JPH0535087B2 - - Google Patents

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JPH0535087B2
JPH0535087B2 JP60139146A JP13914685A JPH0535087B2 JP H0535087 B2 JPH0535087 B2 JP H0535087B2 JP 60139146 A JP60139146 A JP 60139146A JP 13914685 A JP13914685 A JP 13914685A JP H0535087 B2 JPH0535087 B2 JP H0535087B2
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acid
silica
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、高純度シリカの製造方法に関する。
詳しくは、アルカリけい酸塩水溶液から、アルカ
リ金属や塩素のほか、ウランなど放射性を有する
不純物の含有率が極めて少なく、且つ、低吸湿性
で比表面積の小さい高純度シリカを製造する方法
に関する。 本発明の方法により得られる高純度シリカは、
充填剤・分散剤などの用途、透明石英ガラス、特
殊セラミツクスなどの原料としての用途のほか、
特に電子部品封止用樹脂組成物の充填剤として好
適に用いられることが期待される。 電子部品の封止材料としては、シリカなど無機
質充填剤を含む合成樹脂組成物が用いられている
が、無機質充填剤は、膨張係数、熱伝導性、透湿
性、機械的特性などの諸物性およびコストの面か
ら成形性の許す限り多量に配合することが有利と
され、シリカ系充填剤が最も好ましいとされてい
る。しかし、電子部品素子の高集積化に伴つて、
素子の誤作動の問題が生じており、これは使用す
る封止材料、特にシリカ系充填剤中に数十〜数百
ppb単位で含まれている微量のウラン、トリウム
などの放射性元素から放出されるα線に起因する
とされていて、シリカ中のこのような不純物の含
有率を更に低減させることが望まれている。 本発明は、このような要望に対応することを目
的とするものである。 〔従来の技術〕 高純度シリカの製法としては; (1) 蒸留・吸着・液相抽出等により精製した四塩
化けい素を酸水素炎下で反応させる方法が知ら
れている。また; (2) けい酸アルカリ水溶液を原料として高純度シ
リカを製造する方法として、けい酸アルカリ水
溶液をイオン交換樹脂で処理することによつて
精製する方法(特開昭60−42217号,特開昭60
−42218号など)が提案されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 これらの方法により純度の高いシリカを製造す
ることができるが、(1)の方法の場合、得られるシ
リカ粒子の平均粒径がmμオーダーの微粒子で比
表面積が大きく、電子部品封止用樹脂組成物への
充填剤としては利用し難い。 また、(2)の方法では、いづれもけい酸アルカリ
水溶液のSiO2濃度を約10重量%以下に希釈して
精製処理操作を行うので装置効率上の点で、また
シリカゾルからシリカを沈澱析出させ母液から分
離回収する操作条件が複雑であるので生産性の点
で難がある。更に、湿式法であるため、得られる
シリカは、その表面に多数のシラノール基が存在
することから吸湿性を有するという難点がある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、従来の方法における、このよう
な問題点を改善し、アルカリけい酸塩水溶液を原
料として不純物の含有量が極めて少なく、且つ、
低吸湿性で比表面積の小さい高純度シリカを効率
良く、しかも経済的に製造するべく鋭意研究し、
アルカリけい酸塩水溶液を凝固浴中で微細な繊維
状ゲルとし、得られた繊維状ゲルを酸を含む液、
次いで水で処理して不純物を抽出除去し、得られ
