明細書
ぺクチ.ネータス属菌の検出
技術分野
本発明は ビール有害菌ぺクチネータス (Pectinatus) 属菌の検出に関する。 らに し は、 ビ一ル有害菌であるべクチネータス · セルビシフィ ラス (P. ce revisi iphi 1 lus) 菌、 ぺクチネータス ' フリ シンゲ'ンンス (P. f r i s i ngens i s ) 菌、 ぺクチネータス sP. DSM20764 菌をそれぞれ検出するための遺伝子配列およ びこれを用いる該菌の検出方法に関する。
背景技術
現在、 ビール製造における微生物検査では、 菌種を同定するには、 増殖培養、 分離培養を経て、 菌を単離しなければならず、 少なく とも 7日は要する。 その後、 单離した菌を増殖させ、 形態観察、 グラム染色性、 カタラーゼ試験、 塘資化性な どの多くの性状試験を行うことにより同定を行っている。 これらの多岐にわたる 検査は煩雑であり、 時間も費用もかかる。 また、 これら一般に行われている同定 試験のほかに、 単離した菌から DNAを抽出し、 それを膜上あるいは他の支持体上 に固定し、 標準菌の DNAをプローブとしてハイブリダィゼィ ショ ン試験を行うこ とにより菌種を同定する方法がある。 しかし、 この方法も数日を要し、 さらに十 分な検出感度および選択性を得るのが難しい。
より迅速な菌検出法として、 最近では、 J. Am. Soc. Brew. Chem.: 52(1) 19- 23, 1994に報告されている生物ルミネソ センスを利用した ATP発光法により生菌 の検出を行う方法がある力 菌種を問わずに検出するため、 同定には全く利用で きない。 また、 ビールに有害な一部の乳酸菌、 例えば、 Lactobacillus brevis, Lactobaci llus case ι , Lactobacillus plan tarum , し ac tobac i 11 us coryn i f ormi s 等については、 特閒平 6-46811及び特開平 6- 311894に開示されているように、 乳 酸菌に特異的な抗体を使用することによって、 比較的早期の同定が可能となって いる。 しかし、 この方法を適用するためには、 菌を単離するまでの操作が必要な ために、 その分日数を要し、 さらに十分な検出感度および選択性を得るのが難し い。
そこで、 さらに迅速な検出法が検討され、 最近では、 特開平 5- 15400ゃ特開平
6- 141899に開示または ·Κ Am. Soc. Brew. Chem.: 52 (3) 95-99, 1994に報告さ れているように、 検体となる乳酸菌の DNAを抽出し、 この DNAに相捕的なオリゴヌ ク レオチドをプライマーとして機能させた PCR法を用いた乳酸菌を検出する方法 がある。
一方、 近年、 ί馬性嫌気性菌であるべクチネータス厲菌が、 製品ビールに対して 悪影響を与える菌であることが確認されている。 この菌の検出に対して、 ぺクチ ネータス厲菌を検出するための選択分離培地の検討 (J. Am. Soc. Brew. Chem.: 52 (3) 115- 119, 1994)、 主要抗原決定基のィムノ ブ口 'ノ ト分圻による同定 (FEMS. MICROBIOL . LETT.: 67 (3) 307 311, 1990)、 蛍光免疫法を利用した検出 (J. A m. Soc. Brew. Chem.: 51 (4) 158-163, 1993) が試みられているが、 検出感度や 検出時間等の面から満足できる方法はまだ確立されていない。
そこて、 本発明では、 ぺクチネータス属菌をより迅速に感度良く検出し、 同時 に同定できる方法を閒発することを目的とする。
発明の開示
本発明は、 ぺクチネータス厲菌の 16Sリポソーム遺伝子と特異的にハイフ ワダ ィズするォリゴヌクレオチドを作成し、 これらをプライマーとして機能させて遺 伝子増幅に用い、 各該菌を選択的に検出することを特徴とする方法を提供するも のである。
