JPWO2019102995A1 - 内容物視認性の改善方法、塩化ビニル系樹脂組成物、安定化剤、塩化ビニル系樹脂成形体、医療材料、及び滅菌処理方法 - Google Patents

内容物視認性の改善方法、塩化ビニル系樹脂組成物、安定化剤、塩化ビニル系樹脂成形体、医療材料、及び滅菌処理方法 Download PDF

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Abstract

電子線照射滅菌された塩化ビニル系樹脂成形体からなる材料の内容物視認性の改善方法、及び電子線照射滅菌後の内容物視認性の改善された医療材料を提供することを目的とする。4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルからなる安定化剤を配合することにより、電子線照射滅菌時及びその後の経時的な透明性低下や着色が減少し、電子線照射滅菌後の内容物視認性が改善された塩化ビニル系樹脂成形体からなる医療材料を得ることができる。

Description

本発明は、塩化ビニル系樹脂成形体からなる電子線照射滅菌された材料の内容物視認性の改善方法に関する。詳しくは、前記塩化ビニル系樹脂成形体が、電子線照射滅菌後の医療材料の内容物視認性改善のための4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルからなる安定化剤を含んでなる前記改善方法に関する。また本発明は、前記安定化剤により電子線照射滅菌後の内容物視認性が改善された医療材料に関する。また本発明は、放射線照射によって滅菌処理される医療材料用塩化ビニル系樹脂成形体、及び前記塩化ビニル系樹脂成形体の放射線照射による滅菌処理方法に関する。詳しくは、本発明は、放射線照射、特に電子線照射による滅菌処理後の医療材料の着色を抑制することができ、かつ電子線照射による滅菌処理後であっても医療材料が高い透明性を維持することができる医療材料用塩化ビニル系樹脂成形体、及び前記塩化ビニル系樹脂成形体の放射線照射による滅菌処理方法に関する。
塩化ビニル系樹脂は、加工性が良好であり、かつ透明性や安全性、更には耐薬品性や耐久性に優れており、また可塑剤の配合により様々な柔軟性や硬度に調整可能であるため、種々の用途に使用されており、特に可塑剤を配合した軟質塩化ビニル系樹脂組成物はポリオレフィン等に比べて耐キンク性に優れており、カテーテル等の医療用チューブや、血液バッグ及び輸液バッグ等の医療用バッグなどの医療材料として広く使われている。前記医療材料には、可塑剤としてフタル酸ジ2−エチルヘキシル(以下、DEHP又はDOPと略すことがある)等のフタル酸エステル類が用いられている(特許文献1)。
医療用チューブや血液バッグなどの医療材料は、人体に害を及ぼすことがなく、使用時まで無菌性が保たれていること、内容物の状況が確認できるということなどが必要とされる。そのため、上記医療材料は、一般的に衛生面より使用前に様々な方法による滅菌処理を行って使用される。その滅菌方法としては、乾式加熱や煮沸、加圧熱水処理などの加熱滅菌、γ線や電子線等を照射する電子線照射滅菌、エチレンオキサイドガス等により化学処理する化学滅菌などがあるが、化学滅菌の場合は、毒性のあるエチレンオキサイドガスの残留の懸念があり、また、加熱滅菌も高温下で医療材料が変形する等の問題が生じる懸念があり、電子線照射滅菌などの放射線照射滅菌が最も安全な方法として使われている。
放射線照射滅菌としては、コバルト60を線源に使うγ線照射滅菌と電子加速器を使った電子線照射滅菌がある。過去には装置的に優位なγ線照射滅菌が主流であったが、線源であるコバルト60の供給不安、更には破棄物処理等の環境問題より、近年は電子線照射滅菌が主流となってきている。
電子線照射滅菌は、従来のγ線照射滅菌に比べて線量率(単位時間あたりに照射される放射線の量)が非常に高く、γ線照射滅菌の数十分の1の時間という非常に短時間で滅菌処理を終えられるというもう1つの大きな特徴を持っている。
一方、放射線照射滅菌は、その強い滅菌力故に、樹脂まで劣化させる懸念がある。上記塩化ビニル系樹脂においても同様であり、脱塩酸反応による分解反応等を起こしやすく、その結果滅菌後に経時的に著しく着色したり、透明性が低下したりする問題がある。著しい着色や透明性の低下により内容物の識別が困難となり、医療ミスの原因となる危険がある。近年の病院等での医療事故多発の現状より、その様な著しい着色や透明性の低下は、医療材料としては致命的な欠陥となっている。特に、線量率の高い電子線照射滅菌は従来のγ線照射滅菌以上にその問題が大きくなっているのが現状である。
塩化ビニル系樹脂における上記分解による劣化の抑制は、これまでにも様々な方法が提案され、実際に用いられている。例えば、鉛,カドミウム等の重金属の有機化合物が大きな安定効果を与えるものとして知られている。しかしながら、これらの重金属の有機化合物は毒性が強く、人体に有害であるため医療材料に使用することはできない。従って、現在では、金属系の有機化合物としては比較的に毒性が小さいと言われているカルシウム,亜鉛等の金属石鹸系安定剤や有機錫系安定剤が医療材料では使用されることが多い。しかし、金属系の安定化剤は、配合量を増やすと透明性等が低下するため、配合量を増やすことが困難であり、劣化の激しい電子線照射滅菌に対しては、その効果が十分であるとは言えない(特許文献2)。
また、エポキシ化大豆油やエポキシ化亜麻仁油などのエポキシ化植物油系の化合物も、上記劣化による着色を抑えるのに効果があると言われており、亜鉛石けんやカルシウム石けん等の金属系の安定剤などと併用して使われている(特許文献3)。特にDEHPとエポキシ化合物とを組み合わせた塩化ビニル系樹脂組成物が開示されている。しかし、上記の金属系安定化剤と同様に、放射線照射滅菌、特に線量率の高い電子線照射滅菌では、その劣化を抑えるためには配合量を増やす必要があり、新たにブリード等の問題が発生するため、満足する効果を得ることは困難であった(特許文献4)。
加えて、従来用いられている可塑剤であるDEHPは、着色や透明性低下だけでなく、医療器具使用時のDEHPの溶出が問題となっている。そこで、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル(TOTM)に代表されるトリメリット酸トリエステルや1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(DINCH)に代表されるシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルなどのDEHP代替可塑剤による医療用器具への使用が検討されているが、滅菌処理による着色の問題が非常に大きい(特許文献2)。
また、この着色の問題のために、テトラヒドロフタル酸ジエステル系可塑剤にシラン化合物を耐放射線剤として配合することにより着色が抑えられることが開示されている。しかしながら、特に線量の高い電子線では、それでも十分に満足する着色性を抑制する結果が得られていないのが現状である(特許文献5)。加えて、シラン化合物は沸点が低く、加工時に揮発してしまうため、作業性の悪化や目的とする性能が十分に発現しない問題がある。さらには、シラン化合物は塩化ビニル樹脂との相容性が悪い上に、一般的に毒性の高い化合物であることが知られている。シラン化合物が溶出することにより健康被害が生ずる恐れがあることから、医療材料にシラン化合物を配合することは好ましくない。
また、最近では、劣化の激しい電子線照射滅菌用としての安定化剤も開発が進められている。例えば、電子線照射滅菌用の安定化剤として、β−ジケトン、ハイドロタルサイト、アミノクロトン酸アルキル又はアリールエステル、アセチルアセトン亜鉛、デヒドロ酢酸亜鉛、チオアルコール化合物などが紹介されている(特許文献6〜9)が、いずれも十分な効果があるとは言えず、特に劣化の激しい電子線照射滅菌では、透明性の低下や着色を抑えることは困難であった。また、最近の研究では、シラン化合物を耐放射線剤として配合することにより着色が抑えられることや3−メルカプトプロピオン酸エステルが電子線照射滅菌でも効果を示すことが紹介されている(特許文献10、11)が、それでも十分に満足する結果が得られていないのが現状である。
特開昭59−164066号公報 特開2006−239026号公報 特開平8−24329号公報 特開2008−169332号公報 特開2015−028116号公報 特開平2−263853号公報 特開2000−273259号公報 国際公開第2015/129534号 特開平2−222436号公報 特開2013−100549号公報 特開2012−57099号公報
本発明の目的は、上記問題を解決できる、電子線照射滅菌された塩化ビニル系樹脂成形体からなる材料の内容物視認性の改善方法、及び特定の安定化剤を配合することにより電子線照射滅菌後の内容物視認性が改善された医療材料を提供することである。また、本発明の目的は、電子線照射滅菌後の塩化ビニル系樹脂成形体からなる材料の内容物視認性改善のための安定化剤、及び該安定化剤を含む塩化ビニル系樹脂成形体からなる電子線照射滅菌された医療材料を提供することである。また、本発明の目的は、放射線滅菌後の着色が著しく抑制された放射線滅菌に適した医療材料の原料として用いられる塩化ビニル系樹脂組成物、前記塩化ビニル系樹脂組成物からなる医療材料用塩化ビニル系樹脂成形体、及び前記塩化ビニル系樹脂成形体の放射線照射による滅菌処理方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルからなる安定化剤を配合することにより、電子線照射滅菌後の塩化ビニル系樹脂成形体からなる材料の内容物視認性が大きく改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、(a)4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステル、及び(b)β−ジケトン化合物及びその金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を配合することにより、放射線滅菌後の医療材料の着色を著しく抑えることができる塩化ビニル系樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下に示す4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルからなり、電子線照射滅菌後の塩化ビニル系樹脂成形体からなる材料の内容物視認性改善のための安定化剤、該安定化剤を含む塩化ビニル系樹脂組成物、該塩化ビニル系樹脂組成物を原料とする塩化ビニル系樹脂成形体からなる電子線照射滅菌後の内容物視認性が改善された医療材料、及び前記安定化剤を含むことを特徴とする電子線照射滅菌された医療材料の内容物視認性の改善方法を提供するものである。
本発明は、塩化ビニル系樹脂成形体からなる電子線照射滅菌された材料の内容物視認性の改善方法であって、
前記塩化ビニル系樹脂成形体が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを5〜100重量部含有することを特徴とする、内容物視認性の改善方法、に関する。
前記4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルは、下記一般式(1)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2019102995

[式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
前記4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルは、下記一般式(2)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2019102995

[式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
前記塩化ビニル系樹脂成形体は、下記式により算出される曇り度の上昇値が、6以下であることが好ましい。
曇り度の上昇値=X−Y
X:線量50kGyの電子線を照射し、その後、25℃、60%相対湿度の恒温恒湿下で10日間静置した後の塩化ビニル系樹脂成形体の曇り度
Y:電子線照射前の塩化ビニル系樹脂成形体の曇り度
また、本発明は、塩化ビニル系樹脂100重量部と、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステル5〜100重量部とを含む、電子線照射滅菌後の内容物視認性の改善された医療材料用の塩化ビニル系樹脂組成物、に関する。
前記塩化ビニル系樹脂組成物は、更に、塩化ビニル系樹脂100重量部に対してβ−ジケトン化合物及びその金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を0.01〜1.0重量部含むことが好ましい。
前記β−ジケトン化合物及びその金属塩は、デヒドロ酢酸亜鉛、アセチルアセトンカルシウム、アセチルアセトン亜鉛、及びアセチルアセトンマグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
前記塩化ビニル系樹脂組成物は、更に、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して前記4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステル以外のエポキシ化合物を0.1〜30重量部含むことが好ましい。
前記エポキシ化合物は、エポキシ化大豆油であることが好ましい。
また、本発明は、下記一般式(1)で示される4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は下記一般式(2)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルからなる、電子線照射滅菌後の塩化ビニル系樹脂成形体からなる材料の内容物視認性改善のための安定化剤、に関する。
Figure 2019102995

[式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
Figure 2019102995

[式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
また、本発明は、前記安定化剤を含む塩化ビニル系樹脂成形体、に関する。
前記塩化ビニル系樹脂成形体は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して前記安定化剤を5〜100重量部含有することが好ましい。
前記塩化ビニル系樹脂成形体は、更に、塩化ビニル系樹脂100重量部に対してβ−ジケトン化合物及びその金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を0.01〜1.0重量部含むことが好ましい。
