JPH11509195A - 糖尿病の特徴を有する疾患の予防 - Google Patents

糖尿病の特徴を有する疾患の予防

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Abstract

(57)【要約】 実質的に低血糖効果のないインスリンおよびインスリン類縁体は、1型糖尿病に罹る危険のがある哺乳類において、その発症を予防または遅延させるために、またはその初期段階を改善するために用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 糖尿病の特徴を有する疾患の予防 〔発明の分野〕 本発明は、糖尿病の発症を遅延もしくは予防するため、またはその初期段階を 改善するための、低血糖症効果を伴わないインスリン様ポリペプチドの使用に関 する。 〔発明の背景〕 自己免疫疾患は、正常な自己組織に向けられた異常な免疫反応(免疫系の細胞 または抗体を含む)を特徴とするものである。自己免疫疾患は、世界中で極めて 多くの人々を苦しませている。 正常な免疫系は、バクテリアおよびウイルスのような極めて多様な外来侵入微 生物を認識し、破壊する能力を有している。注目すべきことに、正常な免疫系は 外来物質を自己から容易に区別することができることにより、宿主自身の細胞を 損傷することなく、環境から侵入可能な病原体に対して活発に反応することがで きる。 自己に対する免疫系の非反応性は、免疫学的寛容性と称されている。病理学的 状況においては、広範な自己物質に対する免疫学的寛容性が破壊されて、自己免 疫反応を生じる。自己免疫疾患においては、それが適切な性質で且つその重篤性 および持続性が十分であれば、自己に対する反応が生じる。細胞性免疫機構は、 インスリン依存性糖尿病(IDD)において主として関与すると信じられている 。 自己免疫疾患の罹り易さは、複数の遺伝子の不完全な作用を介して遺伝的に受 け継がれ得るものであるが、疾病をもたらす発病プロセスを誘起させるためには 、環境に由来する外来物質も必要とされ得ることが間接的証拠によって示唆され ている。これに対する一つの説明は、外来の誘導性化学物質による免疫感作が、 分子的類似性または化学的類似性を介して、自己に対する交差反応性応答を誘導 するということである。しかし、自己免疫プロセスが一旦開始されると、通常は 免疫系が遭遇することのない形の細胞内成分の放出を介して、他の自己抗原を含 む他の二次的な免疫事象が典型的に生じる。こうして、これら全ての事象が組み 合わさった結果として標的とされた器官は損傷され、標的とされた膨大な数の組 織細胞が除去されるに至るまで疾病プロセスが進行したときにのみ、臨床的に認 識される異常が現れることになる。 自己免疫疾患を抑制するために多くの基本指針(戦略)が用いられ、或いは提 案されてきたが、最も注目すべき薬剤は、例えばシクロホスファミド、シクロス ポリンA、メソトレキセート、およびアザチオプリンである。プレドニゾンおよ びメチルプレドニゾロンのようなステロイド化合物もまた、多くの症例で用いら れている。これらの薬剤は、細胞媒介性自己免疫疾患および抗体媒介性自己免疫 疾患の両者について、その長期に亘る有効性は限定されている。薬物の使用は、 その有毒な副作用(全般的な免疫抑制を含む)によって制限される。これらの薬 物を用いた長期に亘る治療は、病原性微生物に対する正常な防御的免疫反応を阻 害し、これによって感染の危険を増大させる。更なる欠点は、免疫を媒介とした 異所性細胞の排除が害されるため、長期に亘る包括的な免疫抑制を受けている患 者では、病気が悪化する危険が増大することである。 本発明はインスリン依存型(I型)の糖尿病に関するものであるから、以下に 糖尿病の詳細な背景について述べることとする。 インスリン依存型糖尿病 糖尿病(diabetes mellitus)は、膵臓ホルモンであるインスリンの相対的また は絶対的な不足のために血中グルコースレベルの上昇をもたらす疾患群からなっ ている。インスリンは、食物が摂取された時に血中に分泌され、吸収された栄養 素を体内に蓄積させる。糖尿病は主要な公衆衛生上の問題であり、最低でも5百 万人、多ければ1千万人のアメリカ人を冒している。最も重篤な形態のIDDの 罹患率は、アメリカ合衆国において300人に1人の割合である。 血中グルコースレベルの慢性的な上昇は、糖尿病における最も明白な代謝的影 響であり、血管に対する進行性の損傷に関連している。これは、心臓発作、卒中 、失明、末梢神経機能不全、および腎不全につながることもある。糖尿病関連合 併 症の頻度および重篤度はインスリン依存性の疾患において最も大きく、この場合 には、インスリンを分泌する膵臓ベータ細胞の免疫学的破壊が起きる。1日1〜 4回の注射によるインスリン補充が利用可能であるにもかかわらず、IDDにお いては、高い比率で不可逆性の合併症が起きる。 インスリンおよび他の膵臓ホルモンは公知であり、その特性が十分に調べられ ている。例えば、文献(Steiner et al.(1989),Chemistry and Bioxynthesis of Pancreatic Protein Hormones,in Endocrinology; DeGroot et al.,Eds., W.B.Saunders Company,p.1263-1289)を参照されたい。スタイナー等が記載し たように、インスリンのアミノ酸配列は、ヒト、サル、ブタおよびウシを含む多 くの種に亘って高度に保存されている。