JPH06229314A - 内燃機関用アルミニウム合金製ピストン - Google Patents

内燃機関用アルミニウム合金製ピストン

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JPH06229314A
JPH06229314A JP4061293A JP4061293A JPH06229314A JP H06229314 A JPH06229314 A JP H06229314A JP 4061293 A JP4061293 A JP 4061293A JP 4061293 A JP4061293 A JP 4061293A JP H06229314 A JPH06229314 A JP H06229314A
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piston
nickel
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resistance
ring groove
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Manabu Shinada
学 品田
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2201/00Metals
    • F05C2201/02Light metals
    • F05C2201/021Aluminium

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  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リング溝における耐摩耗性、耐焼付け性及び
耐熱性に優れるとともに、スカート部の耐摩耗性、耐ス
カッフ性に優れた内燃機関用アルミニウム合金製ピスト
ンを提供する。 【構成】 少なくとも最もヘッド側のリング溝2の表面
に、ニッケルとボロンとタングステンとからなる合金め
っき層6が形成されており、少なくともスカート部5の
最外層には、固体潤滑剤粒子が分散した鉄系、ニッケル
系、又はコバルト系複合めっき層7が形成されているこ
とを特徴とする内燃機関用アルミニウム合金製ピストン
である。好ましい態様においては、スカート部5の複合
めっき層7の下層に、ニッケルとボロンとタングステン
とからなる合金めっき層6′が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関に用いられるア
ルミニウム合金製ピストンに関し、特にリング溝におけ
る耐摩耗性、耐焼付け性及び耐熱性に優れるとともに、
スカート部の耐摩耗性、耐スカッフ性に優れた内燃機関
用アルミニウム合金製ピストンに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アルミ
ニウム合金製ピストンは、リング溝をアルミニウム合金
のままで使用するには耐摩耗性が劣るため、従来は、リ
ング溝に無電解ニッケル−リン合金めっきや硬質アルマ
イト処理等を施して、耐摩耗性を向上させていた。
【0003】また、シリンダとピストンの両者にアルミ
ニウム合金を使用した全アルミニウム合金製エンジンに
おいては、特にピストンのスカート部表面における耐摩
耗性及び耐焼付き性を向上させるためにめっきを施す必
要がある。この耐摩耗性等に良好なめっきとして、鉄系
めっきが一般的に使用されている。しかし、シリンダ材
が高シリコン材になると、初晶Siの硬い鋭角部によ
り、スカート部の鉄系めっきも摩耗したり、摺動キズが
発生し、出力が低下するという問題がある。
【0004】ところで、近年、自動車等の内燃機関は小
型軽量化とともに、高出力化及び高速回転化の傾向にあ
り、このため内燃機関の熱負荷が増大し、油温も上昇し
ている。このような苛酷な条件下でアルミニウム合金製
ピストンを作動させると、ピストンのリング溝の摩耗が
進むだけでなく、その表面がピストンリング表面に凝着
する現象が生じる。この凝着現象は、ピストンリングの
