JPH11253537A - 接触面を有する物品へ殺菌薬剤を供給する装置および方法 - Google Patents

接触面を有する物品へ殺菌薬剤を供給する装置および方法

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JPH11253537A
JPH11253537A JP10375662A JP37566298A JPH11253537A JP H11253537 A JPH11253537 A JP H11253537A JP 10375662 A JP10375662 A JP 10375662A JP 37566298 A JP37566298 A JP 37566298A JP H11253537 A JPH11253537 A JP H11253537A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ルーメン等の医療器具と殺菌時にこれを保持
する装置との間の接触領域にまで殺菌薬剤を侵出させ、
完全な殺菌を実現可能とする殺菌薬剤の供給装置を提供
する。 【解決手段】 殺菌対象のルーメン50に殺菌性流体を
供給するためのアダプタ30は、内壁部および外壁部を
有するとともに第1の端部が開放されて軸方向に延びる
基部34と、ルーメン50が接触するように基部34内
に形成されるアパチャ32と、ルーメン50とアパチャ
32との間の接触領域への殺菌性流体の侵出を増進する
ための手段とを有して構成される。この増進手段とし
て、アパチャ32を囲む領域には非平坦面等として与え
られるテクスチャリング40が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、細長いルーメン
を備えた医療器具等の物品の殺菌に係り、特に医療器具
内に存在する、あるいは医療器具と殺菌工程中において
医療器具を保持する装置との間に存在する接触面へより
効率的に殺菌性流体(antimicrobial fluid)を供給する
ための装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】医療器具等の物品は使用前に殺菌する必
要が生じる。殺菌方法は多々あり、それらの中には熱的
方法および化学的方法が含まれる。加熱殺菌は、通常水
蒸気を使用して実施される。幾つかの器具は、水蒸気処
理において熱又は湿気に対する耐性を有していない。そ
の結果、現在では化学的殺菌手段が一般的に用いられて
いる。
【0003】化学的殺菌手段は、過酸化水素、エチレン
オキシド(酸化エチレン)、二酸化塩素、過酢酸、または
これらの混合物等の殺菌性流体を使用する。殺菌工程を
増進させるために、プラズマを導入することも可能であ
る。通常化学的殺菌手段は非常に効果的なものである
が、細長いチューブあるいはルーメンを備えた医療器具
についてはその効力を発揮できない場合がある。このよ
うな長いルーメンの殺菌については、細長いチューブの
全長にわたって殺菌薬剤を侵出させる必要がある。この
ような細長いチューブに完全に殺菌薬剤を侵出させるの
は困難である。ルーメンの全長にわたっての殺菌薬剤の
侵出を増進させるために、ルーメンの全長にわたって殺
菌薬剤を流通させるように構成された幾つかの形態の装
置が開発されてきており、これにより殺菌処理の効率化
が図られている。
【0004】例えば米国特許第4,410,492号お
よび同第4,337,223号には、ルーメンがバルブ
および循環ポンプに連結されたソケット内に収容される
殺菌方法が記載されている。この方法では、殺菌ガスが
殺菌チャンバ(sterilization chamber)から器具のルー
メンを通して循環される。また、この方法はルーメンの
殺菌について効果を有するが、殺菌ガスとしてエチレン
オキシドを使用した内視鏡の殺菌には2,3時間の時間
を要する。
【0005】米国特許第5,580,530号には、細
長いルーメンに対して殺菌薬剤を供給する方法が記載さ
れている。ルーメンは、過酸化水素を含有するブースタ
(booster)と呼ばれる容器に連結されたアダプタ内に挿
入される。ルーメン、アダプタおよびブースタは、すべ
て殺菌チャンバ内に収容される。殺菌工程において殺菌
チャンバに対する排気(真空排気)が実施されると、ブ
ースタ内の過酸化水素が蒸発してルーメンを通して流通
