JPH10303056A - 金属蒸着フィルム、その製造方法及びそれを用いたコンデンサ - Google Patents

金属蒸着フィルム、その製造方法及びそれを用いたコンデンサ

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JPH10303056A
JPH10303056A JP9109376A JP10937697A JPH10303056A JP H10303056 A JPH10303056 A JP H10303056A JP 9109376 A JP9109376 A JP 9109376A JP 10937697 A JP10937697 A JP 10937697A JP H10303056 A JPH10303056 A JP H10303056A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】高分子フィルムの少なくとも片面に表面抵
抗1Ω/□〜15Ω/□の電極となる金属蒸着膜部と表
面抵抗1×1010Ω/□以上のマージン部、および該金
属蒸着膜部と該マージン部の間に該金属蒸着膜部より該
マージン部にかけ金属蒸着膜厚が連続的に低減する幅
0.02〜1mmの境界膜部を有することを特徴とする
金属蒸着フィルム。 【効果】安全規格コンデンサに課せられる高電圧印加に
対してもマージン際での破壊がおこらず、極めて高い安
全性を有したコンデンサを作ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気・電子回路に用
いられる金属蒸着高分子フィルムコンデンサ、特にアク
ロスライン等に用いられるコンデンサに関するものであ
り、中でも落雷時等に突入するサージ電流によってコン
デンサが破壊、発火などをおこすことのないよう規定さ
れた各種の安全規格に適合した安全規格コンデンサに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】各種家庭用電気機器、あるいは電子機器
にはラインから入るノズルを除去、あるいは機器で発生
するノイズが電源ラインに入るのを防ぐためにフィルタ
ーコンデンサが使用されている。これらのコンデンサへ
は落雷時等に生じる大きな突入電流が入ることがあり、
これらの突入電流によってコンデンサが破壊、あるいは
発火することのないよう、厳しい試験を課す規格が各国
で規定されている。例えばUL 1414、CAS C
22.2 NO1、VDE 0565−1、IEC 3
84−14、SEV 1055、JIS C5151な
どであり、さらにNEMKO、SEMKO、DEMK
O、EI、BSなどの規格がある。
【0003】これらは大きな突入電流を想定し、定格電
圧に比べ極めて高い電圧を一定時間かけ、異常あるいは
破壊しないことを規定している。
【0004】これらの規格に適合するため、従来は11
〜12μmの厚いポリエステルフィルムを用い、かつ広
巾のマージンを有するアルミ蒸着フィルムが用いられて
いたが、本対策においても規格に適合するにぎりぎりの
品質のため、製造工程での不良率が大きいこと、具体的
には検査工程の耐電圧テストにおいて不良が発生する率
が大きいことが問題であった。一方コンデンサの小型化
に対する強い要望があるが、小型化のためにフィルム厚
みを薄くすると当然不良率が増大し、小型化に対する技
術にいきづまっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は不良率を少な
くするとともに、さらに小型の安全規格に適合したコン
デンサ及びそれに用いられるコンデンサ用金属蒸着フィ
ルムを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的に沿うための本
発明の金属蒸着フィルムは、高分子フィルムの少なくと
も片面に表面抵抗1Ω/□〜15Ω/□の電極となる金
属蒸着膜部と表面抵抗1×1010Ω/□以上のマージン
部、および該金属蒸着膜部と該マージン部の間に該金属
蒸着膜部より該マージン部にかけ金属蒸着膜厚が連続的
に低減する幅0.02〜1mmの境界膜部を有すること