IDDは、IDDに罹患した患者の罹患 していない親族ならびに一般的な個体群から選ばれたヒトの両者において、予測 可能であることが証明されている。臨床的糖尿病に発展する疾病素因は、幾つか の異なった試験によって検出することができる。例えば、糖尿病に対する遺伝的 な罹り易さは、通常は末梢血液から得たDNAサンプルから、分子生物学的手段 を用いることによって決定することができるようになった。IDDに対する遺伝 的な罹患し易さに関与する一つの主要な遺伝子は、HLA−DQ遺伝子座に位置 する。現在では種々の危険性を同定することが可能であり、その範囲は本質的に 危険性ゼロから、当該ゲノタイプをもたな場合より70倍も高い危険性にまで変 化する。家族においては、病気に罹った遺伝的発端者と同じHLAハロタイプを 同定することによって、病気に罹っていない兄弟について4人に1人の遺伝的危 険を見積もることができる。 IDDを発症したばかりのヒトまたは発症途上にあるヒトは、彼等の血液中に 多くの疾患特異的自己抗体を有している。このような自己抗体には、膵島細胞抗 原(ICA)、即ち64kDaのベータ細胞特異的タンパク(今ではグルタミン 酸デカルボキシラーゼ(GAD65)の低分子同型体と信じられている)に対す る抗体、生来のインスリンおよびプロインスリンに対する抗体、並びにカルボキ シペプチダーゼHおよびhsp60科に属する熱衝撃タンパクのような多くの微 量な抗原決定基に対する抗体が含まれている。 糖尿病発端者の外見上罹患していない家族と同様に、未治療の新たに診断され たIDD患者にインスリン自己抗体(IAA)が観察された(Palmer et al.( 1983)Science 222,1337-1339)。インスリンに対する自己免疫は直接的にベー タ細胞を損傷をし、内因性インスリン作用を損ない、またはその両方の作用を起 こすのに対して、何人かの研究者は、IAAはランゲルハンス島細胞の破壊率を 反映して、単に自己免疫に支配された活動的なランゲルハンス島のレポーターの ように行動するという提案をした(Ziegler et al.(1989)Diabetes 38,1320-1 325; Valdi(1989)Diabetes Care 11,736-739)。 自然発症糖尿病の非肥満糖尿病ラット(NOD)およびBBラットは、ヒトI DDのための有用な動物モデルである。これらの動物の分析は一連の病因に対す る重要な洞察を与え、自己免疫過程の性格の理解に導くものである。以前のいく つかの研究所における研究は、毎日インスリンを皮下注射で大量投与する広範囲 な予防方法により、NODマウスおよびBBラットを単核白血球(インスリン炎 )による高血糖症とランゲルハンス島の浸潤の両方から保護することを立証した (Atkinson et al.(1990)Diabetes 39,933-937,Gotfredsen et al.(1985)Diab etologla 28,933-935)。 更に、インスリンの大量投与による予防処置は、急性糖尿病動物から非糖尿病 の動物へと脾臓リンパを養子移植したNODマウスおよびBBラットにおいて、 糖尿病を予防することが報告されている(Thivolet et al.(1991 Diabetologia 34,314-319)。 このような処置が代謝要求性の膵臓ベータ細胞を軽減し、ベータ細胞の休止状 態を導くのであろう。この静止状態は、細胞表面に生じる可能性がある自己抗体 として役立つことができるものを含む、膵島での多数の因子の発現減少と関係し ていると思われる(Aaen et al.(1990)Diabetes 39,697-701; Kampe et al.(1 989)Diabetes 38,1326-1328)。サイトカイン(Jacob et al.(1990)Proc.Nat l.Acad.Sci.USA87,968-972)もしくはアジュバンド(Sadelain et al.(199 0)Diabetes 39,583-589)での処置により引き起こされる非特異的免疫刺激ま たは環境中の微生物が、IDDを阻止する他の実験観察の記録と関連付け られている(Like et al.(1990)Diabetes 40,259-262)。IDDにおいてイン スリン自己免疫が病因となっていることを良く理解することは、明かに必要であ る。 自己免疫疾患を改善するために、抗原特異的免疫調節を誘導する試みが報告さ れた(Steinman,L.(1990)Mol.Biol.Med.7,333-339)。例えば、実験的ア レルギー脳脊髄炎(EAE)の抗原特異的抑制を誘導するために、多様な方法が 採用された(PCT publication WO 91/15225)。最近、いくつかの新規な免疫学 的アプローチが、マウスおよびラットにおけるEAEや、MRL/lprマウス におけるルーパス腎炎の様な自己免疫疾患に対して試みられた。その多くは、E AEにおけるvβアイソタイプ抑制が示されているエフェクターCD4+Tセル の機能を阻止することに向けられている。これらのアプローチには、抗TCR抗 体(Archa-Orbea et al.,supra)、合成TCRペプチド(Offner et al.(1991 )Science 251,430-432)およびスーパー抗原処置(Kim et al.(1991)J.Exp.Med .174,1431-1437)の使用が含まれている。腸または肺への抗原の投与の免疫寛 容性効果も記述されている(Silvermanm et al.