JPH07196540A - 高純度インデンの製造方法 - Google Patents

高純度インデンの製造方法

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JPH07196540A
JPH07196540A JP35026993A JP35026993A JPH07196540A JP H07196540 A JPH07196540 A JP H07196540A JP 35026993 A JP35026993 A JP 35026993A JP 35026993 A JP35026993 A JP 35026993A JP H07196540 A JPH07196540 A JP H07196540A
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JP
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indene
fraction
distillation
weight
treatment
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JP35026993A
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Hiroaki Taniguchi
博昭 谷口
Tomonori Kato
友則 加藤
Yasuyuki Takigawa
泰行 滝川
Seiji Komura
省二 甲村
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大量のアルカリ排水を生じることがなく、高
純度かつ高品質のインデンを経済的に有利に製造する方
法を提供すること。 【構成】 コールタールの蒸留分別により得られるイン
デン含有軽質留分を脱酸処理し、その中に含まれるフェ
ノールを1.0重量%以下に保持したインデン含有コー
ルタール系軽質留分を、精密蒸留して、インデン含有率
が90重量%以上の濃縮インデン留分を得るとともに、
この濃縮インデン留分にアルカリ洗浄と酸洗浄を施した
後、脱水処理を施すことを特徴とする高純度インデンの
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コールタールの蒸留分
別により得られたインデン含有コールタール系軽質留分
を原料油とし、これから高純度でかつ高品質のインデン
を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インデンを含有する沸点135〜195
℃のタール系軽油からインデンを分離回収するために、
そのタール系軽油を第1蒸留してインデンを50重量%
以上含む留分を得た後、これをアルカリ水溶液で洗浄
し、第2蒸留する方法は知られている(特公昭62−3
2731号)。この方法によると、コークス炉ガス軽油
から分別された、インデン18.5%とともに、インデ
ンと蒸留分離困難な成分であるベンゾニトリル3.0
%、フェノール3.5%、クマロン3.0%を含む重質
軽油から、インデン97.5%、ベンゾニトリル1.6
%、アニリン0.1%を含む高純度インデンを得ること
ができる。しかし、この方法の場合、2つの精密蒸留塔
の間においてアルカリ処理を行っていることから、多量
のアルカリ水溶液を使用する必要があり、アルカリ水溶
液使用量は、その公報に示された実施例によると、イン
デンの約4重量倍である。このような多量のアルカリ水
溶液による洗浄では、濃縮インデン留分に含まるインデ
ンの一部がエマルジョン化され、損失されるとともに、
排水処理の困難な含油アルカリ排水を多量生じるという
問題がある。さらに、前記従来法では、アルカリ洗浄後
においても、理論段数の高い精密蒸留塔を用い、アルカ
リ洗浄された濃縮インデン留分を蒸留することから、ア
ルカリ洗浄では除去されなかった不純物成分がその精密
蒸留により得られるインデン留分にに濃縮されるという
問題もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、多量のアル
カリ排水を生じることがなく、かつ高純度でかつ高品質
のインデンを経済的に有利に製造する方法を提供するこ
とをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、コールタールの蒸留
分別により得られるインデン含有軽質留分を脱酸処理
し、その中に含まれるフェノールを1重量%以下に保持
したインデン含有コールタール系軽質留分を、精密蒸留
して、インデン含有率が90重量%以上の濃縮インデン
留分を得るとともに、この濃縮インデン留分にアルカリ
洗浄と酸洗浄を施した後、脱水処理を施すことを特徴と
する高純度インデンの製造方法が提供される。
【0005】本発明においては、原料油として、コール
タールの蒸留分別により得られるインデン含有軽質留分
を脱酸処理し、その中に含まれるフェノールを1重量%
以下に保持したインデン含有コールタール系軽質留分を
用いる。このような留分には、脱酸カルボル油留分や、
脱酸ナフタレン軽質留分がある。なお、前記フェノール
には、クレゾールやキシレノール、トリメチルフェノー