を特徴とする金属蒸着フィルム。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の一実施態様例である金属
蒸着フィルムの概略断面図を図1に示す。なお、本発明
は本実施態様例に限定されるものではない。
【0008】図1において、1は本発明の金属蒸着フィ
ルムであり、2は高分子フィルム、3はマージン部、4
は金属蒸着部、5は境界膜部であり、Lは境界膜部の幅
を表す。
【0009】本発明でいう高分子フィルム2とは天然、
半合成、合成高分子樹脂をフィルム状に成型したもの
で、中でも合成高分子樹脂からなる高分子フィルムが耐
熱性、機械特性、電気特性、物理化学的特性の点からよ
り好ましい。
【0010】好ましい合成高分子樹脂としてポリオレフ
ィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイ
ミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネイト樹
脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリア
リレート樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリア
リレン樹脂などを挙げることができる。特にポリプロピ
レン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネ
イト、ポリスチレンが機械特性、電気特性の点からより
好ましい。中でもポリプロピレン、およびポリエチレン
テレフタレートが交流耐電圧(AC耐電圧)が高いこと
から特に好ましい。
【0011】金属蒸着膜4の金属はAl、Zn、Cu、
Ag、Au、Sn、Si、Ti、Co、Niあるいはこ
れらの合金など導電性を有するものであれば特に限定さ
れるもないが、Al、Zn、Cu、Snなどが耐コロナ
劣化性が少なく好ましい。なかでもAl−Znの合金が
耐湿性、耐コロナ劣化性および自己回復特性の点でより
好ましく、中でも蒸着合金膜中のAl含有量比{(Al
含有量×100)/(Al含有量+Zn含有量)}が蒸
着膜表面C1 、蒸着膜中央C2 、フィルム界面でC3
するとC2 <C1 ≦C3 又はC2 <C3 ≦C1 と連続的
に変化し、かつ蒸着膜全体のAl含有量比が0.5〜1
5wt%、より好ましくは8〜12wt%となるAl−
Znの合金からなる蒸着金属膜が特に好ましい。なかで
もAlの含有量比がC2 <C1 ≦C3 となる分布をする
Al−Znの合金が自己回復性の劣化が少なくより好ま
しい。蒸着金属膜の膜抵抗は1〜15Ω/□が好まし
く、特に2〜12Ω/□が良い、またメタリコンとの密
着性を向上させるため、図2のごとくメタリコンの密着
部2〜5mm程度の蒸着膜を厚く、いわゆるヘビーエッ
ジにした場合の、電極部(アクティブ部)の抵抗を4〜
12Ω/□にすることによって特に耐圧とtanδ特性
を向上させる。
【0012】さらにこれら蒸着金属膜の耐湿性を上げる
ため、該蒸着金属膜表面に超薄層のオイル膜又はケイ
素、あるいはケイ素化合物を設けることがより好まし
い。
【0013】金属蒸着フィルムは、金属蒸着膜部4とマ
ージン部3の間に境界膜部5を有することが重要であ
る。境界膜部とは図1のごとく金属蒸着膜部4よりマー
ジン部3にかけ蒸着膜部の蒸着膜の厚みがマージン部3
へ連続的に低減していく状態を指し、光学顕微鏡で観察
した場合、図1のように金属蒸着膜部4の暗い部分から
マージン部3の明るい部分にかけ幅(L)が0.02〜
1mm、より好ましくはL:0.1〜0.5mm程度、
特に好ましくはL:0.2〜0.3mmにかけ徐々に暗
い部分から明るい部分へ明るさが変化する領域がある状
態をさす。従来のコンデンサ用金属蒸着フィルムはJI
S−C2319−1977(コンデンサ用メタライズポ
リエステルフィルム)の4・3耳幅に規定されているよ
う蒸着金属膜の端に連続して不鮮明な箇所があってはな
らないとされている。このため従来よりマージンを形成
する方法には蒸着される高分子フィルム上にマスクとな
るマージンと同じ幅のテープをはわせ未蒸着部(マージ
ン)を形成するテープマージン法があり、蒸着膜とマー
ジンの境がはっきりしたマージンが形成されることおよ