(1983)J.Immunol.131,2651 -2661; Peng et al.(1990)Clin.Exp.Immunol.81,510-515; Michael(198 9)Immune Invest.18,1049-1054; Kitamura et al.(1987)J.Immunol.139 ,3251-3259; Michalek et al.(1982)J.Immuno.128,1992-1998; Mowat et al.(1986)Immunol.58,677-683; PCT publications WO 91/12816,WO 91/0 1333; WO 92/06704)。文献(Nagler-Anderson et al.(1986) Proc.Natl.Ac ad.Sci.USA 83,7443-7446)には、コラーゲン誘導関節炎マウスモデルにおい て、可溶性タイプIIコラーゲンの経口投与による関節炎の抑制が記載されている 。自己免疫疾患のいくつかの実験的マウスモデルにおいて、この能力の欠乏が報 告されている(Gesualdo et al.(1990)J.Immunol.145,3684-3691; Miller e t al.(1984)Clin.Immunol.Immunopathol,31,231-240)。 Zhang等はNODマウスにおいて、経口インシュリンの非常に大量な投与に反 応する糖尿病の頻度が減少することを観察し(Zhang et al.(1991)Proc.Nat l.Acad.Sci.USA 88,10252-10256)、さらに同時移植研究において、イン スリン投与NODマウスから得た脾臓細胞が、未処置の糖尿病マウスから放射線 照射された受容者への脾臓細胞の移植による糖尿病の養子移植を阻止したことを 示した。 反対に、自然発症性または誘導性の糖尿病プローンBBラットへのインスリン の経口投与は、糖尿病に対する何等の防御も提供するものではないことが報告さ れた(Mordes et al.,1995,The New York Academy of Science,″Oral Toler ance: Mechanism and Application″)。 Muir 等(PCT publication WO 94/23737)は、NODマウスの実験において、 ヒトインスリンまたは強力な免疫刺激アジュバンドと共にヒトインスリンのB鎖 を投与することは、糖尿病に対する小さいが有効な防御を与えることを報告した 。この防御は、糖尿病性脾臓細胞を共注入された放射線照射NODマウスに対し て養子移植することができ、膵島の浸潤病巣におけるガンマーインターフェロン の発現減少と関係している。 NODマウスにおいても、インスリンまたはそのB鎖フラグメントを鼻腔投与 すると、NODマウスの自然発症糖尿病を防御し、或いは上記で述べたインスリ ンB鎖フラグメントに含まれるアミノ酸配列に対して反応性の糖尿病誘発性NO D・T細胞クローンを有する非糖尿病NODマウスに養子移植移植された糖尿病 を防御することが報告されている(Wegman et al.(1995)The New York Academy of Science,″Oral Tolerance: Mechanism and Application″)。 糖尿病の防御におけるさらにもう一つのインスリンの使用例では、NODマウ スにインスリンを一回皮下注射すると、未処置の動物と比べて糖尿病の発生率が 減少したことが報告されている。 上記の臨床的糖尿病の発生を防ぐためのインスリンの使用例は、すべてIDD の動物モデルすなわちNODマウスとBBラットで行われたが、ヒトのIDDの 場合にも同様な現象が生じる証拠が増加している。例えば、家族歴と免疫マーカ ーに基づいてIDD発現の危険性が高い人達は、非糖尿病状態においてインスリ ンの皮下注射を毎日受けていると、比較的高危険性がある未治療の人たちよりも IDDの発症が少ない。現在米国とヨーロッパにおいて、糖尿病の危険性がある 非糖尿病者に対する予防的インスリン治療が、引き続いて生じるIDDの発現を 防御できるかどうかを正式に証明するために、大規模な臨床研究が行われている 。 糖尿病を防御するためにインスリンの効果がどの様に働いているのかというメ カニズムは、正確には知られてないが、上述したインスリンの予防的使用例の場 合と共通の刊行物が2つある。その一つは、ほとんどの場合においてホルモン的 に活性なインスリンが、一定または一時的な低血糖症を起こすのに充分な投与量 で使用されている。事実、動物実験で使用された投与量では、しばしば高頻度で 低血糖症による死亡を招き、ヒトへの投与量は低血糖症の兆候がたびたび予期さ れるほど多量であった。 その他の通常の発行物は、インスリン(例えばインスリンB鎖フラグメントの 鼻腔への投与)の非ホルモン的かつ免疫的な防御的機構は、遺伝的に均一な動物 種の使用を前提にしているという事実を記載している。抗原の刺激に対する免疫 応答は、免疫感作または免疫寛容を生じる性質にかかわらず、問題のタンパク抗 原ペプチドフラグメントのT細胞への提示を経て生じる。このペプチドは、細胞 のレセプターであるMHC(主要組織適合性)分子に対して提示される。MHC 分子は極端に多型性で、二つの分子クラスが存在し、クラスIとクラスIIおよび それぞれのクラス内のいくつかの座が存在する。