前記β−ジケトン化合物及びその金属塩は、デヒドロ酢酸亜鉛、アセチルアセトンカルシウム、アセチルアセトン亜鉛、及びアセチルアセトンマグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
前記塩化ビニル系樹脂成形体は、更に、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して上記一般式(2)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステル以外のエポキシ化合物を0.1〜30重量部含むことが好ましい。
前記エポキシ化合物は、エポキシ化大豆油であることが好ましい。
前記塩化ビニル系樹脂成形体は、下記式により算出される曇り度の上昇値が、6以下であることが好ましい。
曇り度の上昇値=X−Y
X:線量50kGyの電子線を照射し、その後、25℃、60%相対湿度の恒温恒湿下で10日間静置した後の塩化ビニル系樹脂成形体の曇り度
Y:電子線照射前の塩化ビニル系樹脂成形体の曇り度
また、本発明は、前記塩化ビニル系樹脂成形体を含む電子線照射滅菌された医療材料、に関する。
また、本発明は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、
(a)下記一般式(1)で示される4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は下記一般式(2)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを5〜100重量部、及び
(b)β−ジケトン化合物及びその金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を0.01〜1.0重量部含むことを特徴とする、放射線照射によって滅菌処理された医療材料の原料である塩化ビニル系樹脂組成物、に関する。
Figure 2019102995
[式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
Figure 2019102995
[式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
前記(b)β−ジケトン化合物及びその金属塩は、デヒドロ酢酸亜鉛、アセチルアセトンカルシウム、アセチルアセトン亜鉛、及びアセチルアセトンマグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
前記塩化ビニル系樹脂組成物は、更に、上記一般式(2)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステル以外の(c)エポキシ化合物を0.1〜30重量部含むことが好ましい。
前記(c)エポキシ化合物は、エポキシ化大豆油であることが好ましい。
前記放射線は、電子線であることが好ましい。
また、本発明は、前記塩化ビニル系樹脂組成物から得られる医療材料用塩化ビニル系樹脂成形体、に関する。
前記医療材料用塩化ビニル系樹脂成形体は、下記式により算出される曇り度の上昇値が、6以下であることが好ましい。
曇り度の上昇値=X−Y
X:線量50kGyの電子線を照射し、その後、25℃、60%相対湿度の恒温恒湿下で10日間静置した後の塩化ビニル系樹脂成形体の曇り度
Y:電子線照射前の塩化ビニル系樹脂成形体の曇り度
また、本発明は、塩化ビニル系樹脂組成物から得られる医療材料用塩化ビニル系樹脂成形体の放射線照射による滅菌処理方法であって、
前記塩化ビニル系樹脂組成物が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、
(a)下記一般式(1)で示される4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は下記一般式(2)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを5〜100重量部、及び
(b)β−ジケトン化合物及びその金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を0.01〜1.0重量部含むことを特徴とする、医療材料用塩化ビニル系樹脂成形体の放射線照射による滅菌処理方法、に関する。
Figure 2019102995
[式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
Figure 2019102995
[式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
前記(b)β−ジケトン化合物及びその金属塩は、デヒドロ酢酸亜鉛、アセチルアセトンカルシウム、アセチルアセトン亜鉛、及びアセチルアセトンマグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
前記塩化ビニル系樹脂組成物は、更に、上記一般式(2)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステル以外の(c)エポキシ化合物を0.1〜30重量部含むことが好ましい。
前記(c)エポキシ化合物は、エポキシ化大豆油であることが好ましい。
前記放射線は、電子線であることが好ましい。
前記医療材料用塩化ビニル系樹脂成形体は、下記式により算出される曇り度の上昇値が、6以下であることが好ましい。
曇り度の上昇値=X−Y
X:線量50kGyの電子線を照射し、その後、25℃、60%相対湿度の恒温恒湿下で10日間静置した後の塩化ビニル系樹脂成形体の曇り度
Y:電子線照射前の塩化ビニル系樹脂成形体の曇り度
本発明の安定化剤を用いることにより、塩化ビニル系樹脂成形体からなる材料の電子線照射滅菌後の経時的な透明性の低下や着色を著しく抑制することが可能となり、その結果、特に医療材料において、電子線照射滅菌後の内容物視認性が大きく改善され、医療過誤などのトラブル防止に大いに役立つことができる。
なお、本発明において、内容物視認性が良好であることは、上述の通り、内容物の容量や流量を把握するために必要な透明性と内容物を識別するのに必要な低着色性を同時に満足することである。また、本発明では曇り度を透明性の指標とし、曇り度が小さいほど透明性に優れ、内容物視認性に優れることを意味する。また、着色性に関しては、イエローインデックスを指標とし、イエローインデックスの値が小さいほど着色が少なく、内容物視認性に優れることを意味する。
また、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を用いることにより、放射線照射滅菌後の経時的な着色が著しく抑制された医療材料を得ることができ、医療過誤などのトラブル防止に大いに役立つことができる。
また、本発明の医療材料は、上述の通り、内容物の容量や流量を把握するために必要な透明性と低着色性を満足するものであり、経時変化も非常に少ないものである。
<安定化剤>
本発明の安定化剤は、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルからなる。なお、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルと4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルは、単独でも可塑剤としての機能と安定化剤としての機能を発揮する。前記4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルは、下記一般式(1)の構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2019102995
[式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13、好ましくは8〜11の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
上記4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルは、本発明の目的の性能を満たすものであれば、特にその製造方法により限定されるものではないが、例えば、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその酸無水物と特定の構造の飽和脂肪族アルコールとを常法に従って、好ましくは窒素等の不活性化ガス雰囲気下において、無触媒又は触媒の存在下でエステル化することにより容易に得られる。また、飽和脂肪族アルコールの種類によっては、予め炭素数1〜6程度の低級アルコールとエステル化後、上記飽和脂肪族アルコールを加えて、常法に従って、好ましくは窒素等の不活性ガス雰囲気下において、無触媒又は触媒の存在下でエステル交換することによっても容易に得ることができる。
前記4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルは、基準油脂分析試験法 2.3.7.1−2013「オキシラン酸素定量方法(その1)」に準拠して測定したオキシラン酸素の含有量が、好ましくは1〜5重量%の範囲、より好ましくは2〜4重量%の範囲である。また、前記4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルは、下記一般式(2)の構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2019102995
[式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13、好ましくは8〜11の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
一般に、エポキシ化合物は細胞毒性を有するため、医療材料関係ではその配合量に限界がある。また、細胞毒性は一般的に化合物中のエポキシ基が多いほど強くなる傾向にある。例えば、本発明の化合物に比べて化合物中のエポキシ基の量が多い従来から使われているエポキシ化大豆油などは、上述の通り、細胞毒性の懸念より配合量を増やすことができなかった。
一方、安定化剤としての効果は、化合物中のエポキシ基の数が多いほど(即ちオキシラン酸素の含有量が高いほど)、優れた効果を示す傾向にあり、例えば、エポキシ化大豆油などのエポキシ化植物油類においてエポキシ基の数を少なくすることは、安定化剤としての効果も減ずる結果となり、化合物中のエポキシ基を少なくした場合、同じ効果を得るためには配合量を増やさざるを得ず、全く意味がない。
それに対して、本発明の化合物は、理由は明らかではないか、化合物中のエポキシ基の数が少ないにもかかわらず、安定化剤として高い効果を有することが大きな特徴であり、化合物中のエポキシ基の数が少なく、細胞毒性の懸念が少ないため、より厳しい条件でも配合量を増やすことが可能であり、その結果、安定化剤として効果を維持することが可能である。
化合物中のエポキシ基の数は、通常、基準油脂分析試験法 2.3.7.1−2013「オキシラン酸素定量方法(その1)」に準拠して測定したオキシラン酸素の含有量を用いて比較することができる。即ち、本発明の化合物の場合には、オキシラン酸素の含有量が1〜5重量%の範囲であることにより、本発明の目的である優れた内容物視認性を示し、且つ細胞毒性等の懸念なく医療材料に使用することが可能である。
上記4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルは、本発明の目的の性能を満たすものであれば、特にその製造方法により限定されるものではないが、例えば、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその無水物と特定の構造の飽和脂肪族アルコールをエステル化し、得られた4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル(中間原料)を所定の条件でエポキシ化することにより、容易に得られる。また、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその無水物をエポキシ化後、得られた4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸又はその無水物と特定の構造の飽和脂肪族アルコールをエステル化する方法で得ることもできる。更に、上記飽和脂肪族アルコールの種類によっては、予め炭素数1〜6程度の低級アルコールとエステル化後、上記飽和脂肪族アルコールを加えて、エステル交換反応により得る方法もある。簡便性等、実用性の観点から、エステル化後にエポキシ化する方法が最も好ましい。
[飽和脂肪族アルコール]
本発明の4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルの原料である飽和脂肪族アルコールは、好ましくは炭素数7〜13、より好ましくは8〜11の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。炭素数が7〜13の飽和脂肪族アルコールとすることにより、揮発性等の問題やブリード等の問題が発生する懸念が小さくなり、好ましい態様として推奨される。
より具体的には、例えば、前記飽和脂肪族アルコールとしては、(i)主として炭素数8の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールなどが好ましい態様として挙げられる。また、より優れた耐熱性や耐寒性が求められる場合には、(ii)炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールであって、炭素数9の飽和脂肪族アルコールを主成分とする飽和脂肪族アルコールであり、その主成分である炭素数9の飽和脂肪族アルコールの割合が、その炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコール中に、好ましくは60重量%以上(60〜100重量%)、より好ましくは70重量%以上(70〜100重量%)、特に好ましくは80重量%以上(80〜100重量%)である飽和脂肪族アルコール、(iii)主として炭素数9〜11の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールからなり、炭素数9の飽和脂肪族アルコール/炭素数10の飽和脂肪族アルコール/炭素数11の飽和脂肪族アルコールの比率(モル比)が10〜25/35〜50/30〜45の範囲である飽和脂肪族アルコールなどの態様が推奨される。