びプレス性が良いことから好ましく利用されてきた。ま
た他の方法としては蒸着膜に高分子フィルム上にマージ
ンの幅にオイルを蒸着し、オイル部に蒸着膜が付着しな
いことを利用したオイルマージン法があるが、テープマ
ージン同様にマージンとの境をはっきりさせるため(境
界部5生じさせないため)、特公平3−59981号公
報のごとく、蒸着金属がより付着しにくいフッ素系オイ
ルが使用され、さらに特公昭63−57932号公報の
ごとく、色々な工夫がなされていた。
【0014】本発明はこれら従来の技術とは全く逆に蒸
着境界部5を設けることによって、逆に安全規格コンデ
ンサのテストにある高い電圧の印加に対しても破壊、特
にマージンと蒸着金属膜境界における高分子フィルムの
絶縁破壊をふせぎうることを見出し、なされたものであ
る。
【0015】さらに図3のごとくマージン部3がオイル
6で覆われていることがより好ましい。オイルの量はわ
ずかなため定量化できないが、図4のごとく、本金属蒸
着フィルムを巻回、または積層してコンデンサとした際
の上下の2枚の金属蒸着フィルムの間のマージン部分が
オイル6で満たされること、より好ましくは空気の層が
ないようになることである。この場合オイル6がコンデ
ンサの含浸オイルと相溶することによってオイルと含浸
オイルによってマージン部が満たされ、空気の層がなく
なることでも良い。つまりマージン部にオイルが存在
し、コンデンサにした時金属蒸着フィルムの間のマージ
ン部分が空気層のないようにオイルで充満されることが
好ましい。
【0016】本発明の金属蒸着フィルムの特徴である境
界膜部を生じさせ、金属蒸着フィルムの間のマージン部
分をオイルで充満させるため、および電気特性の点から
オイルは鉱物油、またはシリコーンオイルが好ましい。
中でもシリコーンオイルがより好ましい。特に重量平均
分子量MWが300≦MW≦800が好ましく、中でも
重量平均分子量MWが400≦MW≦800で、かつ数
平均分子量MNとの比が1.0≦MW/MN≦1.1の
シリコーンオイルがより好ましく、さらに電気特性の点
からジメチルポリシロキサンオイルまたはメチルフェニ
ルシリコーンオイルが好ましく、中でもフェニル・メチ
ル・ジメチルポリシロキサンが最も特性的に優れてい
る。
【0017】図7は本発明の金属蒸着フィルムを製造す
るための一装置の概略図である。なお本発明は本実施態
様例に限定されるものではない。
【0018】真空蒸着機7内において、巻きだしロール
8より送り出された高分子フィルム2に、内部のオイル
蒸気圧を測定し、規定のオイル蒸気圧に制御されたオイ
ル蒸発ノズル11のマージン部幅に開けられた開口部を
通じ、所定のオイルを蒸着、付着させる。次いでAl蒸
着源12よりZnの核付けとなるAlを定量蒸発させ、
高分子フィルム2に蒸着し、引き続きZn蒸発源13よ
りZnを金属蒸着膜の表面抵抗が規定の抵抗になるよう
蒸着する。次いで低温プラズマ装置14にて該金属蒸着
膜および境界膜部表面を酸素原子を含むガスのプラズマ
にて処理し、さらに内部のオイル蒸気圧を測定、制御し
たオイル蒸発器15の狭い開口部を通じ、金属蒸着膜部
表面にオイルを蒸発、付着させる。
【0019】本方法においてオイル蒸発ノズル11とオ
イル蒸発器15内部の蒸気圧を測定、制御することは、
各々境界膜の幅の制御するうえと金属蒸着フィルム表面
のオイルによる滑りからくるコンデンサ素子巻き性の制
御のし易さの点から極めて重要である。さらに低温プラ
ズマで処理することは境界膜の幅の制御と同時にtan
δの悪化を防ぐ上で同じく極めて重要である。
【0020】なお低温プラズマとは、低圧のガス中に直
流、または低周波、中周波、高周波等の交流、あるいは
マイクロ波等の高電圧を印加することによって開始、維
持する放電によって生成するプラズマを指すものであ
る。
【0021】本発明の金属蒸着フィルムを通常の方法に
よって、巻回、又は積層することによって耐電圧の高い
良好なコンデンサができる。特にマージン部3を覆って
いるオイルと相溶し、かつ電気絶延性の高いオイルを含
浸オイルとして用いるとさらに耐電圧の高いコンデンサ
ができ、より好ましい。
【0022】オイルと相溶するかどうかは、100cc
のサンプル瓶にマージン部3を覆うに用いられているオ
