明細 突然変異誘発方法 技術分野
この出願の発明は、 細胞または生物個体に効率良く突然変異を導入でき、 かつ、 処理細胞や処理個体群の絶滅の危険性を低減できる、 有効かつ効果の高いランダム 突然変異導入方法と、 この方法によって得られる変異体および変異表現型遺伝子に 関するものである。 背景技術
細胞や生物個体を遺伝的に改変する技術には、 細胞や生物個体に紫外線、 放射線、 変異原物質等の変異原を作用させて遺伝子にランダム突然変異を誘発させる方法、 細胞や生物個体に外来の遺伝子を導入して遺伝子工学的に改変する方法等がある。 また、 特定の遺伝子に突然変異を誘発させる場合には PCR増幅技術を利用して DNA に複製ミスを蓄積させるィンビトロ突然変異誘発や部位特異的突然変異誘発などの 遺伝子工学的手法を利用する方法も知られている。
一般に、 改変したい遺伝子や変異を導入する部位などが明らかとなっている場合 は遺伝子工学的手法が有効な場合があるが、 改変したい表現型やその遺伝子につい ての知識が不十分な場合においては、 遺伝子にランダムに突然変異を導入し、 得ら れる変異体から目的とする変異表現型を有する細胞や生物個体を選択するランダム 突然変異誘発を利用する方法が有効である。 このランダム突然変異誘発には細胞や 生物個体に紫外線や X線、 あるいは、 放射線を照射して突然変異を誘発させる方法、 ナイ トロジェン . マスタ一ドゃニト口ソグァ二ジンなどの変異原物質を作用させて 突然変異を誘発させる方法がある。
従来のランダム突然変異の導入技術においては、 紫外線や変異原などによリ誘発 される突然変異率が処理の効率や効果に重要な影響を及ぼしている。 すなわち、 誘 発される突然変異率が至適な範囲内においては DNA に有効な量の突然変異が蓄積さ
れるが、 至適量より少なければ導入された突然変異が DNA の修復機構等により修復 されることがあり、 効率よく突然変異を導入できない。 また、 至適量を超えた場合 は、 導入される突然変異による生物体への致死効果が強くなり、 目的の変異体を得 る前に突然変異導入処理群が絶滅し、 目的とする変異体が得られない結果となる。 また、 至適量は一回の処理あたりの量のみならず、 より有用性の高い変異体を得 るために変異導入処理と変異体の選択を複数回交互に継続して行う場合も同様で、 注意深く至適量を決定しなければ効率が悪いか、 または変異導入処理群の絶滅によ つて、 結果的に有用性の高い変異体を得ることができない。 さらに、 · ランダム突然 変異導入によって改変したい細胞や生物個体の表現型が単一の遺伝子に複数の突然 変異を導入する必要がある場合や、 複数の遺伝子に突然変異を導入する必要がある 場合などは、 これらの遺伝子に好ましい変異が蓄積されるまでランダム突然変異を 挿入する必要があるが、 多数の突然変異の蓄積は生存に必要な遺伝子にも致死的な 変異が導入される危険が高くなり、 突然変異率を高くすればするほど処理した細胞 や生物個体の絶滅の危険性が高まり、 効率的に有用な突然変異体を得ることが期待 できなくなる。
また、 最近、 細胞や生物個体を遺伝的に改変する目的ではないが、 それぞれ、 DNA 塩基対のミスペアの校正機能、 A/T— G/C トランスバ一ジョン、 DNAのミスマッチ修 復等に係わるミューテ一ター遺伝子である mutD、 mutS、 mutT を同時に持つ大腸菌 変異株の突然変異率が野生株の 5千倍であることを利用し、 この菌株内でプラスミ ドに揷入した遺伝子に効率よく ランダム突然変異を導入する方法も開発されている ( Molecular Biotechnology 7: 189-195, 1997) 。 この方法によると 24世代、 約 1 日 の培養でプラスミ ド上の遺伝子に 1 ,000塩基対当たリ 1 個の突然変異を導入できる。 しかしながら、 このような高い突然変異率は変異を導入したい遺伝子の変異誘発の 確率を増加させるが、 同時に生存に必要な遺伝子など他の遺伝子にも変異を導入す る危険性を高める。 このため、 突然変異を導入したい DNA領域の長さが 100塩基対 以下である場合や何力所にも突然変異を入れたい場合は、 増殖世代数が増大し実際 的でないという理由で PCR 法が推奨されている。 また、 突然変異率が高いために本 菌株の長期的な培養は菌自体やその遺伝子型が影響を受けるので注意が必要である
ことも指摘されている。 従って、 この方法は宿主に導入したプラスミ ド上の遺伝子 に突然変異を導入するには適していても、 宿主自体を遺伝的に改変することには適 していない。
以上のとおリ、 従来の細胞や生物個体へのランダム突然変異導入方法においては、 多くの突然変異導入と変異導入処理群の絶滅回避とは二律背反の要件であって、 多 様かつ有用な変異体を高率よく得ることは困難であった。
