明 細 書 機能性植物、 その機能性植物を生産するために使用されるプロモーター、 ならびにその利用法 技 術 分 野
本発明は、 機能性植物、 その機能性植物を生産するために使用されるプロモー ター、 ならびにその利用法に関する。 詳細には、 c D N Aライブラリ一のデータ ベースを利用して特異的プロモ一夕一を得ることにより機能性植物を作製する方 法に関する。 背 景 技 術
遺伝子工学が発展する中、 トランスジエニック植物を作製するための種々の方 法が開発されている。 トランスジエニック植物において特定の遺伝子を特異的に 発現させるためには、 発現を促進するためのプロモ一ターのような遺伝エレメン トをその特定の遺伝子に作動可能に連結させた混合物を形質転換などにより植物 に導入することが必要である。 植物における遺伝子発現を調節するプロモーターは、 植物遺伝子工学の必須ェ レメントである。 植物における選択された遺伝子の発現に有用なプロモーターが が種々存在する (BENFEY P N ; REN L ; CHUA N-H, E BO J , 9 (6) . 1990. 1685-1696. , 1990) 。 プロモータ一領域の特定は、 当該分野で周知の方法に基 'づいて実施され得る。 簡単に述べると、 プロモーター領域の候補配列およびレポ —夕一遺伝子 (例えば、 G U S遺伝子) を作動可能に連結した発現カセットを構 築する。 構築した発現カセットを用いて適切な植物細胞を形質転換し、 形質転換 細胞を植物に再分化する。 形質転換植物におけるレポ一夕一遺伝子の発現を、 適
切な検出系 (例えば、 色素染色) を利用して検出する。 検出結果に基づいて、 プ 口モータ—領域およびその発現特性を確認し得る。
細胞 (例えば、 植物細胞) において遺伝子を発現させるためには、 その遺伝子 は、 通常細胞においてある酵素によって認識されるプロモーターに作動可能に連 結されなければならない。 プロモーターまたは転写調節領域といわれる、 通常遺 伝子の 5, 非コード領域 (すなわち、 コード領域のすぐ 5' の領域) に存在する 領域は、 mRN A転写物を産生するために遺伝子の転写を開始させる。 次いで、 mRNAは、 コードされたポリペプチドを得るために、 細胞のリボソームで翻訳 される。 プロモータ一は、 代表的には、 約 500〜 1500塩基を含み、 そしてその制 御下で遺伝子の調節された発現を提供し得る。 トランスジエニック植物における 異種遺伝子または遺伝子の選択された配列の発現には、 代表的には、 構成的プロ モ一夕一、 すなわち、 常時かつほとんどの組織に植物全体において産物の発現を 誘導するプロモーターが使用されている。 植物において選択された遺伝子を発現するためにウィルス由来のプロモー夕一 が利用されている。 そのようなプロモーターを有する既知のウイルス遺伝子の例 としては、 ウィルスのカリモウィルスファミリ一 (二本鎖 DNAウィルスの 1 群) で見いだされるものが挙げられ、 そしてカリフラヮ一モザイクウィルス (C aMV) 35 S (B a l a z sら, 1982 ; Gu i l l eyら, 1982 ;〇 d e l lら, 1985 ; Od e l lら, 1987 ; Od e l lら, 1988 ; T
0 mm e r upら, 1990 ; J e f f e r s onら, 1987 a ; J e f f e r s on, 1987 b) および C aMV 19 Sプロモ一ター (F r a 1 e yら,
1994) 、 およびゴマノ八グサモザイクウィルス (FMV) (Ro ge r s,
1995) プロモーターが挙げられる。 植物における遺伝子発現を調節するために有用でありそして細菌供給源から得 られるプロモータ一、 例えば、 Ag r o b a c t e r i um由来プロモーターも また同定および単離されている。 このようなプロモ一ターには、 Ag r ob a c t e r i um T— DNAォパインシン夕一ゼ遺伝子に由来するものが挙げられ、 そしてノパリンシン夕ーゼ (n o s) プロモーター (Ro ge r s, 1991) 、 ォクトビンシンタ一ゼ (o c s) プロモーター (L e i s n e rおよび Ge 1 v i n, 1988) 、 およびマンノピンシンターゼ (ma s) プロモーターが挙げ られる。
CaMV 35 Sプロモータ一は高発現系でも弊害が多い。 構成的に高発現つま りあらゆる組織で常に遺伝子産物を多量に生産しつづけていることから植物個体 内部の限りある代謝産物を不必要に無用の組織で浪費する結果となり、 生育量の 低下や収量性の減少が生じる恐れがある。 構成的な高発現により利用可能部位に お ゝて遺伝子産物が蓄積していることに対する消費者の不信感は大きく、 また構 成的な高発現は植物体内におけるサイレンシング機構の誘導を招く恐れがある。 その上構成的発現を提供するために効果的な植物プロモーター (植物供給源に 由来するプロモ一夕一) でさえ、 ほとんど知られていない。 わずかな例としては、 h s p 80、 カリフラワーに由来する熱ショックタンパク質 80 (B runk e および Wi 1 s o n, 1993) 、 およびトマトュビキチンプロモーター (P i c t onら, 1993) が挙げられる。 これらのプロモータ一は、 形質転換され た植物組織において異種核酸配列の構成的発現を導くために使用され得るが、 C aMV 35 Sプロモーターと同様に、 構成的に高発現つまりあらゆる組織で常 に遺伝子産物を多量に生産しつづけていることから植物個体内部の限りある代謝
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産物を不必要に無用の組織で浪費する結果となり、 生育量の低下や収量性の減少 が生じる恐れがあるという問題がある。 構成的な高発現により利用可能部位にお て遺伝子産物が蓄積していることに対する消費者の不信感は大きく、 また構成 的な高発現は植物体内におけるサイレンシング機構の誘導を招く恐れがある。 従って、 従来のプロモー夕一では、 所望の機能的発現を実現するトランスジェ ニック植物を作製することは困難である。
(発明が解決しょうとする課題)
従って、 本発明は、 機能性植物の作製を行うことを課題とし、 特に、 所望の遺 伝子を植物の所望の部位に任意に発現させるための系を構築することを課題とす る。 図 面 の 簡 単 な 説 明
図 1は、 相同性検索の結果同じグループに属するとみなされた配列の一例を示 す。 EST配列データのほとんどは、 DNA配列決定機の生デ一夕であった。 D NA配列決定機の誤差を除き、 相同性検索結果の多くクローンを比較し、 そして プライマ一ウォーキングのためにプライマ一を設計した。 ボックスで囲まれた部 分および *は、 すべてのクローンで同じ配列であったことを示す。 —は、 ギヤッ プを示す。 「o r i g i n a l c 1 o n e」 は、 データベースの参照クローン を示す。 「 s e a r c h r e s u l t」 は、 相同性検索結果を示す。 「 c o n s e n s u s」 は、 コンセンサス配歹 (Jを示す。 「 d e s i gne d p r ime r」 は、 設計したプライマ一を示す。 図 2は、 転写調節領域単離方法の概要を示す。
図 3は、 根における GFP遺伝子の発現を示す図である。 上段が可視光による写 真、 下段が励起光照射による GFPの蛍光発光を示す。 WTは野生型、 0082 は EB 0082— 2に属するクローンを示し、 1583は RA1583—1に属 するクローンを示し、 50060は CG0060—1に属するクロ一ンを示す。 図 4は、 葉における GFP遺伝子の発現を示す。 上段が可視光による写真、 下段 が励起光照射による GF Pの蛍光発光を示す。 WTは野生型、 0082は E B 0 082— 2に属するクローンを示し、 1583は RA 1583—1に属するクロ ーンを示し、 50060は CG0060_1に属するクロ一ンを示す。 図 5は、 米粒における GFP遺伝子の発現を示す。 上段が可視光による写真、 下 段が励起光照射による GFPの蛍光発光を示す。 WTは野生型、 0082は£8 0082— 2に属するクローンを示し、 1583は RA 1583—1に属するク ローンを示し、 50060は CG0060—1に属するクロ一ンを示す。 図 6は、 生育したカルスより抽出した DNAをテンプレートに PCRを行って、 HPT 遺伝子 (上の矢印の位置) の有無を検出したものを示す。 HPT遺伝子のイネ力 ルスへの導入を示す図である。 左端はサイズマ一力一を示し、 レーン 1から 3は 非遺伝子導入カルスより抽出した DN Aをテンプレートとして用い、 レーン 4か ら 6は CaMV35Sプロモ一ターにより HPT遺伝子が駆動されるベクター、 レーン 7か ら 9は RA 1583—1に属するクローンに由来する RA1583— 1由来プロモ一夕一 により HPT遺伝子が駆動されるベクター、 レーン 10から 12は CG 0060—1に 属するクローンに由来する CG0060— 1由来プロモータ一により HPT遺伝子が駆動さ れるべクタ一をそれぞれ導入したカルスより抽出した DNAをテンプレートとし て用い、 l.lkbの HPT遺伝子特異的増幅産物を生成する条件で PCRを行った。 13お よび 14:ポジティブコント口ールとして HPT遺伝子断片およ iXpTHlプラスミドをテ
ンプレートとした。 15はネガティブコントロールとして DNA抽出に用いた抽出パ ッファ一を示し、 16は滅菌水をそれぞれテンプレートとして: PCRを行った。 上段 の矢印は予想される HFT遺伝子の増幅産物のサイズを示す。 1 5および 1 6では、 増幅産物は出現していない。 図 7は、 ハイグロマイシン添加の前後での各カルスの生長を示す写真である。 Aおよび Bは、 R A 1 5 8 3—1由来のクロ一ンのプロモーター領域、 Cおよび Dは、 C G 0 0 6 0—1由来のクローンのプロモー夕一領域、 Eおよび Fは、 ポ ジティブコントロールとして使用した C a MV 3 5 Sプロモータ一により H P T 遺伝子を駆動する構造を有するベクター、 ならびに Gおよび Hは、 野生型を使用 した結果である。 A、 C、 Eおよび Gは、 ハイグロマイシン存在下で生育させた 後の結果を示し、 B、 D、 Fおよび Hは、 生育前の結果を示す。
(配列表の説明)
配列番号 1は、 C G 0 0 6 0—1由来のクローンのプロモ一ター領域である。 配列番号 2は、 E B 0 0 8 2— 2由来のクロ一ンのプロモータ一領域である。 配列番号 3は、 R A 1 5 8 3 1由来のクロ一ンのプロモータ一領域である。 配列番号 4は、 GenomeWalkerのアダプタ一プライマ一である。 配列番号 5は、 実施例 4のアダプタ一プライマー配列の一部および制限酵素認 識配列を含むプライマーである。
.