例えば、ヒトにおけるHLAク ラスI(A、BおよびC座)およびHLAクラスII(DR、DQおよびDP座) 、並びにそれぞれの座内に多量の多型性対立遺伝子が存在する。同一の抗原から ですら、異なるMHC分子はT細胞に対して異なるペプチドを提示する。結局、 T細胞応答を得るためには、与えられた抗原(例えば、異系交配のインスリン、 ヒトのようなMHC多型性集合、完全抗原の投与)に対して免疫原性または免疫 寛容性であり、或いは少なくともその大部分は、処置されたすべてまたはほとん どの個体の望ましい応答を得ることが必要とされているようである。 本願発明によれば、低血糖症効果を伴わないインスリン様ポリペプチドが、糖 尿病の発現を予防するために使用される。インスリンは、インスリンの変化を最 小にする不連続な特異的欠失またはアミノ酸置換によって、或いは内因性の分子 フラグメントとして、ホルモン的に不活性にされる。本願発明は、重大な疾病が 発現する一定の危険性があるにもかかわらず、臨床的には健康なヒトに対して、 疾病特異的抗原であるインスリンを使用して、そのヒトがホルモン的に活性なイ ンスリンの二次的な作用として起こる可能がある重大な副作用である低血糖症お よび有糸分裂促進にさらされることなく、治療されることを可能にするものであ る。本願発明の一実施例においては、アミノ酸をB25の位置に一つのアミノ酸 置換(ホルモン的に0.1%以下の活性しか分子に与えない)を有するヒトイン スリンの皮下注射を毎日行うことにより、NODマウスにおいて、等モルのヒト インスリンの投与と同等に糖尿病を防御するが、インスリンの副作用(すなわち 、低血糖による約50%の死亡)は生じない。 〔発明の概要〕 一つの側面において、本願発明は、1型糖尿病の発症の危険性をもった哺乳類 (特にヒト)における該糖尿病の発生を予防もしくは遅延させ、または早期に改 善するための、特異的欠失および/またはアミノ酸置換によるホルモン的に不活 性化されたインスリン分子に関する。 他の側面において、本願発明は哺乳類(特にヒト)の1型糖尿病の発生の予防 もしくは遅延または早期の改善のための、哺乳類(特にヒト)に対してホルモン 的に不活性な天然に存在するインスリンに関する。 さらなる側面において、本願発明は、ホルモン的に不活性なインスリンからな る薬学的組成物に関する。 さらに別の側面において、本願発明は、1型糖尿病の特徴を有する疾患を発祥 する危険性のある哺乳類、特にヒトにおいて、当該疾患の発生を阻止または遅延 させ、またはその初期段階を改善する薬学的組成物を生産するための、ホルモン 的に不活性なインスリンの使用に関する。 当該記載において使われたように、「ホルモン的に活性なインスリン」という 表現は、哺乳類(特にヒト)の明かな1型糖尿病の処置において有用にする可能 性のある、生物活性(低血糖症効果)をもった天然に存在するインスリンまたは インスリン類縁体をいう。 当該記載において使われたように、「ホルモン的に不活性なインスリン」とい う表現は、活性が低いので哺乳類(特にヒト)の明かな1型糖尿病の治療におい て有効であるとはみなされない生物活性(低血糖症効果)をもった、天然に存在 するインスリンまたはインスリン類縁体を示す。本願発明によれば、このような ホルモン的に不活性なインスリンは、文献(Volund et al.(1991)Diabetic M edicine 8,839-847; Moody et al.(1974)Horm.Metab.Res.6,12-16; Volu nd(1978)Biometrics 34,357-365)に記載されたマウス無脂肪細胞分析か、ま たは文献(Andersen et al.(1992)J.Biol.Chem.267,13681-13686)に記載さ れたレセプター結合分析で試験したときに、ヒトインスリンが示す活性の7%以 下、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下、さらにより好ましくは0. 1%以下のin vitroの活性を有する。 本明細書において、複数のまたは一般的な意味においてインスリンという用語 が使われたときは、特にことわらない限り、天然に存在するインスリンおよびイ ンスリン類縁体を包含することを意味している。ここで使われているインスリン 類縁体という用語は、CysA7とCysB7の間およびCysA20とCysB19の間 のジスルフィッドブリッジ、並びにほとんどの場合はCysA6とCysA11の間 の内部ジスルフィッドブリッジをも含むヒトインスリンの分子構造と同じ分子構 造もったポリペプチドを意味する。ホルモン的に不活性なインスリンは、正式に は適度な数のアミノ酸残基の欠失および/または置換により、ヒトインスリンか ら誘導される。表1のインスリン類縁体において、欠失と置換の数の合計は7以 下である。 好ましい一態様において、本発明のインスリン類縁体には欠失がなく、二つの 置換のみが含まれている。 他の好ましい態様において、本発明のインスリン類縁体には欠失がなく、一つ の置換のみが含まれている。 今回の例で特に例示しているのは、IDDの発現を効果的に防御するための、 ヒトインスリン類縁体であるAspB25ヒトインスリンの使用である。ここで明 らかにしたホルモン的に不活性なインスリンは、治療を受けているヒトに対し、 インスリン療法による副作用を与えることなしに、膵臓のインスリン分泌細胞の 破壊を起こす自己免疫反応を効果的に停止させ、または免疫的に無効にする。 