この出願の発明は、 以上の事情に鑑みてなされたものであって、 細胞や生物個体 に高い突然変異率でランダム突然変異を導入しつつ、 同時に処理群め絶滅の危険性 を低減し、 効率よく有用かつ多様な突然変異体を得る方法を提供することを課題と している。 発明の開示
この出願は、 前記の課題を解決する発明として、 細胞または生物個体の二重鎖ゲ ノム DNA の一方の鎖に他方よりも多く点突然変異を導入することを特徴とする遺伝 子への突然変異導入方法を提供する。
この発明の突然変異導入方法における第 1 の好ましい態様は、 二重鎖ゲノム DNA を構成する 4種の塩基に対してランダムに点突然変異を導入する突然変異導入方法 である。
第 2の好ましい態様は、 細胞または生物個体が、 突然変異修復機構遺伝子群にミ ユー亍ーター遺伝子を有する変異細胞株または変異生物個体である突然変異導入方 法である。 なお、 この変異細胞株または変異生物個体は、 ミューテーター遺伝子を 本来的に有するものでもよく、 あるいは外来性のミューテーター遺伝子を導入され たものでもよい。
第 3の好ましい態様は、 上記方法において、 ミューテ一ター遺伝子が、 dnaQ、 dnaE, mutし mutS、 mutH、 uvrD、 dam からなる群より選択される 1種または 2種以上の ミュー亍一ター遺伝子である突然変異導入方法である。
第 4の好ましい態様は、 上記方法において、' ミュー亍一ター遺伝子が、 所定の条 件下で突然変異修復機構の欠損を生じさせる遺伝子である突然変異導入方法である。
第 5の好ましい態様は、 上記方法において、 突然変異修復機構の欠損条件が所定 の温度である突然変異導入方法である。
第 6の好ましい態様は、 上記方法において、 所定の条件下でゲノム DNA へ突然変 異を導入する工程と、 突然変異を導入しない選択圧条件で変異体を選択する工程を 繰り返すことを特徴とする突然変異導入方法である。
第 7の好ましい態様は、 前記態様において、 第 2回目以降の突然変異導入工程を、 直前の変異体選択工程と同一の選択圧下で行う突然変異導入方法である。
この出願はまた、 別の発明と して、 上記の突然変異導入方法のいずれかによつて ゲノム DNA に突然変異が導入された細胞または生物個体の突然変異体、 およびこの 突然変異体より単離された変異遺伝子を提供する。 図面の簡単な説明
第 1 図は、 変異導入前の dnaQ49 株および野生株のアンピシリン濃度一生残曲線 である。
第 2図は、 第 1 回目の変異導入後の dnaQ49株、 野生型および MN NG野生型のァ ンピシリン感受性を示すアンピシリン濃度一生残曲線である。
第 3図は、 第 2回目の変異導入後の dnaQ49株、 野生型および MN NG 野生型のァ ンピシリン感受性を示すアンピシリン濃度一生残曲線である。
第 4図は、 第 3回目の変異導入後の driaQ49株、 野生型および MNNG野生型のァ ンピシリン感受性を示すアンピシリン濃度一生残曲線である。
第 6図は、 第 4回目の変異導入後の dnaQ49株、 野生型および MNNG 野生型のァ ンピシリン感受性を示すアンピシリン濃度一生残曲線である。
第 6図は、 第 5回目の変異導入後の dnaQ49株、 野生型および MN NG 野生型のァ ンピシリン感受性を示すアンピシリン濃度一生残曲線である。
第 7図は、 別の dnaQ49 株における第 5回目の変異導入後のアンピシリン感受性 を示すアンピシリン濃度一生残曲線である。
第 8図は、野生型 dnaQ+株および dnaQ49株めそれぞれの ampC遺伝子由来の DNA 断片のァガロース電気泳動図である。
発明を実施するための最良の形態
自然突然変異は次の様な経緯で固定される。 まず、 染色体 DNA に物理的、 化学的 に影響を与える生体内代謝産物や酸素ラジカルなどにより損傷が発生したり、 DNA 複製のエラーなどにより誤った塩基対が生じる。 このような染色体 DNA に生じる損 傷や複製エラーは前変異損傷と呼ばれ、 この前変異損傷が次回の DNA 複製の際に修 復されないと染色体 DNA に突然変異として固定される。 自然突然変異における前変 異損傷発生の原因の殆どは複製エラーであり、 物理的、 化学的な影響による染色体 DNA の損傷の割合は少ない (CRC, 1 (3): 140-148, 992 ) 。 複製エラ一は DNA 合成 の際に 4種の塩基の互変異性に基づく誤った塩基対の形成によって起こり、 その頻 度は 1 0 -4から "! 0 -5である(Molecular Biology of the Cell, Garland Publish Inc. New York & London 224-225, 1983) 。 一方、 細胞には種々の突然変異修復機能があり、 DNA合成酵素の持つ校正機能やミスマッチ修復系などによってそれぞれ 10— 3程度ず つ前変異損傷は修復され、 最終的に塩基置換による点突然変異が固定される頻度は 1塩基あたり 10— 1 °から 10—, 1まで低下する (CRC, 1 (3): 140-148, 1992) 。 この他 にも、 塩基の挿入、 欠失によるフレームシフ ト突然変異があるが、 その頻度は非常 に小さい。