なお、前記「主成分とする」とは、飽和脂肪族アルコール中に占める比率が60重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上であることを意味し、前記「主として」とは、飽和脂肪族アルコール中に占める比率が90重量%以上、好ましくは95重量%以上であることを意味する。
また、本発明に係る前記飽和脂肪族アルコールは、前記(ii)又は(iii)の推奨の態様の場合には、その飽和脂肪族アルコールの直鎖率が、好ましくは55重量%以上、より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは75〜98重量%の範囲が推奨される。
また、上記(ii)の推奨の態様における飽和脂肪族アルコール中の炭素数9の直鎖状の飽和脂肪族アルコールの含有量は、その飽和脂肪族アルコール中に、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは75〜98重量%の範囲が推奨され、かつ、飽和脂肪族アルコール中の炭素数9の分岐鎖状の飽和脂肪族アルコール(例えば2−メチルオクタノール等)の含有量が、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、特に好ましくは2〜25重量%の範囲が推奨される。
前記炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールの態様の詳細として、1つ目の好ましい態様としては、該飽和脂肪族アルコールが、主として炭素数8の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである態様が挙げられる。具体的には、市販のn−オクタノール、イソオクタノール、及び2−エチルヘキサノールなどを用いることができる。
前記炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールの態様の詳細として、2つ目の好ましい態様としては、該飽和脂肪族アルコールが、炭素数9の飽和脂肪族アルコールを主成分(好ましくは60重量%以上)とし、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコール中に60重量%以上の炭素数9の直鎖状の飽和脂肪族アルコールと40重量%以下の炭素数9の分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールを含有し、かつ炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールの直鎖率が60重量%以上である。より好ましい態様としては、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールが、炭素数9の飽和脂肪族アルコールを主成分(好ましくは70重量%以上)とし、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコール中に70重量%以上の炭素数9の直鎖状の飽和脂肪族アルコールと30重量%以下の炭素数9の分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールを含有し、かつ炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールの直鎖率が70重量%以上である。特に好ましい態様としては、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールが、炭素数9の飽和脂肪族アルコールを主成分(好ましくは80重量%以上)とし、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコール中に75〜98重量%の炭素数9の直鎖状の飽和脂肪族アルコールと2〜25重量%の炭素数9の分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールを含有し、かつ炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールの直鎖率が75〜98重量%である。
前記炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールの態様の詳細として、3つ目の好ましい態様としては、該飽和脂肪族アルコールが、主として炭素数9〜11の飽和脂肪族アルコールの混合物であり、炭素数9、10、11の各アルコールの占める比率(モル比)が10〜25/35〜50/30〜45となる範囲であり、かつ該飽和脂肪族アルコールの直鎖率が55重量%以上、より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは75〜98重量%である。
本明細書において、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールの直鎖率とは、該飽和脂肪族アルコール中に占める直鎖アルコールの割合(重量比)であり、具体的にはガスクロマトグラフィーで分析する方法により求めることができる。
上記の炭素数9の飽和脂肪族アルコールを主成分とする飽和脂肪族アルコールの具体例(市販品)としては、約80重量%以上の直鎖状のノナノールと約20重量%以下の分岐鎖状のノナノールの混合物であるシェルケミカルズ社製のリネボール9(商品名)や、約90重量%以上の直鎖状のノナノールと約10重量%以下の分岐鎖状のノナノールの混合物であるオクセア社製のn−Nonanol等が挙げられる。また、主として炭素数9〜11の飽和脂肪族アルコールの混合物である飽和脂肪族アルコールの具体例(市販品)としては、直鎖状又は分鎖状のノナノール、デカノール及びウンデカノールをそれぞれ18重量%、42重量%、38重量%含有するシェルケミカルズ社製のリネボール911(商品名)等が挙げられる。
本発明で用いる炭素数7〜13の飽和脂肪族アルコールは、例えば、(1)炭素数6〜12のα−オレフィンと、一酸化炭素と水素とのヒドロホルミル化反応による炭素数7〜13のアルデヒドを製造する工程、及び(2)その炭素数7〜13のアルデヒドを水素添加してアルコールに還元する工程を具備する製造方法により製造することができる。また、(I)炭素数2〜5のα−オレフィンと、一酸化炭素と水素とのヒドロホルミル化反応による炭素数3〜6のアルデヒドを製造する工程、及び(II)その炭素数3〜6のアルデヒドを用いてアルドール反応して炭素数7〜13のアルデヒドを得た後、その炭素数7〜13のアルデヒドを水素添加してアルコールに還元する工程を具備する製造方法により製造することもできる。
前記工程(1)及び(I)のヒドロホルミル化反応は、例えば、コバルト触媒又はロジウム触媒の存在下、1−オクテン、一酸化炭素及び水素を反応させることにより炭素数9のアルデヒドを製造することができる。
前記工程(2)の水素添加は、例えば、ニッケル触媒又はパラジウム触媒等の貴金属触媒の存在下、炭素数9のアルデヒドを水素加圧下で、水素添加することによりアルコールに還元することができる。
前記工程(II)のアルドール反応及び水素添加は、例えば、ブチルアルデヒドを水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムなどの触媒を用いてアルドール縮合することにより、2−エチル−2−ヘキセナールを製造し、続いてニッケル触媒又はパラジウム触媒等の貴金属触媒の存在下、2−エチル−2−ヘキセナールを水素加圧下で、水素添加することによりアルコールに還元することができる。
前記4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルは、各種医療材料における諸要求に応じて、前記飽和脂肪族アルコールを適宜選択することができる。例えば、可塑化効率や柔軟性が要求される場合や機能的バランスが求められる場合は、前記(i)の主として炭素数8の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールは、2−エチルヘキサノールであることが好ましい。同様に、機能的バランスがよい前記飽和脂肪族アルコールとしては、分岐鎖状のアルコールである3,5,5−トリメチルヘキサノール、イソノニルアルコール、及びイソデシルアルコールが挙げられ、これらは耐移行性も良い。前記飽和脂肪族アルコールとして前記(ii)の炭素数9の飽和脂肪族アルコールを主成分とする飽和脂肪族アルコールを用いた場合は、耐熱性及び揮発性にも優れており、例えば、蒸気滅菌等の他の滅菌方法などが併用される医療器具に適している。また、前記飽和脂肪族アルコールとして前記(iii)の主として炭素数9〜11の飽和脂肪族アルコールの混合物である飽和脂肪族アルコールを用いた場合は、耐熱性及び耐揮発性に優れるだけでなく、耐移行性にも優れており、耐久性が要求される医療材料用途でも安心して使用することができる。
[エステル化反応]
本発明の4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルの製造において、上記飽和脂肪族アルコールと4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその酸無水物とのエステル化反応を行うに際し、飽和脂肪族アルコールは、例えば、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその酸無水物1モルに対して、好ましくは2.05モル〜4.00モル、より好ましくは2.10モル〜3.00モル、特に好ましくは2.15モル〜2.50モルを使用することが推奨される。
また、本発明の4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルの中間原料である4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルの製造において、上記飽和脂肪族アルコールと4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその酸無水物とのエステル化反応を行うに際し、飽和脂肪族アルコールは、例えば、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその酸無水物1モルに対して、好ましくは2.00モル〜5.00モル、より好ましくは2.01モル〜3.00モル、特に2.02モル〜2.50モルを使用することが推奨される。
エステル化反応に用いる触媒としては、鉱酸、有機酸、及びルイス酸類等が例示される。より具体的には、鉱酸として、硫酸、塩酸、及び燐酸等が例示され、有機酸としては、p−トルエンスルホン酸、及びメタンスルホン酸等が例示され、ルイス酸としては、アルミニウム誘導体、スズ誘導体、チタン誘導体、鉛誘導体、及び亜鉛誘導体等が例示され、これらの1種で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することが可能である。
それらの中でも、p−トルエンスルホン酸、炭素数3〜8のテトラアルキルチタネート、酸化チタン、水酸化チタン、炭素数3〜12の脂肪酸スズ、酸化スズ、水酸化スズ、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、酸化鉛、水酸化鉛、酸化アルミニウム、及び水酸化アルミニウムが特に好ましい。その使用量は、例えば、エステル化合物の合成原料である酸成分及びアルコール成分の総重量に対して、好ましくは0.01〜5.0重量%、より好ましくは0.02〜4.0重量%、特に0.03〜3.0重量%を使用することが推奨される。
エステル化温度としては、100℃〜230℃が例示され、通常、3〜30時間でエステル化反応は完結する。
本発明の4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルの原料である4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその酸無水物は、特に制約はなく、公知の方法で製造したものや、市販品、試薬等で入手できるものなどが使用できる。例えば、市販品としてリカシッドTH(商品名,新日本理化(株))などが例示される。4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物は、通常、無水マレイン酸と1,3−ブタジエンとをディールス・アルダー反応して得られる。また、エステル化反応の観点から、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物を、原料として使用することが推奨される。
エステル化反応においては、該反応により生成する水の留出を促進するために、ベンゼン、トルエン、キシレン、及びシクロヘキサンなどの水同伴剤を使用することが可能である。
また、エステル化反応時に原料、生成エステル及び有機溶媒(水同伴剤)の酸化劣化により酸化物、過酸化物、及びカルボニル化合物などの含酸素有機化合物を生成すると耐熱性、及び耐候性等に悪影響を与えるため、系内を窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下又は不活性ガス気流下で、常圧ないし減圧下にてエステル化反応を行うことが望ましい。エステル化反応終了後、過剰の原料を減圧下又は常圧下にて留去することが推奨される。
上記エステル化反応により得られた4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルは、引き続き、必要に応じて塩基処理(中和処理)、水洗処理、液液抽出、蒸留(減圧、脱水処理)、及び吸着精製処理等により精製してもよい。
塩基処理に用いる塩基としては、塩基性の化合物であれば特に制約はなく、例えば、水酸化ナトリウム、及び炭酸ナトリウムなどが例示される。
吸着精製に用いる吸着剤としては、活性炭、活性白土、活性アルミナ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、シリカアルミナ、ゼオライト、マグネシア、カルシア、珪藻土などが例示される。それらを1種で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。上記処理は、常温で行なっても良いが、40〜100℃程度、又は40〜90℃程度に加温して行なうこともできる。
[エポキシ化反応]
本発明に係るエポキシ化反応とは、本発明の4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを得るための中間原料である4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル中の不飽和結合のエポキシ化反応を意味し、通常、「有機合成化学、第23巻第7号、612〜619頁(1985)」等に記載されているよく知られたエポキシ化反応を用いて、容易に行うことができ、例えば、(i)エポキシ化剤に過酢酸や過蟻酸の様な有機過酸を用いる方法や、(ii)エポキシ化剤に過酸化水素を用いる方法などが挙げられる。
