明 細 書 生理活性をもつピロ一ルイ ミダゾール誘導体のスクリーニング法の開発 技術分野
本発明は、 天然の D N A又は R N Aの塩基配列を認識することができる非天然 型の塩基を含有する化学構造を有する化学種を用いて、 細胞などの D N A又は R N Aを含有する物質に対する作用を検出または同定する方法、 そのためのキッ ト. 及びそれに用いるプレー トに関する。 背景技術
ヒ トゲノムプロジェク トにより我々の 「生命の設計図」 である全遺伝子の塩基 配列が数年内に解明されようとしている。 この設計図に傷があったり、 後天的に 傷がはいると、 病気や老化を引き起こすことが知られている。 ヒ トゲノムプロジ ェク 卜の進展により癌を含む多くの疾病は D N Aレベルで理解されるようになり . 診断、 予防などを中心とした医学全体が、 革命的に変化するものと考えられる。 さらに、 これらの疾病の D N Aレベルでの理解に基づいた治療法、 すなわち病因 遺伝子やその産物をターゲッ トとした医薬品の開発への期待も大きいが、 基礎研 究を臨床研究に活かしていくための橋渡し的な研究は、 まだ途についたばかりで ある。 現在、 用いられている抗癌剤は、 スク リーニングによって選択された抗生 物質が多く、 もともと癌細胞を殺すために微生物が産生したものではなく、 癌の 分子生物学的知見に基づいたものはほとんどない。 細胞内の特定遺伝子の発現を 細胞外から自由自在にコン トロールすることが可能になれば、 究極の遺伝子レべ ルでの治療法となると考えられる。
本発明者らは、 最近、 抗生物質デュオカルマイシンがデイスタマイシンなどの 他種分子とヘテロダイマーを形成し協同的に D N Aの分子認識を行ない、 デュオ カルマイシン単独の場合とは異なる塩基配列を効率よくアルキル化することを発 見した (P r o Na t l . Ac a d . S c i . USA 93, 1 4405, 1 996 ) 。 この結果をもとにデュオ力 ルマイシンのアルキル化部分に D N A認識部位としてピロ一ルーイミダゾ一ルポ
リアミ ドを結合させ、 任意の塩基配列で D N Aを選択的にアルキル化する分子の 合成に成功し、 特許出願をした (特願平 1 0 — 2 6 0 7 1 0号) 。
しかし、 デュオカルマイシンのアルキル化部分に D N A認識部位としてピロ一 ルーィミダゾールポリアミ ドを結合させだけの化合物ではアルキル化能が十分な だけではなく、 これらの化合物は 1本鎖の塩基配列しか認識できないものであつ た。 そこで、 本発明者らは、 これらの化合物の分子動力学などのコンピュータモ デリ ングを用いてこれらの分子と DN Aとのアルキル化を詳細に検討し、 デュオ カルマイシンの反応性のあるシクロプロパン部分 (セグメント A) にビニル基な どのリ ンカ一を導入することにより、 2本鎖 D N Aを同時にアルキル化し切断す ることを見出した (特願平 1 1 — 8 3 5 9 1号) 。
これらの天然の DNAや RNAの塩基配列を認識する人工の化学種は、 天然の DN Aや RN Aの特定の塩基配列に認識して当該特定の位置においてセグメント Aの作用を D N Aや R N Aに及ぼすものであることから、 本発明者らは天然の D N Aや R N Aの部分配列に代えてこれらの人工の化学種を応用することができる ことを見出した。 発明の開示
本発明は、 これらの人工の化学種を用いて細胞などの D NA又は RNAを含有 する物質に対するセグメント A (化学種 A) の作用をスクリーニングする方法を 提供するものである。 本発明は、 一般式 ( I )
B - L - A ( I )
(式中、 Bは DN Aの塩基配列を認識することができる非天然型の塩基を含有す る化学構造を示し、 Aは D NAとの相互作用を有する化学構造を示し、 Lは A及 び Bの化学構造を結合させ得るリ ンカ一を示す。 )
で表される D NAの塩基配列を認識し得る化学種を用いて、 D NA又は R NAを 含有する物質に対する化学種 Aの作用を検出または同定する方法に関する。 より詳細には、 本発明は、 多数のゥエルを有するプレー ト中の各ゥエルに D N
A又は RN Aの塩基配列を認識することができる一般式 ( I ) で表される化合物 を存在させ、 当該プレー トの各ゥエルに DNA又は RNAを含有する物質を導入 し、 一般式 ( I ) で表される化合物と DN A又は RN Aを含有する物質とを充分 に作用させた後、 DNA又は RNAを含有する物質の状態を測定することからな る D N A又は R N Aを含有する物質に対する化学種 Aの作用を検出または同定す る方法に関する。
さらに詳細には、 本発明は、 前記の方法において、 各ゥエルに存在させる一般 式 ( I ) で表される化合物が、 D N A又は R N Aを含有する物質の D N A又は R N Aの異なる塩基配列を認識することができるものであり、 各ゥエルに導入され る DNA又は RNAを含有する物質が同じ物質である前記した方法に関する。 また、 本発明は、 前記した方法において、 各ゥエルに存在させる一般式 ( I ) で表される化合物が、 DNA又は RNAを含有する物質の DNA又は RNAの特 定の 1種類の塩基配列を認識することができるものであり、 各ゥエルに導入され る DNA又は RNAを含有する物質が異なる物質である前記した方法に関する。 また、 本発明は、 前記した各種の方法を行うための、 DNA又は RNAを含有 する物質に対する化学種 Aの作用を検出または同定用のキッ 卜に関する。
より詳細には、 本発明は、 一般式 ( I )
