明細書 額用フィルムラミネート^ δ 猫分野
本発明は、 容器用ラミネート金属板に関する。 特に、 食品缶詰の缶胴及び蓋に用 いられるラミネート金属板に関するものである。 背景
従来、 食缶に用いられる金属缶用素材であるティンフリースチール (T F S) お よびアルミニウム等の金属板には塗装が施されていた。 この塗装を施す技術は、 焼 き付け工程が複雑であるばかりでなく、 多大な処理時間を必要とし、 さらに多量の 溶剤を排出するという問題を抱えていた。 そこで、 これらの問題を解決するため、 熱可塑性樹脂フィルムを加熱した金属板に積層する方法が数多く提案されている。 これらの提案の多くは、 フィルムと基材である金属板の密着性及び成形性の改善 に関するものであり、 その技術的思想は、 概ね①極性基を有するフィルム (ポリェ ステル榭 J3 ) の適用 (例えば、 特開昭 6 3 - 2 3 6 6 4 0号公報等) 、 ②フィル ム表面へのコロナ放電等の処理による活性ィヒ等に代表される表面自由エネルギーの 増大 (例えば、 特開平 5— 2 0 0 9 6 1号公報等) に関するものである。 特開平 5 - 2 0 0 9 6 1号公報には、 ポリエチレン樹脂被覆金属板の加工後密着性等を確保 するために、 フィルムの表面自由エネルギーを (3 8〜5 4 ) X 1 0 -3N m ( 3 8〜5 4 d y n/ c m) の範囲に規定することが具体的に記載されている。
前記で提案されているラミネ一ト金属板を食品缶詰用途に使用すると、 容器から 内容物を取り出す際に、 内容物が容器内面に強固に付着してしまい、 内容物を取り 出しにくいという問題がある。 この問題は、 消費者の購買意欲と密接に関係するた め、 内容物の取り出しやすさを改善矛ることは、 .消費者の購買意欲を確保する上で 極めて重要である。 それにもかかわらず、 これまで内容物の取り出し易さの改善に 対する考慮は全くなされていない。
発明の開示
本発明は、 内容物取り出し性を確保するとともに、 容器加工に要求される成形性、 密着性を兼ね備えた容器用フィルムラミネート金属板を提供することを目的とする。 上記目的を達成するために、 第 1に、 本発明は、 両面にポリエステルを主成分と する樹脂フィルムを有する容器用金属板であって、 容器成形後に容器内面側になる 樹脂フィルムが内容物と接する面の、 表面自由エネルギーの極性力成分ァ s hが、 4 X 1 0 -3NZm以下である容器用フィルムラミネート金属板を、 提供する。
前記の容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムは、 質量比で樹脂フィルムヒ 対して、 5 ~ 2 0 %のォレフイン樹脂をブレンドした樹脂フィルムであるの力 ί好ま しい。
前記の容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムは、 更に、 質量比で樹脂フィ ルムに対して、 0. 1 ~ 2 %のワックス成分を含有するのが好ましい。 前記ヮック ス成分は、 カルナゥバろう若しくはステアリン酸エステルであるのか ましい。 前記ポリエステルを主成分とする樹脂フィルムは、 以下の何れかであるのが好ま しい。
(Α) 固体高:^能 NMRによる構 it^fにおける 1, 4配位のベンゼン環炭素の 緩和時間 T l p力 1 5 0 m s e c以上である二軸延俾ポリエステルフィルム
(B) 融点が 2 4 0〜3 0 0 °C、 カルボキシル末端基が 1 0〜5 0当量 Zトン、 酸 成分として実質的にィソフタル酸成分を含有しない二軸延伸ポリエステルフィルム
(C) 非晶ヤング率が 1 2 0〜2 2 0 k gZmm2の二軸延伸ポリエステルフィル ム。
また、 上記のポリエステルを主成分とする樹脂フィルムは以下であるのがより好 ましい。
( a) ポリエステルを主成分とする樹脂フィルムを構成するポリエステル単位の 9 5モル%以上がェチレンテレフタレ一ト単位である。
(b) ポリエステルを主成分とする樹脂フィルムを構成するポリエステル単位の 9
3モル%以上がエチレンテレフタレー r半 し 'あり、 且つ X線回析測定により得ら れる (1 0 0 ) 面の結晶サイズズが 6. 0 nm以下である二軸延伸ポリエステルフ イルムである。 - ( c ) ポリエステルを主成分とする樹脂フィルムを構成するポリエステル単位の 9 3モル%以上がエチレンテレフタレート単位であり、 且つ X線回析測定により得ら れる結晶配向パラメーター Rが 2 O X 1 0 - 2以上である二軸延伸ポリエステルフ イルムである。
前記容器成形後に容器内面側になるラミネート層の複屈折率が 0. 0 2以下であ る領域が金属板との接触界面からフィルム厚み方向に 5 II m未満であるのが好まし い。
容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムは、 着色顔料または着色染料を 含有するのが好ましい。 容器成形後に容器外面側になる樹脂フィルムは、 着色 顔料または着色染料を含有するのが好ましい。
第 2に、 本発明は、 両面にポリエステルを主成分とする樹脂フィルムを有する容 器用金属板であって、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムが内容物と接す る面の、 表面自由エネルギーの極性力成分? · s hが、 2 X 1 0— 3N/m以下である 容器用フイリレムラミネート金属板を提供する。
前記の容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムは、 質量比で樹脂フィルムに 対して、 1 0〜2 0 %のォレフイン樹脂をブレンドした樹脂フィルムであるの力 子 ましい。
前記の容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムは、 更に、 質量比で樹脂フィ ルムに対して、 0. 8〜 2 %のワックス成分を含有するのが好ましい。 前記ヮック ス成分は、 カルナゥバろう若しくはステアリン酸エステルであるのか ましい。 前記ポリエステルを主成分とする樹脂フィルムは、 以下の何れかであるのが好ま しい。
(A) 固体高分解能 NMRによる構造解析における 1 , 4配位のベンゼン環炭素の
緩和時間 T l p力 1 5. 0 m s e
ルム
(B) 融点が 2 4 0〜3 0 0 °C、 カルボキシル末端基が 1 0〜5 0当量/トン、 酸 成分として実質的にィソフタル酸成分を含有しない二軸延伸ポリエステルフィルム
( C) 非晶ヤング率が 1 2 0〜2 2 0 k gZmm2の二軸延侔ポリエステルフィル. ム。
また、 上記のポリエステルを主成分とする樹脂フィルムは以下であるのがより好 ましい。
( a ) ポリエステルを主成分とする樹脂フィルムを構成するポリエステル単位の 9 5モル%以上がエチレンテレフ夕レート単位である。
( b ) ポリエステルを主成分とする樹脂フィルムを構成するポリエステル単位の 9 3モル%以上がエチレンテレフタレ—ト単位であり、 且つ; X線回析測定により得ら れる (1 0 0 ) 面の結晶サイズ χが 6. 0 nm以下である二軸延俾ポリエステルフ イルムである。
( c ) ポリエステルを主成分とする樹脂フィルムを構成するポリエステル単位の 9 3モル%以上がエチレンテレフタレ—ト単位であり、 且つ X線回析測定により得ら れる結晶配向パラメ—ター Rが 2 0 X 1 0 -2以上である二軸延伸ポリエステルフ イルムである。
前記容器成形後に容器内面側になるラミネート層の複屈折率が 0. 0 2以下であ る領域が金属板との接触界面からフィルム厚み方向に 5 m未満であるのが好まし い。
容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムは、 着色顏料または着色染料を 含有するのが好ましい。 容器成形後に容器外面側になる樹脂フィルムは、 着色 顔料または着色染料を含有するのが好ましい。 第 3に、 本発明は、 両面にポリエステルを主成分とする樹脂フィルムを有し、 容 器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムカ沙なくとも 2層以上から構成され、 容 器成形後に容器外面側になる樹脂フィルムが少なくとも ί層以上から構成される容 器用フィルムラミネ一ト金属板を提供する。 容器内面側になる少なくとも 2層以上
の樹脂フィルムの最上層樹脂フィルム^ 」谷^と接する面の、 表面自由エネルギー の極性力成分ァ s hが、 4 X 1 0— 3N/m以下である。
前記最上層樹 J3旨フィルムは、 質量比で最上層榭脂フィルムに対して、 5〜2 0 % のォレフィン樹旨をブレンドした樹脂フィルムであるのが好ましい。
前記最上層樹脂フィルムは、 更に、 質量比で最上層樹脂フィルムに対して、 0 . 1〜 2 %のワックス成分を含有する樹脂フィルムであるのが好ましい。 前記ヮック ス成分は、 カル^ "ゥバろう若しくはステアリン酸エステルであるの力壁ましい。 前記容器成形後に容器内面側になる少なくとも 2層以上の樹脂フィルムの少 なくとも一つが、 着色顔料または着色染料を含有するのが好ましい。 前記容器 成形後に容器外面側になる少なくとも 1層以上の樹脂フィルムの少なくとも一 つが、 着色顔料または着色染料を含有するのが好ましい。 第 4に、 本発明は、 両面にポリエステルを主成分とする樹脂フィルムを有し、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムが少なくとも 2層以上から構成さ れ、 容器成形後に容器外面側になる樹脂フィルムが少なくとも 1層以上から構 成される容器用フィルムラミネート金属板を提供する。 容器内面側になる少な くとも 2層以上の樹脂フィルムの最上層樹脂フィルムが内容物と接する面の、 表面自由エネルギーの極性力成分ァ s hが、 2 X 1 0 _3 N< m以下である。 前記最上層樹脂フィルムは、 質量比で最上層樹脂フィルムに対して、 1 0〜2 0 %のォレフィン樹脂をブレンドした樹脂フィルムであるのが好ましい。
前記最上層樹脂フィルムが、 更に、 質量比で最上層樹脂フィルムに対して、 0 . 8〜2 %のワックス成分を含有する樹脂フィルムであるのが好ましい。 前 記ワックス成分は、 カルナゥバろう若しくはステアリン酸エステルであるのが 望ましい。
前記容器成形後に容器内面側になる少なくとも 2層以上の樹脂フィルムの少 なくとも一つが、 着色顔料または着色染料を含有するのが好ましい。 前記容器 成形後に容器外面側になる少なくとも 1層以上の樹脂フィルムの少なくとも一 つが、 着色顔料または着色染料を含有するのが好ましい。
前記着 料は、 以下のものが好 ¾しい。
( a) 芳香族ジァミン系有機顔料を含む着色顔料。
(b) ベンズイミダゾロン系有機顔料を含む着色顔料。
( c ) 1 : 2クロム錯体とフタロシアニンを含む着倒料。
(d) 1 : 2クロム錯体とフタロシアニンを 1 0 : 1の質量比で混合した着色顔料。 図面の簡単な説明
図 1は、 実施の形態 1に係るフィルムラミネート金属板の断面模式図である。 図 2は、 実施例で使用した金属板のラミネート装置の要部を示す図である。
発明を実施するための形態
«の形態 1
本発明者らは、 フィルム表面の自由エネルギーの極性力成分ァ Shの制御が重要 であり、 この値を適正な数値範囲に規定することで、 内容物の取り出し性を確保す. るとともに、 容器加工に要求される成形性、 密着性を兼ね備えた容器用フィルムラ ミネート金属板を提供することができることを見出した。
すなわち、 実施の形態 1の要旨は以下のとおりである。
( 1 ) 両面にポリエステルを主成分とする樹脂フイルムラミネート層を有する容 器用金属板であって、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムの内容物と接す る面の、 表面自由エネルギーの極性力成分 7* shが、 4. 0 X 10_3NZm以下であ ることを特徴とする容器用フィルムラミネート金属板。
(2) 両面にポリエステルを主成分とする樹脂フィルムラミネート層を有する容 器用金属板であつて、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムの内容物と接す る面の、 表面自由エネルギーの極性力成分ァ s.hが、 2. 0 X 10-3N/m以下であ ることを特徴とする容器用フィルムラミネート金属板。
(3) 前記 (1) において、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムは、 ポ リエステルを主成分とし、 質量比で樹脂フィルムに対して、 5. 0〜20. 0%の ォレフィン樹脂をブレンドした樹脂フィルムであることを特徴とする容器用フィル ムラミネ一ト金属板。
(4) 前記 (1) において、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムは、 ポ リエステルを主成分とする樹脂フィルムであって、 更に、 質量比で樹脂フィルムに 対して、 0. 10〜2. 0%のワックス成分を含有する樹 J3旨フィルムであることを 特徴とする容器用フィルムラミネ一卜金属板。
(5) 前記 (2) において、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムは、 ポ リエステルを主成分とし、 質量比で樹脂フィルムに対して、 10. 0~20. 0% のォレフイン樹脂をブレンドした樹脂フイルムであることを特徴とする容器用フィ ソレムラミネート金属板。
(6) 前記 (2) において、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムは、 ポ
リエステルを主成分とする樹脂フィルムであって、 更に、 質量比で樹脂フィルムに 対して、 0. 80〜2. 0%のワックス成分を含有する樹脂フィルムであることを 特徴とする容器用フィルムラミネート金属板。
(7) 前記 (1) において、 容器成形後に容器内面側になるポリエステルを主成. 分とする樹脂フイルムは、 少なくとも 2層以上から構成され且つ内容物と接する最 上層にのみォレフィン樹脂がプレンドされた樹脂フィルムであり、 該ォレフイン樹 脂は、 該樹脂フィルムの最上層を構成するフィルムに対して、 質量比で 5. 0〜2 0. 0%ブレンドされていることを特徴とする容器用フィルムラミネート金属板。
(8) 前記 (2) において、 容器成形後に容器内面側になるポリエステルを主成 分とする樹脂フィルムは、 少なくとも 2層以上から構成され且つ内容物と接する最 上層にのみォレフィン樹脂がブレンドされた樹脂フィルムであり、 該ォレフィン樹 脂は、 該樹旨フィルムの最上層を構成するフィルムに対して、 質量比で 10. 0〜 20. 0%ブレンドされていることを特徴とする容器用フィルムラミネート金属板。
(9) 前記 (1) において、 容器成形後に容器内面卿になる樹脂フィルムは少な くとも 2層以上から構成され且つ内容物と接する最上層にのみワックス成分を含有 する樹脂フィルムであり、 該ワックス成分は、 該樹脂フイルムの最上層を構成する フィルムに対して、 質量比で 0. 10〜2. 0%含有されていることを特徴とする 容器用フ ルムラミネート金属板。
(10) 前記 (2) において、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムは少 なくとも 2層以上から構成され且つ内容物と接する最上層にのみワックス成分を含 有する樹脂フィルムであり、 該ワックス成分は、 該樹脂フィルムの最上層を構成す るフィルムに対して、 質量比で 0. 80〜2. 0%含有されていることを特徴とす る容器用フィルムラミネート金属板。
(11) ワックス成分としてカルナゥバろう若しくはステアリン酸エステルを含 有することを特徴とする前記 (4) 、 (6) 、 (9) 又は (10) に記載の容器用 フィルムラミネート金属板。
(12) ポリエステルを主成分とするt脂フィルムが、 固体高分解能 NMRによ る構造解析における 1, 4配位のベンゼン環炭素の緩和時間 T 1 pが 150ms e
c以上である二軸延伸ポリエステルフィルムであることを特徴とする前記 (1)〜 (11) のいずれかに記載の容器用フィルムラミネート金属板。
(13) 容器成形後に容器内面側になるラミネート層の複屈折率が 0. 02以下 である領域が金属板との接触界面からフィルム厚み方向に 5 p. m未満であることを. 特徴とする前記 (1) 〜 (12) のいずれかに記載の容器用フィルムラミネート金
(14) 容器成形後に容器内面側になるフィルム (該フィルムが 2層以上から構 成される場合は、 それらのうちの少なくとも 1つの層) 、 および/または、 容器成 形後に容器外面側となる樹脂フィルムのポリエステルを主成分とする樹脂フィルム
(該フィルムが 2層以上から構成される場合は、 それらのうちの少なくとも 1つの 層) に着 料または着色染料が添加されていることを特徴とする前記 (1) 〜 ( 13) のいずれかに記載の容器用ラミネート金属板。
(15) 添加された着色顔料は、 芳香族ジァミン系有機顔料を含むことを特徴と する前記 (14) に記載の容器用フィルムラミネート金属板。
(16) 添加された着色顔料は、 ベンズイミダゾロン系有機顔料を含むことを特 徴とする前記 (14) に言載の容器用フィルムラミネート金属板。
(17) 添加された着色染料は、 1 : 2クロム錯体とフタロシアニンを含むこと を特徴とする前記 (14) に記載の容器用フィルムラミネート金属板。