より具体的には、(i)の方法の場合、例えば、過酸化水素と無水酢酸又は酢酸を硫酸のような強酸を触媒として反応させて得られた過酢酸を、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルに加え、20〜30℃で数時間攪拌した後、徐々に温度を上げていき、50〜60℃に到達した後、2〜3時間その温度を保持して反応を完結させることができる。上記有機過酸としては、上記以外にも、モノ過フタル酸、過メタクロル安息香酸、及び過トリフルオル酢酸なども使うことができる。
また、(ii)の方法の場合、例えば、蟻酸などの酸素キャリアーや硫酸などの強酸触媒の共存下、本エステルに過酸化水素を反応させることによりエポキシ化することができる。より具体的には、過酸化水素1モルに対して、酢酸又は蟻酸を0.5モル以下、触媒として硫酸を0.05モル以下の少量用いて、40〜70℃で2〜15時間その温度を保持して反応させることにより、容易に4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルをエポキシ化させることができる。上記触媒としては、上記以外にも、燐酸、塩酸、硝酸、硼酸、又はその塩などがよく知られており、また、スルホン酸型強酸性陽イオン交換樹脂や酸化アルミニウムなども有効である。
上記エポキシ化反応により得られた4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルは、引き続き、必要に応じて液液抽出、減圧蒸留、及び吸着処理等により精製してもよい。
吸着処理に用いる吸着剤としては、活性炭、活性白土、活性アルミナ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、シリカアルミナ、ゼオライト、マグネシア、カルシア、及び珪藻土などが例示される。それらを1種で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
上記処理は、常温で行なっても良いが、40〜100℃程度に加温して行なうこともできる。
<塩化ビニル系樹脂組成物>
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂に、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルからなる安定化剤を配合すること、または該安定化剤と他の可塑剤を組み合わせて配合することにより得られる。
また、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂に、(a)4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステル、及び(b)β−ジケトン化合物及びその金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を配合すること、また他の可塑剤や他の安定化剤を組み合わせて配合することにより得られる。
[(b)β−ジケトン化合物及びその金属塩]
β−ジケトン化合物及びその金属塩は、安定化剤として機能し、着色を抑制する。β−ジケトン化合物としては、例えば、アセチルアセトン、トリアセチルメタン、2,4,6−ヘプタトリオン、ブタノイルアセチルメタン、ラウロイルアセチルメタン、パルミトイルアセチルメタン、ステアロイルアセチルメタン、フェニルアセチルアセチルメタン、ジシクロヘキシルカルボニルメタン、ベンゾイルホルミルメタン、ベンゾイルアセチルメタン、ジベンゾイルメタン、オクチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、ビス(4−オクチルベンゾイル)メタン、ベンゾイルジアセチルメタン、4−メトキシベンゾイルベンゾイルメタン、ビス(4−カルボキシメチルベンゾイル)メタン、2−カルボキシメチルベンゾイルアセチルオクチルメタン、デヒドロ酢酸、シクロヘキサン−1,3−ジオン、3,6−ジメチル−2,4−ジオキシシクロヘキサン−1カルボン酸メチル、2−アセチルシクロヘキサノン、ジメドン、2−ベンゾイルシクロヘキサン、パルミトイルベンゾイルメタン、ジステアロイルメタン、及びアセト酢酸エチル等が挙げられる。金属塩の例としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、及びアルミニウム塩等が挙げられる。好ましくは、β−ジケトン化合物の金属塩であり、具体的には、デヒドロ酢酸亜鉛、アセチルアセトンカルシウム、アセチルアセトン亜鉛、及びアセチルアセトンマグネシウム等が挙げられる。特に好ましくは、デヒドロ酢酸亜鉛、及びアセチルアセトン亜鉛である。これらのβ−ジケトン化合物は、1種のみ使用してもよく、2種以上を併用してもよい。β−ジケトン化合物及びその金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.01〜1.0重量部配合し、好ましくは0.05〜0.5重量部配合し、より好ましくは0.2〜0.5重量部配合する。
[塩化ビニル系樹脂]
本発明で用いられる塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルあるいは塩化ビニリデンの単独重合体、及び塩化ビニルあるいは塩化ビニリデンの共重合体であり、その製造方法は、従来公知の重合方法で行われる。例えば、汎用塩化ビニル樹脂の場合は、油溶性重合触媒の存在下に懸濁重合する方法などが挙げられる。また、塩化ビニルペースト樹脂では水性媒体中で水溶性重合触媒の存在下に乳化重合する方法などが挙げられる。これらの塩化ビニル系樹脂の重合度は、通常300〜5000であり、好ましくは400〜3500であり、さらに好ましくは700〜3000である。この重合度が低すぎると耐熱性等が低下し、高すぎると成形加工性が低下する傾向がある。
共重合体の場合、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、及び1−テトラデセン等の炭素数2〜30のα−オレフィン類、アクリル酸及びそのエステル類、メタクリル酸及びそのエステル類、マレイン酸及びそのエステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びアルキルビニルエーテル等のビニル化合物、ジアリルフタレート等の多官能性モノマー、及びこれらの混合物と塩化ビニルモノマーとの共重合体;エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のエチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩素化ポリエチレン、ブチルゴム、架橋アクリルゴム、ポリウレタン、ブタジエン−スチレン−メチルメタクリレート共重合体(MBS)、ブタジエン−アクリロニトリル−(α−メチル)スチレン共重合体(ABS)、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、及びこれらの混合物に塩化ビニルモノマーをグラフトしたグラフト共重合体等が例示される。
[(c)エポキシ化合物]
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化蓖麻子油、及びエポキシ化魚油等のエポキシ化動植物油類;エポキシステアリン酸メチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル、及びエポキシ化亜麻仁油脂肪酸ブチル等のエポキシ化脂肪酸エステル類などの、前記4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステル以外のエポキシ化合物を含有することが好ましい。より好ましくは、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化蓖麻子油、及びエポキシ化魚油等のエポキシ化動植物油類であり、最も好ましくはエポキシ化大豆油である。前記エポキシ化合物の配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは5〜15重量部、特に好ましくは5〜10重量部である。前記エポキシ化合物は可塑剤としても機能するが、上記(a)4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステル、及び(b)β−ジケトン化合物及びその金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種と併用することでより一層着色を抑制することが可能となる。
[塩化ビニル系樹脂組成物]
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを5〜100重量部、好ましくは10〜70重量部、より好ましくは10〜50重量部、さらに好ましくは20〜50重量部、及び他の可塑剤を0〜100重量部、好ましくは0〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部含有する。なお、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルと4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを併用する場合、前記重量部は合計量である。4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルの配合量が上記範囲であれば、本発明の効果、即ち放射線(電子線)照射滅菌による医療材料の透明性の低下、及び着色を抑制することができ、その結果、内容物視認性の低下を抑制することができ、さらに可塑剤としての性能も発揮する。また、他の可塑剤は、使用用途により要求される柔軟性により適宜調整されるものであるが、一般的には上記範囲であればほぼ全ての医療材料に適用可能である。なお、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルは一定の可塑化性能も有しており、その配合量と用途によっては、安定化剤かつ可塑剤として4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを単独で配合することも可能である。
[他の可塑剤]
本発明における「他の可塑剤」とは、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル又は上記一般式(1)で表される化合物、あるいは4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステル又は上記一般式(2)で表される化合物を除く可塑剤を意味し、一般的に使われている塩化ビニル系樹脂用可塑剤を単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。その様な公知の可塑剤としては、具体的には、ジエチレングリコールジベンゾエート等の安息香酸エステル類;フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DEHP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)、フタル酸ジトリデシル(DTDP)、テレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DOTP)、及びイソフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DOIP)等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOS)、及びセバシン酸ジイソノニル(DINS)等の脂肪族二塩基酸エステル類;トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(TOTM)、トリメリット酸トリイソノニル(TINTM)、及びトリメリット酸トリイソデシル(TIDTM)等のトリメリット酸エステル類;ピロメリット酸テトラ−2−エチルヘキシル(TOPM)等のピロメリット酸エステル類;リン酸トリ−2−エチルヘキシル(TOP)、及びリン酸トリクレジル(TCP)等のリン酸エステル類;ペンタエリスリトール等の多価アルコールのアルキルエステル;アジピン酸等の二塩基酸とグリコールとのポリエステル化によって合成された分子量800〜4000のポリエステル類;エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化蓖麻子油、及びエポキシ化魚油等のエポキシ化動植物油類;エポキシステアリン酸メチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル、及びエポキシ化亜麻仁油脂肪酸ブチル等のエポキシ化脂肪酸エステル類;エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエポキシステアリル、及び1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(DINCH)等の脂環式二塩基酸エステル類;ジカプリン酸1,4−ブタンジオール等の脂肪酸グリコールエステル類;アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)類、アセチルクエン酸トリヘキシル(ATHC)、アセチルクエン酸トリエチルヘキシル(ATEHC)、及びブチリルクエン酸トリヘキシル(BTHC)等のクエン酸エステル類;イソソルビドジエステル類;パラフィンワックスやn−パラフィンを塩素化した塩素化パラフィン類;塩素化ステアリン酸エステル等の塩素化脂肪酸エステル類;オレイン酸ブチル等の高級脂肪酸エステル類等が例示される。これらの中でも、血液バッグと血液関連の医療材料の場合は、DEHPが好ましく使われる傾向にあり、また最近の環境問題等の観点からは、TOTM等のトリメリット酸エステル類や、DINCH等の脂環式二塩基酸エステル類などが好ましく使われる。上記可塑剤の配合量は、本発明の効果を損なわない範囲で上述の通りその使用用途に応じて適宜調整されるものであり、通常塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0〜100重量部であり、好ましくは0〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部である。
また、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、必要に応じて本発明以外の安定化剤、安定化助剤、酸化防止剤(老化防止剤)、紫外線吸収剤、シラン化合物系の耐放射線剤、ヒンダードアミン系の光安定剤、希釈剤、減粘剤、増粘剤、加工助剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤、接着剤、及び着色剤等の添加剤を配合することができる。