焼付き及び折損を引き起し、エンジントラブルの原因と
なっている。
【0005】そこで、ピストンのリング溝の耐摩耗性の
向上及びピストンリングのアルミニウム凝着を防止する
ことを目的として、ピストンのリング溝の表面に無電解
めっき法によって、ニッケル−燐めっき(いわゆるカニ
ゼンめっき)を施すことが行われている。しかしなが
ら、この方法では十分な硬度のめっき層が得られず、ま
た熱硬化処理を施すことができないため、耐摩耗性及び
耐久性の面で不十分であり、ブローバイの増加やピスト
ン溝の下地のアルミニウムがピストンリングの側面と接
触してアルミニウムの凝着を生じたりする。この欠点を
補うために、ピストン溝にアルマイト処理を施すことも
行われているが、そうすると表面が粗くなり、ガスのシ
ール性が低下するという問題がある。
【0006】一方、スカート部には通常鉄系めっき等が
施される。しかし、鉄系めっきは、初期においてはアル
ミライナーとの耐焼付け性に優れているものの、使用中
にライナー材の初晶シリコンによる摩耗や摺動傷を発生
し、ピストンの耐摩耗性や耐焼付け性が大幅に低下する
という問題がある。
【0007】したがって、本発明の目的は、リング溝に
おける耐摩耗性、耐かじり性及び耐熱性に優れるととも
に、スカート部の耐摩耗性及び耐スカッフ性に優れた内
燃機関用アルミニウム合金製ピストンを提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、内燃機関用アルミニウム合金製ピ
ストンのリング溝表面に、ニッケルとボロンとタングス
テンとからなる硬質で高強度のめっき層を形成するとと
もに、スカート部の外表面に固体潤滑剤粒子を分散させ
ためっき層を形成すれば、熱硬化処理を施さなくても、
ピストンのリング溝の表面にピストンリングが凝着する
のを防止することができるとともに、スカート部の耐摩
耗性及び耐スカッフ性を向上させることができることを
見出し、本発明に想到した。
【0009】すなわち、本発明の内燃機関用アルミニウ
ム合金製ピストンは、少なくとも最もヘッド側のリング
溝の表面に、ニッケルとボロンとタングステンとからな
る合金めっき層が形成されており、少なくともスカート
部の最外層には固体潤滑剤粒子が分散した鉄系、ニッケ
ル系、又はコバルト系複合めっき層が形成されているこ
とを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明のピストンは、ピストン外周の少なくと
も最もヘッド側のリング溝の表面に、ニッケルとボロン
とタングステンとからなる合金めっき層を有するので、
リング溝における剪断強さ、耐熱性、耐食性、耐摩耗
性、耐スカッフ性、耐焼付き性、硬度等が向上してお
り、ピストンリングがピストンのリング溝表面へ凝着す
るのが防止される。また、少なくともスカート部の最外
層に固体潤滑剤粒子を分散させた鉄系、ニッケル系、又
はコバルト系複合めっき層が形成されているので、スカ
ート部の耐摩耗性、耐スカッフ性が大きく向上してい
る。
【0011】このように、本発明のピストンにおいて
は、それぞれの箇所において必要とされる性能に応じた
めっき層が形成されており、良好な摺動特性を有する。
【0012】
【実施例】図1は、本発明の一実施例による内燃機関用
アルミニウム合金製ピストンのリング溝の近傍を示す断
面図である。アルミニウム合金製ピストン1は上部外周
面にそれぞれ形成された最もヘッド側にある第一のリン
グ溝2と、第二のリング溝3と、オイルリング溝4と、
その下方に位置するスカート部5とからなり、オイルリ
ング溝4には、排油孔41が形成されている。
【0013】本実施例においては、少なくとも最もヘッ
ド側にある第一のリング溝2を包含する外周部及びスカ
ート部5に、無電解めっき法によるニッケル−ボロン−
タングステン合金めっき層6、6′が形成されている。
また、スカート部5の合金めっき層6′上には、さらに
固体潤滑剤粒子分散めっき層7が形成されている。
【0014】まず、リング溝2の周囲に形成されたニッ
ケル−ボロン−タングステン合金めっき層6について説
明する。このめっき層6は、せん断強さに優れたニッケ