ル等が包含される。脱酸カルボル油留分は、コールター
ルの蒸留工程で得られるカルボル油留分を、その中に含
まれるフェノールを除去するためにアルカリ水溶液で洗
浄処理して得たものである。この脱酸カルボル油留分
は、市場において容易に入手し得るものである。この脱
酸カルボル油留分は、170〜200℃の沸点範囲の留
分を少なくとも60重量%、好ましくは70重量%以上
含有するものである。その代表的成分組成を示すと、イ
ンデン40〜50重量%、ベンゾフラン5〜15重量
%、フェノール0.05〜1重量%、ベンゾニトリル
0.2〜1.0重量%、ピリジン換算全塩基0.5〜
4.0重量%である。
【0006】脱酸ナフタレン軽質留分は、コールタール
の蒸留工程で得られるナフタレン留分をその中に含まれ
るフェノールを除去するためにアルカリ水溶液で洗浄処
理して脱酸ナフタレン留分とした後、蒸留して得られる
軽質留分である。この脱酸ナフタレン軽質留分は、市場
において容易に入手し得るものである。この脱酸ナフタ
レン軽質留分は、70〜200℃の沸点範囲の留分を少
なくとも50重量%、好ましくは60重量%以上含有す
るものである。その代表的成分組成を示すと、インデン
2.5〜35重量%、ベンゾフラン3〜10重量%、フ
ェノール0.5〜1.5重量%、ベンゾニトリル2〜8
重量%、ピリジン換算全塩基1〜5重量%である。
【0007】本発明で用いる原料油は、その中に含まれ
ているフェノールが、2重量%以下、好ましくは1重量
%以下に保持されたものである。フェノールの含有率が
これより多量であると、1回の精密蒸留により、インデ
ン含有率が90重量%以上で、フェノール含有率が0.
1重量%以下のインデン濃縮留分を得ることができなく
なる。一般的には、原料油中のベンゾニトリルは、5重
量%以下、好ましくは1重量%以下であり、クマロンの
含有率は1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下で
あり、ベンゾフランの含有率は15重量%以下、好まし
くは10%以下である。前記脱酸カルボル油留分は、既
にアルカリ洗浄処理を受け、そのフェノールの含有率が
1重量%以下と低いものであることから、本発明の原料
油として好適のものである。一方、前記脱酸ナフタレン
軽質留分は、既にアルカリ洗浄を受け、フェノールの含
有率は既に低くはなっているものの、そのフェノールの
含有率は、0.5〜1.5重量%の範囲に変動し、場合
によっては本発明の原料油としては不適である場合があ
る。このような場合には、脱酸ナフタレン軽質留分中の
フェノールの含有率を1重量%以下に低減させるため
に、脱酸ナフタレン軽質留分にさらに簡単なアルカリ洗
浄を施すか又はこれに前記した脱酸カルボル油留分を適
量混合すればよい。
【0008】本発明においては、先ず、前記原料油を蒸
留処理する。この蒸留処理においては、インデン濃度が
90重量%以上、好ましくは94重量%以上で、フェノ
ールの含有率が0.1重量%以下、好ましくは0.03
重量%以下のインデン濃縮留分が得られるように行う。
本発明者らの研究によれば、このようなインデン濃縮留
分は、前記した特定の原料油を用いるときには、蒸留に
より容易に得られることが判明した。このことは、蒸留
処理のみでは高純度インデンを得ることが困難であると
する従来からの常識を考えると(特公昭62−3273
1号)、予想外のことである。
【0009】本発明による蒸留処理は、1つ又は2つの
蒸留塔を用いて行うことができる。1つの蒸留塔を用い
て蒸留処理する場合には、理論段数が50段以上、好ま
しくは60〜90段の蒸留塔を用い、還流比5以上、好
ましくは7〜10の条件で蒸留する。この場合、沸点1
75〜185℃の留分をサイドカットとして回収するこ
とにより、所望のインデン濃縮留分を得ることができ
る。一方、2つの蒸留塔を用いて蒸留処理する場合に
は、第1蒸留塔として、理論段数が30〜60段、好ま
しくは35〜50段の蒸留塔を用い、還流比3〜10、
好ましくは5〜8の条件で蒸留する。また、第2蒸留塔
としては、理論段数60〜100段、好ましくは70〜
100段の蒸留塔を用い、還流比5〜15、好ましくは
8〜12の条件で蒸留する。この場合、第1蒸留塔で
は、インデンより軽質の留分、好ましくは沸点180℃
以下の留分を塔頂物として留出させ、インデンを含む重
質留分を得、この重質留分を第2蒸留塔に送り、インデ
ンより重質の留分、好ましくは沸点190℃以上の留分
を塔底留分として除き、インデン濃縮留分を塔頂物とし
て得る。
【0010】前記のようにして原料油を蒸留処理して得
られるインデン濃縮留分は、無色透明で実用的使用に十
分な品質を有するものの、その保存安定性に劣ることが
判明した。即ち、前記の蒸留処理により得られるインデ
ン濃縮留分は、そのインデン濃縮留分取得後、24時間
経過後には徐々に黄褐色の着色を生じ、その着色は経時
により濃くなっていくことが判明した。この原因は現在
のところ不明であるが、その着色製品はこれを蒸留処理
することにより、再び無色透明の状態に復元させ得るこ
とは確認されている。しかし、このような蒸留処理は、
経済的には好ましいものではない。そこで、本発明者ら
は、この点の改善を行うべく鋭意研究を重ねた結果、酸
水溶液を用いる簡単な酸洗浄処理により、そのインデン
