【発明の詳細な説明】
薬またはカロリー送達用の混合脂質−重炭酸塩コロイド粒子
発明の背景
薬の吸収
薬は、その望む薬理学活性を最大にしようとするときは、その標的に選択的に
、制御して達する必要がある。薬の活性を最適にする解決方法の一つは、全身系
血液循環への薬の送達を制御し、持続することである。経口投与された薬は、一
般に腸に吸収される。上記薬は、先ず肝臓および小腸によりクリアランスを受け
る。すなわち、薬は腸および肝臓により薬理学的に不活性な代謝生産物に変えら
れ、および(または)薬または活性代謝生産物として、肝臓により胆汁に分泌さ
れる。その結果、実際に全身系循環に入る経口投薬量は、投与された量より遙か
に少ない。薬の有効量が循環に入り、体の標的部位に達するのを確保するために
は、実際に必要とするよりも多い量を投与する必要があり、またしばしば1用量
よりも数回の小用量で与える必要がある。経口投与薬はまた、典型的には劣った
生物学的利用能を有する。たとえば、pHおよび胃腸の酵素活性により悪影響を
受け、また胃腸液に溶けにくい場合がある。
これらの問題に取組み、経口投与薬の生物学的利用能を改良する多数の試みが
なされてきた。経口投与された若干の薬の効力は、トリグリセリドまたは中性脂
肪と共に投与することにより改善された。上記脂肪は、親油性薬と適合する環境
、すなわち低い水溶性を示す環境を示す。脂肪はまた、胃腸内で不安定な薬の安
定性を増す。脂肪消化の最終生成物は、腸粘膜の絨毛によりリンパ管、乳び管に
吸収される。吸収は腸領域内で起こり、そこで限られた薬の代謝が起こる。吸収
された脂肪は、胸管、主リンパ通路を通し輸送され、次いで血液に出される。吸
収された脂肪は、薬の最初の代謝が起こる肝臓に行く門脈血には運ばれない。
グリセオフルビンを、高脂肪含量食事または油水乳濁液と共に投与すると、そ
の吸収が増すことが示されてきた。Crounse, R.G., Journal of InveStigative Dermatology,
37:529(1961);Carrigan, P.J., and Bates, T.R.,Journal of Ph armacological Science,
62:1476(1973)。ホルモンテストステロンウンデカノ
アートを落花生油溶液で投与すると、水性微結晶懸濁液で投与するときよりも一
層生物学的に活性である。Coert, A.J. et al., Acta Endocrinol.,79: 789(19
75);Hirschhauser, C. et al., Acta Endocrinol.,80: 179(1975)。この効
果は、門脈血よりも胸リンパによる上記ステロイドの吸収によると考えられ、こ
うして肝臓による最初のクリアランスが避けられる。
コレステロール、そのエステルおよびトリグリセリド成分(たとえば脂肪酸お
よびモノグリセリド)は胸リンパにより吸収される。幾つかの経口投与薬の吸収
に対する、若干のこれら化合物単独、または胆汁酸塩の存在下での効果が評価さ
れた。たとえば、12−18炭素原子を有する脂肪酸およびそのような脂肪酸を
含むモノグリセリドを含む混合物での高血圧の治療に使われるウビデカレノンの
経口投与は、薬単独の経口投与後起こるものよりも幾分大きいウビデカレノンの
吸収を生じた(8.3%対2.3%)。Taki,K., and Takahira,H., 米国特許No.4
,325,942(1982)。ステロイドプロゲステロンを、コレステロールまたはそのエ
ステルと組み合わせて経口投与すると、良好な持続する生物学活性が得られる。
これは門脈循環ではなくて、胸リンパによるプロゲステロンの吸収によるものと
考えられる。Kincl, F.A., Proceedings of the 6th International Congress o f Pharmacology,
5: 105(1975).
Yesairは、エストロゲンホルモンである経口投与エストラジオールの吸収に対
する、12−18炭素原子を有する脂肪酸、これら脂肪酸のモノグリセリド、胆
汁酸塩の効果を評価した。Yesair,D.W., PCT WO 83/00294(1983)。評価した脂
肪酸対モノグリセリド対胆汁酸塩のモル比は、10:1:1、1:1:10また
は1:10:1の範囲であった。好ましい比は4:1:4であると述べられ、こ
れは胆汁酸塩とカルシウムイオンの存在で起こる腸内のトリグリセリドの酵素消
化で生じるミセル組成物に類似している。過剰の胆汁酸塩が存在すると、4:1
:4組成物に合体されたエストラジオールは胆汁酸塩に富んだミセル溶液中に移
動または分配できる。エストラジオールの血漿中の初期濃度は、始めはリンパ中
の濃度より高いという事実が示すように、エストラジオールのこの移動または分
配は薬の吸収前に起こった。更に、組成物で投与されたエストラジオールの約2
5−50%は、脂質成分と共に吸収され、胸リンパを経て全身系循環に入る。回
腸で(大部分の脂肪のように、空腸ではなくて)吸収される胆汁酸塩の存在は、
脂肪から胆汁酸塩ミセルへの薬の移動を増すことにより、エストラジオールの脂
肪との共吸収を弱める。ホスファチジルコリンが、脂肪酸:モノグリセリド:胆
汁酸塩が4:1:4のモル比で発生するミセル組成物内にエストラジオールを保
持するために使われた。過剰の胆汁酸塩の存在では、ホスファチジルコリンが存
在しないときは、4:1:4ミセル組成物に合体されたエストラジオールの約6
0%が組成物と合体して残る。同一条件で、ホスファチジルコリンを使うと、エ
ストラジオールの約70−75%が組成物中に残る。しかし、この目的のためホ
スファチジルコリンの添加は、デリバリーシステムの増加した大きさをまねく。
大きさは脂質ミセルの吸収における重要なパラメータであり、ホスファチジルコ
リンのこの効果は、薬と脂質の共吸収を妨害できる。更に、過剰のホスファチジ
ルコリンは脂質吸収を減少することが示された。Ammon,H.V., et al., Lipids,
14:395(1979);Clark,S.B., Gastrointestinal Physiology, 4: E183(1978)
。
薬の共吸収に使われる脂質処方物における胆汁酸塩の存在の効果も記載されて
いる。Wilson,T.H.,In, Intestinal Absorption. Saunders, (1962);Lack,L.
, Weiner,I.M., American Journal of Physiology, 240:313(1961);H.V.Ammo
n et al., Lipids, 14:395(1979)。たとえば、5−フルオロウラシル(5FU
)を単独で、またはモノオレイン/タウロコール酸ナトリウム混合ミセル処方物
で投与したとき、胃または小腸における5FUの吸収に殆ど差がないこ
とが明らかであった。大腸における5FUの吸収は、単独での投与よりも処方物
での投与のとき、一層大きかった。ストレプトマイシンは腸からは吸収されにく
い。Muranushi および共同研究者は、胆汁酸塩、モノオレインまたは不飽和脂肪
酸からなる混合ミセルは、小腸からのストレプトマイシンの吸収を改善しないが
、大腸からの吸収を著しく増加させたことを報告している。大腸におけるこの増
加は、大部分モノオレインまたは不飽和脂肪酸による粘膜の透過性の変化に帰せ
られた。これに対比し、胆汁酸塩および飽和脂肪酸の混合ミセルは、大腸からで
さえ、ストレプトマイシン吸収のごく小さな増加を生じた。Muranushi,N.et al.
