JPH09313418A - ワイピングシート及びその製造法 - Google Patents

ワイピングシート及びその製造法

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JPH09313418A
JPH09313418A JP8159126A JP15912696A JPH09313418A JP H09313418 A JPH09313418 A JP H09313418A JP 8159126 A JP8159126 A JP 8159126A JP 15912696 A JP15912696 A JP 15912696A JP H09313418 A JPH09313418 A JP H09313418A
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JP
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fiber
fibers
weight
acrylic
woven fabric
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JP8159126A
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English (en)
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Hidetoshi Kanzaki
英俊 神崎
Bungo Goto
文悟 後藤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた汚れ除去性、広範な着塵性を有するリ
ントフリー性の強靱なワイピングシートの提供。 【解決手段】 0.5〜3μmの最長断面径を有する繊
維長20mm以下のアクリル系極細繊維で、ある部分では
分散して広がり、ある部分では接合して一体となってい
る多数の繊維と単糸の直径が7〜20μmで繊維長Lと
繊維の直径Dの比L/Dが0.5×103 〜2.0×1
3 である短繊維から構成されて、該繊維の重量比がア
クリル系極細繊維:短繊維=10〜90:90〜10で
交絡一体化しているアクリル系湿式不織布からなること
を特徴とするワイピングシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系繊維不
織布を利用する、産業用から業務用及び家庭用に至る多
目的ワイピングシートに係り、特に細かいダストから大
きな綿ボコリまで幅広い汚れの除去を可能にするワイピ
ングシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の生活環境の変化及び産業活動の高
度化に伴い、汚れに対する除去要求は高まっている。汚
れとは、固体表面に水性又は油性の液体付着及び固体粒
子の付着などがあり、特に固体粒子には非常に細かいダ
スト/埃から髪の毛、綿ボコリやパン屑まで幅広い。こ
れらの汚れを除去すべく、種々のワイピングシートが提
案され販売されている。
【0003】アクリル系繊維不織布は、従来より知られ
ている。最近特殊な繊維構造を有するアクリル系繊維か
らなる不織布(特開平2−200857号公報)が注目
されている。特開平2−200857号公報に記載され
る繊維は、繊維の横断面に不特定な形状の開口を多数有
しており、該開口の各々は繊維の内部において、繊維の
長さ方向に沿ってほぼ平行な60μm以上の長さを有す
る筋状の空隙(ストロー状)を形成しており、このアク
リル系繊維からなる不織布は、繊維の特殊な構造により
もたらされる優れた汚れ除去効果により注目されてい
る。
【0004】しかしながら、この不織布は表面に分割さ
れた微細繊維が相互に絡み合った繊維層を形成している
ものの、微細繊維の繊径が非常に細く、高圧水流によっ
て移動し難いことから、微細繊維同士の絡み合いの程度
が十分とは言えず、不織布の表面耐摩耗性や繊維脱落の
点で必ずしも満足できるものではなかった。更に、前記
微細繊維のみの交絡から成る湿式不織布(特開平4−1
85793号公報)も考案されているが、繊維長が短く
なるため、繊維の脱落がかえって起り易くなるなど、リ
ントフリーで汚れ除去性能の良いワイパーを得ることが
できないのが現状である。更に、前記アクリル系繊維か
らなる不織布は、綿ボコリ、パン屑など大きなゴミを除
去することが困難であった。従って、産業用ワイピング
クロス、フローリングワイパーなどの分野に前記アクリ
ル系不織布を適用しようとする場合、繊維の脱落及びリ
ントフリー性能の改善と綿ボコリ、パン屑等の大きなゴ
ミに対する着塵性能の改善が望まれている。
【0005】そこで、前記不織布の引張強度、耐摩耗
性、耐久性の改善策として熱溶融性繊維の融着により前
記のアクリル性微細繊維を一体的に結合することによる
方法が提案されている(特開平5−295644)。し
かし、この不織布の不織布構造は熱溶融繊維に固定され
ているので、繊維の脱落は少なく、強度、耐久性等の改
善がなされてはいるが、不織布は繊維間の融着によって
風合いが硬くなり、極細繊維の自由度が低下するため、
液体の汚れや細かいダストの吸着には優れるが、大きめ
の固体粒子の汚れ、例えば、髪の毛、綿ボコリ、パン屑
などの吸塵性が劣るなどの問題があった。
【0006】一方、特開平4−96724には、極細繊
維と通常の繊維を混在させることで、極細繊維シートで
