明細書 水に難溶性の生理活性化合物の徐放性製剤、 その製造法および用途 技術分野
本発明は、 水に難溶性の生理活性化合物の徐放性製剤、 その製造法および用途 に関する。 背景技術
水に難溶性の多価金属および生体内分解性ポリマーを含有する生理活性化合物 の徐放性製剤は、 例えば、 特開平 09-221420号、 特開平 1 1-31 5034号、 特開平 1 1 - 322631号などに開示されており、 生理活性化合物の放出制御や安定化が可能であ ることが確認されている。 しかしながら、 これらの徐放性製剤の製造において、 例えば、 水に難溶性の生理活性化合物、 水に難溶性の多価金属および生体内分解 性ポリマーを含有するエマルシヨン (S /Oエマルシヨン) を調製する際に、 数 時間〜半日またはそれ以上の攪拌操作が必要であつた。
一方、 水に難溶性の多価金属化合物は、 水にほとんど不溶であるとともに、 一 般には、 水と結合する速度も極めて遅いことが知られており、 例えば、 酸化亜鉛 は水に対しての溶解度が 0. 42 mg/100 ml (18°C) とほとんど不溶であるとともに、 水と結合して水酸化亜鉛となる速度が極めて遅いことが化学大辞典に記述されて いる。 発明の開示
本発明は、 生理活性化合物の放出制御や安定化がより改善され、 しかも、 大量 生産に適した方法で製造が可能な生理活性化合物の徐放性製剤、 その製造法およ び用途を提供する。
上記の課題を解決するために、 特に、 水に難溶性の生理活性化合物、 水に難溶 性の多価金属および生体内分解性ポリマ一を含有するエマルションを短時間 (好 ましくは 1時間以内) で調製しうる生理活性化合物の徐放性製剤の製造法を鋭意
研究した結果、 酸化亜鉛を水で処理して得られた成分ならびに水に難溶性の生理 活性化合物と生体内分解性ポリマーとを含有するエマルションは、 短時間で調製 することが可能であり、 しかも、 このエマルシヨンから水および溶媒を除去して 得られた徐放性製剤では、 高含量で含有する生理活性化合物を徐放ならびに放出 制御が可能であることを見い出し、 更に研究を重ねた結果、 本発明を完成するに 至つ 。
すなわち本発明は、
(1) 水に難溶性の生理活性化合物、 水に難溶性の多価金属化合物を水処理して 得られる成分 (例えば、 水に難溶性の多価金属化合物と水を混合して得られる、 水処理した水に難溶性の多価金属化合物など; ここで、 水処理した水に難溶性の 多価金属化合物は、 その一部または全部が水に難溶性の多価金属化合物 (未変化 体)であっても良い。)および生体内分解性ポリマ一を含有してなる徐放性製剤;
( 2 )生理活性化合物が非べプチド性化合物である前記( 1 )記載の徐放性製剤;
(3) 生理活性化合物がアンギオテンシン II拮抗作用を有する化合物、 そのプロ ドラッグまたはそれらの塩である前記 ( 1 ) 記載の徐放性製剤;
( 4 ) ァンギオテンシン 11拮抗作用を有する化合物が非べプチド性化合物である 前記 (3) 記載の徐放性製剤;
(5) アンギオテンシン II拮抗作用を有する化合物が分子内に酸素原子を有する 化合物である前記 (3) 記載の徐放性製剤;
(6) アンギオテンシン II拮抗作用を有する化合物がエーテル結合または力ルポ 二ル基を有する化合物である前記 (3) 記載の徐放性製剤;
(7) アンギオテンシン π拮抗作用を有する化合物が式 (I)
(式中、 R1は陰イオンを形成しうる基またはそれに変じうる基を示し、 Xはフ
ェニレン基とフエニル基が直接または原子鎖 2以下のスぺーサ一を介して結合し ていることを示し、 nは 1または 2の整数を示し、 環 Aはさらに置換基を有して いてもよいベンゼン環を示し、 R 2は陰イオンを形成しうる基またはそれに変じ うる基を示し、 R 3はへテロ原子を介して結合していてもよく、 置換基を有して いてもよい炭化水素残基を示す)で表される化合物またはその塩である前記(3) 記載の徐放性製剤;
(8) アンギオテンシン II拮抗作用を有する化合物が口サルタン、 ェプロサル夕 ン、 カンデサルタン シレキセチル、 カンデサルタン、 バルサルタン、 テルミサ ルタン、 ィルベサルタン、 オルメサルタンまたはタソサルタンである前記 (3) 記載の徐放性製剤;
(9) アンギオテンシン II拮抗作用を有する化合物が 2 _エトキシー 1一 [ [2' - (1H—テトラゾ一ル— 5—ィル) ビフエ二ルー 4—ィル] メチル] ベンズィ ミダゾ一ルー 7—力ルボン酸またはその塩である前記 (3) 記載の徐放性製剤;
(10) アンギオテンシン II拮抗作用を有する化合物が 1一 (シクロへキシルォ キシカルポニルォキシ) ェチル 2—エトキシ— 1— [ [2 ' 一 (1H—テトラ ゾール—5—^ Γル) ビフエ二ルー 4一ィル] メチル] ベンズイミダゾ一ルー 7— カルポキシラー-卜またはその塩である前記 (3) 記載の徐放性製剤;
(11)アンギオテンシン II拮抗作用を有する化合物が 2—エトキシ— 1 _[[2' - (2, 5—ジヒドロー 5—ォキソー 1, 2, 4 _ォキサジァゾ一ルー 3—ィル) ビフエニル— 4一^ rル] メチル] ベンズイミダゾールー 7—カルボン酸またはそ の塩である前記 (3) 記載の徐放性製剤;
(12) 生体内分解性ポリマーがひーヒドロキシカルボン酸重合体である前記 ( 1 ) 記載の徐放性製剤; ― .
(13) ο;—ヒドロキシカルボン酸重合体が乳酸ーグリコ一ル酸重合体である前 記 (12) 記載の徐放性製剤;
(14) 乳酸とグリコ一ル酸の組成モル比が 100 / 0〜 40 Z 60である前記 (13) 記載の徐放性製剤;
(15)重合体の重量平均分子量が 3, 000〜50, 000である前記(12) 記載の徐放性製剤;
(16) 注射用である前記 (1) 記載の徐放性製剤;
(17) 多価金属が亜鉛である前記 (1) 記載の徐放性製剤;
(18) 多価金属化合物が酸化亜鉛である前記 (17) 記載の徐放性製剤;
(19) さらに多価金属を含有してなる前記 (1) 記載の徐放性製剤;
(20) 多価金属が亜鉛である前記 (19) 記載の徐放性製剤;
(21) 水に難溶性の生理活性化合物、 水に難溶性の多価金属化合物を水処理し て得られる成分および生体内分解性ポリマ一を含有する液から水および溶媒を除 去することを特徴とする前記 (1) 記載の徐放性製剤の製造法;
(22) 生理活性化合物がアンギオテンシン II拮抗作用を有する化合物、 そのプ 口ドラッグまたはそれらの塩である前記 (21) 記載の徐放性製剤の製造法;
(23) 水に難溶性の生理活性化合物、 水に難溶性の多価金属化合物を水処理し て得られる成分、 生体内分解性ポリマーおよび多価金属を含有する液から水およ び溶媒を除去することを特徴とする前記 (19) 記載の徐放性製剤の製造法; (24) 生理活性化合物がアンギオテンシン II拮抗作用を有する化合物、 そのプ 口ドラッグまたはそれらの塩である前記 (23) 記載の徐放性製剤の製造法; (25) 前記 (1) 記載の徐放性製剤を含有してなる医薬組成物;
(26) 循環器系疾患の予防 ·治療剤である前記 (25) 記載の組成物;
(27) 高血圧症の予防 ·治療剤である fii記 (25) 記載の組成物;
(28) 血圧日内変動異常の予防 ·治療剤である前記 (25) 記載の組成物; (29) 臓器障害の予防 ·治療剤である前記 (25) 記載の組成物;
(30) 水に難溶性の多価金属化合物を水処理して得られる成分が、 水に難溶性 の多価金属化合物と水を混合して得られる成分である前記 (1) 記載の徐放性製 剤;
(31) 水に難溶性の生理活性化合物、 水に難溶性の多価金属化合物および水を 生体内分解性ポリマ一の有機溶媒溶液と混合して得られるエマルションから水お よび溶媒を除去することを特徴とする水に難溶性の生理活性化合物の徐放性製剤 の製造法;
(32) 水に難溶性の多価金属化合物および水を生体内分解性ポリマーの有機溶 媒溶液と混合して得られるエマルションに、 水に難溶性の生理活性化合物を分散
させ、 水および溶媒を除去することを特徴とする水に難溶性の生理活性化合物の 徐放性製剤の製造法; '
(33) 前記 (3 1) 記載の製造法により得られる徐放性製剤; .
(34) 混合する水が水に難溶性の生理活性化合物の放出制御剤となる前記 (3 3) 記載の徐放性製剤;
(35) 前記 (32) 記載の製造法により得られる徐放性製剤;
(36) 混合する水が水に難溶性の生理活性化合物の放出制御剤となる前記 (3 5) 記載の徐放性製剤;
(37) 水に難溶性の多価金属化合物を水処理して得られる成分の存在下に、 水 に難溶性の生理活性化合物および生体内分解性ポリマ一を含有する液から水およ び溶媒を除去することを特徴とする、 永に難溶性の生理活性化合物の徐放性製剤 からの放出速度を制御する方法;
(38) 処理する水の量を調節 (増減など) することを特徴とする前記 (37) 記載の方法;
(39) 水の存在下に、 水に難溶性の生理活性化合物および水に難溶性の多価金 属化合物を生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液と混合して得られるエマルショ ンから水および溶媒を除去することを特徴とする前記 (37) 記載の方法; ' (40) 水の存在下に、 水に難溶性の多価金属化合物を生体内分解性ポリマーの 有機溶媒溶液と混合して得られるエマルションに、 水に難溶性の生理活性化合物 を分散させ、水および溶媒を除去することを特徴とする前記(37)記載の方法; (41) 内相に、 水に難溶性の生理活性化合物、 水に難溶性の多価金属化合物お よび水を含有し、 外相に、 生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液を含有してなる エマルシヨン;等に関する。
本願明細書において、 「水に難溶性」 とは、 20 ± 5 で 5分ごとに強く 30 秒間振り混ぜるとき、 30分以内に 1 gの溶質を溶かすのに必要な水あるいは生 理食塩水の量が 100m l以上、 好ましくは 1000ml以上、 さらに好ましく は 10000m 1以上であることを意味する。
本発明における生理活性化合物とは、 哺乳動物 (例、 ヒト、 牛、 豚、 犬、 ネコ、 マウス、 ラット、 ゥサギ等) の病態 ·疾病の予防 ·治療に有効な生理活性化合物
で、 水に難溶性の多価金属化合物を水処理して得られる成分と相互作用して徐放 化あるいは安定化されるものであれば特に限定されず、 ペプチド性でも非べプチ ド性でもよいが、 非ペプチド性のものが好ましく、 なかでも、 分子量が約 200 〜 3000である生理活性化合物が好ましく、 とりわけ、 分子量が約 300〜 2 000である生理活性化合物が好ましい。
本発明で用いられる 「水に難溶性の生理活性化合物」 の好適な例としては、 ァ ンギオテンシン II拮抗作用を有する化合物 (アンギオテンシン II受容体拮抗作用 を有する化合物) 、 そのプロドラッグまたはそれらの塩などが挙げられる。 本発明におけるアンギオテンシン II拮抗作用とは、 細胞膜上のアンギオテンシ ン II受容体へのアンギオテンシン IIの結合を競合的、 または非競合的に阻害し、 ァンギオテンシン IIにより誘導される強い血管収縮作用や血管平滑筋増殖作用を 減弱し、 高血圧の症状を緩和させる作用のことを言う。
本発明で用いられるアンギオテンシン II拮抗作用を有する化合物はペプチド性 でも非ペプチド性でもよいが、 作用時間が長い利点がある、 非ペプチド性の拮抗 作用を有する化合物が好ましい。 アンギオテンシン II拮抗作用を有する化合物と しては、 分子内に酸素原子を有する化合物が好ましく、 なかでもエーテル結合ま たは力ルポニル基 (該カルポニル基は、 共鳴して水酸基を形成していてもよい) を有する化合物であることが好ましく、 エーテル結合を有する化合物またはケト ン誘導体がさらに好ましく、 とりわけエーテル誘導体が好ましい。
非ペプチド性のアンギオテンシン II拮抗作用を有する化合物としては特に限定 ' されないが、 イミダゾール誘導体が特開昭 56 - 71073号公報、 特開昭 56 - 71074号公報、 特開昭 57 - 98270号公報、 特開昭 58 - 15776 8号公報、 USP 4, 355, 040および USP4, 340, 598等に開示 され、 また EP— 253310、 EP— 291969、 EP— 324377、 E P— 403158、 WO— 9100277、 特開昭 63— 23868号公報およ び特開平 1一 117876号公報等には改良されたイミダゾール誘導体が開示さ れ、 また、 USP 5, 183, 899、 EP— 323841、 EP— 40933 2および特開平 1—287071号公報等にはピロ一ル、 ピラゾールおよびトリ ァゾール誘導体が開示され、 また、 USP4, 880, 804、 EP- 0392
317、 EP-0399732, EP - 0400835、 EP— 425921、 EP— 459136および特開平 3— 63264号公報等にはべンズィミダゾー ル誘導体が開示され、 EP— 399731等にはァザィンデン誘導体が開示され、 EP— 407342等にはピリミドン誘導体が開示され、 EP— 411766等 にはキナゾリン誘導体が開示され、 EP— 430300等にはキサンチン誘導体 が開示され、 EP— 434038等には縮合ィミダゾール誘導体が開示され、 E P-442473等にはピリミジンジオン誘導体が開示され、 EP— 44356 8等にはチエノピリドン誘導体が開示され、 さらに、 EP— 445811、 EP 一 483683、 — 518033、 EP— 520423、 EP 58829 9、 EP- 603712等には複素環化合物が開示されている。 また、 ジャーナ ル ォブ メディシナル ケミストリ一 (Journal of Medicinal Chemistry, 3 9巻、 3号、 625— 656頁、 1996年) には、 これらのうちの代表的な化 合物が記載されている。 非ペプチド性のアンギオテンシン II拮抗作用を有する化 合物としては、 上述した公知文献に記載の化合物の他、 アンギオテンシン II拮抗 作用を有する非ペプチド性化合物であれば、 何れを用いてよく、 なかでも、 ロサ ルタン (Losartan (DuP753)) 、 ェプロサルタン (Eprosartan (SK&F108566)) 、 カンデサルタン シレキセチル (Candesartan cilexetil (TCV-116)) 、 パルサ ルタン (Valsartan (CGP-48933)) 、 テルミサルタン (Telmisartan (BIBR277)) 、 ィルベサルタン(Irbesartan (SR47436))、タソサルタン(Tasosartan (ANA— 756))、 オルメサルタンおよびこれらの代謝活性物質 (カンデサルタンなど) 等が好まし く用いられる。
