑性と静電気防止性
能を糸条に付与し得る油剤を提供することにあ
る。 [発明の構成] 本発明者等は、上記目的を達成せんと種々検討
した結果、一般に繊維処理用油剤は平滑剤、帯電
防止剤、乳化剤等より構成されているが、クエン
酸と高級アルコールとの反応物の塩は分子内に水
酸基を1つ有するクエン酸と高級脂肪酸との反応
物の塩と比べて上記油剤成分と相溶性に優れ、静
電気防止性能が向上するとともに加工工程でのス
カム発生が低減し、加工安定性が著しく向上する
ことを知つた。この知見をもとにさらに鋭意検討
した結果、上述の相溶性は分子内の水酸基に基づ
くものであり、水酸基を積極的に残した、クエン
酸と、高級アルキル基又はパーフルオロアルキル
基を含有するアルコール成分とからなるエステル
化合物を中和して得られる塩を含む油剤によつ
て、前記目的を達成できることを見い出し、本発
明に到達したものである。 すなわち本発明によれば、下記一般式()又
は()で示されるクエン酸モノエステルの塩
を、少なくとも一種含有することを特徴とする繊
維処理用油剤が提供される。 〔但しRはC8〜24の直鎖または分岐した、アルキ
ル基またはパーフルオロアルキル基、もしくは下
記一般式()で示される基、 R″−X−(A−O−)oA− ……() 〔但し、R″は、C8-24の直鎖または分岐した、ア
ルキル基またはパーフルオロアルキル基、Xは−
O−、−S−、−CON−(A−O−)nH−、−SO2N−(
A−O−)nH−(mは0〜7の整数)、Aはエチレ
ン基またはプロピレン基、nは0〜7の整数。〕 Mは、アルカリ金属、アンモニウム、アルキルア
ンモニウム、又はアルカノールアンモニウム。〕 〔但し、R′は、C8〜24の直鎖または分岐した、ア
ルキル基またはパーフルオロアルキル基、もしく
は下記一般式()で示される基、 R″−X−(A−O−)oB− ……() 〔但し、R″、X、A、nは前記と同じであり、
BはC1〜6のアルキレン基。〕 Mは前記と同じ。〕 本発明で用いられる一般式()で表わされる
クエン酸モノエステルの塩は、従来公知の方法で
合成することができ、例えばクエン酸と水酸基を
有する化合物(ROH、但しRは前記定義と同じ)
を反応させてエステルを形成させ、次いで中和し
て塩を形成させることにより容易に得ることがで
きる。 かかる水酸基化合物としては、炭素数8〜24個
の直鎖または分岐した脂肪族の1価アルコール
類、例えばオクチルアルコール、ラウリルアルコ
ール、オレイルアルコール、ステアリルアルコー
ルなどが用いられ、これらは天然の高級アルコー
ルであつても合成品であつてもよい。 また、前記水酸基を有する化合物の特殊なもの
としては、炭素数8〜24個の、脂肪族アルコー
ル、脂肪族メルカプタン、脂肪酸アミド、又は脂
肪酸スルホン酸アミドに、エチレンオキシド及
び/又はプロピレンオキシドを1〜8モル付加し
た化合物(末端基は水酸基)を用いてもよい。か
かる化合物の例としては、オクチルアルコール、
ラウリルアルコール、セチルアルコール、オレイ
ルアルコール、オクチルメルカプタン、セチルメ
ルカプタン、ラウリルメルカプタン、ステアリル
メルカプタンなどに、エチレンオキシド及び/又
はプロピレンオキシドを1〜8モル付加して得ら
れる、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル
など高級アルキル基含有の末端水酸基をもつ化合
物をあげることができる。 さらには、炭素数8〜24個の直鎖または分岐し
たパーフルオルアルキル基を有するパーフルオロ
アルキルアルコール、同じく炭素数8〜24個のパ
ーフルオロアルキルスルホン酸アミドのヒドロキ
シエチル化した化合物、及びこれら化合物にエチ
レンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付
加した、パーフルオロ基を含有する化合物であつ
てもよい。 一方、一般式()で示されるクエン酸モノエ
ステルの塩も従来公知のエステル化法によつて合
成される。すなわち、末端にカルボキシル基を有
する化合物とグリセリンを反応させてモノグリセ
ライドを形成せしめた後、該モノグリセライドと
クエン酸を反応させてクエン酸モノエステル(モ
ノグリセライドがアルコール成分となつている)