本発明以外の安定化剤としては、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、リシノール酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、リシノール酸バリウム、ステアリン酸バリウム、オクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、及びステアリン酸亜鉛等の金属石鹸化合物;ジメチルスズビス−2−エチルヘキシルチオグリコレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズビスブチルマレエート、及びジブチルスズジラウレート等の有機錫系化合物;ハイドロタルサイト、アミノクロトン酸アルキル又はアリールエステル、チオアルコール化合物、3−メルカプトプロピオン酸エステル、及びアンチモンメルカプタイド化合物等が例示される。また、上記可塑剤の一種であるエポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、及びエポキシ化蓖麻子油等のエポキシ化植物油類も、着色を抑える安定化剤としての効果を有しており、上述の様なブリードや細胞毒性等の問題が生じない範囲で配合することもできる。上記の様な安定化剤を配合する場合は、通常塩化ビニル系樹脂100重量部にして0.1〜20重量部程度の配合量が推奨される。
前記安定化剤のうち、安全性等の面より、有機酸亜鉛及び有機酸カルシウムから選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましく、ステアリン酸亜鉛とステアリン酸カルシウムの組み合わせが、最も好ましい。また、その配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、合計量で0.1〜10重量部程度であり、好ましくは0.2〜6重量部である。その配合比率(重量比)は、安定化の効果を示す範囲であれば、特に制限はないが、通常、5:1〜1:5の範囲で使われることが多い。
安定化助剤としては、トリフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、及びトリデシルフォスファイト等のホスファイト系化合物;グリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール、及びポリエチレングリコール等のポリオール化合物;過塩素酸バリウム塩、及び過塩素酸ナトリウム塩等の過塩素酸塩化合物;ハイドロタルサイト化合物、及びゼオライトなどが例示される。また、安定化助剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する安定化助剤の配合量は0.1〜20重量部程度が推奨される。
シラン化合物の耐放射線材料としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、及びトリエチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン化合物;ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルアミノエトキシプロピルジアルコキシシラン、N−(βアミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、及びγ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン化合物;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(フェニル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−(ポリエチレンアミノ)プロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン化合物;テトラメトキシシラン、及びテトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン化合物;ビニルトリアセトキシシラン等のアセトキシシラン化合物;トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、及びγ−クロロプロピルメチルジクロロシラン等のクロロシラン化合物;トリイソプロピルシラン、トリイソプロピルシリルアクリレート、アリルトリメチルシラン、及びトリメチルシリル酢酸メチル等のオルガノシラン化合物が例示される。また、耐放射線剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する耐放射線剤の配合量は0.1〜15重量部程度が推奨される。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート]メタン、及び2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのフェノール系化合物;アルキルジスルフィド、チオジプロピオン酸エステル、及びベンゾチアゾールなどの硫黄系化合物;トリスノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、及びトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトなどのリン酸系化合物;ジアルキルジチオリン酸亜鉛、及びジアリールジチオリン酸亜鉛などの有機金属系化合物などが例示される。また、酸化防止剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する酸化防止剤の配合量は0.2〜20重量部程度が推奨される。
紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、及びp−tert−ブチルフェニルサリシレートなどのサリシレート系化合物;2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、及び2−ヒドロキシ−4−n−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、及び1−ジオクチルアミノメチルベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物;シアノアクリレート系化合物などが例示される。また、紫外線吸収剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する紫外線吸収剤の配合量は0.1〜10重量部程度が推奨される。
ヒンダードアミン系の光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート(混合物)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステル及び1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと高級脂肪酸のエステル混合物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重縮合物、ポリ[{(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}}]、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N' −ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、N,N',N'',N'''−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が例示される。また、光安定剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する光安定剤の配合量は0.1〜10重量部程度が推奨される。
希釈剤としては、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートや低沸点の脂肪族系、芳香族系の炭化水素などが例示される。また、希釈剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する希釈剤の配合量は1〜50重量部程度が推奨される。
減粘剤としては、各種非イオン系界面活性剤、スルフォサクシネート系アニオン界面活性剤、界面活性をもったシリコーン系化合物、大豆油レシチン、一価アルコール類、グリコールエーテル類、及びポリエチレングリコール類などが例示される。また、減粘剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する減粘剤の配合量は0.1〜20重量部程度が推奨される。
増粘剤としては、合成微粉シリカ系、ベントナイト系、極微細沈降炭酸カルシウム、金属石鹸系、水素添加ひまし油、ポリアミドワックス、酸化ポリエチレン系、植物油系、硫酸エステル系界面活性剤、及び非イオン系界面活性剤などが例示される。また、増粘剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する増粘剤の配合量は1〜50重量部程度が推奨される。
加工助剤としては、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ステアリン酸、ステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、ブチルステアレート、及びステアリン酸カルシウムなどが例示される。また、加工助剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する加工助剤の配合量は0.1〜20重量部程度が推奨される。
滑剤としては、シリコーン、流動パラフィン、バラフィンワックス、ステアリン酸金属やラウリン酸金属塩などの脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド類、脂肪酸ワックス、及び高級脂肪酸ワックス等が例示される。また、滑剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する滑剤の配合量は0.1〜10重量部程度が推奨される。
帯電防止剤としては、アルキルスルホネート型、アルキルエーテルカルボン酸型又はジアルキルスルホサクシネート型のアニオン性帯電防止剤;ポリエチレングリコール誘導体、ソルビタン誘導体、ジエタノールアミン誘導体などのノニオン性帯電防止剤;アルキルアミドアミン型、アルキルジメチルベンジル型などの第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム型の有機酸塩又は塩酸塩などのカチオン性帯電防止剤;アルキルベタイン型、アルキルイミダゾリン型などの両性帯電防止剤などが例示される。また、帯電防止剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する帯電防止剤の配合量は0.1〜10重量部程度が推奨される。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛等の無機系化合物;クレジルジフェニルホスフェート、トリスクロロエチルフォスフェート、トリスクロロプロピルフォスフェート、トリスジクロロプロピルフォスフェート等のリン系化合物;塩素化パラフィン等のハロゲン系化合物等が例示される。また、難燃剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する難燃剤の配合量は0.1〜20重量部程度が推奨される。
発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等の有機発泡剤;重曹等の無機発泡剤などが例示される。また、発泡剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する発泡剤の配合量は0.1〜30重量部程度が推奨される。
着色剤としては、フタロシアニン緑、コバルト青、フタロシアニン青などの透明感向上の効果のある着色剤が例示され、本発明の視認性を阻害しない程度に少量配合されていても良い。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂、本発明の安定化剤及び使用用途に応じて他の可塑剤、更に必要に応じて各種添加剤を、例えば、ハンドリング混合や、ポニーミキサ、バタフライミキサ、プラネタリミキサ、ディゾルバ、二軸ミキサ−、三本ロールミル、モルタルミキサー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、及びリボンブレンダー等の攪拌・混合機や、コニカル二軸押出機、パラレル二軸押出機、単軸押出機、コニーダー型混練機、及びロール混練機等の混練機により攪拌混合・溶融混合を行い、粉状、ペレット状又はペースト状の塩化ビニル系樹脂組成物とすることができる。
[塩化ビニル系樹脂成形体]
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、真空成形、圧縮成形、押出成形、射出成形、カレンダー成形、プレス成形、ブロー成形、粉体成形、スプレッドコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、紙キャスティング、押出コーティング、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、スラッシュ成形、回転成形、注型、ディップ成形、溶着等の従来公知の方法を用いて成形加工することにより、所望の形状の塩化ビニル系樹脂成形体に成形することができる。
塩化ビニル系樹脂成形体の形状としては、特に限定されないが、例えば、ロッド状、シート状、フィルム状、板状、円筒状、円形、楕円形等あるいは特殊な形状のもの、例えば星形、多角形形状等が例示される。
前記塩化ビニル系樹脂成形体は、各種用途の材料に用いることができ、特に医療材料、例えば、胸腔チューブ,透析チューブ、人工呼吸チューブ、気管内チューブ、呼吸器チューブ、栄養チューブ、延長チューブ、及び吸引チューブ等のチューブ類、導尿カテーテル、吸引カテーテル、静脈注射カテーテル、及び消化管カテーテル等のカテーテル類、血液バッグ、輸液バッグ、薬液バッグ、及びドレインバッグ等のバッグ類、血液成分分離機、血液透析回路、腹膜透析回路、及び人工心肺回路等の回路機器部材、輸液セット、輸血セット、静脈注射セット、心肺バイパス、手術用手袋、医薬品包装材料、医療用フィルム、衛生材料、呼吸マスク、経鼻カニューレ、連結管、三方活栓、コネクタ、翼状針、及び透析用留置針等に好ましく用いることができる。