濃縮留分の経時による着色を防止し、保存安定性の良好
な製品を製造し得ることを見出した。
【0011】本発明によるインデン濃縮留分の酸水溶液
による酸洗浄処理は、常温〜80℃、好ましくは常温〜
60℃の温度で実施される。酸水溶液としては、塩酸、
硫酸、リン酸等の無機酸の水溶液の他、有機酸の水溶液
を用いることができる。無機酸水溶液の場合、その無機
酸濃度は、1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%
である。また、有機酸水溶液の場合、インデン濃縮留分
の洗浄に用いる酸水溶液の割合は、インデン濃縮留分の
0.1〜2重量倍、好ましくは0.2〜1重量倍であ
る。このように極く少量の酸水溶液の使用により、イン
デン濃縮留分の保存安定性を向上させることができる。
このような酸洗浄により得られる高純度インデンは、保
存安定性のすぐれたもので、30日間経過後でも格別の
着色を生じるようなことはない。また、本発明で用いる
酸洗浄の場合、その酸水溶液の使用量が少なく、しか
も、アルカリ水溶液による洗浄とは異なり、インデンの
エマルジョン化による損失も生じず、かつ洗浄後におけ
る酸水溶液と高純度インデンとの分離は容易であるた
め、その酸水溶液による洗浄は、極めて円滑かつ経済的
に行うことができる。さらに、その洗浄に際して生じる
排水は、油分を含まない排水処理の容易なもので、しか
もその量も少ないことから、容易に排水処理することが
できる。
【0012】本発明においては、前記のようにして酸洗
浄を受けた高純度インデンは、一般的には、それ自体で
は無色透明で色相の良いものであり、かつ保存安定性の
点でも良好なものであるが、通常、酸性を示す微量の着
色原因物質を含み、また、原料油によっては微量のフェ
ノール成分を含む。従って、これらの微量の酸性物質を
除去するためにアルカリ洗浄を行うことは好ましい方法
である。この場合のアルカリ洗浄は、極く少量のアルカ
リ水溶液を用いることによってその目的を達成すること
ができる。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム
や、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、蓚酸
ナトリウム等のアルカリ金属塩が用いられる。アルカリ
水溶液中のアルカリ金属塩の濃度は、1〜20重量%、
好ましくは5〜15重量%である。また、アルカリ水溶
液としては、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属塩
の使用も可能であるが、一般的にはその水に対する溶解
度が低いので、その使用は余り好ましいものではない。
本発明で用いるアルカリ水溶液の使用量は極く少量でよ
く、通常、高純度インデン100重量部当り、50重量
部以下、好ましくは10〜30重量部である。このよう
に、本発明で用いるアルカリ洗浄の場合には、その使用
量が著しく少ないために、アルカリ水溶液によるインデ
ンのエマルジョン化による損失も極くわずかであり、そ
のアルカリ洗浄は非常に簡単かつスームズに行うことが
できる。しかも、このアルカリ洗浄を生じる排水は、そ
の量が少ないために、その排水処理が容易である。な
お、前記した酸洗浄とアルカリ洗浄は、その順で行うの
が好ましいが、もちろん、アルカリ洗浄を先に行い、そ
の後で酸洗浄を行うことも可能である。
【0013】前記のようにして、酸洗浄及びアルカリ洗
浄を受けた高純度インデンは、必要に応じ、水洗処理を
施した後、その中に含まれている水分を除去するため
に、脱水処理を施す。この脱水処理は、理論段数が10
段以下の簡単な蒸留塔により行うことができる他、乾燥
剤、例えば、活性炭や、ゼオライト、セピオライト、ク
レー、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリ
カ/アルミナ、シリカ/マグネシア、シリカ/ジルコニ
ア等の各種多孔性物質を充填した充填塔を用いて実施す
ることができる。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、市場により容易に入手
することのできる脱酸コールタール系軽質留分を原料と
して用い、これに蒸留処理とともに、簡単な酸処理とア
ルカリ処理を施すだけで、色相及び保存安定性にすぐれ
るとともに、重合原料や中間反応原料として好適な高純
度でかつ高品質のインデンを容易に収率よく製造するこ
とができ、その産業的意義は多大である。
【0015】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。なお、以下において示す%は重量%である。
【0016】実施例1 コールタール蒸留工場から入手した脱酸カルボル油留分
(このものはコールタールから蒸留分別された沸点17
0〜200℃の留分で、フェノールを分離するためにア
ルカリ水溶液による洗浄処理を既に受けている)を原料
油として用いた。このものの蒸留特性を示すと、170
℃以下の留分:20%、170〜200℃の留分:70
%、200℃以上の留分:10%である。また、この脱
酸カルボル油留分の成分組成を示すと、インデン:4
5.3%、ベンゾフラン:6.7%、フェノール:0.
