明 細 書 磁気記録媒体及びその製造方法 技 術 分 野 本発明は、 磁気記録媒体、 特に例えば金属薄膜が蒸着された蒸着 テープ等に関するものであり、 さらにはその製造方法に関するもの ある。 背 景 技 術 金属あるいは C o - N i等の合金からなる磁性材料をメッキゃ真 空薄膜形成技術 (真空蒸着法、 スパッタリ ング法、 イオンプレーテ イング法等) によりポリエステルフイルムやポリイミ ドフイルム等 のベースフィル厶上に直接被着した、 所謂強磁性金属薄膜型の磁気 記録媒体は、 保磁力、 角形比等に優れ、 短波長域における電磁変換 特性に優れるばかりでなく、 磁性層の薄膜化が可能であるために記 録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいこと、 或いは磁性層中に 非磁性材料である結合剤等を混入する必要がないために磁性材料の 充塡密度を高くできること等、 数々の利点を有している。
この強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体において、 一般に磁性層は 真空蒸着法により形成されており、 例えば真空チャンバ内において ベースフィルムを巻き出レ側から巻取り側に亘つて順次走行させな がら、 その中途部に設けられた冷却キヤンの外周面に沿って移動走
行されるベースフィルム上に蒸発せしめられた磁性材料を被着させ
る、 所謂連鐃巻取り式の斜方蒸着法が採用されている。
ところで、 このような強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体を特にデ
ジタルビデオテープレコーダ等に用いる場合には、 データの転送レ
一トが非常に高いために、 記録 ·再生時における磁気記録媒体と磁
気へッ ドの相対速度は、 例えば従来のアナログ記録を行う場合記録
の 2倍以上とすることが必要である。 このために、 磁気へッ ドの摺
動による磁気記録媒体の損傷が大きく、 耐久性の向上が重要な課題
とされている。
このため、 蒸着時に酸素を導入する等して磁性層の表面に C 0酸
化物等の保護膜を設けるのみでは充分な耐久性が得られず、 更に耐
摩耗性を有する材料をもつて保護膜を設ける必要がある。 またこれ
ら保護膜の厚さを大とするのみでは、 スペーシングロスによる電磁
変換特性の劣化をもたらす虞れがある。
そこで本発明は、 上述の従来の実情に鑑みて提案されたものであ
.り、 電磁変換特性の劣化を招来することなく、 耐摩耗性の向上を図
つて、 耐久性、 i 頼性に優れた磁気記録媒体及びその製造方法を提
供することを目的とする。 発 明 の 開 示 本発明の第 1の発明による磁気記録媒体は、 その一例の略線的拡
大断面図を図 1に示すように、 基板 (ベースフィルム) 1 0 1上に
金属磁性薄膜 1 0 2、 この金属磁性薄膜 1 0 2の酸化物曆 1 0 3及
び保護層 1 0 4が順次形成されて成り、 酸化物層 1 0 3の厚さ t 1
を 2 0〜2 3 0 Aとし、 保護層 1 0 4の厚さ t 2 を 2 0〜 2 3 0 A とし、 酸化物層 1 0 3と保護層 1 0 4 との全厚さ Tを 4 0〜 2 5 0 Aとして構成する。
また本発明の他の一においては、 上述の磁気記録媒体において、
9- 保護層 4を無機材料により構成する。
上述の保護層形成の際には、 予め酸化物層表面をボンバード処理 し、 保護膜の密着性を高めるようにしてもよい。
即ち、 例えば真空チヤンバ内でベースフィルム上に真空蒸着法に より強磁性金属薄膜を形成した後、 この強磁性金属薄膜を 1 . 6 k W/m 2 以上の投入電力密度でボンバード処理し、 更に同一真空チ ャンバ内で連続的に上記強磁性金属薄膜上に保護膜を形成するよう にしてもよい。 これが本発明の第 2の発明である。
磁性層とされる強磁性金属薄膜は、 真空蒸着法により形成される c この真空蒸着法としては、 通常の真空蒸着法の他、 電界、 磁界、 電 子ビーム照射等により蒸気流のイオン化、 加速化等を行って蒸発化 学種の平均自由工程の大きい雰囲気にてベースフィル厶上に磁性薄 膜を成膜させる方法等でも良い。
このような真空蒸着法により上記強磁性金属薄膜を成膜する際に は、 例えば所定の方向に回転するようになされた冷却キヤンの外周 面に沿って移動走行される非磁性支持体の表面に蒸発源から蒸発せ しめられた磁性材料を所定の入射角をなす方向から入射させて被着
•3- せしめる、 所謂斜方蒸着法が採用される。 この場合、 得られる強磁 性金属薄膜の磁気特性及び耐久性の向上を図るために、 上記非磁性 支持体の表面に酸素ガスが導入される。
そこで、 この真空蒸着法による強磁性金属薄膜の成膜後に上 の
ボンバ一ド処理を行う。 これにより、 この強磁性金属薄膜上に保護 膜を形成しても、 強磁性金属薄膜と保護膜の付着力を十分に確保す ることができ、 耐久性、 信頼性の向上を図ることができる。 また、 スペーシングロスが少なくなり、 電磁変換特性が向上する。
上記ボンバード処理に使用されるガスとしては、 上記強磁性金属 薄膜の表面が酸化されるのを回避するために、'不活性ガスを使用す ることが望ましく、 具体的には A rガス等が好適である。
また、 このボンバ一ド処理を行うに際し、 ボンバ一ド処理装置内 に配設される一対の電極における投入電力密度は、 1 . 6 1c WZm 2 以上とする。 投入電力密度が 1 . 6 k W/m 2 よりも低いと、 上記 表面に対する十分なェッチング効果が期待できず、 上記保護膜の付 力を改善できない。 この投入電力密度は、 単位面積当たりの処理 能力を表すものであり、 上記投入電力密度を上記範囲とするために、 上記電極に印加する電圧及び電流を上記べ一スフイルムのテープ速 度やテープ幅に応じて適宜設定することが望ましい。
上述のボンバード処理を施した後、 ボンバード処理がなされた面 上に同一真空チャンバ内で連铳して保護膜を成膜する。 これにより、 保護膜の付着力を十分に確保することができる。 従って、 磁気へッ ドの摺接時における上記保護膜の剥離が防止され、 耐久性、 信頼性 が向上する。
上記保護膜の成膜方法としては、 特に限定されるものではなく、 例えばスパッタリング法、 C V D法、 蒸着法等何れも使用可能であ るが、 強磁性金属薄膜の成膜工程とインライン化が可能な方法であ れば好適である。
この保護膜としては、 一般に力一ボン膜が好適であるが、 この他
にも例えばスパッタリ ング法による S i 02 膜, S i 3 N4 膜, S i Nx 膜, B N膜, Zn02 膜, A 12 03 膜, Mo S2 膜, S i C膜等が何れも使用可能である。
また、 上記強磁性金属薄膜を構成する磁性材料としては、 一般的 に使用されているものであれば何れでも良いが、 好ましくは金属磁 性材料が使用されるのが良い。 この場合、 金属磁性材料としては、 通常この種の磁気記録媒体で使用されるものが何れも使用可能であ る。 具体的に例示すれば、 F e、 C o、 N i等の磁性金属や、 F e -Co. Co - N i、 F e - C o—N i、 F e— C o— C r、 C o 一 N i— C r、 F e— C o—N i— C r等が挙げられる。
上記強磁性金属薄膜は真空薄膜形成技術により成膜される。 真空 薄膜形成技術としては、 真空蒸着法、 スパッタリ ング法、 イオンプ レーティング法等挙げられるが、 特に真空蒸着法が有効とされる。 この真空蒸着法としては、 通常の真空蒸着法の他、 電界、 磁界、 電 子ビーム照射等により蒸気流のイオン化、 加速化等を行って蒸発化 学種の平均自由行程の大きい雰囲気にて非磁性支持体上に薄膜を成 膜させる方法等でも良い。 このような真空薄膜形成技術を導入して 典型的には斜め蒸着を行う。 上記斜め蒸着とは、 磁性金属材料の蒸 気流を非磁性支持体の法線方向に対して所定の入射角をなす方向か ら入射させ、 上記非磁性支持体上に磁性薄膜を析出させる方法であ 0
また、 上記強磁性金属薄膜は、 単層であってもよいし、 多層であ つてもよい。 後者の場合、 2層以上積層された強磁性金属薄膜と各 強磁性金属薄膜間に介在された非磁性中間層より構成されてもよい c 非磁性中間層は、 上記強磁性金属薄膜が 2層である場合は 1層のみ
設けられ、 上記強磁性金属薄膜が n層 (nは 3以上の整数) である 場合には (n— 1 ) 層設けられることになる。 このような非磁性中 閭層により、 各強磁性金属薄膜間での磁気的な相互作用が防止され、 低ノイズ化が図られる。
上記非磁性中間層は、 酸化物から構成されるものであり、 例えば C r S i、 A 、 M n、 B i、 T i、 S n、 P b、 I n、 Z n、 C u等の酸化物もしくはこれらの複酸化物が挙げられる。 この非磁 性中間層の各層厚の合計は、 上記記録層の全厚に対して 2 0 %以下 とされる。 この非磁性中間層の合計層厚が 2 0 %を越える場合には、 特に短波長域における電磁変換特性の向上を図ることが困難となる。 また、 各層の層厚は、 約 3 0 0 A以下であることが好ましい。 非磁 性中間層の層厚が 3 0 O Aを上回ると、 該非磁性中間層の下層側の 強磁性金属薄膜から記録信号を検出しにく くなる虞れがある。
上述のよう強磁性金属薄膜間に中間酸化層が介在していると、 各 磁性薄膜間の磁気的な結合を弱めることができるが、 この酸化層の 膜厚が厚すぎると、 逆にエネルギー積が減少し、 電磁変換特性が劣 化する虞れが生じる。
また、 これら複数の強磁性金属薄膜から構成されてなる磁性層の 表面、 即ち前記磁性薄膜のうち最も上層に存在する磁性薄膜の表面 に形成された酸化層は、 耐久性の向上を図る上では有効に機能する ものの、 その膜厚が厚くなると、 スペーシングロスを発生する原因 となってしまう。 従って、 このような多層構造を有する磁気記録媒 体においては、 耐久性と電磁変換特性のバランスを保つことが重要 な課題とされる。
そこで、 強磁性金属薄膜を積層する際に、 下層の強磁性金属薄膜
フ の表面を還元性ガスを含む不活性ガスでボンバード処理してもよい。 蒸着時に上記磁性薄膜の表面を還元性ガスを含む不活性ガスでボ ンバード処理すると、 上記中間酸化層の膜厚を薄くするか、 或いは 除去することができる。
実際に、 上記中間酸化層の膜厚は、 数 1 O A程度の極僅かで良く、 例えば蒸着時に 1 0 0 A程度の膜厚に形成された酸化層をボンバー ド処理によりその膜厚が 2 0 A程度となるように薄膜化させれば、 磁性層の残留磁束密度 B , を向上させることができるとともに、 積 層された磁性薄膜の下層の磁性薄膜から出てくる磁束の低下等が防 止できるので、 電磁変換特性を著しく改善することができる。
このボンバード処理に使用される不活性ガスとしては、 特に限定 されないが、 例えば A rガス等が一般的に使用される。
また、 この不活性ガスに導入される還元性ガスとしては、 例えば H 2 ガス、 アセチレン等が挙げられる。
このようなボンバード処理の条件は、 下記の ( 1 ) 式から与えら れる定数 Kを用いて表すことができる。
Ε I
κ= ( 1 )
Λ7 X W
上記 ( 1 ) 式中、 Εは処理装置内の電極に加えられる電圧を表し. Iは前記電極の電流値を表す。 また、 Vは上記処理装置中を通過す る際のテープスピ一ドを表し、 wはボンバード処理がなされる磁気 テープの処理幅を表す。
従つて、 上記 Kは単位面積当たりの処理能力を表すものと考えら れ、 本発明では、 その値が 1 0程度以上となるように上記電極の電 圧 Eや電流値 I等を適宜選定することが望ましい。 この Kの値を前 記範囲に制御することにより、 耐久性を確保しつつ、 電磁変換特性 の改善を図ることができる。
なお、 本発明の磁気記録媒体において、 磁性層は 2層構造でも良 く、 3層以上の多層構造でも良い。 また、 いずれの場合にも、 磁性 層を構成している各磁性薄膜は、 その成長方向が互いに同じ方向 ( 順方向) となるように形成しても良く、 反対方向 (逆方向) となる ように形成しても良い。
—方、 ベ一スフイルムとしては、 通常この種の磁気記録媒体にお いて使用されるものが何れも使用可能である。 具体的に例示するな らば、 ポリエチレンテレフタレート、 ポリエチレン一 2, 6 —ナフ 夕レート等のポリエステル樹脂や芳香族ポリアミ ドフィルム、 ポリ ィミ ド樹脂フィルム等が挙げられる。
ところで、 上述のように、 多層構造の磁性層の形成を行う場合、 冷却キャン外周面を走行する可撓性支持基板 (ベ一スフイルム) の 走行速度を早めることによつて膜厚の薄い金属磁性薄膜を形成する ため、 可撓性支持基板走行面と冷却キヤンの外周面の接触時間が減 少し、 冷却キャン上の可撓性支持基板の冷却が充分に行われず、 熱 負け等の間題が発生する。 本発明者等は鋭意検討した結果、 可撓性 支持基板の非被蒸着面 (所謂、 走行面) の粗さを制御し、 可撓性支 持基板走行面と冷却キヤンの外周面の接触面積を制御することによ つて、 上述の問題を解決できることを見出した。
そこで、 本発明の第 3の発明においては、 可撓性支持基板の一方
の面上に複 ^ [の金属磁性薄膜が形成されてなる磁気記録媒体におい て、 上記可撓性支持基板の他方の面 (走行面) の粗さを中心線平均 粗さ R /及び突起の最大高さ Rmax 力 ^ それぞれ、 0. 0 0 1 5 R a ≤ 0. 0 0 7 0 m, 0. 0 1 5≤Rmax ≤ 0. 0 7 0 mの 範囲となるように規定し、 このことによって、 熱負けの発生を防止 し、 電磁変換特性が向上し、 製造歩留りの低下の起こりにくい磁気 記録媒体を得る。 なお、 中心線平均粗さ R a 及び突起の最大高さ R mex は、 J I S B 0 6 0 1にて規定されるものである。
可撓性支持基板は上述のように、 一方の面上には磁性層が形成さ れるため、 該面は良好な磁気特性が得ることができ、 かつスぺーシ ングロスを抑えることができる範囲の表面粗さを有し、 他面 (走行 面) は走行性を確保することができ、 かつ可撓性支持基板の冷却が 充分行える冷却キヤンとの接触面積を有する範囲の表面粗さを有す 0
本発明においては、 走行面の粗さを、 中心線平均粗さ Ra 及び突 起の最大高さ Rmax で、 それぞれ 0. 0 0 1 5 Ra ^ 0. 0 0 7 0 ;/m (好ましくは Ra ≤ 0. 0 0 4〃mである。 ) , 0. 0 1 5 ≤Rmax ≤ 0. 0 7 0〃mの範囲となるように規定している。
中心線平均粗さ Ra 力 \ 規定された範囲よりも小さな値であると、 可撓性支持基板が冷却キヤンの外周面を走行する場合、 可撓性基板 の走行面と冷却キヤン外周面との密着が起き、 走行速度をあまり早 めることができない。 また、 可撓性支持基板へのシヮの発生が起き やすく、 製品の製造が困難となる。 さらに、 中心線平均粗さ Ra 力く 規定された範囲よりも大きな値であると、 可撓性支持基板走行面と 冷却キヤンの外周面の接触面積が少なすぎるために、 冷却キヤン上
/o
の可撓性支持体の冷却が充分に行われない。 よって、 可撓性支持体 に熱による幅方向に縮みや長手方向の伸び等の変形が生じ (所謂、 熱負け) 、 電磁変換特性の低下を招き、 これがひどくなると長手方 向にスジが棻生し、 製品として使用できなくなり、 製造歩留りの低 下に繋がる。
また、 突起の最大高さ R m a x の範囲を規定することによって、 走 行面の突起の大きさを平均化するこができる。 例えば、 中心線平均 粗さ R a が規定された範囲にあり、 突起の最大高さ R^ x カ、 規定 された範囲よりも小さな値であると、 可撓性支持基板の走行面に適 度な粗さをもたせることができず、 走行速度をあまり早めることが できない。 さらに、 中心線平均粗さ R a が規定された範囲にあり、 突起の最大高さ Rma x が規定された範囲よりも大きな値であると、 可撓性支持基板走行面には突起が点在することとなり、 冷却キャン 上の可撓性支持体の冷却が充分に行われないばかりでなく、 走行性 にも支障をきたす。
上記のような可撓性支持基板の走行面の粗さの制御は、 フィラー の内添によって、 達成される。 該フイラ一は、 非常に細かい粒子で あるので、 可撓性支持基板への内添時に凝集することが考えられ、 凝集時に上記のような範囲の突起を可撓性支持基板の走行面に形成 することのできる所定の粒子径を有するフィラーを内添すれば良く、 フィラーの種類は、 通常この種の磁気記録媒体の製造方法に適用さ れるものであれば、 特に限定されるものではない。
更に、 本発明においては、 必要に応じて、 上記ベースフィルム上 に下塗り膜を形成する工程ゃバックコート層、 トップコート層等を 形成する工程等を加えても良い。 この場合、 下塗り膜、 バックコ一
//
ト層、 トップコー ト層等の成膜条件は、 通常この種の磁気記録媒体 の製造方法に適用される方法であれば良く、 特に限定されない。 な お、 これら下塗り膜やバックコー ト層、 トップコート層等の成膜ェ 程は、 上記磁性層及び保護膜の成膜工程とインラインで行われるこ とが望ましく、 これにより著しい生産性の向上を図ることが可能と なる。