配列番号 6は、 実施例 4の翻訳開始点直前の配列および制限酵素認識配列を含
むプライマーである。 配列番号 7は、 C G 0 0 6 0—1由来のクローンのプロモータ一領域を含む両 端に制限酵素認識配列を付加したプロモーターカセッ卜である。 配列番号 8は、 実施例 5で使用した、 イネゲノム配列の一部および制限酵素認 識配列を含むプライマーである。 配列番号 9は、 実施例 5で使用した、 翻訳開始点直前の配列および制限酵素認 識配列を含むプライマーである。 配列番号 1 0は、 E B 0 0 8 2— 2由来のクローンのプロモ一夕一領域を含む、 両端に制限酵素認識配列を付加したプロモ一夕一カセットである。 配列番号 1 1は、 実施例 6で使用した、 翻訳開始点直前の配列および制限酵素 認識配列を含むプライマ一である。 配列番号 1 2は、 R A 1 5 8 3—1由来のクローンのプロモータ一領域を含む、 両端に制限酵素認識配列を付加したプロモータ一カセットである。 発 明 の 要 旨
本発明は、 c D NAライブラリーデ一夕べ一スにおける発現頻度に着目し、 所 望の発現頻度を有する遺伝子に含まれるプロモーターを単離し、 所望の遺伝子と ともにそのプロモータ一を利用することで、 所望の部位で所望の遺伝子産物を発 現する機能性植物を作出することにより上記課題を解決した。
従って本発明は以下を提供する。
1 . 特異的発現を行う少なくとも 1つのプロモータ一および該プロモータ一に作 動可能に連結された遺伝子を含む、 植物であって、 該プロモーターの特異性は、 該プロモーターを含有する遺伝子が含まれる c D NAデータべ一スにおける該プ 口モーターを含有する遺伝子の発現頻度に基づいて決定される、 植物。
2 . 前記遺伝子は、 構成的に発現される、 項目 1に記載の植物。
3 . 前記遺伝子は、 葉において特異的に発現される、 項目 1に記載の植物。
4. 前記遺伝子は、 カルスにおいて特異的に発現される、 項目 1に記載の植物。
5 . イネである、 項目 1に記載の植物。
6 . 前記遺伝子は、 病害抵抗性遺伝子または虫害抵抗性遺伝子である、 項目 1に 記載の植物。
7 . 前記遺伝子は、 ビタミン合成遺伝子、 糖合成遺伝子、 脂質合成遺伝子、 ポリ ケチド合成遺伝子、 光合成系遺伝子、 機能性成分合成遺伝子および転写因子から なる群より選択される遺伝子である、 項目 1に記載の植物。
8 . 特異的発現を行うプロモーターであって、 該プロモーターの特異性は、 該プ 口モータ一を含有する遺伝子が含まれる c D NAデータべ一スにおけ 該プロモ 一ターを含有する遺伝子の発現頻度に基づいて決定される、 プロモーター。
9 . 果実における遺伝子の発現を駆動しない、 項目 8に記載のプロモ一夕一。
1 0 . 葉における遺伝子の発現を特異的に駆動する、 項目 8に記載のプロモ一夕 一。
1 1 . カルスにおける遺伝子の発現を特異的に駆動する、 項目 8に記載のプロモ
~タ一
1 2 . 特異的発現を行うプロモータ一を含む発現カセッ卜であって、 該プロモ —ターの特異性は、 該プロモーターを含有する遺伝子が含まれる c D NAデータ ベースにおける該プロモーターを含有する遺伝子の発現頻度に基づいて決定され る、 発現カセッ卜。
1 3 . 構成的な遺伝子の発現を駆動する、 項目 1 2に記載の発現カセット。
1 4. 葉における遺伝子の発現を特異的に駆動する、 項目 1 2に記載の発現カセ ッ卜。
1 5 . カルスにおける遺伝子の発現を特異的に駆動する、 項目 1 2に記載の発現 カセット。
1 6 . 特異的発現を行う少なくとも 1つのプロモータ一および該プロモータ一に 作動可能に連結された遺伝子を含む植物から得られる植物の利用可能部位であつ て、 該プロモーターの特異性は、 該プロモータ一を含有する遺伝子が含まれる c D N Aデ一夕ベースにおける該プロモータ一を含有する遺伝子の発現頻度に基づ いて決定される、 植物の利用可能部位。
1 7 . 葉、 茎または果実である、 項目 1 6に記載の利用可能部位。
1 8 . 所望の遺伝子産物を生産する方法であって、 該方法は、 以下:
プロモーターの特異性を決定する工程であって、 該プロモーターの特異性は、 該プロモーターを含有する遺伝子が含まれる c D N Aデータべ一スにおける該プ 口モータ一を含有する遺伝子の発現頻度に基づいて決定される、 工程;
該プロモ一夕一と該所望の遺伝子産物をコードする核酸分子とを作動可能に連 結して連結混合物を作製する工程;
該連結混合物を植物に導入する工程;
該植物を生長させる工程;および
該植物中の該所望の遺伝子産物を収集する工程、
を包含する、 方法。
1 9 . 所望の遺伝子産物を特異的に発現する植物を生産する方法であって、 該方 法は、 以下:
プロモーターの特異性を決定する工程であって、 該プロモーターの特異性は、 該プロモーターを含有する遺伝子が含まれる c D NAデータべ一スにおける該プ 口モーターを含有する遺伝子の発現頻度に基づいて決定される、 工程;
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該プロモーターと該所望の遺伝子産物をコードする核酸分子とを作動可能に連 結して連結混合物を作製する工程;
該連結混合物を植物に導入する工程;および
該植物を生長させる工程、
を包含する、 方法。
20. 前記プロモーターの特異性は、 DNAチップによる解析によって決定され る、 項目 19に記載の方法。
21. 項目 19に記載の方法によって得られる植物から得られる、 遺伝子産物。 発 明 の 実 施 の 形 態
以下に本発明を詳説する。 本明細書の全体にわたり、 単数形の冠詞 (例えば、 英語の場合は 「a」 、 「an」 、 「 t h e」 など、 独語の場合の 「e i n」 、 「d e r」 、 「d a s」 、 「d i e」 などおよびその格変化形、 仏語の場合の 「unj 、 「une」 、 「1 e」 、 「 1 a」 など、 スペイン語における 「un」 、 「un a」 、 「e 1」 、 「1 a」 など、 他の言語における対応する冠詞、 形容詞 など) は、 特に言及しない限り、 その複数形の概念をも含むことが理解されるべ きである。 また、 本明細書において使用される用語は、 特に言及しない限り、 当 該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。 本明細書において用いられる 「機能性植物」 とは、 ある植物のある機能が、 天 然における状態の機能よりも、 顕著 (好ましくは、 統計学的に有意に) 変化 (例 えば、 追加、 増強、 減少、 消滅など) した植物をいう。 ここで、 植物の 「機能」 とは、 植物の生理作用をいう。 本明細書において用いられる 「プロモータ一」 とは、 遺伝子の転写の開始部位 を決定し、 またその頻度を直接的に調節する DNA上の領域をいい、 RNAポリ
メラーゼが結合して転写を始める塩基配列である。 本明細書において、 「プロモーター領域」 とは、 ある構造遺伝子配列付近の 領域であって、 プロモーター活性を有する領域をいう。 「推定プロモー夕一領 域」 とは、 ある構造遺伝子配列付近の領域であって、 プロモータ一活性を有す ると考えられる領域をいう。 推定プロモ一夕一領域は、 遺伝子の転写が開始さ れる際に RN Aポリメラ一ゼが結合する遺伝子上流の塩基配列と推定される領 域であり、 推定タンパク質コード領域の第 1ェキソンの上流約 2 k bp以内の 領域であることが多いので、 DNA解析用ソフトウェアを用いてゲノム塩基配 列中のタンパク質コード領域を予測すれば、 プロモ一夕領域を推定することは できる。 推定プロモ一ター領域は、 構造遺伝子ごとに変動するが、 通常構造遺 伝子の上流にあるが、 これらに限定されず、 構造遺伝子の下流にもあり得る。 好ましくは、 推定プロモーター領域は、 第一ェキソン翻訳開始点から上流約 2 k b p以内に存在する。 本発明のプロモ一ターの配列の連続する少なくとも 10個のヌクレオチド配列 を含む核酸分子は、 本発明のプロモーターと同一または類似の活性を有し得る。 そのような活性は、 ベータダルク口ニダ一ゼ (GUS) 遺伝子、 ルシフェラーゼ 遺伝子、 または緑色蛍光タンパク質 (GFP) の遺伝子をレポ一ター遺伝子とし て使うァッセィ、 生化学的あるいは細胞組織学的な検定により確認することがで きる。 そのようなアツセィは、 当該分野における周知慣用技術に属することから (Maliga et al. , Methods in Plant Molecular Biology: A laboratory course. Cold Spring Harbor Laboratory Press (1995); Jefferson, Plant Molec. Biol. Reporter 5: 387 (1987); Ow et al., Science 234: 856 (1986); Sheen et al., Plant J. 8: 777-784(1995)) 、 当業者は何ら困難を伴わずに、 本発明の配列の 連続する少なくとも 10個のヌクレオチド配列を含む核酸分子が本発明のプロモ
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一ターと同一または類似のあるいは実質的に同等以上の活性を有することを確認 することができる。 本明細書では、 上記アツセィにおいて、 検出誤差範囲内で同 じプロモー夕一活性を有することが判定されたときに実質的に同等以上のプロモ 一夕一活性を有するという。 本発明のプロモータ一の長さは、 通常 10ヌクレオチド以上であるが、 好まし くは、 20ヌクレオチド以上、 30ヌクレオチド以上、 40ヌクレオチド以上、 50ヌクレオチド以上、 60ヌクレオチド以上、 70ヌクレオチド以上、 80ヌ クレオチド以上、 90ヌクレオチド以上、 1 00ヌクレオチド以上、 1 50ヌク レオチド以上、 200ヌクレオチド以上、 300ヌクレオチド以上の長さであり 得る。 本発明のプロモーターは、 従来のプロモー夕一 (例えば、 ミニマムプロモ一夕 ― (35 Sプロモーター由来の約 80塩基対からなるプロモータ一 (Hatton ei al., Plant J., 7:859-876 (1995) ; Rouster et al. , Plant J., 15: 435-440 (1998) ; Washida et al., Plant Mol. Biol., 40:1-12 (1999)) など) につなげ て利用することができる。 この場合、 従来組織特異性を示さないまたは弱い特異 性を示す、 あるいは別の特異性を示すプロモータ一であっても、 本発明のプロモ —夕一またはその断片を付加することによって、 根および Zまたは茎頂に組織特 異的に強く機能するプロモーターを作製することができる (Hatton et al., Plant J., 7:859-876 (1995) ; Rouster et al., Plant J., 15: 435-440 (1998) ; Washida et al., Plant Mol. Biol., 40:1-12 (1999)) 。 本明細書において用いられる 「植物」 とは、 植物界に属する生物の総称であり、 代表的には、 細胞壁の形成 'クロロフィルによる同化作用をもつ顕花植物をいう をいう。 「植物」 は、 単子葉植物および双子葉植物のいずれも含む。 好ましい植