イルと含浸オイルを各々30ccづつ入れ、栓をし、よ
く振ったのち、30分間静置した際、二層に分離した
り、懸濁せず、透明に相溶することをさす。より簡易な
方法としてはJIS−K6768−1971「エチレン
およびポリプロピレンフィルムのぬれ試験法」に準じ含
浸オイルを含んだ綿棒で蒸着フィルムの金属蒸着膜表面
からマージン部3へ含浸オイルを塗布した際、マージン
部にて含浸オイルの塗布幅がせばまらず、同等幅か広が
る含浸オイルが好ましいとして見分ける方法が用いられ
る。
【0023】本発明の金属蒸着フィルムを用いたコンデ
ンサは高い耐電圧を要求する用途のコンデンサに適して
いる。中でも安全規格コンデンサとして優れている。
【0024】なお本発明の金属蒸着フィルムは従来の金
属蒸着フィルムと異り、マージン部がオイルで覆われて
いるため、プレス条件等従来のコンデンサ製造条件を変
更することが必要になる場合があるが、各々の金属蒸着
フィルムに合った最適な加工条件を設定することはあた
り前のことである。
【0025】本発明の金属蒸着フィルムのマージン部3
とは図1のごとく金属蒸着膜とメタリコン部との絶縁を
確保するために設けられるマージン(フリーマージン、
又はJIS−C2319−1997に呼称されている耳
幅)のみならず特公平1−21613号公報、特開平4
−225508号公報、特開平7−86088号公報、
USP5057967などに提案されている保安機構用
マージン、あるいは電極を分割するためのマージンをも
さすものである。
【0026】このような保安機構用マージンや分割電極
用マージンを有する従来のコンデンサは金属蒸着膜とマ
ージン部の境で絶縁破壊を起し、例えばヒューズ部の金
属蒸着膜とヒューズ部を形成するマージン部との境で絶
縁破壊し、ヒューズが切れたり、あるいは分割電極のマ
ージンが重った部分が絶縁破壊するなどして容量を低下
させる問題があったが、本発明の金属蒸着フィルムを用
いたコンデンサではこのような問題が著しく改良され
る。
【0027】このようなマージンを形成する本法として
は、特開昭63−114956号公報(USP4832
983)の方法が優れているが、本発明の金属蒸着フィ
ルムを作るうえで異る重要な点は、特開昭63−114
956号公報では蒸着後マージンを形成するためのオイ
ルが消失する必要があることが強調されているが、本発
明は逆に蒸着後オイル6が残り、マージン部3を覆い、
かつ境界膜部5が生じていることである。
【0028】従来のコンデンサ用蒸着フィルムのマージ
ンは境界膜部がなく、かつマージン部にオイルが残らな
いことが重要な品質であったが、本発明は逆に境界膜部
を生じさせかつマージン部にオイルが残すことによっ
て、極めて耐電圧の高い金属蒸着フィルムを発明するに
至ったのである。
【0029】本発明の金属蒸着フィルムを巻回、積層す
るなど通常の方法にてコンデンサを作製することができ
る。該コンデンサは高い耐電圧を有する。中でもマージ
ン部3を覆っているオイルと相溶する含浸剤を用いた場
合は著しく高い耐電圧を有する。特にマージンを覆って
いるオイルがシリコーンオイルで、かつ含浸剤もシリコ
ーンオイルがより好ましく、これらのシリコーンオイル
としては特にジメチルポリシロキサン、あるいはメチル
フェニルシリコーンオイルが優れている。
【0030】本発明のコンデンサは高い電圧が印加され
る安全規格コンデンサに特に適している。
【0031】
【物性値の測定】
(1)Al−Zn合金の組成分析 金属蒸着フィルムサンプル9cm2 を希硝酸で溶解した
のち20mlに定溶し、この定溶液をICP発光分光分
析法にてAlおよびZnを定量した。ICP発光分光分
析装置はセイコー電子工業(株)製SPS1200VR
型を用いた。
【0032】(2)AlおよびZnの組成分布 JEOL製JAMP−10S型のオージェ電子分光分析
装置にて、蒸着層の表面よりArイオンエッチングしな
がらAlおよびZnの定量分析を行なった。
【0033】Arイオンエッチング条件 加速電圧:3kV 試料電流:1×10−6 A エッチング速度:SiO2 換算で19μm/min 測定条件 加速電圧:3kV スリットNo.:5 試料電流:8×10−8 A 試料傾斜角度:72度 ビーム径:10μm
