JPH08104925A - めっき性に優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
めっき性に優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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- JPH08104925A JPH08104925A JP24266494A JP24266494A JPH08104925A JP H08104925 A JPH08104925 A JP H08104925A JP 24266494 A JP24266494 A JP 24266494A JP 24266494 A JP24266494 A JP 24266494A JP H08104925 A JPH08104925 A JP H08104925A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 Siを0.1 %以上含んでいても溶融亜鉛めっき
時の不めっきの発生のない高張力溶融亜鉛めっき鋼板お
よび高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法の提
供。 【構成】 C:0.1 %以下、Si:0.5 %以下、Mn:2.0
%以下、P:0.03〜0.10%を含有した鋼片を熱間圧延し
た後、40%以上、{−80×Si(%)+90}%以下の範囲
の圧下率で冷間圧延し、 900℃以下でかつ連続式溶融亜
鉛めっき設備にて750℃以上、{−2.5 ×圧下率(%)
+1025}℃以下の温度範囲にて再結晶焼鈍後、溶融亜鉛
めっき、さらには合金化処理を行う。
時の不めっきの発生のない高張力溶融亜鉛めっき鋼板お
よび高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法の提
供。 【構成】 C:0.1 %以下、Si:0.5 %以下、Mn:2.0
%以下、P:0.03〜0.10%を含有した鋼片を熱間圧延し
た後、40%以上、{−80×Si(%)+90}%以下の範囲
の圧下率で冷間圧延し、 900℃以下でかつ連続式溶融亜
鉛めっき設備にて750℃以上、{−2.5 ×圧下率(%)
+1025}℃以下の温度範囲にて再結晶焼鈍後、溶融亜鉛
めっき、さらには合金化処理を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として自動車材料用
の45kg/mm2 以上の高張力溶融亜鉛めっき鋼板および高
張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するもの
である。
の45kg/mm2 以上の高張力溶融亜鉛めっき鋼板および高
張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】合金化溶融亜鉛めっき鋼板は優れた塗装
後耐食性を有しているために、自動車車体の内板、外
板、構造部品などの自動車材料に広く使用されている。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製法としては各種あるが、
コスト、生産能率のためにライン内焼鈍方式、すなわち
材質を得るための焼鈍と表面のFe酸化物を還元する焼鈍
を兼ねて焼鈍を行い、その後溶融亜鉛浴に浸漬すること
により溶融亜鉛めっきし、その後引き上げて付着量を制
御し、加熱することにより合金化処理して亜鉛めっきを
Zn−Fe合金めっきとするのが主流である。
後耐食性を有しているために、自動車車体の内板、外
板、構造部品などの自動車材料に広く使用されている。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製法としては各種あるが、
コスト、生産能率のためにライン内焼鈍方式、すなわち
材質を得るための焼鈍と表面のFe酸化物を還元する焼鈍
を兼ねて焼鈍を行い、その後溶融亜鉛浴に浸漬すること