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物としては、 例えば、 コムギ、 トウモロコシ、 イネ、 ォォムギ、 ソルガムなどの イネ科に属する単子葉植物が挙げられる。 好ましい植物のほかの例としては、 夕 パコ、 ピーマン、 ナス、 メロン、 トマト、 サッマイモ、 キャベツ、 ネギ、 ブロッ コリー、 ニンジン、 キゥリ、 柑橘類、 白菜、 レタス、 モモ、 ジャガイモおよびリ ンゴが挙げられる。 好ましい植物は作物に限られず、 花、 樹木、 芝生、 雑草など も含まれる。 特に他で示さない限り、 植物は、 植物体、 植物器官、 植物組織、 植 物細胞、 および種子のいずれをも意味する。 植物器官の例としては、 根、 葉、 茎、 および花などが挙げられる。 植物細胞の例としては、 カルスおよび懸濁培養細胞 が挙げられる。 本明細書において用いられる植物の 「利用可能部位」 とは、 植物の部分であつ て、 生物がその植物を摂取する場合にその生物が摂取することができる部分をい う。 生物がヒトであり、 植物がイネである場合、 「利用可能部位」 は 「可食部」 ともいい、 通常利用可能部位は、 米粒を含む。 なお、 白米として食される米粒に おける胚乳がイネにおける可食部といえる。 米粒は、 イネ種子の構成要素である 穎 *胚 '胚乳 '種皮のうち、 胚および胚乳をさす。 生物がゥシであり植物がィネ である場合、 通常利用可能部位は根を除く植物体全体をさす。 本明細書において、 「果実」 とは、 子房が発達した器官果実内には受精した胚珠が発達して種子を形 成する (イネ科の場合は特に穎果をいう) 。 本明細書において 「種子」 とは、 胚 珠が発達して形成される普遍的な散布体をいい、 胚、 胚乳および種皮からなる。 本明細書において、 「遺伝子」 とは、 遺伝の機能的単位をいい、 通常染色体 上の特定の部位 (座) を占める。 遺伝子は通常、 細胞分裂において正確に自分 を複製することができ、 酵素などの他のタンパク質の合成を支配する。 機能単 位としての遺伝子は, D N Aの巨大分子の不連続的な分節からなっており, こ の D N A分子は, 特定のペプチドのアミノ酸配列をコードする正しい配列の塩
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基 (A、 T、 Gおよび C ) を含む。 遺伝子は、 通常 D N Aによってその情報が 記載されるが、 R N Aにより記載されることもある。 上述のように通常遺伝子 は、 染色体中に存在し、 すべての染色体は、 例えば、 ヒトの雄の性染色体 (X と Y) を除いて対になっていることから、 遺伝子は通常、 配偶子を除くすべて の細胞中に対になって存在し、 植物でも同様である。 遺伝子は、 通常、 タンパ ク質をコードする領域 (ェキソン) のほか、 ェキソンの間に存在するイントロ ン、 第 1ェキソン上流の発現制御領域 (プロモータ一領域) 、 タンパク質コ一 ド領域の下流領域を含む。 本明細書において、 遺伝子が 「特異的に発現する」 とは、 その遺伝子が、 植物 の特定の部位または時期において他の部位または時期とは異なる (好ましくは高 い) レベルで発現されることをいう。 特異的に発現するとは、 ある部位 (特異的 部位) にのみ発現してもよく、 それ以外の部位においても発現していてもよい。 好ましくは特異的に発現するとは、 ある部位においてのみ発現することをいう。 本明細書において 「作動可能に連結された (る) 」 とは、 所望の配列の発現 (作動) がある転写翻訳調節配列 (例えば、 プロモーター) または翻訳調節配列 の制御下に配置されることをいう。 プロモーターが遺伝子に作動可能に連結され るためには、 通常、 その遺伝子のすぐ上流にプロモータ一が配置されるが、 必ず しも隣接して配置される必要はない。 従って、 この場合、 「このプロモーターが その遺伝子に作動可能に連結される」 とは、 そのプロモ一ターがその遺伝子の発 現を制御し得る限り、 どのような相対的位置関係であってもよい。 本明細書において、 植物における遺伝子の発現について用いられる場合、 一般 に、 「部位特異性」 とは、 植物の部位 (例えば、 根、 茎、 幹、 葉、 花、 種子、 胚 芽、 胚、 果実など) におけるその遺伝子の発現の特異性をいう。 「時期特異性」
とは、 植物の生長段階 (例えば、 発芽後の芽生えの日数) に応じたその遺伝子の 発現の特異性をいう。 「ストレス応答性」 とは、 植物に与えられた少なくとも一 種のス卜レスに対して、 その遺伝子の発現が変化することをいう。 本明細書において使用される 「c D NAデータベース」 は、 植物の組織から抽 出した mR NAから c D NAを合成し、 大規模クローニングを行つて配列決定し たものをデータべ一ス化したものをいう。 イネゲノムプロジェク卜においては、 ベンジルアデニン処理カルス、 ジベレリン処理カルス、 ヒートショック処理カル 'ス、 増殖期カルス、 幼根、 幼緑葉、 幼黄化葉、 開花期穂よりそれぞれ抽出した m R NAに由来する c D NAライブラリを作製し、 ランダムに塩基配列を決定した ものである。 c D N Aデータべ一スの発現頻度は、 使用したサンプル個数のうち、 実際に発現した個数の割合を計算することによって算出される。 c D NAデータ ベ一スとしては、 イネゲノムプロジェクトのようなゲノム計画において公表され たデ一夕べ一スに基づ!/ て作成したものが挙げられる。 発現頻度に基づいて決定されたプロモ一夕一の特異性は、 そのプロモ一ターを 含有する遺伝子を含む c D N Aデータべ一スにおけるそのプロモー夕一を含有す る遺伝子の発現頻度に依存する。 従って、 本発明において用いられるプロモータ —の特異性は、 そのプロモーターを含有する遺伝子が含まれる c D NAデータべ ースにおけるそのプロモーターを含有する遺伝子の発現頻度に基づいて決定され ることになる。 このように、 本明細書の記載に基づけば、 当業者であれば、 所望の遺伝子に所 望の発現特性を付与することが可能であり、 所望の遺伝子が所望の特異性をもつ て発現する植物を作出することができる。
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本明細書において、 導入された遺伝子が 「発現されない」 とは、 その遺伝子が まったく発現されないか、 またはその導入された遺伝子の宿主に実質的に影響を 与えない程度で発現されることをいう。 実質的に影響を与えない程度で発現され る代表例としては、 例えば、 政府機関が定める基準以下で発現されることが挙げ られる。 本明細書において、 ある因子が遺伝子の発現を 「駆動する」 (d r i v e ) と は、 その遺伝子がその因子の制御下に置かれることによりその遺伝子の発現が促 進されることをいう。 ある因子が遺伝子の発現を 「駆動しない」 とは、 その遺伝 子がその因子の制御下に置かれても、 その遺伝子の発現がまったく促進されない 力、、 またはその導入された遺伝子の宿主に実質的に影響を与えない程度で発現が 促進されることをいう。 ある因子が遺伝子の発現を駆動しない場合、 その遺伝子 は、 例えば、 政府機関が定める基準以下で発現される。 本発明のプロモーターは、 その配列に類似する配列をも使用することができる。 そのような配列は、 F A S TAのような配列比較プログラムにより相同性を決定 することによって選択することができ、 また、 ハイブリダィゼ一シヨンにより選 択することもできる。 本明細書において、 ハイブリダィゼーシヨンのための 「ストリンジェントな条 件」 とは、 標的配列に対して相同性を有するヌクレオチド鎖の相補鎖が標的配列 に優先的にハイプリダイズし、 そして相同性を有さないヌクレオチド鎖の相補鎖 が実質的にハイブリダィズしない条件を意味する。 ある核酸配列の 「相補鎖」 と は、 核酸の塩基間の水素結合に基づいて対合する核酸配列 (例えば、 Aに対する T、 Gに対する C) をいう。 ストリンジヱン卜な条件は配列依存的であり、 そし て種々の状況で異なる。 より長い配列は、 より高い温度で特異的にハイブリダィ
ズする。 一般に、 ストリンジェン卜な条件は、 規定されたイオン強度および PH での特定の配列についての熱融解温度 (Tm) より約 5°C低く選択される。 Tm は、 規定されたイオン強度、 PH、 および核酸濃度下で、 標的配列に相補的なヌ クレオチドの 50 %が平衡状態で標的配列に八イブリダィズする温度である。 「ストリンジェン卜な条件」 は配列依存的であり、 そして種々の環境パラメ一夕 一によつて異なる。 核酸の Λイブリダィゼ一シヨンの一般的な指針は、 Tijssen (1993)、 Laboratory Technniques In Biochemistry And Molecular Biology- Hybridization With Nucleic Acid Probes Part I、 第 2章 「0verview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assayj, Elsevier, New Yorkに見出される。 一般的な分子生物学的手法としては、 Ausubel F. A. ら編 988)、 Current Protocols in Molecular Biology^ Wiley. New York, NY; Sambrook J ¾ (1987) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed. , Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NYなどを参酌して当業者であれば容易 に実施をすることができる。 代表的には、 ストリンジェン卜な条件は、 塩濃度が約 1. 0M Na+未満で あり、 代表的には、 ρΗ7. 0〜8· 3で約 0. 0 1〜: L. 0Μの N a+濃度 (または他の塩) であり、 そして温度は、 短いヌクレオチド (例えば、 10〜5 0ヌクレオチド) については少なくとも約 30°C、 そして長いヌクレオチド (例 えば、 50ヌクレオチドより長い) については少なくとも約 60°Cである。 スト リンジェントな条件はまた、 ホルムアミドのような不安定化剤の添加によって達 成され得る。 本明細書におけるストリンジェン卜な条件として、 50%のホルム アミド、 lMのNaC l、 1%の303 ( 37 °C) の緩衝溶液中でのハイブリダ ィゼーシヨン、 および 0. 1 XSSCで 60°Cでの洗浄が挙げられる。
「ストレス」 とは、 植物に対して、 物理的、 化学的、 生物学的に加えられ得る、 植物の正常な生長を妨げる因子のことをいう。 ストレスには、 例えば、 物理的ス トレス (光、 熱、 冷却、 凍結、 紫外線、 X線、 切断、 摩擦など) 、 化学的ストレ ス (酸素ストレス、 化学物質、 生理活性物質など) 、 生物学的なストレス (ウイ ルス、 病原体 (例えば、 ィモチ病菌) 感染など) などが挙げられる。 従って、 本 発明のプロモーターとしては、 そのようなストレスに晒されたときに特異的に発 現するものも含まれる。 本明細書において、 本発明のプロモーターの発現が 「構成的」 であるとは、 植 物のすべての組織において、 その植物の生長の幼若期または成熟期のいずれにあ つてもほぼ一定の量で発現される性質をいう。 具体的には、 本明細書の実施例と 同様の条件でノーザンプロット分析したとき、 例えば、 任意の時点で (例えば、 2点以上 (5日目および 1 5日目) ) の同一または対応する部位のいずれにおい ても発現がみられるとき、 本発明の定義上、 発現が構成的であるという。 構成的 プロモ一夕一は、 通常の生育環境にある植物の恒常性維持に役割を果たしている と考えられる。 本発明のプロモーターの発現が 「ストレス応答性」 であるとは、 少なくとも 1つのス卜レスが植物体に与えられたとき、 その発現量が変化する性 質をいう。 特に、 発現量が増加する性質を 「ストレス誘導性」 といい、 発現量が 減少する性質を 「ストレス減少性」 という。 「ストレス減少性」 の発現は、 正常 時において、 発現が見られることを前提としているので、 「構成的」 な発現と重 複する概念である。 これらの性質は、 植物の任意の部分から R NAを抽出してノ ーザンブロット分析で発現量を分析することまたは発現されたタンパク質をゥェ スタンプ口ッ卜により定量することにより決定することができる。 本明細書において 「病害抵抗性」 とは、 植物の性質についていい、 発病程度を