ルと、耐熱性及び耐食性に優れたタングステンと、耐摩
耗性及び耐スカッフ性に優れたボロンとから構成されて
いるため、アルミニウムの凝着現象を防止するのに十分
なせん断強さ、耐摩耗性、耐食性及び耐スカッフ性を有
する。またニッケル−ボロン−タングステン合金めっき
層6は、析出状態におけるマイクロビッカース硬度
(HMV) を 800以上、好ましくは800 〜850 に確保可能で
あるため、熱硬化処理を施さなくても十分な硬度が得ら
れる。さらにニッケル−ボロン−タングステン合金めっ
き層6は優れた耐熱性を有する。
【0015】無電解めっき法は均一電着性に優れている
ので、この方法によれば、均一な厚さのニッケル−ボロ
ン−タングステン合金めっき層6が容易に得られる。
【0016】無電解めっき法により形成される合金めっ
き層6中に含まれるタングステンは、上述の通り合金め
っき層6の耐熱性及び耐食性を向上する。ニッケル+タ
ングステン+ポロンの合計を100 重量%として、タング
ステンの量が3重量%未満では、耐熱性及び耐食性の効
果が不十分である。また50重量%を超えても耐熱性及び
耐食性に著しい向上は見られず、経済性の観点から見る
と不利である。従って、タングステンの量は3〜50重量
%とするのが好ましい。特に好ましいタングステンの量
は5〜45重量%である。
【0017】また、合金めっき層6中に含まれるボロン
は、タングステンとともに合金めっき層6の耐食性及び
耐熱性の向上に優れた効果を発揮する。ボロンはさら
に、合金めっき層6の硬度を高め、耐摩耗性、耐スカッ
フ性の向上に優れた効果を発揮する。ニッケル+タング
ステン+ボロンの合計を100 重量%として、ボロンの量
が0.5 重量%未満では十分な硬度が得られず、耐摩耗性
向上の効果も小さい。また10重量%を超えると硬度は増
すが脆くなり、衝撃強度も低下する。従って、ボロンの
量は0.5 〜10重量%とするのが好ましい。特に好ましい
ボロンの量は1〜5重量%である。
【0018】合金めっき層6の残部は、実質的にニッケ
ルである。従って、ニッケルの量はニッケル+タングス
テン+ポロンの合計を100 重量%として40〜96.5重量%
が好ましく、特に好ましくは50〜94.9重量%である。
【0019】上記ニッケル−ボロン−タングステン合金
めっき層6の厚さが3μmより薄いと、耐熱性、耐摩耗
性、耐スカッフ性、耐焼付き性、硬度等の向上が十分で
なく、また10μmを超えると剥離等を生じやすくなるた
め、3〜10μmとするのが好ましい。上述した通り、合
金めっき層6のマイクロビッカース硬度 (HMV) は800
以上であり、従来のニッケル−燐合金めっきのマイクロ
ビッカース硬度 (HMV) (約600)よりも大きいので、そ
の分合金めっき層6の厚さを薄くすることができる。
【0020】一方、合金めっき層6′の組成及び厚さ
は、合金めっき層6と同じでよい。
【0021】本実施例においては、ニッケル−ボロン−
タングステン合金めっき層6、6′は、第一のリング溝
2及びその周囲と、スカート部5にのみ形成されてい
る。これは、第一のリング溝2及びスカート部5におい
て、特に剪断強さ、耐熱性、耐食性、耐摩耗性、耐スカ
ッフ性、硬度等の物性の向上が要求されるためである。
なお、必要に応じて上記以外の箇所(例えば、第二のリ
ング溝3やオイルリング溝4及びその近傍)にニッケル
−ボロン−タングステン合金めっき層を設けてもよい。
【0022】一方、少なくともスカート部5に形成され
る固体潤滑剤粒子分散めっき層7は、鉄系、ニッケル系
又はコバルト系のめっき基地中に固体潤滑剤粒子を分散
してなるものである。基地としては、例えば、ニッケル
−コバルト−燐合金、鉄、コバルト−鉄等が挙げられ
る。特にニッケル−コバルト−燐合金が好ましい。
【0023】ニッケル−コバルト−燐合金の場合、複合
めっき層の合金基地中に含まれるコバルトは、基地の耐
熱性及び耐食性を改善するとともに皮膜の圧壊疲労強度
を向上させる。またピストン温度が300 ℃を超えるよう
な使用条件下では、表面のコバルトが酸化されて四酸化
三コバルトが形成される。この四酸化三コバルトからな
る酸化物層は低摩擦係数を有するため、好適な摺動性が