により溶融亜鉛めっきし、その後引き上げて付着量を制
御し、加熱することにより合金化処理して亜鉛めっきを
Zn−Fe合金めっきとするのが主流である。
【0003】一方、自動車車体の軽量化のために鉄鋼材
料の高張力が要求されている。特に、CAFE(地球環
境問題)で自動車の燃費の向上が要求されたため、その
ニーズは強いものがある。従って高張力合金化溶融亜鉛
めっき鋼板が必要となった。また、高張力溶融亜鉛めっ
き鋼板も自動車、家電、建材用等に需要がある。高張力
化する場合、固溶強化や組織強化など各種の方法がある
が、いずれの方法であってもC、Si、Mn、P、Cr、Ni、
Mo、Ti、Nbなどの添加元素が必要であるが、これらのう
ちSiは0.1wt %(以下%と表示する)以上で著しくめっ
き性を阻害することを見い出した。特に、Siが0.1 %以
上でかつMn、Cr、P、Mo、CuおよびNiの1種以上を合計
で1.0 %以上含む高張力鋼板を溶融亜鉛めっきする時、
亜鉛めっきが全面を覆わず、鋼板生地が露出したままの
いわゆる不めっきが発生した。
料の高張力が要求されている。特に、CAFE(地球環
境問題)で自動車の燃費の向上が要求されたため、その
ニーズは強いものがある。従って高張力合金化溶融亜鉛
めっき鋼板が必要となった。また、高張力溶融亜鉛めっ
き鋼板も自動車、家電、建材用等に需要がある。高張力
化する場合、固溶強化や組織強化など各種の方法がある
が、いずれの方法であってもC、Si、Mn、P、Cr、Ni、
Mo、Ti、Nbなどの添加元素が必要であるが、これらのう
ちSiは0.1wt %(以下%と表示する)以上で著しくめっ
き性を阻害することを見い出した。特に、Siが0.1 %以
上でかつMn、Cr、P、Mo、CuおよびNiの1種以上を合計
で1.0 %以上含む高張力鋼板を溶融亜鉛めっきする時、
亜鉛めっきが全面を覆わず、鋼板生地が露出したままの
いわゆる不めっきが発生した。
【0004】不めっき対策として、溶融亜鉛めっきの浴
温や溶融亜鉛めっき浴のAl濃度を適切に制御することも
考えられるが、その場合でもSiを0.1 %以上含有する場
合には不めっきを皆無にすることは容易ではない。また
通常の操業条件において浴温やAl濃度を変更させること
は容易ではなく、操業上大きな問題となる。その対策と
して特開昭55−122865号公報には雰囲気による高温初期
酸化処理によるSi、Mn等の表面濃化防止技術が、特開昭
57−79160 号公報にはFe系プレめっきによるSi、Mn等の
表面濃化防止技術が開示されている。しかしながら、前
者は酸化量の制御が困難であり、後者は実用的には多く
のFe付着量、すなわち通常5g/m2 以上、Siが0.5 %
を超えると約10g/m2 が必要であり、設備コスト、ラ
ンニングコストとも高い。
温や溶融亜鉛めっき浴のAl濃度を適切に制御することも
考えられるが、その場合でもSiを0.1 %以上含有する場
合には不めっきを皆無にすることは容易ではない。また
通常の操業条件において浴温やAl濃度を変更させること
は容易ではなく、操業上大きな問題となる。その対策と
して特開昭55−122865号公報には雰囲気による高温初期
酸化処理によるSi、Mn等の表面濃化防止技術が、特開昭
57−79160 号公報にはFe系プレめっきによるSi、Mn等の
表面濃化防止技術が開示されている。しかしながら、前
者は酸化量の制御が困難であり、後者は実用的には多く
のFe付着量、すなわち通常5g/m2 以上、Siが0.5 %
を超えると約10g/m2 が必要であり、設備コスト、ラ
ンニングコストとも高い。
【0005】そこで、溶融亜鉛めっき浴条件を変更せ
ず、これらの方法に代わる安価で容易な表面濃化防止処
理技術が必要となった。
ず、これらの方法に代わる安価で容易な表面濃化防止処
理技術が必要となった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】溶融亜鉛めっき時の不
めっきは致命的な欠陥であり、ごく一部でも不めっきが
発生すれば全く製品とはならない。本発明は、Siを0.1