は捕集できない髪の毛、糸屑、綿ボコリなどの大きなゴ
ミをからめ取ることで拭き取り性を改善した清掃用物品
が提案されている。又、特開平2−124122、特開
平7−184815には布帛の表面に立毛を有せしめる
か、非常に弱い繊維交絡を達成することでシート表面の
自由度の高い繊維によりダストの捕集性能の工夫が提案
されている。更に、特開平5−192285において
は、網状シートと絡合された繊維集合体に薬剤を担持さ
せることで、薬剤により細かなダスト等の汚れの吸着能
を高め、且つ網状シートに起因する凹凸及び自由度の高
い不織繊維の絡み効果により、綿ボコリ、糸屑、髪の
毛、パン屑等の捕集に優れる清掃用物品が提案されてい
る。
【0007】しかしながら、前者の極細繊維と通常繊維
を混在させた薬剤を付与しない清掃用物品は、その実施
例から明らかなように、乾式カード機により形成した比
較的長い短繊維ウェブを交絡せしめた不織布からなるも
ので、非常に細かいダストと大きな綿ボコリやパン屑の
両方をくまなく吸塵するには十分とはいい難い。すなわ
ち、極細繊維の比率を多くすると細かいダストを捕捉す
るが、大きな綿ボコリの吸着性は低下する。逆に、通常
繊維の比率を多くすると細かいダストの吸着が極度に低
下する等の問題を含むものである。特開平2−1241
22、特開平5−192285においては、特殊な網状
シートと繊維ウェブの集合体からなる清掃用物品のた
め、製造プロセスが複雑で生産性が低い等の問題があ
り、又、通常繊維からなる弱い交絡不織布であるので、
大きなゴミは自由な不織布繊維と絡まって吸着するが、
非常に細かなゴミ/埃の吸塵性が劣る。その改良として
薬剤を担持させる工夫がなされているが、薬剤の多量の
付与はシートにベタツキ感を与え、好ましいものではな
い。このベタツキ感、及び薬剤の移行性を改善する目的
で、特開昭59−140282で開示の物品では、低融
点ワックスと液体潤滑油を1:5〜5:1の重量比で清
掃用繊維に付与する工夫がされている。清掃用繊維のダ
スト/埃等細かなゴミの着塵性を向上せしめるために
は、薬剤の付着量を多くする必要があり、その結果、ベ
タツキ感が悪化するのでこれを抑える目的でワックス比
率を高める(例えば、50重量%)必要が生じることに
なり、着塵性とベタツキ感の両方を改善するのは難し
く、ゴワゴワした硬い風合いとなったり、ベタツキ感が
残る等の欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の特開平2−200857号公報に記載されている不織
布の汚れ除去性能を最大限に活用しながら、且つ引張強
度、引裂強度及び表面摩耗強度を改善し、更に、繊維の
脱落が少ないリントフリーな性能を有し、非常に細かい
ダスト/埃から髪の毛、綿ボコリやパン屑まで幅広い吸
着性能を有する優れたクリーンルーム用の産業用ワイピ
ングシートから家庭用及び業務用フローリングシートま
で幅広い領域で使用できるアクリル系湿式不織布を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は0.5
〜3μmの最長断面径を有する繊維長20mm以下のアク
リル系極細繊維で、ある部分では分散して広がり、ある
部分では接合して一体となっている多数の繊維と単糸の
直径が7〜20μmで繊維長Lと繊維の直径Dの比L/
Dが0.5×103 〜2.0×103 である短繊維から
構成されて、該繊維の重量比がアクリル系極細繊維:短
繊維=10〜90:90〜10で交絡一体化しているア
クリル系湿式不織布からなることを特徴とするワイピン
グシート、であり、更に、該アクリル系湿式不織布に薬
剤が該不織布の重量の1〜30重量%保持させてなるこ
とを特徴とするワイピングシートである。
【0010】更には、繊維長が20mm以下の繊維の断面
に不特定な形状を有する開口部を多数有し、該開口の各
々は繊維の内部において繊維の長さ方向に沿って概ね平
行な60μm以上の長さを有する筋状(ストロー状)の
空隙を形成するアクリル系合成繊維(以下原繊維と略
す)と単糸の直径が7〜20μmで繊維長Lと繊維の直
径Dの比L/Dが0.5×103 〜2.0×103 であ
る短繊維を重量比でアクリル系合成繊維:短繊維=5〜
95:95〜5となる混抄シートを得、高圧水をノズル
より噴射し、原繊維及び短繊維を交絡させつつ原繊維一
本一本を細分割し、交絡せしめて湿式不織布とした後、
薬剤を該不織布の重量の1〜30重量%保持させること
を特徴とするワイピングシートの製造方法を提供するも
のである。
【0011】本発明の湿式不織布からなるワイピングシ
ートは、特殊な形状を有するアクリル系極細繊維〔以下
繊維(1)という〕と特定のL/Dを有する短繊維〔以
下繊維(2)という〕から構成され、該繊維同志が複雑
に絡み合って一体化していることが必要であり、この構
成でもって初めて、優れた機械物性と繊維脱落の少ない
リントフリー性能及び非常に細かいダスト/埃から髪の
毛、綿ボコリやパン屑まで幅広い吸着性能を発揮する。
【0012】以下、本発明のワイピングシートについて
更に詳細に説明する。図1は本発明のアクリル系繊維不
織布を製造するために使用する繊維(1)の縦断面の、
そして図2は繊維(1)の横断面の構造を示す電子顕微
鏡写真(拡大倍率は4000倍)である。図1及び図2
において、黒い部分は空隙の存在を示している。図1か
ら理解されるように、繊維(1)はその横断面に不特定
な形状の開口を多数有している。繊維(1)の横断面に
存在する不特定な形状の開口の多数は、繊維(1)を繊