たシリカを1000℃以上の温度で加熱処理すること
によつて不純物の含有量が極めて少なく、且つ、
低吸湿性で比表面積の小さい高純度シリカを得る
ことができることを見出し本発明を完成した。 本発明は、粘度が2〜500ポイズの範囲である
アルカリけい酸塩水溶液(アルカリけい酸塩は、
一般式:M2O・nSiO2<ただし、Mはアルカリ金
属元素、nはSiO2のモル数で、0.5〜5を示す>
で表される)を、材質が貴金属類製、貴金属合金
類製もしくは四弗化エチレン系樹脂製のもの、ま
たはそのノズル面を貴金属類もしくは四弗化エチ
レン系樹脂で被覆したもののいずれかであり、孔
径が1mm以下である紡糸ノズルから直接、水溶性
有機媒体中に押し出して微細な繊維状ゲルとし、
得られた繊維状ゲルを処理の最初の段階で酸濃度
が30容量%以下である酸を含む液で処理した後、
次いで水洗して不純物を抽出除去し、得られたシ
リカを1000℃以上の温度で加熱処理することを特
徴とする高純度シリカの製造方法を要旨とする。 以下、本発明について説明する。本発明の実施
態様は、次の3工程から構成される。 ●工程−1:(繊維化工程) アルカリけい酸塩水溶液から曳糸性を有する高
粘性液(以下、原液という)を調製し、この原液
を繊維化装置を用いて凝固浴中で凝固させ微細な
繊維状ゲルとする。 ●工程−2:(不純物抽出工程) 得られた繊維状ゲルを、酸を含む液(以下、処
理液という)、次いで水で処理して不純物を抽出
し除去する。 ●工程−3:(加熱処理工程) 得られた繊維状シリカを、1000℃以上の温度で
加熱処理する。 本発明の特徴は; (1) アルカリけい酸塩水溶液を、紡糸ノズル(以
下、ノズルという)を備えた繊維化装置を用い
て凝固浴中で凝固させ微細な繊維状ゲルとす
る。 繊維化に際しては、1mm以下の孔径を有するノ
ズルを用いるのがよい。 得られる繊維状ゲルは微細径で高表面積を有
するので不純物の抽出効率が高まる。 (2) アルカリけい酸塩水溶液を微細な繊維状ゲル
とするに際して、アルカリけい酸塩水溶液を水
溶性有機媒体中で凝固させる。 アルカリけい酸塩水溶液の粘度は2〜500ポ
イズの範囲とするのがよい。 前記の特徴(1)および(2)を組み合わせることに
よつて、驚くべきことに、通常の円形孔ノズル
を用いても中空構造を有する繊維状ゲルが得ら
れ、その凝固体部分は均質な高膨潤状態を保持
し、不純物が酸および水によつて抽出され易い
構造で得られるので、前記の特徴(1)の効果とあ
いまつて前記の組合せはシリカ中の不純物の抽
出効率を著しく向上させることができる。 (3) 得られたシリカは1000℃以上の温度で加熱処
理されると、その粒子表面に存在するシラノー
ル基が消失するのでシリカの吸湿性を大幅に低
減することができ、また、シリカ粒子の微細孔
がつぶれて比表面積が小さく、カサ密度の大き
い緻密なシリカ粒子を得ることができる。 前記工程を組み合せた本発明の方法により、シ
リカ中の不純物の抽出効率を著しく向上し得ると
共に、更に得られるシリカに低吸湿性と緻密性と
を付与することができる。本発明の方法で得られ
る高純度シリカは透明石英ガラスや、電子部品封
止用樹脂組成物の充填剤など特に水分の存在が問
題とされる用途にも好適である。 本発明の方法で原料のアルカリけい酸塩水溶液
としては、けい酸のナトリウム塩、カリウム塩、
リチウム塩などの水溶液を用いることができる。 以下、本発明の方法においてアルカリけい酸塩
水溶液としてけい酸ナトリウム水溶液を用いた場
合を例として、前記の3工程を順次説明する。 〔工程−1:(繊維化工程)〕 原料のけい酸ナトリウム水溶液を繊維化するの
に適した粘度範囲に調製し、原液とする。 本発明の方法に適した原液の粘度範囲は、2〜
500ポイズの範囲がよく、特に10〜200ポイズの範
囲が好適である。 SiO2濃度が高く粘度が高過ぎるけい酸ナトリ
ウム水溶液を原料とする場合には、水で適宜希釈
して使用する。 SiO2約30%を含むけい酸ナトリウム水溶液の
場合には、通常の状態では粘度が低く曳糸性が充