するため、ルーメン内部が殺菌される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】種々の殺菌方法の使用
にあたって、米国特許第4,410,492号および同
第4,337,223号記載の方法では連結装置、ソケ
ットによりルーメンが保持され、米国特許第5,58
0,530号記載の方法では円すい台状のアダプタによ
りルーメンが保持される。すべての場合において、装置
とルーメンとの間に、ルーメンが連結装置に対して当接
する領域として与えられる接触領域が存在する。殺菌薬
剤をこのような接触領域にまで侵出させるのは困難であ
る。不完全な殺菌に付随する如何なる潜在的危険性をも
排除するためには、上記接触領域への殺菌ガスの侵出を
より効率的に増進する方法が必要となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】殺菌対象の物品に殺菌性
流体を供給するアダプタは、内壁部および外壁部を備え
て軸方向に延び第1の端部が開放されている基部と、該
基部内に形成されたアパチャ(aperture)と、接触領域
への殺菌性流体の侵出を増進する手段とを有して構成さ
れている。この構成において、殺菌対象の物品は接触領
域において前記アパチャに接触する。好適には、アダプ
タは、前記基部の内壁部に対してシールされた円すい台
部をも有して構成される。
【0008】本願発明の1つの実施態様によれば、接触
領域への殺菌性流体の侵出を増進するための手段は、ア
パチャを囲む領域においてテクスチャ処理された面(te
xtured surface)または非平坦面(uneven surface)を
有するように構成することが可能である。代替的に、接
触領域への殺菌性流体の侵出を増進するための手段は、
少なくとも接触領域において、殺菌性流体に対する透過
性を有する材料を有して構成することが可能である。他
の実施の形態によれば、アダプタは、少なくとも接触領
域において、殺菌性流体に対して最小限の化学的作用お
よび物理的作用しか有しない材料から形成することが可
能である。本願発明に基づくアダプタは、接触領域への
殺菌性流体の侵出を増進するための上記のような手段の
なかの1つ、またはこれらの組み合わせを用いて構成す
ることが可能である。
【0009】本願発明の他の実施態様によれば、少なく
とも接触領域において、アダプタを構成する材料に関し
ては、熱可塑性エラストマを含む熱可塑性ポリオレフィ
ン(thermoplastic polyolefins)、フルオロビニリデン
(fluorovinylidene)、クロロビニリデン(chloroviny
lidene)、完全な芳香族ポリエステルまたはポリエステ
ル−アミド(polyester-amide)等の液晶ポリマー、シリ
コンゴム、およびフッ化シリコンゴム(fluorinated si
licone rubber)からなるグループから選択することが可
能である。
【0010】本願発明の他の実施態様によれば、アパチ
ャの内面部がテクスチャ処理されるかあるいは非平坦と
なっている。また、本願発明の他の実施態様によれば、
アダプタの軸方向に延びる基部が、円筒体または任意の
断面形状を有する細長いボディとして構成される。
【0011】器具を殺菌する方法は、アパチャを通して
アダプタに器具を連結する工程と、器具とアダプタとを
殺菌チャンバ内に収容する工程と、アダプタおよび器具
を通して殺菌性流体を導入する工程と、殺菌性流体を接
触領域へ侵出させる工程と、器具を殺菌する工程とを有
する。上記アダプタと器具との連結工程においては、殺
菌対象の器具が、接触領域においてアパチャに接触す
る。
【0012】本願発明の他の実施態様によれば、アパチ
ャは、軸方向に延びる基部の内壁部に対してシールされ
た円すい台部内に配置される。そして、軸方向に延びる
基部の一方の端部は開放される。
【0013】本願発明の他の実施態様によれば、アダプ
タにおいてアパチャを囲む面に対してテクスチャ処理を
施すか、あるいは当該面を非平坦面にすることが可能で
ある。代替的に、あるいは上記の手段と組み合わせて、
アダプタは、少なくとも接触領域において殺菌性流体に
対して透過性を有する材料から形成することが可能であ
る。また、代替的に、あるいは上記の手段と組み合わせ
て、アダプタは、少なくとも接触領域において殺菌性流
体に対して最小限の化学的作用/物理的作用しか有しな
