JPH0338333B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0338333B2 JPH0338333B2 JP1986985A JP1986985A JPH0338333B2 JP H0338333 B2 JPH0338333 B2 JP H0338333B2 JP 1986985 A JP1986985 A JP 1986985A JP 1986985 A JP1986985 A JP 1986985A JP H0338333 B2 JPH0338333 B2 JP H0338333B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel
- enamel
- pickling
- content
- value
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
<産業上の利用分野>
この発明は、少ない酸洗減量の前処理(酸洗)
で優れたホーロー密着性と耐ツマトビ性が確保で
き、しかも良好な成形性をも備えた1回掛けホー
ロー用鋼板に関するものである。 近年、鋼板に表面釉薬(ガラス状エナメル)を
焼付けてガラス質の塗膜を形成したホーロー鋼板
は、家庭用品に止まらず、建築用品や各種工業用
品等に至るまで幅広い用途を占めるようになつて
きた。 このようなホーロー鋼板の製造には、素材鋼板
に密着性の良好な下塗りを施してから美麗な外観
を呈する上塗りを行うと言う“2回掛け法”の採
用が普通に行われていたが、最近、密着性を高め
るために素材鋼板の前処理(酸洗)を十分に行
い、これに密着性と美麗さとを兼ね備えた釉薬を
直接焼付けると言う、工程短縮を狙つた“1回掛
け法”の普及が目立つている。 <従来技術並びにその問題点> ところで、従来、“2回掛け法”によつて製造
されるホーロー鋼板の素材には、鋼中のP含有量
を高めて酸洗処理能を向上したリムド鋼冷延鋼板
に成形性改善のための脱炭焼鈍を施したものが使
用されてきたが、次第に普及の度合を高めてきた
前記“1回掛け法”においても格別な新素材の使
用はなされておらず、“2回掛け法”におけると
同様の鋼板が適用されていた。 しかしながら、上記“2回掛け法”に使用され
る素材鋼板をそのまま適用した“1回掛け法”に
は、 (a) 素材鋼板とホーロー層の密着不良や、ホーロ
ーの表面疵である“ツマトビ”げ発生しやす
く、満足できるホーロー製品を得られないこと
が多い、 (b) 素材鋼板とホーロー層の密着性向上のため前
処理時に鋼板の酸洗減量を増す処置を取るのが
普通であるが、そのため多量のスラツジ(硫酸
鉄)が生じて廃棄物処理に困難を来たす、 (c) ホーロー密着性の満足できる製品が得られた
としても、素材鋼板がプレス成形性に劣り、成
形不具合を起すことが多い、 との問題点が指摘されていたのである。 <問題点を解決するための手段> 本発明者等は、上述のような観点から、廃棄物
処理や作業性に支障を来たす程度に過度の酸洗を
要することなく、ホーロー密着性と製品表面性状
が良好で、かつ様々な形状のホーロー鋼板製品を
“1回掛け法”で簡単・容易に製造すべく、特に
素材鋼板の特性改善に着目して研究を行つた結
果、以下〜に示す如き知見が得られたのであ
る。即ち、 溶鋼脱ガス処理等の製鋼脱炭によつて得られ
た低炭素鋼を使用し、そのC、Mn、P、S及
びN含有量を総合的に調整して製造した鋼板を
ホーロー鋼板素材に適用すると、冷延後の脱炭
焼鈍を要することなく優れたプレス成形性を示
し、各種形状のホーロー製品が容易に得られる
こと、 このような素材鋼板は、酸洗減量が20〜60
g/m2と言う比較的低い値の前処理(酸洗)を
施した場合であつて、しかも均一酸洗表面が得
られたときに、極めて良好なホーロー密着性並