%以上含んでいても、溶融亜鉛めっき時の不めっきの発
生のないめっき性に優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板お
よび高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供
することを目的とするものである。
めっきは致命的な欠陥であり、ごく一部でも不めっきが
発生すれば全く製品とはならない。本発明は、Siを0.1
%以上含んでいても、溶融亜鉛めっき時の不めっきの発
生のないめっき性に優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板お
よび高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、C:0.1 %以
下、Si:0.5 %以下、Mn:2.0 %以下、P:0.03〜0.10
%を含有した鋼片を熱間圧延した後、下記(1)式で表
される圧下率で冷間圧延し、連続式溶融亜鉛めっき設備
にて、 900℃以下でかつ下記(2)式で表される再結晶
焼鈍温度で焼鈍後溶融亜鉛めっきすることを特徴とする
めっき性に優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
であり、また本発明は、前記再結晶焼鈍をオールラジア
ントチューブ方式で行うことが好ましく、また本発明は
上記で得られた高張力溶融亜鉛めっき鋼板を合金化処理
することを特徴とするめっき性に優れた高張力合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
下、Si:0.5 %以下、Mn:2.0 %以下、P:0.03〜0.10
%を含有した鋼片を熱間圧延した後、下記(1)式で表
される圧下率で冷間圧延し、連続式溶融亜鉛めっき設備
にて、 900℃以下でかつ下記(2)式で表される再結晶
焼鈍温度で焼鈍後溶融亜鉛めっきすることを特徴とする
めっき性に優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
であり、また本発明は、前記再結晶焼鈍をオールラジア
ントチューブ方式で行うことが好ましく、また本発明は
上記で得られた高張力溶融亜鉛めっき鋼板を合金化処理
することを特徴とするめっき性に優れた高張力合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
【0008】記 40%≦圧下率≦{−80×Si(%)+90}% ……………(1) 750 ℃≦再結晶焼鈍温度≦{−2.5 ×圧下率(%)+1025}℃ …(2)
【0009】
【作用】本発明者らは、前記の高張力鋼板の不めっき原
因を検討した結果、鋼板表面にSiO2、MnO 、Cr2O3 など
の酸化物、複合添加の場合にはFeSiO 、MnSiO などの複
合酸化物が鋼板の表面に濃化しており、鋼板を覆ってい
るためであることを再確認した。特にSiは0.1 %以上の
添加により表面濃化し、めっき性を特に損なう元素であ
った。
因を検討した結果、鋼板表面にSiO2、MnO 、Cr2O3 など
の酸化物、複合添加の場合にはFeSiO 、MnSiO などの複
合酸化物が鋼板の表面に濃化しており、鋼板を覆ってい
るためであることを再確認した。特にSiは0.1 %以上の
添加により表面濃化し、めっき性を特に損なう元素であ
った。
【0010】MnはSiほどではないが表面濃化し、やはり
めっき性を阻害する。これらの表面濃化により溶融亜鉛
との濡れ性が低下し、その結果、不めっきが発生すると
されており、前述の濃化防止もこの考え方に沿うもので
ある。ところで、冷延鋼板の再結晶焼鈍は通常数%のH
2 を含む、Feにとって還元性の雰囲気にて行われる。と
ころが高張力化のためにSi、Mn、Cr等が添加されている
とこれらの元素は易酸化性であり、通常の再結晶焼鈍雰
囲気では酸化性である。従って表面では選択酸化されて
酸化物となり、鋼中のバルクのこれらの成分が表面に向
かって拡散するため、多量の表面濃化層が形成される。