を形成させ、次いで中和して塩を形成することに
より容易に得ることができる。 かかる末端にカルボキシル基を有する化合物と
しては、炭素数8〜24個の高級脂肪酸類、例えば
オクタン酸、ラウリン酸、ミリスチレン酸、オレ
イン酸、ステアリン酸などが通常よく用いられ
る。又特殊なものとしては、炭素数8〜24個の、
高級アルコール又は高級アルキルメルカプタンな
どにモノクロル酢酸などを反応するか、同じく炭
素数8〜24個の高級アルキルハライドとヒドロキ
シ含有脂肪酸又はメルカプト基含有脂肪酸を反応
して得られるカルボン酸類、さらには炭素数8〜
24個のパーフルオロアルキルカルボン酸なども、
すべて用いることができる。 また、一般式()及び一般式()で示され
るMは、アルカリ金属からなりナトリウム、カリ
ウム、リチウムなど、特にカリウムが好適であ
る。さらに、前記クエン酸モノエステルをアンモ
ニアで中和した際のアンモニウム基、モノアルカ
ノールアミン類、ジアルカノールアミン類、トリ
アルカノールアミン類、例えばモノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミ
ン、ブタノールアミン類など低級のアルカノール
アミン類で中和した際のアルカノールアンモニウ
ム基、さらにはモノアルキルアミン、ジアルキル
アミン、トリアルキルアミンなどで中和した際の
アルキルアンモニウム基であつてもよい。 かかる化合物の具体例を下記に例示するが、本
発明を何等限定するものではない。 (1) クエン酸モノラウリルエステルのカリウム塩 (2) クエン酸モノイソステアリルエステルのカリ
ウム塩 (3) クエン酸パーフルオロオクチルエステルのナ
トリウム塩 (4) クエン酸の(POE−)2ラウリルチオエーラル
エステルのアンモニウム塩 (5) グリセリンモノオレイルエステルのクエン酸
エステルのトリエタノールアミン塩 (6) グリセリンモノパーフルオロオクタン酸エス
テルのクエン酸エステルカリウム塩 (7) グリセリンモノイソステアリン酸エステルの
クエン酸エステルナトリウム塩 (8) グリセリンのモノラウリルチオプロピオン酸
エステルのクエン酸エステルカリウム塩 (9) クエン酸の(POE)4オレイルエーテルエステ
ルのカリウム塩 (10) グリセリンのパーフルオロアルキルスルホン
アミドのカルボン酸エステルのクエン酸エステ
ルカリウム塩 本発明においては、上記化合物を従来の各種の
繊維用油剤に加えることによつて繊維に高度の平
滑性、静電気防止性能を付与する新しい油剤を得
んとするものである。例えば潤滑剤として鉱物
油、動物植物油、各種合成エステル潤滑剤、ポリ
アルキレングリコール系潤滑剤、合成シリコン潤
滑剤及びそれらの乳化剤からなる油剤系に適宜添
加することによつてその目的を達成できる。その
添加量は2%(重量)以上が有効であり、特に3
〜20%(重量)が好ましい。なお、これらの化合
物は、前述の如く分子内に積極的に水酸基を残す
ことによつて油剤組成の他成分との相溶性が向上
しているため、安定した静電防止効果が得られる
と同時に加工工程でのスカム発生が低減し、その
結果、繊維の製造、加工安定性が広範囲にわたり
長時間維持されるものと推定される。 本発明の油剤の使用に当つての付着方式として
は水系エマルジヨン、ストレート方式いずれでも
よく、その付着処理はその目的に応じて紡糸、延
伸などの製糸段階又は各種の加工工程段階などい
ずれの工程において行うことも可能である。即ち
紡糸油剤として使用した場合、紡糸、延伸工程に
おける毛羽、断糸は減少せしめ、さらに整経工
程、撚糸工程、製編機工程、仮撚加工工程におい
ても静電気障害およびガイドローラー編針等の摩
擦体の摩耗を防止する上に極めて有効である。な
お、油剤の付着量は上記のような工程によつて異
なるが、例えば仮撚加工用の場合0.2〜20重量%
(対繊維)の範囲内で選定するのが適当である。
このような本発明の油剤はいずれの合成繊維にも
有効であるが、特にポリエステル、ポリアミド等
のマルチフイラメントヤーンに対して特にすぐれ
た効果を発揮する。 以下実施例について述べるが、実施例中の摩擦
帯電圧、定摩耗性、作業性、加工性は次の方法で