従来のランダム突然変異誘発処理は、 放射線、 紫外線などのエネルギー線照射や 変異原物質処理による物理的、 化学的な影響を強めて染色体 DNA に前変異損傷を増 加させ、 その変異が固定化される確率を高めるものである。 変異原の種類と誘発さ れる前変異損傷にはそれぞれ特徴があり、 例えば、 紫外線では点突然変異と欠失突 然変異が同程度誘発されるが点突然変異では G/C— A/T方向のトランジシヨン変異が よく起こるとされている。 また、 X線では DNA 鎖の二本鎖の一方のみが切断される 1 本鎖切断と両方が切断される 2本鎖切断があり、 その結果、 点突然変異や欠失突 然変異が引き起こされるが欠失突然変異が点突然変異よりも 10 倍起こりやすい (分 子放射線生物学、 近藤宗平著、 東京大学出版会、 138-139 、 1972年) 。
一方、 複製エラーや突然変異の修復に関係し、 突然変異を増加させるミュー亍ー ター遺伝子には様々なものが知られており、 その機能別に 5つに分類することがで
きる (CRC, 1 (3): 140-148, 1992) 。 第 "! は、 DNA複製エラーの制御系に係わる DNA 合成酵素のなサブュニッ 卜の変異である。 現在までに知られているのは dnaE遺伝子 であり、 このミューテ一ター遺伝子は突然変異を千倍から 10 万倍増加させる。 第 2 は、 ミスペアを即座に取り除く校正機能に関与する DNA 合成酵素の εサブユニッ ト の変異である。 このミューテータ一遺伝子としては dnaQ ( mutD) が知られており、 これも千倍から 10 万倍突然変異を増加させる。 第 3は、 校正機能が修正し損なった ミスペアを除去修復するミスマッチ修復に係わるもので、 mutし、 mutS、 mutH、 uvrD、 dam, mutY、 mutM、 ung が知られており、 それぞれ 10 倍から千倍突然変異を増加 させる。第 4は、 DNA原料となるヌクレオチドプールの浄化機能に関するもので、 A/T —G/C トランスバ一ジョンのみを増加させる mutTが知られている。 このミュー亍ー ター遺伝子を持つ細胞は増殖に伴って DNA 中の GC 含量を増加させていき、 千倍か ら一万倍の変異を誘発する。 最後のグループには mutA、 mutC が属し、 これらは全 てのタイプのトランスバージョンを 10 倍程度増加させるが、 その機能については良 く知られていない。
このように突然変異の原因となる前変異損傷の成因と誘発される突然変異は変異 原によって異なっておリ、 このことはランダム突然変異誘発にどのような変異原を 用いるかによつて、 その効果が異なる可能性があることを示唆している。 また、 ラ ンダム突然変異の効果を高めるためには、 塩基の挿入や欠失によるフレームシフ ト 突然変異や特定の塩基対のトランスバージョンの頻度を增加させるよリ、 全ての塩 基に対してランダムに点突然変異を導入することが有効である。
この出願の発明者らは、 二重鎖 DNA の両方の DNA 鎖に均等に突然変異が入った 場合 (パリティ) と一方の DNA 鎖に突然変異が不均衡に蓄積された場合 (ディスパ リティ) の突然変異数とその分布に関するシュミ レーシヨンを行っている。 その結 果、 ゲノムあたり一回の分裂で一力所の突然変異が入る条件 (パリティ) では、 10 世代後の突然変異の分布は 12 回のシュミレーシヨンの全てで突然変異数のモードが 10 個付近にあり、 その分布は 2個から 2 0個となること、 また、 世代を重ねると概 ね世代数が突然変異数のモードとなり、 同様の分布がシフ トする傾向があることを 示している。 一方、 全体の突然変異率は同じでも二重鎖 DNA の片方の鎖にもう片方
の 100 倍以上の確率で突然変異が入る条件 (デイスパリティ) では、 10世代後の突 然変異数のモードは 10 個であるがその分布は 0個から 24 個となることを見出して いる。 このことは、 総突然変異数が同じでも、 DNA 鎖の一方に多く突然変異が蓄積 される場合は世代経過後の突然変異数の分布が異なることを示している (丄 Theoretical Biology 157, 127-133, 1992) 。