この表面濃化層がめっき性を阻害する。
めっき性を阻害する。これらの表面濃化により溶融亜鉛
との濡れ性が低下し、その結果、不めっきが発生すると
されており、前述の濃化防止もこの考え方に沿うもので
ある。ところで、冷延鋼板の再結晶焼鈍は通常数%のH
2 を含む、Feにとって還元性の雰囲気にて行われる。と
ころが高張力化のためにSi、Mn、Cr等が添加されている
とこれらの元素は易酸化性であり、通常の再結晶焼鈍雰
囲気では酸化性である。従って表面では選択酸化されて
酸化物となり、鋼中のバルクのこれらの成分が表面に向
かって拡散するため、多量の表面濃化層が形成される。
この表面濃化層がめっき性を阻害する。
【0011】従ってこの表面濃化を抑制することが重要
であるが、これは熱力学的に当然の現象であり、従来の
対策としてはせいぜいSi、Mn、Crの添加量を規制する程
度であった。ところが本発明者らは、鋼中の成分が同一
でありしかも焼鈍以降の条件が同一であるにもかかわら
ず表面濃化が変化し、その結果めっき性が変化すること
を初めて見い出した。
であるが、これは熱力学的に当然の現象であり、従来の
対策としてはせいぜいSi、Mn、Crの添加量を規制する程
度であった。ところが本発明者らは、鋼中の成分が同一
でありしかも焼鈍以降の条件が同一であるにもかかわら
ず表面濃化が変化し、その結果めっき性が変化すること
を初めて見い出した。
【0012】そこでその原因を鋭意検討した結果、その
主原因が熱延後冷間圧延工程にあることをつきとめ、本
発明に至ったものである。ところで従来までは、鋼中の
成分や冷延圧下率、焼鈍温度などの条件は材質(機械的
性質)を得ることを主眼としてきた。その場合材質を得
やすいこととコスト上安価なためにSiが添加され、しか
もその量が0.5 %近くまで高くなる。高r値を得るため
に冷延圧下率は高くなり焼鈍温度も高くなる。これらの
結果材質は得られてもめっき性は不良となった。
主原因が熱延後冷間圧延工程にあることをつきとめ、本
発明に至ったものである。ところで従来までは、鋼中の
成分や冷延圧下率、焼鈍温度などの条件は材質(機械的
性質)を得ることを主眼としてきた。その場合材質を得
やすいこととコスト上安価なためにSiが添加され、しか
もその量が0.5 %近くまで高くなる。高r値を得るため
に冷延圧下率は高くなり焼鈍温度も高くなる。これらの
結果材質は得られてもめっき性は不良となった。
【0013】本発明において、初めてFe系プレめっきや
初期酸化処理によらずめっき性を確保することができる
ようになった。通常の再結晶焼鈍でのSi、Mn、Cr等の表
面での選択酸化は熱力学的に不可避である。しかし、本
発明者らの検討によれば、鋼中成分量の規制とともに鋼
中Si量を関数とした冷延圧下率の規制を加えることによ
り表面濃化量を減少させることができ、その結果めっき
性を改善できることを見い出した。
初期酸化処理によらずめっき性を確保することができる
ようになった。通常の再結晶焼鈍でのSi、Mn、Cr等の表
面での選択酸化は熱力学的に不可避である。しかし、本
発明者らの検討によれば、鋼中成分量の規制とともに鋼
中Si量を関数とした冷延圧下率の規制を加えることによ
り表面濃化量を減少させることができ、その結果めっき
性を改善できることを見い出した。
【0014】Si量は0.5 %以下に限定する。これは原板
のSi量の増加とともに焼鈍後の表面濃化量が増加しめっ
き性が劣化するためである。しかし、単にSi量の限定の
みでは不十分であり、Si量を関数として冷延圧下率を
{−80×Si(%)+90}%以下に限定する必要がある。
この理由は同じSi量であっても、冷延圧下率が高いと表
面濃化量が多くなり、めっき性が劣化するためである。
すなわち、冷延圧下率を高くしたい場合にはSi添加量を
低下させる必要がある。
のSi量の増加とともに焼鈍後の表面濃化量が増加しめっ
き性が劣化するためである。しかし、単にSi量の限定の
みでは不十分であり、Si量を関数として冷延圧下率を
{−80×Si(%)+90}%以下に限定する必要がある。
