JPH09180187A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体の製造方法Info
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- JPH09180187A JPH09180187A JP33340995A JP33340995A JPH09180187A JP H09180187 A JPH09180187 A JP H09180187A JP 33340995 A JP33340995 A JP 33340995A JP 33340995 A JP33340995 A JP 33340995A JP H09180187 A JPH09180187 A JP H09180187A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ウェット・オン・ウェット塗布方式によって
下層非磁性層、上層磁性層を有する磁気記録媒体を製造
するに際して、上層下層界面や上層磁性層表面が良好な
状態で形成できるようにする。それによって、電磁変換
特性に優れるとともにRFエンベロープの形状も良好で
あり、またドロップアウトが抑えられ、走行性、耐久性
にも優れ、高密度記録に好適な磁気記録媒体の製造を可
能にする。 【解決手段】 上層用の磁性塗料として応力に明確な極
大値が認められないか、あるいは応力に極大値が現れ、
この応力の極大値σmaxが及びこの極大値σmaxに
対する歪みが所定の条件を満たすものを用いる。
下層非磁性層、上層磁性層を有する磁気記録媒体を製造
するに際して、上層下層界面や上層磁性層表面が良好な
状態で形成できるようにする。それによって、電磁変換
特性に優れるとともにRFエンベロープの形状も良好で
あり、またドロップアウトが抑えられ、走行性、耐久性
にも優れ、高密度記録に好適な磁気記録媒体の製造を可
能にする。 【解決手段】 上層用の磁性塗料として応力に明確な極
大値が認められないか、あるいは応力に極大値が現れ、
この応力の極大値σmaxが及びこの極大値σmaxに
対する歪みが所定の条件を満たすものを用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体の製造
方法に関し、特に、ウェット・オン・ウェット塗布方式
による磁気記録媒体の製造方法に関する。
方法に関し、特に、ウェット・オン・ウェット塗布方式
による磁気記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビデオテープ、オーディオテー
プ、磁気ディスク等としては、強磁性酸化鉄、Co変成
酸化鉄、CrO2、強磁性合金粉末等の強磁性粉末を結
合剤中に分散させることで調製された磁性塗料を、非磁
性支持体上に塗布することで磁性層が形成される、いわ
ゆる塗布型の磁気記録媒体が広く用いられている。
プ、磁気ディスク等としては、強磁性酸化鉄、Co変成
酸化鉄、CrO2、強磁性合金粉末等の強磁性粉末を結
合剤中に分散させることで調製された磁性塗料を、非磁
性支持体上に塗布することで磁性層が形成される、いわ
ゆる塗布型の磁気記録媒体が広く用いられている。
【0003】近年、磁気記録の分野においては、記録の
高密度化、短波長化が進行しており、上記塗布型の磁気
記録媒体においても、そのような記録の高密度化、短波
長化に対応する特性を有することが求められるようにな
っている。
高密度化、短波長化が進行しており、上記塗布型の磁気
記録媒体においても、そのような記録の高密度化、短波
長化に対応する特性を有することが求められるようにな
っている。
【0004】ここで、塗布型の磁気記録媒体において、
高密度記録領域での電磁変換特性を改善する手法として
は、磁性層の薄層化が挙げられる。磁性層を薄層化する
と、記録時の自己減磁損失や再生時の厚み損失が減少
し、電磁変換特性が効果的に改善されることになる。
高密度記録領域での電磁変換特性を改善する手法として
は、磁性層の薄層化が挙げられる。磁性層を薄層化する
と、記録時の自己減磁損失や再生時の厚み損失が減少
し、電磁変換特性が効果的に改善されることになる。
【0005】しかしながら、この場合、磁性層の厚さを
例えば2μm以下に薄くすると、非磁性支持体の表面形
状が磁性層の表面に浮き出し易くなり、磁性層の表面が
粗れた状態になる。そうなると、スペーシングロスによ
って電磁変換特性が悪化したり、ドロップアウトが多発
するようになる。
例えば2μm以下に薄くすると、非磁性支持体の表面形
状が磁性層の表面に浮き出し易くなり、磁性層の表面が
粗れた状態になる。そうなると、スペーシングロスによ
って電磁変換特性が悪化したり、ドロップアウトが多発
するようになる。
【0006】そこで、塗布型の磁気記録媒体では、磁性
層と非磁性支持体の間に比較的厚さの厚い下層非磁性層
を介在させ、これによって非磁性支持体の表面形状が磁
性層表面に現れ難くした、重層塗布型構成が提案されて
いる。この重層塗布型の磁気記録媒体では、厚さの薄い
磁性層が平滑な表面で形成できるので、短波長領域にお
いて優れた電磁変換特性が得られることになる。
層と非磁性支持体の間に比較的厚さの厚い下層非磁性層
を介在させ、これによって非磁性支持体の表面形状が磁
性層表面に現れ難くした、重層塗布型構成が提案されて
いる。この重層塗布型の磁気記録媒体では、厚さの薄い
磁性層が平滑な表面で形成できるので、短波長領域にお
いて優れた電磁変換特性が得られることになる。
【0007】ところで、このような重層塗布型の磁気記
録媒体は、これまで、非磁性支持体上に非磁性塗料を塗
布、乾燥させた後、必要に応じてカレンダー処理を施
し、この乾燥が施された下層非磁性層上に磁性塗料を塗
布する、いわゆるドライ・オン・ウェット塗布方式で作
製されている。
録媒体は、これまで、非磁性支持体上に非磁性塗料を塗
布、乾燥させた後、必要に応じてカレンダー処理を施
し、この乾燥が施された下層非磁性層上に磁性塗料を塗
布する、いわゆるドライ・オン・ウェット塗布方式で作
製されている。
【0008】しかしながら、この塗布方式では、下層非
磁性層、上層磁性層が別々のラインで形成されることに
なることから、製造工程が煩雑であるとともに、以下に
示す理由から上層磁性層の薄層化に限界がある。
磁性層、上層磁性層が別々のラインで形成されることに
なることから、製造工程が煩雑であるとともに、以下に
示す理由から上層磁性層の薄層化に限界がある。
【0009】すなわち、上層磁性層を薄く形成するに
は、上層塗料の塗布量そのものを減らすか、塗料に溶剤
を多量に加えて濃度を希薄にする方法が採られる。
は、上層塗料の塗布量そのものを減らすか、塗料に溶剤
を多量に加えて濃度を希薄にする方法が採られる。
【0010】しかし、塗料の塗布量を減らすと、塗膜が
十分にレベリングしないうちから乾燥が始まるようにな
り、このため塗布欠陥、例えばスジや刻印のパターン
(グラブアロール塗布方式の場合)が残り、歩留まりが
非常に悪くなる。
十分にレベリングしないうちから乾燥が始まるようにな
り、このため塗布欠陥、例えばスジや刻印のパターン
(グラブアロール塗布方式の場合)が残り、歩留まりが
非常に悪くなる。
【0011】一方、塗料の濃度を希薄にした場合には、
塗膜に空隙が多く形成されてしまい、強磁性粉末の充填
度が低くなり、塗膜強度も不十分になる。
塗膜に空隙が多く形成されてしまい、強磁性粉末の充填
度が低くなり、塗膜強度も不十分になる。
【0012】このため、特開昭63−191315号公
報にも記載されているように、下層塗膜が湿潤状態にあ
る間に、この下層塗膜上に上層用塗料を塗布する、湿潤
重層塗布方式(ウェット・オン・ウェット塗布方式)が
提案されている。
報にも記載されているように、下層塗膜が湿潤状態にあ
る間に、この下層塗膜上に上層用塗料を塗布する、湿潤
重層塗布方式(ウェット・オン・ウェット塗布方式)が
提案されている。
【0013】このウェット・オン・ウェット塗布方式に
は、下層用塗料を塗布して下層塗膜を形成した後、この
下層塗膜上に上層用塗料を塗布するといったように、下
層用塗料と上層用塗料を逐次的に塗布する逐次湿潤塗布
方式と、下層用塗料と上層用塗料がそれぞれ押し出され
る2つのスリットが近接して形成された押し出しコータ
ーを用い、この押し出しコーターによって下層用塗料と
上層用塗料を同時に塗布する同時重層塗布方式が知られ
ている。
は、下層用塗料を塗布して下層塗膜を形成した後、この
下層塗膜上に上層用塗料を塗布するといったように、下
層用塗料と上層用塗料を逐次的に塗布する逐次湿潤塗布
方式と、下層用塗料と上層用塗料がそれぞれ押し出され
る2つのスリットが近接して形成された押し出しコータ
ーを用い、この押し出しコーターによって下層用塗料と
上層用塗料を同時に塗布する同時重層塗布方式が知られ
ている。
【0014】このようなウェット・オン・ウェット塗布
方式では、上層用塗料の塗布量を少なくしても、下層用
塗料と同時に乾燥されることから、塗膜が十分にレベリ
ングしないうちに乾燥してしまうといったことがなく、
上層磁性層が良好な表面性を有して形成される。また、
下層上層間での接着性も良く、良好な走行耐久性が得ら
れる。
方式では、上層用塗料の塗布量を少なくしても、下層用
塗料と同時に乾燥されることから、塗膜が十分にレベリ
ングしないうちに乾燥してしまうといったことがなく、
上層磁性層が良好な表面性を有して形成される。また、
下層上層間での接着性も良く、良好な走行耐久性が得ら
れる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このウェッ
ト・オン・ウェット塗布方式については、下層塗料,上
層塗料がいずれも磁性塗料である場合には、様々な検討
がなされているが、非磁性塗料と磁性塗料を塗布する場
合については知見が不足している。非磁性塗料と磁性塗
料を塗布する際に、下層用塗料、上層用塗料がいずれも
磁性塗料である場合の条件を適用すると、下層上層界面
において乱れが生じ、塗膜にピンホールが生じたり上層
磁性層にハジキが生じるといった現象が見受けられる場
合がある。また、塗料物性によっては、上層磁性層に面
粗れが生じ、その面粗れによってスペーシングロス、R
Fエンベロープ不良、走行性及び耐久性の劣化、ドロッ
プアウトの増大等が引き起こされる。このような上層磁
性層の面粗れは、それぞれの塗料を単層で塗布した際に
は兆候の見られないものであり、重層塗布としたときに
はじめて発現する現象である。
ト・オン・ウェット塗布方式については、下層塗料,上
層塗料がいずれも磁性塗料である場合には、様々な検討
がなされているが、非磁性塗料と磁性塗料を塗布する場
合については知見が不足している。非磁性塗料と磁性塗
料を塗布する際に、下層用塗料、上層用塗料がいずれも
磁性塗料である場合の条件を適用すると、下層上層界面
において乱れが生じ、塗膜にピンホールが生じたり上層
磁性層にハジキが生じるといった現象が見受けられる場
合がある。また、塗料物性によっては、上層磁性層に面
粗れが生じ、その面粗れによってスペーシングロス、R
