明 細 書 ジアルデヒドモノァセタールの製造方法 技術分野
本発明の [ I]は、 ジアルデヒドモノァセタールの製造方法に関する。 更に詳し くは、 ジアルデヒドモノァセタールを、 ジアルデヒドとジオールから直接得る方 法の代わりに、 一旦中間体のジアルデヒドビスァセ夕一ルを製造する第 1段階と、 得られたジアルデヒドビスァセ夕一ルを用いてジアルデヒドモノァセ夕一ルを製 造する第 2段階とからなる方法に関するものである。
本発明 [I I ]は、 特定のピランと特定のジオールから、 高収率下にダル夕ルァ ルデヒドモノァセ夕一ル (GADMA) を製造する方法に関する。 更に詳しくは、 特定のピランと特定のジオールとの反応に加えて、 該反応副生成物間の反応を利 用して GADMAを高い収率で製造する方法に関するものであり、 本発明 [I I I]は、 本発明 [I I ]において GADMAを蒸留して製造する際の蒸留条件を特定 することにより、 その収率を向上させる製造方法に関する。 本発明 [I]における、 化合物と一般式の番号と略号は以下の通りである。
( I ) ジアルデヒド
(II) ジオール
(III)ジアルデヒドモノァセ夕一ル
(IV) ジアルデヒドビスァセ夕一ル
但し、 本発明 [I]においても、 下記本発明 [I 1]及び[1 I I]と共通の化合物 は [I 1]及び[1 I ί]の一般式の番号と略号を使用することがある。
本発明 [I 1 ]及び[1 I I ]における、 化合物と一般式の番号と略号は以下の通 りである。
( i ) 2— Y— 3, 4—ジヒドロー 2 H—ピラン: YD P
2—メトキシ一 3, 4—ジヒドロー 2 H—ピラン: MD P
(ii) ジオール
エチレンダリコール: EG
(iii) グルタルアルデヒドモノアセ夕一ル: GADMA
(iv) ダルタルアルデヒド : GA
(v) 2, 2 ' —卜リメチレンビス(1, 3—ジォキソラン) (ダルタルアルデヒド の両末端のホルミル基が共にァセタール化されたダルタールアルデヒドビスァセ タールに相当する。 ) : GADBA
上記 YD Pの Yに対応するアルコールとダルタルアルデヒドから形成されるァ セタール化合物: Yァセタール類 背景技術
一般にジアルデヒドモノァセタールは、 ホルミル基が容易にアミノ基、 水酸基、 カルボキシル基、 ァミノカルボキシル基等に転換可能であり、 一方ァセタール基 は中性ないし塩基性条件下では極めて安定であるが、 酸性条件下では容易にホル ミル基に転換可能であるので、 これらの性質を利用してジアルデヒドの両末端に 異なる官能基を容易に導入出来ることから、 各種化合物、 特に医農薬化合物の製 造又は該製造用中間体として利用される重要な化合物である。
中でも、 GADMAは上記ジアルデヒドのモノァセ夕一ルの代表的化合物であ り、 特に重要視されている。 従来、 ジアルデヒドモノァセタールの工業的な製造方法としては、 幾つかの方 法が提示されているが、 原料が市販の工業用化学品として安価かつ入手容易なも のが好ましいため、 ジアルデヒドとジオールとの反応により、 直接製造する方法 が有利な方法であると考えられてきた。
この直接製造する方法の一例としては、 下記反応式に示すように、 ジアルデヒ ドとして G Aを、 ジオールとして EGをそれぞれ使用して GADM Aを製造する
方法がある,
上記反応式で見るかぎり GADMAは容易に製造出来るように思われるが、 現 実には高収率で GAD M Aを得ることは困難である。 その理由は上記の反応は平 衡反応であり、 しかも GADMAは、 同時に副生成する下記 GAD B Aとも化学 平衡関係にあるためである。
したがって、 上記反応工程を採用する限り、 GA、 GADMA、 GADBA、 E G及び水の 5成分を含む反応粗液から蒸留操作により G A D M Aを単離しなけ ればならないという煩雑さの他に、 上記蒸留操作に際し、 通常、 低沸点成分であ る水が系外に抜けるに従って、 GAD B Aが増加しやすいため、 原料 G Aに対す る目的物 GADMAの収率は高々 20 %程度しか得られないという問題があった この事実は後記の比較例 I - 1の説明からも明らかである。 この蒸留工程での G ADB Aの生成反応は、 酸触媒を使用した G Aと E Gの反 応工程において、 酸触媒を分離 (固体触媒の使用の場合) ないし中和 (均一系触 媒の使用の場合) により除去しても完全に避けることはできないことは、 後記の 比較例 I - 1の説明からも明らかである。
上記蒸留工程での GAD B Aの生成反応を避ける方法として、 特公昭 5卜 4211号 公報には、 大過剰の G Aに EGを少量づっ滴下しながら同時に、 発生する水を系 外に抜取る反応方法を開示している。 しかしこの方法では、 GAD B Aの生成速 度は目的物 GADM Aの生成速度よりもむしろ大きいことから、 GAD B Aの生 成を抑えながら適度な速度で水を系外に除去するというような、 工程条件の極め て微妙な制御を要し、 工業的にこの方法を実施することは実質上困難である。 また、 GADMAの他の工業的製造方法としては、 2—アルコキシ一 3, 4— ジヒドロ一 2 H—ピランとジオールとの反応によって合成する方法が有利とされ てきた (特開昭 49 - 35383号公報) 。 しかしながら、 本発明者等が同公報 記載の方法に従って GADMAの合成を追試検討した所、 原料 2—アルコキシ— 3, 4ージヒドロ— 2 H—ピラン基準での GADMAのモル収率は、 高々 13 % 程度 (本発明の明細書の比較例 III- 1参照。 ) にすぎず、 工業的には到底満足で きるものではないことが判明した。
また上記特開昭 49 - 35383号公報の実施例において、 収率 26 %で副生 する GAD B Aは水と反応させることにより容易に GADMAに転換可能である と説明している。 しかしながら、 本発明者等の検討によれば、 確かに GAD B A と水との反応により GADMAとジオールは生成するが、 この反応液から GAD MAを蒸留により単離しようとすると、 系中の水が系外に留出するに従い、 生成 した GADMAはジオールとの逆反応により GAD B Aに戻るため、 GADMA を製品として単離することは実質上不可能であることが判明した。 この事実は本 願明細書の比較例 II- 1の記載から明らかである。