例えば、 上記トップコー ト層は、 各種潤滑剤を塗布することによ つて形成されるが、 ここで潤滑剤としては公知のものが何れも使用 可能である。 特に好ましいのは、 カルボン酸パーフルォロアルキ儿 エステルや、 末端にカルボキシル基を有するパーフルォロポリエ一 テルと長鎖アルコールとのエステル化合物、 末端にカルボキシル基 を有するパーフルォ αポリエーテルのァミ ン塩化合物等が好適であ 0
上記カルボン酸パーフルォロアルキルエステルは、 一般式
RCOO (CH) ,· Ck F2k + 1
(但し、 式中、 Rは炭化水素基であり、 j≥ 0, k≥ 4である。 ) で示される化合物である。 ここで、 カルボン酸の炭化水素基 Rは直 鎖状, 分技状のいずれでもよく、 また飽和, 不飽和の何れでもよい。 さらに、 上記炭化水素基 Rは、 ァリール基ゃパ一フルォロ炭化水素 基であってもよい。
—方、 パーフルォロアルキル基 (一 Ck F2k + 1) の炭素数 kは 4 以上であるのが良いが、 6以上とするのがより好ましい。
カルボン酸パ一フルォロアルキルエステルは、 例えば相当する酸 塩化物と含フッ素アルコ一几との反応によって容易に合成される。 上記酸塩化物は、 市販の脂肪族カルボン酸を五塩化リ ン PC15 あ
るいは塩化チォニル S0C で塩素化することによって容易に合成で きる。 特に、 脂肪族カルボン酸の炭素数が小さいものについては、 塩化チォニル S0C で塩素化することによつて合成できる。
フッ素含有アルコール Ck F 2 S + i (CH2) i OHについては、 例えばシ モンズ法等によって得られたパーフルォロカルボン酸をジメチルホ ルムアミ ド (D M F ) 存在下で塩素化した後、 還元剤によって還元 することにより容易に合成することができる。 あるいは、 一般式 C k F2 k + i CH2CH20H で示されるパーフルォロアルコール等も提供され ている。
これらカルボン酸パーフルォロアルキルエステルを含有する潤滑 剤曆を強磁性金属薄膜上に付着させる方法としては、 上記潤滑剤を 溶媒に溶解して得られた溶液を強磁性金属薄膜の表面に塗布もしく は噴霧するか、 あるいは逆にこの溶液中に強磁性金属薄膜を浸漬し 乾燥すればよい。
ここで、 その塗布量は、 0. 5 mg/m2〜l 0 0 mg/irfであるのが好 - ましく、 1 mgZn〜2 O nigZmであるのがより好ましい。 この塗布 量があまり少なすぎると、 摩擦係数の低下、 耐摩耗性 ·耐久性の向 上という効果が顕れず、 一方あまり多すぎると、 摺動部材と強磁性 金属薄膜との間ではりつき現象が起こり、 却つて走行性が悪くなる c また、 末端にカルボキシル基を有するバーフルォロポリエーテル と長鎖ァルコールとのエステル化合物は下記の一般式で表されるも のである。
(—般式)
f C00
ROOCR r C00R
(但し、 Rf はパーフルォロボリエーテル基を、 Rは長鎖炭化水素 を示す。 )
なお、 前記エステル化合物に加えて下記一般式で示される燐酸ェ ステルあるいは亜燐酸エステルを含有せしめてもよい。
(一般式)
(R,0)n P(0H)3— n、 ( 0) „ P0(0H)3-n 、 (RiS) „ P(0H)3— n、 (R1S)„ P0(0H)3-„
(但し、 R,は炭化水素を示す。 )
あるいは、 前記エステル化合物に加えて下記一般式で示される長 鎖アルキルァミ ンを含有してもよい。
(一般式)
R2-NH2
(但し、 R2は長鎖炭化水素を示す。 )
ただし、 前記長鎖アルキルァミ ンの添加量は、 前記エステル化合 物に対してモル比で 0. 0 1〜1 0 0である。
上述のエステル化合物を薄膜磁気記録媒体表面に塗布することに より高温高湿あるいは低温低湿等の、 過酷な条件下で使用した場合 にでも良好な耐久性が得られる。 しかもその特性が劣化しない。 ま た、 長鎖炭化水素とパーフルォロポリェ一テルのエステル化合物と することによりフロン系溶媒の使用量をなくすことが可能となる。
これらのエステル化合物については、 例えば末端にカルボキシ几 基を持つパ一フルォロポリエーテルと長鎖アルコールとを無水トル ェン中で例えば少量の P— トルエンスルホン酸や濃硫酸を触媒とし て加熱還流させながら生成する水分を除去することによって用意に 合成することができる。 反応終了後、 トルエンを除去した後カラム
クロマトグラフィ一で精製する。
末端にカルボキシル基を持つパーフルォロポリエーテルと長鎖ァ ルコールとのエステル化合物としての長鎖アルキル基は、 分子量、 分岐構造、 不飽和結合、 異性体構造、 脂環構造によらず選択するこ とができる。 好ましくはその炭素数が 6以上の方が溶解性を考えた 場合に都合がよい。 具体的には、 表 1にその構造を示す。 末端に力 ルポキシル基を持つパーフルォロポリエーテルの構造を例^ば下記 に示すが何等これに限ったものではない。
また、 添加する燐酸あるいは亜燐酸エステルとしての置換基も同 様にその炭化水素の、 分子量、 炭素数、 分岐構造、 不飽和、 及び芳 香環の有無、 異性体あるいは脂環構造によらず選択することができ る。 エステルの置換基数については、 1から 3までが考えられ、 い ずれでも良い。 また、 燐酸及び亜燐酸エステルの添加量についてで あるが、 エステル化合物に対して、 重量比で 3 0 %から 7 0 %程度 が好ましいが特に制限はない。
また、 添加する長鎮アルキルアミンとしてのアルキル基も同様に、 分子量、 炭素数、 分岐構造、 不飽和、 及び芳香環の有無、 異性体あ るいは脂環構造によらず選択することができる。 好ましくは炭素数 が 1 0以上の直鎖状炭化水素が摩擦係数の点から好ましい。 また長 鎖アルキルアミンの添加量については、 エステル化合物に対して、 モル比で 0 . 0 1から 1 0 0程度が好ましい。
単官能のパーフルォロポリェテルとしては、
F(CF2CF2CF20) n CF2CF2C00H
CF3 [0CF(CF3) GF2]TO (0CF2) , C00H
があり、 多官能のパーフルォ口ポリエーテルとしては、
H00CCF 2 (0C 2 F 4 ) P (0CF2 ) o 0CF2 C00H
等がある。
ここで、 上記パーフルォロポリエーテルの化学構造式中の 1、 m、 n、 は 1以上の整数を示す。 また、 その分子量としては特に限定は しないが 6 0 0から 5 0 0 0程度が好ましい。 分子量が大きくなり すぎると末端基の効果が小さくなり、 またパーフルォロポリエーテ ル部分は多くなるので、 フロンの使用量が増える。 小さいとパ一フ ルォロポリエーテル基の効果が薄れる。 アルコールの場合は、 少な く ともその 1個のアルキル基の炭素数が 6以上が好ましい。
かかる、 金属薄膜型の磁気記録媒体に前記末端にカルボキシル基 を持つパーフルォロポリエ一テルと長鎮アルコールとのエステル化 合物等を保有せしめる方法としては、 先のカルボン酸パーフルォロ アルキルエステルの場合と同様、 '金属磁性薄膜表面や前記保護膜表 面に潤滑剤層をトップコートする方法が挙げられる。 この場合、 末 端にカルボキシル基を持つパーフルォロポリエーテルと長鎮アルコ ールとのエステル化合物等の塗布量としては、 0 . 5〜 1 0 0 m g Zm 2 であることが望ましく、 1〜 2 0 m g /m 2 であることがよ り好ましい。
また、 上記磁性層め表面に単にカーボン膜のみを形成した場合、 カーボン膜の膜厚が非常に薄くても耐久性を大幅に向上させること ができるものの、 繰り返し走行後の出力特性の劣化を抑えることは できない。 これに対して、 本発明では、 このカーボン膜の形成とと もに、 潤滑剤として上記パーフルォロポリエーテル誘導体を使用す ることを特徴としており、 カーボン膜と上記パーフルォロポリエー テル誘導体の相互作用によって各種使用条件下でも優れた耐久性を
I
確保しつつ、 走行性を著しく向上させることができる。
上記パーフルォロポリエーテル誘導体は、 新規化合物であって、 これまで潤滑剤として用いられてきた化合物に比べて著しく良好な 潤滑性を発揮し、 また潤滑性が長時間に亘り維持されるという特徴 を有する。 更に、 このパーフルォロポリエーテル誘導体は、 低温低 湿下、 或いは高温高湿下のように過酷な条件下で使用した場合にも 良好な潤滑性を発現し、 潤滑剤として極めて有用な化合物となる。 従って、 このパーフルォロポリエーテル誘導体を磁気記録媒体の潤 滑剤として用いれば、 優れた潤滑効果により摩擦係数が低減され、 走行性、 耐摩耗性、 耐久性等を大幅に改善することができる。 また、 パーフルォロポリエーテル誘導体は、 フロン以外の溶媒 (例えばェ タノ一ル等) に溶解するので、 製造上非常に有利である。
このパーフルォロポリエーテル誘導体は、 末端にカルボキシル基 を有するパーフルォロポリエーテルとァミンとの化合物である。 上記末端に力ルボキシル基を有するパーフルォロポリエーテルと しては、 カルボキシル基 (C O O H) を両方の末端に有するもので も良く、 少なく とも一方の末端 . (片末端) に有するものでも良く、 またその置換位置によらずに使用することができる。
このパーフルォロポリエーテル誘導体のうち、 両方の末端にカル ボキシル基を有するパーフルォロポリエーテル (以下、 多官能パ'一 フルォロポリエーテルと称する。 ) とァミンとの化合物は、 下記の 化 3なる一般式で表される。 また、 片末端にのみカルボキシル基を 有するパーフルォロポリエーテ儿 (以下、 単官能パーフルォロポリ エーテルと称する。 ) とァミンとの化合物は、 下記の化 4なる一般 式で表される。
【化 3】
R1 — R3
(但し、式中 Riはパーフルォロボリエ—テル鎖を示す。 また、 R1 , R2 , R2
R
R4 はそれぞれ水素或いは炭化水素基 ¾·¾す。 )
N R R—--.-
【化 4】 R
3
Rf-COO"
(但し、式中 Rfはパ—フルォロポリエ—テル鎖を^"。 また、 R R2 , R3 R4 はそれぞれ水素或いは炭化水素基^ ¾す。 )
ここで、 上記末端に力ルボキシル基を有するパーフルォロポリエ —テルとしては、 市販のものがいずれも使用可能である。
例えば、 上記単官能パーフルォロポリエ一テルとしては、
(ィ) F(CF2CF2CF20) m CF2CF2C00H
(口) CFS C0CF(CF3)CF2 〕 i (0CF2) k COOH
等が挙げられる。
また、 上記多官能パ一フルォロポリエ一テルとしては、
(ハ) H00CCF2(0CF2CF2)p (0CF2)q 0CF2C00H
等が挙げられるが、 勿論これらに限定されるわけではない。 なお、
前記パ一フルォロボリエーテルの化学構造式中の m, j , k , p, qは、 いずれも 1以上の整数を表す。
これら末端にカルボキシル基を有するパーフルォロポリエ—テル の分子量は、 特に制約されるものではないが、 実用的には 6 0 0〜 5 0 0 0程度のものが好ましく、 1 0 0 0〜4 0 0 0のものがより 好ましい。 パーフルォロポリエーテルの分子量が大きくなりすぎる と、 末端基の効果が小さくなり、 吸着基としての効果が薄れる。 ま た、 フロン以外の溶媒、 例えばエタノール等の汎用溶媒に溶解し難 くなる。 逆に、 パーフルォロポリエーテルの分子量が小さすぎると、 パーフルォロポリエーテル鎖による潤滑劾果が失われる。
—方、 上記ァミンとしては、 第一ァミン、 第二ァミン、 第三アミ ンがいずれも使用可能であり、 第四アンモニゥム化合物も使用可能 である。 使用するァミ ンの構造等も任意であり、 分岐構造、 異性体 構造、 脂環構造、 分子量、 不飽和結合の有無等によらず任意に選択 することができる。 ただし、 前記アミンはアルキル基を有すること が好ましく、 特に炭素数 6以上、 より好ましくは 1 0以上のアルキ ル基を有する場合にその効果が大きい。
なお、 上記パーフルォロボリエ一テル誘導体においては、 いずれ の場合にもパーフルォロポリエーテル鎖が部分水素化されていても よい。 すなわち、 パーフルォロポリエーテル鎖のフッ素原子の一部 ( 5 0 %以下) を水素原子で置き換えてもよい。 この場合には、 パ 一フルォロポリエーテルとして部分水素化したバーフルォロポリエ 一テルを使用すればよく、 これによつてフロン系溶媒の使用量を減 らすことが可能となる。 部分水素化したパ一フルォロポリエーテル の構造の一例を下記に示すが、 勿論これに限られるものではない。
(二) F(CF2CF2CF20) β CCFHCF2CF2) b (CH2CF2CF20) c CF2CF2C00H (ただし、 a, b , cは 1以上の整数である。 )
このパーフルォロポリエーテル誘導体としては、 分子量が 1 4 0 0〜4 5 0 0のものが好ましい。 パーフルォロボリエ一テル誘導体 の分子量が上記範囲よりも小さい場合や、 逆に大きい場合では、 摩 擦係数を十分に低減させることができず、 良好な走行性、 耐久性が 得られないばかりか、 磁気記録媒体を繰り返し走行させた後の出力 特性の劣化が顕著となる。
また、 このパーフルォロポリエーテル誘導体においては、 下記の 化 5に示される極性基部分の分子量が 1 2 0以下であることが望ま しい。 上記極性基部分の分子量が 1 2 0よりも大きいと、 該極性基 部分に含まれる炭化水素基の立体障害によりカーボン膜との相互作 用が弱まり、 吸着基としての効果が低下する。
【化 5】
R2
一 C O〇_ - R 1 - +一 R3
R4
(但し、式中 R1 , R2 , R3 , R4 はそれぞれ水素或いは炭丫 fc j素基 す。 ) このようなパーフルォロポリエーテル誘導体は、 上記末端にカノし ボキシル基を有するパーフルォロポリエ一テルとァミ ンとから以下 の方法で簡単に合成することが可能である。
即ち、 上記単官能パーフルォロポリエ一テル (又は、 多官能パー フルォロポリエーテル) とァミ ンとを混合し、 用いたァミ ンの融点
以上の温度 (例えば、 アミンとしてステアリルアミンを用いた場合 には 6 0。C) で加熱することによって合成することができる。 或いは、 有機溶媒 (例えばフレオン等) 中に上記単官能パーフ儿 ォロポリエーテル (又は、 多官能パーフルォロポリエーテル) とァ ミンの両者を溶解した後、 溶媒を除去することによつても得ること ができる。 ァミンが第四アンモニゥム化合物の場合には、 パーフル ォロポリエーテルの金属塩 (ナトリウム塩等) と第四アンモニゥ厶 塩 (塩化物、 沃化物、 硫酸塩等) を混合し、 有機溶媒で抽出するこ とにより得ることができる。
前記アミン塩化合物の塗布量は 0 . 5〜1 0 0 m gZm 2 とする のが好ましく、 l〜2 0 m g Zm 2 とするのがより好ましい。
パーフルォロポリエーテル誘導体を潤滑剤として使用する場合、 予め前述の手法によって合成したものを用いるのではなく、 パーフ ルォロポリエーテルにァミンを添加混合したものを潤滑剤として使 用することもできる。 このようにパーフルォロボリエ一テルにァミ ンを添加混合して使用すると、 前述のパーフルォロポリエーテル誘 導体が生成し、 潤滑効果が発揮される。
ここで、 パーフルォロポリエーテルとァミ ンの混合比率は、 上記 バーフルォ口ポリエ一テル誘導体の極性基部分を構成する力ルボキ シル基とアミン (ァミノ基) が等モルとなるように設定してもよい が、 特に磁気記録媒体の潤滑剤として用いる場合には、 若干アミン が過剰量となるような比率に設定した方が優れた潤滑効果が発現さ れる。 これは、 前記潤滑剤を磁性層上に塗布したときに、 塩基性で ある強磁性金属薄膜 (磁性層) 表面にカルボキシル基により酸性を 示すパーフルォロポリエーテルが優先的に吸着し、 アミンの量が不
足することによるものと考えられる。
従って、 上記パーフルォロポリエーテル誘導体を磁気記録媒体の 潤滑剤として用いるときには、 前記カルボキシル基とアミ ン (アミ ノ基) の比率 (ァミ ン Ζカルボキシル基) をモル比で 3 Ζ 7〜4 0 / 1 とするのが良い。
なお、 上記各化合物誘導体は、 単独で潤滑剤として用いても良い し、 従来知られる潤滑剤等と組合せて使用することも可能である。 さらに、 より厳しい条件に対処し潤滑効果を持続させるために重 量比 3 0 : 7 0〜7 0 : 3 0程度の配合比で極圧剤を併用してもよ い。
上記極圧剤は、 境界潤滑領域において部分的に金属接触を生じた ときにこれに伴う摩擦熱によって金属面と反応し、 反応生成物皮膜 を形成することにより摩擦、 摩耗防止作用を行うものであって、 リ ン系極圧剤、 硫黄系極圧剤、 ハロゲン系極圧剤、 有機'金属系極圧剤、 複合系極圧剤等のいずれも使用できる。
また、 上記潤滑剤、 極圧剤の他、 必要に応じて、 防靖剤を併用し てもよい。
防鐯剤としては、 通常この種の磁気記録媒体の防錡剤として使用 されるものであればいずれも使用.でき、 例えばフ ノール類、 ナフ トール類、 キノン類、 窒素原子を含む複素環化合物、 酸素原子を含 む複素環化合物、 硫黄原子を含む複素環化合物等である。