びに耐ツマトビ性を示すこと。 第1図は、各種の低炭素鋼板(後述する本発
明成分組成の鋼板)について、酸洗処理によつ
て均一表面が得られた場合の「酸減値(酸洗減
量値)」と「PEI密着性(ホーロー密着性)」と
の関係を調査して得た結果を示すものである
が、該第1図からも、酸洗減量:20〜60g/m2
にて均一酸洗表面を得た場合にのみ、優れたホ
ーロー密着性が安定して得られることがわか
る。 前記素材鋼板の酸洗減量並びに耐ツマトビ性
はP、S、Cu及びO含有量に影響されるもの
であり、特に均一表面の得られる酸洗減量値
は、「Cu(%)/P(%)」の比、及び「P
(%)/S(%)」の比の両者に強く左右される
ものであつて、前記比をそれぞれ特定値に調整
することで前処理(酸洗)時における適正な低
い酸洗減量値が安定して確保され、“1回掛け
法”の場合でも良好なホーロー密着性と耐ツマ
トビ性を示すようになること、 素材鋼板中のO含有量を低くしすぎると“ツ
マトビ”の発生が顕著になり、耐ツマトビ性向
上のためには特定量以上のO含有量を確保する
必要があること、 即ち、溶鋼脱ガス処理等の製鋼脱炭によつて
得られた低炭素鋼を使用し、そのP、S、Cu
及びO含有量を総合調整するとともに、特に
「Cu(%)/P(%)」値並びに「P(%)/S
(%)」値をそれぞれ特定範囲に調整して製造さ
れた鋼板をホーロー鋼板素材にすると、“1回
掛け法”を適用したとしても良好なホーロー密
着性と耐ツマトビ性が確保でき、その上、該鋼
板中のC、Mn、P、S及びN含有量の総合調
整によつて、冷延後の脱炭焼鈍を要しなくても
優れた成形性を示すようになること。 この発明は、上記知見に基づいてなされたもの
であつて、 1回掛けホーロー用鋼板を C:0.010%以下(以降、成分割合を表わす%は
重量%とする)、 Mn:0.20〜0.50%、 P:0.005〜0.025%、 S:0.005〜0.025%、 Cu:0.025〜0.045%、 O:0.020〜0.050%、 N:0.0040%以下 を含むとともに、CuとPとの含有比率、並びに
PとSとの含有比率が、それぞれ、 Cu(%)/P(%)=1.0〜4.0、 (%)/S(%)=0.5〜3.0 であり、 Fe及びその他の不可避的不純物:残り なる成分組成とすることによつて、少ない酸洗減
量の前処理(酸洗)下においても十分なホーロー
密着性と耐ツマトビ性を発揮し、また脱炭焼鈍を
施すことなく良好な成形性を示すようにした点、
に特徴を有するものである。 次に、この発明の鋼板において各化学成分の含
有割合を前記の如くに数値限定した理由を説明す
る。 (a) C C成分には鋼板の強度を向上する作用がある
が、その含有量が0.010%を越えると鋼の鋳造
性や鋼板のプレス成形性を害するばかりか、ホ
ーローの“アワ現象”や“変形”を来たす恐れ
がでることから、C含有量は0.010%以下と定
めた。 (b) Mn Mn成分には、熱間圧延時の鋼の赤熱脆化に
よる表面疵を防止する作用があるが、その含有
量が0.20%未満では前記作用に所望の効果が得
られず、他方0.05%を越えて含有させるとプレ
ス成形性の劣化を招くことから、Mn含有量は
0.20〜0.50%と定めた。 (c) P P成分には、ホーロー掛け前処理の際の酸洗
減量値を大きくする作用があるが、その含有量
が0.005%未満では酸洗減量が少なすぎてホー
ローの密着不良を引き起こし、他方0.025%を
越えて含有させると、酸洗過多となつて均一微
細凹凸酸洗面が得られないことからやはりホー
ローの密着不良を招く上、硬質化によると鋼板
の成形性不良を生じる恐れがあることから、P
含有量は0.005〜0.025%と定めた。 (d) S S成分には、鋼板酸洗時における均一微細凹
凸を有する酸洗表面を確保する作用があるが、
その含有量が0.005%未満では結晶粒内での均
一な酸減が起こらなくなり、他方、0.025%を