即ち、 上記特開昭 49 - 35383'号公報に提案されている副生 GAD B Aか らの G A D M Aの生成法は実用上利用することは困難であると言わざるを得ない。 本発明 [ の課題は、 ジアルデヒドとジオールから、 医薬、 農薬等の製造中間
体として有用なジアルデヒドモノァセタールを効率よく製造する方法を見出すこ とである。
本発明 [I I]及び [I I I]の課題は、 2—アルコキシ—3, 4—ジヒドロ— 2 H—ピランのような YD P又はその核置換誘導体とジオールとを反応させて G A DMAを高収率で製造することができる方法を見出すことである。 本発明者等は本発明 [ I〗の上記課題を解決するべく鋭意研究した結果、 ジアル デヒドにジオールをモル比で 2倍以上加えた系を使用して反応させ、 発生した水 と過剰のジオールを蒸留により除去することにより、 ほぼ純粋なジアルデヒドビ スァセタールを合成する第 1段階と、 得られたジアルデヒドビスァセタールと原 料のジアルデヒドとを反応させ、 発生した水と過剰のジオールを蒸留により除去 してジアルデヒドモノァセ夕一ルを得る第 2段階とを組み合わせた二段階反応法 が最も確実なジアルデヒドモノァセタールの製造方法であることを見出した。 また、 本発明者等は本発明 [I 1]及び[1 I I]の上記課題を解決するべく鋭意 研究をした結果、 2—アルコキシ— 3, 4—ジヒドロー 2 H—ピランとジオール から G A D λί Aを得る第 1段階の方法に加えて、 当該反応の 1副生成物を水で加 水分解するのではなくて、 他の副生成物 G Aと反応させる方法を行うことにより、 上記 G A D M A単離時における G A D B Aへの逆反応の問題がなくなり、 ほぼ完 全に GADMAを単離することができることを見出し、 また、 反応粗液から GA DM Aを単離するための蒸留工程における初留操作を、 その蒸留缶液の温度を特 定温度範囲に保持しながら行うことによって GAD IAを高収率で単離、 製造で きることを見出し、 本発明を完成するに至った。 発明の開示
すなわち、 本発明 [I]は、 下記本発明の第 1〜 3である。
本発明の第 1は、 ジアルデヒド(I)とジオール(II)からジアルデヒドモノァセ夕 ール(III)を製造する方法において、 第 1段階として、 ジアルデヒド(I)と、 モル 比でその 2倍以上のジオール(II)とを反応させてジアルデヒドビスァセタール(I Y)を得、 次いで第 2段階として、 該ジアルデヒドビスァセ夕一ル(IV)とジアルデ ヒド(I)とを反応させることを特徴とするジアルデヒドモノァセタールの製造方法 を提供する。
(ここに、 R1 は炭化水素残基を示す。 )
HO— R2— OH
(ここに、 R2は炭化水素残基を示す。
(ここに R
1 及び R
2 は、 それぞれ(I)及び(II)式の R
1 及び R
2 と同じ。 )
(ここに R1 及び R2 は、 それぞれ )及び(Π)式の R1 及び R2 と同じ。 ) 本発明の第 2は、 第 1段階及び Ζ又は第 2段階の反応を酸触媒の存在下に行う ことを特徴とする本発明の第 1に記載のジアルデヒドモノァセタールの製造方法 を提供する。
本発明の第 3は、 ジアルデヒドビスァセタール(IV)との反応に使用されるジァ ルデヒド(I)が無水のジアルデヒドであることを特徴とする本発明の第 1に記載の ジアルデヒドモノァセタールの製造方法を提供する。
本発明 [I 1]及び[1 I I]は、 下記本発明の第 4〜 10である。
本発明の第 4は、 下記一般式 U) で表される 2— Y— 3, 4—ジヒドロ— 2 H—ピラン又はその核置換誘導体と下記一般式 (ii) で表されるジオールとを反 応させて下記一般式 (iii) で表されるダルタルアルデヒドモノァセ夕一ルを製造 するに際し、 第 1段階の反応の 1の副生成物ダルタルアルデヒド (iv) と他の副 生成物ダルタルアルデヒドビスァセタール (V) を第 2段階の反応を行ってグル夕 ルアルデヒドモノァセ夕一ル (iii) を製造することを特徴とするダルタルアルデ ヒドモノァセタールの製造方法を提供する。
(式中、 Yはハイ ド口ォキシ基、 アルコキシ基、 ァリールォキシ基又はァラルキ ル才キシ基を示す。 )
HO-R-OH (ii)
(式中、 Rは炭素数 1〜10の 2価の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を示す。 )
(式中、 Rは前記と同じ。 )
(式中、 Rは前記と同じ。 )
本発明の第 5は、 第 1段階の反応粗液から蒸留操作によりグルタルアルデヒド モノァセ夕一ルを単離する工程における脱低沸成分のための初留操作を、 蒸留缶 液温度を 1 0 0〜2 0 0 °Cに保持しつつ行うことを特徴とする本発明の第 4に記 載のグルタルアルデヒドモノアセタールの製造方法を提供する。
本発明の第 6は、 第 1段階の反応終了後の反応粗液を 1 0 0〜 2 0 0 °Cに加熱 して副生物からグルタルアルデヒドモノァセ夕一ル (i i i) を生成させた後、 また は生成させながら蒸留により、 置換基 Yから発生した低沸成分を留去することを 特徴とする本発明の第 4に記載のグルタルアルデヒドモノァセタールの製造方法 を提供する。
本発明の第 7は、 2— Y— 3, 4—ジヒドロ一 2 H—ピランが 2—メトキシ一 3, 4—ジヒドロー 2 H—ピランであり、 ジオールがエチレングリコールである 本発明の第 4に記載のダルタルアルデヒドモノアセ夕一ルの製造方法を提供する。 本発明の第 8は、 第 1段階の反応粗液から蒸留によりグルタルアルデヒドを主 成分とする留分とグルタルアルデヒドモノアセタールを主成分とする留分とに分 離することを特徴とする本発明の第 7のダルタルアルデヒドモノァセタールの製 造方法を提供する。