そして、 ぺクチネータス ' セルビシフイ ラス菌を特異的にハィブリダィズする オリ ゴヌク レオチ ドは以下の配列群、
5' -CAGGCGGATGACTAAGCG-3' ①
5' -TGGGATTCGAACTGGTCA-3' ②
5' -CTCAAGATGACCAGTTCG-3' ③
5' -AATATGCATCTCTGCATACG-3' ④
の少なく とも一つを有する力、、 または対応する相補的配列、 即ち、
①の配列に対しては、 5' -CGCTTAGTCATCCGCCTG-3'
②の配列に対しては、 5' -TGACCAGTTCGAATCCCA-3'
③の配列に対して 、 5' -CGAACTGGTCATCTTGAG-3'
④の配列に対しては、 5' -CGTATGCAGAGATGCATATT-3'
の少なく とも一つを有することを特徴とする。
また、 ぺクチネータス · フ リ シンゲンシス菌を特異的にハィブリダィ ズするォ リゴヌクレオチドは以下の配列群、
5' -CAGGCGGAACATTAAGCG-3' ⑤
5' -ATGGGGTCCGAACTGAGG-3' ⑥
5' -CTCAAGAACCTCAGTTCG-3' ⑦
5' -AATATCCATCTCTGGATACG-3' ⑧
の少なく とも一つを有する力、、 または対応する相補的配列、 即ち、
⑤の配列に対しては、 5' -CGCTTAATGTTCCGCCTG-3'
⑥の配列に対しては、 5, -CCTCAGTTCGGACCCCAT-3'
⑦の配列に対しては、 5, -CGAACTGAGGTTCTTGAG-3'
⑧の配列に対しては、 5' -CGTATCCAGAGATGGATATT-3'
の少なく とも一つを有することを特徴とする。
さらに、 ぺクチネータス sp. DSM20764 菌の 16Sリボソーム RNA遺伝子をコー ド するヌクレオチド配列を標的とし、 そのヌクレオチド配列と相捕的であるオリゴ ヌクレオチドであって、 該ォリゴヌクレオチドが以下の配列群、
5' -TGGGGTCCGAACTGAATG-3' ⑨
5' -GCATCCATCTCTGAATGCG-3' ⑩
の少なく とも一つを有するか、 または対応する相補的配列、 即ち、
⑨の配列に対しては、 5' -CATTCAGTTCGGACCCCA-3"
⑩の配列に対しては、 5' -CGCATTCAGAGATGGATGC-3'
の少なく とも一つを有することを特徴とする。
また本発明は、 ぺクチネータス (Pectinatus) sP. DSM20764菌の 16Sリボソ一 ム RNAをコー ドする遺伝子の塩基配列の全部を又は少なく とも連続した 10塩基以 上の配列を含む D N Aである。 そして、 前記塩基配列の全部は下記の配列番号: 1に示される。 なお、 ぺクチネータス (Pectinatus) sP. DS 20764菌はドイツの @§株保存機閱でめる DSM- Deu tche iammlung von Mikroorgani smen und Zel Ikul t uren GmbH から入手可能な菌である。
遺伝子增幅に閒する技術はすでに公知であり、 Saikiらが開発した Polymerase
Cha i n Reac t i o n法 (以下、 PCR法と略す ; Sc i enc e 230 , 1350 , 1985) を基に 行うことができる。 この方法は、 特定の遺伝子配列を増幅させる反応で、 迅速 - 高感度で高い特異性を持ち、 力、つ簡便であることから、 伝学的研究のみならず. 近年は、 医療分野における病原菌の迅速判定や、 食品分野における有害菌の迅速 検出にも応用が試みられてきている。 PC R法を行うことにより、 検体中に僅かな 量しか標的配列が存在していなくても、 2つのブラィマーが挟む標的ヌクレオチ ド配列は何百万倍にも增幅され、 検出が可能まてに大量にそのコピーが産生され る。 また、 PCR法を行うには、 検体中に存在する菌から核酸成分を遊離させる必 要があるが、 PCRは標的配列が数分子以上存在すれば増幅反応が進むので、 瑢菌 酵素や界面活性剤を用いた簡便な前処理をするだけで十分に試験に供することが できる。 そのため、 従来の細菌検出法に比べ、 利用価値が非常に高い。