1%、ベンゾニトリル:0.6%、ピリジン換算全塩
基:3.2%である。
【0017】この原料油を2つの蒸留塔を用いて以下の
条件で蒸留処理した。 (第1蒸留塔) 理論段数 :35段 還流比 :7 圧力 :50torr カット留分:インデンより軽質の沸点180℃以下をカ
ット (第2蒸留塔) 理論段数 :100段 還流比 :10 圧力 :50torr カット留分:インデンより重質の沸点190℃以上をカ
ット
【0018】前記のようにして得たインデン濃縮留分
(沸点180〜190℃)は、インデン:94.7%、
フェノール:0.01%、ベンゾニトリル:0.6%、
ピリジン換算全塩基:326ppm、ベンゾフラン:
0.02%の成分含有率を示し、不純物の残りは、イン
ダン、飽和アルキルベンゼン等の重合反応、共重合反
応、化学反応等に対して不活性のものであった。また、
原料油中に存在するインデンを基準とする蒸留によるイ
ンデン回収率は73%であった。
【0019】次に、前記のようにして得たインデン濃縮
留分に酸洗浄処理を施した。この場合の酸洗浄処理は、
インデン濃縮留分150gに対して、0.1規定の希硫
酸水溶液50ccを加え、常温で撹拌洗浄を10分間行
った後、油層を分離回収した。このようにして得られた
高純度インデンにおけるインデン含有率は94.7%で
あり、酸洗浄処理前とは変らなかったが、フェノール含
有率は0.01%以下、ピリジン換算全塩基含有率は1
5重量ppmと減少した。また、このようにして酸洗浄
処理を施した製品の色相は、その処理直後にはハーゼン
値15を示し、無色透明であった。30日経過後でもそ
のハーゼン値は50以下であった。一方、酸洗浄処理を
施さなかった場合には、その蒸留処理直後のインデン濃
縮留分の色相は、ハーゼン値50であり、10日経過後
にはそのハーゼン値は500に増加し、黄褐色に着色し
た。
【0020】次に、前記のようにして酸洗浄処理を受け
た高純度インデン100gに濃度10%の水酸化ナトリ
ウム水溶液20g加え、常温で撹拌洗浄を10分間行っ
た後、油層を分離回収し、これを脱水のために理論段数
5段の回分式蒸留塔を用いて蒸留した。このようにして
得られた高純度インデンの保存安定性はさらに改善さ
れ、10日間の保存後でもそのハーゼン値は50以下で
あった。
【0021】実施例3 原料油としては、実施例1で示した脱酸カルボル油留分
と、脱酸ナフタレン軽質留分とを、重量比1:3で混合
した混合油を用いた。脱酸ナフタレン軽質留分は、脱酸
ナフタレン留分(170℃以下の留分:0.3%、17
0〜200℃の留分:4.3%、200〜240℃の留
分:70.9%、240℃以上の留分:24.5%)を
蒸留して得られた200℃以下の留分を93.7%含む
ものである。このものの成分組成を示すと、インデン:
28.8%、ベンゾフラン:6.0%、フェノール:
0.9%、ベンゾニトリル:0.4%、ピリジン換算全
塩基:3.1%である。
【0022】この混合油に対し、実施例1と同様にして
蒸留処理を施し、インデン:93.0%、フェノール:
1.92%、ベンゾニトリル:0.90%、ベンゾフラ
ン:0.01%、ピリジン換算全塩基:1.62%を含
むインデン濃縮留分を得た。この蒸留によるインデンの
回収率は、原料油中に存在するインデンを基準として、
73.4%であった。次に、このインデン濃縮留分に、
これを等量の10%の硫酸水溶液を加えて常温で撹拌洗
浄した後、油層を分離回収し、次いで、このようにして
酸洗浄を施した高純度インデンに対し、これと等量の1
0%水酸化ナトリウム水溶液を加えて常温で撹拌洗浄し
た後、油層を分離回収した。さらに、このようにして得
た高純度インデンを、等量の水を用いて2回水性した。
【0023】以上のようにして得られた高純度インデン