維の長さ方向に容易に分割する(引き裂く)ことを可能
にするものであり、開口の大きさ(孔径)は、後述の条
件を満たしておれば、特に制限されない。
【0013】微細な開口が多数あれば、繊維(1)の分
割の容易さおよび微細な引裂繊維を得る点で好ましい。
又、大きな孔径を有する開口が存在してもその周りに小
さな孔径の開口があれば繊維(1)は容易に分割してフ
ィブリルを形成する。この開口の各々は図2に示すよう
に、繊維(1)内部において繊維の長さ方向にてほぼ並
行な筋状の空隙(ストロー状)に形成している。この繊
維の長さ方向に沿っての空隙の長さ(以下、空隙の長さ
という)は、繊維(1)が容易に分割できる程度に長く
なければならない。この観点から、この空隙に長さは6
0μm以上が好ましく、これより短いと繊維(1)の長
さ方向への分割が困難となる。空隙の長さは60μm以
上であれば、長いほど繊維(1)の分割が容易になり、
実質的に繊維(1)の全長にわたって連続していること
が最も好ましい。
【0014】繊維(1)の横断面における開口数は、繊
維(1)が容易に分割できる程度に多数存在することが
好ましい。繊維(1)の横断面内の開口数は、この開口
の空隙の長さとの関係で一律には定められないが、10
0個以上存在することが好ましい。これより少ない場合
にはこの空隙が60μm以上の連続口であっても繊維
(1)の分割が困難になる。この空隙は繊維(1)の横
断面において100個以上存在すれば、数多く存在する
ほど繊維(1)の分割が容易になり、微細な繊維の形成
も容易となる。また、この空隙の繊維(1)の横断面に
均等に分散していることが繊維(1)の分割を容易にす
る点で好ましい。
【0015】本発明でいう所の、ある部分では分散して
広がり、ある部分では接合して一体となっている多数の
繊維とは、前記繊維(1)が不織布に製造される工程
で、柱状流パンチングにより容易に微細な繊維に分割さ
れて、該微細繊維がある部分ではランダムに3次元的に
分散して広がった状態を呈し、またある部分では該分割
された微細繊維が収束して一体となった状態、あるいは
未分割若しくは一部分割されて繊維内部には未だ多数の
空隙を有する状態で該微細繊維が一体となっている状態
の多数の繊維を表す。
【0016】本発明で用いられる、少なくともその一部
が分割された微細繊維とは、繊維(1)が不織布に製造
される工程で、柱状流パンチングにより容易に微細な繊
維に分割されたものをいう。更に、本発明のもう一方の
構成原糸である繊維(2)は、単糸の直径が7〜20μ
mで繊維長Lと繊維の直径Dの比L/Dが0.5×10
3 〜2.0×103である二つの要素を共に満たすこと
が必要である。単糸の直径が7μm未満の極細繊維の場
合では、単糸強度があまりにも低いため、耐摩耗強度、
層間剥離強度等の改善が十分達成されず、又アクリル系
極細繊維から発生する繊維脱落(リント)を十分に抑制
することができない。一方、20μmを越える太い繊径
の繊維の場合は、前記アクリル系極細繊維との緻密な交
絡が不十分となり、同様に強度物性や耐摩耗性の改善及
び繊維屑の脱落防止効果を得ることができない。本発明
の効果を最大限に発揮し得る短繊維の単糸の直径の好ま
しい範は7〜15μmである。次に、繊維(2)はその
L/Dが0.5×103 〜2.0×103 の範囲である
必要がある。その好ましい範囲は0.5×103 〜1.
5×103 である。単糸のL/Dは高圧水による繊維同
志の交絡のし易さと重要な関係にあることが本発明者ら
の検討により見いだされ、L/Dが0.5×103 未満
である場合、及び2.0×103 を越える場合はいずれ
も目的とする湿式不織布の強度、耐摩耗及び層間剥離強
度並びに本発明の特殊なアクリル系極細繊維に起因して
発生する湿式不織布からの繊維脱落(リント)が抑制さ
れず、十分なリントフリー性能を確保する効果も得られ
ない。この驚くべき事実は、次のように推定される。
【0017】すなわち繊維の柱状流水流による動き易さ
L/Dが小さい、すなわち太く短い程大きく、繊維相互
の絡みは大きくなる。一方、繊維間相互の接触点の数は
繊維が細く長い、すなわち、L/Dが大きい程多くな
る。しかしながら、L/Dが大きすぎると交絡時におけ
る繊維の動きが抑制され繊維相互の絡みは逆に小さくな
る。したがって、繊維同士の交絡密度が最大になる最適
範囲のL/Dが存在し、この範囲が0.8×103
2.0×103 であると理解される。しかしながら、湿
式不織布のシート均一性を損なわないためには、繊維
(2)のL/Dが本発明の適正範囲内であっても繊維長
は20mm以下が好ましく、一方、柱状流パンチングし易
さから言えば、繊維長は少なくとも5mm以上が好まし
い。
【0018】このように、交絡密度が最大となる条件の
繊維を採用することで、繊維(1)のアクリル系微細繊
維がすり抜けたり、切れたりして発生する脱落繊維が抑
制され、繊維(2)によりしっかりと把持される結果、
極細繊維からなる湿式不織布において初めて優れたリン
トフリー性能、表面摩耗強度が発揮される。又、本発明
のワイピングシートにおける繊維(1)と繊維(2)の
含有量は重量比で5〜95:95〜5の範囲で選択でき
るが、好ましくは10〜90:90〜10、より好まし
くは20〜80:80〜20である。繊維(2)が5重
量%未満では前記のような効果は発揮されず、また95
重量%を越えると繊維(1)が極めて高いダスト/埃等
の汚れ除去性能を有しているといえども除塵性能が低下
することになる。アクリル系湿式不織布を構成するこれ