上述したように、 本発明の第 1の発明の磁気記録媒体は、 強磁性 金属薄膜 1 0 2上にその酸化物層 1 0 3と、 保護層 1 0 4とを設け る構成とするものであり、 本発明者等の鋭意考察の結果、 これら酸 化物層 1 0 3及び保護層 1 0 4の膜厚をそれぞれ 2 0〜 2 3 0 Αと
し、 且つ両酸化物層 1 0 3及び保護層 1 0 4とを合わせた全膜厚を 4 0〜2 5 0 Aとすることによって、 電磁変換特性の劣化を招くこ となく耐久性を格段に向上し得る。
即ち酸化物層 1 0 3上に保護層 1 0 4を設ける構成とし、 且つそ の膜厚を上述した膜厚範囲内に選定することによって、 従来と同程 度の耐久性を保持しつつ酸化物層 3の膜厚を従来に比し小とするこ とができるため、 電磁変換特性の向上をはかることができる。
また、 両末端、 或いは片末端にカルボキシル基を有するパーフル ォロポリエ一テルのァミン塩化合物 (パーフルォロポリエーテル誘 導体) は、 良好な滴滑作用を髡揮して摩擦係数を低減する。 そして、 このパーフルォ口ポリエーテル誘導体の潤滑作用は、 低温低湿下等 の厳しい条件下においても損なわれることはない。 従って、 磁性層 の表面に力一ボン膜を形成するとともに、 かかるパーフルォロポリ エーテル誘導体を潤滑剤として用いることにより、 良好な耐久性が 確保されつつ、 優れた潤滑効果により走行性が向上する。
一方、 非磁性支持体の磁性層形成面とは反対側の面の中心線平均 粗さ R a 及び突起の最大高さ R ra a x を 0 . 0 0 1 5≤R a 0 . 0 0 7 0 ΐίί, 0 . 0 1 5≤R m a x ≤ 0 . 0 7 0〃mの範囲に規定す ることによって、 斜め蒸着法を用い、 可撓性支持基板を冷却キャン 上に沿わせて磁性層の蒸着を行う際、 可撓性支持基板の冷却キヤン 外周面上への良好な走行性を得ることができ、 しかも可撓性支持基 板が冷却キャン上にて充分冷却されるため、 熱負けによる表面性劣 化や製造時の歩留りの低下が解消される。
また、 真空チャンバ内でベースフィル厶上に強磁性金属薄膜を形 成した後、 この強磁性金属薄膜を所定の投入電力密度でボンバード
処理することにより、 該強磁性金属薄膜上に良好な付着力を有して 保護膜が積層形成される。
上述したように、 本発明によれば磁性層上の酸化物層と、 この上 に被着する保護層との膜厚を適切に選定することによって、 電磁変 換特性の劣化を招く ことなく耐久性を著しく向上させることができ
^。
特に酸化物層及び保護層の全厚さ Tを 1 0 0 A程度以下として、 従来に比し各層の厚さを小としても、 良好な耐久性を保持しつつ、 電磁変換特性の向上を図ってディジタル記録におけるビッ トエラー レートを著しく減少させることができ、 記録再生特性の向上を図る ことができる。
また、 保護膜上に非常に優れた潤滑性を有するパーフルォロポリ エーテル誘導体 (ァミ ン塩化合物) を潤滑剤として保有せしめてい るので、 如何なる使用条件下でも潤滑性を保つことができ、 また長 期にわたりその潤滑性を保つことができる。 従って、 各種使用条件 において優れた走行性、 耐摩耗性、 耐久性を有する磁気記録媒体を 提供することが可能となる。
さらに、 本発明においては、 可撓性支持基板の一方の面上に複数 の金属磁性薄膜が形成されてなる磁気記録媒体において、 中心線平 均粗さ R a 及び突起の最大高さ R m a x をそれぞれ、 0 . 0 0 1 5 ≤ R a ≤ 0 . 0 0 7 0 m , 0 . 0 1 5 ≤ R m a x ≤ 0 . 0 7 0 mの 範囲に規定することによって可撓性支持基板の走行面の粗さを規定 している。 そのため、 斜め蒸着法を用いて、 可撓性支持基板を冷却 キャン上に沿わせて磁性層の蒸着を行う際、 可撓性支持基板の冷却 キヤン外周面上への良好な走行性を得ることができ、 しかも可撓性
支持基板が冷却キヤン上にて充分冷却されるため、 熱負けによる表 面性劣化がないことから、 エネルギー積, エラーレートが向上し、 電磁変換特性が向上される。 また、 熱負けによるシヮ等の発生がな いことから、 製造時の歩留りの低下が起こりにくい。
一方、 保護膜性膜前にボンバード処理を施すことにより、 保護膜 の付着力を十分に確保することができ、 したがって磁気へッ ドの摺 接時における上記保護膜の剥離が抑えられ、 耐久性、 信頼性に優れ た磁気記録媒体を得ることができる。 図 面 の 簡 単 な 説 明 図 1は本発明磁気記録媒体の一例の略線的拡大断面図である。 図 2は蒸着装置の一例の略線的構成図である。
図 3は磁気記録媒体の一例の断面深さ方向の濃度プロフアイルで のる。
図 4は磁気記録媒体の他の例の断面深さ方向の濃度プロフアイ儿 である。
図 5は本発明の磁気記録媒体の製造方法を適用して磁気記録媒体 を製造する際に使用した製造装置の構成を示す模式的な断面図であ > σ
図 6は強磁性金属薄膜成膜後にボンバード処理を施して製造され た磁気記録媒体のォ一ジ 電子分光分析によるデプスプロフアイ几 である。
図 7は強磁性金属薄膜の成膜後にボンバード処理を行わず保護膜 の成膜を行うことによって得られた磁気記録媒体のォージェ電子分
光分析によるデプスプロファイルである。
図 8は中間酸化層を介して積層された 2層構造の強磁性金属薄膜 を磁性層とする磁気記録媒体の一構成例を示す要部概略断面図であ る
図 9は図 8に示す磁気記録媒体の製造過程における蒸気流の入射 角の定義を説明するための部分概略側面図である。
図 1 0は図 8に示す磁気記録媒体のオージュ分光分析によるデブ ス, プロフアイル図である。
図 1 1はボンバ一ド処理を施して積層された 2層構造の強磁性金 属薄膜を磁性層とする磁気記録媒体の一構成例を示す要部概略断面 図である。
図 1 2は図 1 1に示す磁気記録媒体を製造する際に使用される製 造装置の一例を示す模式図である。
図 1 3は蒸着時の酸素ガス流量とこの蒸着により得られる磁性層 のスチル時間の関係を示す特性図である。
図 1 4は蒸着時の酸素ガス流量とこの蒸着により得られる磁性層 の出力特性及び C ZN特性を示す特性図である。
図 1 5は 2層構造の磁性層を有する磁気記録媒体を製造するため の製造装置の構成例を示す模式図である。
図 1 6はバック面の面粗さを調整した磁気記録媒体の構成例を示 す要部概略断面図である。
図 1 7はディジ夕ル画像信号を再生歪みが少ないような形で圧縮 して記録するディジ夕儿 V T Rの信号処理部の記録側の構成を示す ブロック図である。
図 1 8は信号処理部の再生側の構成を示すプロック図である。
新たな用紙
図 1 9はブロック符号化のためのブロックの一例を示す略線図で あな。.
図 2 0はサブサンプリング及びサブラインの説明のための略線図 である。
図 2 1はブロック符号化回路の一例を示すブロック図である。 図 2 2はチャンネルエンコーダの一例の概略を示すブロック図で める。
図 2 3はチャンネルデコーダの一例の概略を示すブロック図であ る ο
図 2 4は磁気へッ ドの配置の一例を模式的に示す平面図である。 図 2 5は回転ドラムの構成例及び磁気テープの巻き付け状態を示 す平面図である。
図 2 6は回転ドラムの構成例及び磁気テープの巻き付け状態を示 す正面図である。 発明を実施するための最良の形態 以下、 本発明を適用した具体的な実施例について図面や実験結果 を参照しながら詳細に説明する。
酸化物層の膜厚の検討
先ず、 図 1に示すように、 P E T (ポリエチレンテレフ夕レー卜) 等より成る基板 1 0 1上に、 C o 2。N i 8。 (w t %) 等よりなる金 属磁性薄膜 1 0 2を酸素中において斜方蒸着した。 この斜方蒸着装 置の一例を図 2を参照して説明する。
図 2において 1 1 0は真空槽で、 中央部に例えば円筒状のクーリ
ングキヤン 1 1 4が設けられ、 このクーリングキャン 1 1 4の周面 に沿って仕切り板 1 1 1が設けられて真空槽 1 1 0内が二分され、 排気口 1 1 2及び 1 1 3に接続される排気手段 (図示せず) によつ てそれぞれ所定の真空度に排気されて成る。 そして磁気記録媒体 1 0 5例えば磁気テープは上述のクーリングキヤン 1 1 4及びガイ ド ロール 1 1 7及び 1 1 8によって矢印 aで示すように、 供給ロール 1 1 5から巻取りロール 1 1 6へ摺動案内されるようになされてい そしてクーリングキャン 1 1 4の図 2において斜め右下に蒸着源 即ちるつぼ 1 2 1が設けられ、 電子銃 1 2 3からの電子ビーム bに よってるつぼ 1 2 1内の蒸着材料が衝撃加熱されて矢印 cで示すよ うに磁気記録媒体 1 0 5上に蒸着される。 1 2 2はるつぼ 1 2 1の 予備ヒータ一である。
またクーリングキャン 1 1 4の下部にシャッ夕一 1 2 4を設け、 磁気記録媒体 1 0 5上に所定の角度範囲をもって蒸着するようにな す。 即ちこの場合、 磁気記録媒体 1 0 5の膜面に垂直な方向からの 最小角度 0 m i n が破線 dで示すようにこのシャツタ一 1 2 4により 規制され、 例えばこの場合 0 m i n が 4 5。 となるようにシャツ夕一 1 2 4を配置する。
そして、 この蒸着範囲に酸素等の導入ガスが行き渡るようにガス 導入管 1 2 5が配置され、 例えば酸素ガスを導入し、 導入量を制御 して金属磁性薄膜 1 0 2の表面の酸化物 3の厚さ t , を調整した。 そして図 1に示すように、 この酸化物層 1 0 3の上に力一ボン等 より成る保護層 1 0 4を例えば D Cマグネト口ンスパッタリ ングに より、 A rガス圧を 1 0 ΙΏ Τ 0 r r、 パワー密度を 6 . 8 c m ;
として被着した。 この保護層 1 0 4の厚さ 2 の制御は、 磁気記録 媒体 1 0 5この場合蒸着テープの送り速度を制御して調整した。
図 3及び図 4に、 この保護層 ί 0 4を被着しない従来例と保護層 1 0 4を被着した本実施例の各磁気記録媒体 1 0 5の A E S (ォー ジェ電子分光法) による断面深さ方向の相対濃度プロファイルを示 す。 図 3及び図 4において実線 eは炭素濃度、 実線 f はコバルト、 実線 gは酸素、 実線 hはニッケルの濃度をそれぞれ示す。 図 3から わかるように、 保護層 1 Q 4を設けない場合は表面近傍に非磁性の コバルト酸化物が比較的厚く形成されており、 一方図 4に示す本実 施例においては、 表面にカーボンより成る保護層 1 0 4が形成され、 その下の酸化物層 1 0 3とを合わせた全厚さ Tが 4 0 A以上 2 5 0 A以下のこの場合 2 5 O A程度となっていることがわかる。
そしてこれら酸化物層 1 0 3と保護層 1 0 4との膜厚 t I 及び t 2 、 全厚さ Tを変化させて磁気記録媒体 1 0 5を形成し、 それぞれの電 磁変換特性、 エラーレート及びスティル耐久性即ち静止モードにお ける耐久性を測定した。 以下の実施例 1〜6、 比較例 1〜3におい ては、 全厚さ Tを 2 5 0 A—定として、 各層 3及び 4の厚さ t 1 及 び t 2 を変えて測定を行った。 各例における厚さ t , 及び t 2 、 全 厚ざ Tを以下に示す。
実施例 1
酸化物層 1 0 3の厚さ t i を 2 3 0 A、 保護層 1 0 4の厚さ t 2 を 2 0人として構成した。
実施例 2
酸化物曆 1 0 3の厚さ t , を 2 0 0 A、 保護層 1 0 4の厚さ t 2 を 5 0 Aとして構成した。
実施例 3
酸化物層 1 0 3の厚さ t , を 1 5.0 A、 保護層 1 0 4の厚さ t 2 を 1 0 O Aとして構成した。
実施例 4
酸化物層 1 0 3の厚さ t , を 1 0 0 A、 保護層 1 0 4の厚さ t 2 を 1 5 0 Aとして構成した。
実施例 5
酸化物層 1 0 3の厚さ t を 5 0人、 保護層 1 0 4の厚さ t 2 0 0 Aとして構成した。
実施例 6
酸化物層 1 0 3の厚さ t を 2 0 A 1 0 4の厚さ t 2 を 2 3 0 Aとして構成した。
比較例 1
酸化物層 1 0 3の厚さ t , を 2 5 0 A、 保護層 1 0 4の厚さ t 2 を 0 Aとして構成した。
比較例 2
酸化物層 1 0 3の厚さ t , を 2 4 0 A、 保護層 1 0 4の厚さ t 2 を 1 O Aとして構成した。
比較例 3
酸化物層 1 0 3の厚さ t 】 を 1 0人、 保護層 1 0 4の厚さ t 2 を 2 4 0 Aとして構成した。
そしてこのようにして形成した磁気記録媒体に対し、 ギャップ長 が 0. 2 m、 トラック幅が 2 0 mとされ、 磁気ギャップが金厲 磁性薄膜によつて構成されてこの金属薄膜の膜面が磁気ギャップの トラック幅方向に対し非平行をなすいわゆる TS S (Tiled Sendust
Sputter) 型の磁気へッ ドを甩いて、 波長 5 mとして電磁変 換特性を測定した。
また、 ギャップ長が 0. 2 m、 トラック幅が 4 mとされた T
S Sへッ ドを用いてディジ夕ル記録を行い、 ビッ トエラ一レートを 測定した。
更にスティル耐久性は、 8 ミ リ VTRの EV— S 1 (ソニー製、 商品名) によって初期出力を 0 d Bとし、 再生出力が 3 d B低下す るまでの時間として測定した。 これら各特性の測定結果を表 1に示 す。
[表 1】
この結果からわかるように、 比較例 1に示す保護層 1 0 4を設け ない場合はスティル耐久性は 3時間と短いが、 保護層 1 04を設け
3 /
て、 その厚さ t 2 を 2 0 A以上とするときに、 必要とされる 5時間 程度以上のスティル耐久性を得ることができる。 また、 酸化物層 1 0 3の厚さ t , もまた 1 0 A以下では所要のスティル耐久性を得る ことができず、 2 0 A以上とするときにこの場合実施例 6に示すよ うに 2 0時間程度のスティル耐久性を得ることができることがわか る。 尚、 このように全厚さ Tを一定とした場合は電磁変換特性及び エラ一レー トはほぼ一定であることがわかる。
次に、 以下の実施例 7〜 1 0、 比較例 4及び 5においては、 酸化 物層 1 0 3及び保護層 1 0 4の全厚さ丁と、 各厚さ t , 及び t 2 と を変えて各磁気記録媒体を構成した。
実施例 7
酸化物層 1 0 3の厚さ t , を 5 0人、 保護層 1 0 4の厚さ t 2 を 1 5 O A、 全厚さ Tを 2 0 O Aとして構成した。
実施例 8
酸化物層 1 0 3の厚さ t , を 5 0 A、 保護層 1 0 4の厚さ t 2 を 1 0 0 A、 全厚さ Tを 1 5 0 Aとして構成した。
実施例 9
酸化物層 1 0 3の厚さ t , を 5 0 A、 保護層 1 0 4の厚さ t 2 を 5 0 A、 全厚さ Tを として構成した。
実施例 1 0
酸化物層 1 0 3の厚さ t 】 を 2 0 A、 保護層 1 0 4の厚さ t 2 を 2 0 、 全厚さ丁を 4 0 として構成した。
比較例 4
酸化物曆 1 0 3の厚さ t , を 5 0 A、 保護層 1 0 4の厚さ t 2 を 2 5 0 、 全厚さ丁を 3 0 0人として構成した。
比較例 5
酸化物層 1 0 3の厚さ t! を 2 0 A、 保護層 1 0 4の厚さ t z を 1 0 A、 全厚さ Tを 3 0 Aとして構成した。
これら各磁気記録媒体において、 上述の表 1における測定方法と 同様の方法をもって電磁変換特性、 エラーレート及び耐久性を測定 した結果を表 2に示す。
【表 2】
この結果からわかるように、 全厚さ Tを 2 5 0 Aを越える例えば 3 0 O Aとするときは、 比較例 1で示すように、 良好な耐久性は得 られるものの、 その電磁変換特性が劣化してビッ トエラーレートも 大となるが、 全厚さ Tを 2 5 0 A以下に徐々に小とすると、 電磁変 換特性が向上し、 ビッ トエラ一レートが格段に低下することがわか る。 しかしながら、 この全厚さ Tが 4 0 m未満の例えば 3 0 m とされる場合には、 電磁変換特性及びビッ トエラ一レートは向上す るものの、 スティル耐久性が 3時間となり、 望ましい耐久性が得ら
J3
れないことがわかる。
従って、 本発明においては、 酸化物層 1 0 3及び保護層 1 0 4の 全厚さ Tを 4 0 m以上 2 5 0〃 m以下に選定するものである。 ま た、 上述した表 1からわかるように、 各層 1 0 3及び 1 0 4の厚さ としては、 それぞれ 2 0 A以上必要であり、 全厚さ Tの限定範囲か らこれら各層の上限も 2 3 0 A以下に選定するものである。
特に酸化物層 1 0 3及び保護層 1 0 4の全厚さ Tを 1 0 · 0 Α程度 以下とする場合、 即ち各層の厚さを比較的小とする場合においても、 実施例 9及び 1 ()からわかるように、 良好な耐久性を保持すること ができて、 電磁変換特性の向上及びビッ トエラーレー卜の格段な低 減をはかることができた。
