JPH0770717A - 端面溶接性及び低磁場特性に優れる積層鉄心用電磁鋼板 - Google Patents

端面溶接性及び低磁場特性に優れる積層鉄心用電磁鋼板

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JPH0770717A
JPH0770717A JP15348793A JP15348793A JPH0770717A JP H0770717 A JPH0770717 A JP H0770717A JP 15348793 A JP15348793 A JP 15348793A JP 15348793 A JP15348793 A JP 15348793A JP H0770717 A JPH0770717 A JP H0770717A
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steel sheet
point
area
max
weldability
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JP15348793A
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Hiroshi Yano
浩史 矢埜
Atsuto Honda
厚人 本田
Takashi Obara
隆史 小原
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被膜特性に悪影響を及ぼすことなしに、ブロ
ーホールの発生を効果的に防止し、さらには低磁場特性
も向上させる。 【構成】 電磁鋼板の表面凹凸を、鋼板表面の3次元表
面粗さが、中心面平均粗さSRa で 0.5〜3.0 μm 、最大
高さSRmax が2〜30μm でかつ、各凹部につき、負荷曲
線で深さ方向落差が最も大きい点(切断断面積率が0%
又は 100%の点を除く負荷曲線の微分係数が最小である
点)を中心として切断面面積率がそれぞれ±10%異なる
2点間における高さ方向の差がSRmax の50%以上で、し
かも{(凹部平坦部面積/単位面積)×100 }で表され
る凹部平坦部の割合が30%以下又は70%以上を満足す
る、表面性状に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、表面に精緻な凹凸パ
ターンを有する積層鉄心用電磁鋼板に関し、特にその端
面溶接性及び低磁場特性の改善を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】モーター、トランス等に使用される電磁
鋼板は、磁気特性に優れるだけでなく、量産性の観点か
ら良好な打抜性も要求され、この要請を満たすために一
般に有機樹脂を含む絶縁被膜が被成される。しかしなが
ら、この被膜は、溶接時に有機樹脂から発生する多量の
ガスに起因してブローホールを発生するなど溶接性の点
に問題を残していた。この点を解消するものとして、鋼
板表面に20 Hr.m.s.μinch以上の表面粗さを付与したの
ち有機質被膜を被成する方法(特公昭49−6744号公報)
や、有機質被膜自体に粗さを与え、溶接時に発生するガ
スを逸散させることによりブローホールの発生を防止す
る方法(特公昭49-19078号公報) 等が提案されている。
【0003】また特開昭54−134043号公報においては、
表面粗さを中心線平均粗さRaで0.35〜0.6 μm とした鋼
板上に被膜厚み1〜2.5 g/m2の有機質被膜を被成する方
法が提案された。しかしながらこれらの方法では、溶接
箇所によってはブローホールの発生が見られ、必ずしも
良好な溶接性が安定して得られるとは限らず、そのため
打抜性の向上を目指して被膜厚を厚くするといった処置
を施すことができないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したとおり、これ
まではブローホールの発生を完全に防止することが難し