(18) 前記 (17) において、 添加された着色染料は、 1 : 2クロム錯体とフ タロシアニンを 10: 1の質量比で混合したものであることを特徴する容器用フィ ルムラミネ一ト金属板。 図 1は、 実施の形態 1に係るフィルムラミネート金属板の断面模式図である。 図 1において、 樹脂フィルム aは容器成形後に容器内面側になるフィルム、 樹脂フィ ルム bは容器成形後に容器外面側になるフィルムである。
実施の形態 1では、 金属板の両面にラミネートする樹脂フィルムとして、 ポリエ ステルを主成分とする樹脂フィルムを使用する。 樹脂フィルムの主成分であるポリ エステルはジカルンボン酸とグリコール成分とからなるポリマ一であり、 ジカルボ
ン酸成分としては、 テレフタル酸、 Λ ソノツル酸、 ナフタレン酸ジカルボン酸、 ジ フエニルジカルボン酸等を用いること力でき、 なかでも好ましくはテレフタル酸、 フタル酸を用いることができる。 また、 グリコール成分としては、 エチレングリコ ール、 プロパンジオール、 ブタンジオール等が挙げられるが、 中でもエチレングリ. コールが好ましい。 なお、 これらのジカルボン酸成分、 グリコール成分は 2種以上 を併用しても良い。 また、 必要に応じて、 酸化防止剤、 熱安定剤、 紫外線吸収剤、 可塑剤、 顔料、 帯電防止剤、 結晶核剤等を配合できる。
以上よりなるポリエステルは、 引張強度、 弾性率、 衝撃強度等の機械特性に優れ るとともに極性を有するため、 これを主成分とすることでフィルムの密着性、 成形 性を容器加工に耐え得るレベルまで向上させるとともに容器加工後の耐衝撃性を付 与させることが可能となる。
本発明者らは、 上記フィルムをラミネートした金属板を素材とする食品容器 (缶 詰) の内容物取り出し性について詳細に調査した。 その結果、 内容物取り出し易さ はラミネート金属板の表面自由エネルギーと相関があり、 その表面自由エネルギー を小さくすることで容物物を取り出しやすくできることを見出し、 そして、 ラミネ ート金属板の表面自由エネルギーを 3 O X 1 0-3NZm ( 3 0 d y n/ c m) 以下 に規定することで良好な内容物取り出し性が得られることを見出した。 ここで、 表 面自由エネルギーとは、 物体の表面張力とほぽ同値であり、 この値が高いほど、 ぬ れ易く、 密着力も高くなる。 表面自由エネルギーを小さくすることで内容物とラミ ネート金属板との密着力が弱くなり、 内容物が取り出しやすくなると考えられる。 しカゝし、 容器によっては、 より良好な内容物取り出し性が要求される場合があり、 前記ラミネート金属板では満足できる内容物取り出し性が奏されない場合のあるこ とが明らかになった。 そこで、 本発明者らは、 内容物の取り出し易さをさらに改善 すべく種々の検討を行った。 その結果、 表面自由エネルギーの極性力成分ァ S hが、 内容物取り出し性の支配因子であることが明らかになった。 '
表面自由エネルギーは、 分散力成分ァ S dと極性力成分ァ S hに分解される。 表面 自由エネルギーの分散力成分ァ S dは、 ファンデルワールス力すなわち分子間に働 く弱い引力の中核をなす力で、 無極性分子を含むすべての分子間に働く。 一方、 表
面自由エネルギーの極性力成分ァ s" 、 小 合に代表される極性基間の強い相 互作用力のことである。
表面自由エネルギーの極性力成分 r s &が内容物取り出し性の支配因子であると いうことは、 内容物の極性基とポリエチレンテレフ夕レート榭脂フィルムの極性基. 間の相互作用力によつて内容物がポリエチレンテレフタレート樹脂フイルムに密着 し、 内容物が取り出しにくくなつているためと考えられる。
さらに検討した結果、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムの内容物と接 する面の表面自由エネルギーの極性力成分 r shを規定することで、 より良好な内 容物取り出し性を奏するようにできることが明らかになった。 この知見に基づき、 本発明では表面自由エネルギーの極性力成分ァ S hを規定する。
すなわち、 実施の形態 1では、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムの内 容物と接する側の面 (図 1中、 樹脂フイルム aの外面側①) について、 表面自由ェ ネルギ一の極性力成分ァ shを 4. OX 10-3N m (4. Odyn/cm) .以下に 規定する。 4. 0 X 1 0-3NZm以下に限定した理由は、 4. 0 X 1 0_3N/m超 となると、 樹脂フィルムと内容物との密着力が過度となり、 内容物の取り出し性が 劣るためである。 内容物取り出し性をより良好にするには、 前記表面自由エネルギ —の極性力成分ァ shは 2. 0 X 1 0-3 /m (2. 0 d y nZcm)以下であるこ と力 子ましい。
—般的に、 表面自由'エネルギーを下げる処理をすると、 その分散力成分 T Sd及 び極性力成分ァ shの両方が減少するが、 特別な処理を行うことにより、 例外的に 分散力成分ァ S d、 極性力成分? · S hのいずれか一方のみを減少させることができる。 フィルムの表面自由エネルギーの極性力成分ァ S hは、 ラミネート前後で殆ど変 化しない。 従って、 あらかじめフィルムの表面自由エネルギーの極性力成分ァ S & を本発明範囲内にしたフィルムを準備し、 このフィルムを金属板にラミネートして、 実施の形態 1のラミネート金属板を得ることができる。 樹脂フィルムにォレフィン 樹旨をブレンドし、 あるいは該樹旨フィルムにワックスを含有させることで、 その 表面自由エネルギーの極性力成分ァ S hを実施の形態 1で規定する範囲内にするこ とがでさる。
実施の形態 1では、 容器成形後に容器 W面側になる樹脂フィルムが、
樹脂とポリエステル樹脂をブレンドした樹脂フィルムであることを規定する。 ォレ フィン樹脂をプレンドすることで、 フィルムの表面自由エネルギーの極性力成分 r si>を低下させることができる。 これにより、 フィルム表面に内容物が密着し難ぐ なり、 内容物取り出し性を飛躍的に向上させることが可能となる。
添加するォレフイン樹脂としては、 ポリエチレン樹脂、 アイオノマ一樹脂が好適 であるが、 ポリエステル樹脂とのブレンドが可能であって、 フィルムの表面自由ェ ネルギ一の極性力成分ァ Shが本発明で規定する範囲であれば、 これらに限定され るものではない。
ォレフィン樹脂は、 ポリエステル樹脂フィルムに対して、 質量比で 5. 0〜20 : 0%の範囲にブレンドする。 ォレフィン樹脂のブレンド比を 5. 0%以上に限定 した理由は、 5. 0%未満ではフィルムの表面自由エネルギーの極性力成分ァ S h を 4. OX 10-3N_ m以下に低減できなくなり、 内容物取り出し性が劣るためで ある。 表面自由エネルギーの極性力成分ァ shを 2. OX 10-3N/m以下に低減す るには、 ォレフィン樹脂のブレンド比を 10. 0%以上にすることが望ましい。 ま た、 20. 0%以下に限定したのは、 20. 0%を超えると内容物取り出し性がほ ぼ飽和してしまい特段の効果が得られないとともに、 フィルム成膜技術的にも困難 な領域であり、 生産性に乏しぐコスト高を招いてしまうからである。
実施の形態 1では、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムが、 ワックス成 分を含有するポリエステルを主成分とする榭脂フィルムであることを規定する。 添 加物としてワックス成分を含有させる理由は、 ①表面自由エネルギーの極性力成分 ァ shを低下させることと、 ②表面への潤滑性付与である。 ①の効果によってフィ ルムに内容物が密着し難くなり、 ②の効果によってフィルム表面の摩擦係数を低下 させることでもって内容物の取り出し性を飛躍的に向上させることが可能となる。 添加するワックス成分としては、 有機'無機滑剤が使用可能であるが、 脂肪酸ェ ステル等の有機滑剤が望ましく、 中でも植物ロウの一つであつて天然ヮックスであ るカルナゥバろう (主成分: CH3 (CH2) 24COO (CH2) 29CH3であり、 この 他種々の脂肪族とアルコールからなる成分も含有する) あるいはステアリン酸エス
テルは、 上記の①、 ②効果が大きく、 つ 于構造上当該フィルムへの添加が容易 であるため好適であり、 カルナゥバろうが特に好適である。
実施の形態 1では、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムが、 質量比で、 樹脂フィルムに対して、 0. 10~2. 0%のワックス成分を含有することを規定 する。 ワックス成分の含有量を、 0. 10%以上に限定した理由は、 0. 10%未 満となると、 上記①の表面自由エネルギーの極性力成分ァ shを 4. 0 X 1 0-3N/ m以下に低下させることができなくなり、 また②の効果が乏しくなり、 内容物の取 り出し性力 S劣るためである。 表面自由エネルギーの極性力成分ァ shを 2. 0 X 1 0-3NZm以下に低下するには、 ワックス成分の含有量を 0. 80%以上にするこ とか^ ましい。 また、 2. 0%以下に限定した理由は、 2. 0%を超えると内容物 取り出し性がほぼ飽和してしまい特段の効果が得られないとともに、 フィルム成膜 技術的にも困難な領域であり生産性に乏しくコスト高をまねいてしまうからである。 なお、 前記したワックスを含有するポリエステルフィルムは、 'ポリエステルに所 定量のワックスを配合した後、 通常の成膜法により製造できる。
なお、 以上の効果は、 ワックス成分をフィルム表面に塗布することによっては得 られない。 食品缶詰等は、 内容物充 後に殺菌のためレトルト処理を施すが、 その 際表面に予め塗布されたワックスが内容物に吸収されてしまうからである。 実施の 形態 1のようにフィルム内に添加した場合は、 レトルト処理の間に徐々にワックス 力表面に濃化するため全てが内容物に吸収されることなく、 もって前記した効果を 確実に発現することが可能となる。
実施の形態 1で用いるポリエステルを主成分とする樹脂フィルムは、 固体高分解 能 NMRによる構造解析における 1 , 4配位のベンゼン環炭素の緩和時間 T 1 pが 150ms e.c以上である二軸延伸ポリエステルフィルムであることが好ましい。 二軸延侔フイルムは未延伸フィルム'に比べて優れた特徴をもち、 引張強度、 引裂強 さ、 衝撃強さ、 水蒸気透過性、 ガス透過性などの性質が著しく向上するためである。 緩和時間 T 1 ιθは分子運動性を表すものであり、 緩和時間 T 1 pを増加するとフ イルム内の非晶部の拘束力が高まる。 二軸延伸フィルムの状態において、 1, 4配 位のベンゼン環炭素の緩和時間 Tl Pを増加すると、 前記部位の分子整列性を制御
し結晶構造にも似た安定構造を形成 、 よって、 成形時における非晶部分の 結晶化を抑制できるようになる。 すなわち、 非晶部の運動性が低下し、 結晶化のた めの再配向挙動力抑制されるようになる。 緩和時間 T l pを 1 5 Om s e c以上と することで、 上記の優れた効果を十分に発揮できるようになり、 ラミネート後に 度の加工力 s行われる場合であっても、 優れた成形性、 耐衝撃性が得られるようにな る。 前記観点から、 緩和時間 T 1 /0は、 1 8 0 m s e c以上であることが好ましく、 2 0 O m s e c以上であることがさらに好ましい。
緩和時間 T l pを 1 5 O m s e c以上にする方法としては、 フィルム製造時に縦 延伸工程で高温予熱法、 高温延伸法を組み合わせて採用することにより可能である 力 特に限定されるものでなく、 例えば原料の固有粘度、 触媒、 ジエチレングリコ ール量ゃ延侔条件、 熱処理条件などの適正ィヒによっても可能である。 フィルム製造 時の縦延俾の予熱温度としては、 9 0で以上が好ましく、 より好ましくは 1 0 0 °C 以上、 さらに好ましくは 1 1 0で以上である。 また延伸^ ^は 1 0 5 以上が好ま しく、 より好ましくは 1 1 0で以上、 さらに好ましくは 1 1 5 以上である。
また、 金属板上にラミネートされた後の該フィルムの構造としては、 容器成形後 に容器内面側になるラミネート後の樹脂フィルム(ラミネート層)については、 複屈 折率が 0. 0 2以下である頜域を、 金属板との懇界面からフィルム厚み方向に 5 m未満とすることが ましい。
ラミネート金属板の製造は、 フィルムを熱せられた金属板に接触させ圧着するこ とで金属板界面のフィルム樹脂を溶融させ金属板に濡れさせることでフィルムとの 接着を行うのが通常である。 従って、 フィルムと金属板との密着性を確保するため にはフィルムが溶融していることが必要であり、 必然的にラミネート後の金属板と 接する部分のフィルム複屈折率は低下することとなる。 実施の形態 1に規定するよ うにこの部分のフィルム複屈折率が 0. 0 2以下であれば、 ラミネート時のフィル ム溶融濡れが十分であったことを示すものであり、 すなわち優れた密着性を確保す ることが可能となる。 '-'
このようなポリエステル樹脂の複屈折率は、 以下の測定手法にて求められる値を 採用する。
偏光顕微鏡を用いてラミネ一ト金 リノ '反を除去した後のフィルムの断面方 向のレ夕デーシ,ヨンを測定し、 .樹脂フィルムの断面方向の複屈折率を求める。 フィ ルムに入射した直線偏光は、 二つの主屈折率方向の直線偏光に される。 この時、 高屈折率方向の光の振動が低屈折率方向よりも遅くなり、 そのためフィルム層を抜 けた時点で位相差を生じる。 この位相差をレタデーシヨン Rと呼び、 複屈折率 Δη との関係は、 式 (1) で定義される。
△ n = RZd〜 (1)
但し、 d:フィルム層の厚み
次に、 レ夕デーシヨンの測定方法について説明する。 単色光を偏光板を通過させ ることで、 直線偏光とし、 この光をサンプル (フィルム) に入射する。 入射された 光は上記のように、 レ夕デ一シヨンを生じるため、 フィルム層を透過後、 楕円.偏光 となる。 この楕円偏光はセナルモン型コンペンセ一夕一を通過させることにより、 最初の直線偏光の振動方向に対して 0の角度をもった直線偏光となる。 この Θを偏 光扳を回転させて測定する。 レタデーシヨン Rと 0の関係は式 (2) で定義される。
R=A - 0/180 … (2)
伹し、 λ :単 の波長
よって複屈折率 Δη 、 式 (1) 、 (2) 力 ^導き出される式 (3) で定義され る。
Δη= (θ · λ/l 80) Zd〜 (3)
また、 上記に示す複屈折率が 0. 02以下の部分の厚みは、 金属板との接触界面 からフィルム厚み方向へ 5 m未満の領域に限定することが望ましい。 この理由は 以下のとおりである。
実施の形態 1で示す緩和時間 T 1 pで表現される^!動性は、 フィルム力 s完全 溶融するとその効果が乏しくなり、 以後の加工 ·加熱処理において容易に結晶化が 生じフィルムの加工性が劣化してしまう欠点を有する。 上記に記載したようにフィ ルム密着性を確保するためには、 フィルムの溶融濡れが必須となる。 フィルムが溶 融した部分すなわちフィルムの複屈折率が 0. 02以下である部分の厚みを 5 im 未満に規制することで、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルム (ラミネート
層) の密着性を確保しつつ、 加工性、 Illtll 荜 '1土を高いレベルで両立することが可能 となる。
さらに前記ポリエステルとしては、 ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成 分とするポリエステルが好ましく、 繰り返し単位の 9 0モル%以上がエチレンテレ フタレートであることが加工性、 耐衝撃性の点から望ましい。 また 9 5モル%以上 とすれば、 より一層の特性向上が可能なため更に望ましい。
実施の形態 1で用いる樹脂フィルムの構成としては、 単層、 複層の如何を問わな い。 ただし、 少なくとも 2層以上から構成される複層構造の積層二軸延伸ポリエス テルフィルムの場合、 非ラミネート面とラミネート面の層の固有粘度差が 0. 0 1 〜0. 5であることが、 優れたラミネート特性、 耐衝撃性を発現させる点からも望 ましい。
複層構造のフィルムは金属板と密着する側に金属板との密着性に優れる密着層を 有していてもよい。 密着層としては、 イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレ ート (P E TZ I ) など、 金属板との密着性が良く、 密着層の上層に含まれるポリ ェチテンテレフ夕レートと相溶性のあるものが好適である。 容器外面側では、 コス ト面、 染料添加 (後記) のしやすさの点から、 密着層にエポキシフエノール等のよ 'うな接着剤を使用することもできる。
また、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムを複層構造とした場合は、 少' なくともフィルムの最上層すなわち、 内容物と接する層 (図 1中、 榭脂フィルム a の外面側①) に、 ワックスが添加されていること、 または、 ォレフィン樹脂がブレ ンドされていることが必要であり、 経済'性等の面より該フィルムの最上層のみに、 ワックスが添加あるいはォレフィン樹脂がブレンドされていることが望ましい。 複層フィルムの最上層のみに、 ヮックスが添加あるいはォレフィン樹脂がプレン ドされている場合、 ワックスの添加量は、 複層構造のフィルムの最上層を構成する 樹脂フィルムに対して、 質量比で 0. 1 0〜2. 0 %、 より好ましくは 0. 8 0〜 2 . 0 %とすることで、 コスト低下を実現しながら、 内容物取り出し性を良好にで きる。 また、 ォレフィン樹脂のブレンド量は、 複層構造のフィルムの最上層を構成 する榭脂フィルムに対して、 質量比で 5. 0〜2 0. 0 %, より好ましくは 1 0.