い材料から形成することが可能である。
【0014】本願発明の他の実施態様によれば、少なく
とも接触領域において、アダプタを形成する材料に関し
ては、熱可塑性エラストマを含む熱可塑性ポリオレフィ
ン、フルオロビニリデン、クロロビニリデン、完全な芳
香族ポリエステルまたはポリエステル−アミド等の液晶
ポリマー、シリコンゴム、およびフッ化シリコンゴムか
らなるグループから選択することが可能である。
【0015】本願発明の他の実施態様によれば、殺菌性
流体として過酸化水素が用いられる。本願発明の1つの
実施態様においては、殺菌対象の器具がルーメンを有し
て構成される。本願発明の他の実施態様によれば、器具
はロッドを有して構成される。本願発明の他の実施態様
によれば、殺菌チャンバ内へ殺菌性流体が付加的に導入
される。好適には、殺菌性流体を含有する容器が、アダ
プタにおいて軸方向に延びる基部の開端部に取り付けら
れる。
【0016】本願発明の他の実施態様によれば、2つ以
上の部材を有して構成されてそれらの部材間で1つ以上
の接触領域が存在する医療器具を殺菌する方法は、当該
医療器具を殺菌チャンバ内に収容する工程と、殺菌性流
体を導入する工程と、殺菌性流体を接触領域へ侵出させ
る工程と、当該医療器具を殺菌する工程とを有する。
【0017】好適には、接触領域を形成する領域におい
て、医療器具を構成する少なくとも1つの部材の少なく
とも1つの面がテクスチャリング(texturing)を有する
かまたは非平坦面となるように構成することが可能であ
る。代替的に、あるいは上記の手段と組み合わせて、少
なくとも1つの部材は、少なくとも接触領域において殺
菌性流体に対して透過性を有する材料から形成すること
が可能である。また、代替的に、あるいは上記の手段と
組み合わせて、少なくとも1つの部材は、少なくとも接
触領域において殺菌性流体に対して最小限の化学的作用
/物理的作用しか有しない材料から形成することが可能
である。
【0018】好適には、少なくとも接触領域において、
少なくとも1つの部材を形成する材料に関しては、熱可
塑性エラストマを含む熱可塑性ポリオレフィン、フルオ
ロビニリデン、クロロビニリデン、完全な芳香族ポリエ
ステエルまたはポリエステル−アミド等の液晶ポリマ
ー、シリコンゴム、およびフッ化シリコンゴムからなる
グループから選択することが可能である。
【0019】本願発明の他の実施態様によれば、医療器
具は一対の鉗子(forceps)である。
【0020】
【発明の実施の形態】本願発明による方法および装置
は、ルーメンを有する医療器具または接触面を有する任
意の医療器具等の物品の殺菌に適用されるものである。
さらに、本願発明による方法および装置は、外部ハウジ
ングと殺菌対象の物品との間に接触点が存在するように
して物品が外部ハウジングまたは他の器具に接触するよ
うな如何なる状況にも適用されるものである。最終的
に、本願発明による方法は2つ以上の部材からなる医療
器具に適用され、この場合2つの部材間には接触点が存
在する。上記のそれぞれの実施の形態は、以下に順番に
説明される。「殺菌する(sterilize)、殺菌薬剤(ster
ilant)」という用語、およびこれらの用語の他の表現形
態は、明細書および特許請求の範囲を通して広く解釈さ
れるべきものであり、消毒処理および他の抗菌処理を含
む概念として与えられる。
【0021】本願発明の第1の実施の形態は、ルーメン
の殺菌または1つ以上のルーメンを有する医療器具に適
用されるものである。ここで使用される1つ以上のルー
メンを有する器具という用語は、内視鏡、カテーテル、
チューブ等の医療器具または外科手術用器具、または同
様の器具、または1つ以上の内部ルーメンを有する物品
に対して適用されるものである。本願発明の装置および
方法に関するこの実施の形態では、殺菌性流体は、殺菌
工程においてルーメンまたは器具のチューブの内部へ直
接的に供給することが可能である。一般的に、ルーメン
は、殺菌薬剤の供給源に連結されたアダプタにより保持
される。アダプタとルーメンとの間には、接触面が存在
する。
【0022】接触面における殺菌処理を増進するため
に、アダプタまたはコネクタの設計あるいは材料の選択
に関して、以下の特性のうちの1つまたは以下の特性の
組み合わせを用いることが可能である。第1の特性とし
ては、面接触部を減少させて殺菌薬剤の軸方向への拡散