Fエンベロープ不良、走行性及び耐久性の劣化、ドロッ
プアウトの増大等が引き起こされる。このような上層磁
性層の面粗れは、それぞれの塗料を単層で塗布した際に
は兆候の見られないものであり、重層塗布としたときに
はじめて発現する現象である。
【0016】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、下層上層界面が滑らか
に、また上層磁性層が良好な表面性を有して形成でき、
電磁変換特性に優れるとともにRFエンベロープの形状
も良好であり、またドロップアウトが抑えられ、走行耐
久性にも優れた磁気記録媒体が高い歩留まりで製造でき
る磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とす
る。
鑑みて提案されたものであり、下層上層界面が滑らか
に、また上層磁性層が良好な表面性を有して形成でき、
電磁変換特性に優れるとともにRFエンベロープの形状
も良好であり、またドロップアウトが抑えられ、走行耐
久性にも優れた磁気記録媒体が高い歩留まりで製造でき
る磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、非磁性塗料
及び磁性塗料を重層塗布した場合に生じる、下層上層界
面の乱れや上層磁性層の面粗れは、塗料の持つ非ニュー
トン性の異常流動が根幹的に関与しているとの知見を得
るに至った。
めに、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、非磁性塗料
及び磁性塗料を重層塗布した場合に生じる、下層上層界
面の乱れや上層磁性層の面粗れは、塗料の持つ非ニュー
トン性の異常流動が根幹的に関与しているとの知見を得
るに至った。
【0018】本発明の磁気記録媒体の製造方法は、この
ような知見に基づいて完成されたものであって、非磁性
支持体上に、非磁性粉末及び結合剤を溶剤とともに分散
させることで調製された非磁性塗料を塗布して下層塗膜
を形成した後、この下層塗膜が湿潤状態である間に、当
該下層塗膜上に、磁性粉末及び結合剤を溶剤とともに分
散させることで調製された磁性塗料を塗布することで上
層塗膜を形成するに際して、上記磁性塗料の歪み制御式
粘度計によって測定される歪みと応力の関係において、
ずり速度0.025(1/s)の条件で応力に極大値が
現れないことを特徴とするものである。
ような知見に基づいて完成されたものであって、非磁性
支持体上に、非磁性粉末及び結合剤を溶剤とともに分散
させることで調製された非磁性塗料を塗布して下層塗膜
を形成した後、この下層塗膜が湿潤状態である間に、当
該下層塗膜上に、磁性粉末及び結合剤を溶剤とともに分
散させることで調製された磁性塗料を塗布することで上
層塗膜を形成するに際して、上記磁性塗料の歪み制御式
粘度計によって測定される歪みと応力の関係において、
ずり速度0.025(1/s)の条件で応力に極大値が
現れないことを特徴とするものである。
【0019】上記磁性塗料の歪み制御式粘度計によって
測定される歪みと応力の関係において、ずり速度0.0
25(1/s)の条件で応力に極大値が現れ、この応力
の極大値をσmax、応力が極大値σmaxとなるとき
の歪みをγmaxとしたときに、下記の条件を満たすこ
とを特徴とするものである。
測定される歪みと応力の関係において、ずり速度0.0
25(1/s)の条件で応力に極大値が現れ、この応力
の極大値をσmax、応力が極大値σmaxとなるとき
の歪みをγmaxとしたときに、下記の条件を満たすこ
とを特徴とするものである。
【0020】σmax<100(Pa) γmax<0.1 このような条件を満たす磁性塗料を上層用塗料として用
いることにより、異常流動が抑えられ、下層上層界面や
上層磁性層表面が良好な状態で形成されるようになる。
いることにより、異常流動が抑えられ、下層上層界面や
上層磁性層表面が良好な状態で形成されるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について説明する。
態について説明する。
【0022】ウェット・オン・ウェット塗布方式によっ
て下層非磁性層、上層磁性層を有する重層塗布型の磁気
記録媒体を作製するには、非磁性支持体上に、非磁性粉
末及び結合剤を溶剤とともに分散させることで調製され
た非磁性塗料を塗布して下層塗膜を形成した後、この下
層塗膜が湿潤状態である間に、当該下層塗膜上に、磁性
粉末及び結合剤を溶剤とともに分散させることで調製さ
れた磁性塗料を塗布することで上層塗膜を形成する。
て下層非磁性層、上層磁性層を有する重層塗布型の磁気
記録媒体を作製するには、非磁性支持体上に、非磁性粉
末及び結合剤を溶剤とともに分散させることで調製され
た非磁性塗料を塗布して下層塗膜を形成した後、この下
層塗膜が湿潤状態である間に、当該下層塗膜上に、磁性
粉末及び結合剤を溶剤とともに分散させることで調製さ
れた磁性塗料を塗布することで上層塗膜を形成する。
【0023】このようなウェット・オン・ウェット塗布
方式では、塗料の組成によっては下層上層界面が乱れ、
また上層磁性層に面粗れが生じ、これによって媒体の電
池変換特性の劣化、RFエンベロープ不良、走行性及び
耐久性の劣化、ドロップアウトの増大等が引き起こされ
る。本発明者等が、このような下層上層界面の乱れや上
層磁性層の面粗れについて検討を行ったところ、これら
が生じるのは、塗料の非ニュートン性の異常流動が主な
原因になっているものと推測された。
方式では、塗料の組成によっては下層上層界面が乱れ、
また上層磁性層に面粗れが生じ、これによって媒体の電
池変換特性の劣化、RFエンベロープ不良、走行性及び
耐久性の劣化、ドロップアウトの増大等が引き起こされ
る。本発明者等が、このような下層上層界面の乱れや上
層磁性層の面粗れについて検討を行ったところ、これら
が生じるのは、塗料の非ニュートン性の異常流動が主な
原因になっているものと推測された。
【0024】そこで、本発明では、このような塗料の異
常流動を抑え、下層上層界面や上層磁性層表面を良好な
状態にするために、上層用磁性塗料について、歪み制御
式粘度計によって測定される歪みγと応力σの関係につ
いて規制する。
常流動を抑え、下層上層界面や上層磁性層表面を良好な
状態にするために、上層用磁性塗料について、歪み制御
式粘度計によって測定される歪みγと応力σの関係につ
いて規制する。
【0025】ここで、歪みγと応力σの関係を説明する
前に、塗料の塗布性状に大きく影響するとされている塗
料の降伏値について説明する。
前に、塗料の塗布性状に大きく影響するとされている塗
料の降伏値について説明する。
【0026】まず、理想的な粘性液体の流動曲線と、上
層磁性層を形成するのに用いられるような固体粉末が溶
剤中に分散された分散液の流動曲線を図1に併せて示
す。
層磁性層を形成するのに用いられるような固体粉末が溶
剤中に分散された分散液の流動曲線を図1に併せて示
す。
【0027】理想的な粘性液体は、ニュートン流動と称
される流動性を示す。このニュートン流動では、応力σ
とずり速度dγ/dtの関係を見たときに、図1に示す
ように、流動曲線は原点を通る直線となる。
される流動性を示す。このニュートン流動では、応力σ
とずり速度dγ/dtの関係を見たときに、図1に示す
ように、流動曲線は原点を通る直線となる。
【0028】これに対して、固体粉末が溶剤中に分散さ
れた分散液は、擬塑性の非ニュートン流動を示す。擬塑
性の非ニュートン流動では、応力σとずり速度dγ/d
tの関係を見ると、図1に示すように、流動曲線が原点
を通らず、またその流動曲線は応力σの大きい範囲では
直線状になるが、応力σの小さい範囲では曲線状にな
る。このような擬塑性の流動では、流動曲線が応力軸を
切る点が、その液体が流れ始める最低のせん断力であ
り、この剪断力は降伏値と称される。降伏値は、塗料の
塗布性状の指標となり、塗料の異常流動を抑えるにはこ
の降伏値を制御することが重要であると考えられる。
れた分散液は、擬塑性の非ニュートン流動を示す。擬塑
性の非ニュートン流動では、応力σとずり速度dγ/d
tの関係を見ると、図1に示すように、流動曲線が原点
を通らず、またその流動曲線は応力σの大きい範囲では
直線状になるが、応力σの小さい範囲では曲線状にな
る。このような擬塑性の流動では、流動曲線が応力軸を
切る点が、その液体が流れ始める最低のせん断力であ
り、この剪断力は降伏値と称される。降伏値は、塗料の
塗布性状の指標となり、塗料の異常流動を抑えるにはこ
の降伏値を制御することが重要であると考えられる。
【0029】しかしながら、応力σやずり速度dγ/d
tは、実際には、ある程度大きいところでしか測定され
ないため、応力軸の切片を降伏値として求める場合に
は、流動曲線をdγ/dt=0まで捕外して応力軸の切
片を求めなければならない。
tは、実際には、ある程度大きいところでしか測定され
ないため、応力軸の切片を降伏値として求める場合に
は、流動曲線をdγ/dt=0まで捕外して応力軸の切
片を求めなければならない。
【0030】ここで、流動曲線が直線状である場合に
は、比較的容易に流動曲線が補外でき、降伏値を求める
ことができる。しかし、分散液のように流動曲線が直線
部分と曲線部分からなる場合には、捕外して得られた流
動曲線は個人誤差を含んでいたり、多かれ少なかれ任意
的になる。このため、降伏値を正確に求めるのは難し
い。
は、比較的容易に流動曲線が補外でき、降伏値を求める
ことができる。しかし、分散液のように流動曲線が直線
部分と曲線部分からなる場合には、捕外して得られた流
動曲線は個人誤差を含んでいたり、多かれ少なかれ任意
的になる。このため、降伏値を正確に求めるのは難し
い。
【0031】これに対して、分散液の応力σとずり速度
dγ/dtの関係を示すものとしてはCassonプロ
ットも提案されている。このCassonプロットによ
れば、多くの分散液において直線状の流動曲線が得ら
れ、この流動曲線から降伏値が求められる。
dγ/dtの関係を示すものとしてはCassonプロ
ットも提案されている。このCassonプロットによ
れば、多くの分散液において直線状の流動曲線が得ら
れ、この流動曲線から降伏値が求められる。
【0032】しかし、ウェット・オン・ウェット塗布方
式で一般に用いられる磁性塗料の場合、ずり速度dγ/
dtの測定領域をゼロ近傍に限定しても、Casson
プロットに直線性が認められず、このCassonプロ
ットをもってしても降伏値を正確に求めることができな
い。
式で一般に用いられる磁性塗料の場合、ずり速度dγ/
dtの測定領域をゼロ近傍に限定しても、Casson
プロットに直線性が認められず、このCassonプロ
ットをもってしても降伏値を正確に求めることができな
い。
【0033】また、「化学者のためのレオロジー」(小
野木重治著)によれば、全ての塗料に有限の降伏値が存
在するとは限らないといった記載もあり、磁性塗料につ
いては、これら流動曲線から求められる降伏値を、塗布
性状の指標とするのは妥当でないものと考えられる。
野木重治著)によれば、全ての塗料に有限の降伏値が存