減少させ得る能力をいう。 本明細書において 「虫害抵抗性」 とは、 植物の性質に ついていい、 食害程度を減少させ得る能力をいう。 本明細書において 「病害特異 的」 とは、 あるプロモ一ターが, 病害が発生する場合に特異性を有することをい う。 本明細書において、 「虫害特異的」 とは、 あるプロモータ一が、 虫害が発生 する場合に特異性を有することをいう。 「薬剤耐性遺伝子」 とは、 その遺伝子産 物が宿主において発現される場合に、 宿主に薬剤耐性を付与する遺伝子をいう。 薬剤耐性遺伝子は、 形質転換植物の選抜を容易にするものであることが望ましく、 カナマイシン耐性を付与するためのネオマイシンホスホトランスフェラーゼ I I ( n p t I I ) 遺伝子、 およびハイグロマイシン耐性を付与するためのハイグロ マイシンホスホトランスフエラーゼ遺伝子などが好適に用いられ得る。 本発明のプロモ一夕一は、 単子葉植物だけでなく双子葉植物および他の生物の 改変にも利用し得る。 これは、 両植物間で転写調節の基本的な機構が類似してい ることにより説明される。 例えばトウモロコシの zein遺伝子プロモ一夕一がタパ コで同じ組織特性で発現すること (Schernthaner et al., E BO J. , 7 : 1249- 1255 (1988) ) 、 イネのグルテリン遺伝子プロモーターがタバコで同じ組織特性 で発現すること (Lei sy et al., Plant Mol . Biol . , 14: 41-50 (1989) ) が報告 されている。 特に好ましい対象植物としては、 イネのほか、 コムギ、 トウモロコ シ、 ォォムギ、 ソルガム、 カンキッ類、 白菜、 レタス、 タバコ、 モモ、 ジャガイ モ、 トマト、 およびリンゴなどが挙げられる。 本明細書において遺伝子について言及する場合、 「ベクター」 とは、 目的のポ リヌクレオチド配列を目的の細胞へと移入させることができるものをいう。 その ようなベクタ一としては、 原核細胞、 酵母、 動物細胞、 植物細胞、 昆虫細胞、 動 物個体および植物個体等の宿主細胞において自立複製が可能、 または染色体中へ の組込みが可能で、 本発明のポリヌクレオチドの転写に適した位置にプロモータ
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—を含有しているものが例示される。 植物細胞に対する 「組み換えべクタ一」 と しては、 T iプラスミド、 タバコモザイクウィルスベクター等が例示される。 発 現カセットは、 好ましくは、 植物発現ベクターの形態が利用される。 「植物発現 ベクター」 は、 構造遺伝子およびその発現を調節するプロモー夕一に加えて種々 の調節エレメントが宿主植物の細胞中で作動し得る状態で連結されている核酸配 列をいう。 調節エレメントは、 好ましくは、 ターミネータ一、 薬剤耐性遺伝子お よび、 ェンハンサーを含み得る。 植物発現ベクターのタイプおよび使用される調 節エレメントの種類が、 宿主細胞に応じて変わり得ることは、 当業者に周知の事 項である。 本発明に用いる植物発現べクタ一はさらに T— DNA領域を有し得る。
T— DNA領域は、 特にァグロパクテリゥムを用いて植物を形質転換する場合に 遺伝子の導入の効率を高める。
「ターミネータ一」 は、 遺伝子のタンパク質をコードする領域の下流に位置し、 DNAが mRNAに転写される際の転写の終結、 ポリ A配列の付加に関与する配 列である。 夕一ミネ一夕一は、 mRNAの安定性に関与して遺伝子の発現量に影 響を及ぼすことが知られている。 ターミネ一夕一としては、 CaMV35 S夕一 ミネ一ター、 ノパリン合成酵素遺伝子のターミネータ一 (Tno s) 、 夕パコ P
R 1 a遺伝子のターミネ一夕一が挙げられるが、 これに限定されない。
'サ一」 は、 目的遺伝子の発現効率を高めるために用いられ得る。 ェ ンハンサ一としては、 CaMV35 Sプロモ一夕一内の上流側の配列を含むェン ハンサ一領域が好適である。 ェンハンサーは複数個用いられ得る。 植物発現べクタ一の構築に用いるベクターとしては、 PB I系のベクター、 p UC系のベクタ一あるいは pTR A系のベクタ一が好適に用いられ得る。 pB I 系および pTRA系のベクターは、 ァグロパクテリゥムを介して植物に目的の遺
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伝子を導入し得る。 pB I系のバイナリーベクターまたは中間ベクター系が好適 に用いられ得る。 例えば、 pB I 121、 pB I 101、 B I 101. 2、 p B I 101. 3などが挙げられる。 これらのベクタ一は、 植物に導入され得る領 域 (T一領域) の遺伝子と、 マーカー遺伝子として植物プロモータ一の支配下で 発現される np t I I遺伝子. (カナマイシン耐性を付与する) とを含む。 pUC 系のベクターは、 植物に遺伝子を直接導入し得る。 例えば、 pUC18、 pUC 19、 pUC 9などが挙げられる。 植物発現ベクターは、 当業者に周知の遺伝子 組換え技術を用いて作製され得る。 植物細胞への植物発現ベクターの導入には、 当業者に周知の方法、 例えば、 ァ グロパクテリゥムを介する方法および直接細胞に導入する方法、 が用いられ得る。 ァグロパクテリゥムを介する方法としては、 例えば、 N a g e 1 らの方法 ( Nagel ら(1990)、 Microbiol. Lett., 67, 325) が用いられ得る。 この方法は、 まず、 例えば植物発現ベクターでエレクトロボレ一シヨンによってァグロバクテ リウムを形質転換し、 次いで、 形質転換されたァグロパクテリゥムを Ge 1 V i nら (Gelvinら編 (1994)、 Plant Molecular Biology Manual (Kluwer Academic Press Publishers)) に記載の方法で植物細胞に導入する方法である。 植物発現 ベクタ一を直接細胞に導入する方法としては、 エレクトロボレ一シヨン法 ( Shimamotoら(1989)、 Nature, 338: 274-276;および Rhodesら(1989)、 Science, 240: 204-207を参照のこと) 、 パーティクルガン法 ( Christouら(1991)、 Bio/Technology 9: 957- 962を参照のこと) ならびにポリエチレングリコール ( PEG) 法 (Dattaら(1990)、 Bio/Technology 8: 736-740を参照のこと) が挙げ られる。 これらの方法は、 当該分野において周知であり、 形質転換する植物に適 した方法が、 当業者により適宜選択され得る。 植物発現ベクターを導入された細胞は、 まずカナマイシン耐性などの薬剤耐性
で選択される。 次いで、 当該分野で周知の方法により、 植物組織、 植物器官およ び Zまたは植物体に再分化され得る。 さらに、 植物体から種子が取得され得る。 導入した遺伝子の発現は、 ノーザン法または PC R法により、 検出し得る。 必要 に応じて、 遺伝子産物たるタンパク質の発現を、 例えば、 ウエスタンプロット法 により確認し得る。 ベクタ一の導入方法としては、 植物細胞に DN Aを導入する方法であればいず れも用いることができ、 例えば、 卜ランスフエクシヨン、 形質導入、 以下を用い た形質転換などが挙げられる:ァグロパクテリゥム (Ag r o b ac t e r i u m) (特開昭 59— 140885、 特開昭 60— 70080、 W094Z009 77) 、 エレクトロボレ一シヨン法 (特開昭 60 - 251887) 、 パ一テイク ルガン (遺伝子銃) を用いる方法 (特許第 2606856、 特許第 251781 3) 等が例示される。 本発明のプロモータ一による発現の 「検出」 または 「定量」 は、 例えば、 mR N Aの測定および免疫学的測定方法を含む適切な方法を用レゝて達成され得る。 分 子生物学的測定方法としては、 例えば、 ノーザンプロット法、 ドットプロット法 または PC R法等が例示される。 免疫学的測定方法としては、 例えば、 方法とし ては、 マイクロタイ夕一プレートを用いる EL I S A法、 R IA法、 蛍光抗体法、 ウエスタンプロット法、 免疫組織染色法等が例示される。 また、 定量方法として は、 EL I S A法または R I A法等が例示される。
「発現量」 とは、 目的の細胞などにおいて、 本発明のタンパク質または mRN Aが発現される量をいう。 そのような発現量としては、 本発明の抗体を用いて E L I S A法、 R I A法、 蛍光抗体法、 ウエスタンプロット法、 免疫組織染色法等 の免疫学的測定方法を含む任意の適切な方法により評価される本発明ポリべプチ
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ドのタンパク質レベルでの発現量、 またはノーザンプロット法、 ドットプロット 法、 P C R法等の分子生物学的測定方法を含む任意の適切な方法により評価され る本発明のポリぺプチドの mR N Aレベルでの発現量が挙げられる。 「発現量の 変化」 とは、 上記免疫学的測定方法または分子生物学的測定方法を含む任意の適 切な方法により評価される本発明のポリべプチドのタンパク質レベルまたは m R N Aレベルでの発現量が増加あるいは減少することを意味する。 発現量の絶対量 または相対量を観察することにより、 あるプロモ一ターが特異的に作用している かどうかを検出することができる。 「形質転換体」 とは、 形質転換によって作製された細胞などの生命体の全部ま たは一部をいう。 形質転換体としては、 原核細胞、 酵母、 動物細胞、 植物細胞、 昆虫細胞等が例示される。 形質転換体は、 その対象に依存して、 形質転換細胞、 '形質転換組織、 形質転換宿主などともいわれる。 本明細書において 「再分化する」 とは、 個体の一部分から個体全体が復元され る現象を意味する。 例えば、 再分化により、 細胞および葉または根などの組織片 から植物体が形成される。 形質転換体を植物体へと再分化する方法は当該分野において周知である。 その ような方法としては、 Rogers et al., Methods in Enzymology 118 : 627-640 (1986); Tabata et al., Plant Cel l Phys iol. , 8 : 73-82 (1987) ;— Shaw, Pl ant Molecular Biology : A pract ical approach. IRL press (1988); Shiiamoto et al . , Nature 338 : 274 (1989); Mal iga et al. , Methods in Pl ant Molecul ar Biology: A l aboratory course. Cold Spring Harbor Laboratory Press (1995)などが挙げられる。 従って、 当業者は、 上記周知方法 を目的とするトランスジエニック植物に応じて適宜使用して、 再分化させること