, Journal of Pharmaceutics, 4:271(1980)。Taniguchiらは、モノオレイン/
タウロコール酸塩またはオレイン酸/タウロコール酸塩は、単独投与では吸収さ
れにくいヘパリンの吸収を促進すると報告している。Taniguchi, K. et al., In ternational Journal of Pharmaceutics,
4: 219(1980)。大腸からのヘパリン
の吸収は、小腸からの吸収の2倍であった。大腸での効力増加を生じる混合ミセ
ル中のヘパリン濃度は、小腸で要求される濃度の約1/4であった。
米国特許No.4,156,719において、Sezoski 及びMuranishi は、吸収されにくい
水溶性薬の直腸投与用ミセル溶液を記載している。この組成物は、6−18炭素
を有する脂肪酸および(または)同一型の脂肪酸を有するモノまたはジグリセリ
ド、胆汁酸塩または他の非イオン性界面活性剤、及び水からなる。リゾホスファ
チジルコリン残基が、脂肪酸およびモノまたはジグリセリドの代わりに使用でき
る。直腸および大腸からのストレプトマイシンおよびゲンタマイシンの吸収は、
薬を胆汁酸塩混合脂質ミセルで投与するときと匹敵すると報告されている。類似
の処方物は、十二指腸での増加吸収には効果がなかった。Muranushi,S. et al.,International Journalof Pharmaceutics
, 2:101(1979)。十二指腸に投与され
る混合脂質ミセル濃度が他の経路で投与される濃度の4倍のときでさえ、直腸お
よび大腸経由の上記両薬の吸収は、十二指腸投与の匹敵する用量より著しく大き
かった。本発明者の特許(米国特許No.4,874,795, Yesair)において、互いに規
定した関係での特定の脂質成分を有する脂質組成物は、薬を全身系循環に送り出
すのに有効であったことが示されている。この脂質組成物は、14−18炭素原
子を有する脂肪酸、14−18炭素原子を有する脂肪酸残基を有するモノグリセ
リド、14−18炭素原子を有する脂肪酸残基を有するリゾホスファチジルコリ
ンを含んでいた。脂肪酸対モノグリセリドのモル比は、4:1乃至1:4であり
、全脂質組成物のモル%で表し、リゾホスファチジルコリンのモル%は30.0
乃至1.0の範囲であり得た。この脂質組成物は、薬をその中に合体したとき、
薬を全身系循環に有効に輸送することが示された。この脂質組成物はまた、個人
の体内で代謝できる固有の脂肪酸含量のために、カロリー源として役立つことも
示された。栄養
個人のカロリー要求は、主として肉体組成および身体的活動の関数である。薬
に弱い、たとえばのう胞性線維症患者、および年とったおよび身体的ストレスの
個人は、しばしば限られた肉体脂肪を有する。従って、これら個人のエネルギー
(カロリー)要求は、主に外来源から満たされる。
身体的活動は筋肉を使い、心臓を含めた全筋肉のエネルギー要求は、食事脂肪
または動員された脂肪組織内脂肪からの脂肪酸の酸化の結果として主に満たされ
る。脂肪組織内脂肪は、認められるように、最小であることができ、従って脂肪
の効率よい吸収は、医学虚弱者、老齢者、身体活動者のエネルギー要求を満たす
のに重要な考慮すべき事柄であり得る。
脂肪吸収は多くの環境で弱くなり得る。たとえば、のう胞性線維症、外分泌腺
障害においては、膵臓酵素、胆汁酸塩、重炭酸塩イオンの欠乏がある。Nutritio n Reviews,
42: 344(1984);Ross,C.A., Archives of Diseases of Childhood ,
30: 316(1955);Scow,R.O.E., Journal of Clinical Investigation, 55: 9
08(1975)。のう胞性腺維症患者における脂肪吸収は、酷く影響を受け、摂取脂
肪の30乃至60%は吸収不良となり得る。吸収不良およびその結果の脂肪便は、一
般
に膵臓リパーゼの経口投与によっては成功的に処置できない。脂肪便の制御達成
には、患者は良好な健康に望ましいものより低い脂肪を消費できる。
弱った脂肪吸収は、良好な健康に要求される多不飽和脂肪酸およびコリンの外
来取り入れも減少できる。
脂肪吸収はストレスの多い条件で弱めることができ、この問題に取り組む一般
に受入れられた方法は、脂肪消費を減らすことであった。この解決法は、急性お
よび慢性の両医学的問題を招き得る。容易に吸収できる脂肪源が入手できれば、
これらの問題を避けることができ、または少なくとも最小にできる。
現在、経口投与薬を全身系循環に輸送する一層有効な方法が必要である。この
要求は、損なわれた経口取り入れ、腸吸収、または減少した輸送容量を有する個
人にとってとくに重要である。同時に、特に急性エネルギー要求をもつ個人にと
って、カロリーに富んだ物質の一層効率よい経口投与の要求がある。上記増加し
た効率の達成は、一層有効な薬治療および栄養安定性を増す。
発明の概要
本発明は、生理活性剤の持続送達用の改良された混合脂質コロイド粒子を提供
する。本発明はまた、そのような生理活性剤を必要とする個人への上記生理活性
剤の送達法を提供する。更に、本発明は、混合脂質コロイド粒子および製薬的に
許容される担体を含む製薬製剤を提供する。本発明はまた、薬剤の製造における
そのようなコロイド粒子の使用法を提供する。本発明はまた、ある種の病気の処
置用の薬剤製造におけるコロイド粒子の使用法を提供する。
本発明の一様相によれば、混合粒度の組成物が提供される。この組成物は、生
理活性剤の個人への持続送達用に提供できる。この組成物は、水性環境中のコロ
イド粒子の混合物を含む。混合物中の各コロイド粒子は、8−24の炭素原子を
有する少なくとも1種の非エステル化脂肪酸、グリセリン及び8−24の炭素原
子を有する脂肪酸のモノエステルである少なくとも1種のモノグリセリド、脂肪
酸残基が8−24の炭素原子を有するリゾホスファチジルコリン、及び滴定剤を
含む。脂肪酸及びモノグリセリドは共に、脂質組成物の約70.0モル%乃至約
99.0モル%を構成する。脂肪酸対モノグリセリドのモル比は約4:1乃至約
1:4であり、リゾホスファチジルコリンは脂質組成物の約30.0モル%乃至
約1.0モル%を構成する。脂質組成物は水性環境中のコロイド粒子形である。
コロイド粒子混合物は、異なる寸法分布のコロイド粒子の少なくとも2種の別々
に製造したセットから作られる。コロイド粒子の第1および第2のセットは、粒
子の第1セットの粒度分布の少なくとも80%は、コロイド粒子の第2セットの
平均粒度未満であり、コロイド粒子の第2セットの粒度分布の少なくとも80%
は、コロイド粒子の第1セットの平均粒度より大きい点で、粒度が異なる。
ある実施熊様では、コロイド粒子の第1セットは、滴定剤対リゾホスファチジ
ルコリンのモル比1.4:1未満を有し、コロイド粒子の第2セットは、滴定剤
対リゾホスファチジルコリンのモル比1.4:1以上と約10:1の間を有する
。好ましくは、コロイド粒子の第2セットは、1.4:1および約7:1の間の
滴定剤対リゾホスファチジルコリンモル比を有する。最も好ましくは、滴定剤は
重炭酸塩である。
ある実施態様では、組成物の脂肪酸はω-6脂肪酸およびω−3脂肪酸の両者を
含む。好ましくは、ω−6脂肪酸対ω−3脂肪酸のモル比は約5:1である。あ
る実施態様では、ω−6脂肪酸およびω−3脂肪酸は、組成物中の全脂肪酸の少
なくとも50%を構成する。
ある実施態様では、コロイド粒子はまた、少なくとも1種の生物学的に適合性
の界面活性剤を含む。好ましい実施態様では、コロイド粒子の第2セットは、滴
定剤対リゾホスファチジルコリンのモル比少なくとも7:1を有し、生物学的に
適合性の界面活性剤対リゾホスファチジルコリンのモル比少なくとも10:1を
有する。好ましくは、少なくとも1種の生物学的に適合性の界面活性剤は胆汁酸
塩、特にタウロコール酸ナトリウムである。
ある実施態様では、本発明のコロイド粒子により送達される生理活性剤は薬で
ある。他の実施態様では、生理活性剤は多不飽和脂肪酸である。多不飽和脂肪酸
は、非エステル化脂肪酸の一つ、モノグリセリドの脂肪酸残基の一つおよび(ま
たは)リゾホスファチジルコリンの脂肪酸の一つとして、粒子に合体できる。生