越えて含有させると、非金属介在物過多による
酸洗時の“フクレ”やプレス成形性不良を招く
ようになることから、S含有量は0.005〜0.025
%と定めた。 (e) Cu Cu成分には、鋼板酸洗時において、Pとの
相互作用によつて微細凹凸を酸洗後の鋼板面に
生じさせる作用があるが、その含有量が0.025
%未満では酸減が異常に多くなるとともに結晶
粒内での均一な酸減が起こらなくなり、他方、
0.045%を越えて含有させると酸減過少となつ
てホーローの密着不良を招くことから、Cu含
有量は0.025〜0.045%と定めた。 (f) O O成分には、鋼中水素に起因する“ツマト
ビ”発生を抑制する作用があるが、その含有量
が0.020%未満では鋼中介在物が少なくなるこ
とによつて“ツマトビ”が発生しやすくなり、
他方0.050%を越えて含有させると介在物過多
や鋳造困難を招くようになることから、O含有
量は0.020〜0.050%と定めた。 (g) N Nは鋼中へ不可避的に混入する不純物元素で
あるが、その含有量が0.0040%を越えると“時
効性”に起因する成形不良が発生することか
ら、N含有量は0.0040%以下と定めた。 (h) 「Cu(%)/P(%)」の値 「Cu(%)/P(%)」の値が1.0未満であると
酸減が異常に多くなるとともに結晶粒内での均
一な微細凹凸面を実現する酸減が起こらなくな
り、一方、その値が4.0を越えた場合には酸減
過少となつて、いずれにしてもホーローの密着
不良を引き起すことから、「Cu(%)/P(%)」
の値を1.0〜4.0と定めた。 第2図は、本発明成分組成の低炭素鋼板の
Cu含有量を幅広く変化させることで「Cu
(%)/P(%)」を種々に変えたものについて、
「Cu(%)/P(%)」の値と「酸減値」との関
係を示したグラフであるが、第2図からも、
「Cu(%)/P(%)」の値が1.0〜4.0の範囲内で
あるときに好適な酸減値:20〜60g/m2を達成
できることがわかる。 (i) 「P(%)/S(%)」の値 「P(%)/S(%)」の値が0.5未満であると
酸減が少なくて適当な表面状況が得られず、一
方、その値が3.0を越えた場合には酸減過多に
よつて均一微細凹凸表面を得ることができず、
いずれにしてもホーローの密着不良を引き起す
ことから、「P(%)/S(%)」の値を0.5〜3.0
と定めた。 第3図は、本発明成分組成の低炭素鋼板のP
及びS含有量を幅広く変化させることで「P
(%)/S(%)」を種々に変えたものについて、
「P(%)/S(%)」の値と「酸減値」との関係
を示したグラフであるが、第3図からも、「P
(%)/S(%)」の値が0.5〜3.0の範囲内であ
るときに好適な酸減値:20〜60g/m2を達成で
きることがわかる。 つまり、上述のように「Cu(%)/P(%)」
及び「P(%)/S(%)」の双方を同時にコン
トロールすることはこの発明において極めて重
要であり、均一な微細凹凸表面を得るためには
不可欠な条件である。 以上に説明したこの発明の鋼板は、転炉からの
溶綱をRH法又はDH法等により脱ガスして成分
調整し、そのまま連続鋳造したスラブを直接熱間
圧延するか、又は前記スラブを一旦冷却してから
更に再加熱して熱間圧延し、冷間圧延、連続焼鈍
及び調質圧延を施すことによつて容易に製造する
ことが可能である。 なお、鋳造法としては、上記のように連続鋳造
法の適用が強く推奨されるが、これは、従来のイ
ンゴツト・リムド鋼では、リム層とコア層とでそ
の鋼質が異なつて、例えばリムとコアとの境界の
介在物による“ふくれ”の発生を招いたり、分塊
圧延等により全厚リム層となつた場合には、ホー
ロー密着性や耐ツマトビ性に劣ることとなりがち
であり、また、レードル中で前記「P(%)/S
(%)」や「Cu(%)/P(%)」の値を制御したと
しても、リミングアクシヨンの影響で実際リム層