B - L - A ( I )
(式中、 Bは D N Aの塩基配列を認識することができる非天然型の塩基を含有す る化学構造を示し、 Aは DNAとの相互作用を有する化学構造を示し、 Lは A及 び Bの化学構造を結合させ得るリ ンカ一を示す。 )
で表される D N Aの塩基配列を認識し得る化学種、 及び作用後の D N A又は R N Aを含有する物質の状態を測定する手段のための器具又は試薬からなる、 D N A 又は R N Aを含有する物質に対する化学種 Aの作用を検出または同定するための キッ 卜に関する。
さらに、 本発明は、 複数のゥエルを有するプレー ト中の各ゥエルに、 一般式 m、
B— L— A ( I )
(式中、 Bは D N Aの塩基配列を認識することができる非天然型の塩基を含有す
る化学構造を示し、 Aは D N Aとの相互作用を有する化学構造を示し、 Lは A及 び Bの化学構造を結合させ得るリ ンカ一を示す。 )
で表される D N Aの塩基配列を認識し得る化学種が存在してなる複数のゥエルを 有するプレー トに関し、 当該プレー 卜が D N A又は R N Aを含有する物質に対す る化学種 Aの作用を検出または同定するためのものであるプレー 卜に関する。 図面の簡単な説明
第 1図は、 本発明の I m P y L D u 8 6 と D N Aとの反応の結果を示した、 図 面に代わる写真である。
第 2図は、 第 1図の実験に使用した D N Aの塩基配列及び I m P y L D u 8 6 の化学構造を示したものである。
第 3図は、 本発明のプレー トを用いた癌細胞に特異的な抗癌剤をスクリーニン グする方法を例示したものである。
第 4図は、 本発明の化合物 1〜 1 6の 1 0 0 n Mの濃度における癌細胞の生存 率を示したものである。
第 5図は、 本発明のプレー トを用いて、 本発明の化合物を単独で使用した場合 とこれらを混合して使用した場合を同時に試験する方法を例示したものである。 発明を実施するための最良の形態
本発明の前記一般式 ( I ) における、 D N Aの塩基配列を認識することができ る非天然型の塩基を含有する化学構造である Bは、 置換基を有してもよいピロ一 ル及び/又はィミダゾールから誘導される化学構造が好ましい。 ピロールゃィミ ダゾ一ルの置換基としては、 D N Aの塩基配列を認識する妨げとならないもので あれば特に制限はなく、 例えば、 炭素数 1 〜 1 0、 好ましくは 1 〜 5の直鎖又は 分枝状のアルキル基、 前記したアルキル基から誘導されるアルコキシ基、 水酸基、 アミノ基、 前記したアルキル基から誘導される N —アルキル置換アミノ基、 有機 カルボン酸から誘導される N—ァシルァミノ基、 グァニジノ基、 置換グァニジノ 基などが挙げられる。 例えば、 N —メチルピロ一ル、 N —メチルイ ミダゾ一ル、 3—ヒ ドロキシピロール、 N —メチル— 3 —ヒ ドロキシピロ一ルなどが挙げられ
る。
これらの天然の塩基配列を認識し得る非天然型の塩基は、 主鎖上又は主鎖に懸 垂されていてもよい。 これらの非天然型の塩基が主鎖上に存在する場合には、 こ れらの非天然型の塩基自体が主鎖を形成するための官能基を有しており、 例えば 非天然型の塩基の一端にカルボキシル基を有し、 他端にアミノ基を有し、 これら がポリアミ ド構造を形成するようにすればよい。 主鎖を形成する構造は、 前記ポ リアミ ド構造に限定されるものではなく、 ポリエステル構造ゃポリイミ ン構造な どの重合体を形成し得るものであってもよい。
また、 主鎖に懸垂される場合には、 天然の D N Aや R N Aのように多糖類の構 造に懸垂されていてもよいし、 合成の重合体の構造に懸垂されていてもよい。 好ましい D N Aの塩基配列を認識することができる非天然型の塩基を含有する 化学構造である Bとしては、 より具体的にはピロ一ルーイミダゾ一ルポリアミ ド 結合が好ましい。 ピロールやイミダゾールの長さ (個数) は特に制限はないが、 好ましくは 2〜 3 0個、 より好ましくは 2 4 ~ 1 6個、 さ らに好ましくは 4〜 1 6個程度である。
D N Aの塩基の一種に結合し得る化学構造部分である Aとしては、 D N Aや R N Aと相互作用をするものであれば種々の化学種を使用することができる。 好ま しい化学種 A (セグメン ト A ) の構造としては、 抗癌作用を有する化学物質の構 造が挙げられる。 抗癌作用を有する化学物質としては、 D N Aに作用するアルキ ル化剤が好ましい。 より好ましくは、 シクロプロパン環を有する化学構造が挙げ られ、 デュオカルマイシンのアルキル化部分がより好ましい。
A及び Bの化学構造を結合させ得るリ ンカ一部分 Lとしては、 セグメント Aと セグメント Bとを適当な距離で隔てることができ、 かつ、 アルキル化活性を失活 させないものが好ましい。 好ましい具体例としてはビエル基を含有する化学構造 が挙げられる。
これらの一般式 ( I ) で表される化合物はこれを単独で使用することもできる が、 これらの 2種以上を混合して使用することもできる。 2種以上の一般式
( I ) であらわされる化合物を混合して使用する場合には、 種々の混合パターン があるが、 一般的には化学種 B (セグメン ト B ) の異なる化学種を混合するのが
好ましいが、 これに限定されるものではない。
一般式 ( I ) で表される本発明の化合物の好ましいものとしては、 次式
で表される化合物 (以下、 「P y P y LD u 8 6」 という。 ) 、 又は