評価した。 (1) 摩擦帯電圧(V) 試料糸を20℃相対湿度65%の雰囲気下でμメ
ーター(エイコー測器製)にて張力一定(20
g)のもとに100m/分の糸速でヒータープレ
ート温度210℃(ヒーター長60cm)上を走行さ
せ、その後金属摩擦体(表面温度150℃のホツ
トピン)に接触(接触角90゜)させ、摩擦体か
ら5cm後の位置でフイラント糸の摩擦帯電圧を
集電式電位測定器(春日電気製)を使用して測
定した。 (2) 耐摩耗性 試料糸を20℃相対湿度65%の雰囲気下、初張
力15g、接触角170゜のもと100m/分の糸速で
編針と接触走行させ、2時間後に編針表面を顕
微鏡観察した。判定は摩耗痕の有無により耐摩
耗性の良否を判定した。 (3) 加工安定性 加工中における毛羽の発生の大小ならびに断
糸率、捲縮性などから〇が良好、△がやや劣
る。×劣るの5段階で示した。 実施例 ポリエチレンテレフタレートを3300m/分の紡
糸速度で溶融紡糸するに際し、紡糸糸条に次表に
記載したような処理組成物を水系エマルジヨンで
エマルジヨン濃度10%(重量)として純分付着量
が0.3%(重量)になるように付着させた。得ら
れた115デニール/36フイラメントの未延伸糸を
延伸倍率1.5、延伸速度900m分、ヒータープレー
ト200℃で延伸し、得られた75デニール/36フイ
ラメントの延伸糸を20℃、相対湿度65%の雰囲気
下で一昼夜放置したものを試料とし、糸走行時の
摩擦帯電圧、金属摩擦体の摩耗性を評価した。 一方、115デニール/36フイラメントの未延伸
糸を直径45mmの円板をそなえたセラミツク製の外
接式摩擦仮撚装置を用いて延伸倍率1.5、ヒータ
ー温度220℃、摩擦円板回転数6250v.p.m、加工
速度700m/分で延伸しながら仮撚加工を行つた。
その結果も次表に併せて示した。尚、表中のA〜
Eは以下のものである。 化合物A:クエン酸モノラウリルエステルのカリ
ウム塩 化合物B:クエン酸のパーフルオロオクチルエス
テルのナトリウム塩 化合物C:クエン酸の(POE)2ラウリルチオエー
テルエステルのアンモニウム塩 化合物D:グリセリンモノオレイルエステルのク
エン酸エステルカリウム塩 化合物E:グリセリンのモノラウリルチオプロピ
オン酸エステルのクエン酸エステルのトリエタ
ノールアミン塩
に合成繊維の製造工程並びに加工工程において、
繊維糸条に高度な平滑性と静電気防止能を付与す
る、新規な繊維処理用油剤に関するものである。 [従来技術] 従来より、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維
などの合成繊維、特にフイラメントの製造・加工
に当つては生産性向上のためにスピードアツプが
図られているが、糸条速度のスピードアツプとと
もに糸条と各種接触体(例えばガイド、ローラ
ー、ヒーターなど)との接圧の増大、熱処理温度
のアツプ等など、製糸条件にきびしい方向に向つ
ている。これに伴い、糸条と各種接触体間の摩擦
も極めて増大する結果、繊維糸条の損傷による毛
羽や断糸の発生及び接触体の摩耗による接触体の
寿命減少、及び摩擦静電気発生の増大による各種
の障害(ローラー捲付、断糸及び品質の低下)が
著しく、生産効率、品質低下あるいは接触体寿命
減少にともなう交換周期の短縮化等によるコスト
アツプが大きくなる傾向にある。 例えば仮撚捲縮加工糸の製造においては、従来
のスピンドル方式に代つて摩擦仮撚加工法が採用
されるに至り、仮撚加工速度が飛躍的にスピード
アツプがされてきた。そして摩擦仮撚加工方式で
さえ、諸機械設備の進歩からさらにスピードアツ
プされ、最近では600〜800m/分、更には1000
m/分を越えるほどの高速加工が行なわれるよう
になつている。それと同時にヒーター温度も、従
来の160〜190℃という範囲から200〜230℃ないし
250℃に上昇されてきた。しかも、高速化、高温
化の苛酷な条件下では、繊維糸条と糸導や張力を
制御規制するガイド類やコンペンセーター、ロー
ラー及び熱処理ヒーター等との摩擦が増大する結
果、繊維糸条が損傷して毛羽や断糸を誘発し、著
しく生産効率が低下することになる。 又他の例として、織物や編物の製造においても
高速化が進んでおり、筬や編針などと糸条の摩擦
増大によつて糸条の損傷、さらには筬編針などの