在するとは限らないといった記載もあり、磁性塗料につ
いては、これら流動曲線から求められる降伏値を、塗布
性状の指標とするのは妥当でないものと考えられる。
【0034】そこで、本発明では、歪み制御式粘度計に
よって、ずり速度0.025(1/s)の条件で測定さ
れる歪みγと応力σの関係に着目し、これを塗料の塗布
性状の指標とすることとする。
よって、ずり速度0.025(1/s)の条件で測定さ
れる歪みγと応力σの関係に着目し、これを塗料の塗布
性状の指標とすることとする。
【0035】図2に、磁性塗料について、微小ずり速度
(0.025(1/s))の条件で定常流測定を行った
ときの、歪みγと応力σの関係の一例を示す。なお、測
定装置、測定モード、ジオメトリは以下の通りである。
(0.025(1/s))の条件で定常流測定を行った
ときの、歪みγと応力σの関係の一例を示す。なお、測
定装置、測定モード、ジオメトリは以下の通りである。
【0036】装置:歪み制御式粘度計(レオメトリクス
社製 商品名RFS−II型) 測定モード:定常流測定(ずり速度0.025(1/
s)) ジオメトリ:チタン製 直径50mmコーンプレート
(0.04rad) この磁性塗料においては、歪みγが小さい領域(図中a
領域)では、応力σが歪みγに比例して増加するが、歪
みγがある値を越えると、応力σが歪みγの増大に伴っ
て急激に低下するようになる。そして、さらに歪みγが
大きくなると、応力σは一定の値をとるようになる。す
なわち、応力σとずり速度dγ/dtが比例(σ=η
(dγ/dt))するようになる。このように、この塗
料では、歪みγと応力σの関係において、応力σは極大
値σmaxを持つ曲線として変化する。
社製 商品名RFS−II型) 測定モード:定常流測定(ずり速度0.025(1/
s)) ジオメトリ:チタン製 直径50mmコーンプレート
(0.04rad) この磁性塗料においては、歪みγが小さい領域(図中a
領域)では、応力σが歪みγに比例して増加するが、歪
みγがある値を越えると、応力σが歪みγの増大に伴っ
て急激に低下するようになる。そして、さらに歪みγが
大きくなると、応力σは一定の値をとるようになる。す
なわち、応力σとずり速度dγ/dtが比例(σ=η
(dγ/dt))するようになる。このように、この塗
料では、歪みγと応力σの関係において、応力σは極大
値σmaxを持つ曲線として変化する。
【0037】ここで、a領域において、応力σが歪みγ
に比例して増加するのは、分散液が弾性体として振る舞
うためであり、このa領域ではσ=Gγ(G:弾性率、
γ:歪み、σ:応力)なる関係が成り立つ。磁性塗料の
如き分散液において、このような弾性領域が生じるの
は、分散液中の粒子間相互作用による3次元的な網目構
造の形成が深く関わっているものと推測され、この弾性
領域と非弾性領域の境界、すなわち応力の極大値σma
xは、先に説明した降伏値と等価な意味を持つものと考
えられる。
に比例して増加するのは、分散液が弾性体として振る舞
うためであり、このa領域ではσ=Gγ(G:弾性率、
γ:歪み、σ:応力)なる関係が成り立つ。磁性塗料の
如き分散液において、このような弾性領域が生じるの
は、分散液中の粒子間相互作用による3次元的な網目構
造の形成が深く関わっているものと推測され、この弾性
領域と非弾性領域の境界、すなわち応力の極大値σma
xは、先に説明した降伏値と等価な意味を持つものと考
えられる。
【0038】したがって、この応力の極大値σmaxは
塗料の塗布性状の指標となり、これによって塗料の塗布
性状を制御することができる。つまり、本発明で規制す
るように、この応力の極大値σmaxと、この極大値σ
maxに対応する歪みγmaxが以下の条件を満たすよ
うな磁性塗料を上層用塗料として用いることにより、異
常流動が抑えられ、下層上層界面や上層磁性層表面が良
好な状態で形成されるようになる。
塗料の塗布性状の指標となり、これによって塗料の塗布
性状を制御することができる。つまり、本発明で規制す
るように、この応力の極大値σmaxと、この極大値σ
maxに対応する歪みγmaxが以下の条件を満たすよ
うな磁性塗料を上層用塗料として用いることにより、異
常流動が抑えられ、下層上層界面や上層磁性層表面が良
好な状態で形成されるようになる。
【0039】σmax<100(Pa) γmax<0.1 但し、この応力の極大値σmaxは、塗料の全てに現れ
るといったものではなく、塗料組成によっては応力σに
明確な極大値が現れない場合もある。このように歪みγ
と応力σの関係において、応力σに極大値が現れないよ
うな磁性塗料を用いた場合にも、良好な塗布性状が得ら
れ、下層上層界面や上層磁性層表面が良好な状態で形成
される。
るといったものではなく、塗料組成によっては応力σに
明確な極大値が現れない場合もある。このように歪みγ
と応力σの関係において、応力σに極大値が現れないよ
うな磁性塗料を用いた場合にも、良好な塗布性状が得ら
れ、下層上層界面や上層磁性層表面が良好な状態で形成
される。
【0040】磁性塗料における応力の極大値σmaxや
この極大値σmaxに対する歪みγmaxは、塗料に用
いる結合剤の種類や分子量、磁性粉末等の固体粉末成分
の含有量、さらに溶剤の種類、分散度合いを制御するこ
とで調整される。
この極大値σmaxに対する歪みγmaxは、塗料に用
いる結合剤の種類や分子量、磁性粉末等の固体粉末成分
の含有量、さらに溶剤の種類、分散度合いを制御するこ
とで調整される。
【0041】ここで、上層磁性層の具体的な材料は、以
下に示すものが挙げられる。
下に示すものが挙げられる。
【0042】まず、上層磁性層は強磁性粉末、結合剤に
より構成されるが、強磁性粉末としては、γ−Fe
2O3、Co含有γ−Fe2O3、Co被着γ−Fe2O3、
CrO2、またマグネタイトに代表されるフェライト
類、すなわちFe3O4、Co含有Fe3O4、Co被着F
e3O4等が挙げられる。
より構成されるが、強磁性粉末としては、γ−Fe
2O3、Co含有γ−Fe2O3、Co被着γ−Fe2O3、
CrO2、またマグネタイトに代表されるフェライト
類、すなわちFe3O4、Co含有Fe3O4、Co被着F
e3O4等が挙げられる。
【0043】これらフェライトのうち、板状であって板
面に対して垂直方向に磁化容易軸を有するものは強磁性
粉末として好適である。そのような磁化容易軸を有する
フェライトとしては、六方晶系フェライトが挙げられ
る。六方晶系フェライトには、バリウムフェライト、ス
トロンチウムフェライト等があり、鉄元素の一部が他の
元素(たとえば、Ti、Co、Zn、In、Mn、G
e、Nbなど)で置換されていても良い。なお、六方晶
系フェライトの中でも、とりわけバリウムフェライトが
好ましく、さらにはFeの一部が少なくともCoおよび
Znで置換されたバリウムフェライトであって平均粒径
(六方晶系フェライトの板面の対角線の長さ)が300
〜900オングストローム、板状比(六方晶系フェライ
トの板面の対角線の長さを板厚で除した値)が2.0〜
10.0、保磁力が450〜1500Oeのものが好ま
しい。
面に対して垂直方向に磁化容易軸を有するものは強磁性
粉末として好適である。そのような磁化容易軸を有する
フェライトとしては、六方晶系フェライトが挙げられ
る。六方晶系フェライトには、バリウムフェライト、ス
トロンチウムフェライト等があり、鉄元素の一部が他の
元素(たとえば、Ti、Co、Zn、In、Mn、G
e、Nbなど)で置換されていても良い。なお、六方晶
系フェライトの中でも、とりわけバリウムフェライトが
好ましく、さらにはFeの一部が少なくともCoおよび
Znで置換されたバリウムフェライトであって平均粒径
(六方晶系フェライトの板面の対角線の長さ)が300
〜900オングストローム、板状比(六方晶系フェライ
トの板面の対角線の長さを板厚で除した値)が2.0〜
10.0、保磁力が450〜1500Oeのものが好ま
しい。
【0044】また、強磁性粉末としては、金属磁性粉末
を用いるようにしても良い。金属磁性粉末としては、F
e、Co等の金属粉末の他、Fe−Al系、Fe−Al
−Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、
Fe−Al−Ca系、Fe−Ni系、Fe−Ni−Al
系、Fe−Ni−Co系、Fe−Ni−Si−Al−M
n系、Fe−Ni−Si−Al−Zn系、Fe−Al−
Si系、Fe−Ni−Zn系、Fe−Ni−Mn系、F
e−Ni−Si系、Fe−Mn−Zn系、Fe−Co−
Ni−P系、Ni−Co系等、Fe、Ni、Co等を主
成分とする合金粉末が挙げられる。
を用いるようにしても良い。金属磁性粉末としては、F
e、Co等の金属粉末の他、Fe−Al系、Fe−Al
−Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、
Fe−Al−Ca系、Fe−Ni系、Fe−Ni−Al
系、Fe−Ni−Co系、Fe−Ni−Si−Al−M
n系、Fe−Ni−Si−Al−Zn系、Fe−Al−
Si系、Fe−Ni−Zn系、Fe−Ni−Mn系、F
e−Ni−Si系、Fe−Mn−Zn系、Fe−Co−
Ni−P系、Ni−Co系等、Fe、Ni、Co等を主
成分とする合金粉末が挙げられる。
【0045】このうちFe系の磁性粉末は電気的特性に
優れている。また、耐蝕性および分散性の点では、Fe
−Al系、Fe−Al−Ca系、Fe−Al−Ni系、
Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、Fe−Ni
−Si−Al−Zn系、Fe−Ni−Si−Al−Mn
系等のFe−Al系の合金粉末が好ましい。
優れている。また、耐蝕性および分散性の点では、Fe
−Al系、Fe−Al−Ca系、Fe−Al−Ni系、
Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、Fe−Ni
−Si−Al−Zn系、Fe−Ni−Si−Al−Mn
系等のFe−Al系の合金粉末が好ましい。
【0046】これら金属磁性粉末の形状は、平均長軸長
が0.5μm以下、好ましくは0.01〜0.4μm、
さらに好ましくは0.01〜0.3μmであり、且つ軸
比(平均長軸長/平均短軸長)が12以下、好ましくは
10以下のものがよい。例えば、Fe−Al系強磁性金
属粉末(Fe:Al重量比=100:5)であって、平
均長軸長が0.16μm、保磁力Hcが1580Oe、
飽和磁化量σsが120emu/gのものが非常に優れ
た特性を発揮する。なお、上記平均長軸長及び平均短軸
長は、透過型電子顕微鏡による観察によって求めること
ができる。
が0.5μm以下、好ましくは0.01〜0.4μm、
さらに好ましくは0.01〜0.3μmであり、且つ軸
比(平均長軸長/平均短軸長)が12以下、好ましくは
10以下のものがよい。例えば、Fe−Al系強磁性金
属粉末(Fe:Al重量比=100:5)であって、平
均長軸長が0.16μm、保磁力Hcが1580Oe、
飽和磁化量σsが120emu/gのものが非常に優れ