これらのことを利用すベぐ、 本発明では、 ぺクチネータス ' セルビシフィ ラス 菌、 ぺクチネ一タス ' フリ シンゲンシス菌およびべクチネ一タス s P . D SM20764 菌の 16Sリボソ一ム遺伝子と特異的にハィブリダィズするように作成したォリ ゴ ヌク レオチドをプライマーとして PCRを行い、 認識されるべき配列の検出を行う ことにより、 検体中にぺクチネータス · セルビシフイ ラス菌、 ぺクチネ一タス - フリ シンゲンシス菌あるいはぺクチネータス属 D SN20764 菌が存在するか否かを 迅速、 高感度に判定する方法を開発した。 検体は、 ビール及びビール製造途中の 半製品、 または、 下水などの嫌気的環境下から採取されたサ:. 'プルでもよい。 ま た、 ブラィマーに用いるォリ ゴヌクレオチドは化学合成されたものでも天然のも のでも、 いずれの使用でも可能である。
2つのプライ マ一が規定する、 ぺクチネータス ' セルビシフィ ラス菌の 16Sリ ポソ一ム遺伝子のヌク レオチド配列上の標的配列の塩基長は、 ブライマ一①と③ を組み合わせた場合は約 70塩基対、 プライマー②と④を組み合わせた場合は約 39 0塩基対、 プライマー①と④を組み合わせた場合は約 440塩基対である。 これら のプライ マーの組み合わせは、 いずれでもべクチネ一タス · セルビシフィ ラス菌 に特異的であるため、 この菌種の検出を行える力 2組以上を平行して使用する ことにより、 より確実な同定が行える。
2つのプラィ マーが規定する、 ぺクチネータス ■ フリ シンゲンシス菌の 16Sリ
ポソーム遺伝子のヌク レオチド配列上の標的配列の塩基長は、 ライマ-⑤と⑦ を組み合わせた場合は約 70塩基対、 プライマー⑥と⑧を組み合わせた場合は約 39 0塩基対、 プライマ—⑤と⑧を組み合わせた場合は約 440塩基対である。 これら のプライマーの組み合わせは、 いづれでもべクチネ一タス ' フリ シンゲンシス菌 に特異的であるため、 この菌種の検出を行えるが、 2組以上を平行して使用する ことにより、 より確実な同定が行える。
⑨および⑩の 2つのプライマーが規定する、 ぺクチネータス sp. DSM20764 菌 の 16Sリボソーム RNA遺伝子のヌクレオチド配列上の標的配列の塩基長は、 約 390 塩基対である。 このプライマ—の組み合わせは、 ぺクチネータス sp. DSM20764 菌に特異的であるため、 この菌種の検出を行うことができる。
PCR反応に用いる DNAポリメラーゼは、 90'C以上の温度に耐熱性があればよい。 PCR反応における温度条件は、 2本鎖 DNAを 1本鎖にする熟変性反応で 90〜98'c、 プライマ—を铸型 DNAにハイブリダイ スさせるァニ—リ ング反応で 37〜65':、 DNA ポリメ ラーゼを作用させる鎖長反応で 50〜75でで行い、 これを 1サイクルとした ものを数十サイクル行わせることにより、 標的配列を增幅させることができる。 PCR反応後、 反応物を電気泳動により分離し、 臭化工チジゥム等で核酸染色を行 レ、、 增幅されたヌク レオチ ド配列の塩基長が、 上述の標的配列の塩基長と等しけ れば、 検体中にぺクチネータス ' セルビシフィ ラス菌、 ぺクチネータス · フワ シ ンゲンシス菌、 またはべクチネ一タス Sp. DSM20764 菌が存在し と判定できる。 增幅されたヌク レオチド配列の検出には、 クロマ トグラフィ ーも有効である。 図面の簡単な説明
第 1図はプライマー①〜④の組み合わせにおいて、 表 1中の菌番号 2および 5 の検体の、 PCR反応後の電気泳動結果を示す図。
第 図はプラィマ—⑤〜⑧の組み合わせにおいて、 表 1中の菌番号 2および 5 の検体の、 PCR反応後の電気泳動結果を示す図。