摩耗が非常に多くなつている。特に、酸化チタン
やカーボンブラツク等の硬質の無機物を比較的多
量に含有する糸条を用いる場合に、この傾向は顕
著になる。 一方、こうした高速化では摩擦が増大すること
によつて、繊維糸条と各種接触体間で摩擦静電気
の発生も著しく増大する。その結果、フイラメン
トの延伸および加工工程などにおいて、糸掛時や
走行時にローラー部分に単糸が巻付いたり、場合
によつては断糸したりして作業性がきわめて低下
する。このような現象は、特に熱処理を受けた場
合に顕著におこる。即ち、静電気の発生は一般に
低湿時になると急激に増大するため、仮撚加工時
のように高温で熱セツトを受けた糸は絶乾状態に
近く、静電気が非常に発生しやすい状況にある。
又、低張力下で糸が走行するような工程では、糸
が接触部からはずれたりして糸質そのものに斑が
生じ、品質の低下を招くこともしばしばある。 かかる問題点を防止するため、すなわち繊維糸
条の製造、加工条件の高速化、高温化に伴つて糸
条と各種接触体間との摩擦が増大する結果生じ
る、糸条の損傷、接触体の摩耗が誘起する生産効
率の低下、品質の低下などに基づくコストアツプ
の招来を防止するため、平滑性及び静電気防止性
能を付与し得る繊維処理用油剤として、本発明者
の一部は先にクエン酸と炭素数が8個以上の高級
脂肪酸とのエステル化合物の塩を含有する油剤
(特開昭58−36268号公報)を提案した。しかし、
工業的生産を目的とする場合には、長時間にわた
り、広い範囲での繊維の製造加工安定性が必要で
あり、この点において、前記油剤はなお不十分な
場合があつた。 [発明の目的] 本発明の目的は、高速化、高温化を中心とした
繊維加工条件の革新化に対応した繊維処理用油
剤、すなわち、更に高度な平滑性と静電気防止性
能を糸条に付与し得る油剤を提供することにあ
る。 [発明の構成] 本発明者等は、上記目的を達成せんと種々検討
した結果、一般に繊維処理用油剤は平滑剤、帯電
防止剤、乳化剤等より構成されているが、クエン
酸と高級アルコールとの反応物の塩は分子内に水
酸基を1つ有するクエン酸と高級脂肪酸との反応
物の塩と比べて上記油剤成分と相溶性に優れ、静
電気防止性能が向上するとともに加工工程でのス
カム発生が低減し、加工安定性が著しく向上する
ことを知つた。この知見をもとにさらに鋭意検討
した結果、上述の相溶性は分子内の水酸基に基づ
くものであり、水酸基を積極的に残した、クエン
酸と、高級アルキル基又はパーフルオロアルキル
基を含有するアルコール成分とからなるエステル
化合物を中和して得られる塩を含む油剤によつ
て、前記目的を達成できることを見い出し、本発
明に到達したものである。 すなわち本発明によれば、下記一般式()又
は()で示されるクエン酸モノエステルの塩
を、少なくとも一種含有することを特徴とする繊
維処理用油剤が提供される。 〔但しRはC8〜24の直鎖または分岐した、アルキ
ル基またはパーフルオロアルキル基、もしくは下
記一般式()で示される基、 R″−X−(A−O−)oA− ……() 〔但し、R″は、C8-24の直鎖または分岐した、ア
ルキル基またはパーフルオロアルキル基、Xは−
O−、−S−、−CON−(A−O−)nH−、−SO2N−(
A−O−)nH−(mは0〜7の整数)、Aはエチレ
ン基またはプロピレン基、nは0〜7の整数。〕 Mは、アルカリ金属、アンモニウム、アルキルア
ンモニウム、又はアルカノールアンモニウム。〕 〔但し、R′は、C8〜24の直鎖または分岐した、ア
ルキル基またはパーフルオロアルキル基、もしく
は下記一般式()で示される基、 R″−X−(A−O−)oB− ……() 〔但し、R″、X、A、nは前記と同じであり、
BはC1〜6のアルキレン基。〕 Mは前記と同じ。〕 本発明で用いられる一般式()で表わされる
クエン酸モノエステルの塩は、従来公知の方法で
合成することができ、例えばクエン酸と水酸基を
有する化合物(ROH、但しRは前記定義と同じ)
を反応させてエステルを形成させ、次いで中和し
て塩を形成させることにより容易に得ることがで
きる。 かかる水酸基化合物としては、炭素数8〜24個
の直鎖または分岐した脂肪族の1価アルコール
類、例えばオクチルアルコール、ラウリルアルコ
ール、オレイルアルコール、ステアリルアルコー