また、 アンギオテンシン II拮抗作用を有する非ペプチド性化合物としては、 例 えば、 式 (I)
(式 N中 /、 R
1は陰イオンを形成しうる基またはそれに変じうる基を示し、 Xはフ ェニレン Λ基とフエニル基が直接または原子鎖 2以下のスぺ一サ一を介して結合し ていることを示し、 nは 1または 2の整数を示し、 環 Aはさらに置換基を有して
Z
いてもよいベンゼン環を示し、 R 2は陰イオンを形成しうる基またはそれに変じ うる基を示し、 R3はへテロ原子を介して結合していてもよく、 置換基を有して いてもよい炭化水素残基 (17好 : ましくは、 置換基を有していてもよく、 酸素原子を 介して結合する炭化水素残基) を示す) で表されるベンズイミダゾール誘導体ま たはその塩などが好ましく用いられる。
上記式 (I) 中、 R1としての陰イオンを形成しうる基 (プロトンとして遊離 しうる水素原子を有する基) としては、 例えば、 (1) 力ルポキジル基、 (2) テトラゾリル基、 (3) トリフルォロメタンスルホン酸アミド基 (— NHS02 CF3) 、 (4) リン酸基、 (5) スルホン酸基、 (6) N, S, Oのうちの 1 個または 2個以上を含む 5〜 7員 (好ましくは 5〜 6員) の単環状の置換されて いてもよい複素環残基などが挙げられる。
上記した 「N, S, Oのうちの 1個または 2個以上を含む 5〜7員 (好ましく は 5〜6員) の単環状の置換されていてもよい複素環残基」 としては、 例えば、
: N : N
g N、 w、 ,NH
H
などが挙げられ、 また、 R 1で表される複素環残基と該複素環残基が結合するフ ェニル基との結合は、 上記式中 gがー NH—などを示す場合、 上記に示すような 炭素一炭素結合だけでなく、 複数個存在する窒素原子の 1つを介して結合してい てもよい。 例えば、 R 1が
で示される場合、 具体的にはそれぞれ
Z HN、
または などを示す。 窒素原子を介して結合する他の例としては、
などが挙げられる。
上記式中、 gは一 CH2— , -NH-, ー〇一または— S (O) m—を示し、 >=Ζ, >=Ζ' および >=Ζ, , はそれぞれカルポニル基, チォカルポニル基 または酸化されていてもよい硫黄原子 (例、 S, S (Ο) , s (ο)2など) (好 ましくはカルポニルまたはチォカルボ二ル基、 さらに好ましくはカルボ二ル基) を示し、 mは 0, 1または 2の整数を示す。
R1で表される複素環残基としては、 例えば、 ォキサジァゾロン環、 ォキサジ ァゾロチオン環またはチアジアゾロン環のようなプロトンドナ一としての一 NH 一や一 OH基とプロトンァクセプタ一としてのカルポニル基、 チォカルポニル基 またはスルフィニル基などを同時に有する基などが好ましい。 また、 R1で示さ れる複素環残基は、 環状の置換基が結合して縮合環を形成していてもよいが、 R 1で表される複素環残基としては、 5ないし 6員環さらに 5員環残基が好ましい。
R1で表される複素環残基としては、 式
N— j
H
〔式中、 iは— O—または一 S—を示し、 jは >=0, >=Sまたは >=S (〇) mを示し、 mは前記と同意義を示す〕 で表される基(なかでも、 2, 5—ジヒドロ 一 5—ォキソ _ 1, 2, 4一ォキサジァゾ一ルー 3—ィル、 2, 5—ジヒドロー 5—チォキソ— 1, 2, 4一ォキサジァゾ一ル— 3—ィル、 2, 5—ジヒドロー 5—ォキソ一 1, 2, 4—チアジアゾ一ル一 3—ィル、 とりわけ、 2, 5—ジヒ ドロ _5_ォキソ一 1, 2, 4—ォキサジァゾ一ルー 3—ィル) が好ましい。 また、 上記複素環残基 (R1) は下記に示すように互変異性体が存在する。 例 えば、
:
HN、 -g
において、 Z=0, g = 0の時
- H
のような a' , b' および c' の 3つの互変異性体が存在するが式
で示される複素環残基は上記の a' , b' および c' のすベてを含むものである。
R1としての陰イオンを形成しうる基は、 置換可能な位置において、 置換され ていてもよい低級 (Cx_4) アルキル基またはァシル基 (例、 低級 (C2— 5) アル カノィル, ベンゾィルなど) などで保護されていてもよい。
置換されていてもよい低級 アルキル基としては、 例えば、 (1) ハ ロゲン原子、 ニトロ、 低級 (C J アルキル、 低級 (。 アルコキシなどを 有していてもよいフエニル基 1ないし 3個で置換されていてもよい低級
アルキル基 (例、 メチル, トリフエニルメチル, p—メトキシベンジル, p—二 トロべンジルなど) 、 (2) 低級 (C^— 4) アルコキシ一低級 (C — 4) アルキル 基 (例、 メトキシメチル, エトキシメチルなど) 、 (3) 式一 CH (R4) -0 COR5 〔式中、 R4は (a) 水素、 (b) 炭素数 1一 6の直鎖もしくは分枝状の 低級アルキル基 (例、 メチル、 ェチル、 n—プロピル、 イソプロピル、 n_プチル、 イソブチル、 tーブチル、 n—ペンチル、イソペンチル、ネオペンチルなど)、 (c) 炭素数 2— 6の直鎖もしくは分枝状の低級アルケニル基または (d) 炭素数 3— 8のシクロアルキル基 (例、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シクロへプチル など) を示し、 R5は ) 炭素数 1—6の直鎖もしくは分枝状の低級アルキル 基 (例、 メチル、 ェチル、 n—プロピル、 イソプロピル、 n—プチル、 イソプチル、 sec_ブチル、 tーブチル、 n—ペンチル、イソペンチル、ネオペンチルなど)、 (b) 炭素数 2— 6の直鎖もしくは分枝状の低級アルケニル基、 ( c ) 炭素数 3— 8の シクロアルキル基(例、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シクロへプチルなど) もしくは置換されていてもよいァリール基(例、ハロゲン原子、ニトロ、低級(C x_4) アルキル、 低級 (Cx_4) アルコキシなどを有していてもよいフエニルまた はナフチル基など) で置換された炭素数 1一 3の低級アルキル基 (例、 ベンジル、 p—クロ口ベンジル、 フエネチル、 シクロペンチル メチル、 シクロへキシルメチ ルなど) 、 (d) 炭素数 3— 8のシクロアルキルもしくは置換されていてもよい ァリール基 (例、 ハロゲン原子、 ニトロ、 低級 (C — 4) アルキル、 低級 (Ci一 4) アルコキシなどを有していてもよいフエニルまたはナフチル基など) で置換 された炭素数 2— 3の低級アルケニル基 (例、 シンナミル等のビニル、 プロべ二 ル、 ァリル、 イソプロぺニルなどのアルケニル部を持つものなど) 、 (e) 置換
されていてもよいァリール基(例、 フエニル、 p—トリル、 ナフチル等のハロゲン 原子、 ニトロ、 低級 ( (: アルキル、 低級 ( — 4) アルコキシなどを有して いてもよいフエニルまたはナフチル基など) 、 (f ) 炭素数 1—6の直鎖もしく は分枝状の低級アルコキシ基(例、 メトキシ、 エトキシ、 n—プロボキシ、 イソプ ロポキシ、 n—ブトキシ、 イソブトキシ、 sec—ブトキシ、 t一ブトキシ、 n—ペン チルォキシ、 イソペンチルォキシ、 ネオペンチルォキシなど) 、 ( g ) 炭素数 2 一 8の直鎖もしくは分枝状の低級アルケニロキシ基 (例、 ァリロキシ、 イソブテ 二ロキシなど) 、 (h ) 炭素数 3— 8のシクロアルキルォキシ基 (例、 シクロべ ンチルォキシ、 シクロへキシルォキシ、 シク口へプチルォキシなど) 、 ( i ) 炭 素数 3— 8のシクロアルキル (例、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シクロへ プチルなど) もしくは置換されていてもよいァリール基 (例、 ハロゲン原子、 二 トロ、 低級 (。 アルキル、 低級 (C i ) アルコキシなどを有していてもよ いフエニルまたはナフチル基など) で置換された炭素数 1一 3の低級アルコキシ 基 (例、 ベンジロキシ、 フエネチロキシ、 シクロペンチルメトキシ、 シクロへキ シルメトキシなどのメトキシ、 エトキシ、 n—プロポキシ、イソプロポキシなどの アルコキシ部を持つものなど) 、 (j ) 炭素数 3— 8のシクロアルキル (例、 シ クロペンチル、 シクロへキシル、 シクロへプチルなど) もしくは置換されていて もよぃァリール基 (例、 ハロゲン原子、 ニトロ、 低級 (C^— 4) アルキル、 低級 ( 0 , _ 4 ) アルコキシなどを有していてもよいフエニルまたはナフチル基など) で置換された炭素数 2— 3の低級アルケニロキシ基 (例、 シンナミロキシ等のビ 二口キシ、 プロぺニロキシ、 ァリロキシ、 イソプロぺニロキシなどのアルケニロ キシ部を持つものなど)または(k )置換されていてもよいァリールォキシ基(例、 フエノキシ、 p—ニトロフエノキシ、 ナフトキシ等のハロゲン原子、 ニトロ、 低級 ( C ト 4) アルキル、 低級 ( Cい 4) アルコキシなどを有していてもよいフエノキ シまたはナフトキシ基など) を示す〕 で表される基などが挙げられる。
また、 R 1としての陰イオンを形成しうる基は、 上記した置換されていてもよ い低級 ( アルキル基またはァシル基 (例、 低級 (C 2 - 5) アルカノィル, ベンゾィルなど) などの保護基以外に、 置換可能な位置において、 置換されてい てもよい低級( (^ ) アルキル基(前記した R 1としての陰イオンを形成しうる
基の保護基として例示された 「置換されていてもよい低級 ((^— 4) アルキル基」 と同様なものが挙げられる) 、 ハロゲン原子、 ニトロ、 シァノ、 低級 (C^ アルコキシ、 1ないし 2個の低級 ( ( アルキルで置換されていてもよいアミ ノなどの置換基を有していてもよい。 ,
前記式中、 R1としての陰イオンを形成しうる基 (プロトンとして遊離しうる 水素原子を有する基) に変じうる基は、 生物学的すなわち生理的条件下 (例えば、 生体内酵素などによる酸化、 還元あるいは加水分解などの生体内反応など) で陰 イオンを形成しうる基に変じうる基 (いわゆるプロドラッグ) であってもよく、 また、 シァノ、 N—ヒドロキシカルバムイミドイル基 (一 C (=N-OH) 一 N H2) 、 あるいは置換されていてもよい低級 ( (: アルキル基またはァシル基 でそれぞれ保護された (1) 力ルポキシル基、 (2) テトラゾリル基、 (3) ト リフルォロメタンスルホン酸アミド基 (_NHS02CF3) 、 (4) リン酸基、 (5) スルホン酸基、 (6) N, S, Oのうちの 1個または 2個以上を含む 5〜 7員 (好ましくは 5〜6員) の単環状の置換されていてもよい複素環残基のよう に、 化学的な反応により、 R1で表される陰イオンを形成しうる基に変じうる基 (いわゆる合成中間体) であってもよい。
R1としては、 置換されていてもよい低級 (C^ 4) アルキル (例、 メチル, ト リフエニルメチル, メトキシメチル, エトキシメチル, p—メ卜キシベンジル, p—ニトロべンジルなど) もしくはァシル基 (例、 低級 (C2— 5) アルカノィル, ベンゾィルなど) で保護されていてもよいカルポキシル、 テトラゾリルあるいは 2, 5—ジヒドロ— 5—ォキソ— 1, 2, 4—ォキサジァゾ一ルー 3—ィル (好 ましくは、テトラゾリル)またはシァノ、 N—ヒドロキシカルバムイミドイル(好 ましくはシァノ) が好ましく、 とりわけテトラゾリルが好ましく用いられる。 前記式中、 Xは隣接するフエ二レン基とフエニル基が直接または原子鎖 2以下 のスぺ一サーを介して結合していること (好ましくは直接結合) を示し、 原子鎖 2以下のスぺ一サ一としては、 直鎖部分を構成する原子数が 1または 2である 2 価の鎖であればいずれでもよく、 側鎖を有していてもよい。 具体的には直鎖部分 を構成する原子数が 1または 2である低級 (C^ 4) アルキレン、 —CO—, ― 0—, 一 S—, -NH-, -CO-NH-, —〇_CH2—, 一 S— CH2—, -
CH=CH—などが挙げられる。
前記式中、 riは 1または 2 (好ましくは 1) の整数を示す。
前記式中、 環 Aは置換基 R2以外にさらに置換基を有していてもよいベンゼン 環を示し、 該置換基としては、 例えば、 (1) ハロゲン (例、 F, CI, Brなど) , (2) シァノ, (3) ニトロ, (4) 置換されていてもよい低級 ((:卜 4) アルキ ル, (5) 低級 (( 4) アルコキシ, (6) 置換されていてもよいアミノ基(例、 ァミノ, N—低級 (Ci— 4) アルキルアミノ (例, メチルァミノなど) , N N —ジ低級 (C 4) アルキルアミノ (例, ジメチルァミノなど) , N—ァリール ァミノ (例、 フエニルァミノなど) 、 脂環式ァミノ (例、 モルホリノ、 ピベリジ ノ、 ピペラジノ、 N—フエニルピペラジノなど) など) 、 (7) 式一CO— D' 〔式中、 D' は水酸基またはアルキル部分が水酸基, 低級 ((:ト アルコキシ, 低級 (C2— 6) アルカノィルォキシ (例、 ァセトキシ, ビバロイルォキシなど) 、 低級 (Cト 6) アルコキシカルボ二ルォキシ (例、 メ卜キシカルボニルォキシ, エトキシカルポニルォキシなど) あるいは低級 (C3— 6) シクロ.アルコキシカル ポニルォキシ (例、 シクロへキシルォキシカルボニルォキシなど) で置換されて いてもよい低級 (じ アルコキシを示す〕 で表わされる基, または (8) 置 換されていてもよい低級(じ アルキル (前記した R1としての陰イオンを形 成しうる基の保護基として例示された 「置換されていてもよい低級 (じ ァ ルキル基」 と同様なものが挙げられる) もしくはァシル (例、 低級 (C2_5) ァ ルカノィル、 ベンゾィル等) で保護されていてもよいテトラゾリル、 トリフルォ ロメ夕ンスルホン酸アミド基、 リン酸基あるいはスルホン酸基などが挙げられる。 これらの置換基は、 ベンゼン環上の置換可能な位置に 1 2個同時に置換され ていてもよいが、 置換基 R 2以外に環 Aがさらに有する置換基としては、 置換さ れていてもよい低級 ( ^— 4) アルキル (例、 水酸基、 カルボキシル基, ハロゲ ンなどで置換されていてもよい低級 (じト 4) アルキルなど) , ハロゲンなどが 好ましく、 置換基 R 2以外に環 Aが置換基を有さないことがより好ましい。