第 3図はプライマー⑨および⑩の組み合わせにおいて、 表 4中の菌番号 1 〜 9 の検体の、 PCR反応後の電気泳動結果を示す図。
発明を実施するための最良の形態
本発明を実施例により説明する。
( 1 ) ぺクチネ一タス ' セルビシフ イ ラス菌の検出方法
検体の調製
ぺクチネ—タス厲に厲する菌は、 表 1に示した 3種 1 0株を使用し 。 また、 ぺクチネータス · セルビシフィ ラス用ブライマ ーの特異性を確かめるために、 ビ 一ル微生物検査においてべクチネータス菌以外に検査対象となり得る ¾菌ぉよび 酵母、 さらに-一般に研究室でよ く用いられる大腸菌を用いた。 これらを適当な增 殖用培地にて培養を行った後、 菌体を遠心操作により回収した。 その後、 菌体から の DNA抽出は、 新生化学実験講座 2 核酸 I 分離精製 P20〜 21 (日本生化学会編、 東京化学同人) に従って行い、 各々 1 m lの DNA溶液を得た。
【表 1】
菌番号 菌種 菌株名 備考
1 Pectinatus cere vjsuphilus M20466
;
rectinatus cerevisiiphilus D M20467 l pe fa train, AI uu yooy o Fectinatus cerevisuphilus D M20762
4 Pectinatus cerevisiiphilus
b Pectinatus friswgensis UOMDOOO lype btrain, A l I Lod a-i a
Ό Pectinatus friswgensis D M20465
ヮ
Pectinatus frisingensis DbM U759
ο
ο ectinatus irismgensis bM20760
y Fectinatus friswgensis DSM20761
1 u Fectinatus sp. DSM20764
,
Lactobacillus ore vis JGM1059 Type Strain
1 2 Lactobacillus casei ATCC334 Type Strain
1 3 Lactobacillus coryniformis JCM1164 Type Strain
1 4 Lactobacillus lindneri DSM20690 Type Strain
1 5 Lactobacillus plantar um JCM1149 Type Strain
1 b Lactococcus etis JCM5805 Type Strain
1 ί Leuconostoc lactis JCM6123 Type Strain
1 o o edwcoccus damnosus JCM5886 Type Strain
l y Megaspnaera cerevisiae DSM20462 Type Strain
U Megaspnaera cerevisiae JCM6129
1 Zymophilus raffinosivorans DSM20765 Type Strain
Zy mophilus p3 uci vorsns UjWljiO / Ob lype train
2 3 Saccharo yces cerevisiae 1 ビール醸造酵母
2 4 Sa ccharomyces cerevisiae 2 ビール s造酵母
2 5 Saccharomyces cerevisiae 3 ビール翻造酵母
2 6 Escherichia coli K- 12
プライ マ—の合成
ぺクチネータス · セルビシフィ ラス菌の 16Sリ ボソーム RN A遺伝子の塩基配列 (KARL HEINZ SCHLEIFER. and HELGA SEIDEL- UFER et aし Int. J. Syst. Bact eriol. 40 (1) :19-27, 1990) から、 下記①〜④の配列群を選び、 それらと同じ配 列を持つ才リ ゴヌク レオチドを化学合成した。
5' -CAGGCGGATGACTAAGCG-3' ①