らの繊維(1)、繊維(2)は均一に混在していること
が望ましい。
【0019】本発明の繊維(2)の単糸の直径は、単糸
の断面が円形であっても、非円形の種々の異形断面であ
ってもよい。円形の場合は直接的にその直径を測定した
値でもって単糸の直径とし、異形断面糸の場合の単糸の
直径は、重量法によりその繊度(デニール)を測定し、
このデニールを単糸が円形と仮定した場合の下記の
(1)式で算出される平均直径でもって表すこととす
る。
【0020】
【数1】
【0021】本発明の繊維(2)を構成する繊維として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロ
ン66,610などのポリアミド系繊維、ポリビニルア
ルコール系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン系繊維、アクリル系繊維、セルロース系繊
維(ベンベルグ、レーヨン)などが使用できる。
【0022】本発明のアクリル系湿式不織布は、薬剤を
該不織布重量に対して1〜30重量%付着することで、
繊維(1)が本来有しているダスト/埃等の細かなゴミ
の着塵性を低下させずに、綿ホコリ等の大きなゴミ吸塵
性能が向上することが見いだされた。付着量のより好ま
しい範囲は、3〜20重量%、さらに好ましくは5〜1
5重量%である。付着量が1重量%以下では、薬剤を保
持させた効果が顕著に現れない。一方、30%を越える
付着量になると、本発明の特殊な繊維構造に起因する優
れた拭き取り性能や静電気による毛髪の着塵性が極端に
低下したり、ベタツキ感を生じ、フロアーへ移行するな
どの欠点を生じることになり好ましくない。
【0023】薬剤の種類としては、25℃での粘度が1
000センチストークス(以下cstで表わす)を越える
高粘度の薬剤を1〜30%付着することが好ましく、毛
髪、ダスト/埃から綿ボコリに幅広いゴミに対するバラ
ンスのとれた高い吸塵性能とその持続耐久性が得られ
る。このことは、本発明の湿式不織布を構成するアクリ
ル系繊維は、繊維の断面に不特定な形状を有する開口部
を多数有し、該開口の各々は繊維の内部において繊維の
長さ方向に沿って略平行な60μm以上の長さを有する
筋状(ストロー状)の空隙を形成するアクリル系合成繊
維、及びそれから分割された微細繊維からなるため、付
着した薬剤が前記繊維の空隙部分や毛細管現象により内
層空隙部へのしみ込みが発生し、繊維表面の付着油剤が
経時的に減少するという特異な現象が特定の粘性を有す
る薬剤を付着させることで抑制され、改善されるものと
考えられる。薬剤の種類としては流動パラフィンや鉱物
油、シリコーンオイル、アルキルベンゼンオイル等の合
成油あるいはヒマシ油、オリーブ油、椿油等の植物油が
適用できるか、25℃における粘度が1000cst 以上
のジメチルシリコーンオイル、各種変成シリコーンオイ
ル等及びこれらの混合物が好適に用いられる。これらの
薬剤には界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤が添加されて
いても良い。更に、本発明のアクリル系湿式不織布に付
与する薬剤としてワックスと流動パラフィンの混合薬剤
を最も好適に用いることができることが見いだされた。
この場合、ワックスと流動パラフィンの混合重量%比率
は1〜40:99〜60である。好ましくは1〜30:
99〜70、更に好ましくは1〜15:99〜85であ
る。ワックスの重量%比率が40を越えると繊維表面で
の薬剤の流動性が乏しく逆に繊維(1)の微細繊維が本
来有しているダストのような細かな汚れ除去能力が低下
するばかりでなく、毛髪の着塵性が低下する等の問題が
あり好ましくないし、且つ、シート風合いも硬くなる。
一方、1重量%未満の場合はワックスの量が少なく、繊
維表面における流動パラフィンとワックスの相乗効果に
よる着塵性の改善効果及びその持続耐久性が望めない。
【0024】ワックスの種類としては石油ワックス、鉱
物系ワックス、動物系ワックス、及び植物系ワックス等
の天然ワックス、更に合成ワックスが使用できるが、取
り扱い性の面から石油ワックスが好ましい。石油ワック
スは融点及び分子量の違いから、融点が37〜76℃、
分子量300〜500の炭素数20〜36のn−パラフ
ィンを主成分とした「パラフィンワックス」、融点60
〜98℃、分子量450〜700のイソパラフィンを主
成分とする「マイクロクリスタリンワックス」に分類で
き、この中から適宜選択できるが、精製パラフィンワッ
クスは不純分が少なく、異臭、着色が少なくパラフィン
ワックス単独及びマイクロクリスタリンワックスとの併
用により本発明に好適に用いられる。高融点のマイクロ
クリスタリンワックスを使用するときは、流動パラフィ
ンと少ない混合比率でも優れた効果を発揮する。例え
ば、86℃以上のマイクロクリスタリンワックスを流動
パラフィンと混合する場合はマイクロクリスタリンワッ
クス比率が1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%で
優れた効果を発揮する。流動パラフィンにワックスを混
合添加することで組成液の粘性がアップし、構成する繊
維の表面に付着された薬剤が不織布内部の多数の空隙部
分に移行することなく経時後も保持され、耐久性が飛躍
的に向上することを見出した。
【0025】次に、本発明のアクリル系繊維湿式不織布
の製造法についてのべる。本発明に用いる繊維(1)は
アクリルニトリル(以下ANと略記する)を60重量%