前記塩化ビニル系樹脂成形体は、下記式により算出される曇り度の上昇値が、6以下であることが好ましく、より好ましくは5以下、特に好ましくは3以下である。
曇り度の上昇値=X−Y
X:線量50kGyの電子線を照射し、その後、25℃、60%相対湿度の恒温恒湿下で10日間静置した後の塩化ビニル系樹脂成形体の曇り度
Y:電子線照射前の塩化ビニル系樹脂成形体の曇り度
[医療材料]
本発明の医療材料は、前記塩化ビニル系樹脂成形体を放射線(電子線)照射滅菌したものであり、放射線(電子線)照射滅菌した後でも透明性が非常に高く、しかも低着色であり、内容物視認性に優れるものである。
[内容物視認性の改善方法]
本発明の内容物視認性の改善方法は、塩化ビニル系樹脂成形体からなる放射線(電子線)照射滅菌された材料(例えば、医療材料)の内容物視認性の改善方法であり、前記塩化ビニル系樹脂成形体が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを5〜100重量部含有する塩化ビニル系樹脂組成物を原料とし、該塩化ビニル系樹脂組成物を用いて所望の形状に成形された塩化ビニル系樹脂成形体であることを特徴とする。
以下に実施例を示し、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。尚、実施例や応用例中の化合物の略号、及び各特性の測定は以下の通りである。
〔測定及び評価方法〕
(1)飽和脂肪族アルコールの炭素数と直鎖状の飽和脂肪族アルコールの比率
本発明の実施例及び比較例で用いる4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル又は4,5−エポキシ−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジエステルにおいて、一般式(1)又は(2)における残基を規定する飽和脂肪族アルコールの炭素数、及び直鎖状の飽和脂肪族アルコールの比率は、その製造に用いた原料アルコール中の組成をガスクロマトグラフィー(以下GCと略記)によって測定した結果を、それら化合物中の飽和脂肪族アルコールの炭素数、及び直鎖状の飽和脂肪族アルコールの比率とした。前記GCによる原料アルコールの測定方法は次のとおりである。
《GCの測定条件》
機種:ガスクロマトグラフ GC−17A(島津製作所製)
検出器:FID
カラム:キャピラリーカラム ZB−1 30m
カラム温度:60℃から290℃まで昇温、昇温速度=13℃/分
キャリアガス:ヘリウム
試料:50%アセトン溶液
注入量:1μl
定量:安息香酸n−プロピルを内部標準物質として用いて定量した。
前記内部標準物質の選定に当たっては、原料アルコールに安息香酸n−プロピルがGCで検出限界以下であったことを予め確認した。
なお、上述のエステル化反応及びエポキシ化反応において、本発明の範囲内では原料アルコールの構造による反応性等に差異はなく、用いた原料アルコール中の組成比と一般式(1)又は(2)における残基を規定している飽和脂肪族アルコールの組成比に差異がないことは、予め確認している。
(2)本発明の安定化剤化合物の物性評価
下記の製造例で得られた本発明の安定化剤化合物は次の方法で分析を行った。
エステル価:JIS K−0070(1992)に準拠して測定した。
酸価:JIS K−0070(1992)に準拠して測定した。
ヨウ素価:JIS K−0070(1992)に準拠して測定した。
オキシラン酸素:基準油脂分析試験法 2.3.7.1−2013「オキシラン酸素定量方法(その1)」に準拠して測定した。
色数:JIS K−0071(1998)に準拠して測定して、ハーゼン単位色数を求めた。
(3)塩化ビニルシートの作製
塩化ビニル樹脂(ストレート、重合度1050、商品名「Zest1000Z」、新第一塩ビ(株)製)100重量部に、本発明以外の安定化剤として、カルシウムステアレート(ナカライテスク(株)製)及びジンクステアレート(ナカライテスク(株)製)を各々0.3及び0.2重量部を配合し、モルタルミキサーで攪拌混合した後、表1〜4に記載の所定量の本発明に係る安定化剤と、必要に応じて表1〜4に記載の所定量の可塑剤を加え、均一になるまでハンドリング混合し、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を得た。この塩化ビニル系樹脂組成物を5×12インチの二本ロールを用いて160〜166℃で4分間溶融混練しロールシートを作製した。続いて162〜168℃×10分間プレス成形を行い、厚さ約1mmのプレスシートを作製した。
(4)電子線照射試験
前項で得られたプレスシートより50mm×50mmの大きさに切り出し、試験用の試料とした。次に得られた試料を用いて、原子燃料工業(株)の電子線照射システムを利用して、10MeV電子加速器より電子線を試料に照射した。なお、照射した電子線の線量はすべて50kGyになる様に調整した。
(5)曇り度
(株)東洋精機製作所のヘイズメーター(HAZE−GARD2)を用いて、ASTM D 1003に準拠して、電子線照射前の試験片と、電子線照射後25℃、60%相対湿度の恒温恒湿下で10日間静置した試験片(電子線照射後10日目の試験片)の曇り度を測定した。電子線照射による曇り度の上昇値は上記電子線照射後10日目の試験片の値から照射前の試験片の値を引いた数値を電子線照射による上昇値とした。なお、得られた曇り度の数値が小さい程、透明性に優れている、または透明性の低下が少ないことを示す。
(6)イエローインデックス(YI値)
コニカミノルタ(株)の分光測色計(CM−5)を用いて、ASTM D 1925に準拠して電子線照射前の試験片と電子線照射後10日間25℃、60%相対湿度の恒温恒湿下で10日間静置した試験片(電子線照射後10日目の試験片)のイエローインデックスを測定した。電子線照射によるイエローインデックスの上昇値は上記電子線照射後10日目の試験片の値から照射前の試験片の値を引いた数値を電子線照射による上昇値とした。なお、得られたイエローインデックスの数値が小さい程、着色が少ないことを示す。
<第1の実験例>
[製造例1]
温度計、デカンター、攪拌羽、還流冷却管を備えた1L四ツ口フラスコに、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物182.6g(1.2モル,新日本理化(株)製:リカシッドTH)、2−エチルヘキシルアルコール374g(2.9モル)、及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.24gを加え、反応温度を200℃としてエステル化反応を実施した。減圧下アルコールを還流させて生成水を系外へ除去しながら、反応溶液の酸価が0.5mgKOH/gになるまで反応を行った。反応終了後、未反応アルコールを減圧下で系外へ留去した後、常法に従って中和、水洗、脱水して目的とする本発明の安定化剤化合物である4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル(以下、「化合物1」という。)369gを得た。
得られた化合物1は、エステル価:283mgKOH/g、酸価:0.01mgKOH/g、色数:10であった。
[製造例2]
2−エチルヘキシルアルコール374g(2.9モル)の代わりに炭素数9の直鎖状の飽和脂肪族アルコールを88.5モル%と炭素数9の分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールを11.1モル%含む脂肪族飽和アルコール(シェルケミカルズ社製、製品名:リネボール9)416g(2.9モル)を加えた以外は製造例1と同様に実施して、本発明の安定化剤化合物である4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル(以下、「化合物2」という。)449gを得た。
得られた化合物2は、エステル価:260mgKOH/g、酸価:0.04mgKOH/g、色数:10であった。
[製造例3]
2−エチルヘキシルアルコール374g(2.9モル)の代わりに炭素数9/10/11の比率(モル比)が19/43/38であり、全体の直鎖率が84重量%である、炭素数9〜11の混合飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:ネオドール911)464g(2.9モル)を加えた以外は製造例1と同様に実施して、本発明の安定化剤化合物である4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル(以下、「化合物3」という。)483gを得た。
得られた化合物3は、エステル価:247mgKOH/g、酸価:0.02mgKOH/g、色数:5であった。
[実施例1]
上記「(3)塩化ビニルシートの作製」の方法に従って、安定化剤として製造例1で得られた化合物1を5重量部、更に可塑剤として市販のトリメリット酸トリ2−エチルヘキシル(TOTM)を50重量部用いて塩化ビニル系樹脂組成物を得た後、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製した。
次に、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を上記「(4)電子線照射試験」に記載の条件にて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表1に記載した。
[実施例2]
化合物1を10重量部用いた以外は、実施例1と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表1に記載した。
[実施例3]
化合物1を20重量部用いた以外は、実施例1と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表1に記載した。
[実施例4]
化合物1を化合物2に代えた以外は、実施例2と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表1に記載した。
[実施例5]
化合物1を化合物3に代えた以外は、実施例2と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表1に記載した。
[実施例6]
TOTMを1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル(BASF社製、Hexamoll DINCH)に置き換えた以外は、実施例2と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表1に記載した。
[実施例7]
TOTMをフタル酸ジ2-エチルヘキシル(新日本理化(株)製、サンソサイザーDOP)に置き換えた以外は、実施例2と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表1に記載した。
[実施例8]
TOTMを用いずに化合物1を50重量部用いた以外は、実施例1と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表1に記載した。
[実施例9]
TOTMを用いずに化合物2を50重量部用いた以外は、実施例4と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表1に記載した。
[実施例10]
TOTMを用いずに化合物3を50重量部用いた以外は、実施例5と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表1に記載した。
[比較例1]
化合物1を用いない以外は、実施例1と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表1に記載した。
[比較例2]
化合物1を用いない以外は、実施例6と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表1に記載した。
[比較例3]
化合物1を用いない以外は、実施例7と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表1に記載した。
Figure 2019102995
表1の実施例1〜7の結果と比較例1〜3の結果の比較より、本発明の4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを安定化剤として塩化ビニルシートに加えることにより、電子線照射による曇り度及びイエローインデックスの上昇が抑えられ、その結果、電子線照射滅菌後10日経過した後も内容物を視認するために十分な透明性と色相を維持していることがわかる。また、他の可塑剤を用いずに、本発明の安定化剤の量を増やすことにより可塑性を付与した塩化ビニルシート(実施例8〜10の結果)では、その効果が更に顕著に表れていることがわかる。以上の結果より、本発明の安定化剤が電子線照射滅菌後の医療材料の内容物視認性の改善に非常に効果的であることが明確である。
<第2の実験例>
[製造例4]
〔エステル化反応〕
温度計、デカンター、攪拌羽、還流冷却管を備えた1L四ツ口フラスコに、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物182.6g(1.2モル,新日本理化(株)製:リカシッドTH)、2−エチルヘキシルアルコール378g(2.9モル)、及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.24gを加え、反応温度を200℃としてエステル化反応を実施した。減圧下アルコールを還流させて生成水を系外へ除去しながら、反応溶液の酸価が0.5mgKOH/gになるまで反応を行った。反応終了後、未反応アルコールを減圧下で系外へ留去した後、常法に従って中和、水洗、脱水して中間原料である4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル404gを得た。
〔エポキシ化反応〕
次に、上温度計、攪拌羽、冷却管を備えた1L四ツ口フラスコに、上記エステル化反応で得られた4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを394g(1.0モル)仕込み、60〜70℃に昇温した。昇温後、60%過酸化水素水76.6g(1.35モル)、76%蟻酸18.3g(0.30モル)、及び75%燐酸1.47g(0.01モル)を2時間15分かけてゆっくりと滴下した。滴下終了後、更に4時間上記温度を保持し、熟成して反応を完了した。反応終了後、水相を系外へ除去した後、常法に従って、水洗、脱水して目的とする本発明の安定化剤である4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「化合物4」という。)370gを得た。