5' -TGGGATTCGAACTGGTCA-3' ②
5' CTCAAGATGACCAGTTCG-3' ③
5' -AATATGCATCTCTGCATACG-3' ④
P C R
滅菌した 0.5mlチューブに、 前記検体液 1; 、 滅菌水 78.5 し 10x反応用バッ ファ ー (東洋紡社製 10 X TAP) 10〃 1、 25mM塩化マグネシウム水溶液 6 1、 20οιΜ dNTPs 1 ^ I s 100〃 Mのプライマー①及び③ (または②及び④、 または①及び ④) 各 1 " !、 5U/ μ 1 Taq DNA polymerase (東洋紡社製 TAP-101) 0.5 1を加え、 計 100 1の反応液を調整した。 これを、 以下の温度条件:
熱変性; 94'C 1分
アニーリ ング ; 54て 1分
鎖長反応; 74 °c 1分
を 1サイ クルとし、 これを 30サイ クル繰り返して PCRを行った。 また、 サイ クル 反応開始前に、 98。c i分、 サイ クル反応終了後に 74。c 3分の熟処理を行った。 な お、 温度制御'装置は、 ASTEC社製プログラムテンプコ ン ト ロールシステム PC- 800 を使用した。
検出
PCRを終了した反応液 10<" 1を用い、 3.5% (w/v) ァガロースゲルにて、 100V定 電圧で 30分間、 電気泳動を行った。 反応液の他に、 分子量マーカーとして 0X174 Hindiも同時に泳動した。 泳動終了後、 臭化工チジゥム溶液
中で 15分間染色した後、 紫外線照射下でゲルを観察し、 写真撮影を行った。 ゲル の観察または撮影した写真より、 增幅産物の塩基長を、 分子量マーカーとの相対 移動度から求めた。
結果
表 1中の菌番号 2及び 5の検体の、 PCR反応後の電気泳動結果を、 図 1に示し た
また、 試験をした全ての菌について、 検出バン ドの結果を表 2にまとめた。 【表 2】
表中、 数字は検出バン ドの塩基長 (キロ塩基対) を示し、 (- ) はバン ドが検 出されなかったことを示す。
これらの結果より、 前記①〜④の配列の各ォリゴヌクレオチドを表 1に示した 組合せで、 PCR反応のプライマ —として使用した場合、 いずれの組合せも、 ぺク チネータス · セルビシフィ ラス菌にのみにバンドが検出され、 しかも検出された バン ドは全て標的配列と等しい塩基数であった。 このことより ., 本発明の各オリ ゴヌク レオチ ド力く、 ぺクチネータス ' セルビシフ イ ラス菌の I 6Sリ ボソーム RNAit 伝子の標的とする配列を正しく認識していることが示された。 かつ、 同属のぺク チネータス ' フリ シンゲンンス菌をはじめ、 他の菌種には一切バンドが検出され ないことから、 本発明は、 ぺクチネータス ' セルビシフイ ラス菌を種特異的に検 出できることを示し、 ぺクチネータス · セルビシフィラス菌を検出すると同時に、 同定も行うことができるものであることが示された。
( 2 ) ぺクチネータス ' フリ シンゲンシス菌の検出方法
検体の調製
ぺクチネータス属に属する菌は、 前記と同様に表 1に示した 3種 1 0株を使用
した。 また、 ぺクチネータス · フリ シンゲンシス菌用プライ マー ο特異性を確か めるために、 ビール微生物検査においてべクチネータス菌以外に検査対象となり 得る細菌および酵母、 さらに一般に研究室でよく用い れる大腸菌を用いた。 こ れらを適当な増殖用培地にて培養を行った後、 菌体を遠心操作によ 'り回収した。 その後、 菌体からの D A抽出は、 新生化学実験講座 2 核酸! 分離精製 p20〜2i (日本生化学会編、 東京化学同人) に従って行い、 各々 1 mlの DNA溶液を得た。 プライマーの合成
ぺクチネータス · フ リ シンゲンシス菌の 16Sリボソーム RNA遺伝子の塩基配列 (KARL HEINZ SCHLEIFER, and HELGA SEIDEし- RUFER et al, Int. J. Syst. Bact eriol. 40(1): 19-27, 1990 ) から、 下記⑤〜⑧の配列群を選び、 それらと同じ 配列を持つォリ ゴヌク レオチドを化学合成した。