尚、 上述の例においては、 保護層 1 0 4としてカーボンを用いた 場合を示したが、 その他例えば S i 0 2 、 S i 3 N 4 、 S i Ν χ 、 B N、 Z n 0 2 等の種々の無機材料を用いた場合に、 上述したよう にその膜厚を適切に選定することによって、 電磁変換特性の劣化を 伴うことなく耐久性の向上を図ることができた。
また、 本発明は上述の実施例における材料構成に限ることなく、 その他例えば有機材料の例えばエチレンよりなる保護層 1 0 4 とす る場合や、 或いはこの保護層 1 0 4の成膜方法をイオンプレーティ ングゃプラズマ C V D法等を用いる等、 種々の変形変更をなし得る ことはもちろんである。
酸化物層表面のプラズマ処理の検討
先ず、 本実施例において使用される製造装置の構成について説明 する。
この製造装置においては、 図 5に示すように、 真空チヤンバ 2 0
39-
1内の略中央部に隔壁 Xが配設される。 この隔壁 Xにより上記真空 チャンバ 2 0 1内は、 2つの領域に分断されており、 図中右側の領 域が強磁性金属薄膜を成膜するための蒸着室とされ、 図中左側の領 域が保護膜を成膜するためのスパッ夕室とされている。
上記真空チャンバ 2 0 1内の上方には、 巻き出しロール 2 0 2と 巻き取りロール 2 0 3がそれぞれ対向する側面 2 O l a , 2 0 1 b の近傍に配設される。 これら巻き出しロール 2 0 2と巻き取り口一 ル 2 0 3は、 ともに図中反時計回り方向に回転するようになされて おり、 上記巻き出しロール 2 0 2から送り出されたベースフィル厶 2 0 4が順次移動走行されて上記巻き取りロール 2 0 3に巻き取ら れるようになされている。
この巻き出しロール 2 0 2が配設される蒸着室内の略中央部には、 図中時計回り方向に回転するようになされた冷却キャン 2 0 5が配 設され、 該冷却キャン 2 0 5の外周面に沿って上記巻き出しロール 2 0 2から送り出されたべ一スフイルム 2 0 4が定速走行される。 この冷却キャン 2. 0 5の下方には、 ルツボ 2 0 6が配設され、 こ のルツボ 2 0 6内に強磁性金属材料 2 0 7が充填される。
—方、 上記真空チャンバ 2 0 1の側面 2 0 1 aには、 上記強磁性 金属材料 2 0 7を加熱溶融するための加熱手段 2 0 8が配設される = これにより、 この加熱手段 2 0 8から発せられた電子ビームが上記 強磁性金属材料 2 0 7に照射され、 この強磁性金属材料 2 0 7が蒸 発せしめられて上記べ一スフイルム 2 0 4上に蒸着し、 強磁性金属 薄膜が成膜される。
この時、 上記冷却キャン 2 0 5の周面に沿って湾曲状のシャツ夕 2 0 9が配設される。 このシャツタ 2 0 9により上記ベースフィ儿
ム 2 0 4の表面の一部が覆われ、 上記蒸発せしめられた強磁性金属 材料 2 0 7の上記べ一スフィル厶 2 0 4の表面に対する入射角が規 制される。
また、 上記隔壁 Xの図中上方には、 ボンバード処理装置 2 1 0か 配設され、 上記冷却キヤン 2 0 5の周面を通過したベ一スフィルム 2 0 4が上記ボンバード処理装置 2 1 0に送られる。
このボンバ一ド処理装置 2 1 0は、 該ボンバード処理装置 2 1 0 内を通過する上記ベースフィル厶 2 0 4を介して対向配置される一 対の棒状の電極 2 1 1 a , 2 1 1 bから構成されており、 これら電 極 2 1 1 a , 2 1 1 b間に電圧を印加することによって上記ベース フイルム 2 0 4上に形成された強磁性金属薄膜の表面がボンバー ド 処理される。 なお、 上記電極 2 1 1 a , 2 1 1 bとしては、 直流型 でも、 交流型でも何れも使用可能である。
また、 上記蒸着室に隣接して設けられるスパッ夕室内には、 略中 央部に図中時計回り方向に回転するようになされた大径のキヤン 2 1 2が配設され、 このキャン 2 1 2の外周面に沿って上記ボンバ一 ド処理装置 2 1 0を通過したベースフィル厶 2 0 4が走行される。 このキヤン 2 1 2の下方には、 カ リード電極 2 1 3が配設され、 このカソード電極 2 1 3上にターゲッ ト 2 1 4が固定される。 この ターゲッ ト 2 1 4は、 上記キヤン 2 1 2の周面と対向配置され、 該 キャン 2 1 2の周面に沿って走行するべ一スフィル厶 2 0 4に対し てスパッ夕がなされるようにされている。
このスパッ夕室内においては、 仕切り板 2 1 8が上記隔壁 Xに対 して垂直に取りつけられており、 この仕切り板 2 1 8を境界として 図中下方側のみでスパッ夕がなされるようにされている。 これによ
り、 スバッタガスが仕切り扳 2 1 8より上方側に拡散されることが 防止されるので、 スパッ夕効率が向上する。
なお、 上記巻き出しロール 2 0 2と冷却キャン 2 0 5の間、 該冷 却キャン 2 0 5と上記ボンバード処理装置 2 1 0の間、 該ボンバー ド処理装置 2 1 0と上記キヤン 2 1 2の間、 及び該キヤン 2 1 2と 上記巻き取りロール 2 0 3の間には、 それぞれガイ ドロール 2 1 5 a〜2 1 5 dが配設されており、 上記巻き出しロール 2 0 2から上 記巻き取りロール 2 0 3に亘つて移動走行されるべ一スフイルム 2 0 4に対して所定のテンションをかけつつ、 円滑な走行が行えるよ うになされている。
そこで、 以上のような構成を有する製造装置を用いて、 次の手順 に従って磁気テープを作製した。
先ず、 1 0 m厚のポリエステルフィルムからなるベースフィル ムを用い、 所定の真空度に保たれた真空チャンバ内における蒸着室 内で上記べ一スフイルムに対する斜方蒸着を行った。
即ち、 上記蒸着室内において、 巻き出し側から送り出された上記 ベ一スフイルムを上記冷却キャンの外周面に沿って定速走行させな がら、 ルツボ内に充填された強磁性金属材料 (C o 8 0N i 2 ()合金: 数値は重量 を表す。 ) を所定の加熱手段により加熱溶融し、 この 蒸発せしめられた磁性材料を上記ベースフィルム上に被着させて強 磁性金属薄膜を成膜した。
なお、 この斜め蒸着に際して、 上記ベースフィルムの表面に酸素 ガスを所定の割合で導入し、 このべ一スフィルムの表面に対する上 記磁性材料の最低入射角が 4 5 ° となるように設定した。 また、 上 記べ一スフイルムの送り速度は、 得られる強磁性金属薄膜の膜厚が
2 0 0 n mとなるように設定した。
これにより表面に酸化物層を有する強磁性金属薄膜が成膜された カ 続いて、 上記ボンバード処理装置により上記強磁性金属薄膜表 面の酸化物層をボンバ一ド処理した。 なお、 ボンバード処理に際し て、 上記ボンバード処理装置内に A rガスを導入した。
その後、 上記ボンバード処理装置内を通過した上記ベースフィル ムを該ボンバード処理装置の下方に配設された上記キヤンの外周面 に沿って移動走行させながら、 連続巻取り式による直流マグネ ト口 ンスパッタリングを行って、 上記強磁性金属薄膜上に膜厚 1 0 O A のカーボン膜を成膜し、 これを保護膜とした。
このスパッタリ ングに際し、 上記スパッ夕室内の真空度は 2 P a とし、 上記キヤンの周面からの距離が 8 c mとなるように力ソード 電極上に固定されたターゲ ト (カーボン) を配設して、 上記べ一 スフィルムを 2 111ノ分の送り速度で走行させながらスパッ夕リ ング を行った。 この時、 力ソード電極の投入電力は 6 . 8 W/ c m 2 に 設定した。
ここで、 上記ボンバード処理の効果を調べるために、 上記ボンバ ード処理時の投入電力密度を 1 8 . 9 k W/m 2 とした時に得られ る磁気テープを用い、 この磁気テープの表面から深さ方向に関する ォージェ電子分光分析を行つた。
この結果、 図 6に示すように、 この磁気テープにおいては、 表面 近傍の主に力一ボンから構成される領域 A (保護膜に相当する領域) と、 C o及び酸素から構成される領域 B (強磁性金属薄膜に相当す る領域) との間に、 酸素を含む領域 Cが存在していることから、 保 護膜と強磁性金属薄膜の間に表面酸化層が介在していることが確認
J? された。 また、 この表面酸化層の膜厚は、 約 1 3 O Aであり、 保護 膜との合計膜厚が 2 3 0 Aであった。
これに対して、 強磁性金属薄膜の成膜後にボンバード処理を行わ ずに保護膜の成膜を行った場合について、 同様にして表面から深さ 方向に関するォージェ電子分光分析を行ったところ、 図 7に示すよ うに、 ボンバ一ド処理を行った場合と同様に、 保護膜と強磁性金属 薄膜の間に表面酸化層が介在していることが確認されたが、 この表 面酸化層の膜厚は、 約 2 ひ O Aにも及んでおり、 保護膜との合計膜 厚は 3 0 0 Aであった。
従って、 これらの結果から、 上述のようなボンバード処理を行う ことにより、 上記表面酸化層が薄くされることが明らかとなった。 次に、 上述のようにして得られる磁気テープの耐久性と電磁変換 特性を調べた。
即ち、 上記ボンバ一ド処理時の投入電力密度を 1. 6 kW/m2 、 1 1. 8 kW m2 及び 1 8. 9 k WZm 2 とした場合 (実施例 1 1〜1 3とする。 ) 、 及び比較用として強磁性金属薄膜の成膜後に ボンバード処理を行わず保護膜の成膜を行った場合 (比較例 6) 、 上記ボンバード処理を酸素ガス雰囲気中で行った場合 (比較例 7) 及び上記ボンバ一ド処理時の投入電力密度を 1. 1 1 kW/m2 と した場合 (比較例 8) に得られる各種磁気テープについて、 スチル 耐久性と波長 0. 5 における再生出力をそれぞれ調べた。 この 結果を表 3に表す。
なお、 スチル耐久性は、 磁気ヘッ ドと媒体の相対速度を 7. 5 m Z秒としてソニー社製の EV— S 1改造機 (商品名) によりスチ儿 走行を行い、 再生出力が初期値から 3 d B劣化した時点までに要し
た時間により評価した
【表 3】
表 3より、 本実施例のように蒸着形成された強磁性金属薄膜の表 面を A rガスでボンバード処理すると、 投入電力密度を増加するに 従って、 上記強磁性金属薄膜に対する保護膜の付着力が向上し、 良
好なスチル耐久性が得られることが判った。 またこの場合、 上記強 磁性金属薄膜上に形成された表面酸化層が薄くされるので、 スぺー シングロスが減少し、 再生出力が著しく増大した。
これに対して、 上述のようなボンバード処理を行わない場合や、 ボンバード処理時の投入電力密度が低い場合では、 保護膜の付着力 を強化することができず、 スチル耐久性の改善が望めないことが判 つた。 また、 酸素ガス雰囲気でボンバ一ド処理を行った場合には、 耐久性は改善されるものの、 上記強磁性金属薄膜表面の酸化が進み、 スペーシングロスによる出力特性の劣化が顕著となつた。
なお、 真空室内で斜め蒸着による強磁性金属薄膜の成膜直後にボ ンバード処理を行って、 得られた磁気テープを一旦巻き取った後、 インラインではなく別の寘空室内で保護膜の成膜を行った場合 (比 較例 4 ) では、 保護膜と強磁性金属薄膜の付着力を十分に確保する ことができず、 スチル耐久性が極めて悪くなつた。
多層構造における中間酸化層の検討
'実施例 1 4
本実施例は、 非磁性支持体上に傾斜柱状構造の成長方向が上記非 磁性支持体の法線方向に対して互いに順方向である 2層の強磁性金 属薄膜を斜め蒸着により形成し、 これら強磁性金属薄膜間に酸化物 からなる中間層を介在させて順 2層型の磁気テープを作成した例で あ 。
本実施例における磁気テープは、 図 8に示すように、 ポリエチレ ンテレフタレ一トフィルムよりなる非磁性支持体 3 0 1上に 9 0 0 A厚の第 1曆目の強磁性金属薄膜 3 0 2が形成される。 この第 1層 目の強磁性金属薄膜 3 0 2は、 上記非磁性支持体 3 0 1表面に近い
程該非磁性支持体 3 0 1の法線方向に対する傾斜が大きく、 上記非 磁性支持体 3 0 1表面から離れる程上記傾斜が小さくなるような傾 斜柱状構造を有する。
この第 1層目の強磁性金属薄膜 3 0 2上には、 酸化コバルト膜か らなる第 1の中間層 3が設けられる。 この第 1の中間層 3 0 3の膜 厚は、 約 2 0 O Aとされる。
また、 上記第 1の中間層 3 0 3上には、 膜厚 9 0 0 Aの第 2層目 の強磁性金属薄膜 3 0 4が形成される。 この第 2層目の強磁性金属 薄膜 3 0 4の傾斜柱状構造の成長方向は、 上記第 1層目の強磁性金 属薄膜 3 0 2のそ'れと同じである。
このような磁気テープにおいて記録層は、 第 1層目の強磁性金属 薄膜 3 0 2と第 2層目の強磁性金属薄膜 3 0 4とが第 1 の中間層 3 0 3を介して積層されてなり、 強磁性金属薄膜にのみ着目すると 2 層構造を有している。 この記録層の全厚は 2 0 0 0 Aであり、 この 全厚に対する上記第 1の中間層 3 0 3は層厚は 1 0 %である。
ここで、 上記磁気テープの製造方法について説明する。
図 9に示すように、 ドラム 3 1 1の外周面に非磁性支持体 3 1 2 を巻回させ、 上記ドラム 3 1 1 の回転に応じて上記非磁性支持体 3 1 2を図中 a方向に移動させながら、 ルツボ 3 1 3内に充塡された 蒸発源 3 1 4からの蒸気流を上記非磁性支持体 3 1 2の法線方向に 対してある入射角を持たせて入射させ、 上記非磁性支持体 3 1 2上 に強磁性材料を蒸着させる。 この時、 最大入射角 0 , から最小入射 角 2 の領域で開口したシャッター 3 1 6 , 3 1 6を配設し、 上記 最大入射角 0 , にて斜め蒸着を開始し、 上記非磁性支持体 3 1 2の 移動とともに上記入射角を連続的に変化させて上記シャッター 3 1
6 , 3 1 6から露出する上記非磁性支持体 3 1 2に対して蒸着を行 レ、、 上記最小入射角 2 までの間で上記非磁性支持体 3 1 2上に強 磁性金属薄膜 3 1 5を成膜する。
そこで、 先ず、 非磁性支持体 3 0 1を一方向に移動させながら、 蒸発源 (純 C o ) からの蒸気流を上記非磁性支持体 3 0 〖に対して 所定の入射角を持たせて入射させ 前記入射角を連続的に変化させ て斜め蒸着を行って上記非磁性支持体 3 0 1上に第 1曆目の強磁性 金属薄膜 3 0 2を成膜した。
そして、 純 C 0をターゲッ トとして用いて、 マグネトロンスパッ タリングにより上記第 1層目の強磁性金属薄膜 3 0 2上に第 1の中 間層 3 0 3を形成した。 なお、 スバッ夕リングの条件は、 A rガス 流量を 2 0 0 SCCM, 0 2 ガス流量を 7 0 SCCMとし、 上記非磁性支持 体の走行速度を 1 O mZ分とした。
更に、 上記第 1曆目の強磁性金属薄膜 3 0 2と同様に斜め蒸着を 行って上記第 1の中間層 3 0 3上に第 2層目の強磁性金属薄膜 3 0 4を成膜して磁気テープを作製した。
次に、 このような記録層の組成を確認するために、 日本電子㈱製 のオージュ電子分光装置 J a m p 3 0を用いてデプス 'プロフアイ ルを検討した。 その結果、 第 1 0図に示すように、 磁気テープの表 面からの深さが 1 0 0 0 Aである付近に酸素原子のピークが現れて C 0の相対的に減少していることから、 第 1層目の強磁性金属薄膜 3 0 2と第 2層目の強磁性金属薄膜 3 0 4の間に酸化コバルト膜か らなる第 1の中間層 3 0 3が形成されていることが確認された。 ま た、 この第 1の中間層 3 0 3の膜厚は、 1 0 0 0 A付近における酸 素原子のピークの半値幅^ (高さ h Z 2におけるピークの幅) でみ
ると、 確かに約 2 0 0 Aだった。 なお、 第 2層の強磁性金属薄膜の 表面には膜厚 5 0 Aの酸化物層が形成されていた。
その後、 上記非磁性支持体の他方の面側に通常の手法によりバッ クコート層を形成し、 カーボン保護層 ( 1 5 0 A ) 及び潤滑剤より なる トップコー ト層を形成した後、 所定の条件にて防錡処理を行つ て磁気テープを作製した。
実施例 1 5 - 第 1層目の強磁性金属薄膜及び第 2層目の強磁性金属薄膜の膜厚 をそれぞれ 9 5 0 Aとし、 中間層の層厚を 1 0 0 Aとし、 その他は 実施例 1 4 と同様にして順 2層型の磁気テープを作製した。 なお、 記録層の全厚 ( 2 0 0 O A厚) に対する中間層の層厚は 5 %とした c 実施例 1 6
第 2層目の強磁性金属薄膜上に 2 0 0 A厚の第 2の中間層を介し て傾斜柱状構造の成長方向が上記第 1層目の強磁性金属薄膜及び上 記第 2層目の強磁性金属薄膜と順方向となるように第 3層目の強磁 性金属薄膜を形成し、 その他は実施例 1 と同様にして順 3層型の磁 気テープを作製した。
なお、 上記第 2の中間層及び第 3層目の強磁性金属薄膜の成膜方 法は、 それぞれ上記実施例 1 4における第 1の中間層及び第 1層目 の強磁性金属薄膜と同様の手法とした。
また、 各強磁性金属薄膜の膜厚は 5 3 O Aとし、 記録層の全厚 ( 2 0 0 0 A厚) に対する 2層の中間層の合計層厚を 2 0 %とした: 実施例 1 7