本発明の第 9は、 ダルタルアルデヒドを主成分とする留分を分離する際の蒸留 塔の缶温を 1 3 0〜 1 4 2で、 塔頂圧力を 2 5〜3 5 T o r r、 塔頂温度を 9 5 〜 1 1 9 °Cの各範囲とすることを特徴とする本発明の第 8のダルタルアルデヒド モノァセタールの製造方法を提供する。
本発明の第 1 0は、 グルタルアルデヒドモノァセタールを主成分とする留分を 分離する際の蒸留塔の缶温を 1 4 2〜 1 6 8 :、 塔頂圧力を 2 5〜3 5 T o r r、 塔頂温度を 1 1 9〜: L 2 4での各範囲とすることを特徴とする本発明の第 8又は 9のダルタルアルデヒドモノァセタールの製造方法を提供する。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明 [ I ]の内容を詳説する。
本発明 [ I ]で使用できるジアルデヒド(I)の具体例としては、 グルタルアルデヒ ド、 マロンジアルデヒド、 スクシンジアルデヒド、 i3—メチルダルタルアルデヒ ド、 アジピンジアルデヒド、 マレインジアルデヒド、 テレフタルアルデヒド等の 脂肪族、 芳香族のジアルデヒド類を挙げることができる。
なお、 一般にこれらのジアルデヒド類は水を含まない高純度のものは容易に多 量体を形成するため、 長期保存が困難なことから、 市販されているものは一般に 5 0重量%以下の水溶液の形となっている。
ジアルデヒド(I)中の水の存在は、 本発明 [ I ]における第 1段階 (以下、 [ I ]の 第 1段階と略す。 ) におけるジオール(Π)との反応によるジアルデヒドビスァセ タール( I V)の合成においては特に問題にはならないが、 好ましくは後述する本発 明 [ I ]における第 2段階 (以下、 [ I ]の第 2段階と略す。 ) のジアルデヒドと同 様に実質的に無水であることが好ましい。 [ I ]の第 2段階のジアルデヒドビスァ セタール(IV)とジアルデヒド(I)との反応においては、 化学平衡上、 ジアルデヒド モノァセタール(I I I)の生成を阻害するため、 ジオール(I I)との反応に先立ち、 ジ アルデヒド(I)中の水はできる限り除去しておくことが望ましい。
この水の除去にはモレキュラーシーブ、 硫酸カルシウム等の脱水剤が好ましく
使用されるが、 ナトリウム、 生石灰等の塩基性の脱水剤はジアルデヒドを重合さ せるため使用出来ない。 このように特定の脱水剤の使用によって水の除去は可能 であるが、 一般には蒸留による方法が経済的である。
水を可及的に除去した、 すなわち実質的に無水の高純度のジアルデヒド(I)は、 前記のように多量体化して固化する傾向があるが、 この固化はかなり緩慢に進行 するものであり、 通常、 数日間は流動性が保持されるので、 固化する前に他の反 応原料であるジアルデヒドビスァセタール(IV)と混合してしまえば、 多量化して 固体とはならず、 常に液体として取扱えるため、 工業的にも、 特に問題なく使用 出来る。
本発明に使用されるジオール(I I)の具体例としては、 エチレングリコール (E G ) 、 1 , 2 —プロピレングリコール (P G) 、 1 , 3 —プロピレングリコール、 1 , 3 —ブタンジオール、 1 , 4—ブタンジオール、 カテコール等の脂肪族、 芳香 族ジオールが挙げられるが、 中でも、 沸点から見て目的物との蒸留分離が容易で ある点、 安価に入手可能である点、 適度のァセタール化の容易さと、 ホルミル基 への戻し易さを兼備している点から、 E G及び P Gが特に好ましく使用される。 次に、 本発明において合成中間体としての役割を持つジアルデヒドビスァセ夕 ール(IV)の合成法につき説明する。 ジアルデヒドビスァセタール(IV)はジアルデ ヒド(I)とジオール(I I)から合成される。 ジアルデヒド(I)は前記のように一般に 水溶液として市販されており、 [ I ]の第 1段階のジアルデヒドビスァセタール(I V)の合成においては水溶液のままでも差支えない。
[ I ]の第 2段階で使用されるジアルデヒド中の水分については後述する。
なお、 [ I ]の第 1段階の反応は、 通常無溶媒で実施できるが、 必要に応じてへ キサン、 ヘプタン、 トルエン等の有機溶媒を使用することも可能である。
[ I ]の第 1段階の反応において仕込むジアルデヒド(I)に対するジオール(I I)の モル比は、 化学量論的には前者の 1に対して 2であるが、 反応が平衡反応である 点を考盧すれば、 ジオール(I I)を 2よりも過剰とした方が有利であり、 通常は 2 . 1〜4. 0、 より好ましくは 2 . 2〜 3 . 0のモル比で実施される。 2 . 1未満では
ジアルデヒドビスァセタール(IV)への転換か不十分になる場合があり、 逆に 4. 0 を超えてもジアルデヒドビスァセ夕一ル(IV)の収率はさほど向上しないばかりか、 蒸留により除去すべきジオール(I I)が増加し、 必要なエネルギーの増大を招きか ねない。 これらの点を考慮すればジオールをモル比で 2 . 2〜3 . 0の範囲で供給 することが最も好ましい。
また、 [ I ]の第 1段階の反応は無触媒でも進行するが、 充分な反応速度は得ら れないため工業的には酸触媒の使用が有利である。
酸触媒としては、 硫酸、 塩酸、 燐酸、 酢酸、 パラトルエンスルホン酸、 メタン スルホン酸等の一般的な酸の他、 各種の陽イオン交換樹脂、 シリカアルミナ、 ゼ オライ ト、 活性白土等の固体酸も使用でき、 中でもスルホン酸型陽イオン交換樹 脂が、 適度な酸強度と反応後の処理の容易さの点から特に好適である。
上記触媒の使用量については、 当然使用する酸の種類により異なるが、 通常の スルホン酸型陽イオン交換樹脂を使用する場合の例を挙げれば、 反応溶液の 0. 1 ~ 1 0 wt %の範囲で使用するのが好ましい結果を与える。 0. l wt %未満では実用 上充分な反応速度が得られないことが多く、 逆に 1 0 \^ %を超えて使用した場合 は、 触媒分離の負荷が増え、 この点での実質上の利点が少なくなる。
[ I ]の第 1段階の反応は、 通常2 0〜2 0 0で、 より好ましくは 3 0〜 1 5 0 °Cの反応温度で実施するのが好ましい。 2 0 °C未満では実用上充分な反応速度が 得られないことが多く、 又逆に 2 0 0 °Cを超えると重合物等の副生が増加し易い 傾向にある。