5' -CAGGCGGAACATTAAGCG-3' ⑤
5' -ATGGGGTCCGAACTGAGG-3' ⑥
5' -CTCAAGAACCTCAGTTCG-3' ⑦
5' -AATATCCATCTCTGGATACG-3' ⑧
P C R
滅菌した 0.5mlチューブに、 前記検体液 1 1、 滅菌水 78.5 し 10 x反応用バノ ファー (東洋紡社製 10 X TAP) 10^ 25rtiM塩化マグネシウム水溶液 6 し 20mM dNTPs 1 ' し 100 Mのプライマー⑤及び⑦ (または⑥及び⑧、 または⑤及び ⑧) 各 1 Λ 1、 5U/ μ 1 Taq DNA polymerase (東洋紡社製 Τ Ρ-101) 0.5 1を加え、 計 100 】の反応液を調整した。 これを、 以下の温度条件:
熱変性; 94 'C 1分
ァニ一リ ング ; 54 'c 1分
鎮長反応; 74 °c 1分
を 1 サイ クノレとし、 これを 30サイ クル繰り返して PCRを行った。 また、 サイ クル 反応開始前に、 98'c 1分、 サイ クル反応終了後に 74'c 3分の熟処理を行った。 な お、 温度制御装置は、 ASTEC社製プログラムテンプコ ン トロールシステム PC- 800 を使用した。
検出
PCRを終了した反応液 10^ 1を用い、 3.5 (w/v) ァガロースゲルにて、 100V定 電圧で 30分間、 電気泳動を行った。 反応液の他に、 分子量マーカーとして 0Π74 ZHincIIも同時に泳勛した。 泳動終了後、 臭化工チジゥム瑢液 (約 0.5^ 8/' ml) 中で 15分間染色した後、 紫外線照射下でゲルを観察し、 写真撮影を行った。 ゲル の観察または撮影した写真より、 增幅産物の塩基長を、 分子量マーカ—との相対 移動度から求めた。 表 1中の菌番号 2及び 5の検体の、 PCR反応後の電気泳動結果を、 図 2に示し また、 試験をした全ての菌について、 検出バン ドの結果を表 3にまとめた。 【表 3】
表中、 数字は検出バン ドの塩基長 (キロ塩基対) を示し、 (-) はバンドが検 出されなかったことを示す。
これらの結果より、 前記⑤〜⑧の配列の各ォリゴヌク レオチドを表 3に示した 組合せで、 PCR反応のプライマーとして使用した場合、 いずれの組合せも、 ぺク チネータス · フリ シンゲンシス菌にのみにバン ドが検出され、 しかも検出された バン ドは全て標的配列と等しい塩基数であった。 このことより、 本発明の各オリ ゴヌク レオチ ド力く、 ぺクチネータス · フリ シンゲンシス菌の 16Sリ ボソーム RNAif
伝子の標的とする配列を正しく認識していることが示された。 かつ、 同厲のぺク チネータス · セルビシフイラス菌をはじめ、 他の菌種には一切バンドが検出され ないことから、 本発明は、 ぺクチネータス ' フ リ シンゲンシス菌を種特異的に検 出できることを示し、 ぺクチネータス ' フ リ シンゲンシス菌を検出すると同時に, 同定も行うことができるものであることが示された。
( 3 ) ぺクチネータス sp. DSM2076 菌の検出方法
検体の調製
ぺクチネータス属に厲する菌は、 Pectinatus cerev i s i i ph i 1 us (DSM20467) 、 Pectinatus frisingensis (DSM6306) 、 Pectinatus sp. DSM2076 を使用した。 また、 Pectinatus sp. DSM20764 用プライマ —の特異性を確かめるために、 表 4 に示す他の偏性嫌気性菌を使用した。 これらを適当な増殖用培地にて培養を行つ た後、 菌体を遠心操作により回収した。 その後、 菌体からの DMA抽出は、 新生化 学実験講座 2 核酸 I 分離精製 P20〜21 (日本生化学会編、 東京化学同人) に 従って行い、 D A溶液を得た。