の成分が異なることとなる上、鋼中の含有Cの弊
害を取り除くため、冷間圧延の後にオープンコイ
ル法等を用いた脱炭焼鈍が必須条件となりがちだ
からである。そして、連続鋳造法を採用すること
により、製品コイル内の均一性確保はもちろん、
脱炭焼鈍なしに連続焼鈍のみで所望特性を確実に
実現することが可能となる。 ところで、前記「連続焼鈍」に代えてバツチ式
の「タイト焼鈍」、「脱炭焼鈍」又は「脱炭・脱窒
焼鈍」を実施して良いことはもちろんである。 次いで、この発明を実施例により比較例と対比
しながら説明する。 <実施例> まず、第1表に示される化学成分組成の鋼A〜
で優れたホーロー密着性と耐ツマトビ性が確保で
き、しかも良好な成形性をも備えた1回掛けホー
ロー用鋼板に関するものである。 近年、鋼板に表面釉薬(ガラス状エナメル)を
焼付けてガラス質の塗膜を形成したホーロー鋼板
は、家庭用品に止まらず、建築用品や各種工業用
品等に至るまで幅広い用途を占めるようになつて
きた。 このようなホーロー鋼板の製造には、素材鋼板
に密着性の良好な下塗りを施してから美麗な外観
を呈する上塗りを行うと言う“2回掛け法”の採
用が普通に行われていたが、最近、密着性を高め
るために素材鋼板の前処理(酸洗)を十分に行
い、これに密着性と美麗さとを兼ね備えた釉薬を
直接焼付けると言う、工程短縮を狙つた“1回掛
け法”の普及が目立つている。 <従来技術並びにその問題点> ところで、従来、“2回掛け法”によつて製造
されるホーロー鋼板の素材には、鋼中のP含有量
を高めて酸洗処理能を向上したリムド鋼冷延鋼板
に成形性改善のための脱炭焼鈍を施したものが使
用されてきたが、次第に普及の度合を高めてきた
前記“1回掛け法”においても格別な新素材の使
用はなされておらず、“2回掛け法”におけると
同様の鋼板が適用されていた。 しかしながら、上記“2回掛け法”に使用され
る素材鋼板をそのまま適用した“1回掛け法”に
は、 (a) 素材鋼板とホーロー層の密着不良や、ホーロ
ーの表面疵である“ツマトビ”げ発生しやす
く、満足できるホーロー製品を得られないこと
が多い、 (b) 素材鋼板とホーロー層の密着性向上のため前
処理時に鋼板の酸洗減量を増す処置を取るのが
普通であるが、そのため多量のスラツジ(硫酸
鉄)が生じて廃棄物処理に困難を来たす、 (c) ホーロー密着性の満足できる製品が得られた
としても、素材鋼板がプレス成形性に劣り、成
形不具合を起すことが多い、 との問題点が指摘されていたのである。 <問題点を解決するための手段> 本発明者等は、上述のような観点から、廃棄物
処理や作業性に支障を来たす程度に過度の酸洗を
要することなく、ホーロー密着性と製品表面性状
が良好で、かつ様々な形状のホーロー鋼板製品を
“1回掛け法”で簡単・容易に製造すべく、特に
素材鋼板の特性改善に着目して研究を行つた結
果、以下〜に示す如き知見が得られたのであ
る。即ち、 溶鋼脱ガス処理等の製鋼脱炭によつて得られ
た低炭素鋼を使用し、そのC、Mn、P、S及
びN含有量を総合的に調整して製造した鋼板を
ホーロー鋼板素材に適用すると、冷延後の脱炭
焼鈍を要することなく優れたプレス成形性を示
し、各種形状のホーロー製品が容易に得られる
こと、 このような素材鋼板は、酸洗減量が20〜60
g/m2と言う比較的低い値の前処理(酸洗)を
施した場合であつて、しかも均一酸洗表面が得
られたときに、極めて良好なホーロー密着性並
びに耐ツマトビ性を示すこと。 第1図は、各種の低炭素鋼板(後述する本発
明成分組成の鋼板)について、酸洗処理によつ
て均一表面が得られた場合の「酸減値(酸洗減
量値)」と「PEI密着性(ホーロー密着性)」と
の関係を調査して得た結果を示すものである
が、該第1図からも、酸洗減量:20〜60g/m2
にて均一酸洗表面を得た場合にのみ、優れたホ
ーロー密着性が安定して得られることがわか