を増進するために、接触領域においてテクスチャ処理さ
れた面または非平坦面が設けられる。第2の特性として
は、アダプタまたはコネクタが、少なくとも接触領域に
おいて、殺菌薬剤に対して最小限の化学的作用および物
理的作用しか有しない材料から形成される。そして、第
3の特性としては、少なくとも接触領域において、殺菌
薬剤に対する透過性を有する材料が使用される。この結
果、殺菌薬剤が材料を通過できるので、殺菌薬剤の放射
方向への拡散が増進する。
【0023】図1および図2は、この実施の形態に適し
た装置の態様を示す図である。図1は組み立てられた装
置を示す図であり、図2は装置の種々の部材を示すため
の分解図である。アダプタ30には、ブースタ20が取
り付けられる。アダプタ30の開口部32内には、ルー
メン50が挿入される。開口部32は、通常、ルーメン
50の外径よりも少し小さな直径を有している。これに
より、開口部32の内側とルーメン50の外側とは確実
に係合される。
【0024】ブースタ20の2つの態様が、米国特許第
5,580,530号のコラム9の11行目からコラム
12の19行目までと図5から図13までに詳細に記載
されている。この内容は、上記のように参照することで
本願明細書に組み込まれるものである。簡単に説明する
と、ブースタ20は、過酸化水素を包含する容器と、過
酸化水素を包含する容器を封止するメンブレンウォール
(membrane wall)と、容器から過酸化水素が放出可能と
なるようにブースタを駆動するためにメンブレンウォー
ルを破るために使用される窪んだスパイク(hollow spi
ke)を備えたオープナ(opener)とを有して構成されて
いる。ブースタの1つの態様が米国特許第5,580,
530号において図5から図9にて符号100を用いて
示され、代替的な態様が図10および図11にて符号2
00を用いて示されている。
【0025】本願明細書では、図3においてアダプタ3
0がより詳細に示されている。アダプタ30は、円筒管
状の基部34と、円筒管状の基部34をブースタ20に
対して着実に取り付けるために内側に向く環状のフラン
ジ部36と、円すい台部38と、開口部32と、開口部
32を囲むように円すい台部38の外面部上に設けられ
たテクスチャリング(texturing)40とを有して構成さ
れている。アダプタは、以下に示す特性のなかの1つま
たはそれらの組み合わせを有している。
【0026】第1に、接触面に対してテクスチャリング
を付加することが可能である。テクスチャリングは、リ
ッジ(ridges)、同心リング(concentric rings)、非
平坦面、同じ高さを有する突起部の集合、異なる高さを
有する突起部の集合等の種々の形態を取り得る。テクス
チャリングについて如何なる形態が使用されようとも、
複数のリッジ、複数のリング、あるいは等しい高さまた
は異なる高さを有する突起部の集合がテクスチャリング
に存在し得る。テクスチャリングの高さは、殺菌性流体
の粘度に応じて変動する。テクスチャリングの高さは、
0.01ミリメートル乃至50ミリメートルの範囲で変
動する。気体の粘度は液体の粘度よりも低いために、通
常、気体状の殺菌性流体に対するテクスチャリングの高
さは液体状の殺菌性流体に対するテクスチャリングの高
さよりも低くなっている。通常、テクスチャリングの高
さはいわゆる当業者により決定され得るものであるが、
気体状の殺菌薬剤に対しては0.1ミリメートルの高さ
が好適である。液体状の殺菌薬剤に対して好適であるテ
クスチャリングの高さは、液体の粘度に応じて、通常1
ミリメートル乃至5ミリメートルの範囲にある。テクス
チャリングは開口部32の内側にまでも延びるのが好適
であり、これにより開口部32を囲む円すい台部38の
外面部と同様にルーメン50に対して直接的に面する領
域にテクスチャ処理が施される。テクスチャ処理がなさ
れる円すい台部38の部分は0.01ミリメートル乃至
50ミリメートルの範囲の長さを有して、開口部32の
エッジから半径方向に延びている。アダプタ30をブー
スタ20に取り付ける際には、内側に向かう環状のフラ
ンジ部36がブースタ20上の浅い環状の溝部に係合す
るので、アダプタ30がブースタ20に対して着実に取
り付けられる。当業者であれば、殺菌対象の種々の態様
の器具を収容するために円すい台部38および開口部3
2のサイズを変更可能であることが理解できるであろ