前記式中、 R2としての陰イオンを形成しうる基 (プロトンとして遊離しうる 水素原子を有する基) としては、 例えば、 (1) エステル化またはアミド化され ていてもよいカルボキシル基、 (2) テトラゾリル基、 (3) トリフルォロメ夕
ンスルホン酸アミド基 (一 NHS02CF3) 、 (4) リン酸基、 (5) スルホン 酸基などが挙げられ、— これらの基は置換されていてもよい低級アルキル基 (前記 した R 1としての陰イオンを形成しうる基の保護基として例示された 「置換され ていてもよい低級 (0,_4) アルキル基」 と同様なものが挙げられる) もしくは ァシル基 (例、 低級 (C2_5) アルカノィル、 ベンゾィルなど) で保護されてい てもよく、 生物学的すなわち生理的条件下 (例えば、 生体内酵素などによる酸化、 還元あるいは加水分解などの生体内反応など) で、 または化学的に陰イオンを形 成しうる基またはそれに変じうる基であればいずれでもよい。
R 2としてのエステル化またはアミド化されていてもよいカルボキシルとして は、 例えば式一 CO— D 〔式中、 Dは (1) 水酸基、 (2) 置換されていてもよ ぃァミノ (例えば、 ァミノ、 N—低級 ( ^— 4) アルキルァミノ、 N, N—ジ低 級 ( ^— 4) アルキルァミノなど) または (3) 置換されていてもよいアルコキ シ {例、 ( i) アルキル部分が水酸基, 置換されていてもよいアミノ (例、 アミ ノ、 N -低級 — 4) アルキルァミノ、 N, N—ジ低級 一 4) アルキルアミ ノ、 ピペリジノ、 モルホリノなど) , ハロゲン, 低級 (C^) アルコキシ、 低 級 ((^_6) アルキルチオ、 低級 (C3— 8) シクロアルコキシあるいは置換されて いてもよいジォキソレニル (例、 5—メチルー 2—ォキソ一' 1, 3—ジォキソレ ンー 4ーィルなど) で置換されていてもよい低級 (C^-e) アルコキシ基、 また は (i i) 式—〇一 CH (R6) -OCOR7 〔式中、 R6は (a) 水素、 (b) 炭素数 1一 6の直鎖もしくは分枝状の低級アルキル基 (例、 メチル、 ェチル、 n —プロピル、 イソプロピル、 n—ブチル、 イソブチル、 t—ブチル、 n—ペンチル、 イソペンチル、 ネオペンチルなど) 、 (c) 炭素数 2— 6の直鎖もしくは分枝状 の低級アルケニレ基または (d) 炭素数 3— 8のシクロアルキル基 (例、 シクロ ペンチル、 シクロへキシル、 シクロへプチルなど) を示し、 R7は (a) 炭素数 1一 6の直鎖もしくは分枝状の低級アルキル基(例、 メチル、 ェチル、 n—プロピ ル、 イソプロピル、 n—ブチル、 イソブチル、 sec—ブチル、 t一ブチル、 n—ペン チル、 イソペンチル、 ネオペンチルなど) 、 (b) 炭素数 2— 6の直鎖もしくは 分枝状の低級アルケニル基、 (c) 炭素数 3— 8のシクロアルキル基 (例、 シク 口ペンチル、 シクロへキシル、 シクロへプチルなど) もしくは置換されていても
よいァリール基 (例、 ハロゲン原子、 ニトロ、 低級(C — 4) アルキル、 低級(C
! _4) アルコキシなどを有していてもよいフエニルまたはナフチル基など) で置 換された炭素数 1 一 3の低級アルキル基(例、 ベンジル、 p—クロ口ベンジル、 フ エネチル、 シクロペンチルメチル、 シクロへキシルメチルなど) 、 ( d ) 炭素数 3 — 8のシクロアルキルもしくは置換されていてもよいァリール基 (例、 ハロゲ ン原子、 ニトロ、 低級 ((: ) アルキル、 低級 ( ^— 4) アルコキシなどを有し ていてもよいフエニルまたはナフチル基など) で置換された炭素数 2— 3の低級 アルケニル基 (例、 シンナミル等のビニル、 プロべニル、 ァリル、 イソプロべ二 ルなどのアルケニル部を持つものなど) 、 (e ) 置換されていてもよいァリール 基 (例、 フヱニル、 p—トリル、 ナフチル等のハロゲン原子、 ニトロ、 低級 (C i
—4) アルキル、 低級 アルコキシなどを有していてもよいフエニルまた はナフチル基など) 、 (f ) 炭素数 1—6の直鎖もしくは分枝状の低級アルコキ シ基 (例、 メトキシ、 エトキシ、 n—プロボキシ、 イソプロボキシ、 n—ブトキシ、 イソブトキシ、 sec—ブトキシ、 tーブ卜キシ、 n—ペンチルォキシ、 イソペンチル ォキシ、 ネオペンチルォキシなど) 、 (g ) 炭素数 2— 8の直鎖もしくは分枝状 の低級アルケニロキシ基 (例、 ァリロキシ、 イソブテニロキシなど) 、 (h ) 炭 素数 3— 8のシクロアルキルォキシ基 (例、 シクロペンチルォキシ、 シクロへキ シルォキシ、 シク口へプチルォキシなど) 、 ( i ) 炭素数 3 — 8のシクロアルキ ル (例、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シクロへプチルなど) もしくは置換 されていてもよいァリール基 (例、 ハロゲン原子、 ニトロ、 低級 (じ アル キル、 低級 (C ^ 4) アルコキシなどを有していて.もよいフエニルまたはナフチ ル基など) で置換された炭素数 1—3の低級アルコキシ基 (例、 ベンジロキシ、 フエネチロキシ、 シクロペンチルメ卜キシ、 シクロへキシルメトキシなどのメト キシ、 エトキシ、 n_プロボキシ、イソプロポキシなどのアルコキシ部を持つもの など) 、 ( j ) 炭素数 3 _ 8のシクロアルキル (例、 シクロペンチル、 シクロへ キシル、 シクロへプチルなど) もしくは置換されていてもよいァリール基 (例、 ハロゲン原子、 ニトロ、 低級 ((: 4) アルキル、 低級 (C — 4) アルコキシなど を有していてもよいフエニルまたはナフチル基など) で置換された炭素数 2 — 3 の低級アルケニロキシ基 (例、 シンナミロキシ等のビニロキシ、 プロべ二口キシ、
ァリロキシ、 イソプロぺニロキシなどのアルケニロキシ部を持つものなど) また は(k) 置換されていてもよいァリールォキシ基(例、 フエノキシ、 p—ニトロフ エノキシ、 ナフトキシ等のハロゲン原子、 ニトロ、 低級 (C^ 4) アルキル、 低 級 (C^ 4) アルコキシなどを有していてもよいフエノキシまたはナフトキシ基 など) を示す〕 で表される基など } を示す〕 で表される基などが挙げられる。
R2としては、 エステル化されていてもよい力ルポキシルが好ましく、 その具 体例としては、 例えば、 一 C〇〇H及びその塩、 一 COOMe、 一 CO〇Et、 一 COOtBu、 一 COOPr、 ピバロィルォキシメトキシカルポニル、 1 _ (シクロ へキシルォキシカルポ二ルォキシ) エトキシカルボニル、 5—メチルー 2—ォキ ソ— 1, 3—ジォキソレン— 4—ィルメトキシカルボニル、 ァセトキシメトキシ 力ルポニル、プロピオ二口キシメトキシカルポニル、 n—ブチリロキシメトキシカ ルポニル、 イソブチ'リロキシメトキシカルポニル、 1— (エトキシカルポニロキ シ) エトキシカルボニル、 1一 (ァセトキシ) エトキシカルボニル、 1 - (イソ プチリロキシ) エトキシカルポニル、 シクロへキシルカルポニルォキシメトキシ カルボニル、 ベンゾィルォキシメトキシカルボニル、 シンナミ口キシカルポニル、 シクロペンチルカルポ二口キシメトキシカルボニルなどが挙げられ、 生物学的す なわち生理的条件下 (例えば、 生体内酵素による酸化 ·還元あるいは加水分解な どの生体内反応など) で、 または化学的に陰イオン (例、 COO—、 その誘導体 など) を形成しうる基またはそれに変じうる基であればいずれであつてもよく、 力ルポキシル基、 またはそのプロドラッグ体であってもよい。
上記 R 2としては、 式 _C〇— D 〔式中、 Dは (1) 水酸基または (2) アル キル部分が水酸基、 ァミノ、 ハロゲン、 低級 (C2— 6) アルカノィルォキシ (例、 ァセトォキシ, ピバロィルォキシなど) 、 低級 (C3-s) シクロアルカノィルォ キシ、 低級 ( 一 6) アルコキシカルポニルォキシ (例、 メトキシカルボニルォ キシ, エトキシカルボニルォキシなど) 、 低級 (C3_8) シクロアルコキシカル ボニロキシ (例、 シクロへキシルォキシカルポニルォキシなど) 、 低級 (C^ アルコキシまたは低級 (C3_8) シクロアルコキシで置換されていてもよい低級 (0 ,_4) アルコキシを示す〕 で表わされる基が好ましく、 なかでもカルポキシ ルが好ましい。
前記式中、 R3で表される 「ヘテロ原子を介して結合していてもよく、 置換基 を有して炭化水素残基」 における 「炭化水素残基」 としては、 例えば、 (1) ァ ルキル基、 (2) アルケニル基、 (3) アルキニル基、 (4) シクロアルキル基、 (5) ァリール基、 (6) ァラルキル基などが挙げられるが、 なかでもアルキル 基、 アルケニル基およびシクロアルキル基が好ましい。
前記 (1) のアルキル基としては、 炭素数 1〜 8程度の低級アルキル基で直鎖 状、 分枝状のいずれでもよく、 例えばメチル、 ェチル、 プロピル、 イソプ tiピル、 ブチル、 イソプチル、 sec—ブチル、 tーブチル、 ペンチル、 i一ペンチル、 へキ シル、 ヘプチル、 ォクチルなどがあげられる。
前記 (2) のアルケニル基としては、 炭素数 2〜 8程度の低級アルケニル基で 直鎖状、 分枝状 いずれでもよく、 例えばビニル、 プロべニル、 2—ブテニル、 3一ブテニル、 イソブテニル、 2ーォクテニルなどがあげられる。
前記 (3) のアルキニル基としては、 炭素数 2〜 8程度の低級アルキニル基で 直鎖状、 分枝状のいずれでもよく、 例えばェチニル、 2—プロピニル、 2—プチ ニル、 2—ペンチニル、 2ーォクチニルなどがあげられる。
前記 (4) のシクロアルキル基としては、 炭素数 3〜 6程度の低級シクロアル キルがあげられ、 例えばシクロプロピル、 シクロブチル、 シクロペンチル、 シク 口へキシルなどがあげられる。
上記したアルキル基、 アルケニル基、 アルキニル基またはシクロアルキル基は. 水酸基、 置換されていてもよいアミノ基 (例、 ァミノ、 N—低級 (C^ 4) アル キルァミノ, N, N—ジ低級 ((:ト 4) アルキルァミノなど)、ハロゲン、低級 (C !_4) アルコキシ基, 低級((: アルキルチオ基などで置換されていてもよい。 前記 (5) のァラルキル基としては、 例えばベンジル、 フエネチルなどのフエ ニル—低級 (C^— 4) アルキルなどがあげられ、 前記 (6) のァリール基として は、 例えばフエニルなどがあげられる。
上記したァラルキル基またはァリール基は、 そのベンゼン環上の任意の位置に、 例えばハロゲン (例、 F, C 1 , B rなど) 、 ニトロ、 置換されていてもよいァ ミノ基 (例、 ァミノ, N—低級 (C^— 4) アルキルアミノ, N, N—ジ低級 (C, 一 4) アルキルァミノなど) 、 低級 (0,_4) アルコキシ (例、 メトキシ、 ェトキ
シなど) 、 低級 (Cト 4) アルキルチオ (例、 メチルチオ, ェチルチオなど) 、 低級 ((: 4) アルキル (例、 メチル、 ェチルなど) などを有していてもよい。 上記したなかでも、 R3で表される 「ヘテロ原子を介して結合していてもよく、 置換基を有して炭化水素残基」 における 「炭化水素残基」 としては、 置換されて いてもよいアルキルまたはアルケニル基 (例、 水酸基、 アミノ基、 ハロゲンまた は低級(0 4) アルコキシ基で置換されていてもよい低級(C^s) アルキルま たは低級 (C2— 5) アルケニル基など) が好ましく、 とりわけ、 低級((^— 5) ァ ルキル (より好ましくは、 ェチル) が好ましい。
R3で表される 「ヘテロ原子を介して結合していてもよく、 置換基を有して炭 化水素残基」 における 「ヘテロ原子」 としては、 _0—、 — S (O) m— [mは 0ないし 2の整数を示す] 、 — NR' - [R' は水素原子または低級 (じ アルキルを示す] などが挙げられ、 なかでも _〇一が好ましく用いられる。
上記したなかでも、 R3としては、 一 0_、 一 S (O) m— [mは 0ないし 2 の整数を示す] または一 NR' — [R' は水素原子または低級 (C 4) アルキ ルを示す] を介して結合していてもよく、 水酸基、 アミノ基、 ハロゲンおよび低 級 (Ci^) アルコキシ基から選ばれる置換基で置換されていてもよい低級(C^
— 5) アルキルまたは低級 (c2_5) アルケニル基などが好ましく、 とりわけ、 低 級 (Cト 5) アルキルまたは低級 (C 1→) アルコキシ (より好ましくは、 ェトキ シ) が好ましい。
式 (I ) で表されるアンギオテンシン II拮抗作用を有する非ペプチド性化合物 のなかでも、 式 (Γ)
(式中、 R
1は (1) 力ルポキシル基、 (2) テトラゾリル基または (3) 式
〔式中、 iは一 O—または— S—を示し、 |は>=0, >=Sまたは >=S (O) mを示し、 mは前記と同意義を示す〕 で表される基を示し、 環 Aは置換基 R2以外 に置換されていてもよい低級 (C^— 4) アルキル (例、 水酸基、 カルボキシル基, ハロゲンなどで置換されていてもよい低級 (0 4) アルキルなど) またはハロ ゲンで顰換されていてもよいベンゼン環 (好ましくは、 置換基 R 2以外に置換基 を有さないベンゼン環) を示し、 R2は式一 CO— D 〔式中、 Dは (1) 水酸基 または (2) アルキル部分が水酸基、 ァミノ、 ハロゲン、 低級 (C2_6) アル力 ノィルォキシ (例、 ァセトォキシ, ピバロィルォキシなど) 、 低級 (C3一 s) シ クロアルカノィルォキシ、 低級 (Cい 6) アルコキシカルポニルォキシ (例、 メ トキシカルポニルォキシ, エトキシカルポニルォキシなど) 、 低級 (c3_s) シ クロアルコキシ力ルポ二ロキシ (例、 シクロへキシルォキシ力ルポニルォキシな ど) 、 低級 ( アルコキシまたは低級 (C3— 8) シクロアルコキシで置換さ れていてもよい低級 ( ( 4) アルコキシを示す〕 で表わされる基を示し、 R3 は— O—、 — S (0) m— [mは 0ないし 2の整数を示す]または—NR' — [R, は水素原子または低級 ( ^— 4) アルキルを示す] を介して結合していてもよく、 水酸基、 アミノ基、 ハロゲンおよび低級.(C 4) アルコキシ基から選ばれる置 換基で置換されていてもよい低級(C^ 5)アルキルまたは低級(C2_5) ァルケ ニル基 (好ましくは、 低級 (C 5) アルキルまたは低級 ((^_5) アルコキシ; より好ましくは、 エトキシ) を示す。 〕 で表されるベンズイミダゾ一ルー 7—力 ルポン酸誘導体またはその薬理学的に許容されうる塩などが好ましく、 とりわけ、 2—エトキシー 1一 [ [2, 一 (1H—テトラゾールー 5—ィル) ビフエニル— 4一ィル]メチル] ベンズイミダゾ一ル _ 7 _カルポン酸 〔Candesartan〕 、 1 - (シク口へキシルォキシカルボニルォキシ)ェチル 2—エトキシー 1一 [ [2 ' 一 (1H—テ卜ラゾールー 5—ィル) ビフエニル— 4一ィル] メチル] ベンズィ ミダゾ一ルー 7—カルボキシラート 〔Candesartancilexetil〕 、 ビバロイルォキ