た特性を発揮する。なお、上記平均長軸長及び平均短軸
長は、透過型電子顕微鏡による観察によって求めること
ができる。
【0047】このように強磁性粉末には、酸化物磁性粉
末や金属磁性粉末が使用できるが、いずれにおいても飽
和磁化量(σs)が70emu/g以上であることが好
ましい。飽和磁化量が70emu/g未満であると、十
分な電磁変換特性が得られないことがある。また、高密
度記録領域での記録再生を可能にする点から、BET法
による比表面積が45 m2/g以上であることが好まし
い。
末や金属磁性粉末が使用できるが、いずれにおいても飽
和磁化量(σs)が70emu/g以上であることが好
ましい。飽和磁化量が70emu/g未満であると、十
分な電磁変換特性が得られないことがある。また、高密
度記録領域での記録再生を可能にする点から、BET法
による比表面積が45 m2/g以上であることが好まし
い。
【0048】次に、結合剤としては、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル系共重合体等の塩化
ビニル系樹脂等が代表的である。
脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル系共重合体等の塩化
ビニル系樹脂等が代表的である。
【0049】これら樹脂は、−SO3M、−OSO3M、
−COOM、−PO(OM’)2(但し、Mは水素原子
またはNa、K、Li等のアルカリ金属を表わし、M’
は水素原子またはNa、K、Li等のアルカリ原子、ア
ルキル基を表わす)及びスルホベタイン基から選ばれる
少なくともー種の極性基を有する繰返し単位を含有して
いることが好ましい。これら極性基は、強磁性粉末の分
散性を向上させる作用があり、含有率は0.1〜8.0
モル%、好ましくは0.2〜6.0モル%であるのが良
い。極性基の含有率が0.1モル%未満であると、磁性
粉末の分散性が低下する。逆に含有率が8.0モル%が
超えていると、磁性塗料がゲル化し易くなる。また、樹
脂の重量平均分子量は、15,000〜50,000の
範囲であるのが好ましい。
−COOM、−PO(OM’)2(但し、Mは水素原子
またはNa、K、Li等のアルカリ金属を表わし、M’
は水素原子またはNa、K、Li等のアルカリ原子、ア
ルキル基を表わす)及びスルホベタイン基から選ばれる
少なくともー種の極性基を有する繰返し単位を含有して
いることが好ましい。これら極性基は、強磁性粉末の分
散性を向上させる作用があり、含有率は0.1〜8.0
モル%、好ましくは0.2〜6.0モル%であるのが良
い。極性基の含有率が0.1モル%未満であると、磁性
粉末の分散性が低下する。逆に含有率が8.0モル%が
超えていると、磁性塗料がゲル化し易くなる。また、樹
脂の重量平均分子量は、15,000〜50,000の
範囲であるのが好ましい。
【0050】なお、極性基を含有する塩化ビニル系共重
合体は、例えば塩化ビニルービニルアルコール共重合体
等の水酸基を有する共重合体と、極性基及び塩素原子を
有する化合物との付加反応により合成することができ
る。
合体は、例えば塩化ビニルービニルアルコール共重合体
等の水酸基を有する共重合体と、極性基及び塩素原子を
有する化合物との付加反応により合成することができ
る。
【0051】また、ポリエステルは、ポリオールと多塩
基酸との反応により合成される。なお、他の極性基を導
入したポリエステルも公知の方法で合成することが可能
である。
基酸との反応により合成される。なお、他の極性基を導
入したポリエステルも公知の方法で合成することが可能
である。
【0052】ポリウレタンは、ポリオールとポリイソシ
アネートとの反応により合成される。このポリオールと
しては、ポリオールと多塩基酸との反応によって得られ
るポリエステルポリオールが一般に使用される。なお、
極性基を有するポリエステルポリオールを原料として用
いれば、極性基を有するポリウレタンを合成することが
できる。
アネートとの反応により合成される。このポリオールと
しては、ポリオールと多塩基酸との反応によって得られ
るポリエステルポリオールが一般に使用される。なお、
極性基を有するポリエステルポリオールを原料として用
いれば、極性基を有するポリウレタンを合成することが
できる。
【0053】なお、これら樹脂は、一種類単独であって
もよく、二種類以上を組み合わせて用いても良い。例え
ば、ポリウレタン及び/又はポリエステルと、塩化ビニ
ル系樹脂とを混合して用いる場合、その重量比は90:
10〜10:90、好ましくは70:30〜30:70
の範囲であるのが良い。
もよく、二種類以上を組み合わせて用いても良い。例え
ば、ポリウレタン及び/又はポリエステルと、塩化ビニ
ル系樹脂とを混合して用いる場合、その重量比は90:
10〜10:90、好ましくは70:30〜30:70
の範囲であるのが良い。
【0054】さらに、下記の樹脂を全結合剤の50重量
%以下の使用量で併用するようにしても良い。
%以下の使用量で併用するようにしても良い。
【0055】すなわち、併用する樹脂としては、重量平
均分子量が10,000〜200,000である塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹
脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(ニトロ
セルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、
フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂、尿
素ホルムアミド樹脂、各種の合成ゴム系樹脂等が挙げら
れる。
均分子量が10,000〜200,000である塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹
脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(ニトロ
セルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、
フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂、尿
素ホルムアミド樹脂、各種の合成ゴム系樹脂等が挙げら
れる。
【0056】結合剤としては、以上のような樹脂が用い
られるが、これら結合剤の上層磁性層への混合量は、強
磁性金属粉末100重量部に対して8〜25重量部が適
当であり、10〜20重量部であるのが好ましい。
られるが、これら結合剤の上層磁性層への混合量は、強
磁性金属粉末100重量部に対して8〜25重量部が適
当であり、10〜20重量部であるのが好ましい。
【0057】また、上層磁性層には、媒体の走行耐久性
等を改善する目的で、通常、この種の磁気記録媒体で用
いられる研磨剤、潤滑剤、耐久性向上剤、分散剤、帯電
防止剤及び導電性微粉末等の添加剤を添加しても良い。
等を改善する目的で、通常、この種の磁気記録媒体で用
いられる研磨剤、潤滑剤、耐久性向上剤、分散剤、帯電
防止剤及び導電性微粉末等の添加剤を添加しても良い。
【0058】研磨剤としては、特開平4−214218
号公報に記載されるような固体粉末が使用できる。この
研磨剤の平均粒子径は、0.05μm〜0.6μm、好
ましくは0.05μm〜0.5μm、さらに好ましくは
0.05μm〜0.3μmであるのが良い。また、この
研磨剤の添加量は、磁性粉末100重量部に対して3〜
20重量部、好ましくは5〜15重量部、さらに好まし
くは5〜10重量部とするのが適当である。
号公報に記載されるような固体粉末が使用できる。この
研磨剤の平均粒子径は、0.05μm〜0.6μm、好
ましくは0.05μm〜0.5μm、さらに好ましくは
0.05μm〜0.3μmであるのが良い。また、この
研磨剤の添加量は、磁性粉末100重量部に対して3〜
20重量部、好ましくは5〜15重量部、さらに好まし
くは5〜10重量部とするのが適当である。
【0059】潤滑剤としては、脂肪酸や脂肪酸エステル
等が単独あるいは混合して使用される。脂肪酸は、一塩
基酸であっても二塩基酸であってもよく、炭素数は6〜
30が好ましく、12〜22であるのがより好ましい。
等が単独あるいは混合して使用される。脂肪酸は、一塩
基酸であっても二塩基酸であってもよく、炭素数は6〜
30が好ましく、12〜22であるのがより好ましい。
【0060】これら脂肪酸や脂肪酸エステルの添加量
は、磁性粉末に対して0.2〜10重量%であるのが好
ましく、さらには0.5〜5重量%であるのが好まし
い。脂肪酸の添加量が0.2重量%未満である場合に
は、媒体の走行性が十分に改善されず、また、10重量
%を超えると、脂肪酸が磁性層の表面にしみ出したり、
出力低下が生じ易くなる。一方、脂肪酸エステルの添加
量が0.2重量%未満であると、特にスチル耐久性が不
足する。また、10重量%を超えると、脂肪酸エステル
が磁性層の表面にしみ出したり、出力低下が生じ易くな
る。なお、脂肪酸と脂肪酸エステルとを併用する場合、
脂肪酸と脂肪酸エステルの比率は重量比で10:90〜
90:10が好ましい。
は、磁性粉末に対して0.2〜10重量%であるのが好
ましく、さらには0.5〜5重量%であるのが好まし
い。脂肪酸の添加量が0.2重量%未満である場合に
は、媒体の走行性が十分に改善されず、また、10重量
%を超えると、脂肪酸が磁性層の表面にしみ出したり、
出力低下が生じ易くなる。一方、脂肪酸エステルの添加
量が0.2重量%未満であると、特にスチル耐久性が不
足する。また、10重量%を超えると、脂肪酸エステル
が磁性層の表面にしみ出したり、出力低下が生じ易くな
る。なお、脂肪酸と脂肪酸エステルとを併用する場合、
脂肪酸と脂肪酸エステルの比率は重量比で10:90〜
90:10が好ましい。
【0061】また、上記脂肪酸、脂肪酸エステルととも
に、公知の潤滑剤を併用しても良い。併用する潤滑剤と
しては、シリコーンオイル、弗化カーボン、脂肪酸アミ
ド、α−オレフィンオキサイド等が挙げられる。
に、公知の潤滑剤を併用しても良い。併用する潤滑剤と
しては、シリコーンオイル、弗化カーボン、脂肪酸アミ
ド、α−オレフィンオキサイド等が挙げられる。
【0062】硬化剤には、ポリイソシアネート等が使用
される。ポリイソシアネートとしては、例えばトリレン
ジイソシアネート(TDI)と活性水素化合物との付加
体等の芳香族ポリイソシアネートや、ヘキサメチレンジ
イソシアネート(HMDI)と活性水素化合物との付加
体等の脂肪族ポリイソシアネート等がある。これらポリ
イソシアネートの重量平均分子量は、100〜3,00
0の範囲であることが望ましい。
される。ポリイソシアネートとしては、例えばトリレン
ジイソシアネート(TDI)と活性水素化合物との付加
体等の芳香族ポリイソシアネートや、ヘキサメチレンジ
イソシアネート(HMDI)と活性水素化合物との付加
体等の脂肪族ポリイソシアネート等がある。これらポリ
イソシアネートの重量平均分子量は、100〜3,00