理活性剤は、カロリーおよび(または)コリン源として、たとえば脂肪であるこ
ともできる。
本発明の別の様相によれば、生理活性剤を必要とする個人への生理活性剤の送
達法が提供される。この方法は上記組成物の一つの投与を含む。一つの重要な実
施態様では、本発明の方法により送達される生理活性剤は容易に吸収可能なカロ
リー源からなる。この方法に従えば、生理活性剤を経口投与、吸入投与および(
または)局所投与により投与できる。
本発明の別の様相によれば、病気の治療に有効な生理活性剤による治療法が提
供される。この方法は病気の治療に有効な量の上記組成物の一つを、治療を必要
とする患者に投与することを含む。
本発明のなお別の様相によれば、医薬製剤が提供される。医薬製剤は、製薬上
許容される担体と組み合わせた上記発明の組成物からなる。
本発明のなお別の様相によれば、薬剤の製造における上記組成物の一つの使用
が提供される。1実施態様では、薬剤は生理活性剤の送達用である。好ましくは
、薬剤は経口薬剤、吸入できる薬剤および(または)局所薬剤である。他の実施
態様では、上記組成物の一つの使用は、減少した脳コリン、肝臓障害、妊娠、乳
汁分泌、全非経口的栄養物摂取、激しい身体活動、および(または)新生児の栄
養要求治療用薬剤製造のため提供される。
本発明のなお別の様相によれば、減少した脳コリン、肝臓障害、妊娠、乳汁分
泌、全非経口的栄養物摂取、激しい身体活動および(または)新生児の栄養要求
の治療用の薬剤製造のため、コロイド粒子からなる組成物の使用が提供される。
この組成物は、8−24の炭素原子を有する少なくとも1種の非エステル化脂肪
酸、グリセリン及び8−24の炭素原子を有する脂肪酸とのモノエステルである
少なくとも1種のモノグリセリド、脂肪酸残基が8−24の炭素原子を有するリ
ゾホスファチジルコリンを含む。上記組成物においては、脂肪酸及びモノグリセ
リドは共に、脂質組成物の約70.0モル%乃至約99.0モル%を構成する。脂
肪酸対モノグリセリドのモル比は約4:1乃至約1:4であり、リゾホスファチ
ジルコリンは脂質組成物の約30.0モル%乃至約1.0モル%を構成する。脂質
組成物は水性環境中のコロイド粒子形である。
好ましい実施態様では、組成物は更に滴定剤からなる。好ましくは、リゾホス
ファチジルコリン濃度は、水性環境中で少なくとも0.1mm であり、滴定剤対リゾ
ホスファチジルコリンのモル比は、水性環境中1:1より大きい。更に好ましく
は、滴定剤対リゾホスファチジルコリンのモル比は1.4:1より大きい。好ま
しい実施態様では、滴定剤対リゾホスファチジルコリンのモル比は7:1より大
きい。これらの好ましい実施態様のあるものにおいては、滴定剤は重炭酸塩であ
る。
ある実施態様では、単一平均寸法のコロイド粒子および少なくとも1種の生物
学的に適合性の界面活性剤を含む組成物の使用が提供される。水性環境中の少な
くとも1種の生物学的に適合性の界面活性剤対リゾホスファチジルコリンのモル
比は少なくとも10:1である。好ましい実施態様では、少なくとも1種の生物
学的に適合性の界面活性剤は胆汁酸塩である。更に好ましくは、胆汁酸塩はタウ
ロコール酸ナトリウムである。
本発明の別の様相に従えば、のう胞性腺維症治療用の薬剤製造におけるこの組
成物の使用が提供される。組成物は、8−24の炭素原子を有する少なくとも1
種の非エステル化脂肪酸、グリセリン及び8−24の炭素原子を有する脂肪酸の
モノエステルである少なくとも1種のモノグリセリド、脂肪酸残基が8−24の
炭素原子を有するリゾホスファチジルコリンを含む。上記組成物においては、脂
肪酸及びモノグリセリドは共に、脂質組成物の約70.0モル%乃至約99.0モ
ル%を構成する。脂肪酸対モノグリセリドのモル比は約4:1乃至約1:4であ
り、リゾホスファチジルコリンは脂質組成物の約30.0モル%乃至約1.0モル
%を構成する。脂質組成物は水性環境中のコロイド粒子形である。
図面の簡単な説明
図1は、混合脂質処方物の表面張力と混合脂質処方物中のリゾホスファチジル
コリン(および混合脂質)のモル濃度の間の関係を示すグラフである。
図2は、混合脂質処方物の粒度または表面張力と水性環境中の重炭酸ナトリウ
ム量の間の関係を示すグラフである。
図3は、混合脂質処方物の粒度と水性環境中の胆汁酸塩、タウロコール酸ナト
リウムの間の関係を示すグラフである。
図4は、混合脂質処方物の粒度または表面張力と、重炭酸塩および胆汁酸塩、
タウロコール酸ナトリウムの組み合わせの間の関係を示すグラフである。
図5は、混合脂質(フェンレチンアミド)−重炭酸塩、混合脂質(フェンレチ
ンアミド)−重炭酸塩−胆汁酸塩、遊離フェンレチンアミドのセファロース4Bカ
ラムからの溶離プロフィルを示すグラフである。
図6は、ジルチアゼム(薬A)およびヒドロクロロチアジド(薬B)を含む混
合脂質−重炭酸塩処方物および混合脂質−重炭酸塩−胆汁酸塩処方物のセファロ
ース4Bカラムからの溶離プロフィルを示すグラフである。
図7は、脂質の共融マトリクス(EM)またはトリグリセリド(TG)対照処
方物を与えたのう胞性腺維症(CF)患者、および脂質のコロイド共融マトリク
ス(CEM)またはトリグリセリド(TG)対照処方物を与えた対照個人の脂肪
吸収の時間プロフィルを示すグラフである。
図8は、脂質の共融マトリクス(EM)またはトリグリセリド(TG)対照処
方物を与えたのう胞性腺維症(CF)、および脂質のコロイド共融マトリクス(
CEM)またはトリグリセリド(TG)対照処方物を与えた対照個人の脂肪吸
収の全量(または曲線下の区域(AUC))を示すグラフである。
図9は、コロイド共融マトリクス(CEM)、共融マトリクス(EM)、また
はトリグリセリド対照処方物を与えた対照個人の脂肪吸収の時間プロフィルを示
すグラフである。
図10は、脂質のコロイド共融マトリクス(CEM)または脂質の共融マトリ
クス(EM)を与えた5人の対照個人の脂肪吸収の時間プロフィルの平均を示す
グラフである。
図11は、脂質のコロイド共融マトリクス(CEM)または脂質の共融マトリ
クス(EM)を与えた5人の対照個人の脂肪吸収の全量(または曲線下の区域(
AUC))の平均を示すグラフである。
発明の詳細な説明
本発明の組成物は、非エステル化脂肪酸、これら脂肪酸のモノグリセリド、そ
の脂肪酸残基としてこれら脂肪酸を有するリゾホスファチジルコリン、及び滴定
剤からなる。この組成物の成分の選択は、脂肪酸の吸収および輸送特性、脂質組
成物中への薬可溶化に対するリゾホスファチジルコリンの寄与、安定なミクロン
以下の寸法の脂質含有粒子を存在させて、吸収された脂肪を(門脈循環中よりも
むしろ)リンパ中へ転位させる性質に基づく。
飽和脂肪酸の吸収は、脂肪酸中の炭素原子数に逆比例することが示されている
。たとえば、デカン酸(10:0、鎖長と不飽和度を示す)の吸収は殆ど定量的
である。ラウリン酸(12:0)は95%以上、ミリスチン酸(14:0)は8
0−90%、パルミチン酸(16:0)は65−70%、ステアリン酸(18:
0)は30−45%である。不飽和脂肪酸(たとえばリノール酸18:2)のリ
ンパへの吸収は一層迅速で、飽和脂肪酸より一層大きいことが示されている。Ta
niguchi,K.,International Journal of Pharmaceutics, 4: 219(1980)。
リンパ経由(門脈循環ではなく)の吸収された脂肪酸の輸送は、著しく変化す
る。すなわち、吸収された一または多不飽和脂肪酸の に多いパーセントは、飽
和脂肪酸の場合よりもリンパに運ばれることが示されている。不飽和脂肪酸の約
85%はリンパに運ばれることが示されている。Miura,S.et al., Keio Journal of Medicine,
28: 121(1979)。リンパに運ばれるこれら吸収された脂肪酸の量
も、鎖長に逆比例し、ミリスチン酸では68−80%、パルミチン酸およびステ
アリン酸では85%である。飽和脂肪酸が本発明の組成物に含まれるときは、カ
ルシウム塩または他の陽イオンの塩として含ませることができる。これは、飽和
脂肪酸を遊離するトリグセリドの酵素加水分解はそのカルシウム石鹸形成をより
好むからである。Tak, Y.A., and Grigor,M.R., Biochimica Biophysica Acta.