第 2層目の強磁性金属薄膜の傾斜柱状構造の成長方向を第 1層目 の強磁性金属薄膜に対して逆方向となるように形成し、 他は実施例
1 と同様にして逆 2曆型の磁気テ一プを作製した。
即ち、 上記第 2層目の強磁性金属薄膜は、 その成膜時において第
1層目の強磁性金属薄膜の成膜時と逆方向に非磁性支持体を走行さ せながら成膜した。
また、 第 1の中間層の層厚は 2 0 O Aとし、 記録層の全厚 ( 2 0
0 0 A厚) に対して 1 0 %とした。
比較例 9
記録層を第 1層目の強磁性金属薄膜のみとし、 実施例 1 4と同様 の手法により非磁性支持体上に 2 0 0 0 A厚の第 1層目の強磁性金 属薄膜を形成して単層型の磁気テープとした。
比較例 i 0
ここでは、 比較のために中間層の層厚を 5 0 O Aとし、 記録層の . 全厚 (2 0 0 0 A厚) に対する中間層の曆厚を 2 5 %として、 その 他は実施例 1 4 と同様にして順 2層型の磁気テープを作製した。
上述のようにして作製した各磁気テープについて、 出力特性及ひ CZN比を調べた。 この結果を表 4に示す。
なお、 上記出力特性は、 入力信号の波長を 0. 5 i mとして各磁気 テープの再生出力をそれぞれ 8咖ビデオテープレコーダ (商品名 E
VS-900, ソニー社製) により測定した。 上記 C ZN比は、 入力信号 の波長を 0. 5 Ci mとして上記 8 mmビデオテープレコーダ (商品名 E VS-900, ソニー社製) により測定した。 なお、 各測定値は、 比較例 9の磁気テープを 0 d Bとした場合の相対値として表した。
[表 4】
表 4に示すように、 記録層の全厚に対する中間層の合計層厚を 2 0 %以下に抑えた磁気テープにおいては、 出力特性、 C ZN比とも に良好な結果が得られることが判った。
実施例 1 8
本実施例は、 非磁性支持体の法線方向に対する蒸気流の入射角を 4 0〜 7 0 ° の範囲で変化させて上記非磁性支持体上に 2層の強磁 性金属薄膜をそれらの傾斜柱状構造の成長方向が互いに同じである 順 2曆型の磁気テープを作製した例である。
先ず、 厚さ 1 0〃mのポリエチレンテレフタレ一トフイルムより なる非磁性支持体の一方の面上に例えばァクリル系ェマルジョン等 の下塗り液を塗布して微細な突起を有する塗膜を形成した後、 上記 非磁性支持体を一方向に走行させながら、 蒸発源からの蒸気流を上
記非磁性支持体の法線方向に対する入射角が連铳的に減少するよう に入射させて斜め蒸着を行った。 この時、 蒸着開始における最大入 射角 0 ! を 70 ° とし、 最小入射角 02 が 4 0。 となるまでの間に 上記非磁性支持体上に 1 0 0 0 A厚の第 1層目の強磁性金属薄膜を 成膜した。 このような斜め蒸着においては、 上記蒸発源として C o soN i 2。合金を用い、 蒸着雰囲気中に導入される 02 ガス流量を 2 0 0SCCMとし、 上記非磁性支持体の走行速度を 1 OmZ分とした。 そして、 この斜め蒸着を同じ条件にて繰り返して行い、 上記第 1層 目の強磁性金属薄膜上に第 2層目の強磁性金属薄膜を積層させた。 この時、 上記非磁性支持体の走行方向を上記第 1層目の強磁性金属 薄膜を成膜する場合と同じ方向とすれば、 上記第 2層目の強磁性金 属薄膜の傾斜柱状構造の成長方向は、 上記第 1層目の強磁性金属薄 膜のそれと同じとなる。 なお、 第 2層の強磁性金属薄膜の表面には 膜厚 5 0 Aの酸化物層が形成されていた。
その後、.上記非磁性支持体の他方の面側に通常の手法によりバッ クコート層を形成し、 カーボン保護層 ( 1 5 O A) 及び潤滑剤より なるトップコート層を形成した後、 所定の条件にて防錡処理を行つ て磁気テープを作製した。
実施例 1 9
最大入射角 0 , を 6 5° に変えるとともに、 最小入射角 02 を 4 5° に変えて、 他は実施例 I 8と同様にして磁気テープを作製した = 比較例 1 1
ここでは、 比較のために入射角の変化範囲を 9 0。 まで広げて斜 め蒸着を行って強磁性金属薄膜を形成した。
即ち、 最大入射角 0 , を 9 0° に変えて (最小入射角 02 は 4 0
^7
° ) 、 他は実施例 1 8 と同様にして磁気テープを作製した。
これら実施例 1 8及び実施例 1 9、 比較例 1 1について、 出力特 性及び周波数特性を調べた。 この結果を表 5に示す。
なお、 上記出力特性は、 入力信号の波長を 0. 5 mとした場合の 再生出力の測定値を比較例 1 1 に対する相対値として表した値であ る。 上記周波数特性は、 5 MHzにおける再生出力に対する 1 0 MHz における再生出力の減衰が比較例 3に対してどの位改善されたかを 相対的に表したものである。
【表 5】
表.5より、 本発明を適用した場合には、 何れも良好な出力特性が 得られることが判った。 また、 比較例 1 1を基準としてみた場合、 5 MHzにおける再生出力に対する 1 0 MHzにおける再生出力の減衰 が抑制されていることが判った。
実施例 2 0
本実施例は、 非磁性支持体の法線方向に対する蒸気流の入射角が 7 0 ° から 4 0 ° まで連続的に減少するように変化させて斜め蒸着
を行い、 上記非磁性支持体上に互いに順方向である 2層の強磁性金 属薄膜を形成し、 それら強磁性金属薄膜間に酸化物からなる中間層 を介在させた例である。
予めェマルジヨン等の下塗り液による塗膜が形成されたポリェチ レンテレフタレートフイルム ( 1 0 m厚) よりなる非磁性支持体 を一方向に 1 O mZ分の速度で走行させながら、 上記実施例 1 8と 同様にして斜め蒸着を行い、 上記非磁性支持体上に 9 0 O A厚の第
1層目の強磁性金属薄膜を形成した。 なお、 斜め蒸着において、 最 大入射角 Θ i は 7 0 ° とし、 最大入射角 0 2 は 4 0 ° とした。 镜 いて、 上記実施例 1 4と同様にしてマグネトロンスパッタリングを 行い、 上記第 1層目の強磁性金属薄膜上にコバルト酸化膜からなる 中間層を層厚 2 0 0 Aとなるように形成した。
更に、 上記第 1層目の強磁性金属薄膜と同様にして斜め蒸着を行 レ、、 上記中間層上に 9 0 0 A厚の第 2層目の強磁性金属薄膜を成膜 した。
このように作製された磁気テ一プの記録層は、 非磁性支持体上に 第 1層目の強磁性金属薄膜と第 2層目の強磁性金属薄膜とが上記中 間層を介して積層された 2層構造からなり、 その全厚は 2 0 0 0 Λ とされる。 また、 上記第 1の中間層の層厚は、 上記記録層の全厚に 対して 1 0 %とされる。 さらに、 その表面には膜厚 5 0 Aの酸化物 層が形成されていた。
その後、 上記非磁性支持体の他方の面側に通常の手法によりバツ クコート層を形成し、 カーボン保護層 ( 1 5 O A ) 及び潤滑剤より なるトップコート層を形成.した後、 所定の条件にて防錡処理を行つ て磁気テープを作製した。
実施例 2 1
最大入射角 0 , を 6 5 ° に変え、 非磁性支持体の走行速度を 2 0 mZ分として、 他は実施例 2 0 と同様にして磁気テープを作製した: なお、 中間層の層厚は 1 0 O Aとし、 記録層の全厚に対する中間 層の層厚を 5 %とした。
これら実施例 2 0及び実施例 2 1で作製した磁気テープを用い、 上述の方法により出力特性及び C/N比をそれぞれ調べた。 この結 果を表 6に示す。
【表 6】
表 6より、 上記実施例 1 4及び実施例 1 5の結果と併せて比較す ると、 単に斜め蒸着を行った場合よりも、 実施例 2 0や実施例 2 1
to
のように非磁性支持体の法線方向に対する蒸気流の入射角を本発明 で規制される範囲内に調節した場合の方が、 より優れた出力特性、
C N比を確保することができることが判った。
多層構造におけるボンバード処理の効果
本実施例の磁気テープは、 図 1 1に示すように、 ポリエチレンテ レフタレ一トからなる非磁性支持体 4 0 1の一方の主面上に第 1の 磁性薄膜 4 0 2及び第 2の磁性薄膜 4 0 3からなる 2層構造を有す る磁性層が形成されてなる。
上記非磁性支持体 4 0 1の一方の主面上には、 上記第 1の磁性薄 膜 4 0 2の下塗り膜としてァクリル酸エステル系高分子ラテツクス による塗膜が形成されており、 この下塗り膜を介して該非磁性支持 体 4 0 1上に第 1の磁性薄膜 4 0 2が形成されている。 この下塗り 膜は、 平埒粒径 4 0 0 Aの微粒子を含有してなり、 この微粒子が 1 0 0 0万個 Zmm 2 の割合で存在するように形成される。
この下塗り膜上には、 第 1の磁性薄膜 4 0 2が形成され、 この第 1の磁性薄膜 4 0 2上に第 2の磁性薄膜 4 0 3が積層される。 これ ら第 1の磁性薄膜 4 0 2及び第 2の磁性薄膜 4 0 3は、 斜め蒸着法 により得られるものであり、 その成長方向は互いに同じ方向 (順方 向) となるように形成される。 これら第 1の磁性薄膜 4 0 2及び第 2の磁性薄膜 4 0 3の膜厚は、 それぞれ 1 0 0 O Aである。
ここで、 上記第 1の磁性薄膜 4 0 2の表面は、 部分的に酸化され た状態とされ、 この第 1の磁性薄膜 4 0 2と該第 1の磁性薄膜 4 0 2上に積層される第 2の磁性薄膜 4 0 3とが磁気的に分断されるよ うになされている。 このような上記第 1の磁性薄膜 4 0 2表面の酸 化状態は、 斜め蒸着時に雰囲気中に酸素ガスを導入することにより
/
実現することができる。
このような第 1 の磁性薄膜 4 0 2の表面は、 後述するように蒸着 時にボンバード処理されている。 これにより、 斜め蒸着時に該第 1 の磁性薄膜 4 0 2上に形成された酸化層の膜厚が薄くされ、 或いは 除去されて、 前記酸化層による磁性層の電磁変換特性の劣化が防止 される。
一方、 上記第 2の磁性薄膜 4 0 3上には、 酸化層 ( 5 O A ) が形 成されるとともに、 力一ボン保護膜 ( 1 5 0 A ) 及びパーフルォロ ポリエーテルからなる トップコート層 4 0 4が形成されている。 上記非磁性支持体 4 0 1の他方の主面上には、 カーボン、 ウレ夕 ンからなるバックコート層 4 0 5が形成される。
このような構成を有する磁気テープは、 以下のような構成を有す る製造装置を用いて製造することができる。
この製造装置においては、 図 1 2に示すように、 頭部と底部にそ れぞれ設けられた排気口 4 2 3から排気されて内部が真空状態とな された真空室 4 1 1内に、 図中の反時計回り方向に定速回転する送 りロール 4 1 3 と、 図中の時計回り方向に定速回転する巻取り口一 ル 4 1 4とが設けられ、 これら送りロール 4 1 3から巻取り口一几 4 1 4にテープ状の非磁性支持体 4 1 2が順次走行するようになさ れている。
これら送りロール 4 1 3から巻取りロール 4 1 4側に上記非磁性 支持体 4 1 2が走行する中途部には、 上記各ロール 4 1 3 , 4 1 4 の径よりも大径となされた冷却キャン 4 1 5が設けられている。 こ の冷却キャン 4 1 5は、 上記非磁性支持体 4 1 2を図中下方に引き 出すように設けられ、 図中の時計回り方向に定速回転する構成とさ
れる。 なお、 上記送りロール 4 1 3、 巻取りロール 4 1 4及び冷却 キャン 4 1 5は、 それぞれ非磁性支持体 4 1 2の幅と略同じ長さか らなる円筒状をなすものであり、 また上記冷却キャン 4 1 5の内部 には、 図示しない冷却装置が設けられ、 上記非磁性支持体 4 1 2の 温度上昇による変形等を抑制し得るようになされている。
従って、 上記非磁性支持体 4 1 2は、 送りロール 4 1 3から順次 送り出され、 さらに上記冷却キャン 4 1 5の周面を通過し、. 巻取り ロール 4 1 4に巻き取られていくようになされている。 なお、 上記 送りロール 4 1 3と上記冷却キヤン 4 1 5との間及び該冷却キャン 1 5と上記巻取りロール 4 1 4との間にはそれぞれガイ ド口一几 4 1 6 , 4 1 7が配設され、 上記送りロール 4 1 3から冷却キャン 4 1 5及び該冷却キャン 4 1 5から巻取りロール 4 1 4に亘つて走 行する非磁性支持体 4 1 2に所定のテンションをかけ、 該非磁性支 持体 4 1 2が円滑に走行するようになされている。
また、 上記真空室 4 1 1内には、 上記冷却キャン 4 1 5の下方に ルツボ 4 1 8が設けられ、 このルツボ 4 1 8内に金属磁性材料 (C 0 8 o i 2 o ) 4 1 9が充塡されている。 このルツボ 4 1 8は、 上記 冷却キャン 4 1 5の幅と略同一の幅を有してな ¾。
更に、 上記真空室 4 1 1の側壁部には、 上記ルツボ 4 1 8内に充塡 された金属磁性材料 4 1 9を加熱蒸発させるための電子銃 4 2 0が 取付けられる。 この電子銃 4 2 0は、 該電子銃 4 2 0より放出され る電子線 Xが上記ルツボ 4 1 8内の金属磁性材料 4 1 9に照射され るような位置に配設される。 そして、 この電子銃 4 2 0によって蒸 発せしめられた金属磁性材料 4 1 9が上記冷却キャン 4 1 5の周面 を定速走行する非磁性支持体 4 1 2上に磁性層として被着形成され
るようになされている。
そして、 上記冷却キャン 4 1 5の近傍には、 該冷却キャン 4 1 5 の周面に沿ってシャッ夕 4 2 2が配設されている。 これにより、 上 記非磁性支持体 4 1 2表面の一部が覆われるかたちとなるので、 蒸 発せしめられた金属磁性材料 4 1 9の該非磁性支持体 4 1 2の表面 に対する入射角を規制することができる。
従って、 このような製造装置においては、 上記ルツボ 4 1 8内に 充填された金属磁性材料 4 1 9が上記電子銃 4 2 0により加熱蒸発 され、 上記冷却キャン 4 1 5の周面を走行する非磁性支持体 4 1 2 に被着されるが、 当該非磁性支持体 4 1 2が上記シャツ夕 4 2 2の —端部 (上記非磁性支持体 4 1 2の送出し側の端部) 4 1 3 aによ り被覆される時点までの領域で当該非磁性支持体 4 1 2に対して蒸 着がなされ、 この時点で蒸発せしめられた金属磁性材料 4 1 9の上 記非磁性支持体 4 1 2に対する入射角 0 , が最低値となるようにな されている。
また、 上記真空室 4 1 1内には、 上記冷却キャン 4 1 5の下方側 と上方側を分断するごとく、 仕切り板 4 2 1が設けられている。 こ れにより、 上記送りロール 4 1 3から送り出された非磁性支持体 4 1 2がこの仕切り板 4 2 1を通過した時点より蒸着が行われ、 この 時点で上記蒸発せしめられた金属磁性材料 4 1 9の上記非磁性支持 体 4 1 2に対する入射角 0 2 が最高値をとるようになされている。 また、 このような仕切り板 4 2 1を設けることにより、 仕切り板 4 2 1 よりも上方側には蒸発せしめられた金属磁性材料 4 1 9が拡散 されることがなくなるので、 蒸着効率が向上する。
更に、 上記真空室 4 1 1の側壁部には、 酸素ガス導入口 4 2 8が
この真空室 4 1 1の側壁を貫通して設けられており、 蒸着時にこの 酸素ガス導入口 4 2 8を介して非磁性支持体 4 1 2の表面に酸素ガ スが供給されるようになされている。 これにより、 得られる磁性薄 膜中に酸素が取り込まれて、 磁気特性の向上が図られる。
また、 この製造装置においては、 上記非磁性支持体 4 1 2の送出 し側と巻取り側の各ガイドロール 4 1 6 , 4 1 7と上記冷却キャン 1 5との中途部にそれぞれ処理装置 4 2 4, 4 2 5が設けられて いる。
これら処理装置 4 2 4 , 4 2 5は、 上記非磁性支持体 4 1 2の表 面及び上述のような斜め蒸着により形成される磁性薄膜の表面をそ れぞれボンバード処理するために設けられるものであり、 上記磁性 薄膜の形成前と形成後に、 上記非磁性支持体 4 1 2及び上記磁性薄 膜が形成された磁気テープが当該処理装置 4 2 4 , 4 2 5中を通過 するとともに、 これら上記非磁性支持体 4 1 2と上記磁性薄膜の表 面にボンバード処理がなされるように構成されている。
従って、 送りロール 4 1 3から送り出された上記非磁性支持体 4 1 2は、 上記処理装置 4 2 4内を通過し、 そして上記冷却キャン 4 1 5の周面を走行し、 更に上記処理装置 4 2 5内を通過して、 上記 巻取り口一ル 4 1 4に巻き取られる。
上記処理装置 4 2 4, 4 2 5には、 上記非磁性支持体 4 1 2及び 上記磁性薄膜が形成された磁気テープが通過するための入口 4 2 4 a , 4 2 5 aと出口 4 2 4 b , 4 2 5 bがそれぞれ設けられており 、 これら入口 4 2 4 a , 4 2 5 aから上記処理装置 4 2 4 , 4 2 5 内に介入した時点から上記出口 4 2 4 b , 4 2 5 bに至までの間に 上記非磁性支持体 4 1 2及び上記磁性薄膜が形成された磁気テープ