0の範囲であることが望ましい。
【0063】分散剤としては、特開平4−214218
号公報に記載されるような化合物が使用できる。これら
の分散剤は、磁性粉末に対して0.5〜5重量%の範囲
で用いるのが適当である。
号公報に記載されるような化合物が使用できる。これら
の分散剤は、磁性粉末に対して0.5〜5重量%の範囲
で用いるのが適当である。
【0064】帯電防止剤としては、特開平4−2142
18号公報に記載されるような界面活性剤が使用でき
る。これらの帯電防止剤の添加量は、結合剤に対して
0.01〜40重量%の範囲とするのが良い。この他、
導電性微粉末を帯電防止剤として添加しても良い。この
導電性微粉末としては、例えばカーボンブラック、グラ
ファイト、酸化錫、銀粉、酸化銀、硝酸銀、銀の有機化
合物、銅粉等の金属粒子や、酸化亜鉛、硫酸バリウム、
酸化チタン等の金属酸化物等の顔料を、酸化錫被膜又は
アンチモン固溶酸化錫被膜等の導電性物質でコーティン
グ処理したものが挙げられる。これら導電性微粉末の平
均粒子径としては、5〜700nm、好ましくは5〜2
00nmであるのが良い。また、これら導電性微粉末の
添加量は、磁性粉末100重量部に対して1〜20重量
部、好ましくは2〜7重量部が適当である。
18号公報に記載されるような界面活性剤が使用でき
る。これらの帯電防止剤の添加量は、結合剤に対して
0.01〜40重量%の範囲とするのが良い。この他、
導電性微粉末を帯電防止剤として添加しても良い。この
導電性微粉末としては、例えばカーボンブラック、グラ
ファイト、酸化錫、銀粉、酸化銀、硝酸銀、銀の有機化
合物、銅粉等の金属粒子や、酸化亜鉛、硫酸バリウム、
酸化チタン等の金属酸化物等の顔料を、酸化錫被膜又は
アンチモン固溶酸化錫被膜等の導電性物質でコーティン
グ処理したものが挙げられる。これら導電性微粉末の平
均粒子径としては、5〜700nm、好ましくは5〜2
00nmであるのが良い。また、これら導電性微粉末の
添加量は、磁性粉末100重量部に対して1〜20重量
部、好ましくは2〜7重量部が適当である。
【0065】一方、下層非磁性層は、非磁性粉末、結合
剤により構成される。
剤により構成される。
【0066】まず、非磁性粉末としては、カーボンブラ
ック、グラファイト、TiO2、硫酸バリウム、Zn
S、MgCO3、CaCO3、ZnO、CaO、二硫化タ
ングステン、二硫化モリブデン、窒化硼素、MgO、S
nO2、SiO2、Cr2O3、α−Al2O3、α−Fe2
O3、α−FeOOH、SiC、酸化セリウム、コラン
ダム、人造ダイヤモンド、α−酸化鉄、ざくろ石、ガー
ネット、珪石、窒化珪素、炭化珪素、炭化モリブデン、
炭化硼素、炭化タングステン、チタンカーバイド、トリ
ボリ、珪藻土、ドロマイト等が挙げられる。このうち、
特にカーボンブラック、CaCO3、TiO2、硫酸バリ
ウム、α−Al2O3、α−Fe2O3、α−FeOOH、
Cr2O3等の無機粉末が好ましい。なお、これら非磁性
粉末は、Si化合物及び/又はAl化合物によって表面
処理されていても良い。表面処理された非磁性粉末を用
いることにより、上層磁性層の表面性が改善される。な
お、表面処理は、Si,Alの含有量が非磁性粉末に対
して0.1〜10重量%となるように行うのが好まし
い。
ック、グラファイト、TiO2、硫酸バリウム、Zn
S、MgCO3、CaCO3、ZnO、CaO、二硫化タ
ングステン、二硫化モリブデン、窒化硼素、MgO、S
nO2、SiO2、Cr2O3、α−Al2O3、α−Fe2
O3、α−FeOOH、SiC、酸化セリウム、コラン
ダム、人造ダイヤモンド、α−酸化鉄、ざくろ石、ガー
ネット、珪石、窒化珪素、炭化珪素、炭化モリブデン、
炭化硼素、炭化タングステン、チタンカーバイド、トリ
ボリ、珪藻土、ドロマイト等が挙げられる。このうち、
特にカーボンブラック、CaCO3、TiO2、硫酸バリ
ウム、α−Al2O3、α−Fe2O3、α−FeOOH、
Cr2O3等の無機粉末が好ましい。なお、これら非磁性
粉末は、Si化合物及び/又はAl化合物によって表面
処理されていても良い。表面処理された非磁性粉末を用
いることにより、上層磁性層の表面性が改善される。な
お、表面処理は、Si,Alの含有量が非磁性粉末に対
して0.1〜10重量%となるように行うのが好まし
い。
【0067】なお、非磁性粉末の形状は、針状であるの
が望ましい。針状の非磁性粉末を用いることで、非磁性
層表面の平滑性が向上し、その結果、この上に積層され
る上層磁性層の表面も平滑なものになる。また、非磁性
粉末の長軸長、短軸径及び軸比(長軸径/短軸径)は、
以下の範囲であるのが良い。すなわち、非磁性粉末の長
軸径は、0.50μm以下、好ましくは0.40μm以
下、さらに好ましくは0.30μm以下であるのが良
い。また、短軸径は、0.10μm以下、好ましくは
0.08μm以下、さらに好ましくは0.06μm以下
であるのが良い。また、軸比(長軸径/短軸径)は、2
〜20、好ましくは5〜15、さらに好ましくは5〜1
0が適当である。比表面積は、10〜250m2/g、
好ましくは20 〜150m2/gであリ、さらに好まし
くは30〜100m2/g であるのが良い。以上のよう
な長軸径、短軸径、軸比及び比表面積を有する非磁性粉
末を使用すると、下層非磁性層の表面性が良好になり、
その上に積層される上層磁性層の表面性も良好な状態に
なる。
が望ましい。針状の非磁性粉末を用いることで、非磁性
層表面の平滑性が向上し、その結果、この上に積層され
る上層磁性層の表面も平滑なものになる。また、非磁性
粉末の長軸長、短軸径及び軸比(長軸径/短軸径)は、
以下の範囲であるのが良い。すなわち、非磁性粉末の長
軸径は、0.50μm以下、好ましくは0.40μm以
下、さらに好ましくは0.30μm以下であるのが良
い。また、短軸径は、0.10μm以下、好ましくは
0.08μm以下、さらに好ましくは0.06μm以下
であるのが良い。また、軸比(長軸径/短軸径)は、2
〜20、好ましくは5〜15、さらに好ましくは5〜1
0が適当である。比表面積は、10〜250m2/g、
好ましくは20 〜150m2/gであリ、さらに好まし
くは30〜100m2/g であるのが良い。以上のよう
な長軸径、短軸径、軸比及び比表面積を有する非磁性粉
末を使用すると、下層非磁性層の表面性が良好になり、
その上に積層される上層磁性層の表面性も良好な状態に
なる。
【0068】非磁性粉末の下層非磁性層への混合量は、
当該非磁性層を構成する全成分の合計量に対して、50
〜99重量%、好ましくは60〜95重量%、さらに好
ましくは70〜95重量%とするのが適当である。非磁
性粉末の混合量をこの範囲とすることで、下層非磁性層
ひいては上層磁性層の表面性が良好なものになる。
当該非磁性層を構成する全成分の合計量に対して、50
〜99重量%、好ましくは60〜95重量%、さらに好
ましくは70〜95重量%とするのが適当である。非磁
性粉末の混合量をこの範囲とすることで、下層非磁性層
ひいては上層磁性層の表面性が良好なものになる。
【0069】結合剤としては、上層磁性層で例示した樹
脂がいずれも使用可能である。結合剤の混合量は、非磁
性粉末100重量部に対して5〜150重量部、好まし
くは10〜120重量部とするのが良い。
脂がいずれも使用可能である。結合剤の混合量は、非磁
性粉末100重量部に対して5〜150重量部、好まし
くは10〜120重量部とするのが良い。
【0070】また、さらに下層非磁性層においても、上
層磁性層で例示した各種添加剤を添加することができ
る。添加量は、下層塗料の粘弾性が所定の条件を満たす
のであれば、特に制限はない。
層磁性層で例示した各種添加剤を添加することができ
る。添加量は、下層塗料の粘弾性が所定の条件を満たす
のであれば、特に制限はない。
【0071】以上のような材料を用いて下層非磁性層、
上層磁性層を形成するには、まず、下層用非磁性塗料、
上層用磁性塗料をそれぞれ調製する。
上層磁性層を形成するには、まず、下層用非磁性塗料、
上層用磁性塗料をそれぞれ調製する。
【0072】上層用磁性塗料は、先に例示した強磁性粉
末、結合剤及び分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等
の各種添加剤を溶媒とともに混練して高濃度磁性塗料を
調製した後、この高濃度磁性塗料を希釈、分散させるこ
とで調製される。また、下層用非磁性塗料は、先に示し
た非磁性粉末、結合剤及び分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯
電防止剤等の各種添加剤を溶媒とともに混練して高濃度
非磁性塗料を調製した後、この高濃度非磁性塗料を希
釈、分散させることで調製される。
末、結合剤及び分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等
の各種添加剤を溶媒とともに混練して高濃度磁性塗料を
調製した後、この高濃度磁性塗料を希釈、分散させるこ
とで調製される。また、下層用非磁性塗料は、先に示し
た非磁性粉末、結合剤及び分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯
電防止剤等の各種添加剤を溶媒とともに混練して高濃度
非磁性塗料を調製した後、この高濃度非磁性塗料を希
釈、分散させることで調製される。
【0073】この塗料化の溶媒としては、この種の磁気
記録媒体で通常用いられているもの、例えば特開平4−
214218号公報に記載されるものが用いられる。こ
の溶媒は、単独で用いても2種類以上を混合して用いて
も構わない。
記録媒体で通常用いられているもの、例えば特開平4−
214218号公報に記載されるものが用いられる。こ
の溶媒は、単独で用いても2種類以上を混合して用いて
も構わない。
【0074】また、混練分散機としては、例えば特開平
4−214218号公報に記載されるものがいずれも使
用可能である。特に、0.05〜0.5kW(磁性粉末
1kg当たり)の消費電力負荷が提供できることから、
加圧ニーダー、オープンニーダー、連続ニーダー、二本
ロールミル、三本ロールミルが適当である。
4−214218号公報に記載されるものがいずれも使
用可能である。特に、0.05〜0.5kW(磁性粉末
1kg当たり)の消費電力負荷が提供できることから、
加圧ニーダー、オープンニーダー、連続ニーダー、二本
ロールミル、三本ロールミルが適当である。
【0075】但し、上層用磁性塗料に用いる結合剤の種
類や分子量、固体粉末成分の含有量、さらに溶剤の種
類、分散度合いは、応力の極大値σmaxとこの極大値
σmaxに対する歪みγmaxが所定の条件を満たすよ
うに設定する。
類や分子量、固体粉末成分の含有量、さらに溶剤の種
類、分散度合いは、応力の極大値σmaxとこの極大値
σmaxに対する歪みγmaxが所定の条件を満たすよ
うに設定する。
【0076】下層非磁性層、上層磁性層は、このように
して調製された下層用非磁性塗料と上層用磁性塗料を、
非磁性支持体上に塗布、乾燥することで形成される。
して調製された下層用非磁性塗料と上層用磁性塗料を、