ルなどが用いられ、これらは天然の高級アルコー
ルであつても合成品であつてもよい。 また、前記水酸基を有する化合物の特殊なもの
としては、炭素数8〜24個の、脂肪族アルコー
ル、脂肪族メルカプタン、脂肪酸アミド、又は脂
肪酸スルホン酸アミドに、エチレンオキシド及
び/又はプロピレンオキシドを1〜8モル付加し
た化合物(末端基は水酸基)を用いてもよい。か
かる化合物の例としては、オクチルアルコール、
ラウリルアルコール、セチルアルコール、オレイ
ルアルコール、オクチルメルカプタン、セチルメ
ルカプタン、ラウリルメルカプタン、ステアリル
メルカプタンなどに、エチレンオキシド及び/又
はプロピレンオキシドを1〜8モル付加して得ら
れる、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル
など高級アルキル基含有の末端水酸基をもつ化合
物をあげることができる。 さらには、炭素数8〜24個の直鎖または分岐し
たパーフルオルアルキル基を有するパーフルオロ
アルキルアルコール、同じく炭素数8〜24個のパ
ーフルオロアルキルスルホン酸アミドのヒドロキ
シエチル化した化合物、及びこれら化合物にエチ
レンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付
加した、パーフルオロ基を含有する化合物であつ
てもよい。 一方、一般式()で示されるクエン酸モノエ
ステルの塩も従来公知のエステル化法によつて合
成される。すなわち、末端にカルボキシル基を有
する化合物とグリセリンを反応させてモノグリセ
ライドを形成せしめた後、該モノグリセライドと
クエン酸を反応させてクエン酸モノエステル(モ
ノグリセライドがアルコール成分となつている)
を形成させ、次いで中和して塩を形成することに
より容易に得ることができる。 かかる末端にカルボキシル基を有する化合物と
しては、炭素数8〜24個の高級脂肪酸類、例えば
オクタン酸、ラウリン酸、ミリスチレン酸、オレ
イン酸、ステアリン酸などが通常よく用いられ
る。又特殊なものとしては、炭素数8〜24個の、
高級アルコール又は高級アルキルメルカプタンな
どにモノクロル酢酸などを反応するか、同じく炭
素数8〜24個の高級アルキルハライドとヒドロキ
シ含有脂肪酸又はメルカプト基含有脂肪酸を反応
して得られるカルボン酸類、さらには炭素数8〜
24個のパーフルオロアルキルカルボン酸なども、
すべて用いることができる。 また、一般式()及び一般式()で示され
るMは、アルカリ金属からなりナトリウム、カリ
ウム、リチウムなど、特にカリウムが好適であ
る。さらに、前記クエン酸モノエステルをアンモ
ニアで中和した際のアンモニウム基、モノアルカ
ノールアミン類、ジアルカノールアミン類、トリ
アルカノールアミン類、例えばモノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミ
ン、ブタノールアミン類など低級のアルカノール
アミン類で中和した際のアルカノールアンモニウ
ム基、さらにはモノアルキルアミン、ジアルキル
アミン、トリアルキルアミンなどで中和した際の
アルキルアンモニウム基であつてもよい。 かかる化合物の具体例を下記に例示するが、本
発明を何等限定するものではない。 (1) クエン酸モノラウリルエステルのカリウム塩 (2) クエン酸モノイソステアリルエステルのカリ
ウム塩 (3) クエン酸パーフルオロオクチルエステルのナ
トリウム塩 (4) クエン酸の(POE−)2ラウリルチオエーラル
エステルのアンモニウム塩 (5) グリセリンモノオレイルエステルのクエン酸
エステルのトリエタノールアミン塩 (6) グリセリンモノパーフルオロオクタン酸エス
テルのクエン酸エステルカリウム塩 (7) グリセリンモノイソステアリン酸エステルの
クエン酸エステルナトリウム塩 (8) グリセリンのモノラウリルチオプロピオン酸
エステルのクエン酸エステルカリウム塩 (9) クエン酸の(POE)4オレイルエーテルエステ
ルのカリウム塩 (10) グリセリンのパーフルオロアルキルスルホン
アミドのカルボン酸エステルのクエン酸エステ
ルカリウム塩 本発明においては、上記化合物を従来の各種の
繊維用油剤に加えることによつて繊維に高度の平