[ I ]の第 1段階の反応様式としては、 回分式、 半回分式、 連続式いずれの方法 でも実施可能である。 また、 この反応系に固体触媒を使用する場合、 触媒を原料 液に懸濁攪拌させる反応様式の他、 触媒充填層に原料を流通ないし循環流通させ る反応様式も使用可能である。
また、 ジアルデヒド(I)がジアルデヒドビスァセタール(IV)に転化して発生する 水を反応と同時に系外に抜取る、 いわゆる反応蒸留方式を採用することも出来る。 もっともこの方式の代わりに、 反応と、 蒸留による水の除去を別々の装置で行な
つたとしても、 蒸留工程での缶液中では水の系外留出に伴いジアルデヒド(I)から ジアルデヒドビスァセタール(IV)への反応が進行するため、 特に意図せずとも上 記反応蒸留方式で反応させていることになる。
従って、 反応後の反応液中の触媒を分離ないし中和した後、 蒸留に付すことは 不利ではないかと考えられるが、 固体触媒を使用し、 しかも装置上の制約から触 媒を濾過等により除去する必要がある場合でも、 前記同様に蒸留時に、 速度は遅 いが反応は進行する。 このため、 通常のバッチ蒸留のように数時間以上の蒸留時 間をとる場合には、 特に問題とならない。 但し、 連続蒸留におけるように、 蒸留 工程での液の滞留時間が短い場合には、 系中に酸触媒を存在させた方が有利であ る。
反応後に蒸留を行う場合は、 水、 ジオール(1 1)、 ジアルデヒドビスァセ夕一ル (IV)がそれぞれ分離できる条件を採用すればよいが、 ジオール(I I)を再使用する 必要が無い場合には水とジオール( 1 1 )は分離せずに廃棄してもよい。 またジアル デヒドビスァセ夕一ル(IV)は留出させて単離する必要は無く、 缶出液の形で次の 反応に使用可能である。
本発明における [ I ]の第 2段階では、 上記の [ I ]の第 1段階で得られたジアル デヒドビスァセタール(I V)と原料のジアルデヒド(I)とを反応させるが、 [ I ]の第 1段階で使用される場合と異なり、 この反応に使用するジアルデヒド(I)に共存す る水分は、 系中に共存するジアルデヒドビスァセタール(IV)と反応することによ り、 ジオール(I I)を遊離させ、 結果的に蒸留工程において、 ジアルデヒドモノア セタール(I I I )とジオール(I I)との反応を生起することでジアルデヒドモノァセ夕 ール(I I I)の収率を低下させることになる。 従って水分濃度は低いほど、 ジアルデ ヒドモノァセタール(I I I)の収率上は有利である。
本発明において使用されるジアルデヒド(I)は、 通常水より高沸点のものである から、 蒸留操作においては水を低沸点物として系外に除去した後、 ジアルデヒド
(I)は缶出液として容易に得ることが出来る。
ジアルデヒド(I )中に残る水分濃度は前記のごとく可能な限り低いことが好まし
いが、 必ずしも完全に無水状態にする必要は無く、 1 0重量%以下が好ましい。 しかし、 数%程度以下にしておくことがより好ましい。 この程度にしておくこと により、 [ I ]の第 2段階での反応において問題無く使用可能である。
なお、 ここで留意すべきは、 水分を除去した高純度のジアルデヒド(I)は、 前述 のように、 多量体化して固化する性質を有する点である。 ジアルデヒド(I)の多量 体はその単量体と同様にジアルデヒドビスァセタール(IV)と反応し、 ジアルデヒ ドモノアセ夕一ル(I I I)を与えるため、 反応上の問題はないが、 一旦固化してしま うと工業的にはハンドリング上の問題が生ずる。 しかし、 幸い、 ジアルデヒド (I )の多量体化は通常かなり緩慢で、 数日間は流動性が保持されるから、 水分を除 去したジアルデヒド(I )は速やかに第 2段階での反応相手であるジアルデヒドビス ァセ夕一ル(IV)と混合しておくことによりこのハンドリング上の問題は回避でき る。
次に、 [ I ]の第 2段階のジアルデヒド(I)とジアルデヒドビスァセ夕一ル(IV)と の反応条件につき説明する。
反応槽に仕込むジアルデヒドビスァセタール(IV)に対するジアルデヒド(I)のモ ル比は、 ジアルデヒドモノァセタール(I I I)の合成上、 化学量論比である 1 . 0付 近が最も効率的であるが、 特に回分法で反応蒸留方式の製造を行なう場合、 初回 反応の仕込みはジアルデヒド(I)に対して大過剰のジアルデヒドビスァセタール ( I V)を加え、 ジアルデヒドモノァセタール(I I I )を留出させた後、 缶に残ったジァ ルデヒドビスァセ夕一ル(IV)にジアルデヒド(I)を追加して反応を継続する方法も 効率的である。
上記 [ I ]の第 2段階の反応は通常無溶媒、 無触媒でも行うことができるが、 [ I ]の第 1段階で挙げられた溶媒や触媒と同じものが使用可能である。
反応溶液に対する触媒の使用量については、 [ I ]の第 1段階で使用される量と 同じ範囲である。
[ I ]の第 2段階の反応温度については、 [ I ]の第 1段階で行われる温度と同じ 範囲である。
[ I ]の第 2段階の反応様式としては、 [I ]の第 1段階で挙げられたものと同じ ものを使用することができる。 また、 [I]の第 1段階で記したように、 蒸留装置 の缶液に触媒を共存させ、 生成物を留出させながら反応させる、 いわゆる反応蒸 留方式を採用することも出来る。
また、 [ I ]の第 2段階における反応は平衡反応であるから、 反応に仕込まれた ジアルデヒド(I)とジアルデヒドビスァセタール(IV)は、 それぞれ 100 %はジァ ルデヒドモノァセタール(III)には転化しないが、 反応後に残されたジアルデヒド (I)とジアルデヒドビスァセタール(IV)は再度反応原料として利用出来ることは言 うまでもない。
上記のように、 本発明 [I]により、 工業的に確実かつ有利にジアルデヒドモノ ァセ夕一ル(III)を製造することが可能となった。 以下、 本発明 [I 1]及び[1 I I]の内容を詳説する。
初めに、 本発明 [I I]及び I I ]の共通部分について説明する。