く、その改善が望まれていた。この発明は、上記の要請
に有利に応えるもので、被膜特性に悪影響を及ぼすこと
なしに、ブローホールの発生を効果的に防止し、なおか
つステッピングモータなどで要求される低磁場特性にも
優れる積層鉄心用電磁鋼板を提案することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】さて発明者らは、上記の
問題を解決すべく、各種の調査及び検討を行なった結
果、電磁鋼板の積層端面溶接に際しては、鋼板表面の粗
さよりも、圧延模様や、圧延疵などの表面の凹凸のパタ
ーンの影響の方が強いことを見出した。また、低磁場特
性も表面の凹凸のパターンの影響を受け易く、その原因
は最終焼鈍時における酸化にあることも併せて見出し
た。この発明は、上記の知見に立脚するもので、鋼板表
面における凹凸パターンを適正に制御することにより、
従来困難とされた有機質絶縁被膜をそなえる積層用電磁
鋼板の積層端面溶接性の改善を、低磁場特性の向上に併
せて実現したものである。
【0006】すなわち、この発明は、鋼板表面の3次元
表面粗さが、中心面平均粗さSRa で0.5〜3.0 μm 、最
大高さSRmax が2〜30μm でかつ、各凹部につき、負荷
曲線で深さ方向落差が最も大きい点(切断断面積率が0
%又は 100%の点を除く負荷曲線の微分係数が最小であ
る点)を中心として切断面面積率がそれぞれ±10%異な
る2点間における高さ方向の差がSRmax の50%以上を満
たし、また{(凹部平坦部面積/単位面積)×100 }で
表される凹部平坦部の割合が30%以下又は70%以上を満
足し、さらに表面に付着量が 0.5〜6.0 g/m2の絶縁被膜
をそなえてなる端面溶接性及び低磁場特性に優れる積層
鉄心用電磁鋼板である。
【0007】ここに中心面平均粗さSRa とは、粗さ曲面
からその中心面上に面積SM を抜き取り、この抜き取り
部分の中心面上に直交座標軸、X軸、Y軸をおき、中心
面に直交する軸をZ軸として粗さ曲面をZ=f(X,
Y)で表したとき、次の数式
【数1】 で与えられる値のことである(単位μm )。
【0008】また負荷曲線とは、図1に示されれるよう
な曲線を意味する。すなわち単位面積における最大高さ
SRmax を縦軸の最大点として、任意の切断高さz(μm
)を縦軸とする。一方、横軸は、単位面積に対する各
切断レベルにおける切り口面積の 100分率(切断面面積
率)とする。かかる座標において、切断高さzを、最大
高さSRmax から次第に低減したときの切断高さと切断面
面積率との関係を示したのが負荷曲線である。従って、
たとえば切断面面積率が10%のときの凸部の高さとは図
中にxで示される値である。なお、ここで言う凹部と
は、いわゆる穴であっても、溝であってもかまわず、ま
た凸部も、いわゆる丘であっても、土手状であってもか
まわない。
【0009】以下、この発明を具体的に説明する。さて
発明者らは、以前に、各種の表面粗さを有する有機樹脂
含有絶縁被膜付き鋼板を用い、これを積層した後、断面
を溶接し、その溶接性について調査した。その結果、従
来使用されてきた2次元表面粗さによる評価では、同一
の表面粗さとされたものでも溶接性にばらつきが生じ、
必ずしも2次元表面粗さでは溶接性を正確に評価できな
いことが判明した。
【0010】そこで発明者らは、新たに3次元表面粗さ
による評価に想到し、この評価法を基にして、鋼板の表
面粗さと積層端面溶接性の関係について詳細に調査を行
ったところ、溶接性は、鋼板の表面に凹部が多く、鋼板
を積層して TIG溶接を行った時にガスの逃げ道が存在す
る場合に良好となることが見出された。すなわち、溶接
性は、鋼板の表面粗さよりもむしろ、鋼板表面に形成さ
れる凹部の形状に強く依存することが新規に知見された
のである。
【0011】そこで次に、凹部の形状について検討した
結果、図2に示すような、凹部の底面が平坦部を有しか
つ該底面と凹部の肩とが接する角度が直角に近い凹部を
多数存在した場合に、溶接性が格段に向上することが判
明した。