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ができる。 再分化した形質転換体が、 所望の改変された特性を有することは、 当該特性の 種類に応じて適切なアツセィを行うことにより確認し得る。 例えば、 レポーター 遺伝子として GUS遺伝子とプロモーターとを融合し、 植物体に導入して形質転換 体を作出し、 GUS活性の組織染色で検出することが可能である。 ここでは、 蛍光 タンパク質である GFPの遺伝子またはルシフェラ一ゼ遺伝子をレポ一夕一遺伝子 として使うことも可能である。 これらはいずれも各種プロモーターのアツセィに 使われている。 詳細は下記実施例に記載される。 また、 ストレス耐性として病原 性細菌に対する耐性の付与が意図される場合、 再分化した植物体にモデル菌、 例 えばタバコ野火病菌 (Pseudomonas syr ingae v. t abac i) を接種し、 コント口一 ルの植物体と比較して接種による変化の有無を観察することで、 特性の変化を評 価し得る。 本明細書では、 植物の栽培は当該分野において公知の任意の方法により行うこ とができる。 植物の栽培方法は、 例えば、 モデル植物の実験プロ卜コール—ィ ネ ·シロイヌナズナ編一」 :細胞工学別冊植物細胞工学シリーズ 4 ;イネの栽培 法 (奥野員敏) PP. 28-32、 およびァラビドプシスの栽培法 (丹羽康夫) pp. 33- 40 (監修 島本功、 岡田清孝) に例示されており、 本明細書では詳述しない。 例 えば、 シロイヌナズナの栽培は土耕、 ロックウール耕、 水耕いずれでも行うこと ができる。 白色蛍光灯 (6000ルクス程度) の下、 恒明条件で栽培すれば播種後 4 週間程度で最初の花が咲き、 開花後 16日程度で種子が完熟する。 1さやで 40〜50 粒の種子が得られ、 播種後 2〜3ヶ月で枯死するまでの間に 10000粒程度の種子が 得られる。 種子の休眠期間は短く、 完熟種子は 1週間程度乾燥させれば吸水後 2〜 3日で発芽する。 ただし、 吸水 ·播種後 2〜4日間 4°Cで低温処理を行うと発芽が斉 一化される。 イネの栽培は主に土耕で行い、 1 0 0 0 0ルクス以上の光条件下で
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生育させる。 播種後 40日程度以後に短日条件とすることで出穂が誘導され、 出穂 誘導後 30日程度で開花し、 開花後 40日程度で完熟種子が得られる。 本発明のプロモーターの発現解析は、 DN Aアレイを用いた遺伝子解析方法に よっても行われ得る。 DNAアレイについては、 (秀潤社編、 細胞工学別冊 「D NAマイクロアレイと最新 PCR法」 ) に広く概説されている。 また、 DNAァ レイを用いた植物の解析についても最近行われるようになつている (Schenk PM ら (2000) Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 97: 11655-11660) 。 以下、 DNAァ レイおよびそれを使用する遺伝子分析方法を簡単に説明する。
「DNAアレイ」 とは、 DNAを基板上に整列 (a r r ay) させて、 固定さ せたデバイスをいう。 DNAアレイは、 基盤の大きさまたは載せる DNAの密度 マクロとマイク口との境界は厳密に決まっているわけではないが、 一般に、 「DNAマクロアレイ」 とは、 メンブレン上に DNAをスポットした高密度フィ ルタ一 (h i gh d e n s i t y f i l t e r) をいい、 「DNAマイクロ アレイ」 とは、 ガラス、 シリコンなどの基板表面に DNAを載せたものをいう。 載せる種類によって、 cDNAアレイ、 オリゴ DNAアレイなどがある。 高密度オリゴ DNAアレイのうち、 半導体集積回路製造のための光リ ィ一 (pho t o l i t hog r aphy) 技術を応用し、 基板上で一度に複数 種のオリゴ DNAを合成することで作製されたものを、 半導体チップになぞらえ て、 特に 「DNAチップ (c h i p) 」 という。 この方法を用いて作製されたも のとしては、 G e n e C h i p (登録商標) ( A f f i m e t r i x、 C A) な どが挙げられる (Marshall Aら、 (1998) Nat. Biotechnol. 16: 27 - 31および Ramsay Gら、 (1998) Nat. Biotechnol. 1640 - 44を参照のこと) 。 好ましくは、
本発明におけるマイクロアレイを用いた遺伝子解析においては、 この Ge n e C h i p (登録商標) が用いられ得る。 DNAチップは、 狭義には上記のように定 義されるが、 DNAアレイまたは DNAマイクロアレイ全体をいうこともある。 DNAマイクロアレイは、 このように、 ガラス基板上に数千〜数万またはそれ を超える遺伝子 DN Aを高密度に配列したデバイスであることから、 cDNA、 c RNAまたはゲノム DNAとのハイブリダィゼ一ションによって、 遺伝子発現 のプロファイルまたは遺伝子多型をゲノムスケ一ルで解析することが可能となつ ている。 この手法により、 シグナル伝達系および/または転写制御経路の解析 (Fambrough Dら(1999), Cell 97, 727-741) 、 組織修復の機構の解析 (Iyer VR ら、 (1999), Science 283: 83-87) 、 医薬品の作用機構 (Marton MJ、 (1999), Nat. Med. 4: 1293-1301) 、 発生 ·分化の過程における遺伝子発現変動の広汎な 解析、 病態に伴って発現変動する遺伝子群の同定、 またはシグナル伝達系もしく は転写制御に関与する新たな遺伝子の発見などが可能となってきた。 また、 遺伝 子多型について.も、 多数の SNPを 1つの DNAマイクロアレイで解析すること が可能となっている (Cargill Mら、 (1999), Nat. Genet. 22:231-238) 。
DNAマイクロアレイを用いたアツセィの原理を説明する。 DN Aマイクロア レイは、 表面を適切に加工したスライドガラスのような固相基板上に多数の異な る DNAプローブを高密度に固定して作製する。 その後、 標識した核酸 (標的) を、 適切なハイブリダィゼ一シヨン条件下で、 ハイブリダィズさせ、 各々のプロ 一ブからのシグナルを自動検出器で検出する。 このデータをコンピュータで大量 解析する。 例えば、 遺伝子モニタリングにおいては、 オリゴ DNAまたは cDN Aをプローブとしたマイクロアレイに、 mRNAから逆転写反応により蛍光標識 を取り込ませた標的 c DNAをハイブリダィズさせて、 蛍光イメージアナライザ で検出する。 この際、 T 7ポリメラーゼを用いて c RNA合成反応を行ったり、
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酵素反応を介させたりと、 他の種々のシグナル増幅反応も行い得る。
Fo d o rらは、 コンビナトリアルケミストリと半導体製造用光リソグラフィ 技術とを合わせて、 基板上にポリマーを合成する技術を開発した (Fodor SPら、 (1991) Science 251: 767-773) 。 これを、 合成型 DNAチップという。 光リソ グラフィでは、 極めて微細な表面加工が可能なので、 1 0 ^m2/DNAサンプ ルといった集積度の高い DNAマイクロアレイを作製し得る。 この方法では、 一 般に、 ガラス基板上に 25〜30程度の DN Aが合成され得る。 合成型 DN Aチップを用いた遺伝子発現は、 L o c k a r tらが報告している (Lockart DJら (1996) Nat. Biotechnol.: 14: 1675-1680) 。 この方法では、 合成され得る長さが短いため特異性が低いという本タイプのチップの欠点が解消 された。 ここでは、 1つの遺伝子発現をみるために、 十数か所に対応するパーフ ェクトマツチ (p e r f e c t ma t c h ; PM) オリゴヌクレオチドプロ一 ブと、 PMプローブの中央の 1塩基に変異を入れたミスマッチ (m i sma t c h ; MM) オリゴヌクレオチドプローブとを調製することで、 この問題が解決さ れた。 MMプローブは、 ここでは、 ハイブリダィゼーシヨンの特異性の指標とし て用いられ、 そして PMプローブと MMプローブとのシグナル比から、 遺伝子発 現レベルが決定され得る。 P Mプローブと M Mプローブとのシグナル比が同等な 場合は、 クロスハイブリダィゼ一シヨンと呼び、 有意なシグナルとは解釈されな い。
いわゆる貼り付け型 DNAマイクロアレイにおいては、 スライドグラスに DN Aを貼り付けていくタイプの DN Aマイクロアレイを作製し、 蛍光検出する (http://cmgm. Stanford, edu/pbrown もまた参照のこと) 。 この方法では、 大掛 かりな半導体製造機は必要ではなく、 DN Aアレイ機および検出器があれば、 研 究室内でアツセィすることが可能である。 この方法は、 貼り付ける DNAを選択
することが可能であるという利点を有する。 高密度化についても、 例えば、 直径
100 mのスポットを 100 m間隔でスポッ卜すれば、 計算上 1 cm2に 2 500の DNAをスポッ卜することが可能である。 したがって、 通常スライドグ ラス (有効面積は、 およそ 4 cm2) におよそ 1万個の DNAを載せ得る。 合成型 DN Aアレイにおける標識方法としては、 例えば、 二蛍光標識法が挙げ られる。 この方法では、 2つの異なる mRN Aサンプルをそれぞれ異なる蛍光で 標識し、 同一マイクロアレイ上で競合的ハイブリダィゼ一シヨンを行って、 療法 の蛍光を測定し、 それを比較することで遺伝子発現の相違を検出する。 蛍光色素 としては、 例えば、 Cy 5および Cy 3などが最も用いられているが、 それらに 限定されない。 C y 3および C y 5の利点は、 蛍光波長の重なりが殆どないとい う点である。 二蛍光標識法は、 遺伝子発現の相違のみならず、 変異または多型性 を検出するためにも使用され得る。 DN Aアレイを用いるアツセィにおいては、 アレイ機が使用され得る。 アレイ 機は、 基本的に、 高性能サーポモ一夕一と組み合わせて、 コンピュータの制御下 でピン先またはスライドホルダを XYZ軸方向に作動し、 マイクロ夕イタープレ 一卜からスライドグラス表面上に DNAサンプルを運ぶ装置である。 ピン先の形 状には、 種々の加工がなされている。 例えば、 烏口のように割れたペン先に DN A溶液を溜めて、 複数のスライドガラスにスポットする方式である。 洗浄 ·乾燥 のサイクルを挟んで、 次に DN Aサンプルを載せるという工程を繰り返す。 ここ で、 サンプル同士の混入を防ぐためにも、 ピン先の洗浄 ·乾燥を完全に行うこと に注意する。 このようなアレイ機としては、 SPB I O2000 (日立ソフトゥ エアエンジニアリング; 1回打ち型) 、 GMS417Ar r aye r (宝酒造; ピンリング型) 、 Ge ne T i p S t amp i n g (日本レーザ電子;万年 筆型) などが挙げられる。
DN Aアレイを用いたアツセィに使用される DN A固定法には種々の方法が存 在する。 基板の材質として、 ガラスは、 メンブレンと比較して有効固定面積が小 さく、 荷電量も少ないことから、 種々のコ一ティングがなされている。 実用的に は、 ポリ L一リシンコ一トまたはシリル化などが行われている (Schena Mら (1995) Science 270: 467-470) 、 Schena Mら (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 93: 10614- 10619を参照のこと) 。 また、 市販の D N Aマイクロアレイ専 用コーティング済スライドガラス (例えば、 ポリカルポジイミドガラス (日清 紡) など) も使用され得る。 オリゴ DNAの場合は、 DNA末端をァミノ化して シラン化ガラスに架橋する方法も利用可能である。