本発明の原料である前記一般式 ( U で表される YD Pは、 2 H—ピラン (又 は α—ピラン) の誘導体であり、 Υはハイド口ォキシ基、 アルコキシ基、 ァリー ルォキシ基又はァラルキルォキシ基である。 具体的にはアルコキシ基としてはメ 卜キシ基、 ェ卜キシ基、 プロポキシ基、 ブトキシ基等が、 ァリールォキシ基とし てはフエノキシ基等が、 ァラルキルォキシ基としてはベンジル基等を挙げること ができる。
具体的化合物としては 2—メトキシー 3, 4ージヒドロー 2Η—ピラン、 2— エトキシ一3, 4—ジヒドロ一 2 Η—ピラン、 2_プロポキシー 3, 4—ジヒド 口一 2Η—ピラン、 2—ブトキシ一 3, 4—ジヒドロ一 2 Η—ピラン、 2—フエ ノキシ一 3, 4ージヒドロー 2 Η—ピラン等が挙げられる。
また本発明においては、 YDP ( i ) の核置換誘導体も使用でき、 ピラン環の 5個の炭素原子の一つ以上にアルキル基ないしァリール基を有していてもよい。 アルキル基およびァリール基としては、 Yのアルコキシ基およびァリールォキシ
基に対応する基がそれぞれ例示できる。
YD P又はその核置換誘導体は、 Yがアルコキシ基等の場合は、 本発明の目的 化合物である GADM Aの生成に伴い、 Yなる置換基はピラン環からはずれて、 Yに対応するアルコール性化合物が副生する。 該副生したアルコール性化合物は 通常は蒸留により目的物 GADMAと分離する必要があるため、 沸点的に GAD M Aと離れたものであること、 また共沸化合物等を形成しないものであることが 好ましいので、 Y置換基はハイド口ォキシ基、 ァリールォキシ基またはァラルキ ルォキシ基よりは、 メトキシ基、 エトキシ基、 プロポキシ基、 ブトキシ基等の比 較的低沸点アルコール化合物に対応するアルコキシ基が好ましく使用される。 本発明の原料である前記一般式 (ii) で表されるジオール (U) は、 代表的に は直鎖状アルキレンジオールが使用されるが、 前記アルキレン基の代りに、 分子 内に 2重結合、 3重結合、 芳香環あるいは側鎖として官能基を有する炭化水素基 も適宜使用できる。
具体的には、 エチレングリコール (EG) 、 1, 2—プロピレングリコール (P G) 、 1, 3 _プロピレングリコール、 1, 4—ブタンジオール、 1, 3—ブタンジ オール、 カテコール等が挙げられ、 中でも、 沸点的に生成物との蒸留分離が容易 である点、 および安価に入手可能である点、 適度のァセタール化の容易さと、 ホ ルミル基への戻り易さを兼備している点から、 E G又は P Gが特に好適に使用さ れる。 以下、 主として本発明 [I I]について説明する。
本発明に係る製造方法の特徴は、 YDP ( i ) とジオール (ii) とを先ず反応 させて GADMA (iii) を製造する (以下、 [I I]の第 1段階という。 ) 一方、 副生した GA (iv) と GADBA (v) とを反応させて GADMA (iii) を製造 する (以下、 [I I〗の第 2段階という。 )
[I I]の第 1段階の反応条件につき、 まず述べる。 反応に比込まれる YD P
( i ) に対するジオール (ii) のモル比は、 通常 0. 5〜1. 5の範囲が好適であ
る。 この場合、 モル比が 0. 5未満であれば GADMAの生成量が極端に減少す る傾向があり、 逆に 1. 5を超えると GADM Aの生成量が同様に減少すると同 時にグルタルアルデヒドの両末端のホルミル基が共にァセタール化された副生成 物 GAD B Aの生成量が増加してくる傾向を有し、 その結果、 GADMAの分離 操作を煩雑にする。
[I I]の第 1段階の反応は、 通常無溶媒で実施できるが、 必要に応じて [I]の 第 1段階で挙げられた溶媒を使用することも可能である。
[I I]の第 1段階の反応は無触媒でも進行するが、 工業的に反応速度を充分に 高くするためには、 酸触媒の使用が有利であり、 触媒としては、 [I]の第 1段階 で挙げられた触媒を使用することが可能である。
反応溶液に対する触媒の使用量についても、 [ I ]の第 1段階で使用される量の 範囲と同じである。
[I I ]の第 1段階の反応温度についても、 [ I ]の第 1段階で行われる温度の範 囲と同じである。
[I I]の第 1段階の反応様式としては、 [I]の第 1段階で使用される反応様式 と同じものが使用可能である。
また、 Yがアルコキシ基の場合に、 YDP ( i ) がァセタールに転化して発生 する 1価アルコールを反応と同時に系外に抜取る、 いわゆる反応蒸留方式を採用 することもできる。
反応後の反応液は、 均一系触媒を使用した場合は通常該触媒を中和し、 固体触 媒を使用した場合は濾過等により分離して、 反応粗液を得る。
得られた反応粗液から、 蒸留により製品 GAD IA (iii) を取得する。 この蒸 留工程において、 反応において副生した GA (iv) は低沸点留分として、 同じく 副生した GAD B A (v) は高沸点留分ないしは缶残液として、 それぞれ取得され る。
こ二で YD Pとして 2—メトキシー 3 , 4—ジヒドロ一 2 H—ピランを、 ジォ ールとしてエチレングリコールを用いた場合を例にとり、 前記反応粗液から蒸留
により G Aを分離し、 製品 GADMAを取得する際の好ましい蒸留条件について 説明する。
反応粗液の蒸留において、 第 1初留の主成分はメタノールである。 第 1初留の 缶温 1 30 °Cの場合、 蒸留塔の塔頂圧力 170〜400To r rで塔頂温度 35 〜 56°Cの範囲である。
続いて得られる第 2初留の主成分は G Aである。 この場合蒸留条件としては、 後記主留で得られる製品の GADMAの収率を向上させる観点から、 缶温 130 〜 142°C、 塔頂圧力 25〜35To r r、 塔頂温度 95〜1 19 の各範囲で あることが好ましい。
主留の蒸留条件としては、 同じ観点から、 缶温 142〜 168で、 塔頂圧力 2 5〜35To r r、 塔頂温度 1 19〜124°Cの各範囲であることが好ましい。 次に、 [I I ]の第 2段階としての GAと GADBAの反応について説明する。 反応に仕込まれる GADB A (v) に対する GA (iv) のモル比は、 通常 0.2 から 4. 0の値が好適である。 0. 2未満では生成する GADMAの生成が極端に 減少する傾向を有し、 逆に 4. 0を超える場合は生成する GADMA量は殆ど増え ず反応後に蒸留分離すべき G Aの量が増加するので、 経済的でなくなる可能性が ある。