う。
【0027】第2に、少なくとも接触領域において、殺
菌薬剤に対して最小限の化学的作用および物理的作用し
か有しない材料を用いることが可能である。化学的作用
には、殺菌薬剤の化学反応または触媒による分解が含ま
れる。物理的作用には、構成材料による殺菌薬剤の吸収
または吸着が含まれる。第3に、少なくとも接触領域に
おいて、殺菌性流体が構成材料を通して侵出できるよう
に、殺菌薬剤に対して透過性を有する材料を用いること
が可能である。
【0028】少なくとも接触領域において、アダプタを
製造するために適した材料としては、限定を意図するも
のとしてではなく、(熱可塑性エラストマを含む)ポリ
オレフィン、(熱可塑性エラストマを含む)フッ化ポリ
オレフィン(fluorinated polyolefins)および/または
塩化ポリオレフィン(chlorinated polyolefins)、フル
オロビニリデン、クロロビニリデン、完全な芳香族ポリ
エステルまたはポリエステル−アミド等の液晶ポリマ
ー、シリコンゴムまたはフッ化シリコンゴムが挙げられ
る。これらの材料は、化学的殺菌薬剤に対して最小限の
化学的作用/物理的作用しか有しない1種類以上の充填
剤(fillers)と混合することが可能である。一般的に、
充填剤は、機械的、電気的または熱機械的特性を増進す
るために付加される。
【0029】ブースタ20およびアダプタ30を有する
装置を用いて殺菌する際には、以下に示す工程が採られ
る。特定のルーメン50または殺菌対象の他の器具に応
じて、適切なサイズのアダプタ30が選択される。アダ
プタ30がブースタ20に取り付けられ、ルーメン50
または殺菌対象の他の器具が開口部32内に挿入され
る。ブースタ20が駆動され、過酸化水素または他の殺
菌薬剤がアダプタ30およびルーメン50または他の器
具の内部へ侵出可能となる。通常の実施態様において
は、駆動されたブースタ20、アダプタ30およびルー
メン50は、殺菌チャンバ内に収容される。この殺菌チ
ャンバは、シールされ、好適には100トル(torr)ま
たはそれ未満の圧力まで排気(真空排気)がなされる。
そして、殺菌性流体がチャンバ内に放出されると、殺菌
性流体が蒸発するとともに器具の露出された表面に接触
する。さらに、熱、プラズマまたは高周波放射線等の当
業者に周知である種々の手段が、殺菌処理を増進するた
めに使用可能である。
【0030】チャンバが排気されてブースタ20内の過
酸化水素または他の殺菌性流体が蒸発すると、殺菌性流
体がアダプタ30およびルーメン50に侵出して、ルー
メンの内部が殺菌される。ルーメンの外部は、チャンバ
内に放出された殺菌薬剤により殺菌される。
【0031】図3および図4には、ルーメン50に対す
るアダプタ30の使用が示されている。当業者であれ
ば、ルーメン、またはアダプタ30に連結される他の器
具のサイズに応じて、アダプタの開口部32のサイズを
変更可能であることが理解できるであろう。アダプタの
基部は、ブースタの形状に応じて円筒形以外の形状をも
取り得る。例えば、ブースタが長方形である場合には、
長方形のアダプタが使用され得る。当業者には、同様の
修正が可能であることが明らかであろう。
【0032】アダプタ30は、従来技術による器具より
もより効率的にルーメンの殺菌を実施するような幾つか
の形態を取り得る。このような形態の一部が図5に示さ
れている。図5は、図4の拡大図であり、ルーメン50
とアダプタ30との間の接触領域を示している。第1
に、アダプタ30とルーメン50または他の医療器具と
の間の接触領域は、アダプタ30上にテクスチャ処理さ
れた面を設けることでその接触面積を減少させることが
可能である。それゆえ、開口部32、およびルーメン5
0と接触し得る円すい台部38の一部に対して、テクス
チャ処理を施し得る。このようなテクスチャ処理の態様
が、図5に示されている。テクスチャ処理された器具の
先端部のみが、アダプタ30とルーメン50との間の接
触領域として与えられる。テクスチャリングが存在しな
い場合には、この接触領域はより小さくなる。さらに、
非平坦面を形成するリッジまたはバンプ(bumps)の間に
は小さなギャップが存在する。殺菌薬剤は、このような
ギャップに進入可能であり、ギャップがなければ到達し
得なかった部位にまで到達することができる。
【0033】最後に、通常は過酸化水素、過酢酸または