分でないので、これに曳糸性を付与するためにけ
い酸ナトリウムを重合させて用いる。 けい酸ナトリウムを重合させる方法としては、
酸性物質による部分中和性、脱水濃縮法、多価金
属塩を添加する方法等が提案されている。これら
の内、脱水濃縮法は最も簡単な方法で数%の脱水
でけい酸ナトリウムは重合し粘度が増大する。 調製した原液を繊維化に適した温度、たとえば
30〜60℃に保ち、適宜のろ過装置を経て、定量ポ
ンプを用いて繊維化装置に送る。 繊維化装置としては、特に限定するものではな
く、一般には紡糸ノズルを備えた押し出し機を用
いることができる。 ノズルを用いる場合の最大の問題点は、ノズル
から押し出された原液のノズル出口面への接着ト
ラブルの発生である。 周知のように、けい酸ナトリウム水溶液は金属
との親和性の高い粘稠な液であり、僅かの含水率
の減少で急に凝固する性質を有し、接着剤として
も使用されていることから判るように、けい酸ナ
トリウム水溶液からなる原液がノズル面に付着し
た状態で凝固すると、けい酸ナトリウムとノズル
面との間に強固な結合が形成され、これを剥離さ
せることは極めて困難である。凝固体がノズル面
に接着すると隣接している孔から押し出された原
液が次々と付着凝固してゆき、遂には繊維化の操
作を継続することができなくなる。 このような現象は使用するノズルの孔径が小さ
く、孔数の多い場合に起こり易い。これの解決策
としては、ノズル面と原液との付着性をできるだ
け小さくすることである。 本発明者らは使用するノズルの材質について
種々の検討を行い、金、白金などの貴金属類製、
金−白金合金などの貴金属合金類製もしくは四弗
化エチレン(以下、TFEという)系樹脂製のノ
ズル、またはそのノズル面を貴金属類もしくは
TFE系樹脂で被覆したものを使用するとゲル化
したアルカリけい酸塩のノズル離れ性が著しく向
上することを見出した。 本発明でいう貴金属類とは、金、白金、銀、パ
ラジウムを含み、通常のメツキ処理によつてノズ
ル面に被覆することができる。 本発明でいうTFE系樹脂とはポリ四弗化エチ
レン(PTFE)のほか、TFEとヘキサフルオロ
プロピレンとの共重合体、TFEとパーフルオロ
アルキルビニルエーテルとの共重合体、エチレン
とTFEとの共重合体、エチレンとビニルフルオ
ライドとの共重合体、エチレンとビニリデンフル
オライドとの共重合体、エチレンとクロロトリフ
ルオロエチレンとの共重合体などの共重合体類を
含む。 ノズル面へのTFE系樹脂の被覆は常法に従つ
て行い、必要ならノズル外面にプライマーを施し
た後、被覆を行つてもよい。 繊維化には、湿式法のほかアルカリけい酸塩水
溶液をノズルからいつたん空気中に押し出した後
で、酸溶液で処理して凝固させるなど種々の方法
が採用できるが、アルカリけい酸塩のノズル面へ
の接着防止の観点からは乾式法に比し湿式法が有
利である。 本発明では、凝固浴中に浸漬したノズルから原
液を押し出す。押し出された原液は凝固浴中で繊
維状に凝固しゲルとなる。この繊維状ゲルはロ−
ラーで引きとるか、またはベルトコンベアーに乗
せて次の工程−2へ送る。 本工程で使用するノズルの孔径は、0.05〜1.0
mmの範囲がよく、好ましくは0.1〜0.3mmの範囲で
ある。 ノズルは通常の円形孔ノズルを用いるが、異形
断面孔ノズル若しくは中空糸紡糸用ノズルを使用
することもできる。 本発明の方法では、特に中空糸紡糸用ノズルを
用いなくても中空繊維状ゲルを得ることができ、
工程−2で良好な不純物抽出効果が得られる。 繊維状ゲルに微細な気泡を混入させることも不
純物抽出効率を高めるのに有効である。 繊維状ゲルに微細な気泡を混入させる方法とし
ては、空気が液中に巻き込まれるように撹拌して
調製した原液を用いる方法、原液に加熱により分
解して気体を発生する化学的発泡剤または常温で
液状の低沸点物質を添加し、該原液を加熱しなが
ら繊維化する方法、或いは原液を繊維化装置に送
るポンプのキヤビテーシヨン現象を利用する方法
など種々の方法を採ることができる。 本発明の凝固浴に用いる凝固剤としては水溶性