0〜2 0 . ひ%とすることで、 コス NS しながら、 内容物取り出し性を良 好にできる。
フィルム全体の厚みとしては、 特に規定するものではないが、 5〜6 0 mであ ることか ましく、 さらに好ましくは 1 0〜4 0 ΠΙである。
前記フィルムに着 ^料を添加することで、 下地の金属板を隠蔽し、 フィルム独 自の多様な色調を付与できる。 また、 隠蔽性を完全とせず下地の金属光沢を利用し た光輝色の付与も可能であり、 優れた意匠性を得ることができる。 更にフィルム表 面への印刷と異なり、 フィルム内に直接顔料を添加して着色しているため、 容器成 形工程においても色調が脱落する問題もなく、 良好な外観を保持できる。 また、 一 般的に容器成形後には塗装印刷が施される力 着色フィルムを用いることで工程の 一部を省略することができ、 コストの低減、 有機溶剤'二酸化炭素の発生抑制も可 能となる。
添加する顔料としては、 容器成形後に優れた意匠性を発揮できることが必要であ り、 係る観点からは、 アルミニウム粉、 マイ力粉、 酸ィ匕チタンなどの無機系顔料や 芳香族ジアミン系有機顔料を使用できる。 特に芳香族ジアミン系有機顔料は着色力 が強く、 展延性にも富むため、 容器成形後も良好な意匠性を確保できるので好適で ある。 使用可能な芳香族ジァミン系有機顔料としては、 例えば黄色のイソインドリ ノンイェローが挙げられ、 この顔料は下地の金属光沢とのマッチングにより、 容器 の色を金色にすることが可能である。 なお、 当該顔料は、 FDAに認可された安全 衛生物質ではないため、 容器の外面側となるフィルムへの添加に制限される。 容器の内面側となるフィルムに添加可能な顔料としては、 容器成形後に優れた意 匠性を発揮できる観点から、 ベンズイミダゾロン系有機顔料が望ましい。 この顔料 は着色力 ·展延性に富み、 F D Aに認可された安全衛生物質であるからである。 例 えば、 ベンズイミダゾロンイェローを用いれば、 容器の内面を金色にすることが可 能である。
樹脂フィルムが 2層以上の複層構造のフィルムである場合、 顔料はそのうちの少 なくとも 1つの層に添加すればよい。 樹脂フィルムが密着層を有する場合、 顔料は 密着層に添加してもよい。 密着層のみに顔料を添加することで、 着色のためのコス
トを最小限に抑える.ことができる。
なお、 顔料の添加量については特に規定するものではないが、 一般的に、 樹脂フ イルムに対して、 質量比で、 3 0 %以上の含有量となると、 隠蔽性については飽和 するとともに経済的にも不利であるため、 3 0 %未満の範囲とすること力壁ましい _。 樹脂フィルムが複層フィルムの場合、 前記顔料の添加量は、 顔料を添加した樹脂 フィルム層 (密着層に添加した場合は密着層) に対する割合である。
—方、 前記フィルムで染料を添加しても顔料添加と同様の意匠性付与が可能であ る。 意匠性に富む金色の色調を得るためには、 1 :. 2クロム錯体とフタロシアニン を 1 0 : 1の重量比で混合した染料が好適である。 添加量は、 前記顔料の場合と同 様、 3 0 %未満が望ましい。 コスト面からは、 染料は顔料に代えて使用するのが好 ましい。 染料を容器内面側になるフィルムに添加する場合、 容器内面側になるフィ ルムを複層フィルムとし、 染料は内容物と接しない側の層に添加することが好まし い。 例えば容器内面側になるフィルムを、 密着層を有する複層フィルムとし、 染料 は密着層に添加することが好ましい。
容器には金色の外観が求められることがある。 容器外面側になる榭脂フイルムに 添加する顔料としてィソィンドリノンイェローを使用し、 容器内面側になる樹脂フ イルムには、 顔料としてべンズイミダゾロンイエロ一又は染料としてクロム錯体と フタロシアニンを混合した染料を添加することで、 容器両面が金色の意匠性に富む 容器が得られる。
フィルム自体 (複層フィルムを含む) の製造方法としては、 特に限定されないが、 例えば各ポリエステル樹脂を必要に応じて乾燥した後、 単独及び/または各々を公 知の溶融積層押出機に供給し、 スリット状のダイからシート状に押出し、 静電印加 等の方式によりキャスティングドラムに密着させ冷却固化し未延伸シートを得る。 この未延伸シートをフィルムの長手方向及び幅方向に延伸することによりニ軸延 伸フィルムを得る。 延伸倍率は目的とするフィルムの配向度、 強度、 弾性率等に応 じて任意に設定することができるが、 好ましくはフィルムの品質の点でテン夕一方 式によるものが好ましく、 長手方向に延伸した後、 幅方向に延伸する逐次二軸延伸 方式、 長手方向、 幅方向をほぼ同じに延伸していく同時二軸延伸方式が望ましい。
次に、 前記フィルムを金属板にラ ィ、一 してラミネ一ト金属板を製造する方法 について述べる。 実施の形態 1では、 金属板をフィルムの融点を超える温度で加熱 し、 その両面に該樹脂フィルムを圧着ロール (以後ラミネ一トロールと称す) を用 いて接触させ熱融着させる方法を用いる。
ラミネート条件については、 実施の形態 1に規定するフィルム構造が得られるも のであれば特に制限されるものではない。 例えば、 ラミネート開始時の温度を 28 0°C以上とし、 ラミネート時にフィルムの受ける温度履歴として、 フィルムの融点 以上の温度で接している時間を 1〜20ms e cの範囲とすることが好適である。 このようなラミネート条件を達成するためには、 高速でのラミネートに加え接着中 の冷却も必要である。 ラミネート時の加圧は特に規定するものではないが、 面圧と して 9. 8〜294NZcm2 ( 1〜 30 k g f /c m?) が好ましい。 この値が低 すぎると、 融点以上であっても時間が短時間であるため十分な密着性を得難い。 ま た、 加圧が大きいとラミネ一ト金属板の性能上は不都合がないものの、 ラミネート ロールにかかる力が木きく設備的な強度が必要となり装置の大型ィヒを招くため不経 済である。
金属板としては、 缶用材料として広く使用されているアルミニウム板や軟鋼板等 を用いることができ、 特に下層が金属クロム、 上層がクロム水酸化物からなる二層 皮膜を形成させた表面処理鋼板 (いわゆる TFS) 等が最適である。
TFSの金属クロム層、 クロム水酸化物層の付着量についても、 特に限定されな いが、 加工後密着性、 耐食性の観点から、 何れも Cr換算で、 金属クロム層は 70 〜20 OmgZm2、 クロム水酸化物層は 10〜3 OmgZm2の範囲とすることが 望ましい。
実施例
厚さ 0. 18mm ·幅 977 mmの冷間圧延、 焼鈍、 調質圧延を施した鋼板を、 脱脂、 酸洗後、 クロムめつきを行い、 クロムめつき鋼板 (TFS) を製造した。 ク ロムめつきは、 Cr〇3、 F -、 を含むクロムめつき浴でクロムめつき、 中間 リンス後、 C r 03、 F-を含む化成処理液で電解した。 その際、 電解条件 (電流密 度'電気量等) を調整して金属クロム付着量とクロム水酸ィヒ物付着量を、 C r換算
でそれぞれ 120mg/m2, 15mg/m2に調整した。
次いで、 図 2に示す金属帯のラミネート装置を用い、 前記で得たクロムめつき鋼 板 1を金属帯加熱装置 2で加熱し、 ラミネートロール 3で前記クロムめつき鋼帯 1 の一方の面に、 容器成形後に容器內面側になる榭脂フィルムとして、 表 1及び 2に 示す各種フィルム 4 a、 他方の面に、 容器成形後に容器外面側となる樹脂フィルム として各種フィルム 4bをラミネート (熱融着) しラミネート金属蒂を製造した。 ラミネートロール 3は内部水冷式とし、 ラミネート中に冷却水を強制循環し、 フ イルム接着中の冷却を行った。 樹脂フィルムを金属板にラミネートする際に、 金属 板に接する界面のフィルム温度がフィルムの融点以上になる時間を 1〜20ms e cの範囲内にした。
使用したフィルムの特性は (1) 及び (2) 、 また以上の方法で製造したラミネ ート金属板、 該金属板のフィルムの特性は、 下記の (3) 〜 (9) の方法により測 定、 評価した。
(1)緩和時間 T1 ιθ
固体 NMRの測定装置は、 日本電子製スぺクトロメータ J'NM— GX270、 日 本電子製固体アンプ、 MASコントローラ NM—GSH 27MU、 日本電子製プロ ーブ NM— GSH27Tを用いた。 測定は、 核の T 1 p (回転座標における縦 緩和) 測定を実施した。 測定は、 温度 24· 5°C, 湿度 50%RH、 静磁場強度 6 . 34T (テスラ) 下で、 iH、 cの共鳴周波数はそれぞれ 270. 2 MHz, 6 7. 9 MHzである。 ケミカルシフトの異方性の影響を消すために MAS (マジッ ク角度回転) 法を採用した。 回転数は、 3. 5〜3. 7 kHzで行った。 パルス系 列の条件は、 iHに対して 90。 、 パルス幅 4 s e c、 ロッキング磁場強度 62 . 5 kHzとした。 iHの分極を 13Cに移す CP (クロスポーラリゼーシヨン) の接 触時間は 1. 5ms ecである。 また保持時間てとしては、 0. 001、 0. 5、 0. 7、 1、 3、 7、 10、 20、 30、 40、 50 m s e cを用いた。 保持時間 て後の 磁化ベクトルの自由誘導減衰 (FID) を測定した (FID測定中 に よる双極子相互作用の影響を除去するために高出力カツプリングを行った。 なお、 SZNを向上させるため、 512回の積算を行った) 。 また、 パルス繰り返し時間
としては、 5〜15 s e cの間で行つに。
Ti p値は、 通常下式で記述することができ、 各保持時間に対して観測された ピーク強度を片対数プロットすることにより、 その傾きから求めることができる。
I (t) =∑ (A i) e xp (- t/T 1 p i) _ 伹し、 A i : Ti p iに対する成分の割合
ここでは 2成分系 (T 1 p Γ:非晶成分、 Tl p 2 :結畢成分) で解析し、 下記の 式を用い最小二乗法フィッティングによりその値を求めた。
I (t) = f a 1 · exp (- t/Tl p 1) + f a 2 · exp (- t/Tl p 2) f a 1 : T 1 i01に対する成分の割合
f a 2 : T 1 p に対する成分の割合
f a 1 + f a 2 =1
ここで T 1 pとしては T 1 p 2を用いる。
(2) ポリエステルの融点
ポリエステルを結晶化させ、 示差走査熱量計 (パーキン 'エルマ一社製 DSC— 2型) により、 10 °CZm i nの昇温速度で測定した。
(3) ポリエステルフィルムの複屈折率
実施の形態に記載し fこ方法で、 偏光顕微鏡を用いてラミネート金属板の金属板を 除去した後の容器内面側の樹脂フィルムの断面方向のレタデーションを測定し、 フ ィルムの断面方向の複屈折率を求めた。
(4) 表面自由エネルギーの極性力成分ァ sh
ラミネート金属板の表面に液体を滴下したときの接蝕角を e、 ラミネ一ト金属板 の表面自由エネルギーの分散力成分を? · S d、 極性力成分を T S h、 また液体の表面 自由エネルギーをァ 1、 その分散力成分を了 ld、 その極性力成分ァ lhとすると、 これらは次の関係を満足する。
rl(l+cos0)/2 * (r 1¾ 1/2 =(r s<i ) 12 * (r l ,/2/(r lh), 2 *(rsh)1/2 そこで、 表面自由エネルギーが既^] (ァ 1、 r IK r ldが既知) の 5つの液体 (純水、 グリセロール、 ホルムアミド、 ェチエングリコール、 ジメチルダリコロー ル) を測定物 (ラミネート金属板) の表面に滴下し、 各々の液体について接触角 Θ
を測定して求める (湿度: 55〜6。zo、 風 20で) 。
上記式に前記 5液の各々について測定した接触角 Θと各々の液体のァし ァ 1 r idの値を代入して、 最小二乗法フィッティングで、 r shを求める。 こめように して求めたァ s hが、 ラミネート金属板の表面自由エネルギーの極性力成分ァ s ^ ある。
(5) 内容物取り出し性
絞り成形機を用いて、 ラミネート金属板を、 絞り工程で、 ブランク径: 100m m、 絞り比 (成形前径 /成形後径) : 1. 88でカップ成形した。 続いて、 この力 ップ内に、 卵 ·肉 'オートミールを均一混合させた内容物を充填し、 蓋を巻締め後、 レトルト処理 (130°CX90分間) を行った。 その後、 蓋を取り外し、 カップを 逆さまにして内容物を取り出したときにカツプ内側に残存する内容物の程度を観察 し、 さらに手で 2、 3回手で振って内容物を取り出した後にカップ内側に残存する 内容物の程度を することにより、 内容物の取り出し易さの程度を評価した。 (評点について)
◎:カップをさかさまにしただけで (手で振ることなく) 内容物が取り出せ、 取り 出し後の力ップ内面に付着物が無い状態のもの。
〇:カップをさかさま ίこしただけではカップ内側に内容物が残存するが、 手で 2、 3回振ると力ップ内面に付着物が無い状態になるもの。 .
X:手で 2、· 3回振つても内容物の取出しが困難なもの。
(6) 成形性
ラミネート金属板にワックス塗布後、 直径 179mmの円板を打ち抜き、 絞り比
1. 80で浅絞り缶を得た。 次いで、 この絞りカップに対し、 絞り比 2. 20及び
2. 90で再絞り加工を行った。 この後、 常法に従いドーミング成形を行った後、 トリミングし、 次いでネックイン一フランジ加工を施し? 絞り缶を成形した。 この ようにして得た? 铰り缶のネックィン部に着目し、 フイルムの損傷程度を目視観察 した。
(評点について)
◎:成形後フィルムに損傷なく、 フィルム白化も認められない。
〇:成形可能であるが、 フィルム白化 認められる。
X:缶が翻し、 成形不可能。
(7) 密着性
上記 (6) で成形可能であった缶に対し、 缶胴部よりピール試験用のサンプル -( 幅 15mmx長さ 120mm) を切り出した。 切り出したサンプルの長辺側端部か らフィルムを一部剥離し、 引張試験機で剥離した部分のフィルムを、 フィルムが剥 離されたクロムめつき鋼板とは反対方向 (角度: 180° ) に開き、 引張速度 30 mmZm i nでピール試験を行い、 幅 15 mmあたりの密着力を評価した。 なお、 密着力測定対象面は、 缶内面側とした。
(評点について)
◎: 1.47N/15廳以上 (0.15kgf/15删以上)。
〇: 0.98N/15nm以上、 1.47Ν/15囊未満 (0.10kgf/15讓以上 > 0. i 5kgf /15謹未満)。
X: 0.98N/15翻未満(0.1 Okgf/15m¾満)。
( 8.) 耐衝擊性
上記 (6) で成形可能であった缶に対し、 7_Rを満中し、 各試験について 10個ず つを高さ 1. 25mから塩ビタイル床面へ落とした後、 電極と金属缶に 6 Vの電圧 をかけて 3秒後の電流値を読み取り、 10缶測定後の平均値を求めた。
(評点について)
◎: 0. 01 mA未満。
0: 0. 01 mA以上、 0. 1 mA未満。
X: 0. 1mA以上。
(9) 意匠性
上記 (6) で成形可能であった缶の内外面を肉眼で観察し、 十分な意匠性が得ら れているかどうかを評価した。 ' .
ぐ評点)
◎ :均一な色調が得られ、 下地の金属板の色調も完全に隠蔽されており、 美麗な仕 上がりとなっている状態。
〇:ほぼ均一な色調が得られ、 下地の金属板の色調も概ね隠蔽されているため、 補
修のための塗装が必要のない状態。
X:色調にムラがあり、 下地の金属板の色調が隠蔽されていない部分があるため、 意匠性を確保するためには補修塗装が必要な状態。
ラミネ一トした樹脂フィルムの内容及びラミネ一ト金属板について、 測定、 評 した結果を表 1〜3に記載した。 表 1〜3に示すように、 実施の形態 1の範囲の発 明例は、 内容物取り出し性、 成形性が良好であり、 さらに密着性、 意匠性も良好で ある。 本発明例のうち、 表面自由エネルギーの極性力成分ァ shが 2. 0 X 10-3N Zm以下のものは内容物取り出し性がより良好性である。 これに対し、 本発明の範 囲を外れる比較例は、 内容物取り出し性、 成形性のいずれかが不良である。
表 1における 1) 一 7) は以下の通りである。
1) PET:ポリエチレンテレフ夕レート (二軸延伸フィルム)
2) PP :ポリプロピレン
3) イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート (共重合比率 12mo )
4)変性 PP:無水マレイン酸変性ポリプロピレン
5) ステアリルステアレイ:ステアリン酸エステル (C18— C18)
6) マイ力粉は、 着色剤と樹脂接着剤を均一にその表面にコーティング後、
加熱■硬化させたものを使用。 アルミニウム粉は麟片状アルミニウム粉を使用。
7) 複層フィルムの場合、 添加量は上層に対する割合。
表 2における 1) 、 3) 、 6) は表 1に同じである。
表 1
表 2
表 3
No. 内容物 成形性 密着性 耐衝撃性 意匠性 取り出し性 内面 外面 発明例 1 O © ◎ © © 発明例 2 〇 ◎ ◎ ◎
発明例 3 ◎ ◎ ◎
発明例 4 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 発明例 5 ◎ ◎ © ◎
発明例 6 ◎ o o 〇 ◎ ◎ 発明例 7 ◎ © © ◎ 発明例 8 〇 ◎ ◎ ◎ ◎ 発明例 9 ◎ © ◎ ◎ ◎ 発明例 10 ◎ o ◎ ◎ ◎ ◎ 発明例 11 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 発明例 12 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 発明例 13 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 発明例 14 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 発明例 15 ◎ ◎ ◎ 〇 . ο 発明例 16 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ © 比較例 1 X ◎ ◎ ◎ @ 比較例 2 X ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 比較例 3 ◎ X
麵の形態 2
本発明者らは、 その構成単位の 93モル%以上がエチレンテレフタレート単位で あるポリエステルからなり、 X線回折測定により得られるズ 100) 面の結晶サイ ズ が 6. 0 nm以下である二軸延伸ポリエステルフィルムにワックス成分を添カロ することにより、 成形性、 加工後密着性、 内容物取出し性および味特性に優れ、 さ らに品質安定性にも優れたフィルムラミネート金属板が得られることを見出した。 すなわち、 実施の形態 2の要旨は以下のとおりである。
(1) ポリエステルの構成単位の 93モル%以上がエチレンテレフタレート単位 であり、 且つ X線回折測定により得られる (100) 面の結晶サイズ χが 6. On m以下である二軸延伸ポリエステルフィルムを樹脂フィルム A、 また前記二軸延伸 ポリエステルフィルムであって、 さらに質量比で樹脂に対して 0. 1〜2. 0%の ヮックス成分を含有するポリエステルフィルムを樹脂フイルム Bとしたとき、 容器 成形後に容器内面側になる金属板の表面に樹脂フィルム B、 容器外面側になる面に 樹 J!旨フィルム Aをラミネートしたこと.を特徴とする容器用フィルムラミネート鋼板。
(2) ワックス成分として、 カルナゥバろう若しくはステアリン酸エステルを含 有することを特徴とする前記 (1) に記載の容器用フィルムラミネート金属板。