シメチル 2—エトキシ一 1一 [ [2' — (1H—テトラゾールー 5—ィル) ビ フエ二ルー 4 _ィル] メチル] ベンズイミダゾ一ルー 7—力ルポキシラート、 2 一エトキシー 1一 [ [2, - (2, 5—ジヒドロ一 5—ォキソ一 1, 2, 4—ォ キサジァゾールー 3—ィル) ビフエ二ルー 4—ィル] メチル] ベンズイミダゾー ルー 7—力ルボン酸またはその塩などが好ましい。
上記したベンズィミダゾール誘導体は、 例えば、 EP— 425921、 EP— 459136、 EP - 553879、 EP— 578125、 EP— 520423、 EP-668272などに記載の公知の方法又はそれに準じた方法などにより合 成することが可能である。 また、 Candesartan cilexetil を用いる場合には、 E P— 459136に記載された安定な C型結晶を用いるのがよい。
本発明で用いられるアンギオテンシン II拮抗作用を有する化合物またはそのプ ロドラッグはそれ自身であっても、 薬理学的に許容される塩であってもよい。 こ のような塩としては、 該アンギオテンシン Π拮抗作用を有する化合物がカルボキ シル基等の酸性基を有する場合、 無機塩基 (例、 ナトリウム、 カリウム等のアル カリ金属、 カルシウム、 マグネシウム等のアルカリ土類金属、 亜鉛、 鉄、 銅等の 遷移金属等) や有機塩基 (例、 トリメチルァミン、 トリェチルァミン、 ピリジン、 ピコリン、 エタノールァミン、 ジエタノールァミン、 トリエタノールァミン、 ジ シクロへキシルァミン、 N, N' —ジベンジルエチレンジァミンなどの有機アミ ン類、 アルギニン、 リジン、 オル二チンなどの塩基性アミノ酸類等) などとの塩 が挙げられる。
アンギオテンシン Π拮抗作用を有する化合物がアミノ基等の塩基性基を有する 場合、 無機酸や有機酸 (例、 塩酸、 硝酸、 硫酸、 燐酸、 炭酸、 重炭酸、 ギ酸、 酢 酸、 プロピオン酸、 トリフルォロ酢酸、 フマール酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイ ン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸等) 、 ァスパラギン酸、 グルタミン酸などの酸性アミノ 酸等との塩が挙げられる。
本発明で用いられるアンギオテンシン II拮抗作用を有する化合物 [以下、 A I I拮抗化合物と称することがある。 ] のプロドラッグは、 生体内における生理条 件下で酵素や胃酸等による反応により A I I拮抗化合物に変換する化合物、 すな
わち酵素的に酸化、 還元、 加水分解等を起こして A I I拮抗化合物に変化する化 合物、 胃酸等により加水分解などを起こして A I I拮抗化合物に変化する化合物 をいう。 A I I拮抗化合物のプロドラッグとしては、 A I I拮抗化合物のァミノ 基がァシル化、 アルキル化、 りん酸化された化合物 (例、 A I I拮抗化合物のァ ミノ基がエイコサノィル化、 ァラニル化、 ペンチルァミノカルボニル化、 (5— メチルー 2—ォキソ _ 1, 3 —ジォキソレン一 4 _ィル) メ卜キシカルボニル化、 テトラヒドロフラニル化、 ピロリジルメチル化、 ビバロイルォキシメチル化、 t e r t—プチル化された化合物など) ; A I I拮抗化合物の水酸基がァシル化、 アルキル化、 りん酸化、 ほう酸化された化合物 (例、 A I I拮抗化合物の水酸基 がァセチル化、 パルミトイル化、 プロパノィル化、 ビバロイル化、 サクシ二ル化、 フマリル化、 ァラニル化、 ジメチルァミノメチルカルボニル化された化合物な ど) ; A I I拮抗化合物の力ルポキシル基がエステル化、 アミド化された化合物 (例、 A I I拮抗化合物) の力ルポキシル基がェチルエステル化、 フエニルエス テル化、 カルポキシメチルエステル化、 ジメチルァミノメチルエステル化、 ピバ ロイルォキシメチルエステル化、 エトキシカルボニルォキシェチルエステル化、 フタリジルエステル化、 (5 —メチル— 2—ォキソ _ 1, 3 —ジォキソレン一 4 一ィル) メチルエステル化、 シクロへキシルォキシ力.ルポニルェチルエステル化、 メチルアミド化された化合物など) ;等が挙げられる。 これらの化合物は自体公 知の方法によって A I I拮抗化合物から製造することができる。
また、 A I I拮抗化合物のプロドラッグは、 広川書店 1 9 9 0年刊 「医薬品の 開発」 第 7巻分子設計 1 6 3頁から 1 9 8頁に記載されているような、 生理的条 件で A I I拮抗化合物に変化するものであってもよい。
また、 A I I拮抗化合物は水和物および非水和物のいずれであってもよい。 本発明における 「水に難溶性の多価金属化合物を水処理して得られる成分」 と は、 水に難溶性の多価金属化合物単独下、 水に難溶性の生理活性化合物または/ および生体内分解性ポリマーの共存下での水処理で生成する成分であり、 処理条 件 ·環境などを変化させることによって、 水に難溶性の生理活性化合物の放出制 御あるいは安定化を容易に達成することが可能である。
7K処理は短時間、 例えば 1時間以内の処理であり、 好ましくは 3 0分以内、 よ
り好ましくは 1 0分以内、 さらに好ましくは 5分以内の処理であり、 3分以内の 処理が特に好ましい。
水の添加量は、 多価金属化合物の量、 生理活性化合物の種類や量、 生体内分解 性ポリマーの種類や量、 生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液の種類や量によつ て異なるが、 例えば、 多価金属化合物の重量に対して、 一般的には 3— 5 0 0 %、· より好ましくは 5— 3 0 0 %、 特に好ましくは 1 0— 1 5 0 %の範囲から選ばれ る。
添加する水は、 生体内 解性ポリマーの有機溶媒に一部溶解しなくてもよく、 ホモジナイザーあるいは超音波等の公知の方法でより微細に分散 ·乳化させるこ とが好ましい。
添加する水には、 必要であれば、 多価金属化合物 (例えば、 酢酸亜鉛等) 、 塩 基性アミノ酸 (例えば、 アルギニン、 ヒスチジン、 リジン等) 、 アルブミン、 ゼ ラチン、 寒天、 デキストリン、 ポリビニルアルコール、 炭酸、 シユウ酸クェン酸、 リン酸、 塩酸等、 水酸化ナトリウム、 クェン酸、 エチレンジァミン四酢酸ナトリ ゥム、 亜硫酸水素ナトリウム、 ポリオール化合物 (例えば、 ポリエチレングリコ ール)、パラォキシ安息香酸エステル類(メチルパラベン、 プロピルパラベン等)、 ベンジルアルコール、 クロロブ夕ノール、 チメロサール等を添加してもよい。 水に難溶性の多価金属化合物を水処理して得られる成分としては、 例えば、 水 に難溶性の多価金属化合物と水を混合して得られる、 水処理した水に難溶性の多 価金属化合物などが挙げられ、 ここで、 水処理した水に難溶性の多価金属化合物 は、 その一部または全部が水に難溶性の多価金属化合物 (未変化体) であっても 良い。 また、 本発明の徐放性製剤の製造工程において、 該水処理した水に難溶性 の多価金属化合物は、 水の共存下に、 生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液との エマルシヨンを形成するのが好ましく、 内相に、 水に難溶性の生理活性化合物、 水に難溶性の多価金属化合物および水を含有し、 外相に、 生体内分解性ポリマ一 の有機溶媒溶液を含有してなるエマルションを経由して、 本発明の徐放性製剤の 製造するのが好ましいが、 水の共存下にエマルションを形成させることにより、 短時間で安定かつ均一な乳化系を調整することが可能である。
本発明に用いられる生体内分解性ポリマーとしては、 例えば、 α—ヒドロキシ
カルボン酸類 (例、 グリコール酸、 乳酸等) 、 ヒドロキシジカルボン酸類 (例、 リンゴ酸等) 、 ヒドロキシトリカルボン酸 (例、 クェン酸等) 等の 1種以上から 合成され、 遊離のカルボキシル基を有する重合体、 共重合体またはこれらの混合 物;ポリ一 α—シァノアクリル酸エステル;ポリアミノ酸 (例、 ポリ— g—ベン ジルー L_グルタミン酸等) ;無水マレイン酸系共重合体 (例、 スチレン一マレ イン酸共重合体等) などが用いられる。
重合の形式は、 ランダム、 ブロック、 グラフトのいずれでもよい。 また、 上記 ひ—ヒドロキシ酸類、 ヒドロキシジカルボン酸類、 ヒドロキシトリカルボン酸類 が分子内に光学活性中心を有する場合、 D—、 L―、 DL—体のいずれも用いる ことができる。 これらの中でも、 ひーヒドロキシカルボン酸重合体 (好ましくは 乳酸—グリコ一ル酸重合体) 、 そのエステル体、 ポリ一 α—シァノアクリル酸ェ ステルなどが好ましい。 さらに好ましくは、 乳酸ーグリコール酸重合体である。 生体内分解性ポリマ一として乳酸一グリコール酸重合体を用いる場合、 その組 成比 (モル%) は 100Ζ0〜40/60が好ましく、 100Ζ0〜50Ζ50 が特に好ましい。 ' 上記の乳酸ーグリコール酸重合体の重量平均分子量は、 通常、 約 3; 000〜 約 50, 000、 好ましくは約 4, 000〜約, 40, 000、 さらに好ましくは 約 5, 000〜約 30, 000である。 また、 分散度 (重量平均分子量 Ζ数平均 分子量) は、 通常約 1. 2〜約 4. 0が好ましく、 さらに約 1. 5〜3. 5が好 ましい。
本明細書における重量平均分子量、 数平均分子量および分散度とは、 重量平均 分子量が 1, 110, 000、 707, 000、 354, 000、 189, 00 0、 156, 000、 98, 900、 66, 437, 37, 200、 17, 10 0、 9, 830、 5, 870、 2, 500、 1, 303、 500の 14種類のポ リスチレンを基準物質としてゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー(GPC) で測定したポリスチレン換算の分子量および算出した分散度をいう。 測定には、 GPCカラム KF 804LX 2 (昭和電工製) を使用し、 移動相としてクロロホ ルムを用いた。 また、 生体内分解性ポリマーをアセトン一メタノール混合溶媒に 溶解し、 フエノールフタレインを指示薬としてこの溶液をアルコール性水酸化力
リウム溶液で力ルポキシル基を滴定して末端基定量による数平均分子量を算出し た。 以下これを末端基定量による数平均分子量と表記する。 末端基定量による数 平均分子量が絶対値であるのに対して G P C測定による数平均分子量は、 分析ま たは解析条件 (例えば、 移動相の種類、 カラムの種類、 基準物質、 スライス幅の 選択、 ベースラインの選択等) によって変動する相対値であるため、 一義的な数 値化は困難であるが、 例えば、 乳酸とグリコール酸から無触媒脱水重縮合法で合 成され、 末端に遊離の力ルポキシル基を有する重合体では、 G P C測定による数 平均分子量と末端基定量による数平均分子量とがほぼ一致する。 この乳酸一ダリ コール酸重合体の場合にほぼ一致するとは、 末端基定量による数平均分子量が G P C測定による数平均分子量の約 0 . 2〜約 1 . 5倍の範囲内であることをいい、 好ましくは約 0 . 3〜約 1 . 2倍の範囲内であることをいう。
乳酸ーグリコール酸重合体は、 例えば、 乳酸とグリコール酸からの無触媒脱水 重縮合 (特開昭 6 1— 2 8 5 2 1号) あるいはラクタイドとグリコライド等の環 状体からの触媒を用いた開環重合 (Encycl opedic Handbook of Biomater i al s and Bioengineer ing PartA: Materi als, Volume 2 , Marcel Dekker, Inc. , 1 9 9 5 年) で製造できる。
開環重合で合成される重合体は力ルポキシル基を有さない重合体であるが、 該 重合体を化学的に処理して末端を遊離のカルボキシル基にした重合体 (ジャーナ ル ォブ コントロールド リリーズ (L Control led Release) 、 4 1巻、 2 4 9— 2 5 7頁、 1 9 9 6年) を用いることもできる。
上記の末端に遊離の力ルポキシル基を有する乳酸—グリコール酸重合体は公知 の製造法 (例えば、 無触媒脱水重縮合法、 特開昭 6 1 - 2 8 5 2 1号公報参照) で問題なく製造でき、 さらには末端に特定されない遊離のカルボキシル基を有す る重合体は公知の製造法 (例えば、 W0 9 4 Z 1 5 5 8 7号公報参照) で製造で ' きる。
また、 開環重合後の化学的処理によって末端を遊離の力ルポキシル基にした乳 酸—グリコール酸重合体は、 例えばべ一リンガー インゲルハイム (Boehr inger Ingelheim KG) から市販されているものを用いてもよい。 これらの生体内分解性 ポリマーは単独で使用しても、 2種類以上を混合して使用してもよい。
本発明で用いられる多価金属としては、 生体に悪影響を及ぼさない化合物であ れば特に限定されず、 金属種としては例えば 2価 (例、 鉄、 亜鉛、 銅、 カルシゥ ム、 マグネシウム、 アルミニウム、 スズ、 マンガン等) 、 3価 (例、 鉄、 アルミ 二ゥム、 マンガン等) 、 4価 (例、 スズ等) などの多価金属 (好ましくは、 亜鉛 など) が用いられる。
• 本発明で用いられる 「多価金属化合物」 は、 無機物あるいは有機物等との化合 物または金属酸化物などとして用いてもよく、 金属イオンとして用いてもよいが、 金属酸化物を用いて水処理して得られる成分を適用するのが好ましい。
多価金属の好ましい具体例としては、 例えば鉄、 アルミニウム、 亜鉛、 カルシ ゥム、 マグネシウム等が挙げられる。 多価金属の特に好ましい具体例としては、 亜鉛が挙げられる。
無機物としては、 例えばハロゲン化水素 (例、 塩酸、 臭化水素酸、 ヨウ化水素 酸、 フッ化水素酸等) 、 硫酸、 硝酸、 チォシアン酸等の無機酸等が用いられる。 有機物としては、 例えば脂肪族カルボン酸、 芳香族酸などの有機酸、 及びァセ チルアセトン等が用いられる。 脂肪族カルボン酸は、 好ましくは炭素数 1ないし 9の脂肪族カルボン酸 (例、 脂肪族モノカルボン酸、 脂肪族ジカルボン酸、 脂肪 族トリカルボン酸など) 等が用いられる。 脂肪族カルボン酸は、 飽和あるいは不 飽和のいずれであってもよい。