【0034】なお、フィルム界面とは蒸着膜中央よりフ
ィルム界面にかけAl含有量が多くなり、最大になった
後減少していく、最大点の位置をフィルム界面とし、最
大点の含有量比をC3 とする。
【0035】(2)境界膜部幅 蒸着膜とマージンの界面を光学顕微鏡下にて50〜10
0倍の倍率にて測定する。または金属蒸着フィルムのマ
ージンの界面の断面の超薄切片を超高分解能電界放射型
走査電子顕微鏡((株)日立製作所製S−900H型)
を用い、加速電圧5kVで観測する。ただし、後者の場
合蒸着膜がマージン界面より、マージン部内で徐々に薄
くなっているのが観測されるが、金属原子オーダーでの
観察が可能になるため、光学顕微鏡で規定した本発明の
境界膜部幅以上に蒸着金属がマージン内部へ入っている
ことが観察される。
【0036】(3)マージン部のオイルの有無 XPS(ESCA)にてマージン部を観測することによ
って、オイルの存在を確認できる。
【0037】装置:SSI社製SSX−100−206 励起X線:monochromatized Al K
α1.2線(1486.6ev) 光電子脱出角度(θ):35° エネルギー補正:CISメインピークの結合エネルギー値
を284.6evに合わせた。
【0038】なお、XPSは感度が良いため汚染による
オイルを検出することがあるが、マージン部がオイルで
覆われている場合は検出されたオイルからの信号が著し
く高く、汚染のオイルとは区別できる。
【0039】(4)マージンオイルの分子量分布測定 ゲル浸透クロマトグラフGPC−244(WATER
S)、検出器:示差屈折率検出器R−401(WATE
RS)を用い測定し、分子量校正はポリスチレンで行っ
た。
【0040】なおフェニル基を有するシリコーンオイル
の場合はカラムはTSK−gel−G3000HXL
(1)、G2500HxL(1)(東ソ(株))を用い
た。
【0041】
【実施例】
実施例1、比較例1、2、3、4 厚さ8μmのポリプロピレンフィルムに実施例1、比較
例1、2、3では蒸着膜幅x1 ×2=33mmのAl−
Zn合金蒸着膜とx2 ×2=5mmのマージン部(未蒸
着部)を設けた。比較例4では同幅のAl蒸着膜と同幅
のマージン部を設けた。
【0042】実施例1、比較例1、2、3では真空蒸着
機の巻出し側よりくり出されたポリプロピレンフィルム
のマージンを形成するオイルを入れた金属パイプ(マー
ジンノズル)を加熱し、該パイプの表面に形成されたマ
ージンの幅より、幅方向の熱膨張分だけ短い幅で開けら
れた概略矩形の穴より該オイルを蒸発し、該フィルムの
表面にマージン部となる部分に該オイルを付着させた。
次いでAlを蒸着し、すぐにZnを連続的に蒸着し、続
いて比較例3を除き該蒸着膜、該境界膜部、および該マ
ージン部全面を低温プラズマし、次いで該マージンオイ
ルと同じオイルを蒸発、付着させた後巻取りロールに巻
きとった。比較例3ではZn蒸着後そのまま巻取りロー
ルに巻きとった。
【0043】蒸着膜が膜全体のAl含有量比2.4wt
%、C1 =6.0wt%、C2 =0.1wt%、C3
14.0wt%、および膜抵抗4Ω/□となるようにA
lおよびZnの蒸着源の温度を制御した。
【0044】マージンオイルは実施例1、比較例1、2
ではMW=520、MW/MN=1.0のフェニル・メ
チル・ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウコーニング
・シリコーン(株)社製SH702)を用い、実施例1
では境界膜幅が0.2〜0.4mmになるよう、比較例
1では境界膜幅が0.02mm未満(通常のオイルマー
ジン条件)、比較例2では境界膜幅が1.3mmになる
よう、マージン蒸発ノズル内のオイル蒸発圧力を測定し
ながらマージンノズル温度を制御し、オイル蒸発圧力を
制御した。
【0045】比較例3ではマージンオイルとしてパーフ
ルオロポリエーテルオイルを用い、境界膜幅が0.02
mm未満になるようマージンノズル温度を制御した(通
常オイルマージン条件)。
【0046】比較例4では、x2 ×2=5mmの耐熱フ
ィルムを用い、テープマージン法によりAlを蒸着膜抵
抗4Ω/□になるよう蒸着した。
【0047】各々の蒸着フィルムを蒸着膜x1 =16.