この理由は同じSi量であっても、冷延圧下率が高いと表
面濃化量が多くなり、めっき性が劣化するためである。
すなわち、冷延圧下率を高くしたい場合にはSi添加量を
低下させる必要がある。
【0015】この冷延圧下率が表面濃化量に及ぼす原因
については確定できたわけではないが、冷延により鋼に
歪が与えられこの歪が焼鈍中および焼鈍完了時点でも完
全には消失せず、この歪を経由してSiが拡散して表面に
濃化するためと推定される。つまり正常な歪の無い体拡
散よりも歪を経由する拡散の方が圧倒的に早いためと考
えられる。この焼鈍中でも残存する歪の量(数)が冷延
圧下率と比例するために、冷延圧下率の低い方が同じSi
添加量でも表面濃化量が少くなるメカニズムと考えられ
る。
については確定できたわけではないが、冷延により鋼に
歪が与えられこの歪が焼鈍中および焼鈍完了時点でも完
全には消失せず、この歪を経由してSiが拡散して表面に
濃化するためと推定される。つまり正常な歪の無い体拡
散よりも歪を経由する拡散の方が圧倒的に早いためと考
えられる。この焼鈍中でも残存する歪の量(数)が冷延
圧下率と比例するために、冷延圧下率の低い方が同じSi
添加量でも表面濃化量が少くなるメカニズムと考えられ
る。
【0016】冷延圧下率の下限は40%以上とする。その
理由は、40%未満だと焼鈍中の再結晶がおこりにくくま
た良好な結晶方位が得られにくくなるためである。以上
まとめて図1にSi含有量に基づく許容冷延圧下率の領域
図(斜線部)のグラフを示す。Mn添加量は2.0 %以下に
限定される。この理由はMn2.0 %超ではMn自身の表面濃
化によりめっき性が阻害されるためである。Mnは冷延圧
下率の限定式の関数とはならない。その理由は同じSi
量、Mn量の鋼板を用いて冷延圧下率が焼鈍後の表面濃化
に及ぼす影響を調査したところ、冷延圧下率とSi表面濃
化量はほぼ正比例の関係であるが、Mnの表面濃化量はゆ
るやかな正の相関関係は認められるもののその傾きは小
さいことを見い出したためである。
理由は、40%未満だと焼鈍中の再結晶がおこりにくくま
た良好な結晶方位が得られにくくなるためである。以上
まとめて図1にSi含有量に基づく許容冷延圧下率の領域
図(斜線部)のグラフを示す。Mn添加量は2.0 %以下に
限定される。この理由はMn2.0 %超ではMn自身の表面濃
化によりめっき性が阻害されるためである。Mnは冷延圧
下率の限定式の関数とはならない。その理由は同じSi
量、Mn量の鋼板を用いて冷延圧下率が焼鈍後の表面濃化
に及ぼす影響を調査したところ、冷延圧下率とSi表面濃
化量はほぼ正比例の関係であるが、Mnの表面濃化量はゆ
るやかな正の相関関係は認められるもののその傾きは小
さいことを見い出したためである。
【0017】冷延圧下率と焼鈍後のSiおよびMnの鋼板表
面濃化量との関係を図2に示す。表面濃化量はGDS
(グリムグロー発光分光)の積算値により定めた。Mnの
表面濃化が冷延圧下率に殆んど影響されないのは、Mnと
Siの拡散メカニズムの相違と考えられる。すなわちMnは
歪による拡散の寄与もあるが、むしろ主体は粒界を経由
する拡散であるためと考えられる。
面濃化量との関係を図2に示す。表面濃化量はGDS
(グリムグロー発光分光)の積算値により定めた。Mnの
表面濃化が冷延圧下率に殆んど影響されないのは、Mnと
Siの拡散メカニズムの相違と考えられる。すなわちMnは
歪による拡散の寄与もあるが、むしろ主体は粒界を経由
する拡散であるためと考えられる。
【0018】実際、焼鈍後のSEM(走査型電子顕微
鏡)による表面観察によれば粒界上にはMnを主とする濃
化物、粒面(粒内表面)にはSiを主とする複合酸化物が
認められることが多い。Cは0.1 %以下に限定される。
その理由は強度を得るためには高くしたいが、材質特性
を得るためには低い方が好ましいためである。特に高r
値を得たい場合にはCは0.01%以下が好ましい。
鏡)による表面観察によれば粒界上にはMnを主とする濃
化物、粒面(粒内表面)にはSiを主とする複合酸化物が
認められることが多い。Cは0.1 %以下に限定される。