の有機媒体を使用する。水溶性の有機媒体は水に
対する親和性が大きいが、アルカリけい酸塩に対
しては殆ど親和性を示さない。アルカリけい酸塩
の凝固は、いわゆる脱水効果によつて起こるもの
と考えられる。本発明の方法で用いられる水溶性
の有機媒体としては、例えば、メタノール、エタ
ノール,n−プロパノール等のアルコール類、酢
酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチル
アセトアミド(以下、DMACという)、ジメチル
ホルムアミド(以下、DMFという)などのアミ
ド類、ジメチルスルフオキシド等を挙げることが
できる。 アルカリけい酸塩の凝固速度は使用する凝固剤
の種類によつても大巾に異なるので、凝固浴温度
を一義的に決めるのはむづかしいが、通常は10〜
60℃程度の温度がよい。 繊維状ゲルの引き取りは、ローラータイプで毎
分1〜100m程度、コンベアータイプで毎分0.1〜
50m程度の速度で通常操作される。 〔工程−2:(不純物抽出工程)〕 前記工程−1で得られた繊維状ゲルを本工程に
おいて酸を含む液で処理する。酸は、硫酸、塩
酸、硝酸などの無機酸およびギ酸などの有機酸
で、実用上、硫酸、硝酸などを用いるのが好まし
い。 また、処理液としては実用上、これらの酸の水
溶液が好ましい。 本工程での酸処理操作としては、1段階で処理
する方法を採ることもできるが、特に微量の不純
物を抽出除去するには処理操作を少なくとも2段
階に分け、各段階ごとに使用する処理液を更新す
る多段階処理を行うこともできる。 不純物の抽出には高濃度の酸を用いて行うのが
一般的な方法であるが、本発明の方法では工程−
1において形成された、不純物が抜け易いゲルの
構造をできるだけ保持するため、処理液の酸濃度
は低くすることが好ましい。 本発明の方法では、処理操作の最初の段階にお
ける処理液の酸濃度は30容量%以下(処理液100
容量部当たりに含む酸:30容量部以下を意味し、
以下同様とする。)とするのが好ましい。 処理液の酸濃度が30容量%以下の領域では繊維
状ゲルは膨潤状態を保つており、この状態で脱ア
ルカリが進行する。その上、微細な中空繊維の特
徴である高表面積との相乗効果によつて、不純物
の抽出効率が著しく向上する。 処理操作の最初の段階において酸濃度30容量%
を超える処理液を用いた場合には、この処理によ
つて生成したシリカの組織が緻密になり過ぎ、内
部に残留する不純物の抽出が難しくなる。 また、処理液の酸濃度が0.5容量%未満では酸
処理の能率の点で実用的でない。 このようなことから、この処理の最初の段階で
用いる処理液の酸濃度は、0.5〜30容量%の範囲
がよく、好ましくは1〜25容量%、更に好ましく
は3〜20容量%の範囲である。 多段階処理の場合、最初の段階における処理液
の酸濃度は30容量%以下にすることが必要である
が、第2段階以降の処理液の酸濃度にはこのよう
な制限はなく、任意に定めることができる。 本工程での処理温度は特に制限しないが、50℃
以上の温度で抽出操作を行うのがよい。 処理液の常圧における沸点よりも高い温度で加
圧下で処理すると不純物抽出の所要時間を短縮す
ることができる。加圧抽出の際の温度は、高い程
好ましいが酸による装置の腐食やエネルギーコス
トを考慮すると、100〜150℃、好ましくは110〜
140℃の範囲が実用的である。 本工程の処理は、撹拌しながら行うことが望ま
しい。本工程の操作は長繊維状のままで連続処理
することもできるが、回分式で処理する場合には
前記工程−1で得られた長繊維状ゲルを短繊維状
に切断することが好ましい。短繊維化には通常の
ガラス繊維切断用カツターを使用することができ
る。切断長は通常5〜50mmがよく、そのうちcm2
10mm前後が好適である。 ゲルが短繊維化されると、処理液中での撹拌に
よるゲルの分散性が極めて良好になる。短繊維状
ゲルは処理液中でスラリー状に分散し、不純物抽
出の操作が容易になると共に不純物の抽出効果の
均一性も向上し、不純物抽出成績のバラツキが著