(3) ラミネート後の樹脂フィルム A、 樹脂フィルム Bの複屈折率が 0. 02以 下である領域が、 金属板との接触界面からフィルム厚み方向に 5 未満であるこ とを特徴とする前記 (1) または (2) に記載の容器用フィルムラミネート金属板。
(4) ポリエステルの構成単位の 96モル%以上がエチレンテレフタレ一ト単位 であることを特徴とする前記 (1) 〜 (3) のいずれかに記載の容器用フィルムラ ミネ一卜金属板。
(5) 樹脂フィルム A、 樹脂フィルム Bの面配向係数が 0. 150以下であるこ とを特徴とする前記 (1) 〜 (4) のいずれかに記載の容器用フィルムラミネート
(6) 樹脂フィルム A、 樹脂フィルム Bのポリエステルの融点が 246 °C以丄 280°C以下であることを特徴とする前記 (1) 〜 (5) のいずれかに記載のラミ ネート金属板。
( 7 ) 樹脂フィルム Bが少なくとも 眉 上から構成され、 該樹脂フィルム Bは 内容物と接する最上層にのみ、 質量比で樹脂に対して 0 . 1〜2 . 0 %のワックス 成分を含有することを特徴とする前記 ( 1 ) 〜 (6 ) のいずれカゝに記載の容器用フ イルムラミネート金属板。
以下、 実施の形態 2について詳細に説明する。
実施の形態 2ではフィルム (樹脂フィルム A、 樹旨フィルム B) にポリエステル フィルムを使用し、 ポリエステルはその構成単位の 9 3モル%以上がエチレンテレ フタレート単位である。 レトルト処理等の熱処理の後で味特性を良好にする点で、 エチレンテレフ夕レート単位が 9 3モル%以上であることが必要であり、 9 6モ ル%以上であると金属缶に飲料を長期充填しても味特性が良好であるのでより好ま しく、 9 8モル%以上であることがさらに好ましい。 なお、 実施の形態 2で味特性 が良好とは、 缶の内容物の香り成分がフィルムに吸着したりフィルムからの溶出物 によって内容物の風味がそこなわれない程度をいう。
また、 味特性を損ねない範囲で他のジカルボン酸成分、 グリコール成分を共重合 してもよく、 ジカルボン酸成分としては、 例えば、 ジフエ二ルカルボン酸、 5—ナ トリウムスルホイソフタル酸、 フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、 シユウ酸、 コハ ク酸、 アジピン酸、 セバシン酸、 ダイマー酸、 マレイン酸、 フマル酸等の脂肪族ジ カルボン酸、 シクロへキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、 p—ォキシ安 息香酸等のォキシカルボン酸等を挙げることができる。
一方、 グリコール成分としては、 例えばエチレングリコール、 プロパンジオール、 ブタンジオール、 ペンタンジオール、 へキサンジオール、 ネオペンチルグリコール 等の脂肪族グリコール、 シクロへキサンジメタノール等の指環族グリコール、 ビス フエノール A、 ビスフエノール S等の芳香族グリコール、 ジエチレングリコール、 ポリエチレングリコール等が挙げられる。 なお、 これらのジカルボン酸成分、 ダリ コール成分は 2種以上を併用してもよい。
また、 実施の形態 2の効果を阻害しない限りにおいて、 トリメリット酸、 トリメ シン酸、 トリメチ口一ルプロパン等の多官能化合物を共重合してもよい。
実施の形態 2で用いるポリエステルに少量含有される成分としては、 ジエチレン
グリコール、 ポリエチレングリコール、 シクロへキサンジメタノール、 セバシン酸、 ダイマ一酸などがある。
実施の形態 2では、 上記ポリマを 2種以上ブレンドして使用してもかまわない。 ' 実施の形態 2で用いるフィルムは特性を大きく損ねない範囲でイソフタル酸を共重 合しても良いが、 経時での耐衝撃性、 味特性低下の点から、 イソフタル酸を含有し ないポリエステルであることが好ましい。
実施の形態 2で用いるフィルムは、 ·構成単位の 9 3モル%以上がェチレンテレフ 夕レート単位であるポリエステルを二軸延伸化することが必要である。 二軸延伸の 方法としては、 同時二軸延伸、 逐次二軸延伸のいずれであってもよい。 二軸延伸フ イルムは、 ラミネート性の点、 すなわち、 ラミネート時に多少の温度のばらつきが あっても、 ラミネート後の成形性 '耐衝撃性の変動を低減し、 より安定して良好な 成形性と耐衝撃性を得ることができる点から、 X線回折測定により得られる (1 0 0 ) 面の結晶サイズ χが 6. O nm以下であることが必要であり、 好ましくは 4. 5 nm以下である。 4. 5 nm以下でも結晶サイズ χはより小さい方が好ましい。 現時点で入手可能なフィルムの結晶サイズ χは 3. 5 nm以上であり、 本発明者等 はこの結晶サイズまでのフィルムについてラミネート性が良好であることを確認し た。 (1 0 0 ) 面の結晶サイズ χが 6. O n mを超えるとラミネ一ト性が不十分で あり、 成形性 '耐衝撃性の変動が大きくなる。 ここで (1 0 0 ) 面の結晶サイズ χ は、 反射 X線回折により scherrerの式を用いて求められる。
6. O nm以下の (1 0 0 ) 面の結晶サイズは、 フィルムを構成するポリマーや、 添加物、 さらに延伸条件、 熱処理条件等により決定され、 これらの条件を適切な条 件に設定することにより達成できる。 例えば、 熱処理温度を低くしたり、 熱処理時 間を短くしたりすることが良いが、 フィルムに要求される特性を満たす範囲でなけ ればならない。
実施の形態 2で用いるフィルムは、 よりラミネート性、 味特性を向上させる点か らポリエステルの固有粘度が 0. 5 O d i Zg以上が好ましく、 さらに好ましくは 0. 6 O d l Z g以上、 特に好ましくは 0. 6 3 d l _ g以上である。 固有粘度が 0 . 5 0 d 1 /g未満ではオリゴマの溶出などにより味特性が 匕するため好まし
くない。
また、 実施の形態 2では、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルム (樹脂フ イルム B) 力 質量比で樹脂に対して 0. 1〜2 . 0 %のワックス成分を含有する ポリエステルフィルムであることを規定する。 添加物としてワックス成分を含有さ せる理由は、 ①フィルムの表面エネルギーを低下させることと、 ②フィルム表面へ の潤滑性付与である。 ①の効果によってフィルムに内容物が密着し難くなり、 ②の 効果によってフィルム表面の摩擦係数を低下させることでもって内容物の取出し性 を飛躍的に向上させることが可能となる。
0. 1 %以上に限定した理由は、 0. 1 %未満となると、 上記の①、 ②の効果が 乏しくなり、 内容物の取出し性力劣るためである。 また、 2 . 0 %以下に限定した 理由は、 2 . 0 %を超えると内容物取出し性がほぼ飽和してしまい特段の効果が得 られないとともに、 フィルム成膜技術的にも困難な領域であり生産性に乏しくコス 卜高を招いてしまうためである。
添加するワックス成分としては、 有機'無機滑剤が使用可能であるが、 脂肪酸ェ ステル等の有機滑剤が ましく、 なかでも植物ろうの一つであつて天然ヮックスで あるカルナゥバろう (主成分: C H3 (CH2) 24C O O (C H2) 29C H3であり、 こ の他種々脂肪族とアルコールからなる成分も含有する。 ) 、 あるいは、 ステアリン 酸エステルは上記の①、 ②効果力大きく、 力つ分子構造上当該フィルムへの添加が 容易であるため好適である。 なお、 前記したワックスを含有するポリエステルフィ ルムは、 ポリエステルに所定量のワックスを配合した後、 通常の成膜法により製造 できる。
なお、 以上の効果は、 ワックス成分をフィルム表面に塗布することによっては得 られない。 食品缶詰等は、 内容物充填後に殺菌のためレトルト処理を施すが、 その 際表面に予め塗布されたワックスが内容物に吸収されてしまうからである。 本発明 のようにフイルム内に添加した場合、 レトルト処理の間に徐々にヮックスが表面に 濃化するためすべてが内容物に吸収されることなく、 もって前記した効果を確実に 発現することが可能となる。
また、 金属板上にラミネートされた後の該フィルムの構造としては、 複屈折率が
0 . 0 2以下である領域を、 金属板との 界面からフィルム厚み方向に 5 m未 満とすることが ましい。 ラミネート金属板の製造は、 フィルムを熱せられた金属 板に接触させ圧着することで金属板界面のフィルム樹脂を溶融させ金属板に濡れさ せることでフィルムとの接着を行うのが通常である。 従って、 フィルムと金属板と の密着性を確保するためにはフィルムが溶融していることが必要であり、 必然的に · ラミネート後の金属板と接する部分のフィルム複屈折率は低下することとなる。 実 施の形態 2に規定するようにこの部分のフイルム複屈折率が 0 . 0 2以下であれば、 ラミネート時のフィルム溶融濡れが十分であることを示し、 従つて優れた密着性を 確保する.ことが可能となる。 ポリエステル樹脂の複屈折率は、 実施の形態 1と同じ 方法で測定される。
また、 上記に示す複屈折率が 0 . 0 2以下の部分の厚みは、 金属板との接触界面 からフィルム厚み方向へ 5 i m未満の領域にすることが望ましい。 この理由は以下 のとおりである。
実施の形態 2で規定するフィルムは (1 0 0 ) 面の結晶サイズを制御することに より優れた加工性を有するが、 フィルムが完全溶融すると結晶構造が崩れるため、 以後の加工 ·加熱処理において容易に結晶化が生じフィルムの加工性力 S劣ィヒしてし まう。 一方、 上記に示すようにフィルム密着性を確保するためには、 フィルムの溶 融濡れが必須となる。 そこで、 本発明者ら力鋭意検討した結果、 フィルムが溶融し た部分すなわちフィルムの複屈折率が 0. 0 2以下である部分の厚みを 5 m未満 に規制することで密着性を確保しつつ、 加工性 ·耐衝撃性を高いレベルで両立する ことが可能となる。
さらに実施の形態 2で用いるフィルムは、 面配向係数が、 0 . 1 5 0以下である ことが金属板のラミネート性やその後の成形性、 耐衝撃性を良好とする点で好まし いが、 特により一層ラミネート性を良好とする点で、 0 . 1 4 5以下であることが 好ましく、 さらに好ましくは 0 . 1 4 0以下である。 面配向係数が高すぎるとラミ ネート性のみならず成形性をも 匕させる。 そのため缶成形後の味特性も低下する。 また本発明で用いるポリエステルの融点は、 好ましくは 2 4 6で以上、 2 8 (TC 以下、 さらに好ましくは 2 5 0 °C以上、 2 7 5 °C以下である。 融点が 2 4 6 °C未満
であると耐熱性が低下し好ましくないことがある。 また融点が 2 8 0 °Cを超えると ラミネ一ト性、 成形性が 匕し好ましくないことがある。
実施の形態 2で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムの構成としては、 単層、 複 層の如何を問わない。 複層構造とした場合は、 内容物と接するフィルム (樹脂フィ ルム B) の最上層にワックスが添加されていることが必要であり、 経済性等の面よ りフィルムの最上層にのみワックスが添加されていることが望ましい。
フィルムの厚さは、 金属にラミネートした後の成形性、 金属に対する被覆性、 耐 衝撃性、 味特性の点で、 3 ~ 5 0 mであることが好ましく、 さらに好ましくは 8 〜3 0 ,mである。
フィルム自体 (積層フィルムを含む) の製造方法としては、 特に限定されないが、 例えば各ポリエステルを必要に応じて乾燥した後、 単独及び/または各々を公知の 溶融積層押出機に供給し、 スリット状のダイからシート状に押出し、 静電印加等の 方式によりキャスティングドラムに密着させ冷却固化し未延伸シートを得る。
この未延伸シ一トをフィルムの長手方向及び幅方向に延伸することによりニ軸延 侔フィルムを得る。 延你倍率は目的とするフィルムの配向度、 強度、 弾性率等に応 じて任意に設定するこ ができるが、 好ましくはフィルムの品質の点でテン夕一方 式によるものが好ましく、 長手方向に延伸した後、 幅方向に延伸する逐次二軸延伸 方式、 長手方向、 Ψ畐方向をほぼ同じに延伸していく同時二軸延伸方式が望ましい。 次に、 これらのフィルムを金属板にラミネートするときの製造法について述べる。 本発明では、 金属板をフィルムの融点を超える温度で加熱し、 その両面に該樹脂フ イルムを圧着ロール (以後ラミネートロールと称す) を用いて接触させ熱融着させ る方法を用いる。
ラミネート条件については、 実施の形態 2に規定するフィルム構造が得られるも のであれば特に制限されるものではない。 例えば、 ラミネート開始時の温度を 2 8 0 °C以上とし、 ラミネ一卜時にフィルムの受ける温度履歴として、 フィルムの融点 以上の で接してる時間を 1〜2 0 m s e cの範囲とすることが好適である。 こ のようなラミネート条件を達成するためには、 高速でのラミネートに加え接着中の 冷却も必要である。 ラミネート時の加圧は特に規定するものではないが、 面圧とし
て 1〜3 0 k g f c m が好ましい。 この値が低すぎると、 融点以上であっても 時間が短時間であるため十分な密着性を得難い。 また加圧が大きいとラミネ一ト金 属板の性能上は不都合がないものの、 ラミネートロールにかかる力が大きく設備的 な強度が必要となり装置の大型化を招くため不経済である。
金属板としては、 缶用材料として広く使用されているアルミニウム板や軟鋼板等 を用いることができ、 特に下層が金属クロム、 上層がクロム水酸ィ匕物からなる二層 皮膜を形成させた表面処理鋼板 (いわゆる T F S) 等が最適である。
T F Sの金属クロム層、 クロム水酸化物層の付着量についても、 特に限定されな いが、 加工後密着性'耐食性の観点から、 何れも C r換算で、 金属クロム層は 7 0 〜2 0 O mg/m2, クロム水酸化物層は 1 0 ~ 3 O mg/m2の範囲とすることが 望ましい。 m
厚さ 1 8 mm ·幅 9 7 7 mmの冷間圧延、 焼鈍、 調質圧延を施した鋼板を、 脱脂、 酸洗後、 クロムめつきを行い、 クロムめつき鋼板を製造した。 クロムめつき は、 C r〇3、 F -、 S Q4 2—を含むクロムめつき浴でクロムめつき、 中間リンス後、 C r〇3、 F-を含む化成処理液で電解した。 その際、 電解条件 (電流密度 '電気量 等) を調整して金属クロム付着量とクロム水酸化物付着量を調整した。
^いで、 図 2に示す金属帯のラミネート装置を用い、 前記で得たグロムめつき鋼 板 1を金属帯加熱装置 2で加熱し、 ラミネートロール 3で前記クロムめつき鋼帯 1 の一方の面に、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルム (樹脂フィルム B) と して、 表 4に示す各種フィルム 4 a、 他方の面に、 容器成形後に容器外面側となる 樹脂フィルム (樹脂フィルム A) として各種フィルム 4 bをラミネート (熱融着) しラミネート金属帯を製造した。 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルム 4 a は、 容器外面側になる樹脂フィルム 4 bにワックスを添加したものを使用した。 ラ ミネートした樹月旨フィルムの内容を表 1に記載する。 ラミネートロール 3は内部水 冷式とし、 ラミネート中に冷却水を強制循環し、 フィルム接着中の冷却を行つた。 なお、 使用した二軸延伸ポリエステルフィルムの特性は、 下記の (1 ) 〜(4)
の方法により、 また、 以上の方法で製造したラミネート金属板の特性は、 下記の (
5) 〜 (10) の方法により、 測定、 言鞭した。 (1) 、 . (2) はラミネート前の 原板フィルムの特性である。 (2) の特性はラミネート後も変わらない。
(1) 結晶サイズ χ '
(100) 面の結晶サイズは χを反射 X線回折により、 scherrerの式を用いて 求めた。 ここで測定 X線波長は 0. 15418 nm (CuKa) であり、 (100 ) 面の回折はブラッグ角約 12. 7 ° に観測された。
(2) ポリエステルの融点
ポリエステルを結晶化させ、 示差走査熱量計 (パーキン 'エルマ一社製 DSC— 2型) により、 10 ^Zm i nの昇温速度で測定した。
(3) 面配向係数
ナトリウム D線 (波長 589 nm) を光源として、 アッベ屈折計を用いて、 長手 方向、 方向、 厚み方向の屈折率 (それぞれ Nx、 Ny、 Nz) を測定し、 面配向 係数 fnを、 ' fn= (Nx+Ny) / 2—N zで計算して.求めだ。 なお、 測定は、 ラミネート後の金属板の任意の位置: 10箇所について行い、 その平均値を面配向 係数とした。 ,
(4) ポリエステルフィルムの複屈折率
偏光顕微鏡を用いてラミネート金属板の金属板を除去した後のフィルムの断面方 向のレ夕デ一ションを測定し、 フィルムの断面方向の複屈折率を求めた。
(5) 内容物取り出し性
絞り成形機を用いて、 ラミネート金属板を、 絞り工程で、 ブランク径: 100m m、 絞り比 (成形前径 成形後径) : 1. 88でカップ成形した。 続いて、 この力 ップ内に、 卵 '肉 ·オートミールを均一混合させた内容物を充填し、 蓋を巻締め後、 レトルト処理 (13CTCX90分間) を行った。 その後、 蓋を取り外し、 カップを 逆さまにして 2、 3回手で振つて内容物を取り出した後に力ップ内側に残存する内 容物の程度を観察することにより、 内容物の取り出し易さの程度を ¥Mした。
(評点について)
◎:内容物の取り出しが容易であり、 取り出し後の力ップ内面に付着物が無い状態。
〇:手で振るだけでは内容物の取出し 四雞 じ'あるが、 スプーン等により容易に取 り出すことができ、 取り出し後の力ップ内面に付着物がほとんど無い状態。
X:手で振るだけでは内容物の取り出しが困難であり、 スプーン等で搔き出さない と内容物が取り出せず、 取り出し後のカツプ内面に多くの付着物が認められる状態。
( 6 ) 成形性
ラミネート金属板にワックス塗布後、 直径 1 7 9 mmの円板を打ち抜き、 絞り比 1 . 6 0で浅絞り缶を得た。 次いで、 この絞りカップに対し、 絞り比 2 . 1 0及び 2 . 8 0で再絞り加工を行った。 この後、 常法に従いドーミング成形を行った後、 トリミングし、 次いでネックイン一フランジ加工を施し深絞り缶を成形した。 この ようにして得た深絞り缶のネックィン部に着目し、 フィルムの損傷程度を目視観察 した。
(評点について)
◎:成形後フィルムに損傷なく、 フィルム剥離も認められない。
〇:成形可能であるが、 フィルム剥離が認められる。
X:缶が破胴し、 成形不可能。
( 7 ) 密着性
上記 ( 6 ) で成形可能であった缶に対し、 缶胴部よりピール試験用のサンプル ( 幅 1 5 mm X長さ 1 2 0 mm) を切り出した。 切り出したサンプルの長辺側端部か らフィルムを一部剥離し、 引張試験機で剥離した部分のフィルムを、 フィルムが剥 離されたクロムめつき鋼板とは反対方向 (角度: 1 8 0 ° ) に開き、 引張速度 3 0 mmZm i nでピール試験を行い、 密着力を評価した。 なお、 密着力測定対象面は、 伍内面側とした。
(評点について)
◎: 1. 47N/15腿以上 (0. 15kgf/15腿以上)。
〇: 0. 98N/15画以上、 1. 47N/15匪未満 (0. 10kgf/15im以上、 0. 15kgf /15mm未満)。
X: 0. 98N/15IM未満 (0. 10kgf/15腿未満)。
( 8 ) 耐衝撃性 '
上記 (6 ) で成形可能であった缶に対し、 水を満中し、 各試験について 1 0個ず