531: 257(1978)。
吸収された脂肪のリンパへの転位は、リゾホスファチジルコリンを必要とする
ことが示されている。吸収された脂肪の転位の割合(大きさではなく)は、明ら
かにリゾホスファチジルコリンの脂肪酸残基に関連する。たとえば、オレオイル
リゾホスファチジルコリンは、主として飽和脂肪酸(たとえばパルミチン酸C1
6:0;ステアリン酸C18:0)からなるホスファチジルコリンから誘導され
たリゾホスファチジルコリンの効果に比較し、リンパ輸送脂肪中のトリグリセリ
ドおよびリン脂質の100%増加を生じる。本発明の組成物への一または多不飽
和リゾホスファチジルコリンの合体は、吸収された脂質および共吸収された薬ま
たは他の物質の転位を増加する。更に、リゾホスファチジルコリンは、若干の薬
の可溶化の役割を果たし(すなわち、その存在は組成物中で薬の溶解度を増す)
、またコリン源をも提供する。
本発明の組成物で使用できる不飽和脂肪酸の例は次の通りである。
本組成物で使用できる飽和脂肪酸の例は次の通りである。
一不飽和、多不飽和および飽和脂肪酸を、個々にまたは組み合わせて存在させ
ることができる。すなわち、1種以上の脂質成分(脂肪酸、モノグリセリド、リ
ゾホスファチジルコリン)の脂肪酸成分は同一であることができ、または好まし
い脂肪酸の仲間の一不飽和、多不飽和および(または)飽和メンバーの混合物で
あることができる。脂肪酸成分の選択により、ω−6脂肪酸対ω−3脂肪酸の比
を規定できる。好ましくは、上記比は約5:1である。ω−6脂肪酸およびω−
3脂肪酸のパーセント組成を、類似の方法で制御でき、好ましくは両者は組成物
中の全脂肪酸の約50%より大きい。
非エステル化脂肪酸およびモノグリセリドを、約4:1乃至約1:4(非エス
テル化脂肪酸:モノグリセリド)のモル比を生じる量で存在させる。
更に、組成物は、その脂肪酸残基が8−24の炭素原子を有し、好ましくは一
または多不飽和であるリゾホスファチジルコリンを含む。リゾホスファチジルコ
リンの脂肪酸成分は、好ましくは上記で列挙したものである。組成物中のリゾホ
スファチジルコリンの量は、組成物中で投与しようとする薬の増加した可溶化に
必要な量、および転位の役割に必要な量により決定される。一般に、リゾホスフ
ァチジルコリンは、全組成物の約1.0モル%乃至約30.0モル%を構成する。
非エステル化脂肪酸またはモノグリセリドまたはリゾホスファチジルコリンの成
分としての、本発明の組成物を構成する脂肪酸は、全て同一であることができ、
または多数の異なる脂肪酸を含むことができる。
上記脂肪酸、モノグリセリド、及びリゾホスファチジルコリンを含む脂質処方
物は、蒸留水の存在下で加熱および手で振とうすると膨潤する。結局は、偏光顕
微鏡で見ると、結晶性にみえるゼラチン状マトリクスを生じる。0.1N HClまた
はpH7のリン酸緩衝液の存在下では、これら脂質処方物は、蒸留水の存在下で
加熱し手で振とうするとき、膨潤するようにはみえないが、この溶液中では大き
い油/固体粒子として残る。これに対比し、これら脂質処方物は、蒸留水および
水性胆汁酸塩の存在下で、加熱し手で振とうすると、偏光顕微鏡で見るとミクロ
ン寸法の粒子を生じる。これらの観察から得られる結論は、水性媒体中のイオン
種が、これら脂質処方物から形成される粒子の寸法と構成に影響を与えることで
ある。特に、陰イオン型が脂質粒子の形成、構成、寸法を著しく変え得る。
胆汁酸塩の他に、小腸の上部領域の主陰イオンは重炭酸塩であることが知られ
ている。この陰イオンが脂質処方物の水性媒体に十分な量で存在するときは、ミ
クロン以下の粒子を形成できることが分かった。重炭酸塩と脂質成分とを直接混
合することにより、または好ましくは重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどの
ようなこの陰イオンの塩を、組成物の予め混合した脂質成分を入れてある水性環
境に溶解することにより、重炭酸塩を本発明の組成物に合体する。せん断操作に
より混合脂質コロイド粒子が形成されると、重炭酸塩は組成物の粒子形に一体と
なり含まれる。
ミクロン以下の寸法のコロイド粒子形成するため、混合脂質組成物と効果的に
混合する他の試薬は、“滴定剤”と呼ばれる。これらは、他の重炭酸塩、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムなどを含む。強塩基性の滴定剤を使うときは、水性
環境のpHを厳密に監視して、脂質組成物のリゾホスファチジルコリンおよびモ
ノグリセリド成分の塩基加水分解を避ける。カルシウムまたはマグネシウムのよ
うな2価陽イオンを含む滴定剤はまた、混合脂質組成物のミクロン以下の粒子の
製造に使用できる。
胆汁酸塩を更に水性環境中に十分な量で存在させると、既にミクロン以下の粒
子を更に寸法を減少できる。混合脂質−滴定剤コロイド粒子の寸法を減少する胆
汁酸塩の例は、タウロコール酸ナトリウム、及びグリココール酸ナトリウムであ
る。胆汁酸塩を非水混合脂質−滴定剤混合物に添加でき、または好ましくは、脂
質成分と重炭酸塩を混合してある水性環境に添加する。せん断操作によりこれら
粒子が形成されると、組成物のコロイド粒子中に胆汁酸塩が合体される。これら
組成物において、他の生物学的に適合する界面活性剤を胆汁酸塩の代わりに使用
できる。胆汁酸塩を含め、1種以上の生物学的に適合性の界面活性剤の混合物も
使用できる。
本発明の組成物は、次の方法により予め作られる。成分脂質を秤量し、加熱し
てまたは加熱なしで混合し、均質液体にする。薬を合体するときは、これを加え
、加熱してまたは加熱なしで脂質混合物に溶解する。液体である混合物の適当な
温度で固体の不在により、シュリーレンの不在により、均一状態が示される。薬
を含めるときは、脂質混合物中の薬のより高濃度ではシュリーレン効果はより明
らかである。処方物は、幾つかの凍結−解凍サイクルで安定であり、固体または
シュリーレンの現れは処方物の不安定性を示す。
処方物の第2の予備製造法は、成分脂質および合体する場合は薬を、溶剤また
は溶剤混合物に溶解し、混合して均質にする。減圧または他の適当な方法で、溶
剤を除去する。適当な処方のための規準は、上記と同じである。
上記予備処方物の所望の量を、水性環境に入れる。この水性環境は主として水
である。基本組成を変えることなく、他の物質を存在させることができる。この
他の物質の例は、pH緩衝物質、アミノ酸、アルブミンまたはカゼインのような
タンパク質、キサンチンガムまたはアラビアゴムのような粘度増強剤である。こ
れら他の物質の存在に対する唯一の規準は、組成物の個々の成分が組成物のコロ
イド粒子を形成する力を実質上妨害しないかまたは変えないことである。処方物
の第3の予備製造法は、成分脂質および合体する場合は薬を、成分脂質の前混合
なしで、水性環境中で混合することを含む。
重炭酸塩または他の滴定剤の所望の量を、予備処方物を入れる前または後に、
水性環境に溶解することにより、重炭酸塩または他の滴定剤を水性環境に添加す
る。
ついで、水性環境中の成分脂質混合物を、適当な手段でせん断力にかける。典
型的には、このせん断力は、超音波処理器またはミクロ流動化器で達成される。
所望の寸法の均一な脂質含有粒子を得るのに十分な適当なエネルギーおよび時間
でせん断操作を行う。下記実施例で分かるように、脂質処方物量に対する重炭酸
塩量が、混合脂質重炭酸塩コロイド粒子の最終の寸法の決定に重要である。モル
比1.4:1(重炭酸塩:混合脂質処方物)以下では、混合脂質重炭酸塩コロイ
ド粒子の粒度は約120nmより大きい。モル比1.4:1および7:1の間では
、重炭酸塩対混合脂質処方物のモル比に依存して、混合脂質−重炭酸塩コロイド
粒子の粒度は約120nmと約70nmの間である。せん断操作を行うとき、重炭酸
塩を徐々にまたは一度に添加できる。別法として、せん断操作を行う前に、重炭
酸塩を添加できる。
より小さなミクロン以下の粒子を得るためには、胆汁酸塩または他の生物学的
に適合性の界面活性剤を、適当なモル比(胆汁酸塩:混合脂質処方物)で、重炭
酸塩の添加前に、同時に、または後で、水性媒体に添加できる。胆汁酸塩対混合
脂質処方物および重炭酸塩対混合脂質処方物のモル比の各々が少なくとも約1:
1(すなわち、胆汁酸塩濃度または重炭酸塩濃度は混合脂質濃度と少なくとも同
一であるべきである)であるならば、胆汁酸塩対混合脂質処方物のモル比および
重炭酸塩対混合脂質処方物のモル比は独立の値であることができる。すなわち、
胆汁酸塩対混合脂質処方物モル比および重炭酸塩対混合脂質処方物モル比を独立
に変化でき、それに伴い混合脂質−重炭酸塩−胆汁酸塩コロイド粒子の粒度が変
化する。しかし、10nm以下の混合脂質−重炭酸塩−胆汁酸塩コロイド粒子を達
成するためには、胆汁酸塩または他の生物学的に適合性の界面活性剤対混合脂質
処方物のモル比は少なくとも約10:1であるべきであり、滴定剤対混合脂質処
方物のモル比は少なくとも7:1であるべきである。再び、せん断操作の実施前
または実施中に、胆汁酸塩を徐々にまたは一度に添加できる。
混合脂質−重炭酸塩コロイド粒子、および所望により混合脂質−重炭酸塩−胆
汁酸塩コロイド粒子の混合物を、個々のコロイド粒子処方物から製造できる。こ
れらの混合物は異なるコロイド粒子の粒度を有し、胃から残らず出す時間に影響
を与え、また小腸から血流への異なる脂肪処理および取り込み割合を有する。そ
こで、これらコロイド粒子混合物は、延長された摂取特性を有する。
ここの開示のように、異なる寸法のコロイド粒子を製造できる。生理活性剤の
持続送達を与えることが望まれるときは、異なる粒度分布を有する粒子の少なく
とも二つの別々に製造したセットをつくる。混合脂質組成物に添加する滴定剤お
よび(または)生物学的に適合性の界面活性剤のモル比を選ぶことにより、混合
脂質コロイド粒子のセットの粒度分布を規定でき、それは平均粒度の周りに間隔
を置いた粒度の分布である。粒度分布は、一般にベル形曲線を持つと予見できる
。2種以上の粒子のセットを混合すると、これらセットの粒度分布を表す曲線は
重なることができ、すなち粒子の第1セット粒子の若干は粒子の第2セットの粒
子の若干と同じ寸法をもつことができる。持続送達を与えるためには、好ましく
は粒子の第1セットの粒度分布の少なくとも80%は、粒子の第2セットの平均粒
度未満であり、粒子の第2セットの粒度分布の少なくとも80%は、粒子の第1セ
ットの平均粒度より大きい。こうして、異なる寸法の混合脂質粒子の胃および腸
における処理と摂取の異なる割合により、持続送達を達成できる。
混合脂質コロイド粒子は、生理活性剤の送達に有用である。ここで使用する“
生理活性剤”は代謝機能に影響を与えるまたは要求される分子または化合物を含
む。たとえば、生理活性剤は、治療化合物(たとえば薬)、飽和または多不飽
和脂肪酸または脂肪(たとえばカロリ源として)のような食物、代謝工程の基質
、触媒または補助因子である化合物を含む。たとえば、せん断力をかける前に、
生理活性剤をコロイド粒子の製造中に添加できる。通常は生理活性剤と見なされ
ないが、蛍光化合物および(または)放射性化合物のような診断剤を送達するた
めに、混合脂質粒子を使用できる。
当業者には分かるように、実際上どの生理活性剤も本発明に従い使用できる。
この薬送達系から最も利益を得る重要な治療部門は、抗感染剤、心臓血管薬(降
圧薬及び血管拡張薬)、鎮痛薬、精神療法薬、抗痙攣薬、利尿薬、ホルモン、抗
腫瘍薬及びビタミンである。この薬送達系から利益を得る他の治療部門は、アド
レナリン作用薬、副腎皮質ステロイド、副腎皮質抑制剤、アルコール抑止剤、ア
ルドステロン拮抗薬、同化作用、中枢神経興奮薬、鎮痛薬、アンドロゲン、食欲
抑制薬、拮抗薬、下垂体前葉抑制薬、駆虫薬、抗アクネ薬、抗アドレナリン薬、
抗アレルギー薬、抗アメーバ薬、抗アンドロゲン薬、抗貧血薬、抗狭心症薬、抗
不安薬、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗アテローム硬化症薬、抗菌薬、抗痙攣薬、抗
うつ薬、抗コリン作用薬、抗凝固薬、抗コクシジウム薬、抗てんかん薬、抗うつ
薬、抗糖尿病薬、下痢止め薬、抗利尿薬、解毒薬、制吐薬、抗てんかん薬、抗エ
トスロゲン薬、抗フィブリン溶解薬、抗真菌薬、抗血友病薬、抗出血薬、抗ヒス
タミン薬、抗高脂血症薬、抗高血圧薬、抗低血圧薬、抗感染薬、抗感染局所抗炎
症薬、抗角化剤、抗マラリヤ薬、殺菌薬、抗片頭痛薬、抗有糸分裂薬、抗真菌薬
、抗催吐薬、抗腫瘍薬、抗好中球減少薬、抗肥満薬、抗寄生虫薬、抗パーキンソ
ン症候群薬、抗ぜん動薬、抗ニユーモシステス症薬、抗増殖薬、抗前立腺肥大薬
、抗原虫薬、抗かゆみ薬、抗精神病薬、抗リュウマチ薬、抗住血吸虫薬、抗脂漏
薬、抗分泌薬、抗痙薬、抗血栓薬、せき止め薬、抗腫瘍薬、抗尿石薬、抗ウイル
ス薬、食欲抑制剤、良性前立腺肥厚治療剤、血液グルコース調節剤、骨吸収抑制
剤、気管支拡張薬、カルボニックアンヒドラーゼ抑制薬、心臓抑制薬、心臓保護
薬、強心薬、心臓血管薬、胆汁分泌薬、コリン薬、コリン作用薬、コリンエスト
ラーゼ
不活性化剤、コクジウム抑制薬、知覚補助薬、認識増強剤、抑制薬、診断助剤、
利尿薬、ドパミン作用薬、外寄生生物撲滅剤、吐薬、酵素抑制剤、エストロゲン
、フィブリン溶解薬、蛍光剤、遊離酸素ラジカル補足剤、胃腸運動作動体、グル
ココルチコイド、性腺刺激成分、髪成長刺激剤、血止め薬、ヒスタミンH2受容
体拮抗薬、ホルモン、低コレステロール血症薬、低血糖薬、低脂質薬、低血圧薬
、画像化剤、免疫薬、免疫修飾剤、免疫調節剤、免疫刺激剤、免疫抑制薬、イン
ポテンス治療補助薬、抑制因子、角質溶解剤、LHRH作用薬、肝臓障害治療、
黄体融解素、記憶補佐薬、精神性能増強剤、気分調節剤、粘液溶解薬、粘膜保護
薬、散瞳薬、鼻うつ血除去薬、神経筋遮断剤、神経保護薬、NMDA拮抗薬、非
ホルモンステロール誘導体、分娩促進薬、プラスミノーゲン活性化剤、血小板活
性因子拮抗薬、血小板凝固抑制剤、発作後および後頭外傷治療、増強剤、プロゲ
スチン、プロスタグランジン、前立腺増殖抑制剤、プロストロンピン、向精神薬
、肺表面薬、放射性剤、調節剤、弛緩薬、再分配剤、殺かいせん虫薬、硬化剤、
鎮痛薬、鎮痛催眠薬、選択的アデノシンA1拮抗薬、セロトニン拮抗薬、セロト
ニン抑制薬、セロトニン受容体拮抗薬、ステロイド、刺激剤、抑制剤、多症状多
発性硬化症、協力剤、甲状腺ホルモン、甲状腺抑制薬、甲状腺ミメチック、トラ
ンキライザー、筋萎縮外部硬化症薬、大脳貧血剤、Paget病薬、不安定アン
ギナ剤、尿酸排泄薬、血管収縮薬、血管拡張薬、傷薬、創傷治癒薬を含む。
この薬送達系のための重要な例は次のものである。
抗感染薬:セファロスポリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、ペ
ニシリン、テトラサイクリン及びアミノグリコシド。
心臓血管薬:プロプラノロール、ジギタリス、キニジン、メチルDOPA、プ
ラゾシン、ニフェジピン、ニトログリセリン、イソソルビド二硝酸塩、ナドロー
ル、ジルチアゼム及びベラパミル。
鎮痛薬:アスピリン、ナプロキセン、イブプロフェン、インドメタシン、コデ
イン及びメペリジン。
精神療法薬:ドキセピン、フェノチアジンのような3環化合物、クロルプロマ
ジンのような化合物及びジアゼピンのようなベンゾジアゼピン化合物。
抗痙攣薬:フェニトイン、カルバマゼピン及びエトスクシミド。
利尿薬:クロロチアジド、フロセミド、メトラゾン、スピロノラクトン及びト
リアムテレン。
ホルモン:コルチコステロイド、アンドロゲン、避妊薬、エストロゲン、プロ
ゲステロン及び抗糖尿病薬。
ビタミン:ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE及びビタミンK。
抗腫瘍薬:アザチオピン、プロカルバジン、メゲストロール酢酸塩、メルファ
ン、シクロホスファミド、BCNU、CCNU、ヒドロキシ尿素、ウラシルマス
タード及びドクソルビシン。
更に、これら薬の親油性類似体の送達は、この送達系により著しく利益を得る
。
生物学的に適合性の界面活性剤を、いつでも、脂質処方物および重炭酸塩(所
望によりまた胆汁酸塩も含む)を含む水性媒体に添加できる。生物学的に適合性
の界面活性剤は、TWEEN20、TWEEN40、TWEEN60及びTWE
EN80のようなポリソルベート、ポリエチレングリコール(PEG)、ソルビ