脂肪族モノカルボン酸としては、 例えば炭素数 1ないし 9の飽和脂肪族モノ力 ルボン酸 (例、 炭酸、 酢酸、 プロピオン酸、 酪酸、 吉草酸、 カブロン酸、 ェナン ト酸、 力プリル酸、 ペラルゴン酸、 力プリン酸等) および炭素数 2ないし 9の不 飽和脂肪族モノカルボン酸 (例、 アクリル酸、 プロピオール酸、 メタクリル酸、 クロトン酸、 イソクロトン酸等) などが用いられる。
脂肪族ジカルボン酸としては, 例えば炭素数 2ないし 9の飽和脂肪族ジカルポ ン酸 (例、 マロン酸、 コハク酸、 ダルタル酸、 アジピン酸、 ピメリン酸等) およ び炭素数 2ないし 9の不飽和脂肪族ジカルボン酸 (例、 マレイン酸、 フマル酸、 シトラコン酸、 メサコン酸等) などが用いられる。
脂肪族卜リカルボン酸としては、 例えば炭素数 2ないし 9の飽和脂肪族トリ力 ルボン酸 (例、 トリ力ルバリル酸、 1, 2, 3-ブタントリカルボン酸等) などが用い
られる。
前記の脂肪族カルボン酸は、 水酸基を 1ないし 2個有していてもよく、 このよ うな例としては、 例えばグリコ一ル酸、 乳酸、 グリセリン酸、 タルトロン酸、 リ ンゴ酸、 酒石酸、 クェン酸等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸は、 好ましくは脂肪族モノカルボン酸である。 さらに好まし くは炭素数 2ないし 9の脂肪族モノ力ルポン酸である。 脂肪族力ルポン酸の特に 好ましい具体例としては酢酸が挙げられる。
芳香族酸としては、 例えば安息香酸、 サリチル酸、 フエノールスルホン酸など が用いられる。
金属化合物の真体例としては、
鉄と無機酸との塩 〔例、 ハロゲン化鉄 (例、 塩化鉄、 臭化鉄、 ヨウ化鉄、 フッ 化鉄等) 、 硫酸鉄、 硝酸鉄、 チォシアン酸鉄等〕 、 鉄と有機酸との塩 〔例、 脂肪 族カルボン酸鉄塩(例、 炭酸鉄、 酢酸鉄、 グリコール酸鉄、乳酸鉄、酒石酸鉄等) 、 芳香族鉄塩 (例、 安息香酸鉄、 サリチル酸鉄、 フエノールスルホン酸鉄等) 〕 、 鉄ァセチルァセトナー卜など、
亜鉛と無機酸との塩 〔例、 ハロゲン化亜鉛 (例、 塩化亜鉛、 臭化亜鉛、 ヨウ化 亜鉛、 フッ化亜鉛等) 、 硫酸亜鉛、 硝酸亜鉛、 チォシアン酸亜鉛等〕 、 亜鉛と有 機酸との塩 〔例、 脂肪族カルボン酸亜鉛塩 (例、 炭酸亜鉛、 酢酸亜鉛、 グリコー ル酸亜鉛、 乳酸亜鉛、 酒石酸亜鉛等) 、 芳香族亜鉛塩 (例、 安息香酸亜鉛、 サリ チル酸亜鉛、 フエノールスルホン酸亜鉛等) 〕 、 亜鉛ァセチルァセトナ一トなど、 カルシウムと無機酸との塩 〔例、 ハロゲン化カルシウム (例、 塩化カルシウム、 臭化カルシウム、 ヨウ化カルシウム、 フッ化カルシウム等) 、 硫酸カルシウム、 硝酸カルシウム、 チォシアン酸カルシウム等〕 、 カルシウムと有機酸との塩 〔例、 脂肪族カルボン酸カルシウム塩 (例、 炭酸カルシウム、 酢酸カルシウム、 プロピ オン酸カルシウム、 シユウ酸カルシウム、 酒石酸カルシウム、 乳酸カルシウム、 クェン酸カルシウム、 ダルコン酸カルシウム等) 、 芳香族カルシウム塩 (例、 安 息香酸カルシウム、 サリチル酸カルシウム等) 〕 、 カルシウムァセチルァセトナ 一卜など、
マグネシウムと無機酸との塩 〔例、 ハロゲン化マグネシウム (例、 塩化マグネ
シゥム、 臭化マグネシウム、 ヨウ化マグネシウム、 フッ化マグネシウム等) 、 硫 酸マグネシウム、 硝酸マグネシウム、 チォシアン酸マグネシウム等〕 、 マグネシ ゥムと有機酸との塩 〔例、 脂肪族カルボン酸マグネシウム塩 (例、 炭酸マグネシ ゥム、 酢酸マグネシウム、 プロピオン酸マグネシウム、 シユウ酸マグネシウム、 酒石酸マグネシウム、 乳酸マグネシウム、 クェン酸マグネシウム、 ダルコン酸マ グネシゥム等) 、 芳香族マグネシウム塩 (例、 安息香酸マグネシウム、 サリチル 酸マグネシウム等) 〕 、 マグネシウムァセチルァセトナートなど、 及び
金属酸化物 (例、 酸化亜鉛、 酸化鉄、 酸化カルシウム、 酸化マグネシウム、 酸 化アルミニウム、 酸化銅、 酸化マンガン等) が挙げられる。
多俩金属化合物は、 好ましくは酸化亜鉛、 塩化鉄、 鉄ァセチルァセトナー卜、 酢酸亜鉛、 亜鉛ァセチルァセトナー卜、 酢酸カルシウム、 カルシウムァセチルァ セトナ一ト、 酢酸マグネシウム、 マグネシウムァセチルァセトナート等が用いら れ、 より好ましくは酸化亜鉛が用いられる。
本発明の 「水に難溶性の多価金属化合物を水処理して得られる成分」 において、 原料として用いられた多価金属と同一または異なった多価金属 (水で未処理の多 価金属化合物) が、 本発明の徐放性製剤中に存在していてもよく、 かかる多価金 属は、 多価金属化合物 (無機物あるいは有機物等との化合物または金属酸化物な ど) として存在していてもよく、 金属イオンとして存在していてもよく、 生理活 性化合物、 そのプロドラッグまたはそれらの塩および生体内分解性ポリマーの何 れか一方あるいは両方とそれぞれ複合体を形成していてもよい。
本願発明においては、 含有してもよい多価金属の一部を亜鉛あるいは異種の金 属塩にした生体内分解性ポリマーとして用いてもよい。 この生体内分解性ポリマ 一の金属塩は、 例えば特開平 0 9— 2 2 1 4 2 0号公報記載の方法あるいは準じ た方法で製造することができる。
本発明の徐放性製剤の好ましい製造法としては、 水に難溶性の生理活性化合物、 水に難溶性の多価金属化合物を水処理して得られる成分および生体内分解性ポリ マーを含有する液から水および溶媒を除去する方法などが挙げられる。 生理活性 化合物および生体内分解性ポリマーの何れか一方あるいは両方と多価金属との複 合体を原料として用いることによって当該液に 「水に難溶性の多価金属化合物を
水処理して得られる成分」 に由来する多価金属以外の多価金属を含有させてもよ く、 「水に難溶性の多価金属化合物を水処理して得られる成分」 の調製時におけ る多価金属化合物の水処理の際に、 水に添加することによって当該液に 「水に難 溶性の多価金属化合物を水処理して得られる成分」 に由来する多価金属以外の多 価金属を含有させてもよい。 「水に難溶性の多価金属化合物を水処理して得られ る成分」 に由来する多価金属以外の多価金属の一部または全部は、 当該液におい て、 生理活性化合物および生体内分解性ポリマーの何れか一方あるいは両方と複 合体を形成してもよい。
本発明の徐放性製剤における生理活性化合物および 「水に難溶性の多価金属化 合物を水処理して得られる成分」 の配合量は、 生理活性化合物の種類、 所望の薬 理効果および効果の持続期間などによって異なるが、 生理活性化合物、 水に難溶 性の多価金属化合物を水処理して得られる成分」 および生体内分解性ポリマーを 出発原料とする場合、 この三者の和に対して生理活性化合物は、 通常約 1〜約 5 0重量%、 より好ましくは約 1 5〜4 5重量%、 特に好ましくは約 2 0〜4 0重 量%で、 他方、 「水処理する水に難溶性の多価金属化合物」 は、 通常約 0 . 5〜 約 2 0重量%、 より好ましくは約 1〜約 1 5重量%、 特に好ましくは約 2〜約 1 0重量%である。
本発明の徐放性製剤の形態は特に限定されないが、 非経口投与製剤が好ましく、 経皮投与剤、 経粘膜剤、 埋め込み剤、 マイクロカプセル注射剤などが考えられる が、 徐放期間が長く、 また、 患者への負担が少ないマイクロカプセルを用いた注 射投与製剤が好ましい。 発明を実施するための最良の形態 ,
本発明の生理活性化合物、 短時間処理で酸化亜鉛から生成する成分および生体 内分解性ポリマーを含有する徐放性製剤、 例えば、 マイクロカプセル (以下マイ クロスフィァと称することもある) の製造法について例示する。
( I ) 水中乾燥法
生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液に、 上記の配合量に示した重量比率にな るように、 水に難溶性の生理活性化合物、 1種または 2種以上の水に難溶性の多
価金属化合物および水を加え、 水、 水に難溶性の生理活性化合物および 「水に難 溶性の多価金属化合物を水処理して得られる成分」 を含んだ生体内分解性ポリマ —の有機溶媒溶液を作る。 このとき、 水に難溶性の生理活性化合物、 1種または 2種以上の水に難溶性の多価金属化合物および水はそれぞれ生体内分解性ポリマ —の有機溶媒溶液に一部溶解せず、 分散していてもよく、 ホモジナイザーあるい は超音波等の公知の方法でより微細に短時間に分散させることが好ましい。
水の添加は、 水に難溶性の多価金属化合物が存在し、 かつ公知の方法で十分に 混合できる条件であれば、 水に難溶性の生理活性化合物および生体内分解性ポリ マーの何れかあるいは両者が共存しない条件下で行つてもよい。
例えば、 まず水に難溶性の多価金属化合物を水と共に生体内分解性ポリマーの 有機溶媒溶液に加えて充分に混合し、 次いで生理活性化合物を添加して再度分散 させるような多段階にわたる生理活性化合物を含んだ生体内分解性ボリマーの有 機溶媒溶液の調製法中の 1プロセスとしてもよい。
該有機溶媒としては、 例えば、 ハロゲン化炭化水素 (例、 ジクロロメタン、 ク ロロホルム、 ジクロロェタン、 トリクロロェタン、 四塩化炭素等) 、 エーテル類 (例、 ェチルエーテル、 イソプロピルエーテル等) 、 脂肪酸エステル (例、 酢酸ェ チル、 酢酸ブチル等) 、 芳香族炭化水素 (例、 ベンゼン、 トルエン、 キシレン等) 、 アルコール類 (例えば、 エタノール、 メタノール等) 、 ァセトニトリルなどが用 いられる。 これらは適宜の割合で混合して用いてもよい。 なかでも、 ハロゲン化 炭化水素としてはジクロロメタンが、 アルコールとしてはエタノール、 メタノー ルが好適である。 これらは適宜の割合で混合して用いてもよい。
上記の有機溶媒溶液には添加剤を加えてもよい。 該添加剤としては、 例えば、 薬物の安定性、 溶解性を保っための可溶化剤として、 炭酸、 シユウ酸、 クェン酸、 リン酸、 塩酸等、 水酸化ナトリウム、 アルギニン、 リジンおよびそれらの塩等を 添加してもよい。 また、 さらに薬物の安定化剤として、 アルブミン、 ゼラチン、 クェン酸、 エチレンジァミン四酢酸ナトリウム、 デキストリン、 亜硫酸水素ナト リウム、 ポリエチレングリコール等のポリオ一ル化合物等を、 あるいは保存剤と して、 一般に用いられるパラォキシ安息香酸エステル類 (例、 メチルパラベン、 プロピルパラベン等) 、 ベンジルアルコール、 クロロブ夕ノール、 チメロサール
等を添加してもよい。
生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液中の濃度は、 生体内分解性ポ.リマーの分 子量、 有機溶媒の種類によって異なるが、 例えば、 ジクロロメタンを有機溶媒と して用いた場合、 一般的には約 0 . 5〜約 7 0重量%、 より好ましくは約 1〜約 6 0重量%、 特に好ましくは約 2〜約 5 0重量%から選ばれる。
また、 ジクロロメタンとの混合有機溶媒としてエタノ一ルぁるいはメ夕ノール を用いた場合、 混合有機溶媒中のジクロロメタンの比率は, 一般的には約 1 0〜 約 9 9体積%、 より好ましくは約 2 0〜約 9 8体積%、 特に好ましくは約 3 0〜 約 9 5体積%から選ばれる。
次いで、 得られた水、 水に難溶性の生理活性化合物および 「水に難溶性の多価 金属化合物を水処理して得られる成分」 を含んだ生体内分解性ポリマーの有機溶 媒溶液を水相中に加え、 O (油相) ZW (水相) エマルシヨンを形成させた後、 油相中の水および溶媒を蒸発させ、 マイクロカプセルを調製する。 この際の水相 体積は、 一般的には油相体積の約 1倍〜約 1 0 , 0 0 0倍、 より好ましくは約 5 倍〜約 5 , 0 0 0倍、 特に好ましくは約 1 0倍〜約 2, 0 0 0倍から選ばれる。 上記の外水相中には乳化剤を加えてもよい。 該乳化剤は、 一般に安定な o/w エマルシヨンを形成できるものであればいずれでもよい。 具体的には、 例えば、 ァニオン性界面活性剤 (ォレイン酸ナトリウム、 ステアリン酸ナトリウム、 ラウ リル硫酸ナトリウムなど) 、 非イオン性界面活性剤 (ポリオキシエチレンソルビ タン脂肪酸エステル 〔ツイーン(Tween) 80、 ツイ一ン(Tween) 60、 アトラスパウダ —社〕 、 ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体 CHCO-60, HCO-50, 日光ケミカルズ〕 など) 、 ポリビニルピロリドン、 ボリビニルアルコール、 カルポキシメチルセル ロース、 レシチン、 ゼラチン、 ヒアルロン酸などが用いられる。 これらの中の 1 種類か、 または 2種類以上を組み合わせて使用してもよい。 使用の際の濃度は、 好ましくは約 0 . 0 1〜: L 0重量%の範囲で、 さらに好ましくは約 0 . 0 5〜約 5重量%の範囲で用いられる。
上記の外水相中には浸透圧調節剤を加えてもよい。 該浸透圧調節剤としては、 水溶液とした場合に浸透圧を示すものであればよい。
該浸透圧調節剤としては、 例えば、 多価アルコール類、 一価アルコール類、 単
糖類、 二糖類、 オリゴ糖およびアミノ酸類またはそれらの誘導体等が挙げられる。 上記の多価アルコール類としては、 例えば、 グリセリン等の二価アルコール類、 ァラビトール, キシリトール, アド二トール等の五価アルコール類、 マンニトー ル, ソルビトール, ズルシトール等の六価アルコール類などが用いられる。 なか でも、 六価アルコール類が好ましく、 特にマンニトールが好適である。
上記の一価アルコール類としては、 例えば、 メタノール、 エタノール、 イソプ 口ピルアルコールなどが挙げられ、 このうちメタノールが好ましい。
上記の単糖類としては、 例えば、 ァラビノース, キシロース, リポース, 2— デォキシリポース等の五炭糖類、 ブドウ糖, 果糖, ガラクト一ス, マンオース, ソルポース, ラムノース, フコース等の六炭糖類が用いられ、 このうち六炭糖類 が好ましい。
上記のオリゴ糖としては、 例えば、 マルトトリオース, ラフイノ一ス糖等の三 糖類、 スタキオース等の四糖類などが用いられ、 このうち三糖類が好ましい。 上記の単糖類、 二糖類およびオリゴ糖の誘導体としては、 例えば、 ダルコサミ ン、 ガラクトサミン、 グルクロン酸、 ガラクッロン酸などが用いられる。
上記のアミノ酸類としては、 L一体のものであればいずれも用いることができ、 例えば、 グリシン、 ロイシン、 アルギニンなどが挙げられる。 このうち L一アル ギニンが好ましい。 .