で表される化合物 (以下、 「 I mP y LD u 8 6」 という。 ) が挙げられる。 前記した化合物は、 塩基配列 TGACGをはじめとする I mP y LDU 8 6に 対応する配列群、 又はそれらの相補鎖を認識する。
さらに、 次式の P y P y L D u 8 6を基本構造とする { P y又は I m} { P y 又は I m} L D u 8 6の構造を有する一般式 (II) 、
(式中、 X及び Yはそれぞれ独立して— CH =又は一 N =を示す。 )
で表される化合物やこれらの 1 : 1混合物が挙げられる。
以下の説明のためにこれらの化合物又はこれらの混合物に次のように番号を付 ける。
Xが CHで、 Yが CHの場合の化合物を、 化合物 1 とし、
Xが CHで、 Yが Nの場合の化合物を、 化合物 2とし、
Xが Nで、 Yが C Hの場合の化合物を、 化合物 3とし、
Xが Nで、 Yが Nの場合の化合物を、 化合物 4とし、
化合物 1 と化合物 2の 1 1の混合物を、 化合物 5とし、
化合物 1と化合物 3の 1 1の混合物を、 化合物 6とし、
化合物 1 と化合物 4の 1 1の混合物を、 化合物 7とし、
化合物 2と化合物 3の 1 1の混合物を、 化合物 8とし、
化合物 2と化合物 4の 1 1の混合物を、 化合物 9とし、
化合物 3と化合物 4の 1 1の混合物を、 化合物 1 0とする。
また、 次式の P y P y P y L D u 8 6を基本構造とする { P y又は I m P y又は I m} { P y又は I m} L D u 8 6の構造を有する一般式 (III) 、
(式中、 X、 Y及び Zはそれぞれ独立して一 CH =又は— N =を示す。 ) で表される化合物やこれらの 1 : 1混合物が挙げられる。
以下の説明のためにこれらの化合物又はこれらの混合物に次のように番号を付 ける。
Xが CHで、 Yが Nで、 Zが Nの場合の化合物を、 化合物 1 1 とし、
Xが CHで、 Yが Nで、 Zが C Hの場合の化合物を、 化合物 1 2 とし、 Xが CHで、 Yが CHで、 Zが C Hの場合の化合物を、 化合物 1 3とし、 化合物 1 1 と化合物 1 2の 1 1の混合物を、 化合物 1 4とし、
化合物 1 1 と化合物 1 3の 1 1の混合物を、 化合物 1 5 とし、
化合物 1 2と化合物 1 3の 1 1の混合物を、 化合物 1 6 とする
これらの化合物 1 6について後述する試験を行った, 本発明の一般式 ( I ) で表される化合物は、 公知の方法に準じて製造すること ができる。 即ち、 Aセグメン ト及び Bセグメン トを常法により製造し、 これに順 次リ ンカ一セグメント Lを結合させ、 次いで残りのセグメン トを結合させること により製造することができる。
例えば、 前記の I mP y L D u 8 6 ( 7 a) 及び P y P y L D u 8 6 ( 7 b) の製造例を次の化学反応式で示す。 反応式中の各化合物の下の数字は化合物の番 号を示す。
反応式中の a ) はべンゾトリアゾ一ル— 1 —ィルォキシトリス (ジメチルアミ ノ) ホスホニゥム へキサフルォロホスフェー ト (B O P) の TH F溶液での処 理、 次いで N a B H4処理を示し、 b ) は TH F中での M n 02処理を示し、 c ) は TH F中での トリェチルホスホノアセテー ト及び N a H処理を示し、 d) は水 —メタノール中での水酸化ナトリウムによる処理を示し、 e ) は DM F中での 1 , 1 一カルボニルジイミダゾ一ルでの処理を示し、 : f ) は DM F中での水素化ナ ト リウムを用いた D U 8 6のセグメン ト Aとの処理を示す。
こう して合成された P y P y L D u 8 6および、 I mP y L D u 8 6の D NA との反応性を調べた。 I mP y L D u 8 6 によるアルキル化の結果を第 1図に示 した。 この実験に用いた D N A及び使用した I mP y L D u 8 6 を第 2図に示す <
第 1図において、 左側の泳動図は 2本鎖 D N Aの上のス トラン ドの結果、 右側 の泳動図は下のス トラン ドの結果である。 アルキル化の位置は加熱により切断バ ンドとしてみることができる。 その結果、 低濃度から主に 2本鎖 DN Aはサイ ト 1とサイ ト 2で 2本鎖の切断されていることがわかり、 アルキル化が 2本鎖で同 時に起っていることが判断できる。 このような切断を引き起こす化合物はこれま でに例がなく、 まさに人工の制限酵素という ことができる。 また用いた I m P y L D u 8 6の量から 7 0 %の高率で切断が起っていることが判明し、 以前に合成 した分子 (特願平 1 0— 2 6 0 7 1 0号参照) にく らベて非常に高い効率である ことがわかる。
DNA又は RNAを含有する物質としては、 DNAや RNAそれ自体を使用す ることもできるが、 生きている細胞を使用するのが好ましい。 セグメント Aとし て抗癌剤を用いる場合には癌細胞を使用することができる。
一般式 ( I ) におけるセグメン ト Bにおいて、 非天然型の塩基としてメチルピ ロール (P y ) 及びメチルイミダゾール ( I m) を使用する場合には、 P y— I mにより C— G塩基対が、 I m— P yにより G— C塩基対が、 P y— P yにより A— Tまたは T一 A塩基対が認識されることが知られているから、 メチルピロ一 ル (P y) 及びメチルイミダゾール ( I m) を適宜組み合わせることにより、 目 的の塩基配列を認識させることができる。 即ち、 メチルビロール (P y) 及びメ チルイミダゾ一ル ( I m) を、 3個 ( 3量体) 用いることにより天然の 3塩基の 配列を認識することができ、 4個 (4量体) 用いることにより天然の 4塩基の配 列を認識することができる。