る。 前記素材鋼板の酸洗減量並びに耐ツマトビ性
はP、S、Cu及びO含有量に影響されるもの
であり、特に均一表面の得られる酸洗減量値
は、「Cu(%)/P(%)」の比、及び「P
(%)/S(%)」の比の両者に強く左右される
ものであつて、前記比をそれぞれ特定値に調整
することで前処理(酸洗)時における適正な低
い酸洗減量値が安定して確保され、“1回掛け
法”の場合でも良好なホーロー密着性と耐ツマ
トビ性を示すようになること、 素材鋼板中のO含有量を低くしすぎると“ツ
マトビ”の発生が顕著になり、耐ツマトビ性向
上のためには特定量以上のO含有量を確保する
必要があること、 即ち、溶鋼脱ガス処理等の製鋼脱炭によつて
得られた低炭素鋼を使用し、そのP、S、Cu
及びO含有量を総合調整するとともに、特に
「Cu(%)/P(%)」値並びに「P(%)/S
(%)」値をそれぞれ特定範囲に調整して製造さ
れた鋼板をホーロー鋼板素材にすると、“1回
掛け法”を適用したとしても良好なホーロー密
着性と耐ツマトビ性が確保でき、その上、該鋼
板中のC、Mn、P、S及びN含有量の総合調
整によつて、冷延後の脱炭焼鈍を要しなくても
優れた成形性を示すようになること。 この発明は、上記知見に基づいてなされたもの
であつて、 1回掛けホーロー用鋼板を C:0.010%以下(以降、成分割合を表わす%は
重量%とする)、 Mn:0.20〜0.50%、 P:0.005〜0.025%、 S:0.005〜0.025%、 Cu:0.025〜0.045%、 O:0.020〜0.050%、 N:0.0040%以下 を含むとともに、CuとPとの含有比率、並びに
PとSとの含有比率が、それぞれ、 Cu(%)/P(%)=1.0〜4.0、 (%)/S(%)=0.5〜3.0 であり、 Fe及びその他の不可避的不純物:残り なる成分組成とすることによつて、少ない酸洗減
量の前処理(酸洗)下においても十分なホーロー
密着性と耐ツマトビ性を発揮し、また脱炭焼鈍を
施すことなく良好な成形性を示すようにした点、
に特徴を有するものである。 次に、この発明の鋼板において各化学成分の含
有割合を前記の如くに数値限定した理由を説明す
る。 (a) C C成分には鋼板の強度を向上する作用がある
が、その含有量が0.010%を越えると鋼の鋳造
性や鋼板のプレス成形性を害するばかりか、ホ
ーローの“アワ現象”や“変形”を来たす恐れ
がでることから、C含有量は0.010%以下と定
めた。 (b) Mn Mn成分には、熱間圧延時の鋼の赤熱脆化に
よる表面疵を防止する作用があるが、その含有
量が0.20%未満では前記作用に所望の効果が得
られず、他方0.05%を越えて含有させるとプレ
ス成形性の劣化を招くことから、Mn含有量は
0.20〜0.50%と定めた。 (c) P P成分には、ホーロー掛け前処理の際の酸洗
減量値を大きくする作用があるが、その含有量
が0.005%未満では酸洗減量が少なすぎてホー
ローの密着不良を引き起こし、他方0.025%を
越えて含有させると、酸洗過多となつて均一微
細凹凸酸洗面が得られないことからやはりホー
ローの密着不良を招く上、硬質化によると鋼板
の成形性不良を生じる恐れがあることから、P
含有量は0.005〜0.025%と定めた。 (d) S S成分には、鋼板酸洗時における均一微細凹
凸を有する酸洗表面を確保する作用があるが、
その含有量が0.005%未満では結晶粒内での均
一な酸減が起こらなくなり、他方、0.025%を
越えて含有させると、非金属介在物過多による
酸洗時の“フクレ”やプレス成形性不良を招く
ようになることから、S含有量は0.005〜0.025
%と定めた。 (e) Cu Cu成分には、鋼板酸洗時において、Pとの
相互作用によつて微細凹凸を酸洗後の鋼板面に
生じさせる作用があるが、その含有量が0.025
%未満では酸減が異常に多くなるとともに結晶