以上を含むアクリル系重合体からなる繊維である。この
重合体は2種類以上のアクリル系重合体の混合物であっ
ても良い。このアクリル系重合体はその溶剤、例えば、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホキシド、ロダン塩濃厚水溶液、塩化亜鉛濃厚水
溶液、硝酸水溶液に溶解し、紡糸原液を調製する。紡糸
原液中の重合体濃度は溶剤によって最適濃度は異なるが
概ね10〜30重量%が好ましい。
【0026】この紡糸原液にポリアルキレングリコール
を添加する。このポリアルキレングリコールはエチレン
オキシド20〜80重量%とプロピレンオキシド80〜
20重量%とのランダム型あるいはブロック型共重合体
であり、その数平均分子量は5000〜50000、好
ましくは10000〜20000である。ポリアルキレ
ングリコールの数平均分子量が5000より小さい場合
は、繊維の長さ方向に連続した空隙が得られず、ごく微
細なほぼ球形状の空洞を有する微多孔質の繊維となる。
一方、その数平均分子量が50000を越えると、巨大
な筋状の空隙部を有する繊維となり、しかも繊維の断面
において多くとも高々十数個の空洞部を有する繊維とな
る。この繊維は柱状流パンチングのような外力によって
微細な繊維に分割できない。数平均分子量が10000
〜20000のポリアルキレングリコールでは繊維の長
さ方向に沿って微細で、その横断面において断面形状が
不特定で細長い空隙を有する繊維(1)が得られる。
【0027】このポリアルキレングリコールを添加した
紡糸原液は、その後少なくとも4時間熟成する。この熟
成はポリアルキレングリコールを添加した紡糸原液を激
しく攪拌したり、振動したりすることなく、例えば静置
しておく、あるいは穏やかに送液することである。ポリ
アルキレングリコールの添加量は、アクリル系重合体に
対して5〜20重量%、好ましくは10〜15重量%で
ある。その添加量が5重量%より少ないと繊維(1)の
横断面における空隙が少なくなり、20重量%を越える
と空隙が多くなり過ぎ、繊維(1)の製造工程で繊維
(1)が分割したり、安定な紡糸ができなくなる等の問
題を生じる。その添加量が10〜15重量%の時に繊維
(1)の横断面における空隙の数、紡糸の安定性等につ
いて最もバランスがとれている。
【0028】ポリアルキレングリコールを添加した紡糸
原液は、紡糸口金を通してその凝固液体中に押しだし、
水洗、延伸、乾燥等の工程を得た後、必要に応じて熱処
理を行う。紡糸原液に添加したポリアルキレングリコー
ルは凝固、延伸、水洗などの工程で凝固糸状体から溶出
する。このようにして得た繊維(1)のアクリル系繊維
を繊維長20mm以下の長さにカットする。カットの好ま
しい範囲は、水流交絡のし易さから考えると原繊維のL
/Dが0.5×103 〜2.0×103 であることが好
ましい。横断面においてその断面形状が不特定で細長い
空隙を有する繊維(1)の直径Dとすると、繊維(1)
のデニールはその紡糸安定性、及び空隙の形成性を考慮
すると1〜3デニールが好ましく、直径Dで表せば10
〜20μmが好ましい。この時、原糸のL/Dが前記範
囲内を得るためには繊維(1)の繊維長が5〜20mmで
有ることが好ましいと言える。L/Dが前記の範囲にな
るような長さにカットしたアクリル系繊維と短繊維(繊
維(2))を所定の割合で水中に混合スラリーとし、抄
造法により湿式シートを形成する。次に、この繊維シー
トは、ネットあるいはローラー上に支持されて、この繊
維シートに高圧水の柱状流が噴射(以下、柱状流パンチ
ング、という)され、繊維(1)が分割されつつ繊維相
互の交絡が行われる。この柱状流パンチングにより、繊
維(1)及び少なくともその一部が分割された微細繊維
相互、更には繊維(1)及び少なくともその一部が分割
された微細繊維と繊維(2)とが交絡し、全体として全
繊維が一体的に結合した湿式不織布が形成される。この
柱状流パンチングは、繊維シートの片側のみでも良い
が、その両側から行うのが繊維の強固な交絡が行われる
点で好ましい。柱状流パンチングは繊維の交絡状況ある
いは繊維(1)の分割状況に応じて数回ないし十数回行
い、少なくとも繊維シートの表面は分割された微細繊維
と短繊維の十分な交絡を達成する。高圧水は20kg/cm
2 以上の圧力が必要であり、これより低くなると繊維
(1)の分割が困難になると同時に繊維相互の交絡が少
なくなり、十分な引張強度、引裂強度等の機械強度が得
られないばかりでなく、繊維の脱落を十分に抑制し得な
い。高圧水を噴射するノズルは、目標とする不織布の表
面形態、繊維(1)の分割状態乃至フィブリル形成状態
により適宜選択する。このノズル口径は小さく、水圧が
低いほど繊維(1)の分割は湿式不織布の表層部で起
り、ノズル口径がある程度大きく且つ水圧が高いほどそ
の内部まで繊維(1)の分割及び繊維相互の交絡も進行
する。柱状流パンチングを行った後、不織布を乾燥す
る。この乾燥機はピンテンター乾燥機、ドラム乾燥機で
ある。
【0029】不織布の目付量は、10g/m2 以上であ
る。これより少ないとワイピングシートとしての十分な
強度、拭き取り性能を発揮し得ない。このようにして得
られた不織布は、このままでもワイピングクロスとして
優れたリントフリー性能や拭き取り性能、着塵性能を有
し、産業用ワイパー及び業務用、家庭用のフローリング
ワイパーとして好適に使用できるが、不織布重量の1〜
30%程度の薬剤を保持させたり、不織布の表面を起毛