また、 これらのセグメン ト Bの配列を有する化合物の 2種以上混合して使用す ることもできる。
本発明の方法は、 一般式 ( I ) で表される化合物と DNA又は RNAを含有す る物質とを充分に作用させた後、 D N A又は R N Aを含有する物質の状態を測定 することにより、 DN A又は RN Aを含有する物質に対する化学種 Aの作用を検 出または同定することができる。
一般式 ( I ) で表される化合物と DNA又は RN Aを含有する物質とを充分に 作用させる手段としては、 両者を適当な緩衝液中でィ ンキュベーシヨ ンするなど
の方法により行う ことができる。 また、 インキュベーショ ンの後の、 DNA又は
RN Aを含有する物質の状態を測定する手段としては、 各種の標識化や着色法な どの手段により行う ことができる。 インキュベーショ ンの後の、 DNA又は RN Aを含有する物質の状態に応じて適宜その手段を選択することができる。
DNA又は RNAを含有する物質として生きている細胞を用い、 その生死によ つて判定する場合には、 細胞を着色する方法が簡便で好ましい。 市販のセルカウ ンティ ングキッ トを、 又はこれと着色における吸光度とを併用することにより生 存細胞を定量化することもできる。
次に本発明の具体的な使用例について説明する。
第 3図は本発明の方法を例示したものである。 第 3図の左側にマス目のように 示されているのは、 複数のゥエルを有するプレー トであり、 各マス目が各ゥエル を示している。 この例では 9 6穴のプレー トが示されている。 この各ゥエルに本 発明の前記一般式 ( I ) で表される化学種を存在させておく。 各ゥエルに異なる 塩基配列を認識する本発明の一般式 ( I ) で表される化学種を存在させておく場 合についてまず説明する。
例えば、 4量体では、 一般式 ( I ) で表される化学種のセグメン ト Bの部分に. メチルピロール (P y) 及びメチルイミダゾール ( I m) からなる非天然型の塩 基を用いて、 P y— P y— P y— P y、 P y— P y— P y— I m、 P y— P y— I m— P y、 I m— I m - I m— P yなどの P yと I mからなるすべての順列組 み合わせの構造 (この例では 1 6通りになる) を用いて異なる 3塩基を認識し得 るものができる。 一般式 ( I ) のセグメント Aの部分にアルキル化剤を結合させ て、 ビニル基を含むリ ンカ一 Lで結合させる。
そして、 このセグメント Bの部分が異なる 1 6種類の化学種を第 3図の左側に しめされるプレートの各ゥエルに入れる。 次いで、 各ゥエルに癌細胞を入れ、 数 時間〜数日間これをインキュベートさせると、 癌細胞の特定の塩基配列部分を認 識した本発明の一般式 ( I ) で表される化学種は癌細胞の DNAと反応してこれ をアルキル化して癌細胞を殺すことになる。 その結果を示したのが第 3図の右側 である。 第 3図の右側は、 前記のインキュベー トが終了した後、 各ゥエルを着色 し、 細胞が生きている場合は着色剤により着色されて第 3図では黒く示されてい
るが、 細胞が死んで着色剤により着色されない場合には第 3図では白く示されて いる。 第 3図の例ではセグメン ト Bとして 8量体を使用した例であり、 3種の非 天然型の塩基の配列において癌細胞が死滅したことが示されている。 各ゥエルに 存在させた非天然型の塩基の配列は予め判っているから、 この試験により どの配 列の場合に癌細胞が死滅したかを知ることができる。
第 3図の例では、 8量体が使用されており、 2の 8乗、 即ち 2 5 6通りのセグ メント B部分を有する一般式 ( I ) で表される化学種が各ゥエルに存在させられ ており、 この例ではこのうち 3種類の配列のものが特異的に癌細胞を死滅させて いることがわかる。 この 3種の配列はこの例では、
P y I mP y P y P y I mP y P y、
P y I mP y P y P y I m l mP y, 及び、
I m l mP y P y P y I mP y P y、
であることがわかる。
癌細胞は、 その種類や生物に応じて異なっており、 本発明の前記に示した方法 によれば、 測定された検体としての癌細胞に特異的に作用する抗癌剤を、 短時間 で、 簡便に検索することができる。 また、 癌細胞は同じ組織の癌細胞であっても 時期に応じて変異する場合があり、 このような場合においても変異した癌細胞に 特異的な抗癌剤を本発明の方法により簡便に検索することができる。 さらに、 本 発明の前記方法によれば、 癌組織の周囲の正常細胞に対する抗癌剤の作用をも同 様な方法で調べることができる。
したがって、 本発明の方法は、 正常細胞には影響を与えず、 目的の癌細胞に特 異的に作用する抗癌剤を短時間で、 簡便に検索することができる方法を提供する ものである。
次に前記した化合物 1〜 1 6についてその活性を評価した。
ピロール (P y) 、 イミダゾ一ル ( I m) アミ ド部が合計 2つ或いは 3つで構 成されている化合物群を用いて細胞毒性試験を行った。 前記の化合物 1〜 1 6の 1 6種類を用い、 その効果を細胞の生存率で示した結果を第 4図に示す。 ヒ ト癌 細胞 L C L— w t、 HL C— 2、 ヒ ト白血病細胞 J u r k a t、 を用いて一斉ス クリーニングを行った場合、 L C L一 w tに対してのみ化合物 1 4が高い細胞毒