粒内での均一な酸減が起こらなくなり、他方、
0.045%を越えて含有させると酸減過少となつ
てホーローの密着不良を招くことから、Cu含
有量は0.025〜0.045%と定めた。 (f) O O成分には、鋼中水素に起因する“ツマト
ビ”発生を抑制する作用があるが、その含有量
が0.020%未満では鋼中介在物が少なくなるこ
とによつて“ツマトビ”が発生しやすくなり、
他方0.050%を越えて含有させると介在物過多
や鋳造困難を招くようになることから、O含有
量は0.020〜0.050%と定めた。 (g) N Nは鋼中へ不可避的に混入する不純物元素で
あるが、その含有量が0.0040%を越えると“時
効性”に起因する成形不良が発生することか
ら、N含有量は0.0040%以下と定めた。 (h) 「Cu(%)/P(%)」の値 「Cu(%)/P(%)」の値が1.0未満であると
酸減が異常に多くなるとともに結晶粒内での均
一な微細凹凸面を実現する酸減が起こらなくな
り、一方、その値が4.0を越えた場合には酸減
過少となつて、いずれにしてもホーローの密着
不良を引き起すことから、「Cu(%)/P(%)」
の値を1.0〜4.0と定めた。 第2図は、本発明成分組成の低炭素鋼板の
Cu含有量を幅広く変化させることで「Cu
(%)/P(%)」を種々に変えたものについて、
「Cu(%)/P(%)」の値と「酸減値」との関
係を示したグラフであるが、第2図からも、
「Cu(%)/P(%)」の値が1.0〜4.0の範囲内で
あるときに好適な酸減値:20〜60g/m2を達成
できることがわかる。 (i) 「P(%)/S(%)」の値 「P(%)/S(%)」の値が0.5未満であると
酸減が少なくて適当な表面状況が得られず、一
方、その値が3.0を越えた場合には酸減過多に
よつて均一微細凹凸表面を得ることができず、
いずれにしてもホーローの密着不良を引き起す
ことから、「P(%)/S(%)」の値を0.5〜3.0
と定めた。 第3図は、本発明成分組成の低炭素鋼板のP
及びS含有量を幅広く変化させることで「P
(%)/S(%)」を種々に変えたものについて、
「P(%)/S(%)」の値と「酸減値」との関係
を示したグラフであるが、第3図からも、「P
(%)/S(%)」の値が0.5〜3.0の範囲内であ
るときに好適な酸減値:20〜60g/m2を達成で
きることがわかる。 つまり、上述のように「Cu(%)/P(%)」
及び「P(%)/S(%)」の双方を同時にコン
トロールすることはこの発明において極めて重
要であり、均一な微細凹凸表面を得るためには
不可欠な条件である。 以上に説明したこの発明の鋼板は、転炉からの
溶綱をRH法又はDH法等により脱ガスして成分
調整し、そのまま連続鋳造したスラブを直接熱間
圧延するか、又は前記スラブを一旦冷却してから
更に再加熱して熱間圧延し、冷間圧延、連続焼鈍
及び調質圧延を施すことによつて容易に製造する
ことが可能である。 なお、鋳造法としては、上記のように連続鋳造
法の適用が強く推奨されるが、これは、従来のイ
ンゴツト・リムド鋼では、リム層とコア層とでそ
の鋼質が異なつて、例えばリムとコアとの境界の
介在物による“ふくれ”の発生を招いたり、分塊
圧延等により全厚リム層となつた場合には、ホー
ロー密着性や耐ツマトビ性に劣ることとなりがち
であり、また、レードル中で前記「P(%)/S
(%)」や「Cu(%)/P(%)」の値を制御したと
しても、リミングアクシヨンの影響で実際リム層
の成分が異なることとなる上、鋼中の含有Cの弊
害を取り除くため、冷間圧延の後にオープンコイ
ル法等を用いた脱炭焼鈍が必須条件となりがちだ
からである。そして、連続鋳造法を採用すること
により、製品コイル内の均一性確保はもちろん、
脱炭焼鈍なしに連続焼鈍のみで所望特性を確実に
実現することが可能となる。 ところで、前記「連続焼鈍」に代えてバツチ式