本発明の組成物による治療は、毎日のインスリン治療の必要性、血中グルコー スを繰り返し監視する必要性、およびインスリン補充治療を受けているIDDの 全ての患者に負荷されている食事と運動の制限を不要にする。さらに最も重要な ことは、明白な糖尿病および高血糖症の持続および重篤性に直接寄与するIDD の合併症が阻止されることであろう。その治療から最も利益を得ると思われる対 象は、特異的自己抗体分析、例えば、GAD55自己抗体により測定された高度に 予見的なプロフィールを有することが発見された対象と同様、HLAおよび/ま たは他の遺伝子型研究により測定された危険性の5倍以上の危険性のような、高 度な遺伝的危険性プロフィールを有してる対象であろう。 〔図面の簡単な説明〕 添付の図面を参照して、本発明をさらに説明する。図において、 図1は、血中グルコースレベルに対する、緩衝液、AspB25ヒトインスリン (コード:X38)の種々の投与量、およびヒトインスリンの種々の投与量を毎 日注射した場合のそれぞれの効果を示しており; 図2は、NODマウスの糖尿病に対する、ヒトインスリン、AspB25ヒトイ ンスリン(コード:X38)および緩衝液の皮下投与の効果を示すグラフであり ; 図3は、NODマウスの生存に対する、ヒトインスリン、AspB25ヒトイン スリン(コード:X38)および緩衝液の皮下投与の効果を示すグラフであり; 図4は、NODマウスの糖尿病の初期段階におけるインスリン、AspB25ヒ トインスリン(コード:X38)および緩衝液の皮下投与の効果を示すグラフで あり;および 図5、はNODマウスの血中グルコースレベルに対する、インスリンまたは緩 衝液の経口投与の効果を示すグラフである。 〔発明の詳細な説明〕 本発明は、インスリン固有の副作用、並びに重篤な副作用を伴った一般化され た免疫抑制状態を含まないで、ベータ細胞の破壊的免疫応答を選択的に阻害する 新しい臨床的に重要な免疫調節治療における使用に独特に適合したインスリン組 成物に関する。本発明のインスリン組成物の使用は、糖尿病の予防的、干渉的ま たは改善的治療の発展における重要な進歩を示す。 本発明のもう一つの臨床的に目立った特徴は、IDDの臨床的兆候が現れる前 のインスリンの使用である。明らかに、インスリンの代謝的活性のからすれば、 膵臓ランゲルハンス島細胞の破壊およびインスリン欠乏の臨床的証拠がある場合 を除き、インスリンを投与することは普通ではない。しかし、本発明によれば、 修飾されたインスリンまたはそのフラグメントは、何等かの兆候が現れる前に投 与されるのが最良である。 インスリンの生物活性(低血糖症効果)の分析法は公知であり、全細胞または 溶解性レセプターを使用するレセプター結合分析、マウス無脂肪細胞分析、正常 血糖値ブタクランプ(euglycaemic pig clammp)分析、静脈うさぎ血中グルコー ス分析、および皮下マウス血液グルコース分析がまれる(Volund et al.(1990 )Diabetic Medicine,8,839-847,Brange et al.(1990)Diabetes Care 13 ,923-954,Drejer(1992)Diabetes/Metabolism Reviews 8,259-286)。 好ましい具体例において、本発明のインスリン類縁体は、表1に掲げられたイ ンスリン類縁体から選択される。表1に記載の生物活性は、レセプター結合また はリポゲネシス分析を用い、ヒトインスリン(=1.00)と比較した比活性で 示されている。 本願発明のインスリン類縁体は、本質的に公知の方法により調製される。例え ば文献を参照されたい(Marki et al.(1979)Hoppe-Seyler's Z.Physiol.Chem . 360,1619-1632; Kitagawa et al.(1984)Biochemistry 23,4444-4448; Sc hwartz et al.(1987)Biochemistry 17,4550-4556; Nakagawa et al.(1991 )J.Biol.Chem.266,11502-11509; Schwartz et al.(1981)Int.J.Pept.Prote in Res.17,243-255; Hu et al.(1993)Biochemistry 32,2631-2635; Nakag awa et al.(1986)J.Biol.Chem.261,7332-7341; およびRiemen et al.(19 83)Biochemistry 22,1507-1515)。 薬学的組成物 本願発明によるインスリン類縁体を含んだ薬学的組成物が、このような治療を 必要としているヒトに対して、経口的または非経口的に投与される。非経口投与 は注射器、任意にはペン型注射器により、皮下、筋肉または静脈注射により行わ れる。あるいは、非経口投与は注入ポンプまたは針無し注射器装置により行われ る。さらなるオプションは、鼻スプレーの形態で、インスリン類縁体を含む粉末 または液体の組成物を投与することである。さらに別のオプションとして、イン スリン類縁体を経皮的に投与することも可能である。 本願発明のインスリン類縁体を含む薬学的組成物は、例えば文献(Remington' s Pharmaceutical Sciences(1985))に記載されているような簡単な方法で調 製される。 このように、発明のインスリン類縁体の注射用組成物は、望ましい最終製品を 提供するために適切なものとして、成分の溶解や混合法を含み、製薬産業で用い られている簡便な方法で調製できる。 