これらの浸透圧調節剤は単独で使用しても、 混合して使用してもよい。
これらの浸透圧調節剤は、 外水相の浸透圧が生理食塩水の浸透圧の約 1 / 5 0 〜約 5倍、 好ましくは約 1 / 2 5〜約 3倍となる濃度で用いられる。
水および有機溶媒を除去する方法としては、 自体公知の方法あるいはそれに準 じる方法が用いられる。 例えば、 プロペラ型撹拌機またはマグネチックスターラ 一などで撹拌しながら常圧もしくは徐々に減圧にして水および有機溶媒を蒸発さ せる方法、 ロータリーェヴアポレーターなどを用いて真空度を調節しながら水お よび有機溶媒を蒸発させる方法などが挙げられる。 '
このようにして得られたマイクロ力プセルは遠心分離または濾過して分取した 後、 マイクロカプセルの表面に付着している生理活性化合物、 薬物保持物質、 乳 化剤などを蒸留水で数回繰り返し洗浄し、 再び蒸留水等に分散して凍結乾燥する。
製造工程中、 粒子同士の凝集を防ぐために凝集防止剤を加えてもよい。 該凝集 防止剤としては、例えば、 マンニトール、 ラクトース、 ブドウ糖、 デンプン類(例、 コーンスターチ等) 等の水溶性多糖、 グリシン等のアミノ酸、 フイブリン、 コラ 一ゲンなどのタンパク質等が用いられる。 なかでも、 マンニトールが好適である。 また、 凍結乾燥後、 必要であれば、 減圧下マイクロカプセル同士が融着しない 条件内で加温してマイクロ力プセル中の水分および有機溶媒の除去を行つてもよ い。 好ましくは、 毎分 1 0〜2 0 °Cの昇温速度の条件下で、 示差走査熱量計で求 めた生体内分解性ポリマーの中間点ガラス転移温度よりも若干高い温度で加温す る。 より好ましくは、 生体内分解性ポリマーの中間点ガラス転移温度からこれよ り約 3 0 °C高い温度範囲内で加温する。 とりわけ、 生体内分解性ポリマ一として 乳酸一ダリコール酸重合体を用いる場合には好ましくはその中間点ガラス転移温 度以上中間点ガラス転移温度より 1 o °c高い温度範囲, さらに好ましくは、 中間 点ガラス転移温度以上中間点ガラス転移温度より 5 °C高い温度範囲で加温する。 加温時間はマイクロ力プセルの量などによつて異なるものの、 一般的にはマイ クロカプセル自体が所定の温度に達した後、 約 1 2時間〜約 1 6 8時間、 好まし くは約 2 4時間〜約 1 2 0時間、 特に好ましくは約 4 8時間〜約 9 6時間である。 加温方法は、 マイクロカプセルの集合が均一に加温できる方法であれば特に限 定されない。
該加温乾燥方法としては、 例えば、 恒温槽、 流動槽、 移動槽またはキルン中で 加温乾燥する方法、 マイクロ波で加温乾燥する方法などが用いられる。 このなか で恒温槽中で加温乾燥する方法が好ましい。
また、 マイクロカプセル中の水分および有機溶媒の除去は、 超臨界流体 (C O 2など) 、 加圧気体 (c〇2など) などを用いる方法で行うこともできる。
( I I ) 相分離法
本法によってマイクロカプセルを製造する場合には、 前記 (I ) の水中乾燥法 に記載した水、 水に難溶性の生理活性化合物および 「水に難溶性の多価金属化合 物を水処理して得られる成分」 を含んだ生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液に、 コアセルべ一シヨン剤を撹拌下徐々に加えてマイクロカプセルを析出, 固化させ る。 該コアセルべ一シヨン剤は油相体積の約 0 . 0 1〜1, 0 0 0倍、 好ましく
は約 0 . 0 5〜5 0 0倍、 特に好ましくは約 0 . 1〜2 0 0倍から選ばれる。 コアセルべ一シヨン剤としては、 有機溶媒と混和する高分子系, 鉱物油系また は植物油系の化合物等で生理活性化合物と生体内分解性ポリマー両者を溶解しな いものであれば特に限定はされない。 具体的には、 例えば、 シリコン油, ゴマ油, 大豆油, コーン油, 綿実油, ココナッツ油, アマ二油, 鉱物油, n-へキサン, n- ヘプタンなどが用いられる。 これらは 2種類以上混合して使用してもよい。
このようにして得られたマイクロ力プセルを分取した後、 へプタン等で繰り返 し洗浄して生理活性化合物および生体内分解性ポリマ一以外のコアセルべーショ ン剤等を除去し、 減圧乾燥する。 も.しくは、 前記 (I ) の水中乾燥法で記載と同 様の方法で洗浄を行った後に凍結乾燥、 さらには加温乾燥、 超臨界流体、 加圧気 体などによる脱溶媒を行ってもよい。
( I I I ) 噴霧乾燥法
本法によってマイクロカプセルを製造する場合には、 前記 (I ) の水中乾燥法 に記載した水、 水に難溶性の生理活性化合物および 「水に難溶性の多価金属化合 物を水処理して得られる成分」 を含んだ生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液を ノズルを用いてスプレードライヤー (噴霧乾燥器) の乾燥室内に噴霧し、 極めて 短時間内に微粒化液滴内の水および有機溶媒を揮発させ、 マイク口カプセルを調 製する。 該ノズルとしては、 例えば、 二流体ノズル型, 圧力ノズル型, 回転ディ スク型等がある。 この後、 必要であれば、 前記 (I ) の水中乾燥法で記載と同様 の方法で洗浄を行った後に凍結乾燥、 さらには加温乾燥、 超臨界流体、 加圧気体 などによる脱溶媒を行ってもよい。
上述のマイクロカプセル以外の剤形としてマイクロカプセルの製造法 (I ) の 水中乾燥法に記載した水、 水に難溶性の生理活性化合物および 「水に難溶性の多 価金属化合物を水処理して得られる成分」 を含んだ生体内分解性ポリマーの有機 溶媒溶液を、 例えば、 口一タリーェヴアポレーターなどを用いて真空度を調節し ながら有機溶媒および水を蒸発させて乾固した律、 ジエツトミルなどで粉砕して 微粉末としてもよい。
さらには、 粉碎した微粉末をマイクロカプセルの製造法 (I ) の水中乾燥法で 記載と同様の方法で洗浄を行った後に凍結乾燥、 さらには加温乾燥、 超臨界流体、
加圧気体などによる脱溶媒を行ってもよい。
ここで得られるマイク口カプセルまたは微粉末では、 使用する生体内分解性ポ リマーの分解速度、 「水に難溶性の多価金属化合物を水処理して得られる成分」 や水の添加量、 多価金属化合物の種類や量に対応して薬物放出が制御できる。 本発明の徐放性製剤は、 そのまま、 またはこれらを原料物質として種々の剤形 に製剤化し、 筋肉内、 皮下、 臓器などへの注射剤または埋め込み剤、 鼻腔、 直腸、 子宮などへの経粘膜剤、 吸入剤、 経口剤 (例、 カプセル剤 (例、 硬カプセル剤、 軟カプセル剤等) 、 顆粒剤、 散剤等の固形製剤、 シロップ剤、 乳剤、 懸濁剤等の 液剤等) などとして投与することができる。 また、 針なし注射器によっても投与 することができる。
例えば、 本発明の徐放性製剤を注射剤とするには、 これらを分散剤 (例、 ツイ —ン (Tween) 80, HC0- 60等の界面活性剤、 ヒアルロン酸ナトリウム, カルボキシ メチルセル口一ス, アルギン酸ナトリウム等の多糖類など) 、 保存剤 (例、 メチ ルパラベン、 プロピルパラベンなど) 、 等張化剤 (例、 塩化ナトリウム, マンニ トール, ソルビトール, ブドウ糖, プロリンなど) 等と共に水性懸濁剤とするか、 ゴマ油、 コーン油などの植物油と共に分散して油性懸濁剤として実際に使用でき る徐放性注射剤とすることができる。
本発明の徐放性製剤の粒子径は、 懸濁注射剤として使用する場合には、 その分 散度、 通針性を満足する範囲であればよく、 例えば、 平均粒子径として約 0 . 1 〜3 0 0 zz m、 好ましくは約 0 . 5〜1 5 0 mの範囲、 さらに好ましくは約 1 から 1 0 0 z mの範囲である。
本発明の徐放性製剤を無菌製剤にするには、 製造工程を無菌にする方法、 ガン マ線で滅菌する方法、 およびこれらを組み合わせた方法あるいは防腐剤を添加す る方法等が挙げられるが、 特に限定されない。
本発明の徐放性製剤は、 低毒性であるので、 哺乳動物 (例、 ヒト、 牛、 豚、 犬、 ネコ、 マウス、 ラット、 ゥサギ等) に対して安全な医薬などとして用いることが できる。
本発明の徐放性製剤の投与量は、 主薬である生理活性化合物の種類と含量、 剤 形、 生理活性化合物放出の持続時間、 対象疾病、 対象動物などによって種々異な
るが、 生理活性化合物の有効量であればよい。 主薬である生理活性化合物の 1回 当たりの投与量としては、 例えば、 徐放性製剤が 1か月製剤である場合、 好まし くは、 成人 1人当たり約 0. 0 lmg〜l OmgZk g体重の範囲, さらに好ま しくは約 0. 05mg〜5mgZkg体重の範囲から適宜選ぶことができる。
1回当たりの徐放性製剤の投与量は、 成人 1人当たり好ましくは、 約 0. 05 mg〜5 Omg/k g体重の範囲、 さらに好ましくは約 0. lmg〜30mgZ k g体重の範囲から適宜選ぶことができる。
投与回数は、 数週間に 1回、 1か月に 1回、 または数か月 (例、 3か月、 4か 月、 6か月など) に 1回等、 生理活性化合物の種類と含量、 剤形、 生理活性化合 物の放出の持続時間、 対象疾病、 対象動物などによって適宜選ぶことができる。 また、 本発明の徐放性製剤は、 寝たきり、 痴呆症、 咽喉 ·食道疾患、 消化器疾 患、 摂食 *嚥下障害患者、 手術時などの内服薬での治療が困難または不可能な患 者にも有利に用いることができる。
生理活性化合物がアンギオテンシン II拮抗作用を有する化合物の場合、 これら は安全性が高く、 投与直後に血中濃度が上昇しても、 血圧が下がり過ぎることは ない。 本発明の徐放性製剤は以下の疾患の治療剤として使用することが可能であ り、 一定の血液中濃度を昼夜問わず、 維持することが可能なため、 経口剤で投与 する場合に比較して投与量 ·回数の低減が可能であり、 しかも血中薬物濃度の変 動が少なく、 服用の中断などによる病状の変化が起きないため、 治療効果がより 明確になることが期待される。
安全性に関しては、 通常の使用状況では上記の理由により過降圧等の危険は内 服等に比べ少ないが、 交通事故などの大量の体液喪失を伴う事態の発生などで過 降圧を生じた場合でも、 アンギオテンシン IIのみならず救急医療現場で通常使用 される薬剤 (カテコールアミン製剤など) の静脈内投与により即座に昇圧が可能 であり、 さらには低血圧治療薬の経口投与によっても持続的な昇圧が可能なため、 緊急時の急性対応のみならず長期の対処も可能である。
生理活性化合物としてのアンギオテンシン II拮抗作用を有する化合物の対象と なる疾患としては、 アンギオテンシン II受容体を介して発現する血管の収縮およ び増殖や臓器障害により、 アンギオテンシン IIの存在により、 あるいはアンギオ
テンシン I Iが存在すると誘発される因子により、 発症または発症が促進する疾患 などが挙げられる。
このような疾患としては、 例えば高血圧症、 血圧日内変動異常、 心疾患 (心肥 大、 急性心不全およびうつ血性を含む慢性心不全、 心筋症、 狭心症、 心筋炎 不 整脈、 頻脈、 心筋梗塞など) 、 脳血管障害 (無症候性脳血管障害、 一過性脳虚血 発作、 脳卒中、 脳血管性痴呆、 高血圧性脳症など) 、 脳浮腫、 脳循環障害、 脳血 管障害の再発および後遺症 (神経症候、 精神症候、 自覚症状、 日常生活動作障害 など) 、 虚血性末梢循環障害、 心筋虚血、 静脈機能不全、 心筋梗塞後の心不全進 行、 糖尿病、 糖尿病性合併症 (糖尿病性網膜症、 糖尿病性腎症、 糖尿病性神経障 害など) 、 腎疾患 (腎炎、 糸球体腎炎、 糸球体硬化症、 腎不全、 血栓性微小血管 症、 透析の合併症、 放射線照射による腎症を含む臓器障害など) 、 ァテローム性 を含む動脈硬化症(動脈瘤、冠動脈硬化症、脳動脈硬化症、末梢動脈硬化症など)、 血管肥厚、 インターペンション (経皮的冠動脈形成術、 ステント留置、 冠動脈内 視鏡、 血管内超音波、 冠注血栓溶解療法など) 後の血管肥厚または閉塞および臓 器障害、バイパス手術後の血管再閉塞 ·再狭窄、移植後の赤血球増加症 ·高血圧 · 臓器障害 ·血管肥厚、 移植後の拒絶反応、 眼疾患 (緑内障、 高眼圧症など) 、 血 栓症、 多臓器不全、 内皮機能障害、 .高血圧性耳鳴り、 その他の循環器系疾患 (深 部静脈血栓症、 閉塞性末梢循環障害、 閉塞性動脈硬化症、 閉塞性血栓性血管炎、 虚血性脳循窠障害、 レイノ一病、 バ一ジャー病など) 、 代謝 ·栄養障害 (肥満症、 高脂血症、 高コレステロール血症、 糖尿病、 耐糖能異常、 高尿酸血症、 高力リウ ム血症、 高ナトリウム血症など) 、 神経変性疾患 (アルツハイマー病、 パーキン ソン病、 筋萎縮性側索硬化症、 エイズ脳症など) 、 中枢神経障害 (脳出血および 脳梗塞等の障害およびその後遺症 ·合併症、 頭部外傷、 脊椎損傷、 脳浮腫、 知覚 機能障害、 知覚機能異常、 自律神経機能障害、 自律神経機能異常、 多発性硬化症 など) 、 痴呆症、 記憶障害、 意識障害、 健忘症、 不安症状、 緊張症状、 不快精神 状態、 精神疾患 (うつ病、 てんかん、 アルコール依存症など) 、 炎症性疾患 (網 膜症、 腎症、 神経障害、 大血管障害等の糖尿病性合併症;慢性関節リウマチ、 変 形性関節炎、 リゥマチ様脊髄炎、 骨膜炎等の関節炎;手術 ·外傷後の炎症;腫脹 の緩解;咽頭炎;膀胱炎;肺炎;アトピー性皮膚炎;クローン病、 潰瘍性大腸炎