発明者らによるこれらの知見はランダム突然変異を導入する際に重要である。 前 変異損傷を起こさせる原因と して放射線、 紫外線などのエネルギー線や変異原物質 を用いた場合には、 二重鎖 DNA の両方の鎖にランダムに前変異損傷が誘起されると 考えられる。 この場合の突然変異数の分布は上述のパリティの場合と同様である。 —方、 ミューテータ一遺伝子の多くは前変異損傷を修復する機能に関係しているの で、 結果と して固定される突然変異数の分布は次の様に理解される。 mutT は A/T— G/Cの塩基特異的な修復機能に関係するので、 突然変異は GC塩基対増加的である。 これに対し、 mutY、 mutM、 ung は mutT とは逆の塩基依存性であり、 同様に AT塩 基対増加的である。 dnaE、 dnaQは二重鎖 DNAのラギング鎖での複製エラ一の制御、 校正機能に関与しているために DNA鎖依存性である。 mutし mutS、 mutHや uvrD、 damはミスマツチ修復に関与しているが、塩基や DNA鎖に対して特異性はないので、 前変異損傷の状態を反映すると考えられる。 同様に mutAおよび mu :も塩基や DNA 鎖に対する特異性はなく、 全てのタイプのトランスバ一ジョン修復に関与する。
ところで、 実際の突然変異の効果は、 致死的効果を持つもの、 遺伝子機能に影響 を与えないか殆ど与えない中立的なもの、 機能に何らかの変更が加わるものに分け られる。 一般に致死的効果を示さない突然変異が保存される可能性がある。 また、 突然変異のランダム性についてはミューテ一ター遺伝子の機能を考えると、 mut丁、 mut丫、 mutM、 ung は特定の塩基対を増加させる傾向がある。 また、 変異原の中にも チミジンダイマ一を形成させるなど特定の前変異損傷を增加させるものがある。 こ のようなタイプの突然変異誘発はランダム性に関して充分でないことが予想され、 これらを突然変異誘発に用いると特定の変異が蓄積されることとなり、 生物体の遺 伝的改良効果に制限が生じる可能性がある。
一方、 DNA 合成の際には 4種の塩基の互変異性に基づく誤った塩基対の形成は 4
種の塩基に対してランダムに起こり、 これに基づく前変異損傷が修復されなければ 染色体 DNA にランダムな突然変異を導入することができると考えられる。 これらを 可能にするのは dnaEや dnaQ など DNA校正機能に係るミュ一テ一タ一遺伝子であ る。
さらに、 この出願の発明者らは、 温度感受性変異性のミュー亍一タ一遺伝子であ る dnaQ49 を持つ大腸菌に挿入したプラスミ ドにおいて、 数回の複製後、 ラギング 鎖のほうがリーディング鎖よリも数倍から百倍、 突然変異率が高いことを見いだし ている (Mol. Gen. Genet. , 251 :657-664, 1996) 。 そしてさらに、 この出願の発明者 らは、 実施例 4に示したように、 dnaQ49 株のゲノム DNA においても、 リ一ディン グ鎖よりもラギング鎮に多くの変異が生じることを見出している。 二重鎖 DNA に不 均衡に突然変異が蓄積されることは均衡に蓄積される場合と異なり、 突然変異の多 様性が高まると推察される。
細胞または生物個体に絶滅の危険性を低下させつつ効率的、 効果的に突然変異を 導入するためには、 処理群に存在する細胞や生物個体の遺伝的多様性を大きくする ことが必要であり、 そのためには 4種の塩基にランダムに点突然変異を導入しつつ、 二重鎖 DNAに不均衡に点突然変異を分布させることが重要である。
この出願の発明者らは、 これらの知見に基づき、 DNA 鎖の一方に他方より多くの ランダムな点突然変異を多く蓄積させることによリ、 突然変異率を上げつつ変異処 理細胞や生物個体の絶滅の危険性を低下させて効率的、 効果的に突然変異体を得る 方法を開発した。 具体的には、 例えば、 遺伝的に改変または改良を行いたい細胞や 生物個体に校正機能に係るミュー亍ーター遺伝子を導入し、 DNA 鎖の一方に他方よ リ多く ランダムな点突然変異を蓄積させる条件で突然変異誘発処理を行う。 また、 ミューテーター遺伝子に温度感受性などの条件発現的ミユー亍ータ—遺伝子を利用 することも好ましい。 このようなミューテーター遺伝子を用いた場合には、 温度条 件等の操作によって、 突然変異の導入と変異体の固定を任意に設定することが可能 となる。 誘発させる突然変異率は好ましくは自然突然変異の 100倍から 10万倍の範 囲で、 一方の DNA鎖が他方に対して数倍から 100倍以上の突然変異を蓄積する条件 が適当である。
なお、 ミュ一亍ータ一遺伝子を持つ細胞や生物個体は公知の方法 (Journal of Bacteriology, 153, 1361 -1367, 1983) によって得ることができる。 また、 遺伝子工学 的にミュー亍ーター遺伝子を導入することも可能である。