5mm、マージン幅x2 =2.5mmの蒸着フィルムリ
ール(19mm幅)となるよう細幅に通常の方法で切断
した。
【0048】該スリットした蒸着フィルムを図2のごと
く通常の方法で重ね合せ、巻回後、プレス、メタリコ
ン、熱処理し、電極をとりつけ、次いでジメチルポリシ
ロキサンオイル(粘度100cst)を含浸後、エポキ
シを外装する通常の方法で0.15μFのコンデンサを
作成した。
【0049】これらのコンデンサにUL1414の規格
に準拠し、1500VAC(60Hz)の交流電圧を1
分間印加し、破壊の状況を調べた。
【0050】さらに蒸着フィルムリールのマージン部を
XPSで観察し、マージン部がオイルで覆われているか
調べた。
【0051】表1に示す結果のごとく、本発明品は全く
破壊がなく、極めて優れた特性を示した。
【0052】
【表1】 実施例2、比較例5、6、7、8 実施例2では10μm、比較例5、6、7、8は12μ
mのポリエステルフィルムを用い、他の条件は表2の条
件で蒸着フィルムを作成し、次いで実施例1と同じよう
にしてコンデンサを作成した。なおコンデンサ作成条件
は金属蒸着ポリエステルフィルムを用いコンデンサを作
成する通常条件で行った。これらのコンデンサを実施例
1と同じ方法でテストした。但し印加電圧は1250V
ACと1500VACにした。これらの結果を表2に示
す。
【0053】表2のごとく、本発明のコンデンサはフィ
ルム厚みが比較例に比べ2μm薄いにもかかわらず優れ
た特性を示した。
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明の金属蒸着フィルムは金属蒸着膜
とマージンとの境界面において金属ボケがあり、かつマ
ージン部がオイルで覆われているため、安全規格コンデ
ンサに課せられる高電圧印加に対してもマージン際での
破壊がおこらず、極めて高い安全性を有したコンデンサ
を作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の蒸着フィルムの断面形状の一例を示
した概略図である。
【図2】本発明の蒸着フィルムの断面形状の一例を示し
た概略図である。
【図3】本発明の蒸着フィルムの断面形状の一例を示し
た概略図である。
【図4】本発明の金属蒸着フィルムをコンデンサを作る
ために重ねた断面形状の一例を示した概略図である。
【図5】本発明の金属蒸着フィルムをコンデンサを作る
ために重ねた断面形状の一例を示した概略図である。
【図6】本発明の金属蒸着フィルムの蒸着膜中のAlお
よびZnの含有量比の一例を示した概略図である。
【図7】本発明の蒸着フィルムを製造するための一装置
の概略図である。
【符号の説明】
1:本発明の金属蒸着フィルム 2:高分子フィルム 3:マージン部 4:金属蒸着膜部 5:境界膜部 6:マージン部を覆うオイル 7:真空蒸着機 8:巻き出しロール 9:巻き取りロール 10:冷却ドラム 11:オイル蒸発ノズル 12:Al蒸発源 13:Zn蒸発源 14:低温プラズマ処理装置 15:オイル蒸発器

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子フィルムの少なくとも片面に表面
    抵抗1Ω/□〜15Ω/□の電極となる金属蒸着膜部と
    表面抵抗1×1010Ω/□以上のマージン部、および該
    金属蒸着膜部と該マージン部の間に該金属蒸着膜部より
    該マージン部にかけ金属蒸着膜厚が連続的に低減する幅
    0.02〜1mmの境界膜部を有することを特徴とする
    金属蒸着フィルム。
  2. 【請求項2】 境界膜部の幅が0.1〜0.5mmであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の金属蒸着フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 境界膜部の幅が0.2〜0.3mmであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の金属蒸着フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 マージン部がオイルで覆われていること