タンエステル、スルホコハク酸ジアルキルナトリウムなどを含む。他の例は、ソ
ルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレン−4−ラウリルエーテル、ポリエ
チレングリコール400モノステアラート、ポリオキシエチレン−4−ソルビタ
ンモノラウラート、ポリオキシエチレン−20−ソルビタンモノオレアート、ポ
リオキシエチレン−20−ソルビタンモノパルミタート、ポリオキシエチレン−
20−ソルビタンモノラウラート及びポリオキシエチレン−40−ステアラート
を含む。これらの界面活性剤を、所望のコロイドの粒度を得るために、類似の塩
と共にまたはその代わりに、せん断操作の前または後に添加できる。
混合脂質−滴定剤または混合脂質−滴定剤−胆汁酸塩ロイド粒子は、安定であ
り、通常の貯蔵条件で貯蔵できる。生理活性剤、たとえば薬をこれらの組成物に
合体するときは、薬含有粒子を個人に経口投与すると、コロイド粒子は薬を腸粘
膜細胞に輸送するベヒクルとして働く。異なる寸法のコロイド粒子内に合体され
た薬と共に、上記の異なる寸法のコロイド粒子の混合物の使用により、持続する
薬遊離組成物を製造できる。異なる寸法の粒子の異なる処理および摂取割合は、
合体した薬のより持続する摂取割合を与える。合体した薬の特別の投薬量の経口
投与のため、この薬含有コロイド粒子を、たとえば個々の容器に包装できる。個
人は簡単に包装容器を開け、その内容物を飲み込み、薬含有コロイド粒子の経口
投与を達成する。
同様に、混合脂質−重炭酸塩または混合脂質−重炭酸塩−胆汁酸塩組成物は、
合体した薬なしで投与されるときは、カロリー、多不飽和脂肪及びコリン源とし
て役立つことができる。再び、個人は簡単に、混合脂質処方物の特別の量を有す
る容器の内容物を飲み込み、またはキャンデー/ウエファー棒または他の食品を
食べ、所望の組成物の経口投与を達成する。
成分薬をもつまたはもたない、混合脂質−滴定剤または混合脂質−滴定剤−界
面活性剤組成物を、個人の皮膚に局所的にまたは吸入により適用できる。上記適
用は、所望の目的の皮膚表面および(または)肺粘膜表面に対し、脂質および含
まれるときは薬の源を与える。
投与においては、本発明の組成物を、製薬的に許容される製剤で投与できる。
上記製剤は、塩、緩衝剤、防腐剤、適合性担体などの製薬的に許容される濃度を
含むことができる。
ここで使用する、本発明の混合脂質コロイド粒子を経て投与される生理活性剤
の有効量とは、所望の治療効果を生じるのに十分多い投薬量である。しかし、有
効量は、悪い副作用を引き起こすほど多い投薬量ではない。一般に、生理活性剤
の有効量は、患者の年齢、健康状態、体重、性、および処置される病気の程度に
より変化し、当業者が決定できる。その用量は、いずれの合併症の場合にも個々
の開業医により調整されるであろう。
本発明を発明を限定する意図のない以下の実施例により例示する。実施例1:脂質処方物のミクロン以下の寸法の粒子の形成
次の脂質、大豆リゾホスファチジルコリン(LPC)、18:1モノオレイン
モノグリセリド(MG)、18:1オレイン酸脂肪酸(FA)を混合し非水性脂
質混合物を得た。これらの脂質源は、LPCはAvanti Polar Lipids, 500lA Whi
tling Drive, Pelharm, AL 35124, MGおよびFAはNu-Chek-Prep, Inc., P.O.
Box 295, Elysian, MN 56028 であった。これら脂質成分のモル比は、LPC:
MG:FA 1:3:3であった。この非水性脂質混合物を、10-3乃至1mMの
LPC濃度で水に入れた。LPC:MG:FAのモル比は1:3:3であったか
ら、全脂質混合物モル濃度も、水性環境中で10-3乃至1mMの範囲であった。こ
の処方物を、プローブ音波処理(Cole-Parmer, 4710 Series, S&M 10 86 チップ
つき、全出力で1.25分)にかけた。この混合脂質処方物の表面張力(dyne/cm
)を、滴間時間の決定により測定した。この方法を使用して、この混合脂質処方
物の臨界ミセル濃度は約0.1mMであることが分かった(図1参照)。
プローブ音波処理後、水中1:3:3 LPC:MG:FA処方物のLPC(
およびまた全脂質混合物)の1.5mM濃度の粒度を測定した。Nicomp Analyzerま
たはBrookhaven Particle Sizer により粒度を測定した。最初のプローブ音波処
理後、粒度は約170nmであった。重炭酸ナトリウムNaHCO3を増加分で添加し、
音波処理を続け、粒度を監視した。重炭酸塩対脂質処方物(重炭酸塩:脂質)の
モル比が1.4:1に近づくと、粒度は約120nmに近づいた。重炭酸塩対脂質
モル比を7:1に増すと、粒度は約70nmに減少した。これらの重炭酸塩対脂質
モル比の間では、脂質処方物の中間寸法の粒子が観察された(図2参照)。重炭
酸塩対脂質モル比を更に増すと、粒度は著しく変化しなかった。
別の実験で、第1実験と同一源からの大豆リゾホスファチジルコリン(LPC
)、18:1モノオレインモノグリセリド(MG)、及び18:1オレイン酸脂
肪
(FA)を混合し、1:3:3 LPC:MG:FAモル比を有する非水性脂質
混合物をつくった。この非水性脂質混合物を、LPC(およびまた全脂質混合物
)モル濃度が約1.7mMとなるように水に入れた。この処方物を、プローブ音波
処理(Cole-Parmer音波処理器)またはMicrofluidizer(Model 110T、70psiで
2回パス)の作用によるせん断にかけた。せん断操作後、1:3:3処方物では
、粒度は約150nmであった。胆汁酸塩のタウロコール酸ナトリウムを徐々に添
加し、せん断を続けた。胆汁酸塩を加えたとき、粒度を監視した。胆汁酸塩が単
量体状態(すなわち約5mM未満)で、胆汁酸塩対混合脂質モル比が約5:1の間
は、粒度は約100nmに減少した。更に胆汁酸塩を添加すると、胆汁酸塩が主と
してミセル状態であり(すなわち約5mM以上)、胆汁酸塩対混合脂質モル比が約
9:1のときは、この処方物の粒度は約50nmに減少した。これらの胆汁酸塩対
混合脂質モル比の間では、脂質処方物の中間寸法の粒子が観察された(図3参照
)。
後者の処方物に、音波処理により重炭酸塩を添加すると、重炭酸塩対脂質モル
比が少なくとも7:1に増したとき、粒度は更に約10nm以下に減少した。胆汁
酸塩のタウロコール酸ナトリウムを、第2実験の処方物に、音波処理で添加する
と、胆汁酸塩対脂質モル比が10:1に増したき、すなわち胆汁酸塩がその臨界
ミセル濃度に達したとき(ミセル状態を獲得)、粒度は更に約10nm以下に減少
した。すなわち、重炭酸塩イオンおよび胆汁酸塩の両者が、脂質処方物の最小寸
法の粒子形成に対し最適濃度に達したとき、粒度は約10nm以下であった(図4
参照、1:3:3 LPC:MG:FA処方物において、LPCおよびまた全脂
質混合物の濃度は約2.7mMであった)。実施例2:コロイド粒子への薬の合体
製造の溶剤法を使用して、フェンレチンアミドを混合脂質LPC:MG:FA
(1:3:3モル比)と共に処方した。混合脂質(薬)処方物中のLPC(およ
びまた全脂質混合物)に関し、フェンレチンアミドのモル濃度は0.8であった
。この非水性混合脂質(薬)処方物を、LPC(およびまた全脂質混合物)濃度
が
約1.3mMとなるように、水性環境中に入れた。水性環境は、12.5mM濃度の重
炭酸塩[すなわち、重炭酸塩対(混合脂質中のLPC)のモル比は約10:1]
、またはそれぞれ12.5mM 濃度の重炭酸塩および胆汁酸塩(すなわち、混合脂
質中のLPC対重炭酸塩対胆汁酸塩モル比は1:10:10)を含んでいた。重
炭酸塩と共に、または重炭酸塩および胆汁酸塩と共に、この混合脂質(フェンレ
チンアミド)のコロイド粒子を、実施例1に記載の方法により作った。この薬は
、疎水性であり、混合脂質−重炭酸塩または混合脂質−重炭酸塩−胆汁酸塩処方
物の炭化水素領域に存在する傾向を有する。セファロース4Bカラムでのサイズ
排除クロマトグラフィーでは、薬は混合脂質−重炭酸塩または混合脂質−重炭酸
塩−胆汁酸塩粒子と会合して残った(図5参照)。粒子の存在しない遊離の薬は