するなどの後加工を施すことにより細かなダストから大
きな綿ボコリ、パン屑までの幅広く、あらゆる塵を吸着
する優れたフローリングシートとして好適に用いること
ができる。
【0030】不織布への薬剤の付与方法としては、所定
の薬剤を調整して含浸する方法、表面に噴霧する方法、
及びグラビヤロール等によるコーティング法等の中から
適宜選択できる。付着量は1〜30重量%であり、30
重量%以上付与すると手で触った際にベタツキ感を感じ
ると共に、被払拭物の表面に該薬剤が移行するなどの問
題が生じる。更に、不織布表面を起毛する方法として
は、エメリーペーパーによるバフィング処理、各種ブラ
シ例えば金属製、塩ビ等プラスチック製、豚毛製等の起
毛ブラシによるブラッシング処理、MCロール等による
従来方法が適宜選択できる。この起毛処理は片面のみで
も目的に応じた効果を得ることができるが、両面を処理
する方が例えばフローリングワイパーとして両面使用す
る場合に好適である。この起毛処理は前記の薬剤付与の
前工程で実施しても、後ろの工程で実施しても良いが、
例えば、起毛処理後に薬剤付与をおこなうと起毛屑が薬
剤浴中に浮遊する等の工程上の問題を起し易いので、薬
剤処理の後に起毛処理した方が好ましい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、不織布の引張強度、引裂強度及び表面耐摩耗
性の評価は、JIS L−1096並びにマーチンデー
ル摩耗試験に準じて評価した。その他、拭き取り性能の
評価は以下の方法で評価した。 (1)リントフリー性:0.3〜5μmの粒子径の範囲
を測定できるパーティクルカウンター(RION製、K
C−01A)を使用し、試験片(10×10cm)の発生
リントを測定して、0.3〜5μmのリント総数で表
す。 (2)耐洗濯性:15cm×15cmの試験片1〜10枚を
40gの洗剤(ニュービーズ;花王)を含む常温の30
lの水中で家庭用洗濯機(東芝製、銀河VH−101
5)にて強洗い5分、脱水1分、水洗い15分、脱水1
分を1サイクルとして洗濯を繰り返す。1サイクル毎に
試料の外観変化を観察する。著しい外観変化(一見して
認める著しい毛羽立ち、破れ、変形)を認めるサイクル
数をもって級表示する。1サイクルで著しい外観変化を
生じる物を1級、15サイクル以上のものを5級とし、
1〜5級の間でランク付けを行う。 (3)拭き取り性(水性、油性):ガラス板上に墨汁
(水性)又は油性インク(油性)を1滴量滴下し、試験
片(2×30cm)で1回拭き取った後に、ガラス板上の
黒液の残存程度を測色計で評価して、ΔE値を求めた。
ΔE値が大きいほど残存量が多いことを示し、その値が
0〜1を5級、15を4級、30を3級、45を2級、
60以上を1級として等級で水性汚れ、及び油性汚れを
それぞれ評価した。 (4)脱落繊維測定法:畳縁布(巴印、純綿、コゲ茶)
を板に固定する。モップ治具に試験片(20×30cm)
を取り付け、前記畳縁布の上に置き、治具の上には50
0gの重りを載せ引っ張って、3往復させる。畳縁布上
の繊維脱落が一番密集しているところに5cm角の枠を載
せ、枠内にある3mm以上の繊維屑を数える。 (5)毛髪捕集能:長さ10cmの毛髪10本を3000
cm2 (30×100cm)の木床試験板(大倉工業、複合
一種フローリング589ナラ乱尺)上にできるだけ均等
に散布する。脱落繊維試験法と同様に試験片を試験板の
端から端まで3往復させた後、十分に捕集されていない
毛髪を除去するため軽く3回振る。試料に付着している
毛髪の本数を計測する。10回繰り返し、その平均値を
算出する。 (6)ダスト捕集能:試験用ダスト0.5gを毛髪捕集
能測定と同様に木床試験板上に散布し、試験片で同様に
拭き取り、試料に付着したダストの重量を測定する。3
回繰り返し、平均値を算出する。 (7)コットンリンター捕集能:試験用コットンリンタ
ーを用い、ダスト捕集能と同様に測定して、試料に捕集
されたリンター重量で表す。 (8)持続耐久性の評価:毛髪捕集性能、ダスト捕集性
能、コットンリンター捕集性能の評価を薬剤付与してか
ら、6ヶ月経過後に再度評価測定した結果と薬剤付与後
の評価結果との差違◎〜×で表した(◎は殆ど評価結果
に差違がないレベル、×は初期の拭き取り性能から著し
く低下したレベルを表し、○、△はその中間のレベルと
した)。 (9)ドライ感:不織布を人間の手で触れ、ドライな感
じを受けた場合には◎、湿った感じを受けた場合には×
の評価を行い、その中間的な感触を○、△とした。 〔実施例1〕AN95.0重量%、アクリル酸メチル
4.5重量%及びメタリルスルホン酸ソーダー0.5重
量%の共重合体、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレ
ンオキシド−ポリエチレンオキシドのブロック型ポリエ
ーテル(数平均分子量100000、ポリエチレンオキ
シドとポリプロピレンオキシドの重量割合は70:3
0)をジメチルホルムアミドに溶解して、アクリル系重
合体23重量%、ブロック型ポリエーテル2.3重量%
を含有する紡糸原液を調製した。この紡糸原液を6時間
静置した後、紡糸口金を通して温度35℃、ジメチルホ
ルムアミド75重量%の凝固浴中に押しだし、水洗後、
沸騰水中で12倍延伸し、80℃の熱風中で乾燥して
1.5デニールの繊維〔繊維(1)〕を製造した。この
繊維(1)の縦断面及び横断面の構造を示す電子顕微鏡
写真(拡大倍率:4000倍)を図1、及び図2に示
す。
【0032】長さ12mmにカットした繊維(1)と1.