[I I]の第 2段階の反応は通常無溶媒で実施できるが、 [I I]の第 1段階の反 応で挙げられたものと同じものが使用できる。
[I I]の第 2段階の反応は無触媒でも進行するが、 工業的に充分な反応速度は 得るためには酸触媒の使用がより有利である。
酸触媒としては、 [I I〗の第 1段階の反応で使用したものと同じものが挙げら れ、 同じ触媒を使用することも可能である。
上記触媒の使用量については、 反応溶液に対して、 Π Πの第 1段階の反応で 使用した量と同じ範囲で使用することが可能である。
[I I ]の第 2段階の反応温度は、 [I I ]の第 1段階の反応と同じ範囲で行うこ
とができる。
[I I]の第 2段階の反応の様式としては、 [I Πの第 1段階の反応の様式と同 じものが挙げられる。
[I I]の第 2段階の反応後の反応液は、 均一系触媒を使用した場合は通常触媒 を中和し、 固体触媒の場合には濾過等により分離した後、 蒸留により製品を取得 する。
なお、 ここで、 反応平衡上残った GAD B Aおよび G Aの各成分についても、 上記の反応と同様に再度反応させ GAD M Aに転換可能であることは言うまでも ない。
上記のように本発明 [I I]によれば、 副生物 GAD B Aおよび G Aから目的成 分 G A DMAを得ることができる。 以下、 本発明 [I I I]について説明する。
上記の本発明 [I I]における、 [I I ]の第 1段階の反応終了後の反応粗液から 蒸留操作により目的化合物である GADMAを単離するが、 本発明では、 この G ADMA (iii) を単離する工程における脱低沸成分のための初留操作を特定の条 ί牛下、 即ち、 蒸留缶液温度を 100〜200°Cに保持しつつ行うことに大きい特 徴を有し、 結果として G ADMAの収率の向上に成功したものである。
以下、 GADMAの収率の向上する理由について考察しつつ、 蒸留分離の具体 的操作について説明する。
前記本発明 [I I]の第 1段階の反応終了後、 触媒を除去して得られた反応粗液 は数種の化合物を含む混合物であり、 化学的平衡にあると考えられる。 反応粗液 は、 目的化合物の GADMA (iii) の他に、 GA (iv) 及び GAD B A (v) がそれぞれ GADMA (iii) どほぼ同量含有されている。
Yがアルコキシ基の場合には、 反応粗液には更に、 置換基 Yに対応して必然的 :こ副生するアルコールを含有し、 該アルコールは GADMA (iii) や GA (iv) とァセタール化合物を形成することになるが、 該ァセ夕ール化合物の形としては
下記例示のような幾つかのケースがある,
(式中、 Yはハイド口ォキシ基、 アルコキシ基、 ァリールォキシ基
又はァラルキルォキシ基を、 Rは炭素数 1〜10の飽和もしくは 不飽和の炭化水素基を示す。 )
Yに対応するアルコールと GADMA (iii) や GA (iv) との反応によって形 成された各種ァセタール化合物が目的化合物 GADMAと共存し、 しかも化学的 平衡関係にあると考えられるため、 これら各種ァセタール化合物の増加は GAD MAの収率を低下させる要因となる。
特開昭 49 - 35383号公報に示された技術を利用した場合、 GADMAは 極めて低い収率でしか得られず、 しかもその純度も低くなる理由については、 Y に対応するアルコールと GADMA (iii) や GA (iv) から形成されるァセ夕一 ル化合物である Yァセタール類と GADMAの分留が困難であることにあり、 こ の事実は本発明者等の検討により明らかになったものである (本発明の明細書の 実施例 III- 1および比較例 III- 1参照) 。
より具体的に:ま、 反応終了後の反応粗液を加熱すると同時に Yァセタール類の 分解により発生する Yに対応するアルコ一ル類を選択的に系外に抜取ることによ り、 平衡関係を GADMA側に移行させ、 GAD 'IA収率を向上させると考えら れる。
上記のように推論されるが、 本発明の要点は、 触媒分離後の第 1段階の反応粗
液を 100〜200°Cに加熱して、 副生物から目的化合物 GADMAを生成させ た後、 または生成させながら、 蒸留により Yに対応するアルコール類、 フエノー ル類等の低沸成分を分離することにある。 したがって、 低沸成分の蒸留分離は、 加熱後直ちに蒸留を行えば缶温度が 100°C以下であっても構わない。
本発明によれば、 これら Yァセ夕一ル類を分解し、 GADMAに転化させるこ とにより、 GADMA収率を向上させることができる。
上記の操作は、 反応終了後、 触媒未除去状態で実施することも可能であるが、 反応を一旦終了し、 触媒を除去ないし中和した後の液から蒸留操作で GADMA を単離する工程において実施する方がより好ましい。 蒸留缶中、 触媒共存下で同 様の操作を行なった場合に伴いがちな重合、 分解等の副反応の進行、 GADMA の収率の低下、 更に純度の低下、 釜残液の増粘等の問題の発生が避けられるため に有利であるからである。
反応終了後の反応液から触媒を除去する場合、 該除去方法としては、 触媒がィ オン交換樹脂等の固体触媒の場合は、 濾過等の手段により分離除去手段が好適で あり、 硫酸等の均一系触媒の場合は、 アルカリによる中和、 固体塩基による吸着 除去手段が好適である。
なお、 反応終了時点は原料 YD Pが消失し、 生成物 GADMAの濃度が経時的 に変化しなくなることより知ることができる。
触媒を除去した反応粗液は、 目的物 G A D M Aを単離するための蒸留に付され る。 該蒸留方式としては、 バッチ式蒸留方式の他、 複数の蒸留塔を接続して使用 する連続式蒸留方式も同様に使用し得る。