二酸化塩素等である殺菌薬剤に対してアダプタ30を構
成するのに使用される材料が透過性を有する場合には、
殺菌効果をさらに増進させることが可能である。これに
より、面のテクスチャ処理を通してこれらの接触領域が
最小化された後にもアダプタ30とルーメン50または
他の器具との間において残存する如何なる接触領域にも
到達できるように、殺菌薬剤がアダプタ30へ侵出す
る。図5では、矢印により、テクスチャリングの非平坦
部位間のギャップを通しての接触領域への殺菌性蒸気の
侵出、およびアダプタ30を形成し得る透過性材料を通
しての殺菌性蒸気の侵出が示されている。
【0034】アダプタの接触領域にある部位をアダプタ
の他の部位よりも薄く形成することで、アダプタを形成
する材料を通しての接触領域への殺菌薬剤の侵出の効率
化をより増進することが可能である。例えば、図3およ
び図5に示されるように、アダプタ30の円すい台部3
8の壁部厚さは、外端部42から開口部32へ向かうに
つれて減少する。円すい台部38のルーメン50と接触
する部位は、円すい台部において最も薄く形成されてい
る。そして、殺菌薬剤は、アダプタの接触領域にある部
位がより厚い場合と比較して、より効率的にアダプタと
ルーメンとの間の接触領域へ侵出可能となる。アダプタ
の接触領域にある部位をアダプタの他の部位よりも薄く
形成することは、アダプタを形成する材料を通しての殺
菌薬剤の接触領域への侵出をさらに増進する手段となっ
ている。このような実施形態は好適なものではあるが、
必須要件とされるものではない。
【0035】アダプタ30についての上記の特性のうち
の1つまたは上記の特性の組み合わせを用いることで、
従来技術と比較してより効率的に殺菌薬剤がアダプタ3
0とルーメン50との間の接触領域へ侵出可能となる。
上記の特性を整理すると以下のようになる。つまり、面
接触部を減少させて殺菌薬剤の双方向の拡散を増進する
ために、接触領域にテクスチャ処理された面または非平
坦面を設ける。殺菌薬剤に対して最小限の化学的作用お
よび物理的作用しか有しない材料を使用する。また、殺
菌薬剤がアダプタを形成する材料を通過できるように、
殺菌薬剤に対して透過性を有する材料からアダプタを形
成することである。
【0036】殺菌工程を通して殺菌対象となる物品と物
品に対する連結器具との間に接触領域がある場合には、
本願発明による方法を適用することが可能となる。多く
の場合、連結器具は物品が挿入されるアパチャを有して
いる。連結器具のアパチャと殺菌対象の物品との間に
は、接触領域が存在する。殺菌対象の物品は、ルーメ
ン、ロッドまたは他の器具を有して構成され得る。この
ような連結器具および/または殺菌対象の物品について
は、本願発明による方法を適用することが可能である。
当該方法には、物品と連結器具との間の接触面積を減少
させるために、連結器具において殺菌対象の物品に接触
する領域にテクスチャリングを使用することが含まれ
る。第2に、連結器具を形成する材料を通して殺菌薬剤
を侵出させることで残りの接触面を殺菌可能とするため
に、連結器具を殺菌薬剤に対して透過性を有する材料か
ら形成することが可能である。第3に、殺菌薬剤に対し
て最小限の物理的作用および化学的作用しか有しない材
料を選択することが可能である。このような設計的修正
を最適化する方法は、当業者には明らかであろう。
【0037】上記の方法は、医療器具内の接触領域への
殺菌薬剤の侵出を増進するためにも適用可能である。多
くの場合、医療器具は2つ以上の部材から構成されてい
る。医療器具を構成する部材間には、接触領域が存在す
ることが多い。2つ以上の部材から構成され接触領域を
有する医療器具の1例として、一対の鉗子が上げられ
る。本願発明による方法は、これらの接触領域への殺菌
薬剤の侵出を増進するためにも適用可能である。
【0038】接触領域への殺菌薬剤の侵出を増進するた
めに、医療器具を構成する1つ以上の部材に対して本願
発明の特徴を組み込むことが可能である。本願発明の当
該特徴には、医療器具を構成する2つ以上の部材間の接
触領域において1つ以上の部材上にテクスチャリングま
たは非平坦面を設けることが含まれる。テクスチャリン
グは、接触面積の低減を支援するものである。第2に、
医療器具を構成する1つ以上の器具は、少なくとも接触
領域において、殺菌薬剤に対して透過性を有する材料か
ら形成することが可能である。第3に、少なくとも接触