DNAマイクロアレイには、 主に、 PCRで増幅された cDNA断片が載せら れ得る。 cDNAの濃度が充分ではない場合、 シグナルを充分に検出し得ない場 合が存在する。 このように、 一度の PC Rにおいて充分量の cDNA断片が得ら れなかった場合には、 PCRを何度か繰り返し、 得られた PCR産物をまとめて 精製 '濃縮し得る。 プローブ cDNAは、 一般的には、 cDNAをランダムに数 多く載せるが、 実験の目的によっては、 選択された一群の遺伝子 (例えば、 本発 明の遺伝子群またはプロモーター群) または RDA (r e p r e s en t a t i on a l d i f f e r en t i a l an a l y s i s) で得られた発現変化 候補遺伝子を載せ得る。 クローンの重複は避けることが好ましい。 クロ一ンは、 手持ちの c DN Aライブラリーから調製してもよく、 c DN Aクローンをまとめ て入手してもよい。
DN Aアレイを用いたアツセィにおいては、 DN Aマイクロアレイ上でハイブ リダィズした蛍光シグナルを蛍光検出器等で検出する。 このような検出器は、 現 在までに種々の検出器が利用可能である。 例えば、 スタンフォード大学のグルー
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プは、 オリジナルスキャナを開発しており、 このスキャナは、 蛍光顕微鏡と稼動 ステージとを組み合わせたものである (http:〃 cmgm.stanford.edu/pbrownを参 照のこと) 。 従来型のゲル用蛍光イメージアナライザである FMB I O (日立ソ フトウエアエンジニアリング) 、 S t o rm (Mo 1 e c u 1 a r D y n am i c s) などでも、 スポットがそれほど高密度でなければ、 DNAマイクロアレ ィの読み取りを行い得る。 その他に利用可能な検出器としては、 S c anAr r a y 4000、 同 5000 (Ge ne r a l S c ann i ng ;スキヤン型 (共焦点型) :) 、 GMS418 Ar r ay S c ann e r (宝酒造;スキヤ ン型 (共焦点型) ;) 、 Ge ne T i p S c ann e r (日本レーザ電子;ス キャン型 (非共焦点型) ) 、 Ge n e Ta c 2000 (Ge nomi c S o 1 u t i on s ; CCDカメラ型) ) などが挙げられる。
DNAマイクロアレイから得られるデ一タは膨大であることから、 クロ一ンと スポットとの対応の管理、 データ解析などを行うためのデータ解析ソフトウェア が重要である。 そのようなソフトウェアとしては、 各種検出システムに付属のソ フトウェアが利用可能である (Ermolaeva 0ら(1998) Nat. Genet. 20:19-23) 。 また、 データベースのフォーマットとしては、 例えば、 A f f yme t r i xが 提唱している GAT C (genetic analysis technology consortium) と呼ばれる 形式が挙げられる。 本発明のプロモータ一および機能性植物はまた、 ディファレンシャルディスプ レイ (differential display) 技術を用いた遺伝子解析でも解析することができ る。 ディファレンシャルディスプレイ技術とは、 発現変動する遺伝子を検出または 同定するための方法である。 この方法では、 2つ以上のサンプルから c DNAを
それぞれ作製し、 任意のプライマ一セットを用いて P C Rにより増幅し、 その後、 生成された複数の P C R産物をゲル電気泳動により分離し、 パタ一ン化した後、 各パンドの相対的なシグナル強度変化をもとに、 発現変動遺伝子がクローニング される。 本発明において利用されるデータベースは、 D N Aチップによつて解析された 結果を含み得る。 また、 D NAチップを用いて発現頻度を解析した結果に基づい て本発明のプロモーターの特異性を決定することができる。 好 ま し い 実 施 の 形 態 の 説 明
1つの局面において、 本発明は、 機能性植物を提供する。 この機能性植物は、 特異的発現を行う少なくとも 1つのプロモーターおよび該プロモータ一に作動可 能に連結された遺伝子を含む。 本発明の機能性植物におけるプロモータ一の特異 性は、 そのプロモ一夕一を含有する遺伝子が含まれる c D N Aデ一夕べ一スにお けるそのプロモ一夕一を含有する遺伝子の発現頻度に基づいて決定される。 発現 頻度の解析方法は当該分野において周知であり上述したとおりである。
1つの実施形態において、 本発明の機能性植物において用いられる遺伝子は、 果実において発現されない。 別の実施形態において、 その遺伝子は、 葉において 特異的に発現される。 他の実施形態において、 その遺伝子は、 カルスにおいて特 異的に発現される。 本発明の機能性植物は、 単子葉植物または双子葉植物であり得る。 1つの実施 形態において、 本発明の機能性植物は、 単子葉植物であり得る。 1つの好ましい 実施形態において、 本発明の機能性植物は、 穀物 (例えば、 コムギ、 トウモロコ シ、 イネ、 ォォムギ、 ソルガム) であり得る。 より好ましくは、 本発明の機能性
植物は、 イネである。 他の好ましい実施形態において、 本発明の機能性植物は、 食用または嗜好用の作物 (例えば、 タバコ、 ピーマン、 ナス、 メロン、 トマ卜、 サツマィモ、 キャベツ、 ネギ、 ブロッコリ一、 ニンジン、 キゥリ、 柑橘類、 白菜、 レタス、 モモ、 ジャガイモおよびリンゴ) であり得る。 別の実施形態において、 本発明の機能性植物は、 観賞用の植物 (例えば、 パラのような花を観賞する植物 (ペチュニア、 力一ネ一シヨン、 キク、 トルコキキヨウ、 トレニァ) 、 松のよう な木) であり得る。 他の実施形態において、 本発明において利用される遺伝子は、 病害抵抗性遺伝 子または虫害抵抗性遺伝子 (例えば、 ディフェンシン、 ソマチン、 キチナ一ゼ、
B t、 オリザシス夕チン) であり得る。 本発明の好ましい実施形態において、 本発明において利用される遺伝子は、 ビ 夕ミン合成遺伝子、 糖合成遺伝子、 脂質合成遺伝子、 ポリケチド合成遺伝子, 光 合成遺伝子、 機能性成分合成遺伝子および転写因子からなる群より選択される遺 伝子であり得る。 別の局面において、 本発明は、 特異的発現を行うプロモーターに関する。 この プロモーターの特異性は、 そのプロモーターを含有する遺伝子が含まれる c D N Aデータベースにおけるそのプロモ一夕一を含有する遺伝子の発現頻度に基づい て決定される。
1つの実施形態において、 本発明のプロモーターは、 果実における遺伝子の発 現を駆動しない。 別の実施形態において、 本発明のプロモーターは、 葉における 遺伝子の発現を特異的に駆動する。 他の実施形態において、 本発明のプロモータ 一は、 カルスにおける遺伝子の発現を特異的に駆動する。 さらに別の実施形態に
おいて、 本発明のプロモーターは、 利用可能部位においてのみ特異的に遺伝子の 発現を駆動する。 さらに別の実施形態において、 本発明のプロモータ一は、 茎に 特異的に遺伝子の発現を駆動する。 さらに別の実施形態において、 本発明のプロ モーターは、 花において特異的に遺伝子の発現を駆動する。 さらに別の実施形態 において、 本発明のプロモーターは、 果実において特異的に遺伝子の発現を駆動 する。 さらに別の実施形態において、 本発明のプロモーターは、 種子において特 異的に遺伝子の発現を駆動する。 他の局面において、 本発明は、 特異的発現を行うプロモーターを含む発現カセ ットを提供する。 このプロモーターの特異性は、 該プロモーターを含有する遺伝 子が含まれる c D N Aデ一夕ベースにおける該プロモータ一を含有する遺伝子の 発現頻度に基づいて決定される。
1つの実施形態において、 本発明の発現カセットは、 果実における遺伝子の発 現を駆動しない。 別の実施形態において、 本発明の発現カセットは、 葉における 遺伝子の発現を特異的に駆動する。 他の実施形態において、 本発明の発現カセッ トは、 カルスにおける遺伝子の発現を特異的に駆動する。 さらに別の実施形態に おいて、 本発明の発現カセットは、 利用可能部位においてのみ特異的に遺伝子の 発現を駆動する。 さらに別の実施形態において、 本発明の発現カセットは、 根に 特異的に遺伝子の発現を駆動する。 さらに別の実施形態において、 本発明の発現 カセットは、 茎に特異的に遺伝子の発現を駆動する。 さらに別の実施形態におい て、 本発明の発現カセットは、 花において特異的に遺伝子の発現を駆動する。 さ らに別の実施形態において、 本発明の発現カセットは、 果実において特異的に遺 伝子の発現を駆動する。 さらに別の実施形態において、 本発明の発現カセットは、 種子において特異的に遺伝子の発現を駆動する。
• 他の局面において、 本発明は、 特異的発現を行う少なくとも 1つのプロモー夕 一およびそのプロモーターに作動可能に連結された遺伝子を含む植物から得られ る植物の利用可能部位を提供する。 このプロモーターの特異性は、 該プロモータ 一を含有する遺伝子が含まれる c D NAデ一夕ベースにおける該プロモ一ターを 含有する遺伝子の発現頻度に基づいて決定される。 好ましくは、 利用可能部位は 葉または果実であり得る。 好ましい実施形態において、 このプロモ一夕一は、 利 用可能部位での発現をさせない。 この場合、 その遺伝子は、 病害抵抗性遺伝子ま たは虫害抵抗性遺伝子であり得る (例えば、 ディフェンシン、 ソマチン、 キチナ —ゼ、 B t、 オリザシス夕チン) 。 1つの実施形態において、 このプロモー夕一 は、 利用可能部位で特異的に発現を駆動する。 この場合、 その遺伝子は、 ビタミ ン合成遺伝子、 糖合成遺伝子、 脂質合成遺伝子、 ポリケチド合成遺伝子、 光合成 系遺伝子、 機能性成分合成遺伝子および転写因子からなる群より選択される遺伝 子であり得る。 別の局面において、 本発明は、 所望の遺伝子産物を特異的に発現する植物を生 産する方法を提供する。 この方法は、 以下:
プロモーターの特異性を決定する工程であって、 そのプロモーターの特異性は、 そのプロモーターを含有する遺伝子が含まれる c D NAデ一夕ベースにおけるそ のプロモーターを含有する遺伝子の発現頻度に基づいて決定される、 工程; そのプロモーターとその所望の遺伝子産物をコードする核酸分子とを作動可能 に連結して連結混合物を作製する工程;
その連結混合物を植物に導入する工程;および
その植物を生長させる工程、
を包含する。 本発明はまた、 所望の遺伝子産物を生産する方法を提供する。 この方法は、 以
下の工程を包含する:
プロモータ一の特異性を決定する工程であって、 該プロモーターの特異性は、 該プロモーターを含有する遺伝子が含まれる c D NAデータベースにおける該プ 口モーターを含有する遺伝子の発現頻度に基づいて決定される、 工程;
該プロモータ一と該所望の遺伝子産物をコードする核酸分子とを作動可能に連 結して連結混合物を作製する工程;
該連結混合物を植物に導入する工程;
該植物を生長させる工程;および
該植物中の該所望の遺伝子産物を収集する工程。
1つの実施形態において、 このプロモ一夕一の特異性は、 D N Aチップによる 解析によって決定され得る。
1つの局面において、 本発明は、 本発明の方法によって得られる、 遺伝子産物 を提供する。 遺伝子産物としては、 抗生物質などの医薬品、 ポリペプチド、 タン パク質などが挙げられる。 遺伝子の二次代謝産物もまた、 本発明の方法によって 得られ得る。 以下に、 実施例に基づいて本発明を説明するが、 以下の実施例は、 例示の目的 のみに提供される。 従って、 本発明の範囲は、 上記実施形態にも実施例のみにも 限定されるものではなく、 特許請求の範囲によってのみ限定される。
実 施 例
(実施例 1 : c D N Aライブラリーを利用した特異的プロモータ一の同定) (イネ組織からの R N Aの抽出) .