の「タイト焼鈍」、「脱炭焼鈍」又は「脱炭・脱窒
焼鈍」を実施して良いことはもちろんである。 次いで、この発明を実施例により比較例と対比
しながら説明する。 <実施例> まず、第1表に示される化学成分組成の鋼A〜
【表】
(注) *印は本発明の条件から外れていることを示す
。
。
【表】
フリツト組成:チタン乳白フリツト#1553B{商
品名(日本フエロー)}、 施釉: スプレー(30g/300mm×300mm)、 焼成温度:820℃、 焼成時間:2.5min。 以上の如くに実施した調査結果を第2表に併せ
て示した。 第2表に示される結果からも、本発明の鋼鈑を
使用することにより、“1回掛け法”によつても
十分に満足できる特性を備えたホーロー用鋼鈑が
得られることが明らかである。 <総括的な効果> 上述のように、この発明によれば、成形性が良
好で、かつ効率の良い軽度の酸洗処理を施すのみ
で優れたホーロー密着性と表面性状とを有する1
回掛けホーロー用鋼鈑が得られ、ホーロー仕上げ
製品の品質向上や適用分野拡大が一層推進される
など、産業上有用な効果がもたらされるのであ
る。
品名(日本フエロー)}、 施釉: スプレー(30g/300mm×300mm)、 焼成温度:820℃、 焼成時間:2.5min。 以上の如くに実施した調査結果を第2表に併せ
て示した。 第2表に示される結果からも、本発明の鋼鈑を
使用することにより、“1回掛け法”によつても
十分に満足できる特性を備えたホーロー用鋼鈑が
得られることが明らかである。 <総括的な効果> 上述のように、この発明によれば、成形性が良
好で、かつ効率の良い軽度の酸洗処理を施すのみ
で優れたホーロー密着性と表面性状とを有する1
回掛けホーロー用鋼鈑が得られ、ホーロー仕上げ
製品の品質向上や適用分野拡大が一層推進される
など、産業上有用な効果がもたらされるのであ
る。
第1図は、鋼鈑酸洗時の酸減値とホーロー密着
性との関係を示したグラフ、第2図は、鋼鈑の
〔Cu(%)/P(%)〕の値と酸減値との関係を示
したグラフ、第3図は、鋼鈑の〔P(%)/S
(%)〕の値と酸減値との関係を示したグラフであ
る。
性との関係を示したグラフ、第2図は、鋼鈑の
〔Cu(%)/P(%)〕の値と酸減値との関係を示
したグラフ、第3図は、鋼鈑の〔P(%)/S
(%)〕の値と酸減値との関係を示したグラフであ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量割合にて C:0.01%以下、 Mn:0.20〜0.50%、 P:0.005〜0.025%、 S:0.005〜0.025%、 Cu:0.025〜0.045%、 O:0.020〜0.050%、 N:0.0040%以下 を含むとともに、CuとPとの含有比率、並びに
PとSとの含有比率が、それぞれ、 Cu(%)/P(%)=1.0〜4.0、 P(%)/S(%)=0.5〜3.0 であり、 Fe及びその他の不可避的不純物:残り なる成分組成を有して成ることを特徴とする1回
掛けホーロー用鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1986985A JPS61179852A (ja) | 1985-02-06 | 1985-02-06 | 1回掛けホーロー用鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1986985A JPS61179852A (ja) | 1985-02-06 | 1985-02-06 | 1回掛けホーロー用鋼板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61179852A JPS61179852A (ja) | 1986-08-12 |
| JPH0338333B2 true JPH0338333B2 (ja) | 1991-06-10 |