0デニールのポリエステル繊維を長さ10mmにカットし
て得た短繊維(繊維(2):L/D=1000)と7
0:30の重量比で水中に分散させ均一スラリーとし
て、長網式抄紙機により目付50g/m2 の繊維抄造シ
ートを製造した。この抄造シートを80メッシュの金網
の上に置き、直径0.15mm、ピッチ0.8mmの1列ノ
ズルから75kg/cm2 の水圧で水噴射し、20m/min
の速度で移動しながら柱状流パンチングした。次に、同
様の条件でこの繊維シートの裏側から柱状流パンチング
した。この操作を5回繰り返し繊維交絡シートとした
後、80℃のピンテンター式熱風乾燥機で乾燥した。
【0033】得られた不織布について、強度物性の測定
とワイピングシートとしての性能評価を実施したとこ
ろ、従来の湿式不織布では得られない優れた引張強度、
引裂強度及び表面耐摩耗性を示すと共に、優れたリント
フリー性と水性及び油性の両汚れに対する卓越した拭き
取り性能を示した(〔表1〕参照)。
【0034】
【表1】
【0035】〔実施例2〕AN95.0重量%、アクリ
ル酸メチル9.5重量%及びメタリルスルホン酸ソーダ
ー0.5重量%の共重合体、ポリエチレンオキシドとポ
リプロピレンオキシドランダム共重合型ポリエーテル
(数平均分子量100000、ポリエチレンオキシドと
ポリプロピレンオキシドの重量割合は75:25)を6
7重量%硝酸水溶液に溶解して、アクリル系重合体16
重量%、ランダム型共重合ポリエーテル2.4重量%を
含有する紡糸原液を調製した。この紡糸原液を6時間静
置した後、0℃に冷却した37重量%の硝酸水溶液中に
紡糸口金を通して押し出し、水洗後、沸騰水中で9.5
倍延伸し、70℃の熱風中で乾燥して、常圧蒸気中をと
おして、1.5デニールの繊維〔繊維(1)〕を製造し
た。
【0036】この繊維〔繊維(1)〕を長さ12mmにカ
ットし、1.0デニール、長さ5mmのポリエステル繊維
との混抄シート No.1, No.2, No.3, No.4、及び
No.5を重量比率を替えてそれぞれ、繊維(1):繊維
(2)=90:10、70:30、50:50、30:
70、及び10:90を長網式抄紙機により製造した。
目付は何れも50g/cm2 であった。これらの抄造シー
トを80メッシュの金網の上に置き、実施例1と同様な
条件で柱状流パンチング処理して不織布シートを得た。
【0037】それぞれの、強度物性及びワイピング性能
評価を実施例1と同様に実施し、〔表2〕に示した。従
来の湿式不織布では得られない優れた引張強度、引裂強
度及び表面耐摩耗性を示すと共に、ワイピングクロスと
して優れたリントフリー性と拭き取り性においてバラン
スの良い性能を示し、産業用ワイパー特にクリーンルー
ム用に好適であることが実証された。一方、着塵性評価
においても、本発明の特殊なアクリル繊維使いに起因し
た毛髪、及びダスト等の優れた着塵性が維持され、業務
用及び家庭用のフローリングワイパーとしても好適であ
った。
【0038】
【表2】
【0039】〔実施例3〕実施例1で得られた湿式不織
布をエチケットブラシで起毛を施し、ついで信越化学
(製)シリコーンオイルKF96−1000(粘度10
00cst 〔25℃〕)をロールコーター方式で不織布の
表裏面に15重量%付着せしめてフローリング用ワイピ
ングシートを作成した。拭き取り性能及び毛羽脱落性能
等を本実施例で使用した実施例1を起毛処理したものと
同時に〔表2〕に示した。 〔実施例4〕実施例3と同様に、実施例1の湿式不織布
の起毛処理品に信越化学(製)変性アミノシリコーンオ
イル「KF861」;粘度3500cst (25℃)を付
着率を変えて、それぞれ3、9、15、20、30重量
%付着せしめたフローリング用ワイピングシートNos.
1,2,3,4、及び5を作成した。拭き取り性能及び
毛羽脱落性能を〔表2〕に示した。 〔実施例5〕実施例1で得られた湿式不織布に流動パラ
フィン(粘度71cst 〔25℃〕)に精製パラフィンワ
ックス(融点42〜44℃)を85:15の重量割合で
混合した組成液をそれぞれ調合し、グラビヤコーターで
付着率を変えて、それぞれ、3,9,15,20,30
重量%付着せしめた。その後、豚毛ブラシで軽く表面ブ
ラッシング処理を施してフローリング用ワイピングシー
トNos.1、2、3、4、及び5を作成した。拭き取り性
能及び毛羽脱落性能を実施例1と同じように起毛処理し
た不織布の性能評価と一緒に〔表3〕に示した。
【0040】
【表3】
【0041】〔比較例1〕実施例1で製造した1.5デ
ニール、長さ12mmのアクリル系短繊維〔繊維(1)〕
から長網式抄造機で目付50g/m2 の抄造シートを得
た。以後、実施例1と同様にしてアクリル系繊維〔繊維
(1)〕のみからなる湿式不織布を得た。機械物性等は
十分とはいい難く耐洗濯性のレベルが低いものであっ
た。微細繊維の脱落によるリントフリー性能が極めて不
十分であり、大きな綿埃(コットンリンター評価)の吸
塵性も十分とはいえない。しかしながら、水性及び油性
の液汚れの拭き取り性能及び、細かなダスト/埃等の静
電気に起因する毛髪の着塵性能は抜群に良好であった
(〔表1〕参照)。 〔比較例2〕実施例1で用いた1.0デニール、長さ1
0mmのポリエステル繊維のみを水に均一に分散させたス
ラリーから実施例1と同様にして目付50g/m2 の交
絡不織シートを得た。着塵性及び拭き取り性能を〔表
1〕に載せた。 〔比較例3、4〕実施例4及び実施例5で薬剤の付着率
を45%にした場合のフローリングシートをそれぞれ比
較例3、比較例4としてこれらの繊維脱落性能、着塵性
能をそれぞれ〔表2〕又は〔表3〕に示した。 〔実施例6、比較例5〕流動パラフィン(粘度71cst
〔25℃〕)に精製パラフィンワックス(融点41〜4
2℃)の混合比率(重量)の異なる組成液(流動パラフ
ィン:ワックス=100:0、5:95、10:90、
15:85、30:70、50:50)を作成し、実施
例2で得られた湿式不織布に付着率15重量%と一定で
付着せしめ、実施例4と同様にブラッシング処理を行い
フローリング用ワイピングシートNos.1、2、3、4、
5及び6を作成した。実施例2の不織布を起毛処理のみ
実施したものと一緒に着塵性能及び繊維脱落性能を〔表
4〕に示した。
【0042】
【表4】
【0043】〔実施例7〕実施例2で製造した湿式不織
布に流動パラフィン(粘度71cst 〔25℃〕):パラ
フィンワックス(融点42〜44℃):クリスタルワッ
クス(融点92℃)=85:10:5、85:0:1
0、85:0:10(重量比)の組成液を調製し、実施
例6と同じように付着率15重量%で不織布両面に付着
せしめ、起毛処理を施してフローリング用シート No.