性を示し、 J u r k a t と H L C— 2に対しては有用な結果が示されなかった。 第 4図は、 Ι Ο Ο ηΜの濃度における L C L— w t と J u r k a t に対する化 合物群 1〜 1 6の細胞毒性の試験結果を示したものである。
このように、 本発明の一般式 ( I ) で示される化合物の 2種以上の混合物も特 異的な活性を示すことが明らかになり、 このような混合物に対する試験方法の例 を第 5図に示す。 第 5図は、 8 X 8 = 6 4ゥエルを用いた試験を示す。
セグメン ト Bの部分が 3個の認識部位になる場合を例示しており、 認識コンポ 一ネントとしてピロール系 (P y) とイミダゾール系 ( I m) を用いた場合には 2の 3乗種類、 即ち 8種類の組み合わせが考えられる。 この 8種を縦横各々 2 5 1づっ各ゥエルに入れる。 例えば、 プレー トの 1行目と 1列目に各々 2 5 1 の P y— P y— P yを入れ、 次いでプレー トの 2行目と 2列目に各々 2 5 1 の P y— I m— P yを入れ、 さらにプレー トの 3行目と 3列目に各々 2 5 1 の P y— P y— I mを入れるというように、 8種の化合物を各々の行及び列に入れて いく ことにより、 プレー トの対角線上の部分のゥエルは 1種類の化合物のみとな るが、 対角線の部分以外のゥエルには各々異なる 2種類の化合物からなる 1 : 1 の混合物が入れられたことになる。 そして、 第 3図に示した方法と同様にして癌 細胞とィンキュベ一シヨ ンした後、 これを着色処理した結果が第 5図に例示され ている。
第 5図の例では、 3行 3列目、 2行 6列目及び 6行 2列目、 並びに 4行 8列目 及び 8行 4列目で癌細胞の死滅が観察されている。 これは、 この癌細胞に対して は 3行 3列目これは対角線の部分のゥエルであるから、 即ち P y— P y— I mの 配単独で癌細胞を死滅させていることがわかり、 2行 6列目及び 6行 2列目、 並 びに 4行 8列目及び 8行 4列目は各々対角線に対して対象の位置であり、 前者で は P y— I m— P yと I m— P y— I mの 1 : 1混合物であり、 後者は P y— I m— P yと I m— I m— I mとの 1 : 1混合物である。 そしてこの例ではこの癌 細胞に対してはこれらのセグメント Bを有する化合物又は混合物が特異的に有効 であることが示されている。
さらに、 この試験例において重要なことは、 一般式 ( I ) の化合物の癌細胞に 対する有効性がこの化合物を単独で使用する場合には示されないが、 他の化合物
と混合して使用した場合に初めてその有効性が示される場合があることを明らか にしているという ことである。
このような本発明の試験方法により、 一般式 ( I ) で表される化合物を単独で 用いた場合の結果を得ると同時に、 これらの化合物を混合して使用した場合の結 果をも得ることができる。
以上の例は、 癌細胞に特異的な抗癌剤を検索する方法であるが、 特定の塩基配 列の位置において有効性が知られている癌細胞を D N A又は R N Aを含有する物 質として使用し、 当該塩基配列に対応した本発明の一般式 ( I ) のセグメン ト B の部分を有する化学種を調製し、 そのセグメン ト Aの部分に各種の抗癌剤の候補 化合物を結合させた、 セグメン ト Aの部分が異なる複数種の本発明の一般式
( I ) で表される化学種を各ゥエルに存在させ、 これを前記の癌細胞とインキュ ベ一 卜させることにより、 セグメント Aの部分の抗癌剤の候補化合物の作用を検 索することができる。
即ち、 本発明のひとつの実施形態としては、 本発明の一般式 ( I ) のセグメン ト Aの部分に抗癌剤の候補化合物を結合させることにより、 癌細胞に対する抗癌 作用をスク リーニングする方法を提供するものである。
また、 本発明は、 前記してきた各種の本発明の方法を行うための、 D N A又は R N Aを含有する物質に対する化学種 Aの作用を検出または同定用のキッ トを提 供するものである。
より詳細には、 一般式 ( I )
B - L - A ( I )
(式中、 Bは D N Aの塩基配列を認識することができる非天然型の塩基を含有す る化学構造を示し、 Aは D N Aとの相互作用を有する化学構造を示し、 Lは A及 び Bの化学構造を結合させ得るリ ンカ一を示す。 )
で表される D N Aの塩基配列を認識し得る化学種、 及び作用後の D N A又は R N Aを含有する物質の状態を測定する手段のための器具又は試薬からなる D N A又 は R N Aを含有する物質に対する化学種 Aの作用を検出または同定用のキッ トを 提供する。 前述したように、 本発明の一般式 ( I ) の化合物はこれを単独で使用 してもよいが、 この 2種以上を混合して使用できるようにしておいてもよい。
さ らに、 本発明は、 複数のゥエルを有するプレー ト中の各ゥエルに、 一般式
( I ) ,
B - L - A ( I )
(式中、 Bは D N Aの塩基配列を認識することができる非天然型の塩基を含有す る化学構造を示し、 Aは DN Aとの相互作用を有する化学構造を示し、 Lは A及 び Bの化学構造を結合させ得るリ ンカ一を示す。 )
で表される D N Aの塩基配列を認識し得る化学種が存在してなる複数のゥエルを 有するプレー トを提供するものである。 より詳細には、 本発明のプレー トは、 D NA又は RNAを含有する物質に対する化学種 Aの作用を検出または同定するた めのプレートである。