つを高さ 1. 25mから塩ビタイル床面へ落とした後、 電極と金属缶に 6 Vの電圧 をかけて 3秒後の電流値を読み取り、 10缶測定後の平均値を求めた。
(評点について)
◎: 0. 01 mA未満。
0: 0. 01mA以上、 0. 1mA未満。'
X: 0. 1 mA以上。
(9) 品質安定性
上記 (8) 耐衝撃性について、 測定値の標^ ίΐ差を求め、 変動係数を、 標準偏差 Ζ測定値 X I 00 (%) から算出し、 以下のように言鞭した。
(評点について)
0: 10 %未満。
X: 10 %以上。
(10) 味特性
上記 (6) で成形可能であった缶に 12 O :x 30分のレトルト処理を行った後、 香料水溶液 d—リモネン 25 p pmzK溶液を 3.5 Om 1充填し、 40°C密封後 45 日放置し、 その後開封して官能検査によって、 臭気の変化を以下の基準で評価した。 ◎:臭気にまったく変化がみられない。
〇:臭気にほとんど変化はみられない。
△:臭気にやや変化がみられる。
X:臭気に変ィヒが大きくみられる。
評価結果を表 5に記載した。 表 4及び表 5に示すように、 実施の形態 2の発明例 は、 いずれも品質安定性に優れ良好な特性を示した。
本発明例において、 ヮックス成分としてカルナゥバろう若しくはステアリン酸ェ ステルを含有するものは内容物取り出し性がより優れる。 フィルムの複屈折率の値 が 0. 02以下である領域力 S金属板との接触界面から厚さが 5 m未満であると成 形性がより優れる。
これに対し、 実施の形態 2の範囲を外れる比較例は、 内容物取り出し性、 味特性 力 f不良であり、 または品質安定性力劣っていた。
表 4における 1) 一 4) は以下の通りである。
) PET:ポリエチレンテレフタレ一卜
) PET/K12) :イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフ夕レート (数字は共重合%)
) ステアリルステアレイ:ステアリン酸エステル (C18—C18)) ワックスは容器内面側になる樹脂フィルムのみ添加
表 5·
区 分 評 価 結 果
内'谷物 成形性 密着性. 耐衝擎性 品質安定性 味特性 取り出し性
発明例 1 ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 〇 発明例 2 ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 〇 発明例 3 〇 ◎ ◎ 〇 ο 発明例 4 ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 〇 発明例 5 ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 〇 発明例 6 ◎ ◎. ◎ ◎ . 〇 〇 発明例 7 〇 ◎ ◎ 〇 〇 発明例 8 ◎ ◎ 〇 〇 発明例 9 ◎ ◎ ◎ ◎ ο 〇 発明例 10 ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 〇 発明例 11 ■ © ◎ ◎ ◎ 〇 〇 発明例 12 ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 〇 発明例 13 ◎ ◎ ◎ ◎ Ο 〇 発明例 14 ◎ ◎ ◎ Ο 〇 発明例 15 ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 ο 発明例 16 〇 ◎ ◎ Ο 〇 発明例 17 ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 〇 発明例 18 ◎ ◎ ◎ 〇 ο 発明例 19 ◎ '·. 〇 ◎ ◎ 〇 ο 比較例 1 X ◎ ◎ ◎ 〇 ο 比較例 2 X ◎ ◎ ◎ Ο 〇 比較例 3 X ◎ ◎ ◎ 〇 〇 比較例 4 ◎ ◎ 〇 〇 Ο Δ 比較例 5 ◎ ◎ 〇 〇 〇 厶
の形態 3
本発明者らは、 エチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルを二軸延伸 し特定の X線回折測定により得られる結晶配向パラメータ Rが 20 X 10— 2以上で ある二軸延伸ポリエステルフィルムにヮックス成分を添加することにより、 成形性、 加工後密着性、 内容物取出し性および味特性に優れ、 さらに品質安定性にも優れた フィルムラミネート金属板が得られることを見出した。 すなわち、 実施の形態 3の 要旨は以下のとおりである。
(1) ポリエステルの構成単位の 93モル%以上がエチレンテレフ夕レート単位 であり、 且つ X線回折測定により得られる結晶配向パラメータ一 Rが 20 X 10 "2 以上である二軸延伸ポリエステルフィルムを樹脂フィルム A、 また前記二軸延伸ポ リエステルフィルムであって、 さらに質量比で樹脂に対して 0. 1〜2. 0%のヮ ックス成分を含有するポリエステルフィルムを樹脂フイルム Bとしたとき、 容器成 形後に容器内面側になる金属板の表面に樹脂フィルム B、 容器外面側になる面に樹 S旨フィルム Aをラミネートしたことを特徴とする容器用フィルムラミネート金属板。
(2) ワックス成分として、 カルナゥバろう若しくはステアリン酸エステルを 含有することを特徴とする前記 (1) に記載の容器用フィルムラミネート金属板。
(3) ラミネート後の樹脂フィルム A、 樹脂フィルム Bの複屈折率が 0. 02以 下である領域が金属板との接触界面からフィルム厚み方向に 5 m未満であること を特徴とする前記 (1) または (2) に記載の容器用フィルムラミネート金属板。
(4) ポリエステルがポリエステル構成成分としてィソフタル酸を含有しないこ とを特徴とする前記 (1) 〜 (3) のいずれかに記載の容器用フィルムラミネート
.(5) 樹脂フィルム A、 樹脂フィルム Bが、 質量比で、 樹脂に対して酸ィ匕防止剤 を 0. 0001〜1%含有することを特徵とする前記 (1) 〜 (4) にいずれかに 記載の容器用フィルムラミネート金属板。
(6) 樹脂フィルム A、 樹脂フィルム Bの密度が 1. 400 gZcm3以下であ ることを特徴とする前記 (1) 〜 (5) のいずれかに記載の容器用フィルムラミ ネート金属板。
( 7 ) 樹脂フィルム Bが少なくと 眉 から構成され、 該樹脂フィルム Bは 内容物と接する最上層にのみ、 質量比で樹脂に対して 0 . 1〜2 . 0 %のワックス 成分を含有することを特徴とする前記 ( 1 ) 〜 (6 ) のいずれカゝに記載の容器用フ イルムラミネート金属板。 以下、 実施の形態 3について詳細に説明する。
実施の形態 3ではフィルム (樹脂フィルム A、 樹脂フィルム B) にポリエステルフ イルムを使用し、 ポリエステルはその構成単位の 9 3モル%以上がエチレンテレフ タレート単位である。 レトルト処理等の熱処理の後で味特性を良好にする点でェチ レンテレフ夕レート単位が 9 3モル%以上であることが必要であり、 9 6モル%以 上であると金属缶に飲料を長期充填しても味特性が良好であるのでより好ましい。 味特性が厳しい用 では 9 8モル%以上であることが好ましい。
なお、 実施の形態 3で味特性が良好とは、 缶の内容物の香り成分がフィルムに吸着 したりフィルムからの溶出物によつて内容物の風味がそこなわれな ! 程度を ^う。 また、 P未特性を損ねない範囲で他のジカルボン酸成分、 グリコール成分を共重合 してもよく、 ジカルボン酸成分としては、 例えば、 ジフエ二ルカルボン酸、 5—ナ トリウムスルホイソフタル酸、 フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、 シユウ酸、 コハ ク酸、 アジピン酸、 セバシン酸、 ダイマー酸、 マレイン酸、 フマル酸等の脂肪族ジ カルボン酸、 シクロへキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、 p—ォキシ安 息香酸等のォキシカルボン酸等を挙げることができる。
—方、 グリコール成分としては、 例えばエチレングリコール、 プロパンジォ一ル、 ブタンジオール、 ペンタンジオール、 へキサンジオール、 ネオペンチルグリコール 等の脂肪族グリコール、 シクロへキサンジメタノール等の指環族グリコール、 ビス フエノール A、 ビスフエノール S等の芳香族グリコール、 ジエチレングリコール、 ポリエチレングリコール等が挙げられる。 なお、 これらのジカルボン酸成分、 ダリ コール成分は 2種以上を併用してもよい。
また、 実施の形態 3の効果を阻害しない限りにおいて、 トリメリット酸、 トリメ シン酸、 トリメチロールプロパン等の多官能ィヒ合物を共重合してもよい。
実施の形態 3で用いるポリエステルに少量官有される成分としては、 ジエチレン' グリコ一ル、 ポリエチレングリコール、 シクロへキサンジメタノール、 セバシン酸、 ダイマー酸などがある。
実施の形態 3では、 上記ポリマを 2種以上プレンドして使用してもかまわない。 実施の形態 3で用いるフィルムは特性を大きく損ねない範囲でィソフタル酸を共重 合しても良いが、 経時での耐衝撃性、 味特性低下の点から、 イソフタル酸を含有し ないポリエステルであることが好ましい。
実施の形態 3で用いるフィルムは構成単位の 9 3モル%以上がェチレンテレフ夕 レ一ト単位であるポリエステルを二軸延伸化することが必要である。 二軸延伸の方 法としては、 同時二軸延伸、 逐次二軸延伸のいずれであってもよい。 二軸延伸フィ ルムはラミネート性の点、 すなわち、 ラミネート時に多少の温度のばらつきがあつ ても、 ラミネート後の成形性 '耐衝撃性の変動を低減し、 より安定して良好な成形 性と耐衝擊性を得ることができる点から、 X線回折測定により得られる結晶配向パ ラメ一夕一 Rが 2 0 X 1 CT2以上であることが必要であり、 好ましくは 2 5 X 1 0- 2以上、 より好ましくは 3 O X 1.CT2以上、 特に好ましくは 4 O X 1 CT2以上である。 現時点で入手可能なフィルムのパラメ一夕 Rは 50以下であり、 '本発明者等はこの パラメ一夕 Rまでのフイルムについてラミネート '14が良好であることを確認した。 結晶配向パラメ一ター Rが 2 0 X 1 0_2未満の場合、 ラミネート性が不十分であり、 成形性 ·耐衝撃性の変動が大きくなる。
ここで、 結晶配向パラメ一ター Rは反射 X線回折により得られる (1 —1 0 ) 面と (1 0 0 ) 面の強度比により算出される値である。 2 0 X 1 0 ·2以上の結晶 配向パラメ一夕は、 フィルムを構成するポリマーや、 添加物、 さらに延侔条件、 熱 処理条件により決定され、 これらの条件を適切な条件にすることにより達成できる。 例えば、 延伸温度の高温化、 低延伸倍率化、 さらには熱処理温度の短時間化等によ り達成できるが、 フィルムに要求される特性を満たす範囲でなければならない。 こ こで熱処理時間は好ましくは 6 s e c以下、 さらに好ましくは 5 s e c以下である。 また、 実施の形態 3では、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルム (樹脂フ イルム B) 、 質量比で、 樹脂に対して 0 . 1〜2 . 0 %のワックス成分を含有す
るポリエステルフィルムであること ^祝疋 9 。 添加物としてワックス成分を含有 させる理由は、 ①フィルムの表面エネルギーを低下させることと、 ②フィルム表面 'への潤滑性付与である。 ①の効果によってフィルムに内容物が密着し難くなり、 ② の効果によつてフィルム表面の摩擦係数を低下させることでもつて内容物の取出し 性を飛躍的に向上させることが可能となる。
0 . 1 %以上に限定した理由は、 0 . 1 %未満となると、 上記の①、 ②の効果が 乏しくなり、 内容物の取出し性が劣るためである。 また、 2 . 0 %以下に限定した 理由は、 2 . 0 %を超えると内容物取出し性がほぼ飽和してしまい特段の効果が得 られないとともに、 フィルム成膜技術的にも困難な領域であり生産性に乏しくコス 卜高を招いてしまうためである。 ,
また、 添加するワックス成分としては、 有機'無機滑剤が使用可能であるが、 脂 肪酸エステル等の有機滑剤が ましく、 なかでも植物ろうの一つであ て天然ヮッ クスであるカルナゥバろう (主成分: CH3 ( C H2) 24C O〇 (CH2) 29C H3であ り、 この他種々脂肪族とアルコールからなる成分も含有する。 ) あるいは、 ステア リン酸エステルは上記の①、 ②効果が大きく、 かつ分子構造上当該フィルムへの添 加が容易であるため好適である。 なお、 前記し ワックスを含有するポリエステル フィルムは、 ポリエステルに所定量のワックスを配合した後、 通常の成膜法により 製造できる。
なお、 以上の効果は、 ワックス成分をフィルム表面に塗布することによっては得 られない。 食品缶詰等は、 内容物充填後に殺菌のためレトルト処理を施すが、 その 際表面に予め塗布されたワックスが内容物に吸収されてしまうからである。 実施の 形態 3のようにフィルム内に添加した場合、 レトルト処理の間に徐々にワックスが 表面に濃ィヒするためすべてが内容物に吸収されることなく、 もって前記した効果を 確実に発現することが可能となる。
また、 金属板上にラミネートされた後の該フィルムの構造としては、 複屈折率が 0 . 0 2以下である領域を、 金属板との接触界面からフィルム厚み方向に 5 i m未 満とすることが望ましい。 ラミネート金属板の製造は、 フィルムを熱せられた金属 板に接触させ圧着することで金属板界面のフィルム樹脂を溶融させ金属板に濡れさ
せることでフィルムとの接着を行うの^通 である。 従って、 フィルムと金属板と の密着性を確保するためにはフィルムが溶融していることが必要であり、 必然的に ラミネート後の金属板と接する部分のフィルム複屈折率は低下することとなる。 本 発明に規定するようにこの部分のフィルム複屈折率が 0. 0 2以下であれば、 ラミ ネート時のフィルム溶融濡れが十分であることを示し、 従って優れた密着性を確保 することが可能となる。
また、 上記に示す複屈折率が 0 . 0 2以下の部分の厚みは、 金属板との接触界面 からフィルム厚み方向へ 5 .m未満の領域に限定することが望ましい。 この理由は 以下のとおりである。
本発明で示すフィルムは結晶配向パラメ一ター Rを制御することにより優れた加 ェ性を有するが、 フィルムが完全溶融すると結晶構造力崩れるため、 以後の加工- 加熱処理において容易に結晶化が生じフィルムの加工性が劣化してしまう。
しかし、 上記に示すようにフィルム密着性を確保するためには、 フィルムの溶融 濡れが必須となる。 そこで、 本発明者らが鋭意検討した結果、 フィルムが溶融した 部分すなわちフィルムの複屈折率が 0. 0 2以下である部分の厚みを 5 m未満に 規制することで密着性を確保しつつ、 加工性 ·耐衝撃性を高いレベルで両立するこ とが可能となる。
実施の形態 3で用いるフィルムにおいては、 公知の酸化防止剤を質量比で樹脂に 対して 0. 0 0 0 1〜 1 %添加することが耐衝撃性を向上させる点から好ましく、 さらに好ましくは 0 . 0 0 1〜1 %である。 また、 特性 ¾損ねない範囲でジェチレ ングリコールをポリマ製造時に添加してもよい。
また、 該フィルムの密度は 1 . 4 0 0 gZ c m3以下であることがより成形性を 向上させる点から好ましく、 より好ましくは 1 . 3 9 9 gZ c m3以下、 さらに好 ましくは 1 . 3 9 8 gZ c m3以下である。
実施の形態 3で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムの構成としては、 単層、 複 層の如何を問わない。 複層構造とした場合は、 内容物と接するフィルム (樹脂フィ ルム B) の最上層にワックスが添加されていることが必要であり、 経済性等の面よ りフィルムの最上層にのみヮッタスが添加されていることが ましい。
フィルムの厚さは、 金属にラミネ一卜しこ俊の成形性、 金属に対する被覆性、. 耐 衝撃性、 味特性の点で、 3〜 5 0 mであることが好ましく、 さらに好ましくは 8 〜3 0 iimである。
フィルム自体 (積層フィルムを含む) の製造方法としては、 特に限定されないが、 例えば各ポリエステルを必要に応じて乾燥した後、 単独及び Zまたは各々を公知の 溶融積層押出機に供給し、 スリット状のダイからシート状に押出し、 静電印加等の 方式によりキャスティングドラムに密着させ冷却固化し未延伸シートを得る。
この未延伸シ一トをフィルムの長手方向及び幅方向に延俾することによりニ軸延 伸フィルムを得る。 延伸倍率は目的とするフィルムの配向度、 強度、 弾性率等に応 じて任意に設定することができるが、 好ましくはフィルムの品質の点でテン夕一方 式によるものが好ましく、 長手方向に延伸した後、 幅方向に延伸する逐次二軸延伸 方式、 長手方向、 幅方向をほぼ同じに延伸していく同時二軸延伸方式力望ましい。 次に、 これらのフィルムを金属板にラミネートするときの製造法について述べる。 本発明では、 金属板をフィルムの融点を超える温度で加熱し、 その両面に該樹脂フ イルムを圧着ロール (以後ラミネートロールと称す) を用いて接触させ熱融着させ る方法を用いる。
ラミネ一ト条件については、 実施の形態 3.に規定するフィルム構造が得られるも のであれば特に制限されるものではない。 例えば、 ラミネ'ート開始時の温度を 2 8 0 °C以上とし、 ラミネート時にフィルムの受ける温度履歴として、 フィルムの融点 以上の温度で接してる時間を 1〜2 0 m s e cの範囲とすることが好適である。 こ のようなラミネ一ト条件を達成するためには、 高速でのラミネートに加え接着中の 冷却も必要である。 ラミネート時の加圧は特に規定するものではないが、 面圧とし て l〜3 0 k g f Z c m2が好ましい。 この値が低すぎると、 融点以上であっても 時間が短時間であるため十分な密着性を得難い。 また、 加圧が大きいとラミネート 金属板の性能上は不都合がないものの、 ラミネートロールにかかる力が大きく設備 的な強度が必要となり装置の大型化を招くため不経済である。
金属扳としては、 缶用材料として広く使用されているアルミニウム板や軟鋼板等 を用いることができ、 特に下層が金属クロム、 上層がクロム水酸化物からなる二層
皮膜を形成させた表面処理鋼板 (いわゆる丁 FS) 等が最適である。
TFSの金属クロム層、 クロム水酸化物層の付着量についても、 特に限定されな いが、 加工後密着性 '耐食性の観点から、 何れも Cr換算で、 金属クロム層は 70 〜20 Omg/m2, クロム水酸ィヒ物層は 10〜3 OmgZm2の範囲とすることが 望ましい。
魏例
厚さ 0. 18mm ·幅 977mmの冷間圧延、 焼鈍、 調質圧延を施した鋼板を、 脱脂、 酸洗後、 クロムめつきを行い、 クロムめつき鋼板を製造した。 クロムめつき は、 Cr〇3、 F -、 SO -を含むクロムめつき浴でクロムめつき、 中間リンス後、 Cr〇3、 F-を含む化成処理液で電解した。 その際、 電解条件 (電流密度 '電気量 等) を調整して金属クロム付着量とクロム水酸化物付着量を調整した。