【0012】そこでさらに、かような凹部の具体的な好
適形状について検討した結果、3次元表面粗さが、中心
面平均粗さSRa で 0.5〜3.0 μm 、最大高さSRmax が2
〜30μm でかつ、負荷曲線で深さ方向落差が最も大きい
点(切断断面積率が0%又は100 %の点を除く負荷曲線
の微分係数が最小である点)を中心として切断面面積率
がそれぞれ±10%異なる2点間における高さ方向の差が
SRmax の50%以上で、しかも{(凹部平坦部面積/単位
面積)×100 }で表される凹部平坦部の割合が30%以下
又は70%以上の場合に、とりわけ良好な溶接性が得られ
ることが判明したのである。
【0013】ここに、負荷曲線で深さ方向落差が最も大
きい点、すなわち負荷曲線の微分係数が最も小さい点と
は、図3に点Pで示すような点であり、この点から切断
面面積率がそれぞれ±10%異なる点Q及びRの点の高さ
の差をΔHとすると、このΔHが大きい程凹部底面と凹
部の肩が接する角度が直角に近くなり、逆にΔHが小さ
い程鈍角となり、なだらかであることを示している。な
お、微分係数が最小の点を求める際に、切断面面積率が
0%及び 100%の点を除いた理由は、これらの点では、
高い山あるいは深い谷が少しでもあるとその影響を受け
易く、微分係数は直ちに−∞となるからである。
【0014】さてこの発明において、凹部形状を上記の
ように限定した理由について説明する。まず SRaについ
ては、この値が 0.5μm に満たないとガスの抜け道が確
保できず、一方 3.0μm を超えると占積率の大幅な低下
を招くので、 0.5〜3.0 μm 以下とした。次に、SRmax
が2μm に満たないと、絶縁被膜処理を施した時に凹部
が埋まり、ガスの抜け道が十分に確保されないので TIG
溶接性の低下を招き、一方30μmを超えると、やはり占
積率の大幅な低下を招くので、2〜30μm の範囲に限定
した。さらに、負荷曲線で深さ方向落差が最も大きい
点、すなわち負荷曲線の微分係数が最小である点を中心
として切断面面積率がそれぞれ±10%異なる2点間にお
ける高さ方向の差を、SRmax の50%以上としたのは、こ
の値がSRmax の50%に満たないと、凹凸の形状がなだら
かとなり、絶縁被膜処理を施した場合に凹部が埋まって
TIG溶接時にガスの抜け道が確保されず、TIG 溶接性が
劣化するからである。
【0015】またさらに、{(凹部平坦部面積/単位面
積)×100 }で表される凹部平坦部の割合を30%以下又
は70%以上としたのは、この割合が30%超かつ60%未満
では、鋼板の表面積が増えることによって最終焼鈍の雰
囲気の影響を受け易くなり、その結果、酸化の進行に伴
い鋼板中の酸化量が増大して、低磁場特性の劣化原因と
なるからである。なお、より好ましい凹部平坦部の割合
は、3〜30%もしくは70〜97%である。
【0016】次に、この発明鋼板の製造方法について説
明する。鋼板表面に適正な凹凸パターンを形成するに
は、圧延ロールの表面に、所望の鋼板表面凹凸に見合う
凹凸パターンを形成し、その転写を利用するのが有利で
ある。
【0017】従来から、スキンパス圧延用ロールの表面
をダル仕上げするための方法としては、ショットブラス
トによる方法や放電加工による方法、さらには特開昭62
−224405号公報に開示のようなレーザー加工による方
法、特開平2-99208号公報に開示のようなスクリーン印
刷とエッチング又はスクリーン印刷とめっきとを組合せ
た方法などがある。しかしながら、ショットブラスト法
や放電加工法によってダル仕上げされた圧延用ロール
は、表面に形成された粗度パターンが不規則であるた
め、かかるロールを用いて圧延した場合には、鋼板表面
の粗度パターンも不規則となる。しかも任意の凹凸パタ
ーンを形成することは不可能である。
【0018】一方、レーザー加工による場合は、規則的
な粗度パターンは得ることができるけれども、図4に示
すように、レーザー照射によりレーザー中心から離れた
部位が同心円状に盛り上がり、これにより微細なパター