領域において、医療器具を構成する1つ以上の部材を形
成する材料として、殺菌薬剤に対して最小限の物理的作
用および化学的作用しか有しない材料を選択することが
可能である。医療器具を構成する2つ以上の部材の間の
接触領域への殺菌薬剤の侵出を増進するために、上記の
特徴のなかの任意の1つまたは上記の特徴の組み合わせ
を用いることが可能である。
【0039】本願発明の種々の実施の形態による方法お
よび装置において使用される殺菌薬剤には、不活性媒体
中にグルタールアルデヒド(glutaraldehyde)、過酸化
水素、二酸化塩素、過酢酸または他の殺菌薬剤を溶解さ
せた溶液が含まれる。殺菌薬剤を高濃度にすればより効
果的であるが、高濃度においては材料の適応性および材
料の取り扱い処理に関する問題が生じることがある。
【0040】当業者には、本願発明の範囲およびその概
念から離れることなく、本願発明に対する種々の修正お
よび変更が可能であることが明らかであろう。本願発明
は本願明細書にて説明された実施の形態に限定されるも
のではなく、従来技術との比較において許容される範囲
で特許請求の範囲はできる限り広く解釈されるものであ
ることが理解されるべきである。
【0041】本願発明の具体的な実施態様は以下の通り
である。 (1)さらに、前記基部の前記内壁部に対してシールさ
れた円すい台部から成る請求項1に記載のアダプタ。 (2)前記接触領域への前記殺菌性流体の侵出を増進す
るための前記手段が、前記アパチャを囲む領域上に設け
られたテクスチャ処理された面または非平坦面を有して
構成される請求項1に記載のアダプタ。 (3)前記接触領域への前記殺菌性流体の侵出を増進す
るための前記手段が、少なくとも前記接触領域において
前記殺菌性流体に対して透過性を有する材料を有して構
成される請求項1に記載のアダプタ。 (4)前記アダプタが、少なくとも前記接触領域におい
て前記殺菌性流体に対して最小限の化学的作用および物
理的作用しか有しない材料から形成されている請求項1
に記載のアダプタ。 (5)少なくとも前記接触領域において、前記アダプタ
を構成する材料が、熱可塑性エラストマを含む熱可塑性
ポリオレフィン、熱可塑性エラストマを含むフッ化ポリ
オレフィンおよび/または塩化ポリオレフィン、フルオ
ロビニリデン、クロロビニリデン、完全な芳香族ポリエ
ステルまたはポリエステル−アミド等の液晶ポリマー、
シリコンゴム、およびフッ化シリコンゴムからなるグル
ープから選択される請求項1に記載のアダプタ。
【0042】(6)前記アパチャの内面部がテクスチャ
処理されるかまたは非平坦である請求項1に記載のアダ
プタ。 (7)軸方向に延びる前記基部が円筒体を有して構成さ
れる請求項1に記載のアダプタ。 (8)前記アパチャが軸方向に延びる基部の内壁部に対
してシールされた円すい台部内に配置され、軸方向に延
びる前記基部の第1の端部が開放されている請求項2に
記載の方法。 (9)前記アパチャを囲む前記アダプタの面がテクスチ
ャ処理されるかまたは非平坦である請求項2に記載の方
法。 (10)前記アダプタが、少なくとも接触領域において
前記殺菌性流体に対して透過性を有する材料から形成さ
れる請求項2に記載の方法。
【0043】(11)前記アダプタが、少なくとも接触
領域において前記殺菌性流体に対して最小限の化学的作
用/物理的作用しか有しない材料から形成される請求項
2に記載の方法。 (12)少なくとも前記接触領域において、前記アダプ
タを構成する材料が、熱可塑性エラストマを含む熱可塑
性ポリオレフィン、熱可塑性エラストマを含むフッ化ポ
リオレフィンおよび/または塩化ポリオレフィン、フル
オロビニリデン、クロロビニリデン、完全な芳香族ポリ
エステルまたはポリエステル−アミド等の液晶ポリマ
ー、シリコンゴム、およびフッ化シリコンゴムからなる
グループから選択される請求項2に記載の方法。 (13)前記殺菌性流体が過酸化水素である請求項2に
記載の方法。 (14)前記器具がルーメンを有して構成される請求項
2に記載の方法。 (15)前記器具がロッドを有して構成される請求項2
に記載の方法。
【0044】(16)前記導入工程が、さらに前記殺菌
性流体を前記殺菌チャンバ内へ導入する工程を有する請
求項2に記載の方法。 (17)前記殺菌性流体を含有する容器が、軸方向に延
びる前記基部の前記第1の端部に取り付けられる実施態