Family
ID=12011222
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1986985A Granted JPS61179852A (ja) | 1985-02-06 | 1985-02-06 | 1回掛けホーロー用鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61179852A (ja) |
-
1985
- 1985-02-06 JP JP1986985A patent/JPS61179852A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61179852A (ja) | 1986-08-12 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US3932236A (en) | Method for producing a super low watt loss grain oriented electrical steel sheet | |
| EP0101740B2 (en) | Process for manufacturing cold-rolled steel having excellent press moldability | |
| US3239390A (en) | Method of producing non-ageing special low carbon iron sheets | |
| JP3797063B2 (ja) | 耐爪飛び性、密着性、加工性が優れたほうろう用鋼板とその製造方法 | |
| JPH0559969B2 (ja) | ||
| JPH0338333B2 (ja) | ||
| JPH0559968B2 (ja) | ||
| JP4023123B2 (ja) | ほうろう用鋼板とその製造方法 | |
| JPS61288056A (ja) | 深絞り用アルミニウム合金板の製造方法 | |
| JPH0459984B2 (ja) | ||
| GB2066290A (en) | Processes for producing high strength cold rolled steel sheets | |
| WO1991001390A1 (en) | Method of manufacturing enameling steel sheet excellent in adhesiveness | |
| JPS60110845A (ja) | ほうろう用冷延鋼板およびその製造方法 | |
| JPH0335364B2 (ja) | ||
| JPH049850B2 (ja) | ||
| JPH01180916A (ja) | 密着性および耐泡性の優れたほうろう用鋼板の製造方法 | |
| JPH06322445A (ja) | 連続焼鈍によるほうろう用冷延鋼板の製造方法 | |
| JPH0762211B2 (ja) | 深絞り性の極めて優れたほうろう用鋼板 | |
| JP2980488B2 (ja) | 低イヤリング容器用鋼板の製造方法 | |
| JPS59123720A (ja) | 深絞り用冷延鋼板の製造方法 | |
| JPH05202420A (ja) | ほうろう用冷延鋼板の製造方法 | |
| JPS5848015B2 (ja) | 連続焼鈍によるホ−ロ−用鋼板の製造方法 | |
| JPH0565600A (ja) | ほうろう用フエライト系ステンレス鋼およびほうろう前処理法 | |
| JPH0653914B2 (ja) | ほうろう用鋼板及びその製造方法 | |
| JPH0633187A (ja) | ほうろう焼成後高強度化するほうろう用冷延鋼板およびその製造方法 |