ンを得ることができないし、凹部形状を任意に選択する
ことも難しい。またロールに直接レーザービームを用い
て穿孔するため、圧延ロールのように広い面積を持つ被
加工物を能率よく加工するためには、レーザー発振器は
しては1kW以上の高出力が要求され、必然的に炭酸ガス
レーザーとならざるを得ず、加工装置が大型化し、費用
・保守の面での負担が大きい。さらに、レーザービーム
によって金属が溶融されて形成された凹凸パターンは、
その凹凸部の組織がオーステナイトとなるので、このよ
うなロールは耐摩耗性に劣る。しかも、凹凸パターンの
凹部の直径は、集光レンズで収束したレーザービームの
直径により決まるが、この直径は炭酸ガスレーザー光の
波長が長い(10.6μm )ため、物理的に約100 μm 以下
にすることがでない不利もある。
【0019】他方、スクリーン印刷法を用いる方法は、
特開平2-99207号公報に見られるように、微細模様をス
クリーン印刷により圧延ロールの表面に印刷し、その
後、エッチング又はめっきを行って微細模様をロール表
面に形成し、該圧延ロールにより鋼板表面に微細模様を
転写することからなる方法であるが、この方法では、シ
ョットブラスト法のようにグリッド粒子を機械的にロー
ル表面に叩きつけてダル目付け加工を行った場合のよう
なうねりがロール表面に発生せず、また放電加工やレー
ザーによる加工法のように高エネルギーを加工部に集中
させることもないので、ロール表面の硬さが劣化せず均
一で、ロールから鋼板への微細模様の転写が可能であ
る。
【0020】また、特公昭62-11922号公報には、耐酸腐
食性物質で表面を覆い、これをレーザー光で局所的に破
壊し、覆われていない部分を化学的に腐食する方法が開
示されている。さらに、特開平2−175882号公報には、
この技術を能率よく精密に容易に実施できるように改善
した方法及び装置を用い、次の工程から成る、整列され
た又は任意配列の凹凸を有するロールを加工する方法が
開示されている。すなわち、(1) 圧延ロール表面に光吸
収材を混入した耐酸腐食樹脂液を塗布して耐酸腐食性樹
脂膜を形成したのち、(2) この樹脂膜を連続的に平均で
5〜10Wの出力を有するQスイッチ・YAGレーザーを
用いてマーキング加工し、所要の模様に該ロール表面を
露出させ、(3) しかる後、エッチング処理を施してロー
ル表面に所望の模様を付与する方法である。
【0021】上掲した各種凹凸パターン形成方法のう
ち、スクリーン印刷法あるいは耐酸腐食性樹脂膜とQス
イッチ・YAGレーザーとを組み合わせた方法は、上述
したとおり、規則的に微細な凹凸模様を形成することが
できるので、これらの方法を用いることによって、この
発明の要件を満足する任意の凹部形状を得ることができ
る。
【0022】
【作用】この発明を適用して好適な電磁鋼板の成分組成
は次のとおりである。 C:0.01wt%(以下単に%で示す)以下 Cは、磁気特性の面からは有害な元素であり、極力低減
することが望ましいので、0.01%以下程度とするのが好
ましい。 Si:3.5 %以下 Siは、固有抵抗を高めることによって鉄損を低減する有
用元素であるが、 3.5%を超えると冷延性が阻害される
ので、 3.5%以下程度が好ましい。 Mn:0.1 〜1.5 % Mnは、熱間脆性を抑制するために添加されるものである
が、 0.1%未満ではその添加効果に乏しく、一方 1.5%
を超えると磁気特性の劣化を招くので、 0.1〜1.5 %程
度が好ましい。 Al:2.0 %以下 Alは、鉄損と磁束密度を同時に改善するのに有効な元素
であるが、 2.0%を超えると冷延性の劣化を招くので、
2.0 %以下程度とするのが好ましい。なお、PやSは、
必要に応じて以下の範囲に制限することが望ましい。 P:0.005 〜0.1 % Pは、打抜性の改善に有効であるが、 0.005%に満たな
いとその効果に乏しく、一方 0.1%を超えると冷延性が
低下するので、 0.005〜0.1 %程度とするのが好まし
い。 S:0.01%以下 Sは、鉄損特性の面からは少ないほど好ましいので、0.