、図5で“遊離薬”として示した領域で異なった溶離プロフィルをもって、カラ
ムから溶離した。混合脂質(薬)−重炭酸塩粒子に比較しより小さな寸法の混合
脂質(薬)−重炭酸塩−胆汁酸塩粒子は、サイズ排除カラムから溶離する前に、
より長く保持されることが分かる。
製造の溶剤法を使用して、ベンゾチアゼピンの一つ、ジルチアゼムを混合脂質
LPC:MG:FA(1:3:3モル比)と共に処方した。上記実験に記載の方
法により、重炭酸塩、または重炭酸塩および胆汁酸塩とのこの混合脂質(ジルチ
アゼム)処方物のコロイド粒子を作った。この薬は、疎水性であり、混合脂質−
重炭酸塩処方物の炭化水素領域に残る傾向を有する。セファロース4Bカラムで
のサイズ排除クロマトグラフィーでは、薬は混合脂質−重炭酸塩粒子および混合
脂質−重炭酸塩−胆汁酸塩粒子に会合して残った。粒子の存在しない遊離の薬は
、混合脂質−重炭酸塩粒子と会合した薬と比較して、異なった溶離プロフィルを
もって、カラムから溶離した(図6の薬Aおよび“遊離薬”参照)。
別の実験で、製造の溶剤法を使用して、ヒドロクロロチアジド(HCTZ)を
、混合脂質LPC:MG:FA(1:3:3モル比)と共に処方した。この薬は
、モノグリセリドおよび脂肪酸のように、それ自体可溶性ではない。しかし、重
炭
酸塩とこの混合脂質(HCTZ)処方物のコロイド粒子を、この実施例の最初の
実験に記載の方法により作った。セファロース4Bカラムでのこの混合脂質(H
CTZ)重炭酸塩粒子のサイズ排除クロマトグラフィーは、遊離HCTZとして
のHCTZの溶離プロフィルを示した。これは、HCTZは多分混合脂質−重炭
酸塩処方物の極性領域に存在し、重炭酸塩が存在するとき遊離薬になることを示
している。次に、先の実験の混合脂質(HCTZ)処方物および混合脂質(ジル
チアゼム)処方物を、それぞれの処方物約1:5重量比で混合した。このスーパ
ー混合物を、重炭酸塩水溶液または重炭酸塩−胆汁酸塩水溶液中で音波処理し、
得られた物質をセファロース4Bカラムからサイズ排除クロマトグラフフィーに
より溶離した。混合脂質(ジルチアゼム)−重炭酸塩コロイド粒子または混合脂
質(ジルチアゼム)−重炭酸塩−胆汁酸塩コロイド粒子(図6で薬A)および遊
離HCTZ(図6で薬B)が溶離した。これらの結果は、この混合脂質(薬)−
重炭酸塩コロイド粒子または混合脂質(薬)−重炭酸塩−胆汁酸塩コロイド粒子
の製造技術は、サイズ排除クロマトグラフィーと共に、GI管環境に対する混合
脂質−薬処方物の安定性を見積もることができる。実施例3:脂肪が不規則、共融マトリックス、及びコロイド粒子(コロイド共融 マトリックス)処方物の場合のヒトによる脂肪摂取の比較 処方物質
:
コロイド共融マトリックス、共融マトリックス、及びトリグリセリド対照処方
物に使用した基質は、大豆リゾホスファチジルコリンおよびC13−標識脂肪を
除き、食品等級の商業上入手できる成分であった。脂肪酸(EMERSOL 6313オレイ
ン酸およびEMERSON 6332ステアリン酸)は良好な等級(ニワトリ浮腫因子を含ま
ない)であり、Henkel Corporation Emery Groupから得られ、モノグリセリド(D
imodan OK およびDimodan LSK)は Grindsted Products, Inc. から得られ、マル
トデキストリン炭水化物(Maltin 500)はGrain Processing Corporation から
得られ、タンパク質(乳清加水分解生成物WPH 916 およびカルシウムカゼマ
ートALANATE 310)は New Zealand Milk Products, Inc. から得られ、トリグリ
セリド脂肪(トウモロコシ、ベニバナ及びラード)は地元食品店から得られた。
ビタミンおよびミネラル混合物はFortitech, Inc. により処方された。
大豆リゾホスファチジルコリン、タイプ4賦形剤は、Avanti Polar Lipids,In
c. から購入し、これはそのFDA Drug Master File #5916で、1987年11月
に製造された。13C−標識脂質:オレイン酸(1−C13、99%)およびトリ
オレイン(1,1,1−C13、99%)はCambridge Isotope Laboratoriesか
ら購入した。
共融マトリックス,コロイド粒子(コロイド共融マトリックス)、及びトリグ リセリド対照処方物
:
コロイド共融マトリックス処方物は、組織化した脂質とタンパク質、炭水化物
、ビタミン、及びミネラルとの共融マトリックスからなる。共融組織化脂質は、
安定なマトリックスであり、リゾホスファチジルコリン、モノグリセリド、及び
脂肪酸の略モル比1:3:3を有する。共融マトリックス脂肪の製造中、C13
−オレイン酸を先ず脂肪酸に加え、混合して均一にした。次いで、モノグリセリ
ドおよび大豆リゾホスファチジルコリンを加え、加熱して均一なC13−標識共
融マトリックス脂肪を得た。この脂肪を、二つの異なる方法でコロイド共融マト
リックス処方物に合体した。対照集団では、C13−標識共融マトリックス脂肪
を、先ずNaHCO3水溶液中で乳化し、更にタンパク質の水性懸濁液中で乳化し、凍
結乾燥して粉末混合物を作った。炭水化物、ビタミン、及びミネラルを粉末乾燥
状態で予備混合した。これらの二つの粉末予備混合物を、使用まで−20℃で貯
蔵した。そのとき、規定した量の両予備混合物を十分な氷および水と混合し、経
口投与用の“ミルクシェーキ”を作った。対照群は、この水性コロイド共融マト
リックス処方物は苦い味をもち、拒絶を招き、CF患者により拒絶されると報告
した。そこで、第2の処方物解決法をCF患者用に使用した。共融脂質マトリッ
クス自体苦い味をもたないが、水性炭水化物の存在下では嫌な苦い味を生じる。
従って、
コロイド共融脂質マトリックス(NaHCO3で乳化した共融マトリックス)を、先ず
等量の水と混合し、粉末塩化カルシウムおよびカルシウムカゼイナート予備混合
物と混合した。得られたコロイド共融マトリックスペーストを水/氷中で粉末乳
清、マルトリン、ビタミン、及びミネラル予備混合物と混合し、“ミルクシェー
キ”として消費した。組織化した脂質の物理的寸法は、共融マトリックス“ミル
クシェーキ”では、乳化した“ミルクシェーキ”中より大きいであろう。
C−13−標識オレイン酸の代わりにC−13標識トリオレインを使用した以
外は、後者の処方物と同様にして、トリグリセリド対照、コロイド共融マトリッ
クスおよび共融マトリックス処方物を製造した。
コロイド共融マトリックス、共融マトリックス、及びトリグリセリド対照処方
物から導かれる13CO2の自然存在率を決定するために、コロイド共融マトリッ
クス、共融マトリックス、及びトリグリセリド対照処方物を、C13−標識基質
なしでも製造した。
コロイド共融マトリックスおよびトリグリセリド対照処方物のカロリー分布は
同等であり、すなわち脂肪41%、炭水化物41%及びタンパク質18%であっ
た。主脂肪酸のプロフィルは殆ど同等であり、C18:2n6(リノール酸)約
0.5mmol/g、C18:1n9(オレイン酸)0.6mmol/g、C18:0(ステア
リン酸)0.2mmol/g、C16:0(パルミチン酸)0.4mmol/gを含んでいた。
それぞれ、コロイド共融マトリックスおよびトリグリセリド対照処方物において
不飽和脂肪酸対飽和脂肪酸のモル比は1.95および2.09であった。C13−
標識オレイン酸およびトリオレインの濃度は、処方物の13mg/gであった。処方
物を、体重2g/kgで、C13−標識基質26mg/kgで、及び脂肪酸2mmol/kgで投
与した。分析操作
:
呼吸試料中の13CO2質量分析法および時間当たりの用量%および曲線下の面
積(AUC)(用量%−時間)としての息を吐いた13CO2の計算は、Watkins
ら(Gastroent., 82: 911-917(1982))に記載されている。13CO2の分析は、Ca
mbridge Isotope Laboratoriesにより実施された。
コロイド共融マトリックスおよびトリグリセリド処方物の脂質成分中のアシル
脂肪酸の気液クロマトグラフィー分析は、G. Lepage ら(J. Lipid Res. 30: 14