得られる。コバルトの量は10〜50重量%とするのが好ま
しい。より好ましいコバルトの量は15〜40重量%であ
る。複合めっき皮膜の合金基地中のコバルトの量が10重
量%未満では上記の効果が顕著に得られず、また50重量
%を超えてもその効果に著しい変化はない。
【0024】また、合金基地中にニッケルを含有させる
ことにより、基地の耐熱性、耐食性及び靭性が改善さ
れ、さらに強度も向上する。ニッケルの量は11〜65重量
%が好ましく、より好ましいニッケルの量は22〜55重量
%である。ニッケルの量が11重量%未満では上記の効果
が顕著に得られず、また65重量%を超えてもその効果に
著しい変化はない。
【0025】さらに、合金基地中に燐を含有すると、基
地の硬度が高くなり、耐摩耗性に優れた効果を示す。燐
の量は1〜15重量%とするのが好ましい。より好ましい
燐の含有量は2〜10重量%である。燐の量が1重量%未
満では硬度が高くならず、耐摩耗性を向上させる効果は
少ない。また15重量%を超えると硬度は増すが、めっき
層はかえって脆くなって衝撃強度が弱くなり、めっき層
の密着性も悪くなる。
【0026】また、固体潤滑剤粒子としては、二硫化モ
リブデン、フッ化黒鉛、ボロンナイトライド、四フッ化
エチレン等が挙げられる。特に、二硫化モリブデン、フ
ッ化黒鉛、ボロンナイトライドが好ましい。
【0027】固体潤滑剤粒子は、耐スカッフ性の改善に
寄与する。固体潤滑剤粒子の量は5〜30容量%で、その
平均粒径は0.5 〜10μmとするのが好ましい。容量が5
%未満あるいは粒径が0.5 μm未満では基地表面に占め
る固体潤滑剤粒子の面積が少なく、耐スカッフ性の向上
効果が少ない。また容量が30%を超えるか粒径が10μm
を超えると相手材の摩耗を大きくすることとなり、また
表面粗さも大きくなる。さらに複合皮膜の強度も低下す
る。なお、固体潤滑剤粒子の容量%は基地表面の面積比
から求めることができる。
【0028】複合めっき層7の形成には、上記合金基地
を形成するめっき浴中に固体潤滑剤粒子を分散させたも
のを使用する。コバルト化合物及びニッケル化合物等を
用いる場合には硫酸塩、スルファミン酸塩等を用い、燐
化合物を用いる場合には、次亜燐酸塩、亜燐酸塩等を用
い、さらに鉄を使用する場合には、鉄化合物の硫酸塩、
スルファミン酸塩等を用いるのが好ましい。
【0029】固体潤滑剤粒子分散複合めっき層7の厚さ
が5μm未満では、皮膜が薄いため十分な耐摩耗性が得
られず、また25μmを超えると表面の粗さが大きくな
り、スカート部の形状も変化する。また鉄系のめっき基
地の場合、被膜にクラックが発生しやすくなる。したが
って、固体潤滑剤粒子分散複合めっき層7の厚さは、5
〜25μmとするのが好ましい。
【0030】なお、固体潤滑剤粒子分散複合めっき層7
は、本実施例においては、スカート部5にのみ設けてい
るが、トップランド8及びピストンヘッド9に設けるこ
とも可能である。
【0031】以上、本発明を添付図面を参照して説明し
てきたが、本発明は上記の実施例に限定されることな
く、種々の変更が可能である。例えば、第二のリング溝
やオイルリング溝にも、ニッケルとボロンとタングステ
ンとからなる合金めっき層を設けてもよい。
【0032】本発明を以下の具体的実施例によりさらに
詳細に説明する。実施例1 外周にリング溝を有するアルミニウム合金 (AC8A材)製
のピストン母材に、前処理として通常のジンケート処理
を施した後、第二のリング溝3及びオイルリング溝4の
部分をマスキングし、表1に示すめっき浴を用い、表2
に示す条件でめっきを行った。
【0033】 表1 硫酸ニッケル 15 g/リットル タングステン酸ナトリウム 7 g/リットル 次亜リン酸ナトリウム 20 g/リットル 硫酸ナトリウム 115 g/リットル 硫酸アンモン 66 g/リットル ジメチルアミンボラン(DMAB) 3.5g/リットル
【0034】 表2 浴温 85℃ pH 9.2 時間 50分
【0035】この工程で得られたニッケル−ボロン−タ
ングステン合金めっき層6、6′の厚さは5μmで、マ
イクロビッカース硬度 (HMV) は800 であった。
【0036】次に、表3に示す組成のめっき浴中に、上