非磁性支持体上に塗布、乾燥することで形成される。
【0077】ここで、非磁性支持体としては、例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−
ナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等の
ポリオレフイン類、セルローストリアセテート、セルロ
ースダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミ
ド、アラミド樹脂、ポリカーボネート等のプラスチック
等が挙げられる。これら非磁性支持体は、単層構造であ
っても多層構造であってもよい。また、例えば、コロナ
放電処理等の表面処理が施されていてもよい。
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−
ナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等の
ポリオレフイン類、セルローストリアセテート、セルロ
ースダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミ
ド、アラミド樹脂、ポリカーボネート等のプラスチック
等が挙げられる。これら非磁性支持体は、単層構造であ
っても多層構造であってもよい。また、例えば、コロナ
放電処理等の表面処理が施されていてもよい。
【0078】非磁性支持体の厚みは、特に制限されない
が、例えば、媒体がフィルム状やシート状の場合には、
2〜100μm、好ましくは3〜50μmとするのが適
当である。また、ディスク状やカード状の場合は、30
μm〜10mm程度、ドラム状の場合にはレコーダ等の
設計に応じて適宜に選択される。
が、例えば、媒体がフィルム状やシート状の場合には、
2〜100μm、好ましくは3〜50μmとするのが適
当である。また、ディスク状やカード状の場合は、30
μm〜10mm程度、ドラム状の場合にはレコーダ等の
設計に応じて適宜に選択される。
【0079】上層磁性層、下層非磁性層を形成するに
は、例えば図3に示すような塗膜形成システムが用いら
れる。
は、例えば図3に示すような塗膜形成システムが用いら
れる。
【0080】すなわち、この塗膜形成システムは、塗膜
が形成される非磁性支持体11が供給ロール13から巻
取りロール12に向かって搬送されるようになされてお
り、この搬送方向に沿って塗布装置14、配向用磁石1
5、乾燥機16、カレンダー装置17がこの順に配置さ
れている。
が形成される非磁性支持体11が供給ロール13から巻
取りロール12に向かって搬送されるようになされてお
り、この搬送方向に沿って塗布装置14、配向用磁石1
5、乾燥機16、カレンダー装置17がこの順に配置さ
れている。
【0081】このような塗膜形成システムでは、先ず塗
布装置14によって上層用塗料及び下層用塗料が非磁性
支持体11上に重層塗布される。
布装置14によって上層用塗料及び下層用塗料が非磁性
支持体11上に重層塗布される。
【0082】この塗布装置14は、図4に示すように、
下層用塗料を塗布するための下層用押し出しコーター1
8と、上層用塗料を塗布するための上層用押し出しコー
ター19が、下層用押し出しコーター18が非磁性支持
体11の導入側、上層用押し出しコーター19が非磁性
支持体11の送り出し側となるように配置されて構成さ
れている。
下層用塗料を塗布するための下層用押し出しコーター1
8と、上層用塗料を塗布するための上層用押し出しコー
ター19が、下層用押し出しコーター18が非磁性支持
体11の導入側、上層用押し出しコーター19が非磁性
支持体11の送り出し側となるように配置されて構成さ
れている。
【0083】これら下層用押し出しコーター18と上層
用押し出しコーター19には、その先端部に塗料が押し
出されるスリット部20,22が形成され、このスリッ
ト部20,22の背面側に塗料が供給される塗料溜まり
21,23が設けられている。このような押し出しコー
ター18,19では、塗料溜まり21,23に供給され
た塗料が、スリット部20,22を介してコーター先端
部に押し出される。
用押し出しコーター19には、その先端部に塗料が押し
出されるスリット部20,22が形成され、このスリッ
ト部20,22の背面側に塗料が供給される塗料溜まり
21,23が設けられている。このような押し出しコー
ター18,19では、塗料溜まり21,23に供給され
た塗料が、スリット部20,22を介してコーター先端
部に押し出される。
【0084】一方、塗料が塗布される支持体11は、こ
の下層用押し出しコーター18及び上層用押し出しコー
ター19の先端面に沿って、下層用押し出しコーター1
8から上層用押し出しコーター19に向かって図中矢印
Dd方向に搬送される。
の下層用押し出しコーター18及び上層用押し出しコー
ター19の先端面に沿って、下層用押し出しコーター1
8から上層用押し出しコーター19に向かって図中矢印
Dd方向に搬送される。
【0085】このようにして搬送される非磁性支持体1
1には、まず下層用押し出しコーター18を通過する際
に、この下層用押し出しコーター18のスリット部20
から押し出された下層用塗料が表面に塗布され下層塗膜
24が形成される。そして、上層用押し出しコーター1
9を通過する際に、この上層用押し出しコーター19の
スリット部22から押し出された上層用塗料が湿潤状態
の下層塗膜24上に塗布され、2層の塗膜24,25が
逐次形成される。
1には、まず下層用押し出しコーター18を通過する際
に、この下層用押し出しコーター18のスリット部20
から押し出された下層用塗料が表面に塗布され下層塗膜
24が形成される。そして、上層用押し出しコーター1
9を通過する際に、この上層用押し出しコーター19の
スリット部22から押し出された上層用塗料が湿潤状態
の下層塗膜24上に塗布され、2層の塗膜24,25が
逐次形成される。
【0086】なお、これら押し出しコーター18,19
への塗料の供給はインラインミキサーを介して行うよう
にしても良い。
への塗料の供給はインラインミキサーを介して行うよう
にしても良い。
【0087】以上のようにして形成された下層塗膜24
と上層塗膜25は、配向用磁石15、乾燥器16、カレ
ンダー装置17に順次搬送される。
と上層塗膜25は、配向用磁石15、乾燥器16、カレ
ンダー装置17に順次搬送される。
【0088】配向用磁石15では、上層塗膜が磁場配向
処理される。なお配向用磁石15としては、長手配向用
磁石あるいは垂直配向用磁石が上層塗膜に含有される磁
性粉末の種類に応じて適宜選択される。これら配向用磁
石の磁場は、20〜10,000ガウス程度であるのが
望ましい。
処理される。なお配向用磁石15としては、長手配向用
磁石あるいは垂直配向用磁石が上層塗膜に含有される磁
性粉末の種類に応じて適宜選択される。これら配向用磁
石の磁場は、20〜10,000ガウス程度であるのが
望ましい。
【0089】乾燥器16では、当該乾燥器16内の上下
に配されたノズルからの熱風によって、下層塗膜、上層
塗膜が乾燥される。このとき乾燥条件は、温度が約30
〜120℃、乾燥時間が約0.1〜10分間程度とする
のが良い。
に配されたノズルからの熱風によって、下層塗膜、上層
塗膜が乾燥される。このとき乾燥条件は、温度が約30
〜120℃、乾燥時間が約0.1〜10分間程度とする
のが良い。
【0090】そして、乾燥器16を通過した下層塗膜と
上層塗膜は、さらにカレンダー装置17に導かれ、表面
平滑処理される。このカレンダー装置17による表面平
滑処理条件では、温度、線圧力及び搬送スピード等が重
要となる。すなわち、温度は50〜140℃、線圧力は
50〜1000kg/cm、搬送スピードは20〜10
00m/分であるのが好ましい。これらの条件を満足し
ない場合には、上層の表面性が損なわれる虞れがある。
上層塗膜は、さらにカレンダー装置17に導かれ、表面
平滑処理される。このカレンダー装置17による表面平
滑処理条件では、温度、線圧力及び搬送スピード等が重
要となる。すなわち、温度は50〜140℃、線圧力は
50〜1000kg/cm、搬送スピードは20〜10
00m/分であるのが好ましい。これらの条件を満足し
ない場合には、上層の表面性が損なわれる虞れがある。
【0091】以上のようにして下層非磁性層と上層磁性
層は形成されるが、この塗膜形成過程では、上層塗料と
して応力σが明確な極大値を有さないかあるいは極大値
σmaxを有していても所定の条件を満たしていること
から、塗料の異常流動が抑えられる。したがって、上層
下層界面が滑らかに、また上層磁性層が良好な表面性を
有して形成される。また、下層上層間での接着性も良好
である。
層は形成されるが、この塗膜形成過程では、上層塗料と
して応力σが明確な極大値を有さないかあるいは極大値
σmaxを有していても所定の条件を満たしていること
から、塗料の異常流動が抑えられる。したがって、上層
下層界面が滑らかに、また上層磁性層が良好な表面性を
有して形成される。また、下層上層間での接着性も良好
である。
【0092】なお、この塗布システムでは、下層塗料、
上層塗料が分離された別々のコーターで塗布されるが、
図5に示すように、下層用押し出しコーターと上層用押
し出しコーターが一体化した形の押し出しコーター26
を用いるようにしても良い。
上層塗料が分離された別々のコーターで塗布されるが、
図5に示すように、下層用押し出しコーターと上層用押
し出しコーターが一体化した形の押し出しコーター26
を用いるようにしても良い。
【0093】さらに押し出しコーターの他、リバースロ
ール、グラビアロール、エアドクターコーター、ブレー
ドコーター、エアナイフコーター、スクィズコーター、
含浸コーター、トランスファロールコーター、キスコー
ター、キャストコーター、スプレイコーター等を用いる
ようにしても良い。このとき下層用塗料と上層用塗料の
塗布方式は同じであっても異なっていても良い。したが
って、例えばリバースロールと押し出しコーターとを組
合せたり、グラビアロールと押し出しコーターとを組合
わせて上層用塗料、下層用塗料を塗布することも可能で
ある。
ール、グラビアロール、エアドクターコーター、ブレー
ドコーター、エアナイフコーター、スクィズコーター、
含浸コーター、トランスファロールコーター、キスコー
ター、キャストコーター、スプレイコーター等を用いる
ようにしても良い。このとき下層用塗料と上層用塗料の
塗布方式は同じであっても異なっていても良い。したが
って、例えばリバースロールと押し出しコーターとを組
合せたり、グラビアロールと押し出しコーターとを組合
わせて上層用塗料、下層用塗料を塗布することも可能で
ある。
【0094】また、以上の構成では、下層用塗料と上層
用塗料が逐次的に塗布されるが、2つのスリットが近接
して形成された押し出しコーターを用い、この押し出し
コーターによって下層用塗料、上層用塗料を同時に塗布
するようにしても良い。
用塗料が逐次的に塗布されるが、2つのスリットが近接
して形成された押し出しコーターを用い、この押し出し