滑性、静電気防止性能を付与する新しい油剤を得
んとするものである。例えば潤滑剤として鉱物
油、動物植物油、各種合成エステル潤滑剤、ポリ
アルキレングリコール系潤滑剤、合成シリコン潤
滑剤及びそれらの乳化剤からなる油剤系に適宜添
加することによつてその目的を達成できる。その
添加量は2%(重量)以上が有効であり、特に3
〜20%(重量)が好ましい。なお、これらの化合
物は、前述の如く分子内に積極的に水酸基を残す
ことによつて油剤組成の他成分との相溶性が向上
しているため、安定した静電防止効果が得られる
と同時に加工工程でのスカム発生が低減し、その
結果、繊維の製造、加工安定性が広範囲にわたり
長時間維持されるものと推定される。 本発明の油剤の使用に当つての付着方式として
は水系エマルジヨン、ストレート方式いずれでも
よく、その付着処理はその目的に応じて紡糸、延
伸などの製糸段階又は各種の加工工程段階などい
ずれの工程において行うことも可能である。即ち
紡糸油剤として使用した場合、紡糸、延伸工程に
おける毛羽、断糸は減少せしめ、さらに整経工
程、撚糸工程、製編機工程、仮撚加工工程におい
ても静電気障害およびガイドローラー編針等の摩
擦体の摩耗を防止する上に極めて有効である。な
お、油剤の付着量は上記のような工程によつて異
なるが、例えば仮撚加工用の場合0.2〜20重量%
(対繊維)の範囲内で選定するのが適当である。
このような本発明の油剤はいずれの合成繊維にも
有効であるが、特にポリエステル、ポリアミド等
のマルチフイラメントヤーンに対して特にすぐれ
た効果を発揮する。 以下実施例について述べるが、実施例中の摩擦
帯電圧、定摩耗性、作業性、加工性は次の方法で
評価した。 (1) 摩擦帯電圧(V) 試料糸を20℃相対湿度65%の雰囲気下でμメ
ーター(エイコー測器製)にて張力一定(20
g)のもとに100m/分の糸速でヒータープレ
ート温度210℃(ヒーター長60cm)上を走行さ
せ、その後金属摩擦体(表面温度150℃のホツ
トピン)に接触(接触角90゜)させ、摩擦体か
ら5cm後の位置でフイラント糸の摩擦帯電圧を
集電式電位測定器(春日電気製)を使用して測
定した。 (2) 耐摩耗性 試料糸を20℃相対湿度65%の雰囲気下、初張
力15g、接触角170゜のもと100m/分の糸速で
編針と接触走行させ、2時間後に編針表面を顕
微鏡観察した。判定は摩耗痕の有無により耐摩
耗性の良否を判定した。 (3) 加工安定性 加工中における毛羽の発生の大小ならびに断
糸率、捲縮性などから〇が良好、△がやや劣
る。×劣るの5段階で示した。 実施例 ポリエチレンテレフタレートを3300m/分の紡
糸速度で溶融紡糸するに際し、紡糸糸条に次表に
記載したような処理組成物を水系エマルジヨンで
エマルジヨン濃度10%(重量)として純分付着量
が0.3%(重量)になるように付着させた。得ら
れた115デニール/36フイラメントの未延伸糸を
延伸倍率1.5、延伸速度900m分、ヒータープレー
ト200℃で延伸し、得られた75デニール/36フイ
ラメントの延伸糸を20℃、相対湿度65%の雰囲気
下で一昼夜放置したものを試料とし、糸走行時の
摩擦帯電圧、金属摩擦体の摩耗性を評価した。 一方、115デニール/36フイラメントの未延伸
糸を直径45mmの円板をそなえたセラミツク製の外
接式摩擦仮撚装置を用いて延伸倍率1.5、ヒータ
ー温度220℃、摩擦円板回転数6250v.p.m、加工
速度700m/分で延伸しながら仮撚加工を行つた。
その結果も次表に併せて示した。尚、表中のA〜
Eは以下のものである。 化合物A:クエン酸モノラウリルエステルのカリ
ウム塩 化合物B:クエン酸のパーフルオロオクチルエス
テルのナトリウム塩 化合物C:クエン酸の(POE)2ラウリルチオエー
テルエステルのアンモニウム塩 化合物D:グリセリンモノオレイルエステルのク
エン酸エステルカリウム塩 化合物E:グリセリンのモノラウリルチオプロピ
オン酸エステルのクエン酸エステルのトリエタ
ノールアミン塩
【表】
表−1の結果をみてもわかるように本発明の化
合物を添加することにより、すぐれた性能を有す
ることがわかる。
合物を添加することにより、すぐれた性能を有す