得られた化合物4は、エステル価:273mgKOH/g、酸価:0.04mgKOH/g、ヨウ素価:2.6gI2/100g、オキシラン酸素:3.7%、色数:10であった。
[製造例5]
2−エチルヘキシルアルコール378g(2.9モル)の代わりに炭素数9の直鎖状の飽和脂肪族アルコールを88.5モル%と炭素数9の分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールを11.1モル%を含む脂肪族飽和アルコール(シェルケミカルズ社製、製品名:リネボール9)416g(2.9モル)を加えた以外は製造例4と同様に実施して、本発明の安定化剤化合物である4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「化合物5」という。)397gを得た。
得られた化合物5は、エステル価:256mgKOH/g、酸価:0.06mgKOH/g、ヨウ素価:1.7gI2/100g、オキシラン酸素:3.5%、色数:10であった。
[製造例6]
2−エチルヘキシルアルコール378g(2.9モル)の代わりに炭素数9/10/11の比率(モル比)が19/43/38であり、全体の直鎖率が84重量%である、炭素数9〜11の混合飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:ネオドール911)464g(2.9モル)を加えた以外は製造例4と同様に実施して、本発明の安定化剤化合物である4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「化合物6」という。)404gを得た。
得られた化合物6は、エステル価:242mgKOH/g、酸価:0.04mgKOH/g、ヨウ素価:1.7gI2/100g、オキシラン酸素:3.1%、色数:10であった。
[実施例11]
上記「(3)塩化ビニルシートの作製」の方法に従って、安定化剤として製造例4で得られた化合物4を5重量部、更に可塑剤として市販のトリメリット酸トリ2−エチルヘキシル(TOTM)を50重量部用いて塩化ビニル系樹脂組成物を得た後、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製した。
次に、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を上記「(4)電子線照射試験」に記載の条件にて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表2に記載した。
[実施例12]
化合物4を10重量部用いた以外は、実施例11と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表2に記載した。
[実施例13]
化合物4を20重量部用いた以外は、実施例11と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表2に記載した。
[実施例14]
化合物4を化合物5に代えた以外は、実施例12と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表2に記載した。
[実施例15]
化合物4を化合物6に代えた以外は、実施例12と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表2に記載した。
[実施例16]
TOTMを1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル(BASF社製、Hexamoll DINCH)に置き換えた以外は、実施例12と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表2に記載した。
[実施例17]
TOTMをフタル酸ジ2-エチルヘキシル(新日本理化(株)製、サンソサイザーDOP)に置き換えた以外は、実施例12と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表2に記載した。
[実施例18]
TOTMを用いずに化合物4を50重量部用いた以外は、実施例11と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表2に記載した。
[実施例19]
TOTMを用いずに化合物5を50重量部用いた以外は、実施例14と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表2に記載した。
[実施例20]
TOTMを用いずに化合物6を50重量部用いた以外は、実施例15と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表2に記載した。
[比較例4]
化合物4を用いない以外は、実施例11と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表2に記載した。
[比較例5]
化合物4を用いない以外は、実施例16と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表2に記載した。
[比較例6]
化合物4を用いない以外は、実施例17と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射後10日目の試験片について、各試験片の曇り度とイエローインデックス(YI値)を測定し、照射後10日目の試験片の数値と上昇値の数値を表2に記載した。
Figure 2019102995
表2の実施例11〜17の結果と比較例4〜6結果の比較より、本発明の4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを安定化剤として塩化ビニルシートに加えることにより、電子線照射による曇り度及びイエローインデックスの上昇が抑えられ、その結、果電子線照射滅菌後10日経過した後も内容物を視認するために十分な透明性と色相を維持していることがわかる。また、他の可塑剤を用いずに、本発明の安定化剤の配合量を増やすことにより可塑性を付与した塩化ビニルシート(実施例18〜20の結果)では、その効果が更に顕著に表れていることがわかる。以上の結果より、本発明の安定化剤が電子線照射滅菌後の医療材料の内容物視認性の改善に非常に効果的であることが明確である。
<第3の実験例>
[製造例7]
温度計、デカンター、攪拌羽、還流冷却管を備えた1L四ツ口フラスコに、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物182.6g(1.2モル,新日本理化(株)製:リカシッドTH)、2−エチルヘキシルアルコール374g(2.9モル)、及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.24gを加え、反応温度を200℃としてエステル化反応を実施した。減圧下アルコールを還流させて生成水を系外へ除去しながら、反応溶液の酸価が0.5mgKOH/gになるまで反応を行った。反応終了後、未反応アルコールを減圧下で系外へ留去した後、常法に従って中和、水洗、脱水して目的とする本発明の安定化剤化合物である4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル(以下、「化合物1」という。)369gを得た。
得られた化合物1は、エステル価:283mgKOH/g、酸価:0.01mgKOH/g、色数:10であった。
[製造例8]
2−エチルヘキシルアルコール374g(2.9モル)の代わりに炭素数9の直鎖状の飽和脂肪族アルコールを88.5モル%と炭素数9の分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールを11.1モル%含む脂肪族飽和アルコール(シェルケミカルズ社製、製品名:リネボール9)416g(2.9モル)を加えた以外は製造例1と同様に実施して、本発明の安定化剤化合物である4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル(以下、「化合物2」という。)449gを得た。
得られた化合物2は、エステル価:260mgKOH/g、酸価:0.04mgKOH/g、色数:10であった。
[製造例9]
2−エチルヘキシルアルコール374g(2.9モル)の代わりに炭素数9/10/11の比率(モル比)が19/43/38であり、全体の直鎖率が84重量%である、炭素数9〜11の混合飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:ネオドール911)464g(2.9モル)を加えた以外は製造例1と同様に実施して、本発明の安定化剤化合物である4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル(以下、「化合物3」という。)483gを得た。
得られた化合物3は、エステル価:247mgKOH/g、酸価:0.02mgKOH/g、色数:5であった。
[実施例21]
上記「(3)塩化ビニルシートの作製」の方法に従って、可塑剤として化合物1を50重量部、更に安定化剤として市販のアセチルアセトン亜鉛を0.2重量部用いて塩化ビニル系樹脂組成物を得た後、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製した。次に、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を上記「(4)電子線照射試験」に記載の条件にて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表3に記載した。
[実施例22]
アセチルアセトン亜鉛を0.5重量部用いた以外は、実施例21と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表3に記載した。
[実施例23]
実施例21において、さらにエポキシ化大豆油を5重量部用いた以外は、実施例21と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表3に記載した。
[実施例24]
アセチルアセトン亜鉛をデヒドロ酢酸亜鉛に代えた以外は、実施例23と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表3に記載した。
[実施例25]
化合物1を化合物2に置き換えた以外は、実施例23と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表3に記載した。
[実施例26]
化合物1を化合物3に置き換えた以外は、実施例23と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表3に記載した。
[比較例7]
アセチルアセトン亜鉛を用いない以外は、実施例21と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表3に記載した。
[比較例8]
化合物1をフタル酸ジ2-エチルヘキシル(新日本理化(株)製、サンソサイザーDOP)に置き換えた以外は、比較例7と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表3に記載した。
[比較例9]
化合物1をフタル酸ジ2-エチルヘキシル(新日本理化(株)製、サンソサイザーDOP)に置き換えた以外は、実施例21と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表3に記載した。
[比較例10]
化合物1をフタル酸ジ2-エチルヘキシル(新日本理化(株)製、サンソサイザーDOP)に置き換えた以外は、実施例22と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表3に記載した。
Figure 2019102995
表3の実施例21〜26の結果と比較例7〜10の結果の比較より、本発明の可塑剤である4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び安定化剤であるβ-ジケトン化合物を加えることにより、電子線照射後のイエローインデックスの上昇が顕著に抑えられていることがわかる。更にエポキシ化合物を加えることにより電子線照射後のイエローインデックスの上昇がより一層抑えられていることがわかる。その結果、電子線照射滅菌後10日経過した後も内容物を識別するために十分な色相を維持していることがわかる。以上の結果より、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、電子線照射滅菌して用いられる医療材料の原料として非常に有用であることが明確である。具体的には、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物から得られる塩化ビニル系樹脂成形体は、色相が非常に良好であるがゆえ、内容物の識別性が非常に高く、輸液バッグ、輸液チューブ、及び血液回路などの医療材料に好適に用いられる。
<第4の実験例>
[製造例10]
〔エステル化反応〕
温度計、デカンター、攪拌羽、還流冷却管を備えた1L四ツ口フラスコに、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物182.6g(1.2モル,新日本理化(株)製:リカシッドTH)、2−エチルヘキシルアルコール378g(2.9モル)、及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.24gを加え、反応温度を200℃としてエステル化反応を実施した。減圧下アルコールを還流させて生成水を系外へ除去しながら、反応溶液の酸価が0.5mgKOH/gになるまで反応を行った。反応終了後、未反応アルコールを減圧下で系外へ留去した後、常法に従って中和、水洗、脱水して中間原料である4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル404gを得た。
〔エポキシ化反応〕
次に、上温度計、攪拌羽、冷却管を備えた1L四ツ口フラスコに、上記エステル化反応で得られた4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを394g(1.0モル)仕込み、60〜70℃に昇温した。昇温後、60%過酸化水素水76.6g(1.35モル)、76%蟻酸18.3g(0.30モル)、及び75%燐酸1.47g(0.01モル)を2時間15分かけてゆっくりと滴下した。滴下終了後、更に4時間上記温度を保持し、熟成して反応を完了した。反応終了後、水相を系外へ除去した後、常法に従って、水洗、脱水して目的とする本発明の安定化剤である4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「化合物4」という。)370gを得た。