コーターによって下層用塗料、上層用塗料を同時に塗布
するようにしても良い。
【0095】すなわち、図6に示すように、同時重層塗
布方式で用いる押し出しコーター27は、先端部に塗料
が押し出される2つのスリット部(下層用スリット部2
8,上層用スリット部30)が近接して形成され、この
2つのスリット部28,30の背面側にそれぞれ下層用
塗料、上層用塗料が供給される下層用塗料溜まり29,
上層用塗料溜まり31が設けられている。この押し出し
コーター27では、この塗料溜まり29,31に供給さ
れた下層用塗料、上層用塗料がスリット28,30を介
して当該押し出しコーター先端部に押し出される。一
方、塗料が塗布される支持体11は、上記押し出しコー
ターの先端面に沿って下層用スリット部28から上層用
スリット部30に向かって図中D方向に搬送される。
布方式で用いる押し出しコーター27は、先端部に塗料
が押し出される2つのスリット部(下層用スリット部2
8,上層用スリット部30)が近接して形成され、この
2つのスリット部28,30の背面側にそれぞれ下層用
塗料、上層用塗料が供給される下層用塗料溜まり29,
上層用塗料溜まり31が設けられている。この押し出し
コーター27では、この塗料溜まり29,31に供給さ
れた下層用塗料、上層用塗料がスリット28,30を介
して当該押し出しコーター先端部に押し出される。一
方、塗料が塗布される支持体11は、上記押し出しコー
ターの先端面に沿って下層用スリット部28から上層用
スリット部30に向かって図中D方向に搬送される。
【0096】このようにして搬送される非磁性支持体1
1には、下層用スリット部28及び上層用スリット部3
0を通過する際に、この下層用スリット部28から押し
出された下層塗料が塗布され、この下層塗料の上に、上
層用スリット30から押し出された上層塗料が塗布さ
れ、2層の塗膜24,25が同時に形成される。
1には、下層用スリット部28及び上層用スリット部3
0を通過する際に、この下層用スリット部28から押し
出された下層塗料が塗布され、この下層塗料の上に、上
層用スリット30から押し出された上層塗料が塗布さ
れ、2層の塗膜24,25が同時に形成される。
【0097】このようにして下層非磁性層、上層磁性層
が形成された磁性フィルムは、この後、バーニッシュ処
理あるいはブレード処理等が必要に応じて行われ、所望
の媒体形状とされることで磁気記録媒体となる。
が形成された磁性フィルムは、この後、バーニッシュ処
理あるいはブレード処理等が必要に応じて行われ、所望
の媒体形状とされることで磁気記録媒体となる。
【0098】媒体形状は、テープ状、フィルム状、シー
ト状、カード状、ディスク状、ドラム状等、磁気記録媒
体において通常用いられている形状がいずれも採用可能
である。
ト状、カード状、ディスク状、ドラム状等、磁気記録媒
体において通常用いられている形状がいずれも採用可能
である。
【0099】このようにして製造される磁気記録媒体
は、下層上層界面が滑らかであり、上層の表面性が良好
であることから、電磁変換特性に優れるとともにRFエ
ンベロープの形状も良好であり、またドロップアウトが
抑えられる。また、下層上層の接着性が高いので、膜剥
離が起き難く、高い膜強度が得られ、優れた走行耐久性
が得られる。
は、下層上層界面が滑らかであり、上層の表面性が良好
であることから、電磁変換特性に優れるとともにRFエ
ンベロープの形状も良好であり、またドロップアウトが
抑えられる。また、下層上層の接着性が高いので、膜剥
離が起き難く、高い膜強度が得られ、優れた走行耐久性
が得られる。
【0100】なお、高密度記録領域における電磁変換特
性を改善するには、上層磁性層の膜厚が0.3μm以
下、好ましくは、0.1〜0.3μmとされているのが
望ましい。上層磁性層の厚さが0.3μmを越えている
と、電気的特性が劣化し、例えばデジタル記録方式に適
用する媒体としては不十分になる。
性を改善するには、上層磁性層の膜厚が0.3μm以
下、好ましくは、0.1〜0.3μmとされているのが
望ましい。上層磁性層の厚さが0.3μmを越えている
と、電気的特性が劣化し、例えばデジタル記録方式に適
用する媒体としては不十分になる。
【0101】以上が基本的な構成の磁気記録媒体の製造
工程であるが、さらに非磁性支持体上の下層上層が設け
られていない面にバックコート層を設けたり、さらに下
層と非磁性支持体との間に下引き層を設けるようにして
も良い。これらバックコート層、下引き層は、通常の方
法に準じて形成される。
工程であるが、さらに非磁性支持体上の下層上層が設け
られていない面にバックコート層を設けたり、さらに下
層と非磁性支持体との間に下引き層を設けるようにして
も良い。これらバックコート層、下引き層は、通常の方
法に準じて形成される。
【0102】
【実施例】以下、本発明の実施例を実験結果に基づいて
説明する。
説明する。
【0103】まず、本実施例で採用した上層用磁性塗料
について応力の極大値σmax及びその極大値σmax
に対す歪みγmaxを表1に示す。
について応力の極大値σmax及びその極大値σmax
に対す歪みγmaxを表1に示す。
【0104】
【表1】
【0105】但し、表中、σmax、γmaxの欄にお
いて「−」は、応力σに明確な極大値が認められなかっ
た場合を表す。また、結合剤成分である塩化ビニル系樹
脂はスルホン酸カリウム基含有塩化ビニル系樹脂(日本
ゼオン社製 商品名MR−110)であり、ポリウレタ
ン樹脂はスルホン酸ナトリウム基含有ポリウレタン樹脂
(東洋紡績社製 商品名UR−8700)である。溶剤
は、メチルエチルケトン,トルエン,シクロヘキサノン
を等重量で混合した混合溶剤である。
いて「−」は、応力σに明確な極大値が認められなかっ
た場合を表す。また、結合剤成分である塩化ビニル系樹
脂はスルホン酸カリウム基含有塩化ビニル系樹脂(日本
ゼオン社製 商品名MR−110)であり、ポリウレタ
ン樹脂はスルホン酸ナトリウム基含有ポリウレタン樹脂
(東洋紡績社製 商品名UR−8700)である。溶剤
は、メチルエチルケトン,トルエン,シクロヘキサノン
を等重量で混合した混合溶剤である。
【0106】以下の実験では、このような性状を有する
上層塗料を用いて重層塗布型磁気記録媒体を作製し、そ
の特性を評価した。
上層塗料を用いて重層塗布型磁気記録媒体を作製し、そ
の特性を評価した。
【0107】実施例1 まず、下記の組成に準じて、上層用の磁性塗料、下層用
の非磁性塗料の各成分を計りとり、それぞれニーダー及
びサンドミルを用いて混練分散することで上層用磁性塗
料、下層用非磁性塗料を調製した。
の非磁性塗料の各成分を計りとり、それぞれニーダー及
びサンドミルを用いて混練分散することで上層用磁性塗
料、下層用非磁性塗料を調製した。
【0108】 <上層用磁性塗料> 強磁性鉄微粉末 100重量部 (保磁力Hc:1600Oe、BET法による比表面積:55m2 /g、長軸 径:0. 25μm、針状比:10、飽和磁化量σs:120emu/g) 結合剤:スルホン酸カリウム基含有塩化ビニル系樹脂 20重量部 (日本ゼオン社製 商品名MR−110) α−アルミナ 5重量部 ミリスチン酸 1重量部 ブチルステアレート 1重量部 溶剤 360重量部 (メチルエチルケトン:トルエン:シクロヘキサノン(重量比)=1:1:1 なる組成の混合溶剤) <下層用非磁性塗料> α−Fe2O3 100重量部 (BET法による比表面積:52m2/g、長軸径:0.15 μm、針状比: 6) 結合剤:スルホン酸カリウム基含有塩化ビニル系樹脂 10重量部 (日本ゼオン社製 商品名MR−110) スルホン酸ナトリウム基含有ポリウレタン樹脂 10重量部 (東洋紡績社製 商品名UR−8700) ブチルステアレート 1重量部 混合溶剤 220重量部 (メチルエチルケトン:トルエン:シクロヘキサノン(重量比)=1:1:1 なる組成の混合溶剤) このようにして調製された上層用磁性塗料及び下層用非
磁性塗料のそれぞれに、ポリイソシアネート化合物(日
本ポリウレタン工業社製 商品名コロネートL)5重量
部を添加した。ここで上層用磁性塗料について、歪み制
御式粘度計によって、歪みγと応力σの関係をずり速度
0.025(1/s)の条件で測定したところ、応力σ
に明確な極大値が認められなかった。
磁性塗料のそれぞれに、ポリイソシアネート化合物(日
本ポリウレタン工業社製 商品名コロネートL)5重量
部を添加した。ここで上層用磁性塗料について、歪み制
御式粘度計によって、歪みγと応力σの関係をずり速度
0.025(1/s)の条件で測定したところ、応力σ
に明確な極大値が認められなかった。
【0109】そして、この上層用磁性塗料、下層用非磁
性塗料を、ウェット−オン−ウェット塗布方式によっ
て、厚さ7.5μmのポリエチレンテレフタレート支持
体上に重層塗布し、塗膜が未乾燥状態である間に磁場配
向処理を行い、続いて乾燥、カレンダーによる表面平滑
処理を行うことで下層非磁性層、上層磁性層を形成し
た。なお、膜厚構成(乾燥膜厚)は、下層非磁性層が
1.5μm、上層磁性層が0.15μmとした。
性塗料を、ウェット−オン−ウェット塗布方式によっ
て、厚さ7.5μmのポリエチレンテレフタレート支持
体上に重層塗布し、塗膜が未乾燥状態である間に磁場配
向処理を行い、続いて乾燥、カレンダーによる表面平滑
処理を行うことで下層非磁性層、上層磁性層を形成し
た。なお、膜厚構成(乾燥膜厚)は、下層非磁性層が
1.5μm、上層磁性層が0.15μmとした。
【0110】さらに、上記ポリエチレンテレフタレート
支持体の、下層非磁性層及び上層磁性層を形成した側と
は反対側の面に、下記の組成を有するバックコート用塗
料を塗布、乾燥、カレンダーによる表面平滑処理を行う
ことで厚さ0.8μmのバックコート層を形成し、広幅
の原反磁気テープを得た。
支持体の、下層非磁性層及び上層磁性層を形成した側と
は反対側の面に、下記の組成を有するバックコート用塗
料を塗布、乾燥、カレンダーによる表面平滑処理を行う
ことで厚さ0.8μmのバックコート層を形成し、広幅
の原反磁気テープを得た。
【0111】 <バックコート用塗料> カーボンブラック 40重量部 (平均粒径26nm) 硫酸バリウム 10重量部 (平均粒径300nm) ニトロセルロース 25重量部 ポリウレタン樹脂 25重量部 (日本ポリウレタン工業社製 商品名N−2301) ポリイソシアネート化合物 10重量部 (日本ポリウレタン工業社製 商品名コロネートL) 混合溶剤 900重量部 (メチルエチルケトン:トルエン:シクロヘキサノン(重量比)=1:1:1 なる組成の混合溶剤) このようにして得られた原反磁気テープを、8mmのテ
ープ幅に裁断し、磁気テープを作製した。
ープ幅に裁断し、磁気テープを作製した。
【0112】実施例2〜実施例6 上層用磁性塗料として、表1に示すものを用いること以
外は実施例1と同様にして磁気テープを作製した。な
お、磁性塗料において、結合剤成分及び溶剤以外の組成
は実施例1の場合に準じる。
外は実施例1と同様にして磁気テープを作製した。な
お、磁性塗料において、結合剤成分及び溶剤以外の組成