1、 No.2、及び No.3を作成した。
【0044】この物の性能評価を〔表4〕に一緒に示し
た。
【0045】
【発明の効果】本発明のワイピングシートは、従来の湿
式不織布では得られない優れた引張強度、引裂強度、耐
摩耗強度物性とアクリル系微細繊維の脱落が抑えられた
リントフリー性能を有しながら、水性のみならず油性の
液状汚れの除去性能が極めて高いばかりか、非常に細か
い固体のダスト/埃から比較的大きな髪の毛、綿ボコ
リ、パン屑に至る非常に広範囲の形状、種類の着塵作用
に優れることから、産業用として、例えば高いクリーン
度が要求されるクリーンルーム用ワイパーや、様々な塵
の吸着性能が要求される業務用及び家庭用のフローリン
グワイパーに好適に使用することができる。又、フロー
リング用途に使用した場合、ドライな感触をもつので、
清潔感があるばかりか、畳の縁布等への繊維脱落も非常
に少ないことから畳面の掃除も可能であり、その優れた
着塵性能は経時的に変化の少ない耐久性を有しているの
で、本発明のワイピングシートの工業的価値は極めて大
きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のワイピングシートに用いる繊維(1)
の縦断面の構造を示す電子顕微鏡写真(拡大倍率:40
00倍)である。
【図2】本発明のワイピングシートに用いる繊維(1)
の横断面の構造を示す電子顕微鏡写真(拡大倍率:40
00倍)である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は0.5
〜3μmの最長断面径を有する繊維長20mm以下のアク
リル系極細繊維で、ある部分では分散して広がり、ある
部分では接合して一体となっている多数の繊維と単糸の
直径が7〜20μmで繊維長Lと繊維の直径Dの比L/
Dが0.5×103 〜2.0×103 である短繊維から
構成されて、該繊維の重量比がアクリル系極細繊維:短
繊維=5〜95:95〜5で交絡一体化しているアクリ
ル系湿式不織布からなることを特徴とするワイピングシ
ートであり、更に該アクリル系湿式不織布に薬剤が該布
の重量の1〜30重量%保持させてなることを特徴とす
るワイピングシートである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】〔実施例2〕AN90.0重量%、アクリ
ル酸メチル9.5重量%及びメタリルスルホン酸ソーダ
ー0.5重量%の共重合体、ポリエチレンオキシドとポ
リプロピレンオキシドランダム共重合型ポリエーテル
(数平均分子量100000、ポリエチレンオキシドと
ポリプロピレンオキシドの重量割合は75:25)を6
7重量%硝酸水溶液に溶解して、アクリル系重合体16
重量%、ランダム型共重合ポリエーテル2.4重量%を
含有する紡糸原液を調製した。この紡糸原液を6時間静
置した後、0℃に冷却した37重量%の硝酸水溶液中に
紡糸口金を通して押し出し、水洗後、沸騰水中で9.5
倍延伸し、70℃の熱風中で乾燥して、常圧蒸気中をと
おして、1.5デニールの繊維〔繊維(1)〕を製造し
た。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】それぞれの、強度物性及びワイピング性能
評価を実施例1と同様に実施し、〔表1〕に示した。従
来の湿式不織布では得られない優れた引張強度、引裂強
度及び表面耐摩耗性を示すと共に、ワイピングクロスと
して優れたリントフリー性と拭き取り性においてバラン
スの良い性能を示し、産業用ワイパー特にクリーンルー
ム用に好適であることが実証された。一方、着塵性評価
においても、本発明の特殊なアクリル繊維使いに起因し
た毛髪、及びダスト等の優れた着塵性が維持され、業務
用及び家庭用のフローリングワイパーとしても好適であ
った。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.5〜3μmの最長断面径を有する繊
    維長20mm以下のアクリル系極細繊維で、ある部分では
    分散して広がり、ある部分では接合して一体となってい
    る多数の繊維と単糸の直径が7〜20μmで繊維長Lと
    繊維の直径Dの比L/Dが0.5×103 〜2.0×1
    3 である短繊維から構成されて、該短繊維の重量比が
    アクリル系極細繊維:短繊維=5〜95:95〜5で交
    絡一体化しているアクリル系湿式不織布からなることを
    特徴とするワイピングシート。
  2. 【請求項2】 アクリル系湿式不織布に薬剤が該不織布
    の重量の1〜30重量%保持されてなることを特徴とす
    る請求項1及び2のワイピングシート。
  3. 【請求項3】 薬剤の粘度が1000センチストークス
    (25℃)以上であることを特徴とする請求項3のワイ
    ピングシート。
  4. 【請求項4】 薬剤がワックス1〜40重量%と流動パ
    ラフィン99〜60重量%からなる混合薬剤であること
    を特徴とする請求項3のワイピングシート。
  5. 【請求項5】 繊維長が20mm以下の繊維の断面に不特
    定な形状を有する開口部を多数有し、該開口の各々は繊
    維の内部において繊維の長さ方向に沿って略平行な60
    μm以上の長さを有する筋状(ストロー状)の空隙を形
    成するアクリル系合成繊維と単糸の直径が7〜20μm
    以下で繊維長Lと繊維の直径Dの比L/Dが0.5×1
    3 〜2.0×103 である短繊維を重量比でアクリル
    系合成繊維:短繊維=5〜95:95〜5となる混抄シ
    ートを得、高圧水をノズルより噴射し、原繊維及び短繊
    維を交絡させつつ前記アクリル系合成繊維一本一本を細
    分割し、交絡せしめて不織布とした後、薬剤を該不織布
    の重量の1〜30重量%保持させることを特徴とするワ
    イピングシートの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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