さらに、 突然変異を導入する工程と変異体を選択する工程を別個に行い、 突然変 異を誘発する工程では選択圧をかけない条件で行い、 処理個体群を一定の数まで增 殖させた後、 変異体を固定、 選択する工程を行い、 2回目以降、 同様の操作を繰り 返すことによリ効率的、 効果的に目的とする突然変異体を得ることができる。
以下、 実施例を示し、 この出願の発明についてさらに詳細かつ具体的に説明する が、 この発明は以下の例によって限定されるものではない。 実施例 1
温度感受性のミューテ一タ一遺伝子 (dnaQ) を持つ KH 1366 ( dnaQ49) 株および KH1370 ( dnaQ+) 株 (奈良先端科学技術大学院大学の真木寿治教授より入手) を培 養し、 各々のアンピシリン耐性の程度を測定した。
なお、 dnaQ49株は、 DNAポリメラ一ゼ ΠΙの εサブユニッ トが変異しており、 DNA ポリメラ一ゼ mのプルーフリーディング機能に欠陥がある。 このため DNA 複製エラ 一を校正できず、 全ての塩基置換による変異が発生する。 この変異は温度感受性で あるために培養温度が 24°Cから 37°Cにシフ トすることにより、 突然変異率が 10一9 から 10— 4に増加する。 一方、 dnaQ+株は dnaQ49 株の復帰突然変異により DNA ポ リメラ一ゼ mの εサブュニッ 卜が正常になった株である。 この dnaQ+株は dnaQ49 株の野生型として用いた (以下、 dnaQ+株を野生型と記載することがある) 。
まず、 突然変異を誘発していない dnaQ49 株および野生型を種々の濃度のアンピ シリンを含む寒天培地に播種し、 24°Cで 2日間培養してコロニーを形成させ、 dnaQ49 株および野生株のアンピシリン濃度一生残曲線を作成した。 Ampicillin Sodium Salt ( SIGMA, A-9518) は精製水に溶解して原液とし、 培養液に望む希釈濃度になるよう 加えた。 また、 濃度一生残曲線の作成には培養液の 550nm に於ける吸光度測定によ リ行った。
結果は第 1 図に示したとおりであり、 dnaQ49 株のほうが野生型よリもわずかにァ
ンピシリン耐性が強いことが確認された。
次いで、 dnaQ49株および野生型を、 各々、 5 ml の し broth培地に 2,000個/ mlの 密度で播種し、 変異導入温度である 37°Cで 24時間培養した。 なお、 野生型には、 公 知の変異原物質である 1 -Methyl-3-nitro-1-nitrosoguanidine ( MNNG ; Aldrich 12, 994-1) を 0 ~60/ g/mけ咅地の濃度で培地に加えた。
24時間培養後に増殖してきた菌を回収し、 様々なアンピシリン濃度の培地で 24°C で 48時間培養し、 各大腸菌の生残率をコロニー形成法によリ決定した。
第 2図は、 37°Cで 24時間変異させた dnaQ49株、 野生型および MNNG 野生型の アンピシリン感受性を示すアンピシリン濃度一生残曲線である。 dnaQ49 株のアンピ シリン耐性最大濃度は 30μ g/mlであり、 野生型および MNNG野生型 (3 ~ 6 g/ml) に比べ有意に高いことが確認された。 なお、 60 l/mg 濃度の MNNG存在下で培養し た野生型は全く増殖しなかったことから、 高濃度の MNNG は生存に必要な遺伝子に も変異を生じさせ、 その結果として絶滅したものであると考えられる。
次いで、 上記 24°Cの培養において生育した最大濃度のアンピシリン含有培地のコ ロニ一を用い、 第 2回目の突然変異導入を行った。 すなわち、 dnaQ49株は 30 g/ml のアンピシリン含有培地で、 MNNG 10μ g/ml処理群はアンピシリン 6 g/ml含有培 地で、 その他の MNNG処理群は 3 μg/m\アンピシリン含有培地でそれぞれ 24°Cで培 養し、 増殖した菌を洗浄後、 2000個/ mlの密度に調整し、 37°Cで 24時間培養した。 次いで、 菌を洗浄した後、 種々のアンピシリン濃度の培地に播種し、 24QCで 2— 3 日間培養し、 コロニーを形成させ、 各大腸菌の生残率を測定した。 なお、 MNNG 処 理群は実施例 2と同様の濃度の MNNGを処理した。
第 3図は、 2回目の変異導入を行った dnaQ49株、 野生型および各 MNNG 処理群 のアンピシリン感受性を示すアンピシリン濃度一生残曲線である。 dnaQ49 株のアン ピシリン耐性最大濃度は 300 g/ml であり、 野生型および MNNG野生型 (6 ~30μ g/ml)に比べ有意に高いことが確認された。なお、第 3図に結果を示していない MNNG 処理群は絶滅したことを示している。