は実施例1の場合に準じる。
【0113】比較例1〜比較例10 上層用磁性塗料として表1に示すものを用いること、す
なわち、応力の極大値σmax及びこの極大値σmax
に対する歪みγmaxを所定範囲外にしたこと以外は実
施例1と同様にして磁気テープを作製した。なお、磁性
塗料において、結合剤成分及び溶剤成分以外の成分組成
は実施例1の場合に準じる。
なわち、応力の極大値σmax及びこの極大値σmax
に対する歪みγmaxを所定範囲外にしたこと以外は実
施例1と同様にして磁気テープを作製した。なお、磁性
塗料において、結合剤成分及び溶剤成分以外の成分組成
は実施例1の場合に準じる。
【0114】作製した磁気テープについて、面粗れ状
態,表面粗さRa,電磁変換特性,RFエンベロープ及
びドロップアウト個数を測定した。なお、測定方法は以
下の通りである。
態,表面粗さRa,電磁変換特性,RFエンベロープ及
びドロップアウト個数を測定した。なお、測定方法は以
下の通りである。
【0115】面粗れ状態:テープ表面を微分干渉式顕微
鏡を用いて観察した。このとき、表面がかなり平滑な状
態であると判断された場合を○、やや荒れていると判断
された場合を△、かなり荒れていると判断された場合を
×と記録した。
鏡を用いて観察した。このとき、表面がかなり平滑な状
態であると判断された場合を○、やや荒れていると判断
された場合を△、かなり荒れていると判断された場合を
×と記録した。
【0116】表面粗さRa(nm):JIS B 06
01で規定される中心線平均粗さRaである。この表面
粗さRaはテーラーホプソン社製のタリーステップ粗さ
計を用いて測定した。測定条件は、スタイラスが2.5
×0.1μm、針圧が2mg、カット・オフ・フィルタ
ーが0.33Hz、測定スピードが2.5μm/s、基
準長が0.5mmである。なお、粗さ曲線においては、
0.01μm以上の凹凸はカットした。
01で規定される中心線平均粗さRaである。この表面
粗さRaはテーラーホプソン社製のタリーステップ粗さ
計を用いて測定した。測定条件は、スタイラスが2.5
×0.1μm、針圧が2mg、カット・オフ・フィルタ
ーが0.33Hz、測定スピードが2.5μm/s、基
準長が0.5mmである。なお、粗さ曲線においては、
0.01μm以上の凹凸はカットした。
【0117】電磁変換特性:クロマS/N、ルミS/N
を測定することで評価した。なお、クロマS/Nは、ノ
イズメーター(シバソク社製)を用い、100%ホワイ
ト信号における、基準テープ(ソニー社製)とサンプル
テープのS/Nの差を求めることで測定した。また、ル
ミS/Nは、ノイズメーター(シバソク製)を用い、ク
ロマ信号における、基準テープ(ソニー社製)とサンプ
ルテープのS/Nの差を求めることで測定した。これら
の測定データは、リファレンステープ(ソニー社製)で
の値を1dBとしたときの総体値として記録した。
を測定することで評価した。なお、クロマS/Nは、ノ
イズメーター(シバソク社製)を用い、100%ホワイ
ト信号における、基準テープ(ソニー社製)とサンプル
テープのS/Nの差を求めることで測定した。また、ル
ミS/Nは、ノイズメーター(シバソク製)を用い、ク
ロマ信号における、基準テープ(ソニー社製)とサンプ
ルテープのS/Nの差を求めることで測定した。これら
の測定データは、リファレンステープ(ソニー社製)で
の値を1dBとしたときの総体値として記録した。
【0118】RFエンベロープ:サンプルテープを、8
ミリデッキ(ソニー社製 商品名S−550)上で走行
させ、そのときのRFエンベロープをオシロスコープに
映し出し、エンベロープの最大値と最小値の比率を求め
ることで評価した。
ミリデッキ(ソニー社製 商品名S−550)上で走行
させ、そのときのRFエンベロープをオシロスコープに
映し出し、エンベロープの最大値と最小値の比率を求め
ることで評価した。
【0119】ドロップアウト個数:シバソク社製 商品
名VHO1BZの測定機によって、1分間あたりに検出
される−12dB/5μsの出力低下の回数(ドロップ
アウト個数)を測定した。
名VHO1BZの測定機によって、1分間あたりに検出
される−12dB/5μsの出力低下の回数(ドロップ
アウト個数)を測定した。
【0120】これらの測定結果を、表2に示す。
【0121】
【表2】
【0122】表2に示すように、上層用磁性塗料とし
て、応力σに明確な極大値σmaxが認められないか、
あるいは応力の極大値σmax及びこの極大値σmax
に対する歪みγmaxが所定の条件を満たすものを用い
た実施例1〜実施例6の磁気テープは、良好な表面性を
有し、また電磁変換特性やRFエンベロープも良好であ
り、ドロップアウトも十分に抑えられている。
て、応力σに明確な極大値σmaxが認められないか、
あるいは応力の極大値σmax及びこの極大値σmax
に対する歪みγmaxが所定の条件を満たすものを用い
た実施例1〜実施例6の磁気テープは、良好な表面性を
有し、また電磁変換特性やRFエンベロープも良好であ
り、ドロップアウトも十分に抑えられている。
【0123】これに対して、上層塗料として応力の極大
値σmax及びこの極大値σmaxに対する歪みγma
xが所定の条件を満たさないものを用いた比較例1〜比
較例6の磁気テープは、上層磁性層の表面が荒れてお
り、このため電磁変換特性が不十分であり、またドロッ
プアウトも多発する。また、RFエンベロープの形状も
不良である。
値σmax及びこの極大値σmaxに対する歪みγma
xが所定の条件を満たさないものを用いた比較例1〜比
較例6の磁気テープは、上層磁性層の表面が荒れてお
り、このため電磁変換特性が不十分であり、またドロッ
プアウトも多発する。また、RFエンベロープの形状も
不良である。
【0124】このことから、上層用の磁性塗料について
歪みγと応力σの関係を規制することは、特性の良好な
重層塗布型の磁気記録媒体を製造する上で有効であるこ
とがわかった。
歪みγと応力σの関係を規制することは、特性の良好な
重層塗布型の磁気記録媒体を製造する上で有効であるこ
とがわかった。
【0125】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、重層塗布型の磁気記録媒体を製造するに際し
て、上層用の磁性塗料として応力σに明確な極大値が認
められないか、あるいは応力の極大値σmax及びこの
極大値σmaxに対する歪みγmaxが所定の条件を満
たすものを用いるので、下層上層界面に乱れがなく、ま
た上層が良好な表面性を有して形成される。したがっ
て、本発明によれば、電磁変換特性に優れるとともにR
Fエンベロープの形状も良好であり、またドロップアウ
トが抑えられ、走行性、耐久性にも優れ、高密度記録に
好適な磁気記録媒体が高い歩留まりで製造できる。
明では、重層塗布型の磁気記録媒体を製造するに際し
て、上層用の磁性塗料として応力σに明確な極大値が認
められないか、あるいは応力の極大値σmax及びこの
極大値σmaxに対する歪みγmaxが所定の条件を満
たすものを用いるので、下層上層界面に乱れがなく、ま
た上層が良好な表面性を有して形成される。したがっ
て、本発明によれば、電磁変換特性に優れるとともにR
Fエンベロープの形状も良好であり、またドロップアウ
トが抑えられ、走行性、耐久性にも優れ、高密度記録に
好適な磁気記録媒体が高い歩留まりで製造できる。
【図1】ニュートン流動での流動曲線と擬塑性流動での
流動曲線を併せて示す特性図である。
流動曲線を併せて示す特性図である。
【図2】磁性塗料の歪み制御式粘度計で測定される歪み
γと応力σの関係を示す特性図である。
γと応力σの関係を示す特性図である。
【図3】ウェット・オン・ウェット塗布方式で下層非磁
性層、上層磁性層を形成するための塗膜形成システムを
示す模式図である。
性層、上層磁性層を形成するための塗膜形成システムを
示す模式図である。
【図4】上記塗膜形成システムの塗布装置の一例を示す
模式図である。
模式図である。
【図5】塗布装置の他の例を示す模式図である。
【図6】塗布装置のさらに他の例を示す模式図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 非磁性支持体上に、非磁性粉末及び結合
剤を溶剤とともに分散させることで調製された非磁性塗
料を塗布して下層塗膜を形成した後、この下層塗膜が湿
潤状態である間に、当該下層塗膜上に、磁性粉末及び結
合剤を溶剤とともに分散させることで調製された磁性塗
料を塗布することで上層塗膜を形成するに際して、 上記磁性塗料の歪み制御式粘度計によって測定される歪
みと応力の関係において、ずり速度0.025(1/
s)の条件で応力に極大値が現れないことを特徴とする
磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項2】 非磁性支持体上に、非磁性粉末及び結合
剤を溶剤とともに分散させることで調製された非磁性塗
料を塗布して下層塗膜を形成した後、この下層塗膜が湿
潤状態である間に、当該下層塗膜上に、磁性粉末及び結
合剤を溶剤とともに分散させることで調製された磁性塗
料を塗布することで上層塗膜を形成するに際して、 上記磁性塗料の歪み制御式粘度計によって測定される歪
みと応力の関係において、ずり速度0.025(1/
s)の条件で応力に極大値が現れ、 この応力の極大値をσmax、応力が極大値となるとき
の歪みをγmaxとしたときに、下記の条件を満たすこ
とを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 σmax<100(Pa) γmax<0.1
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33340995A JPH09180187A (ja) | 1995-12-21 | 1995-12-21 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33340995A JPH09180187A (ja) | 1995-12-21 | 1995-12-21 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09180187A true JPH09180187A (ja) | 1997-07-11 |
Family
ID=18265796
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33340995A Withdrawn JPH09180187A (ja) | 1995-12-21 | 1995-12-21 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09180187A (ja) |
-
1995
- 1995-12-21 JP JP33340995A patent/JPH09180187A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030304 |