•等の炎症性腸疾患;髄膜炎;炎症性眼疾患;肺炎、 珪肺、 肺サルコィドーシス、 結核等の炎症性肺疾患など) 、 アレルギー疾患 (アレルギー性鼻炎、 結膜炎、 消化管アレルギ一、 花粉症、 アナフィラキシーなど) 、 慢性閉塞性肺疾患、 間質 性肺炎、 カリニ肺炎、 膠原病 (例、 全身性エリテマトーデス、 強皮症、 多発動脈 ;炎等) 、 肝臓疾患 (慢性を含む肝炎、 肝硬変など) 、 門脈圧亢進症、 消化器疾患 (胃炎、 胃潰瘍、 胃癌、 胃手術後障害、 消化不良、 食道潰瘍、 塍炎、 大腸ポリ一 プ、 胆石症、 痔疾患など) 、 血液 ·造血器疾患 (赤血球増加症、 血管性紫斑病、 自己免疫性溶血性貧血、 播種性血管内凝固症候群、 多発性骨髄症など) 、 骨疾患 (例、 骨折, 再骨折, 骨粗鬆症, 骨軟化症, 骨ベーチェット病, 硬直性脊髄炎, 慢性関節リゥマチ, 変形性膝関節炎およびそれらの類似疾患における関節組織の 破壊など) 、 固形腫瘍、 腫瘍 (悪性黒色腫、 悪性リンパ腫、 消化器 (例、 胃、 腸 など) 癌など) 、 癌およびそれに伴う悪液質、 癌の転移、 内分泌疾患 (アジソン 病、 クッシング症候群、 褐色細胞種、 原発性アルドステロン症など) 、 クロイツ フェルト -ヤコブ病、 泌尿器 ·男性性器疾患 (膀胱炎、 前立腺肥大症、 前立腺癌、 性感染症など) 、 婦人科疾患 (更年期障害、 妊娠中毒、 子宮内膜症、 子宮筋腫、 卵巣疾患、 乳腺疾患、 性感染症など) 、 環境 ·職業性因子による疾患 (放射線障 害、 紫外線 ·赤外線 ·レーザ一光線による障害、 高山病など) 、 呼吸器疾患 (か ぜ症候群、 肺炎、 喘息、 肺高血圧症、 肺血栓 ·肺塞栓など) 、 感染症 (サイトメ ガルウィルス、 インフルエンザウイルス、 ヘルぺスウィルス等のウィルス感染症、 リケッチア感染症、 細菌感染症など) 、 毒血症 (敗血症、 敗血症性ショック、 内 毒素性ショック、 グラム陰性敗血症、 トキシンショック症候群など) 、 耳鼻咽喉 疾患 (メヌエル症候群、 耳鳴り、 味覚障害、 めまい、 平衡障害、 嚥下障害など) 、 皮膚疾患 (ケロイド、 血管腫、 乾癬など) 、 透析低血圧、 重症筋無力症、 慢性疲 労症候群などの全身疾患が挙げられる。
生理活性化合物がアンギオテンシン I I拮抗作用を有する化合物の場合、 長期的 にァンジォテンシン 11の作用を抑制することにより、 成人病や老化などに伴うさ まざまな疾患の原因となる生体機能および生理作用の障害または異常を改善また は亢進を抑制し、 これらに起因する疾患または病態の一次および二次予防または 進展を抑制できる。 このような生体機能および生理作用の障害または異常として
は、 例えば、 脳循環 ·腎循環自動調節能の障害または異常、 循環障害 (末梢、 脳、 微小循環など) 、 脳血液関門の障害、 インスリン感受性の低下、 食塩感受性、 凝 固 ·線溶系異常、 血液 ·血球成分の性状異常 (血小板凝集能亢進、 赤血球変形能 の異常、 白血球粘着能の亢進、 血液粘度の上昇など) 、 増殖因子やサイト力イン (PDGF, VEGF, FGF, イン夕一口一キン、 TNF- a, MCP- 1 など) の産生および作用 亢進、 炎症系細胞の産生および浸潤亢進、 フリーラジカルの産生宂進、 脂肪沈着 促進、 内皮機能障害、 内皮、 細胞および臓器障害、 浮腫、 平滑筋などの細胞の形 態変化 (増殖型などへの形態変化) 、 血管作動性物質や血栓誘発物質 (エンドセ リン、 トロンポキサン Α2 など) の産生および機能亢進、 血管などの異常収縮、 耐糖能異常、 代謝異常 (血清脂質異常、 血糖異常など) 、 細胞などの異常増殖、 血管新生 (粥状動脈硬化巣外膜の異常毛細血管網形成における異常な脈管形成を 含む) などが挙げられ、 なかでも、 種々の疾患に伴う臓器障害 (例、 脳血管障害 およびそれに伴う臓器障害、 循環器疾患に伴う臓器障害、 糖尿病に伴う臓器障害、 イン夕一ベーシヨン後の臓器障害など) の一次および二次予防 ·治療剤として、 有利に用いることができる。
本発明の徐放性製剤において、 生理活性化合物がアンギオテンシン I I拮抗作用 を有する化合物 (特に、 カンデサルタン シレキセチル、 カンデサルタンなど) である場合、 門脈圧亢進症予防 ·治療剤として有利に使用することが可能である。 食道静脈瘤破裂は夜間に多発する (Hepato l ogy 1994 ; 19 : 595-601) ことが知られ ており、 本剤では、 一定の血液中濃度を昼夜問わず維持することが可能なため、 経口剤で投与する場合に比較して、 投与量.'回数の低減が可能であるばかりでな く、 血中薬物濃度の変動が少ないことから安定した門脈圧の低下が期待できる。 以上の本剤の特長は食道や胃の静脈瘤破裂の予防薬としての有用性を示すもので ある。 また、 服用の中断などによる病状の変化が起きないため、 治療効果がより 明確になることも期待される。 さらに、 生理活性化合物としてのアンギオテンシ ン 11拮抗作用を有する化合物 (特に、 カンデサルタン シレキセチル、 カンデサ ルタンなど) は、 H G F (Hepatocyte Growth Fac tor:肝細胞増殖因子) 産生促 進に有効であることが期待され、 肝再生および肝機脳回復への寄与が期待できる。 また、生理活性化合物としてのアンギオテンシン I I拮抗作用を有する化合物 (特
に、 カンデサルタン シレキセチル、 カンデサルタンなど) の血液中濃度を、 昼 夜問わず一定に維持することにより、 脳梗塞等の脳血管障害の予防 ·治療効果が より明確になることも期待される。
生理活性化合物がァンギオテンシン 11拮抗作用を有する化合物の場合、 患者の 治療方法としては、 アンギオテンシン I I拮抗剤の経口投与剤を一定期間投与し、 該患者の反応性を確認してから本発明の徐放性製剤を投与することも考えられる。 経口投与されるアンギオテンシン I I拮 剤と徐放性製剤に含有されるアンギオテ ンシン I I拮抗剤は同じものであっても別なものであってもよい。 また、 アンギオ テンシン I I拮抗剤以外の降圧剤(カルシウム拮抗剤、利尿剤、 ベ一夕遮断薬など) を予め経口投与しておいて、 患者の反応性を確認してから本発明の徐放性製剤を 投与してもよい。 また、 本発明の徐放性製剤と通常アンギオテンシン I I拮抗剤と 併用される利尿降圧剤 (経口剤) を併用してもよい。
また、 その他の脂質低下薬またはコレステロール低下薬、 HM G— C o A還 元酵素 (3-hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme A reductase) 阻害薬、 インシュ リン感受性改善薬、 骨疾患治療薬、 心筋保護薬、 冠動脈疾患治療薬、 他の高血圧 治療薬、 慢性心不全治療薬、 糖尿病治療薬、 肝臓疾患治療薬、 胃 ·十二指腸潰瘍 治療薬治療薬、 胆道疾患治療薬、 甲状腺機能低下治療薬、 ネフローゼ症候群治療 薬、 慢性腎不全治療薬、 婦人科疾患治療薬、 泌尿器 ·男性性器疾患治療薬または 感染症治療薬を含む他の医薬成分と共に使用されてもよく、 この場合、 これらの 化合物は経口製剤として投与されてもよく、 また必要により直腸製剤として坐薬 の形態で投与されてもよい。 この場合の可能な組み合わせ成分は、 例えばフイブ レート類〔例、 クロフイブレート、ベンザフイブレート、 ジェムフィプロジル等〕, ニコチン酸、その誘導体および類縁体〔例、ァシピモックスおよびプロブコール〕, 胆汁酸結合樹脂 〔例、 コレスチラミン、 コレスチポール等〕 , コレステロール吸 収を抑制する化合物 〔例、 シトステロールやネオマイシン等〕 , スクアレンェポ キシダーゼ阻害薬 〔例、 N B— 5 9 8および類縁化合物等〕 が挙げられる。
更に別の可能な組み合わせ成分は、 ォキシドスクアレンーラノステロールサイ クラーゼ、 例えばデカリン誘導体、 ァザデカリン誘導体およびインダン誘導体で ある。
また、 以下の各種治療薬との組み合わせも可能である。
高血圧治療薬:利尿薬 〔例、 フロセミド (ラシックス) , ブメタエド (ルネト ロン) , ァゾセミド (ダイアート) 〕 , 降圧薬 〔例、 ACE阻害薬、 (マレイン 酸ェナラプリル (レニベース) など) 及び Ca拮抗薬 (マニジピン、 アムロジピ ンなど) 、 αまたは 3受容体遮断薬など〕 など
慢性心不全治療薬:強心薬 〔例、 強心配糖体 (ジゴキシンなど) 、 i3受容体刺 激薬 (デノパミンおよびドブ夕ミンなどのカテコラミン製剤) および PDE阻害 薬など〕 , 利尿薬 〔例、 フロセミド (ラシックス) 、 スピロノラクトン (アルダ クトン) など〕 , ACE阻害薬、 〔例、 マレイン酸ェナラプリル (レニべ一ス) など〕 、 Ca拮抗薬 〔例、 アムロジピンなど〕 および jS受容体遮断薬など
抗不整脈薬:ジソピラミド、 リドカイン、 硫酸キニジン、 酢酸フレカイニド、 塩酸メキシレチン、' 塩酸アミオダロン、 および 遮断薬、 Ca拮抗薬など
骨疾患治療薬:カルシウム製剤 (例、 炭酸カルシウム等) 、 カルシトニン製剤、 活性型ビタミン D 3製剤 (例、 アルファカルシドール (アルファロ一ルなど) 、 カルシトリオ一ル (口カルトロール) 等) 、 性ホルモン類 (例、 エストロゲン, エストランジオール等) 、 ホルモン製剤 〔例、 結合型エストロゲン (プレマリン) など〕 、 イブリフラボン製剤 (オステンなど) 、 ビタミン K2、 ビタミン Κ2製剤 〔例、 メナテトレノン (グラゲ一) など〕 、 ビスホスホン酸系製剤 (ェチドロネ 一卜など) 、 プロスタグランジン Ε 2、 フッ素化合物 (例、 フッ化ナトリウム等) 、 骨形成タンパク (BMP) 、 線維芽細胞増殖因子 (FGF) 、 血小板由来増殖因 子 (PDGF) 、 トランスフォーミング成長因子 (TGF— ) 、 インスリン様 成長因子— 1及び 2 (I GF-1, -2) 、 副甲状腺ホルモン (PTH) 、 ョ一 ロッパ出願公開 EP— A1— 376197号公報, EP— A 1— 460488号 公報および EP—A 1— 719782号公報記載の化合物 (例、 (2R.4S) - (-) [4- (diethoxyphosp orylmethyl)phenyl]-l, , 4, 5 - tetrahydro- 4 - methyト 7, 8 - methylenedioxy-5-oxo-3-benzothiepin-2-carboxamide ) など;
糖尿病治療薬:ァクトス、 ロジグリタゾン、 キネダック, ベンフィル, ヒュ一 マリン, オイダルコン, ダリミクロン, ダオニール, ノボリン, モノ夕一ド, ィ ンシユリン類, ダルコバイ, ジメリン, ラスチノン, バシルコン, デァメリン S,
イスジリン類など;
肝臓疾患治療薬:グリチルリチン製剤 〔例、 強力ミノファーゲン等〕 、 肝水解 物、 SH化合物〔例、 ダルタチオン等〕、 特殊アミノ酸製剤〔例、 アミノレバン等〕 、 リン脂質 〔例、 ポリェンホスファチジルコリン等〕 、 ビタミン類 〔例、 ビタミン B1 , B2, B6, B1 2, C等〕、副腎皮質ホルモン〔例、 デキサメタゾン、 ベタメ夕ゾン等〕、 インタ一フエロン 〔例、 インターフェロンひ、 β等〕 、 肝生脳症治療薬 〔例、 ラ クッ口一ス等〕 、 食道、 胃静脈瘤破裂時に用いられる止血剤 〔例、 バソプレツシ ン、 ソマトス夕チン等〕 など;
. 胃 ·十二指腸潰瘍治療薬治療薬:制酸剤 〔例、 ヒスタミン Η 2拮抗薬 (シメチ ジン等) 、 プロトンポンプ阻害薬 (ランソプラゾール等) など〕 ;
胆道疾患治療薬:催胆薬 〔例、 デヒドロコール酸等〕 、 排胆剤 〔例、 硫酸マグ ネシゥム等〕 など;
甲状腺機能低下症治療薬:乾燥甲状腺 (チレオイド) , レポチロキシンナトリ ゥム (チラ一ジン S ) , リオチロニジンナトリウム (サイロニン、 チロ'ミン)等; ネフローゼ症候群治療薬:通常、 第一選択として採用されるステロイド療法に は、 プレドニゾロン (プレドニン) , コハク酸プレドニゾロンナトリウム (プレ ドニン) , コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム (ソル 'メドロール) , ベ タメ夕ゾン(リンデロン)等が用いられる。又抗凝固療法にはジピリダモール(ベ ルサンチン) , 塩酸ジラゼプ (コメリアン) 、 チクロピジン、 クロピドグレル、 F X a阻害剤等の抗血小板薬ならびに抗凝固薬が用いられる;