ることがわかる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記一般式()または()で示されるク
エン酸モノエステルの塩を、少なくとも一種含有
することを特徴とする繊維処理用油剤。 〔但しRはC8〜24の直鎖または分岐した、アルキ
ル基またはパーフルオロアルキル基、もしくは下
記一般式()で示される基、 R″−X−(A−O−)oA− ……() 〔但し、R″は、C8-24の直鎖または分岐した、ア
ルキル基またはパーフルオロアルキル基、Xは−
O−、−S−、−CON−(A−O−)nH−、−SO2N−(
A−O−)nH−(mは0〜7の整数)、Aはエチレ
ン基またはプロピレン基、nは0〜7の整数。〕 Mは、アルカリ金属、アンモニウム、アルキルア
ンモニウム、又はアルカノールアンモニウム。〕 〔但し、R′は、C8〜24の直鎖または分岐した、ア
ルキル基またはパーフルオロアルキル基、もしく
は下記一般式()で示される基、 R″−X−(A−O−)oB− ……() 〔但し、R″、X、A、nは前記と同じであり、
BはC1〜6のアルキレン基。〕 Mは前記と同じ。〕
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2156584A JPS60167973A (ja) | 1984-02-10 | 1984-02-10 | 合成繊維処理用油剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2156584A JPS60167973A (ja) | 1984-02-10 | 1984-02-10 | 合成繊維処理用油剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60167973A JPS60167973A (ja) | 1985-08-31 |
| JPH0129906B2 true JPH0129906B2 (ja) | 1989-06-14 |
Family
ID=12058541
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2156584A Granted JPS60167973A (ja) | 1984-02-10 | 1984-02-10 | 合成繊維処理用油剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60167973A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6740198B2 (ja) * | 2017-09-29 | 2020-08-12 | 富士フイルム株式会社 | ポリアリレートフィルム及びその製造方法 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US3329640A (en) * | 1965-02-26 | 1967-07-04 | American Cyanamid Co | Vinyl acetate polymer emulsions containing ethoxylated monoalkyl sulfosuccinate as emulsifiers |
| JPS5023684A (ja) * | 1973-06-30 | 1975-03-13 | ||
| JPS5319496A (en) * | 1976-07-30 | 1978-02-22 | Sanyo Chemical Ind Ltd | Treating agent for making thermoplastic fiber |
| JPS5836268A (ja) * | 1981-08-24 | 1983-03-03 | 帝人株式会社 | 合成繊維処理用油剤 |
-
1984
- 1984-02-10 JP JP2156584A patent/JPS60167973A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60167973A (ja) | 1985-08-31 |
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