以下、 同様の操作を繰り返し、 5回目まで変異導入を行った。 24°Cでの増殖にお けるアンピシリン濃度 (前のコロニー形成時におけるアンピシリン耐性最大濃度)
および 24°Cでのコロニー形成日数は表 1 に示したとおりである。 また、 図 4 ~ 6は それぞれ第 3〜 5回目の変異導入後のアンピシリン濃度一生残曲線である。
これらの結果から明らかなように、 5回目までの変異誘発処理によって、 約 6,000 μ g/m\ のアンピシリン存在下でも増殖する dnaQ49 株が得られた。 また、 同様の変 異導入操作を別の dnaQ49 株で実施したところ、 5回の変異誘発処理によって約 10,000 g/ml までのアンピシリン耐性菌株が得られた (図 7 ) 。 なお、 このような 操作の過程で絶滅した dnaQ49 株は無かった。 この菌体内にはプラスミ ドは存在せ ず、 この耐性能がゲノム遺伝子の変異によるものであることが示された。 表 1
1冋目 2问目 3回目 4回目 5回目 菌株 (MNNG濃度) amp 培養 amp 培養 am 培 amp 培養 amp
;½度 日数 ;展度 日数 濃度 日数 濃度 日数 濃 d n a Q 4 9 30 8 300 6 1000 5 3000 16 6000 野生型 (0) 3 8 10 6 10 5 10 16 60 野生型 ( 3 8 10 6 10 5 10 16 60 野生型 (3) 3 8 30 6 100 5 300 16 絶滅 野生型 (6) 3 8 6 6 10 5 10 16 30 野生型 (10) 6 8 絶滅
野生型 (30) 3 8 絶滅
野生型 (60) 絶滅 また、 このアンピシリン耐性 dnaQ49 株に対する種々の抗生物質の最小増殖阻止 濃度 (Mに) を調べたところ、 アンピシリンと同様の /3—ラクタム系抗生物質である セフオタキシムに対しても強い耐性を示したが、 アンピシリンとは作用機序の異な る抗生物質に対しては耐性能を獲得していなかった (表 2 ) 。 なお、 これまで報告 されているアンピシリン耐性大腸菌の耐性濃度は 1 , 500 g/ml であるが、 この耐性能 はプラスミ ドによるものである。 また、 アンピシリンを加えずに 37°Cで変異誘発を 行った場合には、 10回の操作でもアンピシリン耐性菌を得ることは出来なかった。 これらの結果、 変異原を用いたコン トロールおよびこれまで報告されている耐性 菌に比べ、 高濃度のアンピシリンに耐性を示す耐性菌を短期間に獲得することがで
きた。 一方、 MNNG 処理群では、 高濃度処理では菌の絶滅が起こり、 低濃度処理で は 300 g/mlの耐性菌しか得られなかった。 表 2 dnaQ Wild-type スーパーアンプ耐性 dnaQ
Ampicillin 2 1 2048
Cefotaxime 0.031 3 0.01 56 64
Chloramphenicol 1 0.5 0.5
Tetracyclin 0.25 0.25 0.25
Rifampicin 8 4
Streptomycin 1 1 0.5
Nalidixic acia 1 2 0.5
Ofloxacin 0.01 56 0.0625 0.01 56 スーパーストレ耐性 dnaQ
Streptomycin 2048 スーパーナリ耐性 dnaQ
Nalidixic acid 2048 スーパーオフ口耐性 dnaQ
Ofloxacin 1 024 実施例 2
実施例 1 と同様にして dnaQ49株に変異を導入し、 オフロキサシン、 ナリジキ酸、 ス トレプトマイシンの各々に対する薬剤耐性菌を作製した。 その結果、 表 3 ~ 5に 示したとおり、 500 g/ml までのオフロキサシン耐性菌、 7, 000 Ai g/ml のナリジキ酸 に対する耐性菌、 26,000 Ai g/mlのス トレブトマイシンに対する耐性菌を得た。
表 3 変異誘発処理 オフロキサシン濃度 培養日数
(μ g/ml)
1回目 0.001 11 2回目 0.01 6 3回目 0.1 9 4回目 1 4 5回目 10 3 6回目 30 3 7回目 50 3 8回目 60 3 9回目 70 3 10回目 80 3 11回目 90 3 12回目 100 7 13回目 120 3 14回目 132 3 15回目 144 3 16回目 150 フ
17回目 156 3 18回目 168 2 19回目 180 2 20回目 210 2 21回目 240 2 22回目 270 2 23回目 300 2 24回目 320 6 25回目 330 4 26回目 340 4 27回目 350 3 28回目 360 4 29回目 370 3 30回目 380 4 31回目 400 2 32回目 425 3 33回目 450 3 34回目 475 3 35回目 500 3