記アルミニウム合金製ピストンのスカート部以外をマス
キングして浸漬し、めっき浴温度55℃、pH2.5 、電流密
度5A/dm2 で15分間電流を流して、電気めっきを行っ
た。
【0037】 表3 硫酸ニッケル 200g/リットル 塩化ニッケル 80g/リットル 硫酸コバルト 30g/リットル 次亜燐酸ナトリウム 2g/リットル ボロンナイトライド粒子 10g/リットル (平均粒径1.5 μm、最大粒径10μm)
【0038】得られたボロンナイトライド粒子分散複合
めっき層におけるボロンナイトライドの容積占有率は15
容量%であり、また複合めっき層の厚さは12μmで、マ
イクロビッカース硬度 (HMV) は 550であった。
【0039】このようにして得られたピストンにスチー
ル製のピストンリングを取りつけ、水冷4サイクル、6
気筒(2400cc)のA390高シリコンアルミニウム合金製シ
リンダのエンジンに組み込み、回転数6800rpm 、負荷4/
4 の運転条件で、100 時間の耐久テストを行った。テス
ト終了後、ピストンを抜き取り、リング溝及びピストン
リング、シリンダの摩耗状態を調べたところ、ピスト
ン、シリンダ及びピストンリングの表面に摩耗や焼付き
等は認められず、まためっきの欠損や剥離等も認められ
なかった。
【0040】比較例1 実施例1と同様のアルミニウム合金 (AC8A材) 製ピスト
ン母材に対し、実施例1と同様に前処理を施した後、第
二のリング溝及びオイルリング溝部分をマスキングし、
無電解めっき浴として表4に示す組成のニッケル−燐合
金めっき浴中を用いて表5に示す条件でめっきを行っ
た。
【0041】 表4浴組成 硫酸ニッケル 30 g/リットル 次亜リン酸ニッケル 10 g/リットル プロピオン酸 2.2g/リットル 乳酸 27 g/リットル
【0042】 表5 浴温 70℃ pH 5.3 時間 50分
【0043】得られたニッケル−燐合金めっき層の厚さ
は13μmで、マイクロビッカース硬度 (HMV) は 600で
あった。
【0044】次に、スカート部以外をマスキングして、
固体潤滑剤粒子を含有しない鉄めっきを15μmの厚さに
形成し、ピストンとした。
【0045】このピストンについて実施例1と同様の耐
久テストを行ったところ、ピストンの第一のリング溝の
めっき層の膜厚は3.5 〜6.5 μmと大幅に摩耗してお
り、また、スカート部の鉄めっきも2〜3μm摩耗して
おり、軽いスカッフィングがスカート部のスラスト面に
認められた。
【0046】実施例2 実施例1と同様にアルミニウム合金製ピストン母材に前
処理を施し、第一のリング溝に実施例1と同様に無電解
ニッケル−ボロン−タングステン合金めっき層を5μm
の厚さに形成した。次に、鉄めっき浴中に平均粒径1.5
μmの二硫化モリブデン粒子を懸濁させためっき浴に浸
漬し、電流密度5A/dm2 で20分間で電気めっきを行っ
て、スカート部に厚さ15μmの層を形成した。なお、ス
カート部のめっき層における二硫化モリブデン粒子の割
合は15容量%であり、マイクロビッカース硬度 (HMV)
は 520であった。
【0047】得られたピストンに対して実施例1と同様
の耐久テストを行ったところ、ピストンの表面に摩耗や
焼付き等は認められず、まためっきの欠損や剥離等も認
められなかった。
【0048】実施例3 実施例1と同様にアルミニウム合金製ピストン母材に前
処理済を施し、第一のリング溝に実施例1と同様に無電
解ニッケル−ボロン−タングステン合金めっき層を5μ
mの厚さに形成した。次に、表6に示す組成のコバルト
−ニッケル−燐合金めっき浴に浸漬し、電流密度5A/dm
2 で15分間で電気めっきを行って、スカート部に膜厚12
μmの層を形成した。
【0049】 表6 硫酸コバルト 80g/リットル 硫酸ニッケル 200g/リットル 塩化ニッケル 60g/リットル 次亜燐酸ナトリウム 2g/リットル フッ化黒鉛 10g/リットル (平均粒径1.2 μm、最大粒径2μm)
【0050】得られたフッ化黒鉛粒子分散複合めっき層
におけるフッ化黒鉛の容積占有率は15容量%であり、マ
イクロビッカース硬度 (HMV) は 600であった。