一つの方法に従えば、インスリンは、調製される組成物の最終体積よりもやや 少ない体積の水に溶解される。等張剤、保存料、緩衝液および任意の他の補助剤 が必要により添加され、また必要であれば、酸(例えば塩酸)または塩基(例え ば水酸化ナトリウム)水溶液を用いて溶液のpH値が必要とされる値に調節され る。最後に、望ましい成分濃度になるように、水を用いて溶液の体積が調節され る。 等張剤の例は、塩化ナトリウム、マンニトールおよびグリセロールである。 保存料の例は、フェノール、m−クレゾール、メチルp−ハイドロキシベンゾ アートおよびベンジルアルコールである。 適切な緩衝液の例は、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムおよびリン酸ナト リウムである。上述の補助剤のあるものは、組成物の安定性を改善するためにも 添加される。典型的には、本発明のインスリン類縁体は、インスリンモノマー当 り約0.25から約0.75の亜鉛イオンを含む亜鉛複合体の形の組成物中に存在する。 このような複合物は、さらにフェノールおよび/またはm−クレゾールを含んで いてもよい。 本願発明の好ましい側面に従えば、本発明の印巣鈴類縁体の六量体化合物を含 んだ、当該発明のインスリン類縁体の溶液状の薬学的組成物が提供される。典型 的には、この六量体化合物は、ヘキサマー当り2個以上の亜鉛イオン、および3 個以上のフェノールまたはm−クレゾールまたはその混合物のようなフェノール 性化合物分子により安定化される。 インスリン類縁体の鼻腔投与組成物は、例えばヨーロッパ特許第272097号(No vo Nordisk A/Sに対して付与された)に記載されているようにして調製される。 本発明のインスリン類縁体は、糖尿病の予防に使われる。使用に適したインス リン類縁体と患者に対する適切な投与レベルは、採用される特異的インスリン類 縁体の効力、患者の年齢、体重、身体活動量、および食事を含む多様なファクタ ー、および他の薬との組み合せの可能性に依存するであろう。本発明のインスリ ン類縁体の投与量は、個々の患者について当業者が決定することが推奨される。 以下の実施例により本発明をさらに例示するが、これらの実施例は如何なる意 味でも請求の範囲に記載された本発明の保護範囲を限定するように解釈されるべ きではない。前述の記載と以下の実施例において開示された特徴は、それぞれ別 々 に、またそれらを組み合わせた両方の形態において、本発明を理解するために重 要である。 〔実施例〕 インスリンの単位は、26U=1mgの関係式を用いてmgに変換された。 実施例1 NODマウスに対するAspB25ヒトインスリンの毎日投与による、血液グル コースレベルに対する効果 各群5匹づつの9週齢雌NODマウス(Bommice,Bomholtgard,Ry,Denmark より入手)に対して、1週7日、毎日、26日間、緩衝液、ヒトインスリン(3. 8mg/体重Kgまたは0.6mg/Kg)またはAspB25ヒトインスリン(コー ド:X38)(17.3mg/kg、5.8mg/kgまたは0.6mg/kg)を皮下注 射した。7日めの午前7時に最初の血中グルコース値が測定され、注射が7時4 5分に行われ、さらに血中グルコース値の測定が6時間後に行われた。その結果 は図1に要約されており、X38を極端に大量投与しても血中グルコースレベル に影響しないことが明確に示されている。対照的に、インスリン(0.6mg/k g)は顕著な低血糖症効果を示す。さらに、インスリン(3.8mg/kg)を投 与された動物の5匹中4匹は投与後3〜5日に低血糖症で死亡し、5匹目の動物 は7日目に低血糖症の兆候を呈したために解剖された。X38で処置されたマウ スは、何れも26日間の観察期間中、極端な大量投与のものさえ死なず、低血糖 症も示さなかった。 実施例2 NODマウスに対するAspB25ヒトインスリンの毎日投与による予防効果 4週齢、雌NOD(非肥満糖尿病)マウスを、Bommice(Bomholtgard,R y,Denmark)から入手した。実験は以下に述べる3グループ夫々が、計30匹 づつの動物で開始した。5週齢から、動物にヒトインスリン(Protaphane(商品 名)、Novo Nordisk A/S,Denmark)の0.15mg/ml製剤を0.77mg/体重k g、AspB25ヒトインスリン(code:X38)の0.15mg/ml製剤を0.7 7mg/体重kg、またはProtaphane(商品名)を希釈するのに使用する同量の 緩衝液を週7日毎日注射した。この処置をマウスが32週齢になるまで続け、そ こで処置を止めて、マウスが40週齢になるまで観察した。マウスが10週齢に なった初めに、糖尿試験紙(Tes-Tape,Lilly,Indianapolis,IN)を用い尿中 のグルコースの存在を毎週検査した。動物がグルコース尿試験でプラスになると 、血液サンプルを採取して、血中グルコースをグルコース分析機で測定した。血 中グルコースが15mmol/l以上ならば、動物は糖尿病になっているものと して解剖した。 図2に示されているように、高比率の緩衝液処置動物が、親の雌NODマウス コロニーで観察され且つ文献にも報告されているのと同様の発生率および年齢で 、糖尿病を発生した。既に報告されているように(Atkinson et al.(1990)Di abetes 39,933-937,Gotfredsen et al.