01%以下に抑制することが望ましい。その他、Sb, Sn,
Cu及びNiなどを添加することもできる。
【0023】次に、この発明において使用する絶縁被膜
としては、有機樹脂被膜、クロム酸塩系及び/又はりん
酸塩系と有機樹脂との混合被膜あるいはクロム酸塩系及
び/又はりん酸塩系被膜上に有機樹脂被膜を被成した2
層被膜などを用いることができる。
【0024】ここに被膜が、有機樹脂被膜単独であれ
ば、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、エチレン樹脂、メラミン樹脂、シリコー
ン樹脂及びアミノ樹脂、あるいはそれらの変性物のうち
から選んだ1種又は2種以上が有利に適合する。
【0025】また、クロム酸塩系及びりん酸塩系の1種
又は2種と有機樹脂との混合被膜を用いることもでき
る。ここでクロム酸塩系とは、カルシウム、マグネシウ
ム及び亜鉛の重クロム酸塩又は無水クロム酸にカルシウ
ム、マグネシウム及び亜鉛などの2価の酸化物、水酸化
物、炭酸塩を溶解したものの1種又は2種以上の混合
物、あるいはそれらにさらに酸化チタン、コロイド状シ
リカ、コロイド状アルミナ、ほう酸及び有機還元剤等の
1種又は2種以上を添加したものである。また、りん酸
塩系としては、カルシウム、マグネシウム、アルミニウ
ム及び亜鉛のりん酸塩又はりん酸にカルシウム、マグネ
シウム、アルミニウム及び亜鉛等の2価又は3価の酸化
物、水酸化物、炭酸塩を溶解したものの1種又は2種以
上の混合物、あるいはそれらにさらに酸化チタン、コロ
イド状シリカ、コロイド状アルミナ及びほう酸等を1種
又は2種以上添加したものである。
【0026】さらに混合する有機樹脂としては、水溶性
又はエマルジョンタイプのアクリル樹脂及びその共重合
物、酢酸ビニル樹脂及びその共重合物、ベオバ樹脂スチ
レン樹脂共重合物、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、フェ
ノール樹脂、無水マレイン酸共重合物、エポキシ樹脂又
はその変性物等の1種又は2種以上が有利に適合する。
さらに絶縁被膜は、2層構造とすることもできる。この
場合は上記したクロム酸塩系及びりん酸塩系の1種又は
2種の被膜を被成したのち、その上に重ねて有機樹脂被
膜を被成すれば良い。
【0027】ここに、かかる絶縁被膜の付着量は 0.5〜
6.0 g/m2とすることが好ましい。というのは、付着量が
0.5 g/m2 に満たないとこの発明で所期したほど良好な
打抜性が得られず、一方 6.0 g/m2 を超えると溶接性が
劣化するからである。
【0028】なお、表面粗さを得る手法についは、上述
したように、Qスイッチ−YAGレーザーを用いてロー
ル表面に予め、圧延後の表面パターンがこの発明の範囲
となるような表面加工を施しておく方法や、スクリーン
印刷法を利用する方法が好適であるが、これらの方法に
特に限定されることはなく、以下のような方法も使用可
能である。すなわち、鋼板表面を研磨やエッチングによ
り、所定の表面パターンになるように処理する方法、あ
るいは圧延速度の変更又は圧延時に使用する圧延油の変
更により、所定の表面パターンになるよう処理する方法
等である。
【0029】
【実施例】
実施例1 C:0.005 %, Si:1.81%, Mn:0.18%及びAl:0.42%
を含有し、残部は実質的にFeの組成になる鋼スラブを、
1200℃に加熱後、熱間圧延により板厚:2.0 mmの熱延板
とした。ついで、熱延板を、表1に示すロール加工法に
よって表面粗さを調整した圧延スールを用い、鋼板表面
に表1に示す凹部形状になりかつ単位面積当たりの凹部
平坦部面積が20%となる仕上げ圧延を施して、板厚:0.