次いで、 図 2に示す金属帯のラミネート装置を用い、 前記で得たクロムめつき鋼 板 1を金属帯加熱装置 2で加熱し、 ラミネート口一ソレ 3で前記クロムめつき鋼帯 1 の一方の面に、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルム (樹脂フィルム B) と して、 表 1に示す各種フィルム 4 a、 他方の面に、 容器成形後に容器外面側となる 樹脂フィルム (樹 3 フィルム A) として各種フィルム 4bをラミネート (熱融着) しラミネート金属帯を製造した。 容器成形後に容器内面側になる觀 フィルム 4 a は、 容器外面側になる樹脂フィルム 4bにワックスを添加したものを使用した。 ラ ミネ一卜した樹 J!旨フィルムの内容を表 6に記載する。 ラミネートロール 3は内部水 冷式とし、 ラミネート中に冷却水を強制循環し、 フィルム接着中の冷却を行った。 なお、 使用した二軸延伸ポリエステルフィルムの特性は、 下記の (1) 〜 (3) の方法により、 また、 以上の方法で製造したラミネート金属板の特性は、 下記の ( 4) 〜 (9) の方法により、 測定、 評価した。 (1) 、 (2) はラミネート前の原 板フイルムの特性である。
(1) 結晶配向パラメーター R
'反射 X線回折測定により得られた'(1 -1 0) 面と (1 0 0)面の強度を用 いて、 下記式に従い、 結晶配向パラメ一夕一 Rを求めた。 ここで、 測定 X線波長は、 0. 15418nmである。 (1 —1 0) 面の回折はブラッグ角度約 11. 3°
に、 また (1 0 0) 面の回折はブフック角度約 12. 7° に観測された。 ... R=H/h + 0. 015
ただし、
H: (1 —1 0) 面の回折ピーク強度値
h: (1 0 0) 面の回折ピーク強度値
(2) フィルムの密度
フィルムの密度は、 水—臭化ナトリゥム水溶液系で密度勾配法により求めた。
(3) ポリエステルフィルムの複屈折率
偏光顕微鏡を用いてラミネート金属板の金属板を除去した後のフィルムの断面方 向のレタデ一シヨンを測定し、 フィルムの断面方向の複屈折率を求めた。
(4) 内容物取り出し性
絞り成形機を用いて、 ラミネート金属板を、 絞り工程で、 ブランク径: 100m m、 絞り比 (成形前径 Z成形後径) : 1. 88でカップ成形した。 続いて、 この力 ップ内に、 卵 ·肉 ·オートミールを均一混合させた内容物を充填し、 '蓋を巻締め後、 レトルト処理 (13(TCX90分間) を行った。 その後、 蓋を取り外し、 カップを 逆さまにして 2、 3回手で振つて内容物を取り出した後に力ップ内側に残存する内 容物の程度を することにより、 内容物の取り出し易さの程度を評価した。
(評点について)
◎:内容物の取り出し力容易であり、 取り出し後のカップ内面に付着物が無い状態。 〇:手で振るだけでは内容物の取出しが困難であるが、 スプーン等により容易に取 り出すことができ、 取り出し後のカップ内面に付着物がほとんど無い状態。
X:手で振るだけでは内容物の取り出しが困難であり、 スプーン等で搔き出さない と内容物が取り出せず、 取り出し後の力ップ内面に多くの付着物力認められる状態。
(5) 成形性
ラミネート金属板にワックス塗布後、 直径 179mmの円板を打ち抜き、 絞り比 1. 60で浅絞り缶を得た。 次いで、 この絞りカップに対し、 絞り比 2. 10及び 2. 80で再絞り加工を行った。 この後、 常法に従いドーミング成形を行った後、 トリミングし、 次いでネックイン一フランジ加工を施し 铰り缶を成形した。 この
ようにして得た深絞り缶のネックイン部に看 gし、 フィルムの損傷程度を目視観察 した。
(評点について)
◎:成形後フィルムに損傷なく、 フィルム剥離も認められない。
〇:成形可能であるが、 フィルム剥離が認められる。
X:缶が破胴し、 成形不可能。
(6) 密着性
上記 (5) で成形可能であった缶に対し、 缶胴部よりピール試験用のサンプル ( 幅 15mmx長さ 12 Omm) を切り出した。 切り出したサンプルの長辺側端部か らフィルムを一部剥離し、 引張試験機で剥離した部分のフィルムを、 フィルムが剥 離されたクロムめつき鋼板とは反対方向 (角度: 180° ) に開き、 引張速度 30 mm/mi nでピール試験を行い、 密着力を評価した。 なお、 密着力測定対象面は、 缶内面側とした。
(評点について) - ◎: 1.47N/15mi以上 (0.15kgf/15醒以上)。
〇: 0.98N/15画以上、 1.47N/15讓未満 (0.10kgf/15腿以上, 0.15kgf /15腿未満)。
X: 0.98N/15IM未満(0.10kgf/15匪未満)。
(7) 耐衝撃性
上記 (5) で成形可能であった缶に対し、 水を満中し、 各試験について 10個ず つを高さ 1. 25mから塩ビタイル床面へ落とした後、 電極と金属缶に 6 Vの電圧 をかけて 3秒後の電流値を読み取り、 10缶測定後の平均値を求めた。
(評点について)
◎: 0. 01 mA未満。
0: 0. 01 mA以上、 0. 1 mA未満。
X: 0. 1mA以上。
(8) 品質安定性
±12 (7) 耐衝撃性について、 測定値の標準偏差を求め、 変動係数を、 標準偏差 /測定値 X I 00 (%) から算出し、 以下のように評価した。
(評点について)
O: 10 %未満。
X: 10%以上。
(9) 味特性
上記 (5) で成形可能であった缶に 12 Ot:x 30分のレトルト処理を行った後、 香料水溶液 d—リモネン 25 p p m水溶液を 350ml充填し、 40 密封後 45 日放置し、 その後開封して官能検査によって、 臭気の変ィヒを以下の基準で評価した。 〇:臭気にほとんど変化は見られない。
△:臭気にやや変化が見られる。
X : ^に変化が大きく見られる。
結果を表 7に記載した。 表 6及び表 7に示すように、 実施の形態 3の発明例 は、 いずれも品質安定性に優れ良好な特性を示した。
表 6における 1) 一 4) は以下を示す。
1) PET :ポリエチレンテレフ夕レート
2) PET/K12):イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフ夕レート
(数字は共重合%)
3) ステアリルステアレイ:ステアリン酸エステル (C18—C18)
4) ワックスは容器内面側になる樹 ϋ旨フィルムのみ添加
' 本発明例において、 ワックス成分としてカルナゥバろう若しくはステアリン酸ェ ステルを含有するものは内容物取り出し性がより優れる。 フィルムの複屈折率の値 が 0. 02以下である領域が金属板との接触界面から厚さが 5 m未満であると成 形性がより優れる。
これに対し、 実施の形態 3の範囲を外れる比較例は、 内容物取り出し性または味 特性が不良であり、 または品質安定性が劣つていた。
表 6
: 拏
£Ρ£Ζ0/Ζ0άΐΙ13ά
魏の形態 4
本発明者らは、 ィソフタル酸成分を実質的に含有せずにフィルム構造を高度に制 御した二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムにヮックス成分を添加することにより、 この目的が達成されることを見出した。 すなわち、 実施の形態 4の要旨は以下のと おりである。
(1) 融点が240〜300 、 カルボキシル末端基が 10〜 50当量/トン、 酸成分として実 的にィソフタル酸成分を含有しない二軸延伸ポリエステルフィル ムを樹脂フィルム A、 また前記二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムであって、 さら に質量比で樹脂に対して 0. 10〜2. 0%のワックス成分を含有する樹脂フィル ムを樹脂フィルム Bとしたとき、 容器成形後に容器内面側になる金属板の表面に榭 脂フィルム B、 容器外面側になる金属板の表面に樹脂フィルム Aをラミネートした ことを特徴とする容器用フィルムラミネ一ト金属板。
(2) ワックス成分として、 カルナゥバろう若しくはステアリン酸エステルを含 有することを特徴とする前記 (1) に記載の容器用フィルムラミネート金属板。
(3) ラミネート後の樹脂フィルム A、 樹脂フィルム Bの複屈折率が 0. 02以 下である領域が金属板との接触界面からフィルム厚み方向に 5 m未満であること を特徴とする請求項 1または 2に記載の容器用フィルムラミネ一ト金属板。
(4) 樹脂フィルム A、 樹旨フィルム Bを構成するポリエステル単位の 95質 量%以上がェチレンテレフ夕レート単位および/またはェチレンナフタレート単位 であることを特徴とする前記 (1)〜(3) のいずれかに記載の容器用フィルムラ' ミネート金属板。
(5) ラミネートした樹脂フィルム A、 樹脂フィルム Bの厚さ方向屈折率が 1. 5 00以上であることを特徴とする前記 (1) 〜 (4) のいずれかに記載の容器用フ イルムラミネート金属板。
(6) 樹脂フィルム A、 樹脂フィルム Bの固体高分解能 NMRによる構造解析に おけるカルボニル部の緩和時間が 270ms e c以上であることを特徴とする前記 (1) 〜 (5) のいずれかに記載の容器用フィルムラミネート金属板。
(7) 樹脂フィルム Bが少なくとも 2層以上から構成され、 該樹脂フィルム Bは内
容物と接する最上層にのみ、 質量比で樹脂に対して 0. 1 0〜2 . 0 %のワックス 成分を含有することを特徴とする前記 ( 1 ) 〜 ( 6 ) のいずれかに記載の容器用フ イルムラミネート金属板。 以下、 実施の形態 4について詳細に説明する。
実施の形態 4ではフィルム (樹脂フィルム A、 樹旨フイルム B) にポリエステルフ イルムを使用し、 ポリエステルは、 D S Cにおける融点 (融解ピーク温度) が 2 4 0〜3 0 (TCであることが、 味特性を良好とする点で必要であるが、 好ましくは、 融点が 2 4 5 ~ 3 0 0で、 特に好ましくは融点が 2 4 6〜 3 0 0。(:であることが望 ましい。 なお、 実施の形態 4において、 味特性が良好とは、 击の内容物の香り成分 のフィルムへの吸着あるいはフィルムからの溶出物によって内容物の風味がそこな われない程度をいう。
さらに実施の形態 4で用いるフィルムは、 金属板との密着性、 レトルト後の味特 性を良好とする点でポリエステルのカルボキシル末端基量が 1 0〜 5. 0当量 Zトン であることが必要である。 カルボキシル末端基は極性を有するので、 この量が増加 すると密着性は良好となるが、 内容物の香味成分を吸着しやすくなり味特性が劣る ようになる。 カルボキシル末端基量が 1 0当量 zトン未満では良好な密着性を得る ことができず、 5 0当量 Zトンを越えると味特性が劣化する。 ポリエステルのカル ポキシル末端基量が 1 5〜 4 8当量 Zトン、 特に好ましくは 1 5〜 4 5当量 トン であると長期保存性に優れるので望ましい。
実施の形態 4で用いるポリエステルは、 酸成分として実質的にイソフ夕ル酸成分 を含有しないことが必要であるが、 レトルト後の味特性を良好とする点、 製缶工程 での摩耗粉の発生を抑制する点で、 エチレンテレフタレートおよび/またはェチレ ンナフタレートを主たる構成成分とすることが好ましい。 なお、 実質的にイソフタ ル酸を含有しないとは、 不可避的に不純物として混入するもの以外に、 意図的にィ ソフタル酸を含有させないことをいう。
フィルム中に含まれる重合度力 ί不十分な低分子量成分は、 飲料等の内容物中へ溶 出しやすいため、 味特性を劣ィヒさせる。 ポリエステル中に実質的にイソフタル酸成
分を含有しないことによって、 フィルム甲の星合度カ坏十分な低 量成分カ獮少 するので、 内容物中に溶出する 子 S ^分が減少し、 味特性の劣ィ匕が防止される。 エチレンテレフ夕レートおよび/またはエチレンナフタレートを主たる構成成分 とするポリエステルとは、 ポリエステルの 9 5質量%以上がエチレンテレフタレ一 トおよび Zまたはエチレンナフタレートを構成成分とするポリエステルである。 9 7質量%以上であると金属缶に内容物を長期充填しても味特性が良好であるのでさ らに好ましい。
一方、 味特性を損ねない範囲で他のジカルボン酸成分、 グリコール成分を共重合 させてもよく、 ジカルボン酸成分としては、 例えば、 ジフエ二ルカルボン酸、 5— ナトリウムスルホイソフタル酸、 フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、 シユウ酸、 コ ハク酸、 アジピン酸、 セバシン酸、 ダイマー酸、 マレイン酸、 フマル酸等の脂肪族 ジカルボン酸、 シクロへキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、 p—ォキシ 安息香酸等のォキシカルボン酸等を挙げることができる。
一方、 グリコール成分としては、 例えばエチレングリコール、 プロパンジオール、 ブタンジオール、 ペンタンジオール、 へキサンジオール、 ネオペンチルダリコール 等の脂肪族グリコール、 シクロへキサンジメタノール等の指環族グリコール、 ビス フエノール A、 ビスフエノール S等の芳香族グリコール、 ジエチレングリコール、 ポリエチレングリコール等が挙げられる。 なお、 これらのジカルボン酸成分、 ダリ コール成分は 2種以上を併用してもよい。
また、 実施の形態 4の効果を阻害しない限りにおいて、 トリメリット酸、 トリメ シン酸、 トリメチロールプロパン等の多官能化合物を共重合してもよい。
本発明で用いるポリエステルに少量含有される成分としては、 ジエチレングリ コール、 ポリエチレングリコール、 シクロへキサンジメタノ一ゾレ、 セバシン酸、 ダ イマ一酸などがあるが、 味特性が厳しい用途ではジエチレングリコール、 ポリェチ 'レングリコールなどが挙げられる。
また、 実施の形態 4では、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルム (樹脂フ イルム B) が、 さらに質量比で榭脂に対して 0. 1 0〜2 . 0 %のワックス成分を 含有することを規定する。 添加物としてワックス成分を含有させる理由は、 ①フィ
ルムの表面エネルギーを低下させるしここ、 フィルム表面への潤滑性付与である。 ①の効果によってフィルムに内容物が密着し難くなり、 ②の効果によつてフィルム 表面の摩擦係数を低下させることでもって内容物の取出し性を飛躍的に向上させる ことが可能となる。
0 . 1 0 %以上に限定した理由は、 0 . 1 0 %未満となると、 上記の①、 ②の効 果が乏しくなり、 内容物の取出し性が劣るためである。 また、 2. 0 %以下に限定 した理由は、 2 . 0 %を超えると内容物取出し性がほぼ飽和してしまい特段の効果' 力得られないとともに、 フィルム成膜技術的にも困難な領域であり生産性に乏しく コスト高を招いてしまうためである。
また、 添加するワックス成分としては、 有機'無機滑剤が使用可能であるが、 脂 肪酸エステル等の有機滑剤が望ましく、 なかでも植物ろうの一つであって天然ヮッ クスであるカルナゥバろう (主成分: C H3 (CH2) 24C〇〇 ( C H2) 23C H3であ り、 この他種々脂肪族とアルコールからなる成分も含有する。 ) あるいは、.ステア リン酸エステルは上記の①、 ②効果が大きく、 かつ分子構造上当該フィルムへの添 加が容易であるため好適である。 なお、 前記したワックスを含有するポリエステル フィルムは、 ポリエステルに所定量のワックスを配合した後、 通常の成膜法により 製造できる。
なお、 以上の効果は、 ワックス成分をフィルム表面に塗布することによっては得 られない。 食品缶詰等は、 内容物充填後に殺菌のためレトルト処理を施すが、 その 際表面に予め塗布されたヮックスが内容物に吸収されてしまうからである。 実施の 形態 4のようにフィルム内に添加した場合、 レトルト処理の間に徐々にワックスが 表面に濃化するためすべてが内容物に吸収されることなく、 もって前記した効果を 確実に発現することが可能となる。
また、 金属板上にラミネートされた後の該フィルムの構造としては、 複屈折率が 0 . 0 2以下である領域を、 金属板との接触界面からフィルム厚み方向に 5 /z m未 満とすることが ましい。 ラミネート金属板の製造は、 フィルムを熱せられた金属 板に接触させ圧着することで金属板界面のフィルム樹脂を溶融させ金属板に濡れさ せることでフィルムとの接着を行うの力 s通常である。 従って、 フィルムと金属板と
の密着性を確保するためにはフィルムが溶融していることが必要であり、 必然的に ラミネート後の金属板と接する部分のフィルム複屈折率は低下することとなる。 実施の形態 4に規定するようにこの部分のフィルム複屈折率が 0. 0 2以下であ れぱ、 ラミネート時のフィルム溶融濡れが十分であることを示し、 従って優れた密 着性を確保することが可能となる。
また、 上記に示す複屈折率が 0 . 0 2以下の部分の厚みは、 金属板との接触界面 からフィルム厚み方向へ 5 im未満の領域に限定することが望ましい。 この理由は 以下のとおりである。
実施の形態 4で使用するフィルムは固体高分解能 NMRによる構造解析における カルボニル部の緩和時間 T 1 pで表現される分子運動性が低いという特徴を有し、 以って優れた成形性 ·耐衝撃性を有するが、 フィルムが完全溶融するとその効果が 乏しくなり、 以後の加工 ·加熱処理において容易に結晶化が生じフィルムの成形性 が劣化してしまう欠点を有する。
しかし、 上記に示すようにフィルム密着性を確保するためには、 フィルムの溶融 濡れが必須となる。 本発明者らが鋭意検討した結果によると、 フィルムが溶融した 部分すなわちフィルムの複屈折率が 0 . 0 2以下である部分の厚みを 5 im未満に 規制することで、 密着性を確保しつつ、 .成形性 ·耐衝撃性を高いレベルで両立する ことが可能となる。
実施の形態 4で用いるフィルムは、 耐熱性、 味特性の点で、 ポリエステルを二軸 延伸化することが必要である。 二軸延伸の方法としては、 同時二軸延伸、 逐次二軸 延伸のいずれであってもよいが、 延伸条件、 熱処理条件を特定し、 フィルムの厚さ 方向の屈折率が 1 . 5 0 0以上とすることが、 ラミネート性、 絞り成形性を良好と する点で好ましい。 さらに、 厚さ方向屈折率が 1 . 5 1 0以上、 特に 1 . 5 2 0以 上であると、 ラミネート時に多少の温度のばらつきがあっても、 ラミネート後のフ ィルムの面配向係数を成形性、 耐衝擊性を両立させる上で必要な面配向係数の範囲 に制御することが可能となるので好ましい。
また、 実施の形態 4で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムは、 製缶工程で絞り 成形後に 2 0 0〜3 0 0 °C程度の熱履歴を受けた後にネック部を加工する際の成形
性向上の点で固体高分解能 NMRに 栴; 祈におけるカルボニル部の緩和時間 T 1 ιθが 2 7 O m s e c以上であることが好ましい。
さらに、 実施の形態 4で用いるフィルムは、 ネック部を加工する際の成形性向上 の点でポリエステルの熱結晶ィヒパラメ一夕 AT c g (昇温熱結晶化温度一ガラス転 移温度) が 6 0 °C以上 1 5 0 °C以下が好ましく、 特に好ましくは 7 0 °C以上 1 5 0 °C以下である。 このような熱結晶性を付与する方法としては、 触媒、 分子量、 ジェ チレンダリコールの含有量をコントロールすることにより達成しうる。
実施の形態 4で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムの構成としては、 単層、 複 層の如何を問わない。 複層構造とした場合は、 内容物と接するフィルム (樹脂フィ ルム B) の最上層にワックスが添加されていることが必要であり、 経済性等の面よ りフィルムの最上層にのみヮックスが添加されていることか ましい。 フィルムの 厚さは、 金属にラミネートした後の成形性、 金属に対する被覆性、 耐衝撃性、 P未特 性の点で、 3 ~ 5 0 mであることが好ましく、 さらに好ましくは 8〜3 0 mで ある。 .