様(8)に記載の方法。 (18)前記医療器具を構成する前記2つ以上の部材の
なかの少なくとも1つの部材上の少なくとも1つの面が
テクスチャリングまたは非平坦面を有し、前記少なくと
も1つの面が前記2つ以上の部材間の接触領域を形成す
る請求項3に記載の方法。 (19)前記医療器具の前記2つ以上の部材のなかの少
なくとも1つの部材が、少なくとも接触領域において前
記殺菌性流体に対して透過性を有する材料から形成され
る請求項3に記載の方法。 (20)前記医療器具の前記2つ以上の部材のなかの少
なくとも1つの部材が、少なくとも接触領域において前
記殺菌性流体に対して最小限の化学的作用/物理的作用
しか有しない材料から形成される請求項3に記載の方
法。
【0045】(21)少なくとも前記接触領域におい
て、前記医療器具の前記2つ以上の部材のなかの少なく
とも1つの部材を構成する材料が、熱可塑性エラストマ
を含む熱可塑性ポリオレフィン、熱可塑性エラストマを
含むフッ化ポリオレフィンおよび/または塩化ポリオレ
フィン、フルオロビニリデン、クロロビニリデン、完全
な芳香族ポリエステルまたはポリエステル−アミド等の
液晶ポリマー、シリコンゴム、およびフッ化シリコンゴ
ムからなるグループから選択される請求項3に記載の方
法。 (22)前記殺菌性流体が過酸化水素である請求項3に
記載の方法。 (23)前記医療器具が一対の鉗子である請求項3に記
載の方法。
【0046】
【発明の効果】従って、本願発明によれば、ルーメン等
の医療器具と殺菌時にこれを保持する装置との間の接触
領域にまで殺菌薬剤を侵出させることができるので、不
完全な殺菌に付随する如何なる潜在的危険性をも排除可
能な殺菌薬剤の供給装置および供給方法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】組み立てられたブースタおよびアダプタと当該
アダプタの開口部内に挿入されたルーメンとを示す斜視
図である。
【図2】ブースタ、アダプタおよびルーメンを示す分解
斜視図である。
【図3】アダプタの開口部内へのルーメンの係合方法を
説明するためにアダプタおよびルーメンを示す断面図で
ある。
【図4】アダプタの開口部内にルーメンが挿入された状
態におけるアダプタおよびルーメンを示す断面図であ
る。
【図5】図4の拡大図であり、アダプタとルーメンとの
間の接触領域を示す断面図である。
【符号の説明】
20 ブースタ 30 アダプタ 32 開口部(アパチャ) 34 基部 36 フランジ部 38 円すい台部 40 テクスチャリング 42 外端部 50 ルーメン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 殺菌対象の物品に殺菌性流体を供給する
    ためのアダプタにおいて、 (a)内壁部および外壁部を有するとともに第1の端部
    が開放されて軸方向に延びる基部から成り、 (b)前記基部内に形成されたアパチャから成り、殺菌
    対象の前記物品が接触領域において前記アパチャに接触
    し、および、 (c)前記接触領域への前記殺菌性流体の侵出を増進す
    る手段から成ることを特徴とするアダプタ。
  2. 【請求項2】 器具を殺菌する方法において、 (a)前記器具をアパチャを通してアダプタに連結する
    工程から成り、殺菌対象の前記器具は接触領域において
    前記アパチャに接触し、 (b)前記器具および前記アダプタを殺菌チャンバ内に
    収容する工程から成り、 (c)前記アダプタおよび前記器具を通すように殺菌性
    流体を導入する工程から成り、 (d)前記殺菌性流体を前記接触領域に侵出させる工程
    から成り、および、 (e)前記器具を殺菌する工程から成ることを特徴とす
    る殺菌方法。
  3. 【請求項3】 2つ以上の部材を有して構成され、該2
    つ以上の部材の間に1つ以上の接触領域が存在する医療
    器具を殺菌する方法において、 (a)前記医療器具を殺菌チャンバ内に収容する工程か
    ら成り、 (b)殺菌性流体を導入する工程から成り、 (c)前記殺菌性流体を前記1つ以上の接触領域へ侵出
    させる工程から成り、および、 (d)前記医療器具を殺菌する工程から成ることを特徴
    とする殺菌方法。
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