    を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の金
    属蒸着フィルム。
  5. 【請求項5】 オイルが鉱物油、またはシリコーンオイ
    ルであることを特徴とする請求項4に記載の金属蒸着フ
    ィルム。
  6. 【請求項6】 オイルがシリコーンオイルであることを
    特徴とする請求項5に記載の金属蒸着フィルム。
  7. 【請求項7】 シリコーンオイルの重量平均分子量MW
    が300≦MW≦800で、かつ数平均分子量MNとの
    比が1.0≦MW/MN≦1.1であることを特徴とす
    る請求項6に記載の金属蒸着フィルム。
  8. 【請求項8】 シリコーンオイルがジメチルポリシロキ
    サンオイルまたはメチルフェニルシリコーンオイルであ
    ることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記
    載の金属蒸着フィルム。
  9. 【請求項9】 シリコーンオイルがメチルフェニルシリ
    コーンオイルであることを特徴とする請求項8に記載の
    金属蒸着フィルム。
  10. 【請求項10】 金属蒸着膜がAlとZnの合金からな
    り、かつAlの含有量比(Al含有量/(Al含有量+
    Zn含有量))を蒸着膜表面をC1 、蒸着膜厚の中間を
    2 、蒸着膜と高分子フィルムの界面をC3 としたとき
    2 <C1 ≦C3 又はC2 <C3 ≦C1 と連続的に変化
    し、かつ蒸着膜全体のAlの含有量比(Al含有量×1
    00/(Al含有量+Zn含有量))が0.5〜15w
    t%であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいず
    れかに記載の金属蒸着フィルム。
  11. 【請求項11】 Alの含有量比が8〜12wt%であ
    ることを特徴とする請求項10に記載の金属蒸着フィル
    ム。
  12. 【請求項12】 Alの含有量比がC2 <C1 ≦C3
    あることを特徴とする請求項10に記載の金属蒸着フィ
    ルム。
  13. 【請求項13】 真空蒸着機内において高分子フィルム
    表面にオイルを蒸発、またはオイルを塗布した後、金属
    を蒸着する工程において、蒸発オイル量、または塗布オ
    イル量を制御することを特徴とする請求項1〜請求項1
    2に記載の金属蒸着フィルムの製造方法。
  14. 【請求項14】 オイルを蒸発、またはオイルを塗布す
    る際、オイル蒸発器内のオイル圧力を測定、制御するこ
    とを特徴とする請求項13に記載の金属蒸着フィルムの
    製造方法。
  15. 【請求項15】 真空蒸着機内において金属を蒸着後、
    酸素原子を含むガスを用いた低温プラズマにて該金属蒸
    着膜表面を処理することを特徴とする請求項13または
    請求項14に記載の金属蒸着フィルムの製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜請求項10のいずれかに記
    載の金属蒸着フィルムを用いてなることを特徴とするコ
    ンデンサ。
  17. 【請求項17】 コンデンサにおいて含浸剤としてマー
    ジンを覆っているオイルと相溶するオイルを用いたこと
    を特徴とする請求項16に記載のコンデンサ。
  18. 【請求項18】 マージンを覆っているオイルおよび含
    浸剤のオイルがシリコーンオイルであることを特徴とす
    る請求項17に記載のコンデンサ。
  19. 【請求項19】 シリコーンオイルがジメチルポリシロ
    キサンオイルあるいはメチルフェニルシリコーンオイル
    であることを特徴とする請求項18に記載のコンデン
    サ。
  20. 【請求項20】 請求項16〜請求項19のいずれかに
    記載のコンデンサが安全規格用コンデンサであることを
    特徴とするコンデンサ。
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