(1985)Diabetologia 28,933-935)、 5週齢からの毎日のインスリンの投与による処置によって、31週齢における糖 尿病の発生を有意に減少した(p<0.05)。処置の停止は糖尿病の発生を急 には上昇させず、40週齢なっても、糖尿病の発生は緩衝液で処置された動物よ りも有意(p<0.05)に低かった。驚くべきことに、X38を毎日注射する ことにより、インスリンと同程度または更に高度に糖尿病の発現を阻止した。こ のように、26週の処置後の31週齢においては、X38処置動物の糖尿病の発 生は、緩衝液処置動物よりも非常に有意(p<0.01)に低下したが、インス リン処置群と異なることはなかった。処置終了後には1症例のみに糖尿病が発生 したから、40週齢のX38処置動物の糖尿病の発生は、緩衝液処置グループよ りも未だ極めて有意に低かった(p<0.01)。これらNODマウスの糖尿病 発生時における血中グルコース値は、典型的には20mmol/l以上である。 実験の終了時に非糖尿病動物の血中グルコース値が測定され、すべてが7〜10 mmol/lの範囲であった(データは示してない)。処置期間中に3度だけ処 置 を1日中断し、インスリン、X38または緩衝液の最後の注射後48時間目の血 中グルコース値が定量された。以前非糖尿病であった動物は、一時的な処置の中 断の後も糖尿病にはならなかった。このように、今回の処置は単に高血糖症をマ スキングするだけのものではない。 以前の研究(Atkinson et al.(1990)Diabetes 39,933-937)によって、予 防的なインスリン皮下注射が有効であるためには、致死量に達しない範囲での大 量投与が必要であることが示されている。この観察が確かであることは、図3に おいて、インスリン処置したマウスの50%が処置期間中に低血糖症で死んでい ることから明かである。これとは対照的に、X38は、インスリンと同じように 糖尿病の発現を抑えるために与えた場合にも、わずか1匹の動物しか死亡しなか った。これは緩衝液処置群の結果と統計的に異ならなかった。 これらの結果は、ホルモン的に不活性なインスリン類縁体を使用して、インス リンの処置の場合に生じる逆効果(継続的低血糖症)が起こることなしに、糖尿 病を防ぐことができることを示してる。 実施例3 NODマウスの初期糖尿病状態における、AspB25ヒトインスリンの予防的 毎日投与の糖尿病に対する効果 4〜5週齢の雌NODマウス(非肥満糖尿病)を、Jackson Laboratory(BarH arbour,ME)より入手した。実験は開示時には、以下に述べる3群の夫々にお いて、計20匹ずつの動物が存在した。10週齢、即ち、ランゲルハンス島の細 胞浸潤およびベータ細胞の破壊開始についての明瞭なサインがある週齢で、且つ その週齢までに一定比率の動物において血中グルコースレベルが糖尿病発症前の 高血糖症濃度に達しているような週齢から、これら動物に対して週7日間毎日、 ヒトインスリン(Protaphane(商品名)、Novo Nordisk A/S,Denmark)の0.15m g/ml製剤を、0.77mg/体重kg、AspB25ヒトインスリン(コード:X 38)の0.15mg/ml製剤を0.77mg/体重kg、またはProtaphane(商品名)インス リンを希釈するために使用する等量の緩衝液を注射した。その処置はマウスが37 週齢になるまで続け、その週齢で処置を終了した。マウスの観察は39週齢になる まで続けた。マウスが10週齢になった最初のときから、糖尿試験紙(Tes-Tape,Li lly,Indianapolis,IN)を用いて、尿中のグルコースの存在を毎週検査した。動物が糖 尿試験で陽性になったら、血液サンプルを採取し、グルコース分析機を用いて血 中グルコースを測定した。血液グルコースが15mmol/l以上であれば糖尿 病と判断し、動物を解剖した。 図4に示したように、緩衝液処置した動物の糖尿病の発現は、しばしば同じコ ロニーから得たその他の雌NODマウスと同じ頻度の、高い比率で発現した。1 0週齢から毎日始めたインスリン処置は、緩衝液処置および無処置動物と比較し て、糖尿病の頻度を減少した。この効果は15週齢から明らかになり、実験が終 了するまで続いた。驚くことにX38の毎日の注射は、糖尿病の頻度をインスリ ンと同じように減少、またはインスリンよりも高効率で同じ週齢間隔において減 少した。処置終了後、インスリンまたはX38処置群のマウスに糖尿病は発生し なかった。これらNODマウスの糖尿病発生時における典型的な血中グルコース 値は、20mmol/l以上であった。実験終了時に非糖尿病動物の血中グルコ ース値を測定したが、すべてが7〜10mmol/lの範囲であった(データは 示されてない)。処置期間中に3回、処置が1日中断され、インスリン、X38 または緩衝液を最後に注射した48時間後の血中グルコース値を測定した。一時 的な処置の中断の後、以前非糖尿病であった動物は糖尿病に変化しなかった。従 って、今回の処置は高血糖症を単にマスキングするものではない。 インスリン処置したマウス群の15%が、処置期間中に低血糖症で死亡した。 これとは対照的に、X38は、糖尿病の発現に対してインスリンと同様の防御を したにもかかわらず、X38で処置した動物は1匹も死亡しなかった。緩衝液で 処置された動物は観察期間中に死亡しなかった。 