83-1490(1989))の操作を使用した。患者および研究プロトコール
:
安定な健康(硬変、糖尿病、胎便イレウス、及び肝臓病を除き)、10-19 歳、
どちらかの性で、予め同意承諾を得た15人ののう胞性腺維症(CF)患者を、
その脂肪便の酷さ(パンクレアーゼピル/日10未満および10以上)に従い分
類化した。パンクレアーゼは、一夜断食および試験期間中消費されなかった。更
に、CF患者と同一規準を使用して、正常の脂肪吸収の5人の個人を選んだ。1
2時間にわたり共融マトリックス処方物を与えられた全対照個人および7人のC
F患者で、8時間にわたり呼吸捕集を行った。CF患者への投薬および正常者へ
は4日の間の2週間間隔で、各個人に対しばらばらの順序で、2種のC13−標
識処方物を投与した。研究はHuman Studies Committeesにより承諾され、全ての
個人および患者から書かれた許可が得られた。
全対照者は、コロイド共融マトリックス、共融マトリックス、及びトリグリセ
リド対照処方物物に対するプロトコールに従順であった。トリグリセリド処方物
を消費するのう胞性腺維症群において、患者16は研究から身を引き、患者19
はその正常のパンクレアーゼ補給物を消費し、患者18は分からない理由で異常
値(2SEM以上)であった。CF/共融マトリックス群では、患者7は研究か
ら身を引き、患者8は処方物の消費中嘔吐し、患者20は悪くなった共融マトリ
ックス製剤を与えられた。他のCF患者は、全て両処方物に従順であり、“ミル
クシェーキ”を好まない一般的合意があった。
結果および議論
対照およびのう胞性腺維症個人におけるC13−標識脂肪処方物の吸収を図7
および8に示す。簡単に言って、コロイド共融マトリックス(CEM)および共
融マトリックス(EM)脂肪は、対照およびCF患者の両者で単一吸収ピークを
示すが、CF患者では約3時間遅れた(図7)。この遅延でさえ、コロイド共融
マトリックスおよび共融マトリックス脂肪に対する曲線下の吸収面積(AUC)
は両群で同等であった。対照およびCF患者におけるトリグリセリド(TG)−
対照脂肪の吸収(図7および8)は、正常者および膵臓不全個人に対するWatkin
s らによる記載のものと匹敵した。CF患者は、トリグリセリド対照脂肪の最小
の消化と吸収に対比し、共融マトリックス脂肪組織化構造脂質を吸収したことは
容易に明らかである。統計的分析は、対照におけるTGおよびCF患者における
EMの両者に対し、CF患者におけるトリグリセリドの減少した吸収は著しく異
なる(p<0.001)ことを示した。これに対比し、対照およびCF患者の間
のコロイド共融マトリックスまたは共融マトリックス吸収および対照者における
トリグリセリドの吸収には、著しい差はなかった。
対照者に比較し、CF患者における共融マトリックス脂質の遅れた吸収は、C
Fの遅れた胃からの排出または共融マトリックス脂質の物理状態の差、すなわち
対照における乳化コロイド共融マトリックスまたは共融マトリックスおよびCF
における共融マトリックス(方法参照)から起こり得る。対照者#1は、CEM
およびTG処方物の両者に対し、48/96時間にわたり、予め呼吸分析を行っ
た。彼女は、長時間にわたり、共融マトリックス処方物としての脂質の評価に同
意した。これらのデータを図9に示す。処方物内の共融マトリックス脂質の物理
状態が、最大吸収の時間において重要因子であるが、容易に吸収できる脂質マト
リックスの全吸収においては重要ではないことが、容易に明らかである。
更なる研究において、5人の対照個人において、共融マトリックス(EM)ま
たはコロイド共融マトリックス(CEM)脂肪としての共融マトリックス脂質の
吸収を決定した。この研究の結果を図10および11にグラフで示す。一層小さ
な粒度(CEM)は一層大きな粒度(EM)より迅速に吸収されることが、容易
に分かる。これらの結果は、共融マトリックス脂質の物理状態が、脂肪の最大吸
収時間に影響を与えるが、吸収できる脂質マトリックスの全吸収には重大な影響
を与えないことを、さらに示している。
個々の対照者におけるTGおよびCEM処方物両者に対する吸収AUCを比較
すると、吸収は匹敵(R=1.0)することは明らかであった。CF患者におい
ては、トリグリセリド脂質の最小吸収(<1%AUC)があったとき、共融マト
リックス脂質の吸収はより低く(約14−15%AUC)、トリグリセリド脂質
の若干の吸収(2−5%AUC)があったとき、共融マトリックス脂質の吸収は
より大きかった(>20%AUC)。CFにおけるTGと共融マトリックスの吸
収の間にr=0.83およびp<0.02の相関が確立された。これは、容易に吸
収できる脂質の特性が、この新規脂質処方物の設計において重要な因子であるこ
とを示している。
この研究において、のう胞性腺維症患者は、正常者に比較し、摂取トリグリセ
リドを劣って吸収することが示された。AUC(用量%−6時間)およびピーク
用量%は、Watkins らによる報告に匹敵した。コロイド共融マトリックスまたは
共融マトリックス組織化脂質は、正常者およびのう胞性腺維症個人の両者におい
て良く吸収され、対照者では5−6時間に最大吸収を、CF患者では8時間に最
大吸収を示した。この差は、共融マトリックス脂質粒子の物理的寸法の差に関係
することが示され、すなわち小さな“乳化した”脂質処方物(CEM)は大きな
“ペースト”脂質処方物(EM)より一層早く吸収された。一層大きな“ペース
ト”脂質処方物の吸収におけるこの遅延は、対照者においても認められた。対照
者におけるトリグリセリドの吸収は、3−4および6−8時間に二つの吸収ピー
クを示した。対照者におけるトリグリセリドの吸収AUCは、対照者におけるコ
ロイド共融マトリックスに比較し、幾分(約5%)減少した。統計的には、対照
者およびCF患者の両者におけるコロイド共融マトリックスまたは共融マトリッ
クス組織化脂質の吸収、および対照者におけるトリグリセリド脂質の吸収は、匹
敵するが、のう胞性腺維症におけるトリグリセリド脂質の吸収は、CF患者にお
ける共融マトリックス組織化脂質の吸収に比較し、統計的に減少(p<0.01
)した。CF患者におけるトリグリセリドおよび共融マトリックス脂肪の吸収能
力は、正の相関があった(r=0.82、p<0.02)。CF患者により摂取さ
れた低い(<10)または高い(>10)パンクレアーゼの間には差はなかった
から、CF患者におけるEM組織化脂質の吸収は、脂肪便の酷さにより影響を受
けなかった。CF患者の性も因子ではなかった。
コロイド共融マトリックスまたは共融マトリックス組織化脂質は、容易に吸収
できる脂肪カロリーの送達のため、およびのう胞性腺維症患者および吸収不良ま
たは栄養不良をもった他の病状における必須脂肪酸および脂肪可溶ビタミンの欠
乏の防止および治療のため有用であると結論される。コロイド共融マトリックス
または共融マトリックス組織化脂質はまた、年上の妊娠した乳分泌女性、新生児
、完全非経口的栄養物摂取法患者、神経変性症、肝臓損傷または激しい自動運動
を伴う患者に、コリンを送達するのに有用である。
この予備的研究の臨床的暗示は相当なものである。CF患者における栄養不良
は、減少した呼吸衝動、害された肺筋機能、減少した自動運動耐性、変化した肺
免疫応答に関連していた。研究は、長期間(>1.0 年)の栄養リハビリテーショ
ンが、肺機能の一層遅い劣化の速度または特に患者が若いときは肺機能の改善を
生じることを示した。実施例4:コロイド粒子の皮膚適用
:
実施例1の混合脂質処方物を、更にカゼイン(脂質混合物中カゼイン1−2重
量%)または可視染料または蛍光染料と混合した。重炭酸塩との混合物のコロイ
ド粒子を、実施例1に記載の方法で製造した。このコロイド粒子を、皮膚に局所
的に塗った。この塗りの後、皮膚表面に残ったコロイド脂質は、望ましい触感、
たとえば柔らかさ、皮膚表面と水との反発湿潤性をあたえた。可視染料または蛍
光染料を含んだコロイド粒子は、洗剤により皮膚表面から可溶化した。対応
当業者は、日常的実験操作のみを使用して、ここに記載の本発明の特別の実施
態様と多くの等価のものを確認できる。上記発明は、以下の請求の範囲に含まれ
ることが意図されている。