蒸留工程においては、 初留操作において先ず水、 Yに対応するアルコール、 G A、 ジオールを系外に抜取る。 本発明の特徴はこの初留操作を、 蒸留缶液の温度 を 100〜200°Cの範囲、 より好ましくは 1 30〜 180°Cの範囲に保持しつ つ行うことにあり、 この温度範囲に維持することにより前記の Yァセ夕一ル類を 分解除去することが可能になる。 蒸留缶液温が 100°C未満の場合は、 Yァセ夕 ール類の分解反応が殆ど進行しない。 逆に 200°Cを超えると、 目的物の GAD
MAの分解、 重合等の副反応が促進されるため、 好ましくない。
なお、 蒸留缶液温を上記の所期の範囲に保持することは、 蒸留塔内の減圧度を 調節することにより可能である。 100~200でに対応する減圧度は、 置換基 Yの種類、 換言すれば蒸留缶液中に存在する、 Yに対応するアルコールの種類に 依存し、 また塔内圧は通常蒸留塔の塔頂で測定されるため、 蒸留塔固有の圧力損 失にも依存するため、 塔内圧として好適な範囲を規定することは困難であるが、 Yがメトキシ基で、 蒸留塔が 10段オルダ一ショウ型での例を挙げると、 塔頂圧 で 100〜40 OTorr程度となる。
蒸留缶液温を上記の範囲に保持することにより、 好ましくは上記の範囲に保持 して同時に Yから発生したアルコール類、 フエノール類、 水等の低沸成分を留去 することにより、 Yァセタール類の分解と Yに対応するアルコールの系外への抜 取りが同時に進行し、 最終的には Yァセタール類は消失して対応する G A又は G ADMAに転換するため、 GADMAの収率の向上をもたらす。 さらには、 Yァ セタール類の中には沸点的に GADMAに極めて近いために、 かなりの程度に製 品 G A D M Aの純度低下をもたらす化合物もあるが、 上記のように Yァセタール 類を分解させることにより、 総体的に製品 GADMAの純度の大きい低下も避け ることができる。
なお、 上記の具体的説明例及び以下の実施例では、 バッチ式蒸留を中心にした 例を挙げているが、 前記のごとく本発明はバッチ式蒸留方式に限定されることな く、 複数の蒸留塔を使用する連続蒸留方式も使用可能なことは言うまでもない。 上記のように本発明 [I I I]によれば、 副生物から目的成分 GADMAを回収 することができる。 実施例
以下、 実施例により本発明を具体的に説明するが、 本発明はこれらに限定され るものではない。
本発明の [1]〜[1 I I〗に共通して使用したものを以下に示す。
反応装置は、 温度計、 還流コンデンサー及び攪拌機を備えた三つ口フラスコ及 び加熱用オイルバスからなる。
触媒としては、 陽イオン交換樹脂 (オルガノ社製アンバーライ ト I R— 1 24、 酸型) を使用した。
蒸留装置は、 蒸留缶、 10段オルダ一ショウ型蒸留塔、 コンデンサー、 受器、 減圧装置からなる。
反応液、 留出成分、 製品等の組成分析はガスクロマトグラフィーに依った。 以下、 本発明の [I]に関して実施例により説明する。
〔実施例 1-1〕
フラスコに GAの 5 Owt%水溶液 1, 000 g、 EG 744 g, 触媒 30 gを 入れ、 攪拌しながら加熱して反応液温を 90°Cとし、 そのまま 3時間保持した。 冷却後の反応粗液より触媒を濾別した濾液を、 蒸留塔の缶に仕込み、 缶温 80 〜 160°C、 減圧度 300〜3 OTorrで蒸留し、 水および少量の E Gを留出させ た。 組成分析により、 缶残液 (Α液と呼ぶ) 1, 089 g中には GADBAが 8 99 g含まれているこたが判った。
蒸留塔の缶に G Aの 50wt%水溶液 1 , 000 gを仕込み、 缶温 130°C、 減 圧度 40 OTorrで水および 29 gの GAを留出させた。 得られた缶残液 (B液と 呼ぶ) 469 gに含まれる GAは 4 δ 9 gで、 水分濃度は 0. 1 1%以下であった。 フラスコに、 上記で得られた A液 1080 g、 B液 465 g及び触媒 26 gを 入れ、 攪拌しながら加熱して反応液温を 90°Cとし、 そのまま 3時間保持した。 冷却後の反応粗液より触媒を濾別した濾液を、 蒸留塔の缶に仕込み、 減圧蒸留す ると、 95〜 105°C/3 OTorrで GAを 82. 2 %の濃度で含む留分 237 g が得られ、 引続き 1 19〜122°C/3 OTorrで GADMAを 94. 5wt%の濃度 で含む製品留分 674 gが得られた。 缶残液 62 S g中の GAD B Aの濃度は 7 3. であった。
原料として使用した G Αを基準とした、 製品留分中に得られた G A D M Aの収
率は 44モル%であった。
〔比較例 1-1〕
フラスコに GAの 5 Owt%水溶液 2, 000 g、 EG 620 g、 触媒 45 gを 入れ、 攪拌しながら加熱して反応液温を 90°Cとし、 そのまま 3時間保持した。 冷却後の反応粗液より触媒を濾別した濾液を、 オルダ一ショゥ型蒸留塔の缶に 仕込み、 缶温 80〜 160° (:、 減圧度 300〜3 OTorrで蒸留し、 水と G Aから なる留出液 (G A濃度 26. 4 %) 1, 560 gを得た。 引続き、 缶温 173 、 減圧度 30"10 で〇八0 1八を88. 5wt%の濃度で含む製品留分 179 gを得た。 缶残液 875 g中には GADMAが 21 g、 GAD B Aが 757 g含まれていた。 原料として使用した G Aを基準とした、 製品留分中に得られた GADM Aの収 率は 1 1モル%であった。 本発明 [I]により、 工業的に確実かつ有利にジアルデヒドモノアセ夕一ル(II I)を製造することが可能となった。 以下、 本発明の [I I]に関して説明する。
〔実施例 11-1〕
フラスコに、 MDP 635 g、 EG 345 , 触媒 17 gを入れ、 攪拌しなが ら加熱して反応液温を 90°Cとし、 そのまま 3時間保持した。 冷却後の反応粗液 より触媒を濾別した濾液を、 蒸留塔の缶に仕込み、 減圧蒸留した。 まず缶温 13 0°C、 塔頂圧 1 70〜400To r r、 塔頂温度 35~ δ 6 °Cの範囲で初期のメ 夕ノールの留出に引続き、 缶温を上げ、 同温度 130〜 142° (:、 塔頂温度 '圧 力 95〜 105°CZ3 OTorrで G Aを 8 1.4%の濃度で含む留分 108 gが得ら れ、 更に缶温 142〜 1 68° (:、 塔頂温度 '圧力 1 19〜 124°CZ3 OTorrで 0 八を94. 3 %の濃度で含む製品留分 3 1 8 gを得た。 缶に残った残液 3 29 gには GAD B Aが 79.4%の濃度で含まれていた (MD P基準の G ADM