*1 : 変異誘発前の培養は、 オフロキサシン濃度 0.01 μ g/mk
2 4°C、 48時間とした。
*2: 変異誘発条件では、 3 7°Cで培養した。
*3: d n a Q+株 (野生型) は 0.1 μ g/ml のオフロキサシン 存在下では増殖してこなかった。
表 4 変異誘発処理 ナリジキ酸; 度 培養日数
(μ g/ml)
1回目 1
2回目 10 1 3回目 100 28 4回目 200 2 5回目 400 3 6回目 600 2
7回目 1000 2 8回目 1100
9回目 1200
10回目 1300
11回目 1400
12回目 1600
13回目 1800
14回目 2000
15回目 2500
16回目 3000
17回目 4000
18回目 5000 9 19回目 6000 5 20回目 6200 11 21回目 6400
22回目 6600
23回目 6800
24回目 7000
*1 : 変異誘発前の培養は、 ナリジキ酸濃度 1 μ g/mU
24°C、 48時間とした。
*2: 変異誘発条件では、 37°Cで培養した。
*3: d n a Q+株 (野生型) は 10 μ g/m I のナリジキ酸 存在下では増殖してこなかった。
表 5 変異誘発処理 ストレプトマイシン濃度 培養日数
( μ g/m I )
1回目 1 3
2回目 10 1
3回目 100 28
4回目 1000 2
5回目 3000 2
6回目 4000 2
7回目 6000 2
8回目 8000 2
9回目 9000 3
10回目 10000 4
11回目 12000 4
12回目 14000 8
13回目 16000 5
14回目 17000 11
15回目 18000 3
16回目 19000 6
17回目 20000 5
18回目 21000 5
19回目 22000 6
20回目 23000 4
21回目 24000 8
22回目 25000 10
23回目 26000
*1 : 変異誘発前の培養は、 ス トレプトマイシン濃度 1 g/mし
24°C、 48時間とした。
*2: 変異誘発条件では、 37°Cで培養した。
*3: d n a Q+株 (野生型) は 10 μ g/ml のストレブトマィシン
存在下では増殖してこなかった。 また、 オフロキサシン耐性菌において、 菌の耐性獲得に関連する酵素の変異を解 析したところ、 耐性度の低い菌 (1 ~30 g/ml) ではジャィレース Aの 83位のセリ ンがロイシンに変異していた。 また、 耐性度 100 g/mlの菌はジャィレース Aの 83 位のセリンがロイシンに変異しているのに加え、 耐性増加に必要な他の酵素である トポイソメラ一ゼ IVの 80位のセリンがアルギニンに変異していた (表 6) 。 この結 果から、 この発明の方法によって、 複数の遺伝子に効率よく変異導入が可能である
ことが示された。 また、 導入された変異は臨床的に観察された耐性菌の変異と同じ ものであり、 耐性能が上昇するにつれて固定される変異が増加する耐性獲得のメカ 二ズ厶も同じものであった (丄 Infect Chemother 3: 128-138, 1997) 。
以上の結果は、 この発明の方法が、 種々の生物機能の発現に関連する複数の遺伝 子を一度に改変することが可能であること、 そして、 そのような遺伝子の多様な改 変により、 薬剤耐性菌など新たな変異体の出現予測やそのメカニズムの解明などに 利用できることを示している。
菌の酎性度 (0FLX) GyrA ParC
0. 1 μ g/m l no no
1 . 0 g/m l 83-Ser -→ Leu no
3. 0 Ai g/m l 83-Ser —* し eu no
30. 0 μ g/m l 83-Ser —♦ Leu no
100. 0 μ g/m l 83-Ser — «· Leu 83-Ser → Arg
実施例 3
実施例 1 と同様にして dnaQ49 株に変異を導入し、 アルカリ耐性菌を作製した。 その結果、 表 7に示したとおり、 12回の突然変異誘発により pH 9.8までの耐性菌を 得た。
表 7 変異誘発処理 P H 培養日数
1回目 9. 5 2
2回目 9. 4 2
3回目 9. 4 3
4回目 9. 4 2
5回目 9. 5 3
6回目 9. 5 2
7回目 9. 5 2
8回目 9. 7 39
9回目 9. 7 2
10回目 9. 7 3
1 1回目 9. 7 16
1 2回目 9. 8
*1 変異誘発前の培養は、 pH9. 5、 2 4 °C、 4 8時間とした。
変異誘発条件では、 3 7 °Cで培養した。
*3 d n a Q +株 (野生型) は PH9. 5では増殖してこなかった c 実施例 4