【表 4】
ぺクチネータス sp. DSM20764 菌の 16Sリ ボソーム RNAit伝子の塩基配列の決定 前記のように調製したぺクチネ—タス sp. DSM20764 菌の DNA溶液を锈型に用 い、 Modern icrobiological Methods 'Nucleic Acid Techniques ι n Bacteria,
Systematics' "16S/23S rRNA Sequencing" pll5~175 (J.Wi ley ί Sons Ltd- , New York)に記載の多くの細菌に共通なユニバーサルプラィマーの 5'側に I3プ ラィマ-配列を配置したプライマーを用いて、 PCRを行った。
PCR終了後の増幅 DNA断片を、 ァガロースゲル電気泳動により分離して切り出し、 商品名 SUPRECTM - 01 (宝酒造社製) を用いてゲルから溶出させ、 エタノ ール沈殿 により回収した。 このようにして得られた DNA断片を铸型とし、 シーケンス反応 を行った。 ン一ケンシングプライマ—は商品名 IRD41 Infared Dye Labeled H13 Forwardプライマー (日'凊紡製造、 アコ力 (株) 販壳) を、 反応液は Sequi Therm ™Long-Read™Cycle Sequencing i t-LC (EPICENTRE TECHN0L0G I ES社製) を使用 した。 塩基配列決定は、 4000し Long ReadIR™ DNA Sequencing System (LI-COR社 製) を用いた。
得られたぺクチネータス sp. DSM20764 菌の 16Sリ ボソーム RNAif伝子配列を配 列番号: 1に示す。
ブライマ—の合成
配列番号 : 1 のぺクチネータス sp. DSM2076 菌の 16Sリ ボソーム!? N A遺伝子配 列上の 630番目から 647番目までの配列と同じ配列、 及び 1004番目から 1022番目ま での配列に相補的な配列を持つォリ ゴヌク レオチドを化学合成した。
プライマ—を用いたぺクチネ—タス sp. DSM20764 菌の検出及び同定
検体の調製で得た各菌の DNA溶液を、 合成したプラィマーを用いて PCRを行つ た。 PCRは以下の温度条件:
熱変性; 94で 30秒
アニーリ ング ; 55 'C 30杪
镇長反応; 72 -c 30秒
を 1サイ クルとし、 これを 35サイ クル繰り返して行った。 PCR終了後、 反応液をァ ガロースゲルにて、 100V定電圧で 30分間電気泳動に供した。 反応液の他に、 分子 量マーカーとして 0 X174/HincI Iも同時に泳動した。 泳動終了後、 約 0.5 g/mlの 臭化工チジゥム溶液中で 20分間染色した後、 紫外線照射下でゲルを観察し、 写真 撮影を行った。 ゲルの観察または撮影した写真より、 増幅産物の塩基長を分子量 マーカ一との相対移動度から求めた。
その結果、 図 3に示されるように、 ぺクチネータス sp. DSM20764 菌にのみ約 390bpsのバンドが検出された。
この結果より、 前記ォリゴヌクレオチドを PCRプライマーとして用いた場合、 ぺクチネータス sp. DSM20764 菌に Οみ目的長のバンドが検出された。 このこと より、 本発明の各オリゴヌクレオチド力く、 ぺクチネータス sp. DS 20764 菌の 16 Sリポソーム RNA遺伝子上の標的とする塩基配列を正しく認識していることが示さ れた o かつ、 |aj¾OPectinatus cerev i s i i ph i 1 us及び Pec t i na tus f risingensis を始め、 近緣な偏性嫌気性菌にも目的長のバンドは一切検出されなかったことか ら、 本発明は、 ぺクチネータス sp. DSM20764 菌を種特異的に検出できることを 示し、 該菌を検出できると同時に同定も行うことが出来るものであることが示さ れた。