A収率 37 %) 。
上記で得られた G A留分 100 g (GAとして 8 1 g) 、 缶残液 315 g (G 八08八として2508) および触媒 7 gをフラスコに入れ、 90°Cで 3時間反 応させた。 反応粗液の組成分析により 1 51 gの GADMAが生成していること が確認された。 なお、 反応粗液中の EG濃度は 0. 1 %以下であった。
触媒を濾別した濾液にっき上記の初回反応と同様な蒸留操作を実施した。 その 結果、 初回と同様、 GA留分および GADB Aを含む缶残液と共に、 1 19〜1 24°CZ3 OTorrで GADMAを 94. 5 %で含む製品留分 155 gを得た (初回 反応仕込みの MD P基準の GADMA収率 19 %、 初回反応との合計収率として 56 %となる。 ) 。
〔比較例 11- 1〕
実施例 II- 1に準じて初回反応および蒸留操作を実施して得られた GADBAを 濃度 77. 1 %で含む缶残液 322 g (GADBAとして 248 g) と、 水 62 g および触媒 7 gをフラスコに入れ、 90°Cで 3時間反応させた。 反応粗液の組成 分析により、 6 1 gの GADMAの生成が確認された。 なお反応粗液に含まれる EG濃度は 1 3. 2 %であった。
触媒を濾別した濾液を実施例 II- 1と同様に蒸留したが、 GADMAを含む留分 を得ることはできなかった。 缶残液 298 g中には GADBAが 8 1 %で含まれ ており (GADBAとして 241 g) 、 反応時に生成していた GADMAが蒸留 操作の過程でほぼ全量 GADBAに戻っていることが確認された。 本発明の [I I]によれば、 2—アルコキシ— 3, 4—ジヒドロ— 2 H—ピラン ( i ) とジオール (ii) から GAD iAを得るに際して、 当該反応の副生成物 G A D B Aと他の副生成物 G Aを反応させることにより、 上記 G A D M A単離時に おける G A D B Aへの逆反応の問題がなくなり、 高収率で G A D M Aを単離する 二とができるようになった。
以下、 本発明の [I I I]に関して説明する。
(実施例 III- 1)
フラスコに MDP 635 g (5. 57モル) 、 EG 345 g (5. 57モル) 、 触媒 1 7 gを入れ、 攪拌しながら加熱して反応液温を 90°Cとし、 そのまま 3時 間保持した。 冷却後の反応粗液より触媒を濾別した濾液の組成分析によれば、 濾 液中にはメタノール 71. 8 g (2. 24モル) 、 EG7. 5 g (0. 12モ ル) 、 MDP 7. 5 g (0. 07モル) 、 GA102. 6 g (1. 03モル) 、 GADMA 182. 2 g (1. 27モル) 、 GADBA 223. 3 g (1. 19 モル) 、 その他の副生物 384. 8 gが含まれていた。 なお、 化学量論上は原料 MDP消失量に相当するメタノール 5. 57モルが生成しているはずであるが、 実際はこれより大幅に少ないことから、 メトキシ基の一部は他の形の化合物にな つていることが明らかである。
この濾液を蒸留塔の缶に仕込み、 塔頂圧 400〜 17 OTorr、 缶温 130〜 1
32 °Cで蒸留するとメタノールを 133. 0 g (4. 16モル) 含む留分 138.
9 gを得た。
引続き、 塔頂圧 3 OTorr、 缶温 1 30〜142°Cで GAを 93. 9 g (0. 9 39モル) 含む留分 132. 9 gが得られ、 さらに引続き塔頂圧 3 OTorr, 缶温 142〜 168°Cで GADMAを 301. 5 g (2. 09モル) 含む製品留分 3 1 7. 6 gを得た。 缶に残った残液 329 gには GAD B Aが 261. 3 g (1. 39モル) 含まれていた。 また、 製品は純度 94. 9重量%、 MDP基準の GA DMA収率 37. 5モル%であった。
上記の結果から、 反応粗液の蒸留工程において、 メタノールが発生すると共に. GADM A量が増加していることが明らかである。
(比較例 II 1-1)
実施例 II 1-1に準じて: DP 635 g (5. 57モル) と EG345 g (5.
57モル) を触媒 17 gの存在下に反応させた。
反応粗液を濾過して得られた濾液中には、 メタノール 73. 6 g (2. 30モ ル) 、 EG 7. 2 g (0. 12モル) 、 MDP 7. 1 g (0. 06モル) 、 GA 1 04. 0 g ( 1. 04モル) 、 GAD lA 186. 7 g ( 1. 30モル) 、 G A D B A 228. 9 g (1. 22モル) 、 その他の副生物が 373. 5 g含まれ ていた。
この濾液を蒸留塔の缶に仕込み、 塔頂圧 30〜3Torr、 缶温 60〜70°Cで蒸 留するとメタノールを 67. 7 g (2. 12モル) 含む留分 101. 39 gを得 た。 引続き、 塔頂圧 3Torr、 缶温 70~89°Cで GAを 95. 6 g (0. 956 モル) 含む留分 1 73. 9 gが得られ、 さらに引続き塔頂圧 3Torr、 缶温 89〜 1 1 7°Cで GADMAを 1 04. 2 g (0. 724モル) 含む製品留分 1 1 5. 8 gを得た。 缶に残った残液 588. 9 gには GADBAが 231. 3 g (1. 23モル) 含まれていた。 なお、 製品の純度 90. 0%、 MDP基準の GADM A収率 13. 0モル%であった) 。 本発明の [I I I]によれば、 YD Pとジオールとの反応で得られた反応粗液か ら GADMAを蒸留分離する場合、 初留を留出させるときの缶温度を 100〜2 00°C範囲に規定することにより、 Yァセ夕一ル等、 不要なァセ夕一ルの生成が 減少し、 その結果、 目的の GADMAの収率を向上させることができた。