大腸菌 E. coliの ampC遺伝子 (GenBank Accession No. J0161 1 , J01583) の 4249 - 4251 位のコ ドン" att"は、 "《Πこ変異しやすいことが知られている。 そこで、 この部 位の変異がリーディング鎖の変異に起因するか、 それともラギング鎖の変異に起因 するかを検討した。
1 . 方法
E. coli の ampC 遺伝子はラギング鎖として合成されることが知られているので、 4260- 4212 位の一鎖プラス付加配列 (配列番号 1 ) をラギング鎖の fidelity 測定用 のプローブとした。 また、 4235— 4281 位の +鎖プラス付加配列 (配列番号 2 ) をリ —ディング鎖の fidelity測定用プローブとした。
さらに、 配列番号 3のオリゴヌク レオチ ドをラギング鎖およびリ一ディング鎖の fidelity測定用のリンカ一 DNAとした。
先ず、 dnaQ49を 1 世代時間 (菌浮遊液の〇D 5 5。が 2倍になるのに要する時間) 、 37°Cで培養した後、 ゲノム DNAを精製し、 制限酵素 Fnu4H Iおよび Msp Iで処理し て ampC遺伝子を含む二本鎖 DNA断片 (4212— 4279位) を得た。
得られた DNA断片、 ラギング鎖の fidelity測定用プローブおよびリンカー DNA を ハイブリダィズさせた。 同様に、 DNA断片、 リーディング鎖の fidelity測定用プロ一 ブおよびリンカ一 DNAをハイブリダイズさせた。
各々のプローブとハイブリダィズした DNA 断片と リンカ一 DNA とを T4 DNA Ligaseを用いてライゲ一シヨンさせ、 DNA を精製した後、 "aatt"を認識する制限酵素 TSPE Iで処理した。
次いで、 ラギング鎮の fidelity測定用プローブとハイブリダイズした DNA断片を、 配列番号 4の塩基配列 (4279— 4259 位の一鎖) を有するオリゴヌクレオチドとリン カー DNA (配列番号 2 ) をそれぞれプライマ一として PCR増幅した。 また、 リーデ イング鎖の fidelity測定用プローブとハイブリダィズした DNA断片を、 配列番号 5の 塩基配列 (4212— 4232 位の +鎖) を有するオリゴヌクレオチドとリンカ一 DNA を プライマ一として PCR増幅した。
なお、 コントロールとして、 野生型 dnaQ+株の ampC 遺伝子についても、 同様の 手続によリラギング鎖およびリーディング鎖の変異を検討した。
2 . 結果
PCR増幅の結果は第 8図に示したとおりである。 この第 8図は、 各々の PCR産物 をァガロース電気泳動で解析した結果であり、 レーン 1 はマーカー、 レーン 2およ び 3は、 dnaQ+株 ampC遺伝子由来の DNA断片の PCR産物を電気泳動した結果で ある。 このレーン 2および 3のバンドから明らかなように、 ラギング鎖測定用プロ —ブとハイブリダィズした DNA 断片 (レーン 2 ) 、 およびリーディング鎖測定用プ ローブとハイブリダィズした DNA断片 (レ一ン 3 ) においては 100bpあたりのバン ドは観察されなかった。 このことは、 dnaQ+株の ampC 遺伝子には、 ラギング鎖、 リ一ディング鎖ともに変異が生じていないことを意味する。 すなわち、 いずれの DNA
断片もコ ドン'' att"が変異していないために、 PCR前の制限酵素 TSPE I処理によって 切断され、 その結果、 PCR増幅されなかった。
—方、 レーン 4および 5は、 dnaQ49株 ampC 遺伝子由来の DNA 断片の PCR 産 物を電気泳動した結果である。 このレーン 4および 5に示した結果から明らかなよ うに、 リーディング鎖測定用プローブとハイブリダィズした DNA 断片 (レーン 5 ) には 100bpの PCR産物の存在を示すバンドは観察されないが (すなわち、 リーディ ング鎖には変異が生じていない) 、 ラギング鎖測定用プローブとハイブリダィズし た DNA 断片 (レーン 4 ) の場合には、 100bp の PCR 産物の存在を示すバンドが観 察された。
以上の結果から、 大腸菌 dnaQ49株の場合には、 ゲノム DNA のレベルにおいても リーディング鎖よリもラギング鎖のほうがよリ多くの変異を蓄積することが確認さ れた。 産業上の利用可能性
この出願の発明によって、 微生物や細胞、 または生物個体の多様かつ有用な変異 体を効率的、 効果的に作製することができる。 また、 遺伝子の変異の状況を解析す ることにより、 薬剤耐性のメカニズムの解明、 新規な耐性菌の発生予測やその対応 薬剤の開発への利用やガン遺伝子の変異と転移や悪性度の増加のメカニズムの解析 とその治療法の開発等が可能となる。