前記の一般式 ( I ) で表される化合物は、 この 1種又は 2種以上をプレー トの 各ゥエルに固定化しておく こともできる。 また、 溶液又はゲル状にしておく こと もできる。 次に、 具体的な試験例により本発明を詳細に説明するが、 本発明はこれらの具 体例に限定されるものではない。 実施例 実施例 1 (細胞毒性試験による制癌効果の評価)
腫瘍細胞として、 ヒ ト癌細胞 L C L— w t と HL C— 2、 ヒ ト白血病細胞、 J u r k a t、 ヒ ト子宮けい癌細胞 H e L a e e l 1 を用いた。 L C L— w t と J u r k a t に対しては P RM I 1 6 4 0 (G i b c o B R L) + 1 0 %牛 胎児血清 ( J RH B I OC I EN C E S ) + 1 0 0 ^ U/m 1ぺニシリ ン G— l O O ^ UZm lス トレプトマイシン硫酸塩 (G i b c o B RL) を培養培地 として用いた。 HL C— 2に対しては MEM+ 1 0 %牛胎児血清 ( J R H B I OC I ENC E S) + 1 0 0 1 1] 1 ペニシリ ン G— 1 0 0 ·ί υΖ m l ス ト レプトマイシン硫酸塩 (G i b c o B R L) を培養培地として用いた。 ヘラ細 胞 (H e L a c e l l ) に対しては R BM I + 1 0 %牛胎児血清 ( J RH B
I O C I ENC E S) + 1 0 0 /i UZm lペニシリ ン G— 1 0 O ^ U/m l ス ト レプトマイシン硫酸塩 (G i b c o B R L ) を培養培地として用いた。 それぞ れの細胞は培養し、 対数増殖期にあるものを分散してスク リーニングに用いた。 スクリーニングは、 初期細胞数を約 2 X l 05c e 1 1 s / 1 に調整した細胞 懸濁液を 9 6ゥエルのマルチプレートに 5 0 a 1 /ゥエルずつ分注し、 試験化合 物の試験溶液 ( 1 0 0 M、 培地 + 0. 1 % D M S O) を添加し、 3 7 °C、 CO 濃度 5 %の条件下、 インキュベータ一で 2 日間前培養を行い、 その後細胞数を力 ゥン トした。
細胞数は、 マイクロプレー ト リーダー (Micro Plate Reader) (M P R - A 4 i、 TO S OH) と血球計算板を用いて計算した。 マイクロプレー トリーダーを 用いた測定においては、 セルカウティ ングキッ ト 8 (Cell Counting Kit- 8) (D O J I N D O) を用い、 測定波長 4 5 0 nm (参照波長 6 0 0 nm) で吸光度を 測定した。 生細胞数、 死細胞数のカウン トはトリパンブルーを用いた色素排除法 により顕微鏡下で行った。 マイクロプレートリーダーと血球計算板での測定結果 を元に生存率を以下の式により算出した。
生存率 = 1 0 0 n / n
ここで、 n Pは試料を添加した場合の生細胞数、 n aはコン トロール生細胞数であ る。 実施例 2 (細胞毒性試験)
本文中に記載した化合物 1〜 1 6を用いて、 本発明のプレー トにより ヒ ト癌細 胞 L C L— w t、 HL C— 2、 ヒ ト白血病細胞 J u r k a t、 を用いて一斉スク リーニングを行った。
その結果を実施例 1 と同様に行って、 各細胞の生存率を計算した。
第 4図に試験化合物の濃度が 1 0 0 n Mの場合の結果を示す。
この結果によれば、 L C L一 w t に対してのみ化合物 1 4が高い細胞毒性を示 すことがわかった。 実施例 3 (化合物の合成)
化合物 1 3の合成方法を次に示した,
反応及び精製に用いた試薬、 溶媒は市販のものを用いた。 プロ トン核磁気共鳴 スペク トル (NMR) は日本電子 J NM— A 5 0 0を使用し、 テトラメチルシラ ン (TMS) を内部標準物質として化学シフ トは δ値 (p pm) で示した。 シグ ナルの略号として、 s ( s i n g l e t ) 、 d (d o u b l e t ) , t ( t r i p l e t ) 、 q (q u a r t e r ) , m (mu l t i p l e t ) , b r (b r o a d) , b r s (b r o d s i n g l e t ) を用いた。 試薬、 溶媒の略号
は以下のように用いた。 ジメチルホルムアミ ド (DMF) 、 ジシクロへキシルカ ルポジイミ ド (D C C) 、 カルボニルジイミダゾール e (CD I ) 、 4一 (ジメ チル) アミノ ピリジン ( D M A P ) 、 N—ヒ ドロキシベンゾトリアゾール ( H 0 B t ) 、 1— [ 3— (ジメチルァミノ) プロピル] — 3—ェチルカルポジイミ ド 塩酸塩 (ED C I ) 、 テトラヒ ドロフラン (TH F) 。 反応は特に示さない限り . アルゴン雰囲気下或いは窒素雰囲気下で行った。
( 1 ) 1—メチルー 4—ニトロ一ピロール— 2—アルデヒ ド ( 2 2 )
発煙硝酸 ( 1. 5m l、 3 7. 5mmo l ) の無水酢酸 ( 2 5m l ) 溶液を— 3 0でに冷却し、 同温下 1—メチルピロ一ル一 2—カルボキシアルデヒ ド 2 1 (3. 2 7 g、 3 0. 0 mm o 1 ) の無水酢酸 ( 1 0 m l ) 溶液を滴下し、 同温 で 5時間攪拌した。 その後析出した固体をろ取し、 ニ トロ体 2 2 ( 8 6 0 mg、 1 9 %) を得た。 ろ液の溶媒を減圧下留去し、 得られた残留物をシルカゲルカラ ムクロマ トグラフィーに付し、 へキサン一酢酸ェチル (4 : 1、 V / V ) 溶出部 より更に 2 2 ( 6 5 0mg、 1 4 %) を得た。