35mmの冷延板とした。その後 880℃で最終焼鈍を施し
た。ついで得られた電磁鋼板の表面に、下記の処理液
を、所定量塗布した後、350℃で1分間焼付けた。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】 〔処理液〕 ・30%重クロム酸マグネシウム溶液 : 130 重量部 (CrO3分) : 32.5 重量部 ・アクリル樹脂エマルジョン(樹脂固形分:40%): 25 重量部 ・エチレングリコール : 10 重量部 ・ほう酸 : 10 重量部
【0032】かくして得られた絶縁被膜付き電磁鋼板の
溶接性について調べた結果を、表1に併記する。なお溶
接性は、電極:Th−W,加圧力:100 kg/cm2,電極−材
料間距離:1.5mm,Arガス量:6 l/min,電流:120
A,溶接速度:100 cm/minの条件下で溶接を行ったとき
のブローホールの発生の有無で評価した。同表より明ら
かなように、この発明に従い得られた鋼板はいずれも、
極めて良好な溶接性が得られた。
【0033】実施例2 C:0.005 %, Si:3.2 %, Al:0.72%及びMn:0.17%
を含有し、残部は実質的にFeの組成になる電磁鋼熱延板
を、Qスイッチ−YAGレーザーで表面加工した圧延用
ロールで圧延し、3次元表面粗さが、中心面平均粗さSR
a で 1.2μm 、SRmax が 6.5μm 、負荷曲線で深さ方向
落差が最も大きい点を中心として左右断面面積率がそれ
ぞれ±10%異なる2点間における高さ方向の差がSRmax
の50%以上で、かつ{(凹部平坦部面積/単位面積)×
100 }がそれぞれ 5, 30, 40, 60, 70, 95%となる溝状
凹部をそなえる厚み:0.35mmの冷延板とした。その後 9
80℃で最終焼鈍を施したのち、鋼板の表面に前記の処理
液を、被膜付着量が 1.0 g/m2 となるように塗布し、つ
いで 350℃で1分間焼付けた。
【0034】かくして得られた、絶縁被膜付き電磁鋼板
の溶接性、鋼板中酸素量及び低磁場特性について調べた
結果を、単位面積当たりに占める凹部平坦部面積との関
係で図5に示す。同図より明らかなように、凹部平坦部
面積の割合が30%以下又は70%以上の場合には、鋼板中
における酸素量は少なく、優れた低磁場特性が得られた
が、上記の範囲を逸脱した場合には、溶接性には優れる
ものの、酸素量が増大し低磁場特性の劣化を招いた。
【0035】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、溶接性及び
低磁場特性が共に優れた積層鉄心用電磁鋼板を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】負荷曲線の説明図である。
【図2】この発明に従う好適凹部を示す模式図である。
【図3】表面凹凸を切断面面積率と凸部高さとの関係で
示したグラフである。
【図4】従来法に従う凹部を示す模式図である。
【図5】単位面積当たりに占める凹部平坦部面積と溶接
性、鋼板中酸素量及び低磁場特性との関係を示したグラ
フである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板表面の3次元表面粗さが、中心面平
    均粗さSRa で 0.5〜3.0 μm 、最大高さSRmax が2〜30
    μm でかつ、各凹部につき、負荷曲線で深さ方向落差が
    最も大きい点(切断断面積率が0%又は 100%の点を除
    く負荷曲線の微分係数が最小である点)を中心として切
    断面面積率がそれぞれ±10%異なる2点間における高さ
    方向の差がSRmax の50%以上を満たし、また{(凹部平
    坦部面積/単位面積)×100 }で表される凹部平坦部の
    割合が30%以下又は70%以上を満足し、さらに表面に付
    着量が 0.5〜6.0 g/m2の絶縁被膜をそなえてなる端面溶
    接性及び低磁場特性に優れる積層鉄心用電磁鋼板。
JP15348793A 1993-06-24 1993-06-24 端面溶接性及び低磁場特性に優れる積層鉄心用電磁鋼板 Pending JPH0770717A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003324862A (ja) * 2002-04-26 2003-11-14 Nippon Steel Corp 車両用回転電機とその製造方法
JP2011508084A (ja) * 2007-12-28 2011-03-10 ポスコ 無方向性電気鋼板用のコーティング溶液,これを用いた無方向性電気鋼板のコーティング方法及び無方向性電気鋼板のコーティング層

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003324862A (ja) * 2002-04-26 2003-11-14 Nippon Steel Corp 車両用回転電機とその製造方法
JP2011508084A (ja) * 2007-12-28 2011-03-10 ポスコ 無方向性電気鋼板用のコーティング溶液,これを用いた無方向性電気鋼板のコーティング方法及び無方向性電気鋼板のコーティング層

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