得られた化合物4は、エステル価:273mgKOH/g、酸価:0.04mgKOH/g、ヨウ素価:2.6gI2/100g、オキシラン酸素:3.7%、色数:10であった。
[製造例11]
2−エチルヘキシルアルコール378g(2.9モル)の代わりに炭素数9の直鎖状の飽和脂肪族アルコールを88.5モル%と炭素数9の分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールを11.1モル%含む脂肪族飽和アルコール(シェルケミカルズ社製、製品名:リネボール9)416g(2.9モル)を加えた以外は製造例10と同様に実施して、本発明の安定化剤化合物である4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「化合物5」という。)397gを得た。
得られた化合物5は、エステル価:256mgKOH/g、酸価:0.06mgKOH/g、ヨウ素価:1.7gI2/100g、オキシラン酸素:3.5%、色数:10であった。
[製造例12]
2−エチルヘキシルアルコール378g(2.9モル)の代わりに炭素数9/10/11の比率(モル比)が19/43/38であり、全体の直鎖率が84重量%である、炭素数9〜11の混合飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:ネオドール911)464g(2.9モル)を加えた以外は製造例10と同様に実施して、本発明の安定化剤化合物である4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「化合物6」という。)404gを得た。
得られた化合物6は、エステル価:242mgKOH/g、酸価:0.04mgKOH/g、ヨウ素価:1.7gI2/100g、オキシラン酸素:3.1%、色数:10であった。
[実施例27]
上記「(3)塩化ビニルシートの作製」の方法に従って、可塑剤として化合物4を50重量部、更に安定化剤として市販のアセチルアセトン亜鉛を0.5重量部用いて塩化ビニル系樹脂組成物を得た後、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製した。次に、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を上記「(4)電子線照射試験」に記載の条件にて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表4に記載した。
[実施例28]
実施例27において、アセチルアセトン亜鉛の配合量を0.2重量部に変更し、さらにエポキシ化大豆油を5重量部用いた以外は、実施例27と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表4に記載した。
[実施例29]
実施例27において、アセチルアセトン亜鉛0.5重量部の代わりにデヒドロ酢酸亜鉛を0.2重量部用いた以外は、実施例27と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表4に記載した。
[実施例30]
アセチルアセトン亜鉛をデヒドロ酢酸亜鉛に代えた以外は、実施例28と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表4に記載した。
[実施例31]
化合物4を化合物5に置き換え、アセチルアセトン亜鉛の配合量を0.2重量部に変更した以外は、実施例27と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表4に記載した。
[実施例32]
実施例31において、さらにエポキシ化大豆油を5重量部用いた以外は、実施例31と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表4に記載した。
[実施例33]
実施例32において、化合物5を化合物6に置き換え以外は、実施例32と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表4に記載した。
[比較例11]
アセチルアセトン亜鉛を用いない以外は、実施例27と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表4に記載した。
[比較例12]
化合物4をフタル酸ジ2−エチルヘキシル(新日本理化(株)製、サンソサイザーDOP)に置き換えた以外は、比較例11と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表4に記載した。
[比較例13]
比較例12において、さらにアセチルアセトン亜鉛を0.2重量部用いた以外は、比較例12と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表4に記載した。
[比較例14]
比較例13において、アセチルアセトン亜鉛の配合量を0.5重量部に変更した以外は、比較例13と同様に実施して、塩化ビニルシートを作製し、得られた塩化ビニルシートより切り出した試験片を用いて電子線照射を行い、電子線照射前の試験片と電子線照射直後の試験片、電子線照射後10日経過の試験片について、各試験片のイエローインデックス(YI値)を測定し、電子線照射後10日目の試験片のYI値とその上昇値を表4に記載した。
Figure 2019102995
表4の実施例27〜33の結果と比較例11〜14の結果の比較より、本発明の可塑剤である4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル及び安定化剤であるβ-ジケトン化合物を加えることにより、電子線照射後のイエローインデックスの上昇が顕著に抑えられていることがわかる。更にエポキシ化大豆油を加えることにより電子線照射後のイエローインデックスの上昇がより一層抑えられていることがわかる。その結果、電子線照射滅菌後10日経過した後も内容物を識別するために十分な色相を維持していることがわかる。以上の結果より、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、電子線照射滅菌して用いられる医療材料の原料として非常に有用であることが明確である。具体的には、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物から得られる塩化ビニル系樹脂成形体は、色相が非常に良好であるがゆえ、内容物の識別性が非常に高く、輸液バッグ、輸液チューブ、及び血液回路などの医療材料に好適に用いられる。
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルからなる本発明の安定化剤、及びその安定化剤を用いた内容物視認性の改善方法を用いることにより、あるいは(a)4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステル、及び(b)β−ジケトン化合物又はその金属塩を含む塩化ビニル系樹脂組成物を用いることにより、電子線照射滅菌時及びその後の経時的な透明性低下や着色を抑えることが可能となり、電子線照射滅菌された医療材料の内容物視認性が大きく向上する。その結果、これまで問題であった電子線照射滅菌後の医療材料の内容物視認性低下の問題が解消され、医療事故等を少なくすることが可能となる。従って、本発明の医療材料は、透析回路チューブやカテーテル等の医療用チューブ、血液バッグや輸液バッグ等の医療用バッグ、連結部材や各種バルブ等の血液回路、注射器などの様々な医療器具の材料として好適に使用することができる。

Claims (17)

  1. 塩化ビニル系樹脂成形体からなる電子線照射滅菌された材料の内容物視認性の改善方法であって、
    前記塩化ビニル系樹脂成形体が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを5〜100重量部含有することを特徴とする、内容物視認性の改善方法。
  2. 前記4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルが、下記一般式(1)で示される化合物である、請求項1に記載の内容物視認性の改善方法。
    Figure 2019102995
    [式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
  3. 前記4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルが、下記一般式(2)で示される化合物である、請求項1又は2に記載の内容物視認性の改善方法。
    Figure 2019102995
    [式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
  4. 塩化ビニル系樹脂100重量部と、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステル5〜100重量部とを含む、電子線照射滅菌後の内容物視認性の改善された医療材料用の塩化ビニル系樹脂組成物。
  5. 下記一般式(1)で示される4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は下記一般式(2)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルからなる、電子線照射滅菌後の塩化ビニル系樹脂成形体からなる材料の内容物視認性改善のための安定化剤。
    Figure 2019102995
    [式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
    Figure 2019102995
    [式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
  6. 請求項5に記載の安定化剤を含む塩化ビニル系樹脂成形体。
  7. 塩化ビニル系樹脂100重量部に対して前記安定化剤を5〜100重量部含有する請求項6に記載の塩化ビニル系樹脂成形体。
  8. 請求項6又は7に記載の塩化ビニル系樹脂成形体を含む電子線照射滅菌された医療材料。
  9. 塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、
    (a)下記一般式(1)で示される4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は下記一般式(2)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを5〜100重量部、及び
    (b)β−ジケトン化合物及びその金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を0.01〜1.0重量部含むことを特徴とする、放射線照射によって滅菌処理された医療材料の原料である塩化ビニル系樹脂組成物。
    Figure 2019102995
    [式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
    Figure 2019102995
    [式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
  10. 前記(b)β−ジケトン化合物及びその金属塩が、デヒドロ酢酸亜鉛、アセチルアセトンカルシウム、アセチルアセトン亜鉛、及びアセチルアセトンマグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項9に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  11. 更に、上記一般式(2)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステル以外の(c)エポキシ化合物を0.1〜30重量部含む請求項9又は10に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  12. 前記(c)エポキシ化合物がエポキシ化大豆油である請求項11に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  13. 前記放射線が電子線である請求項9〜12のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  14. 請求項9〜13のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物から得られる医療材料用塩化ビニル系樹脂成形体。
  15. 塩化ビニル系樹脂組成物から得られる医療材料用塩化ビニル系樹脂成形体の放射線照射による滅菌処理方法であって、
    前記塩化ビニル系樹脂組成物が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、
    (a)下記一般式(1)で示される4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル及び/又は下記一般式(2)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを5〜100重量部、及び
    (b)β−ジケトン化合物及びその金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を0.01〜1.0重量部含むことを特徴とする、医療材料用塩化ビニル系樹脂成形体の放射線照射による滅菌処理方法。
    Figure 2019102995
    [式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
    Figure 2019102995
    [式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ飽和脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基であって、前記飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールである。]
  16. 前記塩化ビニル系樹脂組成物は、更に、上記一般式(2)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステル以外の(c)エポキシ化合物を0.1〜30重量部含む請求項15に記載の医療材料用塩化ビニル系樹脂成形体の放射線照射による滅菌処理方法。
  17. 前記放射線が電子線である請求項15又は16に記載の医療材料用塩化ビニル系樹脂成形体の放射線照射による滅菌処理方法。
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