【0051】得られたピストンに対して実施例1と同様
の耐久テストを行ったところ、ピストンの表面に摩耗や
焼付き等は認められず、まためっきの欠損や剥離等も認
められなかった。
【0052】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明のアルミ
ニウム合金製ピストンは、リング溝の表面に、マイクロ
ビッカース硬度 (HMV)が800 以上で、せん断強さ、耐
熱性、耐摩耗性、耐食性及び耐スカッフ性に優れたニッ
ケル−ボロン−タングステン合金めっき層を無電解めっ
き法により形成しているので、高出力、高負荷のエンジ
ンでも十分な耐摩耗性、耐かじり性及び耐熱性を有す
る。これにより、アルミニウム合金製ピストンのリング
溝の耐摩耗性及び耐かじり性が飛躍的に向上し、相手材
であるピストンリングも摩耗することがない。
【0053】また、本発明のアルミニウム合金製ピスト
ンは、スカート部に固体潤滑剤粒子分散複合めっき層を
形成してなるので、ピストンのスカート面、特にスラス
ト側の耐スカッフ性や、耐摩耗性が良好であり、高シリ
コンアルミニウム合金製シリンダや高出力高負荷の過酷
なエンジンであってもトラブルなく、長時間の運転可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピストンのリング溝の近傍を詳細に示
す部分断面図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム合金製ピストン 2 第一のリング溝 3 第二のリング溝 4 オイルリング溝 41 排油孔 5 スカート部 6 ニッケル−ボロン−タングステン合金めっき層 7 固体潤滑剤粒子分散めっき層 8 トップランド 9 ピストンヘッド

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関用アルミニウム合金製ピストン
    において、少なくとも最もヘッド側のリング溝の表面
    に、ニッケルとボロンとタングステンとからなる合金め
    っき層が形成されており、少なくともスカート部の最外
    層には、固体潤滑剤粒子が分散した鉄系、ニッケル系、
    又はコバルト系複合めっき層が形成されていることを特
    徴とするピストン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のピストンにおいて、前
    記スカート部の固体潤滑剤粒子分散複合めっき層の下層
    に、ニッケルとボロンとタングステンとからなる合金め
    っき層が形成されていることを特徴とするピストン。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のピストンにおい
    て、前記リング溝に形成された合金めっき層の厚さが3
    〜10μmであることを特徴とするピストン。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のピス
    トンにおいて、前記固体潤滑剤粒子分散複合めっき層の
    厚さが5〜25μmであることを特徴とするピストン。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のピス
    トンにおいて、前記固体潤滑剤粒子分散複合めっき層中
    の固体潤滑剤粒子の粒径が0.5 〜10μmであり、またそ
    の容積占有率が5〜30容量%であることを特徴とするピ
    ストン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001305001A (ja) * 2000-04-25 2001-10-31 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 圧力センサ
KR20190049202A (ko) * 2017-11-01 2019-05-09 현대자동차주식회사 피스톤

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