S
の表面に対してボンバー ド処理が施される。 このようなボンバー ド 処理を行うことにより、 上記非磁性支持体 4 1 2上、 或いは蒸着に より得られた磁性薄膜上に形成された酸化層の膜厚が薄くされる、 或いは除去されるので、 前記酸化層の存在に起因する電磁変換特性 の劣化が防止される。
上記処理装置 4 2 4 (又は処理装置 4 2 5 ) 内には、 上記非磁性 支持体 4 1 2 (又は上記磁気テープ) を介して 1対の棒状の電極 4 2 6, 4 2 6 (又は電極 4 2 7, 4 2 7 ) が配設されており、 これ ら電極 4 2 6 , 4 2 6 (又は電極 4 2 7, 4 2 7 ) 間で放電が発生 する構成とされている。 これら電極 4 2 6 , 4 2 6 (又は電極 4 2 7 , 4 2 7 ) としては、 直流型でも、 交流型でも何れも使用可能で あ 0
また、 これら処理装置 4 2 4 , 4 2 5内には、 不活性ガス又は還 元ガスを含む不活性ガスが導入され、 上記電極 4 2 6 , 4 2 6 (又 は電極 4 2 7 , 4 2 7 ) は水冷される。
なお、 この処理装置によれば、 上述のような斜め蒸着により得ら れた磁性薄膜の表面に加えて、 上記非磁性支持体 4 1 2の表面にも ボンバード処理がなされるが、 少なく とも上述の磁性薄膜の表面が ボンバード処理されていれば良く、 上記非磁性支持体 4 1 2の表面 のボンバード処理は省略しても良い。
そこで、 このような製造装置を用いて以下のような手順に従って 各種磁気テープを製造した。
実施例 2 2
1 0〃m厚のポリエチレンテレフ夕レートフィルムの一主面に了 クリル酸エステル系高分子ラテツタス (平均粒径 4 0 0 A ) を 1 0
ひ 0万個 mm 2 となるように塗布して下塗り膜を形成した。 次に、 金属磁性材料として C o 8。N i 2。合金 (数値は組成比を表 す。 ) を用い、 上記下塗り膜が形成されたポリエチレンテレフタレ 一トフィルムを 3 0 mZ分のテープスピードで走行させると同時に 、 酸素ガスを導入しながら真空中で斜め蒸着を行って、 上記ポリェ チレンテレフタレートフイルム上に膜厚が 1 0 0 0人となるように 第 1の磁性薄膜を形成した。
この時、 酸素ガスの導入量を 2 0 0 c c Z分とし、 蒸発せしめら れた上記金属磁性材料の上記ポリエチレンテレフタレートフイルム の表面に対する入射角を 4 5〜9 0 ° の範囲で変化させた。
また、 このような蒸着に際し、 上記ポリエチレンテレフタレ一卜 フィルムの表面と得られた第 1の磁性薄膜の表面をボンバード処理 した。 このボンバード処理の条件としては、 上記ボリエチレンテレ フタレ一トフィルムの表面においては、 A rガス雰囲気中で上記電 極の電圧を 5 0 0 V、 電流を 0 . 2 Aとし、 第 1の磁性薄膜の表面 においては、 5 %の H 2 ガスを含有する A rガス雰囲気中で上記電 極の電圧を 5 0 0 V、 電流を 0 . 3 Aとした。
そして、 上記巻取りロールに巻き取られた上記ボリエチレンテレ フタレートフィルムを巻き戻した後、 上記第 1の磁性薄膜と同様に して膜厚が 1 0 0 0 Aとなるように第 2の磁性薄膜を形成するとと もに、 得られた第 2の磁性薄膜の表面をボンバード処理した。 なお 、 このボンバ一ド処理の条件は、 上記ポリエチレンテレフ夕レート フイルムの表面に施した場合と同様とした。
このような蒸着後、 得られた磁気テープに力一ボン、 ウレタンか らなるバックコート層と、 パーフルォロポリエーテルを用いたトッ
プコート層をそれぞれ形成し、 更にこの磁気テープを 8 m m幅に裁 断した。
実施例 2 3
上記実施例 2 2において第 1 の磁性薄膜の表面をボンバード処理 した際に、 5 %の H 2 ガスを含有する A rガス雰囲気中で行ったの を、 4 %のアセチレンを含有する A rガス雰囲気に変えて、 その他 は実施例 2 2と同様にして磁気テープを作製した。
実施例 2 4
上記実施例 2 2において第 1の磁性薄膜の表面をボンバード処理 した際に、 上記電極の電圧を 5 0 0 V、 電流を 0 . 3 Aとしたのを 、 電圧を 5 0 0 V、 電流を 0 . 0 5 Aに変えて、 その他は実施例 2 2と同様にして磁気テープを作製した。
実施例 2 5
上記実施例 2 2において第 1の磁性薄膜の表面をボンバード処理 した際に、 上記電極の電圧を 5 0 0 V、 電流を 0 . 3 Aとしたのを 、 電圧を 5 0 0 V、 電流を 0 . 9 Aに変えて、 その他は実施例 2 2 と同様にして磁気テープを作製した。
比較例 1 2
上記実施例 2 2において第 1の磁性薄膜の表面をボンバード処理 した際に、 5 %の H 2 ガスを含有する A rガス雰囲気中で行ったの を、 還元性ガスを含まない A rガス雰囲気に変えて、 その他は実施 例 2 2と同様にして磁気テープを作製した。
このようにして得られた各磁気テープについて、 ソニー社製の商 品名 E V S — 9 0 0により 0 . 5 4 mの波長における再生出力、 C ZN及びエラーレートをそれぞれ測定した。 この結果を表 7に示
す。 なお、 表 7中に、 各磁気テープにおける第 1の磁性薄膜の表面 をボンバード処理した際の処理能力を示す定数 K (上記 ( 1 ) 式参 照。 ) の値も併せて記した。
[表 7】
表 7に示すように、 実施例 2 2〜2 5では、 比較例に比べて再生 出力及び CZNが高く、 またエラーレ一卜が低減されていることが 判った。 従って、 蒸着時に上述のようなボンバード処理を行うこと により、 良好な耐久性が得られるとともに、 電磁変換特性の向上が 図られることが判った。
但し、 実施例 24のようにボンバード処理における定数 Kの値が 小さいと、 再生出力や C/N、 或いはエラ一レートを十分に改善す ることが出来なかった。 このことから、 上記ボンバード処理におけ る定数 Kの値はおよそ 1 0以上とされることが望ましいと言える。 バーフルォロポリエーテルのァミ ン塩化合物による潤滑効果
先ず、 磁性層の表面に形成されたカーボン膜上に下記の化 6或い は化 7に示されるパ一フルォロポリエーテル誘導体を用いて潤滑剤 層を形成した蒸着テープについて、 種々の使用条件下における耐久 性、 走行性を検討した。
【化 6】
R2 R2
R】 一 N+ - R3 OOC-Rf-COO" R】 -N+
R4 R4
(但し、式中 Riはパーフルォロポリエ—テル鎖を示す。 また、 R1 , R2 , R2 R4はそれぞれ水素或いは炭 Uく素基 表す。 )
【化 7】
R2
Rf-COO" -R1 - N+ - R3
R4
(但し、式中 Rfはパーフルォロポリエ—テル鎖を^"。 また、 R1 , R2 , R3 ,
R はそれそ' 應いは炭 赚链す。 )
bo
実験 1
先ず、 1 4種類のパーフルォロポリエーテル誘導体 (化合物 1〜
1 4とする。 ) を用いて以下の通りに磁気記録媒体を作成した。 な お、 本実験において使用したパーフルォロポリエーテル誘導体 (化 ム物 1〜1 4 ) を構成している主鎖 (末端にカルボキシル基を有す るパーフルォロポリエーテル鎖) の種類、 極性基部分に含まれる炭 化水素基 (又は水素基) 及び分子量は、 下記の表 8乃至表 9に示す 通りである。
[表 8】
即ち、 1 4〃厚のポリエチレンテレフ夕レー トフィルムの表面に 斜方蒸着法により C 0を被着させ、 膜厚 2 0 0 nmの強磁性金属薄 膜を形成した。
続いて、 この金属磁性薄膜の表面にスパッタリングによりカーボ ン膜からなる保護膜を表面酸化物層 ( 5 nm) とのトータルの膜厚 2 0 nmとなるように成膜した。
そして、 この保護膜上に各化合物 1〜 1 4をフレオンとェタノ一 ルの混合溶媒に溶解したものを塗布量が 5 m g 2 となるように
塗布して潤滑剤曆を形成した後、 この磁気テープを 8 m m幅に裁断 してサンプルテープ 1 ~ 1 4を得た。
このようにして作製された各サンプルテープ 1〜 1 4について、 温度 2 5 °C湿度 6 0 %のとき、 温度一 5でのとき、 温度 4 0 °C湿度
8 0 %の各条件下における摩擦係数、 スチル耐久性及びシャ トル耐 久性をそれぞれ測定した。 この結果を表 1 1及び表 1 2に示す。 なお、 比較用として、 εカーボン膜が形成され潤滑剤を保有してい ない磁気テープ (比較例 1 3 ) 、 潤滑剤として下記の表 1 0に示さ れる末端にカルボキシル基を有するパーフルォロポリエーテルや末
。
端に水酸基を有するパーフルォロポリエーテルをそれぞれ使用した 磁気テープ (比較例 1 4〜1 7 ) 、 カーボン膜が形成されず潤滑剤 曆のみが形成された磁気テープ (比較例 1 8 ) についても同樣に測 定し、 その結果を表 1 3に示す。
【表 1 0 ]
パーフルォロポリエーテルの^ ^
雄例 14 H00CCF2(0C2F4) P (0CF2)Q 0CF2C00H
F(CF2CF2CF20) D CF2CF2C00H
H0CH2CF2(0C2F4) p (0CF2) A 0CF2CH20H
H00CCF2(0C2F4)P (QCF2) Q OCF細
[表 1 1】
餅 摩擦係数 ス 隱 シャト ( 難
25°C.60%RH 0.19 >720 >150
1 40oC,顏 0.24 >720 >150 -5°C 0.20 >720 >150
25°C, 60%RH 0.20 >720 >150
2 40。C,赚 H 0.25 >720 >150 -5°C 0.20 >720 〉150
25°C, 60% H 0.20 >720 >150
3 40°C, 80%RH 0.25 >720 >150 -5°C 0.21 >720 >150
25。C, 60% H 0.21 >720 >150
4 40°C, 80腿 0.26 >720 >150 -5°C 0.21 >720 >150
25°C, 60% H 0.21 >720 〉150
5 40°C, 80湖 0.26 >720 〉150 -5°C 0.22 >720 >150
25°C, 60% H 0.20 >720 >150
6 40V, 80¾RH 0.26 >720 >150 -5。C 0.22 〉720 >150
25。C, 60細 0.22 >720 >150
7 40°C.80%RH 0.27 >720 >150 -5°C 0.22 >720 >150
25°C, 60% H 0.19 >720 >150
8 40。C, 80%RH 0.24 >720 >150 -5。C 0.19 >720 >150
25°C, 60簡 0.21 >720 >150
9 40eC, 80湖 0.27 >720 >150 -5。C 0.23 >720 >150
25°C, 60測 0.19 >720 >150
1 0 40。C, 80¾RH 0.22 >720 〉150
-5°C 0.20 >720 >150
【表 1 2]
[表 1 3】
表 1 1乃至表 1 3中、 スチル耐久性はポーズ状態にて出力が一 3 d B低下するまでに要した時間を表す。 シャ トル耐久性は 1回につ き 2分間のシャ トル走行を行った時に出力が 3 d B低下するまでの シャ トル回数を表す。
表 1 1乃至表 1 3から明らかなように、 潤滑剤として末端に力几 ボキシル基ゃ水素基を有するパ一フルォロポリエーテルを単独で用 いた場合よりも、 本実施例のように末端にカルボキシル基を有する パーフルォロポリエ一テルのァミ ン塩化合物を用いた場合には、 摩 擦係数が低く、 良好な走行性、 耐久性が得られた。
また、 各サンプルテープ 1〜 1 4 と比較例 1 8の比較から、 上記 潤滑剤の使用に併せて磁性層の表面にカーボン膜を形成させること により、 低温、 或いは高温高湿等の厳しい条件下でも摩擦係数、 ス チル耐久性、 シャ トル耐久性は劣化することなく非常に良好な結果 を示すことが判った。
更に、 上記サンプルテープ 1〜1 4及び比較例 1 3〜 1 8につい て、 温度 2 5 °C湿度 6 0 %の条件下での粉落ち量及びシャ トル出力 の低下量をそれぞれ測定したとこと、 下記の表 1 4に示す結果が得 られた。 なお、 粉落ち量は光学顕微鏡により磁性層の表面を観察し て評価し、 シャ トル出力の低下量は 1 0 0回シャ トル走行した後の 出力の低下量を調べた。
6
[表 14】
表 1 4より、 各サンプルテープ 1〜1 4では、 何れも粉落ちが少 なく、 出力の下もごく僅かであることが明らかとなった。
実験 2
先ず、 1 0 厚のポリエチレンテレフ夕レートからなるベースフ ィルムの表面に溶媒としてィソプロピルアルコールを用いてァクリ ル酸エステルを主成分とするバインダー成分と S i 02 粒子 (平均 粒径 1 8 nm) を分散混合したものを、 前記 S i 02 粒子の密度が 1 0 0 0万個 Zmm2 となるように塗布して表面突起を設けた。
も 7 続いて、 真空室内に配設されたルツボ内に C o 8。N i 2 fl (数値は 重量 合金を充塡し、 これを所定の加熱手段により加熱溶解せし めながら、 通常の手法により斜方蒸着を行い、 移動走行させれるべ 一スフイルムの表面に上記ルツボより蒸発せしめられた磁性材料を 被着させて金属磁性薄膜を成膜した。 この時、 上記ベースフイルム の表面には、 3 0 0 c c Z分の割合で酸素ガスを導入し、 このべ一 スフイルムの表面に対する上記磁性材料の入射角が 4 0〜9 0。 の 範囲で変化するように設定した。 また、 上記ベースフイルムの走行 速度は、 得られる金属磁性薄膜の膜厚が 2 0 0 n mとなるように調 整した。
そして、 この金属磁性薄膜が形成された面と反対側の上記ベース フィルムの表面にゥレタンと力一ボンを主成分とするバックコート 層を形成した。
その後、 連続巻取り式スパッ夕装置を用い、 A rガス雰囲気中で 直流マグネト口ンスパッタリ ングを行って上記金属磁性薄膜の表面 にカーボン膜を成膜した。 なお、 このスパッタリングに際し、 真空 度は 2 P aとし、 得られるカーボン膜の膜厚が 2 0 n mとなるよう に磁気テープの送り速度を調整した。 また、 ターゲッ 卜の寸法は、 幅 2 0 0 m m x長さ 1 5 O m mの角型であり、 このターゲッ トと上 記磁気テープとの基板間距離は 5 0 m mとした。
更に、 この磁気テープを 8 m m幅に裁断した後、 下記の表 1 5中 に示される化合物 A、 或いは化合物 Bがそれぞれ濃度 0 . 0 6重量 %の割合でフロン 1 1 3に溶解されてなる潤滑剤に 1 m Z分の速度 で浸漬して、 上記力一ボン膜の表面に潤滑剤層を形成して各サンプ ルテープ 1 5 , 1 6を得た。
【表 1 5】
このようにして作製された上記サンプルテープ 1 5 , 1 6につい て、 スチル耐久性、 シャ トル耐久性及び偏摩耗量をそれぞれ調べた < この結果を下記の表 1 6に示す。 なお、 スチル耐久性はソニー社製 のビデオデッキ (商品名 E V— S. 1改造機) を用いて常温常湿にて スチル走行させ、 2 4時間を打切りとして出力が一 3 d B低下する までに要した時間を調べた。 シャ トル耐久性はソニー社製のビデオ デッキ (商品名 E V— S 9 0 0 ) を用いて常温常湿にて 6 0分間を 繰り返し走行した時における 1パス後の出力に対する 1 0 0パス後 の出力の減衰量により評価した。 このシャトル耐久性は次式 ( 2 ) により表される。
( 1 0 0パス後の出力)
シャトル耐久性(d B) = 2 1 o g- ( 2 )
( 1パス後の出力)
また、 偏摩耗量は、 光学顕微鏡で干渉縞をつく り生じた段差を観 察することによって評価した。
【表 1 6 ]
表 1 6から明らかなように、 両末端或いはどちらか一方の末端に カルボキシル基を有するパーフルォロポリエ一テルのァミ ン塩化合 物を潤滑剤として使用することにより、 何れの場合にも偏摩耗量が 少なく、 良好な耐久性が得られた。
実験 3
先ず、 1 0 厚のポリエチレンテレフ夕レー トフイルムの表面に 真空蒸着法により C 0 8。N i 2 0 (数値は重量 ) を被着させて金属 磁性薄膜を成膜した。 この時、 上記ベースフイ ルムの表面には、 2 5 0 c 分の割合で酸素ガスを導入し、 このべ一スフィルムの表 面に対する上記磁性材料の入射角が 4 5 0 となるように設定した。 続いて、 A rガス雰囲気中でスパッ夕リングを行って上記金属磁 性薄膜の表面に膜厚が 2 0 n mとなるようにカーボン膜を成膜した c
このスパッ夕リングに際し、 A rガス流量は 3 0 0 S C C Mとし、 磁気テープの送り速度は 1 mZ分とした。
そして、 この磁気テープを上記の表 9中に示される化合物 C、 或 いは化合物 Dがそれぞれ濃度 0 . 0 6重量%の割合でフロン 1 1 3 に溶解されてなる潤滑剤に 1 mZ分の速度で浸漬して、 上記カーボ ン膜の表面に潤滑剤層を形成して各サンプルテープ 1 7 , 1 8を得 た。 .