産業上の利用可能性
従来法ではぺクチネ一タス属菌の菌種を同定するまてに最短でも約 10日が必要 であったが、 本発明を用いることにより、 必ずしも前培養を必要とすることなく、 また、 分離培養も必要とせずに、 1〜3日以内で、 迅速かつ明確に、 検体中にぺク チネ一タス · セルビシフィ ラス菌、 ぺクチネータス · フリ シンゲンシス菌、 また はべクチネータス sp. DSM2076 菌を検出し、 同時に同定することが可能となる。 しかも、 PCR法は、 検体の前処理も含めて操作が簡便て、 使用する薬品、 器具、 装置も安価であることから、 作業者の熟練を要せず、 低コ ス トで信賴性の高い検 査が可能となる。 さらに、 最近は PCR周辺機器が大き く進歩してきており、 それ らを本発明に利用すると、 ぺクチネータス菌検査の全自動化も可能となる。
〔配列表〕
配列番号: 1
配列の長さ : 1542
配列の型:核酸
镇の数:二本鎖
トポロジー : 直線状
配列の種類: Genomic D N A
起源
生物名 : ぺクチネータス属菌
株名 : Pectinatus sp. DSM 20764
特徴を決定した方法: E
配列
AGAGTTTGAT CCTGGCTCAG GACGAACGCT GGCGGCGTGC TTAACACATG CAAGTCGAAC 60 GGGACTTTTA TTTCGGTAAA AGTCTAGTGG CAAACGGGTG AGTAACGCGT AGGCAACCTA 120 CCTTCAAGAT GGGGACAACA TCCCGAAAGG GGTGCTAATA CCGAATGTTG TAAGAGTACT 180 GCATGGTACT TTTACCAAAG GCGGCTTTTA GCTGTTACTT GGAGATGGGC CTGCGTCTGA 240 TTAGCTAGTT GGTGACGGTA ATGGCGCACC AAGGCAACGA TCAGTAGCCG GTCTGAGAGG 300 ATGGACGGCC ACATTGGGAC TGAGACACGG CCCAGACTCC TACGGGAGGC AGCAGTGGGG 360 AATCTTCCGC AATGGGCGAA AGCCTGACGG AGCAACGCCG CGTGAACGAG GAAGGTCTTC 420 GGATCGTAAA GTTCTGTTGC AGGGGACGAA TGGCATTAGT GCTAATACCA CTAATGAATG 480 ACGGTACCCT GTTAGAAAGC CACGGCTAAC TACGTGCCAG CAGCCGCGGT AATACGTAGG 540 CGGCAAGCGT TGTCCGGAAT CATTGGGCGT AAAGGGAGCG CAGGCGGACA TTTAAGCGGA 600 TCTTAAAAGT GCGGGGCTCA ACCCCGTGAT GGGGTCCGAA CTGAATGTCT TGAGTGCAGG 660 AGAGGAAAGC GGAATTCCCA GTGTAGCGGT GAAATGCGTA GATATTGGGA AGAACACCAG 720 TGGCGAAGGC GGCTTTCTGG ACTGTAACTG ACGCTGAGGC TCGAAAGCCA GGGTAGCGAA 780 CGGGATTAGA TACCCCGGTA GTCCTGGCCG TAAACGATGG ATACTAGGTG TAGGGGGTAT 840 CGACCCCCCC TGTGCCGGAG TTAACGCAAT AAGTATCCCG CCTGGGGAGT ACGGCCGCAA 900 GGCTGAAACT CAAAGGAATT GACGGGGGCC CGCACAAGCG GTGGAGTATG TGGTTTAATT 960 CGACGCAACG CGAAGAACCT TACCAGGGCT TGACATTGAT TGACGCATTC AGAGATGGAT 1020
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