しく少なくなる。また、短繊維状ゲルは繊維状物
の特徴である嵩高性も備えているので不純物抽出
処理後の洗滌およびろ過操作でも、液分離が極め
て容易である。 酸処理の時間は、回分式の場合には30分から5
時間程度、また、連続式の場合には30秒から30分
程度、好ましくは1〜10分程度である。 酸処理を施して得られたシリカ繊維は次いで任
意の温度の水を用いて洗滌し、必要によりろ過操
作を組み合せて脱酸および脱水処理する。 なお、本発明で使用する酸は精製または電子グ
レードと称される高純度品を、また原料や使用す
る酸の希釈またはシリカの洗滌などに用いる水は
不純物の少ない純水を用いることが好ましい。 本工程の処理によつて、シリカ中の放射性元素
を含む前記不純物の含有率は極めて低くなる。 酸処理後のシリカ中の不純物含有率は、アルカ
リ金属:約10ppm以下、塩素:3ppm以下、ウラ
ンについては、約3ppb以下にすることができる。 〔工程−3:(加熱処理工程)〕 繊維状ゲルは工程−2における酸処理によつて
シリカに変化するが、シリカ中になお水分を保持
している。この水分は付着水と結合水とに分けら
れる。付着水は100℃以上に加熱すれば容易に蒸
発するのに対して、結合水は400℃以上の温度で
も完全に除去することは困難である。 特に、湿式法で得られるシリカでは粒子表面に
多数のシラノール基(≡Si−OH)が存在し、こ
れが大気中の水分と結合するためである。湿式法
で得られたシリカを例えば、800℃で1時間加熱
処理したところシリカ乾量基準で約7%の水分が
蒸発したが、シラノール基はそのまま残存し、こ
れが大気中の水分を吸着して再水和を起こした。
このものを常温で大気中に放置すると湿分を吸着
し、放置時間が長くなるとまた元の状態に戻る。 この問題点を解決するため、本発明者らは、
種々、処理条件の検討を行つた結果、工程−2で
得られたシリカを1000℃以上の温度で加熱処理す
ることにより、意外にもシラノール基が消失し、
しかも比表面積の小さな緻密なシリカが得られる
ことを見出した。本発明は、かかる知見に基づい
て完成されたものである。 再水和の傾向は熱処理温度を上昇させると共に
減少し、1000℃以上の温度で加熱処理を行うと再
水和の傾向は殆ど認められなくなる。 高純度シリカの用途が透明石英ガラスや、電子
部品封止用樹脂組成物の充填剤などの場合には、
特に水分の存在が問題とされるので1000℃以上の
加熱処理は必須の工程である。 工程−2で得られたシリカは、1000℃以上の温
度で熱処理を受けると繊維中に存在する無数の微
小な亀裂から開裂し、微粒子状シリカに変化する
と共に微小細孔がつぶれて緻密な構造となる。 比表面積としては、約10m2/g以下のシリカ粒
子を得ることができる。 従つて、熱処理後のシリカはそのままシリカ粒
子として使用し得るが、必要な場合には更に粉砕
して粒径を調整することができる。 低吸湿性でカサ密度の大きな、比表面積の小さ
いシリカ粒子を得るための熱処理条件は、加熱温
度としては1000℃以上、実用的には1100〜1400℃
の範囲とするのがよい。処理時間は設定温度との
関係で適宜決定すればよい。 加熱処理を行うときの雰囲気としては、酸素や
炭酸ガスなどでもよいし、必要によつては窒素や
アルゴンなどの不活性ガスを用いることもできる
が実用的には空気とするのがよい。 加熱処理を行う装置としては、シリカを1000℃
以上の温度に維持することができればよく、管状
炉、箱型炉、トンネル炉などの他、流動焼成炉な
どを使用することができ、加熱方式としては、電
熱、燃焼ガスなどによつて行えばよい。 〔発明の効果〕 本発明の方法によれば、アルカリけい酸塩水溶
液を原料としてウランなどの放射性元素を含む不
純物含有率が極めて低い高純度で、且つ、低吸湿
性で比表面積の小さい、粒径が1〜100μmのシリ
カ粒子を得ることができる。 これらの方法で得られたシリカ粒子は従来技術
による場合に比較して、純度が高く、吸湿性が小
さい上、緻密な構造を有するので透明石英ガラス