実施例4 NODマウスの血中グルコースレベルに対する、AspB25ヒトインスリン経 口投与の効果 NODマウスに対するインスリンの経口投与は、糖尿病を阻止するが血中グル コースレベルには何等影響せず、それ故消化管の環境において、直接的なマイト ジェン効果はないことが報告されている(WO 92/06704)。5週齢の10匹のC 57/BLマウス(Bommice,Bomholtgard,Ry,Denmarkより入手)の群に、緩衝液 、ヒトインスリン1mgまたはヒトインスリン10mgを週2回、5週間投与し た。この処置から4週間後に、非絶食動物の血中グルコースレベルに対する効果 を分析した。最初に、コントロールの血中グルコースレベルを測定するために、 血液サンプルを採取した。15〜30分後に、動物に強制的に餌を与え、その1 5、60および180分後に血中グルコースレベルを測定した。図5は、1mg のインスリンを投与した後に、血中グルコースレベルは直ちにかなりの減少を生 じるが、60分後の血中グルコースレベルは緩衝液処置動物のそれと同じであっ たことを明瞭に示している。より高いインスリン投与量、即ちインスリン10m gの投与の飼育では更に大きな減少を生じ、これは実験期間中続いた。これらの データは2つの重要な点を明らかにしている。即ち、1)インスリンの経口投与 は、防御的処置として望ましくなく、それ自身が危険ファクターとして公知であ る深い低血糖症効果を有する。2)低血糖症応答起こさせるために充分なインス リンが消化管内に存在するという事実は、高濃度の完全なインスリンが消化管に 存在することを証明している。インスリンは公知の成長因子であり、直接的なマ イトジェン効果を有する。消化管腔内に高濃度の完全なインスリンを有していて 、消化管上皮がその効果に直接さらされることの結果は知られていないが、これ は非常に厳しいものであろう。 実施例5 600nmol/mlのAspB25ヒトインスリン、インスリンモノマー当り0.5 の亜鉛イオン、16mM m−クレゾール、1.6%のグリセロール、23mM塩 化ナトリウムおよび7mMリン酸ナトリウム溶液からなる薬学的組成物 1.2μmolのAspB25ヒトインスリンを水に溶解し(0.5ml)、30μl の0.2M塩酸を添加しpHを2.5〜3.0にし、60μlの0.01M酢酸亜鉛を加える 。その溶液にさらに100μlの0.32Mフェノール、200μlの0.16Mm−ク レゾール、400μlの8%グリセロール、67μlの0.6M塩化ナトリウムを添加 し、溶液のpH値を0.2M水酸化ナトリウムを添加して7.5に調整する。最後に14 0μlの0.1Mリン酸ナトリウム(pH7.5)を添加し、水を用いて容積を2ml に調節する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.1型糖尿病の特徴を有する疾患に罹患する危険がある哺乳類において、該 疾患の発生を予防もしくは遅延させ、またはその初期症状を改善する方法であっ て、前記哺乳類に対して、ホルモン的に不活性なインスリンもしくはインスリン 類縁体の有効量を投与することを具備した方法。 2.請求項1に記載の方法であって、前記哺乳類がヒトである方法。 3.請求項1に記載の方法であって、前記インスリンまたはインスリン類縁体 のin vitro活性がヒトインスリンの活性の7%未満である方法。 4.請求項1に記載の方法であって、前記インスリン類縁体が、 desA1ヒトインスリン; des(A1−A2)ヒトインスリン; des(A1−A3)ヒトインスリン; desA21ヒトインスリン; des(B1−B5)ヒトインスリン; des(B1−B6)ヒトインスリン; des(B23−B30)ヒトインスリン; des(B24−B30)ヒトインスリン; des(B25−B30)ヒトインスリン; GlyA2ヒトインスリン; AlaA2ヒトインスリン; NleA2ヒトインスリン; ThrA2ヒトインスリン; ProA2ヒトインスリン; D−allo IleA2ヒトインスリン; NvaA3ヒトインスリン; NleA3ヒトインスリン; LeuA3ヒトインスリン; ValA2,IleA3ヒトインスリン; AbuA2,AbuA3ヒトインスリン; GlyA2,GlyA3ヒトインスリン; D−CysA6ヒトインスリン; D−CysA6,D−CysA11ヒトインスリン; SerA6,SerA11,des(A8−A10)ヒトインスリン; D−CysA7ヒトインスリン; D−CysA11ヒトインスリン; LeuA19ヒトインスリン; GlyB6ヒトインスリン; GluB12ヒトインスリン; AsnB12ヒトインスリン; PheB12ヒトインスリン; D−AlaB12ヒトインスリン;および AspB25ヒトインスリン からなる群から選択される方法。 5.請求項4に記載の方法であって、前記インスリン類縁体がAspB25ヒト インスリンである方法。 6.1型糖尿病の特徴を有する疾患に罹患する危険がある哺乳類において、該 疾患の発生を予防もしくは遅延させ、またはその初期症状を改善するための薬学 的組成物であって、請求項1および2〜5にのいずれか1項に従うホルモン的に 不活性なインスリンまたはインスリン類縁体の有効量を含有する薬学的組成物。 7.1型糖尿病の特徴を有する疾患に罹患する危険がある哺乳類において、該 疾患の発症を予防もしくは遅延させ、またはその初期症状を改善する薬学的組成 物を製造するための、請求項1および2から5の何れか1項に記載のインスリン またはインスリン類縁体の使用。
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