その理由は強度を得るためには高くしたいが、材質特性
を得るためには低い方が好ましいためである。特に高r
値を得たい場合にはCは0.01%以下が好ましい。
【0019】Pは強度を得るためには有効な添加元素で
あり、しかもめっき性を劣化させることはほとんどない
ため0.03%以上とする。しかし多すぎると粒界への偏析
量が増加して脆化するために0.10%以下とする。これら
の鋼板を通常のCGL(連続式溶融亜鉛めっき設備)に
て再結晶焼鈍した後、溶融亜鉛めっきすればよい。
あり、しかもめっき性を劣化させることはほとんどない
ため0.03%以上とする。しかし多すぎると粒界への偏析
量が増加して脆化するために0.10%以下とする。これら
の鋼板を通常のCGL(連続式溶融亜鉛めっき設備)に
て再結晶焼鈍した後、溶融亜鉛めっきすればよい。
【0020】同じ鋼板を使用しても、単に焼鈍温度が変
化するのみでも表面濃化量は変化する。当然温度の低い
方が表面濃化量は少ないがその焼鈍温度が表面濃化に及
ぼす影響についても冷延圧下率の影響があることを見い
出した。すなわち、同じ焼鈍温度であっても冷延圧下率
が低いと表面濃化量が抑制される。従って圧下率が高い
場合には焼鈍温度を低くする必要があり、圧下率が低い
場合には温度を高くすることができる。図3に冷延圧下
率と焼鈍温度との許容される領域図(斜線部)のグラフ
を示す。
化するのみでも表面濃化量は変化する。当然温度の低い
方が表面濃化量は少ないがその焼鈍温度が表面濃化に及
ぼす影響についても冷延圧下率の影響があることを見い
出した。すなわち、同じ焼鈍温度であっても冷延圧下率
が低いと表面濃化量が抑制される。従って圧下率が高い
場合には焼鈍温度を低くする必要があり、圧下率が低い
場合には温度を高くすることができる。図3に冷延圧下
率と焼鈍温度との許容される領域図(斜線部)のグラフ
を示す。
【0021】すなわち、 900℃以下でかつ 750℃≦焼鈍
温度≦{−2.5 ×圧下率(%)+1025}℃の範囲に限定
される。750 ℃以上に限定されるのは再結晶を行うため
であり、900 ℃以下はそれを超えた温度が不要なためで
ある。焼鈍後、鋼板は冷却され侵入板温400 〜550 ℃に
て450 〜490 ℃の浴温の亜鉛めっき浴に浸漬してめっき
することが好ましい。侵入板温が400 ℃以上が好ましい
のは鋼板とめっき浴との反応を促進するためであり、55
0 ℃以下が好ましいのはあまり高温の板温とするとZn浴
の温度が上昇してしまうためである。亜鉛めっき浴温が
450 ℃以上が好ましいのは板との反応を促進するためで
あり、490 ℃以下が好ましいのは、それを超えると亜鉛
浴へのFeの溶出量が多くなり、ドロスの発生量が多くな
るためである。
温度≦{−2.5 ×圧下率(%)+1025}℃の範囲に限定
される。750 ℃以上に限定されるのは再結晶を行うため
であり、900 ℃以下はそれを超えた温度が不要なためで
ある。焼鈍後、鋼板は冷却され侵入板温400 〜550 ℃に
て450 〜490 ℃の浴温の亜鉛めっき浴に浸漬してめっき
することが好ましい。侵入板温が400 ℃以上が好ましい
のは鋼板とめっき浴との反応を促進するためであり、55
0 ℃以下が好ましいのはあまり高温の板温とするとZn浴
の温度が上昇してしまうためである。亜鉛めっき浴温が
450 ℃以上が好ましいのは板との反応を促進するためで
あり、490 ℃以下が好ましいのは、それを超えると亜鉛
浴へのFeの溶出量が多くなり、ドロスの発生量が多くな
るためである。
【0022】合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合
には、溶融亜鉛めっき後直ちに加熱し、溶融亜鉛と鋼板
中のFeとの拡散反応をおこさせ、合金化溶融亜鉛めっき
とする。なお通常の溶融亜鉛めっきの場合には亜鉛浴中
にAlが0.1 〜0.2 %程度含有されているが、合金化溶融
亜鉛めっきの場合には合金化を促進するためにやや低目
のAl濃度が推奨される。
には、溶融亜鉛めっき後直ちに加熱し、溶融亜鉛と鋼板
中のFeとの拡散反応をおこさせ、合金化溶融亜鉛めっき