フィルム自体 (積層フィルムを含む) の製造方法としては、 特に限定されないが、 例えば各ポリエステルを必要に応じて乾燥した後、 単独及びノまたは各々を公知の 溶融積層押出機に供給し、 スリット状のダイからシート状に押出し、 静電印加等の 方式によりキャスティングドラムに密着させ冷却固化し未延伸シートを得る。
この未延伸シ一トをフィルムの長手方向及び幅方向に延伸することによりニ軸延 伸フィルムを得る。 延伸倍率は目的とするフィルムの配向度、 強度、 弾性率等に応 じて任意に設定することができるが、 好ましくはフィルムの品質の点でテンター方 式によるものが好ましく、 長手方向に延伸した後、 幅方向に延伸する逐次二軸延伸 方式、 長手方向、 幅方向をほぼ同じに延伸していく同時二軸延伸方式が望ましい。 次に、 これらのフィルムを金属板にラミネートするときの製造法について述べる。 本発明では、 金属板をフィルムの融点を超える温度で加熱し、 その両面に該樹脂フ イルムを圧着ロール (以後ラミネートロールと称す) を用いて接触させラミネート (熱融着) させる方法を用いる。
ラミネート条件については、 実施の形態 4に規定するフィルム構造が得られるも
のであれば特に制限されるもので /よい。 んば、 ラミネート開始時の温度を 2 8 0 °C以上とし、 ラミネート時にフィルムの受ける温度履歴として、 フィルムの融点 以上の温度になる時間を 1〜2 O m s e cの範囲とすることが好適である。 このよ うなラミネ一ト条件を達成するためには、 高速でのラミネートに加え接着中の冷却 も必要である。 ラミネート時の力 Π圧は特に規定するものではないが、 '面圧として 1 〜3 0 k g f Z c m2が好ましい。 この値が低すぎると、 融点以上であっても時間 が短時間であるため十分な密着性を得難い。 また、 加圧が大きいとラミネート金属 板の性能上は不都合がないものの、 ラミネートロールにかかる力が大きく設備的な 強度が必要となり装置の大型ィ匕を招くため不経済である。
金属板としては、 缶用材料として広く使用されているアルミニウム板や軟鋼板等 を用いることができ、 特に下層が金属クロム、 上層がクロム水酸化物からなる二層 纖を形成させた表面処理鋼板 (いわゆる T F S) 等が最適である。 T F Sの金属 クロム層、 クロム水酸化物層の付着量についても、 特に限定されないが、 加工後密 着性 ·耐食性の観点から、 何れも C r換算で、 金属クロム層は 7 0〜2 0 O mg/ m2、 クロム水酸化物層は 1 0 ~ 3 O m gZm2の範囲とすることか ましい。
麵例
厚さ 0 . 1 8 mm ·幅 9 7 7 mmの冷間圧延、 焼鈍、 調質圧延を施した鋼板を、 脱脂、 酸洗後、 クロムめつきを行い、 クロムめつき鋼板を製造した。 クロムめつき は、 C r 03、 F -、 S〇4 を含むクロムめつき浴でクロムめつき、 中間リンス後、 C r 03、 F_を含む化成処理液で電解した。 その際、 電解条件 (電流密度 '電気量 等) を調整して金属クロム付着量を 1 2 O m gZm2、 およびクロム水酸化物付着 量を 1 5 m g/m2に調整した。
次いで、 図 2に示す金属帯のラミネート装置を用い、 前記で得たクロムめつき鋼 板 1を金属帯加熱装置 2で加熱し、 ラミネートロール 3で前記クロムめつき鋼帯 1 の一方の面に、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルム (樹脂フィルム B) と て、 表 1に示す各種フィルム 4 a、 他方の面に、 容器成形後に容器外面側となる 樹脂フィルム (樹脂フィルム A) として各種フイルム 4 bをラミネート (熱融着) しラミネート金属帯を製造した。 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルム 4 a
は、 容器外面側になる樹脂フィルム 4 Dにソックスを添加したものを使用した σ ラ ミネートした樹 J!旨フィルムの内容を表 8に記載する。 ラミネートロール 3は内部水 冷式とし、 ラミネート中に冷却水を強制循環し、 フィルム接着中の冷却を行った。 なお、 使用した二軸延伸ポリエステルフィルムの特性は、 下記の (1) 〜 (5) 、 また、 以上の方法で製造したラミネート金属板の特性は、 下記の (6) 〜 (10) の方法により、 測定、 評価した。 (1) 〜 (4) はラミネート前の原板フィルムの 特性である。 (1) 、 (3) および (4) の特性はラミネート後も変わらない。
( 1 ) ポリエステルのカルボキシル末端基量
ボリエステルを 0—クレゾール/クロ口ホルム (質量比 7 3) に 90〜100 でで 20分の条件で溶解し、 アル力リで電位差滴定を行い求めた。
(2) フィルムの厚さ方向屈折率
ナトリウム D線 (波長 589 nm) を光源として、 アッベ屈折計を用いて測定し た。
(3) ポリエステルの融点
熱結晶化パラメ一夕ポリエステルを乾燥、 溶融後急冷し、 示差走査熱量計 (パー キン ·エルマ一社製 D S C— 2型) により、 16 aC/m i nの昇温速度で測定した。
(4) 固体高分解能 NMRによる緩和時間 Tl ρ
固体 NMRの測定装置は、 日本電子製スぺクトロメータ JNM— GX270、 日 本電子製固体アンプ、 MASコントローラ NM— GSH27MU、 日本電子製プ ローブ NM— GSH27Tを用いた。 測定は、 13C核の Ti p (回転座標における 縦锾和) 測定を実施した。 測定は、 温度 24. 5で、 湿度 50%RH、 静磁場強度 6. 34T (テスラ) 下で、 1H、 13 Cの共鳴周波数はそれぞれ 270. 2 MHz, 67. 9 MHzである。 ケミカルシフトの異方性の影響を消すために MAS (マジ ック角度回転) 法を採用した。 回転数は、 3. 5〜3. 7 kHzで行った。 パルス 系列の条件は、 1Hに対して 90° 、 パルス幅 4^ s e c、 ロッキング磁場強度 6 2. 5 kHzとした。 1Hの分極を 13Cに移す CP (クロスポーラリゼーシヨン) ' の接触時間は 1. 5 m s e cである。 また保持時間てとしては、 0. 001、 0. 5、 0. 7、 1、 3、 7、 10、 20、 30、 40、 50 m s e cを用いた。 保持
時間て後の 13C磁ィ匕ベクトルの自田誘導顾哀 (F I D) を測定した (F ID'測定 中 1Hによる双極子相互作用の影響を除去するために高出力カツプリングを行った。 なお、 SZNを向上させるため、 512回の積算を行った) 。 また、 パルス繰り返 し時間としては、 5〜 15 s e cの間で行った。
T 1 p値は、 通常 I (t) =∑ (Ai)exp(-tAl p i)で記述することができ、 各保持時 間に対して観測されたピーク強度を片対数プロッ卜することにより、 その傾きから もとめることができる。 ただし、 Ai: Tip iに対する成分の割合である。
ここでは 2成分系 (Tl Jl:非晶成分、 T1 :結晶成分) で麟斤し、 下記の式を 用い最小 2乗法フィッティングによりその値を求めた。
I (t) =fal · ex (-t/Tl p 1) + fa2 · exp (-t/Tl p 2)
fal: Tlplに対する成分の割合
fa2: Tl p 2に対する成分の割合
fal+fa2=l
ここで Tl /0としては Tl p 2を用いる。
(5) ポリエステルフィルムの複屈折率
偏光顕微鏡を用いてラミネート金属板の金属板を除去した後のフィルムの断面方 向のレ夕デ一ションを測定し、 フィルムの断面方向の複屈折率を求めた。
(6) 内容物取り出し性
'絞り成形機を用いて、 ラミネート金属板を、 絞り工程で、 ブランク径: 100m m、 絞り比 (成形前径 Z成形後径) : 1. 88でカップ成形した。 続いて、'この力 ップ内に、 卵 ·肉 ·オートミールを均一混合させた内容物を充填し、 蓋を巻締め後、 レトルト処理 (130°CX 90分間) を行った。 その後、 蓋を取り外し、 カップを 逆さまにして 2、 3回手で振つて内容物を取り出した後に力ップ内側に残存する内 容物の程度を観察することにより、 内容物の取り出し易さの程度を評価.した。
(評点について)
◎:内容物の取り出しが容易であり、'.取り出し後のカップ内面に付着物が無 状態。
〇:手で振るだけでは内容物の取出しが困難である力 スプーン等により容易に取
り出すことができ、 取り出し後の力ッノ 」回に付着物がほとんど無い状態。
X:手で振るだけでは内容物の取り出しが困難であり、 スプーン等で搔き出さない と内容物が取り出せず、 取り出し後の力ップ内面に多くの付着物が認められる状態。
(7) 成形性
ラミネート金属板にワックス塗布後、 直径 179mmの円板を打ち抜き、 絞り比 1. 60で浅絞り缶を得た。 次いで、 この絞りカップに対し、 絞り比 2. 10及び 2. 80で再絞り加工を行った。 この後、 常法に従いドーミング成形を行った後、 トリミングし、 次いでネックイン一フランジ加工を施し深絞り缶を成形した。 この ようにして得た深絞り缶のネックイン部に着目し、 フィルムの損傷程度を目視観察 し/し
(評点について)
◎:成形後フィルムに損傷なく、 フィルム剥離も認められない。
〇:成形可能であるが、 フィルム剥離が認められる。
X:缶が破胴し、 成形不可能。
(8) 密着 I'生
上記 (7) で成形可能であった缶に対し、 缶胴部よりピール試験用のサンプル ( 幅 15mmx長さ 120mm) を切り出した。 切り出したサンプルの長辺側端部か らフィルムを一部剥離し、 引張試験機で剥離した部分のフィルムを、 フィルムが剥 離されたクロムめつき鋼板とは反対方向 (角度: 180° ) に開き、 引張速度 30 mm/mi nでピール試験を行い、 密着力を評価した。 なお、 密着力測定対象面は、 缶内面側とした。
(評点について)
◎: 1.47N/15M1以上 (0.15kgf/15腿以上)。
〇: 0.98N/15腿以上、 1.47N/15腿未満 (0.10kgf/15腿以上、 0.15kgf/15匪未満)。 X: 0.98N/15IM未満 (0.10kgf/15醒未満)。
(9) 耐衝撃性
上記 (7) で成形可能であった缶に対し、 水を満中し、 各試験について 10個ず つを高さ 1. 25mから塩ビタイル床面へ落とした後、 電極と金属缶に 6 Vの電圧
をかけて 3秒後の電流値を読み取り、 丄 u mu定後の平均値を求めた。
(評点について)
◎: 0. 01 mA未満。
0: 0. 01mA以上、 0. 1mA未満。
X: 0. 1mA以上。
(10) 味特性
上記 (7) で成形可能であった缶に 120で X 30分のレトルト処理を行った後、 香料水溶液 d -リモネン 25 p pmz溶液を 350ml充填し、 40で密封後 45 日放置し、 その後開封して官能検査によって、 臭気の変ィヒを以下の基準で評価した。 〇:臭気にほとんど変化は見られない。
Δ:臭気にやや変ィヒが見られる。
X:臭気に変化が大きく見られる。
B結果を表 9に記載した。 表 8および表 9に示すように、 実施の形態 4の発明例 は、 いずれも内容物取り出し性、 成形性、 密着性、 耐衝擊性及び味特性が良好な特 性を示した。 表 8における 1) —4) は以下を示す。
1) PET:ポリエチレンテレフタレート
2) PET/1 (12):イソフタリレ酸共重合ポリエチレンテレフタレ一ト
(数字は共重合%)
3) ステアリルステアレイ:ステアリン酸エステル (C 18—C 18)
4) ワックスは容器内面側になる樹脂フィルムのみ添加
本発明例において、 ヮックス^分としてカルナゥバろう若しくはステアリン酸ェ ステルを含有するものは内容物取り出し性がより優れる。 フィルムの複屈折率の値 が 0. 02以下である領域が金属板との接触界面から厚さが 5 m未満であると成 形性がより優れる。 緩和時間 T 1 pが 27 Oms e c以上であると、 成形性がより 優れる。 フィルムを構成するポリエステル単位の 95質量%以上がエチレンテレフ タレ一ト単位であると、 耐衝擊性、 味特性がより優れている。
これに対し、 実施の形態 4の範囲を外れる比較例は、 内容物取り出し性、 P未特性、 成形性の少なくとも 1つが不良であった。
表 8
分 原 板 フ ィ ル ム ラ S 、一卜 ί フィ Jレム っノ しに 丁レノ ワックス" =Α占
ノイルム J^C レ小 Ύ iv^s
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明 1 iti PET 98 7) レナ,ノノヽ 0.50 15 255 33 l.ol I 320 L aa PET 98 力■/レナウノゝ 0.50 15 255 19 1.511 310
PET 98 カノレナク'、 0.50 15 255 25 1.521 280 o c. 究明 リ Ί 1 :ドヒ I 98 /lyレ ·ノ \ 0.50 15 255 33 1.521 J4U
3¾明】タ 4 ドヒ 1 n υοo 刀;レ ヮ/、 0.50 25 255 JU i C
ドヒ 1 ϋ / カ レナウ/、 0.50 12 251 Ja co
BB itll Λ PET 98 カソレナウノ \ 0.50 15 255 33 1.512 350 A *i 発明 1 Π 5 PET 98 カルナゥハ 0.50 15 255 33 1.522 390
発明例 n
16 PET 98 力 Jレナウノく 0.50 15. 255 31 1.522 280 a 発明例 Ί7 二層 PET 98 +ihii ト尾 ? "/ί1ϋ in、 上層)/ 14(下層) 255 33 1.521 340 I 発明例 18 カルナゥハ'(上層のみ添加) 0.75 1511 320 2
B ih 9 PET 93 カルナゥバ . 0.50 15 242 33 1.521 320 2 発明例 20 PET 98 カルナゥバ 0.50 15 255 33 1.490 280 2 発明例 2Ί PET 98 カルナゥバ 0.50 15 255 33 1.511 250 2 比較例 1 PET 98 15 255 33 1.521 310 2 比較例 2 PET 98 カルナゥバ 0.05 15 255 33 1.521 310 2 比較例 3 PET 98 ス亍ァリルス亍アレイ 0.05 15 255 33 1.521 2β0 2 比較例 4 PET/K12) 2) 87 カルナウ/く 0.50 15 229 39 1.512 260 2 比較例 5 PET 89 カルナゥバ 0.50 15 230 40 1.521 220 2 比較例 6 PET 85 . カルナゥバ 0.50 15 255 8 1.492 300 2 比較例 7 PET 89 カルナゥバ 0.50 15 255 52 1.521 230 2
表 9
区 分 特 性 評 価
内容物 成形性 密着性 耐衝撃性 味特性 取り出し性
発明例 1 ◎ ◎ ◎ © 〇 発明例 2 © ◎ 〇 発明例 3 o ◎ ◎ ® ο 発明例 4 ® ® ◎ ◎ ο 発明例 5 ◎ ◎ @ ο 発明例 6 ◎ ◎ @ ® ο 発明例 7 o ◎ ◎ ◎ ο 発明例 8 ◎ ◎ ◎ ◎ ο 発明例 9 ◎ ◎ © 0 発明例 10 ◎ ◎ @ ◎ ο 発明例 1 1 ◎ . ◎ @ @ ο 発明例 1 2 ◎ ◎ © ο 発明例 1 3 ◎ @ ο 発明例" 14 ◎ ◎ 発明例 1 5 ◎ ◎ © ◎ ο 発明例 1 6 ◎ 〇 ◎ 〇 発明例 1 7 @ ◎ ◎ ◎ ο 発明例 1 8 @ ® ® ◎ 〇 発明例 19 © 〇 . Ο ◎ ο 発明例 20 ◎ Ο ® 〇 ο 発明例 21 ◎ 〇 0 ◎ 〇 比較例 1 X ... ◎ ◎ ◎ ο 比較例 2 X ◎ ◎ ◎ 〇 比較例 3 X ◎ © ® 〇 比較例 4 ◎ ◎ 〇 〇 厶 比較例 5 ◎ 〇 〇 厶 比較例 6 ◎ 〇 X ο 厶 比較例 7 ο 〇 ο X
難の形態 5
本発明者らは、 フィルム非晶成分に起因する非晶ヤング率を制御したフィルムに ヮックス成分を添加することにより、 この目的が達成されることを見出し実施の形 態 5に到達した。
すなわち、 実施の形態 5の要旨は以下のとおりである。
( 1 ) 非晶ヤング率が 120〜 220 k g/mm2の二軸延伸ポリエステルフィ ルムを樹 J3旨フィルム A、 前記二軸延伸ポリエステルフィルムであって、 さらに質量 比で樹脂に対して 0. 10〜2. 0%のワックス成分を含有するフィルムを樹脂フ イルム Bとしたとき、 樹脂フィルム Bを容器成形後に容器内面側になる金属板の表 面、 樹脂フィルム Aを容器成形後に容器外面側になる金属板の表面にラミネ一トし たことを特徴とする容器用フィルムラミネート金属板。
(2) ワックス成分として、 カルナゥバろう若しくはステアリン酸エステルを含 有することを特徴とする前記 (1) に記載の容器用フィルムラミネート金属板。
( 3 ) 二軸延伸ポリエステルフィルムが、 非晶ヤング率が 140〜 200kg/ mm2の二軸延伸ポリエステルフィルムであることを特徴とする前記 (1) または
(2) に記載の容器用フィルムラミネート金属板。
(4) ラミネート後の樹脂フィルム A、 樹脂フィルム Bの複屈折率が 0. 02以 下である領域が金属板との接触界面からフィルム厚み方向に 5 m未満であること を特徵とする前記 (1) (3) のいずれかに記載の容器用フィルムラミネート金 属板。
(5) 樹脂フィルム A、 樹脂フィルム Bを構成するポリエステル単位の 95モ ル%以上がエチレンテレフタレ一ト単位であることを特徴とする前記 (1) 〜 (4 ) のいずれかに記載の容器用フィルムラミネ一ト金属板。
(6) 樹脂フィルム A、 樹脂フィルム Bが少なくとも 2層以上から構成され、 金 属板に接するラミネート層と、 この層を除く他の各層との固有粘度差が 0. 01〜 0. 5であることを特徴とする前記 (1) 〜 (5) のいずれかに記載の容器用フィ ルムラミネート金属板。
(7) 樹脂フィルム Bが少なくとも 2層以上から構成され、 該觀旨フィルム Bは、
内容物と接する最上層にのみ、 質量 Kで樹服に对して 0 . 1 0〜2. 0 %のヮック ス成分を含有することを特徴とする前記 (1 ) 〜 (6) のいずれかに記載の容器用 フィルムラミネート金属板。
以下、 実施の形態 5について詳細に説明する。
実施の形態 5で用いるフィルム (樹脂フィルム A、 樹脂フィルム B) は、 長手方向、 それと直角方向の両方の非晶ヤング率が 1 2 0〜2 2 0 k gZmm2であることが、 優れた成形性、 耐衝撃性、 耐レトルト白化性耷発現させる点から必要である。 フィ ルムには非晶構造の部分が少なからず存在し、 ラミネート時の熱履歴により、 その 存在割合は増大する。 従って、 ラミネート後の金属板の特性を支配するのは、 むし ろフィルム非晶部であつて、 この機械特性値を適正に制御することが重要であると 考えられる。
本発明者らは、 フィルムの非晶ヤング率を変ィヒさせることにより、 ラミネート金 属板の機械特性を有効に制御できることを見出した。 すなわち、 非晶ヤング率を適 正な範囲に制御することにより、 ラミネート金属板の成形性、 耐衝搫性を大きく改 善させることか '可能となる。
また、 実施の形態 5は、 耐レトルト白化性に優れるという特徴もある。 レトルト とは、 食品を缶詰にパックする際に行われる殺菌処理のことであり、 加圧水蒸気中 に 1 2 5 °Cで 3 0分間保持するものである。 フィルム '内の非晶部分は、 熱により等 方的に結晶^するため、 容易に球晶構造を形成することが知られている。 生成した 球晶組織は、 可視光を乱反射させるため、 レトルト後のフィルム表面は人間の眼に は白濁して見えるようになる。 これがレトルト白化といわれる現象であり、 色調む らの要因であって商品価値を著しく低下させてしまう。
実施の形態 5では、 フィルムの非晶部分の運動性に着目し、 この運動性がヤング 率という因子で整理可能であることを見出し、 これを適正な範囲に制御することで 球晶構造の形成を有効に抑制し、 以つてレトルト後の白化を有効に防止することを 可能としたものである。
ここで、 非晶ヤング率の適正範囲についてであるが、 長手方向およびそれと直角 方向の少なくとも一方の非晶ヤング率が 1 2 0 k g /mm2未満の場合、 製缶後の
耐衝撃性が低下し不適である。 また 于カ びそれと直角方向の少なくとも一 方の非晶ヤング率が 2 2 0 k g/mm2を超えると、 フィルムの伸度が低くなる等、 成形性に劣り十分な製缶ができず不適である。 また、 耐レトルト白化性も劣ィ匕して しまう。 前記非晶ヤング率は 1 4 0〜2 0 0 k gノ mm2であることがより望まし い。
非晶ヤング率は下記式より算出されるものであり、 非晶部の伸びやすさを示すも のと考えられる。
E a = ( 1— Φ) E f
ここで、 E a:非晶ヤング率、 Φ:結晶化度、 E f :フィルムのヤング率であり、 結晶化度 Φは、 密度勾配管を用いて測定したフイルムの密度 Pに基づいて、 下記式 から算出される。
Φ= ( ρ - 1 . 3 3 5 ) / 0. 1 2 '
非晶ヤング率を前記で規定した範囲内にするには、 フィルム製造時に高温延伸法 を採用することによつても達成できるが、 この方法に限定されるものではなく、 例 えば原料の固有粘度、 触媒、 ジエチレングリコール量や延伸条件、 熱処理条件など の ¾Ε化により達成できる。