以下のイネ組織から RNAを抽出した:ベンジルアデニン処理カルス、 ジべレ リン処理カルス、 ヒートショック処理カルス、 増殖期カルス、 幼根、 幼緑葉、 幼 黄化葉、 開花期穂。 簡潔には、 摩枠した植物組織をグァニジンチオシァネートお よびフエノール存在下でタンパクを変性させ、 水層とともに全 RN Aを回収する。 真核生物の mRNAは 3末端にポリ A配列を有しているため〇 1 i g o- dTを 固定化した担体に吸着させ溶出させることで特異的に単離することができる。
(抽出した RN Aからの cDN Aライブラリーの作製)
抽出した mRNAは逆転写酵素を用いて相補 DN A鎖 (1 s t S t r a n d) を合成し、 RN a s eHおよび DNAポリメラ一ゼを作用させて 2 n d S t r a n dを合成して c DN Aライブラリーを作製した。
(c DN Aライブラリーの分析)
作製した cDNAライブラリ一を DDB こ登録された既知配列と比較し、 同一ま たは類似する遺伝子ごとに出現頻度をまとめた。 まず第一に、 配列全域にわたり 90%を越す非常に高い相同性を有しているクローンを相同性検索の結果から抽 出する。 第二にそのクローンを相互に比較し、 配列中の特定箇所における塩基レ ベルの相違の有無について検討を行う。 特定箇所に明らかに二種以上の塩基の偏 りがある場合には同族の異なる遺伝子があるものと判断し、 偏りがない場合には、 単なる自動塩基配列決定装置による読み間違えと判断する。 同一であると判断し た一例を図 1に示す。 その結果を以下の表に表す。
【表 1】
#0f OPT
ID MEM CB CG CH CK RA SS ST EB EC .S ACC TITLE
Chlorophyl 1 a/b-bindmg protein type
EB0319 111
_1A 27 0 0 0 0 0 23 0 3 1 371 S04125 precursor
Auxin- induced protein
RA1583 (clone
_1B 27 4 3 1 0 1 12 5 0 0 372 S16636 PCNT107)
SS5153
_1A 25 0 0 0 0 0 23 0 2 0 480 S33443 CP29 protein
SS0410
J A 21 0 0 0 0 0 21 0 0 0
Chlorophyl 1 a/b-binding
EB0105 protein し
_1A 21 0 0 0 0 0 20 0 1 0 451 S21386 precursor
CD0049
J A 20 0 2 1 1 0 0 15 0 0 621 S37043 salT protein trypsin inhibi tor
RA0087 (Bowman -
— 1B 20 0 0 0 0 1 0 19 0 0 201 TIRZBR Birk)
:で、 CBはべンジルアデニン処理カルスを示し、 CGはジベレリン処理カルス
を示し、 CHはヒ一トショック処理カルスを示し、 CKは増殖期カルスを示し、 RAは 幼根を示し、 SSは幼緑葉を示し、 STは幼黄化葉を示し、 EBは開花期穂を示し、 EC は登熟初期穂を示す。 上記表をもとに、 所望の発現パターンを示すプロモ一夕一を選択することがで きた。 ここでは、 例えば、 脱分化状態 (カルス) 特異的プロモータ一、 葉特異的 プロモーター、 構成的発現プロモ一夕一を選んだ。 脱分化状態 (カルス) 特異的プロモーターは、 C B、 C G、 C Hおよび C Kか らなる群より選択される少なくとも 1つの部位のみまたはその部位で他より多い 発現を示す遺伝子のプロモーター領域から得た。 ここでは、 I Dが C G 0 0 6 0 —1に属するクローンを以下の実施例において使用した。 その配列は、 配列番号 1に示す。 葉特異的プロモーターは、 S Sおよび S Tからなる群より選択される少なくと も 1つの部位のみまたはその部位で他より多い発現を示す遺伝子のプロモータ一 領域から得た。 ここでは、 I Dが E B 0 0 8 2— 2に属するクロ一ンを以下の実 施例において使用した。 その配列は、 配列番号 2に示す。 構成的プロモータ一は、 全部位にわたってほぼ均一の発現を示す遺伝子のプロ モーター領域から得た。 ここでは、 I Dが R A 1 5 8 3—1に属するクローンを 選択した。 その配列は、 配列番号 3に示す。
(実施例 2 :選択したプロモー夕一の特異性の確認)
実施例 1で選択した各クローンが目的とする特異性を有するかどうかをこの実 施例で確認した。 具体的手順は以下のとおりである。
(選択したクローンの塩基配列決定)
まず、 選択したクロ一ンが予想される配列と同一であるかどうかを確認した。 配列決定は、 当業者に周知のジデォキシダイ夕一ミネ一シヨン法により行った。 概説すると、 配列決定を行う DNA鎖を熱変性により一本鎖状態としたところで、 塩基配列を決定する箇所よりも上流にプライマ一を付着させた。 塩基毎に異なる 蛍光色素を付加したジデォキシリポヌクレオチド 3リン酸およびデォキシヌクレ ォチド 3リン酸存在下で DNAポリメラーゼによる DNA合成反応を行った。 ジ デォキシリポヌクレオチド 3リン酸を取り込んだ塲合には DN A合成の伸長が停 止させた。 この反応産物をアクリルアミドゲルで電気泳動して分子量的に分離し、 蛍光色素を機械的に判読することにより塩基配列が明らかとなった。 次に、 決定した配列と、 DDB Jに登録されている配列とを比較して上記各ク ローンが目的とする配列を有することが確認された。
(実施例 3 :プロモーター領域の取得)
本実施例では、 目的とする配列を有することが確認されたクローンを用いてプ 口モータ一領域を取得した。 以下にその手順を簡潔に示す。 まず、 DDB Jに登録されているデータをもとにプライマ一を設計し、 市販の PCRベースの技術を用いた既知配列の上流を単離するキット (Ge n omew a l k e r ; C l on t e c h、 米国) を用いてクローニングを行い、 目的とす る遺伝子のプロモーター領域を取得した。 そのスキームを図 2に示す。 これらの断片は、 0. 6 kb〜2. 5 k bほどの長さを持っていた。
(実施例 4 :カルス特異的プロモー夕一を用いた機能性植物の作出)
(緑色蛍光タンパク質での発現ベクターの作製)
• 緑色蛍光タンパク質と、 カルス特異的に発現を駆動するプロモータ一であると 予測される CG0060—1由来のクロ一ンのプロモータ一領域 (配列番号 1) とを用いて発現ベクターを作製した。 その具体的手順は以下のとおりである。 イネゲノム DNAを制限酵素 Ec oRVで完全消化し、 生成した DNA断片の 両端すべてに GenomeWalkerのアダプタープライマ一 (配列番号 4) を付加し、 ァ ダブ夕一プライマー内部の配列および既知配列より設計したプライマーペアによ る PCR反応を行うことにより、 プロモーター領域を取得した。 取得した断片については、 使用上の簡便化のため、 両端に制限酵素認識配列を 付加した。 5, 末端側はアダプタープライマー配列の一部および制限酵素認識配 列を含むプライマー (配列番号 5) を設計し、 また 3' 末端側は翻訳開始点直前 の配列および制限酵素認識配列を含むプライマー (配列番号 6) を設計して PC R反応を行い、 両端に制限酵素認識配列を付加したプロモ一夕一カセット (配列 番号 7) を作製した。 ' バイナリ一ベクタ一 PTN 1の内部に設計されたマルチクロ一ニングサイトの H i n d I I Iおよび E c oR Iの間に、 プロモ一夕一カセッ卜化した本発明の プロモーターにより緑色蛍光夕ンパク質遺伝子を駆動し、 ァグロパクテリゥムの ノパリンシンタ一ゼ遺伝子に由来する転写終結シグナル配列により転写終結が行 われる構造の DN A断片を挿入したバイナリーベクタ一を構築した。 (イネへの発現べクタ一の導入)
作製したベクターでイネを形質転換した。 その具体的手順は以下のとおりであ
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る。 作製したベクタ一は電気穿孔法によりァグロパクテリゥムに導入し、 形質転換 ァグロパクテリゥムを得た。 前培養を行ったイネ種子を形質転換ァグロパクテリ ゥム存在下で 3日間共存培養することでァグロパクテリゥムを感染させた。 エタ ノールおよび次亜塩素酸ナトリウム溶液で殺菌し、 2, 4- Dを含む培地上で 5日間 培養を行ったイネの完熟種子をァグロパクテリゥムによる形質転換イネ作製に用 いた。 (結果)
上記の結果、 このプロモーターで形質転換されたイネ細胞が得られた。 (感染細胞の選択)
形質転換イネ細胞は P TNベクタ一中にコードされる n p t I I遺伝子により ジエネティシンに対する抵抗性を付与されることから、 ジエネティシンを含む N 6培地で培養することにより形質転換ィネ細胞のみを選抜した。
(形質転換イネの再分化)
次に、 形質転換されたイネから再分化させた。 その具体的手順は以下のとおり である。 形質転換イネ細胞はサイトカイニンを含む培地上で再分化を誘導し、 さらにホ ルモンを含まない培地上で土耕可能な個体にまで生育させた後に鉢上げした。 (結果)
上記の結果、 植物の各組織が得られた。
(特異的発現の確認)
得られたカルス、 植物体を各部位 (根 ·葉 *茎 *胚乳 ·胚) に分け、 発現特性 を確認した。
(結果)
結果を示す (図 3〜5 ) 。 図に示すように、 C G 0 0 6 0— 1由来のプロモー 夕一は、 根において特異的発現を駆動しないことが実証された。 また、 カルスでの特異的発現を駆動することが実証された。 また、 葉および米 粒では検出限界未満であったことが実証された。
(実施例 5 :葉特異的プロモー夕一を用いた機能性植物の作出)
(緑色蛍光タンパク質での発現べクタ一の作製)