や特殊セラミツクスなどの原料のほか、特に高集
積回路封止用樹脂組成物の充填剤として用いるこ
とができる。 更に、本発明の方法は従来の方法による場合に
比較して、製造コストを低減することができると
いう利点も併せ持つている。 〔実施例〕 以下、本発明の方法を実施例および比較例によ
り具体的に説明する。 実施例 1 けい酸ソーダ#3号(JIS K1408,3号相当
品、以下同じ)(SiO2:28%,Na2O:9%,
U:36ppb)3000gを、減圧下で50℃に加温して
脱水濃縮し、SiO2:32%の繊維化用原液を得た。
本原液の粘度は30℃で約100ポイズであり、曳糸
性も良好であつた。この原液をろ過後、押し出し
機を用い孔径0.1mmφ,孔数200個のPTFE樹脂被
覆ノズルを通して3m/分の速度で、30℃に保持
した凝固浴(凝固剤:DMAC)中へ押し出した。 押し出された原液はDMACによつて脱水され
て凝固し、透明な繊維状ゲルに変化した。この繊
維状ゲルをカツターを用いて切断し、繊維長約1
cmの短繊維とした。 得られた短繊維状ゲル10gを処理液−硫酸5容
量%水溶液:500CC中に浸漬し、撹拌しつつ100
℃で1時間処理し、次いで、処理液を硫酸10容量
%水溶液:500c.c.に替え、同様にして第2段目の
処理を行つた。 このようにして得られた短繊維状シリカを沸騰
水で洗滌、ろ過して脱酸・脱水し、150℃で予備
乾燥した後、1200℃で1時間加熱処理した。 加熱処理による短繊維状シリカはこまかく開裂
して微粒子状シリカに変化したが、粒径分布をそ
ろえるためメノウ製粉砕器で粉砕し、シリカ粒子
を得た。なお、本実施例以下、酸は半井化学製試
薬特級品を、また水は電気伝導度が1.0μS/cm
(25℃)以下であるイオン交換水を使用した。 実施例 2 けい酸ソーダ#3号(実施例1と同ロツト)
5000gを30℃に保持し、撹拌しながら微粉状の酸
性硫酸ソーダを少量づつゆつくり添加した。けい
酸ソーダ液の粘度は酸性硫酸ソーダの添加量の増
加につれて上昇し、粘度30ポイズの原液を得た。 この原液は空気をまきこみ、気泡で充満してい
た。この気泡を含んだ原液をそのまま押し出し機
から孔径0.1mmφ、孔数200個の金−白金合金製ノ
ズルを通してDMACを凝固剤とした凝固浴中へ
押し出し、繊維状ゲルを得た。この繊維状ゲル中
には多数の微細な気泡が存在していた。気泡を含
んだままの繊維状ゲルを切断して短繊維化し、実
施例−1と同様の処理を行つてシリカ粒子を得
た。 上記の実施例1〜2で得られたシリカの不純物
含有率ならびに物性を表−1に示す。CI,Uお
よびThの分析は放射化分析法によつた。
【表】
【表】 実施例 3 けい酸ソーダ#3号(実施例1と同ロツト)
5000gを50℃に保持したニーダー中で撹拌しなが
ら真空ポンプを用いて減圧下で脱水濃縮し、
SiO2:31.8%とし、透明な原液を得た。原液の粘
度は30℃で50ポイズであつた。この原液を押し出
し機から孔径0.1mmφ,孔数50個のPTFE樹脂被
覆ノズルを通して種々の凝固剤中へ押し出し、透
明な繊維状ゲルを得た。この繊維状ゲルを実施例
1と同様の方法で処理し、表−2に示す結果を得
た。
【表】 また、加熱処理後のシリカ粒子の物性は;No.3
−1〜3いづれも重量平均粒径:15μm,カサ密
度:0.55g/cm2,吸水率:0.0%であつた。 実施例4、および比較例1 (1) 実施例1と同様の操作によつて得られた短繊
維状ゲル各10gを、第1段目の処理液としてそ
れぞれ酸濃度0.5,10,20および30、または比
較のため40および70各容量%の硫酸水溶液各
500c.c.中に入れて、以下、実施例1に準じた不
純物抽出処理を行つた。(実施例:4−1〜4、
比較例:1−1〜2) (2) また、比較例1に対して酸処理における処理
液の酸濃度の順序だけを替え、その他は同様の
処理を行つた。(実施例:4−5〜6) 得られたシリカの不純物含有率を実施例1の
結果と併せて表−3に示す。 また、加熱処理後のシリカ粒子の物性は;No.