このようにして作製された各サンプルテープ 1 7 , 1 8について、 スチル耐久性、 シャ トル耐久性、 表面粗さ及び粉落ち量をそれぞれ 調べた。 この結果を表 1 7に示す。 なお、 スチル耐久性はソニー社 製のビデオデッキ (商品名 E V—S 9 0 0 ) を用いてスチル走行さ せた時の出力が一 3 d B低下するまでに要した時間を表し、 シャ ト ル耐久性は上記ビデオデッキにて 1回につき 2分間のシャトル走行 を行った時の 1 0 0パス後の出力減衰量を表す。 また、 表面粗さは タリステップ (針圧 2 m g Zmm 2 ) にて測定し、 粉落ち量は各サ ンプルテープ 1 7, 1 8と磁気へッ ドとを摺接させて使用した後に 光学顕微鏡 (倍率: 1 0 0倍) により上記磁気へッ ドの表面を観察 して評価した。
なお、 比較用として、 上記化合物 C (又は化合物 D ) の代わりに 市販されているバーフルォロポリエーテル (商品名 Z— D O L ) を 使用した磁気テープ (比較例 1 9 ) について同様に調べ、 その結果 を表 1 7に併せて記した。
m i 7】
表 1 7に示すように、 末端にカルボキシル基を有するパ一フルォ 口ポリエーテルのァミ ン塩化合物を潤滑剤として使用することによ り、 優れた耐久性が得られるとともに、 粉落ちが非常に少ないこと が判った。
そこで、 潤滑剤として使用されるパーフルォロポリエーテル誘導 体の分子量を変化させた時の各特性への影響を調べた。
実験 4
上記実験 3と同様にしてベースフィル厶上に金属磁性薄膜及び力 一ボン膜を順次積層形成した後、 上記カーボン膜の表面に上記実験 3と同じ条件にて分子量の異なる各種パーフルォロポリエーテル誘 導体を用いて潤滑剤層を形成し、 各サンプルテープ 1 9〜 2 2を作 製した。 なお、 本実験において使用したパーフルォロポリエ一テ儿 誘導体の分子量は、 下記の表 1 8に示す通りである。
このようにして作製された各サンプルテープ 1 9〜2 2について、 上記実験 3と同様にしてシャ トル耐久性、 表面粗さ及び摩擦係数を それぞれ測定し、 この結果を表 1 8に示した。
[表 1 8 ]
表 I 8に示すように、 潤滑剤として用いられるパーフルォロポリ エーテル誘導体の分子量が 1 4 0 0〜4 5 0 0の範囲である場合に は、 摩擦係数を十分に抑えることができ、 良好な耐久性が得られる とともに、 粉落ちを防止することができた。 これに対して、 上記パ 一フルォロポリエーテル誘導体の分子量が上記範囲よりも小さすぎ る場合 (比較例 2 0 ) や逆に大きすぎる場合 (比較例 2 1 ) には、 繰り返し走行後の出力の低下が大きくなるだけでなく、 粉落ち量が 増大した。
次に、 上述のようなパーフルォロポリエーテル誘導体の極性基部 分の分子量と諸特性の関係について検討した。
実験 5
上記実験 2と同様にしてベースフイルム上に金属磁性薄膜及び力 一ボン膜を順次積層形成した後、 上記力—ボン膜の表面に上記実験 2と同じ条件にて異なる極性基を有する 3種類のパーフルォロポリ
エーテル誘導体を用いて潤滑剤層をそれぞれ形成し、 各サンプルテ ープ 2 3〜2 5を作製した。 なお、 上記パーフルォロポリエーテル 誘導体は、 両末端にそれぞれ極性基を有しており、 その極性基部分 の構造及び分子量は、 下記の表 1 9に示す通りである。
このようにして作製された各サンプルテープ 2 3〜 2 5について 上記実験 2と同様にしてシャ トル耐久性及び偏摩耗量をそれぞれ则 定し、 この結果を表 1 2に示した。 但し、 本実験では、 シャ トル耐 久性試験を行うに際し、 ソニー社製のビデオデッキ E V— S 1改造 機 (商品名) を使用した。
なお、 比較用として、 極性基部分の分子量が 1 2 0を越えるパー フルォロポリエーテル誘導体を潤滑剤として用いた場合 (比較例 2 2 , 比較例 2 3 とする。 ) についても同様にして測定し、 この結果 を表 1 9に併せて記した。
[表 1 9】
極赚盼の構造 好量 シャトル
耐久性 (dB)
サ -ブ 23 -C00NH2(CH3) ! 7 5 - 0. 5 〇
サン力け -プ 24 -C00NH(CH3)2 8 9 一 0. 4 〇
サ -プ 25 -CO0NH(C2Hs)2 1 1 7 一 0. 7 Δ
一 C00NH(C3H7)2 1 4 5 一 1 . 4 X
腿節 一画 ( ) 3 1 8 7 一 1. 8 X X
79 表 1 9に示すように、 極性基部分の分子量が大きくなるに従って、 繰り返し走行後の出力劣化が増大する傾向が見られた。 また、 偏摩 耗量に関しても同様の結果が得られた。 このことから、 良好な耐久 性を確保するためには、 極性基部分の分子量を 1 2 0以下に抑える ことが必要であることが判った。
非磁性支持体の裏面の表面性の検討
先ず、 本実施例の磁気記録媒体の製造を行う真空蒸着装置の構成 について説明する。
この真空蒸着装置は、 2層の金属磁性薄膜を蒸着して磁性層を形 成する場合の装置であり、 図 1 5に示すように、 内部が低圧状態と なされた真空室 5 8 1内の上部左右に送り出しロール 5 8 2 , 巻取 りロール 5 8 3を配設するとともに、 真空室中央左右には第 1の冷 却キャン 5 8 4と第 2の冷却キャン 5 8 5を配してなるものである c また、 送り出しロール 5 8 2と冷却キャン 5 8 4の間にはガイ ドロ ール 5 8 6、 冷却キャン 5 8 4と冷却キャン 5 8 5の間にはガイ ド ロール 5 8 7 , 5 8 8、 さらに冷却キャン 5 8 5と巻取りロール 5 8 3の間にはガイドロール 5 8 9·が配設されている。
上記第 1の冷却キャン 5 8 4は、 送り出しロール 5 8 2に巻装さ れている可撓性支持基板 5 9 0を図中下方に引き出すように設けら れ、 第 2の冷却キヤン 5 8 5は冷却キヤン 5 8 4と同一の高さに設 けられている。 また、 冷却キヤン 5 8 4, 5 8 5は、 送り出しロー ル 5 8 2や巻取りロール 5 8 3の径よりも大径となされている。 な お、 送り出しロール 5 8 2、 巻取りロール 5 8 3及び冷却キャン 5 8 4 , 5 8 5は、 それぞれ可撓性支持基板 5 9 0と略同一な幅を有 する円筒状をなすものであり、 また冷却キャン 5 8 4, 5 8 5には、
内部に図示しない冷却装置が設けられ、 上記可撓性支持基板の温度 上昇による変形等を抑制するような機構とされている。
なお、 ガイ ドロール 5 8 6, 5 8 9は、 それぞれ、 送り出しロー ル 5 8 2と冷却キヤン 5 8 4の間、 冷却キャン 5 8 5と巻取り口一 ル 5 8 3の間に配設され、 他のガイ ドロール 5 8 7 , 5 8 8は第 1 の冷却キヤン 5 8 4及び第 2の冷却キヤン 5 8 5の間に配設され、 冷却キャン 5 8 4, 5 8 5よりも図中上方に設けられている。 よつ て、 ガイ ドロール 5 8 6 , 5 8 7 , 5 8 8 , 5 8 9は、 送り出し口 —ル 5 8 2から第 1の冷却キヤン 5 8 4に供給され、 第 1の冷却キ ヤン 5 8 4力、ら第 2の冷却キャン 5 8 5へ供給され、 さらに第 2の 冷却キヤン 5 8 5から巻取りロール 5 8 3に巻取られる可撓性支持 基板 5 9 0に所定のテンションをかけ、 該可撓性支持基板 5 9 0力 確実に冷却キャン 5 8 4及び 5 8 5の周面上を走行するようになさ れているものである。
また、 冷却キヤン 5 8 4 , 5 8 5の下方にはルツボ 5 9 1及び 5 9 .2が設けられ、 このルツボ内に金属磁性材料' 5 9 3が充塡されて いる。 上記第 1の冷却キヤン 5 8 4 と金属磁性材料 5 9 3の充塡さ れたルツボ 5 9 1の間にあって該冷却キヤン 5 8 4の近傍には、 冷 却キヤン 5 8 4の周面に対向するように湾曲形成されてシャッ夕ー 5 9 4が配設されている。 第 2の冷却キヤン 5 8 5においても同様 であり、 シャッター 5 9 5が配設されている。 さらに、 冷却キャン 5 8 5の側方の真空室 5 8 1壁面には監視窓 5 9 6が設けられ、 真 空室 5 8 1外部には加熱装置 5 9 7及び 5 9 8が設けられている。 以上のように構成される真空蒸着装置においては、 送り出しロー ル 5 8 2に巻装された可撓性支持体 5 9 0は、 反時計回り方向に定
速回転する送り出しロール 5 8 2からガイドロール 5 8 6による所 定のテンションを受けながら、 時計回り方向に定速回転する第 1の 冷却キヤン 5 8 4に供給され、 さらにガイドロール 5 8 7によって テンションを受けながら図中上方に引き上げられ、 ガイ ドロール 5 8 8に渡って走行する。 そして、 ガイドロール 5 8 8から時計回り 方向に定速回転する第 2の冷却キヤン 5 8 5に供給され、 ガイ ドロ —ル 5 8 9によって所定のテンションを受けながら時計回り方向に 定速回転する巻取りロール 5 8 3に巻取られるようになされている c そして、 非磁性体である可撓性支持基板 5 9 0は、 上記第 1の冷 却キヤン 5 8 4及び第 2の冷却キヤン 5 8 5の周面を通過する際に 蒸着加工される。
すなわち、 図 1 5の真空室内には、 上述のように第 1の冷却キヤ ン 5 8 4の下方に金属磁性材料 5 9 3が充塡されたルツボ 5 9 1か 設けられており、 このルツボ 5 9 1は上記冷却キャン 5 8 4の幅と 同一の幅からなるものである。 このルツボ 5 9 1に充塡された金厲 磁性材料 5 9 3は真空室 5 8 1外部に設けられた加熱装置 5 9 7に よって加熱蒸発させられるものである。 従って、 この加熱装置 5 9 7によって蒸発した金属磁性材料 5 9 3は、 上記冷却キャン 5 8 4 の周面を定速走行する可撓性支持基板 5 9 0上に第 1の金属磁性薄 膜として被着形成されるようになされている。
また、 さらに第 1の金属磁性薄膜が被着形成された可撓性支持基 扳 5 9 0は、 ガイドロール 5 8 7に図中上方に引き上げられ、 ガイ ドロール 5 8 8に渡り、 第 2の冷却キャン 5 8 5に供給される。 第 2の冷却キャン 5 8 5においても第 1の冷却キャン 5 8 4と同様な ルツボ 5 9 2が設けられており、 このルツボ 5 9 2に充塡された金
7 )
属磁性材料 5 9 3は真空室 1外部に設けられた加熱装置 5 9 8によ つて加熱蒸発させられるものである。 従って、 この加熱装置 5 9 8 によって蒸発した金属磁性材料 5 9 3は、 上記冷却キヤン 5 8 5の 周面を定速走行する第 1の金属磁性薄膜の形成された可撓性支持基 板 5 9 0上に第 2の金属磁性薄膜として被着形成されるようになさ れている。
ここで、 前述のシャッタ一 5 9 4 び 5 9 5がそれぞれ冷却キヤ ン 5 8 4 , 5 8 5の所定の領域を覆うように配設されているため、 上記金属磁性材料 5 9 3が所定の角度範囲 0で蒸着し、 第 1の金属 磁性薄膜, 第 2の金属磁性薄膜が形成されることになる。
このような装置によって、 製造される磁気記録媒体は、 図 1 6に 示されるような構造を有しており、 ポリエチレンテレフ夕レート等 よりなる可撓性支持基板 5 9 9の一方の主面上に第 1の金属磁性薄 膜 6 0 1 a及び第 2の金属磁性薄膜 6 0 1 bが形成され、 磁性層 6 0 1が形成されている。
上記可撓性支持基板 5 9 9の一方の主面上には、 上記第 1の金属 磁性薄膜 6 0 1 aの下塗り膜 6 0 0が塗布形成されており、 この下 塗り膜 6 0 0を介して該可撓性支持基板 5 9 9上に第 1の金属磁性 薄膜 6 0 1 aが形成されている。 また、 上記可撓性支持基板 5 9 9 の他方の主面は、 フイラ一 6 0 2による複数の突起 5 9 9 aを有す る面とされている。 さらには、 磁性層 6 0 1上には保護膜 6 0 3が 形成され、 可撓性支持基板 5 9 9の他方の主面上にはバックコート 6 0 4が形成される。
そこで、 前述の構成を有する真空蒸着装置を用いて、 以下のよう な手順に従って、 上述のような構造を有した 2層の金属磁性薄膜よ
り磁性層の構成されている各種磁気テープの製造を行った。
可撓性支持基板として、 一主面 (被蒸着面) が非常に平滑で、 他 方の主面 (走行面) はある程度-の粗さを有する 1 0 厚のポリェ チレンテレフタレートを用い、 走行面の表面粗さを変えたポリェチ レンテレフタレートのフィルムに、 下塗り膜, 磁性層, バックコ一 ト, トップコートの形成を行い、 比較例 2 4〜2 7及び実施例 2 6
〜2 8を作成した。
この時の下塗り膜の形成条件はすべて同一であり、 平均粒径 2 5
0 Aのァクリル酸エステル系ェマルジョンを 1 0 0 0万個/ m m 2 の密度で被蒸着面に塗布し、 下塗り膜を形成した。
また、 蒸着条件も全て同一であり、 金属磁性材料としては、. C o
9 5 - N ϊ 5 (数字は重量パ一セントを示す。 ) を使用し、 導入酸素 量を 2 0 0 c c /m i n、 第 1 , 2の冷却キャン温度を— 2 0 °C、 入射角を 4 5〜9 0 ° 、 テープ速度を 1 8 mZm i nとした。 なお、
1層めの金属磁性薄膜の厚さを 1 0 0 0 A、 2層めの金属磁性薄膜 の厚さも 1 0 0 O Aとして磁性層を形成した。
磁性層の蒸着後、 力一ボン顔料とウレタン系バインダーを中心と するバックコートを施し、 HZR処理を行い ( 1 5 0 °C, 0 . 3秒 間) 、 トップコート処理を施して、 所定のテープ幅に裁断して、 比 較例 2 4〜 2 7及び実施例 2 6〜 2 8とした。
そして、 これらの試料の製造時の熱負けの個数、 各試料の磁性層 表面の粗さ, エネルギー積, エラ一レートを測定した。 熱負けの個 数は、 第 2の冷却キヤン周面上にて第 2の金属磁性薄膜を形成した 直後に原反状態を図 1 5中に示すような監視窓 5 1 6より目視によ つて確認したもので、 比較例 2 4〜2 7及び実施例 2 6〜2 8の製
造を 1 0 0 O m長行った際に発生した熱負けの個数を示す。
また、 表面粗さの測定には、 ランクティラーボブソン社製のタリ ステップを用い、 針圧 2 m g, 針径 0. 2 X 0. 2 mの台形針を 使用し、 スキャ ン長 0. 5 mmでの測定とした。 さらに、 エネルギ —積は残留磁束密度 Β ,. と飽和磁化 5、 保磁力 H e の積によって求 めた。 結果を表 2 0に示す。
【表 2 0】 走行面表面粗さ 熱負け個数 磁性層 エネルギ-積 エラ-レ-ト ( m) 表面粗さ
24 0.0065 0.078 7 0.0025 1 02 1.8 X10"4 比
25 0.0073 0.068 8 0.0029 1 0 5 2.1 X10"4 較
26 0.0012 0.002
例
27 0.0016 0.014
26 0.0063 0.065 0 0.0020 1 1 0 7.8 X10"5 施 27 0.0046 0.034 0 0.0015 1 1 1 6.5 X10-5 例 28 0.0052 0.042 0 0.0018 1 0 8 6.8 X10— 5
表 20をみてわかるように、 可撓性支持基板の走行面の粗さを規 定する中心線平均粗さ Ra 及び突起の最大高さ Rfflax が本発明によ つて規定された範囲内にある実施例 26〜28は、 Ra または x が規定された範囲内にない比較例 24〜27と比較して (尚、 比 較例 26, 27は、 冷却キャン走行時、 表面にシヮが発生し、 各項 目について測定不可能であった。 ) 、 熱負けがなくなり、 これによ つて、 磁気テープの磁性層側の面の粗さも抑えられて平滑.となり、 また、 エネルギー積も向上し、 エラーレートも向上した。
なお、 上述の裏面側の表面粗さの規定は、 先の実施例のように、 酸化物曆を介して保護層を形成した場合や、 ボンバード処理を施し た場合等にも適用して好適であことは言うまでもない。
記録再生装置の構成
上述の各実施例の磁気記録媒体はディジタル V T Rの記録媒体と して最適なものである o
ディジタル VTRは、 カラービデオ信号をディジタル化して磁気 テープ等の記録媒体に記録するものであり、 放送局用の D 1フォー マツトのコンポーネント形ディジタル 及び D 2フォーマツ 卜 のコンポジッ ト形ディジタル VTRが実用化されている。
前者の D 1フォーマツ トディジタル VTRは、 輝度信号及び第 1, 第 2の色差信号をそれぞれ 1 3. 5MHZ 6. 75 MHzのサン プリング周波数で AZD変換した後、 所定の信号処理を行って磁気 テープ上に記録するもので、 これらコンポ一ネント成分のサンプリ ング周波数が 4 : 2 : 2であることから、 4 : 2 : 2方式とも称さ れている。
—方、 後者の D 2フォーマッ トディジタル VTRは、 コンポジッ
トカラ一ビデオ信号をカラー副搬送波信号の周波数の 4倍の周波数 の信号でサンプリングを行って A/D変換し、 所定の信号処理を行 つた後、 磁気テープに記録するようにしている。
いずれにしても、 これらのディジタル VTRは、 共に放送局用に 使用されることを前提に設計されているために、 画質最優先とされ、
1サンプルが例えば 8ビッ トに AZD変換されたディジタルカラー ビデオ信号を実質的に圧縮することなしに記録するようになされて いる。
したがって、 例えば D 1フォーマツ トのディジ夕ル VTRでは、 大型のカセッ トテープを使用しても高々 1. 5時間程度の再生時間 しか得られず、 一般家庭用の VTRとして使用するには不適当であ る。
そこで上述の実施例においては、 例えば 5 mのトラック幅に対 して最短波長 0. 5 mの信号を記録するようにし、 記録密度 8 X 1 0 b i tZ誦 2 以上を実現するとともに、 記録情報を再生歪み が少ないような形で圧縮する方法を併用することによって、 テープ 幅が 8圆あるいはそれ以下の幅狭の磁気テープを使用しても長時間 の記録 ·再生が可能なディジ夕ル VTRに適用するものとする。 そ こで、 以下このディジ夕ル VTRの構成について説明する。
a. 信号処理部
先ず、 本実施例において用いたディジタル VTRの信号処理部に ついて説明する。
図 1 7は記録側の構成全体を示すものであり、 1 Y、 1 U、 1 \' でそれぞれ示す入力端子に、 例えばカラービデオ力メラからの三原 色信号 R, G, Bから形成されたディジタル輝度信号 Y、 デイジ夕
ル色差信号 U、 Vが供給される。 この場合、 各信号のクロックレー トは D 1フォーマツ トの各コンポ一ネント信号の周波数と同一とさ れる。 すなわち、 それぞれのサンプリング周波数が 1 3 . 5 MH z , 6 . 7 5 MH zとされ、 且つこれらの 1サンプル当たりのビッ ト数 が 8 ビッ トとされている したがって、 入力端子 1 Y、 1 U、 I V に供給される信号のデータ量としては、 約 2 1 6 M b p sとなる。 この信号のうちブランキング時間のデータを除去し、 有効領域の情 報のみを取り出す有効情報抽出回路 2によってデータ量が約 1 6 7