とする。なお通常の溶融亜鉛めっきの場合には亜鉛浴中
にAlが0.1 〜0.2 %程度含有されているが、合金化溶融
亜鉛めっきの場合には合金化を促進するためにやや低目
のAl濃度が推奨される。
【0023】通常のCGL(連続式溶融亜鉛めっき装
置)では焼鈍時の加熱方式としてNOF(無酸化炉)と
オールラジアントチューブタイプ(還元雰囲気)の2種
類がある。本発明はオールラジアントチューブタイプの
ラインに特に好適である。もちろん本発明の効果は本来
は加熱方式による影響はないのであるが、NOFの場
合、好むと好まざるにかかわらず鋼板表面は酸化され、
Fe酸化物が生成する。NOFは名称こそ Non Oxidizing
Furnace(無酸化炉)となってはいるが、バーナーの直
火やその廃ガスで鋼板表面を直接加熱するものであるか
ら部分的には還元性であっても、実態は上記のとおりで
ある。生成したFe酸化物はSi、Mnの表面濃化抑制作用が
あることは周知の事実である。しかしその効果は極めて
不安定で制御するのは困難である。一方、オールラジア
ントチューブタイプの場合にはそのような外乱が入らな
い。従って本発明はNOFタイプでも有効ではあるが特
にオールラジアントタイプのラインで有効である。
置)では焼鈍時の加熱方式としてNOF(無酸化炉)と
オールラジアントチューブタイプ(還元雰囲気)の2種
類がある。本発明はオールラジアントチューブタイプの
ラインに特に好適である。もちろん本発明の効果は本来
は加熱方式による影響はないのであるが、NOFの場
合、好むと好まざるにかかわらず鋼板表面は酸化され、
Fe酸化物が生成する。NOFは名称こそ Non Oxidizing
Furnace(無酸化炉)となってはいるが、バーナーの直
火やその廃ガスで鋼板表面を直接加熱するものであるか
ら部分的には還元性であっても、実態は上記のとおりで
ある。生成したFe酸化物はSi、Mnの表面濃化抑制作用が
あることは周知の事実である。しかしその効果は極めて
不安定で制御するのは困難である。一方、オールラジア
ントチューブタイプの場合にはそのような外乱が入らな
い。従って本発明はNOFタイプでも有効ではあるが特
にオールラジアントタイプのラインで有効である。
【0024】なお、鋼中の成分については材質や粒界特
性の制御のために適宜Cr、B、S、Ti、Nb、Al、O、N
等を添加したり、その添加量を制限してもかまわない。
性の制御のために適宜Cr、B、S、Ti、Nb、Al、O、N
等を添加したり、その添加量を制限してもかまわない。
【0025】
【実施例】表1に示す種々の組成の鋼スラブを仕上げ温
度860 〜910 ℃で熱間圧延した後、圧下率を変更して板
厚0.8mm の冷延板とした。ついで実施例8、比較例10を
除いてオールラジアントチューブタイプのCGLにて再
結晶焼鈍後、めっき付着量30〜60g/m2 /片面の溶融
亜鉛めっきを施した。
度860 〜910 ℃で熱間圧延した後、圧下率を変更して板
厚0.8mm の冷延板とした。ついで実施例8、比較例10を
除いてオールラジアントチューブタイプのCGLにて再
結晶焼鈍後、めっき付着量30〜60g/m2 /片面の溶融
亜鉛めっきを施した。
【0026】めっき性は目視および光学顕微鏡およびレ
ーザー顕微鏡および SEM/EDX (走査型電子顕微鏡/エ
ネルギー分散型X線分析)にて不めっきの有無を判定し
た。 めっき性の評価基準は次のとおりである。 ○は通常条件で不めっきなし。 △は通常条件でわずかに不めっきありで、他の対策、例
えば高浴温化要。
ーザー顕微鏡および SEM/EDX (走査型電子顕微鏡/エ
ネルギー分散型X線分析)にて不めっきの有無を判定し
た。 めっき性の評価基準は次のとおりである。 ○は通常条件で不めっきなし。 △は通常条件でわずかに不めっきありで、他の対策、例
えば高浴温化要。
【0027】×は不めっきあり。商品にならず。
【0028】
【表1】
【0029】表1から、本発明の範囲の製造方法のもの
は、めっき性が良好で不めっきがなく、また高強度のも
のが得られていることがわかる。