4−1〜6いづれも重量平均粒径:15μm,カ
サ密度:0.55g/cm3,吸水率:0.0%であつた。
【表】 実施例5、および比較例2 実施例3で調製した原液を用いて実施例1と同
様の操作によつて短繊維状ゲルを得た。この短繊
維状ゲル各10gを、第1段目の処理液としてそれ
ぞれ酸濃度5,10および20,また比較のため40お
よび60各容量%の硝酸水溶液各500c.c.中に入れ、
撹拌しながら、100℃で1時間処理後、ついで処
理液を10容量%硝酸水溶液各500c.c.に替え、同様
に第2段目の処理を行つた。以後の処理は実施例
1に準じた方法によつてシリカ粒子を得た。 得られた結果を表−4に示す。
【表】 また、加熱処理後のシリカ粒子の物性は;No.5
−1〜3いづれも重量平均粒径:15μm,カサ密
度:0.55g/cm3,吸水率:0.0%であつた。 実施例6、および比較例3 けい酸ソーダ#3号(実施例1と同ロツト)
6000gを70℃に保持したニーダー中で撹拌しなが
ら真空ポンプを用いて減圧下で脱水濃縮し、各種
粘度の原液を得た。これらの原液を実施例1の操
作に準じて繊維化したときの状態を表−5に示
す。 得られた繊維状ゲルを実施例1と同様の方法で
処理し、不純物の抽出成績を加熱処理前のシリカ
中のNa含有率で代表させて表−5に示す。 実施例7、および比較例4 実施例1で調製した原液を押し出し機から孔径
がそれぞれ0.2,0.5,1.0、および比較のため3.0
mmφである各孔数50個の金メツキしたSUS6−
316製ノズルを通して、実施例1に準じた方法で
凝固浴中へ押し出し、繊維状ゲルを得た。 得られた繊維状ゲルを実施例1と同様の方法で
処理し、不純物の抽出成績を加熱処理前のシリカ
中のNa含有率で代表させて表−6に示す。
【表】
【表】 実施例8、および比較例5 実施例1で得られた不純物抽出および水洗滌終
了後のシリカを105℃で4時間乾燥した。 得られた乾燥シリカを各10.00gづつ秤取し、そ
れぞれに対して400,600,800,900,1000および
1200℃の各温度で1時間加熱処理を施した。 加熱処理後の各試料はデシケータ中で室温まで
放冷した後、重量(W0)を測定し、ついで20℃,
80%RHに調整した恒温・恒湿室内に放置して重
量の経時変化を測定した。 測定結果は表−7に示す通りで、1000℃以上の
加熱処理を行つたシリカでは重量変化は認められ
なかつたが、処理温度が400〜900℃の場合には空
気中の湿分を吸着してシリカ粒子の重量は経時的
に増加した。 なお、実施例1以外の実施例で得られた乾燥シ
リカについても1000℃以上の加熱処理を施した後
は本実施例と同様な結果が得られ、また大気中放
置による吸湿も認められなかつた。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 粘度が2〜500ポイズの範囲であるアルカリ
    けい酸塩水溶液(アルカリけい酸塩は、一般式:
    M2O・nSiO2<ただし、Mはアルカリ金属元素、
    nはSiO2のモル数で0.5〜5を示す>で表される)
    を、材質が貴金属類製、貴金属合金類製もしくは
    四弗化エチレン系樹脂製のもの、またはそのノズ
    ル面を貴金属類もしくは四弗化エチレン系樹脂で
    被覆したもののいずれかであり、孔径が1mm以下
    である紡糸ノズルから直接、水溶性有機媒体中に
    押し出して微細な繊維状ゲルとし、得られた繊維
    状ゲルを処理の最初の段階で酸濃度が30容量%以
    下である酸を含む液で処理した後、次いで水洗し
    て不純物を抽出除去し、得られたシリカを1000℃
    以上の温度で加熱処理することを特徴とする高純
    度シリカの製造方法。 2 紡糸ノズルの孔径が、0.05〜1.0mmの範囲で
    ある特許請求の範囲第1項記載の高純度シリカの
    製造方法。 3 紡糸ノズルの孔径が、0.1〜0.3mmの範囲であ
    る特許請求の範囲第1項記載の高純度シリカの製
    造方法。 4 繊維状ゲルが気泡を含有している特許請求の
    範囲第1項記載の高純度シリカの製造方法。 5 酸を含む液で繊維状ゲルを処理する際の最初
    の段階で用いる酸を含む液の酸濃度が、0.5〜30
    容量%の範囲である特許請求の範囲第1項記載の
    高純度シリカの製造方法。 6 繊維状ゲルの酸処理を、少なくとも2段階に
    分けて行う特許請求の範囲第1項記載の高純度シ
    リカの製造方法。
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