実施の形態 5において、 優れた成形性を得るためには、 フィルムの破斬伸度はフ イルム長手、 それと直角の各々の方向で 1 7 0 %以上が望ましく、 さらに望ましく は 1 8 0 %以上、 特に望ましくは 2 0 0 %以上である。 破断伸度 1 7 0 %未満であ ると成形性が低下し、 望ましくない。
実施の形態 5で用いるポリエステルとは、 ジカルボン酸成分とダリコール成分か らなるポリマであり、 ジカルボン酸成分としては、 例えばテレフタル酸、 イソフタ ル酸、 ナフタレンジカルボン酸、 ジフエニルジカルボン酸、 5—ナトリウムスルホ イソフタル酸、 フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、 シユウ酸、 コハク酸、 アジピン 酸、 セバシン酸、 ダイマ一酸、 マレイン酸、 フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、 シ ク口へキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、 ρ—ォキシ安息香酸等のォキ シカルボン酸等を挙げることができる。 なかでもこれらのジカルボン酸成分のうち、 テレフタル酸カ耐熱性、 味特性の点から好ましい。
一方、 グリコール成分としては、 例ん ェナレングリコール、 プロパンジオール、 ブタンジオール、 ペンタンジオール、 へキサンジオール、 ネオペンチルグリコール 等の脂脑グリコール、 シクロへキサンジメタノール等の指澴族グリコール、 ビス フエノール A、 ビスフエノール S等の芳香族グリコール等が挙げられる。 なかでも これらのグリコール成分のうちエチレングリコールが好ましい。 なお、 これらのジ カルボン酸成分、 ダリコール成分は 2種以上を併用してもよい。
また、 実施の形態 5の効果を阻害しない限りにおいて、 トリメリット酸、 トリメ シン酸、 卜リメチロールプロパン等の多官能化合物を共重合してもよい。
.実施の形態 5においては、 耐熱性の観点から、 ポリエステル中にアンチモンィ匕合 物、 ゲルマニウム化合物、 チタン化合物から任意に選択される金属化合物を含有す ることが好ましい。 この場合、 該金属元素量は、 耐熱性、 味特性の点で、 質量比で 樹脂に対して 0. 0 1 p pm以上 1 0 0 0 p pm^満とすることが好ましく、 さら に好ましくは 0. 0 5 p pm以上 8 0 0 p pm未満、 特に好ましくは 0. l p pm 以上 5 0 0 p pm未満である。
主としてゲルマニウム化合物が含有されていると、 製缶工程で乾燥、 レトルト処 理などの高温熱履歴を受けた後の味特性が良好となるので好ましい。 また、 主とし てアンチモン化合物を^1有すると、 副生成するジエチレンダリコール量が低減でき 而燃性が良好となるので好ましい。 また熱安定剤として、 質量比で樹脂に対してリ ン化合物を 1 0〜2 0 0 p pm、 好ましくは 1 5〜1 0 0 p pm加えてもよい。 リ ン化合物としては、 リン酸や亜リン酸化合物などがあげられるが、 特に限定するも のではない。
また、 ポリエステルには、 必要に応じて、 酸化防止剤、 熱安定剤、 紫外線吸収剤、 可塑剤、 顔料、 帯電防止剤、 結晶核剤等を配合できる。
また、 実施の形態 5では、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルム (樹脂フ イルム が、 質量比で樹脂に対して 0. 1 0〜2. 0 %のワックス成分を含有す ることを規定する。 添加物としてワックス成分を含有させる理由は、 ①フィルムの 表面エネルギーを低下させることと、 ②フィルム表面への潤滑性付与である。 ①の 効果によってフィルムに内容物が密着し難くなり、 ②の効果によってフィルム表面
の摩擦係数を低下させることでもって内容物の取出し性を飛躍的に向上させること 力可能となる。 '
0 . 1 0 %未満以上に限定した理由は、 0 . 1 0 %未満となると、 上記の①、 ② の効果が乏しくなり、 内容物の取出し性が劣るためである。 また、 2. 0 %以下に 限定した理由は、 2 . 0 %を超えると内容物取出し性がほぼ飽和してしまい特段の 効果が得られないとともに、 フィルム成膜技術的にも困難な領域であり生産性に乏 しくコスト高を招いてしまうためである。
また、 添加するワックス成分としては、 有機 ·無機滑剤が使用可能であるが、 脂 肪酸エステル等の有機滑剤が望ましく、 なかでも植物ろうの一つであって天然ヮッ クスであるカルナゥバろう (主成分: CH3 (CH2) 24C OO (C H2) 29C H3であ り、 この他種々脂肪族とアルコールからなる成分も含有する。 ) あるいは、 ステア リン酸エステルは上記の①、 0)¾果が大きく、 力っ^ ΐ構造上当該フィルムへの添 加が容易であるため好適である。 なお、 前記したワックスを含有するポリエステル フィルムは、 ポリエステルに所定量のワックスを配合した後、 通常の成膜法により 製造できる。
なお、 以上の効果は、 ワックス成分をフィルム表面に塗布することによっては得 られない。 食品缶詰等は、 内容物充填後に殺菌のためレトルト処理を施すが、 その 際表面に予め塗布されたヮックスが内容物に吸収されてしまうからである。 本発明 のようにフィルム内に添加した場合、 レトルト処理の間に徐々にワックスが表面に 濃化するためすべてが内容物に吸収されることなく、 もって前記した効果を確実に 発現することが可能となる。
また、 金属板上にラミネートされた後の該フィルムの構造としては、 複屈折率が 0 . 0 2以下である領域を、 金属板との接蝕界面からフィルム厚み方向に 5 未 満とすることか ましい。 ラミネート金属板の製造は、 フィルムを熱せられた金属 板に接触させ圧着することで金属板界面のフィルム測旨を溶融させ金属板に濡れさ せることでフィルムとの接着を行うのが通常である。 従って、 フィルムと金属板と の密着性を確保するためにはフィルムが溶融していることが必要であり、 必然的に ラミネ一ト後の金属板と接する部分のフィルム複屈折率は低下することとなる。 実
施の形態 5に示すようにこの部分のフィルム複屈折率が 0. 0 2以下であれば、 ラ ミネ一ト時のフィルム溶融濡れが十分であることを示し、 従って優れた密着性を確 保することが可能となる。
また、 上記に示す複屈折率が 0. 0 2以下の部分の厚みは、 金属板との接触界面 からフィルム厚み方向へ 5 m未満の領域に限定することが ましい。 この理由は 以下のとおりである。
本発明で規定するフィルムの非晶ヤング率は、 フィルムが完全溶融するとその効 果が乏しくなり、 以後の加工,加熱処理において容易に結晶ィヒが生じ、 フィルムの 成形性が劣化してしまう欠点を有する。 ただし、 上記に示すようにフィルム密着性 を確保するためには、 フィルムの溶融濡れが必須となる。 そこで、 本発明者らが銳 意検討した結果、 フィルムが溶融した部分すなわちフィルムの複屈折率が 0 . 0 2 以下である部分の厚みを 5 μ. m未満に規制することで密着性を確保しつつ、 成形性 •耐衝撃性を高いレベルで両立することが可能となる。
さらに前記ポリエステルとしては、 ポリエチレンテレフタレ一トを主たる構成成 分とするポリエステルが好ましく、 ポリエステル単位の 9 5モル%以上がエチレン テレフタレートであることが耐衝撃性の点から望ましい。
実施の形態 5で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムの構成としては、 単層、 複 層の如何を問わない。 ただし、 少なくとも 2層以上から構成される積層二軸延伸ポ リエステルフィルムの場合、 金属板に接するラミネート層と、 この層を除く他の各 々の層との固有粘度差が 0. 0 1〜0 . 5であることが、 優れた成形性、 耐衝撃性 を発現させる点から望ましい。 複層構造とした場合は、 内容物と接するフィルム ( 樹脂フィルム B) の最上層にワックスが添加されていることが必要であり、 経済性 等の面より最上層のフィルムにのみワックスが添加されていることか ましい。 フィルム全体の厚みとしては、 特に規定するものではないが、 5 ~ 6 0 i mであ ること力望ましく、 さらに好ましくは 1 0〜4 0 である。
また、 ラミネート後に優れた成形性を発現させるたには、 ラミネート前のフィル ムの面配向係数が 0. 1 5以下であることが望ましい。 面配向係数が 0. 1 5を超 えるとフィルム全体の配向が高度となり、 ラミネート後の成形性が低下する。
フィルム自体 (積層フィルムを含む) の製造万法としては、 特に限定されないが、 例えば各ポリエステルを必要に応じて乾燥した後、 単独及び/または各々を公知の 溶融積層押出機に供給し、 スリット状のダイからシート状に押出し、 静電印加等の 方式によりキャスティングドラムに密着させ冷却固化し未延伸シートを得る。 . この未延伸シートをフィルムの長手方向及び幅方向に延伸することによりニ軸延 伸フィルムを得る。 延伸倍率は目的とするフィルムの配向度、 強度、 弾性率等に応 じて任意に設定することができるが、 好ましくはフィルムの品質の点でテン夕一方 式によるものが好ましく、 長手方向に延伸した後、 方向に延伸する逐次二軸延伸 方式、 長手方向、 Ψΐ方向をほぼ同じに延伸していく同時二軸延侔方式が望ましい。 次に、 これらのフィルムを金属板にラミネートするときの製造法について述べる。 本発明では、 金属板をフィルムの融点を超える温度で加熱し、 その両面に該観旨フ イルムを圧着ロール (以後ラミネートロールと称す) を用いて ¾ させラミネート (熱融着) させる方法を用いる。
ラミネート条件については、 実施の形態 5に規定するフイルム構造が得られるも のであれば特に制限されるものではない。 例えば、 ラミネート開始時の温度を 2 8 0 °C以上とし、 ラミネート時にフィルムの受ける温度履歴として、 フィルムの融点 以上の温度になる時間を 1〜2 O m s e cの範囲とすることが好適である。 このよ うなラミネート'条件を達成するためには、 高速でのラミネートに加え接着中の冷却 も必要である。
ラミネート時の加圧は特に規定するものではないが、 面圧として 1〜 3 0 k g f ノ c m2力 s好ましい。 この値が低すぎると、 融点以上であっても時間が短時間であ るため十分な密着性を得難い。 また、 力 Π圧が大きいとラミネート金属板の性能上は 不都合がないものの、 ラミネ一トロールにかかる力が大きく設備的な強度が必要と なり装置の大型化を招くため不経済である。
金属板としては、 缶用材料として広く使用されているアルミニウム板や軟鋼板等 を用いることができ、 特に下層が金属クロム、 上層がクロム水酸化物からなる二層 皮膜を形成させた表面処理鋼板 (いわゆる T F S) 等が最適である。
T F Sの金属クロム層、 クロム水酸化物層の付着量についても、 特に限定されな
いが、 加工後密着性 '耐食性の観点から、 何れも Cr換算で、 金属クロム層は 70 〜20 Omg/m2, クロム水酸ィヒ物層は 10〜3 OmgZm2の範囲とすることが 望ましい。
離例
厚さ 0. 18mm ·幅 977 mmの冷間圧延、 焼鈍、 調質圧延を施した鋼板を、 脱脂、 酸洗後、 クロムめつきを行い、 クロムめつき鋼板を製造した。 クロムめつき は、 Cr03、 F -、 S 04 2-を含むクロムめつき浴でクロムめつき、 中間リンス後、 Cr〇3、 F-を含む化成処理液で電解した。 その際、 電解条件 (電流密度 '電気量 等) を調整して金属クロム'付着量を 12 OmgZm2、 およびクロム水酸化物付着 量を 1 SmgZm2に調整した。
次いで、 図 2に示す金属帯のラミネート装置を用い、 前記で得たクロムめつき鋼 板 1を金属帯加熱装置 2で加熱し、 ラミネートロール 3で前記クロムめつき鋼帯 1 の一方の面に、 容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルム (樹脂フィルム B) と して、 表 1に示す各種フィルム 4 a、 他方の面に、 容器成形後に容器外面側となる 榭脂フィルム (樹脂フィルム A) として各種フィルム 4 bをラミネ一ト (熱融着) しラミネート金属帯を製造した。 容器成形後に容器内面側になる棚旨フィルム 4 a は、 容器外面側になる樹脂フィルム 4bにワックスを添加したものを使用した。 ラ ミネ一トした樹旨フィルムの内容を表 1·に記載する。 ラミネートロール 3ほ内部水 冷式とし、 ラミネート中に冷却水を強制循環し、 フィルム接着中の冷却を行った。 なお、 使用した二軸延伸ポリエステルフィルムの特性は (1) 〜 (3) 、 また以 上の方法で製造したラミネート金属板の特性は、 下記の (4) 〜 (7) の方法によ り測定、 評価した。 (1) および (2) はラミネート前の原板フィルムの特性であ るが、 これらの特性はラミネート後も変わらない。
(1) 非晶ヤング率
引張ヤング率について、 ASTM— D882— 81 (A法) に準じて測定した。 その際の破断伸度を伸度とした。 非晶ヤング率 (Ea) は上記で測定されたヤング 率 (Ef) から次式により算出した。
非晶ヤング率 (Ea) = (1一 Φ) Ef
ただし、 Φは結晶化度であり、 密度 官 用いて測定した密度 ( より下記 式で算出される。
Φ= (ιθ- 1. 335) /0. 12。
(2) ポリエステルの固有粘度
二層 Ρ Ε Τの各々の層に使用したポリエステルをオルソクロロフエノ一ルに溶解 して、 25°Cにおいて固有粘度を測定し、 さらに両者の固有粘度差を求めた。 (3 ) ポリエステルフイルムの複屈折率
偏光顕微鏡を用いてラミネ一ト金属板の金属板を除去した後のフィルムの断面方 向のレ夕デーシヨンを測定し、 フィルムの断面方向の複屈折率を求めた。
(4) 内容物取り出し性
絞り成形機を用いて、 ラミネート金属板を、 絞り工程で、 ブランク径: 100m m、 絞り比 (成形前径 Z成形後径) : 1. 88でカップ成形した。 続いて、 この力 ップ内に、 卵 ·肉 ·オートミールを均一混合させた内容物を充填し、 蓋を巻締め後、 レトルト処理 (130°CX90分間) を行った。 その後、 蓋を取り外し、 カップを 逆さまにして 2、 3回手で振つて内容物を取り出した後に力ップ内側に残存する内 容物の程度を観察することにより、 内容物の取り出し易さの程度を評価した。
(評点について)
◎:内容物の取り出しが容易であり、 取り出し後のカップ内面に付着物が無 状態。
〇:手で振るだけでは内容物の取出しが困難であるが、 スプーン等により容易に取 り出すことができ、 取り出し後の力ップ内面に付着物がほとんど無い状態。
X :手で振るだけでは内容物の取り出しが困難であり、 スプーン等で搔き出さない と内容物が取り出せず、 取り出し後の力ップ内面に多くの付着物が認められる状態。
(5) 成形性
ラミネート金属板にワックス塗布後、 直径 179mmの円板を打ち抜き、 絞り比 1. 60で浅絞り缶を得た。 次いで、''この絞りカップに対し、 絞り比 2. 10及び 2. 80で再絞り加工を行った。 この後、 常法に従いドーミング成形を行った後、 トリミングし、 次いでネックイン一フランジ加工を施し深絞り缶を成形した。 この
ようにして得た深絞り缶のネックイン都に宥白し、 フィルムの損傷程度を目視観察 した。
(評点について)
◎:成形後フィルムに損傷なく、 フィルム剥離も認められない。
〇:成形可能であるが、 ごく僅かにフィルム剥離が認められる。
△:成形可能であるが、 明確なフィルム剥離が認められる。
X:缶が破胴し、 成形不可能。
(6) 密着性
上記 (5) で成形可能であった缶に対し、 缶胴部よりピール試験用のサンプル ( 幅 15mmX長さ 120mm) を切り出した。 切り出したサンプルの長辺側端部か らフィルムを一部剥離し、 引張試験機で剥離した部分のフィルムを、 フィルムが剥 離されたクロムめつき鋼板とは反対方向 (角度: 180° ) に開き、 引張速度 30 mm/mi nでピール試験を行い、 密着力を評価した。 なお、 密着力測定対象面は、 缶内面側とした。
(評点について)
◎: 1.47N/15M1以上 (0.15kgf/15腿以上)。
〇: 0.98N/15職以上、 1.47N/15腿未満 (0.10kgf/15ram以上、 0.15kgf/15腿未満)。 X: 0.98N/15画未満 (0.10kgf/15腿未満)。
(7) 耐衝撃性
上記 (5) で成形可能であった缶に対し、 水を満中し、 各試験について 10個ず つを高さ 1. 25mから塩ビ夕イリレ床面へ落とした後、 電極と金属缶に 6 Vの電圧 をかけて 3秒後の電流値を読み取り、 10缶測定後の平均値を求めた。
(評点について)
◎: 0. 01 mA未満。
〇: 0. 01 mA以上、 0. 05 mA未満。
△: 0. 05 m A以上、 0. 1 mA未満。
X: 0. 1mA以上。
(8) 耐レトルト白化性
上記 ( 5 ) で成形可能であった缶に対し、 水を満中した後、 蓋を巻締め、 各試験 について 1 0個づっを加圧水蒸気中に 1 2 5でで 3 0分間保持し、 底面および胴部 分の白化程度を以下の基準で目視判定した。
◎:変化なし。
〇:ほとんど変化が認められない。
△:部分的にわずかに白化が認められる。
X:全体に白化が認められる。
言 iffi結果を表 1 1に記載した。 表 1 0および表 1 1に示すように、 実施の形態 5の 発明例は、 内容物取り出し性、 成形性、 密着性、 耐衝撃性、 耐レトルト白化性がい ずれも良好な特性を示した。 表 1 0における 1 ) —4) は以下を示す。
1 ) P E T:ポリエチレンテレフタレ一卜
2 ) ステアリルステアレイ:ステアリン酸エステル (C 1 8 C 1 8 )
3 ) MD :長手方向、 TD :直角方向
4) ワックスは容器内面側になる樹脂フィルムのみ添加 本発明例において、 非晶ヤング率が 1 4 0〜2 0 0 k gノ mm2のものは成形性 がより優れる。 フィルムの複屈折率の値が 0. 0 2以下である領域が金属板との接 触界面から厚さが 5 m未満のものは成形性がより優れている。 フィルムを構成す るポリエステル単位の 9 5モル%以上がエヂレンテレフタレ一ト単位であるものは、 耐衝撃性がより優れている。
これに対し、 実施の形態 5の範囲を外れる比較例は、 内容物取り出し性、 成形性、 耐衝撃性のいずれかが不良であった。
表 1 o
区 分 原板フィルム ラミネート後フイルム フィルム Iチレン ワックス4) フィルム厚さ 固 非晶ヤング寧 伸度 の接屈折率 0. 02以下 ίレフタレ-ト単位 種類 添加量 ( μ m) 粘度差 MD 3) TD 3) MD 3) TD 35 の層厚さ 比率 (モル ¾) (質量 (kg/mm ) (kg/mm } ( %) ( %) ( μ m) 発明例 1 PET'1 98 カルナゥバ 0.50 15 一 1 72 184 228 228 2 発明例 2 PET 97 カルナゥバ 0.75 15 一 1 50 164 241 234 2 発明例 3 PET 95 カルナゥバ 0.10 15 ― 181 192 218 201 2 発明例 4 PET 98 カルナゥバ 1.50 15 ― 171 185 225 222 2 発明例 5 PET 98 ス亍ァリルステアレイ 2) 0.50 15 一 182 194 220 202 2 発明例 6 PET 98 ス亍ァリルステアレ 0.75 ' 15 一 174 187 229 21 8 2 発明例 7 PET Θ8 シリコーン 1.50 1 5 一 180 192 221 205 2 発明例 8 PET 98 カルナゥバ 0.50 15 ― 205 215 170 172 2 発明例 9 PET 98 カルナゥバ 0.50 15 ― 125 135 260 253 2 発明例 10 PET 98 カルナゥバ 0.50 15 一 1 72 1 84 227 225 2 発明例 1 1 PET ' 85 カルナゥバ 0.50 15 一 172 184 225 224 2 発明例 12 PET 98 カルナゥバ 0.50 25 172 184 227 223 2 発明例 1 3 PET 97 カルナゥバ 0.50 12 172 184 224 228 2 発明例 14 PET 98 カルナゥバ 0.50 15 172 1 84 228 226 4 発明例 15 PET 98 カルナゥバ 0.50 15 1 72 184 223 227 1 発明例 16 PET 98 カルナゥバ 0.50 15 172 184 225 225 8 発明例 Π二層 PET 98 カルナゥハ' (上層のみ添加) 0.50 1 (上層 下層) 0.07 1 72 184 221 224 2 発明例 1 B二層 PET 98 カルナウ Λ' (上層のみ添加) 0.75 3(上層)/ 12(下層) 0.18 1 72 184 224 228 2 比較例 1 PET 98 1 5 182 194 219 208 2 比較例 2 PET 98 カルナゥバ 0.05 15 1 82 194 215 205 2 比較例 3 PET 98 ス亍ァリルス亍ァレ 0.05 15 182 194 217 206 2 比較例 4 PET 98 カルナゥバ 0.50 15 230 241 1 17 109 2 比較例 5 PET 85 カルナゥバ 0.50 15 90 101 295 279 2
表 1 1