Ή NM R ( C D C 1 3) δ : 4.00(3H, s)> 7.40(1H, d, J = 2.0Hz),
7.65 (1H, d, J = 2.0Hz)、 9.61 (1H、 s) ;
I R (KB r ) リ : 1 6 7 8、 1 5 3 5、 1 5 0 8、 1 4 2 3、 1 4 0 6、
1 3 1 1、 1 1 0 0、 8 6 4、 8 1 4、 7 7 0、 7 54 c m"1
(2 ) P y - L - C02E t ( 2 3)
ホスホノ酢酸トリェチル ( 0. 3 9m l 、 2. O mmo l ) の THF ( 1 5m 1 ) 溶液に氷冷下 6 0 %水素化ナトリウム ( 8 3mg、 2. 1 mm o 1 ) を加え 1 0分間攪拌した。 同温下ニトロ体 2 2 ( 2 0 0 m g , 1. 3mmo l ) の TH F ( 5m l ) 溶液を滴下し、 さらに 4 5分同温で攪拌した。 反応溶液中に水を加 えた後、 酢酸ェチルで抽出した。 有機相を飽和食塩水で洗浄した後、 無水硫酸マ グネシゥムで乾燥した。 溶媒を減圧下留去し、 得られた残留物をシルカゲルカラ ムクロマ トグラフィーに付し、 へキサン一酢酸ェチル ( 1 : 4、 V / V ) 溶出部 よりエステル 2 3 ( 2 2 5mg、 7 7 %) を得た。
1H NMR (C D C 1 3) δ : 1.28(3H, t, J = 7.5Hz), 3.75 (3H> s)、
4.24 (2H, q、 J = 7.5Hz), 6.28 (1H、 d、 J =l 6. OHz), 7.09 (1H、 d、 J = 2.0Hz), 7.47(1H, d, J = 16. OHz), 7.54(1H, d, J = 2. OHz) ;
13C NM R ( C D C 1 3) δ : 1 4. 3、 3 5. 4、 6 0. 8、 1 0 6.
1、 1 1 8. 4、 1 2 5. 3、 1 2 9. 8、 1 3 0. 1 、
1 3 6. 7、 1 6 6. 5 ;
I R (K B r ) リ : 1 7 0 9、 1 6 3 2、 1 5 1 0、 1 4 2 7、 1 4 1 2、
1 3 7 3、 1 3 1 5、 1 2 8 2、 1 1 7 6 c m"1
( 3 ) P y— P y— L— C O 2 E t ( 2 4 )
エステル 2 3 ( 1. 1 2 g、 5. O mm o l ) のメタノール溶液 ( 4 5 m l ) に室温下 1 0 %パラジウム炭素 ( 2 5 0 m g) を加えた。 この混合物に 1 N—水 素化ホウ素ナトリウム ( 8 m l ) を同温下加え、 さらに 1 0分攪拌した。 ァセ ト ン ( 2 m l ) を加えた後、 この懸濁液をセライ トに通して沈殿物を除去した。 ろ 液の溶媒を減圧下留去し、 得られた残留物に酢酸ェチルを加えた。 飽和食塩水で 洗浄後、 無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 溶媒を減圧下留去し、 得られた残留 物を塩化メチレン (4 5 m l ) に溶解し、 さ らなる反応に用いた。 この溶液に 1 —メチル— 4一二トロ— 2 — トリクロロアセチルピロ一ル ( 2. 3 5 g、 7. 0 mm o 1 ) と N, N—ジイソプロピルェチルアミン ( 1. 3 1 m l 、 7. 5 mm o 1 ) を順次室温で加え、 同温下 3時間攪拌した。 その後、 反応溶液中に水を加 えた後、 酢酸ェチルで抽出した。 有機相を飽和食塩水で洗浄した後、 無水硫酸マ グネシゥムで乾燥した。 溶媒を減圧下留去し、 得られた残留物をシルカゲルカラ ムクロマ トグラフィーに付し、 酢酸ェチル溶出部より ビスピロ一ル 2 4 ( 4 8 3 m g、 2 8 %) を得た。
Ή NMR (C D C l a + DM S O - d e) δ : 1.23(3H, t> J = 7. OHz),
3.59(3H> s)、 3.94(3H、 s), 4.14(2H、 q、 J = 7.0Hz)、 6.01 (1H, d, J = 15.5Hz)>
6.57(1H, d> J = 2.0Hz)、 7.27(1H, br s), 7.45(1H, d, J = 15.5Hz),
7.46 (1H, d、 J = l.5Hz), 7.50(1H, d, J = 2.0Hz)、 9.59 (1H, br s)
( 4 ) P y - P y - P y - L - C 02E t ( 2 6 )
ビスピロール 2 4 ( 1 7 3 m g 0. 5 0 mm o l ) のメ夕ノ一ル一酢酸ェチ ル ( 1 0 m l — 1 0 m l ) の懸濁液に室温下 1 0 %パラジウム炭素 ( 5 0 m g ) を加えた。 この混合物に 1 N水素化ホウ素ナトリウム ( 1 . 5 m l ) を同温下加 え、 さ らに 2分攪拌した。 この懸濁液をシリカゲルカラムクロマ トグラフィーに 通して沈殿物を除去した。 溶媒を減圧下留去し、 得られた残留物を DM F ( 1 0 m l ) に溶解しさ らなる反応に用いた。 この溶液に 4—ァセ トァミノ _ 1 —メチ ルビロール— 2 —力ルボン酸の H〇 B t エステル 2 5 (Z.- F.Tao, at el. , J.Am. Chem. So 121, 4961-4967 ( 1999) ) ( 2 0 9 m g , 0. 7 0 mm o 1 ) と D M A P ( 8 5 m g 0. 7 0 mm o 1 ) を順次室温で加え、 同温下 3時間攪拌した。 その後、 溶媒を減圧下留去し、 得られた残留物をシルカゲルカラムクロマ トグラ フィ一に付した。 メタノール一酢酸ェチル ( 1 : 9 V / V ) 溶出部より トリス ピロ一ル 2 6 ( 1 2 0 m g , 5 0 %) を得た。