HM G— C o A還元酵素阻害薬:セリバス夕チン、 アトロバスタチン、 ブラ バス夕チン、 シンバス夕チン、 イタパス夕チン、 口バス夕チン、 フルバス夕チン、 (+ ) - 3 R, 5 S - 7 - [ 4 - ( 4一フルオロフェニル) 一 6—イソプロピル 一 2— (N—メチル一N—メタンスルホニルァミノ) ピリミジン一 5—ィル] ― 3 , 5—ジヒドロキシ一 6 (E) —ヘプテン酸など;
慢性腎不全治療薬:利尿薬 〔例、 フロセミド (ラシックス) , ブメタニド (ル ネトロン) , ァゾセミド (ダイアート) 〕 , 降圧薬 (例、 A C E阻害薬、 (マレ イン酸ェナラプリル (レニべ一ス) ) 及び C a拮抗薬 (マニジピン) 、 α受容体 遮断薬などと組み合わせて、 投与する際、 好ましくは経口投与で使用し得る。
血栓形成予防治療薬:血液凝固阻止薬 〔例、 へパリンナトリウム, へパリン力 ルシゥム, ヮルフアリンカルシウム (ヮ一フアリン) , 血液凝固因子 X a阻害薬 ならびに凝固線溶系のバランス是正機能を有する薬剤〕 , 血栓溶解薬 〔例、 t P A, ゥロキナーゼ〕 , 抗血小板薬 〔例、 アスピリン,-スルフィンピラゾ口 (アン ツーラン) , ジピリダモール (ペルサンチン) , チクロピジン (パナルジン) , シロス夕ゾール (プレタール) , G P I Ib/I I Ia拮抗薬 (レオプロ) 〕 など
冠血管拡張薬:二フエジピン, ジルチアゼム, ニコラジル, 哑硝酸剤など 心筋保護薬:心臓 A T P— K用 開口薬、 N a - H交換阻害薬、 エンドセリン拮 抗薬、 ゥロテンシン拮抗薬など
抗炎症薬:アスピリン、 ァセトァミノフェン、 非ステロイド抗炎症剤 〔例、 ィ ンドメタシンなど〕 、 ステロイド剤 〔例、 デキサメタゾンなど〕 など
抗アレルギ一薬:抗ヒスタミン薬 〔例、 マレイン酸クロルフエ二ラミンなど〕 、 刺激療法剤 〔例、 ブシラミンなど〕 、 その他塩酸ァゼラスチン、 セラトロダスト、 トラニラスト、 ォキサトミド、 強力ネオミノファ一ゲンシ一、 トラネキサム酸、 フマル酸ケトチフェンなど
抗腫瘍薬:アルキル化剤、 代謝拮抗剤、 抗腫瘍性抗生物質製剤、 抗腫瘍性植物 成分製剤およびその他の抗腫瘍薬など
中枢神経系作用薬:抗不安薬、 催眠鎮静薬、 麻酔薬、'鎮けい薬、 自律神経薬、 抗パ一キンソン薬およびその他の精神神経用薬など
婦人科疾患治療薬: [例、 更年期障害治療薬 (結合型エストロゲン、 エストラジ オール、 ェナント酸テストステロン '吉草酸エストラジオールなど) 、 乳癌治療 薬 (クェン酸タモキシフ ンなど) 、 子宮内膜症,子宮筋腫治療薬 (酢酸リュー プロレリン、 ダナゾールなど) ]など
泌尿器 ·男性性器疾患治療薬: [例、 前立腺肥大症治療薬 (塩酸夕ムス口シン、 塩酸プラゾシン、 酢酸クロルマジノンなど) 、 前立腺がん (酢酸リュープロレリ ン、 酢酸ゴセレリン、 酢酸クロルマジノンなど) ]など
感染症治療薬: [例、 抗生物質製剤 (塩酸セファチアム、 塩酸セフォゾプラン、 アンピシリンなど) 、化学療法剤(サルファ剤、合成抗菌剤、抗ウィルス剤など)、 生物学的製剤 (ワクチン類、 免疫グロブリンなどの血液製剤類) など〕など
その他に抗肥満薬 (マジンドールなど) 、 抗リュ一マチ薬など
さらには、生体由来の各種因子またはその遺伝子導入による治療(例、 HGF, VEGF 等の血管新生促進因子またはそれらの遺伝子導入による虚血性疾患治療等) など これらの薬剤と本発明の徐放性製剤とを組み合わせて用いる場合、 各薬物を一 つの徐放性製剤に配合してもよいが、 上記の薬剤を薬理学的に許容されうる担体、 賦形剤、 結合剤、 希釈剤などと混合して製剤化し、 本発明の徐放性製剤と別々に あるいは同時に投与することができる。 薬物を別々に製剤化した場合、 別々に製 剤化したものを使用時に希釈剤などを用いて混合して投与することができるが、 別々に製剤化した個々の製剤を、 同時に、 あるいは時間差をおいて別々に、 同一 対象に投与してもよい。 実施例
以下に実施例および実験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、 これ らは本発明を限定するものではない。
参考例 1
2—エトキシー 1 _ [ [ 2 '— ( 1 H—テトラゾールー 5—ィル) ビフエニル— 4一ィル] メチル] ベンズイミダゾ一ルー 7—力ルボン酸 (以下、 化合物 Aと略記 する) 1 g と酸化亜鉛 (TYPE V、 和光純薬工業製) 0. 36 g とを乳酸ーグリコ一 ル酸共重合体 (乳酸/ダリコール酸 75/25 (モル%) 、 重量平均分子量 14, 000、 数平均分子量 4, 200、 末端基定量による数平均分子量 4, 090、 和光純薬工業製) 3. 6 g をジクロロメタン 11 ml とエタノール 0. 4 ml とに溶解した溶液に添加し、 14時間室温で振とう撹拌して白濁した溶液を得た。この溶液を予め 15°C に調節 しておいた 0. 1 重量% ポリビニルアルコール水溶液 800 ml 中に注入し、夕ービ ン型ホモミキサーを用い、 8, 500 rpniで OZWエマルションとした。 この〇/Wェ マルションを室温で 3時間撹拌してジクロロメタンとェタノ一ルを揮散させ、油相 を固化させた後、 遠心分離機を用いて 2, 000 で補集した。 これを再び蒸留水に 分散後、 さらに遠心分離を行い、 遊離薬物等を洗浄した。 捕集されたマイクロ力 プセルは少量のマンニトールを溶解した蒸留水を加えて再分散後、 凍結乾燥して 粉末として得られた。 マイクロカプセル中への化合物 Αの封入率は 98%で、 マイク
ロカプセル中の化合物 A含量は 33. 0%であった。
比較例 1
14 時間の振とう撹拌をホモジナイザ一による 1分間の分散混合に変更した以 外、 参考例 1と同様にしてマイクロカプセルを得た。 マイクロカプセル中への化 合物 Aの封入率は 100 で、 マイクロカプセル中の化合物 A含量は 33. 5%であった。 実施例 1
蒸留水 0. 4 ml を添加し、 固体 (化合物 Aおよび酸化亜鉛) と共に同回転数、 1分間のホモジナイザーによる分散 (乳化) 混合を行った以外、 比較例 1と同様 にしてマイクロ力プセルを得た。 マイクロ力プセル中への化合物 Aの封入率は 97% で、 マイクロカプセル中の化合物 A含量は 32. 6%であった。
実施例 2 .
添加蒸留水量を 0. 08 ml に変更した以外、実施例 1と同様にしてマイクロカブ セルを得た。 マイクロカプセル中への化合物 Aの封入率は 97%で、 マイクロカプセ ル中の化合物 A含量は 32. 5%であった。
実験例 1
参考例 1、 比較例 1、 実施例 1, 2で得られたマイクロカプセル 25 mg を 0. 1 ml の分散媒 (5 rag のカルボキシメチルセルロース'ナトリウム、 l mgのポリソル ペート 80、 50 mgのマンニトールを蒸留水 1 ml に溶解した液) に分散して 7週 齢雄性 SDラットの首背部皮下に 23G注射針で投与した。 投与後経時的にラット 腹部大動脈より脱血して屠殺後、 投与部位に残存するマイクロカプセルを取り出 し、 この中の化合物を定量して算出した化合物の残存率を表 1に示す。
表 1 マイクロ力プセル皮下投与後の化合物の平均残存率 (n=3 ― 5)
ND : not done
短時間 水処理で酸化亜鉛から生成する成分を含有する実施例 1および 2の製 剤では、 長時間をかけて酸化亜鉛を含む製剤成分を混合して成分間の相互作用を 形成させた参考例 1と同様に、 比較例 1の水を添加せずに短時間処理して製造し た製剤とは異なって、 顕著に生理活性化合物の初期放出が抑制された。 比較例 1 の水を添加せずに短時間処理して製造した製剤では、 生理活性化合物の著明な過 剰初期放出が認められた。 初期放出が抑制された実施例 1および 2の製剤での以 降の生理活性化合物の放出速度は短時間処理時に添加した水の量によって変化し、 添加した水の量が多い実施例 1での放出速度が添加水量の少ない実施例 2よりも 速く、 添加する水の量によって生理活性化合物の放出速度が制御できることを確 認した。
実施例 3
ィ匕合物 A 4 gと酸化亜鉛 (TYPE V、 和光純薬工業製) 0. 72 gとを、 乳酸ーグリコ 一ル酸共重合体(乳酸/ダリコール酸 75/25 (モル%)、重量平均分子量 10, 600) 7. 2 gをジクロロメタン 22 mlとエタノール 0. 8 ml とに溶解した溶液に添加し、 そこに蒸留水 0. 16 mlを加えた後、直ちに比較例 1と同様の条件でホモジナイザー による分散(乳化)混合を行い、 白濁した溶液を得た。 これを平板上に半径約 5 CIB の円形に流延し、室温で 15時間減圧乾燥して乾燥物を得た。 この乾燥物を孔径 250 H mの篩上で粗粉砕、 篩過して得た乾燥物のうちの 5 gとマンニト一ル 0. 4 gとを混 合した後、 ジェットミル装置 (A- 0JET、 セイシン企業製) を用い、 空気圧 2 kg/cm 2で気体粉砕して平均粒子径 21 mの微粒子を得た。 微粒子中の化合物 A含量は 31. 0%であった。
実施例 4
実施例 3と同処方 ·操作で分散 (乳化) 混合して得た白濁した溶液を以下の条 件でスプレードライ (Mob i l e Minor、 二口ジャパン製) してサイクロン下乾燥物 として平均粒子径 32 mの微粒子を得た。
噴霧方式: 二流体ノズル (ノズル径 1. 2 mm)
空気圧力: 1 kg/cm2
乾燥室入口温度: 90°C
乾燥室出口温度: 40— 43°C
得られた微粒子中の化合物 A含量は 28. 1%であった。
実験例 2
比 例 1、実施例 2〜4で得られたマイクロカプセルおよび微粒子約 5 mgを 17P バイアル中で 1% CTAB含有グリシン緩衝液 (ρΗΙΟ, 25 mM) 12. mlに加えてゴム栓密 栓後、 42°C、 120回/分で振盪攪拌した。 経時的に 0. 1 mlをゴム栓を通して抜き取 り、 0. 25 mフィル夕一後化合物 A濃度を測定して放出率を算出した。その結果を 表 2に示す。
表 2 In vi tro放出性試験での化合物平均放出率 (n=3)
実験例 1の in vivoで放出が速かった比較例 1試料は設定した in vi t ro試験系 でも放出が速いことを確認した。実施例 3および 4の放出性は in vivoで 4週間に わたる持続的な放出が確認されている実施例 2の放出性とほぼ同様であったこと から、実施例 3と 4の試料は in vivoでは 4週間程度の徐放性を有することが示唆 された。 ■ 産業上の利用可能性
本発明の徐放性製剤は、 水に難溶性の多価金属化合物を水処理して得られる成 分を含有する製剤であり、 製剤製造が短時間で終了できるとともに、 生理活性化 合物を高含量で含有し、 かつその放出速度を制御できるので、 長期間に渡って生 理活性化合物の所望の薬理作用が期待できる。 '
水に難溶性の生理活性化合物がアンギオテンシン Π拮抗作用を有する化合物の 場合、 一定の血液中濃度を維持できるために経口剤で投与する場合に比較して血 中薬物濃度の変動が少なく、 安定した薬理作用の継続が期待できる。 従って、 自 覚症状が少ない患者群での服用時刻の変動や服用の中断などの意図的な服用忌避
などによる病状の悪化を生じにくく、 高血圧症、 血圧日内変動異常、 心臓病 (心 肥大、 心不全、 心筋梗塞など) 、 脳血管障害 (無症候性脳梗塞、 一過性脳虚血発 作、 脳卒中、 脳血管性痴呆、 高血圧性脳症など) 、 虚血性末梢循環障害、 閉塞性 動脈硬化症、 閉塞性血栓性血管炎、 心筋虚血、 心筋症、 静脈機能不全、 心筋梗塞 後の心不全進行、 脳血管障害後遺症などのみならず、 糖尿病性合併症、 糖尿病性 網膜症、 糖尿病性腎症、 腎炎、 糸球体腎炎、 放射線照射による腎症、 粥状動脈硬. 化症、 動脈硬化症、 血管肥厚、 インタ一ペンション後の血管肥厚または閉塞、 ィパス手術後の血管再閉塞、 移植後の赤血球増加症 ·高血圧 ·臓器障害 ·血管肥 厚、 移植後の拒絶反応、 高アルドステロン症、 糸球体硬化症、 腎不全、 門脈圧亢 進症、 緑内障、 高眼圧症、 高脂血症、 狭心症、 動脈瘤、 冠動脈硬化症、 脳動脈硬 化症、 末梢動脈硬化症、 血栓症、 中枢神経系疾患、 アルツハイマー病、 記憶欠乏 症、 うつ病、 健忘症、 老人性痴呆、 知覚機能障害、 多臓器不全、 内皮機能障害、 高血圧性耳鳴り、 メヌエル症候群、 強皮症、 またはめまいに伴う不安症状、' 緊張 症状および不快精神状態、 さらに消化不良、 自律神経機能障害、 重症筋無力症ま たは癌および癌関連疾患等の治療効果がより明確になることが期待される。 また、 本発明の徐放性製剤は、寝たきり、痴呆症、 咽喉 ·食道疾患、 消化器疾患、摂食 · 嚥下障害患者、 手術時などの内服薬での治療が困難または不可能な患者にも用い ることができる優れた薬剤である。