は、めっき性が良好で不めっきがなく、また高強度のも
のが得られていることがわかる。
【0030】
【発明の効果】本発明は成分限定とSi量を関数とした冷
延圧下率および該圧下率を関数とする再結晶温度を規定
することにより、Si等の表面濃化を低減させることがで
き、めっき性の優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板および
高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造できるようにな
った。
延圧下率および該圧下率を関数とする再結晶温度を規定
することにより、Si等の表面濃化を低減させることがで
き、めっき性の優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板および
高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造できるようにな
った。
【図1】Si含有量に基づく許容冷延圧下率の領域図を示
すグラフ。
すグラフ。
【図2】冷延圧下率とGDSで評価した焼鈍後のSiおよ
びMnの表面濃化量との関係を示すグラフ。
びMnの表面濃化量との関係を示すグラフ。
【図3】冷延圧下率に基づく許容焼鈍温度領域図を示す
グラフ。
グラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 2/28
Claims (3)
- 【請求項1】 C:0.1 %以下、Si:0.5 %以下、Mn:
2.0 %以下、P:0.03〜0.10%を含有した鋼片を熱間圧
延した後、下記(1)式で表される圧下率で冷間圧延
し、連続式溶融亜鉛めっき設備にて、 900℃以下でかつ
下記(2)式で表される再結晶焼鈍温度で焼鈍後溶融亜
鉛めっきすることを特徴とするめっき性に優れた高張力
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 記 40%≦圧下率≦{−80×Si(%)+90}% ……………(1) 750 ℃≦再結晶焼鈍温度≦{−2.5 ×圧下率(%)+1025}℃ …(2) - 【請求項2】 再結晶焼鈍をオールラジアントチューブ
方式で行うことを特徴とする請求項1記載のめっき性に
優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2のいずれかで得られた高
張力溶融亜鉛めっき鋼板を合金化処理することを特徴と
するめっき性に優れた高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24266494A JPH08104925A (ja) | 1994-10-06 | 1994-10-06 | めっき性に優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24266494A JPH08104925A (ja) | 1994-10-06 | 1994-10-06 | めっき性に優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08104925A true JPH08104925A (ja) | 1996-04-23 |
Family
ID=17092413
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24266494A Pending JPH08104925A (ja) | 1994-10-06 | 1994-10-06 | めっき性に優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08104925A (ja) |
-
1994
- 1994-10-06 JP JP24266494A patent/JPH08104925A/ja active Pending
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