Mb p sに圧縮される。
そして、 上記有効情報抽出回路 2の出力のうちの輝度信号 Yが周 波数変換回路 3に供給され、 サンプリング周波数が 1 3 . 5 MH z からその 3 Z 4に変換される。 周波数変換回路 3としては、 例えば 間引きフィルタが使用され、 折り返し歪みが生じないようになされ ている。 この周波数変換回路 3の出力信号は、 ブロック化回路 5に 供給され、 輝度データの順序がブ'ロックの順序に変換される。 プロ ック化回路 5は、 後段に設けられたプロック符号化回路 8のために 設けられている。
図 1 9は、 符号化の単位のブロックの構造を示す。 この例は、 3 次元ブロックであって、 例えば 2フレームに跨がる面面を分割する ことにより、 同図に示すように (4ライン X 4面素 X 2フレーム) の単位ブロックが多数形成される。 なお、 図 1 9において実線は奇 数フィ一ルドのラインを示し、 破線は偶数フィ一ルドのラインを示 す。
また、 有効情報抽出回路 2の出力のうち、 2つの色差信号 U、 V がサブサンプリング及びサブライン回路 4に供給され、 サンプリン
グ周波数がそれぞれ 6. 7 5MH zからその半分に変換された後、 2つのディ ジ夕ル色差信号が互いにライン毎に選択され、 1チャン ネルのデータに合成される。 したがって、 このサブサンプリ ング及 びサブライン回路 4からは線順次.化されたディ ジ夕ル色差信号が得 られる。 このサブサンプリ ング及びサブライン回路 4によってサブ サンプル及びサブライン化された信号の画素構成を図 2 0に示す。 図 2 0中、 〇は第 1の色差信号 Uのサブサンプリ ング画素を示し、 △は第 2の色素信号 Vのサンプリ ング画素を示し、 Xはサブサンプ ル.によって間引かれた画素の位置を示す。
上記サブサンプリ ング及びサブライン回路 4からの線順次化出力 信号は、 ブロック化回路 6に供給される。 ブロック化回路 6では一 方のプロック化回路 5 と同様に、 テレビジョン信号の走査の順序の 色差デ一夕がプロックの順序のデータに変換される。 このブロック 化回路 6は、 一方のプロック化回路 5 と同様に、 色差デ一夕を ( 4 ライン X 4画素 X 2フレーム) のブロック構造に変換する。 そして これらプロック化回路 5及びプロック化回路 6の出力信号が合成回 路 7に供給される。
合成回路 7では、 ブロックの順序に変換された輝度信号及び色差 信号が 1チャンネルのデ一夕に変換され、 この合成回路 7の出力信 号がブロック符号化回路 8に供給される。 プロック符号化回路 8と しては、 後述するようにプロック毎のダイナミ ックレンジに適応し た符号化回路 (ADRCと称する。 ) 、 DCT (D i s c r e t e
C o s i n e T r a n s f o rm) 回路等が適用できる。 前記 ブロック符号化回路 8からの出力信号は、 さらにフレーム化回路 9 に供給され、 フレーム構造のデータに変換される。 このフレーム化
n 回路 9では、 画素系のクロックと記録系のクロックとの乗り換えが 行われる。
次いで、 フレーム化回路 9の出力信号がエラ一訂正符号のパリテ ィ発生回路 1 0に供給され、 エラ一訂正符号のパリティが生成され る。 パリティ発生面路 1 0の出力信号はチャンネルエンコーダ 1 1 に供給され、 記録データの低域部分を減少させるようなチャンネ儿 コーディングがなされる。 チャンネルエンコーダ 1 1の出力信号が 記録アンプ 1 2A, 1 2 Bと回転トランス (図示は省略する。 ) を 介して一対の磁気ヘッ ド 1 3 A, 1 3 Bに供給され、 磁気テープに 記録される。 なお、 オーディオ信号と、 ビデオ信号とは別に圧縮符 号化され、 チャンネルエンコーダ 1 1に供給される。
上述の信号処理によって、 入力のデ—夕量 2 1 6Mb p sが有効 走査期間のみを抽出するによって約 1 6 7Mb p sに低減され、 さ らに周波数変換とサブサンプル、 サブラインとによってこれが 8 4 Mb p sに減少される。 このデータは、 ブロック符号化回路 8で圧 縮符号化することにより、 約 2 5 Mb p sに圧縮され、 その後のパ リティ、 オーディオ信号等の付加的な情報を加えて、 記録データ量 としては 3 1. 5 6Mb p sとなる。
次に、 再生側の構成について図 1 8を参照しながら説明する。 再生の際には、 図 1 8に示すように、 先ず磁気へッ ド 1 3 A, 1 3 Bからの'再生データが回転トランス及び再生アンプ 1 4 A, 1 4 Bを介してチャンネルデコーダ 1 5に供給される。 チャンネルデコ ーダ 1 5において、 チャンネルコーディングの復調がされ、 チャン ネルデコーダ 1 5の出力信号が TB C回路 (時間軸補正回路) 1 6 に供給される。 この TB C回路 1 6において、 再生信号の時間軸変
? r
動成分が除去される。 T B C回路 1 6からの再生データが E C C回 路 1 7に供給され、 エラー訂正符号を用いたエラー訂正とエラ一修 整とが行われる。 £。(:回路 1 7の出力信号がフレーム分解回路 1 8に供給される。
フレーム分解回路 1 8によって、 ブロック符号化データの各成分 がそれぞれ分離されるとともに、 記録系のクロックから画素系のク ロックへの乗り換えがなされる。 フレーム分解回路 1 8で分離され た各データがブロック複号回路 1 9に供給され、 各ブロック単位に 原データと対応する復元データが複号され、 複号デ一夕が分配回路 2 0に供給される。 この分配回路 2 0で複号デ一夕が輝度信号と色 差信号に分離される。 輝度信号及び色差信号がプロック分解回路 2 1 , 2 2にそれぞれ供給される。 プロック分解回路 2 1 , 2 2は、 送信側のプロック化回路 5 , 6 とは逆に、 プロックの順序の複号デ —夕をラスタ一走査の順に変換する。
プロック分解回路 2 1からの複号輝度信号が補間フィル夕 2 3に 供給される。 補間フィル夕 2 3では、 輝度信号のサンプリ ングレー トが 3 f sから 4 f s ( 4 f s = 1 3 . 5 M H z ) に変換される。 補間フィル夕 2 3からのディ ジタル輝度信号 Yは出力端子 2 6 Yに 取り出される。
—方、 プロック分解回路 2 2からのディジ夕ル色差信号が分配回 路 2 4に供給され、 線順次化されたディ ジタル色差信号 U, V デ ィジタル色差信号 U及び Vにそれぞれ分離される。 分配回路 2 か らのディジタル色差信号 U, Vが補間回路 2 5に供給され、 それぞ れ補間される。 補間回路 2 5は、 復元された画素データを用いて間 引かれたライン及び画素のデ一夕を補間するもので、 補間回路 2 5
からはサンプリングレー卜が 2 f sのディジタル色差信号 U及び V が得られ、 出力端子 26U, 26 Vにそれぞれ取り出される。 b. プロック符号化
図 1 7におけるブロック符号化回路 8としては、 ADRC (Ad ap t i v e Dyn am i c Ran e Co d i ng) ェン コーダが用いられる。 この ADRCエンコーダは、 各ブロックに含 まれる複数の画素データの最大値 MAXと最小値 M I Nを検出し、 これら最大値 MAX及び最小値 M I Nからプロックのダイナミ ック レンジ DRを検出し、 このダイナミ ツクレンジ DRに適応した符号 化を行い、 原画素データのビッ ト数よりも少ないビッ ト数により、 再量子化を行うものである。 プロック符号化回路 8の他の例として は、 各ブロックの画素データを D CT (D i s c r e t e Co s i n e Tr a n s f o rm) した後'、 この DCTで得られた係数 データを量子化し、 量子化データをランレングス■ハフマン符号化 して圧縮符号化する構成を用いてもよい。
ここでは、 ADRCエンコーダを用い、 さらにマルチダビングし た時にも画質劣化が生じないエンコーダの例を図 2 1を参照しなか ら説明する。
図 2 1において、 入力端子 27に例えば 1サンプルが 8ビッ トに 量子化されたディジタルビデオ信号 (或いはディジタル色差信号) が図 1 7の合成回路 7より入力される。 入力端子 27からのプロッ ク化データが最大値, 最小値検出回路 29及び遅延回路 30に供給 される。 最大値, 最小値検出回路 29は、 ブロック毎に最小値 M l N、 最大値 MAXを検出する。 遅延回路 30からは、 最大値及び最 小値が検出されるのに要する時間、 入力データを遅延させる。 遅延
回路 3 0からの画素データが比較回路 3 1及び比較回路 32に供給 される。
最大値, 最小値検出回路 2 9からの最大値 MAXが減算回路 3 3 に供給され、 最小値 M I Nが加算回路 34に供給される。 これらの 減算回路 3 3及び加算回路 34には、 ビッ トシフト回路 3 5から 4 ビッ ト固定長でノ ンエツジマッチング量子化した場合の 1量子化ス テツプ幅の値 (△= 1 Z 1 6 DR) が供給される。 ビッ トシフ ト回 路 3 5は、 ( 1 /1 6) の割算を行うように、 ダイナミ ックレンジ DRを 4ビッ トシフ トする構成とされている。 減算回路 3 3からは (MAX—△) のしきい値が得られ、 加算回路 34からは (M I N +△) のしきい値が得られる。 これらの減算回路 3 3及び加算回路 34からのしきい値が比較回路 3 1 , 32にそれぞれ供給される。 なお、 このしきい値を規定する値△は、 量子化ステップ幅に限らず、 ノイズレベルに相当する固定値としてもよい。
比較回路 3 1の出力信号が ANDゲ一ト 3 6に供給され、 比較回 路 3 2の出力信号が ANDゲート 3 7に供給される。 ANDゲ一ト 3 6及び ANDゲート 3 7には、 遅延回路 3 0からの入力デ一夕か 供給される。 比較回路 3 1の出力信号は、 入力データがしきい値よ り大きい時にハイレベルとなり、 したがって ANDゲート 3 6の出 力端子には、 (MAX〜MAX—△) の最大レベル範囲に含まれる 入力データの画素データが抽出される。 一方、 比較回路 32の出力 信号は、 入力データがしきい値より小さい時にハイレベルとなり、 したがって ANDゲート 3 7の出力端子には、 (M I N〜M I N + Δ) の最小レベル範囲に含まれる入力データの画素データが抽出さ れる。
ANDゲ一ト 36の出力信号が平均化回路 38に洪給され、 AN Dゲート 37の出力信号が平均化回路 39に供給される。 これらの 平均化回路 38, 39は、 ブロック毎に平均値を算出するもので、 端子 40からブロック周期のリセッ ト信号が平均化回路 38, 39 に供給されている。 平均化回路 38からは、 (ΜΑΧ〜ΜΑΧ— Δ ) の最大レベル範囲に属する画素データの平均値 MAX 'が得られ 、 平均化回路 39からは (ΜΙΝ〜ΜΙΝ + Δ) の最小レベル範囲 に属する画素データの平均値 M I 'が得られる。 平均値 MAX ' から平均値 M I N 'が減算回路 41で減算され、 この減算回路 4 1 からダイナミック'レンジ DR 'が得られる。
また、 平均値 M I NTが減算回路 42に供給され、 遅延回路 43 を介された入力データから平均値 M I N 'が減算回路 42において 減算され、 最小値除去後のデータ PD Iが形成される。 このデータ PD I及び修整されたダイナミックレンジ DR 'が量子化回路 44 に供給される。 この実施例では、 量子化に割り当てられるビッ ト数 nが 0ビッ ト (コード信号を転送しない) 、 1ビッ ト、 2ビッ ト、 3ビッ ト、 4ビッ トの何れかとされる可変長の ADRCであって、 エッジマッチング量子化がなされる。 割り当てビッ ト数 nは、 ブ c ック毎にビッ 卜数決定回路 45において決定され、 ビッ ト数 nのデ 一夕が量子化回路 44に供給される。
可変長 ADRCは、 ダイナミ ックレンジ DR 'が小さいブロック では、 割り当てビッ ト数 nを少なく し、 ダイナミックレンジ DR ' が大きいブロックでは、 割り当てビッ ト数 nを多くすることで、 楚 率の良い符号化を行うことができる。 すなわち、 ビッ 卜数 nを決定 する際のしきい値を T 1〜T 4 (Tl <Τ2 <Τ3 <Τ4) とする
と、 (DR ' く T 1 ) のブロックは、 コード信号が転送されず、 ダ イナミ ックレンジ DR 'の情報のみが転送され、 (Τ 1 ≤DR ' く T 2) のブロックは、 (n = l ) とされ、 (T 2 DR ' く T 3) のブロックは、 ( n = 2 ) とされ、 ( T 3 D R ' く T 4 ) のブロ ックは、 (n = 3 ) とされ、 (DR ' ≥ T 4 ) のブロックは、 (n = 4 ) とされる。
かかる可変長 ADR Cではしきい値 T 1〜T 4を変えることで、 発生情報量を制御すること (いわゆるバッファ リ ング) ができる。 したがって、 1 フィールド或いは、 1 フレーム当たりの発生情報量 を所定値にすることが要求されるこの発明のディ ジタルビデオテ一 プレコーダのような伝送路に対しても可変長 ADR Cを適用できる c 発生情報量を所定値にするためのしきい値 T 1〜丁 4を決定する バッファリ ング回路 4 6では、 しきい値の組 (T 1、 T 2、 T 3、 T 4) が複数例えば 3 2組用意されており、 これらのしきい値の組 がパラメ—夕コー ド p i ( i = 0、 1、 2 · · · · 3 1 ) により区 別される。 パラメ一タコー ド P iの番号 iが大きくなるに従って、 発生情報量が単調に減少するように設定されている。 ただし、 発生 情報量が減少するに従って、 復元画像の画質が劣化する。
バッファ リ ング回路 4 6からのしきい値 T 1〜T 4が比較回路 4 7に供給され、 遅延回路 4 8を介されたダイナミ ックレンジ DR ' が比較回路 4 7に供給される。 遅延回路 4 8は、 ノくッファ リ ング回 路 4 6でしきい値の組が決定されるのに要する時間、 DR ' を遅延 させる。 比較回路 4 7では、 ブロックのダイナミ ックレンジ D R ' と各しきい値とがそれぞれ比較され、 比較出力がビッ ト数決定回路 4 5に供給され、 そのプロックの割り当てビッ ト数 ηが決定される。
量子化回路 4 4では、 ダイナミックレンジ D R 'と割り当てビッ ト 数 nとを用いて遅延回路 4 9を介された最小値除去後のデ一夕 P D Iがエツジマツチングの量子化により、 コ一ド信号 D Tに変換され る。 量子化回路 4 4は、 例えば R O Mで構成されている。
遅延回路 4 8 , 5 0をそれぞれ介して修整されたダイナミックレ ンジ D R '、 平均値 M I N 'が出力され、 さらにコード信号 D丁と しきい値の組を示すパラメータコード P iが出力される。 この例で は、 一旦ノンエッジマッチ量子化された信号が新たにダイナミ ック レンジ情報に基づいて、 エツジマッチ量子化されているためにダビ ングした時の画像劣化は少ないものとされる。
c チャンネルエンコーダ及びチャンネルデコーダ
次に、 図 1 7のチャンネルエンコーダ 1 1及びチャンネルデコー ダ 1 5について説明する。
チャンネルエンコーダ 1 1においては、 図 2 2に示すように、 ノ、。 リティ発生回路 1 0の出力が供給される適応型スクランブル回路で 、 複数の M系列のスクランブル回路 5 1が用意され、 その中で入力 信号に対し最も高周波成分及び直流成分の少ない出力が得られるよ うな M系列が選択されるように構成されている。 パーシャルレスボ ンス■ クラス 4検出方式のためのプリコーダ 5 2で、 1 Z 1— D 2 (Dは単位遅延甩回路) の演算処理がなされる。 このプリコーダ 5 2の出力を記録アンプ 1 2 A, 1 3 Aを介して磁気へッ ド 1 3 A , 1 3 Bにより、 記録再生し、 再生出力を再生アンプ 1 4 A, 1 4 B によって増幅するようになされている。
—方、 チャンネルデコーダ 1 5においては、 図 2 3に示すように、 パーシャルレスポンス ' クラス 4の再生側の演算処理回路 5 3は、
1 + Dの演算が再生アンプ 1 4 A , 1 4 Bの出力に対して行われる また、 いわゆるビ夕ビ複号回路 5 4においては、 演算処理回路 5 3 の出力に対してデータの相関性や確からしさ等を用いた演算により ノイズに強いデータの複号が行われる。 このビタビ復号回路 5 4の 出力がディスクランブル回路 5 5に供給され、 記録側のスクランプ ル処理によって並び変えられたデータが元の系列に戻されて原デ一 夕が復元される。 この実施例において用いられるビ夕ビ複号回路 5 4によって、 ビッ ト毎の複号を行う場合よりも、 再生 C ZN換算か 3 d Bで改良が得られる。
d . 走行系
磁気へッ ド 1 3 A及び磁気へッ ド 1 3 Bは、 図 2 4に示すように、 —体構造とされた形でドラム 7 6に取付けられる。
ドラム 7 6の周面には、 1 8 0 ° よりやや大きいか、 あるいはや や小さい巻き付け角で磁気テープ (図示せず。 ) が斜めに巻き付け られており、 磁気へッ ド 1 3 A及び磁気へッ ド 1 3 Bが同時に磁気 テープを走査するように構成される。
また、 前記磁気へッ ド 1 3 A及び磁気へッ ド 1 3 Bのギヤップの 向きは、 互いに反対側に傾くように (例えば磁気ヘッ ド 1 3 Aはト ラック幅方向に対して + 2 0。 、 磁気へッ ド 1 3 Bは一 2 0。 傾斜 するように) 設定されており、 再生時にいわゆるアジマス損失によ つて隣接トラック間のクロストーク量を低減するようになされてい ο
図 2 5及び図 2 6は、 磁気へッ ド 1 3 A , 1 3 Bを一体構造 (い わゆるダブルアジマスへッ ド) とした場合のより具体的な構成を示 すもので、 例えば高速で回転される上ドラム 7 6に一体構造の磁気
ヘッ ド 1 3 A, 1 3 Bが取り付けられ、 下ドラム 7 7が固定とされ ている。 ここで、 磁気テープ 7 &の巻き付け角 0は 1 6 6 ° 、 ドラ ム径 øは 1 6 . 5 mmである。
したがって、 磁気テープ 7 8には、 1フィールドのデータが 5本 のトラックに分割して記録される。 このセグメント方式により、 ト ラックの長さを短くすることができ、 トラックの直線性に起因する エラ一を小さくすることができる。
上述のように、 ダブルアジマスへッ ドで同時記録を行うようにす ることで、 1 8 0 ° の対向角度で一対の磁気へッ ドが配置されたも のと比較して直線性に起因するエラー量を小さくすることができ、 またへッド間距離が小さいのでペアリング調整をより正確に行うこ とができる。 したがって、 このような走行系により、 幅狭のトラッ クで記録 ·再生を行うことができる。