録色蛍光タンパク質と、 葉特異的に発現を駆動するプロモーターであると予測 される E B 0 0 8 2— 2由来のクローンのプロモー夕一領域 (配列番号 2 ) とを 用いて発現べクタ一を作製した。 イネゲノム D NAを制限酵素 D r a Iで完全消化し、 生成した D NA断片の両 端すべてに GenomeWalkerのアダプタ一プライマー (配列番号 4 ) を付加し、 ァダ プ夕一プライマー内部の配列および既知配列より設計したプライマーペアによる P C R反応を行うことにより、 プロモ一夕一領域を取得した。 取得した断片については、 使用上の簡便化のため、 両端に制限酵素認識配列を 付加した。 5 ' 末端側はイネゲノム配列の一部および制限酵素認識配列を含むプ ライマー (配列番号 8 ) を設計し、 また 3 ' 末端側は翻訳開始点直前の配列およ
び制限酵素認識配列を含むプライマ一 (配列番号 9 ) を設計して P C R反応を行 い、 両端に制限酵素認識配列を付加したプロモーターカセット (配列番号 1 0 ) を作製した。 (イネへの発現べクタ一の導入)
作製したベクタ一でイネを形質転換した。 手短には、 バイナリ一ベクター p T Ν 1の内部に設計されたマルチクローニングサイトの H i n d I I Iおよび E c o R Iの間に、 プロモー夕一カセット化した本発明のプロモーターにより緑色蛍 光タンパク質遺伝子を駆動し、 ァグロバクテリウムのノパリンシン夕ーゼ遺伝子 に由来する転写終結シグナル配列により転写終結が行われる構造の D N A断片を 挿入したバイナリ一ベクタ一を構築した。
(結果)
上記の結果、 このプロモー夕一で形質転換されたイネ細胞が得られた。
(形質転換ィネのカルス作製)
次に、 形質転換されたイネからカルスを作製した。 その具体的手順は実施例 7 とおりである。
(結果)
上記の結果、 植物組織が得られた。
(形質転換ィネの再分化作製)
次に、 形質転換されたイネを再分化させた。 その具体的手順は実施例 7のとお りである。
(結果)
上記の結果、 植物体が得られた。
(特異的発現の確認)
得られたカルス、 植物体を各部位 (根 *葉 *茎 ·胚乳 ·胚) に分け、 発現特性 を確認した。
(結果)
結果を示す (図 3〜5) 。 図に示すように、 EB 0082— 2由来のプロモ一 夕一は、 根において特異的発現を駆動しないことが実証された (図 3) 。 また、 葉での特異的発現を駆動することが実証された (図 4) 。 また、 このプ ロモ—夕一は、 米粒においては発現が検出限界未満であった (図 5) 。
(実施例 6 :胚乳で発現しないプロモ一夕一を用いた機能性植物の作出)
(緑色蛍光夕ンパク質での発現べクタ一の作製)
緑色蛍光タンパク質と胚乳で発現しない特異性を有するプロモータ一であると 予測される RA1583—1由来のクローンのプロモ一夕一領域 (配列番号 3) とを用いて発現ベクターを作製した。 イネゲノム DNAを制限酵素 Pvu I Iで完全消化し、 生成した DNA断片の 両端すべてに GenomeWalkerのアダプタープライマ一 (配列番号 4) を付加し、 ァ ダプタ一プライマ一内部の配列および既知配列より設計したプライマ一ペアによ る PCR反応を行うことにより、 プロモータ一領域を取得した。 取得した断片については、 使用上の簡便化のため、 両端に制限酵素認識配列を
付加した。 5 ' 末端側はアダプタ一プライマー配列の一部および制限酵素認識配 列を含むプライマ一 (配列番号 5 ) を設計し、 また 3 ' 末端側は翻訳開始点直前 の配列および制限酵素認識配列を含むプライマ一 (配列番号 1 1 ) を設計して P C R反応を行い、 両端に制限酵素認識配列を付加したプロモーターカセット (配 列番号 1 2 ) を作製した。
(イネへの発現べクタ一の導入)
作製したベクタ一でイネを形質転換した。 手短には、 バイナリーベクター p T Ν 1の内部に設計されたマルチクロ一ニングサイ卜の H i n d I I Iおよび E c O R Iの間に、 プロモ一夕一カセット化した本発明のプロモーターにより緑色蛍 光タンパク質遺伝子を駆動し、 ァグロパクテリゥムのノパリンシンターゼ遺伝子 に由来する転写終結シグナル配列により転写終結が行われる構造の D N A断片を 挿入したバイナリ一ベクタ一を構築した。 (結果)
上記の結果、 このプロモータ一で形質転換されたイネ細胞が得られた。 (感染細胞の選択)
次に、 感染したイネを選択した。 その具体的手順は実施例 7とおりである。
(形質転換イネの再分化)
次に、 形質転換されたイネを再分化させた。 その具体的手順は実施例 7のとお りである。 (結果)
上記の結果、 植物の各組織が得られた。
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(特異的発現の確認)
得られたカルス、 植物体を各部位 (根 ·葉 *茎*胚乳 '胚) に分け、 発現特性 を確認した。
(結果)
結果を示す (図 3〜5 ) 。 図に示すように、 R A 1 5 8 3—1由来のクロ一ン のプロモ一夕一領域は、 葉において特異的発現を駆動することが実証された (図 4 ) 。 根ではこのプロモータ一領域は、 特異的発現を駆動しなかった。 。 また、 利用可能部位として米粒の胚芽での特異的発現は有意に検出されたこと が実証された。
(実施例 7 :カルス特異的発現を駆動するクローンのプロモーター領域の有用 性の実証)
次にカルス特異的に発現を駆動するプロモータ一であると予測される C G O 0 6 0—1由来のクロ一ンのプロモ一ター領域のプロモータ一としての発現強度の 実用性を確認した。 具体的手順を以下に示す。
(プロモーター領域のレポ一夕一遺伝子との連結)
次に、 発現べクタ一を用いて抗生物質耐性遺伝子であるハイグロマイシンホス ホリルトランスフェラーゼ (HPT)と上記クローンのプロモーター領域とを連結し、 発現強度の実用性を確認した。 その手順を以下に簡潔に示す。
C a MV 3 5 Sプロモータ一により H P T遺伝子を駆動する構造をもつパイナ リ一ベクター P TH 1の C a MV 3 5 Sプロモーター部を取り除き、 代わりに本
T JP02/02817
発明のプロモータ一により H P T遺伝子を駆動する構造をもつパイナリ一ベクタ —を構築した。 単子葉植物の超迅速形質転換法 (特許第 3 1 4 1 0 8 4号) に準 じた方法でイネ細胞に導入した。
(結果)
結果を図 6および 7に示す。 図 6中の電気泳動図からもあきらかなように、 本実施例で作製し生育したィネ カルスには、 ハイグロマイシンホスホリルトランスフエラーゼが組み込まれてい た。 また、 図 7に示すように、 本実施例で作製したベクタ一による形質転換カル スはハイグロマイシンに対する抵抗性が付与されていた。 なお、 P THは、 ポジ ティブコント口一ルとして使用した C a MV 3 5 Sプロモーターにより H P T遺 伝子を駆動する構造を有するベクターの結果を示す。 本実施例で用いたプロモーターを挿入したものはハイグロマイシン抵抗性を付 与するに十分な発現強度を持っていることが実証された。 なお、 コントロールと して使用した野生型のものは、 ハイグロマイシン耐性をが付与されていなかった (図 7 ) 。 従って、 C G 0 0 6 0—1由来のクローンは、 カルス特異的プロモー 夕一領域を含んでいたことが実証された。
(実施例 8 :胚乳で発現しないプロモーター領域の有用性の実証)
次に胚乳で発現しない特異性を有するプロモーターであると予測される R A 1 5 8 3—1由来のクローンの発現強度の実用性を調べた。 具体的手順を以下に示 す。
(プロモーター領域のレポ一ター遺伝子との連結)
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発現ベクターを用いて抗生物質耐性遺伝子と上記クローンのプロモー夕一領域 とを連結し、 プロモーターとしての発現強度の実用性を確認した。 その手順は実 施例 7に記載のとおりであった。 (結果:)
結果を図 6および 7に示す。 図 6中の電気、泳動図からもあきらかなように、 本実施例で作製し生育したィネ カルスには、 ハイグロマイシンホスホリルトランスフエラーゼが組み込まれてい た。 また、 図 7に示すように、 本実施例で作製したベクタ一による形質転換カル スはハイグロマイシンに対する抵抗性が付与されていた。 本実施例で用いたプロモーターを挿入したものはハイグロマイシン抵抗性を付 与するに十分な発現強度を持っていることが実証された。 コントロールとして使 用した野生型のものは、 ハイグロマイシン耐性をが付与されていなかった。 従つ て、 R A 1 5 8 3—1由来のクロ一ンは、 ハイグロマイシン抵抗性を付与するに 十分な発現強度を持つていることが実証された。
(比較例)
比較として、 C a MV 3 5 S由来のプロモ一ターを用いて実施例 7および 8 と同様の実験を行った。 同様にこのプロモーターでもハイグロマイシン抵抗性が 付与された。
(結論)
以上のように、 c D N Aデータベースにおけるプロモータ一を含有する遺伝子 の発現頻度に基づいて決定された特異性を有するプロモー夕一を利用して作出さ
漏 17
れた機能性植物が、 実際に目的とする機能を有することが実証された。 このような機能性植物の設計 ·作出を行うことが可能となったことは、 従来技 術では達成不可能であった画期的な技術であり、 産業上での利用価値ははかりし れない。
(発明の効果)
目的とする部位で特異的発現をするかまたはしないように遺伝子発現パターン を改変した機能性植物が提供された。 産 業 上 の 利 用 可 能 性
本発明の機能性植物を構築する方法により、 所望の遺伝子を植物の所望の部位 に任意に発現させるための系を構築することが達成された。 本発明の方法では、 任意の所望の部位に遺伝子産物を発現させ、 または発現させないような機能性植 物が提供される。 このように自由自在に機能植物を提供することができたことは 産業上大いに有用である。