の純度は95.5%であり、そのフェノール含有率は
0.01%以下、ベンゾニトリル含有率は0.5%、ベ
ンゾフラン含有率は0.01%以下、ピリジン換算全塩
基の含有率は15重量ppmであった。また、酸洗浄ア
ルカリ洗浄及び水洗に際してのインデンの全損失量は8
%であった。前記高純度インデンは、その中に含まれる
水分を除去するために、理論段数5段の回分式蒸留塔を
用い、脱水蒸留を行った。この場合の蒸留条件として
は、圧力:150torr、塔頂温度:126〜128
℃、塔底温度:128〜130℃、還流比:0〜1を採
用した。この蒸留処理においては、水分を含む初留の5
%をすて、製品インデンを回収した。カマ成分は3%
で、この蒸留処理におけるインデン損失量は8%であっ
た。この製品インデンは、純度95.6%で、その色相
はハーゼル値15を示し、無色透明のものである。この
ものは、そのまま透明ビンに入れて50日間保存して
も、そのハーゼン値は40以下であった。この保存後の
インデンを、触媒としてのBF3やAl23の存在下で
常法によりカチオン重合させたところ、円滑に重合し、
淡色のインデン樹脂を与えた。
【0024】比較例1 原料油として、コークス炉ガス軽油から分別された重質
軽油を用い、これを実施例1と同様にして蒸留処理し
た。この重質軽油の成分組成は、インデン19.0%、
ベンゾニトリル3.0%、ベンゾフラン3.0%、フェ
ノール3.8%であった。この重質軽油の蒸留処理で
は、得られたインデン濃縮留分中のインデン含有率は9
1.0%にとどまり、フェノール含有率は5.8%と多
量であった。また、このインデン濃縮留分中のインデン
回収率は、重質軽油中に含まれるインデンを基準とし
て、35%にすぎなかった。このインデン濃縮留分は、
このままでは、重合原料や共重合原料として使用不可能
のものであり、しかも、保存安定性の非常に悪いもの
で、蒸留処理により得られたインデン濃縮留分は、その
取得直後から激しく着色を生じ、1時間の経過でハーゼ
ル値は500以上となった。次に、前記蒸留処理により
得たインデン濃縮留分を、実施例1と同様にして、酸洗
浄、アルカリ洗浄、水洗及び蒸留処理した。このように
して得た高純度インデンのインデン濃度は94.9%で
あり、そのフェノール含有率:0.01%以下、ベンゾ
ニトリル含有率:0.6%、ベンゾフラン含有率:0.
01%、ピリジン換算全塩基:100ppmであった。
この一連の処理におけるインデンの全損失量は30%で
あった。従って、最終的なインデン回収率は、原料油中
に含まれているインデンを基準として、25%であり、
非常に低いものであった。しかも、得られた高純度イン
デンの保存安定性は未だ不十分で、50日経過後には、
そのハーゼン値は500以上に増加した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 甲村 省二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コールタールの蒸留分別により得られる
    インデン含有軽質留分を脱酸処理し、その中に含まれる
    フェノールを1.0重量%以下に保持したインデン含有
    コールタール系軽質留分を、精密蒸留して、インデン含
    有率が90重量%以上の濃縮インデン留分を得るととも
    に、この濃縮インデン留分にアルカリ洗浄と酸洗浄を施
    した後、脱水処理を施すことを特徴とする高純度インデ
    ンの製造方法。
  2. 【請求項2】 脱水処理を理論段数10段以下の蒸留塔
    で行う請求項1の方法。
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