NM R ( C D C 1 3) δ : 1.29(3H, t> J = 7. OHz), 2.06(3H, s),
3.59(3H s), 3.81 (3H s)、 3.84(3H s)、 4.20(2H, q J = 7. OHz),
5.99(1H, d, J = 15.5Hz), 6.51 (1H, s), 6.58(1H, s), 6.61 (1H, s),
6.94(1H, d, J = 2. OHz), 7.13(1H, s), 7.32(1H, d> J = 2. OHz),
7.47(1H, d, J = 15.5Hz), 7.78 (1H s) 7.98 (1H s) 8· 36 (1H s)
( 5 ) P y— P y— P y— L— C〇2 I m ( 2 7 )
トリスピロ一ル 2 6 ( 2 4 m g 0. 0 5 0 mm o l ) のメタノール一 TH F ( 1 0 m 1 - 1 0 m 1 ) の溶液に室温下 1 N水酸化ナトリゥム水溶液 ( 1. 5 ) を加え室温で 5時間攪拌した。 溶媒を減圧下留去し、 得られた残留物に 1 0 %酢 酸水溶液を加え、 生じた沈殿物をろ取し、 加水分解体 ( 1 3. 5 m g) を得た。 この加水分解体はさらなる精製を行わずに次の反応に用いた。 加水分解体 ( 1 2. 8 m g ) の DM F ( 1. 5 m l ) 溶液に C D I ( 2 4. 3 m g 0. 1 5 mm o 1 ) を室温で加え、 同温下一晩攪拌した。 その後水を加え、 生じた沈殿をろ取し てイミダゾ一ルエステル 2 7 ( 1 3. 5 m g 5 4 %) を得た。
Ή NMR (DM S O— d 6) δ : 1.96 (3H s) 3.77 (3Η' s) > 3.82 (3Η, s)
3.85(3H、 s), 6.85(1H、 s)、 7.08(1H、 s)> 7.09 (1H、 s)>
7.12 (IH, d, J = 15. OHz), 7.14(1H, s), 7.22 (IH, s), 7.24(1H> s)>
7.47(1H, s), 7.87(1H, d> J = 15. OHz), 7.90 (1H、 s)、 8.66 (1H、 s)、
9.80(1H、 s)、 9.89(1H, s)、 10.03(1H、 s)
( 6 ) P y - P y - P y - L -DU 8 6 ( 1 1 )
0リ 8 6の八部 2 8 (S.Nagamura, at el. , J. Med. Chem. , 40, 972-979 ( 199 9) ) ( 6. 2 m g、 0. 0 2 4 mmo l ) の DM F ( 2 m l ) 溶液に氷冷下 6 0 %水素化ナトリウム ( 2. O m g、 0. 0 5 0 mm o 1 ) を加え、 同温で 1 0分 攪拌した。 その後、 同温下イミダゾールエステル 2 7 ( 1 2. 9 m g、 0. 0 2 6 mm o 1 ) の DM F ( l m l ) 溶液を加え、 同温でさらに 5時間攪拌した。 リ ン酸ナトリウムバッファー (p H 6. 8 6 ) を加えた後、 水を加え、 塩化メチレ ンで抽出した。 その後、 溶媒を減圧下留去し、 得られた残留物をシルカゲルカラ ムクロマ トグラフィーに付した。 メタノール一クロ口ホルム ( 1 : 9、 V / V ) 溶出部より P y— P y— P y— L— DU 8 6 1 1 ( 7. 7 m g、 4 6 %) を得 た。
Ή NMR (D M S O - d 6) δ : 1.29-1.31 (IH, m) , 1.97(3H, s),
2.07-2.11 (IH, m), 2.47 (3 s)、 3· 72 (3H, s)、 3.78(3H、 s)、 3.82(3H、 s)、
3.83(3H、 s), 4.17-4.22(1H, m) , 4.27-4.32 (1H, m) >
6.57(1H, d, J = 15. OHz), 6.83-6.85 (br s)、 6.86 (1H、 s) > 6.90 (1H、 s)、
7.06(1H、 s)、 7· 15(1H、 s), 7.24(1H, s)、 7.39 (1H、 s)、
7.57(1H. d, J = 15. OHz), 9.80(1H, s), 9.89(1H, s), 9.94(1H, s),
12.36(1H, s) 産業上の利用可能性
本発明は、 簡便な方法により特定の細胞に対して特異的に作用する物質を短時 間でかつ高感度で、 しかも安価な手段によりスク リ一二ングできる方法及びその ためのキッ ト及びプレートを提供するものである。 本発明の方法によれば、 患者 の細胞、 例えば癌細胞に特異的に作用する薬物を短時間で簡便に知ることができ、
患者の癌細胞に応じたティラーメイ ドの治療薬を創出することができ、 患者に対 してより副作用が少なく、 かつ効力の大きな治療薬を提供することができる。 また、 本発明の方法によれば、 DNAや RN Aに作用する物質を簡便に、 高感 度でかつ安価にスクリーニングすることができる。 また、 DNAや RNAに対す る作用が既知の物質における DN Aや RN Aにおける作用部位を本発明の方法に より簡便に知ることも可能となる。